IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 東洋ガラス株式会社の特許一覧

<>
  • 特開-ブローアンドブロー成形装置 図1
  • 特開-ブローアンドブロー成形装置 図2
  • 特開-ブローアンドブロー成形装置 図3
  • 特開-ブローアンドブロー成形装置 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024051241
(43)【公開日】2024-04-11
(54)【発明の名称】ブローアンドブロー成形装置
(51)【国際特許分類】
   C03B 9/197 20060101AFI20240404BHJP
   C03B 9/193 20060101ALI20240404BHJP
【FI】
C03B9/197
C03B9/193
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022157298
(22)【出願日】2022-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】000222222
【氏名又は名称】東洋ガラス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001379
【氏名又は名称】弁理士法人大島特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】関口 慎一
(72)【発明者】
【氏名】山本 勲
(57)【要約】
【課題】バッフルマークをびんの径方向内側に配置することができるブローアンドブロー成形装置を提供する。
【解決手段】
ブローアンドブロー成形装置1は粗型4、ファンネル5、及びバッフル6を有する。バッフルの下部は、下から順に配置されたバッフル側型面41、第1外周面42、第1姿上面43、及び第2外周面44を有する。第2外周面は、下方に向けて幅が狭くなる円錐面に形成され、ファンネルの内周面上部29と面接触可能である。第1姿上面は、環状の平面に形成され、その外周縁において第2外周面の下端に接続され、第2壁面24と面接触可能である。第1外周面は、第1姿上面の内周縁から下方に向けて延び、下方に向けて幅が狭くなる円錐面に形成され、第3壁面25に面接触可能である。バッフル側型面は第1外周面の下端縁に接続する。バッフルは、第1姿上面に開口する圧縮空気通路51を有する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
粗型、ファンネル、及びバッフルを有し、ガラスゴブからパリソンを成形するためのブローアンドブロー成形装置であって、
前記粗型は、前記粗型の内部に形成された粗型空洞部と、前記粗型空洞部の上端から前記粗型の上端面に延びる上部接続孔とを有し、
前記上部接続孔は、上から順に配置された第1壁面、第2壁面、及び第3壁面によって形成され、
前記第1壁面は、前記粗型の前記上端面から下方に延び、下方に向けて幅が狭くなる円錐面に形成され、
前記第2壁面は、上方を向く環状の平面に形成され、その外周縁において前記第1壁面の下端に接続され、
前記第3壁面は、前記第2壁面の内周縁から下方に向けて前記粗型空洞部の上端に延び、下方に向けて幅が狭くなる円錐面に形成され、
前記ファンネルは、上下に開口した筒形に形成され、
前記ファンネルは、前記第2壁面に面接触可能な下端面と、前記第1壁面に面接触可能な外周面下部と、前記第1壁面と同じ傾きを有する内周面上部とを有し、
前記バッフルの下部は、下から順に配置されたバッフル側型面、第1外周面、第1姿上面、及び第2外周面を有し、
前記第2外周面は、下方に向けて幅が狭くなる円錐面に形成され、前記内周面上部と面接触可能であり、
前記第1姿上面は、環状の平面に形成され、その外周縁において前記第2外周面の下端に接続され、前記第2壁面と面接触可能であり、
前記第1外周面は、前記第1姿上面の内周縁から下方に向けて延び、下方に向けて幅が狭くなる円錐面に形成され、前記第3壁面に面接触可能であり、
前記バッフル側型面は前記第1外周面の下端縁に接続し、
前記バッフルは、前記第1姿上面に開口する圧縮空気通路を有するブローアンドブロー成形装置。
【請求項2】
前記第2外周面は、前記第1壁面と面接触可能である請求項1に記載のブローアンドブロー成形装置。
【請求項3】
前記粗型空洞部の上端は、上方に向けて水平断面積が小さくなっている請求項1に記載のブローアンドブロー成形装置。
【請求項4】
前記粗型空洞部を形成する粗型側型面の上端部と前記第3壁面とのなす角度が70度以上130度以下である請求項3に記載のブローアンドブロー成形装置。
【請求項5】
前記バッフル側型面は、上方に向けて凹んだ凹面に形成され、
前記粗型側型面の上縁は、前記バッフル側型面と滑らかに接続している請求項4に記載のブローアンドブロー成形装置。
【請求項6】
前記バッフルは、前記第2外周面の外周縁から径方向外方に延び、下方を向く第2姿上面を有し、
前記第2姿上面は、前記ファンネルの上端面に面接触可能である請求項1に記載のブローアンドブロー成形装置。
【請求項7】
前記ファンネルは、前記第3壁面の下端の内径よりも小さい内径を有する請求項1に記載のブローアンドブロー成形装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラスゴブからパリソンを成形するためのブローアンドブロー成形装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ガラスゴブからパリソンを成形するためのブローアンドブロー成形装置が公知である。成形装置は、合せ面に空洞部を形成する一対の粗型と、空洞部の下端を閉じると共に、パリソンの口部を形成する口型と、空洞部の上端に接続され、ゴブの空洞部への落下を誘導するファンネルと、空洞部の上端又はファンネルの上端に接続されるバッフルとを有する。バッフルには、セッツルエアーを供給するための空気通路が形成されている。バッフルがファンネルに接続された状態では空気通路の端部がファンネルの内部に接続し、セッツルエアーが空洞部に供給される。一方、バッフルが粗型に直接に接続された状態では空気通路の端部が粗型によって閉塞される。この状態において、バッフルの下端は、パリソンの底部に対応した型面を構成する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第2993874号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の特許文献に係るブローアンドブロー成形装置では、バッフル下部の外周部に設けられたテーパ状のバッフル側当接面が、ファンネル上部の内周面に設けられたテーパ状のファンネル側当接面に面接触することによって、バッフルとファンネルとが接続される。バッフル側当接面は、粗型の上端部に設けられた粗型側当接面に面接触することによってバッフルと粗型とが接続される。ファンネル側当接面は、バッフル側当接面の直径及び粗型側当接面の直径に応じた直径になる。バッフルの型面と粗型の型面との接続部は、パリソンの外周側に配置される。バッフルの型面と粗型の型面との接続部は、バッフルマークとして成形後のガラスびんに跡として残る。バッフルマークをびん底の径方向内側に配置するために、バッフルの型面と粗型の型面の径を小さくする方法がある。しかし、バッフルの型面と粗型の型面との接続部が鋭角となるため、接続部が欠けたり、摩耗したりする虞がある。その結果、バッフルマーク付近に咬み出しなどの欠点が生じる虞がある。このため、従来のブローアンドブロー成形装置では、バッフルマークをびんの径方向内側に配置することが難しいという問題がある。
【0005】
本発明は、以上の背景を鑑み、バッフルマークをびんの径方向内側に配置することができるブローアンドブロー成形装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、粗型(4)、ファンネル(5)、及びバッフル(6)を有し、ガラスゴブ(G)からパリソン(P)を成形するためのブローアンドブロー成形装置(1)であって、前記粗型は、前記粗型の内部に形成された粗型空洞部(14)と、前記粗型空洞部の上端から前記粗型の上端面に延びる上部接続孔(16)とを有し、前記上部接続孔は、上から順に配置された第1壁面(23)、第2壁面(24)、及び第3壁面(25)によって形成され、前記第1壁面は、前記粗型の前記上端面から下方に延び、下方に向けて幅が狭くなる円錐面に形成され、前記第2壁面は、上方を向く環状の平面に形成され、その外周縁において前記第1壁面の下端に接続され、前記第3壁面は、前記第2壁面の内周縁から下方に向けて前記粗型空洞部の上端に延び、下方に向けて幅が狭くなる円錐面に形成され、前記ファンネルは、上下に開口した筒形に形成され、前記ファンネルは、前記第2壁面に面接触可能な下端面(27)と、前記第1壁面に面接触可能な外周面下部(28)と、前記第1壁面と同じ傾きを有する内周面上部(29)とを有し、前記バッフルの下部は、下から順に配置されたバッフル側型面(41)、第1外周面(42)、第1姿上面(43)、及び第2外周面(44)を有し、前記第2外周面は、下方に向けて幅が狭くなる円錐面に形成され、前記内周面上部と面接触可能であり、前記第1姿上面は、環状の平面に形成され、その外周縁において前記第2外周面の下端に接続され、前記第2壁面と面接触可能であり、前記第1外周面は、前記第1姿上面の内周縁から下方に向けて延び、下方に向けて幅が狭くなる円錐面に形成され、前記第3壁面に面接触可能であり、前記バッフル側型面は前記第1外周面の下端縁に接続し、前記バッフルは、前記第1姿上面に開口する圧縮空気通路(51)を有する。
【0007】
この態様によれば、バッフルの第2外周面とファンネルの内周面上部とが面接触することによってバッフルとファンネルとが接続される。また、バッフルの第1外周面と粗型の第3壁面とが面接触することによってバッフルと粗型とが接続される。第1外周面は、ファンネルの直径と関係なく、直径を小さくすることができる。これにより、第1外周面の下端に設けられるバッフル側型面の直径を小さくすることができる。また、第1外周面に面接触する第3壁面が円錐面に形成されているため、粗型側型面の上端部の角度を傾斜させても、粗型側型面と第3壁面との接続部がなす角度を比較的大きく維持することができる。これにより、粗型側型面とバッフル側型面との接続部を粗型側型面の径方向内側に配置することができる。これらによって、バッフルマークをびんの径方向内側に配置することができるブローアンドブロー成形装置を提供することができる。
【0008】
上記の態様において、前記第2外周面は、前記第1壁面と面接触可能であってもよい。
【0009】
この態様によれば、第1外周面、第1姿上面、及び第2外周面が、対応する第3壁面、第2壁面、及び第1壁面に当接するため、粗型にバッフルが安定性良く支持される。
【0010】
上記の態様において、前記粗型空洞部の上端は、上方に向けて水平断面積が小さくなってもよい。
【0011】
この態様によれば、粗型側型面とバッフル側型面との接続部を粗型側型面の径方向内側に配置することができる。
【0012】
上記の態様において、前記粗型空洞部を形成する粗型側型面の上端部と前記第3壁面とのなす角度が70度以上130度以下であってもよい。
【0013】
この態様によれば、第3壁面と粗型側型面との接続部の耐久性を向上させることができる。
【0014】
上記の態様において、前記バッフル側型面は、上方に向けて凹んだ凹面に形成され、前記粗型側型面の上縁は、前記バッフル側型面と滑らかに接続してもよい。
【0015】
この態様によれば、びんに形成されるバッフルマークを不鮮明にすることができる。
【0016】
上記の態様において、前記バッフルは、前記第2外周面の外周縁から径方向外方に延び、下方を向く第2姿上面(46)を有し、前記第2姿上面は、前記ファンネルの上端面に面接触可能であってもよい。
【0017】
この態様によれば、第1外周面及び第1姿上面が、対応する内周面上部及び上端面に当接するため、ファンネルにバッフルが安定性良く支持される。
【0018】
上記の態様において、前記ファンネルは、前記第3壁面の下端の内径よりも小さい内径を有してもよい。
【0019】
この態様によれば、ゴブを粗型内に供給するときに、ゴブと第3壁面との接触を防止することができる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、バッフルマークをびんの径方向内側に配置することができるブローアンドブロー成形装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】実施形態に係るブローアンドブロー成形装置及びガラスびん成形装置の説明図
図2】ブローアンドブロー成形装置の第2形態を示す断面図
図3】ブローアンドブロー成形装置の第3形態を示す断面図
図4】ガラスびんの底部を示す画像
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態について説明する。本実施形態に係るブローアンドブロー成形装置1は、ガラスゴブGからパリソンPを成形するためのパリソン成形工程を実行する。ブローアンドブロー成形装置1は、ガラスびん成形装置2と一体に構成されるとよい。ガラスびん成形装置2は、パリソンPからガラスびんCを成形するためのガラスびん成形工程を実行する。
【0023】
図1に示すように、ブローアンドブロー成形装置1は、粗型4、ファンネル5、及びバッフル6を有する。また、ブローアンドブロー成形装置1は、口型7を有する。ガラスびん成形装置2は、ガラスびんCに対応した仕上型8及び底型9を有する。
【0024】
口型7は、基台11に回転可能に支持された反転アーム12に支持されている。反転アーム12は、水平方向に延びる回転中心を有し、水平の延びる初期位置と、初期位置から上方に180°回転した反転位置との間で回転する。口型7は、反転アーム12の先端に支持されている。口型7は、反転アーム12が初期位置にあるときに、反転アーム12の先端から上方に突出している。
【0025】
口型7は、上下に延びる合せ面を有する一対の口型ピース7Aと、一対の口型ピース7Aの間に配置されるガイドリング7Bとを有する。口型ピース7Aの合せ面には上下に延びた口型空洞部7Cが形成されている。一対の口型ピース7A及びガイドリング7Bのそれぞれは、反転アーム12に支持されている。基台11には、口型7が初期位置にあるときに、ガイドリング7Bを通過して、口型空洞部7Cに突入するプランジャ7Dが設けられている。プランジャ7Dは、口型空洞部7Cに突入した突入位置と、口型空洞部7Cから下方に離脱した退避位置の間で移動可能となっている。プランジャ7Dが突入位置にあるときに、口型7は一対の口型ピース7Aとプランジャ7Dとの間に、パリソンPの口部に対応した形状を形成する。
【0026】
反転アーム12が初期位置にあるときに、粗型4は反転アーム12の上方に配置される。図2に示すように、粗型4は、粗型4の内部に形成された粗型空洞部14と、粗型空洞部14の上端から粗型4の上端面15に延びる上部接続孔16とを有する。また、粗型4は、粗型空洞部14の下から粗型4の下端面17に延びる下部接続孔18を有する。粗型4は、上下に延びる合せ面19で当接した一対の粗型ピース4Aによって形成されている。粗型空洞部14、上部接続孔16、及び下部接続孔18は、合せ面19に形成されている。
【0027】
図1に示すように、一対の粗型ピース4Aは、使用位置と、退避位置との間で移動可能に基台11に支持されている。一対の粗型ピース4Aは、使用位置において、それぞれの合せ面19が互いに当接している。一対の粗型ピース4Aは、退避位置において、それぞれの合せ面19が水平方向に互いに分離している。一対の粗型ピース4Aが使用位置にあるときに、一対の粗型ピース4Aの下部は一対の口型ピース7Aの上部を水平方向から挟持する。これにより、粗型4の下部接続孔18に口型7が受容され、粗型空洞部14の下端と口型空洞部7Cとが接続する。
【0028】
図2に示すように、粗型空洞部14は、合せ面19に形成された粗型側型面21によって形成されている。粗型側型面21は、パリソンPの側部の形状、及びパリソンPの底部の外周部を形成する。粗型空洞部14の上端は、パリソンPの底部の外周部に対応している。粗型側型面21の上端は、パリソンPの底部の外周部を形成する。粗型空洞部14の上端は、上方に向けて水平断面積が小さくなっている。すなわち、粗型側型面21の上端部は、上方に向けて粗型4の中心軸線側に傾斜している。また、粗型空洞部14の上端の直径は、粗型空洞部14の最大直径よりも小さく形成されている。
【0029】
上部接続孔16は、上から順に配置された第1壁面23、第2壁面24、及び第3壁面25によって形成されている。第1壁面23は、粗型4の上端面15から下方に延び、下方に向けて幅が狭くなる円錐面に形成されている。第2壁面24は、上方を向く環状の平面に形成され、その外周縁において第1壁面23の下端に接続されている。第3壁面25は、第2壁面24の内周縁から下方に向けて粗型空洞部14の上端に延び、下方に向けて幅が狭くなる円錐面に形成されている。すなわち、上部接続孔16の上部及び下部は、下方に向けて細くなるテーパ孔である。上部接続孔16の上部と下部との境界には、第2壁面24によって姿上面が形成されている。
【0030】
粗型側型面21の上端部と第3壁面25とのなす角度θが70度以上130度以下であるとよい。また、粗型側型面21の上端部と前記第3壁面25とのなす角度θが90度以上120度以下であるとよい。粗型側型面21の上端部と前記第3壁面25とのなす角度θは鈍角であると更によい。これにより、粗型側型面21と第3壁面25との接続部の耐久性を向上させることができる。
【0031】
上部接続孔16には、ファンネル5又はバッフル6が接続する。ファンネル5は、上下に開口した筒形に形成されている。ファンネル5は、第2壁面24に面接触可能な下端面27と、第1壁面23に面接触可能な外周面下部28と、第1壁面23と同じ傾きを有する内周面上部29とを有する。上方から見て、内周面上部29は、第1壁面23と重なりを有する。ファンネル5は、円筒形に形成されている。
【0032】
ファンネル5の下端面27は、円環状の水平な平面に形成されている。外周面下部28の下縁は、下端面27の外周縁に接続している。外周面下部28は、下方に向けて幅が狭くなる円錐面に形成されている。ファンネル5は、その上端に上端面31を有する。上端面31は、円環状の水平な平面に形成されている。内周面上部29の上縁は、上端面31の内周縁に接続している。内周面上部29は、下方に向けて幅が狭くなる円錐面に形成されている。
【0033】
ファンネル5の内周面下部32は、下方に向けて幅が狭くなる円錐面に形成されている。ファンネル5は、図示しないファンネル移動装置に支持されている。
【0034】
バッフル6の下部は、下から順に配置されたバッフル側型面41、第1外周面42、第1姿上面43、及び第2外周面44を有する。第2外周面44は、下方に向けて幅が狭くなる円錐面に形成されている。第2外周面44は、内周面上部29と面接触可能である。第1姿上面43は、環状の平面に形成されている。第1姿上面43は、その外周縁において第2外周面44の下端に接続されている。第1姿上面43は、第2壁面24と面接触可能である。第1外周面42は、第1姿上面43の内周縁から下方に向けて延びている。第1外周面42は、下方に向けて幅が狭くなる円錐面に形成されている。第1外周面42は、第3壁面25に面接触可能である。バッフル側型面41は第1外周面42の下端縁に接続している。バッフル側型面41、第1外周面42、第1姿上面43、及び第2外周面44は、上下に延びるバッフル6の中心軸線と同軸に配置されている。
【0035】
第2外周面44は、第1壁面23と面接触可能に形成されてもよい。他の実施形態では、嵌合クリアランスを設けるために、第2外周面44は、第1壁面23よりも小さく形成されてもよい。
【0036】
バッフル6は、第2外周面44の外周縁から径方向外方に延び、下方を向く第2姿上面46を有する。第2姿上面46は、ファンネル5の上端面31に面接触可能であるとよい。バッフル6の上下方向における中央部には、第2外周面44に対して径方向外方に延びたフランジ部47が設けられている。フランジ部47は、面が上下を向く円板状に形成されている。第2姿上面46は、フランジ部47の下面を構成する。フランジ部47の直径は、第2外周面44の上縁の直径よりも大きい。フランジ部47の上面には、上方に延びる筒部48が設けられている。
【0037】
バッフル6は、第1姿上面43に開口する圧縮空気通路51を有する。圧縮空気通路51は、筒部48の内部を上下に直線状に延びる上部通路51Aと、上部通路51Aの下端から、上下方向に対して傾斜して第1姿上面43に直線状に延びる少なくとも1つの下部通路51Bとを有する。上部通路51Aの上端は、筒部48の上端に開口している。上部通路51Aの上端は、図示しない供給管を介して圧縮空気源に接続されている。
【0038】
筒部48の上端は、図示しないバッフル移動装置に支持されている。バッフル移動装置は、電動モータ等の動力源を有し、バッフル6を移動させる。圧縮空気の供給管は、バッフル移動装置に一体的に設けられてもよい。
【0039】
バッフル側型面41は上方に向けて凹んだ凹面に形成されている。バッフル側型面41の外周縁及び粗型側型面21の上縁は、それぞれ円形に形成されている。バッフル側型面41の外周縁は、粗型側型面21の上縁に接続することができる。粗型側型面21の上縁は、バッフル側型面41と滑らかに接続可能であるとよい。
【0040】
以上のように構成したブローアンドブロー成形装置1の作用及び効果について説明する。ブローアンドブロー成形装置1は、ガラスゴブGを受け入れるための第1形態(図1参照)、セッツルブローを行うための第2形態(図2参照)、カウンターブローを行うための第3形態(図3参照)、パリソンPを取り出すための第4形態を取り得る。
【0041】
図1に示すように、ブローアンドブロー成形装置1の第1形態では、反転アーム12が初期位置に配置され、口型7は反転アーム12の上方に配置される。一対の粗型ピース4Aは、合せ面19において互いに当接し、口部を挟持する。これにより、粗型空洞部14と口型空洞部7Cとが接続する。粗型4の上部接続孔16には、ファンネル5が接続される。このとき、下端面27が第2壁面24に当接し、かつ外周面下部28が第1壁面23に当接することによって、粗型4に対するファンネル5の位置が定まる。この状態において、ファンネル5の内周面下部32の下端部は、第3壁面25の下端部よりも径方向内方に延出している。バッフル6は、ファンネル5及び粗型4から側方に離れた位置に退避している。
【0042】
ブローアンドブロー成形装置1が第1形態であるときに、ガラスゴブGがファンネル5に向けて落下する。ガラスゴブGは、ファンネル5の上端から進入し、ファンネル5にガイドされて粗型空洞部14内に落下する。このとき、ファンネル5の内周面下部32の下端部が、第3壁面25の下端部よりも径方向内方に延出しているため、第3壁面25にガラスゴブGが接触することが避けられる。
【0043】
図2に示すように、ブローアンドブロー成形装置1の第2形態では、口型7、粗型4、及びファンネル5は第1形態と同様であり、更にバッフル6がファンネル5の上端に接続されている。内周面上部29と第2外周面44とが当接することによって、ファンネル5に対するバッフル6の位置が定まる。このとき、上端面31と第2姿上面46とが当接してもよい。上端面31と第2姿上面46とが当接することによって、ファンネル5に対するバッフル6の位置が安定する。第2形態において、第1姿上面43はファンネル5の内周面に対して離れているため、圧縮空気通路51はファンネル5の内部を介して粗型空洞部14に接続する。
【0044】
第2形態において、圧縮空気が、バッフル6及びファンネル5を介して粗型空洞部14の上端に供給され、ガラスゴブGが下方に押し込まれ、口型7に密着する。すなわち、セッツルブローによって、ガラスゴブGが口型7と密着し、パリソンPの口部が形成される。パリソンPの口部は、口型7によって冷却され、形状が定まる。
【0045】
ブローアンドブロー成形装置1の第3形態では、口型7及び粗型4は第1形態と同様であるが、ファンネル5が粗型4から退避し、かつバッフル6が粗型4に直接に接続する。第1外周面42が第3壁面25に当接し、かつ第1姿上面43が第2壁面24に当接することによって、粗型4に対するバッフル6の位置が定まる。このとき、第2外周面44が第1壁面23に当接してもよい。第2外周面44と第1壁面23とが当接することによって、粗型4に対するバッフル6の位置が安定する。バッフル側型面41の外周縁は、粗型側型面21の上縁に接続する。圧縮空気通路51の下端は、第2壁面24によって閉塞される。
【0046】
図3に示すように、第3形態において、圧縮空気が、口型7を介してパリソンPの口部の内部に供給され、パリソンPが上方に向けて膨張する。パリソンPの外面は、粗型側型面21及びバッフル側型面41に当接し、所定の形状に成形される。
【0047】
ブローアンドブロー成形装置1の第4形態では、バッフル6が粗型4から退避し、かつ一対の粗型ピース4Aが互いに分離してパリソンPから離れる。この状態でパリソンPは口型7に支持される。反転アーム12が初期位置から反転位置に回転することによって、口型7に支持されたパリソンPはガラスびん成形装置2に移動する。その後、パリソンPの周囲には仕上型8及び底型9が配置される。この状態で、口型7はパリソンPを離し、パリソンPは成形型に支持される。次に、反転アーム12が反転位置から初期位置に戻る。そして、口型7、粗型4、及びファンネル5がセットされ、ブローアンドブロー成形装置1は第1形態に戻る。
【0048】
以上の実施形態に係るブローアンドブロー成形装置1によれば、バッフル6の第2外周面44とファンネル5の内周面上部29とが面接触することによってバッフル6とファンネル5とが接続される。また、バッフル6の第1外周面42と粗型4の第3壁面25とが面接触することによってバッフル6と粗型4とが接続される。第1外周面42は、ファンネル5の直径と関係なく、直径を小さくすることができる。これにより、第1外周面42の下端に設けられるバッフル側型面41の直径を小さくすることができる。また、第1外周面42に面接触する第3壁面25が円錐面に形成されているため、粗型側型面21の上端部の角度を傾斜させても、粗型側型面21と第3壁面25との接続部がなす角度θを比較的大きく維持することができる。これにより、粗型側型面21とバッフル側型面41との接続部を粗型側型面21の径方向内側に配置することができる。これらによって、図4に示すように、バッフルマーク61をガラスびんCの径方向内側に配置することができるブローアンドブロー成形装置1を提供することができる。
【0049】
ブローアンドブロー成形装置1によれば、バッフルマーク61をガラスびんCの底部に形成されるナーリング63よりも内側に配置することが可能になる。ナーリング63は、ガラスびんCの底部に形成される複数の突起であり、ガラスびんCの底部に円環状に配置されている。これにより、ガラスびんCをコンベアによって搬送するときに、バッフルマーク61とコンベアとの接触を避けることができる。例えば、ガラスびんCがあるコンベアから他のコンベアに乗り移るときに、バッフルマーク61がコンベアに引っ掛かり転倒することを抑制できる。
【0050】
粗型空洞部14の上端は、上方に向けて水平断面積が小さくなっているため、粗型側型面21とバッフル側型面41との接続部を粗型側型面21の径方向内側に配置することができる。これにより、バッフルマーク61を一層径方向内側に配置することができる。
【0051】
バッフル側型面41が凹面に形成され、バッフル側型面41と粗型側型面21とが滑らかに接続しているため、ガラスびんCに形成されるバッフルマーク61を不鮮明にすることができる。これにより、バッフルマーク61と、ガラスびんCを搬送するコンベアとの接触を抑制することができる。
【0052】
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されることなく幅広く変形実施することができる。
【符号の説明】
【0053】
1 :ブローアンドブロー成形装置
2 :成形装置
4 :粗型
5 :ファンネル
6 :バッフル
7 :口型
14 :粗型空洞部
15 :上端面
16 :上部接続孔
19 :合せ面
21 :粗型側型面
23 :第1壁面
24 :第2壁面
25 :第3壁面
27 :下端面
28 :外周面下部
29 :内周面上部
31 :上端面
32 :内周面下部
41 :バッフル側型面
42 :第1外周面
43 :第1姿上面
44 :第2外周面
46 :第2姿上面
51 :圧縮空気通路
G :ガラスゴブ
P :パリソン
図1
図2
図3
図4