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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024005118
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】車両の制御装置
(51)【国際特許分類】
   B60W 20/15 20160101AFI20240110BHJP
   B60K 6/48 20071001ALI20240110BHJP
   B60W 10/02 20060101ALI20240110BHJP
   B60W 10/08 20060101ALI20240110BHJP
   B60W 20/40 20160101ALI20240110BHJP
   F16D 48/06 20060101ALI20240110BHJP
   B60L 15/20 20060101ALI20240110BHJP
   B60L 50/16 20190101ALI20240110BHJP
【FI】
B60W20/15
B60K6/48 ZHV
B60W10/02 900
B60W10/08 900
B60W20/40
F16D28/00 A
B60L15/20 K
B60L50/16
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022105158
(22)【出願日】2022-06-29
(71)【出願人】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】519314766
【氏名又は名称】株式会社BluE Nexus
(74)【代理人】
【識別番号】100085361
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 治幸
(74)【代理人】
【識別番号】100147669
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 光治郎
(72)【発明者】
【氏名】塚本 典弘
(72)【発明者】
【氏名】竹市 章
(72)【発明者】
【氏名】仲西 直器
(72)【発明者】
【氏名】田中 昭吾
(72)【発明者】
【氏名】熊田 拓郎
【テーマコード(参考)】
3D202
3J057
5H125
【Fターム(参考)】
3D202AA08
3D202BB12
3D202BB15
3D202BB16
3D202BB37
3D202BB65
3D202BB67
3D202CC04
3D202CC24
3D202CC52
3D202CC84
3D202DD01
3D202DD06
3D202DD24
3D202DD26
3D202DD33
3D202DD34
3D202DD39
3D202DD40
3D202DD41
3D202FF12
3D202FF13
3J057BB02
3J057GA66
3J057HH01
3J057JJ01
5H125AA01
5H125AC08
5H125AC12
5H125BA00
5H125BD17
5H125BE05
5H125CA02
5H125CA09
5H125DD05
5H125EE08
5H125EE42
(57)【要約】
【課題】エンジンの始動に際してショックを抑制すると共に、電動機による回生制動の作動に際してエネルギー効率の悪化を抑制する。
【解決手段】モータ走行中には、エンジンの始動前からスリップ制御が行われているので、速やかにエンジンの始動を開始でき、又、エンジンの始動に伴うトルク変動によるショックを抑制することができる。加えて、モータ走行中にエンジンの始動が開始されず、且つ、第2クラッチへの入力トルクが所定トルクを下回った場合には、スリップ制御が終了させられ、第2クラッチが係合状態とされるので、アクセルオフ且つブレーキオンに伴って回生制動が作動させられるときには第2クラッチが係合状態とされ易い。よって、エンジンの始動に際してショックを抑制することができると共に、電動機による回生制動の作動に際してエネルギー効率の悪化を抑制することができる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンと、前記エンジンと駆動輪との間の動力伝達経路に動力伝達可能に連結された電動機と、前記動力伝達経路における前記エンジンと前記電動機との間に設けられた第1クラッチと、前記動力伝達経路における前記電動機と前記駆動輪との間に設けられた第2クラッチと、を備えた車両の、制御装置であって、
前記第1クラッチの解放状態において前記電動機のみを動力源に用いて走行するモータ走行から前記第1クラッチの係合状態において少なくとも前記エンジンを動力源に用いて走行するエンジン走行への切替えを、前記第2クラッチをスリップ状態とするスリップ制御を行っている状態において実行するものであり、
前記モータ走行中には、前記エンジン走行への切替えに伴って前記エンジンを始動する前から前記スリップ制御を行うと共に、前記モータ走行中に前記エンジンの始動が開始されず、且つ、前記第2クラッチへの入力トルクが所定トルクを下回った場合には、前記スリップ制御を終了し、前記第2クラッチを係合状態とすることを特徴とする車両の制御装置。
【請求項2】
前記スリップ制御は、前記第2クラッチを前記車両に対する要求駆動トルクを実現する前記第2クラッチへの入力トルクに応じたトルク容量にて制御している状態において、前記第2クラッチの入力回転速度と出力回転速度との回転速度差であるスリップ量を前記入力トルクが小さい程小さくされた目標スリップ量とするように前記電動機の出力を制御する回転速度制御であることを特徴とする請求項1に記載の車両の制御装置。
【請求項3】
前記第2クラッチへの入力トルクが前記所定トルクの近傍まで低下した場合には、前記入力トルクが前記所定トルクを下回るまでの間、前記目標スリップ量をゼロ値に設定することを特徴とする請求項2に記載の車両の制御装置。
【請求項4】
前記第2クラッチをパッククリアランスが詰められたパック詰め完了状態とするように制御するときのトルク容量を、前記第2クラッチのトルク容量の下限値とするものであり、
前記所定トルクは、前記第2クラッチのトルク容量の下限値、又は、前記下限値に対して予め定められたばらつき分を減じた値であることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の車両の制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エンジン及び電動機と駆動輪との間にクラッチを備えた車両の制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
エンジンと、前記エンジンと駆動輪との間の動力伝達経路に動力伝達可能に連結された電動機と、前記動力伝達経路における前記エンジンと前記電動機との間に設けられた第1クラッチと、前記動力伝達経路における前記電動機と前記駆動輪との間に設けられた第2クラッチと、を備えた車両の制御装置が良く知られている。例えば、特許文献1に記載された車両の制御装置がそれである。この特許文献1には、第1クラッチの解放状態且つ第2クラッチの係合状態において電動機のみを動力源に用いて走行するモータ走行中に第1クラッチを係合状態に向けて制御することでエンジンを始動する際には、第2クラッチをスリップ状態又は解放状態とすることが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5794377号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、モータ走行中にエンジンを始動する場合、例えば始動ショックの抑制とレスポンスの向上との観点から、第2クラッチをエンジンの始動の開始前からスリップ状態に制御することが考えられる。ところで、第2クラッチをスリップ状態に制御しているときにエンジンの始動が開始されず、更にブレーキペダルが踏まれた場合、第2クラッチがスリップ状態とされたまま電動機による回生制動が作動させられる。そうすると、電動機に伝達される駆動輪からの被駆動トルクの一部が第2クラッチのスリップで失われる為、回生効率が低下し、その結果、エネルギー効率が悪化するおそれがある。
【0005】
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、エンジンの始動に際してショックを抑制することができると共に、電動機による回生制動の作動に際してエネルギー効率の悪化を抑制することができる車両の制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の発明の要旨とするところは、(a)エンジンと、前記エンジンと駆動輪との間の動力伝達経路に動力伝達可能に連結された電動機と、前記動力伝達経路における前記エンジンと前記電動機との間に設けられた第1クラッチと、前記動力伝達経路における前記電動機と前記駆動輪との間に設けられた第2クラッチと、を備えた車両の、制御装置であって、(b)前記第1クラッチの解放状態において前記電動機のみを動力源に用いて走行するモータ走行から前記第1クラッチの係合状態において少なくとも前記エンジンを動力源に用いて走行するエンジン走行への切替えを、前記第2クラッチをスリップ状態とするスリップ制御を行っている状態において実行するものであり、(c)前記モータ走行中には、前記エンジン走行への切替えに伴って前記エンジンを始動する前から前記スリップ制御を行うと共に、前記モータ走行中に前記エンジンの始動が開始されず、且つ、前記第2クラッチへの入力トルクが所定トルクを下回った場合には、前記スリップ制御を終了し、前記第2クラッチを係合状態とすることにある。
【発明の効果】
【0007】
前記第1の発明によれば、モータ走行中には、エンジンの始動前からスリップ制御が行われているので、速やかにエンジンの始動を開始でき、又、エンジンの始動に伴うトルク変動によるショックを抑制することができる。加えて、モータ走行中にエンジンの始動が開始されず、且つ、第2クラッチへの入力トルクが所定トルクを下回った場合には、スリップ制御が終了させられ、第2クラッチが係合状態とされるので、アクセルオフ且つブレーキオンに伴って回生制動が作動させられるときには第2クラッチが係合状態とされ易い。よって、エンジンの始動に際してショックを抑制することができると共に、電動機による回生制動の作動に際してエネルギー効率の悪化を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明が適用される車両の概略構成を説明する図であると共に、車両における各種制御の為の制御機能及び制御系統の要部を説明する図である。
図2】WSC入力トルクとWSC目標差回転速度との予め定められた関係を示す図である。
図3】電子制御装置の制御作動の要部を説明するフローチャートであり、エンジン12の始動に際してショックを抑制すると共に電動機MGによる回生制動の作動に際してエネルギー効率の悪化を抑制する為の制御作動を説明するフローチャートである。
図4図3のフローチャートに示す制御作動を実行した場合のタイムチャートの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施例を図面を参照して詳細に説明する。
【実施例0010】
図1は、本発明が適用される車両10の概略構成を説明する図であると共に、車両10における各種制御の為の制御機能及び制御系統の要部を説明する図である。図1において、車両10は、動力源として機能する、エンジン12及び電動機MGを備えたハイブリッド車両である。又、車両10は、駆動輪14と、エンジン12と駆動輪14との間の動力伝達経路に設けられた動力伝達装置16と、を備えている。
【0011】
エンジン12は、公知の内燃機関である。エンジン12は、後述する電子制御装置90によって、車両10に備えられたエンジン制御装置50が制御されることによりエンジン12のトルクであるエンジントルクTeが制御される。
【0012】
電動機MGは、電力から機械的な動力を発生させる発動機としての機能及び機械的な動力から電力を発生させる発電機としての機能を有する公知の回転電気機械であって、所謂モータジェネレータである。電動機MGは、車両10に備えられたインバータ52を介して、車両10に備えられたバッテリ54に接続されている。電動機MGは、後述する電子制御装置90によってインバータ52が制御されることにより、電動機MGのトルクであるMGトルクTmが制御される。MGトルクTmは、例えば電動機MGの回転方向がエンジン12の運転時と同じ回転方向である正回転の場合、バッテリ54からの電力により動力を発生する加速側となる正トルクでは力行トルクである。MGトルクTmは、例えば正回転の場合、エンジン12の動力や駆動輪14側から入力される被駆動力により発電を行う減速側となる負トルクでは回生トルクである。前記電力は、特に区別しない場合には電気エネルギーも同意である。前記動力は、特に区別しない場合には駆動力、トルク、及び力も同意である。
【0013】
動力伝達装置16は、車体に取り付けられる非回転部材であるケース18内において、断接クラッチK0、発進クラッチWSC、自動変速機20、減速ギヤ機構22、減速ギヤ機構22に連結されたディファレンシャルギヤ24等を備えている。断接クラッチK0は、エンジン12と駆動輪14との間の動力伝達経路におけるエンジン12と電動機MGとの間に設けられた第1クラッチである。発進クラッチWSCは、エンジン12と駆動輪14との間の動力伝達経路における電動機MGと駆動輪14との間に設けられた第2クラッチである。減速ギヤ機構22は、自動変速機20の出力回転部材である変速機出力歯車26に連結されている。
【0014】
又、動力伝達装置16は、ディファレンシャルギヤ24に連結された1対のドライブシャフト28等を備えている。又、動力伝達装置16は、ケース18内において、エンジン12と断接クラッチK0とを連結するエンジン連結軸30、断接クラッチK0と発進クラッチWSCとを連結する電動機連結軸32等を備えている。又、動力伝達装置16は、ケース18内において、機械オイルポンプ34、電動機連結軸32と機械オイルポンプ34とを連結する伝達部材36等を備えている。伝達部材36は、例えばスプロケット及びチェーンで構成されている。機械オイルポンプ34は、動力源(エンジン12、電動機MG)により駆動させられて動力伝達装置16にて用いられる作動油OILを吐出する。
【0015】
電動機MGは、ケース18内において、電動機連結軸32に動力伝達可能に連結されている。つまり、電動機MGは、エンジン12と駆動輪14との間の動力伝達経路に動力伝達可能に連結されている。
【0016】
断接クラッチK0は、例えば公知の摩擦係合装置である。断接クラッチK0は、車両10に備えられた油圧制御回路56から供給される調圧されたK0油圧PRk0により断接クラッチK0のトルク容量であるK0トルク容量Tk0が変化させられることで、係合状態、スリップ状態、解放状態などの作動状態つまり制御状態が切り替えられる。
【0017】
発進クラッチWSCは、例えば油圧アクチュエータにより押圧される多板式のクラッチにより構成される湿式の摩擦係合装置である。発進クラッチWSCは、油圧制御回路56から供給される調圧されたWSC油圧PRwscにより発進クラッチWSCのトルク容量であるWSCトルク容量Twscが変化させられることで、制御状態が切り替えられる。
【0018】
発進クラッチWSCの入力側部材は、電動機連結軸32と一体的に連結されている。発進クラッチWSCの出力側部材は、自動変速機20の入力回転部材である変速機入力軸38と一体的に連結されている。発進クラッチWSCが備える油圧アクチュエータは、ピストン、リターンスプリング、油室などによって構成されている。発進クラッチWSCにおいて、WSC油圧PRwscが油室に供給されると、ピストンがリターンスプリングの付勢力に抗して発進クラッチWSCの複数の摩擦板の方向に移動し、WSC油圧PRwscによりWSCトルク容量Twscが変化させられることで、制御状態が切り替えられる。発進クラッチWSCでは、油室に作動油OILが充填され、ピストンの押し付け力によって複数の摩擦板の間のクリアランスが詰められた状態、すなわち発進クラッチWSCのパッククリアランスが詰められた状態とされると、所謂パック詰め完了状態とされる。発進クラッチWSCは、パック詰め完了状態から更にWSC油圧PRwscが増大させられることで、WSCトルク容量Twscが発生させられる。パック詰め完了状態とする為のWSC油圧PRwscは、ピストンがストロークエンドに到達し、且つWSCトルク容量Twscが発生していない状態とする為のWSC油圧PRwsc、つまりパックストロークエンド(=PSE)圧PRpseである。本実施例では、WSC油圧PRwscがPSE圧PRpseのときのWSCトルク容量Twscを、PSEトルクTpseと称する。WSC油圧PRwscがPSE圧PRpse以上とされると、WSC油圧PRwscに比例してWSCトルク容量Twscが増大させられる。尚、発進クラッチWSCは湿式の摩擦係合装置である為、WSC油圧PRwscがPSE圧PRpse以下とされるストロークバック領域では、引き摺り損失に対応するWSCトルク容量Twscが発生させられる。
【0019】
自動変速機20は、例えば遊星歯車装置と係合装置CBとを備えている、公知の遊星歯車式の自動変速機である。係合装置CBは、例えば複数の公知の摩擦係合装置を含んでいる。係合装置CBは、各々、油圧制御回路56から供給される調圧されたCB油圧PRcbによりそれぞれのトルク容量であるCBトルク容量Tcbが変化させられることで、制御状態が切り替えられる。
【0020】
自動変速機20は、係合装置CBのうちの何れかの係合装置が係合されることによって、変速比γat(=入力回転速度Ni/出力回転速度No)が異なる複数の変速段のうちの何れかの変速段が形成される。入力回転速度Niは、変速機入力軸38の回転速度であり、自動変速機20の入力回転速度である。入力回転速度Niは、発進クラッチWSCの出力側部材の回転速度でもある。出力回転速度Noは、変速機出力歯車26の回転速度であり、自動変速機20の出力回転速度である。
【0021】
機械オイルポンプ34、及び、車両10に備えられた、ポンプ用モータ60によって駆動される電動オイルポンプ58のうちの少なくとも一方が吐出した作動油OILは、油圧制御回路56へ供給される。
【0022】
車両10は、ホイールブレーキ装置62を備えている。駆動輪14を含む車両10の車輪は、各々、ホイールブレーキ64を備えている。ホイールブレーキ装置62は、後述する電子制御装置90からの指令に従って、ホイールブレーキ64による制動トルクTBである車輪制動トルクTBwを車輪に付与する。ホイールブレーキ装置62では、通常時には、ブレーキ操作量Braに対応した大きさの車輪制動トルクTBwを付与する。一方で、ホイールブレーキ装置62では、例えば自動ブレーキ機能作動時、回生制御時などのときには、各制御で必要な大きさの車輪制動トルクTBwを付与する。ブレーキ操作量Braは、ブレーキペダルの踏力に対応する、運転者によるブレーキペダルの踏込操作の大きさつまりブレーキ操作の大きさを表す信号である。
【0023】
車両10は、更に、車両10の制御装置を含むコントローラとしての電子制御装置90を備えている。電子制御装置90は、例えばCPU、RAM、ROM、入出力インターフェース等を備えた所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、車両10の各種制御を実行する。
【0024】
電子制御装置90には、車両10に備えられた各種センサ70、72、74、76、78、80、82、84、86などによる検出値に基づく各種信号等(例えばエンジン12の回転速度であるエンジン回転速度Ne、電動機MGの回転速度であって発進クラッチWSCの入力側部材の回転速度でもあるMG回転速度Nm、入力回転速度Ni、車速Vに対応する出力回転速度No、アクセル開度θacc、スロットル弁開度θth、ブレーキオン信号Bon、ブレーキ操作量Bra、バッテリ温度THbat、バッテリ充放電電流Ibat、バッテリ電圧Vbat、作動油OILの温度である作動油温THoilなど)が、それぞれ供給される。
【0025】
電子制御装置90からは、車両10に備えられた各装置50、52、56、60、62などに各種指令信号等(例えばエンジン制御指令信号Se、MG制御指令信号Sm、CB油圧制御指令信号Scb、K0油圧制御指令信号Sk0、WSC油圧制御指令信号Swsc、電動オイルポンプ制御指令信号Seop、ブレーキ制御指令信号Sbraなど)が、それぞれ出力される。
【0026】
電子制御装置90は、車両10における各種制御を実現する為に、動力源制御手段すなわち動力源制御部92、クラッチ制御手段すなわちクラッチ制御部94、及び制動制御手段すなわち制動制御部96を備えている。
【0027】
動力源制御部92は、エンジン12の作動を制御する機能と、電動機MGの作動を制御する機能と、を含んでおり、それらの制御機能によりエンジン12及び電動機MGによるハイブリッド駆動制御等を実行する。
【0028】
動力源制御部92は、例えば駆動要求量マップにアクセル開度θacc及び車速Vを適用することで、運転者による車両10に対する駆動要求量を算出する。前記駆動要求量マップは、予め実験的に或いは設計的に求められて記憶された、すなわち予め定められた、前記駆動要求量を求める為の関係である。前記駆動要求量は、例えば駆動輪14における要求駆動トルクTrdem[Nm]である。要求駆動トルクTrdemは、見方を換えればそのときの車速Vにおける要求駆動パワーPrdem[W]である。前記駆動要求量としては、駆動輪14における要求駆動力Frdem[N]等を用いることもできる。動力源制御部92は、伝達損失、補機負荷、自動変速機20の変速比γat等を考慮して、要求駆動パワーPrdemを実現するように、エンジン12を制御するエンジン制御指令信号Seと、電動機MGを制御するMG制御指令信号Smと、を出力する。
【0029】
動力源制御部92は、電動機MGの出力のみで要求駆動パワーPrdemを賄える場合には、車両10を駆動する駆動モードをBEV駆動モードとする。BEV駆動モードは、断接クラッチK0の解放状態において、電動機MGのみを動力源に用いて走行するモータ走行(=BEV走行)が可能なモータ駆動モードである。一方で、動力源制御部92は、少なくともエンジン12の出力を用いないと要求駆動パワーPrdemを賄えない場合には、駆動モードをエンジン駆動モードつまりHEV駆動モードとする。HEV駆動モードは、断接クラッチK0の係合状態において、少なくともエンジン12を動力源に用いて走行するエンジン走行つまりハイブリッド走行(=HEV走行)が可能なハイブリッド駆動モードである。他方で、動力源制御部92は、電動機MGの出力のみで要求駆動パワーPrdemを賄える場合であっても、バッテリ54の充電が必要な場合やエンジン12等の暖機が必要な場合などには、HEV駆動モードを成立させる。
【0030】
動力源制御部92は、エンジン12の制御状態を停止状態から運転状態へ切り替えるエンジン始動要求の有無を判定する。例えば、動力源制御部92は、BEV駆動モード時に、要求駆動パワーPrdemが電動機MGの出力のみで賄える範囲よりも増大したか否か、又は、エンジン12等の暖機が必要であるか否か、又は、バッテリ54の充電が必要であるか否かなどに基づいて、エンジン始動要求が有るか否かを判定する。
【0031】
クラッチ制御部94は、動力源制御部92によりエンジン始動要求が有ると判定された場合には、エンジン12の始動制御を実行するように断接クラッチK0を制御する。例えば、クラッチ制御部94は、クランキングトルクTcrをエンジン12側へ伝達する為のK0トルク容量Tk0が得られるように、解放状態の断接クラッチK0を係合状態に向けて制御する為のK0油圧制御指令信号Sk0を出力する。クランキングトルクTcrは、エンジン回転速度Neを引き上げるエンジン12のクランキングに必要な所定のトルクである。
【0032】
動力源制御部92は、エンジン始動要求が有ると判定した場合には、エンジン12の始動制御を実行するようにエンジン12及び電動機MGを制御する。例えば、動力源制御部92は、クラッチ制御部94による断接クラッチK0の係合状態への切替えに合わせて、電動機MGがクランキングトルクTcrを出力する為のMG制御指令信号Smを出力する。又、動力源制御部92は、エンジン12のクランキングに連動して、燃料供給やエンジン点火などを開始する為のエンジン制御指令信号Seを出力する。
【0033】
クラッチ制御部94は、例えば予め定められた関係である変速マップを用いて自動変速機20の変速判断を行い、必要に応じて自動変速機20の変速段を切り替える為のCB油圧制御指令信号Scbを出力する。前記変速マップは、例えば車速V及び要求駆動トルクTrdemを変数とする二次元座標上に、自動変速機20の変速が判断される為の変速線を有する所定の関係である。
【0034】
制動制御部96は、例えば運転者によるアクセル操作(例えばアクセル開度θacc、アクセル開度θaccの減少速度)、車速V、降坂路の勾配、運転者によるブレーキ操作(例えばブレーキ操作量Bra、ブレーキ操作量Braの増大速度)などに基づいて要求制動トルクTBdemを設定する。制動制御部96は、車両10の減速走行中には、要求制動トルクTBdemが得られるように車両10の制動トルクTBを発生させる。要求制動トルクTBdemは、基本的には、車輪制動トルクTBwに対する要求制動トルクであり、車輪制動トルクTBwによって実現されるものであるが、例えばエネルギー効率の向上の観点から回生制動トルクTBrによって優先して実現される。回生制動トルクTBrは、電動機MGの回生による制動すなわち回生制動によって得られる制動トルクTBである。
【0035】
ここで、動力源制御部92は、BEV走行からHEV走行への切替えを、発進クラッチWSCのスリップ制御CNslpを行っている状態において実行する。スリップ制御CNslpは、発進クラッチWSCをスリップ状態とする制御である。これにより、エンジン12の始動制御に伴うトルク変動による始動ショックを抑制することができる。始動ショックは、例えば断接クラッチK0の半係合時、同期時、同期後のエンジントルクTeの制御誤差に起因する。
【0036】
クラッチ制御部94は、スリップ制御CNslpの実行中には、発進クラッチWSCを車両10に対する要求駆動トルクTrdemを実現するWSC入力トルクTinwに応じたWSCトルク容量Twscにて制御する。つまり、クラッチ制御部94は、スリップ制御CNslpの実行中には、要求駆動トルクTrdemを実現するWSC入力トルクTinwと同等のWSCトルク容量Twscが得られるように発進クラッチWSCを制御する。WSC入力トルクTinwは、発進クラッチWSCへの入力トルクである。要求駆動トルクTrdemを実現するWSC入力トルクTinwは、例えば損失等を考慮して要求駆動トルクTrdemを電動機連結軸32上に換算したトルク、つまりWSC要求トルクである。
【0037】
動力源制御部92は、WSC要求トルクと同等のWSCトルク容量Twscとなるように発進クラッチWSCが制御されている状態において、要求駆動パワーPrdemを実現する電動機MGの出力であるMGパワーPmを所定量増加することで、スリップ制御CNslpを行う。MGパワーPmの増加分は、発進クラッチWSCがスリップ状態とされることで消費されるが、要求駆動パワーPrdemを実現するMGパワーPm分は、駆動輪14へ伝達される。
【0038】
アクセル踏み込み時は電動機MGのみでは駆動力不足となる為、速やかにHEV走行に移行する必要がある。これに対して、動力源制御部92は、BEV走行中には、HEV走行への切替えに伴ってエンジン12を始動する前からスリップ制御CNslpを行う。つまり、動力源制御部92は、BEV走行中には、エンジン12の始動に備えて、スリップ制御CNslpを行う。本実施例では、BEV走行中に行うスリップ制御CNslpを、BEV時WSCスリップ制御CNslpevと称する。
【0039】
アクセルオフ時やアクセル弱踏み時のエンジン12の始動であれば、アクセル踏み込み時の始動に比べて電動機MGのみでも駆動力不足となり難いので、エンジン始動要求が有ると判定された後に、発進クラッチWSCをゆっくりとショックや加速度変動を抑制しながらスリップ状態とすれば良い。別の観点では、BEV走行中にエンジン12が始動されないままアクセルが戻され、ブレーキオンとされると、発進クラッチWSCがスリップ状態とされたまま電動機MGによる回生制動が作動させられる。そうすると、発進クラッチWSCのスリップによって回生効率が低下し、エネルギー効率が悪化するおそれがある。
【0040】
そこで、動力源制御部92は、WSC入力トルクTinwが比較的大きい場合には、BEV時WSCスリップ制御CNslpevを実行し、WSC入力トルクTinwが比較的小さい場合には、BEV時WSCスリップ制御CNslpevを実行しない。つまり、動力源制御部92は、BEV走行中にエンジン12の始動が開始されず、且つ、WSC入力トルクTinwが所定トルクTinfを下回った場合には、BEV時WSCスリップ制御CNslpevを終了し、発進クラッチWSCを係合状態とする。
【0041】
所定トルクTinfは、例えばWSCトルク容量Twscの下限値、又は、WSCトルク容量Twscの下限値に対して予め定められたばらつき分を減じた値である。WSCトルク容量Twscを速やかに上昇させるという観点では、クラッチ制御部94は、発進クラッチWSCをパック詰め完了状態とするように制御するときのWSCトルク容量TwscすなわちPSEトルクTpseを、WSCトルク容量Twscの下限値として制御する。
【0042】
BEV走行中には、所定トルクTinfを境として、発進クラッチWSCが係合状態とスリップ状態との間で切り替えられる。特に、発進クラッチWSCが係合状態とされるときの係合ショックが懸念される。これに対して、BEV時WSCスリップ制御CNslpevにおけるWSC目標差回転速度ΔNwsctgtを、WSC入力トルクTinwに応じて変更する。例えば、WSC入力トルクTinwが小さい程、WSC目標差回転速度ΔNwsctgtを小さく設定する。WSC目標差回転速度ΔNwsctgtは、WSC差回転速度ΔNwscの目標値である。WSC差回転速度ΔNwscは、発進クラッチWSCの差回転速度であって、発進クラッチWSCの入力回転速度と出力回転速度との回転速度差であるスリップ量である。WSC目標差回転速度ΔNwsctgtは、目標スリップ量である。発進クラッチWSCの入力回転速度は、発進クラッチWSCの入力側部材の回転速度であって、MG回転速度Nmと同値である。発進クラッチWSCの出力回転速度は、発進クラッチWSCの出力側部材の回転速度であって、入力回転速度Niと同値である。つまり、WSC差回転速度ΔNwscは、MG回転速度Nmと入力回転速度Niとの回転速度差である。本実施例では、MG回転速度Nmから入力回転速度Niを減算したときの値をWSC差回転速度ΔNwsc(=Nm-Ni)とする。
【0043】
図2は、WSC入力トルクTinwとWSC目標差回転速度ΔNwsctgtとの予め定められた関係を示す図である。図2において、WSC目標差回転速度ΔNwsctgtは、WSC入力トルクTinwが小さい程、小さな値が設定されている。動力源制御部92は、BEV時WSCスリップ制御CNslpevを実行する際には、例えば図2の関係にWSC入力トルクTinwを適用することでWSC目標差回転速度ΔNwsctgtを算出し、MG回転速度Nmの目標値である目標MG回転速度Nmtgtを設定する。目標MG回転速度Nmtgtは、WSC目標差回転速度ΔNwsctgtに入力回転速度Niを加算した値(=ΔNwsctgt+Ni)である。動力源制御部92は、MG回転速度Nmを目標MG回転速度Nmtgtとするように、フィードバック制御によってMGパワーPmを制御する。
【0044】
このように、スリップ制御CNslpは、発進クラッチWSCを要求駆動トルクTrdemを実現するWSC入力トルクTinwに応じたWSCトルク容量Twscにて制御している状態において、WSC差回転速度ΔNwscをWSC入力トルクTinwが小さい程小さくされたWSC目標差回転速度ΔNwsctgtとするようにMGパワーPmを制御する回転速度制御である。
【0045】
動力源制御部92は、WSC入力トルクTinwが低下して所定トルクTinfに近づいたときには、WSCトルク容量Twscがばらついても発進クラッチWSCが意図せず滑らないように、WSC目標差回転速度ΔNwsctgtをゼロ値としてBEV時WSCスリップ制御CNslpevを実行する。このように、動力源制御部92は、WSC入力トルクTinwが所定トルクTinfの近傍まで低下した場合には、WSC入力トルクTinwが所定トルクTinfを下回るまでの間、WSC目標差回転速度ΔNwsctgtをゼロ値に設定する。
【0046】
BEV時WSCスリップ制御CNslpevでは、発進クラッチWSCのスリップに伴う回生制動中の回生損失低減と、発進クラッチWSCの係合ショック抑制と、を両立することができる。
【0047】
図3は、電子制御装置90の制御作動の要部を説明するフローチャートであって、エンジン12の始動に際してショックを抑制すると共に電動機MGによる回生制動の作動に際してエネルギー効率の悪化を抑制する為の制御作動を説明するフローチャートであり、例えばBEV走行中に繰り返し実行される。
【0048】
図3において、フローチャートの各ステップは動力源制御部92の機能に対応している。ステップ(以下、ステップを省略する)S10において、WSC入力トルクTinwが「所定トルクTinf-α」を下回ったか否かが判定される。「α」は、BEV時WSCスリップ制御CNslpevを実行するか否かの判定において設けられたヒステリシス分である。このS10の判断が否定される場合はS20において、WSC入力トルクTinwが所定トルクTinfを上回っているか否かが判定される。上記S10の判断が肯定される場合はS30において、BEV時WSCスリップ制御CNslpevが終了させられ、発進クラッチWSCが係合状態に遷移させられ、維持させられる。上記S20の判断が肯定される場合はS40において、BEV時WSCスリップ制御CNslpevが作動させられる。上記S20の判断が否定される場合は本ルーチンが終了させられる。尚、図3のフローチャートから明らかなようにBEV時WSCスリップ制御CNslpevは作動と非作動とが繰り返される場合があり、BEV時WSCスリップ制御CNslpevを終了することは、BEV時WSCスリップ制御CNslpevを停止することと同意である。
【0049】
図4は、図3のフローチャートに示す制御作動を実行した場合のタイムチャートの一例を示す図である。図4は、例えばBEV走行中にアクセルペダルが戻された場合の一例を示す図である。図4において、BEV走行中に、BEV時WSCスリップ制御CNslpevを実行させる為の要求フラグであるBEV時WSCスリップ要求フラグがオンとされており、エンジン12の始動に備えて、BEV時WSCスリップ制御CNslpevが実行させられている([1]参照)。アクセルペダルが戻されたことで、エンジン12が始動させられず、又、WSC入力トルクTinwが低下させられる。WSC入力トルクTinwの低下に応じてWSC目標差回転速度ΔNwsctgtがゼロ値に向かって低下させられ、目標MG回転速度Nmtgtに対応するMG回転速度Nmの指令値が低下させられる([2]参照)。WSC入力トルクTinwが所定トルクTinfの近傍まで低下させられると、WSC目標差回転速度ΔNwsctgtがゼロ値とされる([3]参照)。WSCトルク容量Twscは油圧の応答遅れ等によりWSC入力トルクTinwに対して遅れて低下させられる。WSCトルク容量TwscはPSEトルクTpseが下限値とされている([4]参照)。WSC入力トルクTinwが所定トルクTinfを下回ると、BEV時WSCスリップ要求フラグがオフとされ、BEV時WSCスリップ制御CNslpevが終了させられ、発進クラッチWSCを係合状態へ切り替える為のWSC係合指示が出力される(t1時点参照)。その後、WSCトルク容量Twscが増大され、発進クラッチWSCが係合状態へ切り替えられる(t2時点以降参照)。WSC入力トルクTinwが負トルクとされたときには、発進クラッチWSCは完全係合状態とされる([5]参照)。
【0050】
上述のように、本実施例によれば、BEV時WSCスリップ制御CNslpevが行われるので、速やかにエンジン12の始動を開始でき、又、エンジン12の始動ショックを抑制することができる。加えて、WSC入力トルクTinwが所定トルクTinfを下回った場合には、BEV時WSCスリップ制御CNslpevが終了させられるので、電動機MGによる回生制動が作動させられるときには発進クラッチWSCが係合状態とされ易い。よって、エンジン12の始動に際してショックを抑制することができると共に、電動機MGによる回生制動の作動に際してエネルギー効率の悪化を抑制することができる。
【0051】
また、本実施例によれば、BEV時WSCスリップ制御CNslpevは、WSC差回転速度ΔNwscをWSC目標差回転速度ΔNwsctgtとするようにMGパワーPmを制御する回転速度制御であるので、発進クラッチWSCが適切に狙いのスリップ状態とされる。
【0052】
また、本実施例によれば、WSC目標差回転速度ΔNwsctgtは、WSC入力トルクTinwが小さい程、小さな値が設定されるので、アクセルペダルが戻された際の発進クラッチWSCの係合ショックが抑制される。
【0053】
また、本実施例によれば、WSC入力トルクTinwが所定トルクTinfの近傍まで低下した場合には、WSC目標差回転速度ΔNwsctgtがゼロ値に設定されるので、発進クラッチWSCの係合ショックが抑制され、又、発進クラッチWSCの意図せぬスリップが抑制される。
【0054】
また、本実施例によれば、PSEトルクTpseがWSCトルク容量Twscの下限値とされるので、速やかにWSCトルク容量Twscを上昇させられる。又、所定トルクTinfは、WSCトルク容量Twscの下限値、又は、WSCトルク容量Twscの下限値に対して予め定められたばらつき分を減じた値であるので、WSC入力トルクTinwが所定トルクTinfを下回ってからBEV時WSCスリップ制御CNslpevが終了させられることで、発進クラッチWSCの意図せぬスリップが抑制される。
【0055】
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
【0056】
例えば、前述の実施例では、エンジン12と駆動輪14との間の動力伝達経路における電動機MGと駆動輪14との間に設けられた第2クラッチとして、発進クラッチWSCを例示したが、この態様に限らない。例えば、この第2クラッチは、発進クラッチWSCに替えて、自動変速機20を動力伝達不能状態つまりニュートラル状態とすることができる係合装置CBが用いられても良い。又は、発進クラッチWSCに替えてトルクコンバータ等の流体式伝動装置が車両10に備えられる場合には、この第2クラッチは、流体式伝動装置に設けられたロックアップクラッチが用いられても良い。尚、第2クラッチとして発進クラッチWSCが用いられる場合には、自動変速機20は必ずしも備えられている必要はない。
【0057】
尚、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
【符号の説明】
【0058】
10:車両
12:エンジン
14:駆動輪
90:電子制御装置(制御装置)
K0:断接クラッチ(第1クラッチ)
MG:電動機
WSC:発進クラッチ(第2クラッチ)
図1
図2
図3
図4