(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024051438
(43)【公開日】2024-04-11
(54)【発明の名称】液圧制御装置
(51)【国際特許分類】
B60T 8/34 20060101AFI20240404BHJP
【FI】
B60T8/34
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022157612
(22)【出願日】2022-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】301065892
【氏名又は名称】株式会社アドヴィックス
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】笠井 智考
(72)【発明者】
【氏名】遠山 智孝
【テーマコード(参考)】
3D246
【Fターム(参考)】
3D246BA02
3D246DA01
3D246GA11
3D246LA17B
3D246LA20B
3D246LA79A
3D246LA79B
(57)【要約】
【課題】一例として、複数の部材を互いに導通させるコイルバネの座屈を抑制できる液圧制御装置を得る。
【解決手段】実施形態に係る液圧制御装置は、第1の部材と、前記第1の部材に取り付けられた第2の部材と、を有し、内部空間が設けられた、筐体と、前記第1の部材又は前記第2の部材に取り付けられた、電磁弁と、前記内部空間に収容され、前記第2の部材に向く電極を有する、回路基板と、前記第1の部材の金属部分に支持された第1の端部と、前記第2の部材の金属部分に支持された第2の端部と、前記第1の端部と前記第2の端部との間に位置するとともに前記電極に支持された中間部と、を有し、前記第1の部材と前記第2の部材との間で圧縮されるとともに、前記電極と前記第2の部材との間で圧縮され、前記第1の部材と前記第2の部材と前記電極とを互いに導通させ、前記第2の端部における外径が前記中間部における外径と異なる、コイルバネと、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも部分的に金属で作られた第1の部材と、少なくとも部分的に金属で作られるとともに前記第1の部材に直接的又は間接的に取り付けられた第2の部材と、を有し、前記第1の部材と前記第2の部材との間に内部空間が設けられた、筐体と、
前記内部空間に収容され、前記第1の部材又は前記第2の部材に取り付けられた、電磁弁と、
前記内部空間に収容され、前記第2の部材に向く電極を有する、回路基板と、
前記第1の部材のうち金属で作られた部分に支持された第1の端部と、前記第2の部材のうち金属で作られた部分に支持された第2の端部と、前記第1の端部と前記第2の端部との間に位置するとともに前記電極に支持された中間部と、を有し、前記第1の部材と前記第2の部材との間で圧縮されるとともに、前記電極と前記第2の部材との間で圧縮され、金属で作られて、前記第1の部材と前記第2の部材と前記電極とを互いに導通させ、前記第2の端部における外径が前記中間部における外径と異なる、コイルバネと、
を具備する液圧制御装置。
【請求項2】
前記筐体は、前記第1の部材と前記回路基板との間に位置するとともに貫通孔が設けられた壁を有し、
前記コイルバネのうち前記第1の端部と前記中間部との間の部分は、前記貫通孔を通って延びるとともに、前記貫通孔の内面によって当該貫通孔が延びる方向と直交する方向に移動することを制限され、
前記第1の部材と前記壁との間の距離は、前記コイルバネのうち前記第1の端部と前記中間部との間の部分の外径よりも短い、
請求項1の液圧制御装置。
【請求項3】
前記筐体は、前記第1の部材と前記回路基板との間に位置するとともに貫通孔が設けられた壁を有し、
前記コイルバネのうち前記第1の端部と前記中間部との間の部分は、前記貫通孔を通って延び、
前記貫通孔の内面は、前記コイルバネのうち前記第1の端部と前記中間部との間の中央に位置する部分が、前記貫通孔が延びる方向と直交する方向に移動することを制限する、
請求項1の液圧制御装置。
【請求項4】
前記コイルバネは、前記第2の端部と前記中間部との間に位置する大径部と、前記第2の端部と前記中間部との間に位置するとともに外径が前記大径部の内径よりも短い小径部と、を有し、
前記小径部の少なくとも一部が、前記大径部の内側に位置する、
請求項1の液圧制御装置。
【請求項5】
前記コイルバネは、前記第2の端部と前記中間部との間において前記第2の端部に向かって先細る、
請求項1乃至請求項4のいずれか一つの液圧制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、液圧制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えばブレーキ装置の液路における圧力を調整する液圧制御装置が知られている。液圧制御装置は、例えば、電磁弁のような種々の部品が取り付けられたハウジングと、当該部品を制御する回路基板と、当該回路基板を覆うカバーとを有する。
【0003】
例えばグランド接続のために、ハウジング、回路基板、及びカバーは、互いに導通させられる。例えば、金属製のコイルバネ及び板バネが、ハウジング、回路基板、及びカバーの導通に用いられる(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の構成では、コイルバネに座屈が生じる可能性がある。その場合、当該コイルバネによる部材間の導通が不確実になる可能性がある。
【0006】
そこで、本発明は上記に鑑みてなされたものであり、複数の部材を互いに導通させるコイルバネの座屈を抑制できる液圧制御装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施形態に係る液圧制御装置は、一例として、少なくとも部分的に金属で作られた第1の部材と、少なくとも部分的に金属で作られるとともに前記第1の部材に直接的又は間接的に取り付けられた第2の部材と、を有し、前記第1の部材と前記第2の部材との間に内部空間が設けられた、筐体と、前記内部空間に収容され、前記第1の部材又は前記第2の部材に取り付けられた、電磁弁と、前記内部空間に収容され、前記第2の部材に向く電極を有する、回路基板と、前記第1の部材のうち金属で作られた部分に支持された第1の端部と、前記第2の部材のうち金属で作られた部分に支持された第2の端部と、前記第1の端部と前記第2の端部との間に位置するとともに前記電極に支持された中間部と、を有し、前記第1の部材と前記第2の部材との間で圧縮されるとともに、前記電極と前記第2の部材との間で圧縮され、金属で作られて、前記第1の部材と前記第2の部材と前記電極とを互いに導通させ、前記第2の端部における外径が前記中間部における外径と異なる、コイルバネと、を備える。よって、一例としては、液圧制御装置は、コイルバネの座屈を抑制するためのガイドを設けることなく、第2の端部と中間部との間におけるコイルバネの座屈を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、第1の実施形態に係る液圧制御装置を概略的に示す断面図である。
【
図2】
図2は、第1の実施形態の液圧制御装置の一部を示す断面図である。
【
図3】
図3は、第2の実施形態に係る液圧制御装置の一部を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1の実施形態)
以下に、第1の実施形態について、
図1及び
図2を参照して説明する。なお、本明細書において、実施形態に係る構成要素及び当該要素の説明が、複数の表現で記載されることがある。構成要素及びその説明は、一例であり、本明細書の表現によって限定されない。構成要素は、本明細書におけるものとは異なる名称でも特定され得る。また、構成要素は、本明細書の表現とは異なる表現によっても説明され得る。
【0010】
図1は、第1の実施形態に係る液圧制御装置10を概略的に示す断面図である。液圧制御装置10は、例えば、自動車のような車両に搭載される。液圧制御装置10は、車両のブレーキ装置の液路における圧力(液圧)を調整する。なお、液圧制御装置10は、この例に限られない。
【0011】
各図面に示されるように、本明細書において、便宜上、X軸及びY軸が定義される。X軸とY軸とは、互いに直交する。X軸は、液圧制御装置10の幅に沿って設けられる。Y軸は、液圧制御装置10の厚さに沿って設けられる。
【0012】
さらに、本明細書において、X方向及びY方向が定義される。X方向は、X軸に沿う方向であって、X軸の矢印が示す+X方向と、X軸の矢印の反対方向である-X方向とを含む。Y方向は、Y軸に沿う方向であって、Y軸の矢印が示す+Y方向と、Y軸の矢印の反対方向である-Y方向とを含む。
【0013】
液圧制御装置10は、筐体11と、ポンプ12と、モータ13と、電磁弁14と、エレクトロニックコントロールユニット(ECU)15と、コイルバネ16と、複数のネジ17,18とを有する。ECU15は、回路基板の一例である。コイルバネ16は、導電部材とも称され得る。
【0014】
筐体11は、ハウジング部材21と、ケース部材22と、カバー部材23とを有する。ハウジング部材21は、第1の部材の一例である。カバー部材23は、第2の部材の一例である。
【0015】
ハウジング部材21は、少なくとも部分的に導電性の金属で作られる。本実施形態において、ハウジング部材21は、ブロック31と、ヨーク32とを有する。ブロック31及びヨーク32のそれぞれは、全体が導電性の金属で作られる。なお、ブロック31及びヨーク32は、この例に限られない。
【0016】
ブロック31は、略立方体状に形成される。なお、ブロック31の形状は、この例に限られない。ブロック31に、ポンプ12、モータ13、電磁弁14、及び種々の部品が取り付けられる。
【0017】
ブロック31は、二つの側面31a,31bを有する。側面31aは、略平坦に形成され、略+Y方向に向く。側面31bは、側面31aの反対側に位置する。側面31bは、略平坦に形成され、略-Y方向に向く。なお、側面31a,31bに凹凸が設けられても良い。
【0018】
ブロック31に、ポンプ装着穴35と、バルブ装着穴36と、挿通孔37と、複数の流路38とが設けられる。ポンプ装着穴35は、側面31bに設けられた窪みである。ポンプ装着穴35に、ポンプ12が収容される。バルブ装着穴36は、側面31aに設けられた窪みである。バルブ装着穴36に、電磁弁14が取り付けられる。挿通孔37は、ブロック31をY方向に貫通し、二つの側面31a,31bに開口する。
【0019】
複数の流路38のうち一つは、例えば、ポンプ装着穴35とバルブ装着穴36とを連通する。また、複数の流路38のうち他の一つは、バルブ装着穴36とブロック31の外部におけるブレーキ装置の液路とを連通する。複数の流路38のうち他の一つは、ポンプ装着穴35とブロック31の外部におけるブレーキ装置の液路とを連通しても良い。複数の流路38は、この例に限られない。例えば、複数の流路38は、バルブ装着穴36と、ブロック31に取り付けられるバルブ、リザーバ、又はセンサのような部品とを連通しても良い。
【0020】
ヨーク32は、バルブ装着穴36の近傍に配置され、電磁弁14に取り付けられる。ヨーク32は、例えば側面31aに当接し、ブロック31に電気的に接続される。ブロック31とヨーク32との間に、他の導電体が介在しても良い。
【0021】
ケース部材22は、例えば合成樹脂で作られる。なお、ケース部材22は、他の材料で作られても良い。ケース部材22は、中間壁41と、枠壁42とを有する。中間壁41は、壁の一例である。
【0022】
図2は、第1の実施形態の液圧制御装置10の一部を示す断面図である。中間壁41は、Y軸と略直交する板状に形成され、ブロック31及びヨーク32から+Y方向に離間している。
図2に示すように、中間壁41は、二つの表面41a,41bと、二つのガイド41c,41dとを有する。
【0023】
表面41aは、略平坦に形成され、略+Y方向に向く。表面41bは、表面41aの反対側に位置する。表面41bは、略平坦に形成され、略-Y方向に向く。表面41bは、間隔を介してブロック31の側面31aとヨーク32とに向く。
【0024】
ガイド41cは、表面41aから略+Y方向に突出する、略円筒状の突起である。ガイド41dは、表面41bから略-Y方向に突出する、略円筒状の突起である。Y軸と直交する方向において、ガイド41c,41dは略同一位置に配置される。
【0025】
中間壁41に、貫通孔45が設けられる。貫通孔45は、中間壁41を略Y方向に貫通する略円形の孔である。すなわち、貫通孔45は、Y方向に延びている。二つの円筒状のガイド41c,41dは、貫通孔45の周りに設けられる。ガイド41c,41dと貫通孔45とは、同軸(同心)に配置される。中間壁41は、貫通孔45の内面45aをさらに有する。略円筒状のガイド41c,41dの内面が、貫通孔45の内面45aの少なくとも一部を形成する。なお、ガイド41c,41dが省略され、貫通孔45が表面41a,41bに開口しても良い。
【0026】
図1に示すように、枠壁42は、中間壁41の縁から、ブロック31の側面31aに向かって延びている。枠壁42は、例えばネジ17によって、ブロック31に取り付けられる。なお、枠壁42は、他の方法によりブロック31に取り付けられても良い。
【0027】
ケース部材22に、複数の電気部品48が組み込まれる。電気部品48は、例えば、バスバーのような端子、種々の回路、及びコネクタを含む。電気部品48は、例えばインサート成形によってケース部材22と一体に形成される。
【0028】
図2に示すように、カバー部材23は、樹脂部分51と、金属膜52とを有する。樹脂部分51は、例えば、合成樹脂で作られる。金属膜52は、導電性の金属で作られる。すなわち、カバー部材23は、部分的に導電性の金属で作られる。なお、カバー部材23の全体が導電性の金属で作られても良い。
【0029】
図1に示すように、樹脂部分51は、例えば、スナップフィットにより、ケース部材22の枠壁42に取り付けられる。これにより、カバー部材23は、ケース部材22を介して間接的にハウジング部材21に取り付けられる。なお、カバー部材23は、直接的にハウジング部材21に取り付けられても良い。また、樹脂部分51は、他の方法によりケース部材22に取り付けられても良い。
【0030】
図2に示すように、樹脂部分51は、内面51aと、外面51bとを有する。内面51aは、間隔を介してケース部材22に向く。金属膜52は、内面51aを覆い、内面51aに付着している。外面51bは、内面51aの反対側に位置する。外面51bは、筐体11の外部に向く。
【0031】
筐体11に、内部空間Sが設けられる。内部空間Sは、筐体11によって囲まれた空間であり、ハウジング部材21とカバー部材23との間に位置する。
図1に示すように、ブロック31の側面31aと、カバー部材23の金属膜52とは、内部空間Sに面する。電磁弁14、ECU15,及びコイルバネ16は、内部空間Sに収容される。
【0032】
内部空間Sは、ハウジング部材21とケース部材22との間の部分と、ケース部材22とカバー部材23との間の部分とを有する。しかし、内部空間Sの当該二つの部分は、中間壁41に設けられた貫通孔45及び他の孔を通じて互いに連通する。
【0033】
ポンプ12は、例えばギヤポンプである。なお、ポンプ12は、他の種類のポンプであっても良い。ポンプ12は、例えば流路38を通じて、ブレーキ装置の液路にブレーキ液を送ることができる。
【0034】
モータ13は、例えば、三相ブラシレスモータである。なお、モータ13は、他の種類のモータであっても良い。モータ13は、例えばネジ18によって、ブロック31の側面31bに取り付けられる。モータ13は、ポンプ12の回転子を駆動する。モータ13のハーネス13aは、ブロック31の挿通孔37を通って延び、例えば電気部品48に接続される。
【0035】
ブロック31と枠壁42との間の隙間、枠壁42と樹脂部分51との間の隙間、及びモータ13とブロック31との間の隙間は、例えば、ガスケットにより封止されても良い。これにより、内部空間Sは、液密に封止される。
【0036】
電磁弁14は、例えば、差圧制御弁、増圧制御弁、又は減圧制御弁である。電磁弁14は、当該電磁弁14のソレノイド14aに電流を流されることで、バルブ装着穴36に連通する流路38を開放し又は閉鎖する。電磁弁14は、当該電磁弁14の上流の流路38と下流の流路38との間で圧力差を生じさせても良い。
【0037】
ソレノイド14aは、例えば非磁性体のスプールに巻き付けられ、ヨーク32に収容される。ソレノイド14aが発生させた磁束は、磁性体であるヨーク32を通過する。ソレノイド14aは、例えばバスバーのような電気部品48に電気的に接続される。なお、ソレノイド14aは、この例に限られない。
【0038】
ECU15は、基板61と、
図2に示す接触電極62と、
図1に示す電子部品63とを有する。接触電極62は、電極の一例である。基板61は、例えば、プリント回路板(PCB)である。なお、基板61は、他の種類の基板であっても良い。
【0039】
基板61は、Y方向と略直交する板状に形成される。基板61は、ケース部材22の中間壁41とカバー部材23の金属膜52との間に位置し、ケース部材22に取り付けられる。すなわち、中間壁41は、ハウジング部材21とECU15との間に位置する。
図2に示すように、基板61は、二つの表面61a,61bを有する。
【0040】
表面61aは、略平坦に形成され、略+Y方向に向く。表面61aは、間隔を介して金属膜52に向く。表面61bは、表面61aの反対側に位置する。表面61bは、略平坦に形成され、略-Y方向に向く。表面61bは、中間壁41の表面41aに向く。
【0041】
基板61に、貫通孔65が設けられる。貫通孔65は、基板61を略Y方向に貫通する略円形の孔である。なお、貫通孔65は、基板61の縁に開口する切り欠きであっても良い。貫通孔65は、表面61a,61bに開口する。基板61の貫通孔65と、中間壁41の貫通孔45とは、同軸(同心)に配置される。貫通孔45,65の直径は、互いに略等しい。
【0042】
図1に示すように、基板61は、電気部品48を介して、モータ13のハーネス13a及び電磁弁14のソレノイド14aに電気的に接続される。基板61に、端子のような電気部品48が挿入されるスルーホールが設けられても良い。
【0043】
図2に示すように、接触電極62は、表面61aに設けられる。このため、接触電極62は、カバー部材23の金属膜52に向く。接触電極62は、例えば、表面61aに設けられたパッド、又は当該パッドに接合された金属片である。接触電極62は、貫通孔65の周りに設けられる。
【0044】
図1に示す電子部品63は、例えば、IC、マイコン、及び他の種々の部品を含む。電子部品63は、基板61に実装される。ECU15は、基板61の配線及び電子部品63により形成される電子回路を有する。当該電子回路は、電気部品48を通じてモータ13及び電磁弁14の駆動を制御する。なお、当該電子回路は、他の部品を有しても良い。また、電気部品48は、基板61とハーネス13a又はソレノイド14aとの間に介在するパワー回路のような回路を有しても良い。
【0045】
図2に示すように、中間壁41のガイド41cは、表面41aから基板61に向かって延びている。ガイド41cは、基板61の表面61bから離間している。中間壁41のガイド41dは、表面41bからヨーク32に向かって延びている。ガイド41dは、ヨーク32から離間している。
【0046】
コイルバネ16は、導電性の金属で作られ、略Y方向に延びる圧縮コイルバネである。コイルバネ16は、第1の部分71と第2の部分72とを有する。第1の部分71は、コイルバネのうち第1の端部と中間部との間の部分の一例である。
【0047】
第1の部分71と第2の部分72とは、それぞれがコイルバネ16の一部であり、互いに連続している。すなわち、第1の部分71及び第2の部分72において、線(ワイヤ)の直径は略等しい。なお、第1の部分71及び第2の部分72は、この例に限られない。
【0048】
第1の部分71は、略Y方向に延びる略円筒形の螺旋状に形成される。すなわち、第1の部分71の外径、内径、及び中心径は略一定である。第1の部分71の外径は、貫通孔45の直径よりも僅かに短く、且つ貫通孔65の直径よりも僅かに短い。
【0049】
例えば、第1の部分71の外径と貫通孔45の直径との差は、第1の部分71の外径よりも短い。本実施形態では、第1の部分71の外径と貫通孔45の直径との差は、第1の部分71の線の直径の二倍よりも短い。なお、第1の部分71は、この例に限られない。
【0050】
+Y方向における第1の部分71の端部71aは、第2の部分72に接続される。-Y方向における第1の部分71の端部71bは、-Y方向におけるコイルバネ16の端部である。端部71bは、第1の端部の一例である。
【0051】
+Y方向における第2の部分72の端部72aにおける外径は、-Y方向における第2の部分72の端部72bにおける外径と異なる。本実施形態では、第2の部分72は、+Y方向に先細る略円錐形の螺旋状に形成される。言い換えると、コイルバネ16は、端部72aと端部72bとの間において、端部72aに向かって先細る。
【0052】
端部72aの外径、内径、及び中心径は、端部72bの外径、内径、及び中心径よりも短い。端部72bの外径は、貫通孔45の直径よりも長く、且つ貫通孔65の直径よりも長い。このため、第2の部分72の端部72bの外径は、第1の部分71の端部71aの外径よりも長い。
【0053】
+Y方向における第2の部分72の端部72aは、+Y方向におけるコイルバネ16の端部である。端部72aは、第2の端部の一例である。第2の部分72の端部72bは、第1の部分71の端部71aに接続される。また、第2の部分72の端部72bは、第1の部分71の端部71bと第2の部分72の端部72aとの間に位置する。端部72bは、中間部の一例である。
【0054】
コイルバネ16は、貫通孔45,65を通って、ハウジング部材21のヨーク32と、カバー部材23の金属膜52との間で延びている。言い換えると、コイルバネ16は、中間壁41及び基板61を貫通している。
【0055】
第1の部分71の端部71bは、ヨーク32に当接し、ヨーク32に支持される。すなわち、端部71bは、ハウジング部材21のうち金属で作られた部分に支持される。なお、端部71bは、ブロック31の側面31aに支持されても良い。第2の部分72の端部72aは、金属膜52に当接し、金属膜52に支持される。すなわち、端部72aは、カバー部材23のうち金属で作られた部分に支持される。
【0056】
コイルバネ16は、ハウジング部材21とカバー部材23との間でY方向に圧縮されている。このため、コイルバネ16は、弾性変形からの復元力でヨーク32を-Y方向に押すとともに、金属膜52を+Y方向に押す。
【0057】
第2の部分72の端部72bは、接触電極62に当接し、接触電極62に支持される。第2の部分72は、接触電極62とカバー部材23との間でY方向に圧縮されている。このため、第2の部分72は、弾性変形からの復元力で接触電極62を-Y方向に押す。
【0058】
第1の部分71がY方向に圧縮される長さx1と、第1の部分71のY方向におけるバネ定数k1と、第2の部分72がY方向に圧縮される長さx2と、第2の部分72のY方向におけるバネ定数k2とは、コイルバネ16がヨーク32、金属膜52、及び接触電極62に確実に接触するように設定される。例えば、バネ定数k2は、バネ定数k1より大きくなるよう設定される。
【0059】
長さx1とバネ定数k1との積は、所定の力P1よりも大きくなるように設定される。力P1は、コイルバネ16がヨーク32に確実に接触するために設定された、第1の部分71の端部71bがヨーク32を押す力である。
【0060】
長さx2とバネ定数k2との積は、所定の力P2よりも大きくなるように設定される。力P2は、コイルバネ16が金属膜52に確実に接触するために設定された、第2の部分72の端部72aが金属膜52を押す力である。
【0061】
長さx2とバネ定数k2との積から長さx1とバネ定数k1との積を減じた差は、所定の力P3よりも大きくなるように設定される。力P3は、コイルバネ16が接触電極62に接触するために設定された、第2の部分72の端部72bが接触電極62を押す力である。
【0062】
第1の部分71は、貫通孔45,65を通って延びている。第1の部分71のうち、少なくとも当該第1の部分71の中央部分71cは、貫通孔45の内面45aによって囲まれる。中央部分71cは、コイルバネ16のうち第1の部分71の端部71bと第2の部分72の端部72bとの間の中央に位置する部分である。
【0063】
第1の部分71がY軸と直交する方向に移動しようとするとき、第1の部分71のうち少なくとも中央部分71cが、貫通孔45の内面45aに当接する。これにより、貫通孔45の内面45aは、第1の部分71のうち少なくとも中央部分71cがY方向と直交する方向に移動することを制限する。
【0064】
ECU15の基板61と、中間壁41のガイド41cとの間の距離は、第1の部分71の外径よりも短い。また、ヨーク32と、中間壁41のガイド41dとの間の距離は、第1の部分71の外径よりも短い。なお、ECU15と中間壁41との間の間隔と、ヨーク32と中間壁41との間の間隔とは、この例に限られない。
【0065】
上述のように、コイルバネ16は、第1の部分71の端部71bでヨーク32に当接し、第2の部分72の端部72aで金属膜52に当接し、端部72bで接触電極62に当接する。このため、コイルバネ16は、ハウジング部材21のヨーク32と、カバー部材23の金属膜52と、接触電極62とを互いに導通させる。なお、コイルバネ16とヨーク32との間、コイルバネ16と金属膜52との間、又はコイルバネ16と接触電極62との間に、他の導電体が介在しても良い。
【0066】
ハウジング部材21のブロック31は、例えば、車両の車体に電気的に接続されている。さらに、接触電極62は、例えば、基板61のグランド配線に電気的に接続されている。このため、コイルバネ16と、ブロック31と、ヨーク32と、金属膜52と、基板61のグランド配線と、接触電極62とは、車体と略同一の電位(グランド電位)となることができる。
【0067】
例えば、モータ13又は電磁弁14のソレノイド14aの駆動電流の変化に応じて、モータ13、ソレノイド14a、電気部品48、又は基板61の配線からノイズが発生することがある。当該ノイズ、又は他のノイズは、グランド電位のコイルバネ16、ブロック31、ヨーク32、金属膜52、基板61のグランド配線、又は接触電極62に流れる。これにより、液圧制御装置10は、ノイズを低減することができる。
【0068】
例えば熱変形又は振動により、ECU15、ハウジング部材21、及びカバー部材23が、Y軸と直交する方向に相対的に移動することがある。コイルバネ16は、弾性変形からの復元力により、ヨーク32、金属膜52、及び接触電極62を押す。このため、コイルバネ16とヨーク32との間、コイルバネ16と金属膜52との間、及びコイルバネ16と接触電極62との間に、摩擦が生じ得る。
【0069】
コイルバネ16は、摩擦によってヨーク32、金属膜52、及び接触電極62に接触した状態を保たれ、ECU15、ハウジング部材21、及びカバー部材23の相対的な移動に追従して変形する。このため、コイルバネ16、ヨーク32、金属膜52、及び接触電極62の摩耗が抑制される。従って、例えば、摩耗によりコイルバネ16、ヨーク32、金属膜52、及び接触電極62の間で接触不良が生じることと、摩耗により生じる異物がECU15に短絡を生じさせることとが抑制される。
【0070】
一般的に、圧縮されたコイルバネは、座屈する可能性がある。しかし、例えば円錐形の螺旋状に形成されたコイルバネのように複数の外径を有するコイルバネは、単純な円筒形の螺旋状に形成されたコイルバネよりも、座屈しにくい。このため、本実施形態におけるコイルバネ16の第2の部分72は、座屈することを抑制できる。
【0071】
中間壁41の貫通孔45の内面45aは、コイルバネ16の第1の部分71に当接することで、当該第1の部分71が座屈することを抑制できる。ただし、第1の部分71が座屈する可能性はある。
【0072】
本実施形態では、中間壁41がヨーク32及び基板61に近接している。このため、座屈した第1の部分71は、中間壁41とヨーク32との間の隙間、及び中間壁41と基板61との間の隙間に進入しにくい。すなわち、液圧制御装置10は、第1の部分71が大きく座屈することを抑制できる。
【0073】
以上のように、コイルバネ16の形状により、当該コイルバネ16の座屈が抑制される。このため、カバー部材23は、コイルバネ16の座屈を抑制するためのガイドを有する必要が無い。従って、例えば、液圧制御装置10の設計におけるガイドと貫通孔45,65との高精度な位置決めが不要となり、液圧制御装置10の設計が容易となる。
【0074】
以上説明された第1の実施形態に係る液圧制御装置10において、筐体11は、ハウジング部材21とカバー部材23とを有する。ハウジング部材21及びカバー部材23は、少なくとも部分的に金属で作られるとともに、互いに直接的又は間接的に取り付けられる。筐体11のハウジング部材21とカバー部材23との間に内部空間Sが設けられる。ECU15は、内部空間Sに収容され、カバー部材23に向く接触電極62を有する。コイルバネ16は、金属で作られ、端部71bと、端部72aと、端部72bとを有する。端部71bは、ハウジング部材21のうち金属で作られたヨーク32に支持される。端部72aは、カバー部材23のうち金属で作られた金属膜52に支持される。端部72bは、端部71bと端部72aとの間に位置するとともに、接触電極62に支持される。コイルバネ16は、ハウジング部材21とカバー部材23との間で圧縮されるとともに、接触電極62とカバー部材23との間で圧縮され、ハウジング部材21とカバー部材23と接触電極62とを互いに導通させる。これにより、液圧制御装置10は、一つのコイルバネ16により三つの部品(ハウジング部材21、カバー部材23、及び接触電極62)を導通させることができ、導通のための部品の点数を低減できる。すなわち、液圧制御装置10は、コストを低減することができる。さらに、コイルバネ16は、当該コイルバネ16が接触する面に沿う方向(Y軸と直交する方向)のハウジング部材21、カバー部材23、及びECU15の動きに追従して変形することができる。このため、液圧制御装置10は、コイルバネ16、ハウジング部材21、カバー部材23、及び接触電極62の摩耗を抑制でき、ひいては摩耗により異物が発生することを抑制できる。加えて、液圧制御装置10では、端部72aにおける外径は、端部72bにおける外径と異なる。このため、液圧制御装置10は、コイルバネ16の座屈を抑制するためのガイドを設けることなく、端部72aと端部72bとの間におけるコイルバネ16の座屈を抑制できる。
【0075】
筐体11は、ハウジング部材21とECU15との間に位置するとともに貫通孔45が設けられた中間壁41を有する。コイルバネ16のうち端部71bと端部72bとの間の第1の部分71は、貫通孔45を通って延びるとともに、貫通孔45の内面45aによって当該貫通孔45が延びるY方向と直交する方向に移動することを制限される。これにより、液圧制御装置10は、端部71bと端部72bとの間におけるコイルバネ16の座屈を抑制できる。さらに、ハウジング部材21と中間壁41との間の距離は、第1の部分71の外径よりも短い。このため、液圧制御装置10は、ハウジング部材21と中間壁41との間の隙間にコイルバネ16の一部が入り込むことを抑制でき、ひいては端部71bと端部72bとの間におけるコイルバネ16の大きな座屈を抑制できる。
【0076】
貫通孔45の内面45aは、コイルバネ16のうち端部71bと端部72bとの間の中央に位置する中央部分71cが、当該貫通孔45が延びるY方向と直交する方向に移動することを制限する。一般的に、円筒状のコイルバネ16のうち、当該コイルバネ16の長手方向の中央が最も座屈しやすい。すなわち、貫通孔45の内面45aは、コイルバネ16のうち端部71bと端部72bとの間で最も座屈しやすい部分の座屈を抑制できる。
【0077】
コイルバネ16は、端部72aと端部72bとの間において、端部72aに向かって先細る。これにより、液圧制御装置10は、端部72aと端部72bとの間におけるコイルバネ16の座屈をより効果的に抑制できる。さらに、先細るコイルバネ16は、当該コイルバネ16が単純な円筒状に形成される場合に比べて材料の量を低減でき、ひいてはコストを低減できる。また、例えばカバー部材23がコイルバネ16の座屈を抑制するためのガイドを有する場合、ガイドが小さくなる。従って、液圧制御装置10は、ガイドが設けられたとしても、当該ガイドが液圧制御装置10の設計を制限することを抑制できる。
【0078】
(第2の実施形態)
以下に、第2の実施形態について、
図3を参照して説明する。なお、以下の実施形態の説明において、既に説明された構成要素と同様の機能を持つ構成要素は、当該既述の構成要素と同じ符号が付され、さらに説明が省略される場合がある。また、同じ符号が付された複数の構成要素は、全ての機能及び性質が共通するとは限らず、各実施形態に応じた異なる機能及び性質を有していても良い。
【0079】
図3は、第2の実施形態に係る液圧制御装置10の一部を示す断面図である。
図3に示すように、第2の実施形態のコイルバネ16は、第2の部分72の代わりに、第2の部分100を有する。第2の部分100は、以下に説明する点を除き、第2の部分72に実質的に等しい。
【0080】
第2の部分100は、テーパ部101と、筒状部102とを有する。テーパ部101は、大径部の一例である。筒状部102は、小径部の一例である。
図3は、テーパ部101と筒状部102とのそれぞれを二点鎖線で仮想的に囲む。
【0081】
テーパ部101と筒状部102とは、それぞれがコイルバネ16の一部であり、互いに連続している。すなわち、テーパ部101及び筒状部102において、線の直径は略等しい。なお、テーパ部101及び筒状部102は、この例に限られない。テーパ部101及び筒状部102のそれぞれは、端部72aと端部72bとの間に位置する。
【0082】
テーパ部101は、-Y方向における第2の部分100の端部72bを有する第2の部分100の一部である。テーパ部101は、+Y方向に先細る略円錐形の螺旋状に形成される。+Y方向におけるテーパ部101の端部101aの外径、内径、及び中心径は、端部72bの外径、内径、及び中心径よりも短い。
【0083】
筒状部102は、+Y方向における第2の部分100の端部72aを有する第2の部分100の一部である。筒状部102は、略Y方向に延びる略円筒形の螺旋状に形成される。すなわち、筒状部102の外径、内径、及び中心径は略一定である。
【0084】
-Y方向における筒状部102の端部102aは、テーパ部101の端部101aに接続されている。筒状部102の外径は、テーパ部101の内径よりも短い。すなわち、筒状部102の外径は、テーパ部101の端部101aの内径よりも短い。
【0085】
第2の部分100は、接触電極62とカバー部材23との間でY方向に圧縮されている。第2の部分100が圧縮されることで、筒状部102の一部が、テーパ部101の端部101aの内側に入り込んでいる。なお、第2の部分100が圧縮されていないときに、筒状部102の一部が、テーパ部101の端部101aの内側に位置しても良い。
【0086】
例えば筒状部102が座屈すると、筒状部102がテーパ部101に当接する。テーパ部101は、筒状部102を支持することで、筒状部102が大きく座屈することを抑制できる。
【0087】
以上説明された第2の実施形態の液圧制御装置10において、コイルバネ16は、テーパ部101と、筒状部102とを有する。テーパ部101及び筒状部102は、端部72aと端部72bとの間に位置する。筒状部102の外径は、テーパ部101の内径よりも短い。筒状部102の少なくとも一部は、テーパ部101の内側に位置する。すなわち、筒状部102は、コイルバネ16が延びるY方向と直交する方向に移動することを、テーパ部101により制限される。これにより、液圧制御装置10は、コイルバネ16の座屈を抑制できる。
【0088】
以上の複数の実施形態において、ハウジング部材21のうちヨーク32が、コイルバネ16を支持する。しかし、ハウジング部材21は、この例に限られない。例えば、ハウジング部材21がヨーク32を覆うケースを有し、当該ケースがコイルバネ16を支持しても良い。
【0089】
以上の複数の実施形態において、第2の部分72,100の少なくとも一部は、+Y方向に先細る。しかし、第2の部分72,100は、+Y方向に段階的に外径が低減するような複数の円筒状の部分を有しても良い。
【0090】
以上の複数の実施形態において、接触電極62はカバー部材23に向き、第2の部分72,100はECU15とカバー部材23との間に位置する。しかし、接触電極62がハウジング部材21に向き、第2の部分72,100がECU15とハウジング部材21との間に位置しても良い。すなわち、コイルバネ16は、以上の複数の実施形態と逆向きに配置されても良い。この場合、カバー部材23が第1の部材の一例でとなり、ハウジング部材21が第2の部材の一例となる。
【0091】
以上の複数の実施形態において、コイルバネ16は、基板61の貫通孔65を通って延びている。しかし、コイルバネ16は、基板61の外部に配置されても良い。この場合、例えば、第2の部分72の端部72bは、基板61の縁の近傍に設けられた接触電極62に支持される。
【0092】
以上説明された少なくとも一つの実施形態に係る液圧制御装置は、一例として、少なくとも部分的に金属で作られた第1の部材と、少なくとも部分的に金属で作られるとともに前記第1の部材に直接的又は間接的に取り付けられた第2の部材と、を有し、前記第1の部材と前記第2の部材との間に内部空間が設けられた、筐体と、前記内部空間に収容され、前記第1の部材又は前記第2の部材に取り付けられた、電磁弁と、前記内部空間に収容され、前記第2の部材に向く電極を有する、回路基板と、前記第1の部材のうち金属で作られた部分に支持された第1の端部と、前記第2の部材のうち金属で作られた部分に支持された第2の端部と、前記第1の端部と前記第2の端部との間に位置するとともに前記電極に支持された中間部と、を有し、前記第1の部材と前記第2の部材との間で圧縮されるとともに、前記電極と前記第2の部材との間で圧縮され、金属で作られて、前記第1の部材と前記第2の部材と前記電極とを互いに導通させ、前記第2の端部における外径が前記中間部における外径と異なる、コイルバネと、を備える。よって、一例としては、液圧制御装置は、一つのコイルバネにより三つの部品を導通させることができ、導通のための部品の点数を低減できる。すなわち、液圧制御装置は、コストを低減することができる。さらに、コイルバネは、当該コイルバネが接触する面に沿う方向の第1の部材、第2の部材、及び回路基板の動きに追従して変形することができる。このため、液圧制御装置は、コイルバネ、第1の部材、第2の部材、及び電極の摩耗を抑制でき、ひいては摩耗により異物が発生することを抑制できる。加えて、液圧制御装置は、コイルバネの座屈を抑制するためのガイドを設けることなく、第2の端部と中間部との間におけるコイルバネの座屈を抑制できる。
【0093】
上記液圧制御装置では、一例として、前記筐体は、前記第1の部材と前記回路基板との間に位置するとともに貫通孔が設けられた壁を有し、前記コイルバネのうち前記第1の端部と前記中間部との間の部分は、前記貫通孔を通って延びるとともに、前記貫通孔の内面によって当該貫通孔が延びる方向と直交する方向に移動することを制限され、前記第1の部材と前記壁との間の距離は、前記コイルバネのうち前記第1の端部と前記中間部との間の部分の外径よりも短い。よって、一例としては、液圧制御装置は、第1の端部と中間部との間におけるコイルバネの座屈を抑制できる。さらに、液圧制御装置は、第1の部材と壁との間の隙間にコイルバネの一部が入り込むことを抑制でき、ひいては第1の端部と中間部との間におけるコイルバネの大きな座屈を抑制できる。
【0094】
上記液圧制御装置では、一例として、前記筐体は、前記第1の部材と前記回路基板との間に位置するとともに貫通孔が設けられた壁を有し、前記コイルバネのうち前記第1の端部と前記中間部との間の部分は、前記貫通孔を通って延び、前記貫通孔の内面は、前記コイルバネのうち前記第1の端部と前記中間部との間の中央に位置する部分が、前記貫通孔が延びる方向と直交する方向に移動することを制限する。よって、一例としては、一般的に、筒状のコイルバネのうち、当該コイルバネの長手方向の中央が最も座屈しやすいが、貫通孔の内面は、コイルバネのうち第1の端部と中間部との間で最も座屈しやすい部分の座屈を抑制できる。
【0095】
上記液圧制御装置では、一例として、前記コイルバネは、前記第2の端部と前記中間部との間に位置する大径部と、前記第2の端部と前記中間部との間に位置するとともに外径が前記大径部の内径よりも短い小径部と、を有し、前記小径部の少なくとも一部が、前記大径部の内側に位置する。よって、一例としては、小径部は、コイルバネが延びる方向と直交する方向に移動することを、大径部により制限される。これにより、液圧制御装置は、コイルバネの座屈を抑制できる。
【0096】
上記液圧制御装置では、一例として、前記コイルバネは、前記第2の端部と前記中間部との間において前記第2の端部に向かって先細る。よって、一例としては、液圧制御装置は、第2の端部と中間部との間におけるコイルバネの座屈をより効果的に抑制できる。
【0097】
以上の説明において、抑制は、例えば、事象、作用、若しくは影響の発生を防ぐこと、又は事象、作用、若しくは影響の度合いを低減させること、として定義される。また、以上の説明において、制限は、例えば、移動若しくは回転を防ぐこと、又は移動若しくは回転を所定の範囲内で許容するとともに当該所定の範囲を超えた移動若しくは回転を防ぐこと、として定義される。
【0098】
以上、本発明の実施形態を例示したが、上記実施形態および変形例はあくまで一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。上記実施形態や変形例は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、組み合わせ、変更を行うことができる。また、各実施形態や各変形例の構成や形状は、部分的に入れ替えて実施することも可能である。
【符号の説明】
【0099】
10…液圧制御装置、11…筐体、14…電磁弁、15…エレクトロニックコントロールユニット(回路基板)、16…コイルバネ、21…ハウジング部材(第1の部材)、23…カバー部材(第2の部材)、41…中間壁(壁)、45…貫通孔、45a…内面、62…接触電極(電極)、71b…端部(第1の端部)、72a…端部(第2の端部)、72b…端部(中間部)、101…テーパ部(大径部)、102…筒状部(小径部)、S…内部空間。