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特開2024-5138情報処理システム、プログラムおよび情報処理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024005138
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】情報処理システム、プログラムおよび情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/10 20120101AFI20240110BHJP
【FI】
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】15
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022105191
(22)【出願日】2022-06-29
(71)【出願人】
【識別番号】000129149
【氏名又は名称】株式会社カプコン
(74)【代理人】
【識別番号】110002789
【氏名又は名称】弁理士法人IPX
(72)【発明者】
【氏名】木村 哲
(72)【発明者】
【氏名】奥山 幹樹
【テーマコード(参考)】
5L049
【Fターム(参考)】
5L049CC18
(57)【要約】
【課題】電子データと、実空間内の商品または役務との関係を利用した技術を提供すること。
【解決手段】本開示の一態様によれば、情報処理システムが提供される。このは役務は、制御部を備える。制御部は、第1電子データと第2電子データを第1ユーザに関連付ける。第1電子データは、実空間内の商品または役務である第1商品役務と対応付けられる。第2電子データは、実空間内の商品または役務であって、第1商品役務とは異なる第2商品役務と対応付けられる。特定条件を満たす場合に、第2商品役務に関連する特典を、第1ユーザに付与する。特定条件は、第1電子データと第2電子データとが紐付けられた状態で、第1ユーザに第2商品役務が第2電子データに基づいて提供されたことを含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報処理システムであって、
制御部を備え、
前記制御部は、
第1電子データと第2電子データを第1ユーザに関連付け、ここで
前記第1電子データは、実空間内の商品または役務である第1商品役務と対応付けられ、
前記第2電子データは、前記実空間内の商品または役務であって、前記第1商品役務とは異なる第2商品役務と対応付けられ、
特定条件を満たす場合に、前記第2商品役務に関連する特典を、前記第1ユーザに付与し、ここで
前記特定条件は、前記第1電子データと前記第2電子データとが紐付けられた状態で、前記第1ユーザに前記第2商品役務が前記第2電子データに基づいて提供されたことを含む、
情報処理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記第2商品役務は、実空間における興行に関連する役務と対応付けられ、
前記第1商品役務は、提供主体に関連する現実の商品と対応付けられ、ここで
前記提供主体は、前記興行に関連する役務を前記第1ユーザに提供する主体のうち少なくともいずれかの主体である、
情報処理システム。
【請求項3】
請求項2に記載の情報処理システムにおいて、
前記制御部は、
前記第1電子データに紐付けられた前記第2電子データに基づいてユーザパラメータを特定し、ここで
前記ユーザパラメータは、前記興行に関する役務が提供されたユーザに関するパラメータであり、
前記特定条件を満たす場合に、前記ユーザパラメータに基づいて、前記特典を決定する、
情報処理システム。
【請求項4】
請求項3に記載の情報処理システムにおいて、
前記第1電子データは、前記興行に関連する役務を前記第1ユーザに提供する複数の前記提供主体のうちの、特定の提供主体に関連付けられている特定第1電子データであり、
前記制御部は、
前記特定第1電子データに紐付けられた前記第2電子データに基づいて前記ユーザパラメータを特定する、
情報処理システム。
【請求項5】
請求項4に記載の情報処理システムにおいて、
前記制御部は、
前記特定条件を満たす場合に、前記特定の提供主体の前記興行での貢献の度合いに基づいて、前記特典を決定する、
情報処理システム。
【請求項6】
請求項3に記載の情報処理システムにおいて、
前記制御部は、
前記第2電子データに基づいて、仮想空間において前記第1ユーザに前記興行に関する役務を提供する、
情報処理システム。
【請求項7】
請求項6に記載の情報処理システムにおいて、
前記制御部は、
前記ユーザパラメータに基づいて、前記仮想空間において前記興行に関する役務を提供する際の効果を決定する、
情報処理システム。
【請求項8】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記制御部は、
前記第1商品役務の所有者が前記第1ユーザであるという第1関係と、前記第2商品役務の所有者が前記第1ユーザであるという第2関係とを取得したことを条件として、前記特典の内容または提供条件を優遇する、または、前記第1電子データと前記第2電子データとの紐付けを許可する、
情報処理システム。
【請求項9】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記第1電子データには、前記第1電子データと前記第2電子データとを紐付けることが可能な期間、または、前記第1電子データと前記第2電子データとを紐付けることが可能な回数が設定されている、
情報処理システム。
【請求項10】
請求項9に記載の情報処理システムにおいて、
前記第2商品役務は、実空間における興行に関する役務であり、
前記興行は、前記期間内に複数回開催される、
情報処理システム。
【請求項11】
請求項1に記載の情報処理システムにおいて、
前記第2電子データには、紐付け数制限が設定され、ここで
前記紐付け数制限は、一度に前記第1電子データを前記第2電子データに紐付けることが可能な前記第1電子データの数である、
情報処理システム。
【請求項12】
請求項11に記載の情報処理システムにおいて、
前記紐付け数制限は、前記第1電子データの属性毎に設定される、
情報処理システム。
【請求項13】
請求項12に記載の情報処理システムにおいて、
前記制御部は、
前記第2電子データに紐付けられた前記第1電子データの数と、前記第2電子データに紐付けられた前記第1電子データの属性と、に基づいて前記特典を決定する、
情報処理システム。
【請求項14】
プログラムであって、
コンピュータに、請求項1~13のいずれか1つに記載の情報処理システムの前記制御部として機能させるためのプログラム。
【請求項15】
情報処理方法であって、
請求項1~13のいずれか1つに記載の情報処理システムの前記制御部が実行する各処理を備える、
情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理システム、プログラムおよび情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には情報の改ざんやゲーム内の不正の可能性を低減し、よりユーザが楽しみやすいゲームシステムが開示されている。
【0003】
特許文献1のゲーム情報取得手段60は、ゲーム情報を取得する。取引情報管理手段61は、取引情報について、任意の手段により改ざん防止措置を施す。改ざん防止手段71は、取引情報に改ざん防止措置が施されていることの確認を行う。不正判定手段62は、ゲーム情報に基づいて、ゲーム内で不正が行われたか否かを判定する。関連付け手段63は、ゲーム情報と判定された不正の有無の結果を、対象となるアイテムと関連付けて記憶する。鑑定書生成手段65は、所定の条件が満たされている場合に、鑑定書を生成する。ゲーム処理管理手段66は、生成された鑑定書に基づいてゲームで実行する所定の処理の内容を決定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2022-029608号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示される技術には、電子データと、実空間内の商品または役務との関係について開示されていない。
【0006】
本開示では上記事情を鑑み、電子データと、実空間内の商品または役務との関係を利用した技術を提供することとした。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様によれば、情報処理システムが提供される。このは役務は、制御部を備える。制御部は、第1電子データと第2電子データを第1ユーザに関連付ける。第1電子データは、実空間内の商品または役務である第1商品役務と対応付けられる。第2電子データは、実空間内の商品または役務であって、第1商品役務とは異なる第2商品役務と対応付けられる。特定条件を満たす場合に、第2商品役務に関連する特典を、第1ユーザに付与する。特定条件は、第1電子データと第2電子データとが紐付けられた状態で、第1ユーザに第2商品役務が第2電子データに基づいて提供されたことを含む。
【0008】
本開示によれば、実空間内の商品または役務との関係を利用した技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】情報処理システム1の全体構成を示す図である。
図2】サーバ装置2の機能を示す機能ブロック図である。
図3】情報処理システム1の動作の流れを示すアクティビティ図の一例である。
図4】NFTチケットにNFTグッズを紐付ける場合のクライアント装置3の一例を説明する図である。
図5】本実施形態のグッズテーブルT1aの一例を示す図である。
図6】チケットテーブルT2の一例を示す図である。
図7】本実施形態の野球の試合の観戦の状況のイメージの一例を示す図である。
図8】本実施形態の変形例のグッズテーブルT1bの一例を示す図である。
図9】本実施形態の変形例のグッズテーブルT1cの一例を示す図である。
図10】本実施形態の変形例の情報処理システムの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[実施形態]
以下、図面を用いて本開示の実施形態について説明する。以下に示す実施形態中で示した各種特徴事項は、互いに組み合わせ可能である。
【0011】
ところで、本実施形態に登場するソフトウェアを実現するためのプログラムは、コンピュータが読み取り可能な非一時的な記録媒体(Non-Transitory Computer-Readable Medium)として提供されてもよいし、外部のサーバからダウンロード可能に提供されてもよいし、外部のコンピュータで当該プログラムを起動させてクライアント端末でその機能を実現(いわゆるクラウドコンピューティング)するように提供されてもよい。
【0012】
また、本実施形態において「部」とは、例えば、広義の回路によって実施されるハードウェア資源と、これらのハードウェア資源によって具体的に実現されうるソフトウェアの情報処理とを合わせたものも含みうる。また、本実施形態においては様々な情報を取り扱うが、これら情報は、例えば電圧・電流を表す信号値の物理的な値、0または1で構成される2進数のビット集合体としての信号値の高低、または量子的な重ね合わせ(いわゆる量子ビット)によって表され、広義の回路上で通信・演算が実行されうる。
【0013】
また、広義の回路とは、回路(Circuit)、回路類(Circuitry)、プロセッサ(Processor)、およびメモリ(Memory)等を少なくとも適当に組み合わせることによって実現される回路である。すなわち、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、およびフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等を含むものである。
【0014】
システム構成
本節では、本実施形態に係る情報処理システム1のシステム構成について説明する。図1は、情報処理システム1の全体構成を示す図である。
【0015】
図1の情報処理システム1は、サーバ装置2と、クライアント装置3と、BCシステム4(BC=Blockchain:ブロックチェーン)と、通信ネットワーク11とを備える。ここで、情報処理システム1に例示されるシステムとは、1つまたはそれ以上の装置または構成要素からなるものである。したがって、サーバ装置2単体またはクライアント装置3単体であっても情報処理システム1に例示されるシステムに含まれる。以下、情報処理システム1に含まれる各構成要素についてさらに説明する。
【0016】
通信ネットワーク11は、インターネット等を含み、自回線に接続する装置同士のデータのやり取りを仲介する。通信ネットワーク11は、サーバ装置2とクライアント装置3とBCシステム4とのそれぞれを通信可能に接続する。
【0017】
サーバ装置2は、NFTデータに基づいてユーザに付与する特典を特定として機能するサーバである。特に、サーバ装置2は、取引されたNFTアートの取引情報をBCシステム4に登録して管理する。サーバ装置2は、例えば、1以上のサーバにより構成される。サーバ装置2は、情報処理装置の一例である。図1に示すようにサーバ装置2は、バス20と、通信部21と、記憶部22と、制御部23と、を備える。バス20は、サーバ装置2が備える各部を電気的に接続する。
【0018】
通信部21は、サーバ装置2から種々の電気信号を外部の構成要素に送信可能に構成される。また、通信部21は、外部の構成要素からサーバ装置2への種々の電気信号を受信可能に構成される。さらに好ましくは、通信部21がネットワーク通信機能を有し、これにより電気通信回線を介して、サーバ装置2と外部機器との間で種々の情報を通信可能に実施してもよい。
【0019】
記憶部22は、前述の記載により定義される様々な情報を記憶する。これは、例えば、制御部23によって実行される情報処理システム1に係る種々のプログラム等を記憶するソリッドステートドライブ(Solid State Drive:SSD)等のストレージデバイスとして、あるいは、プログラムの演算に係る一時的に必要な情報(引数、配列等)を記憶するランダムアクセスメモリ(Random Access Memory:RAM)等のメモリとして実施されうる。記憶部22は、制御部23によって実行される情報処理システム1に係る種々のプログラムや変数等を記憶している。
【0020】
制御部23は、例えば不図示の中央処理装置(Central Processing Unit:CPU)である。制御部23は、記憶部22に記憶された特定のプログラムを読み出すことによって、情報処理システム1に係る種々の機能を実現する。すなわち、記憶部22に記憶されているソフトウェアによる情報処理が、ハードウェアの一例である制御部23によって具体的に実現されることで、制御部23に含まれる各機能部として実行されうる。これらについては、次節においてさらに詳述する。なお、制御部23は単一であることに限定されず、機能ごとに複数の制御部23を有するように実施してもよい。またそれらの組合せであってもよい。
【0021】
クライアント装置3は、ユーザが操作する端末である。クライアント装置3は、スマートフォン、タブレット端末、コンピュータ、その他電気通信回線を通じてサーバ装置2にアクセス可能なものであれば、その形態は問わない。クライアント装置3は、情報処理装置の一例である。複数のクライアント装置3それぞれは、同じ構成を有する。図1に示すように、クライアント装置3は、バス30と、通信部31と、記憶部32と、制御部33と、入力部34と、出力部35とを備える。バス30は、クライアント装置3が備える各部を電気的に接続する。通信部31、記憶部32および制御部33、は、性能および細かな仕様等は異なっていてもよいが、サーバ装置2の通信部21、記憶部22および制御部23と同様のハードウェアである。
【0022】
入力部34は、クライアント装置3の筐体に含まれるものであってもよいし、外付けされるものであってもよい。例えば、入力部34は、表示部と一体となってタッチパネルとして実施されてもよい。タッチパネルであれば、ユーザは、タップ操作、スワイプ操作等を入力することができる。もちろん、タッチパネルに代えて、スイッチボタン、マウス、QWERTYキーボード等を採用してもよい。すなわち、入力部34が、ユーザによってなされた操作入力を受け付ける。当該入力が、命令信号として、通信バスを介して制御部33に転送され、制御部33が、必要に応じて、特定の制御や演算を実行し得る。
【0023】
出力部35は、例えば、クライアント装置3の筐体に含まれるものであってもよいし、外付けされるものであってもよい。出力部35は、ユーザが操作可能なグラフィカルユーザインターフェース(Graphical User Interface:GUI)の画面を表示する。このような出力部35は、例えば、CRTディスプレイ、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイおよびプラズマディスプレイ等の表示デバイスを、クライアント装置3の種類に応じて使い分けて実施されることが好ましい。ここでは、出力部35は、クライアント装置3の筐体に含まれるものとして説明する。
【0024】
読取部36は、物に含まれる情報を読み取るためのものである。例えば、読取部36は、物に印字されているQRコード(登録商標)またはバーコードを読み取る。また、読取部36は、物に埋め込まれているRFタグまたはICタグを読み取る。制御部33は、読取部36が読み取ったコードやタグを解析することで物の情報を取得してもよい。読取部36は、例えば、カメラ、スキャナ等である。
【0025】
BCシステム4は、ブロックチェーンの仕組みを用いて様々な情報を分散させて管理する。BCシステム4は、P2Pネットワーク(P2P=Peer to Peer)によって互いに接続された複数のノード装置40を備える。BCシステム4は、P2Pネットワークによって互いに接続された複数のノード装置40により、共有したデータを参照することができる。また、BCシステム4は、データの正しさを担保するために、様々な情報を一定容量のブロックに区切り、それらのブロックを順番に並べて繋げたブロックチェーンを生成する。BCシステム4は、各ブロックに直前のブロックのハッシュ値を持たせ、生成したブロックチェーンを複数のノード装置40のそれぞれに分散させて記憶させる。
【0026】
BCシステム4は、ブロックチェーンの仕組みを用いて、商品役務と関連付けられたNFT(Non-Fungible Token)の情報を分散させて管理する。「商品役務」とは、実空間内の商品または役務である。「NFT」とは、ブロックチェーン上で発行される代替不可能なデジタルトークンである。NFTは、非代替性トークンとも呼ばれる。BCシステム4は、商品役務と関連付けられたNFTの情報をブロックチェーンに記録する。また、BCシステム4は、商品役務の所有者の移転があった場合、商品役務に関連付けられたNFTの所有者に関する情報をブロックチェーンに記録する。「所有者」とは、所有する権利を有する者である。
【0027】
ノード装置40は、スマートフォン、タブレット端末、コンピュータ、その他電気通信回線を通じてサーバ装置2およびクライアント装置3にアクセス可能なものであれば、その形態は問わない。ノード装置40は、情報処理装置の一例である。複数のノード装置40それぞれは、同じ構成を有する。ノード装置40は、バスと、通信部と、記憶部と、制御部とを少なくとも備える。バス30は、ノード装置40が備える各部を電気的に接続する。ノード装置40の通信部、ノード装置40の記憶部およびノード装置40の制御部は、性能および細かな仕様等は異なっていてもよいが、サーバ装置2の通信部21、記憶部22および制御部23と同様のハードウェアである。
【0028】
2.機能構成
本節では、本実施形態の機能構成について説明する。図2は、サーバ装置2の機能を示す機能ブロック図である。制御部23は、記憶部22に記憶された各種プログラムを実行することにより、情報送受信部230、関連付部231、紐付部232、特定部233、決定部234および付与部235として機能する。すなわち、記憶部22に記憶されているソフトウェアによる情報処理がハードウェアの一例である制御部23によって具体的に実現されることで、制御部23に含まれる各機能部として実行されうる。
【0029】
具体的には、サーバ装置2(制御部23)は、各機能部として情報送受信部230と、関連付部231と、紐付部232と、特定部233と、決定部234と、付与部235とを備える。
【0030】
情報送受信部230は、通信ネットワーク11および通信部21を介して、種々の情報をクライアント装置3から受け付け、受信し、または取得するように構成される。また、情報送受信部230は、通信部21および通信ネットワーク11を介して、種々の情報をクライアント装置3に送信または出力するように構成される。本実施形態では、通信部21を介して送受信された種々の情報は、記憶部22に記憶されるものとする。
【0031】
関連付部231は、第1電子データと第2電子データとを関連付ける。ここで「第1電子データ」とは、実空間内の商品または役務である第1商品役務と対応付けられるNFTのデータである。すなわち、第1商品役務と対応付けられた第1電子データは、第1商品役務の所有者の情報を含む。ここで「第2電子データ」とは、実空間内の商品または役務であって、第1商品役務とは異なる第2商品役務と対応付けられるNFTのデータである。第2商品役務と対応付けられた第2電子データは、第2商品役務の所有者の情報を含む。第1商品役務は、第2商品役務と区別されるためのものである。第1商品役務および第2商品役務は、商品役務の一例である。
【0032】
紐付部232は、あるユーザに第1電子データを紐付ける。また、紐付部232は、あるユーザに第2電子データを紐付ける。
【0033】
特定部233は、ユーザパラメータを特定する。ここで「ユーザパラメータ」とは、ユーザに関連するパラメータである。より具体的な例として、ユーザパラメータは、興行に関する役務が提供されたユーザに関するパラメータである。ユーザパラメータには種々の計算方法が存在する。例えば、興行に関する役務が野球の試合の観戦に関する役務であった場合、ユーザパラメータは、単純な観客者数、各ユーザに係数を掛けた人数、ある球団のファンの人数、あるプレイヤのファンの人数等であってもよい。
【0034】
また、特定部233は、貢献の度合いを特定する。ここで「貢献の度合い」とは、ユーザへの役務の提供において、提供主体による役務の提供によってユーザに提供された満足度の度合いや、役務の提供結果に影響を与えた度合いである。貢献の度合いは、数値化されてもよい。また、「提供主体」は、興行に関連する役務をあるユーザに提供する主体のうち少なくともいずれかの主体である。提供主体は、興行において役務を提供するものであれば誰でもよく、少なくとも観客を含まない。興行に関する役務が野球の試合の観戦に関する役務であった場合、例えば、提供主体は、ユーザに応援される球団、ユーザに応援される選手、ユーザに応援される球団の監督、実況解説者およびビールの売り子等である。貢献の度合いは、例えば、ある球団のチームの勝敗の結果、ある選手のヒット数、ホームラン数等の選手毎の活躍の度合い、ある選手またはある球団についてSNS上でのタグ付け等による関連投稿の数に基づいて特定される。貢献の度合いは、1回のヒットにつき3点、1回のホームランにつき10点というように数値化され、提供主体毎に積算されてもよい。
【0035】
決定部234は、ユーザに付与する特典を決定する。ここで「特典」とは、特別に与えられる待遇、権利または物品等であり、例えば、ユーザに付与される報酬である。特典は、缶ジュース、観戦した試合に関する記念品またはチームに関する記念品等の品物であってもよい。特典は、野球の試合の観戦で使えるNFTグッズであってもよい。特典は、ゲーム等で使用できる電子データであってもよい。
【0036】
付与部235は、決定した特典をユーザに付与する。
【0037】
情報送受信部230と、関連付部231と、紐付部232と、特定部233と、決定部234と、付与部235とについては後に詳述する。
【0038】
3.情報処理方法
本節では、取引の流れを示すアクティビティ図を参照しながら、情報処理システム1が実行する情報処理方法について説明する。本実施形態では、観戦ユーザPは、NFTにより非代替性が保証されているチケット(NFTチケット)を使うことにより、野球の試合の観戦に関する役務の提供を受ける。NFTチケットは、野球の試合の観戦に関する役務の提供を受けるためのチケットである。NFTチケットは、実空間における野球の試合の観戦に関する役務と対応付けられる。観戦ユーザPは、第1ユーザの一例である。第1ユーザは、ユーザの一例である。野球の試合の観戦は、興行の一例である。野球の試合の観戦に関する役務は、興行に関連する役務の一例である。興行に関連する役務は、第2商品役務の一例である。
【0039】
また、この観戦ユーザPは、NFTにより非代替性が保証されているユニフォーム(NFTユニフォーム)6aを着用して野球の試合の観戦に関する役務の提供を受ける。NFTユニフォーム6aは、応援する球団および応援する選手に関連する現実の商品と対応付けられる。応援する球団および応援する選手は、野球の試合の観戦に関する役務を観戦ユーザPに提供する。この観戦ユーザPは、NFTにより非代替性が保証されているキャップ(NFTキャップ)6bを着用して野球の試合の観戦に関する役務の提供を受ける。NFTキャップ6bは、応援する球団に関連する現実の商品と対応付けられる。この観戦ユーザPは、NFTにより非代替性が保証されているバッジ(NFTバッジ)6cを着用して野球の試合の観戦に関する役務の提供を受ける。NFTバッジ6cは、応援する選手に関連する現実の商品と対応付けられる。NFTユニフォーム6a、NFTキャップ6bおよびNFTバッジ6cは、それぞれ第1商品役務の一例である。また、NFTユニフォーム6a、NFTキャップ6bおよびNFTバッジ6cは、総じてNFTグッズと称することがある。応援する球団および応援する選手は、提供主体の一例である。
【0040】
3.1.情報処理の概要
まず、本実施形態に係る情報処理システム1の動作の概要について説明する。図3は、情報処理システム1の動作の流れを示すアクティビティ図の一例である。以下、図3に示されるアクティビティ図の各アクティビティに沿って説明をする。
【0041】
(アクティビティA1)
まず、制御部33は、観戦ユーザPによる入力部34への操作を介して、野球の観戦の入場に使用されるアプリケーションソフトを起動する。制御部33は、アプリケーションソフトの起動に応じて、紐付け画面5(図4で後述)を表示させる。制御部33は、観戦ユーザPによる読取部36への操作を介して、NFTグッズと、NFTチケットとに付されたQRコード(登録商標)を取得する。制御部33は、取得したQRコード(登録商標)を解析することにより、NFTグッズと、NFTチケットとを特定する。NFTグッズと、NFTチケットとを特定した場合、制御部33は、球場に入場する指示を受け付ける。NFTグッズを確定して球場に入場する指示を受け付けた場合、制御部33は、アクティビティA2およびアクティビティA3の処理を並行して進める。
【0042】
(アクティビティA2)
続いて、制御部33は、通信部31および通信ネットワーク11を介して、特定したNFTグッズおよびNFTチケットの情報をサーバ装置2に送信する。また、制御部33は、通信部31および通信ネットワーク11を介して、観戦ユーザPの情報をサーバ装置2に送信する。その後、情報処理システム1は、アクティビティA8に処理を進める。
【0043】
(アクティビティA3)
アクティビティA1の処理に続いて、制御部33は、通信部31および通信ネットワーク11を介して、NFTグッズの所有者の情報(NFTグッズデータ)およびNFTチケットの所有者の情報(NFTチケットデータ)の特定要求をBCシステム4に送信する。NFTグッズの所有者の情報は、第1電子データの一例である。NFTチケットの所有者の情報は、第2電子データの一例である。制御部33は、通信部31および通信ネットワーク11を介して、特定したNFTグッズデータおよびNFTチケットデータをサーバ装置2に送信する指示を、BCシステム4に送信する。その後、情報処理システム1は、アクティビティA4に処理を進める。
【0044】
(アクティビティA4)
続いて、BCシステム4は、通信ネットワーク11を介して、NFTグッズデータおよびNFTチケットデータの特定要求をクライアント装置3から受け付ける。また、BCシステム4は、通信ネットワーク11を介して、特定したNFTグッズデータおよびNFTチケットデータをサーバ装置2に送信する指示を、クライアント装置3から受け付ける。
【0045】
(アクティビティA5)
NFTグッズデータおよびNFTチケットデータを取得する指示を受け付けた場合、BCシステム4は、ブロックチェーンの仕組みにより分散された情報から、NFTグッズデータおよびNFTチケットデータを特定する。
【0046】
(アクティビティA6)
続いて、NFTグッズデータおよびNFTチケットデータを特定した場合、BCシステム4は、通信ネットワーク11を介して、NFTグッズデータおよびNFTチケットデータをサーバ装置2に送信する。
【0047】
(アクティビティA7)
続いて、情報送受信部230は、特定したNFTグッズデータおよびNFTチケットデータをBCシステム4から受け付ける。制御部23は、取得したNFTグッズの所有者の情報(NFTグッズデータ)をグッズテーブルT1aに記憶させる。また、制御部23は、取得したNFTチケットの所有者の情報(NFTチケットデータ)をチケットテーブルT2に記憶させる。ここで、グッズテーブルT1aおよびチケットテーブルT2は、記憶部22に記憶されている。
【0048】
(アクティビティA8)
また、アクティビティA2の処理に続いて、情報送受信部230は、特定したNFTチケットの情報と、特定したNFTグッズの情報と、観戦ユーザPの情報とをクライアント装置3から受け付ける。このとき、関連付部231は、NFTチケットを観戦ユーザPに関連付ける。例えば、制御部23は、NFTチケットの使用者が観戦ユーザPであるとしてチケットテーブルT2に記憶させる。また、関連付部231は、NFTグッズを観戦ユーザPに関連付ける。例えば、制御部23は、NFTグッズの使用者が観戦ユーザPであるとしてグッズテーブルT1aに記憶させる。また、アクティビティA7およびアクティビティA8の処理を終えた場合、制御部23は、アクティビティA9に処理を進める。「使用者」とは、商品を使用する者または役務の提供を受ける者である。
【0049】
(アクティビティA9)
続いて、紐付部232は、NFTグッズとNFTチケットとの所有者が一致することを条件として、NFTチケットとNFTグッズと紐付ける。例えば、紐付部232は、ある観点によると、紐付部232は、NFTグッズの所有者が観戦ユーザPであるという第1関係と、NFTチケットの所有者が観戦ユーザPであるという第2関係とを取得したことを条件として、NFTグッズとNFTチケットとの紐付けを許可する。アクティビティA1~A9の処理が野球の試合の開始までに行われる。
【0050】
(アクティビティA10)
続いて、野球の試合が開始し、観戦ユーザPは、野球の試合の観戦に関する役務を、応援する球団および応援する選手からの役務の提供として享受する。このとき、特定部233は、各選手がファインプレーをしたか否か、自分のチームに不利になるようなプレーをしたか否かに基づいて各選手の貢献の度合いを特定する。また、特定部233は、チームの勝敗や成績の差等からチームの貢献の度合いを特定する。制御部23は、応援する球団および応援する選手による役務の提供に関する情報を記憶部22に記憶させる。制御部23は、野球の試合が終了するまでアクティビティA10の処理を継続する。野球の試合が終了した場合、制御部23は、アクティビティA11に処理を進める。
【0051】
(アクティビティA11)
続いて、特定部233は、NFTグッズに紐付けられたNFTチケットに基づいてユーザパラメータを特定する。ユーザパラメータには、前述した通り種々の計算方法が存在する。例えば、NFTのグッズの種類毎に人数としての数値が決まっており、NFTグッズの種類と数に応じて人数換算する方法がある。例えば、観戦ユーザPは、NFTユニフォーム6aとNFTキャップ6bとNFTバッジ6cとを着用している。その場合、特定部233は、バッジを0.1人分として換算し、キャップを0.3人分として換算し、ユニフォームは0.8人分として換算する。そして特定部233は、観戦ユーザPのユーザパラメータを1.2人分として特定する。
【0052】
また、特定部233は、特定第1電子データに紐付けられた第2電子データに基づいてユーザパラメータを特定する。ここで、第1電子データは、野球の試合の観戦に関連する役務を第1ユーザに提供する複数の提供主体のうちの、特定の提供主体に関連付けられている特定第1電子データであることがある。例えば、あるプロ野球選手の背番号が記されたユニフォームに関連する商品に紐づく第1電子データは、そのプロ野球選手とその球団に関連付けられている特定第1電子データとなる。ある観点によると、そのプロ野球選手に関するNFTユニフォームが0.8人分として換算される場合、特定部233は、その球団と、そのプロ野球選手とのそれぞれについて、観戦ユーザPのユーザパラメータを0.8人分として特定する。
【0053】
(アクティビティA12)
続いて、決定部234は、特定条件を満たしている場合に、観戦ユーザPに付与する特典を決定する。ここで特定条件は、NFTグッズデータとNFTチケットデータとが紐付けられた状態で、観戦ユーザPに、野球の試合の観戦に関連する役務がNFTチケットデータを使用して提供されたことである。決定部234は、ユーザパラメータと、特定の提供主体の野球の試合での貢献の度合いとに基づいて特典を決定する。例えば、決定部234は、ユーザパラメータと貢献の度合いとで別々にある数値を算出し、特典をそれぞれ決定することがある。
【0054】
上記の通り、決定部234は、特定条件を満たす場合に、ユーザパラメータに基づいて、特典を決定する。例えば、決定部234は、ユーザパラメータの閾値をいくつか設定し、上回っている閾値の中で、一番高い閾値に対応する特典を観戦ユーザPに付与してもよい。例えば、決定部234は、観戦ユーザPのユーザパラメータが1.5人以上の場合は、サイン入りグローブ等の比較的価値の高い特典を決定する。決定部234は、観戦ユーザPのユーザパラメータが1.5人未満であり1.0人以上である場合はサイン入りタオル等の比較的価値のある特典を決定する。決定部234は、観戦ユーザPのユーザパラメータが1.0人未満である場合は1本の缶ジュース等の比較的価値の低い得点を決定する。また、決定部234は、ユーザパラメータの値が大きいほど、より価値の高い特典を付与してもよい。ある観点によると、決定部234は、NFTチケットデータに紐付けられたNFTグッズデータの数と、NFTチケットデータに紐付けられたNFTグッズデータの属性と、に基づいて特典を決定する。
【0055】
また、上記の通り、決定部234は、特定条件を満たす場合に、特定の提供主体の野球の試合での貢献の度合いに基づいて、特典を決定する。決定部234は、貢献の度合いについても、閾値をいくつか設定し、上回っている閾値の中で、一番高い閾値に対応する特典を観戦ユーザPに付与してもよい。例えば、貢献の度合いが数値化され提供主体毎に積算される場合、決定部234は、観戦ユーザPが応援する選手の貢献の度合いが、20人以上の場合は、ホームランボール等の比較的価値の高い特典を決定する。決定部234は、観戦ユーザPが応援する選手の貢献の度合いが、20未満であり10以上である場合はお菓子セット等の比較的価値のある特典を決定する。決定部234は、観戦ユーザPが応援する選手の貢献の度合いが、10未満である場合は1本の缶ジュース等の比較的価値の低い得点を決定する。また、決定部234は、貢献の度合いの数値が大きいほど、より価値の高い特典を付与してもよい。決定部234は、特定の提供主体の野球の試合での貢献の度合いの数値が大きいほど、より価値の高い特典を付与してもよい。また、決定部234は、ある野球選手の背番号入りのタオル等のその特定の提供主体に関連する特典を付与してもよい。「特定の提供主体」とは、あるユーザに応援される応援対象である。
【0056】
上記では、決定部234は、ユーザパラメータと貢献の度合いとで別々にある数値を算出し、特典をそれぞれ決定する例を説明したが、決定部234は、この数値を数値化したユーザパラメータと数値化した貢献の度合いを合算した数値から特典を決定してもよい。また、決定部234は、ユーザパラメータに貢献の度合いをかけ合わせた数値から特典を決定してもよい。
【0057】
(アクティビティA13)
最後に、付与部235は、決定した特典を観戦ユーザPに付与する。例えば、付与部235は、球場のスタッフが使用する情報処理装置に、観戦ユーザPに付与する特典の情報を提示してもよい。球場のスタッフは、情報処理装置に提示される特典の情報に応じて、その特典を観戦ユーザPに渡す。また、球場には、缶ジュース等の特典を観戦ユーザPに差し出す機械が備えられており、観戦ユーザPの操作に応じて、付与部235は、その機械から缶ジュースを観戦ユーザPに与えるようにしてもよい。また、付与部235は、観戦ユーザPに電子データとしての特典を付与してもよい。また、上記の通り、特典の決定には、特定条件を満たす必要がある。ある観点によると、付与部235は、特定条件を満たす場合に、NFTチケットに関連する特典を、観戦ユーザPに付与する。
【0058】
本開示によれば、実空間内の商品または役務との関係を利用した技術を提供することができる。
【0059】
3.2.情報処理の詳細
次に、図4図7を用いて、前述した情報処理の一部についてその詳細の説明をする。まず、図4を用いて、観戦ユーザPがNFTのチケットとNFTグッズを紐付けるときに実行される処理を説明する。紐付け画面5は、図3のアクティビティA1において、クライアント装置3に表示される画面である。
【0060】
図4は、NFTチケットにNFTグッズを紐付ける場合のクライアント装置3の一例を説明する図である。また、クライアント装置3は、スマートフォンであるものとして説明をする。そのため、入力部34は、表示部と一体となってタッチパネルとして実施される。紐付け画面5は、ユーザによる入力部34への操作を介して、アプリケーションソフトを起動することにより立ち上がる画面である。なお、紐付け画面5は、クライアント装置3に予めインストールされているアプリケーションソフトを立ち上げることによって表示されてもよいし、ウェブブラウザ上にて表示されてもよい。紐付け画面5は、NFTチケットとNFTグッズとを紐付けるための画面である。紐付け画面5は、NFTチケット領域51と、NFTグッズ領域52と、使用ボタン53とを含む。NFTチケット領域51は、野球の試合の情報が表示される領域である。NFTチケット領域51は、ユーザの座席の場所を示す座席情報を含む。また、NFTチケット領域51は、観戦の会場への入場のためのチケットとして使用されてもよい。
【0061】
NFTグッズ領域52は、野球の試合の観戦に用いられるグッズが表示される領域である。NFTグッズ領域52は、NFTグッズ情報520a、520b、520cと、NFTグッズ追加ボタン521とを含む。NFTグッズ情報520a、520b、520cは、NFTチケットに紐付けられるNFTグッズの情報である。例えば、NFTグッズ情報520aは、NFTにより所有権の情報を有するユニフォームに関する情報である。NFTグッズ情報520bは、NFTにより所有権の情報を有するキャップに関する情報である。NFTグッズ情報520cは、NFTにより所有権の情報を有するバッジに関する情報である。NFTグッズ情報520a、520b、520cは、それぞれ紐付け数制限情報521a、521b、521cを含む。
【0062】
紐付け数制限情報521a、521b、521cは、一度にNFTグッズをNFTチケットに紐付けることが可能なNFTグッズの数である。NFTチケットには、紐付け数制限情報521a、521b、521cが設定されている。紐付け数制限情報521a、521b、521cは、NFTグッズの属性毎に設定される。例えば、紐付け数制限情報521aは、NFTユニフォームは1つまでNFTチケットに紐付けることができると設定される。紐付け数制限情報521bは、NFTキャップは1つまでNFTチケットに紐付けることができると設定される。紐付け数制限情報521cは、NFTバッジは10個までNFTチケットに紐付けることができると設定される。ユニフォームやキャップ等のユーザが複数身につけることが想定されていない属性の紐付け数制限は、1つとしてもよい。また、バッジ等のユーザが複数身につけることが想定されている属性の紐付け数制限は、2以上としてもよい。これにより、第1ユーザによる属性毎の過剰なNFTグッズの権利の保有を抑制することができる。
【0063】
NFTグッズ追加ボタン522は、NFTチケットに紐付けるNFTグッズを追加するためのボタンである。ユーザによるNFTグッズ追加ボタン522の押下に応じて、制御部33は、読取部36を起動させる。制御部33は、読取部36にてNFTグッズのQRコード(登録商標)を読み取ることでNFTグッズに関する情報を取得する。制御部33は、取得した情報をサーバ装置2に送信する。情報送受信部230は、クライアント装置3から受信する。関連付部231は、NFTチケットと新たなNFTグッズとを対応付けるための処理を許可する。NFTチケットと新たなNFTグッズとを対応付けるための処理として、NFTグッズに表示される。なお、NFTグッズに関する情報を取得するにあたって、QRコード(登録商標)を読み取ることの他に、制御部33は、バーコード、NFTグッズに埋め込まれるRFID等を読取部36により読み取ることにより行ってもよい。
【0064】
使用ボタン53は、チケットを使用するためのボタンである。使用ボタン53の押下に応じて、制御部33は、球場への入場に関する画面を提示する。また、使用ボタン53の押下に応じて、制御部33は、NFTチケット領域51に示すNFTチケットと、NFTグッズ領域52に示すNFTグッズとに関して、アクティビティA2~A3に示す処理を実行する。
【0065】
次に、サーバ装置2がNFTグッズの情報を取得した場合のデータの保存について図5を用いて説明する。図5は、本実施形態のグッズテーブルT1aの一例を示す図である。図5のグッズテーブルT1aは、図3のアクティビティA7~A8に関連するテーブルである。グッズテーブルT1aは、NFTグッズに関する情報が整理されているテーブルである。グッズテーブルT1aは、データIDカラムT10aと、データ名カラムT11aと、属性カラムT12aと、所有者カラムT13aと、使用者カラムT14aと、使用可能数カラムT15aとが含まれる。前述のアプリケーションソフトを介して、制御部33は、サーバ装置2からグッズテーブルT1aの情報を取得する。制御部33は、取得したグッズテーブルT1aに含まれる情報を出力部35に表示させてもよい。
【0066】
データIDカラムT10aは、NFTグッズを特定するためのIDの情報が格納されているカラムである。制御部23は、このIDを参照することで、IDに紐づくNFTグッズのデータ名、属性、所有者、使用者、使用可能数等の情報を取得することができる。
【0067】
データ名カラムT11aは、名称によりNFTグッズを特定するための情報が格納されているカラムである。例えば、データ名カラムT11aには、「NFTユニフォーム」、「NFTキャップ」、「NFTバッジ」等の第1商品役務に関連する商品の名称の情報が含まれる。
【0068】
属性カラムT12aは、NFTグッズの属性の情報が格納されているカラムである。例えば、属性カラムT12aには、「ユニフォーム」、「キャップ」、「バッジ」等の第1商品役務に関連する商品の属性の情報が含まれる。
【0069】
所有者カラムT13aは、NFTグッズの所有者の情報が格納されているカラムである。サーバ装置2は、BCシステム4から得た所有者の情報に基づいて所有者カラムT13aの情報を取得する。所有者カラムT13aには、各NFTグッズの所有者が「山田太郎」である情報が含まれる。
【0070】
使用者カラムT14aは、NFTグッズの使用者の情報が格納されているカラムである。使用者カラムT14aには、各NFTグッズの現在の使用者が「山田太郎」である情報が含まれる。
【0071】
使用可能数カラムT15aは、NFTグッズデータとNFTチケットデータとを紐付けることが可能な回数に関する情報が格納されているカラムである。NFTグッズには、NFTグッズとNFTチケットとを紐付けることが可能な回数が設定されている。例えば、使用可能数カラムT15aには、NFTユニフォームの残りの使用可能数が4回である情報が含まれる。使用可能数カラムT15aには、NFTキャップの残りの使用可能数が4回である情報が含まれる。使用可能数カラムT15aには、NFTバッジの残りの使用可能数が20回である情報が含まれる。これにより、観戦ユーザPがNFTグッズを使い切ったタイミングで、観戦ユーザPに新たなNFTグッズを所有することを促すことができる。
【0072】
次に、サーバ装置2がNFTチケットの情報を取得した場合のデータの保存について図6を用いて説明する。図6は、チケットテーブルT2の一例を示す図である。図6のチケットテーブルT2は、図3のアクティビティA7~A8に関連するテーブルである。チケットテーブルT2は、NFTチケットに関する情報が整理されているテーブルである。チケットテーブルT2は、データIDカラムT20と、データ名カラムT21と、所有者カラムT22と、使用者カラムT23と、使用可能数カラムT24と、使用可能日カラムT25とが含まれる。前述のアプリケーションソフトを介して、制御部33は、サーバ装置2からチケットテーブルT2の情報を取得する。制御部33は、取得したチケットテーブルT2に含まれる情報を出力部35に表示させてもよい。
【0073】
データIDカラムT20、データ名カラムT21、所有者カラムT22、使用者カラムT23および使用可能数カラムT24には、データIDカラムT10a、データ名カラムT11a、所有者カラムT13a、使用者カラムT14aおよび使用可能数カラムT15aと同趣旨の情報がそれぞれ格納されている。使用可能日カラムT25は、NFTチケットを使用可能な日付の情報が格納されているカラムである。例えば、使用可能日カラムT25は、「2022年8月16日」等の日付の情報を含む。
【0074】
最後に、図7を用いて観戦ユーザPの野球の試合の観戦の状況を説明する。図7は、本実施形態の野球の試合の観戦の状況のイメージの一例を示す図である。図7の観戦のイメージは、図3のアクティビティA10の処理に関連する。観戦ユーザPは、図4にてNFTグッズ情報520a、520b、520cとして登録したNFTグッズ6a、6b、6cを身に着けて試合を観戦している。以下、背番号が23の選手は、A球団に所属するものとする。決定部234は、背番号が23の選手およびA球団の野球の試合での貢献の度合いに基づいて、観戦ユーザPに付与される特典を決定する。背番号が23の選手は、特定の提供主体の一例である。また、A球団は、特定の提供主体の一例である。
【0075】
例えば、決定部234は、以下のように背番号が23の選手の貢献の度合いを特定する。決定部234は、背番号が23の選手が、ヒット、ホームラン、スライディングキャッチ等のファインプレーをしたか否かに基づいて貢献の度合いを特定する。また、決定部234は、背番号が23の選手が、三振、エラー等のA球団に不利になるようなプレーをしたか否かに基づいて貢献の度合いを特定する。これにより、ユーザの興行に対する興趣性が向上する。
【0076】
以上、本開示によれば、実空間内の商品または役務との関係を利用した技術を提供することができる。本開示における情報処理が比較的シンプルな動作により実行されるため、サーバ装置2、クライアント装置3およびノード装置40のキャッシュメモリの使用も少なくすることができる。さらに、キャッシュメモリの使用を少なくすることができる結果として、大掛かりな装置またはコンピュータ等を必要としないため、安価に情報処理を実行することができる。
【0077】
[その他]
以下では、本実施形態の変形例について説明する。
【0078】
本実施形態の態様は、プログラムであってもよい。プログラムは、コンピュータに、情報処理システムの制御部として機能させる。情報処理方法は、情報処理システムの制御部が実行する各処理を備える。
【0079】
(他のアクティビティの例)
図3のアクティビティは、実施形態の一例であり処理の一部を種々の変形例に置き換えることができる。例えば、図3のアクティビティA5において、取得したNFTグッズデータとNFTチケットデータとを一度クライアント装置3に返してからサーバ装置2に送信してもよい。また、図3のアクティビティA3~A4において、クライアント装置3からBCシステム4に情報を直接送信するのではなく、サーバ装置2を経由して情報を送信してもよい。
【0080】
(球場のスタッフによるクライアント装置3の使用)
クライアント装置3は、観戦ユーザPが使用するものとして説明したが、球場のスタッフが使用するものとしてもよい。その場合、観戦ユーザPは、NFTチケットとNFTグッズを球場に持ち込み、球場のスタッフがクライアント装置3を使用しながら図4にて説明した処理を実行する。
【0081】
(他のグッズテーブルの例)
続いて、図8図9を示しながら図6とは異なるグッズテーブルT1b、T1cについて説明する。図8に示すように、NFTグッズには、NFTチケットと紐付けることに期間の制限が設けられることがある。図8は、本実施形態の変形例のグッズテーブルT1bの一例を示す図である。グッズテーブルT1bは、NFTに関する情報が整理されているテーブルである。グッズテーブルT1bは、グッズテーブルT1aと同様に、データIDカラムT10bと、データ名カラムT11bと、属性カラムT12bと、所有者カラムT13bと、使用者カラムT14bとが含まれる。グッズテーブルT1bは、さらに使用可能期限カラムT16bを含む。使用可能期限カラムT16bは、そのNFTグッズデータがNFTチケットデータと紐付けが可能な期間に関する情報が格納されているカラムである。すなわち、NFTグッズデータには、NFTグッズデータとNFTチケットデータとを紐付けることが可能な期間が設定されている。例えば、あるシーズンに購入したNFTグッズデータは、そのシーズンのNFTチケットデータにしか対応付けられない。これにより、シーズンごとにグッズを買うように促すことが可能となる。ある観点によると、興行は、期間内に複数回開催される。これにより、特定のタイミングで、観戦ユーザPに新たなNFTグッズデータとNFTチケットデータを所有することを促すことができる。また、観戦ユーザPによる過剰なNFTグッズの保有を抑制することができる。
【0082】
紐付部232は、使用可能期限カラムT16bに基づいて、紐付けが可能な期間を超過していない場合、NFTチケットデータとNFTグッズデータとの紐付けを実行する。ある観点によると、紐付部232は、使用可能期限カラムT16bに基づいて、紐付けが可能な期間を超過していた場合、NFTチケットデータとNFTグッズデータとの紐付けを実行しない。
【0083】
また、紐付部232は、使用可能期限カラムT16bに基づいて、紐付けが可能な期間を超過している場合であっても、NFTチケットとNFTグッズとの紐付けを実行してもよい。紐付けが可能な期間を超過しているNFTグッズを紐付ける場合、決定部234は、通常より少ない特典を付与することを決定する。または、紐付けが可能な期間を超過しているNFTグッズを紐付ける場合、決定部234は、通常より価値の低い特典を付与することを決定する。
【0084】
続いて、図9を用いてにNFTグッズとNFTチケットとの所有者が対応していない例について説明する。本実施形態では、NFTグッズとNFTチケットとの所有者が一致することを条件として、NFTチケットとNFTグッズとを紐付けるものとして説明したが、変形例ではNFTグッズとNFTチケットとの所有者が一致していなくてもよい。例えば、山田花子が所有するNFTグッズを山田太郎が使用する場合について説明する。
【0085】
図9は、本実施形態の変形例のグッズテーブルT1cの一例を示す図である。グッズテーブルT1cは、NFTに関する情報が整理されているテーブルである。グッズテーブルT1cは、図6のグッズテーブルT1aと同様に、データIDカラムT10cと、データ名カラムT11cと、属性カラムT12cと、所有者カラムT13cと、使用者カラムT14cと、使用可能数カラムT15cとが含まれる。また、グッズテーブルT1cは、さらに貸出可能数カラムT17cを含む。
【0086】
図9の所有者カラムT13cは、それぞれのNFTグッズの所有者が「山田花子」であることを示している。一方で、使用者カラムT14cは、それぞれのNFTグッズの使用者が「山田太郎」であることを示している。
【0087】
貸出可能数カラムT17cは、各NFTグッズの使用者の異なるNFTチケットと紐付け可能な回数が格納されているカラムである。例えば、貸出可能数カラムT17cには、NFTユニフォームの残りの貸出可能数が1回である情報が含まれる。貸出可能数カラムT17cには、NFTキャップの残りの貸出可能数が1回である情報が含まれる。貸出可能数カラムT17cには、NFTバッジの残りの貸出可能数が4回である情報が含まれる。
【0088】
紐付部232は、グッズテーブルT1cの所有者カラムT13cの所有者の情報と、チケットテーブルT2の所有者カラムT22の所有者の情報とが異なっている場合であっても、貸出可能数に残数がある場合は、NFTチケットデータとNFTグッズデータを紐付ける。グッズテーブルT1cの所有者カラムT13cの所有者の情報と、チケットテーブルT2の所有者カラムT22の所有者の情報とが異なっている場合、決定部234は、通常より少ない特典を付与することを決定する。または、グッズテーブルT1cの所有者カラムT13cの所有者の情報と、チケットテーブルT2の所有者カラムT22の所有者の情報とが異なっている場合、決定部234は、通常より価値の低い特典を付与することを決定する。ある観点によると、決定部234は、NFTユニフォームの所有者が観戦ユーザPであるという第1関係と、NFTチケットの所有者が観戦ユーザPであるという第2関係とを取得したことを条件として、特典の内容または提供条件を優遇する。これにより、観戦ユーザPにNFTグッズまたはNFTチケットの権利の所有を促すことができる。
【0089】
また、BCシステム4は、NFTグッズまたはNFTチケットの所有者を一時的に変更してもよい。例えば、BCシステム4は、NFTグッズまたはNFTチケットのスマートコントラクトに、一定期間経過後に所有者が元に戻ることを定義した上で、NFTグッズまたはNFTチケットの所有者を別の人に変更してもよい。BCシステム4は、NFTグッズまたはNFTチケットの一定期間経過後に所有者を元に戻す。サーバ装置2は、所有権の変更に応じて、グッズテーブルT1a、T1b、T1cまたはチケットテーブルT2のデータを追加したり、書き換えたりする。
【0090】
(仮想空間上での観戦)
続いて、メタバースのようなVR(Virtual Reality)を用いた仮想空間において、野球の試合を観戦する例について説明する。実施形態では、観戦ユーザPは、現実空間において野球の試合を観戦していたが、変形例では、観戦ユーザPは、仮想空間において野球の試合を観戦する。その場合、観戦ユーザPは、メタバースNFTチケットを使用することで仮想空間から野球の試合の観戦に参加する。メタバースNFTチケットは、仮想空間から野球の試合の観戦に参加するためのチケットであり、NFTチケットと区別される。メタバースNFTチケットは、仮想空間における野球の試合の観戦に関する役務と対応付けられる。野球は、興行の一例である。野球の試合の観戦に関する役務は、興行に関連する役務の一例である。興行に関連する役務は、第2商品役務の一例である。
【0091】
仮想空間上での野球の試合の観戦については、図10を用いて説明する。図10は、本実施形態の変形例の情報処理システム1の一例を示す図である。図10に示す変形例の情報処理システム1は、実施形態の情報処理システム1と比較して、VRゴーグル7をさらに含む。また、変形例において、観戦ユーザPは、NFTユニフォーム6aのみを着用している。
【0092】
VRゴーグル7は、ゴーグルの形状をしており、観戦ユーザPが着用した際にディスプレイを直視できる構造となっている。また、VRゴーグル7は、加速度センサー、ジャイロセンサー等の動きの変化または角度の変化を検知できる検知センサーと連携している。VRゴーグル7は、観戦ユーザPに球場の仮想空間を表示させる。VRゴーグル7は、クライアント装置3と連携されていればよい、VRゴーグル7は、クライアント装置3を内蔵していてもよい。VRゴーグル7は、クライアント装置3とデータを送受信可能であればよく、ワイヤレスネットワーク等により通信可能に接続されていてもよい。
【0093】
制御部33は、観戦ユーザPによる紐付け画面5に対する入力を介して、メタバースNFTチケットとNFTユニフォーム6aとを紐付ける指示を受け付ける。制御部33は、通信ネットワーク11および通信部31を介して、メタバースNFTチケットとNFTユニフォーム6aとを紐付ける指示を送信する。情報送受信部230は、メタバースNFTチケットとNFTユニフォーム6aとを紐付ける指示を受信する。関連付部231は、メタバースNFTチケットおよびNFTユニフォーム6aと、観戦ユーザPとを関連付ける。また、紐付部232は、メタバースNFTチケットと、NFTユニフォーム6aとを紐付ける。
【0094】
制御部23は、メタバースNFTチケットを使用する観戦ユーザPが仮想空間を体験するための表示情報を生成する。より具体的な例として、制御部23は、クライアント装置3から取得した検知センサーの検知結果と、球場の任意の位置に設けられた複数のカメラのうち、チケットの席種情報に応じて選択されるカメラが取得する画像の情報とに基づいて、表示情報を生成する。情報送受信部230は、表示情報をクライアント装置3に送信する。制御部33は、通信ネットワーク11および通信部31を介して、表示情報をサーバ装置2から受信する。制御部33は、受信した表示情報に基づいて、VRゴーグル7に仮想空間を表示させる。ある観点によると、制御部23は、メタバースNFTチケットに基づいて、仮想空間において観戦ユーザPに野球の観戦に関する役務を提供する。ここで「表示情報」とは、ユーザに表示する画像に関する情報である。表示情報は、サーバ装置2にて生成された情報がそのままVRゴーグル7上に写し出されるものであってもよい。また、表示情報は、クライアント装置3がそれに基づいてVRゴーグル6で視覚できる画像を生成するために使用されるものであってもよい。これにより、観戦ユーザPは、仮想空間で興行に関する役務の提供を受けることができる。
【0095】
また、制御部23は、メタバースNFTチケットを使用する複数のユーザが仮想空間上に表示されるように表示情報を生成する。ある観点によると、制御部23は、仮想空間上での観客者数に基づいて、仮想空間において興行に関する役務を提供する際の効果を決定する。また、役務を提供する際の効果の他の例として、制御部23は、仮想空間上での観客者数に応じて、仮想空間上ではBGMを設定してもよい。また、制御部23は、仮想空間上での観客者数に応じて、花火などの演出を実行したりしてもよい。仮想空間上での観客者数は、ユーザパラメータの一例である。これにより、観戦ユーザPは、仮想空間で興行に関する役務の提供の効果を楽しむことができる。
【0096】
また、各ユーザは、仮想空間上で自分の見た目を変更することができる。あるユーザのクライアント装置3の制御部33は、そのユーザから入力部34への操作を介して、そのユーザの仮想空間上での見た目を変更する指示を受け付ける。制御部33は、その指示をサーバ装置2に送信する。情報送受信部230は、その指示を受信する。制御部23は、その指示に基づいて、そのユーザの仮想空間上での見た目を変更するように表示情報を生成する。
【0097】
決定部234は、NFTチケットを使用して実際に球場に訪れて観戦したユーザと、メタバースNFTチケットを使用して仮想空間で観戦したユーザとで特典を異なるようにしてもよい。例えば、決定部234は、実際に球場に訪れて観戦したユーザには現実の物を特典として決定し、仮想空間で観戦したユーザには電子データを特典として決定する。
【0098】
付与部235は、何らかのゲームに連携させて、連携先のゲームでアイテム等の電子データの特典を付与することがある。その場合、制御部23は、ゲームのデータを格納するゲームサーバからそのゲームのユーザIDを取得する。制御部23は、観戦ユーザPの情報と、そのゲームのユーザIDと紐付ける。決定部234は、ユーザパラメータまたは貢献の度合いから、ユーザに付与する電子データの特典を決定する。付与部235は、ゲームのサーバに電子データの特典を送信する。観戦ユーザPの情報は、NFTウォレットのユーザID等である。NFTウォレットのユーザIDは、観戦ユーザPに関連するNFTチケットまたはNFTグッズの情報と紐付いている。
【0099】
(特典の付与の対象)
また、本実施形態では、特典を付与する対象が第1ユーザであるものとして説明をしたが、野球選手、監督、野球の実況者、応援団、運営者等の役務の提供者を対象に、特典が付与されてもよい。この場合、特典は、金銭をさらに含む。特典としての金銭は、例えば、スポンサー収入、グッズ収入、チケット収入等が役務の提供者に還元されることによるものを含む。
【0100】
すなわち、関連付部231は、NFTグッズデータとNFTチケットデータを観戦ユーザPに関連付ける。NFTグッズデータは、NFTグッズデータと対応付けられる。NFTチケットデータは、NFTチケットと対応付けられる。特定部233は、実際に球場に訪れて観戦したユーザと、仮想空間で観戦したユーザとでユーザパラメータを合算してユーザパラメータを特定する。決定部234は、ユーザパラメータに基づいて特典を決定する場合、ある役務の提供者に紐づくNFTグッズを着用したユーザの人数に応じて、その役務の提供者への分配比率を決定する。例えば、決定部234は、ユーザパラメータによる人数が100人以上であれば金銭の0.3割を還元し、1000人以上であれば金銭の0.5割を還元する。付与部235は、特定条件を満たす場合に、NFTチケットに関連する特典を、役務の提供者に付与する。特定条件は、NFTグッズデータとNFTチケットデータとが紐付けられた状態で、観戦ユーザPにNFTチケットに関連する役務がNFTチケットを使用して提供されたことを含む。役務の提供者は、第2ユーザの一例である。第2ユーザは、ユーザの一例である。
【0101】
(第1商品役務と第2商品役務の他の組み合わせの例)
本実施形態では、第1商品役務が商品であり、第2商品役務が役務である例について説明した。以下では他の組み合わせについて説明をする。
【0102】
まず、第1商品役務および第2商品役務のどちらも商品である例について説明する。例えば、第1商品役務がNFTの情報を含むゲームのハード(NFTゲームハード)である。NFTゲームハードは、第1電子データとしてのNFTゲームハードデータを有する。第2商品役務がNFTの情報を含み、ゲーム機にセットできるソフト(NFTゲームソフト)であることがある。NFTゲームソフトは、第2電子データとしてのNFTゲームソフトデータを有する。ゲームユーザは、第1ユーザの一例である。特典は、ゲーム内に登場するキャラクタのグッズ等の現実の物品であってもよい。また、特典は、ゲーム内で使用できる追加コンテンツ等の電子データであってもよい。
【0103】
すなわち、関連付部231は、NFTゲームハードデータとNFTゲームソフトデータを第1ユーザに関連付ける。NFTゲームハードデータは、NFTゲームハードと対応付けられる。第2電子データは、NFTゲームソフトと対応付けられる。付与部235は、特定条件を満たす場合に、NFTゲームソフトに関連する特典を、ゲームユーザに付与する。特定条件は、NFTゲームハードデータとNFTゲームソフトデータとが紐付けられた状態で、ゲームユーザにNFTゲームソフトがNFTゲームソフトデータを使用して提供されたことを含む。
【0104】
次に、第1商品役務および第2商品役務のどちらも役務である例について説明する。例えば、第1商品役務は、あるアイドルと握手する権利(NFT握手チケット)である。NFT握手チケットは、第1電子データとしてのNFT握手チケットデータを有する。第2商品役務は、NFTの情報を含み、そのアイドルが出演するコンサートに参加する権利(NFTコンサートチケット)である。NFTコンサートチケットは、第2電子データとしてのNFTコンサートチケットデータを有する。ファンユーザは、第1ユーザの一例である。特典は、としてアイドルのうちわ等の現実の物品であってもよい。また、特典は、NFTに紐づくアイドルの写真等の電子データであってもよい。
【0105】
すなわち、関連付部231は、NFT握手チケットデータとNFTコンサートデータとをファンユーザに関連付ける。NFT握手チケットデータは、実空間内の役務であるNFT握手チケットと対応付けられる。NFTコンサートデータは、実空間内の役務であって、NFT握手チケットとは異なるNFTコンサートチケットと対応付けられる。付与部235は、特定条件を満たす場合に、NFTコンサートチケットに関連する特典を、ファンユーザに付与する。特定条件は、NFT握手チケットデータとNFTコンサートデータとが紐付けられた状態で、ゲームユーザにNFTコンサートチケットがNFTコンサートデータを使用して提供されたことを含む。
【0106】
最後に、第1商品役務が役務であり、第2商品役務が商品である例について説明する。例えば、チケットで入場し、グッズを購入した場合、グッズに紐づくグッズが与えられてもよい。例えば、第1商品役務は、アイドルグッズ(NFTアイドルグッズ)である。NFTアイドルグッズは、第1電子データとしてNFTアイドルグッズデータを有する。第2商品役務は、NFTの情報を含み、そのアイドルが出演するコンサートに参加する権利(NFTコンサートチケット)である。NFTコンサートチケットは、第2電子データとしてNFTコンサートチケとデータを有する。ファンユーザは、第1ユーザの一例である。特典は、としてアイドルのうちわ等の現実の物品であってもよい。また、特典は、NFTに紐づくアイドルの写真等の電子データであってもよい。
【0107】
すなわち、関連付部231は、NFTアイドルグッズデータとNFTコンサートチケットデータをファンユーザに関連付ける。NFTアイドルグッズデータは、実空間内の役務であるNFTアイドルグッズと対応付けられる。NFTコンサートチケットデータは、実空間内の商品であって、NFTアイドルグッズとは異なるNFTコンサートチケットと対応付けられる。付与部235は、特定条件を満たす場合に、NFTコンサートチケットに関連する特典を、ファンユーザに付与する。特定条件は、NFTアイドルグッズデータとNFTコンサートチケットデータとが紐付けられた状態で、ファンユーザにNFTコンサートチケットがNFTコンサートチケットデータを使用して提供されたことを含む。
【0108】
本実施形態では、情報送受信部230、関連付部231、紐付部232、特定部233、決定部234および付与部235を、サーバ装置2の制御部23によって実現される機能部として説明しているが、この少なくとも一部を、クライアント装置3の制御部33によって実現される機能部として実施してもよい。
【0109】
さらに、次に記載の各態様で提供されてもよい。
【0110】
(1)情報処理システムであって、制御部を備え、前記制御部は、第1電子データと第2電子データを第1ユーザに関連付け、ここで前記第1電子データは、実空間内の商品または役務である第1商品役務と対応付けられ、前記第2電子データは、前記実空間内の商品または役務であって、前記第1商品役務とは異なる第2商品役務と対応付けられ、特定条件を満たす場合に、前記第2商品役務に関連する特典を、前記第1ユーザに付与し、ここで前記特定条件は、前記第1電子データと前記第2電子データとが紐付けられた状態で、前記第1ユーザに前記第2商品役務が前記第2電子データに基づいて提供されたことを含む、情報処理システム。
【0111】
このような構成によれば、特定条件を満たす場合に、第2電子データと対応付けられる第2商品役務に関連する特典を、第1ユーザに付与することとなるため、電子データと、実空間内の商品または役務との関係を利用した技術を提供することができる。
【0112】
(2)上記(1)に記載の情報処理システムにおいて、前記第2商品役務は、実空間における興行に関連する役務と対応付けられ、前記第1商品役務は、提供主体に関連する現実の商品と対応付けられ、ここで前記提供主体は、前記興行に関連する役務を前記第1ユーザに提供する主体のうち少なくともいずれかの主体である、情報処理システム。
【0113】
このような構成によれば、第2商品役務は、実空間における興行に関連する役務と対応付けられ、第1商品役務は、提供主体に関連する現実の商品と対応付けられるため、電子データと、実空間内の商品または役務との関係を利用した技術を提供することができる。
【0114】
(3)上記(2)に記載の情報処理システムにおいて、前記制御部は、前記第1電子データに紐付けられた前記第2電子データに基づいてユーザパラメータを特定し、ここで前記ユーザパラメータは、前記興行に関する役務が提供されたユーザに関するパラメータであり、前記特定条件を満たす場合に、前記ユーザパラメータに基づいて、前記特典を決定する、情報処理システム。
【0115】
このような構成によれば、興行に関する役務が提供されたユーザに関するパラメータに基づいて、特典が決定されることとなるため、第1ユーザによる興行への関与が大きくなる。
【0116】
(4)上記(3)に記載の情報処理システムにおいて、前記第1電子データは、前記興行に関連する役務を前記第1ユーザに提供する複数の前記提供主体のうちの、特定の提供主体に関連付けられている特定第1電子データであり、前記制御部は、前記特定第1電子データに紐付けられた前記第2電子データに基づいて前記ユーザパラメータを特定する、情報処理システム。
【0117】
このような構成によれば、特定の提供主体に関連付けられている特定第1電子データに紐付けられた第2電子データに基づいてユーザパラメータが特定されることとなるため、特定の提供主体が参加する興行について、第1ユーザの興行に対する興趣性が向上する。
【0118】
(5)上記(4)に記載の情報処理システムにおいて、前記制御部は、前記特定条件を満たす場合に、前記特定の提供主体の前記興行での貢献の度合いに基づいて、前記特典を決定する、情報処理システム。
【0119】
このような構成によれば、特定条件を満たす場合に、特定の提供主体の興行での貢献の度合いに基づいて、特典を決定することとなるため、第1ユーザの興行に対する興趣性が向上する。
【0120】
(6)上記(3)または(4)に記載の情報処理システムにおいて、前記制御部は、前記第2電子データに基づいて、仮想空間において前記第1ユーザに前記興行に関する役務を提供する、情報処理システム。
【0121】
このような構成によれば、第2電子データに基づいて、仮想空間において第1ユーザに興行に関する役務を提供することとなるため、第1ユーザは仮想空間で興行に関する役務の提供を受けることができる。
【0122】
(7)上記(5)に記載の情報処理システムにおいて、前記制御部は、前記ユーザパラメータに基づいて、前記仮想空間において前記興行に関する役務を提供する際の効果を決定する、情報処理システム。
【0123】
このような構成によれば、ユーザパラメータに基づいて、仮想空間において興行に関する役務を提供する際の効果を決定することとなるため、第1ユーザは仮想空間で興行に関する役務の提供の効果を楽しむことができる。
【0124】
(8)上記(1)~(7)のいずれか1つに記載の情報処理システムにおいて、前記制御部は、前記第1商品役務の所有者が前記第1ユーザであるという第1関係と、第2商品役務の所有者が前記第1ユーザであるという第2関係とを取得したことを条件として、前記特典の内容または提供条件を優遇する、または、前記第1電子データと前記第2電子データとの紐付けを許可する、情報処理システム。
【0125】
このような構成によれば、第1電子データの所有者が第1ユーザであるという第1関係と、第2電子データの所有者が第1ユーザであるという第2関係とを取得したことを条件として、特典の内容または提供条件を優遇する、または、第1電子データと前記第2電子データとの紐付けを許可することとなるため、第1ユーザに第1商品役務または第2商品役務の権利の所有を促すことができる。
【0126】
(9)上記(1)~(8)のいずれか1つに記載の情報処理システムにおいて、前記第1電子データには、前記第1電子データと前記第2電子データとを紐付けることが可能な期間、または、前記第1電子データと前記第2電子データとを紐付けることが可能な回数が設定されている、情報処理システム。
【0127】
このような構成によれば、第1電子データには、第1電子データと第2電子データとを紐付けることが可能な期間、または、第1電子データと第2電子データとを紐付けることが可能な回数が設定されているため、特定のタイミングで、第1ユーザに新たな第1商品役務または第2商品役務の権利の所有を促すことができる。
【0128】
(10)上記(9)に記載の情報処理システムにおいて、前記第2商品役務は、実空間における興行に関する役務であり、前記興行は、前記期間内に複数回開催される、情報処理システム。
【0129】
このような構成によれば、第2商品役務は、実空間における興行に関する役務であり、興行は、期間内に複数回開催されるため、ある特定のシーズン等の特定の期間毎に、第1ユーザに新たな第1商品役務または第2商品役務の権利の所有を促すことができる。
【0130】
(11)上記(1)~(10)のいずれか1つに記載の情報処理システムにおいて、前記第2電子データには、紐付け数制限が設定され、ここで前記紐付け数制限は、一度に前記第1電子データを前記第2電子データに紐付けることが可能な前記第1電子データの数である、情報処理システム。
【0131】
このような構成によれば、第2電子データには、紐付け数制限が設定されるため、第1ユーザによる過剰な第1商品役務の権利の保有を抑制することができる。
【0132】
(12)上記(11)に記載の情報処理システムにおいて、前記紐付け数制限は、前記第1電子データの属性毎に設定される、情報処理システム。
【0133】
このような構成によれば、紐付け数制限は、第1電子データの属性毎に設定されるため、第1ユーザによる属性毎の過剰な第1商品役務の権利の保有を抑制することができる。
【0134】
(13)上記(12)に記載の情報処理システムにおいて、前記制御部は、前記第2電子データに紐付けられた前記第1電子データの数と、前記第2電子データに紐付けられた前記第1電子データの属性と、に基づいて前記特典を決定する、情報処理システム。
【0135】
このような構成によれば、第2電子データに紐付けられた第1電子データの数と、第2電子データに紐付けられた第1電子データの属性と、に基づいて特典を決定するため、第1ユーザの第2商品役務の保有状況に応じて特典を付与することができる。
【0136】
(14)プログラムであって、コンピュータに、上記(1)~(13)のいずれか1つに記載の情報処理システムの前記制御部として機能させるためのプログラム。
【0137】
(15)情報処理方法であって、上記(1)~(13)のいずれか1つに記載の情報処理システムの前記制御部が実行する各処理を備える、情報処理方法。
もちろん、この限りではない。
【0138】
最後に、本開示に係る種々の実施形態を説明したが、これらは、例として提示したものであり、開示の範囲を限定することは意図していない。当該新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、開示の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。当該実施形態やその変形は、開示の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された開示とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0139】
1 :情報処理システム
2 :サーバ装置
3 :クライアント装置
4 :BCシステム
5 :紐付け画面
6 :VRゴーグル
6a :NFTユニフォーム
6b :NFTキャップ
6c :NFTバッジ
7 :VRゴーグル
11 :通信ネットワーク
20 :バス
21 :通信部
22 :記憶部
23 :制御部
30 :バス
31 :通信部
32 :記憶部
33 :制御部
34 :入力部
35 :出力部
36 :読取部
40 :ノード装置
51 :NFTチケット領域
52 :NFTグッズ領域
53 :使用ボタン
230 :情報送受信部
231 :関連付部
232 :紐付部
233 :特定部
234 :決定部
235 :付与部
520a :NFTグッズ情報
520b :NFTグッズ情報
520c :NFTグッズ情報
521 :NFTグッズ追加ボタン
521a :紐付け数制限情報
521b :紐付け数制限情報
521c :紐付け数制限情報
522 :NFTグッズ追加ボタン
P :観戦ユーザ
T10a :データIDカラム
T10b :データIDカラム
T10c :データIDカラム
T11a :データ名カラム
T11b :データ名カラム
T11c :データ名カラム
T12a :属性カラム
T12b :属性カラム
T12c :属性カラム
T13a :所有者カラム
T13b :所有者カラム
T13c :所有者カラム
T14a :使用者カラム
T14b :使用者カラム
T14c :使用者カラム
T15a :使用可能数カラム
T15c :使用可能数カラム
T16b :使用可能期限カラム
T17c :貸出可能数カラム
T1a :グッズテーブル
T1b :グッズテーブル
T1c :グッズテーブル
T2 :チケットテーブル
T20 :データIDカラム
T21 :データ名カラム
T22 :所有者カラム
T23 :使用者カラム
T24 :使用可能数カラム
T25 :使用可能日カラム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10