(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024005139
(43)【公開日】2024-01-17
(54)【発明の名称】無線受信機
(51)【国際特許分類】
H04R 3/12 20060101AFI20240110BHJP
H04R 3/00 20060101ALI20240110BHJP
H04B 1/16 20060101ALI20240110BHJP
【FI】
H04R3/12 A
H04R3/00 310
H04B1/16 R
【審査請求】有
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022105192
(22)【出願日】2022-06-29
(71)【出願人】
【識別番号】000234937
【氏名又は名称】八重洲無線株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100089956
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 利和
(72)【発明者】
【氏名】飯束 嘉庸
【テーマコード(参考)】
5D220
5K061
【Fターム(参考)】
5D220AA12
5D220AB04
5D220DD05
5K061AA03
5K061BB01
5K061CC40
5K061CC45
(57)【要約】
【課題】卓上型の無線通信機では前面に内部スピーカの実装領域を確保できず、上下面に形成した音波出力孔の裏側に内蔵させるが、高指向性の中低音が前方で不足する。外部スピーカを接続して音声再生させるが、その場合、内部スピーカの駆動を停止させている。
【解決手段】外部スピーカユニット30の接続/解除で切り替わるスイッチ回路17を設け、受信復調部13の音声信号を、接続状態では信号調整部14(位相変換器15とLPF16)を介して、解除状態では直接に内部スピーカ19の駆動用の増幅器18へ出力させる。LPF16で内部スピーカ19を低音域補償に用い、外部スピーカ32と共働して豊かな低音を伴った高音質再生が実現できる。位相変換器15はLPF16での位相の群遅延を補正して音質の劣化を防止する。信号調整部14はDPSで構成することが望ましく、更に自在な音質調整が可能になる。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信音声を再生出力する内部スピーカを内蔵していると共に、外部スピーカとその外部スピーカ用の音声信号の増幅器を内蔵した外部スピーカユニットが接続可能な無線受信機において、
アンテナ側から得られる音声信号で変調された搬送波信号を復調して音声信号を出力する受信復調部と、
前記受信復調部の出力信号線が接続されている前記外部スピーカユニット用の接続端子と、
前記受信復調部の出力信号を入力信号として、その入力信号を位相変換器とローパスフィルタで調整して出力する信号調整部と、
前記受信復調部の出力信号と前記信号調整部の出力信号を択一選択して前記内部スピーカ用の音声信号の増幅器へ出力する切り替え回路と、
前記接続端子に前記外部スピーカユニットが接続されているか否かを検出する検出手段と、
前記検出手段が前記外部スピーカユニットの非接続状態を検出している場合には前記切り替え回路を前記受信復調部の出力信号の出力状態に、前記検出手段が前記外部スピーカユニットの接続状態を検出している場合には前記切り替え回路を前記信号調整部の出力信号の出力状態に制御する制御手段と
を備えたことを特徴とする無線受信機。
【請求項2】
前記信号調整部のローパスフィルタと位相変換器はそれぞれ遮断周波数と位相変化量の可変設定が可能であり、前記検出手段が前記外部スピーカユニットの接続状態を検出している場合に、操作部の調整操作による信号に基づいて、前記制御手段が前記ローパスフィルタの遮断周波数と前記位相変換器の位相変化量を調整することとした請求項1に記載の無線受信機。
【請求項3】
前記信号調整部がデジタル信号処理回路で構成されている請求項1又は2に記載の無線受信機。
【請求項4】
前記検出手段が、前記接続端子の内の信号端子と接地回路との間のインピーダンス変化に基づいて、前記外部スピーカユニットが接続されているか否かを検出するものである請求項1、2又は3に記載の無線受信機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スピーカを内蔵した無線受信機に外部スピーカを接続し、双方のスピーカで受信音声を再生する場合における再生音の高音質化を図るための無線受信機の構成に関する。
【背景技術】
【0002】
卓上型や据え付け型の無線通信機においては、本体筐体の正面パネルには多数のツマミやボタンが液晶表示部と共に高密度に配置されており、所要サイズの内部スピーカを正面に配置することが困難である。
【0003】
そのため、従来の無線通信機では、本体筐体の上面や下面の一部領域にスリットや開口部を設け、その領域の裏側に内部スピーカを取り付けるようにしている。
その場合、当然に音波の出力方向は本体筐体の上側又は下側になるため、比較的指向性の高い中・高音域の音波が本体筐体の前方へ伝搬し難くなる。
【0004】
そこで、
図4に示すように、無線通信機の本体筐体51の内部スピーカ52(内蔵のため図示せず)とは別に、外部スピーカユニット53を本体筐体51の側部に配置させ、外部スピーカユニット53を無線通信機の音声信号出力端子に接続した場合には、内部スピーカ52の動作を停止させている。
【0005】
この技術に関連した従来技術としては、特許文献として次のような提案が見受けられる。
下記特許文献1には、音声出力を外部へ切り換えて出力する無線通信機において、入力音声信号の増幅手段の前後に設けられた音声信号切換手段のいずれか、あるいは両方の音声信号切換手段を切換制御手段で制御することによって、前記音声出力を任意に選択して切り換えるようにした音声出力の外部選択方式が提案されている。
下記特許文献2には、内部スピーカと外部スピーカを有する無線機において、内部スピーカと外部スピーカとを切り替える切替手段と、操作者の選択に応じて選択されたスピーカに自動的に切り替えるように切替手段を制御する制御手段を具備させた無線機が提案されている。
下記特許文献3には、内部スピーカと外部スピーカとを択一的に使用する無線機において、内部スピーカ使用時と外部スピーカ使用時のオーディオICの出力レベルを切り替え、スピーカの切り替えを迅速に行えるようにした無線機が提案されている。
下記特許文献4には、TV受像機において、内蔵スピーカと外部スピーカで音声再生を行う場合に、視聴者からの各スピーカまでの距離差により再生音に時間差が生じて音声の明瞭度が損なわれる問題を、外部スピーカへの信号伝送路に前記時間差に相当する遅延時間を有する遅延線を介挿して解消させるスピーカ装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平10-336786号公報
【特許文献2】特開2000-253485号公報
【特許文献3】特開2000-312160号公報
【特許文献4】実開平3-16798号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、
図4で示したような外部スピーカユニット53の接続可能な無線通信機では、外部スピーカユニット53が接続されると自動的に内部スピーカ52の動作が停止されるようになっている。
一方、一般的に、低音域の音波については比較的指向性が低いと共にその音波の強度は減衰しにくく、一般的に音波の強度が複数のスピーカの口径を合算した値に比例する傾向があるとされている。
【0008】
したがって、
図4の外部スピーカユニット53の外部スピーカ53aによる再生音で低音域が不足するような場合には、内部スピーカ52の動作を停止させないで低音域用に活用できれば、ふくよかな低音が効いた音声再生が実現できることになる。
【0009】
そこで、本発明は、内部スピーカを備えた無線受信機において、外部スピーカユニットが接続された場合に、外部スピーカと共に内部スピーカも低音域補償用のスピーカとして動作させて受信音声を高音質で再生できる無線受信機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、受信音声を再生出力する内部スピーカを内蔵していると共に、外部スピーカとその外部スピーカ用の音声信号の増幅器を内蔵した外部スピーカユニットが接続可能な無線受信機において、アンテナ側から得られる音声信号で変調された搬送波信号を復調して音声信号を出力する受信復調部と、前記受信復調部の出力信号線が接続されている前記外部スピーカユニット用の接続端子と、前記受信復調部の出力信号を入力信号として、その入力信号を位相変換器とローパスフィルタで調整して出力する信号調整部と、前記受信復調部の出力信号と前記信号調整部の出力信号を択一選択して前記内部スピーカ用の音声信号の増幅器へ出力する切り替え回路と、前記接続端子に前記外部スピーカユニットが接続されているか否かを検出する検出手段と、前記検出手段が前記外部スピーカユニットの非接続状態を検出している場合には前記切り替え回路を前記受信復調部の出力信号の出力状態に、前記検出手段が前記外部スピーカユニットの接続状態を検出している場合には前記切り替え回路を前記信号調整部の出力信号の出力状態に制御する制御手段と を備えたことを特徴とする無線受信機に係る。
【0011】
本発明によれば、外部スピーカユニットが接続用端子に接続されていない状態では、受信復調部が出力する音声信号がそのまま増幅されて内部スピーカで再生されるが、外部スピーカユニットが接続用端子に接続された状態になると、受信復調部が出力する音声信号は信号調整部の位相変換器とローパスフィルタで調整されて内部スピーカで再生されると共に、受信復調部が出力する音声信号は接続端子を介して外部スピーカユニットの外部スピーカでも再生される。
その場合、復調された音声信号をそのまま外部スピーカで音声再生させることにより中・高音域を正面前方へ出力させることと併せて、ローパスフィルタを通過した低音域の信号を内部スピーカで音声再生し、指向性の低い低音域の音波も前方へ拡がるようにすることで、全体として再生音の高音質化を図るものであるが、ローパスフィルタを通過させると通過帯域内の音声信号に位相遅れ(群遅延)が発生し、外部スピーカと内部スピーカの各再生音を合わせると不自然で不明瞭な音になる傾向がある。
本発明においてローパスフィルタと共に位相変換器が信号経路に挿入されているのはそのためであり、両スピーカの各再生音の位相を合わせて自然でクリアな音が聴取できるようにしている。
【0012】
したがって、本発明においては、前記信号調整部のローパスフィルタと位相変換器はそれぞれ遮断周波数と位相変化量の可変設定が可能とされるが、前記検出手段が前記外部スピーカユニットの接続状態を検出している場合に、操作部の調整操作による信号に基づいて、前記制御手段が前記ローパスフィルタの遮断周波数と前記位相変換器の位相変化量を調整できるようにすることが望ましい。
これは、前記信号調整部をデジタル信号処理回路で構成することでより容易に実現できる。
【0013】
また、本発明において、前記検出手段は、その検出方式が電気的か機械的かを問わないが、前記接続端子の内の信号端子と接地回路との間のインピーダンス変化に基づいて、前記外部スピーカユニットが接続されているか否かを検出するようにすれば、簡単で確実な手段として構成できる。
なお、本発明は無線受信機に係るものであるが、当然に無線通信機として無線送信機と一体で組み込まれている無線受信機も含まれる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、内部スピーカを内蔵していると共に、外部スピーカと増幅器を内蔵した外部スピーカユニットが接続可能な無線受信機において、外部スピーカが接続された場合に、内部スピーカを停止させずに低音域補償のために活用し、外部スピーカと共に駆動させる。そして、そのために用いるローパスフィルタによる音声信号の位相の群遅延も位相変換器で補正することにより、全体としてふくよかで明瞭な音声再生を実現する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の実施形態に係る無線受信機のブロック図であり、外部スピーカユニットが接続されていない状態を示す。
【
図2】本発明の実施形態に係る無線受信機のブロック図であり、外部スピーカユニットが接続された状態を示す。
【
図3】本発明の実施形態に係る無線受信機において、外部スピーカユニットの接続及び接続解除の際のスイッチ回路に対する制御手順を示すフローチャートである。
【
図4】無線通信機の本体筐体の側部に外部スピーカユニットを配置させた外観斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の無線受信機の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1の無線受信機のブロック図において、11は無線受信機10の本体筐体、12はアンテナ、13は受信復調部、14は信号調整部、15は信号調整部14内の位相変換器、16は信号調整部14内のローパスフィルタ(LPF)、17はスイッチ回路、18は増幅器、19は内部スピーカ、20は制御部、21は操作部、22は液晶表示部、23は外部スピーカ用の接続端子である。
【0017】
無線通信機10では、音声信号で変調された搬送波信号をアンテナ12で受信して受信復調部13で復調し、その復調後の音声信号をスイッチ回路17の入力側の端子aと外部スピーカ用の接続端子23へ直接出力させると共に、信号調整部14へも出力させてあり、その信号調整部14の位相変換器15とLPF16を介してスイッチ回路17の入力側の端子bへ出力されるようになっている。
一方、スイッチ回路17の出力側の端子cから出力される音声信号は増幅器18で増幅されて内部スピーカ19を駆動する。
【0018】
そして、この無線受信機10のシステム全体は制御部20によって制御され、受信復調部13、信号調整部14、スイッチ回路17、液晶表示部22、及び増幅器18と接続端子23の前段に設けられた音量調整回路(図示せず)などを、操作部21からの操作信号や各モジュールから得られる信号に基づいて制御する。
【0019】
ここでは、無線受信機10の外部スピーカ用の接続端子23に対して、
図1のように外部スピーカユニット30が接続されていない状態と、
図2のように接続された状態での音声再生動作について説明する。
図3は接続端子23に対する外部スピーカユニット30の非接続状態/接続状態の変化に応じて制御部20が実行するスイッチ回路17の切り替え手順を示し、まず
図1の非接続状態にあってはスイッチ回路17をa-c接続状態にしている(S1)。
【0020】
この状態では、受信復調部13が出力する音声信号はスイッチ回路17を通じて増幅器18へ直接出力され、音声信号は増幅器18で電力増幅されて内部スピーカ19を駆動する。
その場合、内部スピーカ19は本体筐体11に内蔵されているが、背景技術の欄で説明したように、本体筐体11の正面には操作部21の多数のツマミやボタンが液晶表示部22と共に高密度に配置されている関係で内部スピーカ19を正面に配置することができず、
図4で示したと同様に、本体筐体11の上面(又は下面)に音声出力孔であるスリットを形成しておき、そのスリット形成領域の内側に内部スピーカ19を配置させている。
したがって、比較的指向性が強い中・高音域の音波が前方へ伝播しづらいという問題がある。
【0021】
そこで、
図2に示すように、接続端子23に外部スピーカユニット30が接続されると、制御部20はその接続状態を接続端子23における信号線の接続部と接地回路の間のインピーダンス変化に基づいて検出し、その検出に基づいてスイッチ回路17をa-c接続状態からb-c接続状態へ切り替える(S2,S3)。
【0022】
したがって、その切り替え後の接続状態では、受信復調部13が出力する音声信号が新たに接続された外部スピーカユニット30へそのまま出力され、同ユニット30が内蔵する増幅器31で電力増幅されて外部スピーカ32が駆動される一方、スイッチ回路17のb-c接続状態により、受信復調部13が出力する音声信号は信号調整部14を介して増幅器18へ出力されて内部スピーカ19が駆動されることになる。
【0023】
そして、その音声再生状態では、信号調整部14のLPF16には内部スピーカ19の周波数特性を考慮した遮断周波数が設定されて、低音域の音声信号だけを増幅器18へ出力させることになるが、音声信号がLPF16を通過する際に信号の位相が回って群遅延が生じるため、LPF16だけでそのまま音声信号を出力させた場合には、内部スピーカ19と外部スピーカ32の再生音を合わせた音が不自然で不明瞭なものになる。
そこで、LPF16の前段に位相変換器15が設けてあり、予め位相を進めておくことにより、前記両スピーカ19,32を駆動する音声信号の位相を合わせるようにしている。
したがって、外部スピーカ32の再生音に対して、それに位相を合わせた内部スピーカ19による低音域の再生音が補償されることになり、高音質な受信音声の聴取が可能になる。
【0024】
ところで、信号調整部14は位相変換器15とLPF16をそれぞれ独立したモジュールとして組み込んだものであってもよいが、この実施形態では信号調整部14の全体をデジタル信号処理回路(DSP)で構成して位相変換機能とLPF機能を実現している。
すなわち、DSPで構成することにより、受信復調部13が出力する音声信号をAD変換し(AD変換器は図示せず)、そのデジタル化された音声信号を対象として位相変換処理とLPF処理を行い、その処理後のデジタルデータをDA変換(DA変換器は図示せず)して増幅器18へ出力しており、高速で高精度な信号調整が可能になっている。
そして、このDSPで構成した信号調整部14によれば、単に群遅延に対する位相合わせだけでなく、操作部21からの調整操作により制御部20を介して位相変換器15の位相変化量とLPF16の遮断周波数を自由に設定でき、無線受信機の使用環境やユーザの音質に対する好みに適合した再生音を出力させることができる(S4)。
【0025】
図2の外部スピーカユニット30の接続状態から、外部スピーカユニット30が取り外されて接続が解除されると、制御部20がそれを接続端子23における信号線の接続部と接地回路の間のインピーダンス変化から検出し、制御部20はその検出に基づいてスイッチ回路17をb-c接続からa-c接続へ切り替える(S5→S6)。
したがって、元の
図1の状態に戻り、受信復調部13が出力する音声信号は増幅器18を介して内部スピーカ19でのみ再生される。
【0026】
なお、外部スピーカユニット30の接続とその解除の度にスイッチ回路17の切り替えが行われて、
図2と
図1の状態になることは当然である。
この実施形態に係る無線受信機10の特徴は、外部スピーカユニット30が接続されて外部スピーカ32で音声再生を行う際に、内部スピーカ19の動作を停止させるのではなく、低音域補償用のスピーカとして有効に活用し、外部スピーカ32の再生音と相俟って自然でふくよかな低音が響いた受信再生音を実現できる点にある。
【産業上の利用可能性】
【0027】
本発明は、外部スピーカユニットが接続可能な卓上型・据え付け型の無線受信機(又は無線通信機)に適用できる。
【符号の説明】
【0028】
10…無線受信機、11…本体筐体、12…アンテナ、13…受信復調部、14…信号調整部、15…位相変換器、16…ローパスフィルタ(LPF)、17…スイッチ回路、18…増幅器、19…内部スピーカ、20…制御部、21…操作部、22…液晶表示部、23…接続端子、30…外部スピーカユニット、31…増幅器、32…外部スピーカ、51…本体筐体、52…内部スピーカ、53…外部スピーカユニット、53a…外部スピーカ。
【手続補正書】
【提出日】2023-09-11
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
受信音声を再生出力する内部スピーカを内蔵していると共に、外部スピーカとその外部スピーカ用の音声信号の増幅器を内蔵した外部スピーカユニットが接続可能な無線受信機において、
アンテナ側から得られる音声信号で変調された搬送波信号を復調して音声信号を出力する受信復調部と、
前記受信復調部の出力信号線が接続されている前記外部スピーカユニット用の接続端子と、
デジタル信号処理回路で構成されており、前記受信復調部の出力信号を入力信号として、その入力信号に対して遮断周波数を可変設定することが可能なローパスフィルタと、前記ローパスフィルタにより信号に生じる位相の群遅延に対して予め位相を進めておくための可変設定が可能な位相変換器とで調整された信号を出力させる信号調整部と、
前記受信復調部の出力信号と前記信号調整部の出力信号を択一選択して前記内部スピーカ用の音声信号の増幅器へ出力する切り替え回路と、
前記接続端子に前記外部スピーカユニットが接続されているか否かを検出する検出手段と、
前記検出手段が前記外部スピーカユニットの非接続状態を検出している場合には前記切り替え回路を前記受信復調部の出力信号の出力状態にし、前記検出手段が前記外部スピーカユニットの接続状態を検出している場合には前記切り替え回路を前記信号調整部の出力信号の出力状態に制御すると共に、操作部からの調整操作による信号に基づいて前記信号調整部における前記ローパスフィルタの遮断周波数と前記位相変換器の位相変化量を調整制御する制御手段と
を備えたことを特徴とする無線受信機。
【請求項2】
前記検出手段が、前記接続端子の内の信号端子と接地回路との間のインピーダンス変化に基づいて、前記外部スピーカユニットが接続されているか否かを検出するものである請求項1に記載の無線受信機。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正の内容】
【0007】
ところで、
図4で示したような外部スピーカユニット53の接続可能な無線通信機では、外部スピーカユニット53が接続されると自動的に内部スピーカ52の動作が停止されるようになっている。
一方、一般的に低音域の音波については比較的指向性が低いと共にその音波の強度は減衰しにくく、
また音波の強度が複数のスピーカの口径を合算した値に比例する傾向があるとされている。