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特開2024-51155農作業機、情報処理装置及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024051155
(43)【公開日】2024-04-10
(54)【発明の名称】農作業機、情報処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   A01B 61/02 20060101AFI20240403BHJP
   A01B 33/16 20060101ALI20240403BHJP
   A01B 69/00 20060101ALI20240403BHJP
【FI】
A01B61/02
A01B33/16
A01B69/00 301
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024031063
(22)【出願日】2024-03-01
(62)【分割の表示】P 2020035254の分割
【原出願日】2020-03-02
(71)【出願人】
【識別番号】390010836
【氏名又は名称】小橋工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】弁理士法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】池田 幸治
(57)【要約】
【課題】走行機体の機種と農作業機の機種との組み合わせに応じた制御条件を自動的に設定すること。
【解決手段】農作業機は、自機を装着する走行機体から、前記走行機体の固有情報である第1固有情報を取得し、前記走行機体から取得した前記第1固有情報に関連付けられた、前記走行機体の動作を制御するための制御情報を、前記走行機体に送信する。前記第1固有情報と前記制御情報とを関連付けられたマッチングテーブルを記憶し、前記マッチングテーブルにおいて、前記走行機体から取得した前記第1固有情報に関連付けられた前記制御情報を、前記走行機体に送信してもよい。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
自機を装着する走行機体から、前記走行機体の固有情報である第1固有情報を取得し、
前記走行機体から取得した前記第1固有情報に関連付けられた、前記走行機体の動作を制御するための制御情報を、前記走行機体に送信する農作業機。
【請求項2】
前記第1固有情報と前記制御情報とを関連付けられたマッチングテーブルを記憶し、
前記マッチングテーブルにおいて、前記走行機体から取得した前記第1固有情報に関連付けられた前記制御情報を、前記走行機体に送信する、請求項1に記載の農作業機。
【請求項3】
有線通信又は無線通信によって前記走行機体から前記第1固有情報を取得する、請求項1又は2に記載の農作業機。
【請求項4】
前記制御情報は、前記走行機体の速度を制御するための情報を含む、請求項1乃至3のいずれか一に記載の農作業機。
【請求項5】
前記制御情報は、前記走行機体に設けられた、前記自機の高さを調整するリフトアームの動作を制御する情報を含む、請求項1乃至4のいずれか一に記載の農作業機。
【請求項6】
農作業機を装着する走行機体の固有情報である第1固有情報を、前記走行機体又は前記農作業機から取得し、
前記農作業機の固有情報である第2固有情報を、前記農作業機から取得し、
前記第1固有情報及び前記第2固有情報に関連付けられた、前記走行機体の動作を制御するための制御情報を、前記走行機体に送信する情報処理装置。
【請求項7】
農作業機を装着する走行機体の固有情報である第1固有情報を、前記走行機体又は前記農作業機から取得し、
前記農作業機の固有情報である第2固有情報を、前記農作業機から取得し、
前記第1固有情報及び前記第2固有情報に関連付けられた、前記走行機体の動作を制御するための制御情報を、前記走行機体に送信することをコンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は農作業機、情報処理装置及びプログラムに関する。特に、本発明は、農作業機と走行機体との組み合わせに応じて、農作業機又は走行機体の制御を行う農作業機、情報処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、本体の両端部に灯火器を設け、周囲の注意を喚起するために灯火器の点灯を制御する農作業機が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006-280217
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年の規制緩和に伴い、一定の要件を満たせば、トラクタ等の走行機体に農作業用の作業機(農作業機)を装着したまま公道を走ることが可能となった。しかしながら、走行機体の機種(型式)と農作業機の機種(型式)との組み合わせは様々であり、満たさなければならない要件は、走行機体及び農作業機の組み合わせにより異なってくる。例えば、走行機体に農作業機を装着したときに、後方から見て、走行機体の灯火器類の視認性が十分に確保できている場合には、走行機体単体で走行するのと同様に当該走行機体の灯火器類を制御するだけでよいが、農作業機が走行機体の灯火器類と重なって所定の視認性を確保できない場合には、当該走行機体の灯火器類に加えて農作業機の灯火器類に点灯させるように走行機体及び農作業機を制御する必要がある。また、公道走行可能な車速の上限値も走行機体に農作業機を装着したときの静止転倒角に基づいて規定されており、静止転倒角が30°以上であれば時速35km、静止転倒角が30°未満であれば時速15kmといったように、走行機体と農作業機の組み合わせによって条件が異なってくる。
【0005】
従来の農作業機は、走行機体とは関係なく制御を行うものであり、組み合わせる走行機体に対応させて灯火器等の制御を変更するものではない。したがって、従来の農作業機を走行機体に装着して公道走行するためには、作業者が公道走行の規制に準拠するように、走行機体の機種と農作業機の機種との組み合わせに応じて灯火器類等を含め走行機体及び農作業機を制御する条件を個別に設定しなければならず、作業が煩雑である。特に、作業者が複数の走行機体及び農作業機を所持している場合には、それぞれの組み合わせに応じた制御条件を把握しておくと共に、組み合わせに応じた制御を行う必要があるため、作業者にとっての負担が大きくなるという問題を生じる。
【0006】
本発明は、上記の問題点を鑑みてなされた発明であり、走行機体の機種と農作業機の機種との組み合わせに応じた制御条件を自動的に読み出すことができる農作業機、情報処理装置及びプログラムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施形態における農作業機は、自機を装着する走行機体の固有情報である第1固有情報及び前記自機の動作を制御するための情報を含む制御情報が関連付けられたマッチングテーブルを記憶するテーブル記憶手段と、前記マッチングテーブルにおいて、前記第1固有情報に関連付けられた前記制御情報に基づいて制御を行う制御手段と、を備える。
【0008】
前記マッチングテーブルの更新情報を取得する取得手段と、前記更新情報に基づいて、前記テーブル記憶手段に記憶された前記マッチングテーブルの情報を更新する更新手段と、を更に備えてもよい。
【0009】
前記マッチングテーブルは、前記自機の固有情報である第2固有情報を前記第1固有情報及び前記制御情報と関連付け、前記制御手段は、前記第1固有情報及び前記第2固有情報に関連付けられた前記制御情報に基づいて制御を行ってもよい。
【0010】
灯火器を更に備え、前記制御情報は、前記灯火器を制御するための灯火器制御情報を含み、前記制御手段は、前記灯火器制御情報に基づいて前記灯火器を制御してもよい。
【0011】
報知手段を更に備え、前記制御情報は、前記走行機体の速度に関連する速度制御情報を含み、前記制御手段は、前記速度制御情報に基づいて、前記速度制御情報を前記報知手段に報知させてもよい。
【0012】
前記制御情報は、前記走行機体の動作を制御するための機体制御情報を含み、前記制御手段は、前記走行機体に前記機体制御情報を送信してもよい。
【0013】
前記機体制御情報は、前記走行機体に設けられた、前記自機の高さを調整するリフトアームの動作を制御する情報を含んでもよい。
【0014】
本発明の一実施形態における情報処理装置は、農作業機を装着する走行機体の固有情報である第1固有情報を取得する第1取得手段と、前記農作業機の固有情報である第2固有情報を取得する第2取得手段と、前記第1固有情報、前記第2固有情報、及び前記農作業機の動作を制御するための情報を含む制御情報が関連付けられたマッチングテーブルを記憶する記憶手段と、取得した前記第1固有情報及び前記第2固有情報、並びに前記マッチングテーブルに基づいて、前記制御情報を前記農作業機に送信する制御手段と、を備える。
【0015】
前記制御情報は、前記走行機体の動作を制御するための機体制御情報を含み、前記制御手段は、前記走行機体に前記機体制御情報を送信してもよい。
【0016】
本発明の一実施形態におけるコンピュータに実行させるためのプログラムは、農作業機を装着する走行機体の固有情報である第1固有情報を取得し、前記農作業機の固有情報である第2固有情報を取得し、前記第1固有情報、前記第2固有情報、及び前記農作業機の動作を制御するための情報を含む制御情報が関連付けられたマッチングテーブルを記憶し、取得した前記第1固有情報及び前記第2固有情報、並びに前記マッチングテーブルに基づいて、前記制御情報を前記農作業機に送信する。
【0017】
前記制御情報は、前記走行機体の動作を制御するための機体制御情報を含み、前記走行機体に前記機体制御情報を送信してもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、走行機体の機種と農作業機の機種との組み合わせに応じた制御条件を自動的に設定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の一実施形態に係る走行機体及び農作業機の全体構成を示す概略図である。
図2】本発明の一実施形態に係る走行機体及び農作業機の機能構成を示すブロック図である。
図3】本発明の一実施形態に係る農作業機の制御方法の動作フローを示す図である。
図4】本発明の一実施形態に係る走行機体の制御方法の動作フローを示す図である。
図5】本発明の一実施形態に係るマッチングテーブルの一例を示す図である。
図6】本発明の一実施形態に係る走行機体、農作業機、及び情報処理装置を含む全体構成を示す概略図である。
図7】本発明の一実施形態に係る走行機体及び農作業機の機能構成を示すブロック図である。
図8】本発明の一実施形態に係る農作業機の制御方法の動作フローを示す図である。
図9】本発明の一実施形態に係るマッチングテーブルの情報更新の動作シーケンスの一例を示す図である。
図10】本発明の一実施形態に係る走行機体、農作業機、情報処理装置、及び操作端末を含む全体構成を示す概略図である。
図11】本発明の一実施形態に係る走行機体、農作業機、及び操作端末の機能構成を示すブロック図である。
図12】本発明の一実施形態に係る農作業機の制御方法の動作フローを示す図である。
図13】本発明の一実施形態に係るマッチングテーブルの一例を示す図である。
図14】本発明の一実施形態に係るマッチングテーブルの情報更新の動作シーケンスの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して本発明の農作業機、情報処理装置及びプログラムについて説明する。ただし、本発明の農作業機、情報処理装置及びプログラムは多くの異なる態様で実施することが可能であり、以下に示す例の記載内容に限定して解釈されない。なお、本実施の形態で参照する図面において、同一部分または同様な機能を有する部分には同一の符号又は同一の符号の後にアルファベットを付し、その繰り返しの説明は省略する場合がある。
【0021】
本願の明細書及び特許請求の範囲において、「上」は圃場から垂直に遠ざかる方向を示し、「下」は圃場に向かって垂直に近づく方向を示す。また、「前」は農作業機を基準として走行機体が位置する方向を示し、「後」は前とは180°反対の方向を示す。また、「左」は農作業機を基準として走行機体が位置する方向に向かったときの左を示し、「右」は左とは180°反対の方向を示す。
【0022】
また、本願の明細書及び特許請求の範囲において、平面視における作業機の中心線(進行方向に平行な線)を基準としたとき、相対的に、中心線に近い側を「内側」と呼び、中心から遠い側を「外側」という。
【0023】
以下の実施形態では、農作業機として代かき機を代表的に例示するが、この例に限定されない。例えば、代かき機以外にも耕耘機、砕土機、草刈り機、畦塗り機、溝掘り機などの農作業機に本発明を適用することができる。また、特に技術的な矛盾が生じない限り、異なる実施形態間の技術を組み合わせることができる。また、特に技術的な矛盾が生じない限り、ある実施形態の変形例として挙げられた技術思想は、他の実施形態にも適用することができる。
【0024】
〈第1実施形態〉
図1図5を用いて、本発明の第1実施形態に係る走行機体100及び農作業機200について説明する。
【0025】
[全体構成]
図1に示すように、トラクタ等の走行機体100及び農作業機200により、走行機体100の機種と農作業機200の機種との組み合わせに応じた制御条件を自動的に読み出す固有情報マッチングシステム10が構成されている。農作業機200は、後述する三点リンク機構120によって、走行機体100の後方に機械的に接続されている。詳細は後述するが、農作業機200は、接続端子110によって、走行機体100に電気的に接続されており、この接続端子110を介して、走行機体100と農作業機200との間の相互通信が行われる。また、走行機体100及び農作業機200はそれぞれ灯火器130、230を有する。灯火器130、230は、車幅灯(又は尾灯)、制動灯、方向指示器、及び後退灯を含む。灯火器130は走行機体100の後方に設けられている。灯火器230は、後方から見たときに農作業機200の他の部材と重ならない位置に設けられる。
【0026】
走行機体100は、農作業機200を取り付けるための三点リンク機構120と、農作業機200を昇降させるためのリフトアームと、を備える。三点リンク機構120及びリフトアームの構造は公知であるため、詳細な説明は省略するが、三点リンク機構120は、トップリンクとロアリンクとを有しており、リフトアームは、リフトロッドを介して、ロアリンクに接続されている。そして、リフトアームの角度を制御することで、農作業機200の昇降動作を制御することができるようになっている。詳細は後述するが、走行機体100及び農作業機200の各々の機種の組み合わせや、走行機体100の走行状態に応じて、リフトアームによって三点リンク機構120に動力が与えられ、農作業機200の高さが調節される。なお、農作業機200の昇降動作を制御する機構として、リフトアーム以外の機構が用いられてもよい。
【0027】
なお、走行機体100に位置検出器が設けられていてもよい。位置検出器として、例えば全球測位衛星システム(GNSS;Global Navigation Satellite System)を用いることができる。GNSSとして、GPS、GLONASS、Galileo、準天頂衛星(QZSS)等の衛星測位システムを用いることができる。ただし、位置検出器として、GNSSに限定されず、走行機体100の位置情報を検出する他の機器を用いることができる。
【0028】
農作業機200は、装着部280と耕耘作業部290とを備える。図示省略するが、装着部280は、走行機体100に農作業機200を装着するための連結機構として機能し、トップリンクに接続されるトップマストと、ロアリンクに接続されるロアリンク連結部とを有する。なお、農作業機200と走行機体100との連結は、走行機体100の三点リンク機構120に装着されるオートヒッチフレームを介して行われてもよい。
【0029】
耕耘作業部290は、フレーム205、ロータ207、シールドカバー209、エプロン211、及びレベラ213を備える。ロータ207はフレーム205に対して回転自在に接続されている。ロータ207は複数の作業爪を有しており、その作業爪を回転させながら圃場に作用させることで圃場を耕耘又は攪拌する。エプロン211はロータ207の後方において、フレーム205及びシールドカバー209に対して回転移動(回動)可能に接続されている。レベラ213はエプロン211に対して回動可能に接続されている。エプロン211及びレベラ213は、圃場に接触することで、ロータ207の作業によって荒れた圃場を均平化する。
【0030】
また、農作業機200は報知手段240を有する。報知手段240は、少なくとも表示
手段及び音声手段のいずれかで構成される。本実施形態の報知手段240は、走行機体100に農作業機200を装着したときの車幅(左右方向の全幅)と公道走行可能速度を後方車に対して表示する表示パネルを有している。また、本実施形態の農作業機200は、図示省略の操作端末(リモコン)を備えており、操作端末が有する表示機能(液晶パネル)及び音声機能(スピーカー)も、本実施形態の報知手段240を構成している。ここで、表示パネルは、例えば電光掲示板又は液晶パネルなどのように、電気的な信号に基づいて表示内容を変更可能なパネルである。表示手段として表示パネルが用いられた場合、走行機体100及び農作業機200の条件に応じて表示内容を適宜調整することができる。なお、表示機能は、上記に限定されることなく、農作業機200の左右方向の全幅及び走行機体100の走行速度を表示する看板であってもよい。
【0031】
また、図1に示すように、走行機体100及び農作業機200の各々には電子制御ユニット(ECU)101、201が備えられている。ECU101及び201を接続するための接続端子110は走行機体100に取り付けられている。走行機体100のECU101は接続配線103を介して接続端子110に接続されている。農作業機200のECU201は接続配線203を介して接続端子110に接続されている。接続端子110の内部配線によって接続配線103、203が互いに電気的に接続される。以下の説明において、ECU101とECU201とを接続する手段(上記の例では、接続端子110、及び接続配線103、203)を通信手段500(例えば、図2参照)という場合がある。また、以下の説明において、ECU101とECU201とを通信可能に接続することを、単に走行機体100と農作業機200とを通信可能に接続すると表現する場合がある。
【0032】
上記のように、ECU101とECU201とが接続端子110を介して通信可能に接続されることで、両ECU間の相互通信が行われる。当該相互通信手段として、一般社団法人日本農業機械工業会が定める通信制御の共通化規格である「AG-PORT」を用いることができる。ただし、上記の通信手段はAG-PORTに限定されず、他の通信手段を用いることができる。なお、本実施形態では、ECU101とECU201とが有線で接続された構成を例示したが、これらは無線で接続されてもよい。
【0033】
なお、ECU101、201の各々は、中央演算処理装置(CPU)などの演算回路や、当該CPUに接続されたレジスタやメモリなどの記憶装置を含む。これらのECUは、記憶装置に一時的に格納されたプログラムをCPUによって実行し、各種要請信号に応じて演算処理を行うことで、後述する走行機体100及び農作業機200の機能的な手段を実行する。また、ECU101の記憶装置には、走行機体100の機種(型式)を識別するための第1固有情報が、ECU201の記憶装置には、農作業機200の機種(型式)を識別するための第2固有情報が記憶されている。
【0034】
[走行機体100及び農作業機200の機能構成]
図2は、本発明の一実施形態に係る走行機体及び農作業機の機能構成を示すブロック図である。図2に示すように走行機体100と農作業機200とは、通信手段500によって、相互通信可能に接続されている。走行機体100は、固有情報送信手段150、灯火器制御手段151、速度制御手段153、及びリフトアーム制御手段155を有する。農作業機200は、第1受信手段251、テーブル記憶手段253、及び制御手段255を有する。制御手段255は、灯火器類制御手段2551、報知制御手段2553、及び走行機体制御手段2555を有する。上記の機能的な手段は、走行機体100及び農作業機200の各々に設けられたECU101、201によって実行される。
【0035】
走行機体100に設けられた固有情報送信手段150は、第1固有情報を記憶装置から読み出し、農作業機200からの要求に応じて、当該第1固有情報を農作業機200に送
信する。灯火器制御手段151、速度制御手段153、及びリフトアーム制御手段155は、走行機体制御手段2555によって送信された機体制御情報に基づいて走行機体100の動作を制御する。灯火器制御手段151は、機体制御情報に含まれる灯火器制御情報に基づいて、走行機体100に備えられた灯火器130の点灯及び消灯を制御する。速度制御手段153は、機体制御情報として送信された速度制御情報に基づいて走行機体100の走行速度を制限する。例えば、上記機体制御情報に走行速度の上限値が含まれている場合、速度制御手段153は走行機体100の走行速度がその上限値を超えないように規制する。リフトアーム制御手段155は、機体制御情報として送信されたリフトアーム制御情報に基づいて上記のリフトアームの角度を制御することで農作業機200の高さを調整する。
【0036】
本実施形態において、灯火器制御手段151、速度制御手段153、及びリフトアーム制御手段155は、走行機体100の動作を直接的に制御しているが、直接制御する代わりに、走行機体100を操作する作業者に対して、上記機体制御情報に含まれる制御情報を通知し、作業者を介して間接的に走行機体100の制御が行われるようにしてもよい。例えば、機体制御情報において設定されたリフトアームの可動範囲、又は走行速度の上限値を、表示機能又は音声機能を用いて作業者に通知する。また、本実施形態では、走行機体100を制御する内容としてリフトアームの制御及び走行速度の制御が例示されているが、制御される内容は上記の機能に限定されず、その他の走行機体100の機能を制御してもよい。
【0037】
次に、農作業機200の機能構成について説明する。第1受信手段251は、通信手段500を介し、自機(農作業機200)を装着する走行機体100の機種固有情報である第1固有情報310(図5参照)を、当該走行機体100から受信する。第1固有情報310は、走行機体100の各機種(型式)に対応付けられた情報であり、第1固有情報310が特定できれば走行機体100の機種も特定できるようになっている。なお、第1固有情報310は、走行機体の仕様(キャビン有無、速度等)や装着方法(ヒッチ情報)を含んでもよい。第1固有情報310は、上記の情報に加えて、走行機体100の製造元や製造年等の情報、又はその代わりに走行機体100の特徴を示す情報を含んでもよい。例えば、第1固有情報310が、走行機体100に備えられた灯火器類の位置に関する情報等を含んでもよい。
【0038】
テーブル記憶手段253は、走行機体100の機種毎の第1固有情報310と、自機(農作業機200)の動作を制御するための情報及び走行機体100の動作を制御するための機体制御情報を含む制御情報330と、が関連付けられたマッチングテーブル300を記憶する。マッチングテーブル300には、第1固有情報310として、複数の走行機体100の機種情報と、当該機種情報に対応する走行機体100及び農作業機200を制御する制御情報330とが、互いに関連付けられている。
【0039】
[マッチングテーブル300の一例]
ここで、図5を用いて、マッチングテーブル300について説明する。同図に示すように、マッチングテーブル300は、第1固有情報310、規制情報320、及び制御情報330を有する。なお、ここで示すマッチングテーブル300は、当該農作業機200専用のマッチングテーブルであるため、農作業機200の機種を特定する第2固有情報を敢えて記憶していない。
【0040】
第1固有情報310は、農作業機200に装着する走行機体100の機種を特定する情報であり、マッチングテーブル300は、走行機体100の機種毎に対応する複数の第1固有情報310を有している。
【0041】
規制情報320は、当該農作業機200を装着した走行機体100の機種に対応させて、走行機体100及び農作業機200において何らかの条件を規制する必要があるか否かを示す情報である。規制情報320は、作業者が規制内容を確認するための情報として利用でき、作業者の操作に応じて、報知手段240(操作端末)で内容を確認可能となっている。図5の例では、規制情報320は、灯火器321、リフトアーム323及び車速325の項目を有している。
【0042】
灯火器321の項目は、例えば後方から見た場合に、走行機体100の灯火器類の全部又は一部が農作業機200に隠れるか否かに応じて、走行機体100の灯火器類の規制の要否(「要」又は「不要」)を示す項目である。ここで、「不要」とは、走行機体100の灯火器類の制御は通常通り(つまり、農作業機200が取り付けられていない場合と同様)ということを表しており、「要」とは、農作業機200の取り付けにより、走行機体100の灯火器類の通常とは異なる制御が必要であることを表している。例えば、後方から見て、走行機体100の灯火器類が完全に見える状態であれば「不要」、走行機体100の灯火器類の全部又は一部が農作業機200に隠れてしまう場合には、「要」となる。なお、走行機体100には複数の灯火器類が設けられており、各々の灯火器類に対して個別に規制の要否が設定されてもよい。
【0043】
リフトアーム323の項目は、走行機体100のリフトアームの可動範囲において、農作業機200が走行機体100又はその他の部材に干渉する場合、又は非常に近接して振動や衝撃等によって接触する可能性がある場合に、リフトアームの可動範囲の規制が必要か否かを示す項目である。なお、上記の場合の他に、農作業機200のバランス(例えば、静止転倒角)などを考慮して、リフトアームの可動範囲を規制する必要があると判断されるような場合にも、リフトアーム323の項目が「要」になる。
【0044】
車速325の項目は、農作業機200を走行機体100に取り付けた場合における、走行機体100が走行可能な速度の上限を示す項目である。公道走行する場合、走行機体100の車速は、農作業機200を装着したときの静止転倒角に基づいて制限される。例えば、走行機体100に農作業機200を装着したときの静止転倒角が30°以上であれば時速35km、静止転倒角が30°未満であれば時速15kmというように公道走行時に車速上限が規制される。したがって、車速325の項目では、自機を装着したときの静止転倒角に基づいて、走行機体100の機種毎に走行機体100が走行可能な速度上限が設定されている。
【0045】
制御情報330には、走行機体100及び農作業機200に対する具体的な制御内容が規定される。マッチングテーブル300の1行目(第1固有情報310:AAA001)では、灯火器321の項目が「不要」なので、灯火器331の項目には何も規定されていない。つまり、走行機体100の灯火器類の制御は通常通り(つまり、農作業機200が取り付けられていない場合と同様に)行われ、農作業機200の灯火器類は動作しない。一方、マッチングテーブル300の2行目(第1固有情報310:AAA002)及び第3行目(第1固有情報310:BBB001)では、灯火器321の項目が「要」なので、灯火器331の項目に具体的な制御内容(灯火器制御情報)として、(走:OFF、作:ON)が規定されている。(走:OFF、作:ON)は、走行機体100の灯火器類を消灯(走:OFF)し、農作業機200の灯火器類を点灯(作:ON)することを示している。なお、走行機体100及び農作業機200の両方の灯火器類を点灯(走:ON、作:ON)するようにマッチングテーブル300で規定することも可能である。また、走行機体100の灯火器類に関しては、農作業機200の装着有無に関わらず通常通りの制御とし、農作業機200の灯火器類のみを制御するようマッチングテーブル300で規定してもよく、走行機体100及び農作業機200の灯火器類をどのように制御するかについては、規制内容等の実情に応じ適宜設定すればよい。
【0046】
リフトアーム333の項目では、機体制御情報(リフトアーム制御情報)として、走行機体100のリフトアームの具体的な可動範囲が規定されている。マッチングテーブル300の1行目及び3行目(AAA001及びBBB001)では、リフトアーム323の項目が「不要」なので、リフトアーム333の項目には何も規定されていない。つまり、走行機体100のリフトアームの可動範囲は、走行機体100に固有の範囲であり、特に追加の制限が加えられることはない。一方、マッチングテーブル300の2行目(AAA002)では、リフトアーム323の項目が「要」なので、リフトアーム333の項目にリフトアーム制御情報が規定されている。なお、この例では、リフトアーム制御情報が「30~70度」と規定されているので、このリフトアーム制御情報を受け取った走行機体100は、リフトアーム制御手段155によりリフトアーム角度が30~70度となるように制御される。なお、リフトアーム333の項目で規定される可動範囲は、走行機体100に固有の範囲に比べて狭い。
【0047】
なお、灯火器類の視認性及び静止転倒角の確認は、いずれも農作業機200の最低地上高が20cmの状態で行われ、公道走行時も農作業機200の最低地上高が20cmに維持される。そこで、リフトアーム333の項目には、各農作業機200の最低地上高が20cmのときのリフトアームの角度もリフトアーム制御情報として記憶されている。例えば、農作業機200の最低地上高が20cmのときのリフトアームの角度は、AAA001では30度、AAA002では35度である。そして、走行機体100は、作業者の操作をトリガとして、リフトアーム制御情報に含まれるリフトアーム角度情報に基づいてリフトアームの角度を制御し、農作業機200(の最低地上高)が20cmの高さとなるように制御を行う。このように、マッチングテーブル300で農作業機200が所定の高さ(最低地上高)となるリフトアームの角度が設定されているので、作業者は煩雑な作業をすることなく農作業機200を所定の高さとすることが可能となる。なお、農作業機200が所定の高さとなるリフトアームの角度情報は、デフォルト値として各第1固有情報に対して予め設定されていてもよいが、作業者の操作により追加・更新される構成とすることも可能である。
【0048】
車速335の項目では、機体制御情報として、装着した走行機体100に送信する車速制御情報が設定されている。ここには、走行機体100の上限走行速度が含まれており、走行機体100が規定された上限走行速度を超えないように制御するための情報が規定されている。
【0049】
報知337の項目では、規制情報320の内容や、装着した走行機体100の車速の上限値を、報知手段240で報知させるための報知制御情報が規定されている。本実施形態では、後方車に対する表示パネルに表示するための、走行機体100の走行速度の上限速度や作業機を装着した状態の走行機体100の全幅に関する情報が規定されている。また、報知337の項目には、操作端末(リモコン)に規制情報320を表示させる、又は音声により報知するための情報等も規定されている。
【0050】
なお、制御情報330のうち、車速335については、作業者の設定により当該情報を走行機体100に送信するか否かを決定するようにすることも可能である。例えば、作業者が「ON」と設定したときには、車速335の設定を「ON」として車速335の制御情報を走行機体100に送信し、作業者が「OFF」と設定したときには、車速335の設定を「OFF」として車速335の制御情報を走行機体100には送信しない。走行機体100の上限走行速度が所定速度以下に制限されている場合(本実施形態の場合は、時速15km)には、デフォルト値として車速335の設定を「ON」としている。同様に、報知手段240による報知を行うか否かも作業者の「ON」「OFF」切替えに基づいて決定するようにしてもよい。
【0051】
制御手段255は、走行機体100及び農作業機200の制御を行うための手段であり、上記のマッチングテーブル300から第1受信手段251が受信した第1固有情報310に対応する制御情報330を抽出して農作業機200の各手段に対する制御を行うと共に、走行機体100に対して制御情報330に含まれる機体制御情報を送信することにより、走行機体100が機体制御情報に基づいた制御を行えるようにしている。図2に示すように、制御手段255は、灯火器類制御手段2551、報知制御手段2553、及び走行機体制御手段2555を有している。
【0052】
灯火器類制御手段2551は、マッチングテーブル300で規定されている灯火器制御情報に基づいて、農作業機200の灯火器類(例えば、灯火器230)の点灯及び消灯を制御する。例えば、灯火器類制御手段2551は、灯火器制御情報が何も規定されていない場合には、農作業機200の灯火器類が消灯した状態となるように制御を行い、灯火器制御情報が「走:OFF、作:ON」又は「走:ON、作:ON」である場合には、農作業機200の灯火器類が点灯するように制御を行う。
【0053】
報知制御手段2553は、制御情報330に含まれる報知制御情報に基づいて報知手段240を制御し、報知手段240に農作業機200を装着した状態の走行機体100の車幅や上限走行速度を報知させる。図5を例に説明すると、第1固有情報がAAA001の場合、走行機体100の上限走行速度として「35km/h」、全幅情報として「2.6m」が設定されている。したがって、この制御情報に基づいて、報知制御手段2553は、後方車に対する表示パネルを制御し、「全幅2.6m」という内容と「運行速度35km/h以下」という内容を表示させる。なお、報知337の項目には、制御情報として、表示する文字の大きさや色などに関する情報も規定されている。
【0054】
また、報知制御手段2553は、報知337の項目で設定されている情報に基づいて、操作端末(リモコン)を制御し、操作端末に規制情報320の表示、又は音声による報知をさせる。本実施形態では、作業者の操作に基づいて規制情報320の報知がなされるようになっている。報知制御手段2553は、作業者の操作をトリガにして操作端末に対する制御を行い、報知337の項目に設定された制御情報に基づいて操作端末に規制情報320の表示又は音声報知を行わせる。
【0055】
走行機体制御手段2555は、上記制御情報330に含まれる灯火器制御情報や車速制御情報、リフトアーム制御情報を機体制御情報として走行機体100に送信する。例えば、第1固有情報が「AAA002」で抽出される制御情報に基づいて制御を行う場合、灯火器331の項目は「走:OFF、作:ON」であるから、走行機体制御手段2555は、走行機体100に当該走行機体100の灯火器類を消灯させる、若しくは消灯させるための制御情報を走行機体100に送信する。また、リフトアーム333の項目において、リフトアーム制御情報が30~70度に設定されているため、走行機体制御手段2555は当該情報を走行機体100に送信する。さらに、走行機体制御手段2555は、車速335の項目で設定されている、上限走行速度が15km/hである旨の速度制御情報を走行機体100に送信する。
【0056】
[走行機体100及び農作業機200の相互通信の動作フロー]
図3は、本発明の一実施形態に係る農作業機の制御方法の動作フローを示す図である。以下の動作は、農作業機200が走行機体100に取り付けられたことを認識したとき、例えば、AG-PОRTが接続されたことをトリガとして実行される。なお、以下の説明において、走行機体100及び農作業機200の通信は、それぞれECU101及び102が、それぞれの記憶装置に記憶されたプログラムを実行することによって行われる(図1参照)。
【0057】
まず、農作業機200が走行機体100に取り付けられたと認識されると、農作業機200が走行機体100に第1接続開始要求信号を送信する(S201)。走行機体100は第1接続開始要求信号を許可する(S101)と共に、農作業機200に第2接続要求信号を送信する(S102)。そして、農作業機200が第2接続開始要求信号を許可する(S202)ことで、両者の相互通信が確立する(S301)。なお、第1接続開始要求信号が走行機体100から農作業機200に送信され、第2接続開始要求信号が農作業機200から走行機体100に送信されてもよい。
【0058】
走行機体100と農作業機200との通信が確立すると、農作業機200は走行機体100に対して、走行機体100の固有情報である第1固有情報310を要求する(S203)。走行機体100は、この要求に応答して第1固有情報310を農作業機200に送信する(S103)。農作業機200は、走行機体100から送信された第1固有情報310を受信すると(S204)、テーブル記憶手段253に記憶されたマッチングテーブル300に基づいて(S205)、第1固有情報310に関連付けられた、農作業機200の動作を制御する制御情報330を導出する(S206)。例えば、S204で受信した第1固有情報310が「AAA002」の場合、固有情報マッチングにより、マッチングテーブル300から第1固有情報310「AAA002」に対応する制御情報330(「灯火器項目 走:ОFF、作:ОN」、「リフトアーム項目 30~70度、作業機高さを20cmとするリフトアーム角度:35度」、「車速15km/h」、「報知 全幅:運行速度15km/h以下,2.6m」)が抽出される。このように、マッチングテーブル300に基づいて固有情報に関連付けられた制御情報330を検索することを固有情報マッチングという。そして、農作業機200は、導出された制御情報330に基づいて、農作業機200の動作を制御する(S207)。
【0059】
図3では、マッチングテーブル300に基づいて導出された制御情報330によって、農作業機200の動作が制御される構成を例示したが、この構成に限定されない。例えば、固有情報マッチング(S205)により、農作業機200を制御する制御情報に加えて、機体制御情報も導出された場合(S206)、図4に示すように、導出された機体制御情報は走行機体100に送信される(S208)。この構成によれば、走行機体100は、農作業機200から受信した機体制御情報に基づいて、当該走行機体の制御を行うことができる(S104)ため、作業者が走行機体の制御設定を個別に行う必要がない。なお、農作業機200の動作制御を行う機体制御(S207)に先立ち、走行機体100に対する機体制御情報の送信(S208)を行うことも可能である。
【0060】
図3及び図4の動作フローでは、走行機体100と農作業機200との相互通信が確立すると、自動的に固有情報マッチングが実行される(つまり、第1固有情報要求から始まる動作が開始する)構成を例示したが、この構成に限定されない。例えば、上記の相互通信が確立した後に、走行機体100において固有情報マッチングを実行するための指示が入力するためのインターフェースが(例えば、農作業機200のリモコンに)表示され、作業者が当該インターフェースを介して入力した指示をトリガとして、第1固有情報要求が行われてもよい。又は、S103の前に、走行機体100において、S203の第1固有情報要求に対する応答を示す指示が入力されたことをトリガとして、S103以降のステップが行われてもよい。つまり、S301の相互通信の確立からS205の固有情報マッチングまでの間に、作業者に許可を求めるステップが設けられていてもよい。又は、第1固有情報は、上記の相互通信が確立するタイミングで走行機体100から農作業機200に送信されてもよい。また、図4において、S207の農作業機200の機体制御が省略され、走行機体100へ機体制御情報が送信されてもよい。
【0061】
また、図4の動作フローにおいて、S208の機体制御情報送信の後に、走行機体10
0において、当該機体制御情報に対する作業者の許可を求めるステップが設けられていてもよい。つまり、S208の機体制御情報の送信は、走行機体100の動作を強制的に制御するものではなく、走行機体100に対して動作制御をする必要があることを通知するものであってもよい。
【0062】
以上のように、本実施形態に係る固有情報マッチングシステム10によると、マッチングテーブル300に基づいて、農作業機200が取り付けられた走行機体100の第1固有情報310に関連付けられた制御情報330を導出することができ、走行機体100の機種と農作業機200の機種との組み合わせに応じた制御条件を自動的に読み出すことができる。
【0063】
なお、本実施形態では、農作業機200が走行機体100から第1固有情報を受信する構成を例示したが、この構成に限定されない。例えば、作業者が、走行機体100に備えられた操作端末、並びに、走行機体100及び農作業機200と通信可能な操作端末の少なくともいずれかの端末を用いて第1固有情報を入力し、農作業機200は、当該操作端末から第1固有情報を受信してもよい。又は、作業者が農作業機200に備えられた操作端末を用いて第1固有情報を入力してもよい。つまり、第1固有情報は農作業機200に直接入力されてもよい。
【0064】
〈第2実施形態〉
図6図9を用いて、本発明の第2実施形態に係る走行機体100A、農作業機200A、及び情報処理装置600Aについて説明する。
【0065】
[全体構成]
図6は、本発明の一実施形態に係る走行機体、農作業機、及び情報処理装置を含む全体構成を示す概略図である。図6に示すように、本発明に係る固有情報マッチングシステム10Aは、農作業機200Aがネットワーク550Aを介して情報処理装置600Aに接続されている。情報処理装置600Aはネットワークサーバであってもよく、例えば、パソコン、ノートPC、タブレットPC、スマートフォン、携帯電話、PDA、及びPHSなどの通信可能な通信端末であってもよい。情報処理装置600Aはデータベース(DB)601Aに接続されている。情報処理装置600Aは、マッチングテーブル300Aを更新する。データベース601Aは、マッチングテーブル300Aの更新情報を格納する。マッチングテーブル300Aは農作業機200Aに固有のマッチングテーブルであってもよく、複数の農作業機200Aに汎用性があるマッチングテーブルであってもよい。
【0066】
ネットワーク550Aは一般的なWorld Wide Web(WWW)のようなインターネット、WAN(Wide Area Network)、又は社内LANなどのLAN(Local Area Network)である。農作業機200Aはネットワーク550Aを介して情報処理装置600Aと通信する。
【0067】
図6では、データベース601Aが情報処理装置600Aに直接接続された構成を例示したが、この構成に限定されない。例えば、データベース601Aが直接ネットワーク550Aに接続され、情報処理装置600Aとデータベース601Aとの間のデータの送受信がネットワーク550Aを介して行われていてもよい。
【0068】
[走行機体100A及び農作業機200Aの機能構成]
図7は、本発明の一実施形態に係る走行機体及び農作業機の機能構成を示すブロック図である。図7のブロック図は、図2のブロック図に類似しているが、図7の農作業機200Aは、取得手段257A及び更新手段259Aを有する点において、図2の農作業機200と相違する。図7の農作業機200Aについて、図2の農作業機200と共通の機能
については説明を省略し、主に相違点について説明する。なお、上記の機能的な手段は、農作業機200Aに設けられたECUによって実行される。
【0069】
取得手段257Aは、情報処理装置600Aとの通信によってマッチングテーブル300Aを更新するための更新情報を取得する。取得手段257Aは、更新情報として、最新のマッチングテーブル300Aの情報全てを取得してもよく、農作業機200Aに格納されているマッチングテーブルのバージョン情報と情報処理装置600Aに格納されているマッチングテーブルのバージョン情報とを比較し、両バージョンの差分の情報のみを取得してもよい。農作業機200Aが走行機体100Aに取り付けられた後に上記更新情報を取得する場合、当該走行機体100Aの第1固有情報310Aに関連する更新情報だけを取得してもよく、又は当該走行機体100Aに対して一定の関係性を有する走行機体(走行機体100Aと同じ製造元、同じシリーズの走行機体など)の第1固有情報310Aに関連する更新情報だけを取得してもよい。取得手段257Aは、ネットワーク550Aと通信可能な状態か否かを検知する機能を有しており、ネットワーク550Aと通信可能な状態であることを検知した場合に上記更新情報を取得する。例えば、農作業機200Aの電源がONになったときに、ネットワーク550Aと通信可能か否かの検知を行ってもよい。
【0070】
更新手段259Aは、取得手段257Aによって取得された更新情報に基づいて、マッチングテーブル300Aの情報を更新する。本実施形態では、更新手段259Aは、上記の更新情報のバージョンと農作業機200Aに格納されているマッチングテーブルのバージョン情報とを比較し、取得手段257Aが取得した更新情報に更新すべき情報が含まれているときに、マッチングテーブル300Aを更新する。この場合、マッチングテーブル300A全体の情報を更新することも可能であるし、既に記憶されているマッチングテーブル300Aと異なる情報のみを更新することも可能である。農作業機200Aが走行機体100Aに取り付けられた後に上記の情報更新を行う場合、取り付けられた走行機体100Aの第1固有情報310Aに関連する情報だけを更新してもよく、又は取り付けられた走行機体100Aに対して一定の関係性を有する走行機体の第1固有情報310Aに関連する情報を更新してもよい。
【0071】
[走行機体100A及び農作業機200Aの相互通信の動作フロー]
図8は、本発明の一実施形態に係る農作業機の制御方法の動作フローを示す図である。図8の動作フローは、図3の動作フローに類似しているが、図8では、農作業機200Aが情報処理装置600Aと通信してマッチングテーブル300Aの更新情報を取得し、農作業機200Aに格納されているマッチングテーブル300Aを更新する点において、図3の農作業機200と相違する。図8の動作フローについて、図3の動作フローと共通の機能については説明を省略し、主に相違点について説明する。
【0072】
図8に示すように、S204Aで農作業機200Aが走行機体100Aから第1固有情報310Aを受信すると、農作業機200Aは情報処理装置600Aと通信を行い、マッチングテーブル300Aの更新情報を確認する(S210A)。情報処理装置600Aに更新すべき情報がある場合、情報処理装置600Aは、農作業機200Aからの要求に応じて更新情報を農作業機200Aに送信する(S601A)。農作業機200Aは、情報処理装置600Aから受信した更新情報を用いて、農作業機200Aに格納されたマッチングテーブル300Aを更新する。そして、更新されたマッチングテーブル300Aを用いて固有情報マッチングが行われる(S205A)。
【0073】
なお、図8の動作フローでは、農作業機200Aが第1固有情報310Aを受信した後に更新情報の確認行われるため、農作業機200Aが取り付けられた走行機体100Aに関する情報だけを更新してもよい。この場合、情報処理装置600Aに格納されるマッチ
ングテーブルの全ての情報を更新する必要がないので、より少ない通信量で効率よくマッチングテーブル300Aを更新することができる。ただし、マッチングテーブル300Aの更新は、S205Aの固有情報マッチングよりも前に行われればよく、S204Aで農作業機200Aが第1固有情報310Aを走行機体100Aから受信する前に行われてもよい。例えば、マッチングテーブル300Aの更新は作業者による走行機体100又は農作業機200の操作をトリガとして行われてもよい。例えば、当該トリガとして、農作業機200を走行機体100に接続する操作やその他の操作が用いられてもよい。
【0074】
図9は、本発明の一実施形態に係るマッチングテーブルの情報更新の動作シーケンスの一例を示す図である。図9に示すように、マッチングテーブル300Aの情報更新に係る動作が開始されると、まずは農作業機200Aが情報処理装置600Aと通信可能か否かの確認が行われる(S611A)。当該情報更新動作の開始は、農作業機200Aの電源がONになったタイミングであってもよく、農作業機200Aが走行機体100Aに接続されたタイミングであってもよく、農作業機200Aが走行機体100Aから第1固有情報310Aを受信したタイミングであってもよい。S611Aで通信不可(No)と判断されると、情報更新動作は終了する。
【0075】
S611Aで農作業機200Aが情報処理装置600Aと通信可能(Yes)であると判断されると、マッチングテーブル300Aを更新すべき情報があるか否かの確認が行われる(S612A)。S612Aにおいて、農作業機200Aと情報処理装置600Aとのそれぞれに格納されているマッチングテーブル300Aのバージョン情報を比較し、両バージョンが異なる場合、マッチングテーブル300Aを更新すべき情報がある(Yes)と判断して、更新情報の取得(S613A)及びマッチングテーブル300Aの更新(S614A)が行われる。一方、S612Aにおいて、上記の両バージョンが同じ場合、マッチングテーブル300Aを更新すべき情報はない(No)と判断して、情報更新動作は終了する。
【0076】
以上のように、本実施形態に係る固有情報マッチングシステム10Aによると、第1実施形態と同様の効果に加え、マッチングテーブル300Aの情報を適宜更新することができるため、走行機体100A及び農作業機200Aの新製品がリリースされた場合や規制が変更となった場合であっても、当該新製品に適合したマッチングテーブル300Aを提供することができる。
【0077】
なお、本実施形態では、農作業機200Aがネットワーク550Aを介して情報処理装置600Aから更新情報を取得する構成を例示したが、この構成に限定されない。例えば、農作業機200Aは携帯可能なメモリ媒体を介して当該更新情報を取得してもよい。また、農作業機200Aの代わりに走行機体100Aがネットワーク550Aを介して情報処理装置600Aと通信を行い、マッチングテーブル300Aの更新情報を取得してもよい。また、図8のS210A~S211Aまでのステップが図4のS204AとS205Aとの間で行われてもよい。
【0078】
〈第3実施形態〉
図10図13を用いて、本発明の第3実施形態に係る走行機体100B、農作業機200B、情報処理装置600B、及び操作端末700Bについて説明する。本実施形態では、複数の農作業機200Bに汎用性があるマッチングテーブル300Bを用いた固有情報マッチングについて説明する。
【0079】
[全体構成]
図10は、本発明の一実施形態に係る走行機体、農作業機、情報処理装置、及び操作端末を含む全体構成を示す概略図である。図10の固有情報マッチングシステム10Bは、
図6の固有情報マッチングシステム10Aに類似しているが、操作端末700Bがネットワーク550Bを介して農作業機200B及び情報処理装置600Bに接続されている点において、図6の固有情報マッチングシステム10Aと相違する。図10の固有情報マッチングシステム10Bについて、図6の固有情報マッチングシステム10Aと共通の構成については説明を省略し、主に相違点について説明する。
【0080】
本実施形態において、マッチングテーブル300Bを格納し、固有情報マッチングを実行する機能は操作端末700Bに備えられている。操作端末700Bは、走行機体100B又は農作業機200Bの専用端末であってもよいし、例えば、パソコン、ノートPC、タブレットPC、スマートフォン、携帯電話、PDA、及びPHSなどの通信可能な通信端末で構成することも可能である。
【0081】
[走行機体100B及び農作業機200Bの機能構成]
図11は、本発明の一実施形態に係る走行機体、農作業機、及び操作端末の機能構成を示すブロック図である。図11のブロック図は、図2のブロック図に類似しているが、農作業機200Bがテーブル記憶手段を有していない点、並びに、第1取得手段710B、第2取得手段720B、記憶手段730B、及び制御手段740Bを有する操作端末700Bがネットワーク550Bを介して農作業機200Bに接続されている点において、図2の農作業機200と相違する。なお、上記の機能的な手段は、走行機体100B及び農作業機200Bの各々に設けられたECU、並びに、操作端末700Bに設けられた中央演算処理装置(CPU)が各装置に設けられた記憶装置に格納されたプログラムを実行することによって実現する。
【0082】
第1取得手段710Bは、走行機体100Bの固有情報である第1固有情報310B(図13参照)を取得する。第2取得手段720Bは、農作業機200Bの固有情報である第2固有情報340B(図13参照)を取得する。なお本実施形態では、走行機体100Bはネットワーク550Bに接続されていないため、第1固有情報310Bが走行機体100Bから農作業機200Bに送信され、第1固有情報310B及び第2固有情報340Bが農作業機200Bから操作端末700Bに送信される。記憶手段730Bは、第1固有情報310B、第2固有情報340B、及び制御情報330B(図13参照)が関連付けられたマッチングテーブル300Bを記憶する。制御手段740Bは、上記の手段によって取得された第1固有情報310B及び第2固有情報340B、並びに、マッチングテーブル300Bに基づいて制御情報330Bを導出し、導出された制御情報330Bを農作業機200Bに送信する。
【0083】
[走行機体100B及び農作業機200Bの相互通信の動作フロー]
図12は、本発明の一実施形態に係る農作業機の制御方法の動作フローを示す図である。図12の動作フローは、図8の動作フローに類似しているが、固有情報マッチングが操作端末700Bによって行われる点(S210B以降のステップ)が図8と相違している。
【0084】
図12において、情報処理装置600Bは、更新情報を操作端末700Bに送信する(S601B)。操作端末700Bは、情報処理装置600Bから受信した更新情報を用いて、操作端末700Bに格納されたマッチングテーブル300Bを更新する(S701B)。
【0085】
上記の動作と並行して、農作業機200Bは第1固有情報310B及び第2固有情報340Bを操作端末700Bに送信する(S220B)。操作端末700Bは、農作業機200Bから第1固有情報310B及び第2固有情報340Bを受信(S702B)し、S701Bで更新されたマッチングテーブル300B、並びに、S702Bで受信した第1
固有情報310B及び第2固有情報340Bを用いて固有情報マッチングを行う(S703B)。S703Bの固有情報マッチングによって制御情報330Bが導出される(S704B)。そして、操作端末700Bは、S704Bで導出した制御情報330Bを農作業機200Bに送信する(S705B)。農作業機200Bは、受信した制御情報330Bに基づいて農作業機200Bの動作を規制する(S207B)。
【0086】
なお、本発明は、上述した動作フローに限定されず、様々な変形例が考えられる。例えば、S103Bにおいて、走行機体100Bが第1固有情報を操作端末700Bに直接送信することも可能である。また、走行機体100Bに対する機体制御情報も、農作業機200Bを介さず、操作端末700Bから走行機体100Bに直接送信されてもよい。
【0087】
[マッチングテーブル300Bの一例]
図13は、本発明の一実施形態に係るマッチングテーブルの一例を示す図である。図13のマッチングテーブル300Bは、図5のマッチングテーブル300に類似しているが、第2固有情報340Bが第1固有情報310B、規制情報320B、及び制御情報330Bと関連付けられて記憶されている点において図5のマッチングテーブル300と相違する。図13に示すマッチングテーブル300Bは、操作端末700Bに格納されている。なお、図5と同様に、リフトアーム333Bの項目に各農作業機200の最低地上高が20cmのときのリフトアームの角度が記憶されていてもよく、報知337Bの項目に走行機体100の上限速度及び全幅が記憶されていてもよい。
【0088】
以上のように本実施形態に係る固有情報マッチングシステム10Bによると第1実施形態及び第2実施形態と同様の効果に加え、マッチングテーブル300Bが第1固有情報310B及び第2固有情報340Bを関連付けて記憶することで、マッチングテーブル300Bによって管理されているものであれば、どのような走行機体100B及び農作業機200Bの組み合わせであっても固有情報マッチングを行うことができる。
【0089】
なお、本実施形態では、マッチングテーブル300Bが操作端末700Bに格納され、操作端末700Bで固有情報マッチングが行われる構成を例示したが、この構成に限定されない。例えば、マッチングテーブル300Bが走行機体100B、農作業機200B、又は情報処理装置600Bに格納され、これらで固有情報マッチングが行われてもよい。
【0090】
また、本実施形態では、農作業機200Bと操作端末700Bとがネットワーク550Bを介して接続された構成を例示したが、この構成に限定されない。例えば、農作業機200Bと操作端末700Bとが近距離無線通信などの通信手段によって直接的に接続されていてもよい。近距離無線通信として、例えば、Wi-Fi(登録商標)やBLE(BlueTooth(登録商標) Low Energy)を用いることができる。
【0091】
また、本実施形態では、走行機体100Bがネットワーク550Bに接続されていない構成を例示したが、この構成に限定されない。例えば、農作業機200Bの代わりに走行機体100Bがネットワーク550Bに接続されていてもよく、走行機体100B及び農作業機200Bの両方がネットワーク550Bに接続されていてもよい。なお、走行機体100Bがネットワーク550Bに接続され、農作業機200Bがネットワーク550Bに接続されない構成の場合、上記の実施形態において、農作業機200Bが情報処理装置600B及び操作端末700Bと通信する必要があるステップが走行機体100Bによって行われてもよい。
【0092】
〈第4実施形態〉
図14を用いて、本発明の第4実施形態に係る固有情報マッチングシステム10Cについて説明する。図14は、本発明の一実施形態に係るマッチングテーブルの情報更新の動
作シーケンスの一例を示す図である。図14に示すように、まず特定の農作業機200Cが走行機体100Cに取り付けられた状態で、作業者の手動操作によってある条件が設定される(S621C)。その状態で作業者が条件登録をする旨の指示を選択すると(S622C)、上記の設定された条件がマッチングテーブル300Cの制御情報として追記又は更新される(S623C)。例えば、農作業機200Cが取り付けられた状態の走行機体100Cで公道を走行する場合、作業者が上限として設定したい高さに走行機体100Cのリフトアームを設定した状態で設定ボタンを押すことで、作業者が設定したリフトアームの高さが制御情報(図13の制御情報330B)のリフトアームの項目(図13のリフトアーム333B)の上限値として設定される。
【0093】
例えば、農作業機200Cにオプション部材が装着されることで、走行機体100C及び農作業機200Cを制御すべき条件が変わる場合がある。そのような場合であっても、上記のように制御条件を追加又は更新することで、適正な制御条件を設定することができる。
【0094】
以上のように、本実施形態に係る固有情報マッチングシステム10Cによると、第1~第3実施形態と同様の効果に加え、作業者の操作によって設定された走行機体100C及び農作業機200Cの条件をマッチングテーブルに追記することで、マッチングテーブルにおける制御情報を調整することができる。つまり、マッチングテーブルで設定される条件をフレキシブルに調整することができる。
【0095】
上記の第1~第4の実施形態において、例えば、「AG-PORT」を用いて、走行機体又は作業機が公道を走行する準備段階にあることを検知し、そのような検知信号に基づいて、走行機体及び農作業機の動作の制御を有効にしてもよい。走行機体が公道を走行する準備段階にあることを検知する信号としては、変速レバーが「High」に入ったことを検知する信号、全地球衛星航法システム(GNSS:Global Navigation Satellite System)により走行機体が公道に入ったこと(又は、入ること)を検知する信号等が挙げられる。また、作業機が公道を走行する準備段階にあることを検知する信号としては、PTO軸の稼働状況を検知する信号や、左右のブレーキペダルが連結されたことを検知する信号等が挙げられる。
【0096】
以上、本発明について図面を参照しながら説明したが、本発明は上記の実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、本実施形態の作業機を基にして、当業者が適宜構成要素の追加、削除もしくは設計変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含まれる。さらに、上述した各実施形態は、相互に矛盾がない限り適宜組み合わせが可能であり、各実施形態に共通する技術事項については、明示の記載がなくても各実施形態に含まれる。
【0097】
上述した各実施形態の態様によりもたらされる作用効果とは異なる他の作用効果であっても、本明細書の記載から明らかなもの、又は、当業者において容易に予測し得るものについては、当然に本発明によりもたらされるものと解される。
【符号の説明】
【0098】
10:固有情報マッチングシステム、 100:走行機体、 103:接続配線、 110:接続端子、 120:三点リンク機構、 130:灯火器、 150:固有情報送信手段、 151:灯火器制御手段、 153:速度制御手段、 155:リフトアーム制御手段、 200:農作業機、 201:電子制御ユニット、 203:接続配線、 205:フレーム、 207:ロータ、 209:シールドカバー、 211:エプロン、
213:レベラ、 230:灯火器、 240:報知手段、 251:第1受信手段、
253:テーブル記憶手段、 255:制御手段、 257A:取得手段、 259A
:更新手段、 300:マッチングテーブル、 310:第1固有情報、 321:灯火器、 323:リフトアーム、 325:車速、 330:制御情報、 331:灯火器、 333:リフトアーム、 335:車速、 337:報知、 340B:第2固有情報、 500:通信手段、 550A:ネットワーク、 600A:情報処理装置、 601A:データベース、 700B:操作端末、 710B:第1取得手段、 720B:第2取得手段、 730B:記憶手段、 740B:制御手段、 2551:灯火器類制御手段、 2553:報知制御手段、 2555:走行機体制御手段
図1
図2
図3
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図6
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図13
図14