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特開2024-51102アセトアミノフェンおよびスルホアルキルエーテルシクロデキストリンを含む製剤
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  • 特開-アセトアミノフェンおよびスルホアルキルエーテルシクロデキストリンを含む製剤 図1
  • 特開-アセトアミノフェンおよびスルホアルキルエーテルシクロデキストリンを含む製剤 図2
  • 特開-アセトアミノフェンおよびスルホアルキルエーテルシクロデキストリンを含む製剤 図3
  • 特開-アセトアミノフェンおよびスルホアルキルエーテルシクロデキストリンを含む製剤 図4A
  • 特開-アセトアミノフェンおよびスルホアルキルエーテルシクロデキストリンを含む製剤 図4B
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024051102
(43)【公開日】2024-04-10
(54)【発明の名称】アセトアミノフェンおよびスルホアルキルエーテルシクロデキストリンを含む製剤
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/167 20060101AFI20240403BHJP
   A61P 25/02 20060101ALI20240403BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20240403BHJP
   A61K 9/08 20060101ALI20240403BHJP
   A61K 47/40 20060101ALI20240403BHJP
【FI】
A61K31/167
A61P25/02
A61P29/00
A61K9/08
A61K47/40
【審査請求】有
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024028183
(22)【出願日】2024-02-28
(62)【分割の表示】P 2022125300の分割
【原出願日】2017-09-15
(31)【優先権主張番号】62/395,794
(32)【優先日】2016-09-16
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(71)【出願人】
【識別番号】501278788
【氏名又は名称】サイデックス・ファーマシューティカルズ・インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ラエフスキー,ロジャー
(72)【発明者】
【氏名】ピプキン,ジェイムズ ディー.
(72)【発明者】
【氏名】モシャー,ジェロルド エル.
(57)【要約】
【課題】本出願は、アセトアミノフェンおよびスルホアルキルエーテルシクロデキストリンを含む医薬製剤を提供することを課題とする。
【解決手段】アセトアミノフェン;およびスルホアルキルエーテルシクロデキストリンを含み、アセトアミノフェンに対するスルホアルキルエーテルシクロデキストリンのモル比は約0.01~約2の範囲である医薬製剤を見出した。この製剤を、患者の解熱もしくは熱の治療または疼痛の緩和のために注射可能な形態の製剤とすることができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
アセトアミノフェン;および
スルホアルキルエーテルシクロデキストリン、
を含む医薬製剤であって、
アセトアミノフェンに対するスルホアルキルエーテルシクロデキストリンのモル比が約0.01~約2の範囲であり、前記製剤はN-アセチルシステインも、L-メチオニンも、L-システインも、塩酸システインも、またはこれらの混合物も含まない、
前記医薬製剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アセトアミノフェンおよびスルホアルキルエーテルシクロデキストリンを含む製剤に関する。
【背景技術】
【0002】
パラセタモール、またはAPAP、化学名N-アセチル-p-アミノフェノールとしても知られているアセトアミノフェンは、広く使用されている一般用医薬品の鎮痛剤(analgesic)(鎮痛剤(pain reliever))および解熱剤(antipyretic)(解熱剤(fever reducer))である。アセトアミノフェンは、緩和鎮痛剤として分類される。頭痛薬および他の軽度の痛み(aches)および疼痛(pains)に対して共通に使用され、多くの感冒およびインフルエンザ治療薬の主要成分である。オピオイド鎮痛薬と併用して、パラセタモールも、手術後疼痛などのより重度の疼痛の治療に使用することができ、進行がん患者の緩和ケアを提供する。
【0003】
医薬製剤中にアセトアミノフェンは、加水分解し易くp-アミノフェノールを生成し、それから、p-アミノフェノールはキノンイミンに分解し得る(例えば、J. E. Fairbrother, “Acetaminophen” in Analytical Profiles of Drug Substances, 1974, vol. 3, pp. 1-109参照)。パラセタモールの分解速度は、温度および光の上昇と共に増大する。
この速度は、pH6付近において最小となる(K. T. Koshyら, 1961, J. Pharm. Sci. 50, pp. 116-118)。緩衝剤またはフリーラジカル捕捉剤の添加によるアセトアミノフェン
の注射用液剤の安定化方法は、特定の患者において潜在的刺激、アレルギーおよび/または発がん効果の原因となる欠点を有する。
【発明の概要】
【0004】
いくつかの実施形態は、アセトアミノフェンおよびスルホアルキルエーテルシクロデキストリンを含む医薬製剤であって、アセトアミノフェンに対するスルホアルキルエーテルシクロデキストリンのモル比が約0.01~約2の範囲であり、製剤はN-アセチルシステインも、L-メチオニンも、L-システインも、塩酸システインも、またはこれらの混合物も含まない、前記製剤に関する。
【0005】
いくつかの実施形態は、アセトアミノフェンおよびスルホアルキルエーテルシクロデキストリンを含む滅菌使い捨て容器であって、アセトアミノフェンおよびスルホアルキルエーテルシクロデキストリンは固体であり、アセトアミノフェンに対するスルホアルキルエーテルシクロデキストリンのモル比は約0.01~約2の範囲である、前記容器に関する。
【0006】
いくつかの実施形態は、アセトアミノフェンおよびスルホアルキルエーテルシクロデキストリンを含む液剤の有効量を、それを必要とする対象に注射により投与することを含む、前記対象の解熱もしくは熱の治療方法または痛みの緩和方法であって、アセトアミノフェンに対するスルホアルキルエーテルシクロデキストリンのモル比が約0.01~約2の範囲である、前記方法に関する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】5℃および25℃におけるカプチゾル(CAPTISOL)(登録商標)溶液中のアセトアミノフェンの相溶解度を示す。
図2】8週間、様々な温度におけるアセトアミノフェンカプチゾル(登録商標)溶液の安定性試験を示す。
図3】25℃、60%RHにおいて6か月間貯蔵した、酢酸緩衝剤およびリン酸緩衝剤を含むカプチゾル(登録商標)(0.1M)中のアセトアミノフェン(10mg/ml)製剤、オフィルメブ(Ofirmev)(登録商標)製剤(10mg/mlのアセトアミノフェン)、およびメタノールコントロールのクロマトグラムを示す。
図4A】20℃、湿度60%において12か月間貯蔵後のオフィルメブ(登録商標)およびアセトアミノフェンカプチゾル(登録商標)製剤中に検出された全ての関連物質の量を示す。
図4B】20℃、湿度60%において12か月間貯蔵後のオフィルメブ(登録商標)およびアセトアミノフェンカプチゾル(登録商標)製剤中に検出されたp-アミノフェノール量を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
用語「薬学的に許容可能なカチオン」は、生物学的効果および化合物特性を保持するカチオンであって、生物学的にも他にも医薬品用途に望ましくないものではないカチオンを表す。カチオンの例としては、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、マンガン、アルミニウムなどが挙げられ;特に好ましいのはアンモニウム、カリウム、ナトリウム、カルシウムおよびマグネシウムカチオンが挙げられるが、これらに限定されない。他のタイプのカチオンとしては、例えば、第一級、第二級、および第三級アミン類、天然置換アミンを含む置換アミン類、環式アミン類、塩基性イオン交換樹脂など、具体的には、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、およびエタノールアミンを挙げることができる。国際公開第87/05297号、Johnston et al.、1987年9月1
1日公開(その全文を参照することにより本明細書に組み入れられる)に記載されているように、多くのこのようなカチオンは当技術分野において公知である。
【0009】
用語「その薬学的に許容可能な塩」は、生物学的効果および好ましい実施形態の化合物の特性を保持する塩であって、生物学的にも他にも望ましくないものではない塩を表す。多くの場合、好ましい実施形態の化合物は、アミノ基および/もしくはカルボキシル基またはこれと同様な基によって酸性および/または塩基性塩を形成することができる。薬学的に許容可能な酸付加塩を、無機酸および有機酸と形成することができる。塩が誘導される無機酸としては、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸などが挙げられる。塩が誘導される有機酸としては、例えば、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、マレイン酸、マロン酸、コハク酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p-トルエンスルホン酸、サリチル酸などが挙げられる。薬学的に許容可能な塩基付加塩を、無機塩基および有機塩基と形成することができる。塩が誘導される無機塩基としては、例えば、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛、銅、マンガン、アルミニウムなどが挙げられ;特に好ましいのはアンモニウム、カリウム、ナトリウム、カルシウムおよびマグネシウム塩を挙げることができる。塩が誘導される有機塩基としては、例えば、第一級、第二級、および第三級アミン類、天然置換アミンを含む置換アミン類、環式アミン類、塩基性イオン交換樹脂など、具体的には、イソプロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、およびエタノールアミンを挙げることができる。国際公開第87/05297号、Johnston et al.、1987年9月11日公開(参照することにより本明細書に組み入れられる)に
記載されているように、多くのこのような塩は当技術分野において公知である。
【0010】
本明細書で使用されるとき、「アルキル」は、完全に飽和している(すなわち、二重結合も三重結合も含まない)直鎖または分岐鎖炭化水素鎖を表す。アルキル基は、1~20個の炭素原子を有し得る(本明細書に現れた場合はいつでも、「1~20」などの数字の
範囲は与えられた範囲内の各整数を表し;例えば、本定義が、数字の範囲が指定されていない用語「アルキル」の存在も包含するとはいえ、「1~20個の炭素原子」はアルキル基が1個の炭素原子、2個の炭素原子、3個の炭素原子など、20個以下の炭素原子からなり得ることを意味する。アルキル基は、1~9個の炭素原子を有する中程度の大きさのアルキルであってもよい。アルキル基は、1~4個の炭素原子を有する低級アルキルであってもよい。アルキル基は、「C1~4アルキル」または同様な表示で表すこともできる。ほんの一例として、「C1~4アルキル」は、アルキル鎖中に1~4個の炭素原子があること、すなわち、アルキル鎖はメチル、エチル、プロピル、iso-プロピル、n-ブチル、iso-ブチル、sec-ブチル、およびt-ブチルからなる群から選択されることを示す。典型的なアルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、第三級ブチル、ペンチル、ヘキシルなどが挙げられるが、決してこれらに限定されない。
【0011】
本明細書で定義されるとき、「スルホニル」基は、「-SOR」基を表し、式中、Rは水素、C1~6アルキル、C2~6アルケニル、C2~6アルキニル、C3~7カルボシクリル、C6~10アリール、5~10員ヘテロアリール、および3~10員ヘテロシクリルである。
【0012】
本明細書で使用されるとき、「対象」は、ヒトまたは非ヒト哺乳類、例えば、イヌ、ネコ、マウス、ラット、雌ウシ、ヒツジ、ブタ、ヤギ、非ヒト霊長類またはトリ、例えば、ニワトリ、ならびにいずれもの他の脊椎動物または無脊椎動物を意味する。
【0013】
用語「哺乳類」は、その通常の生物学的意味で使用される。したがって、具体的には、サル(チンパンジー、類人猿、サル)を含む霊長類およびヒト、ウシ、ウマ、ヒツジ、ヤギ、ブタ、ウサギ、イヌ、ネコ、げっ歯類、ラット、マウス、モルモットなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0014】
本明細書で使用されるとき、「有効量」または「治療有効量」は、疾病もしくは病態の徴候の1つ以上の発症の可能性をある程度取り除く、または低減するのに効果的であり、疾病もしくは病態を治癒することを含む治療薬の量を表す。「治癒」は、疾病または病態の徴候が取り除かれることを意味する;しかしながら、治癒が得られた後でも特定の長期または永続性影響は存在し得る(広範な組織傷害など)。
【0015】
本明細書で使用されるとき、「治療する」、「治療」または「治療すること」は、予防および/または治療目的のために対象に医薬組成物を投与することを表す。用語「予防的治療」は、疾病または病態の徴候をまだ示さないが、特定の疾病または病態にかかりやすい、もしくは特定の疾病または病態のリスクがある対象を治療し、これにより、予防的治療は患者が疾病または病態を発症する可能性を低減することを表す。用語「治療処置」は、既に疾病または病態に罹患している対象に治療を行うことを表す。
【0016】
<シクロデキストリン>
本明細書で使用されるとき、用語「シクロデキストリン」は、α-シクロデキストリン、β-シクロデキストリン、γ-シクロデキストリン、またはシクロデキストリンコア上の1つ以上のヒドロキシがアルキルエーテル、ヒドロキシアルキルエーテル、またはスルホアルキルエーテル置換基により置換されている誘導体を含むこれらのそれぞれの誘導体を表す。シクロデキストリン誘導体の例としては、下表Aに一覧にしたシクロデキストリンを挙げることができるが、これらに限定されない。好ましくは、シクロデキストリンは、β-シクロデキストリン、ヒドロキシプロピル-β-シクロデキストリン、またはスルホアルキルエーテルβ-シクロデキストリンである。
【0017】
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【表1-4】
【0018】
本明細書で使用されるとき、用語「スルホアルキルエーテルシクロデキストリン」および「SAE-CD」は、(C2~6アルキレン)-SO などのスルホアルキルエーテル置換基を含むシクロデキストリン誘導体を表す。シクロデキストリンのスルホアルキル誘導体は、単一の誘導体であってもよく、誘導体の混合物であってもよい。シクロデキストリン誘導体はスルホニル基を含むので、これらは荷電化学種であり得る。スルホアルキルエーテルシクロデキストリンは、少なくともシクロデキストリンの第一級水酸基の1つが置換されているか、第一級水酸基と3位水酸基の両方において置換されているかのいずれかであり得る。2位における置換も可能である。スルホアルキルエーテルシクロデキストリンの例としては、スルホブチルエーテルβシクロデキストリンが挙げられる。
【0019】
いくつかの実施形態では、シクロデキストリンは、式I:
【化1】
の化合物またはその薬学的に許容可能な塩であり、
式中:
pは、4、5、または6であり、各Rは、-OH、または-O-(C~Cアルキレン)-SOTであり、
各Tは、独立して、水素または薬学的に許容可能なカチオンであり、
但し、少なくとも1つのRは-OHである。
【0020】
いくつかの実施形態では、各Rは、独立して、-OHまたは-O-(C~Cアルキレン)-SOTであり、但し、少なくとも1つのRはOHであり、少なくとも1つのRは-O-(C~Cアルキレン)-SOTであり、Tは水素または薬学的に許容可能なカチオンである。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのRは、独立して、-OHまたは-O-(C1~4アルキレン)-SOTである。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのRは、独立して、-O-(CHSOT基であり、gは2~6、または2~4である。いくつかの実施形態では、少なくとも1つのRは、独立して、-OCHCHCHSOTまたは-OCHCHCHCHSOTである。いくつかの実施形態では、Tは、Hである。いくつかの実施形態では、Tは、Naである。いくつかの実施形態では、各Tは、独立して、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムイオン、およびアミンカチオン、ならびにこれらの組合せから選択される。いくつかの実施形態では、各Tは、独立して、Li、Na、K、Ca+2、Mg+2、アミン、およびこれらのいずれかの組合せから選択される。いくつかの実施形態では、各Tは、独立して、(C~C)-アルキルアミン、ピペリジン、ピラジン、(C~C)-アルカノールアミン、エチレンジアミンおよび(C~C)-シクロアルカノールアミンから選択されるアミンカチオンである。
【0021】
いくつかの実施形態では、各Rは、独立して、-OHまたは-O-(C~Cアルキル)であり、但し、少なくとも1つのRはOHであり、少なくとも1つのRは-O-(C~Cアルキル)である。いくつかの実施形態では、各Rは、独立して、メチルエーテル、エチルエーテル、プロピルエーテル、ブチルエーテル、ペンチルエーテル、およびヘキシルエーテルから選択される。
【0022】
いくつかの実施形態では、各Rは、独立して、-OHまたは-O-(C~Cアルキル)-OHであり、但し、少なくとも1つのRはOHであり、少なくとも1つのRはO-(C~Cアルキル)-OHである。いくつかの実施形態では、各Rは、-O-(C~Cアルキル)-OHである。いくつかの実施形態では、各Rは、独立して、ヒドロキシメチルエーテル、ヒドロキシエチルエーテル、ヒドロキシプロピルエーテル、ヒドロキシブチルエーテル、ヒドロキシペンチルエーテル、およびヒドロキシヘキシルエーテルから選択される。
【0023】
いくつかの実施形態では、スルホアルキルエーテルシクロデキストリン、アルキル化シクロデキストリン、またはヒドロキシアルキルエーテルシクロデキストリンなどのシクロデキストリン誘導体は、シクロデキストリン当たり2~9、4~8、4~7.5、4~7、4~6.5、4.5~8、4.5~7.5、4.5~7、5~8、5~7.5、5~7、5.5~8、5.5~7.5、5.5~7、5.5~6.5、6~8、6~7.5、6~7.1、6.5~7.1、6.2~6.9、または6.5の平均置換度(ADS)を有することができ、残りの置換基は-Hである。
【0024】
いくつかの実施形態は、式(I)に示された構造を有するシクロデキストリン誘導体の1つの種類を含む組成物を提供し、該組成物は全体的に、平均して、シクロデキストリン分子当たり少なくとも1個および3n+6個までのアルキルスルホン酸部分を含む。本明細書に記載された組成物としては、置換度に関して狭いまたは広い範囲および高いまたは低い置換度を有するシクロデキストリン誘導体を含む組成物も挙げられる。これらの組合せは、特定の特性を有するシクロデキストリンを提供するように必要に応じて最適化することができる。
【0025】
例となるSAE-CD誘導体としては、それぞれ、p=5、5、5、6および6であり;それぞれ、平均として、4、7、11、7および5個の存在するスルホアルキルエーテル置換基がある場合の式IのSAE-CD誘導体に相当するSBE4-β-CD、SBE7-β-CD、SBE11-β-CD、SBE7-γ-CDおよびSBE5-γ-CDが挙げられる。他の例となるSAE-CD誘導体としては、SAEがスルホメチルエーテル(SME)、スルホエチルエーテル(SEE)、スルホプロピルエーテル(SPE)、スルホブチルエーテル(SBE)、スルホペンチルエーテル(SPtE)、またはスルホヘキシルエーテル(SHE)であり、x(平均または特定の置換度)が1~18、1~21、または1~24であり;R(親シクロデキストリンの環構造)がそれぞれα、βまたはγであり;CDがシクロデキストリンである場合のSAEx-R-CD(式2)のものが挙げられる。SAE官能基としては、本明細書に開示された、または酸性基の対イオンとして医薬品産業で一般的に使用されるカチオン性対イオンが挙げられる。SAE-CDはポリアニオン性シクロデキストリンであるので、異なる塩形態で提供することができる。SAE官能基に適切な対イオンとしては、カチオン性有機原子または分子および無機原子または分子が挙げられる。SAE-CDは、単一の種類の対イオンを含んでもよく、異なる対イオンの混合物を含んでもよい。SAE-CDの特性を、存在する対イオンの性質を変更することにより修飾することができる。例えば、SAE-CDの第一塩形態は、SAE-CDの異なる第二塩形態より大きな静電荷を有することができる。カルシウム塩形態は、ナトリウム塩形態より大きな電気陰性であることが分かった。同様に第一置換度を有するSAE-CDは、異なる置換度を有する第二SAE-CDより大きな静電荷を有することができる。
【0026】
いくつかの実施形態は、SAE-CDが次の構造を有するベータシクロデキストリンのスルホブチルエーテル誘導体(SBE-β-CD)であるSAE-CDの組成物を提供する。
【化2】
式中、各Rは、独立して、-Hまたは-(CH-SONaであり、-(CH-SONa基により平均置換度は6~7.1である。
【0027】
SAE-CD誘導体の製造方法は多様であるが、概してスルホアルキル化後単離する一般的工程を含む。SAE-CDの化学特性プロファイルは、スルホアルキル化工程中に確立される。例えば、スルホアルキル化中の反応条件の変更は、SAE-CDにおけるスルホアルキル基の平均置換度および平均位置化学分布を変化させることができる。スルホアルキル官能基のアルキル鎖長は、使用されるスルホアルキル化剤に応じて決まる。アルキル化中の特定のアルカリ化剤の使用は、スルホアルキル化後にイオン交換工程を行わない限り、特定のSAE-CDの形成をもたらすだろう。
【0028】
概して、スルホアルキル化工程の公知の方法は、例えば:1)アルカリ性条件下で誘導体化していない親シクロデキストリンをアルキル化剤、例えば、アルキルスルトンまたはスルホン酸ハロアルキルに曝し;2)反応環境にさらなるアルカリ化剤を必要に応じて添加して過剰なアルキル化剤を消費し;および3)反応環境を酸性化剤で中和すること、を含む。大多数の文献の方法は、水性媒体中でスルホアルキル化工程を行うが、いくつかの参考文献はスルホアルキル化用反応溶媒としてピリジン、ジオキサン、またはDMSOを使用することを開示している。文献は、スルホアルキル化反応を促進するためにアルカリ化剤の使用を開示している。
【0029】
スルホアルキル化工程が完了次第、SAE-CDの単離および精製を行う。
【0030】
スルホアルキル化および中和後のSAE-CDのいくつかの異なる単離方法が記載されている。概して、SAE-CDを含む水性液体を乾燥して水を取り除き、固体を生成する。文献は、SAE-CDを含む水溶液から水を除去する様々な方法を提案している。かかる方法としては、従来の凍結乾燥、スプレー乾燥、乾燥機乾燥、真空乾燥機乾燥、減圧下でのロータリーエバポレーターによる乾燥、真空乾燥または真空ドラム乾燥が挙げられる。例えば、Ma(S.T.P. Pharma. Sciences (1999), 9(3), 261-266)、カプチゾル(登
録商標)(スルホブチルエーテルβシクロデキストリンナトリウム;Pharmaceutical Excipients 2004; Eds. R. C. Rowe, P. J. Sheskey, S. C. Owen;Pharmaceutical Press a
nd American Pharmaceutical Association, 2004)およびSAE-CD誘導体製造に関する他の参考文献参照。
【0031】
本明細書で記載されている使用のためのSAE-CD組成物の製造に使用するためのSAE-CD原材料の適切な製造方法は、Stellaらの米国特許第5,376,645号、同第5,874,418号、および同第5,134,127号;Parmerterらの米国特許第3,426,011号;Lammersら(Reel. Trav. CMm. Pays-Bas (1972), 91(6), 733-742);Staerke(1971), 23(5), 167-171);Quら(J Inclusion Phenom. Macro. Chem., (2002), 43, 213-221);Yoshinagaの米国特許第5,241,059号;Shahの米国特許第6,153,746号;Stellaらの国際公開第2005/042584号;Adamら(J. Med. Chem. (2002), 45, 1806-1816);Zhangらの国際公開第01/40316号;Tarverら(Bioorganic & Medicinal Chemistry (2002), 10, 1819-1827);Ma(S.T.P. Pharma. Sciences (1999), 9(3), 261-266);Jungら(J Chromat. 1996, 755, 81- 88);およびLunaら(Carbohydr. Res. 1997, 299, 103-110)に開示されており、これらの全開示は参照により本明細書に組み入れられるものとする。
【0032】
SAE-CD原材料は、流動床スプレー乾燥方法によるSAE-CD組成物の製造目的に関する参照により組み込まれる米国特許第8,049,003号に記載されている流動床スプレー乾燥方法において使用される液体飼料に含まれ得る。SAE-CDを含む水溶液から水の他の除去方法としては、従来の凍結乾燥、スプレー乾燥、乾燥機乾燥、真空乾燥機乾燥、減圧下でのロータリーエバポレーターによる乾燥、真空乾燥または真空ドラム乾燥を挙げることができる。例えば、その全文を参照することにより本明細書に組み入れられる、Ma(S.T.P. Pharma. Sciences (1999), 9(3), 261-266)、カプチゾル(登録
商標)(スルホブチルエーテルβシクロデキストリンナトリウム;Pharmaceutical Excipients 2004; Eds. R. C. Rowe, P. J. Sheskey, S. C. Owen;Pharmaceutical Press and
American Pharmaceutical Association, 2004)およびSAE-CD誘導体製造に関する他の参考文献参照。
【0033】
本明細書に記載されているSAE-CD組成物は、誘導体化されたシクロデキストリン(SAE-CD)および誘導体化されていないシクロデキストリンの組合せを含むこともできる。例えば、SAE-CD組成物を、存在する総シクロデキストリンの0重量%以上50重量%未満の量で誘導体化されていないシクロデキストリンを含むように製造することができる。SAE-CD組成物の例となる実施形態としては、0~5重量%、5~50重量%、5重量%未満、10重量%未満、20重量%未満、30重量%未満、40重量%未満、または50重量%未満の誘導体化されていないシクロデキストリンを含むものが挙げられる。
【0034】
<アセトアミノフェンおよびスルホアルキルエーテルシクロデキストリンを含む組成物>
いくつかの実施形態は、アセトアミノフェンおよびスルホアルキルエーテルシクロデキストリンを含む医薬製剤であって、アセトアミノフェンに対するスルホアルキルエーテルシクロデキストリンのモル比が約0.01~約2の範囲であり、製剤はN-アセチルシステインも、L-メチオニンも、L-システインも、塩酸システインも、またはこれらの混合物も含まない、前記製剤に関する。
【0035】
いくつかの実施形態では、アセトアミノフェンに対するスルホアルキルエーテルシクロデキストリンのモル比は、約0.01以上で1未満の範囲である。いくつかの実施形態では、アセトアミノフェンに対するスルホアルキルエーテルシクロデキストリンのモル比は、約0.05~約0.5、約0.05~約0.25、約0.05~約0.2、約0.05~約0.15、または約0.07~約0.15の範囲である。いくつかの実施形態では、
アセトアミノフェンに対するスルホアルキルエーテルシクロデキストリンのモル比は、約0.06、0.07、0.08、0.09、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、1.1、1.2、1.3、1.4、1.5、1.6、1.7、1.8、1.9、または2.0である。いくつかの実施形態では、アセトアミノフェンに対するスルホアルキルエーテルシクロデキストリンのモル比は、約0.15である。
【0036】
いくつかの実施形態では、アセトアミノフェン濃度は、約1mg/ml~50mg/ml、約5mg/ml~約20mg/ml、または約8mg/ml~約12mg/mlの範囲である。いくつかの実施形態では、アセトアミノフェン濃度は、約8mg/ml~約12mg/mlの範囲である。いくつかの実施形態では、アセトアミノフェン濃度は、約10mg/mlである。いくつかの実施形態では、アセトアミノフェン濃度は、少なくとも約20mg/mlである。いくつかの実施形態では、アセトアミノフェン濃度は、少なくとも約30mg/mlである。いくつかの実施形態では、アセトアミノフェン濃度は、約33mg/mlである。
【0037】
いくつかの実施形態では、スルホアルキルエーテルシクロデキストリンは、約1mM~約500mMの濃度を有する。いくつかの実施形態では、スルホアルキルエーテルシクロデキストリンは、約10mM~約400mMの濃度を有する。いくつかの実施形態では、スルホアルキルエーテルシクロデキストリンは、約1mM~約150mMの濃度を有する。いくつかの実施形態では、スルホアルキルエーテルシクロデキストリンは、200mM未満、190mM、180mM、170mM、160mM、150mM、140mM、130mM、120mM、110mM、100mM、90mM、80mM、70mM、60mM、50mMの濃度を有する。いくつかの実施形態では、スルホアルキルエーテルシクロデキストリンは、40mM未満、30mM、20mM、10mM、5mM、または1mMの濃度を有する。いくつかの実施形態では、スルホアルキルエーテルシクロデキストリンは、約200mM、190mM、180mM、170mM、166mM、160mM、150mM、140mM、130mM、120mM、115mM、110mM、100mM、90mM、80mM、70mM、60mM、50mM、46mM、40mM、30mM、20mM、10mM、5mM、または1mMの濃度を有する。いくつかの実施形態では、スルホアルキルエーテルシクロデキストリンは、約10mMの濃度を有する。
【0038】
いくつかの実施形態では、スルホアルキルエーテルシクロデキストリンは、約1mg/ml~約500mg/mlの濃度を有する。いくつかの実施形態では、スルホアルキルエーテルシクロデキストリンは、約50mg/ml~約400mg/mlの濃度を有する。いくつかの実施形態では、スルホアルキルエーテルシクロデキストリンは、約10mg/ml~約150mg/mlの濃度を有する。いくつかの実施形態では、スルホアルキルエーテルシクロデキストリンは、500mg/ml未満、400mg/ml、360mg/ml、250mg/ml、200mg/ml、150mg/ml、120mg/ml、110mg/ml、100mg/ml、90mg/ml、80mg/ml、70mg/ml、60mg/ml、または50mg/mlの濃度を有する。いくつかの実施形態では、スルホアルキルエーテルシクロデキストリンは、40mg/ml未満、30mg/ml、20mg/ml、10mg/ml、5mg/ml、または1mg/mlの濃度を有する。いくつかの実施形態では、スルホアルキルエーテルシクロデキストリンは、約400mg/ml、360mg/ml、300mg/ml、250mg/ml、200mg/ml、190mg/ml、180mg/ml、170mg/ml、166mg/ml、160mg/ml、150mg/ml、140mg/ml、130mg/ml、120mg/ml、110mg/ml、100mg/ml、90mg/ml、80mg/ml、70mg/ml、60mg/ml、50mg/ml、40mg/ml、30mg/ml、20mg/ml、10mg/ml、5mg/ml、または1mg/mlの濃度を有する。いくつかの実
施形態では、スルホアルキルエーテルシクロデキストリンは、約100mg/mlの濃度を有する。いくつかの実施形態では、スルホアルキルエーテルシクロデキストリンは、約200mg/mlの濃度を有する。いくつかの実施形態では、スルホアルキルエーテルシクロデキストリンは、約250mg/mlの濃度を有する。いくつかの実施形態では、スルホアルキルエーテルシクロデキストリンは、約360mg/mlの濃度を有する。
【0039】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されている製剤は、約10μg/ml未満、9μg/ml、8μg/ml、7μg/ml、6μg/ml、5.8μg/ml、5.5μg/ml、5μg/ml、4μg/ml、3μg/ml、2.6μg/ml、2μg/ml、1.5μg/ml、1μg/ml、0.5μg/ml、0.1μg/ml、0.05μg/ml、0.02μg/ml、または0.01μg/mlのp-アミノフェノールを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約2.6μg/ml未満のp-アミノフェノールを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、約0.05μg/ml未満のp-アミノフェノールを含む。
【0040】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されている製剤は、該製剤中のアセトアミノフェンの総量に対して、約10重量%未満、8重量%、6重量%、5重量%、4重量%、2重量%、1重量%、0.8重量%、0.6重量%、0.5重量%、0.4重量%、0.2重量%、0.15重量%、0.10重量%、0.08重量%、0.05重量%、0.01重量%、0.005重量%、または0.001重量%のp-アミノフェノールを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、該製剤中のアセトアミノフェンの総量に対して、約0.20重量%未満のp-アミノフェノールを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、該製剤中のアセトアミノフェンの総量に対して、約0.15重量%未満のp-アミノフェノールを含む。いくつかの実施形態では、製剤は、該製剤中のアセトアミノフェンの総量に対して、約0.005重量%未満のp-アミノフェノールを含む。
【0041】
製剤中のp-アミノフェノール量を、様々な貯蔵条件後に測定することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されているp-アミノフェノール量を、製剤を5℃で貯蔵した後に測定する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されているp-アミノフェノール量を、製剤を15℃で貯蔵した後に測定する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されているp-アミノフェノール量を、製剤を25℃で貯蔵した後に測定する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されているp-アミノフェノール量を、製剤を40℃で貯蔵した後に測定する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されているp-アミノフェノール量を、製剤を10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、または80%の湿度レベルで貯蔵した後に測定する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されているp-アミノフェノール量を、製剤を60%の湿度レベルで貯蔵した後に測定する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されているp-アミノフェノール量を、製剤を1か月間、2か月間、3か月間、4か月間、5か月間、6か月間、7か月間、8か月間、9か月間、10か月間、11か月間、12か月間、15か月間、20か月間、または24か月間貯蔵した後に測定する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されているp-アミノフェノール量を、製剤を25℃、60%の湿度で12か月間貯蔵した後に測定する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されているp-アミノフェノール量を、製剤を5℃で12か月間貯蔵した後に測定する。
【0042】
いくつかの実施形態では、貯蔵前に、製剤を酸素洗浄する。いくつかの実施形態では、貯蔵前に、製剤を酸素洗浄しない。いくつかの実施形態では、製剤を不活性ガス(例えば、窒素およびアルゴン)下で貯蔵する。いくつかの実施形態では、貯蔵前に、製剤を不活性ガスで洗い流す。いくつかの実施形態では、不活性ガスを充填したヘッドスペースを有する密封容器内で製剤を貯蔵する。
【0043】
いくつかの実施形態では、貯蔵前に製剤中に溶存酸素量は、0.005ppm、0.01ppm、0.025ppm、0.05ppm、0.08ppm、0.1ppm、0.5ppm、0.8ppm、1.0ppm、1.2ppm、1.5ppm、1.8ppm、2.0ppm、2.5ppm、3.0ppm、3.5ppm、4.0ppm、4.5ppm、5.0ppm、5.5ppm、6.0ppm、6.5ppm、7.0ppm、7.5ppm、8.0ppm、8.5ppm、9.0ppm、9.5ppm、10.0ppm、12.5ppm、15ppm、または20ppmより多い。いくつかの実施形態では、貯蔵前に製剤中に溶存酸素量は、1ppmより多い。いくつかの実施形態では、貯蔵前に製剤中に溶存酸素量は、2ppmより多い。いくつかの実施形態では、貯蔵前に製剤中に溶存酸素量は、0.005ppm、0.01ppm、0.05ppm、0.08ppm、0.1ppm、0.025ppm、0.5ppm、0.8ppm、1.0ppm、1.2ppm、1.5ppm、1.8ppm、2.0ppm、2.5ppm、3.0ppm、3.5ppm、4.0ppm、4.5ppm、5.0ppm、5.5ppm、6.0ppm、6.5ppm、7.0ppm、7.5ppm、8.0ppm、8.5ppm、9.0ppm、9.5ppm、10.0ppm、12.5ppm、15ppm、または20ppm未満である。いくつかの実施形態では、貯蔵前に製剤中に溶存酸素量は、1ppm未満である。いくつかの実施形態では、貯蔵前に製剤中に溶存酸素量は、2ppm未満である。
【0044】
いくつかの実施形態では、製剤は水溶液である。いくつかの実施形態では、製剤は、凍結乾燥またはスプレー乾燥散剤である。
【0045】
いくつかの実施形態では、製剤は、副腎皮質ステロイドを含まない。いくつかの実施形態では、製剤は、アンドロゲンを含まない。いくつかの実施形態では、製剤は、クロピドグレルを含まない。いくつかの実施形態では、製剤は、フルオロキノロンを含まない。いくつかの実施形態では、製剤は、ベンズヒドリルピペラジンを含まない。いくつかの実施形態では、製剤は、セチリジンを含まない。いくつかの実施形態では、製剤は、ニコチンを含まない。いくつかの実施形態では、製剤は、17α-エチニル-5α-アンドロスタン-3α,17β-ジオールを含まない。いくつかの実施形態では、製剤は、ピロン類似体を含まない。いくつかの実施形態では、製剤は、フラボノイドを含まない。いくつかの実施形態では、製剤は、ケルセチンを含まない。
【0046】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されている製剤は、1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤をさらに含む。
【0047】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されている製剤は、緩衝剤を含む。いくつかの実施形態では、緩衝剤は、リン酸緩衝剤である。いくつかの実施形態では、緩衝剤は、酢酸緩衝剤である。
【0048】
いくつかの実施形態では、緩衝剤は、1mM~約150mMの範囲の濃度を有する。いくつかの実施形態では、緩衝剤濃度は、約3、5、10、15、20、25、30、35、40、45、または50mMである。いくつかの実施形態では、緩衝剤濃度は、約3、5、7.5、10、15、または20mMより高い。
【0049】
いくつかの実施形態では、製剤は、約5~約10の範囲のpHを有する。いくつかの実施形態では、製剤のpHは、約5.8~約7.4の範囲である。いくつかの実施形態では、製剤のpHは、約5、5.5、5.8、6、6.2、6.5、6.8、7.0、7.2、および7.4である。いくつかの実施形態では、製剤は、約5.8より高いpHを有する。いくつかの実施形態では、製剤は、約7.0のpHを有する。いくつかの実施形態では、製剤は、約5.8のpHを有する。いくつかの実施形態では、製剤は、約5.5~約6.0の範囲のpHを有する。
【0050】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されている製剤は、塩をさらに含む。いくつかの実施形態では、塩は、塩化ナトリウムである。
【0051】
いくつかの実施形態では、製剤は、約100mOsm/kg~約500mOsm/kgの範囲の重量モル浸透圧濃度を有する。いくつかの実施形態では、製剤の重量モル浸透圧濃度は、約200mOsm/kg~約300mOsm/kgの範囲である。いくつかの実施形態では、製剤の重量モル浸透圧濃度は、約200、225、250、280、290、または300mOsm/kgである。いくつかの実施形態では、製剤の重量モル浸透圧濃度は、約290mOsm/kgである。
【0052】
いくつかの実施形態は、アセトアミノフェンおよびスルホアルキルエーテルシクロデキストリンが固体である、アセトアミノフェンおよびスルホアルキルエーテルシクロデキストリンを含む滅菌使い捨て容器に関する。いくつかのこのような実施形態では、アセトアミノフェンに対するスルホアルキルエーテルシクロデキストリンのモル比は、約0.01~約2の範囲である。いくつかの実施形態では、アセトアミノフェンに対するスルホアルキルエーテルシクロデキストリンのモル比は、約0.01以上で約1未満の範囲である。いくつかの実施形態では、アセトアミノフェンに対するスルホアルキルエーテルシクロデキストリンのモル比は、約0.05~約0.5の範囲である。
【0053】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されている製剤は、貯蔵前に酸素洗浄を行う。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されている製剤は、製剤後に酸素洗浄を行う。
【0054】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されている製剤の貯蔵に使用される容器は、ヘッドスペースに充填された窒素またはアルゴンを収容することができる。
【0055】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されている製剤は、1回以上の凍結融解後でさえ変色も沈殿も起こらない。本明細書に記載されている組成物は、市場で入手可能な他のアセトアミノフェン組成物より良好な安定性を有する。例えば、凍結融解サイクル後の本明細書に記載されているアセトアミノフェンおよびスルホアルキルエーテルシクロデキストリンを含む組成物は、沈殿も変色もない溶液のままであるが、市販のアセトアミノフェン製剤は、沈殿、変色、または分解が起こり、本明細書に記載されているアセトアミノフェンおよびスルホアルキルエーテルシクロデキストリンを含む組成物より安定でない。
【0056】
用語「薬学的に許容可能な担体」または「薬学的に許容可能な賦形剤」は、いずれかおよび全ての溶媒、分散媒体、コーティング、抗菌剤および抗真菌剤、等張剤および吸収遅延剤などを包含する。このような医薬活性物質用の媒体および薬剤の使用は、当技術分野において周知である。従来の媒体または薬剤が有効成分と相溶性でない場合を除いて、治療用組成物において媒体または薬剤を使用することが考えられる。加えて、当技術分野において共通に仕様されているような様々なアジュバントを含んでもよい。医薬組成物中における様々な成分の含有に関する考察は、例えば、この全文を参照することにより本明細書に組み入れられるGilman et al. (Eds.) (1990); Goodman and Gilman’s: The Pharmacological Basis of Therapeutics, 8th Ed., Pergamon Pressに記載されている。
【0057】
本明細書に記載されている組成物は、好ましくは、単位剤形で提供される。本明細書で使用されるとき、「単位剤形」は、優れた医療行為に従って、単回用量で動物、好ましくは哺乳類対象に投与するのに適した化合物量を含む組成物である。しかしながら、単回または単位剤形の製剤は、該剤形を1日1回または治療過程当たり1回投与することを意味しない。かかる剤形は、1日に1回、2回、3回またはそれ以上投与すると意図され、あ
る期間(例えば、約30分から約2~6時間まで)にわたって点滴として投与してもよく、または持続注入として投与してもよく、および単回投与は特に除外されないが、治療過程中1回より多く投与してもよい。製剤は治療の全過程を特に意図しておらず、かかる決定が製剤よりはむしろ治療の当業者に委ねられると当業者は認識しているだろう。
【0058】
上記のように有用な組成物は、様々な投与経路、例えば、経口、鼻腔、直腸、局所(経皮を含む)、眼球、脳内、頭蓋内、くも膜下腔内、動脈内、静脈内、筋肉内、または他の非経口投与経路に適切な様々な形態のいずれかであってよい。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されている組成物を、投与前に適切な液体で調製することができる固体(例えば、凍結乾燥粉末)の形態に製造することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されている組成物は、投与可能な状態になっている液体であり得る。経口および鼻腔用組成物としては吸入により投与され、利用可能な方法を用いて製造される組成物が挙げられると当業者は認識しているだろう。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されている組成物を、いずれかの適切な輸液用器具、持ち運び可能なデバイス、またはウェアラブルデバイスにより投与することができる。所望の特定の投与経路に応じて、当技術分野で周知の様々な薬学的に許容可能な担体を使用してもよい。薬学的に許容可能な担体としては、例えば、液体フィラー、希釈剤、ハイドロトロピー、界面活性剤、およびカプセル化物質が挙げられる。化合物アセトアミノフェンの阻害活性と実質的に干渉しない、必要に応じた医薬活性材料を含んでもよい。化合物と共に使用される担体量は、化合物の単位用量当たり投与のための材料の実用量を提供するのに充分である。本明細書に記載されている方法において有用な剤形の製造のための技術および組成物は、次の参考文献に記載されており、これら全ては参照により本明細書に組み入れられる:Modern Pharmaceutics, 4th Ed., Chapters 9 and 10 (Banker & Rhodes, editors, 2002); Lieberman et al., Pharmaceutical Dosage Forms: Tablets (1989); and Ansel, Introduction to Pharmaceutical Dosage Forms 8th Edition (2004)。
【0059】
液体を含め、様々な経口用剤形を使用することができる。液体経口用剤形としては、適切な溶媒、保存料、乳化剤、懸濁化剤、希釈剤、甘味料、溶融剤、着色料および香料を含む、水性液剤、乳剤、懸濁剤、非発泡性顆粒剤から投与前に調製される液剤および/または懸濁剤、ならびに発泡性顆粒剤から投与前に調製される発泡性製剤が挙げられる。
【0060】
経口投与用単位剤形の製剤に適した薬学的に許容可能な担体は、当技術分野において周知である。経口用組成物としては、液剤、乳剤、懸濁剤などが挙げられる。かかる組成物の製剤に適した薬学的に許容可能な担体は、当技術分野において周知である。シロップ剤、エリキシル剤、乳剤および懸濁剤用担体の典型的な成分としては、エタノール、グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、液体ショ糖、ソルビトールおよび水があげられる。懸濁剤のため、典型的な懸濁化剤としては、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、AVICEL RC-591、トラガカントゴムおよびアルギン酸ナトリウムが挙げられ;典型的な湿潤剤としては、レシチンおよびポリソルベート80が挙げられ;典型的な保存料としては、メチルパラベンおよび安息香酸ナトリウムが挙げられる。経口用液体組成物は、上記開示されている甘味料、香料および着色料などの1つ以上の成分を含んでもよい。
【0061】
本明細書に記載されている組成物は、必要に応じて、他の活性薬物を含んでもよい。
【0062】
局所眼科用途に製剤される液体組成物を、眼に局所的に投与することができるように製剤する。最善な快適さより製剤の配慮(例えば、薬物安定性)は必要としないことが時々あるが、可能な限り快適さを最大限にしてよい。快適さを最大にすることができない場合、液剤が局所眼科用途のため患者に対して忍容性が高いように液剤を製剤してもよい。加えて、眼科的に許容可能な液剤を、単回使用用に包装してもよく、あるいは複数回の使用
にわたる汚染を防止するように保存料を含んでもよい。
【0063】
眼科用途のため、液剤または薬物は、主要媒体として生理食塩水を用いてしばしば製剤される。眼科用液剤を、好ましくは、適切な緩衝系で快適なpHを維持してもよい。製剤は、従来の薬学的に許容可能な保存料、安定剤および界面活性剤を含んでもよい。
【0064】
本明細書に開示されている医薬組成物において使用してもよい保存料としては、塩化ベンザルコニウム、PHMB、クロロブタノール、チメロサール、フェニル水銀、酢酸塩および硝酸フェニル水銀が挙げられるが、これらに限定されない。有用な界面活性剤は、例えば、ツイーン80である。同様に、様々な有用な媒体を、本明細書に開示されている眼科用製剤において使用してもよい。これらの媒体としては、ポリビニルアルコール、ポビドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポロキサマー、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースおよび純水が挙げられるが、これらに限定されない。
【0065】
張度調整剤を、必要に応じて、または都合に応じて添加してよい。張度調整剤としては、塩、特に、塩化ナトリウム、塩化カリウム、マンニトールおよびグリセリン、または他の適切な眼科的に許容可能な張度調整剤が挙げられるが、これらに限定されない。
【0066】
得られた製剤が眼科的に許容可能である限り、様々な緩衝剤およびpH調整のための手段を使用してもよい。多くの組成物に対して、pHは4~9であるだろう。したがって、緩衝剤としては、酢酸緩衝剤、クエン酸緩衝剤、リン酸緩衝剤およびホウ酸緩衝剤が挙げられる。必要に応じて、酸または塩基を用いて、これらの製剤のpHを調整してもよい。
【0067】
眼科的に許容可能な酸化防止剤としては、メタ重亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、アセチルシステイン、ブチル化ヒドロキシアニソールおよびブチル化ヒドロキシトルエンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0068】
眼科用製剤中に含まれ得る他の賦形剤成分は、キレート剤である。有用なキレート剤は、他のキレート剤も代わりにまたはこれと共に使用してよいが、エデト酸二ナトリウムである。
【0069】
局所用途のため、本明細書に開示されている組成物を含む、クリーム剤、軟膏剤、ゲル剤、液剤または懸濁剤、その他を使用する。概して、局所製剤は、医薬用担体、共溶媒、乳化剤、浸透促進剤、保存料系、および皮膚軟化薬からなり得る。
【0070】
静脈内投与または筋肉内投与のため、本明細書に記載されている組成物を、生理食塩水またはデキストロース溶液などの薬学的に許容可能な希釈剤中に溶解または分散してよい。適切な賦形剤を含んで所望のpHを得てもよく、NaOH、炭酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、HCl、およびクエン酸が挙げられるが、これらに限定されない。したがって、酢酸緩衝剤、クエン酸緩衝剤、リン酸緩衝剤およびホウ酸緩衝剤を含む緩衝剤を使用して、必要に応じて、これらの製剤のpHを調整してもよい。酸化防止剤賦形剤としては、重亜硫酸ナトリウム、アセトン-重亜硫酸ナトリウム、ホルムアルデヒドナトリウム、スルホキシル酸塩、チオ尿素、およびエデト酸二ナトリウムを挙げることができる。最終の静脈内組成物において見られる適切な賦形剤の他の非限定的例としては、リン酸ナトリウムまたはカリウム、クエン酸、酒石酸、ゼラチン、およびデキストロース、マンニトール、およびデキストランなどの炭水化物を挙げることができる。さらなる許容可能な賦形剤は、Powell, et al., Compendium of Excipients for Parenteral Formulations, PDA J Pharm Sci and Tech 1998, 52 238-311 およびNema et al., Excipients and Their Role in Approved Injectable Products: Current Usage and Future Directions, PDA J Pharm
Sci and Tech 2011, 65 287-332に記載されており、これら両方はその全文を参照するこ
とにより本明細書に組み入れられるものとする。抗菌剤を含んで静菌溶液または静真菌溶液を得てもよく、硝酸フェニル水銀、チメロサール、塩化ベンゼトニウム、塩化ベンザルコニウム、フェノール、クレゾール、およびクロロブタノールが挙げられるが、これらに限定されない。
【0071】
静脈内投与または筋肉内投与用組成物を、投与直前に滅菌水、生理食塩水またはデキストロース水溶液などの適切な希釈剤で調製するもう1つの固体の形態で介護者に提供してもよい。他の実施形態では、組成物を非経口投与可能な状態の液剤で提供する。さらに他の実施形態では、組成物を、投与前にさらに希釈する液剤で提供する。本明細書に記載されている組成物と別の薬剤との組合せを投与することを含む実施形態では、該組合せを混合物として介護者に提供してもよく、介護者が投与前に2つの薬剤を混合してもよく、2つの薬剤を個別に投与してもよい。
【0072】
本明細書に記載されている活性成分の実際の用量は、特定の成分、および治療される病態に依存し;適切な用量の選択は、当業者の知識の範囲内である。いくつかの実施形態では、1日の用量は、約0.25mg/体重kg~約120mg/体重kg以上、約0.5mg/体重kg以下~約100mg/体重kg、約1.0mg/体重kg~約80mg/体重kg、または約1.5mg/体重kg~約75mg/体重kgであり得る。したがって、70kgの人への投与のため、投与量範囲は、1日約17mg~1日約8000mg、1日約35mg以下~1日約7000mg以上、1日約70mg~1日約6000mg、1日約100mg~1日約5000mg、または1日約200mg~1日約3000mgである。
【0073】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されている組成物を、15分の点滴静注として投与することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されている組成物を、5分~約30分の点滴静注として投与することができる。本明細書に記載されている組成物を、単回用量または反復用量として投与することができる。
【0074】
いくつかの実施形態では、組成物を、皮下注入により投与することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されている組成物を、ヒレネックス(Hylenex)(登録商標)組み換え型(recombinant)と併用して皮下注入により投与することができる。
【0075】
いくつかの実施形態では、体重50kg以上の成人および青年患者のため、本明細書に記載されている活性組成物のための投与量は、6時間毎に1000mgまたは4時間毎に650mg~最大1日4000mgであり得る。いくつかの実施形態では、体重50kg以上の成人および青年患者のため、本明細書に記載されている活性組成物のための投与量は、6時間毎に約500mg~1500mgの範囲または4時間毎に約300mg~約1000mgの範囲であり得る。いくつかの実施形態では、体重50kg以上の成人および青年患者のため、1日の最大投与量は、約2000mg~約6000mgの範囲であり得る。
【0076】
いくつかの実施形態では、体重50kg未満の成人および青年患者のため、本明細書に記載されている活性組成物のための投与量は、6時間毎に15mg/kgまたは4時間毎に12.5mg/kg~1日最大75mg/kgであり得る。いくつかの実施形態では、体重50kg未満の成人および青年患者のため、本明細書に記載されている活性組成物のための投与量は、6時間毎に約10mg/kg~約20mg/kgまたは4時間毎に8mg/kg~約15mg/kgの範囲であり得る。いくつかの実施形態では、体重50kg未満の成人および青年患者のため、1日の最大投与量は、約50mg/kg~約100mg/kgの範囲であり得る。
【0077】
いくつかの実施形態では、2歳~12歳の小児のため、本明細書に記載されている活性組成物のための投与量は、6時間毎に15mg/kgまたは4時間毎に12.5mg/kg~1日最大75mg/kgであり得る。いくつかの実施形態では、2歳~12歳の小児のため、本明細書に記載されている活性組成物のための投与量は、6時間毎に約10mg/kg~約20mg/kgまたは4時間毎に8mg/kg~約15mg/kgの範囲であり得る。いくつかの実施形態では、2歳~12歳の小児のため、1日の最大投与量は、約50mg/kg~約100mg/kgの範囲であり得る。
【0078】
いくつかの実施形態では、最小投与間隔は4時間であり得る。いくつかの実施形態では、最小投与間隔は約1時間~8時間の範囲であり得る。いくつかの実施形態では、最小投与間隔は1、2、3、4、5、6、7、または8時間であり得る。
【0079】
<治療方法>
いくつかの実施形態は、アセトアミノフェンおよびスルホアルキルエーテルシクロデキストリンを含む液剤の有効量を、それを必要とする対象に注射により投与することを含む、前記対象の解熱もしくは熱の治療方法または痛みの緩和方法であって、アセトアミノフェンに対するスルホアルキルエーテルシクロデキストリンのモル比が約0.01~約2の範囲である、前記方法に関する。
【0080】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されている組成物を、軽度~中程度の疼痛の治療に使用することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されている組成物を、1つ以上の付加的オピオイド鎮痛薬と共に、中程度~重度の疼痛の治療に使用することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されている組成物を、トラマドール(または塩酸トラマドール)と一緒に同時投与することができる。
【0081】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されている組成物を、1つ以上の麻酔薬と一緒に同時投与することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されている組成物を、エトミデートと一緒に同時投与することができる。
【0082】
いくつかの実施形態では、液剤を、無針注射器を用いて投与する。無針注射器の例は、米国特許第7,156,823号で見ることができ、この文献はその全文を参照することにより本明細書に組み入れられるものとする。
【0083】
本明細書に開示されている組成物の投与は、これに限定されないが、経口、皮下、静脈内、鼻腔内、局所、経皮、腹腔内、筋肉内、肺内、腟内、直腸、くも膜下腔内、または眼内を含む同様な有用性を果たす薬剤投与の許容可能な方法のいずれかであり得る。いくつかの実施形態では、液剤を筋肉内に注射する。いくつかの実施形態では、液剤を静脈内に注射する。いくつかの実施形態では、液剤を皮下に注射する。
【0084】
いくつかの実施形態は、追加の薬物と一緒に、本明細書に記載されている組成物、および/または医薬組成物を同時投与することを含む。「同時投与」は、2つ以上の薬剤を、いつ、または、どのようにこれらを実際に投与するかに関わらず、同時に患者の血流内に見ることができることを意味する。1つの実施形態では、薬剤を同時に投与する。1つのかかる実施形態では、単回剤形中に薬物を合剤することにより併用投与を行う。別の実施形態では、薬剤を順次投与する。別の実施形態では、アセトアミノフェンおよびスルホアルキルエーテルシクロデキストリンを含む組成物を、追加の活性薬剤の前に投与する。別の実施形態では、アセトアミノフェンおよびスルホアルキルエーテルシクロデキストリンを含む組成物を、追加の活性薬剤の後に投与する。1つの実施形態では、薬剤を、経口など同じ経路により投与する。別の実施形態では、薬剤を、1つは経口投与し、もう1つは
静脈内投与するなど、異なる経路により投与する。
【0085】
追加の薬物の例としては、ヒドロコドンが挙げられる。
【0086】
本発明をさらに例証するために、次の実施例を記載する。もちろん、実施例は、本発明を具体的に限定すると解釈すべきでない。特許請求の範囲内のこれらの実施例の変化形は、当業者の理解の範囲内であり、記載、および本明細書の請求されているように本発明の範囲内であると見なされる。本開示を備える当業者および当技術分野の当業者は、網羅的な実施例がなくても本発明を製造および使用することができると読者は認識するだろう。
【実施例0087】
実施例1.相溶解度試験
25mM、pH7.0のリン酸緩衝剤に様々な量のカプチゾル(登録商標)を添加することにより調製した様々なカプチゾル(登録商標)溶液(10mM、20mM、30mM、50mM、および100mM)中に完全溶解度に達するようにアセトアミノフェンを添加した。25℃および5℃において、アセトアミノフェン溶解度を測定した。相溶解度曲線を図1に示す。
【0088】
図1中、カプチゾル(登録商標)が存在しないアセトアミノフェンの溶解度は、25℃において約15.98±0.43mg/mlであり、5℃において8.86±1.22mg/mlである。溶解度データは、10mg/mlのアセトアミノフェン液剤を、0.05M未満のカプチゾル(登録商標)と共に5℃において製造することができることを示した。
【0089】
実施例2.溶解度試験
25mM、pH7.0のリン酸緩衝剤に様々な量のカプチゾル(登録商標)を添加することにより調製した様々なカプチゾル(登録商標)溶液(10mM、20mM、30mM、50mM、および100mM)中に完全溶解度に達するようにアセトアミノフェンを添加した。製剤中または貯蔵前に液剤を酸素洗浄しなかった。これらの液剤は安定性を維持し、室温において1か月より長期の貯蔵後、色変化しなかった。アセトアミノフェンカプチゾル(登録商標)液剤の有効期間は25℃において2年を超えると期待された。
【0090】
1000mgのアセトアミノフェンUSP、3850mgのマンニトールUSP、25mgの塩酸システイン一水和物USP、10.4mgの第二リン酸ナトリウムUSPを配合することにより、比較サンプルを調製した。塩酸および/または水酸化ナトリウムを用いて約5.5までpHを調整し、約290mOsm/kgまで重量モル浸透圧濃度を維持した。比較サンプルを5℃において貯蔵し、12時間後に沈殿を観察し、24時間後にアセトアミノフェン濃度が8.8mg/ml(10mg/ml製剤した)まで落ちた。24時間を超えて室温に放置すると比較サンプルは黄色になった。12週間後に、比較サンプルは結晶を生成した。40℃において比較サンプルを貯蔵し、空気中にさらした場合、6日後に比較サンプルは黄変し始め、比較サンプルの安定性を維持するために酸素洗浄が重要であることを示唆した。
【0091】
実施例3.長期安定性試験
3mM、pH7.2のリン酸緩衝剤にカプチゾル(登録商標)を添加することによりカプチゾル(登録商標)溶液を調製し、カプチゾル(登録商標)が0.005Mおよび0.01Mである溶液を得た。それから、0.005Mおよび0.01Mのカプチゾル(登録商標)溶液にアセトアミノフェンを添加し、溶液の重量モル浸透圧濃度を、それぞれ、最終NaCl濃度が0.11Mおよび0.93Mになるようにして、298mOsm/kgおよび304mOsm/kgまで調整した。この液剤のpHは、約6.8まで落ちた。図
2に示されているように、40℃以下の温度において、液剤は8週間安定であった。2週間後の40℃バイアル中および4週間後の25℃のバイアル中において僅かな色の生成が観察された。製剤中または貯蔵前に、これらの液剤を酸素洗浄しなかった。
【0092】
実施例4.酢酸緩衝剤およびリン酸緩衝剤を用いた安定性
pH5.8の酢酸緩衝剤にカプチゾル(登録商標)を添加することによりカプチゾル(登録商標)溶液を調製して、0.01M、0.05M、および0.1Mのカプチゾル(登録商標)の溶液を得て;それから、0.01M、0.05M、および0.1Mのカプチゾル(登録商標)溶液にアセトアミノフェンを添加して10mg/mlの濃度にした。pH7.0のリン酸緩衝剤にカプチゾル(登録商標)を添加することにより比較サンプルを調製し、0.01M、0.05M、および0.1Mのカプチゾル(登録商標)の溶液を得て;それから、0.01M、0.05M、および0.1Mのカプチゾル(登録商標)溶液にアセトアミノフェンを添加して10mg/mlの濃度にした。5℃、25℃で相対湿度(RH)60%、または40℃で75%RHにおいてサンプルを保持した。調製時に、ならびに1か月、3か月、6か月、9か月、および12か月間貯蔵後にサンプルを分析した。結果を表1に示す。
【0093】
【表2-1】
【表2-2】
【表2-3】
【表2-4】
【表2-5】
【表2-6】
【0094】
p-アミノフェノール:検出限界(LOD)=0.02μg/mL、定量下限(LOQ)=0.05μg/mL。
-ND:検出せず
【0095】
表1に示されているように、酢酸緩衝剤を含む製剤は、概して、リン酸緩衝剤を含む製剤より良好な安定性を示した。例えば、40℃で75%RHにおいて貯蔵された0.05Mのカプチゾル(登録商標)製剤に関して測定したとき、6か月においてリン酸製剤より
酢酸製剤におけるアセトアミノフェンの分解生成物であるp-アミノフェノールは少なかった。加えて、酢酸製剤に関する総関連物質(「TRS」、p-アミノフェノール以外の不純物)量は、概して、リン酸製剤(例えば、40℃で75%RHにおいて6か月間貯蔵された0.1Mのカプチゾル(登録商標)製剤における、酢酸製剤のTRS=1.27mAU分 対 リン酸製剤のTRS=18.4mAU分)より少なかった。2つの製剤に関して、単一最大不純物(「SLI」、p-アミノフェノール以外の不純物)は異なる。例えば、40℃で75%RHにおいて6か月間貯蔵された製剤に関して、酢酸製剤は、SLIに対して約10.6分の保持時間を有するが、リン酸製剤は、SLIに対して約8.2分の保持時間を有し、酢酸製剤におけるSLIの面積サイズは、リン酸製剤より著しく小さく、製剤中に存在する不純物量が少ないことを示している。
【0096】
加えて、表1の結果は、カプチゾル(登録商標)濃度が増加すると、製剤の安定性が増大することも示している。酢酸およびリン酸製剤の両方に関して、TRS量は、カプチゾル(登録商標)濃度の増加と共に減少し;カプチゾル(登録商標)濃度の増加と共に40℃、75%RHで貯蔵された製剤においてより褐色でなかった。
【0097】
さらに、より低い貯蔵温度も、製剤の安定性を改良した。表1に示されているように、TRS量は、より低温で貯蔵される場合により少なく、5℃および25℃での貯蔵については液剤の色は透明無色のままであり、40℃での貯蔵についてはわずかに褐色に変わった。
【0098】
実施例5.オフィルメブおよびアセトアミノフェンカプチゾル(登録商標)製剤の安定性
pH5.8の酢酸緩衝剤にカプチゾル(登録商標)を添加することによりカプチゾル(登録商標)溶液を調製して、0.1Mのカプチゾル(登録商標)の溶液を得て;それから、カプチゾル(登録商標)溶液にアセトアミノフェンを添加して10mg/mlの濃度にした。10mg/mlのアセトアミノフェン市販製品を含むオフィルメブ(登録商標)製剤を、比較サンプルとして使用した。5℃、25℃で相対湿度(RH)60%、または40℃で75%RHにおいてサンプルを貯蔵した。調製時に、ならびに1か月、3か月、6か月、9か月、および12か月間貯蔵後にサンプルを分析した。結果を表2に示す。
【0099】
【表3】
【0100】
表2に示されているように、酢酸緩衝剤を含むカプチゾル(登録商標)溶液中のアセトアミノフェンは、様々な温度下6か月および12か月の貯蔵時間においてオフィルメブ(登録商標)製剤より良好な安定性を示した。オフィルメブ(登録商標)製剤よりカプチゾル(登録商標)製剤において、全ての3つの貯蔵条件における総関連物質はほとんどなかった。カプチゾル(登録商標)製剤は、オフィルメブ(登録商標)製剤より安定なpHも示した。アセトアミノフェンの分解生成物であるp-アミノフェノールの量は、オフィルメブ(登録商標)製剤よりカプチゾル(登録商標)製剤において少ない。
【0101】
図3は、25℃、60%RHにおいて12か月間貯蔵した、酢酸緩衝剤およびリン酸緩衝剤を含むカプチゾル(登録商標)(0.1M)中のアセトアミノフェン(10mg/ml)製剤、オフィルメブ製剤(10mg/mlのアセトアミノフェン)、およびメタノール溶媒コントロールのHPLCクロマトグラムを示す。図3に示されているように、オフィルメブ製剤は、12か月間貯蔵後のアセトアミノフェンカプチゾル(登録商標)製剤より多くのp-アミノフェノール不純物および不純物総量を有した。アセトアミノフェンカプチゾル(登録商標)製剤に関して、酢酸緩衝剤の使用は、リン酸緩衝剤より少ない不純物をもたらした。
【0102】
表3は、20℃、湿度60%で12か月間の貯蔵後のアセトアミノフェン製剤中の不純物量を示している。図4Aは、20℃、湿度60%において12か月間貯蔵後のオフィルメブ(登録商標)およびアセトアミノフェンカプチゾル(登録商標)製剤中に検出された全ての関連物質の量を示し;図4Bは、20℃、湿度60%において12か月間貯蔵後のオフィルメブ(登録商標)およびアセトアミノフェンカプチゾル(登録商標)製剤中に検出されたp-アミノフェノール量を示す。
【0103】
【表4】
【0104】
表3および図4Aおよび4Bに示されているように、カプチゾル(登録商標)濃度の増加と共に不純物量は減少した。加えて、pH5.8の酢酸緩衝剤におけるアセトアミノフェン液剤は、pH7のリン酸緩衝剤における液剤より少ない量の総不純物を有した。加えて、カプチゾル(登録商標)製剤中のp-アミノフェノール量は、検出限界よりはるかに低く、オフィルメブ液剤中のp-アミノフェノール量は、USPの下で許可された量(例えば、USP研究書に規定された0.5μg/ml)より8倍多かった。
【0105】
実施例6.アセトアミノフェンカプチゾル(登録商標)製剤
緩衝剤(例えば、pH5.8酢酸緩衝剤またはpH7.0リン酸緩衝剤)にカプチゾル(登録商標)を先ず添加して100mg/mlのカプチゾル(登録商標)を含む溶液を得て;それから、カプチゾル(登録商標)溶液にアセトアミノフェンを添加して10mg/mlの濃度にすることによりアセトアミノフェンカプチゾル(登録商標)製剤を調製した。
【0106】
緩衝剤(例えば、pH5.8酢酸緩衝剤またはpH7.0リン酸緩衝剤)にカプチゾル(登録商標)を先ず添加して360mg/mlのカプチゾル(登録商標)を含む溶液を得て;それから15mlのカプチゾル(登録商標)にアセトアミノフェン500mgを添加することにより別のアセトアミノフェンカプチゾル(登録商標)製剤を調製した。
【0107】
アセトアミノフェン1gおよびカプチゾル(登録商標)溶液(250mg/ml)33.33mlを先ず混合し、それから該溶液を乾燥して無菌スプレー乾燥散剤の構成(for constitution)とすることにより別のアセトアミノフェンカプチゾル(登録商標)製剤を調製した。
【0108】
アセトアミノフェン250mgおよびカプチゾル(登録商標)溶液(100mg/ml)12.5mlを先ず混合し、それから該溶液を凍結乾燥して散剤の構成(for constitution)を形成することにより別のアセトアミノフェンカプチゾル(登録商標)製剤を調製した。
本発明の他の実施形態として以下のものが挙げられる。
[1]アセトアミノフェン;および
スルホアルキルエーテルシクロデキストリン、
を含む医薬製剤であって、
アセトアミノフェンに対するスルホアルキルエーテルシクロデキストリンのモル比が約0.01~約2の範囲であり、前記製剤はN-アセチルシステインも、L-メチオニンも、L-システインも、塩酸システインも、またはこれらの混合物も含まない、
前記医薬製剤。
[2]前記製剤が、凍結乾燥散剤またはスプレー乾燥散剤である、[1]に記載の製剤。[3]前記製剤が、水性液剤である、[2]に記載の製剤。
[4]アセトアミノフェンに対するスルホアルキルエーテルシクロデキストリンのモル比が約0.05~約0.5の範囲である、[1]~[3]のいずれかに記載の製剤。
[5]アセトアミノフェンに対するスルホアルキルエーテルシクロデキストリンのモル比が約0.0755である、[2]に記載の製剤。
[6]アセトアミノフェンに対するスルホアルキルエーテルシクロデキストリンのモル比が約0.15である、[2]に記載の製剤。
[7]アセトアミノフェンに対するスルホアルキルエーテルシクロデキストリンのモル比が約0.01以上で1未満の範囲である、[1]~[3]のいずれかに記載の製剤。
[8]アセトアミノフェン濃度が、約8mg/ml~約12mg/mlの範囲である、[3]~[7]のいずれかに記載の製剤。
[9]アセトアミノフェン濃度が約10mg/mlである、[8]に記載の製剤。
[10]前記スルホアルキルエーテルシクロデキストリンが約1mM~約100mMの濃度を有する、[3]~[9]のいずれかに記載の製剤。
[11]2.6μg/ml未満のp-アミノフェノールをさらに含む、[3]~[10]のいずれかに記載の製剤。
[12]0.05μg/ml未満のp-アミノフェノールをさらに含む、[3]~[10]のいずれかに記載の製剤。
[13]製剤中のアセトアミノフェンの総量に対して0.015重量%未満のp-アミノフェノールをさらに含む、[1]~[10]のいずれかに記載の製剤。
[14]前記製剤を25℃で12か月間貯蔵後にp-アミノフェノール量を測定する、[11]~[13]のいずれかに記載の製剤。
[15]前記製剤を酸素洗浄する、[1]~[14]のいずれかに記載の製剤。
[16]前記製剤を酸素洗浄しない、[1]~[14]のいずれかに記載の製剤。
[17]前記スルホアルキルエーテルシクロデキストリンが50mM未満の濃度を有する、[1]~[16]のいずれかに記載の製剤。
[18]前記製剤が副腎皮質ステロイドを含まない、[1]~[17]のいずれかに記載の製剤。
[19]前記製剤がアンドロゲンを含まない、[1]~[17]のいずれかに記載の製剤。
[20]前記製剤がクロピドグレルを含まない、[1]~[17]のいずれかに記載の製剤。
[21]前記製剤がフルオロキノロンを含まない、[1]~[17]のいずれかに記載の製剤。
[22]前記製剤がベンズヒドリルピペラジンを含まない、[1]~[17]のいずれかに記載の製剤。
[23]前記製剤がセチリジンを含まない、[1]~[17]のいずれかに記載の製剤。[24]前記製剤がニコチンを含まない、[1]~[17]のいずれかに記載の製剤。
[25]前記製剤が17α-エチニル-5α-アンドロスタン-3α,17β-ジオールを含まない、[1]~[17]のいずれかに記載の製剤。
[26]前記製剤がピロン類似体を含まない、[1]~[17]のいずれかに記載の製剤。
[27]前記製剤がフラボノイドを含まない、[1]~[17]のいずれかに記載の製剤。
[28]前記製剤がケルセチンを含まない、[1]~[17]のいずれかに記載の製剤。[29]1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤をさらに含む、[1]~[28]のいずれかに記載の製剤。
[30]緩衝剤をさらに含む、[1]~[29]のいずれかに記載の製剤。
[31]前記緩衝剤がリン酸緩衝剤である、[30]に記載の製剤。
[32]前記緩衝剤が酢酸緩衝剤である、[30]に記載の製剤。
[33]前記緩衝剤が、1mM~約100mMの範囲の濃度を有する、[30]に記載の製剤。
[34]前記製剤が、約5~約10の範囲のpHを有する、[1]~[33]のいずれかに記載の製剤。
[35]前記製剤のpHが、約5.8~約7.4の範囲である、[34]に記載の製剤。[36]前記製剤が、5.8より高いpHを有する、[1]~[35]のいずれかに記載の製剤。
[37]塩をさらに含む、[1]~[36]のいずれかに記載の製剤。
[38]前記塩が塩化ナトリウムである、[37]に記載の製剤。
[39]前記製剤が、約100mOsm/kg~約500mOsm/kgの範囲の重量モル浸透圧濃度を有する、[1]~[38]のいずれかに記載の製剤。
[40]前記製剤の重量モル浸透圧濃度が、約200mOsm/kg~約300mOsm/kgの範囲である、[39]に記載の製剤。
[41]前記スルホアルキルエーテルシクロデキストリンが、式1:
【化3】
の化合物、その混合物またはその薬学的に許容可能な塩であり、
式中:
pは、4、5、または6であり;
各Rは、独立して、-OHまたは-O-(C~Cアルキレン)-SOTであり

Tは、水素または薬学的に許容可能なカチオンであり、
但し、少なくとも1つのRは-OHである、
[1]~[40]のいずれかに記載の製剤。
[42]少なくとも1つのRは、-O-(C~Cアルキレン)-SO-Tである、[41]に記載の製剤。
[43]少なくとも1つのRは、独立して、-OCHCHCHSOTである、[42]に記載の製剤。
[44]少なくとも1つのRは、独立して、-OCHCHCHCHSOTである、[42]に記載の製剤。
[45]アセトアミノフェン;および
スルホアルキルエーテルシクロデキストリン、
を含む、滅菌使い捨て容器であって、
前記アセトアミノフェンおよびスルホアルキルエーテルシクロデキストリンは固体であり、アセトアミノフェンに対するスルホアルキルエーテルシクロデキストリンのモル比は約0.01~約2の範囲である、
前記容器。
[46]アセトアミノフェンに対するスルホアルキルエーテルシクロデキストリンのモル比が約0.05~約0.5の範囲である、[45]に記載の製剤。
[47]アセトアミノフェンに対するスルホアルキルエーテルシクロデキストリンのモル比が約0.01以上で1未満の範囲である、[46]に記載の製剤。
[48]アセトアミノフェンおよびスルホアルキルエーテルシクロデキストリンを含む液剤の有効量を、それを必要とする対象に注射により投与することを含む、前記対象の解熱もしくは熱の治療方法または痛みの緩和方法であって、アセトアミノフェンに対するスルホアルキルエーテルシクロデキストリンのモル比が約0.01~約2の範囲である、前記方法。
[49]前記液剤を、無針注射器を用いて投与する、[48]に記載の方法。
[50]前記液剤を静脈内注射する、[48]に記載の方法。
[51]前記液剤を筋肉内注射する、[48]に記載の方法。
[52]前記液剤が副腎皮質ステロイドを含まない、[48]~[51]のいずれかに記載の方法。
[53]前記液剤がアンドロゲンを含まない、[48]~[52]のいずれかに記載の方法。
図1
図2
図3
図4A
図4B