(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024051403
(43)【公開日】2024-04-11
(54)【発明の名称】pIgR発現促進用組成物
(51)【国際特許分類】
A23L 33/105 20160101AFI20240404BHJP
A61K 36/8998 20060101ALI20240404BHJP
A61P 37/04 20060101ALI20240404BHJP
A23L 2/38 20210101ALI20240404BHJP
A23L 2/39 20060101ALI20240404BHJP
A23L 2/52 20060101ALI20240404BHJP
A23L 7/10 20160101ALI20240404BHJP
C12N 15/12 20060101ALN20240404BHJP
【FI】
A23L33/105
A61K36/8998 ZNA
A61P37/04
A23L2/38 J
A23L2/00 Q
A23L2/00 F
A23L7/10 Z
C12N15/12
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022157555
(22)【出願日】2022-09-30
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用申請有り (1)株式会社東洋新薬が、森川琢海、山本裕子及び槻木恵一に公開を依頼した、第1回日本唾液ケア研究会学術集会の一般演題を掲載したウェブサイト,公開日:2022年7月14日,ウェブサイトのアドレス:https://e0icq.hp.peraichi.com/ (2)株式会社東洋新薬が、山本裕子及び槻木恵一に公開を依頼した、日本食品免疫学会第18回学術大会の一般講演プログラムを掲載したウェブサイト,公開日:2022年9月22日,ウェブサイトのアドレス:https://www.jafi.jp/conf/jafi2022/18th_gt_program/
(71)【出願人】
【識別番号】398028503
【氏名又は名称】株式会社東洋新薬
(72)【発明者】
【氏名】森川 琢海
(72)【発明者】
【氏名】高嶋 慎一郎
(72)【発明者】
【氏名】神谷 智康
【テーマコード(参考)】
4B018
4B023
4B117
4C088
【Fターム(参考)】
4B018LE03
4B018MD49
4B018ME14
4B018MF03
4B018MF04
4B018MF06
4B018MF07
4B023LC09
4B023LE26
4B023LG05
4B023LP03
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4B117LC04
4B117LE01
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4B117LK12
4B117LP17
4C088AB73
4C088AC05
4C088BA07
4C088MA52
4C088NA14
4C088ZB09
(57)【要約】
【課題】
本発明は、新規のpIgR活性化用組成物及び/又はpIgR発現促進用組成物の開発を目的としてなされたものである。
【解決手段】
本発明者らは、大麦若葉の機能性を研究する中で、大麦若葉がpIgR遺伝子の発現促進作用を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
【選択図】
なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
大麦若葉を含有することを特徴とする、pIgR発現促進用組成物。
【請求項2】
大麦若葉を含有することを特徴とする、顎下腺におけるpIgR発現促進用組成物。
【請求項3】
前記大麦若葉が大麦若葉の粉砕物であることを特徴とする、請求項1又は2に記載のppIgR発現促進用組成物。
【請求項4】
大麦若葉がpIgRの発現を促進させる旨を表示した飲食品。
【請求項5】
大麦若葉を摂取することにより、pIgRの発現を促進させる方法(医療行為を除く)。
【請求項6】
pIgRの発現を促進させる有効成分としての、大麦若葉の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、pIgR発現促進用組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
多量体免疫グロブリン受容体(polymeric immunoglobulin receptor:pIgR)は、膜貫通型タンパク質であり、免疫機構に重要な役割を果たすことが知られている。例えば、pIgRは、粘膜免疫で中心的な役割を持つ分泌型IgAの産生に寄与する。具体的には、形質細胞(プラズマ細胞)において産生された二量体のIgA(dIgA)が、上皮細胞に存在するpIgRと結合し、上皮細胞内を輸送された後、pIgRの細胞外領域が切断されて、pIgRのsecretory component(SC)とdIgAが結合した構造となることで、分泌型IgA(slgA)が産生される(非特許文献1及び2)。分泌型IgAになることでタンパク分解酵素による分解に対して抵抗性を獲得できるため、粘膜面で分解されずに、細胞表面でウイルスや細菌等の抗原に結合して抗原の体内侵入を阻止し、ウイルスや細菌等に対する防御機能を果たすことができるようになる。同様に、pIgRは、多量体のIgMとも結合するため、分泌型IgMの産生にも寄与する(非特許文献3及び4)。IgMは、病原体が侵入した際に最初に作られる抗体であり、感染の初期防御(初期免疫)に重要な役割を果たす免疫グロブリンである。そのため、pIgRの発現を促進することで、分泌型IgAや分泌型IgMの産生が増加し、粘膜免疫や初期免疫の賦活作用が発揮されると考えられる。
【0003】
また、pIgRは、多量体免疫グロブリンと結合せずとも、単独で細胞内輸送された後、細胞外領域が切断されて、free secretory component (fSC)として放出されることが知られている。こうして形成されたfSCは、細菌の粘膜面への付着を阻害するなどの役割を果たすことが知られている(非特許文献1及び2)。
【0004】
このように、pIgRは免疫機構に重要な役割を果たすタンパク質である。しかしながら、pIgRの発現を促進する素材は、これまであまり開発されていない。そこで、pIgR発現促進作用を発揮する新たな素材の開発が望まれている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】腸内細菌学雑誌 26、3-9、2012(URL:https://www.jstage.jst.go.jp/article/jim/26/1/26_1_3/_pdf)
【非特許文献2】「多量体免疫グロブリン受容体の構造と機能 その変異と分泌効率との関連」、砂川恵伸、日本大学2014年博士論文(URL:https://repository.nihon-u.ac.jp/xmlui/bitstream/handle/11263/452/Sunagawa-Keishin-3.pdf?sequence=3&isAllowed=y)
【非特許文献3】日呼吸会誌 39(3)、p.157-165、2001(URL:https://is.jrs.or.jp/quicklink/journal/nopass_pdf/039030157j.pdf)
【非特許文献4】International Journal of Molecular Sciences、2021 Mar; 22(5):2284
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、新規のpIgR発現促進用組成物の開発を目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、大麦若葉の機能性を研究する中で、大麦若葉がpIgR遺伝子の発現促進作用を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、以下のとおりのものである。
[1]大麦若葉を含有することを特徴とする、pIgR発現促進用組成物。
[2]大麦若葉を含有することを特徴とする、顎下腺におけるpIgR発現促進用組成物。
[3]前記大麦若葉が大麦若葉の粉砕物であることを特徴とする、[1]又は[2]に記載のpIgR発現促進用組成物。
[4]大麦若葉がpIgRの発現を促進させる旨を表示した飲食品。
[5]大麦若葉を摂取することにより、pIgRの発現を促進させる方法(医療行為を除く)。
[6]pIgRの発現を促進させる有効成分としての、大麦若葉の使用。
[7]大麦若葉由来食物繊維を有効成分として含有することを特徴とする、pIgR発現促進用組成物。
[8]前記大麦若葉が大麦若葉の粉砕物であることを特徴とする、[7]に記載のpIgR発現促進用組成物。
[9]大麦若葉由来食物繊維がpIgRの発現を促進させる旨を表示した飲食品。
[10]大麦若葉由来食物繊維を摂取することにより、pIgRの発現を促進させる方法(医療行為を除く)。
[11]pIgRの発現を促進させる有効成分としての、大麦若葉由来食物繊維の使用。
[12]大麦若葉を含有することを特徴とする、pIgR発現促進を介した免疫機能の維持又は向上用組成物。
[13]大麦若葉を含有することを特徴とする、pIgR発現促進を介した口腔免疫機能の維持又は向上用組成物。
[14]大麦若葉を含有することを特徴とする、pIgR発現促進を介した粘膜免疫機能の維持又は向上用組成物。
[15]大麦若葉を含有することを特徴とする、pIgR発現促進を介した唾液中IgA分泌促進用組成物。
[16]大麦若葉を含有することを特徴とする、pIgR発現促進を介した唾液中IgM分泌促進用組成物。
[17]大麦若葉を含有することを特徴とする、pIgR発現促進を介した上気道感染症の予防又は緩和用組成物。
[18]大麦若葉を含有することを特徴とする、pIgR発現促進を介した細菌の粘膜への付着抑制用組成物。
[19]大麦若葉由来食物繊維を有効成分として含有することを特徴とする、pIgR発現促進を介した免疫機能の維持又は向上用組成物。
[20]大麦若葉由来食物繊維を有効成分として含有することを特徴とする、pIgR発現促進を介した口腔免疫機能の維持又は向上用組成物。
[21]大麦若葉由来食物繊維を有効成分として含有することを特徴とする、pIgR発現促進を介した粘膜免疫機能の維持又は向上用組成物。
[22]大麦若葉由来食物繊維を有効成分として含有することを特徴とする、pIgR発現促進を介した唾液中IgA分泌促進用組成物。
[23]大麦若葉由来食物繊維を有効成分として含有することを特徴とする、pIgR発現促進を介した唾液中IgM分泌促進用組成物。
[24]大麦若葉由来食物繊維を有効成分として含有することを特徴とする、pIgR発現促進を介した上気道感染症の予防又は緩和用組成物。
[25]大麦若葉由来食物繊維を有効成分として含有することを特徴とする、pIgR発現促進を介した細菌の粘膜への付着抑制用組成物。
[26]大麦若葉を含有することを特徴とする免疫機能の維持又は向上用組成物。
[27]大麦若葉を含有することを特徴とする口腔免疫機能の維持又は向上用組成物。
[28]大麦若葉を含有することを特徴とする粘膜免疫機能の維持又は向上用組成物。
[29]大麦若葉を含有することを特徴とする唾液中IgA分泌促進用組成物。
[30]大麦若葉を含有することを特徴とする、唾液中IgM分泌促進用組成物。
[31]大麦若葉を含有することを特徴とする上気道感染症の予防又は緩和用組成物。
[32]大麦若葉を含有することを特徴とする細菌の粘膜への付着抑制用組成物。
[33]大麦若葉由来食物繊維を有効成分として含有することを特徴とする免疫機能の維持又は向上用組成物。
[34]大麦若葉由来食物繊維を有効成分として含有することを特徴とする口腔免疫機能の維持又は向上用組成物。
[35]大麦若葉由来食物繊維を有効成分として含有することを特徴とする粘膜免疫機能の維持又は向上用組成物。
[36]大麦若葉由来食物繊維を有効成分として含有することを特徴とする唾液中IgA分泌促進用組成物。
[37]大麦若葉由来食物繊維を有効成分として含有することを特徴とする、唾液中IgM分泌促進用組成物。
[38]大麦若葉由来食物繊維を有効成分として含有することを特徴とする上気道感染症の予防又は緩和用組成物。
[39]大麦若葉由来食物繊維を有効成分として含有することを特徴とする細菌の粘膜への付着抑制用組成物。
【発明の効果】
【0009】
本発明の組成物は、pIgRの発現量を増加させ、免疫機能の維持向上、口腔免疫機能若しくは粘膜免疫機能の維持向上、上気道感染症の予防若しくは緩和、初期免疫機能の維持向上、又は、細菌の粘膜への付着抑制を図ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[1.用語の定義]
本発明の組成物は、大麦若葉を含有することを特徴とする。
【0011】
本発明の組成物は、pIgRの発現を促進することができるため、日常的に継続して経口摂取することにより、分泌型IgAや分泌型IgMの産生促進作用や、細菌の粘膜面への付着阻害作用が発揮される。それにより、本発明の組成物は、免疫機能の維持向上、口腔免疫機能若しくは粘膜免疫機能の維持向上、上気道感染症の予防若しくは緩和、初期免疫機能の維持向上、又は、細菌の粘膜への付着抑制を図ることができる。
【0012】
(pIgRの発現促進)
本発明の組成物は、日常的に継続して経口摂取することで、pIgRの発現を促進することができる。本発明におけるpIgRの発現促進とは、生体内において、pIgRの遺伝子(mRNA)及び/又はタンパク質の産生が促進されることを意味する。なお、pIgRの発現促進をpIgRの活性化と称することもある。
【0013】
(pIgR発現促進がされる部位)
本発明の組成物を摂取することにより、pIgRの発現が促進される部位は特に限定されないが、様々な中でも、顎下腺において、特に優れたpIgRの発現促進作用が発揮される。顎下腺は主要な唾液腺組織の1つであるため、本発明の組成物を日常的に継続して経口摂取することにより、特に、唾液中のIgA及び/又はIgMの分泌促進作用が発揮される。
【0014】
(免疫機能の維持又は向上)
本発明の組成物は、日常的に継続して経口摂取することで、免疫機能の維持又は向上させることができる。本発明における免疫機能の維持又は向上とは、免疫機能の低下抑制(維持)及び/又は免疫機能の向上(改善)を含む概念である。
【0015】
(口腔免疫機能の維持又は向上)
本発明の組成物は、日常的に継続して経口摂取することで、口腔免疫機能の維持又は向上させることができる。本発明における口腔免疫機能の維持又は向上とは、口腔免疫機能の低下抑制(維持)及び/又は口腔免疫機能の向上(改善)を含む概念である。
【0016】
(粘膜免疫機能の維持又は向上)
本発明の組成物は、日常的に継続して経口摂取することで、粘膜免疫機能の維持又は向上させることができる。本発明における粘膜免疫機能の維持又は向上とは、粘膜免疫機能の低下抑制(維持)及び/又は粘膜免疫機能の向上(改善)を含む概念である。
【0017】
(上気道感染症の予防又は緩和)
本発明の組成物は、日常的に継続して経口摂取することで、口腔免疫機能を維持又は向上させることにより、上気道感染症(かぜ症候群)を予防又は緩和(改善)することができる。なお、上気道感染症とは、かぜウイルス等が口腔や鼻腔から気道粘膜に感染し、これらの部位にウイルスが増殖することによって、くしゃみ、鼻水、鼻づまり、喉の痛みなどの症状があらわれることをいう。
【0018】
(初期免疫機能を維持又は向上)
本発明の組成物は、日常的に継続して経口摂取することで、分泌型IgMの産生を促進させることにより、初期免疫機能を維持又は向上させることができる。本発明における初期免疫機能の維持又は向上とは、初期免疫機能の低下抑制(維持)及び/又は初期免疫機能の向上(改善)を含む概念である。
【0019】
(細菌の粘膜への付着抑制)
本発明の組成物は、日常的に継続して経口摂取することで、fSCの放出が促進されて細菌の粘膜への付着が阻害されることにより、細菌の粘膜への付着抑制することができる。本発明における細菌の粘膜への付着抑制とは、細菌の粘膜への付着頻度の上昇抑制(維持)及び/又は細菌の粘膜への付着の阻害を含む概念である。
【0020】
(大麦若葉)
大麦(Hordeum vulgare L.)は、中央アジア原産とされ、イネ科に属する一年生又は越年生草本であり、穂形により、二条大麦や六条大麦などに大別される。この大麦には、水溶性食物繊維や、不溶性食物繊維が豊富に含まれている。本発明の組成物に用いられる大麦若葉としては、通常入手可能なものであれば特に限定されず、二条大麦や六条大麦などのいずれの品種の大麦若葉を用いてもよい。また、若葉と共に茎を含んでいてもよい。
【0021】
大麦若葉としては、例えば、粉砕物、搾汁、抽出物等を用いることができる。粉砕物としては、乾燥粉末(大麦若葉末)、細片化物及びその乾燥物(乾燥細片化物)等を挙げることができる。搾汁や抽出物は、液状であってもよいが、ペースト状や乾燥粉末(搾汁末、エキス末)として用いることもできる。搾汁や抽出物を乾燥粉末化させる際には賦形剤を混合してもよい。抽出物は、適当な溶媒を用いて抽出することで得ることができ、溶媒としては、例えば、水(温水、熱水)、エタノール、含水エタノールを用いることができる。本発明においては、本発明の効果をより享受できる点から、粉砕物が好ましく、粉砕物の中でも大麦若葉粉砕末(大麦若葉末)が特に好ましい。
【0022】
また、本発明で用いる大麦若葉は、本発明の効果をより享受できる点から、食物繊維を、20質量%以上含んでいることが好ましく、25質量%以上含んでいることがより好ましく、30質量%以上含んでいることがさらに好ましい。その上限は、例えば、70質量%であってもよい。ここでいう食物繊維は不溶性食物繊維と水溶性食物繊維の合計量である。食物繊維の量はプロスキー法で測定することができる。
【0023】
また、本発明で用いる大麦若葉は、本発明の効果をより享受できる点から、不溶性食物繊維を、20質量%以上含んでいることが好ましく、25質量%以上含んでいることがより好ましく、30質量%以上含んでいることがさらに好ましい。その上限は、例えば、70質量%であってもよい。不溶性食物繊維の量はプロスキー変法で測定することができる。
【0024】
食物繊維量や不溶性食物繊維量を上記範囲とするためには、大麦若葉の製造方法において、搾汁や抽出を行わず、大麦若葉を粉砕することによって大麦若葉粉砕末(大麦若葉末)を調整すればよい。
【0025】
[2.本発明の組成物]
本発明の組成物は、例えば、医薬品(医薬部外品を含む)や、特定保健用食品、栄養機能食品、機能性表示食品等の所定機関より効能の表示が認められた機能性食品などのいわゆる健康食品等として用いることができる。
【0026】
(pIgR発現促進用組成物)
本発明のpIgR発現促進用組成物は、大麦若葉を含有し、pIgR発現促進のために用いられる点において、製品として他の製品と区別することができるものであれば特に制限されるものではなく、例えば、本発明に係る製品の本体、包装、説明書、宣伝物(広告媒体)のいずれかに、pIgR発現促進の機能を表示したものが本発明の範囲に含まれる。本発明のpIgR発現促進用組成物は、大麦若葉又は大麦若葉に由来する成分(大麦若葉由来食物繊維など)を有効成分として表示するものであってもよいが、製品の包装等に、大麦若葉又は大麦若葉に由来する成分(大麦若葉由来食物繊維など)が有効成分として表示されているものに限られない。例えば、有効成分を特定していないものであってもよい。また、一般的な食品であっても、用途を示唆して製造販売されるものは本発明の範囲に含まれる。例えば、摂取した人の個人的感想として、pIgR発現促進に言及する文章をホームページ等に記載して販売される食品等についても、本発明の範囲に含まれる。また、pIgR発現促進を示す論文等を機能性の科学的根拠とし、大麦若葉又は大麦若葉に由来する成分を機能性関与成分とする機能性表示食品であって、免疫機能の維持及び/又は向上等に関する機能性を届出表示とする機能性表示食品も本発明の範囲に含まれる。
【0027】
具体的に、いわゆる健康食品においては、「pIgRの発現を促進させる」、「pIgRの発現を促進させるのに役立つ」、「pIgRの発現を促進させるのを助ける」、「pIgRの発現を促進させるのをサポートする」、「pIgRの発現を促進させる機能を有する」、「pIgR遺伝子の発現を促進させる」、「pIgR遺伝子の発現を促進させるのに役立つ」、「pIgR遺伝子の発現を促進させるのを助ける」、「pIgR遺伝子の発現を促進させるのをサポートする」、「pIgR遺伝子の発現を促進させる機能を有する」、「pIgRの発現を増強する」、「pIgRの発現を増強するのに役立つ」、「pIgRの発現を増強するのを助ける」、「pIgRの発現を増強するのをサポートする」、「pIgRの発現を増強する機能を有する」、「pIgR遺伝子の発現を増強する」、「pIgR遺伝子の発現を増強するのに役立つ」、「pIgR遺伝子の発現を増強するのを助ける」、「pIgR遺伝子の発現を増強するのをサポートする」、「pIgR遺伝子の発現を増強する機能を有する」、「pIgRの産生を促進させる」、「pIgRの産生を促進させるのに役立つ」、「pIgRの産生を促進させるのを助ける」、「pIgRの産生を促進させるのをサポートする」、「pIgRの産生を促進させる機能を有する」、「pIgR遺伝子の産生を促進させる」、「pIgR遺伝子の産生を促進させるのに役立つ」、「pIgR遺伝子の産生を促進させるのを助ける」、「pIgR遺伝子の産生を促進させるのをサポートする」、「pIgR遺伝子の産生を促進させる機能を有する」、「pIgRの産生を増強する」、「pIgRの産生を増強するのに役立つ」、「pIgRの産生を増強するのを助ける」、「pIgRの産生を増強するのをサポートする」、「pIgRの産生を増強する機能を有する」、「pIgR遺伝子の産生を増強する」、「pIgR遺伝子の産生を増強するのに役立つ」、「pIgR遺伝子の産生を増強するのを助ける」、「pIgR遺伝子の産生を増強するのをサポートする」、「pIgR遺伝子の産生を増強する機能を有する」、「pIgRを増加させる」、「pIgRを増加させるのに役立つ」、「pIgRを増加させるのを助ける」、「pIgRを増加させるのをサポートする」、「pIgRを増加させる機能を有する」、「pIgR遺伝子を増加させる」、「pIgR遺伝子を増加させるのに役立つ」、「pIgR遺伝子を増加させるのを助ける」、「pIgR遺伝子を増加させるのをサポートする」、「pIgR遺伝子を増加させる機能を有する」、「pIgRを増やす」、「pIgRを増やすのに役立つ」、「pIgRを増やすのを助ける」、「pIgRを増やすのをサポートする」、「pIgRを増やす機能を有する」、「pIgR遺伝子を増やす」、「pIgR遺伝子を増やすのに役立つ」、「pIgR遺伝子を増やすのを助ける」、「pIgR遺伝子を増やすのをサポートする」、「pIgR遺伝子を増やす機能を有する」、「pIgRを増強する」、「pIgRを増強するのに役立つ」、「pIgRを増強するのを助ける」、「pIgRを増強するのをサポートする」、「pIgRを増強する機能を有する」、「pIgR遺伝子を増強する」、「pIgR遺伝子を増強するのに役立つ」、「pIgR遺伝子を増強するのを助ける」、「pIgR遺伝子を増強するのをサポートする」、「pIgR遺伝子を増強する機能を有する」、「pIgRをアップする」、「pIgRをアップするのに役立つ」、「pIgRをアップするのを助ける」、「pIgRをアップするのをサポートする」、「pIgRをアップする機能を有する」、「pIgR遺伝子をアップする」、「pIgR遺伝子をアップするのに役立つ」、「pIgR遺伝子をアップするのを助ける」、「pIgR遺伝子をアップするのをサポートする」、「pIgR遺伝子をアップする機能を有する」、「pIgRを活性化させる」、「pIgRを活性化させるのに役立つ」、「pIgRを活性化させるのを助ける」、「pIgRを活性化させる」、「pIgRを活性化させる」、「pIgRの活性を高める」、「pIgRの活性を高めるのに役立つ」、「pIgRの活性を高めるのを助ける」、「pIgRの活性を高めるのをサポートする」、「pIgRの活性を高める機能を有する」、「pIgRの活性を向上させる」、「pIgRの活性を向上させるのに役立つ」、「pIgRの活性を向上させるのを助ける」、「pIgRの活性を向上させるのをサポートする」、「pIgRの活性を向上させる機能を有する」、「pIgRの活性を増強させる」、「pIgRの活性を増強させるのに役立つ」、「pIgRの活性を増強させるのを助ける」、「pIgRの活性を増強させるのをサポートする」、「pIgRの活性を増強させる機能を有する」、「pIgRの活性を強化させる」、「pIgRの活性を強化させるのに役立つ」、「pIgRの活性を強化させるのを助ける」、「pIgRの活性を強化させるのをサポートする」、「pIgRの活性を強化させる機能を有する」、「pIgRの活性をアップさせる」、「pIgRの活性をアップさせるのに役立つ」、「pIgRの活性をアップさせるのを助ける」、「pIgRの活性をアップさせるのをサポートする」、「pIgRの活性をアップさせる機能を有する」等を表示したものを例示することができる。
【0028】
(免疫機能の維持又は向上用組成物)
大麦若葉を摂取することでpIgRの発現が促進された結果、分泌型IgAや分泌型IgM、fSCの放出が促進されるため、免疫機能の維持又は向上作用が発揮される。本発明の免疫機能の維持又は向上用組成物は、大麦若葉を含有し、免疫機能の維持及び/又は向上(改善)のために用いられる点において、製品として他の製品と区別することができるものであれば特に制限されるものではなく、例えば、本発明に係る製品の本体、包装、説明書、宣伝物(広告媒体)のいずれかに、免疫機能の維持及び/又は向上(改善)の機能を表示したものが本発明の範囲に含まれる。本発明の免疫機能の維持又は向上用組成物は、大麦若葉又は大麦若葉に由来する成分(大麦若葉由来食物繊維など)を有効成分として表示するものであってもよいが、製品の包装等に、大麦若葉又は大麦若葉に由来する成分(大麦若葉由来食物繊維など)が有効成分として表示されているものに限られない。例えば、有効成分を特定していないものであってもよい。また、一般的な食品であっても、用途を示唆して製造販売されるものは本発明の範囲に含まれる。例えば、摂取した人の個人的感想として、(粘膜)の免疫機能の維持向上に言及する体験談をホームページ等に記載して販売される食品等についても、本発明の範囲に含まれる。また、免疫機能の維持及び/又は向上を示す論文等を機能性の科学的根拠とし、大麦若葉又は大麦若葉に由来する成分を機能性関与成分とする機能性表示食品であって、免疫機能の維持及び/又は向上に関する機能性を届出表示とする機能性表示食品も本発明の範囲に含まれる。
【0029】
具体的に、いわゆる健康食品においては、「健康な人の免疫機能の維持に役立つ」、「免疫力を高める」、「免疫力をアップする」、「免疫力強化」、「免疫をサポート」、「免疫ケア」等を表示したものを例示することができる。
【0030】
(口腔免疫機能の維持又は向上用組成物)
大麦若葉を摂取することでpIgRの発現が促進された結果、分泌型IgAや分泌型IgM、fSCの放出が促進されるため、口腔免疫機能の維持又は向上作用が発揮される。本発明の口腔免疫機能の維持又は向上用組成物は、大麦若葉を含有し、口腔免疫機能の維持及び/又は向上(改善)のために用いられる点において、製品として他の製品と区別することができるものであれば特に制限されるものではなく、例えば、本発明に係る製品の本体、包装、説明書、宣伝物(広告媒体)のいずれかに、口腔免疫機能の維持及び/又は向上(改善)の機能を表示したものが本発明の範囲に含まれる。本発明の口腔免疫機能の維持又は向上用組成物は、大麦若葉又は大麦若葉に由来する成分(大麦若葉由来食物繊維など)を有効成分として表示するものであってもよいが、製品の包装等に、大麦若葉又は大麦若葉に由来する成分(大麦若葉由来食物繊維など)が有効成分として表示されているものに限られない。例えば、有効成分を特定していないものであってもよい。また、一般的な食品であっても、用途を示唆して製造販売されるものは本発明の範囲に含まれる。例えば、摂取した人の個人的感想として、口腔(口腔粘膜)の免疫機能の維持向上に言及する体験談をホームページ等に記載して販売される食品等についても、本発明の範囲に含まれる。また、口腔免疫機能の維持及び/又は向上を示す論文等を機能性の科学的根拠とし、大麦若葉又は大麦若葉に由来する成分を機能性関与成分とする機能性表示食品であって、免疫機能の維持及び/又は向上に関する機能性を届出表示とする機能性表示食品も本発明の範囲に含まれる。
【0031】
具体的に、いわゆる健康食品においては、「健康な人の口腔免疫機能の維持に役立つ」、「口腔免疫力を高める」、「口腔免疫力をアップする」、「口腔免疫力強化」、「口腔免疫をサポート」、「口腔内の防御力を維持する」、「口腔内の防御力を高める」、「口腔内の防御力をアップさせる」、「口腔内の防御力を強化する」等を表示したものを例示することができる。また、「健康な人の口腔粘膜免疫機能の維持に役立つ」、「口腔粘膜免疫力を高める」、「口腔粘膜免疫力をアップする」、「口腔粘膜免疫力強化」、「口腔粘膜免疫をサポート」、「口腔粘膜の防御力を維持する」、「口腔粘膜の防御力を高める」、「口腔粘膜の防御力をアップさせる」、「口腔粘膜の防御力を強化する」等を表示したものを例示することができる。
【0032】
(粘膜免疫機能の維持又は向上用組成物)
大麦若葉を摂取することでpIgRの発現が促進された結果、分泌型IgAや分泌型IgM、fSCの放出が促進されるため、粘膜免疫機能の維持又は向上作用が発揮される。本発明の粘膜免疫機能の維持又は向上用組成物は、大麦若葉を含有し、粘膜免疫機能の維持及び/又は向上(改善)のために用いられる点において、製品として他の製品と区別することができるものであれば特に制限されるものではなく、例えば、本発明に係る製品の本体、包装、説明書、宣伝物(広告媒体)のいずれかに、粘膜免疫の維持及び/又は向上(改善)する機能を表示したものが本発明の範囲に含まれる。なお、本発明の粘膜免疫機能の維持又は向上用組成物は、大麦若葉又は大麦若葉に由来する成分(大麦若葉由来食物繊維など)を有効成分として表示するものであってもよいが、製品の包装等に、大麦若葉又は大麦若葉に由来する成分(大麦若葉由来食物繊維など)が有効成分として表示されているものに限られない。例えば、有効成分を特定していないものであってもよい。また、一般的な食品であっても、用途を示唆して製造販売されるものは本発明の範囲に含まれる。例えば、摂取した人の個人的感想として、粘膜免疫の維持及び/又は向上(改善)に言及する体験談をホームページ等に記載して販売される食品等についても、本発明の範囲に含まれる。また、粘膜免疫の維持及び/又は向上(改善)を示す論文等を機能性の科学的根拠とし、大麦若葉又は大麦若葉に由来する成分を機能性関与成分とする機能性表示食品であって、免疫機能の維持及び/又は向上に関する機能性を届出表示とする機能性表示食品も本発明の範囲に含まれる。
【0033】
具体的に、いわゆる健康食品においては、「健康な人の粘膜免疫の維持に役立つ」、「粘膜免疫力を高める」、「粘膜免疫力をアップする」、「粘膜免疫力強化」、「粘膜免疫をサポート」、「粘膜の防御力を維持する」、「粘膜の防御力を高める」、「粘膜の防御力をアップさせる」、「粘膜の防御力を強化する」等を表示したものを例示することができる。
【0034】
(上気道感染症の予防又は緩和用組成物)
大麦若葉を摂取することでpIgRの発現が促進された結果、分泌型IgAや分泌型IgM、fSCの放出が促進されるため、上気道感染症の予防又は緩和作用が発揮される。本発明の上気道感染症の予防又は緩和用組成物は、大麦若葉を含有し、上気道感染症の予防又は緩和(改善)のために用いられる点において、製品として他の製品と区別することができるものであれば特に制限されるものではなく、例えば、本発明に係る製品の本体、包装、説明書、宣伝物(広告媒体)のいずれかに、上気道感染症(かぜ症候群)を予防する機能を表示したものが本発明の範囲に含まれる。なお、本発明の上気道感染症の予防又は緩和用組成物は、大麦若葉又は大麦若葉に由来する成分(大麦若葉由来食物繊維など)を有効成分として表示するものであってもよいが、製品の包装等に、大麦若葉又は大麦若葉に由来する成分(大麦若葉由来食物繊維など)が有効成分として表示されているものに限られない。例えば、有効成分を特定していないものであってもよい。また、一般的な食品であっても、用途を示唆して製造販売されるものは本発明の範囲に含まれる。例えば、摂取した人の個人的感想として、上気道感染症(かぜ症候群)の予防に言及する体験談をホームページ等に記載して販売される食品等についても、本発明の範囲に含まれる。また、上気道感染症(かぜ症候群)の予防を示す論文等を機能性の科学的根拠とし、大麦若葉又は大麦若葉に由来する成分を機能性関与成分とする機能性表示食品であって、免疫機能の維持及び/又は向上に関する機能性を届出表示とする機能性表示食品も本発明の範囲に含まれる。
【0035】
具体的に、いわゆる健康食品においては、「上気道感染症の発症を予防する」、「かぜの発症を予防する」、「かぜを予防する」、「かぜになりにくい」、「かぜを引きにくい」等を表示したものを例示することができる。
【0036】
(唾液中IgA分泌促進用組成物)
大麦若葉を摂取することでpIgRの発現が促進された結果、分泌型IgAの放出が促進されるため、唾液中IgA分泌促進作用が発揮される。本発明の唾液中IgA分泌促進用組成物は、大麦若葉を含有し、唾液中のIgAの分泌を促進するために用いられる点において、製品として他の製品と区別することができるものであれば特に制限されるものではなく、例えば、本発明に係る製品の本体、包装、説明書、宣伝物(広告媒体)のいずれかに、唾液中のIgAを分泌促進する機能を表示したものが本発明の範囲に含まれる。なお、本発明の唾液中IgA分泌促進用組成物は、大麦若葉又は大麦若葉に由来する成分(大麦若葉由来食物繊維など)を有効成分として表示するものであってもよいが、製品の包装等に、大麦若葉又は大麦若葉に由来する成分(大麦若葉由来食物繊維など)が有効成分として表示されているものに限られない。例えば、有効成分を特定していないものであってもよい。また、一般的な食品であっても、用途を示唆して製造販売されるものは本発明の範囲に含まれる。例えば、摂取した人の個人的感想として、唾液中のIgAの分泌促進に言及する体験談をホームページ等に記載して販売される食品等についても、本発明の範囲に含まれる。
【0037】
具体的に、いわゆる健康食品においては、「唾液中のIgAの分泌を促進する」、「唾液中のIgA量を高める」、「口腔内のIgA分泌を促進する」、「口腔内のIgA量を高める」等を表示したものを例示することができる。
【0038】
(初期免疫機能の維持又は向上用組成物)
大麦若葉を摂取することでpIgRの発現が促進された結果、分泌型IgMの放出が促進されるため、初期免疫機能の維持又は向上作用が発揮される。本発明の初期免疫機能の維持又は向上用組成物は、大麦若葉を含有し、初期免疫機能の維持又は向上のために用いられる点において、製品として他の製品と区別することができるものであれば特に制限されるものではなく、例えば、本発明に係る製品の本体、包装、説明書、宣伝物(広告媒体)のいずれかに、初期免疫機能の維持又は向上の機能を表示したものが本発明の範囲に含まれる。本発明の初期免疫機能の維持又は向上用組成物は、大麦若葉又は大麦若葉に由来する成分(大麦若葉由来食物繊維など)を有効成分として表示するものであってもよいが、製品の包装等に、大麦若葉又は大麦若葉に由来する成分(大麦若葉由来食物繊維など)が有効成分として表示されているものに限られない。例えば、有効成分を特定していないものであってもよい。また、一般的な食品であっても、用途を示唆して製造販売されるものは本発明の範囲に含まれる。例えば、摂取した人の個人的感想として、初期免疫機能の維持又は向上に言及する文章をホームページ等に記載して販売される食品等についても、本発明の範囲に含まれる。また、初期免疫機能の維持又は向上を示す論文等を機能性の科学的根拠とし、大麦若葉又は大麦若葉に由来する成分を機能性関与成分とする機能性表示食品であって、免疫機能の維持及び/又は向上等に関する機能性を届出表示とする機能性表示食品も本発明の範囲に含まれる。
【0039】
具体的に、いわゆる健康食品においては、「初期免疫機能を維持する」、「初期免疫機能を高める」、「初期免疫機能を増強する」、「初期免疫機能の低下を抑制する」、「かぜの引き始めに」等を表示したものを例示することができる。
【0040】
(細菌の粘膜への付着抑制用組成物)
大麦若葉を摂取することでpIgRの発現が促進された結果、fSCの放出が促進されるため、細菌の粘膜への付着抑制作用が発揮される。細菌の粘膜への付着抑制用組成物は、大麦若葉を含有し、細菌の粘膜への付着抑制のために用いられる点において、製品として他の製品と区別することができるものであれば特に制限されるものではなく、例えば、本発明に係る製品の本体、包装、説明書、宣伝物(広告媒体)のいずれかに、細菌の粘膜への付着抑制の機能を表示したものが本発明の範囲に含まれる。本発明の細菌の粘膜への付着抑制用組成物は、大麦若葉又は大麦若葉に由来する成分(大麦若葉由来食物繊維など)を有効成分として表示するものであってもよいが、製品の包装等に、大麦若葉又は大麦若葉に由来する成分(大麦若葉由来食物繊維など)が有効成分として表示されているものに限られない。例えば、有効成分を特定していないものであってもよい。また、一般的な食品であっても、用途を示唆して製造販売されるものは本発明の範囲に含まれる。例えば、摂取した人の個人的感想として、細菌の粘膜への付着抑制に言及する文章をホームページ等に記載して販売される食品等についても、本発明の範囲に含まれる。また、細菌の粘膜への付着抑制を示す論文等を機能性の科学的根拠とし、大麦若葉又は大麦若葉に由来する成分を機能性関与成分とする機能性表示食品であって、免疫機能の維持及び/又は向上等に関する機能性を届出表示とする機能性表示食品も本発明の範囲に含まれる。
【0041】
具体的に、いわゆる健康食品においては、「細菌の粘膜への付着を抑制する」、「細菌の粘膜への付着を阻害する」等を表示したものを例示することができる。
【0042】
(組成物の形態)
本発明の組成物の形態としては、例えば、錠状、カプセル状、粉末状、顆粒状、液状、粒状、棒状、板状、ブロック状、固形状、丸状、ペースト状、クリーム状、カプレット状、ゲル状、チュアブル錠状、スティック状等を挙げることができる。アイス、ゼリー、クッキー、ケーキ、チョコレート、ペットボトル飲料等の形態であってもよい。これらの中でも、錠状、カプセル状、粉末状、顆粒状、丸状、チュアブル錠状の形態が好ましく、粉末状、顆粒状が特に好ましい。
【0043】
本発明の組成物を錠状、丸状、チュアブル錠状とする場合、賦形剤、滑沢剤、流動化剤のいずれか1種以上を添加することが好ましい。これにより、成型性が高められ、製造された剤の保存安定性が向上する。特に、賦形剤及び滑沢剤を使用することで保存安定性をより高めることができる。
【0044】
(大麦若葉の含有量又は摂取量)
本発明の組成物における大麦若葉の含有量としては、その効果の奏する範囲で適宜含有させればよい。例えば、本発明の組成物中に、乾燥質量換算で、大麦若葉を0.0.01~100質量%含有させることができ、0.1~100質量%含有させることが好ましく、1~100質量%含有させることがより好ましい。
【0045】
本発明の組成物における大麦若葉由来食物繊維の含有量としては、その効果の奏する範囲で適宜含有させればよい。例えば、本発明の組成物中に、乾燥質量換算で、大麦若葉由来食物繊維を0.01~80質量%含有させることができ、0.1~75質量%含有させることが好ましく、1~70質量%含有させることがより好ましい。
【0046】
本発明における大麦若葉の摂取量としては特に制限はないが、その効果をより効果的に享受できる点から、大麦若葉の摂取量が、成人の1日当たり、0.25g以上となるように摂取することが好ましく、0.5g以上となるように摂取することがより好ましく、1.0g以上となるように摂取することがさらに好ましい。その上限は、例えば、30gであり、好ましくは20gであり、より好ましくは10gである。
【0047】
また、本発明における大麦若葉由来食物繊維の摂取量としては特に制限はないが、その効果をより効果的に享受できる点から、大麦若葉由来食物繊維の摂取量が、成人の1日当たり、0.125g以上となるように摂取することが好ましく、0.25g以上となるように摂取することがより好ましく、0.5g以上となるように摂取することがさらに好ましい。その上限は、例えば、15gであり、好ましくは10gであり、より好ましくは5gである。
【0048】
本発明の組成物は、大麦若葉や大麦若葉由来食物繊維の1日の摂取量が上記摂取量となるように適宜設計すればよく、1回で上記摂取量を摂取する態様であってもよいし、複数回に分けて上記摂取量を摂取する態様であってもよい。すなわち、例えば、1つの容器に、又は2~4の複数の容器に分けて、1日分として収容することができる。
【0049】
本発明の組成物は、必要に応じて、大麦若葉以外の他の成分を添加して、公知の方法によって製造することができる。
【実施例0050】
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0051】
[大麦若葉末の製造]
原料の大麦若葉として、背丈が約30cmで刈り取った大麦の地上部(葉及び茎)を用いた。これを水洗いし、付着した泥などを除去し、5~10cm程度の大きさに切断する前処理を行った。前処理した大麦若葉を、90~100℃の熱湯で90秒間~120秒間、1回のみブランチング処理し、その後、冷水で冷却した。続いて、得られた大麦若葉を、水分量が5質量%以下となるまで、乾燥機中で、20分間~180分間、80℃~130℃の温風にて乾燥させた。乾燥した大麦若葉を約1mmの大きさに粗粉砕処理した。得られた大麦若葉をジェットミル粉砕機にて微粉砕処理し、水分量5質量%以下の大麦若葉末(大麦若葉粉砕末)を製造した。
【0052】
(食物繊維量)
食品表示基準別添(栄養素等の分析方法等)に記載されているプロスキー法(酵素-重量法)で分析した。大麦若葉末中の総食物繊維量は51.2%であった。
【0053】
[pIgR遺伝子発現量の評価]
(被験動物の飼育)
4週齢の雄性ICR系マウス(日本チャールス・リバーより購入)を3週間馴化させた。馴化期間中にはコントロール飼料(表1参照)を自由摂取させた。馴化後、7週齢となったマウスを2群(各群n=8)に分けて、それぞれコントロール飼料又は大麦若葉配合飼料(表1参照)を4週間自由摂取させた。4週間後、群分けしたマウスを解剖して顎下腺を採取した。なお、コントロール飼料を摂取させた群を比較例1、大麦若葉配合飼料を摂取させた群を実施例1とする。
【0054】
【0055】
(pIgR遺伝子発現量の測定)
採取したマウスの顎下腺からRNeasy Protect Mini Kit(QIAGEN製)を用いてRNAを回収し、ReverTra Ace(登録商標) qPCR RT Master Mix(TOYOBO製)を用いてcDNAを合成した。得られたcDNAを鋳型として、THUNDERBIRD(登録商標) Probe qPCR Mix(TOYOBO製)を用いて反応液を調製し、定量リアルタイムPCR(機器名「StepOnePlus」;Thermo Fisher Applied Biosystems製)を行った。内在性コントロールとしてβ-Actinを用いて、比較Ct法にてpIgR遺伝子発現量を解析した。プライマーとしては表2に記載する配列のものを用いた。
【0056】
【0057】
(結果)
結果を表3に示す。大麦若葉末を摂取した群(実施例1)では、大麦若葉末を摂取しなかった群(比較例1)に比べて、pIgR遺伝子の発現量が増加していた。これにより、大麦若葉がpIgRの発現を促進させることが明らかとなった。
【0058】
【0059】
[実施例2]
(粉末飲料の製造)
下記成分からなる粉末飲料を製造した。具体的には、各原料を混合後、造粒機を用いて流動層造粒を行い、顆粒状の粉末飲料を製造した。製造した粉末飲料は1袋あたり3gとなるようにアルミニウムパウチに充填した。得られた粉末飲料は、80~150mL程度の水に懸濁して摂取することができ、味、香り共に良好であった。実施例2の粉末飲料は、1回あたり3g、1日1回摂取することにより、pIgRの発現が促進され、本発明の効果を奏するものであった。
大麦若葉末 74質量%
抹茶 4質量%
還元麦芽糖 22質量%
【0060】
[実施例3]
(クッキーの製造)
下記成分からなるクッキーを製造した。具体的には、各原料を混合して生地を調製後、型抜きしてオーブンで焼くことにより、大麦若葉を含有するクッキー(1枚あたり9g)を製造した。得られたクッキーは、味、香り共に良好であった。実施例3のクッキーは、1回あたり3枚、1日3回摂取することにより、pIgRの発現が促進され、本発明の効果を奏するものであった。
大麦若葉末 7.41質量%
薄力粉 37.04質量%
バター 15.43質量%
砂糖 18.52質量%
ベーキングパウダー 1.54質量%
卵 20.06質量%