(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024051432
(43)【公開日】2024-04-11
(54)【発明の名称】照明装置
(51)【国際特許分類】
F21S 8/08 20060101AFI20240404BHJP
F21V 21/116 20060101ALI20240404BHJP
F21V 17/12 20060101ALI20240404BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20240404BHJP
F21Y 115/10 20160101ALN20240404BHJP
【FI】
F21S8/08 500
F21V21/116
F21V17/12
F21S2/00 444
F21Y115:10
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022157603
(22)【出願日】2022-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】390005267
【氏名又は名称】YKK AP株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】弁理士法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】戸川 厚
【テーマコード(参考)】
3K011
3K244
【Fターム(参考)】
3K011BA01
3K011BA05
3K011BA08
3K244AA05
3K244BA31
3K244CA03
3K244DA01
3K244EA02
3K244EA12
3K244EA19
3K244HA06
3K244JA03
3K244KA02
3K244KA03
3K244KA05
3K244KA18
(57)【要約】
【課題】意匠性を向上でき、加工作業を軽減でき、施工作業性も向上できる照明装置を提供すること。
【解決手段】照明装置1A,1Bは、発光装置10と、保持部材20と、中空筒状の支柱とを備える。保持部材20は、第1柱当接部と、第1柱当接部よりも平面サイズが小さい第2柱当接部と、第2柱当接部よりも平面サイズが小さい柱取付部とを備える。支柱は、第1支柱30と、第1支柱よりも平面サイズが小さい第2支柱40とから選択される。支柱が第1支柱30である場合は、第2柱当接部および柱取付部は第1支柱30内に配置され、第1支柱30は柱取付部に取り付けられ、第1支柱30の上端面は第1柱当接部の下面に当接される。支柱が第2支柱40である場合は、柱取付部は第2支柱40内に配置され、第2支柱40は柱取付部に取り付けられ、第2支柱40の上端面は第2柱当接部の下面に当接される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
発光装置と、前記発光装置を保持する保持部材と、前記保持部材に取り付けられる中空筒状の支柱とを備え、
前記保持部材は、第1柱当接部と、前記第1柱当接部の下面に連続して形成されて前記第1柱当接部よりも平面サイズが小さい第2柱当接部と、前記第2柱当接部の下面に連続して形成されて前記第2柱当接部よりも平面サイズが小さい柱取付部とを備え、
前記支柱は、第1支柱と、前記第1支柱よりも平面サイズが小さい第2支柱とから選択された支柱であり、
前記支柱が第1支柱である場合は、前記第2柱当接部および前記柱取付部は前記第1支柱内に配置され、前記第1支柱は前記柱取付部に取り付けられ、前記第1支柱の上端面は前記第1柱当接部の下面に当接され、
前記支柱が第2支柱である場合は、前記柱取付部は前記第2支柱内に配置され、前記第2支柱は前記柱取付部に取り付けられ、前記第2支柱の上端面は前記第2柱当接部の下面に当接されている
ことを特徴とする照明装置。
【請求項2】
請求項1に記載の照明装置において、
前記支柱が第1支柱である場合、前記柱取付部には前記第1支柱内に配置されるアタッチメントが取り付けられ、前記第1支柱は前記アタッチメントにネジで固定されている
ことを特徴とする照明装置。
【請求項3】
請求項2に記載の照明装置において、
前記柱取付部の側面にはネジ穴が形成され、
前記ネジ穴は、前記アタッチメントを前記柱取付部に取り付けるネジが螺合されるネジ穴と、前記第2支柱を前記柱取付部に取り付けるネジが螺合されるネジ穴とを兼用する
ことを特徴とする照明装置。
【請求項4】
請求項2に記載の照明装置において、
前記第1支柱および前記第2支柱は角筒状に形成され、
前記アタッチメントは、
角筒状に形成された本体と、前記本体の互いに直交する2つの側面に形成された2つの連結用突条部を備え、
前記本体は、内部に前記柱取付部が挿入可能に形成され、
前記連結用突条部にはネジ穴がそれぞれ形成され、
前記第1支柱は、前記連結用突条部に形成されたネジ穴に螺合されるネジで前記アタッチメントに取り付けられている
ことを特徴とする照明装置。
【請求項5】
請求項4に記載の照明装置において、
前記柱取付部の側面にはネジ穴が形成され、
前記アタッチメントの連結用突条部が形成された2つの側面には、前記柱取付部に形成されたネジ穴に対応する位置に貫通孔が形成され、前記アタッチメントは、前記貫通孔を介して前記柱取付部のネジ穴に螺合されるネジで前記柱取付部に取り付けられている
ことを特徴とする照明装置。
【請求項6】
請求項1に記載の照明装置において、
前記発光装置は、透光性のプレートと、前記プレート内に光を照射する発光部とを備えて構成され、
前記保持部材は、
前記発光部の表面を覆う表面カバーと、
前記発光部の裏面を覆い、前記発光部から延出されるケーブルを前記支柱内に案内する貫通孔を有する裏面カバーと、を備えて構成される
ことを特徴とする照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明装置に関し、特に外構用に好適な照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、真球状のガラスグローブと該グローブを固定するホルダを備え、ホルダに地面から立設されるポールの先端を嵌挿した照明器具が知られている(例えば、特許文献1)。特許文献1に記載の照明器具は、大ポール用取付部と、小ポール用取付部とを有するホルダを備える。したがって、特許文献1に記載の照明器具は、大きい外径のポールと、小さい外径のポールとの2種類の外径のポールに取り付けることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の照明器具では、ホルダの下端面に大ポール用取付部として大ポールを嵌挿する円筒状の孔が形成され、大ポール用取付部の内側に、小ポール用取付部としてグローブ側に突出する一対の突出部が形成され、この突出部の小ポールを嵌挿するための溝部を設けた共通ホルダを用いているため、小ポールを取り付けた場合は大ポール用取付部が露出し、意匠性が低下するという課題がある。
また、大ポールや小ポールは、グローブを取り付ける前にホルダにネジ止めする必要があり、照明装置の施工作業性が低下するという課題もある。
さらに、小ポールを取り付けるためのネジ穴は小ポール取付部に形成され、大ポールを取り付けるためのネジ穴は大ポール取付部に形成されるため、ネジ穴の加工作業が煩雑になるとともに、ネジ止め位置も異なるため、施工作業性も低下するという課題もある。
【0005】
本発明の目的は、意匠性を向上でき、加工作業を軽減でき、施工作業性も向上できる照明装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の照明装置は、発光装置と、前記発光装置を保持する保持部材と、前記保持部材に取り付けられる中空筒状の支柱とを備え、前記保持部材は、第1柱当接部と、前記第1柱当接部の下面に連続して形成されて前記第1柱当接部よりも平面サイズが小さい第2柱当接部と、前記第2柱当接部の下面に連続して形成されて前記第2柱当接部よりも平面サイズが小さい柱取付部とを備え、前記支柱は、第1支柱と、前記第1支柱よりも平面サイズが小さい第2支柱とから選択された支柱であり、前記支柱が第1支柱である場合は、前記第2柱当接部および前記柱取付部は前記第1支柱内に配置され、前記第1支柱は前記柱取付部に取り付けられ、前記第1支柱の上端面は前記第1柱当接部の下面に当接され、前記支柱が第2支柱である場合は、前記柱取付部は前記第2支柱内に配置され、前記第2支柱は前記柱取付部に取り付けられ、前記第2支柱の上端面は前記第2柱当接部の下面に当接されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、意匠性を向上でき、加工作業を軽減でき、施工作業性も向上できる照明装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施形態の照明装置を示す斜視図であり、(A)は第1支柱を用いた第1の照明装置を示す斜視図であり、(B)は第2支柱を用いた第2の照明装置を示す斜視図である。
【
図2】第1の照明装置の要部を示す分解斜視図である。
【
図3】第1の照明装置の要部を示す分解斜視図である。
【
図4】第1の照明装置の要部を示す横断面図である。
【
図6】第2の照明装置の要部を示す分解斜視図である。
【
図7】第2の照明装置の要部を示す分解斜視図である。
【
図8】第2の照明装置の要部を示す横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態の照明装置1を図面に基づいて説明する。
照明装置1は、
図1に示すように、発光装置10と、発光装置10を保持する保持部材20と、保持部材20に対して選択的に取付可能な第1支柱30または第2支柱40を備えて構成されている。すなわち、第1支柱30は、第2支柱40に比べて高さ寸法および平面サイズが大きな支柱である。そして、第1支柱30を用いることで、
図1(A)に示す高さ寸法の大きな第1の照明装置1Aを構成でき、第2支柱40を用いることで、
図1(B)に示す高さ寸法の小さな第2の照明装置1Bを構成できる。
なお、発光装置10および保持部材20は、照明装置1Aおよび照明装置1Bで同一部材とされている。
【0010】
[第1の照明装置]
第1の照明装置1Aに関して、
図1(A)、
図2~
図5を参照して説明する。
発光装置10は、プレート型の発光装置であり、
図2および
図3に示すように、透光性のプレート11と、プレート11内に光を照射する発光部15とを備える。なお、
図1~3において、プレート11の長辺に沿った方向をX軸方向、プレート11の短辺に沿った方向をY軸方向、X軸方向およびY軸方向に直交する高さ方向、つまり第1支柱30の長手方向をZ軸方向とする。また、Z軸方向において、プレート11側を上方、後述するアンカー36、46側を下方と定義する。
【0011】
プレート11は、発光部15から入射された光を透過することができるように、アクリルやガラス等の透光性を有し、屋外に配置されても劣化が少ない材料で構成されている。プレート11は入射する光を拡散させて透過させる光拡散機能を備え、発光部15から入射した光を拡散させて外部に放射可能に構成されている。
プレート11は、第1支柱30の長手方向に沿ったZ軸方向から見た平面視で矩形状に形成された板状部材である。プレート11の四隅のコーナー部の1つには、プレート11の厚さ方向(Z軸方向)に貫通する貫通孔12が形成されている。
プレート11の貫通孔12が形成されたコーナー部の外周面には、Z軸方向に連続する凹溝13が形成されている。また、プレート11の長辺側の側面と、短辺側の側面とには、凹溝13と同様の凹溝13が形成されている。
【0012】
発光部15は、LED等の光源ユニットと、前記光源ユニットを駆動するための電源ユニットと、これらの各ユニットを収納する発光部カバーとを備えて構成されている。本実施形態では、光源としてLEDが用いられ、電源ユニットは交流電流を直流電流に変換する回路などを備えて構成されている。駆動ユニットの内部配線は、電源用のケーブル16に導通されている。このため、発光部15からはケーブル16が延出されている。ケーブル16の端部には、図示を略すが他のケーブルに連結するためのコネクタや、コンセントに差し込まれるプラグが設けられている。
発光部15は、プレート11の貫通孔12内に配置され、貫通孔12の内周面に向かってLEDから光を放射状に照射する。発光部15からプレート11内に照射された光は、プレート11内で拡散されて外部に放射される。
【0013】
保持部材20は、表面カバー21と、裏面カバー25とを備える。表面カバー21は、アルミダイカスト製であり、平面視で矩形状に形成された表面部211と、プレート11の長辺および短辺に沿って直交配置される2つの側面部212とを備えている。
表面部211の裏面には、発光部15の上部が収納される凹部が形成されている。側面部212には、プレート11の各凹溝13にそれぞれ配置される膨出部213が形成されている。各膨出部213には、Z軸方向に沿ってネジ穴が形成されている。
表面部211の裏面には、表面カバー21がプレート11の表面11Aに直接接触しないように、表面樹脂材22が配置されている。
【0014】
裏面カバー25は、表面カバー21と同様に、アルミダイカスト製であり、平面視で矩形状に形成された第1柱当接部251と、第1柱当接部251の裏面に連続して形成された平面視で矩形状の第2柱当接部252と、第2柱当接部252の裏面に連続して形成された柱取付部253とを備えている。
第1柱当接部251は、平面視で表面カバー21とほぼ同じ大きさとされ、第2柱当接部252は、第1柱当接部251よりも一回り小さいサイズとされ、柱取付部253はさらに第2柱当接部252よりも一回り小さいサイズとされている。
第1柱当接部251の3つの角部には、ネジ挿通用の貫通孔2511がZ軸方向に沿って形成されている。また、第1柱当接部251の表面には、表面樹脂材22と同様に、裏面カバー25がプレート11の裏面11Bに直接接触しないように、裏面樹脂材26が配置されている。
柱取付部253は、
図4にも示すように、略角筒状であり、対角線上に配置された一対の角部は厚肉に形成されてネジ穴29が形成されている。すなわち、柱取付部253の直交する2つの面には、
図2にも示すように、アタッチメント50を柱取付部253にネジ56で取り付けるために用いられるネジ穴29が形成されている。また、柱取付部253の他の角部は略円弧状に凹んだ凹部2531とされている。
【0015】
表面カバー21と裏面カバー25とは、第1柱当接部251と側面部212とを当接し、ネジ27を第1柱当接部251の貫通孔2511から側面部212のネジ穴に螺合することで、接合されている。この際、表面カバー21は表面樹脂材22を介してプレート11の表面11Aに当接し、裏面カバー25は裏面樹脂材26を介してプレート11の裏面11Bに当接し、プレート11を表面側および裏面側から挟み込んで保持している。
また、発光部15がプレート11の貫通孔12内に配置され、かつ、プレート11の側面に沿って側面部212が設けられるため、プレート11はZ軸方向に直交するX軸方向およびY軸方向にも移動できないように保持される。
【0016】
裏面カバー25には、Z軸方向に貫通する収納空間254が形成され、この収納空間に発光部15の下部やケーブル16が収納されている。発光部15は、収納空間に収納されて裏面カバー25にネジ17等で固定されている。また、発光部15の配線と、ケーブル16の配線とは、絶縁被覆付閉端接続子等を用いて接続されている。
柱取付部253の下面には開口が形成され、ケーブル16を案内するケーブルコネクタ28が固定されている。したがって、ケーブル16は、ケーブルコネクタ28の貫通孔を通して配置されている。
【0017】
アタッチメント50は、アルミ押出形材で構成され、角筒状に形成された本体51と、本体51の2つの側面に形成された2つの連結用突条部52と、他の2つの側面に形成されたガイド用突条部53とを備えている。アタッチメント50のZ軸方向の寸法は、柱取付部253のZ軸方向の寸法とほぼ同じである。
本体51は、内部に柱取付部253が挿入可能に形成され、平面視で本体51の形状およびサイズは第2柱当接部252とほぼ一致している。
【0018】
連結用突条部52は、本体51の4つの側面のうち、プレート11の凹溝13が形成された2つの側面に沿っていない側面に形成されている。また、連結用突条部52の本体51からの突出寸法は、ガイド用突条部53の突出寸法よりも大きくされている。
すなわち、
図4や後述する
図8に示すように、第2柱当接部252の平面中心位置は、第1柱当接部251の平面中心位置に対してプレート11の凹溝13が形成された角部側に偏心している。このため、第1支柱30のホロー部内にアタッチメント50を配置した際に、第1支柱30の平面中心位置が第1柱当接部251の平面中心位置と一致するように、連結用突条部52の突出寸法をガイド用突条部53よりも大きく設定している。
連結用突条部52には、第1支柱30を固定するためのネジ穴54がそれぞれ形成されている。
本体51において連結用突条部52が形成された2つの側面には、ネジ穴29に対応する位置に形成され、ネジ56が挿通される貫通孔55が形成されている。
【0019】
第1支柱30は、
図3および
図4に示すように、アルミ押出形材によって角筒状に形成されている。第1支柱30の内部空間の四隅には、それぞれビスホールが形成されている。このビスホールは、例えば、第1支柱30の下端にスパイクなどを連結する際に利用される。第1支柱30は、内部にアタッチメント50が挿入可能に形成され、平面視で第1支柱30の形状およびサイズは第1柱当接部251とほぼ同じとされている。
第1支柱30には、ネジ39が挿通される貫通孔31(
図3参照)と、
図1(A)に示すように、通気孔32と、水抜き孔33と、配線用長孔34とが形成されている。通気孔32の上側には孔が形成され、この孔には、地上で配線する場合にケーブル16を挿通するために用いられるグロメット35が装着されている。
第1支柱30の下端には棒状のアンカー36が挿通されている。第1支柱30の下端の配線用長孔34およびアンカー36部分は、地面に埋設される。したがって、ケーブル16を地中に配線する場合は、配線用長孔34を介してケーブル16は配線される。
【0020】
次に、第1の照明装置1Aの組立手順について説明する。
まず、発光装置10と保持部材20とを組み付ける。すなわち、裏面カバー25に発光部15およびケーブル16を取り付け、プレート11の貫通孔12に発光部15を配置し、裏面カバー25と表面カバー21とをネジ27で固定してプレート11を保持する。この際、裏面カバー25および表面カバー21には表面樹脂材22、裏面樹脂材26を装着した状態でプレート11を保持する。
次に、裏面カバー25の柱取付部253のネジ穴29に、アタッチメント50の貫通孔55を介してネジ56を螺合することで、柱取付部253にアタッチメント50を取り付ける。この際、アタッチメント50の上端面は、第2柱当接部252の下面に当接し、アタッチメント50の本体51の側面と、第2柱当接部252の側面とはほぼ面一とされている。
次に、第1支柱30の上端開口に柱取付部253を挿入し、第1支柱30の貫通孔31を介してネジ39をアタッチメント50のネジ穴54に螺合することで、
図5に示すように、第1支柱30と柱取付部253とを固定する。この際、第1支柱30の上端面は、第1柱当接部251の下面に当接し、第1支柱30の側面は第1柱当接部251の側面にほぼ沿って配置される。
【0021】
[第2の照明装置]
次に、第2の照明装置1Bについて、
図1(B)および
図6~
図9を参照して説明する。
照明装置1Bは、発光装置10と、保持部材20と、第2支柱40とを備えて構成されている。発光装置10および保持部材20は、照明装置1Aと同一であるため、同一符号を付して説明を省略する。
【0022】
第2支柱40は、
図6~
図8に示すように、アルミ押出形材によって角筒状に形成されている。第2支柱40は、内部に柱取付部253が挿入可能に形成され、平面視で第2支柱40の形状およびサイズは第2柱当接部252とほぼ同じとされている。
第2支柱40には、ネジ39が挿通される貫通孔41(
図6参照)と、
図1(B)に示すように、通気孔42と、水抜き孔43と、配線用長孔44とが形成されている。第2支柱40の下端には棒状のアンカー46が挿通されている。第2支柱40の下端の配線用長孔44およびアンカー46部分は、地面に埋設される。したがって、ケーブル16は、配線用長孔44を介して地中に配線される。
【0023】
次に、第2の照明装置1Bの組立手順について説明する。
まず、照明装置1Aと同様に、発光装置10と保持部材20とを組み付ける。
次に、裏面カバー25の柱取付部253のネジ穴29に、第2支柱40の貫通孔41を介してネジ39を螺合することで、柱取付部253に第2支柱40を取り付ける。この際、第2支柱40の上端面は、第2柱当接部252の下面に当接し、第2支柱40の側面と、第2柱当接部252の側面とは略面一とされている。
【0024】
[実施形態の効果]
第1支柱30はアタッチメント50を介して裏面カバー25の柱取付部253に固定され、第2支柱40は柱取付部253に直接固定されるため、第2柱当接部252の側面にネジ穴を加工する必要が無い。このため、柱取付部253と第2柱当接部252との両方にネジ穴を加工する場合に比べて加工作業を軽減でき、施工作業性も向上できる。
第2支柱40を取り付けて第2の照明装置1Bを構成した際には、第2柱当接部252の側面が外部に露出するが、ネジ穴などの加工が無いため、第2の照明装置1Bの意匠性を向上できる。
第1支柱30を取り付けて第1の照明装置1Aを構成した際には、第1支柱30の上端面が第1柱当接部251の下面に当接され、第2支柱40を取り付けて第2の照明装置1Bを構成した際には第2支柱40の上端面が第2柱当接部252の下面に当接されるため、裏面カバー25と第1支柱30や第2支柱40との連続性が確保され、意匠性を向上できる。
照明装置1Aおよび照明装置1Bにおいて、発光装置10、保持部材20は共通しているので、例えば、第1支柱30に連結される裏面カバーと、第2支柱40に連結される裏面カバーとをそれぞれ専用品で構成する場合に比べて、製造コストを低減できる。
【0025】
第1支柱30は、内部のホロー部に第2柱当接部252および柱取付部253が挿入可能に形成されるため、平面サイズが第1柱当接部251と同程度の太い支柱で構成できる。このため、第1支柱30の剛性を向上でき、高さ寸法が大きな第1支柱30を利用できて発光装置10を高い位置に配置できる。
第2支柱40は、内部のホロー部に柱取付部253を挿入可能であればよいため、平面サイズが小さな細い支柱で構成できる。このため、スリムな第2支柱40を利用できて意匠性を向上できる。
【0026】
第1支柱30を取り付ける場合は、柱取付部253にアタッチメント50を取り付け、このアタッチメント50に第1支柱30を取り付けている。このため、例えば、第1支柱30をアルミ押出形材で厚肉に形成して柱取付部253に直接取り付ける必要が無く、第1支柱30の製造に必要な材料を少なくできて第1支柱30の製造コストを低減できる。
また、アタッチメント50を用いずに第1支柱30を第2柱当接部252の側面に直接ネジ止めする場合は、平面視での第2柱当接部252のサイズを、第1支柱30のホロー部のサイズに合わせて大きくする必要がある。このため、第2支柱40を柱取付部253に取り付けた際に、第2柱当接部252のネジ穴が露出し、さらに、第2支柱40の側面と第2柱当接部252の側面とを面一にすることはできず、段差が生じるために、照明装置1Bの意匠性が低下する。この意匠性低下を防止するためには、照明装置1A用と、照明装置1B用に2種類のアルミダイカスト製の裏面カバー25を製造する必要があり、コストが増大する。
これに対し、アタッチメント50を用いて第1支柱30を取り付ければ、第2柱当接部252にネジ穴加工が不要となり、第2柱当接部252の平面サイズも第1支柱30のホロー部に合わせる必要が無く、第2支柱40の平面サイズに合わせて設定できて照明装置1Bの意匠性を向上でき、裏面カバー25も1種類でよいため、コストも低減できる。
【0027】
柱取付部253に形成したネジ穴29を、アタッチメント50の取付用と、第2支柱40の取付用とで兼用しているので、柱取付部253に加工するネジ穴を最小限、具体的には2つのネジ穴29にでき、加工作業を軽減できる。
角筒状に形成されたアタッチメント50の本体51の直交する2つの側面に連結用突条部52をそれぞれ形成し、連結用突条部52に形成したネジ穴54を利用して第1支柱30をアタッチメント50に取り付けているので、第1支柱30を連結用突条部52に当接させた位置でネジ39を用いて固定でき、第1支柱30を安定してかつ規定位置に正確に取り付けることができる。
【0028】
アタッチメント50を柱取付部253にネジ56で取り付ける場合と、第1支柱30をアタッチメント50にネジ39で取り付ける場合と、第2支柱40を柱取付部253にネジ39で取り付ける場合とで、アタッチメント50や柱取付部253の同じ側面で作業できるので、施工作業性を向上できる。
【0029】
照明装置1(1A,1B)によれば、第1支柱30や第2支柱40の上端に裏面カバー25を連結し、この裏面カバー25および表面カバー21で覆われる発光部15からの光を透光性のプレート11を介して外部に照射できるため、プレート11から光を拡散させて照射することができる。このため、プレート11の裏面11Bを下方に向ければ足元灯として利用できる。また、プレート11の表面11Aおよび裏面11Bや側面から光を照射できるので、プレート11の下方だけでなく、上方や側方にも光を照射でき、発光装置10の周囲を広く照らすことができる。
その上、透光性のプレート11を介して光を照射するため、プレート11の形状やサイズも自由に選択できてデザイン性を向上できる。さらに、ケーブル16を裏面カバー25のケーブルコネクタ28から第1支柱30や第2支柱40内に配置しているので、ケーブル16が裏面カバー25や第1支柱30、第2支柱40の外部に露出することを防止できる。このため、第1支柱30または第2支柱40と、表面カバー21および裏面カバー25と、プレート11のみが露出するシンプルでデザイン性に優れた照明装置1A、1Bを提供できる。
【0030】
また、発光部15を取り付けた裏面カバー25と、表面カバー21とでプレート11を保持しているので、プレート型の発光装置10を容易に組み立てることができる。さらに、発光部15を表面カバー21および裏面カバー25でカバーしているので、発光部15が外部に露出せず、照明装置1のデザイン性を向上できる。
【0031】
プレート11の角部に形成した貫通孔12に発光部15を配置し、発光部15からの光をプレート11内で拡散して外部に放出しているので、発光部15のサイズが小さくてもプレート11の表面11A、裏面11Bの広い面積からも光を放射できる。
また、発光部15や第1支柱30、第2支柱40の平面サイズはプレート11に比べて小さくできるので、コンパクトで意匠性に優れた照明装置1を構成できる。
発光装置10は、プレート11の貫通孔12に発光部15を配置し、保持部材20である表面カバー21および裏面カバー25でプレート11を保持して構成されるため、プレート11のサイズや形状は適宜設定できる。このため、設置場所に応じてデザイン性に優れた照明装置1を簡単に構成できる。
【0032】
[変形例]
第1支柱30および第2支柱40は、断面形状が矩形状のものに限定されず、断面形状が三角形や六角形などの多角形の支柱でもよいし、断面円形の支柱でもよい。また、裏面カバー25の第1柱当接部251、第2柱当接部252の平面形状は、第1支柱30、第2支柱40の形状に合わせて形成してもよいし、異なる形状としてもよい。
また、第1支柱30は、アタッチメント50に取り付けられるため、アタッチメント50の形状を適宜設定することで、第1支柱30の断面形状は柱取付部253の形状と異なる形状に設定できる。すなわち、第1支柱30の上端面が第1柱当接部251の下面に当接可能であればよく、柱取付部253と第1支柱30の形状の相違はアタッチメント50で吸収すればよい。
照明装置1A、1Bのプレート11は、前記実施形態の構造に限定されない。例えば、プレート11の形状は平面矩形状に限定されず、平面三角形や五角形などの多角形でもよいし、平面円形や楕円形、星形などでもよい。特に、支柱の断面形状とプレートの平面形状とを一致させれば、照明装置のデザイン性を向上できる。
また、プレート11には発光部15が配置される貫通孔12が形成されていたが、貫通孔12ではなく凹部でもよいし、プレート11の側面に沿って発光部を配置する構成でもよい。この際、プレート11を保持部材20で保持するために、プレート11にネジ27が挿通される貫通孔を形成してもよい。
【0033】
第1支柱30は、アタッチメント50を介さずに柱取付部253に直接固定してもよい。すなわち、柱取付部253の直交する2つの側面に第2支柱40を当接してネジ止めし、同様に、柱取付部253の直交する2つの側面に第1支柱30を当接してネジ止めしてもよい。
発光装置10や保持部材20の構成は前記実施形態に限定されない。
【0034】
[発明のまとめ]
本発明の照明装置は、発光装置と、前記発光装置を保持する保持部材と、前記保持部材に取り付けられる中空筒状の支柱とを備え、前記保持部材は、第1柱当接部と、前記第1柱当接部の下面に連続して形成されて前記第1柱当接部よりも平面サイズが小さい第2柱当接部と、前記第2柱当接部の下面に連続して形成されて前記第2柱当接部よりも平面サイズが小さい柱取付部とを備え、前記支柱は、第1支柱と、前記第1支柱よりも平面サイズが小さい第2支柱とから選択された支柱であり、前記支柱が第1支柱である場合は、前記第2柱当接部および前記柱取付部は前記第1支柱内に配置され、前記第1支柱は前記柱取付部に取り付けられ、前記第1支柱の上端面は前記第1柱当接部の下面に当接され、前記支柱が第2支柱である場合は、前記柱取付部は前記第2支柱内に配置され、前記第2支柱は前記柱取付部に取り付けられ、前記第2支柱の上端面は前記第2柱当接部の下面に当接されていることを特徴とする。
本発明によれば、第1支柱および第2支柱はともに柱取付部に固定されるため、第2柱当接部の側面にネジ穴を加工する必要がない。このため、加工作業を軽減でき、施工作業性も向上できる。また、第2支柱を取り付けた際には、第2柱当接部の側面が外部に露出するが、ネジ穴などの加工が無いため意匠性を向上できる。その上、第1支柱を取り付けた際には第1支柱の上端面が第1柱当接部の下面に当接され、第2支柱を取り付けた際には第2支柱の上端面が第2柱当接部の下面に当接されるため、保持部材と支柱との連続性が確保され、意匠性を向上できる。
第1支柱は、内部のホロー部に第2柱当接部および柱取付部が挿入可能に形成されるため、平面サイズが第1柱当接部と同程度の太い支柱で構成できる。このため、第1支柱の剛性を向上でき、高さ寸法が大きな第1支柱を利用できて発光装置を高い位置に配置できる。
第2支柱は、内部のホロー部に柱取付部を挿入可能であればよいため、平面サイズが小さな細い支柱で構成できる。このため、スリムな支柱を利用できて意匠性を向上できる。
【0035】
本発明の照明装置において、前記支柱が第1支柱である場合、前記柱取付部には前記第1支柱内に配置されるアタッチメントが取り付けられ、前記第1支柱は前記アタッチメントにネジで固定されていることが好ましい。
本発明によれば、柱取付部と第1支柱との間に隙間があっても、アタッチメントを設けることで、その隙間を埋めることができるため、第1支柱はアタッチメントを介して柱取付部に固定することができる。このため、第1支柱に厚肉部を設けて柱取付部に固定する必要が無く、第1支柱の製造コストを低減できる。
【0036】
本発明の照明装置において、前記柱取付部の側面にはネジ穴が形成され、前記ネジ穴は、前記アタッチメントを前記柱取付部に取り付けるネジが螺合されるネジ穴と、前記第2支柱を前記柱取付部に取り付けるネジが螺合されるネジ穴とを兼用することが好ましい。
本発明によれば、アタッチメントの取付用のネジ穴と、第2支柱の取付用のネジ穴とを兼用しているので、柱取付部に加工するネジ穴を最小限にでき、加工作業を軽減できる。
【0037】
本発明の照明装置において、前記第1支柱および前記第2支柱は角筒状に形成され、前記アタッチメントは、角筒状に形成された本体と、前記本体の互いに直交する2つの側面に形成された2つの連結用突条部を備え、前記本体は、内部に前記柱取付部が挿入可能に形成され、前記連結用突条部にはネジ穴がそれぞれ形成され、前記第1支柱は、前記連結用突条部に形成されたネジ穴に螺合されるネジで前記アタッチメントに取り付けられていることが好ましい。
本発明によれば、角筒状に形成されたアタッチメントの本体の直交する2つの側面に連結用突条部をそれぞれ形成し、この連結用突条部に形成したネジ穴を利用して第1支柱をアタッチメントに取り付けているので、第1支柱を連結用突条部に当接させた位置でネジ固定でき、第1支柱を安定してかつ規定位置に正確に取り付けることができる。
【0038】
本発明の照明装置において、前記柱取付部の側面にはネジ穴が形成され、前記アタッチメントの連結用突条部が形成された2つの側面には、前記柱取付部に形成されたネジ穴に対応する位置に貫通孔が形成され、前記アタッチメントは、前記貫通孔を介して前記柱取付部のネジ穴に螺合されるネジで前記柱取付部に取り付けられていることが好ましい。
本発明によれば、アタッチメントを柱取付部にネジで取り付ける場合と、第1支柱をアタッチメントにネジで取り付ける場合と、第2支柱を柱取付部にネジで取り付ける場合とで、アタッチメントや柱取付部の同じ側面で作業できるので、施工作業性を向上できる。
【0039】
本発明の照明装置において、前記発光装置は、透光性のプレートと、前記プレート内に光を照射する発光部とを備えて構成され、前記保持部材は、前記発光部の表面を覆う表面カバーと、前記発光部の裏面を覆い、前記発光部から延出されるケーブルを前記支柱内に案内する貫通孔を有する裏面カバーと、を備えて構成されることが好ましい。
本発明によれば、中空筒状の支柱の上端に裏面カバーを連結し、この裏面カバーおよび表面カバーで覆われる発光部からの光を透光性のプレートを介して外部に照射できるため、プレートから光を拡散させて照射することができる。このため、プレートの対向する2つの面から光を照射できるので、プレートの向きを設定することで、下方および上方や、前方および後方に光を照射でき、照明装置の足元や周囲を広く照らすこともできる。その上、透光性のプレートを介して光を照射するため、プレートの形状も自由に選択できてデザイン性を向上できる。
【符号の説明】
【0040】
1…照明装置、1A…第1の照明装置、1B…第2の照明装置、10…発光装置、11…プレート、11A…表面、11B…裏面、12…貫通孔、15…発光部、16…ケーブル、20…保持部材、21…表面カバー、25…裏面カバー、27…ネジ、29…ネジ穴、30…第1支柱、31…貫通孔、39…ネジ、40…第2支柱、41…貫通孔、50…アタッチメント、51…本体、52…連結用突条部、53…ガイド用突条部、54…ネジ穴、55…貫通孔、56…ネジ、251…第1柱当接部、252…第2柱当接部、253…柱取付部、2511…貫通孔。