(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024051131
(43)【公開日】2024-04-10
(54)【発明の名称】試験システム
(51)【国際特許分類】
G01R 31/28 20060101AFI20240403BHJP
G01R 31/319 20060101ALI20240403BHJP
【FI】
G01R31/28 H
G01R31/319
【審査請求】有
【請求項の数】14
【出願形態】OL
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2024029454
(22)【出願日】2024-02-29
(62)【分割の表示】P 2021128013の分割
【原出願日】2016-12-16
(31)【優先権主張番号】1522432.2
(32)【優先日】2015-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(71)【出願人】
【識別番号】502024823
【氏名又は名称】テラビュー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】コール,ブライアン エドワード
(72)【発明者】
【氏名】サリバン,ダリアス
(72)【発明者】
【氏名】チャンドラー,サイモン
(57)【要約】
【課題】 複数の電気接点を有するデバイスを試験するための試験システムを提供する。
【解決手段】 試験システムは、少なくとも1つの被試験デバイスを保持するように動作可能なデバイステーブルと、被試験デバイスの電気接点に接触するための少なくとも1つのプローブ端部を含むプローブと、デバイステーブルとプローブの一方又は両方を動かし、少なくとも1つのプローブ端部を被試験デバイスの少なくとも1つの電気接点に接触させるように動作可能な移動機構と、被試験デバイスの電気接点のプロファイルを判定するように構成されたプロファイル判定システムとを備える。
【選択図】
図6
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電気接点を有するデバイスを試験するための試験システムであって、当該試験システムが、
少なくとも1つの被試験デバイスを保持するように動作可能なデバイステーブルと、
前記被試験デバイスの電気接点に接触するための少なくとも1つのプローブ端部を含むプローブと、
前記デバイステーブルと前記プローブの一方又は両方を動かし、前記少なくとも1つのプローブ端部を被試験デバイスの少なくとも1つの電気接点に接触させるように動作可能な移動機構と、
被試験デバイスの前記複数の電気接点の3次元プロファイルを判定するように構成されたプロファイル判定システムとを備え、
前記少なくとも1つのプローブ端部を前記被試験デバイスの少なくとも1つの電気接点と接触させる前記移動機構の構成が、前記被試験デバイスの前記複数の電気接点の判定された前記3次元プロファイルから決定され、
前記プローブは、第1のプローブ端部と第2のプローブ端部とを有し、
前記移動機構は、前記第1のプローブ端部を前記被試験デバイスの前記少なくとも1つの電気接点に接触させるように、且つ前記第2のプローブ端部を前記被試験デバイスの別の電気接点に接触させるように、前記デバイステーブルと前記プローブの一方又は両方を動かすように動作可能であり、
前記第2のプローブ端部は、接地電流を伝導するように構成されている、
試験システム。
【請求項2】
前記プロファイル判定システムが、
被試験デバイスの少なくとも一部を放射線で照射するように構成された放射線源と、
前記被試験デバイスの電気接点から散乱された放射線を検出するように構成された放射線センサと、
前記検出された散乱放射線から被試験デバイスの前記複数の電気接点の前記3次元プロファイルを判定するように構成された制御器とを備える、請求項1に記載の試験システム。
【請求項3】
前記放射線センサが、異なる量だけ前記デバイステーブルから離れるように伸びる前記被試験デバイスの異なる部分が前記放射線センサの視野内の異なる位置に現れるように、配置される、請求項2に記載の試験システム。
【請求項4】
前記放射線センサが、前記放射線源から放射された放射線の伝播方向に対して斜めの角度で配向される、請求項3に記載の試験システム。
【請求項5】
前記放射線源が、前記被試験デバイスのストリップを放射線ストリップで照射するように構成される、請求項2から請求項4のいずれかに記載の試験システム。
【請求項6】
前記放射線センサが、前記放射線ストリップ内に位置する電気接点から散乱された放射線を検出するように構成されるとともに、前記制御器が、前記被試験デバイスの前記照射されたストリップ内に位置する前記被試験デバイスの点の高さを判定するように構成される、請求項5に記載の試験システム。
【請求項7】
前記移動機構が、前記デバイステーブルと前記放射線源の一方又は両方を動かし、前記被試験デバイス上の前記放射線ストリップを走査するように動作可能であるとともに、前記制御器が、前記放射線ストリップの異なる位置において、判定された前記被試験デバイスの点の高さを組み合わせて、被試験デバイスの前記複数の電気接点の前記3次元プロファイルを判定するように構成される、請求項6に記載の試験システム。
【請求項8】
前記デバイステーブルが、前記デバイステーブルの外に、又は前記デバイステーブルの中に伸びる複数の基準構造物を含むとともに、前記プロファイル判定システムが、前記基準構造物の位置に対する被試験デバイスの前記複数の電気接点の前記3次元プロファイルの位置を判定するように構成される、請求項1から請求項7のいずれかに記載の試験システム。
【請求項9】
前記基準構造物が、前記デバイステーブルの外に伸びるとともに、前記基準構造物のうちの少なくとも2つが、異なる距離だけ前記デバイステーブルの外に伸びる、請求項8に記載の試験システム。
【請求項10】
前記移動機構が、前記デバイステーブルと前記プローブの一方又は両方を動かし、前記プローブ端部のうちの少なくとも1つが前記基準構造物のうちの1つと接触する、ように動作可能である、請求項8又は請求項9に記載の試験システム。
【請求項11】
前記基準構造物に対する前記少なくとも1つのプローブ端部の位置の判定を可能にするように構成された較正システムを更に備える、請求項10に記載の試験システム。
【請求項12】
前記プロファイル判定システムが、被試験デバイスの電気接点に対するプローブ端部の位置を判定するように更に構成される、請求項1から請求項11のいずれかに記載の試験システム。
【請求項13】
判定された前記3次元プロファイルは、前記複数の電気接点の位置と大きさ、又は位置と形状が決定されるよう、前記複数の電気接点の表面が置かれている複数の位置を含む、請求項1から請求項12のいずれかに記載の試験システム。
【請求項14】
当該試験システムは更に、信号を生成し、前記少なくとも1つのプローブ端部を通して前記信号を導く信号発生器を有し、
該信号発生器は、0.01GHz~10THzの範囲の周波数成分を有する信号を生成するように構成されている、
請求項1から請求項13のいずれかに記載の試験システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試験システムに関する。特に、本発明は、電子デバイスの完全性を試験するための試験システムに関する。
【背景技術】
【0002】
試験されるべき電子デバイスは、例えば、半導体デバイス(例えば、集積回路)を含み得る。電子デバイスの製造後に、デバイスを試験することが望ましい。例えば、電子デバイス内の1つ又は複数の回路の完全性が試験され得る。
【0003】
電子デバイスを試験する方法は、例えば、電子信号(例えば、パルス信号)をデバイスに入力するステップと、デバイスからの信号の任意の反射を測定するステップとを含み得る。デバイスがその回路内に断線又は短絡を含む場合、デバイスに入力される信号は、少なくとも部分的に反射されることになる。デバイスに何も欠陥が存在しない場合、入力信号は、ほとんど又は全く、デバイスから反射されない。したがって、被試験デバイス(DUT)からの反射信号の測定値は、デバイスの完全性を試験し、デバイス内のあらゆる欠陥を検出するために、使用され得る。
【0004】
DUTを試験するのに適した試験システムは、例えば、その全体が参照により本明細書に組み入れられるUS20140021963において、以前に提案されている。
【0005】
本発明の目的は、本明細書中に特定されているか否かに関わらず、従来技術の1つ又は複数の問題を取り除き又は緩和する、改善された試験システムを提供することである。
【発明の概要】
【0006】
本発明の第1の態様によれば、複数の電気接点を有するデバイスを試験するための試験システムであって、当該試験システムが、少なくとも1つの被試験デバイスを保持するように動作可能なデバイステーブルと、被試験デバイスの電気接点に接触するための少なくとも1つのプローブ端部を含むプローブと、デバイステーブルとプローブの一方又は両方を動かし、少なくとも1つのプローブ端部を被試験デバイスの少なくとも1つの電気接点に接触させるように動作可能な移動機構と、被試験デバイスの電気接点のプロファイルを判定するように構成されたプロファイル判定システムとを備える、試験システムが提供される。
【0007】
プロファイル判定システムは、被試験デバイスの電気接点の3次元プロファイルを判定するように構成され得る。判定されたプロファイルは、電気接点の表面が配置される複数の位置を含み得る。例えば、判定されたプロファイルは、被試験デバイス上の異なる位置における電気接点の判定された高さを含み得る。プロファイル判定システムは、電気接点間に配置された被試験デバイスの領域を含む、被試験デバイスのプロファイルを判定するように構成され得る。プロファイルは、例えば、被試験デバイス上の異なる位置における被試験デバイスの高さを含み得る。
【0008】
被試験デバイスの電気接点の位置、大きさ、及び/又は形状は、異なるデバイスの場合に異なることがあるとともに、デバイスを試験する前に知ることができないことがある。プロファイル判定システムによって判定される被試験デバイスの電気接点のプロファイルは、プローブ端部が被試験デバイスの電気接点と接触するために(デバイステーブルに対して)プローブが動かされるべき位置を判定するために使用され得る。移動機構は、デバイステーブルとプローブの一方又は両方を判定された位置に動かし、プローブ端部を電気接点に接触させることができる。これは、電気接点を通してデバイスを試験するためにプローブが電気接点に接続されることができる自動化プロセスが実行されることを可能にし得る。
【0009】
自動化プロセスは、(プローブを手動で動かして電気接点に接触させる場合と比較して)デバイスを試験するために必要な時間を大幅に削減することができる。いくつかの実施例では、移動機構は、異なる時間に複数の異なる電気接点に接触するように、デバイステーブルとプローブの一方又は両方を動かすことができる。これは、複数の異なる電気接点を通してデバイスが試験されることを可能にし得る。そのような実施例では、複数の異なる電気接点を通してデバイスを試験するのに必要な時間は、プローブの端部を電気接点に接触させるための自動化されたシステムによって著しく低減される。
【0010】
移動機構は、デバイステーブルとプローブの一方又は両方を平行移動させるように動作可能であり得るか、及び/又はデバイステーブルとプローブの一方又は両方を回転させるように動作可能であり得る。一般に、移動機構は、デバイステーブル及び/若しくはプローブの位置並びに/又は向きを変える、デバイステーブル及び/又はプローブの任意の動きを実行するように動作可能であり得る。
【0011】
プローブは、少なくとも2つのプローブ端部を備え得るとともに、移動機構は、少なくとも2つのプローブ端部を被試験デバイスの少なくとも2つの電気接点に接触させるように動作可能であり得る。少なくとも2つのプローブ端部は、少なくとも2つの電気接点と同時に接触状態になり得る。
【0012】
被試験デバイスは、接地プレートを含み得る。接地プレートは、デバイスの残りの部分とは別個の要素であり得るとともに、デバイスを試験する目的のためにデバイス上に配置され得る。デバイス上に位置している接地プレートは、被試験デバイスの一部を形成すると考えられる。さらに、接地プレートは、プローブ端部が接触することができる被試験デバイスの電気接点の一例であると考えられる。本明細書では、被試験デバイス上の電気接点と接触することに対する任意の言及は、デバイス上に配置された接地プレートに接触することを含むものとする。
【0013】
プロファイル判定システムは、被試験デバイスの少なくとも一部を放射線で照射するように構成された放射線源と、被試験デバイスの電気接点から散乱された放射線を検出するように構成された放射線センサと、検出された散乱放射線から被試験デバイスの電気接点のプロファイルを判定するように構成された制御器とを備え得る。
【0014】
被試験デバイスの異なる部分から散乱された放射線は、放射線センサの視野内の異なる位置に現れることがある。制御器は、散乱放射線が現れる視野内の位置から、放射線が散乱される被試験デバイス上の位置を判定し得る。これは、被試験デバイスの散乱表面の位置及び/又は形状が判定されることを可能にし得る。
【0015】
放射線センサは、異なる量だけデバイステーブルから離れるように伸びる被試験デバイスの異なる部分が放射線センサの視野内の異なる位置に現れるように、配置され得る。
【0016】
これは、デバイステーブルからの異なる距離から散乱された放射線が、放射線センサの視野内の異なる位置に現れることを保証する。したがって、散乱放射線が現れる視野内の位置は、放射線が散乱されるデバイステーブルからの距離が判定されることを可能にする。これは、被試験デバイス上の異なる点の高さが判定されることを可能にし、したがって、被試験デバイスのプロファイルが導き出され得る。
【0017】
放射線センサは、放射線源から放射された放射線の伝播方向に対して斜めの角度で配向され得る。
【0018】
放射線源は、被試験デバイスのストリップを放射線ストリップで照射するように構成され得る。
【0019】
放射線センサは、放射線ストリップ内に位置する電気接点から散乱された放射線を検出するように構成され得るとともに、制御器は、被試験デバイスの照射されたストリップ内に位置する被試験デバイスの点の高さを判定するように構成される。
【0020】
移動機構は、デバイステーブルと放射線源の一方又は両方を動かし、被試験デバイス上の放射線ストリップを走査するように動作可能であり得るとともに、制御器は、放射線ストリップの異なる位置において、判定された被試験デバイスの点の高さを組み合わせて、被試験デバイスの電気接点のプロファイルを判定するように構成される。
【0021】
デバイステーブルは、デバイステーブルの外に、又はデバイステーブルの中に伸びる複数の基準構造物を備え得るとともに、プロファイル判定システムは、基準構造物の位置に対する被試験デバイスの電気接点のプロファイルの位置を判定するように構成される。
【0022】
基準構造物は、被試験デバイスの電気接点の位置が対照して判定されることができる既知の基準点を提供する。基準構造物に対する電気接点の位置の認識は、電気接点と接触するためにプローブが動かされるべき位置が判定されることを可能にする。
【0023】
基準構造物は、デバイステーブルから伸び得るとともに、基準構造物のうちの少なくとも2つは、異なる距離だけデバイステーブルの外に伸びる。
【0024】
移動機構は、デバイステーブルとプローブの一方又は両方を動かし、プローブ端部のうちの少なくとも1つが基準構造物のうちの1つと接触する、ように動作可能であり得る。
【0025】
当該試験システムは、基準構造物に対する少なくとも1つのプローブ端部の位置の判定を可能にするように構成された較正システムを更に備え得る。
【0026】
基準構造物に対するプローブ端部の位置を判定することは、プローブ端部が正確に基準構造物と接触状態にされることを可能にする。これは、デバイステーブルに対するプローブの既知の位置をもたらす移動機構の既知の構成の基準点を提供する。これは、デバイステーブルに対するプローブの他の位置をもたらす移動機構の他の構成が判定されることを可能にし得る。デバイステーブルに対する電気接点の位置の認識によって、プローブは、所望の電気接点に接触するように、正確に動かされ得る。
【0027】
較正システムは、プロファイル判定システムと同じであってもよい。例えば、基準構造物に対する少なくとも1つのプローブ端部の位置は、電気接点のプロファイルを判定するのと同じ手順を用いて判定され得る。その代わりに、異なる手順が使用され得る。例えば、較正システムは、基準構造物に対するプローブ端部の位置を直接観察するために使用され得るカメラ又は顕微鏡を備え得る。
【0028】
移動機構は、プローブ端部が基準構造物と接触状態にされるまで、(例えば、カメラ又は顕微鏡を通して)基準構造物に対するプローブ端部の位置を見ながら、手動で調整され得る。
【0029】
いくつかの実施例では、較正システムは、プローブ端部と基準構造物との間の接触を検出するための手段を備え得る。例えば、較正システムは、プローブ端部と基準構造物との間の電気的導通を検出する電気的導通テスタを備え得る。較正システムは、プローブ端部と基準構造物との間の接触を検出するように構成された、プローブ及び/又は基準構造物上の1つ若しくは複数の圧力センサを備えてもよい。
【0030】
プロファイル判定システムは、被試験デバイスの電気接点に対するプローブ端部の位置を判定するように更に構成され得る。
【0031】
これは、被試験デバイス及び/又はデバイステーブルに対するプローブの位置が判定されることを可能にし得る。これは、デバイステーブルに対するプローブの位置の較正が、被試験デバイスを試験するための試験手順中に更新されることを可能にする。
【0032】
プロファイル判定システムは、例えば、プローブ端部が電気接点に近接している場合に、被試験デバイスの電気接点に対するプローブ端部の位置を判定し得る。
【0033】
当該試験システムは、被試験デバイスの電気接点の判定されたプロファイルから、少なくとも1つのプローブ端部を被試験デバイスの少なくとも1つの電気接点に接触させる移動機構の構成を判定するように構成された制御器を更に備える。
【0034】
本発明の第2の態様によれば、複数の電気接点を有するデバイスを試験するための試験システムであって、当該試験システムが、少なくとも1つの被試験デバイスを保持するように動作可能なデバイステーブルと、被試験デバイスの電気接点に接触するための少なくとも1つのプローブ端部を含むプローブと、デバイステーブルとプローブの一方又は両方を動かし、少なくとも1つのプローブ端部を被試験デバイスの少なくとも1つの電気接点に接触させるように動作可能な移動機構とを備え、デバイステーブルが、デバイステーブルの外に、又はデバイステーブルの中に伸びる複数の基準構造物を含む、試験システムが提供される。
【0035】
基準構造物は、デバイステーブル上の既知の位置における基準点を提供する。較正が実行され、基準構造物に対する被試験デバイスの電気接点の位置及びプローブ端部の位置が判定されることができる。基準構造物に対する電気接点及びプローブ端部の位置を判定することは、電気接点に対するプローブ端部の位置が判定されることを可能にする。これは、移動機構が、デバイステーブルとプローブの一方又は両方を動かし、プローブ端部を電気接点に正確に接触させることを可能にして、それにより、プローブが電気接点を通して被試験デバイスを試験することを可能にする。
【0036】
デバイステーブルは、少なくとも3つの基準構造物を備え得る。いくつかの実施例では、デバイステーブルは、3つ以上の基準構造物、例えば8つの基準構造物を備え得る。
【0037】
プローブは、少なくとも2つのプローブ端部を備え得るとともに、移動機構は、少なくとも2つのプローブ端部を被試験デバイス上の少なくとも2つの電気接点に接触させるように動作可能であり得る。少なくとも2つのプローブ端部は、少なくとも2つの電気接点と同時に接触状態になり得る。
【0038】
被試験デバイスは、接地プレートを含み得る。接地プレートは、デバイスの残りの部分とは別個の要素であり得るとともに、デバイスを試験する目的のためにデバイス上に配置され得る。デバイス上に位置している接地プレートは、被試験デバイスの一部を形成すると考えられる。さらに、接地プレートは、プローブ端部が接触することができる被試験デバイスの電気接点の一例であると考えられる。本明細書では、被試験デバイス上の電気接点と接触することに対する任意の言及は、デバイス上に配置された接地プレートに接触することを含むものとする。
【0039】
基準構造物のうちの少なくとも2つは、異なる距離だけデバイステーブルの外に、又はデバイステーブルの中に伸びる。
【0040】
異なる距離だけデバイステーブルの外に、又はデバイステーブルの中に伸びる少なくとも2つの基準構造物は、特徴(例えば、電気接点、及び1つ又は複数のプローブ端部)の位置が基準構造物に対して判定されることができる精度を、有利に向上させる。いくつかの実施例では、基準構造物は、全て、ほぼ同じ距離だけデバイステーブルの外に、又はデバイステーブルの中に伸び得る。しかしながら、そのような実施例では、異なる高さに配置された電気接点を正確に接触させることは、プロファイル判定システムの精度及び直線性に依存し得る。基準構造物を異なる高さに配置する(すなわち、異なる距離だけデバイステーブルの外に、又はデバイステーブルの中に伸びる)ことによって、異なる高さにおける基準が取得され得る。これは、プロファイル判定システムにおけるあらゆる非直線性又はスケーリング誤差が補償されることを可能にし得るとともに、異なる高さに位置する電気接点が接触される精度が改善され得る。
【0041】
基準構造物がデバイステーブルの外に、又はデバイステーブルの中に伸びる距離は、基準構造物の高さと呼ばれ得る。少なくとも1つの被試験デバイスを支持するように構成されたデバイステーブルの領域は、実質的に支持面内に位置することができる。基準構造物がデバイステーブルの外に、又はデバイステーブルの中に伸びる距離は、支持面に垂直な方向の距離とすることができる。いくつかの実施例では、基準構造物は、支持面から伸びてもよく、基準構造物がデバイステーブルの外に、又はデバイステーブルの中に伸びる距離は、基準構造物が支持面から伸びる距離とすることができる。他の実施例では、基準構造物は、支持面以外の面から伸びることができる。例えば、基準構造物は、支持面に対して異なる垂直レベルに配置されてもよい。基準構造物は、支持面と実質的に平行な面から伸びることができる。基準構造物がデバイステーブルの外に、又はデバイステーブルの中に伸びる距離は、基準構造物が支持面と実質的に平行な面から伸びる距離とすることができる。
【0042】
移動機構は、デバイステーブルとプローブの一方又は両方を動かし、プローブ端部のうちの少なくとも1つが基準構造物のうちの1つと接触する、ように動作可能であり得る。
【0043】
移動機構は、プローブ端部を基準構造物に接触させるために手動で操作され得る。例えば、プローブ端部及び基準構造物は、カメラ又は顕微鏡を通して見ることができ、移動機構は、カメラ又は顕微鏡を通してプローブ端部及び基準構造物を見ながら、手動で操作され得る。移動機構は、プローブ端部を基準構造物に接触させるように誘導され得る。
【0044】
当該試験システムは、基準構造物に対する少なくとも1つのプローブ端部の位置の判定を可能にするように構成された較正システムを更に備え得る。
【0045】
上記で説明されたように、第1の態様を参照すると、基準構造物に対するプローブ端部の位置を判定することは、プローブ端部を基準構造物に正確に接触させることを可能にする。これは、デバイステーブルに対するプローブの既知の位置をもたらす移動機構の既知の構成の基準点を提供する。これは、デバイステーブルに対するプローブの他の位置をもたらす移動機構の他の構成が判定されることを可能にし得る。デバイステーブルに対する電気接点の位置の認識によって、プローブは、所望の電気接点に接触するように、正確に動かされ得る。
【0046】
例えば、較正システムは、基準構造物に対するプローブ端部の位置を直接観察するために使用され得るカメラ又は顕微鏡を備え得る。その代わりに、較正システムは、第1の態様に関して説明されたプロファイル判定システムを備え得る。
【0047】
いくつかの実施例では、較正システムは、プローブ端部と基準構造物との間の接触を検出するための手段を備え得る。例えば、較正システムは、プローブ端部と基準構造物との間の電気的導通を検出する電気的導通テスタを備え得る。較正システムは、プローブ端部と基準構造物との間の接触を検出するように構成された、プローブ及び/又は基準構造物上の1つ若しくは複数の圧力センサを備えてもよい。
【0048】
基準構造物のうちの少なくとも1つは、基準構造物上の基準点を示す基準特徴部を含むことができ、移動機構は、デバイステーブルとプローブの一方又は両方を動かし、プローブ端部のうちの少なくとも1つが基準点と接触する、ように動作可能である。
【0049】
基準特徴部は、プローブ端部が正確に動かされ得る、より正確な位置基準点を提供する。これは、デバイステーブルに対するプローブの位置の測定精度を高める。基準特徴部は、検査(直接視覚検査、又は検査装置(例えば、カメラ若しくは顕微鏡)による検査)によって解決可能な基準構造物上の点を提供する。これは、プローブ端部が基準点と接触するように導かれることを可能にする。
【0050】
基準特徴部は、基準構造物の凸面又は突出面に設けられ得る。これは、プローブ端部が意図せずに基準構造物の他の領域と接触状態にされる可能性を低減し得る。
【0051】
基準特徴部は、例えば、基準構造物内に円形の溝を備え得るとともに、プローブ端部は、円形の溝によって囲まれた領域内にある基準点と接触状態にされ得る。基準特徴部は、例えば、基準構造物の頂点を囲むことができる。例えば、基準構造物が基準構造物における円形の溝を含む実施例では、円形の溝は、基準構造物の頂点の周りに伸びることができる。基準特徴部は、基準構造物の頂点に実質的に位置し、円形の溝の範囲内にある基準点を示す。プローブ端部は、基準構造物の頂点(すなわち、基準点)と接触状態にされ得る。
【0052】
基準特徴部は、プローブ端部の大きさにほぼ等しい寸法を有し得る。
【0053】
基準特徴部は、基準構造物内に形成された、基準構造物の頂点の周りに伸びる実質的に円形の溝を備え得る。
【0054】
基準構造物は、基準構造物内に形成された複数の実質的に円形の溝を含むことができ、各溝は、基準構造物の頂点の周りに伸びる。
【0055】
基準構造物のうちの少なくとも1つは、実質的に球形の先端部分を備え得る。
【0056】
球形の先端部分は、実質的に平坦なリムによって囲まれている。
【0057】
基準構造物のうちの少なくとも1つが、50ミクロン以下のスケールの粗さ特徴(roughness features)を有する表面を備える。
【0058】
粗さ特徴は、例えば、基準構造物の表面に機械加工された隆起部を備え得る。
【0059】
デバイステーブルは、複数の被試験デバイスを保持するように動作可能であり得る。
【0060】
当該試験システムは、デバイステーブルが取り付けられている運動学的に制限されたマウントを更に備え、運動学的に制限されたマウントは、複数の自由度におけるデバイステーブルの動きを制限するように構成される。
【0061】
運動学的に制限されたマウントは、例えば、6つの自由度におけるデバイステーブルの動きを制限し得る。
【0062】
当該試験システムは、自動的に被試験デバイスをロード(load)しデバイステーブルからアンロード(unload)するように動作可能なローディング(loading)デバイスを更に備え得る。
【0063】
当該試験システムは、信号を生成し、プローブ端部のうちの少なくとも1つを通して信号を導き、使用時に、被試験デバイスに被試験デバイスの電気接点を通して信号が導かれるように構成された信号発生器と、プローブ端部のうちの少なくとも1つを通過する信号をサンプルし、使用中に、被試験デバイスにおいて反射されるとともに、プローブ端部を通過する信号が当該信号サンプラによってサンプルされるように構成された信号サンプラとを更に備える。
【0064】
信号発生器は、0.01GHz~10THzの範囲の周波数成分を有する広帯域信号を生成するように構成され得る。
【0065】
広帯域信号は、約1THz未満の周波数成分のみを有し得る。広帯域信号は、本明細書で特定された全範囲にわたる周波数成分を必ずしも有していなくてもよいが、しかし、本明細書で指定された範囲の小さな領域を占める周波数成分を単に有することができる。例えば、広帯域信号は、いくつかの実施例では、約0.25GHz~200GHzの範囲の周波数成分に制限され得る。このような信号は、0.01GHzから10THzの範囲の周波数成分を有する広帯域信号の一例であると考えられる。
【0066】
信号発生器は、パルス放射線源と、パルス放射線源からの放射線パルスを受信するように配置されるとともに、パルス放射線源からの照射に応答して信号パルスを出力するように構成された第1の信号変換デバイスと、プローブ端部のうちの少なくとも1つを通して第1の信号変換デバイスからの信号パルスを導くように構成された伝送ライン構成とを備え得る。
【0067】
第1の信号変換デバイスは、光信号に基づいて電気信号を生成するように構成され得る。第1の信号変換デバイスは、例えば、光導電素子を備え得る。その代わりに、第1の信号変換デバイスは、電気光学デバイスを備え得る。
【0068】
信号サンプラは、パルス放射線源からの放射線パルスを受信するとともに、パルス放射線源からの照射に応答して、当該第2の信号変換デバイスにおいて受信された信号パルスをサンプルするように配置された第2の信号変換デバイスを備えることができ、伝送ライン構成は、被試験デバイスから反射されたか、又は被試験デバイスを通して伝送され、プローブ端部のうちの少なくとも1つを通過した信号パルスを、第2の信号変換デバイスに導くように構成される。
【0069】
第2の信号変換デバイスは、光信号に基づいて電気信号を生成するように構成され得る。第2の信号変換デバイスは、例えば、光導電素子を備え得る。その代わりに、第2の信号変換デバイスは、電気光学デバイスを備え得る。パルス放射線源は、単一の放射線源を備え得るか、又は第1の信号変換デバイス及び第2の信号変換デバイスを照射するための別個の放射線源を備え得る。例えば、パルス放射線源は、第1の信号変換デバイスを照射するように構成された第1のレーザと、第2の信号変換デバイスを照射するように構成された第2のレーザとを備え得る。
【0070】
本発明の第3の態様によれば、デバイスを試験するための試験システムであって、当該試験システムが、生成放射線ビーム及び受信放射線ビームを供給するように構成されたパルス放射線源であって、生成放射線ビーム及び受信放射線ビームがパルス放射線ビームである、パルス放射線源と、生成放射線ビームのパルスを受信するように配置されるとともに、生成放射線ビームのパルスを受信することに応答して信号パルスを出力するように構成された第1の信号変換デバイスと、受信放射線ビームのパルスを受信するように配置されるとともに、受信放射線ビームのパルスを受信することに応答して信号パルスをサンプルするように構成された第2の信号変換デバイスと、第1の信号変換デバイスからの信号パルスを被試験デバイスに導くとともに、被試験デバイスから反射された信号パルスを、被試験デバイスを通して第2の信号変換デバイスに導くように構成された伝送ライン構成と、生成放射線ビーム及び/又は受信放射線ビームの光路内に配置された直接駆動の遅延ラインであって、当該遅延ラインが、生成放射線ビームと受信放射線ビームとの間に光学遅延を導入するように構成され、生成放射線ビームのパルスが、第2の信号変換デバイスに入射する受信放射線ビームの対応するパルスとは異なる時間に、第1の信号変換デバイスに入射する、直接駆動の遅延ラインとを備え、遅延ラインが、生成放射線ビーム及び/又は受信放射線ビームの光路内に配置された少なくとも1つの反射器と、反射器を移動させ、生成放射線ビーム及び/又は受信放射線ビームの光路長を変化させて、生成放射線ビームと受信放射線ビームとの間の光学遅延を変化させるように構成された同期リニアモータとを含む、試験システムが提供される。
【0071】
同期リニアモータを含む直接駆動の遅延ラインは、遅延ラインの高速走査を可能にし、入力信号パルスに対する複数の異なる時間遅延における被試験デバイスからの反射及び/又は伝送が、迅速に分析されることができる。直接駆動の遅延ラインは、例えば、ガルバノメータ駆動の遅延ライン(galvanometer driven delay line)の速度に匹敵する速度で遅延時間を走査するように動作可能である。しかし、直接駆動の遅延ラインは、ガルバノメータ駆動の遅延ラインよりも大きな遅延時間範囲を走査することができ、それにより、別々の高速走査の遅延ライン及び低速走査の遅延ラインに対する必要性が除去される。従来技術の構成に対して、測定値の全体的な取得時間が大幅に改善され得る。例えば、取得時間は、従来技術の構成で達成可能なものよりも60倍程度速い取得時間であり得る。
【0072】
同期リニアモータは、ブラシレスモータであり得る。
【0073】
第1及び/又は第2の信号変換デバイスは、光信号に基づいて電気信号を生成するように構成され得る。第1及び/又は第2の信号変換デバイスは、例えば、光導電素子を備え得る。その代わりに、第1及び/又は第2の信号変換デバイスは、電気光学デバイスを備え得る。
【0074】
パルス放射線源は、単一の放射線源と、放射線源の出力を生成放射線ビームと受信放射線ビームとに分割するように構成されたビームスプリッタとを備え得る。その代わりに、パルス放射線源は、生成放射線ビーム及び受信放射線ビームをそれぞれ放射する別個の放射線源を備えてもよい。例えば、パルス放射線源は、生成放射線ビームを放射するように構成された第1のレーザと、第2の放射線ビームを放射するように構成された第2のレーザとを含み得る。
【0075】
本発明の第4の態様によれば、デバイスを試験するための試験システムであって、当該試験システムが、生成放射線ビーム及び受信放射線ビームを供給するように構成されたパルス放射線源であって、生成放射線ビーム及び受信放射線ビームがパルス放射線ビームである、パルス放射線源と、生成放射線ビームのパルスを受信するように配置されるとともに、生成放射線ビームのパルスを受信することに応答して信号パルスを出力するように構成された第1の信号変換デバイスと、受信放射線ビームのパルスを受信するように配置されるとともに、受信放射線ビームのパルスを受信することに応答して信号パルスをサンプルするように構成された第2の信号変換デバイスと、第1の信号変換デバイスからの信号パルスを被試験デバイスに導くとともに、被試験デバイスから反射された信号パルスを、被試験デバイスを通して第2の信号変換デバイスに導くように構成された伝送ライン構成と、生成放射線ビームの光路内に配置された第1の反射器、受信放射線ビームの光路内に配置された第2の反射器、及び第1の反射器及び第2の反射器が取り付けられている可動ステージであって、当該可動ステージの第1の方向における移動が、生成放射線ビームの光路長を増加させ、かつ受信放射線ビームの光路長を減少させるとともに、当該可動ステージの第2の方向における移動が、生成放射線ビームの光路長を減少させ、かつ受信放射線ビームの光路長を増加させる、可動ステージを含む遅延ラインとを備える、試験システムが提供される。
【0076】
この構成は、可動ステージの移動が、生成放射線ビームと受信放射線ビームの光路長を反対方向に変化させることを意味する。その結果、第1の距離だけ可動ステージを移動させると、生成放射線ビーム及び受信放射線ビームの光路長に差が導入され、それは第1の距離の少なくとも2倍になる。したがって、生成放射線ビームと受信放射線ビームとの間の光学遅延を(従来技術の構成に対して)所与の量だけ変化させるためには、可動ステージのより小さい移動が要求される。これは、光学遅延のより高速な走査を有利に可能にする。したがって、所与の測定が行われる取得時間を削減することができる。可動ステージは、モータ(例えば、同期リニアモータ)によって動かされ得る。
【0077】
第1及び/又は第2の信号変換デバイスは、光信号に基づいて電気信号を生成するように構成され得る。第1及び/又は第2の信号変換デバイスは、例えば、光導電素子を備え得る。その代わりに、第1及び/又は第2の信号変換デバイスは、電気光学デバイスを備え得る。
【0078】
パルス放射線源は、単一の放射線源と、放射線源の出力を生成放射線ビームと受信放射線ビームとに分割するように構成されたビームスプリッタとを備え得る。その代わりに、パルス放射線源は、生成放射線ビーム及び受信放射線ビームをそれぞれ放射する別個の放射線源を備えてもよい。例えば、パルス放射線源は、生成放射線ビームを放射するように構成された第1のレーザと、第2の放射線ビームを放射するように構成された第2のレーザとを含み得る。
【0079】
本発明の第5の態様によれば、デバイスを試験するための試験システムであって、当該試験システムが、生成放射線ビーム及び受信放射線ビームを供給するように構成されたパルス放射線源であって、生成放射線ビーム及び受信放射線ビームがパルス放射線ビームである、パルス放射線源と、生成放射線ビームのパルスを受信するように配置されるとともに、生成放射線ビームのパルスを受信することに応答して信号パルスを出力するように構成された第1の信号変換デバイスと、受信放射線ビームのパルスを受信するように配置されるとともに、受信放射線ビームのパルスを受信することに応答して信号パルスをサンプルするように構成された第2の信号変換デバイスと、第1の信号変換デバイスからの信号パルスを被試験デバイスに導くとともに、被試験デバイスから反射された信号パルスを、被試験デバイスを通して第2の信号変換デバイスに導くように構成された伝送ライン構成と、パルス放射線源から放射される放射線パルスの強度を検出するように構成された放射線センサ、パルス放射線源から放射された放射線パルスの光路内に配置されるとともに、調整可能な量だけ放射線パルスの強度を減少させるように構成された減衰器、及び放射線センサによる放射線パルスの強度の測定値に応答して、減衰器が放射線パルスの強度を減少させる量を調整するように構成された制御器を含む放射線フィードバックシステムと備える、試験システムが提供される。
【0080】
制御器は、単一パルス期間よりも長い時間にわたって求められる放射線パルスの平均出力が、時間と共に実質的に一定であるように、減衰器を調整し得る。放射線パルスは、例えば、パルス放射線源から光ファイバを通して放射線センサに伝送され得る。例えば、光ファイバの結合効率における変化は、放射線検出器において受信される放射線の強度における変化をもたらし、放射線センサによって検出される。制御器は、例えば、光ファイバの結合効率のあらゆる変化を補償するように、放射線検出器によって測定された強度における変化に応答し得る。
【0081】
制御器は、例えば、比例積分微分(proportional-integral-derivative、PID)制御器であり得る。
【0082】
第1及び/又は第2の信号変換デバイスは、光信号に基づいて電気信号を生成するように構成され得る。第1及び/又は第2の信号変換デバイスは、例えば、光導電素子を備え得る。その代わりに、第1及び/又は第2の信号変換デバイスは、電気光学デバイスを備え得る。
【0083】
パルス放射線源は、単一の放射線源と、放射線源の出力を生成放射線ビームと受信放射線ビームとに分割するように構成されたビームスプリッタとを備え得る。その代わりに、パルス放射線源は、生成放射線ビーム及び受信放射線ビームをそれぞれ放射する別個の放射線源を備えてもよい。例えば、パルス放射線源は、生成放射線ビームを放射するように構成された第1のレーザと、第2の放射線ビームを放射するように構成された第2のレーザとを含み得る。
【0084】
本発明の異なる態様の特徴は、本発明の他の態様の特徴と組み合わせることができる。
【0085】
本発明の実施例は、ここで、添付の概略図のみを参照して、一例として説明されることになる。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【
図1】本発明の一実施例による試験システムを使用して試験するための電子デバイスの概略図である。
【
図2】
図1の電子デバイスとの電気的接触を確立するために使用され得るプローブの概略図である。
【
図3A】接地プレートを含む電子デバイスの概略図である。
【
図3B】接地プレートを含む電子デバイスの概略図である。
【
図4】本発明の実施例の一部を形成し得る試験システムの一部分の概略図である。
【
図5】本発明の代替の実施例の一部を形成し得る試験システムの一部分の概略図である。
【
図6】本発明の一実施例による試験システムの概略図である。
【
図7】
図6の試験システムの一部を形成し得るローディングデバイスの実施例の概略図である。
【
図8】断面で示された電子デバイスの一部分の概略図である。
【
図9A】
図6の試験システムの一部を形成し得るプロファイル判定システムの実施例の概略図である。
【
図9B】
図6の試験システムの一部を形成し得るプロファイル判定システムの実施例の概略図である。
【
図10】
図6の試験システムの一部を形成し得るデバイステーブルの概略図である。
【
図12】
図6の試験システムの一部を形成し得るマウントの実施例の概略図である。
【
図13】本発明の一実施例による試験システムの一部分の概略図である。
【
図14】本発明の一実施例による試験システムの一部を形成し得る遅延ライン構成の概略図である。
【
図15】本発明の一実施例による試験システムの一部を形成し得る放射線フィードバックシステムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0087】
図1は、本発明の一実施例による試験システムを使用して試験されることができる電子デバイス1の概略図である。電子デバイス1は、被試験デバイス(DUT)と呼ばれ得る。DUT1は、複数の電気接点3を備える。複数の電気接点3は、例えば、ボールグリッドアレイ(BGA)、ランドグリッドアレイ(LGA)、又はピングリッドアレイ(PGA)を含むことができる。DUTは、少なくとも2つの電気接点3とプローブとを同時に電気的に接触させることによって試験され得る。
【0088】
図2は、DUT1の電気接点3との電気的接触を確立するために使用され得るプローブ5の概略図である。プローブ5は、第1のプローブ端部13及び第2のプローブ端部15で終端する同軸ケーブル部分7を含む。同軸ケーブル部分7は、同軸伝送線路構成で配置された外部導体11で囲まれた内部導体9を備える(内部導体9を示すために使用される点線は、内部導体9が外部導体11によって囲まれていることを示す。)。内部導体9は、外部導体11から電気的に絶縁されている。プローブ7の端部に向かって、内側トランスミッション(inner transmission)9は外部導体11の外に伸びてテーパー状になって第1のプローブ端部13を形成する。第2のプローブ端部15は、外部導体11の外に伸びて、外部導体11に電気的に結合されたフィンで形成されている。
【0089】
DUT1を試験するために、第1のプローブ端部13は、DUT1上の第1の電気接点3と接触することができ、第2のプローブ端部15は、DUT1上の第2の電気接点3と接触することができる。内部導体9及び第1のプローブ端部13は、DUT1に信号を入力するために使用されてもよく、したがって、有効な電流(live current)を運ぶと考えられ得る。第2のプローブ端部15及び外部導体11は、接地電流を伝導するために使用され得る。その代わりに、内部導体9は接地電流を伝導することができ、外部導体11は有効な電流を伝導することができる。
【0090】
いくつかの実施例では、プローブは3つ以上のプローブ端部を備え得る。例えば、プローブは3つのプローブ端部を備え得る。3つのプローブ端部を備えるプローブは、有効な電流を伝導する1つのプローブ端部と、それぞれが接地電流を伝導する2つのプローブ端部とを備え得る。そのような構成は、接地-信号-接地プローブ構成(ground-signal-ground probe configuration)と呼ばれ得る。
【0091】
いくつかの実施例では、DUT1には、接地(ground)との接続が可能な接地プレートが設けられ得る。
図3A及び
図3Bは、接地プレート2を含むDUT1の概略図である。
図3Aは、DUT1の残りの部分から分離された接地プレート2を示し、
図3Bは、DUT1の残りの部分と接触する接地プレート2を示す。接地プレート2は、電気接点3がアクセスされ得る開口部4を含む。
【0092】
接地プレート2は、積層構造を備え得る。例えば、接地プレート2は、導電性の上層と、絶縁性の下層とを備え得る。導電性の上層は、例えば、金メッキされた銅を含み得る。絶縁性の下層は、例えば、ポリマー(例えば、ポリテトラフルオロエチレン(Polytetrafluoroethylene、PTFE))を含み得る。下部の絶縁層は、接点3と導電性の上層との間の電気的接触を防止するように作用する。
【0093】
図3Bにおいて示されるように、DUT1は、プローブ7の第1のプローブ端部13を電気接点3に接触させ、第2のプローブ端部15を接地プレート2に接触させることによって試験され得る。接地プレート2は、試験されるべきデバイスとは別個の要素であり得るとともに、デバイスを試験するためにデバイス上にのみ配置され得る。例えば、接地プレート2は、第2のプローブ端部が接続される適切な隣接の接点を有していない電気接点を試験するために、デバイス上に配置され得る。
【0094】
接地プレートは試験されるべきデバイスとは別個の要素であり得るが、この説明の目的のために、デバイス上に配置された接地プレート2は、被試験デバイスDUT1の一部を形成すると考えられる。さらに、接地プレート2は、プローブ端部13、15が接触することができるDUT1の電気接点の一例であると考えられる。本明細書では、DUT1上の電気接点3と接触することに対する任意の言及は、デバイス上に配置された接地プレート2に接触することを含むものとする。
【0095】
図4は、本発明の実施例の一部を形成し得る試験システム15の一部分の概略図である。試験システム15は、信号発生器17と信号サンプラ19とを備える。信号発生器17は、例えば、0.01GHz~10THzの範囲の周波数成分を有する広帯域信号を生成することができる。いくつかの実施例では、信号発生器は、0.25GHz~200GHzの範囲の周波数成分を有する広帯域信号を生成することができる。広帯域信号は、本明細書で特定された全範囲にわたる周波数成分を必ずしも有していなくてもよいが、しかし、本明細書で指定された範囲の小さな領域を占める周波数成分を単に有することができる。例えば、約0.25GHz~200GHzの範囲の周波数成分を有する(が、しかし例えば、約200GHzよりも高い周波数では実質的な周波数成分を有していない)広帯域信号は、0.01GHz~10THzの範囲の周波数成分を有する広帯域信号の一例であると考えられる。
【0096】
信号発生器17は、DUT1に入力するための信号を生成する。信号サンプラ19は、DUT1から反射された信号を受信して分析する。信号発生器17及び信号サンプラ19の両方は、伝送ライン21を介してプローブ7に接続されている。プローブ7は、例えば、
図2を参照して上記で説明されたプローブ7と同様であってもよく、
図4を参照してこれ以上詳細には説明されないことになる。
図2及び
図4における同様の参照番号は、プローブ7の同様の特徴を示す。
【0097】
プローブ7の第1のプローブ端部13は、DUT1上の第1の電気接点3に接続されている。第2のプローブ端部15は、DUT1上の第2の電気接点3に接続されている。説明を簡単にするために、
図4におけるDUT1上に2つの電気接点3のみが示されている。しかしながら、DUT1は3つ以上の電気接点3を備え得る、ということが理解されることになる。
【0098】
第1のプローブ端部13に電気的に接続されたプローブ7の内部導体9は、信号発生器17から信号サンプラ19に信号を伝送する伝送ライン21に接続されている。したがって、信号発生器17によって生成された信号は、伝送ライン21、プローブ7の内部導体9、第1のプローブ端部13を通して、DUT1の電気接点3に伝送される。DUT1において反射された任意の信号は、分析のために、第1のプローブ端部13、プローブ7の内部導体9、伝送ライン21を通して、信号サンプラ19に伝送され得る。
【0099】
信号発生器17は、バイアス要素16と第1の光導電素子23とを含む。信号サンプラ19は、測定装置20と第2の光導電素子25とを含む。第1及び第2の光導電素子は、放射線による照射に応答して導電性であり、放射線によって照射されていないときは実質的に導電性ではない。第1及び第2の光導電素子23、25は、第1の光導電素子23において信号を生成し、第2の光導電素子25において信号をサンプルするために、放射線によって選択的に照射されることができる。信号発生器17及び信号サンプラ19は、プローブ7を通してDUT1に信号パルスを入力し、DUT1からの信号反射を受信するように動作可能なサンプリングモジュール18を形成すると考えられ得る。
【0100】
試験システム15は、放射線源27を更に備える。放射線源27は、パルス放射線ビーム29の形態の放射線パルスを放射する。放射線源27は、例えば、レーザを含むことができる。放射線ビームは、ビームスプリッタ31に入射し、ビームスプリッタ31は、パルス放射線ビーム29を、生成パルスを含む生成ビーム33と、受信パルスを含む受信ビーム35とに分割する。生成ビーム33は、第1の光導電素子23に入射するように導かれ、受信ビーム35は、第2の光導電素子25に入射するように導かれる。
【0101】
パルス生成ビーム33は、信号パルスを、第1の光導電素子23において生成させ、DUT1に入力させる。バイアス要素16は、第1の光導電素子23に電位を印加する。例えば、バイアス要素16は、第1の光導電素子23に、DC電位又はAC電位(例えば、約30KHzの周波数を有する)を印加し得る。放射線パルスが第1の光導電素子23に入射すると、バイアス要素16と第1の光導電素子23の照射との組み合わせに起因して、第1の光導電素子23において信号パルスが生成される。したがって、第1の光導電素子は、光信号に基づいて電気信号を生成するように作用する。
【0102】
パルス受信ビーム35は、選択時間に(第2の光導電素子25が放射線パルスを受信する場合に)第2の光導電素子25において受信された電気信号をサンプルするように作用する。第2の光導電素子25においてサンプルされた信号は、測定装置20によって測定される。第2の光導電素子25は、(受信ビーム35によって供給される)光信号に基づいて電気信号(それは測定装置20によって測定される)を生成すると考えられ得る。第2の光導電素子25において生成された電気信号は、同様に、DUT1から反射された信号に基づいている。このプロセスは、信号のサンプリングと呼ばれ得る。
【0103】
第2の光導電素子25に対する受信ビーム35の光路は、生成ビーム33の生成パルスと受信ビーム35の受信パルスとの間に光学遅延を導入するように構成された遅延ライン37を含む。遅延ライン37によって導入される光学遅延は、生成パルスを、第2の光導電素子25に入射する対応する受信パルスとは異なる時間に、第1の光導電素子23に入射させる。その結果、(信号発生器17から)DUT1に送られる信号パルスと、第2の光導電素子25によってサンプルされ、測定装置20によって受信される反射信号との間に遅延が存在する。
【0104】
入力信号パルスと信号サンプラ19によってサンプルされた反射との間の遅延時間は、パルスがDUT1に入力された後の異なる遅延時間におけるDUT1からの反射を分析するために、調整され得る。遅延ライン37は、受信ビーム35の光路における反射器が取り付けられている可動ステージ39を含む。可動ステージ39の移動(
図4における2つの頭を有する矢印で示される)は、受信ビーム35の光路長を変化させ、したがって、第1の光導電素子23に入射する生成パルス33と第2の光導電素子25に入射する受信パルスとの間の光学遅延を変化させる。可動ステージ39は、例えば、異なる遅延時間におけるDUT1からの反射を分析するために走査され得る。
【0105】
図4において示される構成要素は一定の縮尺で示されていない、ということが理解されるべきである。試験システム15は、
図4において図示され、上記で説明されたものとは異なる構成要素を含むことができるか、及び/又は、説明及び図示されたものに対する追加の構成要素を含むことができる。試験システムの他の実施例の詳細は、その全体が参照により本明細書に組み込まれるUS20140021963に示されている。US20140021963に開示されている特徴のいずれかは、本明細書に記載の試験システムと共に使用されることができる。
【0106】
上記で説明されたように、第1の光導電素子23及び第2の光導電素子25は、光信号に基づいて電気信号を生成する。第1及び第2の光導電素子23、25は、信号変換デバイスの一例であると考えられ得る。いくつかの実施例では、光導電素子以外の信号変換デバイスが使用され得る。例えば、第1及び/又は第2の光導電素子23、25は、他の形態の信号変換デバイスによって置き換えられ得る。
【0107】
本発明の実施例の一部を形成し得る代替の信号変換デバイスは、電気光学結晶などの電気光学デバイスであり得る。信号発生器の一部を形成する電気光学結晶は、偏光された放射線ビーム(例えば、生成ビーム33)を受信し、偏光された放射線ビームに基づいて電気信号を生成するように構成され得る。
【0108】
信号サンプラの一部を形成する電気光学結晶は、電界にさらされたことに応答して結晶の光学特性が変化するように構成され得る。例えば、結晶の複屈折性は、電界にさらされたことに応答して変化し得る。DUT1から電気光学結晶に入射した電気信号は、結晶を電界にさらす。受信ビーム35は、電気光学結晶に入射するように導かれ得るとともに、結晶によって伝送される受信ビーム35は、1つ又は複数のセンサによって検出され得る。結晶の光学特性(例えば、複屈折性)における変化は、結晶によって伝送される受信ビーム35における変化を誘発し、1つ又は複数のセンサによって検出され得る。例えば、DUT1からの信号は、結晶によって伝送される受信ビーム35の偏光状態及び/又は振幅を変更する働きをすることができる。例えば、偏光状態及び/又は振幅における変化は、例えば、偏光光学素子及び1つ又は複数のフォトダイオードセンサを用いて測定され得る。これは、DUT1から受信された信号に比例する測定信号をもたらし得る。
【0109】
上記で説明された光導電素子の動作と同様に、電気光学結晶は、選択された時刻において、信号パルスを生成するとともに、反射信号をサンプルするために、パルス生成ビーム及びパルス受信ビーム33、35と共に使用され得る。生成ビーム33と受信ビーム35との間に光学遅延が導入されることができ、(光導電素子を含む実施例を参照して上記で説明されたように)異なる遅延時間において受信された反射が分析されることを可能にする。
【0110】
いくつかの実施例では、信号発生器17及び信号サンプラ19において、異なる形式の信号変換デバイスが使用され得る。例えば、光導電素子が信号発生器17において使用され得るとともに、電気光学結晶が信号サンプラ19において使用され得る。
【0111】
放射線ビーム29が放射線源27から放射され、生成ビーム33及び受信ビーム35に分割される実施例が上記で説明されたが、いくつかの実施例では、生成ビーム及び受信ビームを生成するために、別々の放射線源が使用され得る。例えば、いくつかの実施例では、2つの同期レーザを含むデュアルレーザシステムが使用され得る。レーザは、2つのレーザから放射される放射線ビーム間の光学遅延が(例えば、電子的に)制御されて調整されるように、制御可能な方法で同期化され得る。そのような実施例では、(遅延ライン37を参照して上記で説明されたように)異なる遅延時間において受信された信号を解析するために、レーザ間の同期が調整され得る。遅延ラインの機能は、レーザ間の同期を調整することによって置き換えることができるので、したがって、デュアルレーザシステムを含む実施例は、遅延ラインを含まないことがある。しかしながら、いくつかの実施例では、それでもやはり遅延ラインがデュアルレーザシステムと共に使用され得る。
【0112】
2つ以上の放射線源(例えば、デュアルレーザシステム)を含む実施例では、複数の放射線源が、一緒になってパルス放射線源を形成すると考えられ得る。本明細書のパルス放射線源は、単一の放射線源、又は、例えばデュアルレーザシステムのような複数の放射線源を含むことが意図されている。パルス放射線源が単一の放射線源を含む実施例では、パルス放射線源は、放射線ビームを生成放射線ビームと受信放射線ビームとに分割するように構成された、ビームスプリッタを更に備え得る。
【0113】
いくつかの実施例では、DUT1は、2つ以上のプローブ7、及び2つ以上のサンプリングモジュール18を用いて試験され得る。
図5は、第1のサンプリングモジュール18a及び第2のサンプリングモジュール18bを含む試験システム15’の一部分の概略図である。第1のサンプリングモジュール18aは第1のプローブ7aに接続され、第2のサンプリングモジュール18bは第2のプローブ7bに接続される。第1及び第2のプローブ7a、7bの両方は、DUT1上の電気接点3と接触状態にされる。
【0114】
第1及び第2のサンプリングモジュール18a、18bには、放射線源27(例えば、レーザ)から放射される放射線が供給される。放射線源27は放射線ビーム29を放射し、放射線ビーム29はビームスプリッタ31によって生成ビーム33と受信ビーム35とに分割される。受信ビーム35は、生成ビーム33と受信ビーム35との間に光学遅延を導入するように動作可能な遅延ライン37に導かれる。生成ビーム33は、ビームスプリッタ31によって第1及び第2の部分33a、33bに分割される。受信ビーム35は、ビームスプリッタ31によって第1及び第2の部分35a、35bに分割される。生成ビームの第1の部分33a、及び受信ビームの第1の部分35aは、第1のサンプリングモジュール18aに供給される。生成ビーム並びに受信ビームの第1及び第2の部分は、ファイバ結合器34によって、そしてミラー38を介して、光ファイバ32に結合される。生成ビームの第2の部分33b、及び受信ビームの第2の部分35bは、第2のサンプリングモジュール18bに供給される。
【0115】
図5において示される構成では、第1及び第2のサンプリングモジュール18a、18bは、共通の生成ビーム33及び受信ビーム35を使用して動かされる。このような構成では、サンプリングモジュール18a、18bは、DUT1において反射される信号に加えて、DUT1を通して第1及び第2のプローブ9A、9Bの間で伝送される信号を測定することが可能である。各サンプリングモジュール18a、18bにおいて、交代でパルスの生成を選択的にターンオフすることによって、反射信号は、伝送信号から分離されることができる。例えば、第1のサンプリングモジュール18aは、最初に信号パルスを生成することができる。パルスの伝送は、第2のサンプリングモジュール18bによって測定され得るとともに、パルスの反射は、第1のサンプリングモジュール18aによって測定され得る。続いて、第2のサンプリングモジュール18bは、信号パルスを生成し得る。パルスの伝送は、第1のサンプリングモジュール18aによって測定され得るとともに、パルスの反射は、第2のサンプリングモジュール18bによって測定され得る。
【0116】
上記で説明された測定値は、2つの電気接点間の結合を記述する2×2行列Sを形成するために使用され得るとともに、下記の式(1)によって与えられる。
【0117】
【0118】
要素S11は、第1の電気接点において挿入されて、第1の電気接点に反射された信号を表す。要素S22は、第2の電気接点において挿入されて、第2の電気接点に反射された信号を表す。要素S12は、第1の電気接点において挿入されて、第2の電気接点に伝送された信号を表す。要素S21は、第2の電気接点において挿入されて、第1の電気接点に伝送された信号を表す。行列Sは、DUT1のSパラメータ測定値又は散乱行列と呼ばれ得る。
【0119】
いくつかの実施例では、試験システムは、3つ以上のサンプリングモジュールを備え得るとともに、2つ以上の電気接点を通してDUT1を同時に試験し得る。一般に、N×NのSパラメータ行列は、N個の電気接点を通してDUT1をサンプルすることによって導き出され得る。
【0120】
図5において示される実施例は遅延ライン37を含むが、生成ビーム33と受信ビーム35との間の遅延が、その代わりに、上記で説明されたように、デュアルレーザシステムを使用することによって導入されることができる、ということが理解されることになる。第1のレーザは生成ビーム33を放射し、第2のレーザは受信ビーム35を放射する。第1及び第2のレーザは同期化され得るとともに、生成ビームと受信ビームとの間の光学遅延を制御するために、レーザ間の同期が制御され得る。
【0121】
上記で説明されたように、DUT1は、様々な異なる方法を使用して1つ又は複数の電気接点と接触状態にされる1つ又は複数のプローブ7を通して試験され得る。信号はDUT1に入力され、DUT1による信号の反射及び/又は伝送が測定され得る。下記で説明される実施例では、DUT1によって反射される信号の測定に重点が置かれている。しかしながら、伝送された信号の測定にも同様の原理が適用される、ということが理解されることになる。したがって、下記の説明は、反射された信号の測定とは対照的な、伝送された信号の測定にも、同様に適用され得る。
【0122】
複数の異なる電気接点3を通してDUT1を試験することが望ましい場合がある。これは、プローブ端部13、15が異なる電気接点3に接触するように、プローブ7及び/又はDUT1を移動させることによって達成され得る。プローブ7及びDUT1の各位置において、プローブ7を通してDUT1に信号パルスが入力され得るとともに、DUT1からの信号反射が、異なる遅延時間において分析され得る。
【0123】
プローブ端部が異なる電気接点に接触し、異なる電気接点を通してDUT1が試験され得るようにプローブ及び/又はDUT1を自動的に移動させる、自動又は半自動の試験システムを提供することが望まれている。自動又は半自動の試験システムを提供することは、(例えば、プローブを手動で電気接点に接触させる場合と比較して)DUT1を試験するために必要な時間を大幅に削減することができる。自動又は半自動の試験システムは、複数の電気接点3を通してDUT1が迅速に試験されることを可能にし得る。自動又は半自動の試験システムは、複数のDUT1が迅速に連続して試験されることを可能にし得る。
【0124】
図6は、本発明の一実施例による試験システム101の概略図である。試験システムは、少なくとも1つのデバイス1を保持するように動作可能なデバイステーブル103を備える。いくつかの実施例では、デバイステーブル103は、複数のデバイス1を保持するように動作可能であり得る。デバイステーブル103は、マウント104上に位置している。マウント104は、移動ステージ106上に位置している。複数のデバイス1は、例えば、トレイ105に保持され得る。デバイス1の複数のトレイ105は、トレイホルダ107に保持され得る。トレイ105は、(
図6において示されるように)トレイ105上に保持された1つ又は複数のデバイスを試験するためにトレイホルダ107からアンロードされる(unloaded:取り外される)ことができる。
【0125】
試験システム101は、自動的にデバイス1をロード(load)しデバイステーブル103からアンロード(unload)するように動作可能なローディング(loading)デバイス109を更に備える。例えば、ローディングデバイス109は、デバイス1をトレイ105から動かして、デバイス1をデバイステーブル103上にロードすることができる。デバイス1がデバイステーブル103上に保持されている間に試験された後で、デバイス1は、デバイステーブル103からアンロードされてトレイ105に戻され得る。
【0126】
図7は、ローディングデバイス109の一実施例の概略図である。ローディングデバイス109は、第1のアーム111と、第2のアーム113と、第2のアーム113の端部に配置されたアクチュエータ115とを有するロボットを備える。第1のアーム111、第2のアーム113、及びアクチュエータ115は、ジョイント117を中心に回転可能である。ジョイント117を中心に、第1のアーム111、第2のアーム113、及び/又はアクチュエータ115を回転させることは、アクチュエータ115を構成要素間で移動させることを可能にする。ローディングデバイス109は、破線119によって示された外側リーチ(outer reach:外側の届く範囲)を有する。
【0127】
また、
図7には、トレイ105、第1のデバイステーブル103a、及びマウント104上に位置している第2のデバイステーブル103bが示されている。ローディングデバイス109は、デバイス1をトレイ105からデバイステーブル103上にロードするように動作可能である。
図7において示される描写では、ローディングデバイス109は、デバイス1をトレイ105からデバイステーブル103a上にロードする処理中である。ローディングデバイス109は、デバイス1をピックアップする位置にアクチュエータ115を動かすことによって、デバイス1を動かすことができる。次に、アクチュエータ115は、デバイス1をクラスプ(clasp)し、デバイス1はアンロードするためにアクチュエータ115によって異なる位置に動かされ得る。
【0128】
図7において示される実施例では、デバイステーブル103a、130bは、それぞれ6つのデバイスを保持するように動作可能である。一度デバイステーブル103にデバイス1がロードされると、デバイステーブル103は、デバイス1が試験され得るマウント104上にロードされ得る。デバイステーブル103は、例えば、ローディングデバイス109によってマウント104上に動かされるとともに、ロードされ得る。
図7において示されるように、第1のデバイステーブル103aにはデバイスがロードされることができ、一方、第2のデバイステーブル103bはマウント104上に位置しているとともに、第2のデバイステーブル103b上のデバイス1が試験される。これは、試験システム101のスループットを改善することができる。試験システムのスループットは、単位時間当たりに試験されるデバイスの数であると考えられ得る。
【0129】
再度
図6に戻ると、
図6において示される試験システム101は、一対のプローブ7を更に備える。
図6には詳細に示されていないが、プローブ7は、
図6を参照して上記で説明されたプローブの実施例と同様であり得る。各プローブは、サンプリングモジュール18に接続されている。サンプリングモジュール18は、
図4を参照して上記で説明されたように、プローブ7を通してDUT1に信号パルスを入力し、DUT1からの信号反射を受信するように動作可能である。
図6の実施例のサンプリングモジュール18は、
図4を参照して上記で説明されたサンプリングモジュール18と同様であり得るとともに、本明細書で説明されたサンプリングモジュールの特徴のうちのいずれかを有し得る。
【0130】
図6において示される実施例では、サンプリングモジュールは、光ファイバ121に結合され、光ファイバ121の他端は、放射線源27に結合される。
図4を参照して上記で説明されたように、放射線源27は、サンプリングモジュール18の一部を形成する光導電素子に入射するように導かれ得る放射線のパルスを放出する。
図6には示されていないが、試験システム101は、放射線源27から放出された放射線パルス間に光学遅延を導入するように構成された1つ又は複数の遅延ラインを更に備え得る。放射線源27及びサンプリングモジュール18の動作は、
図6を参照してこれ以上詳細には説明されないことになる。上記で説明されたように、サンプリングモジュール及び/又は放射線源の代替の実施例が使用され得る。
【0131】
プローブ7は、プローブ7のプローブ端部13、15(
図6には図示せず)を通して、DUT1上の電気接点3(
図6には図示せず)と接触状態にされ得る。試験システム101は、デバイステーブル103及びプローブ7の一方又は両方を動かし、プローブ端部13、15をDUT1上の少なくとも2つの電気接点3に接触させるように動作可能な移動機構122を備える。移動機構は、様々な異なる形態をとり得るとともに、詳細には示されていない複数の構成要素を含み得るので、
図6におけるボックス122としてのみ概略的に示されている。
【0132】
移動機構122は、例えば、試験システム101の構成要素を動かすように構成された1つ又は複数のアクチュエータを備え得る。例えば、1つ又は複数のアクチュエータは、プローブ7を動かし、プローブ7上のプローブ端部13、15をDUT1上の電気接点3に接触させるように構成され得る。これに加えて、又はそれに代えて、1つ又は複数のアクチュエータは、DUT1が位置しているデバイステーブル103を直接動かすように構成され得る。これに加えて、又はそれに代えて、1つ又は複数のアクチュエータは、DUT1を保持するデバイステーブル103が位置しているマウント104を動かすように構成され得る。これに加えて、又はそれに代えて、1つ又は複数のアクチュエータは、マウント104が位置している移動ステージ106を動かすように構成され得る。移動機構は、1つ又は複数の構成要素(例えば、デバイステーブル103及び/又はプローブ7)を平行移動及び/又は回転させるように動作可能であり得る。移動機構は、1つ又は複数の構成要素(例えば、デバイステーブル103及び/又はプローブ7)の位置及び/又は向きを調整するように動作可能であり得る。
【0133】
プローブ7のプローブ端部13、15をDUT1の電気接点3と接触状態にするために、プローブ端部13、15の位置に対する、接触されるべき電気接点3の位置を知ることが望ましい、ということが理解されることになる。これらの位置の認識は、電気接点と接触するために、プローブ7及び/又はDUT1が位置しているデバイステーブル103の必要な動きが判定されることを可能にする。しかしながら、DUT1上の電気接点3の位置、大きさ、及び/又は形状は、異なるデバイスの場合には異なることがあり、デバイスを試験する前に知ることができない。
【0134】
図8は、DUT1の一部分の断面における概略図である。DUT1は、複数の電気接点3(
図8ではボールタイプの電気接点として示されている)を含む。また、
図8には、電気接点3と接触するために使用され得るプローブ7が示されている。
図8において示されるプローブ7は、
図2を参照して上記で説明されたプローブ7と同じであり、ここではこれ以上詳細には説明されないことになる。
【0135】
図8において見られ得るように、電気接点3は、全て同じ大きさ及び形状を有するわけではない。さらに、隣接する電気接点3の間のピッチ123は、電気接点3の各々に対して一貫していない。隣接する接点3の間のピッチ123は、プローブ7のプローブ端部13、15間のピッチ125と一致しなくてもよい。プローブ端部13、15がDUT1の2つの電気接点に同時に接触するDUT1に対するプローブ7の位置及び向きを見つけることは、それほど簡単ではないかもしれない。例えば、プローブ7は、2つの電気接点3に同時に接触するために、DUT1に対して傾斜していてもよい。プローブ7がDUT1に対して傾斜する角度は、異なる電気接点3に接触する場合には異なっていてもよい。
【0136】
プローブ端部13、15をDUT1の電気接点と接触状態にするために、接触を実現する移動機構122の構成が判定され得る。移動機構122は、デバイステーブル103及びプローブ7の一方又は両方を動かし、プローブ7のプローブ端部13、15がDUT1上の電気接点3と接触状態なる判定された構成を採用するように動作可能である。本明細書における、デバイステーブル103の移動に対する言及は、デバイステーブル103の直接移動を含み得るか、又はデバイステーブル103が位置している別の構成要素の移動を含み得る。例えば、デバイステーブル103が位置しているマウント104の移動は、デバイステーブル103の移動の一例である。同様に、デバイステーブル103が位置している移動ステージ106の移動は、デバイステーブル103の移動の更なる例である。
【0137】
プローブ7のプローブ端部13、15をDUT1の電気接点3と接触状態にする移動機構122の構成を判定するために、DUT1の電気接点の位置、大きさ、及び/又は形状の知識を得ることが望ましい。再度
図6を参照すると、試験システム101は、プロファイル判定システム127を更に備える。プロファイル判定システム127は、デバイスの電気接点のプロファイルを判定するように構成される。例えば、プロファイル判定システムは、デバイスの電気接点の3次元プロファイルを判定するように構成され得る。判定された電気接点のプロファイルは、続いて、プローブ7のプローブ端部13、15をDUT1の電気接点3と接触状態にする移動機構122の構成を判定するために使用される。
【0138】
プロファイル判定システム127の実施例が
図9において更に詳細に示される。
図9Aは、側面から見たプロファイル判定システム127の一実施例の概略図である。
図9Bは、上面から見たデバイス1の概略図であり、デバイス1は、プロファイル判定システム127により、放射線ストリップによって照射される。
【0139】
プロファイル判定システム127は、放射線源129と、放射線センサ131と、制御器133とを備える。放射線源129は、被試験デバイスの少なくとも一部分を放射線135で照射するように構成される。
図9において示される実施例では、放射線源129は、デバイス1のストリップを放射線ストリップ135で照射するように構成される。放射線センサ131は、デバイス1から散乱された放射線を検出するように構成される。例えば、放射線センサ131は、デバイス1上の電気接点3から散乱される放射線を検出し得る。制御器は、検出された散乱放射線から、デバイス1の電気接点のプロファイル(例えば、3次元プロファイル)を判定するように構成される。
【0140】
放射線源129は、例えば、1つ又は複数の発光ダイオード(LED)を含み得る。いくつかの実施例では、放射線源129はレーザを含み得る。しかしながら、レーザは、典型的には、コヒーレントな放射線を放射する。デバイス1から散乱されたコヒーレントな放射線は、放射線センサ131によって見ることができる干渉パターン(例えば、スペックルパターン)を形成し得るとともに、放射線センサ131によって生成された測定値をもたらし得る。LEDから放射される放射線は、典型的には、レーザから放射される放射線よりもコヒーレントではない。結果として、1つ又は複数のLEDの使用は、放射線センサ131によって生成された測定値に対するあらゆる干渉効果の影響を有利に低減する。
【0141】
放射線センサ131は、例えば、カメラを含み得る。
図9において示される実施例では、放射線センサ131は、放射線源129から放射された放射線135の伝播方向に対して斜めの角度αで方向付けられる。放射線センサ131は、異なる高さを有するデバイス1の異なる部分が放射線センサ131の視野内の異なる位置に現れるように配置される。制御器133は、散乱放射線が現れる放射線センサの視野内の位置から、放射線が散乱されるデバイス1上の位置を判定し得る。これは、被試験デバイスの散乱表面の位置及び/又は形状が判定されることを可能にし得る。
【0142】
上記で説明されたように、
図9において示される実施例では、放射線源129は、デバイス1のストリップを放射線ストリップ135で照射するように構成される。放射線センサ131は、放射線ストリップ内に位置するデバイス1から(例えば、デバイス1の電気接点から)散乱された放射線を検出するように構成される。制御器133は、デバイス1の照射されたストリップ内に位置するデバイスの点の高さを判定するように構成される。
【0143】
放射線ストリップ135は、
図9Bにおいて2つの頭を有する矢印(double headed arrow)によって示されるように、デバイス1上で走査されることができる。例えば、移動機構122は、デバイス1が位置しているデバイステーブル103及び放射線源129の一方又は両方を、デバイス1上の放射線ストリップ135を走査するように動かすことができる。デバイス1上の放射線ストリップ135の各位置において、制御器133は、放射線ストリップ135内に位置するデバイス1の点の高さを判定する。制御器133は、放射線ストリップ135の異なる位置におけるデバイス1の判定された高さを組み合わせて、デバイス1の3次元プロファイルを判定する。デバイス1のプロファイルは、デバイス1上の電気接点3のプロファイルを含む。
【0144】
いくつかの実施例では、放射線源129及び放射線センサ131は、放射線センサ131において電気接点3からの正反射が受信されるように配置され得る。これは、放射線センサ131において受信される検出信号を増加させ得るとともに、したがって、プロファイル判定の精度を向上させ得る。そのような実施例は、電気接点3のランドグリッドアレイ(LGA)を含むデバイスをプロファイルするために特に適用可能である。ランドグリッドアレイを形成する電気接点3は、他の形態の電気接点と比較して、比較的小さい高さを有することができる。したがって、LGAのプロファイルは、検出するのが困難な場合がある。LGAからの正反射を検出することは、LGAがプロファイルされる精度を向上させ得る。
【0145】
いくつかの実施例では、プロファイル判定システム127は、複数の放射線源129を含み得る。第1の放射線源は、電気接点3からの鏡面反射が放射線センサ131において受信されるように方向付けられ得る。第1の放射線源は、LGAを含むデバイス1をプロファイルするために使用され得る。第2の放射線源は、鏡面反射ではなく散漫に散乱された放射線が放射線センサにおいて受信されるように方向付けられ得る。第2の放射線源は、LGAを含まないデバイスをプロファイルするために使用され得る。
【0146】
他の実施例では、プロファイル判定システム127は、
図9を参照して上記で説明された手段とは異なる手段によって、DUT1上の電気接点3のプロファイルを判定し得る。例えば、プロファイル判定システム127は、上方からDUT1の画像を取得するカメラを備え得る。画像内の電気接点3の位置を検出するために、取得された画像に対して画像処理が実行され得る。いくつかの実施例では、電気接点3の位置に関する2次元情報は、DUT1の高さに関する情報を提供するように構成された1つ又は複数の追加のセンサから取得された情報と組み合わされ得る。
【0147】
いくつかの実施例では、DUT1上の電気接点3の高さは、電気接点3を放射線ビームで照射し、電気接点3から反射された放射線の戻り時間を測定することによって判定され得る。戻り時間は、電気接点3の高さを判定するために使用され得る。例えば、プロファイル判定システム127は、DUT1の一部分をレーザビームで照射するように構成されたレーザと、DUT1からの反射されたレーザ放射線の戻り時間を測定するように配置された放射線センサとを備え得る。制御器は、戻り時間に基づいてDUT1上の点の高さを判定し得る。レーザ及び/又はDUT1は、DUT1上の異なる位置を照射し、異なる位置におけるDUT1の高さを判定するように動かされ得る。DUT1上の異なる位置におけるDUT1の判定された高さは、DUT1上の電気接点3のプロファイルを含むDUT1のプロファイルを形成するように組み合わせられ得る。
【0148】
いくつかの実施例では、異なる位置におけるDUT1の高さに関する情報(例えば、上記で説明されたようにレーザを使用して取得される)は、DUT1の取得された画像から導き出された情報と組み合わせられ得る。例えば、DUT1上の電気接点3の位置が導き出され得るDUT1の画像は、DUT1上の電気接点3のプロファイルを判定するために、高さ情報と組み合わされ得る。
【0149】
DUT1の電気接点の3次元プロファイルが判定され得る実施例が説明されたが、いくつかの実施例では、2次元プロファイルで十分である可能性がある。例えば、DUT1が一列に配置された複数の電気接点3を備えるものとした場合、線に沿った位置の関数として電気接点3の高さを判定することで十分であり、それにより、電気接点3の2次元プロファイルを判定することができる。DUT1が電気接点3のより複雑な配置を含む実施例では、電気接点3の3次元プロファイルを判定することが望ましい。
【0150】
プローブ7のプローブ端部13、15をDUT1の電気接点3と接触状態にする移動機構122の構成を判定するために、プローブ7の位置に対するDUT1のプロファイルの位置を知ることが望ましい。いくつかの実施例では、これは、DUT1が保持されているデバイステーブル103に対するDUT1のプロファイルの位置を判定することによって達成され得る。デバイステーブル103に対するプローブ7の位置が同様に判定されることができ、それにより、プローブ7の位置に対するDUT1のプロファイルの位置を提供することができる。
【0151】
本明細書において他の要素の位置に対する要素の位置に言及する場合には、2つの要素の相対的な向きを含むものとする。例えば、デバイステーブル103に対するプローブ7の位置を判定することは、プローブ7とデバイステーブル103との相対的な向きを判定することを含み得る。
【0152】
図10は、デバイステーブル103の概略図である。また、
図10には、デバイステーブル103の位置及び向きを説明するために使用される座標系が示されている。デバイステーブル103は、x、y、及びz方向に平行移動され得るとともに、x軸に対しては方位角φだけ、そしてz軸に対しては極角θだけ回転され得る。
【0153】
デバイステーブル103は、デバイス1がデバイステーブル103上に取り付けられ得るデバイス取り付け位置137を含む。
図10において示される実施例では、デバイステーブル103は、6つのデバイス取り付け位置137を含む。他の実施例では、デバイステーブル103は、6つより多いか、又は6つより少ないデバイス取り付け位置137を含み得る。
【0154】
デバイス1は、デバイス1をデバイステーブル103に真空クランプすることによって、デバイステーブル上の所定位置に保持され得る。
図10の実施例では、デバイス取り付け位置137には、デバイス1をデバイステーブル103にクランプするためにデバイスの下面に真空を印加するように動作可能な、真空ポート139が設けられている。
【0155】
図10において示されるデバイステーブル103は、把持位置141を含む。把持位置141は、デバイステーブル103を保持して動かすためにデバイステーブル103が把持され得る接触点を提供する。例えば、
図7において示されるローディングデバイス109のアクチュエータ115は、把持位置141においてデバイステーブル103を把持することができる。
【0156】
デバイステーブル103は、短絡パッド143を更に含み、短絡パッド143は、構成要素が一緒に短絡され得る場所を提供する。例えば、2つのプローブ端部13、15の両方が短絡パッド143と接触状態にされ、その結果2つのプローブ端部13、15を短絡させ得る。これは、1つ又は複数の基準測定値が取得されることを可能にし得る。例えば、短絡したプローブ端部からの信号反射の測定値が、基準測定値として取得され得る。プローブ端部13、15が一緒に短絡されていない場合には、別の基準測定値が取得され得る。短絡パッド143は、例えば、金メッキされ得る。
【0157】
デバイステーブル103の下側には、取り付け点145が設けられている。取り付け点145は、デバイステーブル103が配置されるマウント104とインタフェースするように構成され得る。マウント104は、運動学的に制限されたマウントを備え得る。デバイステーブル103が配置され得るマウント104の実施例は、
図12を参照して下記で更に詳細に説明される。
【0158】
デバイステーブル103は、基準構造物147を更に含む。基準構造物147は、例えば、デバイステーブル103の穴に挿入され(fitted into)得る。基準構造物147は、デバイステーブル103上の既知の位置における基準点を提供する。基準構造物147は、DUT1上の電気接点3のプロファイルが対照して測定され得るデバイステーブル103上の基準位置を提供し得る。例えば、プロファイル判定システム127は、デバイステーブル上に配置されたDUT1上の電気接点3のプロファイルを含むとともに、同様に、デバイステーブル103上の基準構造物147のプロファイルを含み得る、デバイステーブル103のプロファイルを判定し得る。基準構造物147は、判定されたプロファイルにおいて識別され得る。基準構造物147は、デバイステーブル103上の既知の位置に配置され得るので、デバイステーブル103の判定されたプロファイル内の基準構造物147を識別することは、デバイステーブル103上に配置されたDUT1上の電気接点3の位置が判定されることを可能にし得る。デバイステーブル103上の電気接点3の判定された位置は、電気接点3に接触するためにプローブ7がデバイステーブル103に対して動かされるべき位置が判定されることを可能にし得る。
【0159】
基準構造物147は、(
図10において示されているように)デバイステーブル103の外に伸びることができる。代替の実施例では、基準構造物147は、デバイステーブル103の中に伸びることができる(例えば、基準構造物は、デバイステーブル103内に埋め込まれてもよい)。
図10において示される実施例では、基準構造物147は、デバイス1が支持されるレベルに対して、異なる垂直レベル(すなわち、
図10において示されるz軸上の異なる位置)に位置している。デバイス1を支持するように構成されたデバイス取り付け位置137は、実質的に支持面内に位置し得る。
図10において示される実施例では、基準構造物147は、支持面と実質的に平行な面から伸びている。他の実施例では、基準構造物147は、支持面から伸びることができる。基準構造物147は、(
図10において示されるように)支持面に垂直な方向に伸び得る。
【0160】
基準構造物147のうちの少なくとも2つは、異なる距離だけデバイステーブル103の外に、又はデバイステーブル103の中に伸び得る。例えば、いくつかの実施例では、全ての基準構造物は、異なる距離だけデバイステーブル103の外に、又はデバイステーブル103の中に伸び得る。基準構造物147がデバイステーブル103の外に、又はデバイステーブル103の中に伸びる距離は、基準構造物147の高さと呼ばれ得る。基準構造物147がデバイステーブルの外に、又はデバイステーブルの中に伸びる距離は、支持面に垂直な方向の距離とすることができる。
図10の実施例では、基準構造物147がデバイステーブル103の外に伸びる距離は、基準構造物147が支持面と実質的に平行な面から伸びる距離とすることができる。基準構造物147が支持面から伸びる実施例では、距離は、基準構造物147が支持面から伸びる距離とすることができる。
【0161】
異なる距離だけデバイステーブルの外に、又はデバイステーブルの中に伸びる基準構造物147は、特徴(例えば、DUT1上の電気接点3)の位置が基準構造物147に対して判定されることができる精度を、有利に向上させる。いくつかの実施例では、基準構造物は、全て、ほぼ同じ距離だけデバイステーブル103の外に、又はデバイステーブル103の中に伸び得る。しかしながら、そのような実施例では、異なる高さに配置された電気接点3を正確に接触させることは、プロファイル判定システム127の精度及び直線性に依存し得る。基準構造物147を異なる高さに配置する(すなわち、異なる距離だけデバイステーブル103の外に、又はデバイステーブル103の中に伸びる)ことによって、異なる高さにおける基準が取得され得る。これは、プロファイル判定システム127におけるあらゆる非直線性又はスケーリング誤差が補償されることを可能にし得るとともに、異なる高さに位置する電気接点3が接触される精度が改善され得る。
【0162】
デバイステーブル103に対するDUT1上の電気接点3のプロファイルの位置を正確に判定するために、デバイステーブル103上に少なくとも3つの基準構造物147を設けることが望ましいかもしれない。いくつかの実施例では、3つ以上の基準構造物147が設けられ得る。例えば、
図10の実施例では、8つの基準構造物147が設けられている。
【0163】
図11は、基準構造物147の実施例をより詳細に示す。
図11Aは、基準構造物147の側面図の概略図である。
図11Bは、遠近法で示された基準構造物147の概略図である。
図11Cは、より詳細な基準構造物147の端部の概略図である。
【0164】
基準構造物147は、柱状の構造を備える。柱は、例えば、約2~3mmの直径を有することができる。基準構造物147は、実質的に球形の先端部分149を含む。球形の先端部分149は、実質的に平坦なリム151によって取り囲まれている。球形の先端部分149、及び実質的に平坦なリム151は、デバイステーブル103の判定されたプロファイルにおいて容易に識別可能な特徴を提供する。例えば、球形の先端部分149、及び実質的に平坦なリム151は、幾何学関数をプロファイルデータに適合させることが比較的容易であり得る。したがって、判定されたプロファイルにおける他の特徴(例えば、DUT1上の電気接点3)に対する基準構造物147の位置は、容易に識別されることができる。
【0165】
基準構造物147は、プロファイル判定システム127に対する基準構造物147の視認性を改善する他の特徴を含み得る。例えば、斜めの角度で物体から散乱された放射線を測定するプロファイル判定システム127(例えば、
図9において示されるプロファイル判定システム127)は、プロファイルされるべき表面から拡散的に比較的大きな量の放射線を散乱する物体をプロファイルする場合に、特に良好に機能する。基準構造物147には、小規模(on small scales)に、基準構造物147からの放射線の拡散的な散乱を増大させるのに役立つ粗さ特徴が設けられ得る。例えば、基準構造物147には、約50ミクロン以下の規模で粗さ特徴が設けられ得る。これは、プロファイル判定システム127に対する基準構造物147の視認性を改善し得る。
【0166】
いくつかの実施例では、基準構造物147には、基準構造物147の表面における隆起部が設けられ得る。隆起部は、例えば、約40ミクロンだけ離れていてもよい。隆起部は、粗さ特徴の一例であると考えられ得る。
【0167】
図11において示される基準構造物147は、基準特徴部153を含む。基準特徴部153は、プローブ端部が基準構造物147と接触状態にされ得る基準点を示す。基準特徴部は、プローブ端部13、15の大きさにほぼ等しい寸法を有し得る。本明細書においてプローブ端部13、15の大きさにほぼ等しい寸法を有する基準特徴部153に対して行われる任意の言及は、基準特徴部153が、プローブ端部13、15の大きさのオーダの(又は、それに匹敵する)寸法を有することを意味すると解釈されるべきである。プローブ端部13、15の大きさにほぼ等しい寸法を有する基準特徴部153は、全く同じ大きさを有する特徴に限定されるべきではない、ということが理解されるべきである。下記で更に詳細に説明されることになるように、基準特徴部153は、デバイステーブル103に対するプローブ7の位置の較正を行うためにプローブ端部が導かれ得るポイントとして意図されている。基準特徴部153とプローブ端部13、15とが同じ大きさを有する程度は、較正の要求される精度によって判定され得る。
【0168】
図11において示される実施例では、基準特徴部153は、基準構造物における溝を備える。溝は、実質的に円形であるとともに、基準構造物147の頂点の周りに伸びる。溝153は、例えば、約150ミクロンの直径を有し得る。溝の深さは、約10ミクロンであり得る。いくつかの実施例では、基準特徴部153は、基準構造物147の頂点の周りに伸びる異なる大きさの複数の円形の溝を含み得る。他の実施例では、基準特徴部153は、基準構造物147上のレーザエッチングされた印、基準構造物147上に示された十字線(例えば、十字線を形成する一対の溝)を備え得るか、又は他の何らかの特徴であり得る。一般に、基準特徴部153は、検査(直接視覚検査、又は検査装置(例えば、カメラ若しくは顕微鏡)による検査)によって解決可能な任意の特徴を含み得る。これは、プローブ端部が、基準特徴部153によって示された基準点と接触するように導かれることを可能にし得る。
【0169】
上記で示唆されたように、基準特徴部153は、デバイステーブル103に対するプローブ7の位置の較正に使用され得る。上述されたように、デバイステーブル103によって保持されたDUT1上の電気接点3の位置は、プロファイル判定システム127によって、デバイステーブル103上の基準構造物147に対して判定される。プローブ端部13、15とDUT1の電気接点との接触をもたらす移動機構122の構成を判定するために、デバイステーブル103に対するプローブ7の位置を判定する移動機構122を正確に較正することが望ましい。
【0170】
移動機構122は、プローブ7を基準構造物147と接触状態にすることによって較正され得る。デバイステーブル103上の基準構造物147の位置は既知であるので、プローブ7を基準構造物147と接触状態にすることは、移動機構122を較正するために使用され得るプローブ7の既知の位置を提供する。較正の精度を向上させるために、プローブ端部13、15は、基準構造物147上の基準特徴部153によって示された基準点において、又は基準点の近傍で、基準構造物147と接触状態にされ得る。上記で説明されたように、基準特徴部153は、プローブ端部13、15の大きさに匹敵する大きさを有し得る。したがって、基準特徴部153は、プローブ端部が正確に動かされ得る、より正確な基準点を提供する。例えば、
図11Cにおいて示されるように、プローブ端部13、15は、円形の溝153内の基準構造物と接触状態にするように動かされ得る。
【0171】
基準特徴部153は、例えば、基準構造物147の頂点を囲むことができる。例えば、基準特徴部153が基準構造物内の円形の溝を含む実施例では、(
図11Cにおいて示されるように)円形の溝は基準構造物147の頂点の周りに伸びることができる。基準特徴部153は、基準構造物147の頂点に実質的に位置するとともに、円形の溝の範囲内にある基準点を示す。プローブ端部は、基準構造物の頂点(すなわち、基準点)と接触状態にされ得る。
【0172】
基準特徴部153は、基準構造物147の凸面又は突出面に設けられ得る。これは、プローブ端部が意図せずに基準構造物147の他の領域と接触状態にされる可能性を低減し得る。
【0173】
いくつかの実施例では、移動機構122は、プローブ端部13、15を基準構造物と接触状態にするために、手動で操作され得る。すなわち、移動機構122の構成は、プローブ端部13、15が基準構造物147に接触するまで、人によって調整され得る。試験システム101は、基準構造物147に対するプローブ端部13、15の位置の判定を可能にする較正システムを備え得る。較正システムは、例えば、プローブ端部13、15及び基準構造物147が見られ得るカメラ又は顕微鏡を含み得る。移動機構122は、較正システムを通してプローブ端部13、15及び基準構造物147を見ながら、オペレータによって調整され得る。移動機構122は、(例えば、基準特徴部153によって示された基準点において、又は基準点の近傍で)プローブ端部13、15が基準構造物147に接触するまで調整され得る。
【0174】
これは、移動機構122の既知の構成の基準を提供し、その結果、デバイステーブル103に対するプローブ7の既知の位置をもたらす。これは、移動機構122の他の構成を可能にすることができ、その結果、デバイステーブル103に対するプローブ7の他の位置をもたらす。デバイステーブル103に対する電気接点3の位置を知ることにより、プローブ7を正確に動かして所望の電気接点3に接触させることができる。いくつかの実施例では、基準構造物147上の基準特徴部153は、プロファイル判定システム127によって検出され得る。したがって、移動機構122の較正中に使用される基準特徴部153の位置は、DUT1の電気接点3のプロファイルにおいて検出され得る。これは、電気接点3の位置がプローブ7の位置に対して判定される精度を改善し得る。
【0175】
いくつかの実施例では、移動機構122の更なる基準構成を提供し、較正の精度を向上させるために、プローブ7の複数のプローブ端部13、15は、異なる時間において基準構造物147と接触状態にされ得る。異なる時間において複数の異なる基準構造物147に接触するようにプローブ7を動かし、較正を更に改善することができる。移動機構を全方向において正確に較正するために、プローブ7がx、y、及びz方向における異なる位置に配置された基準構造物147と接触状態にされることが望ましい。
【0176】
プローブ端部13、15は、複数の異なる向きで基準構造物147と接触状態にされ得る。例えば、プローブ7は、(例えば、プローブがz軸と形成する角度θを変化させることによって、及び/又はプローブがx軸と形成する角度φを変化させることによって)基準構造物147と接触しながら、異なる向き(例えば、4つ以上の異なる向き)に回転され得る。プローブ7の異なる向きは、移動機構の較正を改善し得る更なる基準位置を提供し得る。
【0177】
基準構造物147に対するプローブ端部の位置の判定を可能にするように構成された較正システムが、プローブ端部及び基準構造物147が見られ得るカメラ又は顕微鏡を含む実施例が、上記で説明された。いくつかの実施例では、較正システムは、他の構成要素を含み得る。例えば、較正システムは、プロファイル判定システム127を備えることができ、プローブ端部が基準構造物147に向けて運ばれると、プロファイル判定システム127は、基準構造物147及びプローブ端部のプロファイルを判定し得る。これは、オペレータが基準構造物147に対するプローブ端部の位置を判定するとともに、プローブ端部を基準構造物147と接触状態にすることを可能にし得る。
【0178】
いくつかの実施例では、較正システムは、プローブ端部と基準構造物との間の接触を検出するための手段を備え得る。例えば、較正システムは、プローブ端部と基準構造物との間の電気的導通を検出する電気的導通テスタを備え得る。較正システムは、プローブ端部と基準構造物との間の接触を検出するように構成された、プローブ及び/又は基準構造物上の1つ又は複数の圧力センサを備え得る。
【0179】
移動機構122の較正は、プローブ端部13、15を基準構造物147と接触状態にする必要なく、更新され得る。例えば、いくつかの実施例では、移動機構122の較正は、(例えば、DUT1の試験中に)プローブ7がDUT1の電気接点3の近くに運ばれるときに更新され得る。プロファイル判定システム127は、プローブ7のプローブ端部13、15のプロファイル、及びプローブ端部13、15が近接している電気接点3のプロファイルを判定し得る。判定されたプロファイルは、電気接点3に対するプローブ端部13、15の位置を判定するために使用され得る。これは、移動機構122の現在の較正の精度を判定するために使用され得るとともに、較正は必要に応じて更新され得る。移動機構122の較正は、例えば、プローブ7が新しいプローブ7によって置き換えられた後で更新され得る。
【0180】
図12は、2つの透視図において示されるマウント104の実施例の概略図である。
図12には、マウント104上に配置され得るデバイステーブル103も示されている。マウント104は、複数の自由度におけるデバイステーブル103の動きを制限する運動学的に制限されたマウントである。例えば、運動学的に制限されたマウント104は、6つの自由度の全てにおいてデバイステーブル103の動きを制限し得る。デバイステーブル103の動きを制限することは、デバイステーブル103の正確な位置決めを可能にする反復可能かつ制御された方法でデバイステーブル103が動かされることを可能にし得る。いくつかの実施例では、デバイステーブル103は、マウント104上の固定位置に保持され得るとともに、プローブ7は、デバイステーブル103上の異なる要素に接触するようにデバイステーブル103の周りを動かされ得る。
【0181】
マウント104は、デバイステーブル103の下側に配置された取り付け点145に適合するボールサポート157を備える。取り付け点145は、ボールサポート157が位置する(sit)V字型の溝を備える。ボールサポート157は、マウント104に対するデバイステーブル103の向きを調整するように、溝形状の取り付け点145に沿ってスライドし得る。各ボールサポート157は、ボールサポート157が位置する(sit)溝形状の取り付け点145と2つの接触点を有する。3つの取り付け点145と3つのボールサポート157で、合計6つの接触点が存在する。各表面の接触点は、固有の法線方向を有し得る。6つの接触点の組み合わせは、6つの自由度におけるデバイステーブル103の動きを制限する働きをする。
【0182】
マウント104は、真空シール159を更に備える。真空シール159は、デバイステーブル103がマウント104に真空クランプされることを可能にし得る。他の実施例では、デバイステーブル103は、異なるクランプ機構を使用してマウント104にクランプされ得る。例えば、デバイステーブル103は、磁気的に、静電的に、又は機械的にマウント104にクランプされ得る。真空シールは、真空ポンプがマウント104を通してデバイステーブル103上の真空ポート139と流体接続されることを可能にし得る。
【0183】
マウント104は、クリーニングパッド161を更に備える。クリーニングパッド161は、プローブ7のプローブ端部13、15が清掃され得る表面を提供する。例えば、移動機構122は、プローブ端部13、15をクリーニングパッド161上で引きずることができ、クリーニングパッド161は、汚れ、はんだ酸化物、又は他の堆積物をプローブ端部13、15から除去するように働くことができる。
【0184】
電気接点3をプローブ7に接触させる前に、1つ又は複数のデバイス1上の電気接点3のプロファイルを判定するように構成される試験システム101の実施例が上記で説明された。デバイスのプロファイリング(profiling)及びプロービング(probing)は、連続した段階で実行され得る。例えば、1つ又は複数のデバイス1が保持されているデバイステーブル103が、プロファイル判定システム127を使用して最初にプロファイルされ得る。続いて、デバイステーブル103は、プロービング段階に移されることができ、プロービング段階では、1つ又は複数のプローブ7が、デバイステーブル103上に位置しているDUT1上の電気接点3と接触状態にされる。その後、DUT1は、1つ又は複数のプローブ7を用いて試験され得る。プロファイリング段階の間に取得されるデバイステーブル103のプロファイルは、デバイステーブル103上のデバイス1上の電気接点3に接触するように、プロービング段階の間に使用されるべき移動機構122の構成を判定するために使用される。
【0185】
試験システム101のスループットを向上させるために、第1のデバイステーブル103がプロファイルされ得る(profiled)一方、第2のデバイステーブル103上のデバイス1がプローブされる(probed)。一度第1のデバイステーブル103がプロファイルされると、第1のデバイステーブル103上のデバイス1がプローブされるように、第1のデバイステーブル103がプロービング段階に移され得る。第1のデバイステーブル103上のデバイス1がプローブされている間、第3のデバイステーブル103上のデバイス1のプロービングに備えて、第3のデバイステーブル103がプロファイルされ得る。
【0186】
図6の試験システム101は、移動ステージ106を含む。移動ステージは、例えば、プロファイリング段階とプロービング段階との間でデバイステーブル103を動かすように動作可能な直線移動ステージ106であり得る。
【0187】
デバイステーブル103がプロファイル判定システム127によってプロファイルされた後で、プロービング段階の間に使用されるべき移動機構122の構成が(例えば、制御器によって)判定される。プロービング段階の間、移動機構122は、プローブ7のプローブ端部13、15をデバイステーブル103上に位置しているDUT1上の複数の異なる電気接点3と接触状態にするように、デバイステーブル103及びプローブ7の一方又は両方を、複数の異なる位置及び/又は向きに動かし得る。
【0188】
プロービング段階の前に、可能な限り最短時間で試験されるべき電気接点の各々に接触しようとする移動機構の一連の構成が判定され得る。例えば、プロービング段階を実行するのに必要な時間を最小限にするシーケンスを見つけるために、可能な移動機構シーケンスの全体的な探索が実行され得る。移動機構構成の最適なシーケンスを探索するために、遺伝的アルゴリズム又はシミュレーテッドアニーリングアルゴリズムのようなアルゴリズムが使用され得る。
【0189】
プローブ7及び/又はデバイステーブル103のいくつかの移動の形態は、他の移動の形態よりも速く実行され得る。例えば、プローブ7の回転は、プローブ7の平行移動よりも実行に時間がかかることがある。したがって、プロービング段階の間のプローブ7の回転数が少ない解決策が求められ得る。例えば、プロービング段階の間のプローブ7の異なる角度方向の総数が比較的小さい解決策が探索され得る。
【0190】
電気接点との接触を望ましくない方法で達成するデバイステーブル103に対するプローブ7のいくつかの方向が存在し得る。例えば、プローブ7のいくつかの構成は、電気接点3上でプローブ端部13、15の滑りを生じさせる恐れがあり得る。プローブ7の滑りは、プローブ端部13、15の一方が電気接点3から離される原因になり得る。プローブ端部13、15が電気接点3上の最も高い点に対して比較的近くに位置しているプローブ姿勢を探し求めることが望ましい場合があり、その結果、プローブ端部13、15が電気接点3上で滑る可能性を低減する。
【0191】
いくつかの実施例では、試験システム101は、(
図6において示されるように)複数のプローブ7を備え得る。単一のデバイステーブル103上に位置している異なるDUT1を同時に試験するために、複数のプローブが使用され得る。これに加えて、又はそれに代えて、同時に異なる電気接点3を通して単一のDUT1を試験するために、複数のプローブが使用され得る。これは、単一のDUT1を試験するために必要とされる時間量、及び/又はデバイステーブル103上に位置している全てのDUT1を試験するために必要とされる時間量を減らし得る。したがって、試験システム101のスループットが改善され得る。
【0192】
複数のデバイス1の自動試験を可能にする試験システムに対する様々な改良が上記で説明された。サンプリングモジュール18、放射線源、及び遅延ライン(例えば、
図4において示されるような)の独創的な改良が、同様に本明細書では意図されており、
図13~
図15を参照して下記で説明されることになる。
【0193】
図13は、本発明の一実施例による試験システム201の一部分の概略図である。
図13において示される試験システム201は、
図4を参照して上記で説明された試験システムと同様であり得るとともに、多くの同じ又は同様の構成要素を含み得る。
【0194】
試験システム201は、サンプリングモジュール203を備える。サンプリングモジュール203は、第1及び第2の光導電素子204、信号発生器(
図13には図示せず)、並びに信号サンプラ(
図13には図示せず)を含む。サンプリングモジュール203は、
図4を参照して上記で説明されたサンプリングモジュール18と同様であり、ここではこれ以上詳細には説明されない。
【0195】
サンプリングモジュールは、同軸ケーブル205を介してプローブ207に接続されている。プローブ207は、DUT1上の電気接点3と接触状態にされる。サンプリングモジュール203からの信号は、プローブ207を通してDUT1に入力され、DUT1からの信号反射は分析のためにサンプリングモジュールに戻る。
【0196】
試験システム201は、放射線源209と、ビームスプリッタ211と、遅延ライン213とを更に備える。放射線源209は、例えば、近赤外線放射線(例えば、約800nm、約1000nm、又は約1560nmの波長を有する)を放射することができるレーザを備え得る。放射線源209から放射された放射線ビーム210は、ビームスプリッタ211に入射する。放射線ビーム210は、パルス放射線ビームであり得る。放射線ビームのパルスは、例えば、約1ピコ秒未満のパルス幅を有し得る。ビームスプリッタ211は、放射線ビーム210を生成ビーム215及び受信ビーム217に分割する。生成ビーム215及び受信ビーム217は、光ファイバ207に結合され、サンプリングモジュール203に伝送される。サンプリングモジュール203において、生成ビームは、第1の光導電素子204に入射するように導かれ、受信ビームは、第2の光導電素子204に入射するように導かれる。
【0197】
遅延ライン213は、受信ビーム217の光路内に配置され、生成ビーム215のパルスと受信ビーム217のパルスとの間に光学遅延を導入するように構成される。遅延ライン213は、
図4を参照して上記で説明された遅延ライン37と同様であり得るとともに、移動ステージ(
図13には図示せず)に取り付けられた1つ又は複数の反射器を備え得る。移動ステージは、生成ビーム215と受信ビーム217との間の光学遅延を走査するように動かされ得る。
【0198】
従来技術の遅延ライン構成は、別個の低速走査遅延ラインと高速走査遅延ラインとを含む。高速走査遅延ラインは、ガルバノメータ駆動の遅延ラインであってもよい。そのような構成では、高速走査遅延ラインは、十分に大きな遅延時間範囲を提供しないことがある。例えば、高速走査遅延ラインは、約50ピコ秒の最大光学遅延を導入することができる。従来技術の構成では、データセグメントは、(高速走査遅延時間の最大光学遅延に対応する)50ピコ秒の遅延時間の範囲にわたって取得されてもよく、その場合に、遅延時間の別の50ピコ秒範囲にわたって別のデータセグメントを取得するために、低速走査遅延ラインが動かされ得る。次に、完全なデータセットを得るために、異なるデータセグメントが連結される。低速走査遅延ラインの異なる位置における複数の異なるデータセットを取得するプロセスは、完全なデータセットを得るために大きな取得時間をもたらす可能性がある。
【0199】
図13において示される実施例では、単一の遅延ライン213のみが使用される。遅延ライン213は、ガルバノメータ駆動の遅延ラインを用いて得られる速度に匹敵する速度で、広範囲の遅延時間にわたって走査することができる。遅延ライン213は、遅延ライン213によって導入される光学遅延を変化させるように反射器を動かすように構成された同期リニアモータを含む直接駆動の遅延ラインである。リニアモータは、モータにおける摩擦を低減するとともに効率を改善する、ブラシレスであってもよい。移動ステージは、高品質のクロスローラベアリング(crossed-roller bearing)又はエアベアリング(air-bearing)を備え得る。対照的に、従来技術の遅延ライン構成は、移動ステージの最高速度及び加速度を制限するボールねじ駆動(ball-screw drive)を使用する。ボールねじ(ball-screw)は、同様に、本明細書において意図される直接駆動の遅延ラインによって回避される、いくつかのレベルのバックラッシュ(backlash:反動)を導入する。
【0200】
従来技術の構成に対して、本明細書において検討される直接駆動ラインを使用して得られる測定値の全体的な取得時間が大幅に改善され得る。例えば、取得時間は、従来技術の構成で達成可能なものよりも60倍程度速い取得時間であり得る。
【0201】
図13の試験システム201は、デジタルサンプリングモジュール219を更に備える。デジタルサンプリングモジュール219は、遅延ライン213から第1の信号221を受け取り、サンプリングモジュール203から第2の信号223を受け取る。デジタルサンプリングモジュール219は、第1及び第2の信号221、223を同時にサンプルし、サンプリングモジュールからのデータが、遅延ライン213によって導入された特定の遅延時間に割り当てられることができるように、2つの信号間の整合を維持する。デジタルサンプリングモジュールは、コンピュータであり得る制御器225とインタフェースする。制御器225は、デジタルサンプリングモジュール219によってサンプルされたデータを格納することができる。
【0202】
図14は、本発明の一実施例による試験システムの一部を形成する遅延ライン構成の概略図である。
図14において示される構成は、放射線ビーム303を放射する放射線源301を備える。放射線ビーム303は、ビームスプリッタ305に入射し、ビームスプリッタ305は、放射線ビームを生成ビーム307と受信ビーム309とに分割する。生成ビーム307及び受信ビーム309の両方は、遅延ライン構成に供給される。遅延ライン構成は、生成ビーム307を受信する第1の反射器ユニット311と、受信ビーム309を受信する第2の反射器ユニット313とを備える。第1及び第2の反射器ユニット311、313は、それぞれ、単一の反射器又は複数の反射器を備え得る。第1及び第2の反射器ユニット311、313は、コーナーキューブリフレクタを備え得る。
【0203】
第1及び第2の反射器ユニット311、313は、可動ステージ315上に取り付けられている。可動ステージ315は、第1の方向317及び第2の方向319に移動可能である。可動ステージ315の第1の方向317における移動は、生成ビーム307の光路長を増加させ、かつ受信ビーム309の光路長を減少させる。可動ステージ315の第2の方向319における移動は、生成ビーム307の光路長を減少させ、かつ受信ビーム309の光路長を増加させる。
【0204】
図14において示される構成では、可動ステージ315の移動は、生成ビームと受信ビームの光路長を反対方向に変化させる。その結果、可動ステージ315の第1の距離による移動は、第1の距離の少なくとも2倍である生成ビームと受信ビームの光路長における差を導入する。したがって、(従来技術の構成に対して)生成ビームと受信ビームとの間の光学遅延を所与の量だけ変化させるためには、可動ステージのより小さい移動が要求される。これは、光学遅延のより高速な走査を有利に可能にする。したがって、所与の測定が行われる取得時間を著しく削減することができる。
【0205】
図14の実施例では、遅延ライン構成は、生成ビーム307及び受信ビーム309の光路に位置しているプリズム321(例えば屋根形プリズム(roof prism:ダハプリズム))を更に備える。プリズムは、放射線パルスが反射器ユニット311、313において多重反射を受けるように、第1及び第2の反射器ユニットに放射線を反射し得る。放射線パルスが反射器ユニット311、313において多重反射を受けるようにすることにより、遅延ライン構成を通るパルスの全光路が増加する。これは、生成ビームと受信ビームのパルス間に導入される光学遅延を増加させ得る。
【0206】
遅延ライン構成から出力される生成ビーム307及び受信ビーム309は、結合器323によって光ファイバ321に結合される。光ファイバ321は、生成ビーム及び受信ビームをサンプリングモジュールに伝送することができる。
【0207】
図15は、本発明の一実施例による試験システムの一部を形成し得る放射線フィードバックシステムの概略図である。
図15において示される構成は、放射線ビーム403を放射する放射線源401(例えば、レーザ)を備える。放射線ビーム403は、光ファイバ405に結合される。光ファイバ405は、(他の実施例を参照して上記で説明されたように)放射線ビーム403をサンプリングモジュールに伝送するために使用され得る。光ファイバ405のファイバ結合効率は、経時的に変化し得る。例えば、ファイバ405の温度における変化、又は放射線ビーム403をファイバ405に結合するために使用される光学部品のクリープのような他の要因によって、時間の経過とともに結合効率が変化することがある。
【0208】
光ファイバ405のファイバ結合効率における変化は、光ファイバ405から出力される(とともにサンプリングモジュールに供給され得る)放射線ビームの出力における変化を引き起こすことになる。光ファイバ405から出力されるとともにサンプリングモジュールに供給され得る放射線の実質的に一定の平均出力を維持することが望ましい場合がある。
【0209】
光ファイバ405から出力される放射線の出力を安定させるために、放射線フィードバックシステムが提供される。放射線フィードバックシステムは、放射線センサ409と、減衰器413と、制御器411とを備える。光ファイバ405から出力された放射線ビーム403は、ビームスプリッタ407に入射する。ビームスプリッタ407は、放射線ビームの第1の部分408を放射線センサ409に導く。放射線ビームの第2の部分410は、例えば、サンプリングモジュールに供給され得る。
【0210】
放射線センサ409は、光ファイバ405から出力される放射線の強度を検出するように構成されている(放射線は、放射線パルスを含むことができる)。減衰器413は、放射線源401から放射される放射線ビームの光路において、放射線ビームがファイバ405に結合される前に配置される。減衰器413は、放射線ビームの強度を調整可能な量だけ減少させるように構成される。制御器411は、放射線センサ409による放射線ビームの強度の測定値に応答して、減衰器が放射線ビームの強度を減少させる量を調整するように構成される。例えば、放射線センサ409が放射線ビーム403の強度の増加を検出した場合、その場合に、制御器411は、減衰器413が放射線ビーム403を減衰させる量を増加させるように作用することができる。放射線センサ409が放射線ビーム403の強度の減少を検出した場合、その場合に、制御器411は、減衰器413が放射線ビーム403を減衰させる量を減少させるように作用することができる。したがって、放射線フィードバックシステムは、光ファイバ405から出力される放射線ビームの実質的に一定の平均出力を維持するように作用することができる。
【0211】
放射線ビームはパルス化されてもよく、放射線フィードバックシステムは放射線ビームの実質的に一定の平均出力を維持するように作用してもよく、ここで、平均は1パルス期間を超えて取得される。放射線フィードバックシステムは、個々のパルスの時間プロファイルを変更するように作用しないことがある。いくつかの実施例では、放射線ビームのパルス繰り返し率は、約100MHz(すなわち、10ナノ秒のパルス期間)とすることができる。放射線フィードバックシステムは、約1KHz以下の周波数での出力不安定性を低減するように作用することができる。
【0212】
制御器411は、比例積分微分(proportional-integral-derivative、PID)制御器を備え得る。減衰器413は、偏光素子と組み合わされて、放射線ビーム403の電圧制御された減衰を提供し得る液晶可変リターダを含むことができる。他の実施例では、異なる形式の減衰器が使用され得る。例えば、減衰器413は、電動式可変中立密度フィルタホイール(motorised variable neutral-density filter wheel)、音響光学変調器、又は電気光学変調器を備え得る。
【0213】
いくつかの実施例では、試験システムの1つ又は複数の光学部品はファイバベースであってもよい。例えば、本明細書に記載の放射線源のいずれかは、ファイバレーザを含むことができる。これに加えて、又はそれに代えて、本明細書に記載のビームスプリッタ又は放射線は、光ファイバに基づくものであってもよい。いくつかの実施例では、遅延ラインの1つ又は複数の構成要素は、光ファイバに基づくことができる。ファイバベースの遅延ラインは、(例えば、圧電ボビンを使用して)伸張された光ファイバの部分を含むことができる。しかしながら、ファイバベースの遅延ラインは、本明細書において説明されるような自由空間遅延ラインで可能な遅延時間の範囲を達成しないことがある。したがって、遅延ラインを含む試験システムは、光ファイバに基づく光学コンポーネントの全てを有していないかもしれない。
【0214】
2つのレーザ間の同期を調整することによって、生成ビームと受信ビームとの間の光学遅延が調整されることができるデュアルレーザシステムを含む実施例では、生成ビーム及び/又は受信ビームの全経路が光ファイバ内に基礎付けられることが可能である。
【0215】
試験システムの様々な独創的な態様が上記で説明されており、本発明の特定の実施例との関連で図面に示されている。説明された及び/又は図示された態様のいずれかは、単一の実施例において組み合わせられることができる、ということが認識されることになる。例えば、一実施例の1つ又は複数の特徴は、別の実施例の1つ又は複数の特徴と組み合わせられることができる。1つ以上の独創的な態様を含むいくつかの実施例が説明されているが、単一の独創的な態様のみを含む実施例もまた本明細書において企図される、ということが更に認識されることになる。一般に、説明されたいずれかの実施例のうちのいずれかの特徴は、単独で使用されてもよいし、又は説明された実施例の他の特徴のうちのいずれかとの任意の組み合わせで使用されてもよい。
【0216】
上記では本発明の特定の実施例が説明されたが、本発明は、説明したものとは別の方法で実施されることができる、ということが理解されることになる。上記の説明は例示的なものであり、限定するものではない。したがって、下記に示される請求項の範囲から逸脱することなく、説明された本発明に対して改変を加えることができることは、当業者には明らかであろう。
[例1] 複数の電気接点を有するデバイスを試験するための試験システムであって、当該試験システムが、
少なくとも1つの被試験デバイスを保持するように動作可能なデバイステーブルと、
前記被試験デバイスの電気接点に接触するための少なくとも1つのプローブ端部を含むプローブと、
前記デバイステーブルと前記プローブの一方又は両方を動かし、前記少なくとも1つのプローブ端部を被試験デバイスの少なくとも1つの電気接点に接触させるように動作可能な移動機構と、
被試験デバイスの前記電気接点のプロファイルを判定するように構成されたプロファイル判定システムとを備える、試験システム。
[例2] 前記プロファイル判定システムが、
被試験デバイスの少なくとも一部を放射線で照射するように構成された放射線源と、
前記被試験デバイスの電気接点から散乱された放射線を検出するように構成された放射線センサと、
前記検出された散乱放射線から被試験デバイスの前記電気接点のプロファイルを判定するように構成された制御器とを備える、例1に記載の試験システム。
[例3] 前記放射線センサが、異なる量だけ前記デバイステーブルから離れるように伸びる前記被試験デバイスの異なる部分が前記放射線センサの視野内の異なる位置に現れるように、配置される、例2に記載の試験システム。
[例4] 前記放射線センサが、前記放射線源から放射された放射線の伝播方向に対して斜めの角度で配向される、例3に記載の試験システム。
[例5] 前記放射線源が、前記被試験デバイスのストリップを放射線ストリップで照射するように構成される、例2から例4のいずれかに記載の試験システム。
[例6] 前記放射線センサが、前記放射線ストリップ内に位置する電気接点から散乱された放射線を検出するように構成されるとともに、前記制御器が、前記被試験デバイスの前記照射されたストリップ内に位置する前記被試験デバイスの点の高さを判定するように構成される、例5に記載の試験システム。
[例7] 前記移動機構が、前記デバイステーブルと前記放射線源の一方又は両方を動かし、前記被試験デバイス上の前記放射線ストリップを走査するように動作可能であるとともに、前記制御器が、前記放射線ストリップの異なる位置において、判定された前記被試験デバイスの点の高さを組み合わせて、被試験デバイスの前記電気接点のプロファイルを判定するように構成される、例6に記載の試験システム。
[例8] 前記デバイステーブルが、前記デバイステーブルの外に、又は前記デバイステーブルの中に伸びる複数の基準構造物を含むとともに、前記プロファイル判定システムが、前記基準構造物の位置に対する被試験デバイスの前記電気接点の前記プロファイルの位置を判定するように構成される、例1から例7のいずれかに記載の試験システム。
[例9] 前記基準構造物が、前記デバイステーブルの外に伸びるとともに、前記基準構造物のうちの少なくとも2つが、異なる距離だけ前記デバイステーブルの外に伸びる、例8に記載の試験システム。
[例10] 前記移動機構が、前記デバイステーブルと前記プローブの一方又は両方を動かし、前記プローブ端部のうちの少なくとも1つが前記基準構造物のうちの1つと接触する、ように動作可能である、例8又は例9に記載の試験システム。
[例11] 前記基準構造物に対する前記少なくとも1つのプローブ端部の位置の判定を可能にするように構成された較正システムを更に備える、例10に記載の試験システム。
[例12] 前記プロファイル判定システムが、被試験デバイスの電気接点に対するプローブ端部の位置を判定するように更に構成される、例1から例11のいずれかに記載の試験システム。
[例13] 被試験デバイスの前記電気接点の前記判定されたプロファイルから、前記少なくとも1つのプローブ端部を前記被試験デバイスの少なくとも1つの電気接点に接触させる前記移動機構の構成を判定するように構成された制御器を更に備える、例1から例12のいずれかに記載の試験システム。
[例14] 複数の電気接点を有するデバイスを試験するための試験システムであって、当該試験システムが、
少なくとも1つの被試験デバイスを保持するように動作可能なデバイステーブルと、
前記被試験デバイスの電気接点に接触するための少なくとも1つのプローブ端部を含むプローブと、
前記デバイステーブルと前記プローブの一方又は両方を動かし、前記少なくとも1つのプローブ端部を被試験デバイスの少なくとも1つの電気接点に接触させるように動作可能な移動機構とを備え、
前記デバイステーブルが、前記デバイステーブルの外に、又は前記デバイステーブルの中に伸びる複数の基準構造物を含む、試験システム。
[例15] 前記基準構造物のうちの少なくとも2つが、異なる距離だけ前記デバイステーブルの外に、又は前記デバイステーブルの中に伸びる、例14に記載の試験システム。
[例16] 前記移動機構が、前記デバイステーブルと前記プローブの一方又は両方を動かし、前記プローブ端部のうちの少なくとも1つが前記基準構造物のうちの1つと接触する、ように動作可能である、例14又は例15に記載の試験システム。
[例17] 前記基準構造物に対する前記少なくとも1つのプローブ端部の位置の判定を可能にするように構成された較正システムを更に備える、例16に記載の試験システム。
[例18] 前記基準構造物のうちの少なくとも1つが、前記基準構造物上の基準点を示す基準特徴部を含み、前記移動機構が、前記デバイステーブルと前記プローブの一方又は両方を動かし、前記プローブ端部のうちの少なくとも1つが前記基準点と接触する、ように動作可能である、例16又は例17に記載の試験システム。
[例19] 前記基準特徴部が、基準構造物内に形成された、前記基準構造物の頂点の周りに伸びる実質的に円形の溝を含む、例18に記載の試験システム。
[例20] 前記基準構造物が、基準構造物内に形成された複数の実質的に円形の溝を含み、各溝が、前記基準構造物の頂点の周りに伸びる、例19に記載の試験システム。
[例21] 前記基準構造物のうちの少なくとも1つが、実質的に球形の先端部分を備える、例14から例20のいずれかに記載の試験システム。
[例22] 前記球形の先端部分が、実質的に平坦なリムによって囲まれている、例21に記載の試験システム。
[例23] 前記基準構造物のうちの少なくとも1つが、50ミクロン以下のスケールの粗さ特徴を有する表面を備える、例14から例22のいずれかに記載の試験システム。
[例24] 前記デバイステーブルが、複数の被試験デバイスを保持するように動作可能である、例1から例23のいずれかに記載の試験システム。
[例25] 前記デバイステーブルが取り付けられている運動学的に制限されたマウントを更に備え、前記運動学的に制限されたマウントが、複数の自由度における前記デバイステーブルの動きを制限するように構成される、例1から例24のいずれかに記載の試験システム。
[例26] 自動的に被試験デバイスをロードし前記デバイステーブルからアンロードするように動作可能なローディングデバイスを更に備える、例1から例25のいずれかに記載の試験システム。
[例27] 信号を生成し、前記プローブ端部のうちの少なくとも1つを通して前記信号を導き、使用時に、被試験デバイスに前記被試験デバイスの電気接点を通して前記信号が導かれるように構成された信号発生器と、
前記プローブ端部のうちの少なくとも1つを通過する信号をサンプルするように構成された信号サンプラであって、使用中に、前記被試験デバイスにおいて反射されるとともに、プローブ端部を通過する信号が当該信号サンプラによってサンプルされる、信号サンプラとを更に備える、例1から例26のいずれかに記載の試験システム。
[例28] 前記信号発生器が、0.01GHz~10THzの範囲の周波数成分を有する広帯域信号を生成するように構成される、例27に記載の試験システム。
[例29] 前記信号発生器が、
パルス放射線源と、
前記パルス放射線源からの放射線パルスを受信するように配置されるとともに、前記パルス放射線源からの照射に応答して信号パルスを出力するように構成された第1の信号変換デバイスと、
前記プローブ端部のうちの少なくとも1つを通して前記第1の信号変換デバイスからの前記信号パルスを導くように構成された伝送ライン構成とを備える、例27又は例28に記載の試験システム。
[例30] 前記信号サンプラが、
前記パルス放射線源からの放射線パルスを受信するように配置された第2の信号変換デバイスであって、前記パルス放射線源からの照射に応答して、当該第2の信号変換デバイスにおいて受信された信号パルスをサンプルする、第2の信号変換デバイスを備え、
前記伝送ライン構成が、被試験デバイスから反射されたか、又は被試験デバイスを通して伝送され、前記プローブ端部のうちの少なくとも1つを通過した信号パルスを、前記第2の信号変換デバイスに導くように構成される、例29に記載の試験システム。
[例31] デバイスを試験するための試験システムであって、当該試験システムが、
生成放射線ビーム及び受信放射線ビームを供給するように構成されたパルス放射線源であって、前記生成放射線ビーム及び前記受信放射線ビームがパルス放射線ビームである、パルス放射線源と、
前記生成放射線ビームのパルスを受信するように配置されるとともに、前記生成放射線ビームのパルスを受信することに応答して信号パルスを出力するように構成された第1の信号変換デバイスと、
前記受信放射線ビームのパルスを受信するように配置されるとともに、前記受信放射線ビームのパルスを受信することに応答して信号パルスをサンプルするように構成された第2の信号変換デバイスと、
前記第1の信号変換デバイスからの信号パルスを被試験デバイスに導くとともに、前記被試験デバイスから反射された信号パルスを、被試験デバイスを通して前記第2の信号変換デバイスに導くように構成された伝送ライン構成と、
前記生成放射線ビーム及び/又は前記受信放射線ビームの光路内に配置された直接駆動の遅延ラインであって、当該遅延ラインが、前記生成放射線ビームと前記受信放射線ビームとの間に光学遅延を導入するように構成され、前記生成放射線ビームのパルスが、前記第2の信号変換デバイスに入射する前記受信放射線ビームの対応するパルスとは異なる時間に、前記第1の信号変換デバイスに入射する、直接駆動の遅延ラインとを備え、
前記遅延ラインが、
前記生成放射線ビーム及び/又は前記受信放射線ビームの前記光路内に配置された少なくとも1つの反射器と、
前記反射器を移動させ、前記生成放射線ビーム及び/又は前記受信放射線ビームの光路長を変化させて、前記生成放射線ビームと前記受信放射線ビームとの間の前記光学遅延を変化させるように構成された同期リニアモータとを含む、試験システム。
[例32] デバイスを試験するための試験システムであって、当該試験システムが、
生成放射線ビーム及び受信放射線ビームを供給するように構成されたパルス放射線源であって、前記生成放射線ビーム及び前記受信放射線ビームがパルス放射線ビームである、パルス放射線源と、
前記生成放射線ビームのパルスを受信するように配置されるとともに、前記生成放射線ビームのパルスを受信することに応答して信号パルスを出力するように構成された第1の信号変換デバイスと、
前記受信放射線ビームのパルスを受信するように配置されるとともに、前記受信放射線ビームのパルスを受信することに応答して信号パルスをサンプルするように構成された第2の信号変換デバイスと、
前記第1の信号変換デバイスからの信号パルスを被試験デバイスに導くとともに、前記被試験デバイスから反射された信号パルスを、被試験デバイスを通して前記第2の信号変換デバイスに導くように構成された伝送ライン構成と、
前記生成放射線ビームの光路内に配置された第1の反射器、
前記受信放射線ビームの光路内に配置された第2の反射器、及び
前記第1の反射器及び前記第2の反射器が取り付けられている可動ステージであって、当該可動ステージの第1の方向における移動が、前記生成放射線ビームの光路長を増加させ、かつ前記受信放射線ビームの光路長を減少させるとともに、当該可動ステージの第2の方向における移動が、前記生成放射線ビームの光路長を減少させ、かつ前記受信放射線ビームの光路長を増加させる、可動ステージを含む遅延ラインとを備える、試験システム。
[例33] デバイスを試験するための試験システムであって、当該試験システムが、
生成放射線ビーム及び受信放射線ビームを供給するように構成されたパルス放射線源であって、前記生成放射線ビーム及び前記受信放射線ビームがパルス放射線ビームである、パルス放射線源と、
前記生成放射線ビームのパルスを受信するように配置されるとともに、前記生成放射線ビームのパルスを受信することに応答して信号パルスを出力するように構成された第1の信号変換デバイスと、
前記受信放射線ビームのパルスを受信するように配置されるとともに、前記受信放射線ビームのパルスを受信することに応答して信号パルスをサンプルするように構成された第2の信号変換デバイスと、
前記第1の信号変換デバイスからの信号パルスを被試験デバイスに導くとともに、前記被試験デバイスから反射された信号パルスを、被試験デバイスを通して前記第2の信号変換デバイスに導くように構成された伝送ライン構成と、
前記パルス放射線源から放射される放射線パルスの強度を検出するように構成された放射線センサ、
前記パルス放射線源から放射された放射線パルスの光路内に配置されるとともに、調整可能な量だけ前記放射線パルスの前記強度を減少させるように構成された減衰器、及び
前記放射線センサによる前記放射線パルスの前記強度の測定値に応答して、前記減衰器が前記放射線パルスの前記強度を減少させる前記量を調整するように構成された制御器を含む放射線フィードバックシステムと備える、試験システム。
【外国語明細書】