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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024051169
(43)【公開日】2024-04-10
(54)【発明の名称】薬剤供給装置
(51)【国際特許分類】
   A61J 3/00 20060101AFI20240403BHJP
【FI】
A61J3/00 310E
【審査請求】有
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024031835
(22)【出願日】2024-03-04
(62)【分割の表示】P 2020168599の分割
【原出願日】2020-10-05
(71)【出願人】
【識別番号】593129342
【氏名又は名称】株式会社タカゾノ
(74)【代理人】
【識別番号】100118784
【弁理士】
【氏名又は名称】桂川 直己
(72)【発明者】
【氏名】坂口 勝義
(72)【発明者】
【氏名】藤本 洋平
(57)【要約】
【課題】調剤処理に使用する薬剤の全量が収容される導入薬品容器から薬剤の全量が排出されたことの判定が可能な薬剤供給装置を提供する。
【解決手段】薬剤供給装置は、導入薬剤容器と、薬剤排出部と、第1計測部と、制御装置と、を備える。前記導入薬剤容器には、調剤処理に使用する薬剤の全量が収容される。薬剤排出部は、外部から導入される導入薬剤容器をセット可能であり、セットされた導入薬剤容器に収容された薬剤の排出動作を実行する。第1計測部は、薬剤排出部にセットされた導入薬剤容器に収容されている薬剤の重量を計測する。制御装置は、薬剤排出部に、導入薬剤容器内の薬剤の排出動作を実行させる。制御装置は、導入薬剤容器内の薬剤の排出動作が実行された後、第1計測部に、薬剤排出部にセットされた導入薬剤容器に収容されている薬剤の重量を計測させる。制御装置は、導入薬剤容器に収容されている薬剤の全てが排出されたか否かを判定する。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
調剤処理に使用する薬剤の全量が収容される導入薬剤容器と、
外部から導入される前記導入薬剤容器をセット可能であり、セットされた前記導入薬剤容器に収容された薬剤の排出動作を実行する薬剤排出部と、
前記薬剤排出部にセットされた前記導入薬剤容器に収容されている薬剤の重量を計測する計測部と、
前記薬剤排出部及び前記計測部を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、
前記薬剤排出部に、前記導入薬剤容器内の薬剤の排出動作を実行させ、
前記導入薬剤容器内の薬剤の排出動作が実行された後、前記計測部に、前記薬剤排出部にセットされている前記導入薬剤容器に収容されている薬剤の重量を計測させ、
前記導入薬剤容器に収容されている薬剤の全てが排出されたか否かを判定することを特徴とする薬剤供給装置。
【請求項2】
請求項1に記載の薬剤供給装置であって、
前記制御部は、前記導入薬剤容器内の薬剤の全てが排出されたと判定した場合、前記導入薬剤容器から排出された薬剤の重量を記憶することを特徴とする薬剤供給装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の薬剤供給装置であって、
前記制御部は、前記導入薬剤容器内の薬剤の全てが排出されなかったと判定した場合、前記薬剤排出部に、前記導入薬剤容器内の薬剤の排出動作を実行させることを特徴とする薬剤供給装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、主として、薬剤供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、薬剤容器を保管することができ、かつ、薬剤容器に収容されている薬剤を自動的に供給することができる薬剤供給装置が知られている。特許文献1は、この種の薬剤供給装置を開示する。
【0003】
特許文献1の散薬分包装置は、容器保管部と、容器移動装置と、容器保持台と、重量測定手段と、を備える。容器保管部は、複数の自動式薬品容器を保持する。容器移動装置は、自動式薬品容器を保持可能となっており、容器移動装置は、容器保管部から所定の自動式薬品容器を取り出して容器保持台に載置させる動作を実行可能である。容器保持台は、自動式薬品容器を載置することができるとともに、薬品秤量装置で秤量した散薬(薬剤)が充填された手動式薬品容器(導入薬品容器)を載置することができる。容器保持台は、載置された自動式薬品容器又は手動式薬品容器を振動させ、対応する薬品容器に収容された散薬を分配皿に排出することが可能である。重量測定手段は、容器保持台に設けられており、容器保持台に載置された自動式薬品容器の重量を測定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第5953471号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の構成では、手動式薬品容器には、薬品秤量装置を用いて、規定量(最終的に分配皿に排出さる量)だけの散薬が充填される。そして、この手動式薬品容器が容器保持台に載置されると、次に手動式薬品容器から分配皿への散薬の排出が行われる。この際、容器保持台に載置された手動式薬品容器(その収容されている薬剤の量)の重量は測定されない。また、手動式薬品容器から分配皿への散薬の排出が行われた後、容器保持台に載置された手動式薬品容器の重量は測定されない。
【0006】
このように散薬を収容した手動式薬品容器が用いられる場合には、手動式薬品容器に散薬が付着する等の理由で、手動式薬剤容器に収容されている散薬の全てが一度に排出されないことがある。しかしながら、このような場合であっても、手動式薬品容器から散薬の排出を終了するので、必要な量の薬剤の排出が行われたことの確認を行うことができないという問題がある。
【0007】
本発明は以上の事情に鑑みてされたものであり、その目的は、調剤処理に使用する薬剤の全量が収容される導入薬品容器から必要な量の薬剤の排出が行われたことの判定を行うことができる薬剤供給装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段及び効果】
【0008】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
【0009】
本発明の観点によれば、以下の構成の薬剤供給装置が提供される。即ち、この薬剤供給装置は、導入薬剤容器と、薬剤排出部と、計測部と、制御部と、を備える。前記導入薬剤容器には、調剤処理に使用する薬剤の全量が収容される。薬剤排出部は、外部から導入される前記導入薬剤容器をセット可能であり、セットされた前記導入薬剤容器に収容された薬剤の排出動作を実行する。計測部は、前記薬剤排出部にセットされた前記導入薬剤容器に収容されている薬剤の重量を計測する。制御部は、前記薬剤排出部及び前記計測部を制御する。前記制御部は、前記薬剤排出部に、前記導入薬剤容器内の薬剤の排出動作を実行させる。前記制御部は、前記導入薬剤容器内の薬剤の排出動作が実行された後、前記計測部に、前記薬剤排出部にセットされた前記導入薬剤容器に収容されている薬剤の重量を計測させる。前記制御部は、前記導入薬剤容器に収容されている薬剤の全てが排出されたか否かを判定する。
【0010】
これにより、薬剤供給装置において、調剤処理に使用する薬剤の全量が収容された導入薬品容器から薬剤の全量が排出されたことの判定を行うことができる。この結果、調剤処理に使用する薬剤の全量の薬剤の排出が行われたことが確認可能となる。
【0011】
前記の薬剤供給装置においては、前記制御部は、前記導入薬剤容器内の薬剤の全てが排出されたと判定した場合、前記導入薬剤容器から排出された薬剤の重量を記憶することが好ましい。
【0012】
これにより、導入薬品容器から実際に排出された薬剤の量を把握することができる。
【0013】
前記の薬剤供給装置においては、前記制御部は、前記導入薬剤容器内の薬剤の全てが排出されなかったと判定した場合、前記薬剤排出部に、前記導入薬剤容器内の薬剤の排出動作を実行させることが好ましい。
【0014】
これにより、導入薬剤容器内の薬剤の排出動作を繰り返し実行して、導入薬剤容器内の薬剤の全てを確実に排出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態に係る薬剤分包装置の全体的な構成を示す模式図。
図2】調剤処理において薬剤分包装置の各部の動作タイミングの関係を示すタイミングチャート。
図3】導入薬剤容器の処理についてのフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0016】
次に、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る薬剤分包装置の全体的な構成を示す模式図である。薬剤分包装置は、薬剤供給装置1と、包装部41と、を備える。
【0017】
図1に示す薬剤供給装置1は、薬剤(本実施形態では、散剤である。)を収容した薬剤容器を複数保管することができる。この薬剤供給装置1は、薬剤容器内の薬剤を用いた調剤処理を行うことができる。調剤された薬剤は、薬剤分包装置から外部に供与される。
【0018】
薬剤供給装置1が保管する各薬剤容器の外面には、磁性部材が設けられる。この磁性部材は、後述する容器搬送部15による薬剤容器の搬送に利用される。また、保管する各薬剤容器の外面には、情報タグが付される。この情報タグには、固有識別情報、収容する薬剤の情報、及び、薬剤容器内の薬剤の重量に関するデータが記憶される。
【0019】
薬剤供給装置1は、容器保管部11と、容器搬送部15と、薬剤排出部21と、分配皿31と、薬剤取出部35と、第1清掃部52と、計測処理部と、第1リーダライタ部71と、第2リーダライタ部75と、容器仮置部81と、容器取出部82と、インタフェース部91と、制御装置(制御部)95と、を備える。インタフェース部91及び制御装置95は、薬剤分包装置のインタフェース部及び制御装置としても機能する。
【0020】
薬剤分包装置は、筐体を備える。この筐体には、薬剤供給装置1の各部(例えば、容器保管部11及び薬剤排出部21等)と、包装部41と、が収容される。
【0021】
容器保管部11は、複数の薬剤容器を保管することができる。容器保管部11は、回転部材12と、容器配置部13と、を備える。
【0022】
回転部材12は、起立した姿勢で設けられている。回転部材12は、モータの駆動力により、上下方向の軸を中心として回転することができる。
【0023】
容器配置部13は、回転部材12の外周部に複数並べて設けられている。それぞれの容器配置部13には、薬剤容器を配置することができる。容器配置部13は、例えば、薬剤容器を収納可能な載置板とすることができる。容器配置部13は、回転部材12の回転に伴って、当該回転部材12と一体的に回転する。
【0024】
1つの容器配置部13には、対応する薬剤容器が1つだけ配置される。薬剤容器が配置される容器配置部13は当該薬剤容器に応じて予め決まっており、他の容器配置部13に配置されることはない。なお、1つの容器配置部13に、異なる薬剤容器を配置できるように構成しても良い。この場合、薬剤容器に付された情報タグに記憶されたデータを読み取ることにより、容器配置部13に配置されている薬剤容器を特定する。
【0025】
容器搬送部15は、容器保管部11と薬剤排出部21との間で薬剤容器を搬送する。容器搬送部15は、薬剤容器に対して少なくとも以下の3つの動作を行うことができる。1つ目は、容器保管部11と薬剤排出部21との間で移動する動作である(第1動作)。2つ目は、容器保管部11の容器配置部13の1つから薬剤容器を取り出す動作である(第2動作)。3つ目は、薬剤容器を容器配置部13の1つに戻す動作である(第3動作)。
【0026】
容器搬送部15は、保持アーム部16と、搬送動作機構17と、を備える。
【0027】
保持アーム部16は、薬剤容器の保持/保持解除を行うことができる。本実施形態において、保持アーム部16の先端部には、薬剤容器の外面の磁性部材に着脱することができる電磁石が設けられている。従って、保持アーム部16は、当該電磁石を利用して、薬剤容器を保持/解放することができる。保持アーム部16の基端部は、搬送動作機構17に接続されている。
【0028】
搬送動作機構17は、モータの駆動力により、容器保管部11と薬剤排出部21との間で保持アーム部16を動かすことができる。
【0029】
以上の構成で、搬送動作機構17によって保持アーム部16の先端部が容器保管部11の外周部に接近している状態で、保持アーム部16は、容器配置部13に配置されている薬剤容器を取り出すことができる。また、保持アーム部16の先端部が容器保管部11の外周部に接近している状態で、保持アーム部16は、保持している薬剤容器を容器配置部13に戻すことができる。
【0030】
一方、搬送動作機構17によって保持アーム部16の先端部が薬剤排出部21に接近している状態で、保持アーム部16は、薬剤排出部21に薬剤容器をセットすることができる。また、保持アーム部16の先端部が薬剤排出部21に接近している状態で、保持アーム部16は、セットされた薬剤容器のセットを解除し、薬剤排出部21から取り出すことができる。
【0031】
薬剤排出部21は、セットされている薬剤容器内の薬剤を排出させる処理を行うことができる。薬剤排出部21は、当該薬剤排出部21を振動させるための振動装置22を備える。薬剤排出部21にセットされている薬剤容器が振動すると、薬剤容器内の薬剤が振るい出される。
【0032】
薬剤排出部21には、調剤処理に使用する薬剤を種類別に収容する導入薬剤容器をセットすることができる。導入薬剤容器は、薬剤供給装置1に対しその外部から導入される。導入薬剤容器は、調剤処理に使用する薬剤の全量が収容されるものである。薬剤排出部21は、導入薬剤容器に収容する薬剤の全てを排出するように、排出動作を少なくとも1度実行することができる。
【0033】
薬剤容器と同様に、導入薬剤容器の外面には情報タグが付される。この情報タグには、固有識別情報を含むデータ(固有情報)が記憶される。
【0034】
また、薬剤排出部21には、容器搬送部15により導入薬剤容器がセットされても良い(導入薬剤容器は、容器仮置部81と薬剤排出部21との間で搬送される)。この場合、導入薬剤容器の外面に磁性部材が設けられ、容器搬送部15による搬送に利用される。
【0035】
薬剤供給装置1は、複数(本実施形態では、2つ)の薬剤排出部21を備える。1つの薬剤排出部21には、1つの薬剤容器又は導入薬剤容器をセット可能である。従って、複数の薬剤排出部21の何れかに薬剤容器又は導入薬剤容器がセットされた場合、複数の薬剤排出部21から薬剤が同時に排出されることもあり得る。
【0036】
分配皿31は、薬剤排出部21の近傍に設けられている。分配皿31は、薬剤容器から振るい出される薬剤を受ける受け皿として機能する。
【0037】
分配皿31は、皿部32と、回転駆動部33と、を備える。
【0038】
皿部32は、水平な円板状に形成されている。皿部32は、上下方向の軸を中心として回転可能に支持されている。皿部32の上には、薬剤排出部21から排出された薬剤を載せることができる。
【0039】
回転駆動部33は、モータの駆動力によって、皿部32を周方向に回転させることができる。皿部32が回転しながら薬剤排出部21からの薬剤を受けることで、皿部32の上に、薬剤が周方向で均等に載った状態になる。
【0040】
薬剤取出部35は、分配皿31の近傍に設けられている。薬剤取出部35は、モータの駆動力により、皿部32の周方向における一部の領域を対象として、薬剤を掬い取る動作を行う(取出動作)。薬剤取出部35は、掬い取った薬剤を包装部41に供給することができる。
【0041】
包装部41は、薬剤を包装することができる。包装部41は、薬剤の投入口となるホッパ42を備える。薬剤取出部35が1回の服用分の薬剤をホッパ42に投入すると、包装部41は、当該薬剤を包装する。包装された薬剤は、薬剤分包装置の外部に供与される。
【0042】
清掃処理部は、第1清掃部52と、第2清掃部53と、を備える。
【0043】
第1清掃部52は、分配皿31の近傍に設けられている。第1清掃部52は、分配皿31上と薬剤取出部35を清掃することができる。
【0044】
第2清掃部53は、包装部41の近傍に設けられている。第2清掃部53は、包装部41(本実施形態では、ホッパ42の内部)を清掃することができる。
【0045】
第1清掃部52及び第2清掃部53の構成は何れも任意であるが、例えば、各部に付着した薬剤を負圧により吸い込むように構成することができる。
【0046】
計測処理部は、第1計測部(計測部)62と、第2計測部63と、を備える。
【0047】
第1計測部62は、薬剤排出部21にセットされた薬剤容器又は導入薬剤容器内の薬剤の重量を計測する装置である。第1計測部62は、薬剤排出部21に設けられている。具体的には、第1計測部62は、薬剤容器又は導入薬剤容器がセットされた薬剤排出部21の重量を計測し、薬剤容器又は導入薬剤容器内の薬剤の重量を算出する。なお、本実施形態では、第1計測部62は、それぞれの薬剤排出部21に1つずつ設けられている。
【0048】
第2計測部63は、薬剤排出部21にセットされる前の導入薬剤容器内の薬剤の重量を計測する装置である。第2計測部63は、後述する容器仮置部81に設けられている。具体的には、第2計測部63は、導入薬剤容器の重量を計測し、導入薬剤容器内の薬剤の重量を算出する。
【0049】
第2計測部63は、第2リーダライタ部75とともに、薬剤供給装置1とは別体の計測装置の一部として構成しても良い。
【0050】
第1リーダライタ部71は、薬剤排出部21にセットされた薬剤容器又は導入薬剤容器に付された情報タグに記憶されているデータを読み取ることができる。また、第1リーダライタ部71は、当該情報タグにデータを書き込むことができる。第1リーダライタ部71は、それぞれの薬剤排出部21に設けられている。
【0051】
第2リーダライタ部75は、薬剤排出部21にセットされる前の導入薬剤容器に付された情報タグに記憶されているデータを読み取ることができる。第2リーダライタ部75は、容器仮置部81に設けられている。
【0052】
容器仮置部81は、薬剤供給装置1にその外部から導入する導入薬剤容器を一時的に配置することができる。容器仮置部81の構成は様々に考えられるが、例えば、導入薬剤容器を載置することができる載置台として構成することができる。
【0053】
インタフェース部91は、ユーザインタフェース機能を実現するものである。インタフェース部91は、例えば、調剤処理の状況やユーザの入力情報等を表示する表示装置と、ユーザが指示を入力するための操作装置と、を備える構成とすることができる。
【0054】
制御装置95は、CPU、ROM及びRAM等を備えるコンピュータである。ROMには、薬剤分包装置を動作させる制御プログラムが記憶される。容器保管部11、容器搬送部15、薬剤排出部21、分配皿31、薬剤取出部35、包装部41、清掃処理部、第1リーダライタ部71、第2リーダライタ部75、及びインタフェース部91の動作は、制御装置95によって制御される。
【0055】
次に、制御装置95の処理の一例について詳細に説明する。この例は、薬剤容器と導入薬剤容器とを用いた2種類の薬剤に関する調剤処理が行われる場合を示している。
【0056】
インタフェース部91を介して、調剤処理に係る調剤データが処方箋情報に応じて入力され、制御装置95に記憶される。調剤データとしては、例えば、調剤処理に使用する薬剤の種類、1日当たりの服用量、1日当たりの服用回数、服用日数等を挙げることができる。調剤データが入力されると、薬剤分包装置は調剤処理を開始する。
【0057】
調剤処理が開始すると、調剤処理に用いる薬剤を収容している薬剤容器を容器保管部11から取り出させるために、制御装置95は、当該薬剤容器が配置されている容器配置部13に、保持アーム部16の先端部を接近させる。なお、以下の説明では、当該薬剤容器を第1薬剤容器と呼ぶことがある。
【0058】
制御装置95は、回転部材12を回転させて、第1薬剤容器が配置されている容器配置部13の位置を調整する。これにより、容器搬送部15が備える保持アーム部16の先端部で容器配置部13から第1薬剤容器を取り出すことができる状態になる。なお、図2に示すタイミングT1では、制御装置95は、保持アーム部16を移動させている状態で、容器保管部11を回転させる。このように、保持アーム部16の移動と、容器配置部13の位置の調整と、を同時並行的に行うことによって、薬剤容器の搬送作業がスムーズになる。
【0059】
制御装置95は、容器搬送部15が容器配置部13から第1薬剤容器を取り出されるように制御を行う。
【0060】
保持アーム部16の先端部が第1薬剤容器を保持すると、制御装置95は容器搬送部15を制御して、薬剤容器がセットされていない薬剤排出部21へ第1薬剤容器を搬送してセットする。以下では、2つの薬剤排出部21のそれぞれを特定するために、第1薬剤排出部及び第2薬剤排出部と呼ぶことがある。本実施形態では、第1薬剤容器は第1薬剤排出部21にセットされる。
【0061】
第1薬剤排出部21に第1薬剤容器がセットされた場合、制御装置95は、第1薬剤容器の情報タグに記憶されているデータを、第1薬剤排出部21の第1リーダライタ部71に読み取らせる。このときに読み取られるデータは、例えば、固有識別情報、薬剤情報及び重量情報に関するデータを含む。
【0062】
制御装置95は、第1リーダライタ部71が取得した固有識別情報又は薬剤情報に基づいて、第1薬剤排出部21にセットされた第1薬剤容器が、調剤処理に用いる薬剤を収容している薬剤容器と一致するか否かを判定する。また、制御装置95は、第1リーダライタ部71が取得した薬剤の重量情報に基づいて、今回の調剤処理に必要な量以上の薬剤が薬剤容器に収容されているか否かを判定する。
【0063】
第1薬剤排出部21にセットされた薬剤容器が正しいこと、及び、調剤処理に必要な量以上の薬剤が薬剤容器に収容されていることを確認した場合、制御装置95は、第1薬剤排出部21の振動装置22に振動を開始させ、かつ、分配皿31を回転させる(タイミングT2の終わり)。これにより、第1薬剤容器から薬剤が振るい出される。
【0064】
第1薬剤容器から振るい出された薬剤は、回転している分配皿31上に排出される。従って、当該薬剤は、分配皿31上で厚さが均一になるように、分配皿31に載せられる。
【0065】
第1薬剤排出部21が第1薬剤容器から薬剤を排出する過程で、第1計測部62は、第1薬剤容器内の薬剤の重量を計測し続ける。第1薬剤容器からの薬剤の振るい出しが進むに従って、第1薬剤容器内の薬剤の重量が徐々に減少する。第1薬剤容器内の薬剤の重量の減少値が調剤処理に使用する薬剤の重量値と等しくなった場合、制御装置95は、第1薬剤排出部21の振動装置22を停止させ、第1薬剤排出部21からの薬剤の排出を終了させる。このように、制御装置95は、排出動作中に第1薬剤容器内の薬剤の重量の変化を監視する。これにより、第1薬剤容器から正確に今回の調剤処理に必要な量の薬剤を排出させることができる。
【0066】
調剤処理に使用する薬剤が薬剤容器に収容されていない場合がある。また、薬剤容器に収容されている薬剤の量が調剤処理に必要な量に対して不足する場合がある。このような場合、制御装置95は、調剤処理が開始すると、当該薬剤を導入薬剤容器に収容して薬剤供給装置1に導入すべきであることをユーザに案内する。
【0067】
以下の説明では、当該薬剤を収容する導入薬剤容器を第2薬剤容器と呼ぶことがある。
【0068】
容器仮置部81に第2薬剤容器が配置される。容器仮置部81に配置された第2薬剤容器に薬剤が投入される。ここで、ユーザによる計測作業が行われる。
【0069】
第2計測部63は、容器仮置部81に配置された第2薬剤容器内の薬剤の重量を計測する。第2薬剤容器内の薬剤の重量値が調剤処理に使用する薬剤の重量値に等しくなると、計測作業が完了する。計測作業の完了に伴い、第2計測部63は、制御装置95に計測結果を送信する。制御装置95は、第2薬剤容器内の薬剤の重量値を、今回の調剤処理に係る調剤データに関連付けて記憶する。
【0070】
制御装置95は、薬剤供給装置1に薬剤の導入を許容することをユーザに案内する。
【0071】
第2薬剤容器は、2つの薬剤排出部21のうち、第1薬剤容器がセットされていない側の薬剤排出部(第2薬剤排出部21)にセットされる。
【0072】
第2薬剤容器の第2薬剤排出部21へのセットは、ユーザの手作業で行われても良い。また、図1に示す容器搬送部15により、ユーザの手作業により容器仮置部81にセットされた第2薬剤容器を第2薬剤排出部21に搬送する構成とすることもできる。この場合、保持アーム部16の先端部が第2薬剤容器を保持すると、制御装置95は容器搬送部15を制御して、薬剤容器がセットされていない薬剤排出部21へ第2薬剤容器を搬送してセットする。
【0073】
容器仮置部81に第2薬剤容器が配置されると、制御装置95は、第2薬剤容器の情報タグに記憶されている固有識別情報を、第2リーダライタ部75に読み取らせる(タイミングT3)。第2計測部63による計測作業の完了に伴い、第2リーダライタ部75は、制御装置95に固有識別情報を送信する。制御装置95は、固有識別情報を、今回の調剤処理に係る調剤データに関連付けて記憶する。
【0074】
第2薬剤排出部21に第2薬剤容器がセットされた場合、制御装置95は、本実施形態では、図3に示すように処理を行う。即ち、まず第2薬剤容器の情報タグに記憶されている固有識別情報を、第2薬剤排出部21の第1リーダライタ部71に読み取らせる(タイミングT4)(ステップS1)。また、制御装置95は第2薬剤容器内の薬剤の重量を第1計測部62に計測させる(ステップS2)。
【0075】
制御装置95は、第1リーダライタ部71が取得した固有識別情報に基づいて、第2薬剤排出部21にセットされた第2薬剤容器が、調剤処理に用いる薬剤を収容している導入薬剤容器と一致するか否かを判定する(ステップS3)。また、制御装置95は、第1計測部62が計測した薬剤の重量に基づいて、今回の調剤処理に必要な量の薬剤が第2薬剤容器に収容されているか否かを判定する(ステップS4)。
【0076】
本実施形態では、調剤データに示す薬剤の全量と、第1計測部62の計測結果と、が一致している場合、今回の調剤処理に必要な量の薬剤が第2薬剤容器に収容されていると判定する。一方、調剤データに示す薬剤の全量と、第1計測部62の計測結果と、が一致していない場合、今回の調剤処理に必要な量の薬剤が第2薬剤容器に収容されていないと判定する。
【0077】
第1計測部62と第2計測部63とで計測結果が一致しているか否かに基づいて、第2薬剤容器に収容されている薬剤に増減が生じたか否かを制御装置95が判定しても良い。この判定は、例えば以下のようにして実現できる。第2リーダライタ部75が導入薬剤容器の固有情報を取得し、第2計測部63が薬剤の重量を計測すると、制御装置95は、得られた固有情報及び薬剤重量を、調剤データを一意に示す識別情報(ID)に関連付けて、例えばテーブル形式で保存する。その後、第1リーダライタ部71が導入薬剤容器の固有情報を取得すると、制御装置95は、この固有情報に基づいて上記のテーブルを参照することで、当該固有情報の導入薬剤容器において第2計測部63が過去に計測した薬剤の重量と、調剤データのIDと、を呼び出すことができる。第1計測部62と第2計測部63とで計測結果が比較され、一致していれば、制御装置95は、第2薬剤容器に収容されている薬剤に増減が生じていないと判定する。一致していなければ、制御装置95は、第2薬剤容器に収容されている薬剤に増減が生じたと判定する。
【0078】
第1計測部62が計測した重量が、第2計測部63が計測した重量よりも大きい場合、薬剤を導入する際に第2薬剤容器に異物が混入している可能性がある。一方、第1計測部62が計測した重量が、第2計測部63が計測した重量よりも小さい場合、薬剤を導入する際に第2薬剤容器から薬剤がこぼれた可能性がある。第1計測部62と第2計測部63の計測結果同士を比較することで、重量の小さな変化を捉えることが容易になる。
【0079】
第2薬剤排出部21にセットされた第2薬剤容器が正しいこと、及び、調剤処理に必要な量の薬剤が第2薬剤容器に収容されていることを確認した場合、制御装置95は、第2薬剤排出部21の振動装置22に振動を開始させる(タイミングT4の終わり)。これにより、導入薬剤容器から薬剤が振るい出される。こうして、第2薬剤排出部21の、薬剤の排出動作が実行される(ステップS5)。図2の例において、第1薬剤排出部21及び第2薬剤排出部21における薬剤の排出タイミングは互いに重複している。
【0080】
次に、第1薬剤容器から調剤処理に必要な量の薬剤が排出されると、制御装置95は、第1薬剤排出部21の振動装置22を停止させ、第1薬剤容器内の薬剤の重量を第1計測部62に計測させる。こうして、第1薬剤容器からの薬剤の振るい出しを終了させる。その後、制御装置95は、当該第1薬剤排出部21の第1リーダライタ部71に書き込み処理を行わせる。即ち、制御装置95は、薬剤の振るい出し終了時における第1薬剤容器内の薬剤の重量データを、第1薬剤容器の情報タグに記憶させる(タイミングT5)。また、制御装置95は、第1薬剤容器内の薬剤の減少量に基づいて、第1薬剤容器から排出した薬剤の重量を記憶する。
【0081】
第1薬剤容器の情報タグに重量データが書き込まれた後に、制御装置95は容器搬送部15を制御して、第1薬剤容器を容器保管部11へ戻す。
【0082】
図2に示すように、薬剤供給装置1は、他の薬剤容器(この例では、第2薬剤容器)が薬剤を排出している時に、排出が終了した薬剤容器(第1薬剤容器)を元の位置に搬送することができる。このように、薬剤の排出と薬剤容器の移動とを同時並行的に行うことができるので、全体の作業を素早く行うことができる。
【0083】
上記のように、薬剤供給装置1は、薬剤容器が薬剤を排出している際に、薬剤排出部21を空けることができる。そして、薬剤供給装置1は、薬剤容器(第2薬剤容器)が薬剤を排出している途中でも、次回の調剤処理に用いる薬剤容器を、空いた薬剤排出部21(第1薬剤排出部21)に予めセットしておくことができる。この意味でも、薬剤供給装置1は、調剤処理を効率良く行うことができるようになっている。
【0084】
なお、薬剤容器を容器保管部11から取り出す場合と同様に、制御装置95は、回転部材12を回転させて、第1薬剤容器が戻されるべき容器配置部13の位置を調整する。これにより、保持アーム部16の先端部で容器配置部13に第1薬剤容器を戻すことができる状態になる。容器保管部11の回転は、上述の場合(タイミングT1)と同様に、保持アーム部16の移動が終わるまでに行われる(タイミングT6)。これにより、薬剤容器の搬送作業がスムーズになる。
【0085】
次に、第2薬剤容器に対する薬剤の排出動作が実行されると、制御装置95は、第2薬剤排出部21の振動装置22を停止させ、第2薬剤容器内の薬剤の重量を第1計測部62に計測させる(ステップS6)。このとき、第2薬剤容器から排出される薬剤を検出するセンサ(図示しない)が薬剤を検出しなくなると、制御装置95は、第2薬剤排出部21の振動装置22を停止させる。こうして、第2薬剤容器からの薬剤の振るい出しを終了させる。その後、制御装置95は、第1計測部62の計測結果に基づいて、第2薬剤容器内の薬剤の全てが排出されたか否かを判定する(ステップS7)。
【0086】
本実施形態では、薬剤の排出動作の実行後における第1計測部62の計測結果が0である場合、制御装置95は、第2薬剤容器内の薬剤の全てが排出されたと判定する。一方、薬剤の排出後における第1計測部62の計測結果が0を上回る場合、制御装置95は、第2薬剤容器内の薬剤の全てが排出されなかったと判定する。
【0087】
制御装置95は、第2薬剤容器内の薬剤の全てが排出されたと判定した場合、第2薬剤容器内の薬剤の減少量に基づいて、第2薬剤容器から排出した薬剤の重量を記憶する(ステップS8)。
【0088】
一方、制御装置95が第2薬剤容器内の薬剤の全てが排出されなかったと判定した場合、第2薬剤容器内に薬剤が残留している可能性がある。そこで、制御装置95は、第2薬剤容器内の薬剤の全てが排出されなかったと判定した場合、第2薬剤排出部21の振動装置22に振動を開始させ、かつ、分配皿31を回転させる。こうして、再び、第2薬剤容器から薬剤が振るい出されるように、薬剤の排出動作が実行される(ステップS9)。これにより、第2薬剤容器内に残留した薬剤の少なくとも一部が排出される。そして、ステップS6に戻り、制御装置95は、第2薬剤容器内の薬剤の重量を第1計測部62に計測させる。制御装置95は、第1計測部62の計測結果に基づいて、第2薬剤容器内の薬剤の全てが排出されたか否か(本実施形態では、第1計測部62の計測結果が0であるか否か)を判定する。
【0089】
本実施形態では、制御装置95は、第2薬剤容器内の薬剤の全てが排出されなかったと判定した場合に、第2薬剤排出部21の振動装置22に再び振動を開始させる際、第2薬剤排出部21にセットされている第2薬剤容器に前回の振動に比べてより強い振動を与えるように振動装置22を制御する。
【0090】
第1薬剤容器及び第2薬剤容器からの薬剤の排出処理が終わり、調剤に必要な薬剤が分配皿31上に載置された場合、制御装置95は、薬剤取出部35に分配皿31上の薬剤を掬い取らせ、当該薬剤を包装部41のホッパ42へ投入させる(タイミングT7)。また、制御装置95は、薬剤取出部35に掬い取らせた薬剤を、包装部41に包装させる(タイミングT7)。図2では包装部41の動作タイミングが省略されているが、包装部41は、薬剤取出部35とほぼ同じタイミングで動作する。図2に示すように、薬剤供給装置1は、薬剤取出部35が薬剤を掬い取る動作(取出動作)を行っている時に、薬剤容器の搬送作業を行うことができる。このように、薬剤の掬取りと薬剤容器の移動とを同時並行的に行うことができるので、全体の作業を素早く行うことができる。
【0091】
分配皿31から薬剤を掬い出す処理が終了した場合、分配皿31が停止する。そして、第1清掃部52は、分配皿31及び薬剤取出部35を清掃する(タイミングT8)。図2に示すように、薬剤供給装置1は、第1清掃部52が清掃作業(第1清掃動作)を行っている時に、薬剤容器の搬送作業を行うことができる。このように、清掃作業と薬剤容器の移動とを同時並行的に行うことができるので、全体の作業を素早く行うことができる。
【0092】
包装部41が処理を終えた後に(言い換えれば、第1薬剤容器の薬剤と、第2薬剤容器の薬剤と、の供給終了後に)、第2清掃部53は、包装部41を清掃する(タイミングT9)。薬剤供給装置1は、第2清掃部53が清掃作業(第2清掃動作)を行っている時に、薬剤容器の搬送作業を行うことができる。このように、清掃作業と薬剤容器の移動とを同時並行的に行うことができるので、全体の作業を素早く行うことができる。
【0093】
ところで、第1薬剤容器と第2薬剤容器とを用いた今回の調剤処理後に、次回の調剤処理を続けて実行する場合がある。本実施形態の薬剤供給装置1では、次回の調剤処理で同じ薬剤容器を続けて使用する場合、制御装置95は、当該薬剤容器を薬剤排出部21から容器保管部11に戻さないように制御することができる。
【0094】
このように、薬剤供給装置1は、繰り返して使用する薬剤容器を薬剤排出部21から容器保管部11へ戻さないので、薬剤供給装置1は、次回の調剤処理を行う際に、当該薬剤容器を容器保管部11から搬送しなくても良い。その結果、薬剤分包装置は、次回の調剤処理をスムーズに行うことができ、動作時間を短縮することができる。
【0095】
次回の調剤処理時に用いる新たな薬剤容器を容器保管部11から取り出す場合、制御装置95は、回転部材12を回転させて、容器配置部13の位置を調整する。これにより、容器搬送部15が備える保持アーム部16の先端部で容器配置部13から当該薬剤容器を取り出すことができる状態になる。保持アーム部16の先端部は既に容器保管部11の近くに位置しているので、容器保管部11の回転は、保持アーム部16が停止している状態で行われる(図2のタイミングT10)。ただし、容器保管部11の回転を、保持アーム部16を移動させながら行っても良い。
【0096】
以上に説明したように、本実施形態の薬剤供給装置1は、薬剤排出部21と、第1計測部62と、制御装置95と、を備える。薬剤排出部21は、外部から導入される導入薬剤容器をセット可能であり、セットされた導入薬剤容器に収容された薬剤の排出動作を実行する。第1計測部62は、薬剤排出部21にセットされた導入薬剤容器に収容されている薬剤の重量を計測する。制御装置95は、薬剤排出部21及び第1計測部62を制御する。制御装置95は、薬剤を収容した導入薬剤容器が薬剤排出部21にセットされた場合、薬剤排出部21に、導入薬剤容器内の薬剤の排出動作を実行させる。制御装置95は、導入薬剤容器内の薬剤の排出動作が実行された後、第1計測部62に、薬剤排出部21にセットされた導入薬剤容器に収容されている薬剤の重量を計測させる。制御装置95は、導入薬剤容器に収容されている薬剤の全てが排出されたか否かを判定する。
【0097】
これにより、薬剤供給装置1において導入薬品容器が用いられる場合に、必要な量の薬剤が導入薬品容器から排出されたことの判定を行うことができる。この結果、必要な量の薬剤の排出が行われたことが確認可能となる。
【0098】
また、本実施形態の薬剤供給装置1において、制御装置95は、導入薬剤容器内の薬剤の全てが排出されたと判定した場合、導入薬剤容器から排出された薬剤の重量を記憶する。
【0099】
これにより、導入薬品容器から実際に排出された薬剤の量を把握することができる。
【0100】
また、本実施形態の薬剤供給装置1は、制御装置95は、導入薬剤容器内の薬剤の全てが排出されなかったと判定した場合、薬剤排出部21に、導入薬剤容器内の薬剤の排出動作を実行させる。
【0101】
これにより、導入薬剤容器内の薬剤の排出動作を繰り返し実行して、導入薬剤容器内の薬剤の全てを確実に排出することができる。
【0102】
以上に本発明の好適な実施の形態を説明したが、上記の構成は例えば以下のように変更することができる。
【0103】
薬剤排出部21は、2つに限定されず、3つ以上設けても良い。複数の薬剤排出部21にそれぞれセットされた薬剤容器の全部又は一部が、今回だけでなく次回の調剤でも用いられる場合に、当該薬剤容器が容器保管部11に戻されずに次回の調剤で薬剤を排出すれば良い。
【0104】
薬剤排出部21の数が1つであっても良い。
【0105】
容器保管部11が回転する動作と、容器搬送部15が容器保管部11と薬剤排出部21との間で移動する動作(以下、移動動作という)との間に、時間的な重なりが無くても良い。
【0106】
第1清掃部52の清掃動作及び第2清掃部53の清掃動作のうち少なくとも何れかと、容器搬送部15の移動動作との間に、時間的な重なりが無くても良い。また、第1清掃部52及び第2清掃部53のうち少なくとも何れかを省略することもできる。
【0107】
薬剤取出部35の取出動作と、容器搬送部15の移動動作との間に、時間的な重なりが無くても良い。
【0108】
容器保管部11、薬剤排出部21、容器仮置部81等を、ユーザが外部から容易にアクセスすることができるように構成することができる。例えば、薬剤供給装置1に開閉扉を設けることが考えられる。これにより、例えば、ユーザが薬剤容器を各部に配置したり、各部から薬剤容器を取り出したりすることが容易になる。
【0109】
上記の実施形態では、保持アーム部16は、電磁力を利用して、薬剤容器を保持/解放している。しかしながら、保持アーム部16の先端部に例えばハンドを設け、当該ハンドによって薬剤容器の機械的な保持/解放を行っても良い。
【0110】
保持アーム部16を移動させる必要がない場合に、制御装置95は、所定の待機位置に保持アーム部16を位置させておく制御を行っても良い。
【0111】
分配皿31の数は、薬剤排出部21の数を考慮して適宜変更することができる。例えば、4~6つの薬剤排出部21が設けられる場合、2~3の薬剤排出部21から排出される薬剤を受け止める分配皿を2つ設けることができる。
【0112】
薬剤分包装置に、調剤処理の異常をユーザに報知するための報知部を設けても良い。薬剤排出部21にセットされた薬剤容器が調剤処理に用いる薬剤を収容している薬剤容器であると確認できない場合、制御装置95は、報知部を介してその旨をユーザに報知しても良い。調剤処理に必要な量の薬剤を確認することができない場合、また、第1計測部62と第2計測部63の計測結果が一致しない場合等においても、報知部を動作させることができる。報知部の構成は特に限定されず、例えば、ブザー又はランプとすることができる。
【0113】
薬剤排出部21にセットされた薬剤容器が調剤処理に用いる薬剤を収容している薬剤容器であると確認できない場合、制御装置95は容器搬送部15に、当該薬剤容器を容器保管部11へ搬送させても良い。薬剤容器に収容されている薬剤の量が調剤処理に必要な量に対して不足する場合も同様である。
【0114】
上記の実施形態では、薬剤排出部21にセットされている薬剤容器に調剤処理に必要な量の薬剤が収容されているか否かについて、制御装置95は、情報タグに記憶されている重量データに基づいて判定を行っている。しかしながら、制御装置95は、第1計測部62の計測結果に基づいて判定しても良い。
【0115】
第2リーダライタ部75は、読取専用の装置(リーダ装置)に変更しても良い。
【符号の説明】
【0116】
1 薬剤供給装置
21 薬剤排出部
62 第1計測部(計測部)
95 制御装置(制御部)
図1
図2
図3