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特開2024-5133位置情報管理システム、位置検出装置、位置情報管理方法及びプログラム
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  • 特開-位置情報管理システム、位置検出装置、位置情報管理方法及びプログラム 図1
  • 特開-位置情報管理システム、位置検出装置、位置情報管理方法及びプログラム 図2
  • 特開-位置情報管理システム、位置検出装置、位置情報管理方法及びプログラム 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024005133
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】位置情報管理システム、位置検出装置、位置情報管理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/123 20060101AFI20240110BHJP
   B60R 25/102 20130101ALI20240110BHJP
   B60R 25/33 20130101ALI20240110BHJP
【FI】
G08G1/123 A
B60R25/102
B60R25/33
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022105183
(22)【出願日】2022-06-29
(71)【出願人】
【識別番号】522131181
【氏名又は名称】テクラ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100180921
【弁理士】
【氏名又は名称】峰 雅紀
(72)【発明者】
【氏名】豊田 博樹
【テーマコード(参考)】
5H181
【Fターム(参考)】
5H181AA01
5H181AA05
5H181AA21
5H181FF05
5H181MB09
5H181MB10
(57)【要約】      (修正有)
【課題】利用者端末の位置によらず、自動車や二輪車といった管理対象の盗難の恐れを迅速に通知できる位置情報管理システム等を提供する。
【解決手段】管理対象の位置情報を検出する位置検出装置とサーバとを備え、位置情報を管理する位置情報管理システムであって、位置検出装置は、位置情報を取得する位置情報取得部と、位置情報の変化に対する判定を行う移動判定部と、管理対象の情報を通信する検出通信部と、検出通信部を制御する検出制御部とを備え、移動判定部は、位置情報の変化が所定の値に等しい場合又は当該値を超えた場合に、異常であると判定し、検出制御部は、移動判定部による異常であるとの判定結果に基づいて、検出通信部を制御して、管理対象の情報をサーバ又は所定の利用者端末に通知を送信させる、位置情報管理システムである。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管理対象の位置情報を検出する位置検出装置とサーバとを備え、前記位置情報を管理する位置情報管理システムであって、
前記位置検出装置は、
前記位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記位置情報の変化に対する判定を行う移動判定部と、
前記管理対象の情報を通信する検出通信部と、
前記検出通信部を制御する検出制御部とを備え、
前記移動判定部は、前記位置情報の変化が所定の値に等しい場合又は当該値を超えた場合に、異常であると判定し、
前記検出制御部は、前記移動判定部による異常であるとの判定結果に基づいて、前記検出通信部を制御して、前記管理対象の情報を前記サーバ又は所定の利用者端末に通知を送信させる、位置情報管理システム。
【請求項2】
前記検出制御部が、前記検出通信部を制御して、前記利用者端末に前記管理対象の情報をSNSにおいて公開することを指示する指示表示を表示させるための信号を送信させるものであり、
かつ/又は、
前記サーバが、前記利用者端末に前記管理対象の情報をSNSにおいて公開することを指示する指示表示を表示させるための信号を送信する、請求項1記載の位置情報管理システム。
【請求項3】
公開される前記情報には、前記位置情報が含まれる、請求項2記載の位置情報管理システム。
【請求項4】
前記利用者端末が有する端末通信部を制御する端末制御部をさらに備え、
前記端末通信部は、前記サーバ及び/又は前記位置検出装置と通信を行うものであり、
前記端末制御部は、前記端末通信部を制御して、直接に又は前記サーバ若しくは前記位置検出装置を経由して前記管理対象の情報の公開を前記SNSに中止させる、請求項2記載の位置情報管理システム。
【請求項5】
前記管理対象は、蓄電部を有するものであり、
前記蓄電部に残っている電力量である電力残量又は前記蓄電部の出力電圧である蓄電電圧値を測定する蓄電測定部と、
前記電力残量又は前記蓄電電圧値が所定の値に等しい場合又は当該値を下回った場合に、異常であると判定する蓄電判定部とをさらに備え、
前記検出制御部は、前記蓄電判定部による異常であるとの判定結果に基づいて、前記検出通信部を制御して前記管理対象の情報を送信させる、請求項1記載の位置情報管理システム。
【請求項6】
管理対象の位置情報を検出する位置検出装置であって、
前記位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記位置情報の変化に対する判定を行う移動判定部と、
前記管理対象の情報を通信する検出通信部と、
前記検出通信部を制御する検出制御部とを備える、位置検出装置。
【請求項7】
管理対象の位置情報を検出する位置検出装置とサーバとを備え、前記位置情報を管理する位置情報管理システムを用いた位置情報管理方法であって、
前記位置検出装置は、
前記位置情報を取得する位置情報取得部と、
前記位置情報の変化に対する判定を行う移動判定部と、
前記管理対象の情報を通信する検出通信部と、
前記検出通信部を制御する検出制御部とを備え、
前記位置情報取得部が、前記位置情報を取得する位置情報取得ステップと、
前記移動判定部が、前記位置情報の変化が所定の値に等しい場合又は当該値を超えた場合に、異常であると判定を行う移動判定ステップと、
前記検出制御部が、前記移動判定部による異常であるとの判定結果に基づいて、前記検出通信部を制御して前記管理対象の情報を前記サーバ又は所定の利用者端末に通知を送信させる異常通知ステップを含む、位置情報管理方法。
【請求項8】
コンピュータに、請求項7記載の位置情報管理方法を実行させるプログラム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、位置情報管理システム、位置検出装置、位置情報管理方法及びプログラムに関し、特に、管理対象の位置情報を検出する位置検出装置とサーバとを備え、位置情報を管理する位置情報管理システム等に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車が盗難に遭った場合、検挙率は約5割にとどまっている。また、自動二輪車が盗難に遭った場合の検挙率はわずか約2割にとどまっている。
【0003】
自動車や自動二輪車が盗難に遭った場合、車両を取り戻すには、いかに早く初動できるかが重要である。
【0004】
ここで、従来、車両が不正に開錠されると判定され、かつ、車両と携帯機器との距離が一定の距離以上となったときに不正な第三者によって車両が移動されたと判定する盗難防止装置が知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2021-067056号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載のシステムは、車両が何らかの遠隔通信システムによって不正な開錠が行われることを前提とする。そのため、開錠方法によっては対応できない。
【0007】
また、車両と携帯機器とが遠く離れた場合には、誤差の範囲が大きくなり、両者の距離が一定以上であるか否かの判定が困難となり得る。
【0008】
そこで、本願発明は、利用者端末の位置によらず、自動車や二輪車といった管理対象の盗難の恐れを迅速に通知できる位置情報管理システム等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願発明の第1の観点は、管理対象の位置情報を検出する位置検出装置とサーバとを備え、前記位置情報を管理する位置情報管理システムであって、前記位置検出装置は、前記位置情報を取得する位置情報取得部と、前記位置情報の変化に対する判定を行う移動判定部と、前記管理対象の情報を通信する検出通信部と、前記検出通信部を制御する検出制御部とを備え、前記移動判定部は、前記位置情報の変化が所定の値に等しい場合又は当該値を超えた場合に、異常であると判定し、前記検出制御部は、前記移動判定部による異常であるとの判定結果に基づいて、前記検出通信部を制御して、前記管理対象の情報を前記サーバ又は所定の利用者端末に通知を送信させる、位置情報管理システムである。
【0010】
本願発明の第2の観点は、第1の観点の位置情報管理システムであって、前記検出制御部が、前記検出通信部を制御して、前記利用者端末に前記管理対象の情報をSNSにおいて公開することを指示する指示表示を表示させるための信号を送信させるものであり、かつ/又は、前記サーバが、前記利用者端末に前記管理対象の情報をSNSにおいて公開することを指示する指示表示を表示させるための信号を送信する。
【0011】
本願発明の第3の観点は、第2の観点の位置情報管理システムであって、公開される前記情報には、前記位置情報が含まれる。
【0012】
本願発明の第4の観点は、第2又は第3の観点の位置情報管理システムであって、前記利用者端末が有する端末通信部を制御する端末制御部をさらに備え、前記端末通信部は、前記サーバ及び/又は前記位置検出装置と通信を行うものであり、前記端末制御部は、前記端末通信部を制御して、直接に又は前記サーバ若しくは前記位置検出装置を経由して前記管理対象の情報の公開を前記SNSに中止させる。
【0013】
本願発明の第5の観点は、第1から第4のいずれかの観点の位置情報管理システムであって、前記管理対象は、蓄電部を有するものであり、前記蓄電部に残っている電力量である電力残量又は前記蓄電部の出力電圧である蓄電電圧値を測定する蓄電測定部と、前記電力残量又は前記蓄電電圧値が所定の値に等しい場合又は当該値を下回った場合に、異常であると判定する蓄電判定部とをさらに備え、前記検出制御部は、前記蓄電判定部による異常であるとの判定結果に基づいて、前記検出通信部を制御して前記管理対象の情報を送信させる。
【0014】
本願発明の第6の観点は、管理対象の位置情報を検出する位置検出装置であって、前記位置情報を取得する位置情報取得部と、前記位置情報の変化に対する判定を行う移動判定部と、前記管理対象の情報を通信する検出通信部と、前記検出通信部を制御する検出制御部とを備える、位置検出装置である。
【0015】
本願発明の第7の観点は、管理対象の位置情報を検出する位置検出装置とサーバとを備え、前記位置情報を管理する位置情報管理システムを用いた位置情報管理方法であって、前記位置検出装置は、前記位置情報を取得する位置情報取得部と、前記位置情報の変化に対する判定を行う移動判定部と、前記管理対象の情報を通信する検出通信部と、前記検出通信部を制御する検出制御部とを備え、前記位置情報取得部が、前記位置情報を取得する位置情報取得ステップと、前記移動判定部が、前記位置情報の変化が所定の値に等しい場合又は当該値を超えた場合に、異常であると判定を行う移動判定ステップと、前記検出制御部が、前記移動判定部による異常であるとの判定結果に基づいて、前記検出通信部を制御して前記管理対象の情報を前記サーバ又は所定の利用者端末に通知を送信させる異常通知ステップを含む、位置情報管理方法である。
【0016】
本願発明の第8の観点は、コンピュータに、第7の観点の位置情報管理方法を実行させるプログラムである。
【発明の効果】
【0017】
本願発明の各観点によれば、位置情報管理システムは、自動車や二輪車といった管理対象の位置情報を検出してサーバで管理することが可能となる。また、車両の盗難のように利用者が意図しない車両の移動を検出して、サーバを介して又は直接に利用者端末に通知することも可能となる。
【0018】
本願発明の第2の観点によれば、移動判定部による異常判定と連動して、管理対象の情報をSNSにより拡散することが可能となる。これにより、盗難発生後、速やかにSNSを通じて追跡を開始して、利用者だけでなく第三者による管理対象の捜索も可能となる。
【0019】
本願発明の第3の観点によれば、盗難された場合等に時々刻々と変化する管理対象の位置情報をSNSの多数の利用者に把握させることが可能となる。このため、管理対象を追跡することが容易となる。
【0020】
本願発明の第4の観点によれば、管理対象が無事に見つかった場合には、個人情報である管理対象の情報を非公開とすることが可能となる。このため、過度に個人情報が流出し続けることを回避することが容易となる。
【0021】
本願発明の第5の観点によれば、自動車や二輪車といった管理対象の電力量が減ったことと連動して、管理対象の情報を利用者端末に通知することが可能となる。このため、エンジンが作動していない間も位置検出装置に管理対象の電力を使用させつつ、実際に自動車や二輪車を使用したいときに使用できない事態を回避することが容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本実施例に係る位置情報管理システムの概要を示すブロック図である。
図2】本実施例に係る位置情報管理システム1を利用した位置情報管理フローの概要を例示した図である。
図3】本実施例に係る位置情報管理システム1を利用した電圧測定フローの概要を例示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照して本願発明の実施形態を詳細に説明する。なお、本願発明の実施例は、以下に記載する内容に限定されるものではない。
【実施例0024】
図1は、本実施例に係る位置情報管理システム1(本願請求項における「位置情報管理システム」の一例)の概要を示すブロック図である。位置情報管理システム1は、管理対象である車両や二輪車等の位置情報を管理する。また、位置情報管理システム1は、管理対象の位置情報から異常を検知し、異常検知後の管理対象の追跡を支援する。
【0025】
図1を参照して、位置情報管理システム1は、センサ装置3(本願請求項における「位置検出装置」の一例)と、電圧測定装置5と、クラウドサーバ7(本願請求項における「サーバ」の一例)とを備える。センサ装置3は、管理対象に設置されている。電圧測定装置5は、管理対象が備えるバッテリーと電気的に接続されており、バッテリーから給電されている。また、電圧測定装置5は、センサ装置3とも電気的に接続されており、センサ装置3に給電する。クラウドサーバ7は、インターネット等の通信網を介してセンサ装置3や、利用者が有するスマートフォン9(本願請求項に記載の「利用者端末」の一例)と通信を行う。
【0026】
センサ装置3は、位置情報取得部31(本願請求項に記載の「位置情報取得部」の一例)と、移動判定部33(本願請求項に記載の「移動判定部」の一例)と、センサ通信部35(本願請求項に記載の「検出通信部」の一例)と、センサ制御部37(本願請求項に記載の「検出制御部」の一例)とを備える。位置情報取得部31は、人工衛星から信号を受信して管理対象の位置情報をGPS機能により取得する。移動判定部33は、管理対象の移動を判定する。センサ通信部35は、センサ装置と、他の装置やサーバとの間で信号の送受信を行う。センサ制御部37は、センサ装置3の各部を制御する。
【0027】
電圧測定装置5は、電圧測定部51と、電圧判定部53と、電圧測定通信部55と電圧測定制御部57とを備える。電圧測定部51は、管理対象である車両等の電圧を測定する。電圧判定部53は、電圧測定部51の測定結果が正常か異常かを判定する。電圧測定通信部55は、電圧測定装置と、他の装置やサーバとの間で信号の送受信を行う。電圧測定制御部57は、電圧測定装置5の各部を制御する。
【0028】
クラウドサーバ7は、サーバ判定部71と、サーバ記憶部73と、サーバ通信部75と、サーバ制御部77とを備える。サーバ判定部71は、他の装置や機器から取得した情報について判定を行う。サーバ記憶部73は、他の装置や機器から取得した情報や、サーバ判定部71が判定を行う際に用いるしきい値や、サーバ判定部71の判定結果等を記憶する。サーバ通信部75は、他の装置や機器との間で信号の送受信を行う。サーバ制御部77は、クラウドサーバ7の各部を制御する。
【0029】
スマートフォン9は、端末表示部91と、端末記憶部93と、端末通信部95と、端末制御部97とを備える。端末表示部91は、利用者に対して各種情報を表示する。端末記憶部93は、端末表示部91に表示する情報や端末通信部95が受信した情報等を記憶する。端末通信部95は、他の装置やサーバとの間で信号の送受信を行う。端末制御部97は、スマートフォン9の各部を制御する。なお、端末制御部97のうち少なくとも一部は、利用者が購入する前からプリインストールされているものであってもよい。また、端末制御部97のうち少なくとも一部は、アプリストアからのダウンロード等の手段により、利用者がスマートフォン9にインストールされるものであってもよい。
【0030】
続いて、利用者が、管理対象である自動車や二輪車の位置を管理する位置管理方法について述べる。図2は、本実施例に係る位置情報管理システム1を利用した位置情報管理方法を例示するフロー図である。図2には、本実施例に係る位置情報管理システムを利用した、管理対象が盗難されたことを検知する盗難検知フロー、及び、利用者が盗難を認知した場合に追跡を容易化する追跡支援フローが含まれている。
【0031】
まず、盗難検知フローについて述べる。センサ装置3の位置情報取得部は、定期的に管理対象となる自動車や二輪車の位置情報(本願請求項における「位置情報」の一例)をGPS機能により取得する。移動判定部が管理対象の移動を判定すると、センサ通信部は、クラウドサーバに通知する。
【0032】
センサ装置3から管理対象の移動の通知を受信したクラウドサーバは、サーバ判定部が、盗難の可能性について判定する。ここで、サーバ記憶部には管理対象の移動についてしきい値があらかじめ記憶されている。サーバ判定部は、管理対象の移動がこのしきい値よりも大きい場合に盗難の可能性が高いと判定する。サーバ判定部が盗難の可能性が高いと判定した場合、サーバ通信部は、利用者のスマートフォン7(本願請求項における「利用者端末」の一例)にその旨を盗難確認通知として通知する。
【0033】
続いて、追跡支援フローについて述べる。端末制御部は、利用者端末の表示部に、盗難確認通知と共に、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)への情報拡散を実行できるボタン(本願請求項における「指示表示」の一例)を表示させる。利用者がSNS拡散ボタンを押すと、スマートフォンからクラウドサーバに対して車両情報の公開が指示される。ここで、利用者は、あらかじめ車両情報を共有する範囲を設定することもできる。また、公開を指示する際に車両情報を共有する範囲を設定することとしてもよい。この公開範囲には、SNSの種類や各SNSにおいてどの範囲で共有するかが含まれる。公開範囲の設定は、端末記憶部、及び/又は、サーバ記憶部に記憶されている。
【0034】
クラウドサーバが車両情報公開の指示を受信すると、サーバ制御部はサーバ通信部を制御して、所定のSNSに対して車両情報を公開させるAPIコールを行う。車両情報は、サーバ記憶部、及び/又は、端末記憶部に記憶されている。上記のAPIコールは、クラウドサーバからSNSに直接行うものであってもよいし、他社サービスを経由して行うものであってもよい。APIコールを受信したSNSは、車両情報を設定された範囲で公開する。
【0035】
車両情報には、例えば、車両ナンバー、車種、盗難発生の日時、盗難発生の住所、画像、発見時の連絡先、及び/又は、現在地を示すURLが含まれる。現在地を示すURLにおいて表示される現在地として、センサ装置が有するGPS部が計測してセンサ通信部から送信される情報がリアルタイムに更新されて反映される。現在地の座標更新は、例えば5秒おきに行われる。
【0036】
また、利用者のスマートフォンには、SNS拡散ボタンを押した後、SNS拡散を解除するボタンも表示される。利用者がSNS拡散解除ボタンを押すと、スマートフォンからクラウドサーバに対して車両情報の公開の中止が指示される。
【0037】
クラウドサーバは、車両情報公開の中止の指示を受信すると、所定のSNSに対して車両情報の公開を中止させるAPIコールを行う。上記のAPIコールは、クラウドサーバからSNSに直接行うものであってもよいし、他社サービスを経由して行うものであってもよい。APIコールを受信したSNSは、車両情報の公開を中止する。また、クラウドサーバは、車両情報公開の中止の指示を受信すると、現在地を示すURLを無効化する。
【0038】
続いて、図3を参照して、本実施例に係る位置情報管理システムを用いた電圧測定フローについて説明する。図3は、本実施例に係る電圧測定フローの概要を例示した図である。
【0039】
電圧測定装置は、センサ装置と電気的に接続されている。電圧測定装置は、管理対象が有する車載バッテリー(本願請求項における「蓄電部」の一例)にも電気的に接続されており、例えば12Vの電圧で車載バッテリーから給電される。電圧測定装置は、センサ装置に対して、例えば5Vの電圧で給電する。
【0040】
電圧測定部51は、車載バッテリーに残っている力量である電力残量又は車載バッテリーの出力電圧であるバッテリー電圧値を測定する。電圧判定部53は、電力残量又はバッテリー電圧値が所定の値に等しい場合又は当該値を下回った場合に、異常であると判定する。
【0041】
センサ装置3は、電圧測定装置5に対して電圧情報を要求する。電圧測定制御部57は、電圧測定通信部57を制御して、センサ装置3に対して電圧情報を送信させる。また、電圧測定制御部57は、少なくとも電圧判定部53による異常であるとの判定結果があれば、電圧測定通信部57を制御して、判定結果をセンサ装置3に送信させる。センサ装置3は、取得した電圧情報と車両情報とを併せて所定のタイミングでインターネットを介してクラウドサーバ7に送信する。クラウドサーバ7は、時系列情報を含めて電圧情報を利用者のスマートフォン9に送信する。
【0042】
このとき、クラウドサーバ7は、グラフや表のように可視化した電圧情報をスマートフォン9に送信してもよいし、測定結果をテキストデータやその他のデータ形式で送信するものであってもよい。
【0043】
ここで、クラウドサーバ7は、車両情報を併せて送ってもよい。車両情報の例として、車両を特定する情報の他、GPSにより取得した車両位置、車両の速度や加速度といった情報が挙げられる。
【0044】
クラウドサーバ7は、管理対象が移動中か停止中かと併せて電圧情報を検証する。クラウドサーバ7は、電圧の降下速度や、電圧値を検証した結果、異常と判定すれば利用者のスマートフォン9に通知する。クラウドサーバ7は、盗難の可能性が高いか否かを判定し、判定結果をスマートフォンに併せて通知するものであってもよい。
【0045】
電圧の異常の具体例としては、電圧値の異常な高さが挙げられる。このような場合、クラウドサーバ7は、異常の原因の可能性があるレギュレータの不良といった現象を併せて通知してもよい。
【0046】
電圧測定装置5は、センサ装置3を充電する際に、同時に例えばUSB通信にて、車載バッテリーの電圧情報をセンサ装置3に送信するものであってもよい。これにより、車両の状況とバッテリー電圧を紐づけて管理し、車載バッテリーの劣化やオルタネーターの故障等の異常を早期に検知することができる。
【0047】
なお、利用者のスマートフォンがクラウドサーバから盗難確認通知を受領した際、スマートフォンに保存されたプログラムが自動的にSNS拡散を実行するものであってもよい。
【0048】
また、利用者のスマートフォンには、本実施例に係る位置情報管理システムを利用するためのアプリ等のソフトウェアがインストールされるものであってもよい。また、利用者のスマートフォンにインストールされているブラウザを介して、本実施例に係る位置情報管理システムを利用可能とするものであってもよい。
【0049】
さらに、上記は管理対象が車両や二輪車であることを前提としたが、その他の物体や人間を管理対象とするものであってもよい。この場合、上記のセンサ装置、クラウドサーバ、スマートフォンがお互いに連動して上記の実施例と同様に機能する。
【0050】
さらに、利用者端末がセンサ装置の近くに存在する場合など、センサ装置は、クラウドサーバを介さずに直接にセンサ装置との間で通信するものであってもよい。
【符号の説明】
【0051】
1; 位置情報管理システム、3;センサ装置、5;電圧測定装置、7;クラウドサーバ、9;スマートフォン、31;位置情報取得部、33;移動判定部、35;センサ通信部、37;センサ制御部、51;電圧測定部、53;電圧判定部、55;電圧測定通信部、57;電圧測定制御部、71;サーバ判定部、73;サーバ記憶部、75;サーバ通信部、77;サーバ制御部、91;端末表示部、93;端末記憶部、95;端末通信部、97;端末制御部

図1
図2
図3