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  • 特開-回転電機 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024051085
(43)【公開日】2024-04-10
(54)【発明の名称】回転電機
(51)【国際特許分類】
   H02K 9/19 20060101AFI20240403BHJP
【FI】
H02K9/19 Z
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024027647
(22)【出願日】2024-02-27
(62)【分割の表示】P 2020165572の分割
【原出願日】2020-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】501137636
【氏名又は名称】東芝三菱電機産業システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中川 仁
(72)【発明者】
【氏名】小山田 将亜
(57)【要約】
【課題】設置場所への設置がしやすい新規な構成の回転電機を得る。
【解決手段】回転電機1は、第1筐体11と、固定子と、回転子と、軸受16と、油槽17と、冷却ユニット50と、制御装置と、冷却装置3と、を備える。制御装置は、冷却ユニット50を制御する。冷却装置3は、回転子および固定子を冷却する。第1筐体11は、シャフト14の軸方向に互いに間隔を空けて配置された二つの第1壁11c,11dと、軸方向と直交する方向に互いに間隔を空けて配置された二つの第2壁11eと、二つの第1壁11c,11dと二つの第2壁11eとを接続した天壁11bと、を有する。冷却ユニット50は、二つの第2壁11eのうちの一方に取り付けられている。制御装置は、二つの第2壁11eのうちの他方に取り付けられている。冷却装置3は、天壁11bに取り付けられている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転電機であって、
第1筐体と、
前記第1筐体に収容された固定子と、
前記第1筐体に収容された回転子鉄心と、前記回転子鉄心が固定されたシャフトと、を有した回転子と、
前記シャフトを前記第1筐体に対して回転可能に支持した軸受と、
前記軸受を潤滑する潤滑油を貯留する油槽と、
第2筐体と、前記第2筐体に収容され前記潤滑油を冷却する冷却部と、前記第2筐体に収容され、前記油槽と前記冷却部との間で前記潤滑油を循環させるポンプと、前記ポンプを駆動する駆動源と、を有し、前記第1筐体に取り付けられ、前記第1筐体の外側に配置され前記回転電機の外側に露出した冷却ユニットと、
前記冷却ユニットを制御する制御装置と、
前記回転子および前記固定子を冷却する冷却装置と、
を備え、
前記第1筐体は、前記シャフトの軸方向に互いに間隔を空けて配置された二つの第1壁と、前記軸方向と直交する方向に互いに間隔を空けて配置された二つの第2壁と、二つの前記第1壁と二つの前記第2壁とを接続した天壁と、を有し、
前記冷却ユニットは、二つの前記第2壁のうちの一方に取り付けられ、
前記制御装置は、二つの前記第2壁のうちの他方に取り付けられ、
前記冷却装置は、前記天壁に取り付けられた、回転電機。
【請求項2】
前記軸受および前記油槽は、それぞれ二つ設けられ、
前記軸方向で二つの前記軸受の間に前記回転子鉄心が位置し、
前記ポンプ、前記駆動源、および前記冷却部は、それぞれ一つだけ設けられ、
前記ポンプは、二つの前記油槽と前記冷却部との間で前記潤滑油を循環させる、請求項1に記載の回転電機。
【請求項3】
前記第1壁のそれぞれに前記軸受が設けられた、請求項2に記載の回転電機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転電機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、回転子のシャフトを支持する軸受の潤滑油を冷却することにより軸受を冷却する冷却部を備えた回転電機が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-201516号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この種の回転電機では、例えば、回転電機の設置場所への回転電機の設置がしやすい新規な構成が得られれば有益である。
【0005】
そこで、本発明の課題の一つは、設置場所への設置がしやすい新規な構成の回転電機を得ることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態の回転電機は、第1筐体と、前記第1筐体に収容された固定子と、前記第1筐体に収容された回転子鉄心と、前記回転子鉄心が固定されたシャフトと、を有した回転子と、前記シャフトを前記第1筐体に対して回転可能に支持した軸受と、前記軸受を潤滑する潤滑油を貯留する油槽と、第2筐体と、前記第2筐体に収容され前記潤滑油を冷却する冷却部と、前記第2筐体に収容され、前記油槽と前記冷却部との間で前記潤滑油を循環させるポンプと、前記ポンプを駆動する駆動源と、を有し、前記第1筐体に取り付けられ、前記第1筐体の外側に配置され前記回転電機の外側に露出した冷却ユニットと、前記冷却ユニットを制御する制御装置と、前記回転子および前記固定子を冷却する冷却装置と、を備え、前記第1筐体は、前記シャフトの軸方向に互いに間隔を空けて配置された二つの第1壁と、前記軸方向と直交する方向に互いに間隔を空けて配置された二つの第2壁と、二つの前記第1壁と二つの前記第2壁とを接続した天壁と、を有し、前記冷却ユニットは、二つの前記第2壁のうちの一方に取り付けられ、前記制御装置は、二つの前記第2壁のうちの他方に取り付けられ、前記冷却装置は、前記天壁に取り付けられている。
【発明の効果】
【0007】
本発明の回転電機によれば、設置場所への設置がしやすい新規な構成の回転電機を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態の全閉外扇形回転電機の例示的な側面図である。
図2図2は、実施形態の全閉外扇形回転電機の例示的な正面図である。
図3図3は、実施形態の全閉外扇形回転電機における回転電機本体の例示的な断面図である。
図4図4は、実施形態の全閉外扇形回転電機における軸受冷却装置の例示的な構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の例示的な実施形態が開示される。以下に示される実施形態の構成(技術的特徴)、ならびに当該構成によってもたらされる作用および結果(効果)は、一例である。
【0010】
<全閉外扇形回転電機1の構成>
図1は、実施形態の全閉外扇形回転電機1の例示的な側面図である。図2は、実施形態の全閉外扇形回転電機1の例示的な正面図である。
【0011】
図1および図2に示されるように、全閉外扇形回転電機1は、回転動作を行う回転電機本体2と、冷却装置3と、軸受冷却装置4と、制御装置5と、を備える。全閉外扇形回転電機1の内部には、回転電機本体2と冷却装置3とに亘って、空気などの冷却用気体で満たされた閉空間が設けられている。回転電機本体2の発熱によって加熱された閉空間の冷却用気体が冷却装置3にて外気と熱交換されることにより、回転電機本体2が冷却される。軸受冷却装置4は、回転電機本体2の軸受16の潤滑油を冷却することにより軸受16を冷却する。制御装置5は、全閉外扇形回転電機1の回転動作の制御および冷却ユニット50の制御を行う。全閉外扇形回転電機1は、回転電機の一例である。
【0012】
<回転電機本体2>
図3は、実施形態の全閉外扇形回転電機1における回転電機本体2の例示的な断面図である。図1図3に示されるように、回転電機本体2は、筐体11と、回転子12と、固定子13と、軸受16と、油槽17と、を有する。なお、図3では、油槽17の図示が省略されている。
【0013】
以下の説明では、便宜上、互いに直交する三方向が定義されている。X方向は、筐体11の長手方向および回転子12の回転中心軸Axの軸方向に沿う。Y方向は、筐体11の短手方向および回転中心軸Axの軸方向と直交する方向に沿う。Z方向は、筐体11の上下方向に沿う。X方向、Y方向、およびZ方向は、互いに直交する。Y方向は、回転中心軸Axと直交する方向の一例である。ここで、回転中心軸Axは、回転子12のシャフト14の中心軸(中心線)である。すなわち、回転中心軸Axの軸方向、径方向、および周方向は、シャフト14の軸方向、径方向、および周方向と同じである。なお、以下の説明では、特に言及しない限り、軸方向、径方向、および周方向は、回転中心軸Axの軸方向、径方向、および周方向、すなわちシャフト14の軸方向、径方向、および周方向である。
【0014】
筐体11は、箱型に形成されている。筐体11は、回転子12の一部と固定子13と、を収容している。筐体11は、第1筐体の一例である。
【0015】
筐体11は、底壁11aや、天壁11b、二つの端壁11c,11d、二つの側壁11e,11f等の複数の壁を有している。
【0016】
底壁11aおよび天壁11bは、いずれも、Z方向と直交する方向(X-Y平面)に沿って延びており、Z方向に間隔をあけて互いに平行に設けられている。底壁11aは、筐体11の下端部を構成し、天壁11bは、筐体11の上端部を構成している。
【0017】
端壁11cおよび端壁11dは、いずれも、軸方向すなわちX方向と直交する方向(Y-Z平面)に沿って延びており、X方向に間隔をあけて互いに平行に設けられている。端壁11cは、底壁11aおよび天壁11bのX方向の反対方向の端部の間に亘り、端壁11dは、底壁11aおよび天壁11bのX方向の端部の間に亘っている。端壁11c,11dは、第1壁の一例である。
【0018】
側壁11eおよび側壁11fは、いずれも、軸方向と直交する方向すなわちY方向と直交する方向(X-Z平面)に沿って延びており、Y方向に間隔をあけて互いに平行に設けられている。側壁11eは、底壁11aおよび天壁11bのY方向の端部の間に亘り、側壁11fは、底壁11aおよび天壁11bのY方向の反対方向の端部の間に亘っている。側壁11e,11fは、第2壁の一例である。
【0019】
天壁11bには、冷却装置3が取り付けられている。また、側壁11eには、軸受冷却装置4の冷却ユニット50が取り付けられている。また、側壁11fには、制御装置5が取り付けられている。すなわち、冷却ユニット50と制御装置5とは、筐体11に対して互いに反対側に配置されている。換言すると、冷却ユニット50と制御装置5との間に筐体11が配置されている。冷却装置3、冷却ユニット50、および制御装置5は、それぞれ筐体11の外部に配置されている。
【0020】
回転子12は、シャフト14と、回転子鉄心15と、を有する。シャフト14のうち軸方向の両端部の間の部分に回転子鉄心15が固定されている。
【0021】
シャフト14は、回転中心軸Ax回りに回転可能に二つの軸受16を介して筐体11に支持されている。換言すると、二つの軸受16は、シャフト14を筐体11に対して回転可能に支持している。二つの軸受16は、軸方向において回転子鉄心15の両側に位置している。すなわち、軸方向で二つの軸受16の間に回転子鉄心15が位置している。
【0022】
シャフト14の軸方向の両端部14a,14bは、筐体11から筐体11の外部に突出している。一方の端部14aは、結合対象(不図示)と結合される。また、他方の端部14bには、外扇(不図示)が固定されている。外扇は、シャフト14と一体に回転する。また、シャフト14における二つの軸受16と回転子鉄心15とのそれぞれの間には、内扇18が固定されている。内扇18は、シャフト14と一体に回転する。
【0023】
二つの軸受16は、二つの端壁11c,11dに設けられている。軸受16は、例えば、すべり軸受やころがり軸受等である。軸受16は、潤滑油によって潤滑される。
【0024】
図1および図2に示される油槽17は、軸受16の潤滑油を貯留する。油槽17は、軸受16ごとに設けられている。すなわち、二つの油槽17が設けられている。二つの油槽17は、二つの端壁11c,11dに設けられている。油槽17は、軸受16の下方側すなわちZ方向の反対方向側に配置されている。油槽17は、貯留槽とも称される。
【0025】
図3に示されるように、固定子13は、固定子鉄心19と、固定子巻線20と、を有する。固定子鉄心19は、筐体11に固定されている。すなわち、固定子13は、筐体11に固定されている。固定子鉄心19は、径方向における回転子鉄心15の外側に位置し、回転子鉄心15を囲む円筒状に形成されている。固定子巻線20は、軸方向に延びるように固定子鉄心19の内周部19aに形成された複数のスロット(不図示)内を貫通して、固定子鉄心19に固定されている。
【0026】
<冷却装置3>
図1および図2に示されるように、冷却装置3は、筐体11の天壁11bに重ねられて天壁11bに固定されている。冷却装置3は、筐体11内の空気と筐体11外の空気である外気との間で熱交換をすることにより、回転子12および固定子13を冷却する。筐体11内の空気は、内扇18によって筐体11と冷却装置3との間を循環し、外気は、外扇によって冷却装置3内に導入される。
【0027】
<軸受冷却装置4>
図1および図2に示されるように、軸受冷却装置4は、冷却ユニット50と、二つの配管部55と、を備える。冷却ユニット50は、二つの配管部55によって、二つの軸受16および二つの油槽17と接続されている。冷却ユニット50には、二つの配管部55を介して油槽17から流出した潤滑油が流入し、冷却ユニット50から流出した潤滑油は、軸受16に供給された後に油槽17に流入する。
【0028】
図4は、実施形態の全閉外扇形回転電機1における軸受冷却装置4の例示的な構成図である。図4に示されるように、冷却ユニット50は、筐体51と、冷却部53と、ポンプ52と、モータ60と、AC/DCコンバータ54と、を有する。
【0029】
筐体51は、箱型に形成されている。筐体11は、冷却部53、ポンプ52、モータ60、およびAC/DCコンバータ54を収容している。筐体51は、回転電機本体2の筐体11の側壁11eにボルト等の結合具によって着脱可能に固定されている。筐体51には、筐体51内の空気を換気するための通気口が設けられている。筐体51は、第2筐体の一例である。
【0030】
冷却部53は、潤滑油を冷却する。冷却部53は、潤滑油が通過する熱交換器と、ファンとを有する。熱交換器内には潤滑油が流れる。ファンは、熱交換器の表面に沿って空気が流れるように送風を行う。熱交換器内の潤滑油は、熱交換器外の空気(外気)との間で熱交換され、冷却される。冷却部53のファンには、AC/DCコンバータ54から電力が供給される。
【0031】
ポンプ52は、モータ60によって駆動さることにより、油槽17と冷却部53との間で潤滑油を循環させる。モータ60には、AC/DCコンバータ54から電力が供給される。モータ60は、駆動源の一例である。
【0032】
本実施形態では、ポンプ52、モータ60、および冷却部53は、それぞれ一つだけ設けられている。ポンプ52は、二つの油槽17と冷却部53との間で潤滑油を循環させる。
【0033】
配管部55は、複数の管55a~55eを有する。配管部55の入口側の端部55fは、油槽17と接続され、配管部55の出口側の端部55gは、軸受16と接続されている。管55a,55bは、油槽17とポンプ52との間に亘っている。管55aは、端部55fを含む。管55cは、ポンプ52と冷却部53との間に亘っている。管55d,55eは、冷却部53と軸受16との間に亘っている。管55eは、端部55gを含む。
【0034】
また、管55aおよび管55bの間と、管55dおよび管55eの間には、それぞれ、連結部56が設けられている。管55aおよび管55bの間の連結部56は、管55aと管55bとを互い着脱可能に連結している。管55dおよび管55eの間の連結部56は、管55dと管55eとを互い着脱可能に連結している。各連結部56は、一方の管55a,55dに設けられたフランジ57と、他方の管55b,55eに設けられたフランジ57と、これら二つのフランジ57を結合するボルトなどの結合具58と、を有する。結合具58が取り外されることにより、二つのフランジ57を分離することができる。ここで、配管部55のうち管55b~55dは、冷却ユニット50に含まれる。したがって、冷却ユニット50は、管55a,55eひいては軸受16および油槽17に対して着脱可能である。
【0035】
以上の構成の軸受冷却装置4では、モータ60の駆動によりポンプ52が回転すると、潤滑油が油槽17と冷却部53との間を循環する。具体的には、二つの油槽17内の潤滑油から流出した潤滑油が、管55a,55b、ポンプ52、および管55cを通って冷却部53に流入する。冷却部53に流入した潤滑油は、冷却部53内を流れるときに冷却部53によって冷却された後、冷却部53から流出する。冷却部53から流出した潤滑油は、管55d,55eを通って軸受16に供給される。これにより軸受16が潤滑されるとともに冷却される。軸受16に供給された潤滑油は、油槽17に落下する。すなわち、潤滑油が油槽17に戻る。
【0036】
<実施形態の効果>
以上のように、本実施形態では、全閉外扇形回転電機1(回転電機)は、筐体11(第1筐体)と、固定子13と、回転子12と、軸受16と、油槽17と、冷却ユニット50と、を備える。固定子13は、筐体11に収容されている。回転子12は、筐体11に収容された回転子鉄心15と、回転子鉄心15が固定されたシャフト14と、を有する。軸受16は、シャフト14を筐体11に対して回転可能に支持している。油槽17は、軸受16を潤滑する潤滑油を貯留する。冷却ユニット50は、筐体51と、冷却部53と、ポンプ52と、モータ60(駆動源)と、を有し、筐体11に取り付けられている。冷却部53は、筐体51に収容され潤滑油を冷却する。ポンプ52は、筐体51に収容され、油槽17と冷却部53との間で潤滑油を循環させる。モータ60は、ポンプ52を駆動する。
【0037】
このような構成によれば、冷却部53、ポンプ52、およびモータ60を有する冷却ユニット50が、筐体11に取り付けられているので、例えば、潤滑油を冷却するための構成としての冷却部53、ポンプ52、およびモータ60が、筐体11に取りけられていない構成に比べて、全閉外扇形回転電機1の設置場所への全閉外扇形回転電機1の設置がやりやすい。冷却部53、ポンプ52、およびモータ60が、筐体11に取りけられていない構成では、例えば、設置場所にて冷却部53、ポンプ52、およびモータ60を軸受16および油槽17に接続しなければならないため、全閉外扇形回転電機1の設置に手間がかかる。全閉外扇形回転電機1の設置場所は、例えば各種のプラントや工場である。また、上記の構成によれば、冷却ユニット50による潤滑油の循環によって軸受16に対する潤滑油の供給と軸受16の冷却との両方がなされるので、例えば軸受16を強制給油式や水冷式にしなくてよい。よって、全閉外扇形回転電機1のコストの低減を図ることができる。ここで、強制給油式の軸受は、例えば横置き型の全閉外扇形回転電機1における高速タイプや高周囲温度仕様で使用され、水冷式の軸受は、例えば、縦置き型(立型)の全閉外扇形回転電機(不図示)で使用される。
【0038】
また、本実施形態では、軸受16および油槽17は、それぞれ二つ設けられている。シャフト14の軸方向で二つの軸受16の間に回転子鉄心15が位置している。ポンプ52、モータ60、および冷却部53は、それぞれ一つだけ設けられている。ポンプ52は、二つの油槽17と冷却部53との間で潤滑油を循環させる。
【0039】
このような構成によれば、それぞれ一つのポンプ52、モータ60、および冷却部53によって、二つの軸受16の潤滑および冷却をすることができる。よって、ポンプ52、モータ60、および冷却部53が二つの軸受16に対応してそれぞれ二つずつ設けられた構成に比べて、全閉外扇形回転電機1の構成を簡素化することができる。
【0040】
また、本実施形態では、筐体11は、軸方向に互いに間隔を空けて配置された二つの端壁11c,11d(第1壁)と、軸方向と直交する方向に互いに間隔を空けて配置された二つの側壁11e,11f(第2壁)と、を有する。端壁11c,11dのそれぞれに軸受16が設けられている。冷却ユニット50は、筐体11の外側に配置され二つの側壁11e,11fのうちの一方(例えば、側壁11e)に固定されている。
【0041】
このような構成によれば、二つの軸受16および油槽17が取り付けられていない側へ11eに冷却ユニット50が固定されているので、冷却ユニット50の取り付け領域を容易に確保することができるとともに、冷却ユニット50の着脱が容易である。
【0042】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0043】
1…全閉外扇形回転電機(回転電機)、3…冷却装置、5…制御装置、11…筐体(第1筐体)、12…回転子、13…固定子、14…シャフト、15…回転子鉄心、16…軸受、17…油槽、50…冷却ユニット、51…筐体(第2筐体)、52…ポンプ、53…冷却部、60…モータ(駆動源)、11b…天壁、11c,11d…端壁(第1壁)、11e,11f…側壁(第2壁)。
図1
図2
図3
図4