(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024051249
(43)【公開日】2024-04-11
(54)【発明の名称】傘ホルダー
(51)【国際特許分類】
A45B 25/24 20060101AFI20240404BHJP
【FI】
A45B25/24 Z
【審査請求】有
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022157308
(22)【出願日】2022-09-30
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2023-12-08
(71)【出願人】
【識別番号】000182085
【氏名又は名称】オーロラ株式会社
(71)【出願人】
【識別番号】522386828
【氏名又は名称】山本 貴司
(74)【代理人】
【識別番号】100134832
【弁理士】
【氏名又は名称】瀧野 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100165308
【弁理士】
【氏名又は名称】津田 俊明
(74)【代理人】
【識別番号】100115048
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 康弘
(72)【発明者】
【氏名】山本 貴司
【テーマコード(参考)】
3B104
【Fターム(参考)】
3B104WA01
3B104WB06
(57)【要約】
【課題】本発明の目的は、傘の長手方向の小型化を図った傘ホルダーを提供することにある。
【解決手段】
傘ホルダー1は、長傘A1を収容するためのものであって、筒状の支持部2と、該支持部2の内面に支持されているとともに長傘A1を収容するための中袋3と、該中袋3を支持部2の上下方向Yに伸縮させる伸縮部材5と、を備え、中袋3は、伸縮部材5が伸長する引出し位置と、伸縮部材5が収縮して支持部2の内部に収容される収容位置と、に変位可能に構成されている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
傘を収容するための傘ホルダーであって、
筒状の支持部と、
該支持部の内面に支持されているとともに前記傘を収容するための中袋と、
該中袋を前記支持部の軸方向に伸縮させる伸縮部材と、を備え、
前記中袋は、前記伸縮部材が伸長する引出し位置と、前記伸縮部材が収縮して前記支持部の内部に収容される収容位置と、に変位可能に構成されていることを特徴とする傘ホルダー。
【請求項2】
前記伸縮部材は、渦巻きバネと、該渦巻きバネを収容するケースと、前記渦巻きバネに支持されて前記ケースから引き出されるワイヤと、を備え、
前記ワイヤの先端部は、前記中袋の前記支持部から離れた先端側に固定され、
前記渦巻きバネが弾性力に抗して引っ張られることにより、前記中袋は前記引出し位置に位置付けられ、
前記渦巻きバネが自然状態に復元することにより、前記中袋は前記収容位置に位置付けられることを特徴とする請求項1に記載の傘ホルダー。
【請求項3】
前記中袋は、前記軸方向に並ぶハトメ部を複数有し、
前記ワイヤは、前記ハトメ部に順次挿通され、前記中袋が前記収容位置にある際に、前記中袋は蛇腹状に折り畳まれることを特徴とする請求項側1または2に記載の傘ホルダー。
【請求項4】
前記ワイヤが挿通されるリング部材を有し、
前記リング部材は、前記ケースと該ケースに隣接する前記ハトメ部との間に位置して、前記中袋が前記ケースに引き込まれるのを規制することを特徴とする請求項2または3に記載の傘ホルダー。
【請求項5】
前記中袋の前記先端側には、水抜き機構が設けられ、
前記水抜き機構は、水抜き孔と、該水抜き孔の周囲に設けられて前記水抜き孔を縮径する弾性材と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の傘ホルダー。
【請求項6】
前記支持部は、
前記軸方向の一端に設けられて、前記傘が差し込まれる傘差込み口と、
前記軸方向の他端に設けられて、前記中袋が引き出される中袋引出し口と、を有し、
前記中袋引出し口を塞ぐ蓋部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の傘ホルダー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、傘ホルダーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、傘袋は、傘の使用を一時的に中断した際、傘に付着した雨水が衣服等に付着しないように、傘を一時的に収納するために用いられる(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に開示された傘袋は、傘を収納するための袋状の収納部と、該収納部の上方に位置する把持部と、を有して構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の傘袋は、雨天時などで傘を使用している際には、傘とは別に保持する必要があり、嵩張って邪魔になる場合があった。このため、傘袋を折り畳んで携帯することも考えられるが、特に雨水が付着した傘袋を折り畳むのは面倒な場合があった。
【0005】
本発明の目的は、傘長手方向の小型化を図った傘ホルダーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的は、以下の本発明によって解決される。
即ち、本発明は、傘を収容するための傘ホルダーであって、筒状の支持部と、該支持部の内面に支持されているとともに前記傘を収容するための中袋と、該中袋を前記支持部の軸方向に伸縮させる伸縮部材と、を備え、前記中袋は、前記伸縮部材が伸長する引出し位置と、前記伸縮部材が収縮して前記支持部の内部に収容される収容位置と、に変位可能に構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、中袋が、伸縮部材が伸長する引出し位置と、伸縮部材が収縮して支持部の内部に収容される収容位置と、に変位可能に構成されていることにより、傘ホルダーが非使用状態である際に、中袋は、伸縮部材が収縮して支持部の内部に収容される収容位置に位置している。これによれば、傘ホルダーが非使用状態である際に、傘ホルダーを傘の長手方向に小型化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施の形態にかかる傘ホルダーであって、該傘ホルダーに傘が収容された状態を示す図である。
【
図2】前記傘ホルダーを構成する中袋が引出し位置にある状態を示す図である。
【
図3】前記中袋が収容位置にある状態を示す図である。
【
図4】前記傘ホルダーの要部を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施の形態にかかる傘ホルダー1を、
図1~4を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施の形態にかかる傘ホルダー1であって、該傘ホルダー1に傘が収容された状態を示す図である。
図2は、傘ホルダー1を構成する中袋3が引出し位置にある状態を示す図である。
図3は、中袋3が収容位置にある状態を示す図である。
図4は、傘ホルダー1の要部を説明するための図である。
図2、3では、支持部2が透過され、中袋3の内部構造が鎖線で示されている。
【0010】
傘ホルダー1は、長傘A1または折り畳み傘(傘)を収容するためのものであって、
図1、2に示すように、筒状の支持部2と、該支持部2の内面に支持されているとともに長傘A1を収容可能な袋状の中袋3と、該中袋3を支持部2の軸方向としての上下方向Yに伸縮させる伸縮部材5(
図2に示す)を含むフック体4と、を備える。さらに、傘ホルダー1には、
図2に示すように、中袋3が伸縮部材5を構成するケース52の内部に引き込まれるのを規制する規制リング6(リング部材)が設けられている。
【0011】
尚、本実施形態では、長傘A1の長手方向であって支持部2の軸方向を「上下方向(Y方向)」と記し、Y方向に略直交する2方向をそれぞれX方向及びZ方向とする。X方向を「左右方向」と記し、Z方向を「前後方向」と記す場合がある。
【0012】
支持部2は、
図2、4に示すように、シート状の人口皮革や合成皮革が縫製されることにより一方及び他方に開口部2B、2T(
図4に示す)を有して構成された筒状の支持部本体21と、該支持部本体21の一方の開口部2Bを覆う蓋部22と、該支持部本体21に支持されて他方の開口部2Tを弾性的に開閉させるバネ口金部23と、を備える。
【0013】
支持部本体21は、前後方向Zに対向する一対のシート部20F、20B(
図4に示す)を備えて筒状に形成されている。以下では、一方の開口部2Bを「下方側開口部2B(中袋引出し口)」と記し、他方の開口部2Tを「上方側開口部2T(傘差込み口)」と記す場合がある。支持部本体21(支持部2)は、本実施形態では、上下方向Yの寸法L1が13cm、左右方向Xの寸法L2が10cm、に形成されている。即ち、本実施形態における支持部本体21の上下方向Yの寸法(軸寸法)は、一般的な折り畳み傘の軸寸法より短い寸法となるように形成されている。
【0014】
蓋部22は、一対のシート部20F、20Bのうち一方のシート部20Fに連続し、折れ曲がって、下方側開口部2Bを塞ぐことが可能に構成されている。また、蓋部22の裏面および他方のシート部20Bの表面には、雌雄で一対の面ファスナー23(図示では、一方の面ファスナーのみ示されている)が固着されており、蓋部22により下方側開口部2Bが塞がれ、雌雄の面ファスナー23が接触することにより下方側開口部2Bが塞がれた状態が維持されるようになっている。
【0015】
バネ口金部23は、一対の板バネ(不図示)と、一対の板バネの両端を軸支する一対の軸支部230、230と、を備え、外力が作用していない自然状態で、一対の板バネの弾性力により、上方側開口部2Tが閉じた状態を維持するように構成されている。
【0016】
中袋3は、
図2~4に示すように、ナイロン製の生地から構成されているとともに、長傘A1を収容可能な軸寸法(上下方向Yの寸法)を有して構成されている。この中袋3の中袋開口30(
図4に示す)を構成する周縁は、支持部本体21の内周面に縫着されている。尚、
図4では、支持部2を構成するシート部20Fは省略されて、中袋3の内部構造が実線で示されている。
【0017】
また、中袋3には、
図2に示すように、上下方向Yに間隔をあけてハトメ部31が固定されている。各ハトメ部31は、前後方向Zに貫通する孔部310を有して構成されている。各ハトメ部31の孔部310には、後述する伸縮部材5のワイヤ53が挿通される。このような中袋3は、後述する伸縮部材5のワイヤ53がケース52から引き出されて該中袋3が伸長する引出し位置(
図2に示す)と、伸縮部材5のワイヤ53がケース52に巻き取られ該中袋3が収縮して支持部2の内部に収容される収容位置(
図3に示す)と、に変位可能に構成されている。
【0018】
また、中袋3の下端に位置する底面部3Bには、長傘A1に付着した雨水を排出するための水抜き機構32が形成されている。この水抜き機構32は、長傘A1の先端に位置する石突きが挿入される水抜き孔32Aと、該水抜き孔32Aの周囲に設けられて水抜き孔32Aを縮径する弾性材32Bと、を備える。
【0019】
本実施形態において水抜き機構32は、水抜き孔32Aの周縁に弾性材32Bが設けられて構成されている。弾性材32Bの長手寸法は、水抜き孔32Aの周長より短くなるように形成されている。また、長傘A1の石突きが水抜き孔32Aに挿入された状態で、弾性材32Bが石突きの周囲に弾性的に接触することにより長傘A1に付着した雨水が中袋3の外部に排出されることが抑制され、長傘A1の石突きが水抜き孔32Aに挿入されていない状態で、中袋3の内部に溜まった雨水が排出されるようになっている。
【0020】
さらに、中袋3には、雄係止部33Aと、該雄係止部33Aに係止可能な雌係止部33Bと、が設けられている。雄係止部33Aは、中袋3の下端部において、雌係止部33Bの上方に設けられている。雌係止部33Bは、水抜き機構32と雄係止部33Aとの間に設けられている。このような雌係止部33Bと雄係止部33Aとが互いに係止することにより、中袋3が雌係止部33Bと雄係止部33Aとの間で折り上げられるとともに、折り上げられた状態が維持される。
【0021】
フック体4は、
図3、4に示すように、支持部2に支持される不図示のクリップ部と、支持部2から上方に突出して設けられたフック部42と、渦巻きバネ51と、該渦巻きバネ51を収容する円盤状のケース52と、該渦巻きバネ51に支持されてケース52から引き出されるワイヤ53と、を一体に備える。渦巻きバネ51、ケース52、及びワイヤ53は、伸縮部材5を構成する。フック部42は、ケース52の上方に該ケース52と一体に設けられている。また、クリップ部は、ケース52の裏面に固定されている。
【0022】
渦巻きバネ51は、
図2、3に示すように、帯板状の金属板が不図示の軸部に巻かれることで構成されている。この軸部は、前後方向(支持部本体21を構成する一対のシート部20F、20Bが対向する方向)に延在して設けられている。このような渦巻きバネ51は、ワイヤ53がケース52から引き出されるように引っ張られた際に、元の形状である自然状態に戻ろうとする復元力(弾性力)が生じるように構成されている。
【0023】
ワイヤ53は、
図2~4に示すように、基端が渦巻きバネ51の先端に接続(支持)され、先端が中袋3の底面部3Bに固定されている。また、このワイヤ53は、複数のハトメ部31の各孔部310に順次挿通されている。このようなワイヤ53は、渦巻きバネ51の復元力に抗って、ケース52から引き出される方向に引っ張られることにより、中袋3は引出し位置に位置付けられ、渦巻きバネ51の復元力によりケース52の内部に巻き取られることにより、中袋3は収容位置に位置付けられるようになっている。また、中袋3は、ハトメ部31にワイヤ53が挿通されて、ワイヤ53がケース52の内部に巻き取られることにより、収容位置に位置付けられる。この状態で、蛇腹状に折り畳まれるようになっている。
【0024】
規制リング6は、
図2~4に示すように、リング状に形成されて、その中心に位置する孔部にワイヤ53が挿通されるように構成されている。この規制リング6は、
図4に示すように、孔部にワイヤ53が挿通された状態で、ケース52におけるワイヤ53の引き出し口520(
図4に示す)と中袋3に固定されたハトメ部31との間に位置付けられている。
【0025】
このような傘ホルダー1に、例えば長傘A1を収容する場合には、
図3に示すように中袋3が収容位置にある状態で、長傘A1の先端を支持部2の上方側開口部2T(傘差込み口)に近付けて、長傘A1を支持部2の内部に差し込む。差し込みが進んで、長傘A1の先端に押され、雌雄の面ファスナー23の接触が解除され、蓋部22が変位して、下方側開口部2B(中袋引出し口)が開放される。または予め雌雄の面ファスナー23の接触を解除して蓋部22を変位させておいてもよい。
【0026】
また、中袋3は長傘A1の先端に押されることにより、渦巻きバネ51が弾性力に抗して引っ張られ、ワイヤ53がケース52から引き出される。これに伴って、中袋3は長傘A1に押された分だけ伸長して、支持部2から引き出された引出し位置に位置付けられる。この際、中袋3は、渦巻きバネ51の復元力によって支持部2に向かって付勢されている。とともに、長傘A1の石突きが水抜き孔32Aに挿入される。このようにして傘ホルダー1に長傘A1が収容される。
【0027】
また、傘ホルダー1に例えば折り畳み傘を収容する場合には、折り畳み傘の先端を支持部2の上方側開口部2T(傘差込み口)に近付けて、折り畳み傘を支持部2の内部に差し込む。差し込みが進んで、中袋3は折り畳み傘の先端に押されることにより、渦巻きバネ51が弾性力に抗して引っ張られ、ワイヤ53がケース52から引き出される。これに伴って、中袋3は折り畳み傘に押された分だけ伸長して、支持部2から引き出された引出し位置に位置付けられる。この際、中袋3は、渦巻きバネ51の復元力によって支持部2に向かって付勢されているとともに、折り畳み傘の石突きが水抜き孔32Aに挿入される。このようにして傘ホルダー1に折り畳み傘が収容される。
【0028】
また、傘ホルダー1から長傘A1または折り畳み傘を取り出す場合には、長傘A1または折り畳み傘を傘ホルダー1から引き抜く。ワイヤ53は、渦巻きバネ51の復元力によってケース52の内部に巻き取られ、これに伴って、中袋3は支持部2に蛇腹状に順次収容される。即ち中袋3は蛇腹状に折り畳まれて支持部2の内部に収容される。この際、規制リング6が設けられていることにより、中袋3がケース52の内部に引き込まれることが規制されている。この後、蓋部22により、下方側開口部2Bが塞がれ、雌雄の面ファスナー23が接触することにより、雌雄の面ファスナー23により下方側開口部2Bが塞がれた状態が維持される。これにより、例えば中袋3に雨水が付着していたとしても、支持部2の外部に雨水が漏れ出すことが抑制される。
【0029】
上述した実施形態によれば、中袋3が、伸縮部材5が伸長する引出し位置と、伸縮部材5が収縮して支持部2の内部に収容される収容位置と、に変位可能に構成されていることにより、雨天時などで傘を使用している際(傘ホルダー1が非使用状態である際)に、中袋3は、伸縮部材5が収縮して支持部2の内部に収容される収容位置に位置していることにより、傘ホルダー1を長傘A1(傘)の長手方向に小型化できる。
【0030】
また、傘ホルダー1は、雨天時などで長傘A1(傘)を使用している際には、伸縮部材5が収縮することにより、中袋3が収容位置に位置して小型化される。即ち、伸縮部材5により、折り畳む手間をかけずとも自動で傘ホルダー1が小型化されるから、利便性の向上を図ることができる。
【0031】
また、伸縮部材5は、渦巻きバネ51と、該渦巻きバネ51を収容するケース52と、渦巻きバネ51に支持されてケース52から引き出されるワイヤ53と、を備え、ワイヤ53の先端部は、中袋3の支持部2から離れた先端側に固定され、渦巻きバネ51が弾性力に抗して引っ張られることにより、中袋3は引出し位置に位置付けられ、渦巻きバネ51が自然状態に復元することにより、中袋3は収容位置に位置付けられる。これによれば、折り畳む手間をかけずとも自動で傘ホルダー1が小型化される構成を実現できる。
【0032】
また、中袋3は、上下方向Yに並ぶハトメ部31を複数有し、ワイヤ53は、ハトメ部31に順次挿通され、中袋3が収容位置にある際に、中袋3は蛇腹状に折り畳まれる。これによれば、ワイヤ53により中袋3が支持部2に蛇腹状に順次収容されることにより、中袋3が収容位置にある際に、はみ出すことなく支持部2の内部に確実に収容される。
【0033】
また、ワイヤ53が挿通される規制リング6(リング部材)を有し、規制リング6は、ケース52と該ケース52に隣接するハトメ部31との間に位置して、中袋3がケース52に引き込まれることが規制される。これによれば、規制リング6が設けられていることにより、中袋3がケース52に引き込まれることが規制されることにより、中袋3が収容位置にある際に、支持部2の内部に確実に収容される。
【0034】
また、中袋3の先端側には、水抜き機構32が設けられ、水抜き機構32は、水抜き孔32Aと、該水抜き孔32Aの周囲に設けられて水抜き孔32Aを縮径する弾性材32Bと、を備える。これによれば、長傘A1の石突きが水抜き孔32Aに挿入された状態で、弾性材32Bが石突きの周囲に弾性的に接触することにより長傘A1に付着した雨水が中袋3の外部に排出されることが抑制され、長傘A1の石突きが水抜き孔32Aに挿入されていない状態で、中袋3の内部に溜まった雨水が排出される。
【0035】
また、支持部2は、上下方向Yの一端に設けられて、長傘A1が差し込まれる上方側開口部2T(傘差込み口)と、上下方向Yの他端に設けられて、中袋3が引き出される下方側開口部2B(中袋引出し口)と、を有し、下方側開口部2Bを塞ぐ蓋部22をさらに備える。これによれば、下方側開口部2Bを塞ぐ蓋部22が設けられていることにより、例えば中袋3に雨水が付着していたとしても、支持部2の外部に雨水が漏れ出すことを抑制できる。
【0036】
なお、本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的が達成できる他の構成等を含み、以下に示すような変形例も本発明に含まれる。
【0037】
前記実施形態では、中袋3を支持部2の上下方向Yに伸縮させる伸縮部材5は、渦巻きバネ51を有して構成されているが、本発明はこれに限定されるものではない。伸縮部材5は、伸縮性を有するゴム部材を有して構成されていてもよく、伸縮部材5として、中袋3を、引出し位置と、収容位置と、に変位させるような部材であればよい。
【0038】
また、前記実施形態では、支持部本体21は、上下寸法が、一般的な折り畳み傘より短い寸法となるように形成されているが、本発明はこれに限定されるものではない。支持部本体21は、一般的な折り畳み傘より長い寸法となるように形成されていてもよい。その場合において、傘ホルダー1に折り畳み傘を収容した際に、中袋3が支持部2に収容された状態のままであってもよい。即ち、傘ホルダー1に折り畳み傘を収容した際に、中袋3が支持部2から引き出されない構成も、本発明の権利範囲に含むものとする。
【0039】
その他、本発明を実施するための最良の構成、方法などは、以上の記載で開示されているが、本発明は、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、且つ、説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、形状、材質、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。従って、上記に開示した形状、材質などを限定した記載は、本発明の理解を容易にするために例示的に記載したものであり、本発明を限定するものではないから、それらの形状、材質などの限定の一部、もしくは全部の限定を外した部材の名称での記載は、本発明に含まれるものである。
【符号の説明】
【0040】
1 傘ホルダー
A1 長傘(傘)
2 支持部
3 中袋
31 ハトメ部
32 水抜き機構
32A 水抜き孔
32B 弾性材
5 伸縮部材
51 渦巻きバネ
52 ケース
53 ワイヤ
6 規制リング(リング部材)
2T 上方側開口部(傘差込み口)
2B 下方側開口部(中袋引出し口)
【手続補正書】
【提出日】2023-10-05
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0006】
上記目的は、以下の本発明によって解決される。
即ち、本発明は、傘を収容するための傘ホルダーであって、筒状の支持部と、該支持部の内面に支持されているとともに前記傘を収容するための中袋と、該中袋を前記支持部の軸方向に伸縮させる伸縮部材と、を備え、前記中袋は、前記伸縮部材が伸長する引出し位置と、前記伸縮部材が収縮して前記支持部の内部に収容される収容位置と、に変位可能に構成され、前記伸縮部材は、渦巻きバネと、該渦巻きバネを収容するケースと、前記渦巻きバネに支持されて前記ケースから引き出されるワイヤと、を備え、前記ワイヤの先端部は、前記中袋の前記支持部から離れた先端側に固定され、前記渦巻きバネが弾性力に抗して引っ張られることにより、前記中袋は前記引出し位置に位置付けられ、前記渦巻きバネが自然状態に復元することにより、前記中袋は前記収容位置に位置付けられることを特徴とする。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0012】
支持部2は、
図2、4に示すように、シート状の
人工皮革や合成皮革が縫製されることにより一方及び他方に開口部2B、2T(
図4に示す)を有して構成された筒状の支持部本体21と、該支持部本体21の一方の開口部2Bを覆う蓋部22と、該支持部本体21に支持されて他方の開口部2Tを弾性的に開閉させるバネ口金部23と、を備える。
【手続補正3】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
傘を収容するための傘ホルダーであって、
筒状の支持部と、
該支持部の内面に支持されているとともに前記傘を収容するための中袋と、
該中袋を前記支持部の軸方向に伸縮させる伸縮部材と、を備え、
前記中袋は、前記伸縮部材が伸長する引出し位置と、前記伸縮部材が収縮して前記支持部の内部に収容される収容位置と、に変位可能に構成され、
前記伸縮部材は、渦巻きバネと、該渦巻きバネを収容するケースと、前記渦巻きバネに支持されて前記ケースから引き出されるワイヤと、を備え、
前記ワイヤの先端部は、前記中袋の前記支持部から離れた先端側に固定され、
前記渦巻きバネが弾性力に抗して引っ張られることにより、前記中袋は前記引出し位置に位置付けられ、
前記渦巻きバネが自然状態に復元することにより、前記中袋は前記収容位置に位置付けられることを特徴とする傘ホルダー。
【請求項2】
前記中袋は、前記軸方向に並ぶハトメ部を複数有し、
前記ワイヤは、前記ハトメ部に順次挿通され、前記中袋が前記収容位置にある際に、前記中袋は蛇腹状に折り畳まれることを特徴とする請求項1に記載の傘ホルダー。
【請求項3】
前記ワイヤが挿通されるリング部材を有し、
前記リング部材は、前記ケースと該ケースに隣接する前記ハトメ部との間に位置して、前記中袋が前記ケースに引き込まれるのを規制することを特徴とする請求項2に記載の傘ホルダー。
【請求項4】
前記中袋の前記先端側には、水抜き機構が設けられ、
前記水抜き機構は、水抜き孔と、該水抜き孔の周囲に設けられて前記水抜き孔を縮径する弾性材と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の傘ホルダー。
【請求項5】
前記支持部は、
前記軸方向の一端に設けられて、前記傘が差し込まれる傘差込み口と、
前記軸方向の他端に設けられて、前記中袋が引き出される中袋引出し口と、を有し、
前記中袋引出し口を塞ぐ蓋部をさらに備えることを特徴とする請求項1に記載の傘ホルダー。