(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024051283
(43)【公開日】2024-04-11
(54)【発明の名称】医療関係者向け情報伝達システム、情報伝達方法、及び医療関係者向け情報提供システム
(51)【国際特許分類】
G16H 70/00 20180101AFI20240404BHJP
【FI】
G16H70/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022157355
(22)【出願日】2022-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】522088553
【氏名又は名称】株式会社コラボプレイス
(74)【代理人】
【識別番号】110002860
【氏名又は名称】弁理士法人秀和特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】安藤 井達
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA01
(57)【要約】
【課題】予め許可された会員の間で適切な情報のみを共有・伝達することを可能とする医療関係者向け情報伝達システム、当該医療関係者向け情報伝達システムを用いた情報伝達方法、及び当該医療関係者向け情報伝達システムを含む医療関係者向け情報提供システムを提供する。
【解決手段】予め許可された会員のみが利用可能な医療関係者向け情報伝達システムは、伝達情報に付属可能な医療関連情報である付属可能情報を記憶する記憶部と、医療関連情報が付属可能情報として記憶部に記憶可能な医療関連情報か否かを判定する判定部と、記憶部に記憶された付属可能情報以外の医療関連情報が伝達情報に付属されることを禁止する禁止部と、を備えていてもよい。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め許可された会員のみが利用可能な医療関係者向け情報伝達システムであって、
前記会員が前記医療関係者向け情報伝達システムによって所定の相手方に伝達情報を送信する際に、該伝達情報に付属可能な医療関連情報である付属可能情報を記憶する記憶部と、
前記記憶部に前記医療関連情報が記憶される際に、前記医療関連情報が前記付属可能情報として前記記憶部に記憶可能な医療関連情報か否かを判定する判定部と、
前記記憶部に記憶された前記付属可能情報以外の医療関連情報が前記伝達情報に付属されることを禁止する禁止部と、
を備えることを特徴とする医療関係者向け情報伝達システム。
【請求項2】
前記付属可能情報は、前記伝達情報に記載されたインターネット上のアドレスにアクセスすることで取得可能な医療関連情報であり、
前記判定部は、前記アドレスが予め設定されたドメインを有するかによって、前記記憶部に記憶可能な医療関連情報か否かを判定することを特徴とする、請求項1に記載の医療関係者向け情報伝達システム。
【請求項3】
前記判定部は、前記医療関連情報が、所定の禁止ワードを含むか否かによって、前記記憶部に記憶可能な医療関連情報か否かを判定することを特徴とする、請求項1に記載の医療関係者向け情報伝達システム。
【請求項4】
前記禁止部は、前記記憶部に記憶された前記付属可能情報であって、前記情報伝達システムによって所定の相手方に伝達情報を送信する会員以外の会員に由来する医療関連情報が前記伝達情報に付属されることをさらに禁止することを特徴とする、請求項1に記載の医療関係者向け情報伝達システム。
【請求項5】
予め許可された会員のみが利用可能な医療関係者向け情報伝達システムにおける、情報伝達方法であって、
前記会員が前記情報伝達システムによって所定の相手方に伝達情報を送信する際に、該伝達情報に付属可能な医療関連情報である付属可能情報を所定の記憶部に記憶する記憶工程と、
前記記憶工程において、前記医療関連情報が前記付属可能情報として前記記憶部に記憶可能な医療関連情報か否かを判定する判定工程と、
前記記憶部に記憶された前記付属可能情報以外の医療関連情報が前記伝達情報に付属されることを禁止する禁止工程と、
を有することを特徴とする、情報伝達方法。
【請求項6】
前記付属可能情報は、前記伝達情報に記載されたインターネット上のアドレスにアクセスすることで取得可能な医療関連情報であり、
前記判定工程においては、前記アドレスが予め設定されたドメインを有するかによって、前記記憶部に記憶可能な医療関連情報か否かを判定することを特徴とする、請求項5に記載の情報伝達方法。
【請求項7】
前記判定工程においては、前記医療関連情報が、所定の禁止ワードを含むか否かによって、前記記憶部に記憶可能な医療関連情報か否かを判定することを特徴とする、請求項5に記載の情報伝達方法。
【請求項8】
前記禁止工程においては、前記記憶部に記憶された前記付属可能情報であって、前記情報伝達システムによって所定の相手方に伝達情報を送信する会員以外の会員に由来する医
療関連情報が前記伝達情報に付属されることをさらに禁止することを特徴とする、請求項5に記載の情報伝達方法。
【請求項9】
請求項1から4のいずれかに記載の医療関係者向け情報伝達システムを含むとともに、インターネット上のアドレスを通じて前記予め許可された会員に医療関連情報を提供する、医療関係者向け情報提供システムであって、
所定の会員が前記インターネット上のアドレスにアップロードする医療関連情報が、アップロード可能な医療関連情報か否かを判定する第2判定部と、
前記第2判定部によって、アップロード可能な医療関連情報でないと判定された医療関連情報のアップロードを禁止する第2禁止部と、
を備えることを特徴とする医療関係者向け情報提供システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療関係者向け情報伝達システム、当該医療関係者向け情報伝達システムを用いた情報伝達方法、及び当該医療関係者向け情報伝達システムを含む医療関係者向け情報提供システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、病院や医院もしくは薬局等の医療機関、あるいはそれらに関連する企業等(医薬品メーカーや医療機器メーカーや流通業者等)を含む医療業界においては、患者の個人情報や営業秘密等が第三者に漏洩することを防止するといった観点から、特定の会員のみが利用可能な情報提供システムが導入されることがある。このようなシステムを利用することによって、複数の会員の間で容易に情報を共有・伝達することが可能となり、例えば医師がその情報に基づいて患者に健康管理に関するアドバイスを提供する等、医療業界における業務の改善や効率化を図ることができる(例えば、特許文献1乃至3参照)。
【0003】
しかしながら、会員といえども、医療業界における規定等に従って、あらゆる情報を共有・伝達することが認められているわけではない。例えば医薬品メーカーの担当者が、他社の利益を害する目的でその他社の医薬品に係る不適切な情報を提供するような行為は、禁止されるべきである。このように、特定の会員のみが利用可能なシステムにおいても、その会員の間で不適切な情報が共有・伝達されてしまうことは回避されるべきである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008-033779号公報
【特許文献2】特開2010-020606号公報
【特許文献3】特開2004-362297号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本件開示の技術は、上記の問題を解決するためになされたものであり、その目的は、予め許可された会員の間で適切な情報のみを共有・伝達することを可能とする医療関係者向け情報伝達システム、当該医療関係者向け情報伝達システムを用いた情報伝達方法、及び当該医療関係者向け情報伝達システムを含む医療関係者向け情報提供システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するための本開示は、予め許可された会員のみが利用可能な医療関係者向け情報伝達システムであって、
前記会員が前記情報伝達システムによって所定の相手方に伝達情報を送信する際に、該伝達情報に付属可能な医療関連情報である付属可能情報を記憶する記憶部と、
前記記憶部に医療関連情報が記憶される際に、該医療関連情報が前記付属可能情報として前記記憶部に記憶可能な医療関連情報か否かを判定する判定部と、
前記記憶部に記憶された前記付属可能情報以外の医療関連情報が前記伝達情報に付属されることを禁止する禁止部と、
を備えることを特徴とする医療関係者向け情報伝達システムである。
【0007】
本開示による医療関係者向け情報伝達システムは、例えばインターネット上で情報を共
有・伝達するためのコミュニケーションツールとして稼働するシステムであり、予め許可された会員のみが利用可能であることを前提とする。従って、例えば患者の個人情報や営業秘密等に係る医療関連情報が非会員に漏洩することを防止できる。しかしながら、このような場合であっても、不適切な医療関連情報(上記の付属可能情報以外の医療関連情報に相当する)が会員の間で共有・伝達される虞がある。本開示による医療関係者向け情報伝達システムは、伝達情報に付属可能な情報を記憶する記憶部を備えている。そして、不適切な医療関連情報は、判定部によって、記憶部に記憶可能な医療関連情報でないと判定され、記憶部に記憶されない。さらに、禁止部によって、記憶部に記憶された上記付属可能情報以外の医療関連情報が上記伝達情報に付属されることが禁止される。従って、このような情報が会員の間で共有・伝達されることを未然に防止することができ、結果的に適切な医療関連情報のみを会員間で共有・伝達することができる。さらには、医療業界におけるより円滑なコミュニケーションを図ることもできる。
【0008】
また、本開示においては、前記付属可能情報は、前記伝達情報に記載されたインターネット上のアドレスにアクセスすることで取得可能な医療関連情報であり、前記判定部は、前記アドレスが予め設定されたドメインを有するかによって、前記記憶部に記憶可能な医療関連情報か否かを判定することとしてもよい。このように、判定部が記憶部に記憶可能と判定する情報のアドレスを、予め設定されたドメインを有するアドレスに限定することで、素性が不明瞭な情報が伝達情報に付属されることを防止することができ、より安全な情報のみを伝達情報に付属可能にすることができる。
【0009】
また、本開示においては、前記判定部は、前記医療関連情報が、所定の禁止ワードを含むか否かによって、前記記憶部に記憶可能な医療関連情報か否かを判定することとしてもよい。ここで、所定の禁止ワードとは、医療業界における規定において使用不可と定義されている表現のことであり、本開示に係る情報伝達システムにおいては会員の間で所定の禁止ワードが共有・伝達されることを防止する必要がある。本開示においては判定部が、医療関連情報が、所定の禁止ワードを含む場合に、記憶部に記憶可能な医療関連情報でないと判定することによって、適切な医療関連情報のみを共有・伝達することができる。
【0010】
また、本開示においては、前記禁止部は、前記記憶部に記憶された前記付属可能情報であって、前記情報伝達システムによって所定の相手方に伝達情報を送信する会員以外の会員に由来する医療関連情報が前記伝達情報に付属されることをさらに禁止することとしてもよい。これによれば、提供元が不明瞭な医療関連情報が共有・伝達されることを防止することができる。
【0011】
また、上記の課題を解決するための本開示は、
予め許可された会員のみが利用可能な医療関係者向け情報伝達システムにおける、情報伝達方法であって、
前記会員が前記情報伝達システムによって所定の相手方に伝達情報を送信する際に、該伝達情報に付属可能な医療関連情報である付属可能情報を所定の記憶部に記憶する記憶工程と、
前記記憶工程において、該医療関連情報が前記付属可能情報として前記記憶部に記憶可能な医療関連情報か否かを判定する判定工程と、
前記記憶部に記憶された前記付属可能情報以外の医療関連情報が前記伝達情報に付属されることを禁止する禁止工程と、
を有することを特徴とする、情報伝達方法であってもよい。
【0012】
本開示による情報伝達方法を、医療関係者向け情報伝達システムに適用することによって、予め許可された会員のみの間で適切な医療関連情報のみを共有・伝達することができる。また、会員間で共有・伝達することが不適切な医療関連情報は、判定工程において、
記憶部に記憶可能な医療関連情報でないと判定され、記憶部に記憶されない。さらに、禁止工程において、記憶部に記憶された上記付属可能情報以外の医療関連情報が上記伝達情報に付属されることが禁止される。従って、このような情報が会員の間で共有・伝達されることを未然に防止することができ、結果的に適切な医療関連情報のみを会員間で共有・伝達することができる。さらには、医療業界におけるより円滑なコミュニケーションを図ることもできる。
【0013】
また、本開示においては、前記付属可能情報は、前記伝達情報に記載されたインターネット上のアドレスにアクセスすることで取得可能な医療関連情報であり、前記判定工程においては、前記アドレスが予め設定されたドメインを有するかによって、前記記憶部に記憶可能な医療関連情報か否かを判定することとしてもよい。これによれば、素性が不明瞭な情報が伝達情報に付属されることを防止することができ、より安全な情報のみを伝達情報に付属可能にすることができる。
【0014】
また、本開示においては、前記判定工程においては、前記医療関連情報が、所定の禁止ワードを含むか否かによって、前記記憶部に記憶可能な医療関連情報か否かを判定することとしてもよい。判定工程において、医療関連情報が、所定の禁止ワードを含む場合に、記憶部に記憶可能な医療関連情報でないと判定することによって、適切な医療関連情報のみを共有・伝達することができる。
【0015】
また、本開示においては、前記禁止工程においては、前記記憶部に記憶された前記付属可能情報であって、前記情報伝達システムによって所定の相手方に伝達情報を送信する会員以外の会員に由来する医療関連情報が前記伝達情報に付属されることをさらに禁止することとしてもよい。これによれば、例えば、A会員が送信する伝達情報には、A会員以外の会員に由来する医療関連情報尾を付属させることができないようにすることができる。従って、これによれば、情報源が不特定の医療関連情報が、伝達情報に付属されて共有・伝達されることをより確実に防止することができる。
【0016】
また、上記の課題を解決するための本開示は、
上記のいずれかに記載の医療関係者向け情報伝達システムを含むとともに、インターネット上のアドレスを通じて前記予め許可された会員に医療関連情報を提供する、医療関係者向け情報提供システムであって、
所定の会員が前記インターネット上のアドレスにアップロードする医療関連情報が、アップロード可能な医療関連情報か否かを判定する第2判定部と、
前記第2判定部によって、アップロード可能な医療関連情報でないと判定された医療関連情報のアップロードを禁止する第2禁止部と、
を備えることを特徴とする医療関係者向け情報提供システムであってもよい。
【0017】
本開示による医療関係者向け情報提供システムは、例えばインターネット上にアップロードされた情報を掲載するためのシステムであり、ポータルサイトを例示できる。そして、構成要素の一部として上記のいずれかに記載の医療関係者向け情報伝達システムを含む。本開示による医療関係者向け情報提供システムによれば、上記の通り、適切な医療関連情報のみを提供し、共有・伝達することができ、さらに、インターネット上の特定のアドレスに適切な医療関連情報をアップロードすることができる。アップロードが要求された情報が不適切であった場合は、第2判定部によって、アップロード可能でないと判定され、第2禁止部によって、医療関係者向け情報提供システムにアップロードされることが禁止される。結果的に、会員が不適切な情報を取得することをより確実に防止することができる。
【0018】
なお、上記の課題を解決するための手段は、可能な限り互いに組み合わせて用いること
ができる。
【発明の効果】
【0019】
本件開示の技術によれば、予め許可された会員の間で適切な情報のみを共有・伝達することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】
図1は、実施例に係る医療関係者向け情報伝達システムのハードウェア構成を示す模式図である。
【
図2】
図2は、実施例に係るポータルサイトにおけるライブラリの表示態様の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、実施例に係るポータルサイトにおけるチャットシステムの仕組みの一例を示す図である。
【
図4】
図4は、実施例に係る医療関係者向け情報伝達システムの機能構成を示すブロック図である。
【
図5】
図5は、実施例に係る医療関係者向け情報伝達システムを用いた情報伝達方法の手順を示すフローチャートである。
【
図6】
図6は、実施例に係る医療関係者向け情報提供システムの機能構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
〔実施例〕
以下、本開示の実施例について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下に示す実施例は、本開示の一態様であり、本願発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0022】
<構成>
最初に、本開示の実施例の概要について説明する。実施例に係る医療関係者向け情報伝達システム1(後述の
図4に図示)は、予め許可された会員が適切な医療関連情報のみを共有・伝達することを可能とするシステムである。医療関係者向け情報伝達システム1は、コミュニケーションをとるためのチャットシステム72(後述の
図3に図示)に相当する。また、実施例に係る医療関係者向け情報提供システム1a(後述の
図6に図示)は、医療関係者向け情報伝達システム1を含んで構成され、上記の会員が適切な医療関連情報を閲覧することを可能とするシステムである。医療関係者向け情報提供システム1aは、医療関連情報をインターネット上に掲載可能なポータルサイト7に相当する。
【0023】
図1は、実施例に係る医療関係者向け情報伝達システム1のハードウェア構成を示す模式図である。当該医療関係者向け情報伝達システム1は、例えば医療業界において医療関連情報を共有・伝達する目的で、予め許可された会員のみが利用可能なシステムである。本実施例において、担当者2は、例えばMRであり、医院や総合病院等の医療機関における医師3(薬剤師や看護師であってもよい)へ医療関連情報を提供することや、医師3からその医療関連情報に係る要望や改善策を収集すること等を担当する。また、メーカー4は、例えば医薬品メーカーや医療機器メーカー(の担当者)であり、担当者2に医薬品や医療機器に関連する医療関連情報を提供する(医師3に直接提供してもよい)。管理者6は、例えば医療関係者向け情報伝達システム1の運営会社の社員であり、医療関係者向け情報伝達システム1を管理する。本実施例において、担当者2、医師3、及びメーカー4は、医療関係者向け情報伝達システム1を利用可能な会員であるとする。
【0024】
図1においては、担当者2用の端末21、医師3用の端末31、メーカー4用の端末41、ネットワークにおけるクラウド上に設けられた管理サーバ51、及び管理者6用の端末61のハードウェア構成を示す。なお、管理サーバ51は、クラウド上に設けられたも
のに限らず、管理者6自体が所有・管理するものであってもよい。また、複数の医師3が各々端末31を有していてもよく、一の端末31を共有して用いてもよい。メーカー4についても同様である。
【0025】
担当者2用の端末21は、CPU211、RAM212、ROM213、HDD等の補助記憶装置214、クラウド上に設けられた管理サーバ51の通信部515に接続される通信部215、タッチパネル等の操作部216、及びディスプレイ等の表示部217を備えたコンピュータやタブレット端末等であり、スマートフォンであってもよい。通信部215は、例えば、無線LANのアクセスポイント等を介して管理サーバ51にアクセスするためのNIC(Network interface controller)の他、LTE(Long Term Evolution)等の携帯電話通信網を介して管理サーバ51にアクセスする機能を有していてもよい。また、
図1では、端末21は1台で例示しているが、端末21は、例えば、ネットワークで接続された複数台のコンピュータにより構成されてもよい。
【0026】
一方、医師3用の端末31は、CPU311、RAM312、ROM313、HDD等の補助記憶装置314、管理サーバ51にアクセスするための通信部315、タッチパネル等の操作部316、及びディスプレイ等の表示部317を備えたコンピュータやタブレット端末等である。端末31のハードウェア構成は、端末21のハードウェア構成と同等であるため、端末31のハードウェア構成について詳細な説明は省略する。端末31は、携帯型の端末であってもよく、据え置き型の端末であってもよい。また、メーカー4用の端末41についても、端末21、31と同様に、CPU411、RAM412、ROM413、補助記憶装置414、通信部415、操作部416、及び表示部417を備えて構成される。
【0027】
管理サーバ51は、CPU511、RAM512、ROM513、SSD等の補助記憶装置514、及び通信部515を備えたコンピュータである。管理サーバ51のハードウェア構成は、端末21、31、41のハードウェア構成と類似しているが、必ずしも操作部216(操作部316、416)及び表示部217(表示部317、417)を備える必要がない点で、端末21、31、41のハードウェア構成と相違する。CPU511は、中央処理装置であり、RAM512等に展開されたコマンド及びデータを処理することで、RAM512や補助記憶装置514等を制御する。RAM512は、主記憶装置であり、CPU511によって制御され、各種コマンドやデータが書き込まれ、読み出される。補助記憶装置514は、不揮発性の記憶装置であり、各種プログラムや、長期的な保存が求められるデータ等が記憶される。
【0028】
管理者6用の端末61は、CPU611、RAM612、ROM613、補助記憶装置614、ゲートウェイ等を介して管理サーバ51の通信部515に接続される通信部615、操作部616、及び表示部617を備えたコンピュータやタブレット端末等である。端末61のハードウェア構成は、端末21、31、41のハードウェア構成と同等であるため、端末61のハードウェア構成について詳細な説明は省略する。通信部615が通信部515に接続されることによって、管理者6は、管理サーバ51にアクセスし、後述の
図4に示す医療関係者向け情報伝達システム1の機能を管理することができる。
【0029】
通信部215、315、415は各々、通信部515を介して互いに接続されるため、担当者2、医師3、及びメーカー4は、上述の通り、管理者6の管理の下、互いに医療関連情報を共有・伝達することができる。医療関係者向け情報伝達システム1においては、担当者2、医師3、及びメーカー4はグループを作成してそのグループ内で医療関連情報を共有・伝達することができる。なお、管理者6は、後述の
図4に示す医療関係者向け情報伝達システム1の機能を管理する他、医療関係者向け情報伝達システム1によって、担
当者2、医師3、及びメーカー4との間でコミュニケーションをとることもできる。
【0030】
しかしながら、担当者2、医師3、及びメーカー4が会員といえども、あらゆる医療関連情報を医療関係者向け情報伝達システム1によって共有・伝達することが認められているわけではない。不適切な医療関連情報が自由に共有・伝達できることは望ましくないという観点から、具体的には、
図2に示す実施例に係るポータルサイト7におけるライブラリ71にアップロードされ、掲載された医療関連情報のみを医療関係者向け情報伝達システム1によって共有・伝達できる。なお、
図2に示すライブラリ71は、より正確には表示部617(または表示部217、317、417)によるライブラリ71の表示画面の一例であるが、以下、ライブラリ71の表示画面を簡単にライブラリ71ともいう。
図3に示すチャットシステム72についても同様である。
【0031】
図2には、医療関連情報の媒体としてのカタログ(デジタルカタログ)をライブラリ71に掲載した場合の表示態様の一例を示す。ライブラリ71においては、カタログの種類が一目で分かるように、そのカタログのサムネイル画像が表示されるようにしてもよい。このサムネイル画像や、「詳細」と表示されたボタンを押すと、そのカタログに係る情報(例えばカタログのタイトルや、カタログが掲載された日時や、カタログの提供者等)を確認することができる。「デジタルカタログ」と表示されたボタンを押すと、カタログの中身を閲覧することができる。なお、医療関連情報の媒体は、カタログ以外の各種取り扱い説明書等の資料であってもよい。また、情報の形態は例えば、書面の各頁の画像であってもよいし、動画であってもよい。「ポータル」と表示されたボタンを押すと、ポータルサイト7に戻ることができる。
【0032】
また、
図2に示す通り、ライブラリ71には「医療材料」と表示されており、この表示を選択することによって、ライブラリ71に掲載されたカタログの中から、医療材料に関連する情報が含まれるカタログが抽出されて表示される。これによって、ライブラリ71を確認する者は、所望のカタログを発見しやすくなる。なお、医療材料に関連する情報は、医療関連情報のカテゴリーの一種であり、このカテゴリーには他に、一般用医薬品や化粧品や薬局等に関連する情報が含まれる。また、このカテゴリーの他、例えばカタログをライブラリ71に掲載したメーカー4によってカタログを分類し、そのカタログが抽出されて表示されるようにしてもよい。
【0033】
次に
図3を用いて、実施例に係るポータルサイト7におけるチャットシステム72の仕組みの一例を示す。なお、
図3においては、医療関係者向け情報伝達システム1としてチャットシステム72を示す。上述の通り、会員であるチャットシステム72の利用者は、
図2に示す通りにライブラリ71に掲載された医療関連情報のみをチャットシステム72によって共有・伝達できる。ポータルサイト7には、会員ごとに付与された会員IDと、ライブラリ71に掲載された医療関連情報ごとに付与されたライブラリIDが登録されている。会員は、担当者2や医師3等の個人が入会する個人会員と、メーカー4等の団体(法人格の有無は不問)が入会する団体会員に分類される。また、ライブラリ71に掲載された医療関連情報としては、カタログと動画を例示する。
【0034】
図3に示すように、本実施例におけるポータルサイト7は、情報の流通範囲が閉域ネットワークに限定されるとともに、利用できる会員のIDである会員IDと、チャットシステム72においてメッセージに付属させることができる情報のIDが厳格に管理されることで、情報共有できる会員と、共有できる情報のセキュリティが確保される。閉域ネットワーク内で、会員IDとライブラリIDが厳格に管理されているので、会員以外はポータルサイト7にアクセスできず、また、登録された情報以外はチャットシステム72によって流通させることができない。よって、セキュリティの高いチャットシステム72が実現されている。例えば、個人会員や団体会員(
図3においては、個人会員A、個人会員B、
及び団体会員Aを例示)は、チャットシステム72を利用することができるが、そうでない個人や団体(
図3においては、非会員Cを例示)は利用できない。なお、非会員Cについては、チャットシステム72を利用できないのみならず、ポータルサイト7にアクセスすることができない。また、ライブラリ71に掲載された医療関連情報は閉域ネットワークの外部に流出されない(
図3においては、カタログA、及び動画Aを例示)。ここで、カタログA、及び動画Aが閉域ネットワークの外部に流出することとは、例えばこれらがポータルサイト7と異なる他のドメインを有するアドレスに転送されることを示す。
【0035】
図4は、実施例に係る医療関係者向け情報伝達システム1(チャットシステム72)の機能構成を示すブロック図である。上述の通り、ライブラリ71に掲載された医療関連情報のみがチャットシステム72によって共有・伝達されるが、その機能について
図4を用いて詳細に説明する。医療関係者向け情報伝達システム1は一例として、記憶部11、判定部12、禁止部13、及び送信部14等を備えて構成される。また、以下では、医療関係者向け情報伝達システム1によって共有・伝達することが可能なメッセージを伝達情報といい、医療関連情報の中でも特に、伝達情報に付属させて医療関係者向け情報伝達システム1によって共有・伝達することが可能な情報を付属可能情報という。また、付属とは、具体的には、医療関係者向け情報伝達システム1において伝達情報にインターネット上のアドレスをアクセス可能に記載することをいう。このアドレスにアクセスすることによって、例えば上述のカタログや動画を取得することができる。
【0036】
記憶部11は、管理サーバ51における補助記憶装置514から構成され、ライブラリ71に掲載されるべき医療関連情報を記憶する。このとき、判定部12は、この医療関連情報が付属可能情報として記憶部11に記憶可能であるか否かを判定する。付属可能情報として記憶部11に記憶可能でないと判定された場合は、この医療関連情報をライブラリ71に登録することができない。また、禁止部13は、ライブラリ71に登録されていない医療関連情報(付属可能情報として記憶部11に記憶されていない医療関連情報)が、伝達情報に付属されることを禁止する。その結果、送信部14は、判定部12が付属可能情報として記憶部11に記憶可能でないと判定した情報を伝達情報に付属して共有・伝達することができない。反対に、付属可能情報として記憶部11に記憶可能であると判定された場合は、この医療関連情報をライブラリ71に登録することができる。その結果、送信部14は、ライブラリ71に登録された医療関連情報(付属可能情報として記憶部11に記憶された医療関連情報)のみを付属した伝達情報を共有・伝達することができる。
【0037】
医療関連情報が付属可能情報として記憶部11に記憶可能であるか否かを判定部12が判定する方法の一例として、判定部12は、医療関連情報の取得元である上記のアドレスが予め設定された特定ドメインを有するか否かを判定する。特定ドメインを有するアドレスは、予め信頼性が高い情報のみが記憶されるアドレスとして設定される。よって、アドレスが予め設定された特定ドメインを有すると判定された場合は、医療関連情報が十分に高い信頼性を有し、付属可能情報として記憶部11に記憶可能であると判定され、このアドレスにアクセスすることによって付属可能情報を取得することができる。
【0038】
医療関連情報が付属可能情報として記憶部11に記憶可能であるか否かを判定部12が判定する方法の他の一例として、判定部12は、医療関連情報が所定の禁止ワードを含むか否かを判定する。この所定の禁止ワードは、医療業界において厳格に定義されており、会員の間で共有・伝達されることが禁止されている。所定の禁止ワードには一例として、他社薬剤の名称を挙げて、自社薬剤の他社薬剤に対する優位性を主張する文言や、不公正な取引が看取される文言等が含まれる。よって、医療関連情報が所定の禁止ワードを含むと判定された場合は、医療関連情報が付属可能情報として記憶部11に記憶可能であると判定されず、ライブラリ71への登録が許可されない。禁止部13は、ライブラリ71に登録されていない情報の、伝達情報への付属を禁止するので、結果として、この医療関連
情報が伝達情報に付属されることが禁止される。
【0039】
また、禁止部13は、ライブラリ71に登録されていない情報の、伝達情報への付属を禁止する他、医療関係者向け情報伝達システム1によって所定の相手方に伝達情報を共有・伝達する会員以外の会員(すなわち伝達情報の送信先に含まれない会員)に由来する医療関連情報が伝達情報に付属されることを禁止する。これによれば、例えば、A会員が送信する伝達情報には、A会員以外の会員に由来する医療関連情報尾を付属させることができないようにすることができる。従って、情報源が不特定の医療関連情報が、伝達情報に付属されて共有・伝達されることをより確実に防止することができる。
【0040】
<フローチャート>
図5は、実施例に係る医療関係者向け情報伝達システム1を用いた情報伝達方法の手順を示すフローチャートである。本フローチャートでは、先ずステップS1において、ライブラリ71へ医療関連情報がアップロードされることが要求される。次にステップS2において、判定部12が、この医療関連情報が付属可能情報として記憶部11に記憶可能であるか否か(すなわち、ライブラリ71に医療関連情報がアップロードされることが適切であるか否か)を判定する。判定部12がこの判定を実行する方法の一例としては、上述の通り、医療関連情報の取得元であるアドレスが予め設定されたドメインを有するか否かを判定する方法や、医療関連情報が所定の禁止ワードを含むか否かを判定する方法等が挙げられる。また、ステップS2においては、医療関係者向け情報伝達システム1による伝達情報の送付主体以外の会員に由来する医療関連情報が伝達情報に付属されることを許可しないようにしてもよい。ここで、ステップS2は、本開示における判定工程に相当する。
【0041】
付属可能情報として記憶部11に記憶可能でないと判定された場合は(ステップS2:no)、医療関連情報が付属可能情報として記憶部11に記憶されず、ステップS3において、禁止部13が、当該医療関連情報が、伝達情報に付属されることを禁止する。ここで、ステップS3は、本開示における禁止工程に相当する。最後にステップS4において、送信部14が、伝達情報のみを共有・伝達する。
【0042】
一方、付属可能情報として記憶部11に記憶可能であると判定された場合は(ステップS2:yes)、ステップS5において、医療関連情報が付属可能情報として記憶部11に記憶される。このとき、禁止部13は、記憶部11に記憶された医療関連情報に対して機能しない。最後にステップS6において、送信部14が、当該付属可能情報を付属した伝達情報を共有・伝達する。
【0043】
<構成>
図6は、実施例に係る医療関係者向け情報提供システム1a(ポータルサイト7)の機能構成を示すブロック図である。実施例に係る医療関係者向け情報提供システム1aは、構成要素の一部として
図4に示す医療関係者向け情報伝達システム1を含み、さらに第2判定部15、及び第2禁止部16を備えて構成される。医療関係者向け情報提供システム1aによって、会員は医療関連情報を提供される。
【0044】
第2判定部15は、会員がポータルサイト7にアクセスするための情報(例えばアドレス等)がアップロード可能であるか否かを判定する。第2判定部15による、アップロード可否の判定基準(判定方法)は、上述の判定部12による記憶部11への記憶可否の判定基準(判定方法)と同様であってもよい。ここで、第2判定部15によってアップロード可能でないと判定された場合は、第2禁止部16は、ポータルサイト7で提供可能とする情報がアップロードされることを禁止する。また、第2禁止部16は、会員以外の者が医療関連情報をアップロードすることを禁止してもよい。会員は、第2判定部15、及び
第2禁止部16による処置を経てポータルサイト7にアップロードされた情報のみにアクセスできる。
【0045】
医療関係者向け情報伝達システム1を構成要素の一部として含む医療関係者向け情報提供システム1aを用いることによって、不適切な医療関連情報がポータルサイト7に登録されることを防止し、且つ、医療関係者向け情報伝達システム1によって不適切な情報が会員の間で共有・伝達されることを防止することが可能である。すなわち、会員が不適切な医療関連情報を取得する不都合をより確実に防止することが可能である。なお、第2判定部15、及び第2禁止部16は、管理サーバ51によって実現されていてもよく、他の管理サーバによって実現されていてもよい。
【符号の説明】
【0046】
1・・・医療関係者向け情報伝達システム
1a・・・医療関係者向け情報提供システム
11・・・記憶部
12・・・判定部
13・・・禁止部
14・・・送信部
15・・・第2判定部
16・・・第2禁止部
2・・・担当者
21・・・端末
211・・・CPU
212・・・RAM
213・・・ROM
214・・・補助記憶装置
215・・・通信部
216・・・操作部
217・・・表示部
3・・・医師
311・・・CPU
312・・・RAM
313・・・ROM
314・・・補助記憶装置
315・・・通信部
316・・・操作部
317・・・表示部
4・・・メーカー
411・・・CPU
412・・・RAM
413・・・ROM
414・・・補助記憶装置
415・・・通信部
416・・・操作部
417・・・表示部
51・・・管理サーバ
511・・・CPU
512・・・RAM
513・・・ROM
514・・・補助記憶装置
515・・・通信部
6・・・管理者
611・・・CPU
612・・・RAM
613・・・ROM
614・・・補助記憶装置
615・・・通信部
616・・・操作部
617・・・表示部
7・・・ポータルサイト
71・・・ライブラリ
72・・・チャットシステム