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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024051302
(43)【公開日】2024-04-11
(54)【発明の名称】通信回路及び通信装置
(51)【国際特許分類】
   H04B 1/38 20150101AFI20240404BHJP
   H03H 7/01 20060101ALI20240404BHJP
【FI】
H04B1/38
H03H7/01 C
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022157383
(22)【出願日】2022-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】000006231
【氏名又は名称】株式会社村田製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100126480
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 睦
(72)【発明者】
【氏名】石川 瑞穂
【テーマコード(参考)】
5J024
5K011
【Fターム(参考)】
5J024AA02
5J024AA03
5J024BA04
5J024CA02
5J024CA03
5J024EA01
5K011DA01
5K011DA27
5K011JA01
5K011KA01
5K011KA18
(57)【要約】
【課題】デュプレクサを含む信号伝送経路及びデュプレクサを含まない信号伝送経路を切り替え可能な構成において、回路規模の増大を抑制し、かつ、いずれの信号伝送経路でも信号がフィルタを通過することが可能な通信回路及び通信装置を提供する。
【解決手段】通信回路は、送信信号が供給される送信端子と、送信ノード、受信ノード及び共通ノードを有する第1デュプレクサと、前記第1デュプレクサの前記共通ノードに電気的に接続された第1端と、アンテナ端子に電気的に接続された第2端と、を有する第1フィルタと、前記送信信号を外部回路へ出力する第1補助出力端子と、第2フィルタの一部である第1素子であって、第1端と、前記第1補助出力端子に電気的に接続された第2端と、を有する第1素子と、前記送信端子の電気的な接続先を、前記第1デュプレクサの前記送信ノード及び前記第1素子の前記第1端のいずれかに切り替える第1スイッチと、を備える。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信信号が供給される送信端子と、
送信ノード、受信ノード及び共通ノードを有する第1デュプレクサと、
前記第1デュプレクサの前記共通ノードに電気的に接続された第1端と、アンテナ端子に電気的に接続された第2端と、を有する第1フィルタと、
前記送信信号を外部回路へ出力する第1補助出力端子と、
第2フィルタの一部である第1素子であって、第1端と、前記第1補助出力端子に電気的に接続された第2端と、を有する第1素子と、
前記送信端子の電気的な接続先を、前記第1デュプレクサの前記送信ノード及び前記第1素子の前記第1端のいずれかに切り替える第1スイッチと、を備える、
通信回路。
【請求項2】
請求項1に記載の通信回路であって、
前記第1フィルタは可変フィルタであり、
前記通信回路は、
送信ノード、受信ノード及び共通ノードを有する第2デュプレクサと、
前記第1フィルタの前記第1端の電気的な接続先を、前記第1デュプレクサの前記共通ノード及び前記第2デュプレクサの前記共通ノードのいずれかに切り替える第2スイッチと、をさらに備え、
前記第1スイッチは、前記送信端子の電気的な接続先を、前記第1デュプレクサの前記送信ノード、前記第2デュプレクサの前記送信ノード及び前記第1素子の前記第1端のいずれかに切り替える、
通信回路。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の通信回路であって、
前記外部回路は、
前記第2フィルタの他の一部である第2素子であって、前記第1補助出力端子に接続された第1端と、接地に接続された第2端と、を有する第2素子を含む、
通信回路。
【請求項4】
請求項1又は2に記載の通信回路であって、
前記第1素子は、第1インダクタである、
通信回路。
【請求項5】
請求項3に記載の通信回路であって、
前記第1素子は、第1インダクタであり、
前記第2素子は、キャパシタである、
通信回路。
【請求項6】
請求項5に記載の通信回路であって、
前記外部回路は、
前記キャパシタに直列に接続された第2インダクタをさらに含む、
通信回路。
【請求項7】
請求項1又は2に記載の通信回路であって、
前記通信回路は、
前記送信信号を前記外部回路へ出力する第2補助出力端子と、
前記第1素子の前記第2端の電気的な接続先を、前記第1補助出力端子及び前記第2補助出力端子のいずれかに切り替える第3スイッチと、をさらに備える、
通信回路。
【請求項8】
請求項7に記載の通信回路であって、
前記外部回路は、
前記第2フィルタの他の一部である第2素子であって、前記第1補助出力端子に接続された第1端と、接地に接続された第2端と、を有する第2素子と、
前記第2フィルタの他の一部である第3素子であって、前記第2補助出力端子に接続された第1端と、接地に接続された第2端と、を有する第3素子と、を含む、
通信回路。
【請求項9】
請求項4に記載の通信回路が形成されたモジュールと、
前記モジュールに設けられ、前記第1インダクタと前記第1フィルタとの間に位置するシールド部材と、を備える、
通信装置。
【請求項10】
請求項4に記載の通信回路が形成されたモジュール基板を備え、
前記モジュール基板において、前記第1インダクタと前記第1フィルタとの間に他の部品が設けられる、
通信装置。
【請求項11】
請求項4に記載の通信回路が形成された矩形のモジュール基板を備え、
前記モジュール基板において、前記第1インダクタと前記第1フィルタとの間の距離は、前記矩形の対角線の長さの1/4より長い、
通信装置。
【請求項12】
送信信号が供給される送信端子と、
アンテナ端子と、
第1端と、第2端と、を有する可変フィルタと、
前記送信信号を外部回路へ出力する第1補助出力端子と、
送信ノード、受信ノード及び共通ノードを有する第1デュプレクサと、
第1端と、第2端と、を有する配線と、
前記送信端子の電気的な接続先を、前記第1デュプレクサの前記送信ノード及び前記配線の前記第1端のいずれかに切り替える第1スイッチと、
前記可変フィルタの前記第1端の電気的な接続先を、前記第1デュプレクサの前記共通ノード及び前記配線の前記第2端のいずれかに切り替える第2スイッチと、
前記可変フィルタの前記第2端の電気的な接続先を、前記第1補助出力端子及び前記アンテナ端子のいずれかに切り替える第3スイッチと、を備える、
通信回路。
【請求項13】
請求項12に記載の通信回路であって、
前記通信回路は、
送信ノード、受信ノード及び共通ノードを有する第2デュプレクサをさらに備え、
前記第1スイッチは、前記送信端子の電気的な接続先を、前記第1デュプレクサの前記送信ノード、前記第2デュプレクサの前記送信ノード及び前記配線の前記第1端のいずれかに切り替え、
前記第2スイッチは、前記可変フィルタの前記第1端の電気的な接続先を、前記第1デュプレクサの前記共通ノード、前記第2デュプレクサの前記共通ノード及び前記配線の前記第2端のいずれかに切り替える、
通信回路。
【請求項14】
請求項12又は13に記載の通信回路であって、
前記通信回路は、
前記送信信号が前記外部回路から供給され、かつ、受信信号を前記外部回路に出力する第1入出力端子と、
前記アンテナ端子と前記第1入出力端子とを導通させるか否かを切り替える第4スイッチと、をさらに備える、
通信回路。
【請求項15】
請求項12又は13に記載の通信回路であって、
前記第1デュプレクサ及び前記可変フィルタを通じて前記アンテナ端子に供給される前記送信信号が前記可変フィルタによって減衰される減衰帯域における減衰量は、前記配線及び前記可変フィルタを通じて前記第1補助出力端子に供給される前記送信信号が前記可変フィルタによって減衰される減衰帯域における減衰量より大きい、
通信回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信回路及び通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
送信用ポートと、第1アンテナ用ポート、第2アンテナ用ポート及び外部接続用ポートとの間に複数のスイッチング素子が設けられた高周波スイッチがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020―72468号公報
【特許文献2】特開2022―37035号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の高周波スイッチでは、複数のスイッチング素子の各々のオン及びオフを切り替えることにより、送信用ポートからデュプレクサを通じて第1アンテナ用ポート、第2アンテナ用ポート又は外部接続用ポートまでの信号伝送経路を形成することが可能である。また、高周波スイッチでは、複数のスイッチング素子の各々のオン及びオフを切り替えることにより、送信用ポートからデュプレクサを通じることなく第1アンテナ用ポート、第2アンテナ用ポート又は外部接続用ポートまでの信号伝送経路を形成することが可能である。
【0005】
そして、特許文献1には、第1アンテナ用ポートと複数のスイッチング素子との間、第2アンテナ用ポートと複数のスイッチング素子との間及び外部接続用ポートと複数のスイッチング素子との間にそれぞれローパスフィルタが設けられる構成が開示されている。
【0006】
このように、第1アンテナ用ポート、第2アンテナ用ポート及び外部接続用ポートの各々にローパスフィルタが接続される構成では、高周波スイッチの回路規模が大きくなってしまう。
【0007】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、デュプレクサを含む信号伝送経路及びデュプレクサを含まない信号伝送経路を切り替え可能な構成において、回路規模の増大を抑制し、かつ、いずれの信号伝送経路でも信号がフィルタを通過することが可能な通信回路及び通信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一側面に係る通信回路は、送信信号が供給される送信端子と、送信ノード、受信ノード及び共通ノードを有する第1デュプレクサと、前記第1デュプレクサの前記共通ノードに電気的に接続された第1端と、アンテナ端子に電気的に接続された第2端と、を有する第1フィルタと、前記送信信号を外部回路へ出力する第1補助出力端子と、第2フィルタの一部である第1素子であって、第1端と、前記第1補助出力端子に電気的に接続された第2端と、を有する第1素子と、前記送信端子の電気的な接続先を、前記第1デュプレクサの前記送信ノード及び前記第1素子の前記第1端のいずれかに切り替える第1スイッチと、を備える。
【0009】
また、本発明の他の一側面に係る通信回路は、送信信号が供給される送信端子と、アンテナ端子と、第1端と、第2端と、を有する可変フィルタと、前記送信信号を外部回路へ出力する第1補助出力端子と、送信ノード、受信ノード及び共通ノードを有する第1デュプレクサと、第1端と、第2端と、を有する配線と、前記送信端子の電気的な接続先を、前記第1デュプレクサの前記送信ノード及び前記配線の前記第1端のいずれかに切り替える第1スイッチと、前記可変フィルタの前記第1端の電気的な接続先を、前記第1デュプレクサの前記共通ノード及び前記配線の前記第2端のいずれかに切り替える第2スイッチと、前記可変フィルタの前記第2端の電気的な接続先を、前記第1補助出力端子及び前記アンテナ端子のいずれかに切り替える第3スイッチと、を備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、デュプレクサを含む信号伝送経路及びデュプレクサを含まない信号伝送経路を切り替え可能な構成において、回路規模の増大を抑制し、かつ、いずれの信号伝送経路でも信号がフィルタを通過することが可能な通信回路及び通信装置を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、通信装置101の構成を示す図である。
図2図2は、可変フィルタ75の回路の一例を示す図である。
図3図3は、通信装置101において、内蔵のデュプレクサ61を通じて送信信号TX1及び受信信号RX1が伝送される経路の一例を示す図である。
図4図4は、通信装置101において、外付けのデュプレクサ171を通じて送信信号TX1及び受信信号RX1が伝送される経路の一例を示す図である。
図5図5は、通信装置106の構成を示す図である。
図6図6は、通信装置106において、内蔵のデュプレクサ61を通じて送信信号TX1及び受信信号RX1が伝送される経路の一例を示す図である。
図7図7は、通信装置106において、外付けのデュプレクサ171を通じて送信信号TX1及び受信信号RX1が伝送される経路の一例を示す図である。
図8図8は、通信装置106の構成を示す図である。
図9図9は、通信モジュール156のレイアウトの一例を示す平面図である。
図10図10は、通信モジュール156のレイアウトの一例を示す平面図である。
図11図11は、比較例の通信回路91の回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を極力省略する。
【0013】
[第1実施形態]
第1実施形態に係る通信装置101について説明する。図1は、通信装置101の構成を示す図である。図1に示すように、通信装置101は、通信モジュール151と、外付け部161と、を備える。
【0014】
通信モジュール151には、通信回路11が形成される。通信回路11は、各端子と、パワーアンプ41と、ローノイズアンプ42と、送信バンド選択スイッチ部51と、デュプレクサ61a(第1デュプレクサ)、61b(第2デュプレクサ)、61c及び61dと、配線62と、アンテナスイッチ部71と、受信バンド選択スイッチ81と、可変フィルタ82と、を備える。以下、デュプレクサ61a、61b、61c及び61dの各々を、デュプレクサ61と称することがある。
【0015】
各端子は、送信端子31と、アンテナ端子32と、受信端子33と、補助出力端子34a(第1補助出力端子)、34b、34c及び34dと、補助入力端子35a、35b、35c及び35dと、入出力端子45a(第1入出力端子)、45b、45c及び45dと、を含む。以下、補助出力端子34a、34b、34c及び34dの各々を、補助出力端子34と称することがある。補助入力端子35a、35b、35c及び35dの各々を、補助入力端子35と称することがある。入出力端子45a、45b、45c及び45dの各々を、入出力端子45と称することがある。
【0016】
送信バンド選択スイッチ部51は、スイッチ52(第1スイッチ)を含む。アンテナスイッチ部71は、スイッチ72(第2スイッチ)、73(第3スイッチ)及び74(第4スイッチ)と、可変フィルタ75と、を含む。
【0017】
外付け部161には、外部回路111が形成される。外部回路111は、デュプレクサ171を含む。
【0018】
送信端子31は、例えば、移動体通信機から送信信号TX1が供給される。パワーアンプ41は、送信端子31に接続され、送信信号TX1が供給される入力端子と、送信バンド選択スイッチ部51に接続され、増幅した送信信号TX1を出力する出力端子と、を有する。なお、以降、送信端子31に供給される送信信号TX1と、パワーアンプ41により増幅された送信信号TX1とをまとめて「送信信号TX1」と称することがある。
【0019】
配線62は、送信バンド選択スイッチ部51に接続された第1端と、アンテナスイッチ部71に接続された第2端と、を有する。なお、配線62は、一定の長さを有する引き回し配線のほか、例えば、長さが比較的短い、或いは、長さを有しないビア導体、パッド、バンプ、又はランドなどにより構成される。
【0020】
デュプレクサ61は、送信バンド選択スイッチ部51に接続された送信ノードと、受信バンド選択スイッチ81に接続された受信ノードと、アンテナスイッチ部71に接続された共通ノードと、を有する。
【0021】
デュプレクサ61は、例えば、送信周波数及び受信周波数がそれぞれ通過域及び阻止域となる送信フィルタが送信ノードと共通ノードとの間に設けられ、かつ、送信周波数及び受信周波数がそれぞれ阻止域及び通過域となる受信フィルタが受信ノードと共通ノードとの間に設けられる。
【0022】
デュプレクサ61a、61b、61c及び61d並びに171は、互いに異なる周波数帯域を有する。デュプレクサ61の帯域は、例えば、標準的に用いられる汎用バンドである。デュプレクサ171の帯域は、例えば、オプション的に用いられるバンドである。なお、汎用バンドは、例えば、複数の国で汎用的に用いられるバンドである。また、オプション的に用いられるバンドは、例えば、国及び地域に対応したバンド、或いは、オペレーターに対応したバンドである。
【0023】
ローノイズアンプ42は、受信バンド選択スイッチ81に接続され、受信信号RX1が供給される入力端子と、可変フィルタ82に接続され、増幅した受信信号RX1を出力する出力端子と、を有する。
【0024】
送信バンド選択スイッチ部51におけるスイッチ52は、パワーアンプ41の出力端子の電気的な接続先を、デュプレクサ61a、61b、61c及び61dの各送信ノード及び配線62の第1端のいずれかに切り替える。
【0025】
詳細には、スイッチ52は、パワーアンプ41の出力端子に接続された第1端と、デュプレクサ61aの送信ノードに接続された第2端と、デュプレクサ61bの送信ノードに接続された第3端と、デュプレクサ61cの送信ノードに接続された第4端と、デュプレクサ61dの送信ノードに接続された第5端と、配線62の第1端に接続された第6端と、を有する。
【0026】
スイッチ52は、例えば、移動体通信機の制御部(図示しない)が出力する制御信号に基づいて、第1端と、第2端から第6端までの端子のうちのいずれか1つとを電気的に接続する。
【0027】
アンテナスイッチ部71における可変フィルタ75は、スイッチ72に接続された第1端と、スイッチ73に接続された第2端と、を有する。
【0028】
スイッチ72は、可変フィルタ75の第1端の電気的な接続先を、デュプレクサ61a、61b、61c及び61dの各送信ノード及び配線62の第2端のいずれかに切り替える。
【0029】
詳細には、スイッチ72は、可変フィルタ75の第1端に接続された第1端と、デュプレクサ61aの共通ノードに接続された第2端と、デュプレクサ61bの共通ノードに接続された第3端と、デュプレクサ61cの共通ノードに接続された第4端と、デュプレクサ61dの共通ノードに接続された第5端と、配線62の第2端に接続された第6端と、を有する。
【0030】
スイッチ72は、例えば、制御信号に基づいて、第1端と、第2端から第6端までの端子のうちのいずれか1つとを電気的に接続する。
【0031】
スイッチ73は、可変フィルタ75の第2端の電気的な接続先を、補助出力端子34a、34b、34c及び34d並びにアンテナ端子32のいずれかに切り替える。補助出力端子34は、送信信号TX1を外部回路111へ出力するための端子である。
【0032】
詳細には、スイッチ73は、可変フィルタ75の第2端に接続された第1端と、補助出力端子34aに接続された第2端と、補助出力端子34bに接続された第3端と、補助出力端子34cに接続された第4端と、補助出力端子34dに接続された第5端と、アンテナ端子32に接続された第6端と、を有する。
【0033】
スイッチ73は、例えば、制御信号に基づいて、第1端と、第2端から第6端までの端子のうちのいずれか1つとを電気的に接続する。
【0034】
スイッチ74は、アンテナ端子32と入出力端子45とを導通させるか否かを切り替える。入出力端子45は、送信信号TX1が外部回路111から供給され、かつ、受信信号RX1を外部回路111に出力するための端子である。なお、入出力端子45は、必ずしも送信信号TXを通過させなくてもよい。例えば、入出力端子45を通過する信号が、受信信号のみであってもよい。
【0035】
詳細には、スイッチ74は、アンテナ端子32に接続された第1端と、入出力端子45aに接続された第2端と、入出力端子45bに接続された第3端と、入出力端子45cに接続された第4端と、入出力端子45dに接続された第5端と、を有する。
【0036】
スイッチ74は、例えば、制御信号に基づいて、第1端と、第2端から第5端までの各端子とを電気的に絶縁するか、又は第1端と、第2端から第5端までの端子のうちのいずれか1つとを電気的に接続する。
【0037】
受信バンド選択スイッチ81は、ローノイズアンプ42の入力端子の接続先を、デュプレクサ61a、61b、61c及び61dの各受信ノード並びに補助入力端子35a、35b、35c及び35dのいずれかに切り替える。
【0038】
詳細には、受信バンド選択スイッチ81は、ローノイズアンプ42の入力端子に接続された第1端と、デュプレクサ61aの受信ノードに接続された第2端と、デュプレクサ61bの受信ノードに接続された第3端と、デュプレクサ61cの受信ノードに接続された第4端と、デュプレクサ61dの受信ノードに接続された第5端と、補助入力端子35aに接続された第6端と、補助入力端子35bに接続された第7端と、補助入力端子35cに接続された第8端と、補助入力端子35dに接続された第9端と、を有する。
【0039】
受信バンド選択スイッチ81は、例えば、制御信号に基づいて、第1端と、第2端から第9端までの端子のうちのいずれか1つとを電気的に接続する。
【0040】
外部回路111におけるデュプレクサ171は、補助出力端子34aに接続された送信ノードと、補助入力端子35aに接続された受信ノードと、入出力端子45aに接続された共通ノードと、を有する。
【0041】
可変フィルタ82は、ローノイズアンプ42の出力端子に接続された第1端と、受信端子33に接続された第2端と、を有する。
【0042】
図2は、可変フィルタ75の回路の一例を示す図である。図2に示すように、可変フィルタ75は、例えば、ローパスフィルタであり、制御信号に基づいて、減衰させる周波数帯域を変更することが可能になっている。
【0043】
本実施形態では、可変フィルタ75は、インダクタ75a、75b及び75cと、可変容量素子75d及び75eと、容量素子75f及び75gと、を含む。
【0044】
インダクタ75aは、スイッチ72に接続された第1端と、第2端と、を有する。インダクタ75bは、インダクタ75aの第2端に接続された第1端と、スイッチ73に接続された第2端と、を有する。
【0045】
可変容量素子75dは、インダクタ75aの第1端に接続された第1端と、インダクタ75aの第2端に接続された第2端と、を有する。可変容量素子75eは、インダクタ75bの第1端に接続された第1端と、インダクタ75bの第2端に接続された第2端と、を有する。
【0046】
容量素子75fは、インダクタ75aの第2端に接続された第1端と、第2端と、を有する。インダクタ75cは、容量素子75fの第2端に接続された第1端と、接地に接続された第2端と、を有する。容量素子75gは、インダクタ75bの第2端に接続された第1端と、接地に接続された第2端と、を有する。
【0047】
なお、インダクタ75aの第1端がスイッチ73に接続され、インダクタ75bの第2端がスイッチ72に接続される構成であってもよい。また、可変フィルタ82は、可変フィルタ75と同様の回路構成を有していてもよい。
【0048】
スイッチ52、72、73及び74、可変フィルタ75及び82並びに受信バンド選択スイッチ81は、連動して動作する。以下、具体的に説明する。
【0049】
図3は、通信装置101において、内蔵のデュプレクサ61を通じて送信信号TX1及び受信信号RX1が伝送される経路の一例を示す図である。図3に示すように、スイッチ52では、パワーアンプ41の出力端子に接続された第1端と、デュプレクサ61aの送信ノードに接続された第2端と、が電気的に接続される。
【0050】
スイッチ72では、可変フィルタ75の第1端に接続された第1端と、デュプレクサ61aの共通ノードに接続された第2端と、が電気的に接続される。
【0051】
スイッチ73では、可変フィルタ75の第2端に接続された第1端と、アンテナ端子32に接続された第6端と、が電気的に接続される。スイッチ74では、アンテナ端子32に接続された第1端と、入出力端子45に接続された第2端から第5端までの各端子と、が電気的に絶縁される。
【0052】
受信バンド選択スイッチ81では、ローノイズアンプ42の入力端子に接続された第1端と、デュプレクサ61aの受信ノードに接続された第2端と、が電気的に接続される。
【0053】
これにより、送信端子31からデュプレクサ61a及び可変フィルタ75を通じてアンテナ端子32へ至る送信信号TX1の信号伝送経路、及びアンテナ端子32から可変フィルタ75、デュプレクサ61a及び可変フィルタ82を通じて受信端子33へ至る受信信号RX1の信号伝送経路が形成される。
【0054】
可変フィルタ75及び82では、デュプレクサ61aに対応する汎用バンド、或いは、オプション的に用いられるバンドに応じた周波数帯域(例えば、汎用バンド、或いは、オプション的に用いられるバンドの高調波に対応する周波数帯域)を減衰させるように可変容量素子75d及び75eが調整される。
【0055】
なお、スイッチ52及び72並びに受信バンド選択スイッチ81を適宜連動させることにより、デュプレクサ61b、61c又は61daを経由する送信信号TX1及び受信信号RX1の信号伝送経路が形成されてもよい。
【0056】
図4は、通信装置101において、外付けのデュプレクサ171を通じて送信信号TX1及び受信信号RX1が伝送される経路の一例を示す図である。図4に示すように、スイッチ52では、パワーアンプ41の出力端子に接続された第1端と、配線62の第1端に接続された第2端と、が電気的に接続される。
【0057】
スイッチ72では、可変フィルタ75の第1端に接続された第1端と、配線62の第2端に接続された第2端と、が電気的に接続される。
【0058】
スイッチ73では、可変フィルタ75の第2端に接続された第1端と、補助出力端子34aに接続された第2端と、が電気的に接続される。スイッチ74では、アンテナ端子32に接続された第1端と、入出力端子45aに接続された第2端と、が電気的に接続される。
【0059】
受信バンド選択スイッチ81では、ローノイズアンプ42の入力端子に接続された第1端と、補助入力端子35aに接続された第6端と、が電気的に接続される。
【0060】
これにより、送信端子31から可変フィルタ75及びデュプレクサ171を通じてアンテナ端子32へ至る送信信号TX1の信号伝送経路、及びアンテナ端子32からデュプレクサ171及び可変フィルタ82を通じて受信端子33へ至る受信信号RX1の信号伝送経路が形成される。
【0061】
可変フィルタ75及び82では、デュプレクサ171に対応するオプション的に用いられるバンド、或いは、汎用バンドに応じた周波数帯域(例えば、オプション的に用いられるバンド、或いは、汎用バンドの高調波に対応する周波数帯域)を減衰させるように可変容量素子75d及び75eが調整される。
【0062】
デュプレクサ61及び可変フィルタ75を通じてアンテナ端子32に供給される送信信号TX1が可変フィルタ75によって減衰される減衰帯域における減衰量は、配線62及び可変フィルタ75を通じて補助出力端子34aに供給される送信信号TX1が可変フィルタ75によって減衰される減衰帯域における減衰量より大きい。
【0063】
詳細には、デュプレクサ61及び可変フィルタ75を通じてアンテナ端子32に供給される送信信号TX1は、例えば、図3に示す信号伝送経路を伝送される送信信号TX1(以下、第1送信信号と称することがある。)のことである。
【0064】
第1送信信号が可変フィルタ75によって減衰される減衰帯域は、第1送信信号の高調波の周波数を含む帯域(以下、第1減衰帯域と称することがある。)である。
【0065】
配線62及び可変フィルタ75を通じて補助出力端子34aに供給される送信信号TX1は、例えば、図4に示す信号伝送経路を伝送される送信信号TX1(以下、第2送信信号と称することがある。)のことである。
【0066】
第2送信信号が可変フィルタ75によって減衰される減衰帯域は、第2送信信号の高調波の周波数を含む帯域(以下、第2減衰帯域と称することがある。)である。
【0067】
第1送信信号の第1減衰帯域における減衰量が、第2送信信号の第2減衰帯域における減衰量より大きい構成により、第1送信信号について、搬送波のロスの抑制及び不要波の減衰といった特性向上を第2送信信号よりも優先的に図ることができる。
【0068】
また、第2送信信号についても、フィルタ回路及び整合回路などを外部回路111に追加することで、特性向上を図ることができる。
【0069】
なお、通信回路11が可変フィルタ82を備える構成について説明したが、これに限定するものではない。通信回路11は、可変フィルタ82を備えない構成であってもよい。
【0070】
また、通信回路11が1つのアンテナ端子32を備える構成について説明したが、これに限定するものではない。通信回路11は、2つ以上のアンテナ端子32を備える構成であってもよい。この場合、スイッチ73及び74と複数のアンテナ端子32との間にスイッチを設け、接続されるアンテナ端子32を切り替え可能な構成であってもよい。
【0071】
[第2実施形態]
第2実施形態に係る通信装置106について説明する。第2実施形態以降では第1実施形態と共通の事柄についての記述を省略し、異なる点についてのみ説明する。特に、同様の構成による同様の作用効果については実施形態毎には逐次言及しない。
【0072】
図5は、通信装置106の構成を示す図である。図5に示すように、通信装置106は、通信モジュール156と、外付け部166と、を備える。
【0073】
通信モジュール151には、通信回路16が形成される。通信回路16は、各端子と、パワーアンプ41と、ローノイズアンプ42と、フィルタ46(第2フィルタ)の一部であるインダクタ47(第1素子及び第1インダクタ)と、送信バンド選択スイッチ部51と、デュプレクサ61a(第1デュプレクサ)、61b(第2デュプレクサ)、61c及び61dと、アンテナスイッチ部71と、受信バンド選択スイッチ81と、を備える。
【0074】
各端子は、送信端子31と、アンテナ端子32と、受信端子33と、補助出力端子34a(第1補助出力端子)、34b(第2補助出力端子)、34c及び34dと、補助入力端子35a、35b、35c及び35dと、入出力端子45a(第1入出力端子)、45b、45c及び45dと、を含む。
【0075】
送信バンド選択スイッチ部51は、スイッチ53(第1スイッチ)及び54(第3スイッチ)を含む。アンテナスイッチ部71は、可変フィルタ75(第1フィルタ)と、スイッチ76(第2スイッチ)と、を含む。
【0076】
外付け部166には、外部回路116が形成される。外部回路116は、デュプレクサ171と、容量素子(キャパシタ)181a(第2素子)、181b(第3素子)、181c及び181dと、を含む。以下、容量素子181a、181b、181c及び181dの各々を、容量素子181と称することがある。
【0077】
インダクタ47は、スイッチ53に接続された第1端と、スイッチ54に接続された第2端と、を有する。送信バンド選択スイッチ部51におけるスイッチ53は、パワーアンプ41の出力端子の電気的な接続先を、デュプレクサ61a、61b、61c及び61dの各送信ノード並びにインダクタ47の第1端のいずれかに切り替える。
【0078】
詳細には、スイッチ53は、パワーアンプ41の出力端子に接続された第1端と、デュプレクサ61aの送信ノードに接続された第2端と、デュプレクサ61bの送信ノードに接続された第3端と、デュプレクサ61cの送信ノードに接続された第4端と、デュプレクサ61dの送信ノードに接続された第5端と、インダクタ47の第1端に接続された第6端と、を有する。
【0079】
スイッチ53は、例えば、制御信号に基づいて、第1端と、第2端から第6端までの端子のうちのいずれか1つとを電気的に接続する。
【0080】
スイッチ54は、インダクタ47の第2端の電気的な接続先を、補助出力端子34a、34b、34c及び34dのいずれかに切り替える。補助出力端子34は、送信信号TX1を外部回路116へ出力するための端子である。
【0081】
詳細には、スイッチ54は、インダクタ47の第2端に接続された第1端と、補助出力端子34aに接続された第2端と、補助出力端子34bに接続された第3端と、補助出力端子34cに接続された第4端と、補助出力端子34dに接続された第5端と、を有する。
【0082】
スイッチ54は、例えば、制御信号に基づいて、第1端と、第2端から第5端までの端子のうちのいずれか1つとを電気的に接続する。
【0083】
アンテナスイッチ部71における可変フィルタ75は、スイッチ76に接続された第1端と、アンテナ端子32に接続された第2端と、を有する。
【0084】
スイッチ76は、可変フィルタ75の第1端の電気的な接続先を、デュプレクサ61a、61b、61c及び61dの各送信ノード並びに入出力端子45a、45b、45c及び45dのいずれかに切り替える。
【0085】
詳細には、スイッチ76は、可変フィルタ75の第1端に接続された第1端と、デュプレクサ61aの共通ノードに接続された第2端と、デュプレクサ61bの共通ノードに接続された第3端と、デュプレクサ61cの共通ノードに接続された第4端と、デュプレクサ61dの共通ノードに接続された第5端と、入出力端子45aに接続された第6端と、入出力端子45bに接続された第7端と、入出力端子45cに接続された第8端と、入出力端子45dに接続された第9端と、を有する。
【0086】
スイッチ76は、例えば、制御信号に基づいて、第1端と、第2端から第9端までの端子のうちのいずれか1つとを電気的に接続する。
【0087】
受信バンド選択スイッチ81は、ローノイズアンプ42の入力端子の接続先を、デュプレクサ61a、61b、61c及び61dの各受信ノード並びに補助入力端子35a、35b、35c及び35dのいずれかに切り替える。
【0088】
詳細には、受信バンド選択スイッチ81は、ローノイズアンプ42の入力端子に接続された第1端と、デュプレクサ61aの受信ノードに接続された第2端と、デュプレクサ61bの受信ノードに接続された第3端と、デュプレクサ61cの受信ノードに接続された第4端と、デュプレクサ61dの受信ノードに接続された第5端と、補助入力端子35aに接続された第6端と、補助入力端子35bに接続された第7端と、補助入力端子35cに接続された第8端と、補助入力端子35dに接続された第9端と、を有する。
【0089】
受信バンド選択スイッチ81は、例えば、制御信号に基づいて、第1端と、第2端から第9端までの端子のうちのいずれか1つとを電気的に接続する。
【0090】
ローノイズアンプ42は、受信バンド選択スイッチ81に接続され、受信信号RX1が供給される入力端子と、受信端子33に接続され、増幅した受信信号RX1を出力する出力端子と、を有する。
【0091】
外部回路116におけるデュプレクサ171は、補助出力端子34aに接続された送信ノードと、補助入力端子35aに接続された受信ノードと、入出力端子45aに接続された共通ノードと、を有する。
【0092】
容量素子181a、181b、181c及び181dの各々は、フィルタ46の他の一部である。容量素子181aは、補助出力端子34aに接続された第1端と、接地に接続された第2端と、を有する。容量素子181bは、補助出力端子34bに接続された第1端と、接地に接続された第2端と、を有する。容量素子181cは、補助出力端子34cに接続された第1端と、接地に接続された第2端と、を有する。容量素子181dは、補助出力端子34dに接続された第1端と、接地に接続された第2端と、を有する。
【0093】
スイッチ53、54及び76、可変フィルタ75並びに受信バンド選択スイッチ81は、連動して動作する。以下、具体的に説明する。
【0094】
図6は、通信装置106において、内蔵のデュプレクサ61を通じて送信信号TX1及び受信信号RX1が伝送される経路の一例を示す図である。図6に示すように、スイッチ53では、パワーアンプ41の出力端子に接続された第1端と、デュプレクサ61aの送信ノードに接続された第2端と、が電気的に接続される。
【0095】
スイッチ76では、可変フィルタ75の第1端に接続された第1端と、デュプレクサ61aの共通ノードに接続された第2端と、が電気的に接続される。
【0096】
受信バンド選択スイッチ81では、ローノイズアンプ42の入力端子に接続された第1端と、デュプレクサ61aの受信ノードに接続された第2端と、が電気的に接続される。
【0097】
これにより、送信端子31からデュプレクサ61a及び可変フィルタ75を通じてアンテナ端子32へ至る送信信号TX1の信号伝送経路、及びアンテナ端子32から可変フィルタ75及びデュプレクサ61aを通じて受信端子33へ至る受信信号RX1の信号伝送経路が形成される。
【0098】
可変フィルタ75では、デュプレクサ61aに対応する汎用バンド、或いは、オプション的に用いられるバンドに応じた周波数帯域を減衰させるように可変容量素子75d及び75eが調整される。
【0099】
なお、スイッチ53及び76並びに受信バンド選択スイッチ81を適宜連動させることにより、デュプレクサ61b、61c又は61daを経由する送信信号TX1及び受信信号RX1の信号伝送経路が形成されてもよい。
【0100】
図7は、通信装置106において、外付けのデュプレクサ171を通じて送信信号TX1及び受信信号RX1が伝送される経路の一例を示す図である。図7に示すように、スイッチ53では、パワーアンプ41の出力端子に接続された第1端と、インダクタ47の第1端に接続された第2端と、が電気的に接続される。
【0101】
スイッチ54では、インダクタ47の第2端に接続された第1端と、補助出力端子34aに接続された第2端と、が電気的に接続される。
【0102】
スイッチ76では、可変フィルタ75の第1端に接続された第1端と、入出力端子45aに接続された第6端と、が電気的に接続される。
【0103】
受信バンド選択スイッチ81では、ローノイズアンプ42の入力端子に接続された第1端と、補助入力端子35aに接続された第6端と、が電気的に接続される。
【0104】
これにより、送信端子31から、インダクタ47と容量素子181aとを含むフィルタ46、デュプレクサ171及び可変フィルタ75を通じてアンテナ端子32へ至る送信信号TX1の信号伝送経路が形成される。また、アンテナ端子32から可変フィルタ75及びデュプレクサ171を通じて受信端子33へ至る受信信号RX1の信号伝送経路が形成される。
【0105】
可変フィルタ75では、デュプレクサ171に対応するオプション的に用いられるバンド、或いは、汎用バンドに応じた周波数帯域を減衰させるように可変容量素子75d及び75eが調整される。
【0106】
[第3実施形態]
第3実施形態に係る外部回路116について説明する。図8は、通信装置106の構成を示す図である。図8に示すように、第3実施形態に係る外部回路116は、インダクタ182a(第2インダクタ)をさらに含み、インダクタ182aが容量素子181aに直列に接続される点で第2実施形態に係る外部回路116と異なる。
【0107】
本実施形態では、フィルタ46は、インダクタ47と、インダクタ47の第2端と接地との間に設けられた容量素子181a及びインダクタ182aと、を含む。
【0108】
このような構成により、図5に示すフィルタ46と比べて、N(Nは2以上の整数)次の高調波の周波数帯の減衰量を高めることができる。
【0109】
[第4実施形態]
第4実施形態に係る通信モジュール156のレイアウトについて説明する。図9は、通信モジュール156のレイアウトの一例を示す平面図である。図9に示すように、第4実施形態に係る通信モジュール156では、通信装置106を構成する各構成要素が、バンプ、或いは、ボンディングワイヤを用いて矩形のモジュール基板156aに実装される。
【0110】
モジュール基板156a上において、インダクタ47と可変フィルタ75(或いは、可変フィルタ75が含まれているアンテナスイッチIC(71))との間の距離D1は、インダクタ47とデュプレクサ61aとの間の距離D2より大きい。
【0111】
また、モジュール基板156aにおいて、インダクタ47と可変フィルタ75との間に、送信バンド選択スイッチ部51及びデュプレクサ61bといった他の部品が設けられる。
【0112】
また、モジュール基板156aは、矩形の隅156p、156q、156r及び156sを有する。本実施形態では、インダクタ47及び可変フィルタ75は、モジュール基板156aにおいて、互いに対角の位置にある隅156p及び156rを結ぶ対角線156b上に配置されている。なお、対角線156b上に配置されているというのは、インダクタ47及び可変フィルタ75が対角線156b上に厳密に位置する場合だけでなく、インダクタ47及び可変フィルタ75が、互いに対角の位置にある隅156p及び156rの近傍にそれぞれ位置する場合を含む。
【0113】
また、点156cは、隅156p及び156r間の中点である。点156dは、隅156p及び点156c間の中点である。点156eは、隅156r及び点156c間の中点である。モジュール基板156aにおいて、距離D1は、対角線156bの長さの1/4より長い。ここで、対角線156bの長さの1/4は、例えば、隅156p及び点156d間の距離である。なお、隅156p及び点156d間の距離は、点156d及び点156c間の距離と、点156c及び点156e間の距離と、点156e及び隅156r間の距離と、同じである。
【0114】
好ましくは、距離D1は、対角線156bの長さの半分より長い。ここで、対角線156bの長さの半分は、例えば、隅156p及び点156c間の距離である。なお、隅156p及び点156c間の距離は、点156c及び隅156r間の距離と同じである。
【0115】
図7に示す信号伝送経路では、送信信号TX1は、送信端子31からフィルタ46、デュプレクサ171及び可変フィルタ75を通じてアンテナ端子32へ伝送される。このとき、インダクタ47と、可変フィルタ75に含まれるインダクタと、が電磁界的に結合し、ノイズの発生及び減衰量の低下といった特性劣化が発生することがある。
【0116】
図9に示すレイアウトでは、インダクタ47と可変フィルタ75とが離れているので、可変フィルタ75に含まれるインダクタとインダクタ47との電磁界的な結合を抑制することができる。これにより、ノイズの発生及び減衰量の低下といった特性劣化を抑制することができる。
【0117】
[第5実施形態]
第5実施形態に係る通信モジュール156のレイアウトについて説明する。図10は、通信モジュール156のレイアウトの一例を示す平面図である。図10に示すように、第5実施形態に係る通信モジュール156では、シールド部材211及び212が設けられる点で第4実施形態に係る通信モジュール156と異なる。
【0118】
シールド部材211及び212は、インダクタ47と可変フィルタ75との間に位置する。シールド部材211及び212は、例えば特許文献2に記載のシールド壁と同様の構成を有する。
【0119】
シールド部材212は、通信モジュール156の主面に対して垂直な方向から平面視をしたときにL字形状を有している。シールド部材212は、L字の直角部が通信モジュール156の中心近くに位置するように設けられる。
【0120】
シールド部材211は、通信モジュール156の主面に対して垂直な方向から平面視をしたときにL字形状を有している。シールド部材211は、L字の直角部が通信モジュール156の中心近くに位置するように設けられる。
【0121】
このように、シールド部材211及び212を設ける構成により、可変フィルタ75に含まれるインダクタとインダクタ47との電磁界的な結合を抑制することができる。これにより、ノイズの発生及び減衰量の低下といった特性劣化を抑制することができる。
【0122】
図11は、比較例の通信回路91の回路図である。図11に示すように、通信回路91では、送信バンド選択スイッチ部51におけるスイッチ55は、可変フィルタ78を通じてパワーアンプ41の出力端子に接続された第1端と、デュプレクサ61aの送信ノードに接続された第2端と、デュプレクサ61bの送信ノードに接続された第3端と、デュプレクサ61cの送信ノードに接続された第4端と、デュプレクサ61dの送信ノードに接続された第5端と、補助出力端子34aに接続された第6端と、補助出力端子34bに接続された第7端と、補助出力端子34cに接続された第8端と、補助出力端子34dに接続された第9端と、を有する。
【0123】
スイッチ55は、例えば、制御信号に基づいて、第1端と、第2端から第9端までの端子のうちのいずれか1つとを電気的に接続する。
【0124】
デュプレクサ61a、61b、61c及び61dの受信ノードは、受信端子33a、33b、33c及び33dにそれぞれ接続される。
【0125】
アンテナスイッチ部71におけるスイッチ77は、可変フィルタ75を通じてアンテナ端子32に接続された第1端と、デュプレクサ61aの共通ノードに接続された第2端と、デュプレクサ61bの共通ノードに接続された第3端と、デュプレクサ61cの共通ノードに接続された第4端と、デュプレクサ61dの共通ノードに接続された第5端と、を有する。
【0126】
スイッチ77は、例えば、制御信号に基づいて、第1端と、第2端から第5端までの端子のうちのいずれか1つとを電気的に接続する。
【0127】
通信回路91では、パワーアンプ41と送信バンド選択スイッチ部51との間に可変フィルタ78が設けられる。これにより、スイッチ55によって可変フィルタ78と補助出力端子34とが電気的に接続されたときに、可変フィルタ78を通過した送信信号TX1を補助出力端子34から出力することができる。
【0128】
しかしながら、送信端子31からデュプレクサ61を通過してアンテナ端子32へ出力される送信信号TX1については、可変フィルタ78及び75の2つのフィルタを通過するため、送信信号TX1の電力のロスが大きくなり、特性劣化が発生してしまう。
【0129】
これに対して、図1に示す通信回路11及び図5に示す通信回路16では、送信端子31からデュプレクサ61を通過してアンテナ端子32へ出力される送信信号TX1については、通過するフィルタを可変フィルタ75の1つだけにすることができる。これにより、送信信号TX1の電力ロスを低減することができるので、特性劣化を抑制することができる。
【0130】
なお、通信回路11及び16が4つの補助出力端子34を備える構成について説明したが、これに限定するものではない。通信回路11及び16は、1つ、2つ、3つ又は5つ以上の補助出力端子34を備える構成であってもよい。通信回路16が補助出力端子34を1つ備える場合は、スイッチ54を設けずに、インダクタ47の第2端と補助出力端子34aとが直接接続されてもよい。
【0131】
また、通信回路11及び16が4つの補助入力端子35を備える構成について説明したが、これに限定するものではない。通信回路11及び16は、1つ、2つ、3つ又は5つ以上の補助入力端子35を備える構成であってもよい。
【0132】
また、通信回路11及び16が4つの入出力端子45aを備える構成について説明したが、これに限定するものではない。通信回路11及び16は、1つ、2つ、3つ又は5つ以上の入出力端子45aを備える構成であってもよい。
【0133】
また、通信回路11及び16がパワーアンプ41を備える構成について説明したが、これに限定するものではない。通信回路11及び16は、パワーアンプ41を備えない構成であってもよい。
【0134】
また、通信回路11及び16がローノイズアンプ42を備える構成について説明したが、これに限定するものではない。通信回路11及び16は、ローノイズアンプ42を備えない構成であってもよい。また、通信回路11及び16が2つ以上のローノイズアンプ42を備える構成であってもよい。
【0135】
また、通信回路11及び16が4つのデュプレクサ61を備える構成について説明したが、これに限定するものではない。通信回路11及び16は、1つ、2つ、3つ又は5つ以上のデュプレクサ61を備える構成であってもよい。
【0136】
また、外部回路111及び116がデュプレクサ171を含む構成について説明したが、これに限定するものではない。外部回路111及び116は、デュプレクサ171を含まない構成であってもよい。
【0137】
また、通信回路16では、ローノイズアンプ42の出力端子が受信端子33dと直接接続される構成について説明したが、これに限定するものではない。ローノイズアンプ42と受信端子33dとの間に可変フィルタ82が設けられる構成であってもよい。
【0138】
また、通信回路16が1つのアンテナ端子32を備える構成について説明したが、これに限定するものではない。通信回路16は、2つ以上のアンテナ端子32を備える構成であってもよい。この場合、可変フィルタ75と複数のアンテナ端子32との間にスイッチを設け、接続されるアンテナ端子32を切り替え可能な構成であってもよい。
【0139】
また、通信回路16が可変フィルタ75を備える構成について説明したが、これに限定するものではない。通信回路16は、例えば、デュプレクサ61が1つ設けられる構成では、可変フィルタ75の代わりに固定のフィルタを備える構成であってもよい。
【0140】
また、通信装置106では、第1素子がインダクタであり、第2素子が容量素子である構成について説明したが、これに限定するものではない。第1素子が容量素子であり、第2素子がインダクタである構成であってもよい。この場合、フィルタ46は、ハイパスフィルタとして機能する。
【0141】
以上、本発明の例示的な実施形態について説明した。通信回路16は、送信信号TX1が供給される送信端子31と、送信ノード、受信ノード及び共通ノードを有するデュプレクサ61aと、デュプレクサ61aの共通ノードに電気的に接続された第1端と、アンテナ端子32に電気的に接続された第2端と、を有する第1フィルタと、送信信号TX1を外部回路116へ出力する補助出力端子34aと、フィルタ46の一部である第1素子であって、第1端と、補助出力端子34aに電気的に接続された第2端と、を有する第1素子と、送信端子31の電気的な接続先を、デュプレクサ61aの送信ノード及び第1素子の第1端のいずれかに切り替えるスイッチ53と、を備える。
【0142】
このような構成により、スイッチ53において送信端子31の電気的な接続先がデュプレクサ61aの送信ノードに切り替えられた場合、送信端子31からデュプレクサ61a及び第1フィルタを通じてアンテナ端子32に至る信号伝送経路を形成することができる。また、スイッチ53において送信端子31の電気的な接続先が第1素子の第1端に切り替えられた場合、送信端子31から第1素子を通じて補助出力端子34aに至る信号伝送経路を形成することができる。デュプレクサを含まない当該信号伝送経路には、フィルタ46の一部である第1素子が含まれるので、例えば、フィルタ46の他の一部を補助出力端子34aに接続することで、当該信号伝送経路にも、その経路を通過する信号の周波数特性に適したフィルタ46を設けることができる。また、通信回路16におけるフィルタ46の回路規模を小さくすることができる。したがって、デュプレクサを含む信号伝送経路及びデュプレクサを含まない信号伝送経路を切り替え可能な構成において、回路規模の増大を抑制し、かつ、いずれの信号伝送経路でも信号がフィルタを通過することができる。
【0143】
また、第1フィルタは可変フィルタ75であり、通信回路16は、送信ノード、受信ノード及び共通ノードを有するデュプレクサ61bと、可変フィルタ75の第1端の電気的な接続先を、デュプレクサ61aの共通ノード及びデュプレクサ61bの共通ノードのいずれかに切り替えるスイッチ76と、をさらに備え、スイッチ53は、送信端子31の電気的な接続先を、デュプレクサ61aの送信ノード、デュプレクサ61bの送信ノード及び第1素子の第1端のいずれかに切り替える。
【0144】
このような構成により、送信端子31からデュプレクサ61b及び可変フィルタ75を通じてアンテナ端子32へ至る信号伝送経路を追加することができるので、通信回路16で利用可能な汎用バンドを増やすことができる。そして、デュプレクサ61aを含む信号伝送経路及びデュプレクサ61bを含む信号伝送経路において可変フィルタ75を共用することができるので、通信回路11におけるフィルタの個数を増やすことなく信号伝送経路を追加することができる。
【0145】
また、外部回路116は、フィルタ46の他の一部である第2素子であって、補助出力端子34aに接続された第1端と、接地に接続された第2端と、を有する第2素子を含む。
【0146】
このように、第2素子が外部回路116に含まれる構成により、通信回路16のユーザ側でフィルタ46を完成させることができる。また、第2素子の定数を適宜設定することで、フィルタ46の特性を調整することができるので、通信回路16のユーザによってフィルタ特性が最適化されたフィルタ46を実装することができる。
【0147】
また、第1素子は、第1インダクタである。
【0148】
このような構成により、第1インダクタが信号伝送経路に直列に接続されるので、フィルタ46をローパスフィルタとして機能させることができるので、送信信号TX1の高調波を抑制することができる。また、例えば、補助出力端子34を複数設ける場合、サイズの大きい第1インダクタを共用することができるので、全体の回路規模を小さくすることができる。
【0149】
また、第1素子は、インダクタ47であり、第2素子は、容量素子181aである。
【0150】
このような構成により、フィルタ46をローパスフィルタとして機能させることができるので、送信信号TX1の高調波を抑制することができる。また、例えば、補助出力端子34を複数設ける場合、サイズの大きい第1インダクタを共用することができるので、全体の回路規模を小さくすることができる。
【0151】
また、外部回路116は、容量素子181aに直列に接続されたインダクタ182aをさらに含む。
【0152】
このような構成により、N次の高調波の周波数帯の減衰量を高めることができる。
【0153】
また、通信回路16は、送信信号TX1を外部回路116へ出力する補助出力端子34bと、第1素子の第2端の電気的な接続先を、補助出力端子34a及び補助出力端子34bのいずれかに切り替えるスイッチ54と、をさらに備える。
【0154】
このような構成により、デュプレクサ61aの帯域に適合しない2つのバンドの送信信号TX1を通信回路16のユーザが使用する場合、2つのバンドの送信信号TX1を補助出力端子34a及び34bから外部回路116へそれぞれ供給することができる。
【0155】
また、外部回路116は、フィルタ46の他の一部である第2素子であって、補助出力端子34aに接続された第1端と、接地に接続された第2端と、を有する第2素子と、フィルタ46の他の一部である第3素子であって、補助出力端子34bに接続された第1端と、接地に接続された第2端と、を有する第3素子と、を含む。
【0156】
このような構成により、補助出力端子34ごとにフィルタ46のフィルタ特性を異ならせることができる。これにより、補助出力端子34a及び34bから外部回路116へ2つのバンドの送信信号TX1をそれぞれ供給する場合、バンドごとにフィルタ特性を最適化することができるので、最適化したフィルタを通過した2つのバンドの送信信号TX1を供給することができる。
【0157】
また、通信装置106は、通信回路16が形成された通信モジュール156と、通信モジュール156に設けられ、インダクタ47と可変フィルタ75との間に位置するシールド部材211及び212と、を備える。
【0158】
このような構成により、インダクタ47と可変フィルタ75との間に位置するシールド部材211及び212によって、可変フィルタ75に含まれるインダクタとインダクタ47との電磁界的な結合を抑制することができる。これにより、ノイズの発生及び減衰量の低下といった特性劣化を抑制することができる。
【0159】
また、通信装置106は、通信回路16が形成された通信モジュール156を備え、通信モジュール156において、インダクタ47と可変フィルタ75との間に他の部品が設けられる。
【0160】
このような構成により、インダクタ47を可変フィルタ75から離れた位置に設けることができるので、可変フィルタ75に含まれるインダクタとインダクタ47との電磁界的な結合を抑制することができる。これにより、ノイズの発生及び減衰量の低下といった特性劣化を抑制することができる。
【0161】
また、通信装置106は、通信回路16が形成された矩形のモジュール基板156aを備える。モジュール基板156aにおいて、インダクタ47と可変フィルタ75との間の距離D1は、当該矩形の対角線156bの長さの1/4より長い。
【0162】
このような構成により、インダクタ47を可変フィルタ75から離れた位置に設けることができるので、可変フィルタ75に含まれるインダクタとインダクタ47との電磁界的な結合を抑制することができる。これにより、ノイズの発生及び減衰量の低下といった特性劣化を抑制することができる。
【0163】
また、通信回路11は、送信信号TX1が供給される送信端子31と、アンテナ端子32と、第1端と、第2端と、を有する可変フィルタ75と、送信信号TX1を外部回路111へ出力する補助出力端子34aと、送信ノード、受信ノード及び共通ノードを有するデュプレクサ61aと、第1端と、第2端と、を有する配線62と、送信端子31の電気的な接続先を、デュプレクサ61aの送信ノード及び配線62の第1端のいずれかに切り替えるスイッチ52と、可変フィルタ75の第1端の電気的な接続先を、デュプレクサ61aの共通ノード及び配線62の第2端のいずれかに切り替えるスイッチ72と、可変フィルタ75の第2端の電気的な接続先を、補助出力端子34a及びアンテナ端子32のいずれかに切り替えるスイッチ73と、を備える。
【0164】
このような構成により、スイッチ52において送信端子31の電気的な接続先がデュプレクサ61aの送信ノードに切り替えられ、スイッチ72において可変フィルタ75の第1端の電気的な接続先がデュプレクサ61aの共通ノードに切り替えられ、スイッチ73において可変フィルタ75の第2端の電気的な接続先がアンテナ端子32に切り替えられた場合、送信端子31からデュプレクサ61a及び可変フィルタ75を通じてアンテナ端子32に至る信号伝送経路を形成することができる。また、スイッチ52において送信端子31の電気的な接続先が配線62の第1端に切り替えられ、スイッチ72において可変フィルタ75の第1端の電気的な接続先が配線62の第2端に切り替えられ、スイッチ73において可変フィルタ75の第2端の電気的な接続先が補助出力端子34aに切り替えられた場合、送信端子31から配線62及び可変フィルタ75を通じて補助出力端子34aに至る信号伝送経路を形成することができる。デュプレクサを含む信号伝送経路及びデュプレクサを含まない信号伝送経路において可変フィルタ75を共用することができるので、通信回路11におけるフィルタの個数を減ずることができる。したがって、デュプレクサを含む信号伝送経路及びデュプレクサを含まない信号伝送経路を切り替え可能な構成において、回路規模の増大を抑制し、かつ、いずれの信号伝送経路でも信号がフィルタを通過することができる。
【0165】
また、通信回路11は、送信ノード、受信ノード及び共通ノードを有するデュプレクサ61bをさらに備え、スイッチ52は、送信端子31の電気的な接続先を、デュプレクサ61aの送信ノード、デュプレクサ61bの送信ノード及び配線62の第1端のいずれかに切り替え、スイッチ72は、可変フィルタ75の第1端の電気的な接続先を、デュプレクサ61aの共通ノード、デュプレクサ61bの共通ノード及び配線62の第2端のいずれかに切り替える。
【0166】
このような構成により、送信端子31からデュプレクサ61b及び可変フィルタ75を通じてアンテナ端子32へ至る信号伝送経路を追加することができるので、通信回路11で利用可能な汎用バンドを追加することができる。そして、デュプレクサ61aを含む信号伝送経路及びデュプレクサ61bを含む信号伝送経路において可変フィルタ75を共用することができるので、通信回路11におけるフィルタの個数を増やすことなく信号伝送経路を追加することができる。
【0167】
また、通信回路11は、送信信号TX1が外部回路111から供給され、かつ、受信信号RX1を外部回路111に出力する入出力端子45aと、アンテナ端子32と入出力端子45aとを導通させるか否かを切り替えるスイッチ74と、をさらに備える。
【0168】
このような構成により、補助出力端子34aから外部回路111へ出力された送信信号TX1を、入出力端子45aを通じてアンテナ端子32へ出力することができる。また、アンテナ端子32から供給される受信信号RX1を、入出力端子45aを通じて外部回路111へ出力することができる。これにより、外部回路111を経由する送信信号TX1及び受信信号RX1の信号伝送経路を形成することができる。
【0169】
また、通信回路11では、デュプレクサ61a及び可変フィルタ75を通じてアンテナ端子32に供給される第1送信信号が可変フィルタ75によって減衰される第1減衰帯域における減衰量は、配線62及び可変フィルタ75を通じて補助出力端子34aに供給される第2送信信号が可変フィルタ75によって減衰される第2減衰帯域における減衰量より大きい。
【0170】
このような構成により、第1送信信号について、搬送波のロスの抑制及び不要波の減衰といった特性向上を第2送信信号よりも優先的に図ることができる。また、第2送信信号についても、フィルタ回路及び整合回路などを外部回路111に追加することで、特性向上を図ることができる。
【0171】
なお、以上説明した各実施形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更/改良され得るとともに、本発明にはその等価物も含まれる。即ち、各実施形態に当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、各実施形態が備える各要素及びその配置、材料、条件、形状、サイズなどは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、各実施形態は例示であり、異なる実施形態で示した構成の部分的な置換又は組み合わせが可能であることは言うまでもなく、これらも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【0172】
<1>
送信信号が供給される送信端子と、
送信ノード、受信ノード及び共通ノードを有する第1デュプレクサと、
前記第1デュプレクサの前記共通ノードに電気的に接続された第1端と、アンテナ端子に電気的に接続された第2端と、を有する第1フィルタと、
前記送信信号を外部回路へ出力する第1補助出力端子と、
第2フィルタの一部である第1素子であって、第1端と、前記第1補助出力端子に電気的に接続された第2端と、を有する第1素子と、
前記送信端子の電気的な接続先を、前記第1デュプレクサの前記送信ノード及び前記第1素子の前記第1端のいずれかに切り替える第1スイッチと、を備える、
通信回路。
【0173】
<2>
<1>に記載の通信回路であって、
前記第1フィルタは可変フィルタであり、
前記通信回路は、
送信ノード、受信ノード及び共通ノードを有する第2デュプレクサと、
前記第1フィルタの前記第1端の電気的な接続先を、前記第1デュプレクサの前記共通ノード及び前記第2デュプレクサの前記共通ノードのいずれかに切り替える第2スイッチと、をさらに備え、
前記第1スイッチは、前記送信端子の電気的な接続先を、前記第1デュプレクサの前記送信ノード、前記第2デュプレクサの前記送信ノード及び前記第1素子の前記第1端のいずれかに切り替える、
通信回路。
【0174】
<3>
<1>又は<2>に記載の通信回路であって、
前記外部回路は、
前記第2フィルタの他の一部である第2素子であって、前記第1補助出力端子に接続された第1端と、接地に接続された第2端と、を有する第2素子を含む、
通信回路。
【0175】
<4>
<1>から<3>のいずれか1つに記載の通信回路であって、
前記第1素子は、第1インダクタである、
通信回路。
【0176】
<5>
<3>に記載の通信回路であって、
前記第1素子は、第1インダクタであり、
前記第2素子は、キャパシタである、
通信回路。
【0177】
<6>
<5>に記載の通信回路であって、
前記外部回路は、
前記キャパシタに直列に接続された第2インダクタをさらに含む、
通信回路。
【0178】
<7>
<1>から<6>のいずれか1つに記載の通信回路であって、
前記通信回路は、
前記送信信号を前記外部回路へ出力する第2補助出力端子と、
前記第1素子の前記第2端の電気的な接続先を、前記第1補助出力端子及び前記第2補助出力端子のいずれかに切り替える第3スイッチと、をさらに備える、
通信回路。
【0179】
<8>
<7>に記載の通信回路であって、
前記外部回路は、
前記第2フィルタの他の一部である第2素子であって、前記第1補助出力端子に接続された第1端と、接地に接続された第2端と、を有する第2素子と、
前記第2フィルタの他の一部である第3素子であって、前記第2補助出力端子に接続された第1端と、接地に接続された第2端と、を有する第3素子と、を含む、
通信回路。
【0180】
<9>
<4>から<6>までのいずれか1つに記載の通信回路が形成されたモジュールと、
前記モジュールに設けられ、前記第1インダクタと前記第1フィルタとの間に位置するシールド部材と、を備える、
通信装置。
【0181】
<10>
<4>から<6>までのいずれか1つに記載の通信回路が形成されたモジュール基板を備え、
前記モジュール基板において、前記第1インダクタと前記第1フィルタとの間に他の部品が設けられる、
通信装置。
【0182】
<11>
<4>から<6>までのいずれか1つに記載の通信回路が形成された矩形のモジュール基板を備え、
前記モジュール基板において、前記第1インダクタと前記第1フィルタとの間の距離は、前記矩形の対角線の長さの1/4より長い、
通信装置。
【0183】
<12>
送信信号が供給される送信端子と、
アンテナ端子と、
第1端と、第2端と、を有する可変フィルタと、
前記送信信号を外部回路へ出力する第1補助出力端子と、
送信ノード、受信ノード及び共通ノードを有する第1デュプレクサと、
第1端と、第2端と、を有する配線と、
前記送信端子の電気的な接続先を、前記第1デュプレクサの前記送信ノード及び前記配線の前記第1端のいずれかに切り替える第1スイッチと、
前記可変フィルタの前記第1端の電気的な接続先を、前記第1デュプレクサの前記共通ノード及び前記配線の前記第2端のいずれかに切り替える第2スイッチと、
前記可変フィルタの前記第2端の電気的な接続先を、前記第1補助出力端子及び前記アンテナ端子のいずれかに切り替える第3スイッチと、を備える、
通信回路。
【0184】
<13>
<12>に記載の通信回路であって、
前記通信回路は、
送信ノード、受信ノード及び共通ノードを有する第2デュプレクサをさらに備え、
前記第1スイッチは、前記送信端子の電気的な接続先を、前記第1デュプレクサの前記送信ノード、前記第2デュプレクサの前記送信ノード及び前記配線の前記第1端のいずれかに切り替え、
前記第2スイッチは、前記可変フィルタの前記第1端の電気的な接続先を、前記第1デュプレクサの前記共通ノード、前記第2デュプレクサの前記共通ノード及び前記配線の前記第2端のいずれかに切り替える、
通信回路。
【0185】
<14>
<12>又は<13>に記載の通信回路であって、
前記通信回路は、
前記送信信号が前記外部回路から供給され、かつ、受信信号を前記外部回路に出力する第1入出力端子と、
前記アンテナ端子と前記第1入出力端子とを導通させるか否かを切り替える第4スイッチと、をさらに備える、
通信回路。
【0186】
<15>
<12>から<14>のいずれか1つに記載の通信回路であって、
前記第1デュプレクサ及び前記可変フィルタを通じて前記アンテナ端子に供給される前記送信信号が前記可変フィルタによって減衰される減衰帯域における減衰量は、前記配線及び前記可変フィルタを通じて前記第1補助出力端子に供給される前記送信信号が前記可変フィルタによって減衰される減衰帯域における減衰量より大きい、
通信回路。
【符号の説明】
【0187】
11、16…通信回路
31…送信端子
32…アンテナ端子
33…受信端子
34a、34b、34c、34d…補助出力端子
35a、35b、35c、35d…補助入力端子
36a、36b、36c、36d…補助入出力端子
41…パワーアンプ
42…ローノイズアンプ
45a、45b、45c、45d…入出力端子
46…フィルタ
47…インダクタ
51…送信バンド選択スイッチ部
52、53、54…スイッチ
61a、61b、61c、61d…デュプレクサ
62…配線
71…アンテナスイッチ部
72、73、74…スイッチ
75…可変フィルタ
75a、75b、75c…インダクタ
75d、75e…可変容量素子
75f、75g…容量素子
76…スイッチ
81…受信バンド選択スイッチ
82…可変フィルタ
101、106…通信装置
111、116…外部回路
151、156…通信モジュール
161、166…外付け部
171…デュプレクサ
181a、181b、181c、181d…容量素子
182a…インダクタ
211、212…シールド部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11