(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024051272
(43)【公開日】2024-04-11
(54)【発明の名称】ロータ、回転電機、および駆動装置
(51)【国際特許分類】
H02K 1/32 20060101AFI20240404BHJP
H02K 9/06 20060101ALI20240404BHJP
【FI】
H02K1/32 Z
H02K9/06 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】17
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022157335
(22)【出願日】2022-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】000232302
【氏名又は名称】ニデック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100188673
【弁理士】
【氏名又は名称】成田 友紀
(74)【代理人】
【識別番号】100179833
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 将尚
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(72)【発明者】
【氏名】岩崎 修二
【テーマコード(参考)】
5H601
5H609
【Fターム(参考)】
5H601AA08
5H601AA16
5H601CC01
5H601CC15
5H601DD01
5H601DD09
5H601DD11
5H601DD18
5H601DD29
5H601DD42
5H601DD47
5H601EE18
5H601EE25
5H601GA02
5H601GA22
5H601GA32
5H601GC02
5H601GC12
5H601GE01
5H601GE11
5H601JJ05
5H601KK13
5H609BB03
5H609BB16
5H609BB19
5H609PP02
5H609PP05
5H609PP07
5H609PP17
5H609QQ02
5H609QQ10
5H609RR02
(57)【要約】 (修正有)
【課題】ファンによる空気の送風効率を向上できる構造を有するロータ、回転電機、および駆動装置を提供する。
【解決手段】ロータ10は、中心軸線J回りに回転可能なロータ10であって、ロータコア30と、ロータコア30と軸方向に対向して配置されたファンと、を備える。ロータコア30は、ロータコア30を軸方向に貫通する通気孔80を有する。ファンは、通気孔80と対向して配置された開口部を有する。ロータコア30には、第1回転止め部が設けられている。ファンには、第1回転止め部に対して周方向に接触する第2回転止め部92が設けられている。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心軸線回りに回転可能なロータであって、
ロータコアと、
前記ロータコアと軸方向に対向して配置されたファンと、
を備え、
前記ロータコアは、前記ロータコアを軸方向に貫通する通気孔を有し、
前記ファンは、前記通気孔と対向して配置された開口部を有し、
前記ロータコアには、第1回転止め部が設けられ、
前記ファンには、前記第1回転止め部に対して周方向に接触する第2回転止め部が設けられている、ロータ。
【請求項2】
前記第1回転止め部は、前記通気孔の一部によって構成された孔であり、
前記第2回転止め部は、前記ロータコアに向かって軸方向に突出し、前記第1回転止め部内に挿入されている、請求項1に記載のロータ。
【請求項3】
前記第1回転止め部は、前記通気孔の径方向外側の端部によって構成されている、請求項2に記載のロータ。
【請求項4】
前記第1回転止め部が設けられた前記通気孔の内壁には、突起部が設けられ、
前記突起部は、前記第1回転止め部の内面の一部を構成している、請求項2に記載のロータ。
【請求項5】
前記第2回転止め部は、周方向に間隔を空けて配置された一対の柱部を有し、
前記一対の柱部は、前記第1回転止め部の内面のうち周方向両側に位置する部分のそれぞれに周方向に対向して配置されている、請求項2に記載のロータ。
【請求項6】
前記通気孔は、周方向に間隔を空けて複数設けられ、
前記第1回転止め部は、前記複数の通気孔のそれぞれに設けられている、請求項2に記載のロータ。
【請求項7】
前記ロータコアは、前記ロータコアの軸方向端面に開口する穴部を有し、
前記穴部は、前記通気孔と異なる位置に配置され、
前記第1回転止め部は、前記穴部によって構成され、
前記第2回転止め部は、前記ロータコアに向かって軸方向に突出し、前記第1回転止め部内に挿入されている、請求項1に記載のロータ。
【請求項8】
前記ロータコアは、周方向に互いに隣り合う一対のマグネット穴を有し、
前記一対のマグネット穴は、軸方向に見て、径方向内側から径方向外側に向かうに従って互いに周方向に離れる方向に延び、
前記第1回転止め部は、前記一対のマグネット穴同士の周方向の間に位置する、請求項7に記載のロータ。
【請求項9】
前記第1回転止め部は、軸方向に見て、前記一対のマグネット穴同士の間における周方向の中心を通り径方向に延びる第1仮想線と重なる位置に設けられている、請求項8に記載のロータ。
【請求項10】
前記ロータコアは、周方向に並んで配置された複数のマグネット保持部を有し、
前記第1回転止め部は、軸方向に見て、周方向に隣り合う前記マグネット保持部同士の間における周方向の中心を通り径方向に延びる第2仮想線と重なる位置に設けられている、請求項7に記載のロータ。
【請求項11】
前記第1回転止め部は、前記ロータコアの径方向外縁部に設けられている、請求項7に記載のロータ。
【請求項12】
前記ロータコアは、軸方向に並んで配置された複数のコアピースを有し、
前記第2回転止め部の軸方向の寸法は、前記コアピースの軸方向の寸法よりも小さい、請求項2に記載のロータ。
【請求項13】
前記第2回転止め部は、前記第1回転止め部内に嵌め合わされている、請求項2に記載のロータ。
【請求項14】
前記第1回転止め部は、周方向に間隔を空けて複数設けられ、
前記第2回転止め部は、周方向に間隔を空けて複数設けられ、
前記第2回転止め部の数は、前記第1回転止め部の数よりも少ない、請求項1に記載のロータ。
【請求項15】
前記中心軸線に沿って延びるロータシャフトと、
前記ロータシャフトの外周面に固定された抜け止め部材と、
を備え、
前記ロータコアは、前記ロータシャフトの外周面に固定され、
前記ファンは、前記ロータコアと前記抜け止め部材との軸方向の間に位置する、請求項1に記載のロータ。
【請求項16】
請求項1から15のいずれか一項に記載のロータと、
前記ロータと径方向に隙間を介して対向するステータと、
を備える、回転電機。
【請求項17】
請求項16に記載の回転電機と、
前記回転電機の動力を伝達する動力伝達部と、
を備える、駆動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロータ、回転電機、および駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
回転子鉄心の軸方向端部に内部ファンが配置され、当該内部ファンによって送られた空気が回転子鉄心に設けられた流通孔を流れる構造を有する回転電機が知られている。例えば、内部ファンは、回転軸に固定される(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような回転電機においては、寸法公差および組立公差などによって、回転子鉄心に対する内部ファンの周方向の位置がずれた場合に、流通孔に空気が流れにくくなり、内部ファンによる空気の送風効率が低下する場合があった。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みて、ファンによる空気の送風効率を向上できる構造を有するロータ、回転電機、および駆動装置を提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のロータの一つの態様は、中心軸線回りに回転可能なロータであって、ロータコアと、前記ロータコアと軸方向に対向して配置されたファンと、を備える。前記ロータコアは、前記ロータコアを軸方向に貫通する通気孔を有する。前記ファンは、前記通気孔と対向して配置された開口部を有する。前記ロータコアには、第1回転止め部が設けられている。前記ファンには、前記第1回転止め部に対して周方向に接触する第2回転止め部が設けられている。
【0007】
本発明の回転電機の一つの態様は、上記のロータと、前記ロータと径方向に隙間を介して対向するステータと、を備える。
【0008】
本発明の駆動装置の一つの態様は、上記の回転電機と、前記回転電機の動力を伝達する動力伝達部と、を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一つの態様によれば、回転電機および駆動装置において、ロータに備えられたファンによる空気の送風効率を向上できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】
図1は、第1実施形態における駆動装置を模式的に示す図である。
【
図2】
図2は、第1実施形態におけるロータを示す断面図である。
【
図3】
図3は、第1実施形態におけるロータの一部を示す断面図である。
【
図4】
図4は、第1実施形態におけるファンおよび抜け止め部材を示す斜視図である。
【
図5】
図5は、第1実施形態におけるファンを示す斜視図であって、
図4とは異なる角度からファンを見た図である。
【
図6】
図6は、第2実施形態におけるロータの一部を示す断面図である。
【
図7】
図7は、第3実施形態におけるロータの一部を示す断面図である。
【
図8】
図8は、第4実施形態におけるロータの一部を示す断面図である。
【
図9】
図9は、第5実施形態におけるロータの一部を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下の説明では、実施形態の駆動装置が水平な路面上に位置する車両に搭載された場合の位置関係を基に、鉛直方向を規定して説明する。つまり、以下の実施形態において説明する鉛直方向に関する相対位置関係は、駆動装置が水平な路面上に位置する車両に搭載された場合に少なくとも満たしていればよい。
【0012】
図面においては、適宜3次元直交座標系としてXYZ座標系を示す。XYZ座標系において、Z軸方向は、鉛直方向である。+Z側は、鉛直方向上側であり、-Z側は、鉛直方向下側である。以下の説明では、鉛直方向上側を単に「上側」と呼び、鉛直方向下側を単に「下側」と呼ぶ。X軸方向は、Z軸方向と直交する方向であって駆動装置が搭載される車両の前後方向である。以下の実施形態において、+X側は、車両における前側であり、-X側は、車両における後側である。Y軸方向は、X軸方向とZ軸方向との両方と直交する方向であって、車両の左右方向、すなわち車幅方向である。以下の実施形態において、+Y側は、車両における左側であり、-Y側は、車両における右側である。前後方向および左右方向は、鉛直方向と直交する水平方向である。
【0013】
なお、前後方向の位置関係は、以下の実施形態の位置関係に限られず、+X側が車両の後側であり、-X側が車両の前側であってもよい。この場合には、+Y側は、車両の右側であり、-Y側は、車両の左側である。また、本明細書において、「平行な方向」は略平行な方向も含み、「直交する方向」は略直交する方向も含む。
【0014】
適宜図に示す中心軸線Jは、鉛直方向と交差する方向に延びる仮想軸線である。より詳細には、中心軸線Jは、鉛直方向と直交するY軸方向、つまり車両の左右方向に延びている。以下の説明においては、特に断りのない限り、中心軸線Jに平行な方向を単に「軸方向」と呼び、中心軸線Jを中心とする径方向を単に「径方向」と呼び、中心軸線Jを中心とする周方向、つまり中心軸線Jの軸回りを単に「周方向」と呼ぶ。以下の実施形態においては、左側(+Y側)を「軸方向一方側」と呼び、右側(-Y側)を「軸方向他方側」と呼ぶ。
【0015】
<第1実施形態>
図1に示す本実施形態の駆動装置100は、車両に搭載され、車軸73を回転させる駆動装置である。駆動装置100が搭載される車両は、ハイブリッド自動車(HEV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)、電気自動車(EV)などのモータを動力源とする車両である。
図1に示すように、駆動装置100は、回転電機60と、回転電機60の動力を伝達する動力伝達部70と、回転電機60および動力伝達部70を内部に収容するハウジング63と、を備える。本実施形態において回転電機60は、モータである。
【0016】
ハウジング63は、回転電機60および動力伝達部70を内部に収容している。ハウジング63は、回転電機60を内部に収容するモータハウジング63aと、動力伝達部70を内部に収容するギヤハウジング63bと、を有する。モータハウジング63aは、ギヤハウジング63bの軸方向他方側(-Y側)に繋がっている。
【0017】
ギヤハウジング63bは、オイルOを内部に収容している。オイルOは、ギヤハウジング63b内の下部領域に貯留されている。オイルOは、動力伝達部70に対して潤滑油として使用される。オイルOとしては、例えば、潤滑油の機能を奏するために、比較的粘度の低いオートマチックトランスミッション用潤滑油(ATF:Automatic Transmission Fluid)と同等のオイルを用いることが好ましい。
【0018】
動力伝達部70は、回転電機60に接続され、後述するロータ10の回転を車両の車軸73に伝達する。本実施形態の動力伝達部70は、回転電機60に接続された減速装置71と、減速装置71に接続された差動装置72と、を有する。差動装置72は、リングギヤ72aを有する。リングギヤ72aには、回転電機60から出力されるトルクが減速装置71を介して伝えられる。リングギヤ72aの下側の端部は、ギヤハウジング63b内に貯留されたオイルOに浸漬している。リングギヤ72aが回転することで、オイルOがかき上げられる。かき上げられたオイルOは、例えば、減速装置71および差動装置72に潤滑油として供給される。
【0019】
回転電機60は、中心軸線J回りに回転可能なロータ10と、ロータ10と径方向に隙間を介して対向するステータ61と、を備える。本実施形態においてステータ61は、ロータ10の径方向外側に位置する。ステータ61は、ステータコア61aと、ステータコア61aに取り付けられたコイルアセンブリ61bと、を有する。コイルアセンブリ61bは、ステータコア61aに取り付けられた複数のコイル61cを有する。図示は省略するが、コイルアセンブリ61bは、各コイル61cを結束する結束部材などを有してもよいし、各コイル61c同士を繋ぐ渡り線を有してもよい。コイルアセンブリ61bは、ステータコア61aよりも軸方向に突出するコイルエンド61d,61eを有する。コイルエンド61dは、ステータコア61aよりも軸方向一方側(+Y側)に突出している。コイルエンド61eは、ステータコア61aよりも軸方向他方側(-Y側)に突出している。
【0020】
図2に示すように、ロータ10は、ロータシャフト20と、ロータコア30と、複数のマグネット40と、を有する。
図1に示すように、ロータシャフト20は、中心軸線Jに沿って軸方向に延びている。ロータシャフト20の軸方向一方側(+Y側)の端部には、減速装置71が接続されている。本実施形態においてロータシャフト20は、中心軸線Jを中心とする円筒状の中空シャフトである。
【0021】
図2に示すように、ロータコア30は、ロータシャフト20の外周面に固定されている。ロータコア30は、中心軸線Jを中心とする略円柱状である。ロータコア30は、ロータコア30を軸方向に貫通する貫通孔30hを有する。貫通孔30hの内部には、中心軸線Jが通っている。本実施形態において貫通孔30hは、中心軸線Jを中心とする円形状の孔である。貫通孔30hには、ロータシャフト20が軸方向に通されている。貫通孔30hの内周面は、ロータシャフト20の外周面に固定されている。貫通孔30h内には、例えば、ロータシャフト20が圧入されている。
【0022】
ロータコア30は、磁性体製である。図示は省略するが、ロータコア30は、複数の板部材が軸方向に積層されて構成されている。当該板部材は、例えば、電磁鋼板である。
図1に示すように、ロータコア30は、軸方向に並んで配置された複数のコアピース30pを有する。複数のコアピース30pのそれぞれは、上述した複数の板部材が軸方向に積層されて構成されている。軸方向に隣り合うコアピース30p同士は、互いに接触している。なお、軸方向に隣り合うコアピース30p同士の間には、板状の別部材が挟まれていてもよい。
図1の例では、コアピース30pは、3つ設けられている。図示は省略するが、複数のコアピース30pは、互いに周方向位置がずらされて配置されている。つまり、本実施形態では、ロータ10にステップスキューが設けられている。
【0023】
図2に示すように、ロータコア30は、周方向に並んで配置された複数のマグネット保持部31を有する。複数のマグネット保持部31は、ロータコア30のうち径方向外側部分に設けられている。複数のマグネット保持部31は、周方向に沿って一周に亘って等間隔に配置されている。本実施形態においてマグネット保持部31は、8つ設けられている。
【0024】
複数のマグネット保持部31は、周方向に互いに隣り合う一対のマグネット穴51a,51bをそれぞれ有する。つまり、ロータコア30は、一対のマグネット穴51a,51bを有する。本実施形態において一対のマグネット穴51a,51bは、ロータコア30を軸方向に貫通している。なお、一対のマグネット穴51a,51bは、軸方向の端部に底部を有する穴であってもよい。
【0025】
各マグネット保持部31における2つのマグネット穴51a,51b内には、それぞれマグネット40が1つずつ配置されている。マグネット40の種類は、特に限定されない。マグネット40は、例えば、ネオジム磁石であってもよいし、フェライト磁石であってもよい。マグネット40は、例えば、軸方向に長い直方体状である。マグネット40は、例えば、ロータコア30の軸方向一端部から軸方向他端部まで延びている。
【0026】
複数のマグネット40は、一対のマグネット穴51a,51b内にそれぞれ配置された一対のマグネット41a,41bを含む。一対のマグネット41a,41bは、一対のマグネット穴51a,51b内にそれぞれ固定されている。各マグネット41a,41bの各マグネット穴51a,51b内への固定方法は、特に限定されない。例えば、各マグネット41a,41bは、ロータコア30の一部がカシメられることによって各マグネット穴51a,51b内に固定されてもよいし、各マグネット穴51a,51b内のうちマグネット41a,41bが配置された部分以外の部分に充填された樹脂によって各マグネット穴51a,51b内に固定されていてもよいし、各マグネット穴51a,51b内のうちマグネット41a,41bが配置された部分以外の部分に配置された発泡シートによって各マグネット穴51a,51b内に固定されていてもよい。
【0027】
1つのマグネット保持部31と、1つのマグネット保持部31に設けられた一対のマグネット穴51a,51b内に配置された一対のマグネット41a,41bと、によって磁極部10Pが構成されている。磁極部10Pは、周方向に沿って一周に亘って等間隔に複数配置されている。本実施形態において磁極部10Pは、8つ設けられている。複数の磁極部10Pは、ロータコア30の外周面における磁極がN極の磁極部10Nと、ロータコア30の外周面における磁極がS極の磁極部10Sと、を複数ずつ含む。本実施形態において磁極部10Nと磁極部10Sとは、4つずつ設けられている。4つの磁極部10Nと4つの磁極部10Sとは、周方向に沿って交互に配置されている。各磁極部10Pの構成は、ロータコア30の外周面の磁極が異なる点および周方向位置が異なる点を除いて、同様の構成である。
【0028】
図3に示すように、磁極部10Pにおいて、マグネット穴51aとマグネット穴51bとは、第1仮想線Ldを周方向に挟んで配置されている。第1仮想線Ldは、一対のマグネット穴51a,51b同士の間における周方向の中心を通り径方向に延びる仮想線である。第1仮想線Ldは、磁極部10Pの周方向の中心を通る磁極中心線である。磁極部10Pの周方向の中心は、マグネット保持部31の周方向の中心である。第1仮想線Ldは、磁極部10Pごとに設けられる。第1仮想線Ldは、軸方向に見て、ロータ10のd軸上を通っている。第1仮想線Ldが延びる方向は、ロータ10のd軸方向である。マグネット穴51aとマグネット穴51bとは、軸方向に見て、第1仮想線Ldを対称軸として線対称に配置されている。
【0029】
一対のマグネット穴51a,51bは、軸方向に見て、径方向内側から径方向外側に向かうに従って互いに周方向に離れる方向に延びている。つまり、マグネット穴51aとマグネット穴51bとの間の周方向の距離は、径方向内側から径方向外側に向かうに従って大きくなっている。一対のマグネット穴51a,51bは、軸方向に見て、径方向外側に向かうに従って周方向に広がるV字形状に沿って配置されている。
【0030】
マグネット穴51aは、マグネット収容穴部51cと、内側穴部51dと、外側穴部51eと、を有する。マグネット収容穴部51cは、軸方向に見てマグネット穴51aが延びる方向に長い長方形状の穴である。内側穴部51dは、軸方向に見てマグネット収容穴部51cが延びる方向におけるマグネット収容穴部51cの端部のうち径方向内側の端部に繋がっている。外側穴部51eは、軸方向に見てマグネット収容穴部51cが延びる方向におけるマグネット収容穴部51cの端部のうち径方向外側の端部に繋がっている。
【0031】
マグネット穴51bは、マグネット収容穴部51fと、内側穴部51gと、外側穴部51hと、を有する。マグネット収容穴部51fは、軸方向に見てマグネット穴51bが延びる方向に長い長方形状の穴である。内側穴部51gは、軸方向に見てマグネット収容穴部51fが延びる方向におけるマグネット収容穴部51fの端部のうち径方向内側の端部に繋がっている。外側穴部51hは、軸方向に見てマグネット収容穴部51fが延びる方向におけるマグネット収容穴部51fの端部のうち径方向外側の端部に繋がっている。
【0032】
内側穴部51dと内側穴部51gとは、第1仮想線Ldを周方向に挟んで周方向に間隔を空けて配置されている。内側穴部51dと内側穴部51gとは、軸方向に見て、それぞれ他方の内側穴部に近い側の縁部が、第1仮想線Ldに沿って直線状に延びている。
【0033】
一対のマグネット穴51a,51bに配置された一対のマグネット41a,41bは、軸方向に見て、径方向外側に向かうに従って周方向に広がるV字形状に沿って配置されている。マグネット41aは、マグネット穴51aのマグネット収容穴部51c内に配置されている。マグネット41bは、マグネット穴51bのマグネット収容穴部51f内に配置されている。内側穴部51d,51gおよび外側穴部51e,51hは、例えば、空洞部であり、それぞれフラックスバリア部を構成している。なお、内側穴部51d,51gおよび外側穴部51e,51hには、樹脂などの非磁性体が充填されていてもよく、各穴部と各穴部に充填された樹脂などの非磁性体とによってフラックスバリア部が構成されてもよい。なお、本明細書において「フラックスバリア部」とは、磁束の流れを抑制できる部分である。つまり、各フラックスバリア部には、磁束が通りにくい。
【0034】
なお、本明細書において「軸方向に見てマグネット穴が延びる方向」とは、例えば本実施形態のマグネット穴51a,51bのように、マグネットが収容されるマグネット収容穴部が軸方向に見て長方形状の場合、軸方向に見て長方形状のマグネット収容穴部の長辺が延びる方向である。つまり、例えば、本実施形態において、「軸方向に見てマグネット穴51aが延びる方向」とは、軸方向に見て長方形状のマグネット収容穴部51cの長辺が延びる方向である。
【0035】
ロータコア30は、ロータコア30を軸方向に貫通する通気孔80を有する。本実施形態において通気孔80は、軸方向に見て、周方向に隣り合うマグネット保持部31同士の間における周方向の中心を通り径方向に延びる第2仮想線Lqと重なる位置に設けられている。第2仮想線Lqは、軸方向に見て、ロータ10のq軸上を通っている。第2仮想線Lqが延びる方向は、ロータ10のq軸方向である。第2仮想線Lqは、マグネット保持部31同士の間ごとに設けられている。第1仮想線Ldが延びる方向と第2仮想線Lqが延びる方向とは、互いに交差する方向である。第1仮想線Ldと第2仮想線Lqとは、周方向に沿って交互に設けられる。
【0036】
図2に示すように、通気孔80は、周方向に間隔を空けて複数設けられている。本実施形態において通気孔80は、8つ設けられている。各通気孔80は、周方向に隣り合うマグネット保持部31同士の間の径方向内側にそれぞれ配置されている。
図3に示すように、各通気孔80は、周方向に隣り合うマグネット保持部31のうち一方のマグネット保持部31におけるマグネット穴51aと他方のマグネット保持部31におけるマグネット穴51bとの径方向内側に位置する。
【0037】
軸方向に見て、通気孔80の周方向の中心には、第2仮想線Lqが通っている。本実施形態において通気孔80は、軸方向に見て、通気孔80を通る第2仮想線Lqを対称軸として線対称な形状である。通気孔80は、第1孔部81と、第2孔部82と、を有する。
【0038】
第1孔部81は、軸方向に見て、角丸の略五角形状である。第1孔部81は、軸方向に見て、第2仮想線Lqと重なる位置に設けられている。本実施形態において第1孔部81は、軸方向に見て、第1孔部81を通る第2仮想線Lqを対称軸として線対称な形状である。第1孔部81の内壁は、一対の第1内壁部81aと、一対の第2内壁部81bと、第3内壁部81cと、を有する。
【0039】
一対の第1内壁部81aは、軸方向に見て、第2仮想線Lqを周方向に挟んで配置されている。一対の第1内壁部81aは、軸方向に見て、径方向内側に向かうに従って互いに周方向に離れる向きに延びている。一対の第1内壁部81aの一方は、マグネット穴51aの径方向内側に位置し、軸方向に見てマグネット穴51aが延びる方向とほぼ同じ方向に延びている。一対の第1内壁部81aの他方は、マグネット穴51bの径方向内側に位置し、軸方向に見てマグネット穴51bが延びる方向とほぼ同じ方向に延びている。
【0040】
一対の第2内壁部81bは、軸方向に見て、一対の第1内壁部81aの径方向内端部のそれぞれから径方向内側に延びている。第3内壁部81cは、軸方向に見て、中心軸線Jを中心とする円弧状に延びている。第3内壁部81cは、一対の第2内壁部81bの径方向内端部同士を繋いでいる。
【0041】
第2孔部82は、第1孔部81の径方向外側に位置する。第2孔部82は、第1孔部81の径方向外側の端部に繋がっている。第2孔部82は、軸方向に見て、略円形状である。第2孔部82は、軸方向に見て、第2仮想線Lqと重なる位置に設けられている。軸方向に見て、第2孔部82の中心には、第2仮想線Lqが通っている。第2孔部82は、軸方向に見て、第2孔部82を通る第2仮想線Lqを対称軸として線対称な形状である。第2孔部82は、周方向に隣り合うマグネット保持部31のうち一方のマグネット保持部31におけるマグネット穴51aと他方のマグネット保持部31におけるマグネット穴51bとの周方向の間に位置する。より詳細には、第2孔部82は、周方向に隣り合うマグネット保持部31のうち一方のマグネット保持部31におけるマグネット収容穴部51cと他方のマグネット保持部31におけるマグネット収容穴部51fとの周方向の間に位置する。
【0042】
第2孔部82の内壁は、軸方向に見て、径方向内側に開口するC字状である。軸方向に見て、C字状に延びる第2孔部82の内壁における両端部には、一対の第1内壁部81aにおける径方向外側の端部がそれぞれ繋がっている。第2孔部82の周方向の寸法は、第1孔部81の周方向の寸法よりも小さい。本実施形態において第2孔部82は、ロータコア30に設けられた「第1回転止め部」に相当する。本実施形態では、全ての通気孔80に第2孔部82が設けられているため、第1回転止め部としての第2孔部82は、周方向に間隔を空けて複数設けられている。
【0043】
第1孔部81と第2孔部82との接続部80aにおける周方向の寸法は、第1孔部81の周方向の寸法および第2孔部82の周方向の寸法よりも小さい。通気孔80は、軸方向に見て、第1孔部81と第2孔部82との接続部80aにおいて周方向に括れた形状となっている。接続部80aの周方向両側には、一対の突起部83a,83bが設けられている。一対の突起部83a,83bは、通気孔80の内壁に設けられている。一対の突起部83a,83bは、互いに周方向に対向して配置され、他方の突起部に向かって周方向に突出している。一対の突起部83a,83bの径方向外側の面は、第2孔部82の内面の一部を構成している。
【0044】
図1に示すように、ロータ10は、ロータコア30と軸方向に対向して配置されたファン90を備える。本実施形態においてファン90は、ロータコア30の軸方向両側にそれぞれ1つずつ配置されている。一対のファン90は、一対のコイルエンド61d,61eの径方向内側にそれぞれ配置されている。本実施形態において一対のファン90は、互いに同形状である。一対のファン90は、互いに軸方向に反転した向きでロータコア30の軸方向端面に取り付けられている。一対のファン90は、ロータコア30に対し中心軸線J回りの取り付け角度が互いに異なっている。ファン90を構成する材料は、例えば、アルミニウム合金である。ファン90は、例えば、ダイカストによって成形されている。なお、ファン90を構成する材料は、アルミニウム合金以外の金属であってもよいし、樹脂材料であってもよい。
【0045】
なお、以下の説明においては、一対のファン90を代表して、ロータコア30の軸方向他方側(-Y側)に位置するファン90についてのみ説明する場合がある。また、或る対象に対して、軸方向におけるロータコア30の中心に近い側を「軸方向内側」と呼び、軸方向におけるロータコア30の中心から遠い側を「軸方向外側」と呼ぶ。各ファン90においては、ファン90に対してロータコア30が位置する側が軸方向内側であり、ファン90に対してロータコア30が位置する側と逆側が軸方向外側である。例えば、ロータコア30の軸方向他方側に位置するファン90において、軸方向内側は軸方向一方側(+Y側)であり、軸方向外側は軸方向他方側(-Y側)である。
【0046】
図4および
図5に示すように、ファン90は、中心軸線Jを囲む環状の部材である。より詳細には、ファン90は、中心軸線Jを中心とする円環状である。ファン90の径方向内側には、ロータシャフト20が軸方向に通されている。
図4に示すように、ファン90は、ファン本体部91と、リブ部93と、庇部94と、を有する。ファン本体部91は、中心軸線Jを囲む円環状の部分である。
図1に示すように、ファン本体部91の軸方向内側の面は、ロータコア30の軸方向端面に接触している。
【0047】
図5に示すように、ファン本体部91は、ファン本体部91を軸方向に貫通する第1開口部95および第2開口部96を有する。つまり、ファン90は、第1開口部95および第2開口部96を有する。第1開口部95および第2開口部96は、通気孔80と対向して配置された開口部である。第1開口部95と第2開口部96とは、複数ずつ設けられている。本実施形態において第1開口部95と第2開口部96とは、それぞれ4つずつ設けられている。第1開口部95と第2開口部96とは、周方向に交互に設けられている。本実施形態において第1開口部95および第2開口部96は、軸方向に見て、周方向延びる略円弧状である。
【0048】
図1に示すように、第1開口部95および第2開口部96は、それぞれ通気孔80と軸方向に対向して配置され、通気孔80と繋がっている。通気孔80の軸方向一方側(+Y側)の端部には、軸方向一方側に位置するファン90における第1開口部95および第2開口部96のうちの一方が繋がっている。通気孔80の軸方向他方側(-Y側)の端部には、軸方向他方側に位置するファン90における第1開口部95および第2開口部96のうちの他方が繋がっている。つまり、通気孔80の軸方向両端部のうちの一方には第1開口部95が繋がり、通気孔80の軸方向両端部のうちの他方には第2開口部96が繋がっている。
【0049】
複数の通気孔80は、軸方向一方側(+Y側)の端部が第1開口部95に繋がり軸方向他方側(-Y側)の端部が第2開口部96に繋がる通気孔80と、軸方向一方側の端部が第2開口部96に繋がり軸方向他方側の端部が第1開口部95に繋がる通気孔80と、を含む。軸方向一方側の端部が第1開口部95に繋がり軸方向他方側の端部が第2開口部96に繋がる通気孔80と、軸方向一方側の端部が第2開口部96に繋がり軸方向他方側の端部が第1開口部95に繋がる通気孔80とは、周方向に交互に設けられている。
【0050】
ファン90が中心軸線J回りに回転することで、第1開口部95には軸方向外側から空気が吸い込まれ、第2開口部96からは軸方向外側に空気が吹き出される。つまり、ファン90が中心軸線J回りに回転すると、通気孔80には第1開口部95が繋がる側の軸方向の端部から空気が流入し、流入した空気が通気孔80内を第2開口部96に向かって軸方向に流れる。周方向に隣り合う通気孔80において、通気孔80内を流れる空気の向きは互いに逆向きとなっている。
【0051】
図4に示すように、リブ部93は、周方向に隣り合う第1開口部95と第2開口部96との間のそれぞれに設けられている。リブ部93は、ファン本体部91から軸方向外側に突出している。リブ部93は、径方向に延びている。リブ部93が第1開口部95と第2開口部96との間に配置されることで、第1開口部95に吸い込まれる空気の流れと、第2開口部96から吹き出される空気の流れとの干渉を抑制することができる。
【0052】
庇部94は、第2開口部96の径方向内側部分の軸方向外側(-Y側)に対向して配置されている。庇部94は、周方向に延びている。庇部94は、第2開口部96の周方向両側に位置するリブ部93同士を周方向に繋いでいる。庇部94が設けられることで、第2開口部96から吹き出される空気が遠心力によって径方向外側に導かれる。これにより、第2開口部96から吹き出される空気をファン90の径方向外側に位置するコイルエンド61d,61eに当てることができる。また、ファン90が回転した際に第2開口部96から空気を好適に吹き出させることができるため、通気孔80のうち第2開口部96に繋がる側の部分における内部に負圧を生じさせやすくできる。これにより、第1開口部95を介して通気孔80内に空気を吸い込みやすくできる。したがって、通気孔80内に空気を好適に流通させやすくできる。
【0053】
軸方向一方側(+Y側)のファン90の第2開口部96から吹き出された空気は、コイルエンド61dに当たった後に、軸方向一方側のファン90の第1開口部95に吸い込まれる。軸方向一方側のファン90の第1開口部95に吸い込まれた空気は、通気孔80内を軸方向他方側(-Y側)に流れて、軸方向他方側のファン90の第2開口部96から吹き出される。軸方向他方側のファン90の第2開口部96から吹き出された空気は、コイルエンド61eに当たった後に、軸方向他方側のファン90の第1開口部95に吸い込まれる。軸方向他方側のファン90の第1開口部95に吸い込まれた空気は、通気孔80内を軸方向一方側に流れて、軸方向一方側のファン90の第2開口部96から吹き出される。このようにして、ロータ10が回転してファン90が回転することで、モータハウジング63a内の空気が循環し、ロータ10およびステータ61を冷却することができる。
【0054】
図5に示すように、ファン90には、第2回転止め部92が設けられている。本実施形態において第2回転止め部92は、ファン本体部91から軸方向内側(+Y側)に突出する柱状である。つまり、第2回転止め部92は、ロータコア30に向かって軸方向に突出している。本実施形態において第2回転止め部92は、軸方向に延びる円柱状である。第2回転止め部92は、第1開口部95の内縁部のうち、径方向外側に位置する部分における周方向の中央部から軸方向内側に突出している。
【0055】
図2に示すように、第2回転止め部92は、通気孔80の第2孔部82内に挿入されている。第2回転止め部92は、第2孔部82内に嵌め合わされて、第2孔部82の内周面に周方向に接触する。このように本実施形態において第2孔部82は、第2回転止め部92が周方向に接触する第1回転止め部である。つまり、本実施形態においてファン90には、第1回転止め部としての第2孔部82に対して周方向に接触する第2回転止め部92が設けられている。そのため、第1回転止め部である第2孔部82と第2回転止め部92とによって、ファン90とロータコア30とが互いに周方向に相対回転することが抑制される。これにより、ファン90がロータシャフト20に固定される場合に比べて、ロータコア30に対するファン90の周方向の相対位置精度を向上させることができる。したがって、ファン90における第1開口部95および第2開口部96がロータコア30における通気孔80に対して周方向にずれることを好適に抑制できる。そのため、第1開口部95および第2開口部96を介して通気孔80に好適に空気を流しやすくでき、ファン90による空気の送風効率を向上できる。これにより、ファン90によって送られる空気によってロータ10およびステータ61を好適に冷却できる。
【0056】
また、ファン90をロータシャフト20に対して相対回転を阻止しつつ取り付ける場合、ロータシャフト20とファン90との一方に溝を設け、ロータシャフト20とファン90との他方に当該溝に嵌め合わされる突起を設けることが考えられる。しかしながら、この場合には、ロータシャフト20に対して追加工が必要になり、ロータ10の製造コストが増大する問題がある。これに対して、本実施形態によれば、ファン90をロータシャフト20ではなくロータコア30に対して相対回転を阻止しつつ取り付ける構造であるため、ロータシャフト20にファン90を取り付けるための追加工を施す必要がない。また、ロータコア30は母材から打ち抜かれた複数の板部材を積層して作られるため、打ち抜かれる板部材の形状を変えることで、容易にロータコア30に第1回転止め部を設けることができる。つまり、板部材を打ち抜く金型の形状を変更すれば、板部材を積層して作られたロータコア30に、追加工を行うことなく、第1回転止め部を設けることができる。以上により、ロータ10を製造する際の工数が増加することを抑制でき、ロータ10の製造コストが増大することを抑制できる。
【0057】
本実施形態では、第1回転止め部は、通気孔80の一部によって構成された孔であり、第2回転止め部92は、ロータコア30に向かって軸方向に突出し、第1回転止め部である通気孔80内に挿入されている。そのため、通気孔80の一部を、第2回転止め部92と周方向に接触する第1回転止め部として利用することができる。これにより、第2回転止め部92が挿入される第1回転止め部としての穴を、通気孔80の他に別途設ける必要がなく、ロータコア30を作りやすくできる。また、ロータコア30に設けられる穴の数が増えることを抑制でき、ロータコア30の強度が低下することを抑制できる。また、ロータコア30のうち磁束が流れる部分に第1回転止め部が設けられることを抑制しやすく、ロータコア30に好適に磁束を流しやすくできる。
【0058】
また、本実施形態では、第1回転止め部である第2孔部82は、通気孔80のうち径方向外側の端部である。つまり、本実施形態において第1回転止め部は、通気孔80の径方向外側の端部によって構成されている。そのため、通気孔80の一部を第1回転止め部として利用しつつ、第1回転止め部および第2回転止め部92の径方向位置をより径方向外側にすることができる。これにより、比較的径方向外側においてファン90をロータコア30に対して周方向に支持させることができる。したがって、ファン90をロータコア30に対して相対回転を阻止しつつ安定して取り付けることができる。
【0059】
また、本実施形態では、第1回転止め部としての第2孔部82が設けられた通気孔80の内壁には、突起部83a,83bが設けられている。突起部83a,83bは、第1回転止め部としての第2孔部82の内面の一部を構成している。このように、通気孔80の内壁に突起部83a,83bを設けることで、通気孔80の一部を区切って第1回転止め部を容易に作ることができる。
【0060】
また、
図2に示すように、本実施形態では、第1回転止め部としての第2孔部82は、複数の通気孔80のそれぞれに設けられている。そのため、例えば、一部の通気孔80のみに第2孔部82を設ける場合に比べて、各通気孔80の周囲における磁束の流れがバラつくことを抑制できる。これにより、ロータ10の周方向における磁気特性がバラつくことを好適に抑制できる。また、第2孔部82が各通気孔80に設けられているため、ファン90をロータコア30に対してどのような周方向の角度で取り付けるかに応じて、第2回転止め部92をいずれの第2孔部82に挿入するかを選択することができる。これにより、本実施形態のようにファン90が一対設けられ、かつ、一対のファン90同士がロータコア30に対して異なる周方向の取り付け角度で取り付けられる場合であっても、各ファン90の各第2回転止め部92をロータコア30に設けられた第1回転止め部としての第2孔部82に好適に挿入できる。
【0061】
また、本実施形態では、第1回転止め部としての第2孔部82は、軸方向に見て、周方向に隣り合うマグネット保持部31同士の間における周方向の中心を通り径方向に延びる第2仮想線Lqと重なる位置に設けられている。そのため、第1回転止め部がマグネット保持部31に設けられる場合に比べて、第1回転止め部がマグネット保持部31に設けられたマグネット穴51a,51bおよびマグネット41a,41bと干渉することを抑制できる。
【0062】
図1に示すように、第2回転止め部92の軸方向の寸法は、コアピース30pの軸方向の寸法よりも小さい。そのため、第2孔部82に挿入された第2回転止め部92が、第2孔部82のうち2つのコアピース30pにそれぞれ設けられた部分に跨って配置されることがない。これにより、ロータ10にステップスキューを設けるためにコアピース30p同士を周方向にずらして配置した場合であっても、周方向にずれて配置される第2孔部82の部分同士に第2回転止め部92を挿入する必要がない。したがって、コアピース30p同士を周方向にずらして配置した場合であっても、第2回転止め部92を第2孔部82に挿入しやすくできる。
【0063】
本実施形態において第2回転止め部92は、第1回転止め部としての第2孔部82内に嵌め合わされている。そのため、第2回転止め部92を第2孔部82に対して好適に周方向に接触させることができ、ファン90をロータコア30に対して相対回転を阻止しつつ、より安定して取り付けることができる。
【0064】
図2および
図5に示すように、第2回転止め部92は、周方向に間隔を空けて複数設けられている。そのため、複数の第2回転止め部92によって、ファン90をロータコア30に対して相対回転を阻止しつつ、より安定して取り付けることができる。本実施形態において第2回転止め部92の数は、第1回転止め部としての第2孔部82の数よりも少ない。そのため、公差などによって第2孔部82と第2回転止め部92とが僅かにずれる場合であっても、すべての第2孔部82に第2回転止め部92を挿入する必要がある場合に比べて、複数の第2回転止め部92のそれぞれを第2孔部82に挿入しやすくできる。
【0065】
本実施形態において第2回転止め部92は、中心軸線Jを径方向に挟んで一対設けられている。一対の第2回転止め部92は、中心軸線Jを径方向に挟んで配置された一対の通気孔80の各第2孔部82内に挿入されている。第2回転止め部92の数を2つとすることで、公差などによって第2孔部82と第2回転止め部92とが僅かにずれる場合であっても、一方の第2回転止め部92と第2孔部82との間の僅かな隙間によって当該ずれを吸収しやすく、2つの第2回転止め部92を各第2孔部82に好適に挿入することができる。
【0066】
図4に示すように、本実施形態においてロータ10は、抜け止め部材23を備える。抜け止め部材23は、中心軸線Jを囲む環状である。より詳細には、抜け止め部材23は、中心軸線Jを中心とする円環状である。抜け止め部材23は、ロータシャフト20の外周面に固定されている。抜け止め部材23の内側には、ロータシャフト20が圧入されている。
【0067】
図1に示すように、本実施形態において抜け止め部材23は、軸方向に間隔を空けて一対設けられている。一対の抜け止め部材23は、ロータコア30、およびロータコア30を軸方向に挟んで配置された一対のファン90を軸方向に挟んで配置されている。軸方向一方側(+Y側)に位置する抜け止め部材23は、ロータコア30との軸方向の間で、軸方向一方側に位置するファン90を挟んでいる。軸方向他方側(-Y側)に位置する抜け止め部材23は、ロータコア30との軸方向の間で、軸方向他方側に位置するファン90を挟んでいる。つまり、各ファン90は、ロータコア30と抜け止め部材23との軸方向の間に位置する。そのため、抜け止め部材23によって、軸方向においてファン90がロータコア30から離れる向きに移動することを抑制できる。これにより、ファン90をロータコア30に対して好適に軸方向に位置決めできる。抜け止め部材23の軸方向内側の面は、ファン90に接触している。
【0068】
以下、上述した第1実施形態とは異なる実施形態について説明する。以下の各実施形態の説明において、上述した第1実施形態と同様の構成については、適宜同一の符号を付すなどにより説明を省略する場合がある。また、以下の各実施形態において説明を省略した構成としては、矛盾しない範囲内において、上述した第1実施形態と同様の構成を採用できる。
【0069】
<第2実施形態>
図6に示すように、本実施形態のロータ210において、ロータコア230の通気孔280は、第1実施形態の通気孔80と異なり、第2孔部82を有さず、第1孔部281のみからなる。第1孔部281は、軸方向に見て、第1実施形態における第1孔部81とほぼ同様の形状である。第1孔部281の内壁は、第1実施形態の第1孔部81の内壁と同様に、一対の第1内壁部81aと、一対の第2内壁部81bと、第3内壁部81cと、を有する。本実施形態の第1孔部281において一対の第1内壁部81a同士は、径方向外側の端部において互いに繋がっている。
【0070】
通気孔280の内壁には、一対の突起部283a,283bが設けられている。一対の突起部283a,283bは、第1孔部281の一対の第1内壁部81aにおける径方向外側部分にそれぞれ設けられている。一対の突起部283a,283bは、互いに周方向に対向して配置され、他方の突起部に向かって周方向に突出している。一対の突起部283a,283b同士の間には隙間が設けられている。
【0071】
一対の突起部283a,283bによって、第1孔部281の径方向外側の端部は、通気孔280の他の部分と区切られた第1回転止め部281dとなっている。第1回転止め部281dは、軸方向に見て、略菱形状である。第1回転止め部281dには、ファン290の第2回転止め部292が挿入されている。第2回転止め部292は、径方向の位置が異なる点を除いて、第1実施形態の第2回転止め部92と同様である。突起部283a,283bは、第1回転止め部281dの内面の一部を構成している。本実施形態では、突起部283a,283bの径方向外側の面が、第1回転止め部281dの径方向内側の内面を構成している。このように通気孔280の内壁に突起部283a,283bを設けて、通気孔280の一部を区切ることで、第1回転止め部281dを容易に作ることができる。
【0072】
<第3実施形態>
図7に示すように、本実施形態のロータ310において、ロータコア330の通気孔380は、第1孔部381のみからなる。第1孔部381は、内壁に突起部283a,283bが設けられていない点を除いて、第2実施形態の第1孔部281と同様の形状である。本実施形態において第1孔部381の径方向内側の部分は、第1回転止め部381dである。
【0073】
本実施形態においてファン390の第2回転止め部392は、周方向に間隔を空けて配置された一対の柱部392aを有する。一対の柱部392aは、軸方向に延びている。一対の柱部392aは、軸方向に見て、径方向に延びる略長方形状である。一対の柱部392aは、第1回転止め部381dに挿入されている。一対の柱部392aは、第1回転止め部381dの内面の周方向両側に位置する部分のそれぞれに周方向に対向して配置されている。そのため、一対の柱部392aを介して、第2回転止め部392を第1回転止め部381dに対して周方向に安定して接触させることができる。これにより、ファン390をロータコア330に対して相対回転を阻止しつつ安定して取り付けることができる。本実施形態において一対の柱部392aは、一対の第2内壁部81bのそれぞれと周方向に対向している。一対の柱部392aは、一対の第2内壁部81bにそれぞれ周方向に接触している。
【0074】
<第4実施形態>
図8に示すように、本実施形態のロータ410において、ロータコア430の形状は、第3実施形態のロータコア330の形状と同様である。本実施形態のロータコア430において、通気孔380の第1孔部381における径方向外側の端部は、第1回転止め部481dである。
【0075】
本実施形態においてファン490の第2回転止め部492は、軸方向に延びる略三角柱状である。第2回転止め部492は、第1回転止め部481dに挿入されている。第2回転止め部492は、一対の第1内壁部81aの径方向外側の端部同士の間に位置する。第2回転止め部492は、一対の第1内壁部81aのそれぞれに周方向に接触している。第2回転止め部492は、一対の第1内壁部81a同士の接続部分に径方向内側から接触している。
【0076】
<第5実施形態>
図9に示すように、本実施形態のロータ510において、ロータコア530は、ロータコア530の軸方向端面に開口する穴部580を有する。穴部580は、ロータコア530を軸方向に貫通する孔であってもよいし、軸方向の端部に底部を有する穴であってもよい。穴部580は、軸方向に見て、略円形状である。本実施形態のファン590における第2回転止め部592は、ロータコア530に向かって軸方向に突出し、第1回転止め部としての穴部580内に挿入されている。第2回転止め部592は、位置が異なる点を除いて、第1実施形態の第2回転止め部92と同様である。
【0077】
穴部580は、通気孔380と異なる位置に配置されている。本実施形態において第1回転止め部は、穴部580によって構成されている。そのため、通気孔380とは別に穴部580を設けることによって、通気孔380の位置によらず、第1回転止め部を設けることができる。これにより、第1回転止め部を配置する自由度を向上できる。本実施形態の通気孔380には、第1回転止め部が設けられていない。
【0078】
本実施形態において第1回転止め部としての穴部580は、マグネット保持部531に設けられている。本実施形態において第1回転止め部としての穴部580は、一対のマグネット穴51a,51b同士の周方向の間に位置する。このような位置に穴部580を配置することで、ロータコア530に流れる磁束が穴部580によって阻害されることを抑制できる。第1回転止め部としての穴部580は、軸方向に見て、第1仮想線Ldと重なる位置に設けられている。このような位置に穴部580を配置することで、ロータコア530に流れる磁束が穴部580によって阻害されることをより抑制できる。軸方向に見て、穴部580の中心は、第1仮想線Ldと重なっている。
【0079】
第1回転止め部としての穴部580は、ロータコア530の径方向外縁部に設けられている。そのため、より好適に径方向外側においてファン590をロータコア530に対して周方向に支持させることができ、ファン590をロータコア530に対して相対回転を阻止しつつ、より安定して取り付けることができる。
【0080】
なお、第1回転止め部としての穴部580の位置は、通気孔380と異なる位置であれば、特に限定されない。穴部580は、
図9において二点鎖線で示す穴部680の位置に設けられてもよい。穴部680は、軸方向に見て、第2仮想線Lqと重なる位置に設けられている。円形状の穴部680の中心は、軸方向に見て、第2仮想線Lqと重なっている。穴部680は、ロータコア530の径方向外縁部に設けられている。穴部680は、周方向に隣り合うマグネット保持部531のうち一方のマグネット保持部531におけるマグネット穴51aの外側穴部51eと他方のマグネット保持部531におけるマグネット穴51bの外側穴部51hとの周方向の間に位置する。穴部680は、通気孔380の径方向外側に間隔を空けて配置されている。
【0081】
本発明は上述の実施形態に限られず、本発明の技術的思想の範囲内において、他の構成および他の方法を採用することもできる。第1回転止め部は、ロータコアに設けられ、第2回転止め部に対して周方向に接触するならば、どのような構成であってもよい。第2回転止め部は、ファンに設けられ、第1回転止め部に対して周方向に接触するならばどのような構成であってもよい。第2回転止め部がファンに設けられた穴部であり、第1回転止め部がファンに向かって軸方向に突出して当該穴部内に挿入されてもよい。第1回転止め部の数および第2回転止め部の数は、それぞれ1つ以上であれば、特に限定されない。第1回転止め部の数と第2回転止め部の数とは、互いに同じであってもよい。
【0082】
ファンにおける第2回転止め部の位置は、特に限定されない。例えば、上述した第1実施形態において第2回転止め部92は、第2開口部96の内縁部から軸方向に突出していてもよいし、ファン本体部91のうち第1開口部95および第2開口部96以外の部分から軸方向に突出していてもよい。
【0083】
ファンは、通気孔と対向して配置された開口部を有し、第2回転止め部が設けられているならば、どのような構成であってもよい。ファンは、1つのみ設けられてもよい。ファンは、ロータコアに対してどのように軸方向に位置決めされてもよい。
【0084】
ロータコアにおいてマグネット穴は、どのように設けられてもよい。ロータコアは、上述した実施形態における一対のマグネット穴に加えて、当該一対のマグネット穴の径方向外側に位置する他のマグネット穴を有してもよい。当該他のマグネット穴は、上述した実施形態の一対のマグネット穴と同様に軸方向に見てV字形状に沿って配置される一対のマグネット穴であってもよいし、径方向と直交する方向に延びるマグネット穴であってもよい。当該他のマグネット穴が径方向と直交する方向に延びるマグネット穴である場合、上述した実施形態における一対のマグネット穴と当該他のマグネット穴とは、軸方向に見て、∇形状に沿って配置されてもよい。
【0085】
本発明が適用される回転電機は、モータに限られず、発電機であってもよい。回転電機の用途は、特に限定されない。回転電機は、車両以外の機器に搭載されてもよい。本発明が適用される駆動装置の用途は、特に限定されない。駆動装置は、例えば、車軸を回転させる用途以外の用途で車両に搭載されてもよいし、車両以外の機器に搭載されてもよい。回転電機、および駆動装置が用いられる際の姿勢は、特に限定されない。回転電機の中心軸は、鉛直方向と直交する水平方向に対して傾いていてもよいし、鉛直方向に延びてもよい。
【0086】
なお、本技術は以下のような構成をとることが可能である。
(1) 中心軸線回りに回転可能なロータであって、ロータコアと、前記ロータコアと軸方向に対向して配置されたファンと、を備え、前記ロータコアは、前記ロータコアを軸方向に貫通する通気孔を有し、前記ファンは、前記通気孔と対向して配置された開口部を有し、前記ロータコアには、第1回転止め部が設けられ、前記ファンには、前記第1回転止め部に対して周方向に接触する第2回転止め部が設けられている、ロータ。
(2) 前記第1回転止め部は、前記通気孔の一部によって構成された孔であり、前記第2回転止め部は、前記ロータコアに向かって軸方向に突出し、前記第1回転止め部内に挿入されている、(1)に記載のロータ。
(3) 前記第1回転止め部は、前記通気孔の径方向外側の端部によって構成されている、(2)に記載のロータ。
(4) 前記第1回転止め部が設けられた前記通気孔の内壁には、突起部が設けられ、前記突起部は、前記第1回転止め部の内面の一部を構成している、(2)または(3)に記載のロータ。
(5) 前記第2回転止め部は、周方向に間隔を空けて配置された一対の柱部を有し、前記一対の柱部は、前記第1回転止め部の内面のうち周方向両側に位置する部分のそれぞれに周方向に対向して配置されている、(2)から(4)のいずれか一項に記載のロータ。
(6) 前記通気孔は、周方向に間隔を空けて複数設けられ、前記第1回転止め部は、前記複数の通気孔のそれぞれに設けられている、(2)から(5)のいずれか一項に記載のロータ。
(7) 前記ロータコアは、前記ロータコアの軸方向端面に開口する穴部を有し、前記穴部は、前記通気孔と異なる位置に配置され、前記第1回転止め部は、前記穴部によって構成され、前記第2回転止め部は、前記ロータコアに向かって軸方向に突出し、前記第1回転止め部内に挿入されている、(1)に記載のロータ。
(8) 前記ロータコアは、周方向に互いに隣り合う一対のマグネット穴を有し、前記一対のマグネット穴は、軸方向に見て、径方向内側から径方向外側に向かうに従って互いに周方向に離れる方向に延び、前記第1回転止め部は、前記一対のマグネット穴同士の周方向の間に位置する、(7)に記載のロータ。
(9) 前記第1回転止め部は、軸方向に見て、前記一対のマグネット穴同士の間における周方向の中心を通り径方向に延びる第1仮想線と重なる位置に設けられている、(8)に記載のロータ。
(10) 前記ロータコアは、周方向に並んで配置された複数のマグネット保持部を有し、前記第1回転止め部は、軸方向に見て、周方向に隣り合う前記マグネット保持部同士の間における周方向の中心を通り径方向に延びる第2仮想線と重なる位置に設けられている、(2)から(9)のいずれか一項に記載のロータ。
(11) 前記第1回転止め部は、前記ロータコアの径方向外縁部に設けられている、(2)から(10)のいずれか一項に記載のロータ。
(12) 前記ロータコアは、軸方向に並んで配置された複数のコアピースを有し、前記第2回転止め部の軸方向の寸法は、前記コアピースの軸方向の寸法よりも小さい、(2)から(11)のいずれか一項に記載のロータ。
(13) 前記第2回転止め部は、前記第1回転止め部内に嵌め合わされている、(2)から(12)のいずれか一項に記載のロータ。
(14) 前記第1回転止め部は、周方向に間隔を空けて複数設けられ、前記第2回転止め部は、周方向に間隔を空けて複数設けられ、前記第2回転止め部の数は、前記第1回転止め部の数よりも少ない、(1)から(13)のいずれか一項に記載のロータ。
(15) 前記中心軸線に沿って延びるロータシャフトと、前記ロータシャフトの外周面に固定された抜け止め部材と、を備え、前記ロータコアは、前記ロータシャフトの外周面に固定され、前記ファンは、前記ロータコアと前記抜け止め部材との軸方向の間に位置する、(1)から(14)のいずれか一項に記載のロータ。
(16) (1)から(15)のいずれか一項に記載のロータと、前記ロータと径方向に隙間を介して対向するステータと、を備える、回転電機。
(17) (16)に記載の回転電機と、前記回転電機の動力を伝達する動力伝達部と、
を備える、駆動装置。
【0087】
以上、本明細書において説明した構成は、相互に矛盾しない範囲内において、適宜組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0088】
10,210,310,410,510…ロータ、20…ロータシャフト、23…抜け止め部材、30,230,330,430,530…ロータコア、30p…コアピース、31,531…マグネット保持部、40,41a,41b…マグネット、51a,51b…マグネット穴、60…回転電機、61…ステータ、70…動力伝達部、80,280,380…通気孔、82…第2孔部(第1回転止め部)、83a,283a…突起部、90,290,390,490,590…ファン、92,292,392,492,592…第2回転止め部、95…第1開口部(開口部)、96…第2開口部(開口部)、100…駆動装置、281d,381d,481d…第1回転止め部、392a…柱部、580,680…穴部(第1回転止め部)、J…中心軸線、Ld…第1仮想線、Lq…第2仮想線