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  • 特開-外用組成物 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024051122
(43)【公開日】2024-04-10
(54)【発明の名称】外用組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/34 20060101AFI20240403BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20240403BHJP
   A61Q 19/10 20060101ALI20240403BHJP
【FI】
A61K8/34
A61Q19/00
A61Q19/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024029035
(22)【出願日】2024-02-28
(62)【分割の表示】P 2022534110の分割
【原出願日】2021-07-01
(31)【優先権主張番号】P 2020115719
(32)【優先日】2020-07-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2020157265
(32)【優先日】2020-09-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】000115991
【氏名又は名称】ロート製薬株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000729
【氏名又は名称】弁理士法人ユニアス国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】井上 翔太
(72)【発明者】
【氏名】丸川 純子
(57)【要約】
【課題】エタノールが比較的多量に含有される場合であっても、皮膚への適用時のエタノールによる乾燥を抑制すると共に、使用感に優れた組成物を提供することを目的とする。
【解決手段】(A)エタノール、及び、(B)エリスリトール、ソルビトール、及び、キシリトールからなる群より選択される少なくとも1種を含有し、(A)エタノールの含有量が、32~85質量%である、外用組成物を提供する。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)エタノール、及び、
(B)エリスリトール、ソルビトール、及び、キシリトールからなる群より選択される少なくとも1種
を含有し、
(A)エタノールの含有量が、32~85質量%である、外用組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は外用組成物に関する。より詳細には、皮膚の清浄性維持や、皮膚の保護に適する外用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
エタノールは、細菌やウイルスに対する消毒効果を有し、手指消毒剤等に用いられている。また、化粧料にも配合されることがあり、その配合目的としては、肌を引き締めるための収れん効果、皮脂や汚れを浮かして落とすためのクレンジング効果、揮発時の熱放散による清涼効果等がある。
【0003】
しかしながら、細菌やウイルスによる感染が大きな影響を与える現代社会では、化粧料において、エタノールをより高濃度に配合した商品に対するニーズが高まるものと推測される。
【0004】
エタノールは揮発成分であるため、消毒効果を有する反面、揮発時に皮膚の油分及び水分を奪うことで、バリア機能を減弱させ、水分の蒸散を促進し、肌の乾燥を生じさせやすい。
【0005】
上記の社会ニーズに対応した製品では、エタノールを高濃度で含有させることに加え、利用頻度も高くなりやすく、エタノールに起因する乾燥や肌荒れの問題が顕在化しやすいものと推測される。このようなエタノールの特性から、特許文献1では、比較的多量のエタノールを含有し、乾燥肌或いは敏感肌の人にも適する化粧料を提供することは困難であることが示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005-132750号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
皮膚への適用時の潤いを保ち、乾燥を予防・改善する目的で、グリセリン等の保湿剤が用いられている。しかしながら、後述の比較例で示すように、エタノールが比較的多量に含有される外用組成物においては、グリセリンによるべたつきが感じられ使用感を低下させることが確認された。
【0008】
エタノールが比較的多量に含有される外用組成物であっても、皮膚への適用時のエタノールによる乾燥を抑制すると共に、使用感に優れた処方が求められる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明者が鋭意検討した結果、エタノールを比較的多量に含有する組成物において、特定の(B)成分を共存させることにより、皮膚等への適用時の使用感にも優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明は、下記に掲げる組成物を提供する。
[1]
(A)エタノール、及び、
(B)エリスリトール、ソルビトール、及び、キシリトールからなる群より選択される少なくとも1種
を含有し、
(A)エタノールの含有量が、32~85質量%である、外用組成物。
[2]
(A)エタノールの含有量1質量部に対して、(B)成分の含有量が、0.01~0.5質量部である、[1]に記載の外用組成物。
[3]
さらに、(C)水を、10質量%以上含有する、[1]又は[2]に記載の外用組成物。
[4]
消毒用である、[1]~[3]のいずれかに記載の外用組成物。
[5]
皮膚の清浄性維持用、及び/又は、皮膚の保護用である、[1]~[3]のいずれかに記載の外用組成物。
[6]
(B)エリスリトール、ソルビトール、及び、キシリトールからなる群より選択される少なくとも1種を含有することを特徴とする、(A)32~85質量%のエタノール含有外用組成物における使用感改善剤。
[7]
(A)32~85質量%のエタノールを含有する外用組成物に、
(B)エリスリトール、ソルビトール、及び、キシリトールからなる群より選択される少なくとも1種を配合することを特徴とする、外用組成物の使用感改善方法。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、比較的多量のエタノールを含有しながらも、皮膚への適用時の使用感に優れた外用組成物を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、試験例2における、外用組成物の速乾性に関する評価結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[外用組成物]
一つの実施形態において、本発明の外用組成物は、(A)エタノール、及び、(B)エリスリトール、ソルビトール、及び、キシリトールからなる群より選択される少なくとも1種を含有する。
【0014】
[(A)成分]
本発明の外用組成物は、(A)成分として、エタノールを含有する。エタノールは、グルコース等の糖からアルコール発酵により製造してもよく、市販品を用いてもよい。
【0015】
外用組成物において、エタノールの含有量は、本発明の効果を顕著に奏する観点から、外用組成物全量に対して、32~85質量%である。エタノールを比較的多量に含有することで、皮膚の清浄性を維持することが可能となる。
【0016】
また、限定はされないが、エタノールの含有量は、本発明の効果を顕著に奏する観点から、例えば、外用組成物全量に対して、34質量%以上、36質量%以上、38質量%以上、40質量%以上、42質量%以上、44質量%以上、46質量%以上、48質量%以上、50質量%以上、52質量%以上、54質量%以上、56質量%以上、58質量%以上、60質量%以上、63質量%以上、65質量%以上、69質量%以上、70質量%以上とすることができる。
【0017】
また、限定はされないが、エタノールの含有量は、本発明の効果を顕著に奏する観点から、例えば、外用組成物全量に対して、84質量%以下、83質量%以下、82質量%以下、81質量%以下、80質量%以下、79質量%以下、78質量%以下、77質量%以下、76質量%以下、75質量%以下、74質量%以下、73質量%以下、72質量%以下とすることができる。
【0018】
また、限定はされないが、エタノールの含有量は、本発明の効果を顕著に奏する観点から、例えば、外用組成物全量に対して、34~84質量%、36~83質量%、38~82質量%、40~81質量%、42~80質量%、44~80質量%、46~80質量%、48~80質量%、50~80質量%、52~80質量%、54~80質量%、56~80質量%、58~80質量%、60~80質量%、63~78質量%、65~75質量%、69~75質量%とすることができる。
【0019】
また、別の実施態様においては、細菌感染やウイルス感染の予防のため消毒用として用いる観点から、エタノールの含有量を60~80質量%とすることが好ましく、63~78質量%とすることがより好ましく、65~75質量%とすることが更に好ましく、69~75質量%とすることが特に好ましい。
【0020】
また、別の実施態様において、エタノールの含有量を体積%で示すと以下が例示される。
限定はされないが、エタノールの含有量は、本発明の効果を顕著に奏する観点から、例えば、外用組成物全体積に対して、50体積%以上、55体積%以上、60体積%以上、65体積%以上、70体積%以上、75体積%以上とすることができる。
【0021】
また、限定はされないが、エタノールの含有量は、本発明の効果を顕著に奏する観点から、例えば、外用組成物全体積に対して、95体積%以下、90体積%以下、85体積%以下とすることができる。
【0022】
また、限定はされないが、エタノールの含有量は、本発明の効果を顕著に奏する観点から、例えば、外用組成物全体積に対して、50~95体積%、55~90体積%、60~85体積%、65~85体積%、70~85体積%、75~82体積%とすることができる。
【0023】
[(B)成分]
本発明の外用組成物は、(B)成分として、エリスリトール、ソルビトール、及び、キシリトールからなる群より選択される少なくとも1種を含有する。(B)成分については、原料となる糖に水素添加処理(還元)により製造してもよく、市販品を用いてもよい。本発明の効果を顕著に奏する観点から、(B)成分は、エリスリトール、及び/又は、ソルビトールであることが好ましい。
【0024】
(B)成分の含有量は、本発明の効果を顕著に奏する観点から、例えば、外用組成物全量に対して、好ましくは、0.01~20質量%、より好ましくは、0.05~15質量%、更に好ましくは、0.1~10質量%、特に好ましくは、0.5~5質量%、更により好ましくは1~4質量%、最も好ましくは2~3質量%である。
【0025】
(A)成分に対する(B)成分の配合比率は、(B)成分の種類や含量、製剤の態様等によって適宜変更され限定はされない。本発明の効果を顕著に奏する観点から、例えば、(A)エタノールの含有量1質量部に対して、(B)成分の含有量が、0.01~0.5質量部とすることができ、好ましくは、0.01~0.4質量部、より好ましくは、0.02~0.3質量部、更に好ましくは、0.03~0.2質量部、特に好ましくは、0.04~0.1質量部、最も好ましくは、0.04~0.08質量部である。
【0026】
[(C)水]
本発明の外用組成物は、限定はされないが、(B)成分の析出を防ぐ目的から、水を含むことが好ましい。
水の含有量は、本発明の効果を顕著に奏する観点から、例えば、外用組成物全量に対して、好ましくは、5~65質量%、より好ましくは、10~50質量%、更に好ましくは、20~40質量%、特に好ましくは、20~30質量%、最も好ましくは22~28質量%である。
【0027】
[用途]
本発明の外用組成物は、限定はされないが、比較的多量のエタノールを含有しているため、皮膚における細菌の増殖を抑制すること、及び/又は、ウイルスを減弱させることが期待される。また、別の実施態様において、本発明の外用組成物を皮膚へ適用することで、皮膚の清浄性を維持することが可能となる。
【0028】
また、比較的多量のエタノールを含有する場合、皮膚の乾燥や肌荒れが問題となり得るが、本発明の外用組成物においては、(A)成分に加えて(B)成分が共存しているため、肌に潤い感を与え、エタノールによる乾燥を抑制することが可能となる。このような作用により、本発明の外用組成物を皮膚へ適用することで、皮膚のバリア機能が損なわれることを防ぎ、皮膚を保護することが可能となる。
【0029】
具体的には、本発明の外用組成物は、例えば、手指・皮膚の殺菌・消毒、外傷の消毒・治療・殺菌による傷の化膿の防止、一般外傷・擦傷・切傷の殺菌・消毒、傷面の殺菌・消毒に用いられ得る。また、本発明の外用組成物は、例えば、肌の保湿、肌の収斂、肌のキメを整えることに用いられ得る。なかでも、本発明の外用組成物は、皮膚の殺菌、消毒、及び、肌の保湿からなる群より選択される少なくとも1種に用いることが好ましい。
【0030】
限定はされないが、本発明の外用組成物を化粧料として用いる場合等では、皮膚へ適用した際の使用感に優れることが求められる。本発明の外用組成物においては、(A)成分に加えて(B)成分が共存しているため、皮膚への適用時に速乾性が向上し改善され、また、より好ましいさらさら感を得ることが可能となる。本明細書において、さらさら感とは、ある物質の表面形状が、例えば砂のような粉体が流れるときの砂の触り心地のような、べたつきのない感触であることを指す。また、さらさら感を有する外用組成物を適用すると、塗布前に対して、塗布後に動摩擦力が低下する。また、使用時の利便性が高められることが期待される。1つの実施態様において、外用組成物を皮膚へ適用した際の使用感とは、例えば、エタノールによる皮膚の乾燥を抑制すること、速乾性が向上し改善すること、及び/又は、さらさら感を得ることを意味することが好ましく、これら3種のうち2種以上を同時に意味することがより好ましく、エタノールによる皮膚の乾燥を抑制すること、速乾性が向上し改善すること、且つ、さらさら感を得ることを意味すること(これら3種を同時に意味すること)が特に好ましい。
【0031】
限定はされないが、本発明の外用組成物に、65質量%以上のエタノールを含有させることによって、消毒の用途で利用することが可能となる。本発明の外用組成物においては、(A)成分に加えて(B)成分が共存しているため、速乾性があり、細菌やウイルスに対する消毒効果が高められることが期待される。また、使用時の利便性が高められることが期待される。
【0032】
外用組成物が適用される部位は、消毒効果や清浄性が求められる部位であれば特に制限されないが、皮膚、毛髪、爪等が挙げられる。これらの中でも、外用組成物が適用される部位は、皮膚が好ましく、手(手のひら、手指)、顔、足、頭皮、首元、胸元、脇、背中の皮膚がより好ましく、手のひら、手指、脇の皮膚が特に好ましい。
【0033】
[製剤形態]
本発明の外用組成物は、限定はされないが、皮膚外用剤として、医薬品、医薬部外品、あるいは化粧品の形態で使用され得る。皮膚外用剤においては、本発明の効果を損なわない範囲で、皮膚外用剤(化粧料、医薬部外品、医薬品)に添加される公知の基剤又は担体と共に混合して組成物とすることができる。
【0034】
本発明の外用組成物は、医薬品、医薬部外品、又は化粧品の公知の形態として、例えば、液剤(なかでも、噴霧式スプレー剤)、懸濁剤、乳剤、クリーム剤、軟膏剤、ゲル剤、リニメント剤、ローション剤、エアゾール剤、パウダー剤、パップ剤、不織布等のシートに薬液を含浸させたシート剤等が挙げられる。中でも、好ましくは、液剤(なかでも、噴霧式スプレー剤)、懸濁剤、乳剤、ゲル剤、ローション剤の形態で用いられる。
【0035】
限定はされないが、本発明の外用組成物は、適用時の微粒子化により液滴の表面積が大きくなり、速乾性が高まる観点から、噴霧式スプレー剤であることが好ましい。また、限定はされないが、適用時に過剰量を使用する可能性が抑えられる別の観点から、噴霧式スプレー剤であることが好ましい。
【0036】
特に化粧料とする場合の具体的な形態としては、化粧水、乳液、クリーム、美容液、日焼け止め用化粧料、ボディローションのような基礎化粧料などが挙げられる。
【0037】
このような外用組成物としては、比較的多量のエタノールを含有することによる影響が起こりやすい方を対象としたものが好ましく、例えば、ベビー用、乳幼児用、子供用、肌の弱い方用、敏感肌用、乾燥肌用、ゆらぎ肌用、トラブル肌用とすることがより好ましい。
【0038】
[容器]
本発明の外用組成物を充填する容器は特に限定されず、医薬品外用剤、医薬部外品、化粧品用の容器として用いられるものであればよい。このような容器材質として、例えば、外用組成物との接触面の一部又は全部、好ましくは全部が、ポリオレフィン樹脂、アクリル酸樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、フッ素樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ABS樹脂、AS樹脂、ポリアセタール、変性ポリフェニレンエーテル、ポリアリレート、ポリスルホン、ポリイミド、セルロースアセテート、アルミニウム、及びガラスからなる群より選ばれる少なくとも1種の材料で構成されている容器が挙げられる。
【0039】
製剤の扱いやすさの観点から、容器材質は、例えば、ポリエチレン(PE)(高密度ポリエチレン(HDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、超低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、超高分子量ポリエチレンなどを含む)、ポリプロピレン(PP)(アイソタクチックポリプロピレン、シンジオタクチックポリプロピレン、アタクチックポリプロピレンなどを含む)、及びエチレン・プロピレンコポリマー、ポリメチルペンテン、ポリブテンー1、1,2-ポリブタジエンのようなポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル樹脂が好ましく、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートがより好ましい。
【0040】
本発明の外用組成物は、本発明の効果を損なわない量的および質的範囲内で、必要に応じて医薬品、医薬部外品または化粧品分野において一般的に用いられる各種の成分、例えば界面活性剤、保湿剤、植物油、血行促進剤、増粘剤、清涼化剤、滑沢剤、保存剤、酸化防止剤、着色剤、分散剤、キレート剤、pH調整剤、香料、抗菌成分、抗炎症成分、収斂成分、ビタミン類、ペプチド又はその誘導体、アミノ酸又はその誘導体、角質柔軟成分、細胞賦活化成分などを配合することができる。なお、これらの成分は1種単独または2種以上を任意に組み合わせて配合することができる。さらに、これらの成分は、公知の基剤または担体と共に混合して、外用組成物に配合することができる。これらの成分を常法に従って混合等することによって本発明の外用組成物を製造することが可能である。
【0041】
基剤又は担体としては、例えば、流動パラフィン、スクワラン、ゲル化炭化水素(プラスチベースなど)、オゾケライト、α-オレフィンオリゴマー、軽質流動パラフィンのような炭化水素;メチルポリシロキサン、架橋型メチルポリシロキサン、高重合メチルポリシロキサン、環状シリコーン、アルキル変性シリコーン、架橋型アルキル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、ポリグリセリン変性シリコーン、架橋型ポリエーテル変性シリコーン、架橋型アルキルポリエーテル変性シリコーン、シリコーン・アルキル鎖共変性ポリエーテル変性シリコーン、シリコーン・アルキル鎖共変性ポリグリセリン変性シリコーン、ポリエーテル変性分岐シリコーン、ポリグリセリン変性分岐シリコーン、アクリルシリコン、フェニル変性シリコーン、シリコーンレジンのようなシリコーン油;ブチレングリコールアジピン酸ポリエステル;ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸セチル、イソノナン酸イソノニル、テトラ2-エチルヘキサン酸ペンタエリスリットのようなエステル類;ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セタノール、セトステアリルアルコール、ステアリルアルコール、アラキルアルコール、ベヘニルアルコール、イソステアリルアルコールのような高級アルコール;ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸のような高級脂肪酸;エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースのようなセルロース誘導体;ポリビニルピロリドン;カラギーナン;ポリビニルブチラート;ポリエチレングリコール;ジオキサン;デキストリン、マルトデキストリンのような多糖類;イソプロパノール;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテルのようなグリコールエーテル;ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブチレングリコール、イソプレングリコールなどの多価アルコールなどの水系基剤などが挙げられる。
【0042】
基剤又は担体は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて使用できる。
【0043】
界面活性剤としては、例えば、ソルビタンモノイソステアレート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノパルミテート、モノイソステアリン酸ソルビタン、ソルビタンモノステアレート、ペンタ-2-エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタン、テトラ-2-エチルヘキシル酸ジグリセロールソルビタンのようなソルビタン脂肪酸エステル類;モノステアリン酸プロピレングリコールのようなプロピレングリコール脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油40(HCO-40)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油50(HCO-50)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油60(HCO-60)、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油80などの硬化ヒマシ油誘導体;モノラウリル酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(ポリソルベート20)、モノステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(ポリソルベート60)、モノオレイン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタン(ポリソルベート80)、イソステアリン酸ポリオキシエチレン(20)ソルビタンのようなポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレンモノヤシ油脂肪酸グリセリル;モノラウリン酸ポリグリセリル;グリセリンアルキルエーテル;アルキルグルコシド;ポリオキシエチレンセチルエーテルのようなポリオキシアルキレンアルキルエーテル;ステアリルアミン、オレイルアミンのようなアミン類;ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、ラウリルPEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、PEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコンのようなシリコーン系界面活性剤等が挙げられる。
【0044】
保湿剤としては、例えば、1、3-ブチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ジグリセリントレハロースのような多価アルコール;ヒアルロン酸ナトリウム、ヘパリン類似物質、コンドロイチン硫酸ナトリウム、コラーゲン、エラスチン、ケラチン、キチン、キトサンのような高分子化合物;グリシン、アスパラギン酸、アルギニンのようなアミノ酸;乳酸ナトリウム、尿素、ピロリドンカルボン酸ナトリウムのような天然保湿因子;セラミド、コレステロール、リン脂質のような脂質;カミツレエキス、ハマメリスエキス、チャエキス、シソエキスのような植物抽出エキス等が挙げられる。
【0045】
植物油としては、アボガド油、アマニ油、ツバキ油、ピーナッツ油、マカデミアナッツ油、クルミ油、トウモロコシ油、オリーブ油、サフラワー油、キョウニン油、シナモン油、ホホバ油、ブドウ種子油、ヒマワリ油、アーモンド油、サザンカ油、ナタネ油、ゴマ油、ヒマシ油、ヤシ油、硬化ヤシ油、パーム油、パーム核油、モクロウ核油、モクロウ、小麦胚芽油、米胚芽油、米ヌカ油、綿実油、大豆油、落花生油、茶実油、月見草油、ククイナッツ油、ヘーゼルナッツ油、オレンジ油、カミツレ油等が挙げられる。
【0046】
血行促進剤としては、例えば、アセチルコリン、イクタモール、カフェイン、カプサイシン、カンタリスチンキ、ガンマーオリザノール、ショオウキョウチンキ、ジンゲロン、セファランチン、センブリエキス、タンニン酸、トウガラシチンキ、トラゾリン、ニコチン酸トコフェロール、ニコチン酸ベンジルエステル等が挙げられる。
【0047】
増粘剤としては、例えば、グアーガム、ローカストビーンガム、カラギーナン、キサンタンガム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、疎水化ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、アクリル酸メタクリル酸アルキル共重合体、ポリエチレングリコール、ベントナイト、(アクリル酸ヒドロキシエチル/アクリロイルジメチルタウリンナトリウム)コポリマー、(アクリロイルジメチルタウリンアンモニウム/ビニルピロリドン)コポリマー等が挙げられる。
【0048】
清涼化剤としては、例えば、メントール及びその誘導体、カンフル、ボルネオール、ゲラニオール、シネオール、アネトール、リモネン、オイゲノール等のテルペン類(これらはd体、l体又はdl体のいずれでもよい。);ユーカリ油、ベルガモット油、ペパーミント油、クールミント油、スペアミント油、ウイキョウ油、ハッカ油、ケイヒ油、ローズ油、テレビン油等の精油等が挙げられる。
【0049】
滑沢剤としては、例えば、シリカ、タルク、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化チタン、無水ケイ酸、カオリン、セリサイト、ヒドロキシアパタイト、ステアリン酸、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ホウ酸、ポリエチレングリコール等が挙げられる。
【0050】
保存剤としては、例えば、安息香酸、安息香酸ナトリウム、デヒドロ酢酸、デヒドロ酢酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸イソブチル、パラオキシ安息香酸イソプロピル、パラオキシ安息香酸ブチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ベンジル、パラオキシ安息香酸メチル、フェノキシエタノール、クロロブタノール等が挙げられる。
【0051】
酸化防止剤としては、例えば、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ソルビン酸、亜硫酸ナトリウム、アスコルビン酸、エリソルビン酸、L-システイン塩酸塩等が挙げられる。
【0052】
着色剤としては、例えば、無機顔料、天然色素等が挙げられる。
【0053】
分散剤としては、例えば、ピロリン酸ナトリウム、ヘキサメタリン酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、メチルビニルエーテル/無水マレイン酸架橋コポリマー、有機酸等が挙げられる。
【0054】
キレート剤としては、例えば、EDTA・2ナトリウム塩、EDTA・カルシウム・2ナトリウム塩、フィチン酸、グルコン酸、ポリリン酸、メタリン酸等が挙げられる。中でも、エデト酸ナトリウムが好ましい。
【0055】
pH調整剤としては、例えば、無機酸(塩酸、硫酸など)、有機酸(乳酸、乳酸ナトリウム、クエン酸、クエン酸ナトリウム、コハク酸、コハク酸ナトリウムなど)、無機塩基(水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなど)、有機塩基(トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミンなど)などが挙げられる。
【0056】
抗菌成分としては、例えば、クロルヘキシジン、サリチル酸、塩化ベンザルコニウム、臭化セチルトリメチルアンモニウム、アクリノール、塩化ベンゼトニウム、クレゾール、グルコン酸およびその誘導体、ポピドンヨード、ヨウ化カリウム、ヨウ素、イソプロピルメチルフェノール、トリクロカルバン、トリクロサン、感光素101号、感光素201号、パラベン、フェノキシエタノール、1,2-ペンタンジオール、塩酸アルキルジアミノグリシン、ピロクトンオラミン、ミコナゾール等が挙げられる。
【0057】
抗炎症成分としては、例えば、アラントイン及びその誘導体(例えば、アルクロキサ、アラントインなど)、カラミン、トラネキサム酸、グリチルリチン酸若しくはその誘導体又はそれらの塩(例えば、グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルリチン酸モノアンモニウムなど)、グリチルレチン酸若しくはその誘導体又はそれらの塩(例えば、グリチルレチン酸、グリチルレチン酸ステアリルなど)、酸化亜鉛、アミノカプロン酸、アズレン及びその誘導体(例えば、グアイアズレン、アズレンなど)、酢酸トコフェロール、塩酸ピリドキシン、メントール、カンフル、テレピン油、インドメタシン、サリチル酸又はその誘導体、ステロイド類若しくはその誘導体又はそれらの塩(例えば、ヒドロコルチゾン、プレドニゾロン)、ウフェナマート、ブフェキサマク、イブプロフェンピコノール、アゼライン酸、植物(例えば、コンフリー、オウレン、ドクダミ、カミツレ、ビルベリー、イザヨイバラ、エンメイソウなど)に由来する成分、等が挙げられる。
【0058】
収斂成分としては、例えば、ミョウバン、塩化アルミニウム、アラントインアルミニウム塩、スルホ石炭酸亜鉛、塩基性乳酸アルミニウム亜鉛、酸化亜鉛、硫酸亜鉛、硫酸アルミニウムカリウム等の金属塩;タンニン酸、クエン酸、乳酸、コハク酸などの有機酸、植物(例えば海藻、タイム、紅茶、ウーロン茶、緑茶、オトギリソウ、ハマメリス、ビワ、ボタンピ、ユキノシタ、ルイボス、レンゲソウ、アーティチョーク、カミツレ、ユーカリ、レモン、ローズマリー、ワレモコウなど)に由来する成分等を挙げることができる。
【0059】
ビタミン類としては、例えば、dl-α-トコフェロール、酢酸dl-α-トコフェロール、コハク酸dl-α-トコフェロール、コハク酸dl-α-トコフェロールカルシウム等のビタミンE類;リボフラビン、フラビンモノヌクレオチド、フラビンアデニンジヌクレオチド、リボフラビン酪酸エステル、リボフラビンテトラ酪酸エステル、リボフラビン5’-リン酸エステルナトリウム、リボフラビンテトラニコチン酸エステル等のビタミンB2類;ニコチン酸、ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸メチル、ニコチン酸β-ブトキシエチル、ニコチン酸1-(4-メチルフェニル)エチル、ニコチン酸アミド等のニコチン酸類;アスコルビン酸、アスコルビゲン-A、アスコルビン酸ステアリン酸エステル、アスコルビン酸パルミチン酸エステル、ジパルミチン酸L-アスコルビル、3-О-エチルアスコルビン酸、パルミチン酸アスコルビルリン酸3Na、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸2-グルコシド、デヒドロアスコルビン酸、アスコルビン酸リン酸エステルナトリウム、アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム等のビタミンC類;メチルヘスペリジン、エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロールなどのビタミンD類;フィロキノン、ファルノキノン等のビタミンK類、γ-オリザノール、ジベンゾイルチアミン、ジベンゾイルチアミン塩酸塩;チアミン塩酸塩、チアミンセチル塩酸塩、チアミンチオシアン酸塩、チアミンラウリル塩酸塩、チアミン硝酸塩、チアミンモノリン酸塩、チアミンリジン塩、チアミントリリン酸塩、チアミンモノリン酸エステルリン酸塩、チアミンモノリン酸エステル、チアミンジリン酸エステル、チアミンジリン酸エステル塩酸塩、チアミントリリン酸エステル、チアミントリリン酸エステルモノリン酸塩等のビタミンB1類;塩酸ピリドキシン、酢酸ピリドキシン、塩酸ピリドキサール、5’-リン酸ピリドキサール、塩酸ピリドキサミン等のビタミンB6類;シアノコバラミン、ヒドロキソコバラミン、デオキシアデノシルコバラミン等のビタミンB12類;葉酸、プテロイルグルタミン酸等の葉酸類;パントテン酸、パントテン酸カルシウム、パントテニルアルコール(パンテノール)、D-パンテサイン、D-パンテチン、補酵素A、パントテニルエチルエーテル等のパントテン酸類;ビオチン、ビオチシン等のビオチン類;カルニチン、フェルラ酸、α-リポ酸、オロット酸等のビタミン様作用因子等が挙げられる。
【0060】
ペプチド又はその誘導体としては、例えば、ケラチン分解ペプチド、加水分解ケラチン、コラーゲン、魚由来コラーゲン、アテロコラーゲン、ゼラチン、エラスチン、エラスチン分解ペプチド、コラーゲン分解ペプチド、加水分解コラーゲン、塩化ヒドロキシプロピルアンモニウム加水分解コラーゲン、エラスチン分解ペプチド、コンキオリン分解ペプチド、加水分解コンキオリン、シルク蛋白分解ペプチド、加水分解シルク、ラウロイル加水分解シルクナトリウム、大豆蛋白分解ペプチド、加水分解大豆蛋白、小麦蛋白、小麦蛋白分解ペプチド、加水分解小麦蛋白、カゼイン分解ペプチド、アシル化ペプチド(パルミトイルオリゴペプチド、パルミトイルペンタペプチド、パルミトイルテトラペプチド等)等が挙げられる。
【0061】
アミノ酸又はその誘導体としては、例えば、ベタイン(トリメチルグリシン)、プロリン、ヒドロキシプロリン、アルギニン、リジン、セリン、グリシン、アラニン、フェニルアラニン、β-アラニン、スレオニン、グルタミン酸、グルタミン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、シスチン、メチオニン、ロイシン、イソロイシン、バリン、ヒスチジン、タウリン、γ-アミノ酪酸、γ-アミノ-β-ヒドロキシ酪酸、カルニチン、カルノシン、クレアチン等が挙げられる。
【0062】
角質柔軟成分としては、例えば、乳酸、サリチル酸、サリチル酸グリコール酸、グルコン酸、クエン酸、リンゴ酸、フィチン酸、尿素、イオウ等が挙げられる。
【0063】
細胞賦活化成分としては、例えば、γ-アミノ酪酸、ε-アミノカプロン酸などのアミノ酸類、レチノール、チアミン、リボフラビン、塩酸ピリドキシン、パントテン酸類などのビタミン類、グリコール酸、乳酸などのα-ヒドロキシ酸類、タンニン、フラボノイド、サポニン、アラントイン、感光素301号等が挙げられる。
【0064】
香料としては、公知の香料の他に、植物由来の精油、または動物由来の精油を用いることができる。また、植物油も含有する成分が香りを発するため、香料として用いることができる。
【0065】
[(A)32~85質量%のエタノール含有外用組成物における使用感改善剤]
別の実施形態において、本発明は、(B)エリスリトール、ソルビトール、及び、キシリトールからなる群より選択される少なくとも1種を含有することを特徴とする、(A)32~85質量%のエタノール含有外用組成物における使用感改善剤に関する。
(B)成分の種類や含有量、(A)成分と(B)成分との配合比率、剤形、用途等については、上記の[外用組成物]の記載に準ずる。
【0066】
[外用組成物の使用感改善方法]
別の実施形態において、本発明は、(A)32~85質量%のエタノールを含有する外用組成物に、(B)エリスリトール、ソルビトール、及び、キシリトールからなる群より選択される少なくとも1種を配合することを特徴とする、外用組成物の使用感改善方法に関する。
(B)成分の種類や含有量、(A)成分と(B)成分との配合比率、剤形、用途等については、上記の[外用組成物]の記載に準ずる。
【0067】
[製造方法]
本発明の外用組成物は、各成分を20~80℃に加温して、又は常温にて、撹拌しながら溶解させることで調製することができる。撹拌方法は、公知の方法を用いることができ、例えば、羽根型攪拌機、ディスパー、ホモミキサーなどの装置を用いることができる。溶解して均一となった混合物を常温にまで冷却することで本発明の外用組成物を得ることができる。
【0068】
[実施形態]
上述した実施の形態に関し、限定はされないが、本発明は以下の実施形態を開示する。
【0069】
(A)エタノール、及び、
(B)エリスリトール、ソルビトール、及び、キシリトールからなる群より選択される少なくとも1種
を含有し、
(A)エタノールの含有量が、32~85質量%である、外用組成物。
【0070】
(A)エタノール、及び、
(B)エリスリトール、ソルビトール、及び、キシリトールからなる群より選択される少なくとも1種
を含有し、
(A)エタノールの含有量が、50~95体積%である、外用組成物。
【0071】
(B)成分が、エリスリトール、及び/又は、ソルビトールである、上記の外用組成物。
【0072】
(B)成分の含有量が、0.01~20質量%である、上記の外用組成物。
【0073】
(A)エタノールの含有量1質量部に対して、(B)成分の含有量が、0.01~0.5質量部である、上記の外用組成物。
【0074】
さらに、(C)水を、10質量%以上含有する、上記の外用組成物。
【0075】
(C)水の含有量が、10~50質量%である、上記の外用組成物。
【0076】
(C)水の含有量が、20~40質量%である、上記の外用組成物。
【0077】
消毒用である、上記の外用組成物。
【0078】
皮膚における細菌増殖抑制用である、上記の外用組成物。
【0079】
皮膚の清浄性維持用、及び/又は、皮膚の保護用である、上記の外用組成物。
【0080】
噴霧式スプレー剤である、上記の外用組成物。
【0081】
(B)エリスリトール、ソルビトール、及び、キシリトールからなる群より選択される少なくとも1種を含有することを特徴とする、(A)32~85質量%のエタノール含有外用組成物における使用感改善剤。
【0082】
(B)エリスリトール、ソルビトール、及び、キシリトールからなる群より選択される少なくとも1種を含有することを特徴とする、(A)50~95体積%のエタノール含有外用組成物における使用感改善剤。
【0083】
(B)エリスリトール、ソルビトー・BR>求A及び、キシリトールからなる群より選択される少なくとも1種を含有することを特徴とする、(A)32~85質量%のエタノール含有外用組成物における使用感改善方法。
【0084】
(B)エリスリトール、ソルビトール、及び、キシリトールからなる群より選択される少なくとも1種を含有することを特徴とする、(A)50~95体積%のエタノール含有外用組成物における使用感改善方法。
【0085】
(B)成分が、エリスリトール、及び/又は、ソルビトールである、上記の剤又は方法。
【0086】
(B)成分の含有量が、0.01~20質量%である、上記の剤又は方法。
【0087】
(A)エタノールの含有量1質量部に対して、(B)成分の含有量が、0.01~0.5質量部である、上記の剤又は方法。
【0088】
さらに、(C)水を、10質量%以上含有する、上記の剤又は方法。
【0089】
(C)水の含有量が、10~50質量%である、上記の剤又は方法。
【0090】
噴霧式スプレー剤である、上記の剤又は方法。
【実施例0091】
次に、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。また、実施例において示す「%」は、特に明示がない限り、乾燥固形分換算あるいは実質成分の質量%を示す。
【0092】
[試験例1:VAS試験による外用組成物の使用感評価]
表1に記載の処方に従い、常法により外用組成物を調製した。表2又は表3に示す、0(左端)及び100(右端)の目盛りを付した10cmの直線を用い、VAS(Visual Analog Scale)法により、調製した外用組成物を皮膚に適用した際の使用感(潤い感(エタノールによる乾燥抑制)(表2)、さらさら感(表3))を評価した。具体的には、専門パネラー5名が、調製した外用組成物を手指に適量(約1ml)を適用後、ただちに擦り込んだ。適用後製剤が浸透及び蒸発していく過程における、適用部位での使用感についてVAS評価を記入した。VAS評価は各質問項目について、10cmの線分の左端から回答した斜線位置までの長さを測定し、回答値とした。例えば潤い感(エタノールによる乾燥抑制) (表2)の項目の場合、「濡れているかのように潤っていると感じる(全く乾燥を感じない)」が100で最良の状態であり、「荒れ肌のように乾燥すると感じる(非常に乾燥する)」が0で最悪の状態である。潤い感(エタノールによる乾燥抑制) (表2)、さらさら感(表3)共にスコアが100となる場合は、濡れているかのように潤った状態でありながら、適用部位の触り心地が砂のようにさらさらしている状態であると評価されたこととなる。なお各処方がわからないような状態にて外用組成物をパネラーに提供し、各外用組成物評価後は手洗い、乾燥を行い、次評価時に適用部位に残留物のないように留意した。VAS評価の結果の平均点を表4に示す。
【0093】
【表1】
【0094】
【表2】
【0095】
【表3】
【0096】
【表4】
【0097】
表4に示す通り、参考例1-1では、エタノールの含有量が低く、水の含有量が高いため、乾燥は殆ど感じられないとの評価が得られた。しかしながら、残留する水分により濡れた感覚が持続するため、さらさら感は得られなかった。
【0098】
また、エタノールの含有量を高くした比較例1-1では、エタノールが揮発した後、皮膚に水分が残りにくいため、さらさら感は感じられたが、潤い感には劣り、エタノールによる皮膚の乾燥が感じられるとの評価が得られた。
【0099】
比較例1-2では、保湿剤として頻用されている多価アルコールであるグリセリンを、エタノールと共存させた場合の効果を評価した。グリセリンによる潤い感は得られたが、さらさら感は著しく低下し、べたつきを感じるとの評価が得られた。
【0100】
上記に対して、実施例1-1~1-4では、潤い感と共にさらさら感も合わせて得られることが示された。さらさら感を呈しながらも、エタノールによる過度な乾燥は感じられず、程良い潤い感が得られるとの結果は、本発明の外用組成物で特有の使用感であることが示された。
【0101】
実施例1-1では、比較例1-1と対比して、潤い感が改善されたにも関わらず、さらさら感も損なわれず高い評価が得られた。(B)成分としてエリスリトールを用いた実施例1-2では、比較例1-2の結果を考慮すると、さらさら感が損なわれることが予想されるにも関わらず、意外なことに潤い感とさらさら感とが両方改善する結果となった。実施例1-3及び実施例1-4では、(B)成分としてそれぞれキシリトール、ソルビトールを用いているが、実施例1-2と同様の傾向として、潤い感とさらさら感とが両方とも改善する結果が得られた。
【0102】
[試験例2-1:外用組成物の速乾性評価]
表5に記載の処方に従い、常法により外用組成物を調製し、試験液を得た。
27℃、RH50±5%下で直径7cmシャーレに各試験液を約3g添加し、測定開始初期重量から1分、5分、及び、10分経過時点での重量を測定した。これを3回行い、このときの重量の時間ごとの平均値を時間に対してプロットし、マイクロソフトオフィスのエクセルによる線形近似直線作成機能(最小二乗法)で直線の傾きを求めた。経時的に試験液は蒸発し、重量は減少するため、この傾きは負の値をとり、蒸発しやすい(乾きやすい)試験液ほど絶対値の大きな値となる。なお、いずれの直線においてもr二乗値は0.9980以上を示し、直線近似が妥当であることが確認された。各試験液における結果を図1に示す。
【0103】
【表5】
【0104】
エタノールのみを含有する比較例2-1では、線形近似直線の傾きが「-0.0281」であったものの、比較例2-1の処方にグリセリンを含有させた比較例2-2では、線形近似直線の傾きが「-0.0254」となり速乾性が著しく低下する結果となった。一方、エタノールと(B)成分を含有させると、比較例2-2と対比して速乾性に優れることが確認された。特に、(B)成分として、エリスリトール、又は、ソルビトールを含有させた実施例2-1、実施例2-2では、エタノールのみを含有する比較例2-1よりも速乾性に優れることが確認された。
【0105】
[試験例2-2:外用組成物の速乾性評価]
表6に記載の処方に従い、常法により外用組成物を調製し、試験液を得た。これらについて試験例2-1と同じ方法で試験液の蒸発による重量の時間変化を調べ、線形近似直線作成機能(最小二乗法)で得られた直線の傾きを求めた。なお、いずれの直線においてもr二乗値は0.9950以上を示し、直線近似が妥当であることが確認された。結果を合わせて表6に示す。
【0106】

【表6】
【0107】
エタノールのみを含有する比較例2-3、2-4では線形近似直線の傾きが「-0.0249」、「-0.0270」であったものの、(B)成分として、エリスリトール、又は、ソルビトールを含有させた実施例2-4~2-7では各エタノール濃度において傾きが大きくなっており、速乾性が向上することが確認された。
【0108】
このように、乾燥感を抑えながらも速乾性を高めることができる点は、通常予測できない効果と言える。
【0109】
[試験例3:外用組成物の摩擦力評価]
表7に記載の処方に従い、常法により外用組成物を調製し、試験液を得た。続いて、27℃、RH50±5%にて以下の摩擦試験を行った。すなわち・BR>A静・動摩擦測定機(TL201Sa トリニティーラボ)の移動台に縦2cm×横7cmの人工皮革(出光テクノファイン株式会社、品番:PBZ13001、黒色製)を置き、触覚接触子を用いて試験部位(人工皮革の横方向中央から5cmの区間)の動摩擦係数を荷重:50g、移動スピード:2mm/分の条件で測定した。続いて試験部位に製剤30μLを塗布し、2分放置後、同様に動摩擦係数を測定した。そして外用組成物塗布前の人工皮革の動摩擦係数に対する外用組成物塗布・2分放置後の動摩擦係数の変化率を算出した。結果を表7に合わせて示す。
【0110】
【表7】
【0111】
エタノールのみを含有する比較例3-1と比べ、エタノールと(B)成分を含有させた実施例3-1では動摩擦係数が低下し、さらさら感が向上することが確認された。
【0112】
下記に処方例を示す。処方例中の含有量はいずれも質量%である。
【0113】
【表8】
【0114】
【表9】
【0115】
【表10】
【0116】
【表11】
図1