(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024051174
(43)【公開日】2024-04-10
(54)【発明の名称】粘着テープ
(51)【国際特許分類】
A61F 13/0246 20240101AFI20240403BHJP
A61F 13/02 20240101ALI20240403BHJP
A61F 13/00 20240101ALI20240403BHJP
【FI】
A61F13/0246 502
A61F13/02 340
A61F13/02 380
A61F13/00 301S
A61F13/00 301Q
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2024032158
(22)【出願日】2024-03-04
(62)【分割の表示】P 2019039602の分割
【原出願日】2019-03-05
(31)【優先権主張番号】P 2018243137
(32)【優先日】2018-12-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(71)【出願人】
【識別番号】595027549
【氏名又は名称】アラム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001896
【氏名又は名称】弁理士法人朝日奈特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】荒木 利一
(72)【発明者】
【氏名】吉富 進吾
(57)【要約】
【課題】本発明は、X線検査装置で容易に検知することが可能な粘着テープを提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の粘着テープは、柔軟性および伸縮性を有する基材2と、基材2の少なくとも一方の面に設けられる粘着剤層3とを備える粘着テープ1であって、粘着テープ1には、タングステン含有粉4が含まれることを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
柔軟性および伸縮性を有する基材と、
前記基材の少なくとも一方の面に設けられる粘着剤層と
を備える粘着テープであって、
前記粘着テープには、タングステン含有粉が含まれることを特徴とする粘着テープ。
【請求項2】
前記基材の表面に、タングステン含有粉が含まれるタングステン含有層が設けられることを特徴とする請求項1記載の粘着テープ。
【請求項3】
前記基材の表面に、前記タングステン含有層が分散して設けられることを特徴とする請求項2記載の粘着テープ。
【請求項4】
前記基材に、タングステン含有粉が含まれることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の粘着テープ。
【請求項5】
前記粘着剤層に、タングステン含有粉が含まれることを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の粘着テープ。
【請求項6】
前記粘着剤層は、
前記基材の少なくとも一方の面に設けられ、前記タングステン含有粉が含まれる第1の粘着剤層と、
前記第1の粘着剤層の、前記基材とは反対側の面に設けられ、前記タングステン含有粉が含まれない第2の粘着剤層と
を備えることを特徴とする請求項5記載の粘着テープ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粘着テープに関する。
【背景技術】
【0002】
たとえば絆創膏などに用いられる粘着テープは、粘着性、柔軟性および伸縮性を有するために、たとえば人体の皮膚などの貼付対象に容易に貼り付けることができるとともに、貼付対象の動きに追従して容易に変形するので、貼付対象に対する貼付状態を比較的に良好に維持しやすい。ところが、そのような粘着テープであっても、長時間の使用などによって粘着力が低下して、貼付対象から剥がれて脱落してしまうことがある。粘着テープは、たとえば、食品の製造や加工などを行なう食品工場において用いられると、貼付対象から脱落した場合に、食品に異物として混入する可能性がある。
【0003】
食品の製造や加工などを行なう食品工場において、粘着テープなどの異物が食品に混入することは、衛生上の問題から、回避すべき重要な課題である。したがって、食品工場においては、まず、食品に異物が混入するのを回避することが求められるが、たとえ食品に異物が混入したとしても、食品の出荷前に異物を検出することができれば、異物が混入した食品の流通を回避することができる。そのような観点から、貼付対象から脱落して食品に混入したとしても容易に検出することができるように、たとえば特許文献1には、磁性材などにより構成された金属紛体が構成要素の一部として形成された粘着テープが開示されている。特許文献1の粘着テープは、その一部または全部が食品に混入したとしても、磁性材などにより構成された金属粉体が金属探知機に反応することを利用して、金属探知機により検知することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
金属探知機による異物の検知は、低コストで実現可能であるという理由により、これまで広く採用されてきた。しかし、近年では、食品への異物混入をより確実に検知するために、より精度の高いX線検査装置を採用する事例が多くなってきている。
【0006】
ところが、特許文献1に開示されるような磁性材などにより構成される金属粉末は、X線に対する感度が低いために、X線検査装置で検知するためには、粘着テープに大量に含ませる必要がある。金属粉末を大量に含ませることにより、製造が困難であるだけでなく、粘着テープが脆くなるため、使用中も破損しやすくなってしまう。
【0007】
本発明は、上述した問題に鑑みなされたもので、X線検査装置で容易に検知することが可能な粘着テープを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の粘着テープは、柔軟性および伸縮性を有する基材と、前記基材の少なくとも一方の面に設けられる粘着剤層とを備える粘着テープであって、前記粘着テープには、タングステン含有粉が含まれることを特徴とする。
【0009】
また、前記基材の表面に、タングステン含有粉が含まれるタングステン含有層が設けられることが好ましい。
【0010】
また、前記基材の表面に、前記タングステン含有層が分散して設けられることが好ましい。
【0011】
また、前記基材に、タングステン含有粉が含まれることが好ましい。
【0012】
また、前記粘着剤層に、タングステン含有粉が含まれることが好ましい。
【0013】
また、前記粘着剤層は、前記基材の少なくとも一方の面に設けられ、前記タングステン含有粉が含まれる第1の粘着剤層と、前記第1の粘着剤層の、前記基材とは反対側の面に設けられ、前記タングステン含有粉が含まれない第2の粘着剤層とを備えることが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、X線検査装置で容易に検知することが可能な粘着テープを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る粘着テープを含む絆創膏を示す図であり、(a)は、絆創膏の下面図であり、(b)は、(a)のI-I線断面図である。
【
図2】本発明の第2実施形態に係る粘着テープを含む絆創膏を示す図であり、(a)は、絆創膏の上面図であり、(b)は、(a)のII-II線断面図である。
【
図3】本発明の第3実施形態に係る粘着テープを含む絆創膏の断面図である。
【
図4】本発明の第4実施形態に係る粘着テープを含む絆創膏の断面図である。
【
図5】本発明の第5実施形態に係る粘着テープを含む絆創膏の断面図である。
【
図6】本発明の第6実施形態に係る粘着テープを含む絆創膏の断面図である。
【
図7】本発明の第7実施形態に係る粘着テープを含む絆創膏の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付図面を参照して、本発明のいくつかの実施形態に係る粘着テープを説明する。
図1~
図7はそれぞれ、本発明の第1~第7実施形態に係る粘着テープを含む絆創膏を示している。ただし、これらの実施形態は例示に過ぎず、本発明の粘着テープは以下の例に限定されることはない。
【0017】
第1~第7実施形態の粘着テープ1は、
図1~
図7に示されるように、柔軟性および伸縮性を有する基材2と、基材2の少なくとも一方の面に(直接または間接的に)設けられる粘着剤層3とを備えている。粘着テープ1は、人体の皮膚などの貼付対象に粘着剤層3が粘着することにより、貼付対象に貼り付けられて使用される。粘着テープ1は、図示されるように、粘着剤層3に貼り付けられる吸収パッドPとともに、絆創膏Bを構成することができる。絆創膏Bは、粘着テープ1を人体の皮膚に貼り付けることにより、人体の皮膚の傷口に吸収パッドPを貼り付けることができる。粘着テープ1は、通気性を良くするために、複数の通気孔(図示せず)が設けられてもよい。粘着テープ1は、複数の通気孔を備えることにより、皮膚が蒸れて湿潤状態となるのを抑制することができる。ただし、粘着テープ1は、貼付対象に貼り付けられて使用される用途であれば、絆創膏Bの構成要素としての用途に限定されることはなく、たとえば、人体の関節の動きを制限するためのテーピングなどの他の用途にも用いることができる。粘着テープ1は、特に、貼付対象から脱落した際にX線検査装置により検知する必要のある、食品の製造や加工などを行なう食品工場などにおいて、貼付対象に貼り付ける必要のある用途に好適に用いられる。
【0018】
基材2は、少なくとも一方の面に設けられる粘着剤層3を支持し、貼付対象に粘着剤層3を介して貼り付けられる。基材2は、フィルムや、織物、編物、不織布などの布帛、またはそれらの組み合わせにより、シート状に形成される。基材2は、柔軟性および伸縮性を有するように形成されるので、人体の皮膚など、貼り付けられた後に形状が変化する貼付対象に貼り付けられたとしても、貼付対象の形状変化に追従して容易に変形することができ、貼付対象に対する貼付状態を比較的長時間に亘って良好に維持することができる。
【0019】
基材2に用いられるフィルムとしては、特に限定されることはなく、ポリウレタン、ポリエステル、塩化ビニル、オレフィン、ポリカーボネート、ポリサルフィン、ポリフェニレンサルファイド、ポリイミド、エラストマーなどの合成樹脂、および/または、ウレタンゴム、シリコンゴム、エチレンプロピレンゴム、ニトリルゴム、水素化ニトリルゴム、スチレンプロピレンゴム、天然ゴムなどのゴムを成分とするフィルムを用いることができる。
【0020】
基材2に用いられる布帛としては、特に限定されることはなく、ポリエステル繊維、ポリアクリル繊維、ポリウレタン繊維、ナイロン繊維、レーヨン繊維などの合成繊維、および/または、毛、綿、麻、絹などの天然繊維からなる不織布、織布または編布を用いることができる。
【0021】
粘着剤層3は、貼付対象に粘着し、基材2を貼付対象に貼り付ける。粘着剤層3は、
図1~
図7に示されるように、基材2の表面の全体に亘って連続的に設けられている。しかし、粘着剤層3は、基材2を貼付対象に貼り付けることができればよく、基材2の表面に部分的に、または分散して設けられてもよい。粘着剤層3を構成する粘着剤としては、特に限定されることはなく、天然ゴム系粘着剤、合成ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、シリコーン系粘着剤などの公知の粘着剤を用いることができる。
【0022】
粘着テープ1には、
図1~
図7に示されるように、タングステンを含むタングステン含有粉4が含まれている。粘着テープ1は、X線に対する感度の高いタングステン含有粉4を含むことにより、従来の鉄系の磁性粉を含む粘着テープと比べて、X線検査装置で容易に検知することができる。したがって、粘着テープ1は、食品の製造や加工などを行なう食品工場において、貼付対象から脱落したとしても、X線検査装置で容易に検知することができるので、食品への混入を抑制することができる。さらに、従来の鉄系の磁性粉と比べて、タングステン含有粉4の含有量が少なくてもX線検査装置で検知することができるので、タングステン含有粉4の含有量を少なく抑えることができ、粘着テープ1の破断強度を高いレベルで維持することができる。
【0023】
タングステン含有粉4は、タングステンを含む粉(粒子)であり、たとえば、金属タングステン粉、酸化タングステン(WO3など)粉、炭化タングステン粉、窒化タングステン粉、またはそれらの混合粉などである。その中でも、金属タングステン粉または酸化タングステン粉が好適に用いられる。タングステン含有粉4は、粘着テープ1に含ませることができればよく、その大きさ、形状、含有量などは特に限定されることはない。
【0024】
タングステン含有粉4の粒径は、特に限定されることはなく、たとえば0.1~50μmとすることができるが、粘着テープ1内でのタングステン含有粉4の分散性や、タングステン含有粉4を含む粘着テープ1の破断強度の観点から、0.4~10μmが好ましく、0.6~4μmがさらに好ましく、1~3μmがよりさらに好ましい。
【0025】
タングステン含有粉4の粒径分布は、特に限定されることはないが、粘着テープ1内でタングステン含有粉4の分散性を高めるために、レーザー回折法による粒径分布測定によって求められる粒径分布の広がりを示す指標である[(d90-d10)/d50]が、2.0以下であることが好ましい。タングステン含有粉4の粒径分布を上記範囲とすることにより、粘着テープ1中でのタングステン含有粉4の分散性を高めることができ、タングステン含有粉4を含む粘着テープ1の加工性を向上させることができる。そのような観点から、タングステン含有粉4の[(d90-d10)/d50]は、1.6以下であることがさらに好ましく、1.2以下であることがよりさらに好ましい。
【0026】
タングステン含有粉4の形状は、特に限定されることはないが、タングステン含有粉4の二次凝集を抑えて、粘着テープ1内での分散性を高めるために、略球形であることが好ましい。タングステン含有粉4の形状を略球形とすることで、粘着テープ1の成形時に、粘着テープ1中でタングステン含有粉4同士が接触しても互いに接着することが抑制され、たとえ接着しても分離しやすいので、タングステン含有粉4の凝集が抑制され、タングステン含有粉4の凝集部分における粘着テープ1の破断を抑制できる。
【0027】
粘着テープ1に含まれるタングステン含有粉4の含有量は、特に限定されることはなく、X線検査装置によって検知可能な範囲で適宜設定が可能である。たとえば、粘着テープ1に含まれるタングステン含有粉4の含有量は、1質量%以上であることが好ましく、3質量%以上であることがさらに好ましく、5質量%以上であることがよりさらに好ましい。また、たとえば、粘着テープ1の破断強度を高く保つという観点から、粘着テープ1に含まれるタングステン含有粉4の含有量は、40質量%以下であることが好ましく、25質量%以下であることがさらに好ましい。
【0028】
タングステン含有粉4は、粘着テープ1の全体に亘って含有されていればよく、その含有形態は特に限定されることはない。たとえば、
図1~
図3に示される第1~第3実施形態のように、基材2の表面に、タングステン含有粉4が含まれるタングステン含有層5が設けられてもよいし、
図4に示される第4実施形態のように、基材2に、タングステン含有粉4が含まれていてもよいし、または、
図5に示される第5実施形態のように、それらの組み合わせであってもよい。また、
図6および
図7に示される第6および第7実施形態のように、粘着剤層3に、タングステン含有粉4が含まれていてもよい。
【0029】
タングステン含有層5が基材2の表面に設けられる第1~第3実施形態においては、たとえば、
図1および
図2に示される第1および第2実施形態では、基材2の一方の面(
図1(b)および
図2(b)中、上側の面)に粘着剤層3が設けられ、基材2の他方の面(
図1(b)および
図2(b)中、下側の面)にタングステン含有層5が設けられる。また、
図3に示される第3実施形態では、タングステン含有層5は、基材2と粘着剤層3との間の基材2の一方の面に設けられ、その場合、粘着剤層3は、タングステン含有層5を介して間接的に基材2の一方の面に設けられる。
【0030】
タングステン含有層5は、タングステン含有粉4のみの集合体によって形成されてもよいし、
図1~
図3に示される第1~第3実施形態のように、タングステン含有粉4が分散された母材によって形成されてもよい。タングステン含有層5は、
図1および
図3に示される第1および第3実施形態のように、基材2の表面の全体に亘って連続的に形成されていてもよいし、
図2に示される第2実施形態のように、基材2の表面の全体に亘って分散されて形成されてもよい。
図2に示される第2実施形態では、タングステン含有層5が、基材2の表面に分散して設けられることにより、タングステン含有層5を表面に形成することによる基材2の柔軟性および伸縮性の低下を抑制することができる。
【0031】
タングステン含有層5は、タングステン含有粉4のみの集合体によって形成する場合には、たとえば、タングステン含有粉4を分散させた揮発性溶液を基材2の表面に塗布して、揮発性溶液を揮発させることによって、タングステン含有粉4のみを基材2表面に堆積させることによって形成することができる。あるいは、タングステン含有層5は、スパッタリングなどの公知の成膜技術を用いて形成することもできる。
【0032】
タングステン含有層5は、タングステン含有粉4を分散させた母材により形成する場合には、母材原料にタングステン含有粉4を混合したものを基材2の表面に塗布して形成することもできるし、母材原料にタングステン含有粉4を混合してフィルム状に形成したものを基材2の表面に接着することにより形成することもできる。母材原料としては、合成樹脂および/もしくはゴム、合成繊維および/もしくは天然繊維、または、それらの組み合わせを用いることができる。
【0033】
より具体的には、タングステン含有層5は、たとえば、合成樹脂および/またはゴムとタングステン含有粉4とを混合してできる液状体を基材2の表面に塗布して乾燥させることにより形成することができる。あるいは、タングステン含有層5は、合成樹脂および/またはゴムとタングステン含有粉4を混合してできる液状体をインクジェット方式で基材2の表面に吹き付けることにより形成することができる。あるいは、タングステン含有層5は、合成樹脂および/またはゴムとタングステン含有粉4を混合してフィルム状に形成したものを熱融着や接着剤などの公知の接着手段により基材2の表面に接着することにより形成することができる。あるいは、タングステン含有層5は、タングステン含有粉4を含む合成繊維および/または天然繊維からなる不織布、織布または編布を熱融着や接着剤などの公知の接着手段により基材2の表面に接着することにより形成することができる。
【0034】
タングステン含有層5を形成する母材に含まれる合成樹脂およびゴムとしては、それぞれ、特に限定されることはなく、たとえば、ポリウレタン、ポリエステル、塩化ビニル、オレフィン、ポリカーボネート、ポリサルフィン、ポリフェニレンサルファイド、ポリイミド、エラストマーなどの合成樹脂、および、ウレタンゴム、シリコンゴム、エチレンプロピレンゴム、ニトリルゴム、水素化ニトリルゴム、スチレンプロピレンゴム、天然ゴムなどのゴムを用いることができる。
【0035】
タングステン含有層5を形成する母材に含まれる合成繊維および天然繊維としては、それぞれ、特に限定されることはなく、ポリエステル繊維、ポリアクリル繊維、ポリウレタン繊維、ナイロン繊維、レーヨン繊維などの合成繊維、および、毛、綿、麻、絹などの天然繊維を用いることができる。
【0036】
タングステン含有粉4が基材2に含まれる第4実施形態(
図4参照)においては、予め形成された基材2の表面からタングステン含有粉4を含浸させることによって、基材2にタングステン含有粉4を含ませてもよいし、基材2の構成材料にタングステン含有粉4を混合したもので基材2を形成することによって、基材2にタングステン含有粉4を含ませてもよいし、またはそれらの組み合わせによって、基材2にタングステン含有粉4を含ませてもよい。
【0037】
基材2の表面からタングステン含有粉4を含浸させる方法としては、たとえば、合成繊維および/または天然繊維からなる不織布、織布または編布として予め形成された基材2の表面に、タングステン含有粉4を含む液状体を塗布することにより、合成繊維および/または天然繊維の隙間にタングステン含有粉4を含浸させて、固着させる方法が挙げられる。
【0038】
基材2の構成材料とタングステン含有粉4を混合したもので基材2を形成する方法としては、たとえば、基材2の構成材料である合成樹脂および/またはゴムとタングステン含有粉4とを混合してできる混合物からフィルム状の基材2を形成する方法や、タングステン含有粉4を含む合成繊維および/または天然繊維により不織布、織布または編布として基材2を形成する方法が挙げられる。
【0039】
タングステン含有粉4が基材2に含まれるとともに、タングステン含有層5が基材2の表面に設けられる第5実施形態(
図5参照)においては、第4実施形態の説明で示された基材2に、第1~第3実施形態の説明で示されたタングステン含有層5が設けられることによって、粘着テープ1が形成される。
【0040】
タングステン含有層4が粘着剤層3に含まれる第6および第7実施形態においては、たとえば、
図6に示される第6実施形態では、タングステン含有粉4を含む粘着剤層3が単層として設けられ、また、
図7に示される第7実施形態では、タングステン含有粉4を含む層31と含まない層32とを備える複層として粘着剤層3が設けられる。粘着剤層3は、もともと粘性を有する材料により形成されるので、タングステン含有粉4を混合しやすく、混合後の加工性にも優れる。したがって、粘着テープ1は、粘着剤層3にタングステン含有粉4を含有させることで、他の構成要素に含有させる場合と比べて、その製造が容易となる。
【0041】
第6実施形態の粘着テープ1では、粘着剤層3は、
図6に示されるように、基材2の一方の面(
図6中、上側の面)に、タングステン含有粉4を含む単層として設けられる。粘着剤層3は、タングステン含有粉4を含ませることができれば、その形成方法は特に限定されることはない。粘着剤層3は、たとえば、タングステン含有粉4を混合した粘着剤を基材2の一方の面に設けることで形成することもできるし、基材2の一方の面に設けられた粘着剤層に、タングステン含有粉4を含む液状体を塗布することにより、タングステン含有粉4を含浸させることで形成することもできる。
【0042】
第7実施形態の粘着テープ1では、粘着剤層3は、
図7に示されるように、タングステン含有粉4が含まれる第1の粘着剤層31と、タングステン含有粉4が含まれない第2の粘着剤層32とを備える。第1の粘着剤層31は、基材2の少なくとも一方の面に設けられ、第2の粘着剤層32は、第1の粘着剤層31の、基材2とは反対側の面に設けられる。
図7から理解できるように、タングステン含有粉4が含まれない第2の粘着剤層32は、粘着剤層3の、貼付対象に貼り付けられる側に設けられる。タングステン含有粉4が含まれない第2の粘着剤層32が、貼付対象に貼り付けられる側に設けられることで、粘着テープ1を貼付対象に貼り付けたときにタングステン含有粉4が貼付対象に与える影響を小さくすることができる。ただし、第1および第2の粘着剤層31、32は、図示された積層順に限定されることはなく、図示された例とは逆の順に積層されてもよい。
【0043】
第7実施形態における粘着剤層3は、第1および第2の粘着剤層31、32を互いに積層することができれば、その形成方法は特に限定されない。粘着剤層3は、たとえば、基材2の一方の面に第1の粘着剤層31を設けた後に第2の粘着剤層32を設けることで形成してもよいし、第1および第2の粘着剤層31、32を予め互いに積層してから基材2の一方の面に設けることで形成してもよい。
【0044】
第1および第2の粘着剤層31、32を構成する粘着剤としては、特に限定されることはなく、天然ゴム系粘着剤、合成ゴム系粘着剤、アクリル系粘着剤、ウレタン系粘着剤、シリコーン系粘着剤などの公知の粘着剤を用いることができる。
【0045】
タングステン含有粉4が含まれる第1の粘着剤層31は、特に限定されることはなく、たとえば、タングステン含有粉4を混合した粘着剤を基材2の一方の面に設けることで形成することもできるし、基材2の一方の面に設けられた粘着剤層に、タングステン含有粉4を含む液状体を塗布することにより、タングステン含有粉4を含浸させることで形成することもできる。
【0046】
以上に説明した第1~第7実施形態の粘着テープ1は、それぞれ単独で構成することもできるし、互いに組み合わせて構成することもできる。
【符号の説明】
【0047】
1 粘着テープ
2 基材
3 粘着剤層
31 第1の粘着剤層
32 第2の粘着剤層
4 タングステン含有粉
5 タングステン含有層
B 絆創膏
P 吸収パッド