(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024051451
(43)【公開日】2024-04-11
(54)【発明の名称】印刷装置
(51)【国際特許分類】
B41J 2/01 20060101AFI20240404BHJP
B41J 25/304 20060101ALI20240404BHJP
【FI】
B41J2/01 303
B41J2/01 301
B41J25/304 F
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022157639
(22)【出願日】2022-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】塙 啓太
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 達也
(72)【発明者】
【氏名】西川 稜
【テーマコード(参考)】
2C056
2C064
【Fターム(参考)】
2C056EA04
2C056EB36
2C056EB52
2C056FA15
2C056FB08
2C056HA37
2C056HA38
2C056JA01
2C056KC02
2C064CC04
2C064FF06
(57)【要約】
【課題】印刷品質の低下を抑制できる印刷装置を提供する。
【解決手段】媒体に液体を吐出するヘッドユニット39と、ヘッドユニット39を幅方向Xへ移動させる第1移動部37と、幅方向Xへのヘッドユニット39の移動をガイドするガイドフレーム40と、幅方向Xと交差する前後方向Yへ第1移動部37を移動させる第2移動部と、を備え、ガイドフレーム40は、金属板を幅方向Xに沿って曲げた第1曲げ部81と、金属板を幅方向Xに沿って曲げた第2曲げ部82と、を有し、ヘッドユニット39を第1曲げ部81と第2曲げ部82との間の第1ガイド部84でガイドする。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
媒体に液体を吐出するヘッドユニットと、
前記ヘッドユニットを第1方向へ移動させる第1移動部と、
前記第1方向への前記ヘッドユニットの移動をガイドするガイドフレームと、
前記第1方向と交差する第2方向へ前記第1移動部を移動させる第2移動部と、
を備え、
前記ガイドフレームは、金属板を前記第1方向に沿って曲げた第1曲げ部と、前記金属板を前記第1方向に沿って曲げた第2曲げ部と、を有し、前記ヘッドユニットを前記第1曲げ部と前記第2曲げ部との間のガイド部でガイドすることを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記ヘッドユニットは、前記ガイド部を挟持する挟持部を有することを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記第1方向における前記ヘッドユニットの位置を検出するためのリニアスケールを備え、
前記リニアスケールは前記金属板に固定されることを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリンターなどの印刷装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば特許文献1のように、記録ヘッドから液体の一例であるインクを吐出して記録紙に記録する印刷装置の一例である記録装置がある。記録装置は、ヘッドユニットの一例であるキャリッジと、ガイドフレームの一例である第1のキャリッジガイド板と、を備える。キャリッジは、記録ヘッドを搭載する。キャリッジは、記録ヘッドを第1方向の一例である主走査方向に移動させる。
【0003】
第1のキャリッジガイド板は、第1の位置規制面と第2の位置規制面を有する。第1の位置規制面は、キャリッジを上下方向に規制する。第2の位置規制面は、キャリッジを第2方向の一例である副走査方向に規制する。記録装置は、キャリッジを主走査方向に移動させると共に、記録紙を副走査方向に搬送して記録を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の、記録装置は、キャリッジを主走査方向に移動させるが、キャリッジを副走査方向に移動させる場合に発生する振動や負荷については考慮されていない。そのため、キャリッジを副走査方向に移動させるには、第2の位置規制面の剛性が足りず、印刷品質を維持できない虞がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決する印刷装置は、媒体に液体を吐出するヘッドユニットと、前記ヘッドユニットを第1方向へ移動させる第1移動部と、前記第1方向への前記ヘッドユニットの移動をガイドするガイドフレームと、前記第1方向と交差する第2方向へ前記第1移動部を移動させる第2移動部と、を備え、前記ガイドフレームは、金属板を前記第1方向に沿って曲げた第1曲げ部と、前記金属板を前記第1方向に沿って曲げた第2曲げ部と、を有し、前記ヘッドユニットを前記第1曲げ部と前記第2曲げ部との間のガイド部でガイドする。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図3】ガイドフレームとヘッドユニットの模式正面図である。
【
図5】ガイドフレームとヘッドユニットの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[実施形態]
以下、印刷装置の一実施形態について説明する。印刷装置は、例えばインクジェット式のプリンターである。
【0009】
以下の説明では、鉛直方向Zと交差(例えば直交)する方向を幅方向Xとし、鉛直方向Z及び幅方向Xと交差する方向を前後方向Yとする。幅方向Xのうち一方を第1幅方向X1とし、幅方向Xのうち他方を第2幅方向X2とする。前後方向Yのうち一方を前方Y1とし、前後方向Yのうち他方を後方Y2とする。鉛直方向Zのうち上方を上方Z1とし、鉛直方向Zのうち下方を下方Z2とする。幅方向Xが第1方向の一例に相当する。前後方向Yが第2方向の一例に相当する。鉛直方向Zが第3方向の一例に相当する。
【0010】
<印刷装置10>
図1に示すように、印刷装置10は、媒体に印刷を行うように構成される。印刷装置10は、液体の吐出により媒体に印刷を行うように構成されてもよい。印刷装置10は、例えばTシャツなどの可撓性を有する媒体に印刷を行うように構成されてもよい。印刷装置10は、ユーザーにより内部に媒体が載置されるように構成されてもよい。
【0011】
印刷装置10は、筐体11と、開閉カバー22と、表示部26と、操作部27と、を備えてもよい。
筐体11は、印刷装置10に含まれる各種部材を収容するように構成される。開閉カバー22は、
図1に示す閉位置と、図示しない開位置とに移動可能である。開閉カバー22は、開位置に位置することで、筐体11に収容される各種部材を露出させる。表示部26は、情報を表示するように構成される。操作部27は、ユーザーによって操作可能に構成される。表示部26と操作部27とは、タッチパネルのように一体に構成されてもよいが、別々に構成されてもよい。
【0012】
<媒体支持部28>
図2に示すように、印刷装置10は、媒体支持部28を備える。媒体支持部28は、媒体を支持するように構成される。媒体支持部28は、支持面29を備える。支持面29は、上方Z1に向かう面である。すなわち、鉛直方向Zは、支持面29に垂直な方向である。幅方向Xと前後方向Yは、支持面29に平行な方向である。支持面29は、媒体を支持するように構成される。特に、支持面29は、媒体の少なくとも印刷領域を支持する面である。支持面29は、媒体を載置可能である載置面ともいえる。
【0013】
媒体支持部28は、支持面29と平行な水平方向に移動しないように構成される。つまり、支持面29は、水平方向に移動しないように構成される。媒体支持部28は、支持面29の鉛直方向Zに対する位置を調整可能である。
【0014】
印刷装置10は、媒体収容部30を備えてもよい。媒体収容部30は、筐体11に収容される。媒体収容部30は、少なくとも支持面29の幅方向X及び前後方向Yに設けられる。媒体収容部30は、支持面29に媒体の一部の領域が支持されている場合に、支持面29に支持されていない媒体の一部の領域を収容可能である。
【0015】
特に、媒体収容部30は、収容トレイ31を備えてもよい。媒体収容部30は、収容トレイ31により区分された領域を備える。収容トレイ31は、少なくとも支持面29の後方Y2側において媒体収容部30を区画してもよい。
【0016】
<液体供給部32>
印刷装置10は、液体供給部32を備えてもよい。液体供給部32は、媒体支持部28及び媒体収容部30よりも第2幅方向X2に設けられてもよい。液体供給部32は、後述するヘッド87に液体を供給するように構成される。
【0017】
液体供給部32は、液体収容部33と、液体供給駆動部34と、を備えてもよい。液体収容部33は、ヘッド87に供給する液体を収容するように構成される。液体収容部33は、着脱可能であるカートリッジ方式であってもよく、液体を補充可能であるタンク方式であってもよい。液体収容部33は、天面が平面であってもよい。
【0018】
液体供給駆動部34は、液体収容部33に収容された液体をヘッド87に供給するために駆動する。液体供給駆動部34は、液体供給ポンプを含んでもよい。液体供給駆動部34は、天面が平面であってもよい。
【0019】
<印刷部35>
印刷装置10は、印刷部35を備える。印刷部35は、媒体に印刷を行うように構成される。特に、印刷部35は、支持面29に支持された媒体に印刷を行うように構成される。印刷部35は、媒体支持部28を幅方向Xに跨いだ状態で前後方向Yに移動可能である。印刷部35は、正面視において門型に構成される。
【0020】
印刷部35は、第1移動部37と、第2移動部38と、ヘッドユニット39と、ガイドフレーム40と、を備える。印刷部35は、収容フレーム41を備えてもよい。
ガイドフレーム40は、ヘッドユニット39と、第1移動部37と、を支持する。ガイドフレーム40は、収容フレーム41に支持されてもよい。
【0021】
第2移動部38は、第1移動部37、ヘッドユニット39、ガイドフレーム40、及び収容フレーム41を前後方向Yに移動させてもよい。つまり、第2移動部38は、幅方向Xと交差する前後方向Yへ第1移動部37を移動させる。
【0022】
第2移動部38は、一対のレール44を備えてもよい。一対のレール44は、媒体支持部28を挟んで媒体支持部28の第1幅方向X1と第2幅方向X2とに設けられる。一対のレール44のそれぞれは、前後方向Yに延びるように構成される。
【0023】
第2移動部38は、一対の支持部45を備えてもよい。一対の支持部45は、媒体支持部28を挟んで媒体支持部28の第1幅方向X1と第2幅方向X2とに設けられる。一対の支持部45のそれぞれは、収容フレーム41を支持するように構成される。一対の支持部45は、対応する一対のレール44に沿って前後方向Yに移動可能である。
【0024】
図3に示すように、第1移動部37は、キャリッジモーター47と、駆動プーリー48と、従動プーリー49と、タイミングベルト50と、を備えてもよい。
駆動プーリー48は、キャリッジモーター47の出力軸に連結される。駆動プーリー48とキャリッジモーター47とは、減速機などを介して、間接的に連結されてもよい。
【0025】
従動プーリー49は、ガイドフレーム40に回転自在に支持される。駆動プーリー48と従動プーリー49は、互いに軸線が平行である。
タイミングベルト50は、環状のベルトである。タイミングベルト50は、駆動プーリー48及び従動プーリー49に掛け渡される。タイミングベルト50は、一部がヘッドユニット39に固定される。
【0026】
第1移動部37は、キャリッジモーター47の駆動力を、タイミングベルト50を通じてヘッドユニット39に伝達する。第1移動部37は、ヘッドユニット39を幅方向Xへ移動させる。
【0027】
図3に示すように、印刷部35は、リニアエンコーダー52を備えてもよい。リニアエンコーダー52は、リニアセンサー53と、リニアスケール54と、第1スケール保持部55と、第2スケール保持部56と、第1ばね57と、を有してもよい。
【0028】
リニアスケール54は、幅方向Xにおけるヘッドユニット39の位置を検出するためのものである。リニアスケール54は、ガイドフレーム40を構成する金属板に固定される。本実施形態のリニアスケール54は、第1スケール保持部55及び第2スケール保持部56を介してガイドフレーム40に固定される。リニアスケール54には、スリットが幅方向Xに一定間隔で刻まれている。
【0029】
リニアセンサー53は、ヘッドユニット39に設けられる。リニアセンサー53は、幅方向Xに移動することでリニアスケール54に刻まれているスリットを検出する。リニアエンコーダー52は、リニアセンサー53が検出したスリットの数に基づいて、ヘッドユニット39の移動量を検出する。
【0030】
第1スケール保持部55及び第2スケール保持部56は、ガイドフレーム40に固定される。第1スケール保持部55及び第2スケール保持部56は、リニアスケール54を幅方向Xに延びるように支持する。第1スケール保持部55は、リニアスケール54の第1端を保持する。第2スケール保持部56は、リニアスケール54の第1端とは反対の第2端を保持する。
【0031】
図4に示すように、第1スケール保持部55と第2スケール保持部56は、同じ構成であってもよい。第1スケール保持部55及び第2スケール保持部56は、それぞれ爪部59と、ばね受け60と、ストッパー61と、を有してもよい。
【0032】
第1スケール保持部55の爪部59には、リニアスケール54が引っ掛けられる。第2スケール保持部56の爪部59には、リニアスケール54に設けられた穴に通される。
第1スケール保持部55のばね受け60は、後方Y2からリニアスケール54を支持してもよい。第2スケール保持部56のばね受け60には、第1ばね57が引っ掛けられる。第1ばね57は、リニアスケール54に張力を付与する。
【0033】
第1スケール保持部55と第2スケール保持部56のストッパー61は、ヘッドユニット39の移動を制限してもよい。ストッパー61は、幅方向Xに往復移動するヘッドユニット39が当たると、ヘッドユニット39の移動を止めてもよい。
【0034】
図3に示すように、印刷部35は、スケールカバー63を備えてもよい。スケールカバー63は、リニアスケール54の一部を上方Z1及び前方Y1から覆う。スケールカバー63の下端は、リニアスケール54より下方Z2に位置してもよい。すなわち、スケールカバー63は、印刷装置10の正面から開閉カバー22を開けて作業する作業者に対してリニアスケール54を触れにくくする。スケールカバー63は、幅方向Xにおいて収容トレイ31より大きくてもよい。
【0035】
印刷部35は、ホーム検出部65を備えてもよい。ホーム検出部65は、ホームセンサー66と、リブ67と、を有する。ホームセンサー66は、ガイドフレーム40に設けられる。リブ67は、ヘッドユニット39に設けられる。
【0036】
ホームセンサー66は、例えば投光部と受光部を有する光学センサーである。投光部と受光部は、鉛直方向Zに並んで設けられてもよい。
リブ67は、鉛直方向Zにおいて、投光部と受光部との間に位置してもよい。リブ67は、ヘッドユニット39が第1幅方向X1に移動することで投光部と受光部との間に進入して光を遮る。印刷装置10では、ホームセンサー66がリブ67を検出する位置から第1幅方向X1に所定距離だけずれた位置を
図2に示すホーム位置Phとしてもよい。リブ67の幅方向Xの大きさは、所定距離より大きくてもよい。すなわち、リブ67は、ヘッドユニット39がホーム位置Phに位置する状態でも、ホームセンサー66の光を遮るように構成されてもよい。
【0037】
印刷装置10は、ガイドフレーム40の下方Z2に位置する少なくとも1つの補助台69を有してもよい。
ガイドフレーム40は、平板状の金属板により構成される。ガイドフレーム40は、少なくとも1つの引掛部71を有してもよい。本実施形態の引掛部71は、ガイドフレーム40を前後方向Yに貫通する矩形状の貫通孔である。複数の引掛部71は、幅方向Xに離して設けてもよい。引掛部71は、ガイドフレーム40とは別に設けられるフック72より大きい。フック72は、収容フレーム41が有してもよい。
【0038】
ガイドフレーム40が組み付けられた状態では、補助台69とガイドフレーム40は接触せず、引掛部71とフック72は接触しない。補助台69及びフック72は、例えば印刷装置10の製造時に、ガイドフレーム40を組み付ける際に使用されてもよい。例えば、作業者は、補助台69及びフック72を利用してガイドフレーム40を仮置きしてもよい。すなわち、作業者は、ガイドフレーム40を一時的に補助台69に載せてもよい。作業者は、引掛部71をフック72に一時的に引っ掛けてもよい。組み付け位置に近い位置にガイドフレーム40を仮置きすることで、ガイドフレーム40の組み付け作業を容易にできる。
【0039】
印刷部35は、スペーサー74を備えてもよい。スペーサー74は、ホーム位置Phに設けられてもよい。スペーサー74は、ガイドフレーム40に設けられてもよい。スペーサー74は、前後方向Yにおいて、ガイドフレーム40とヘッドユニット39との隙間の大きさを規定する。スペーサー74は、前後方向Yに長い図示しない長穴を有し、長穴に沿って位置が調整された状態でガイドフレーム40に固定されてもよい。
【0040】
図5に示すように、収容フレーム41は、キャリッジモーター47を収容してもよい。収容フレーム41は、ヘッドユニット39に電気信号を送るための図示しないケーブルなどを収容してもよい。
【0041】
収容フレーム41は、受け部78を有してもよい。受け部78とヘッドユニット39は、鉛直方向Zに対向してもよい。受け部78は、例えばヘッドユニット39の組み付け時に、上方Z1からねじ止めされて撓むヘッドユニット39を受け止めてもよい。受け部78がヘッドユニット39の変形を制限することで、ヘッドユニット39の組み付けを容易にできる。
【0042】
ガイドフレーム40は、金属板を幅方向Xに沿って曲げた第1曲げ部81と、金属板を幅方向Xに沿って曲げた第2曲げ部82と、を有する。ガイドフレーム40は、金属板を幅方向Xに沿って曲げた第3曲げ部83を有してもよい。
【0043】
ガイドフレーム40は、第1曲げ部81と第2曲げ部82との間に位置するガイド部の一例である第1ガイド部84を有する。第1ガイド部84は、鉛直面に沿って幅方向Xに延びる。ガイドフレーム40は、第2曲げ部82と第3曲げ部83との間に位置する第2ガイド部85を有してもよい。第2ガイド部85は、水平面に沿って幅方向Xに延びる。
【0044】
ガイドフレーム40は、ヘッドユニット39を第1ガイド部84でガイドする。ガイドフレーム40は、幅方向Xへのヘッドユニット39の移動をガイドする。第1ガイド部84は、前後方向Yにヘッドユニット39を支持する。第2ガイド部85は、鉛直方向Zにヘッドユニット39を支持する。
【0045】
<ヘッドユニット39>
図5に示すように、ヘッドユニット39は、媒体に液体を吐出する。ヘッドユニット39は、ヘッド87と、キャリッジ88と、挟持部89と、を有してもよい。
【0046】
ヘッド87は、支持面29に支持された媒体に液体を吐出可能である。ヘッド87は、複数のノズル90と、ノズル面91とを備える。ノズル面91は、複数のノズル90のそれぞれが開口する面である。複数のノズル90のそれぞれは、液体を吐出可能である。
【0047】
キャリッジ88は、ヘッド87を支持するように構成される。ヘッド87は、シリアルタイプとして構成される。シリアルタイプは、ヘッド87が幅方向Xに移動しながら印刷を行う。
【0048】
挟持部89は、第1接触部材93と、第2接触部材94と、第2ばね95と、第3ばね96と、を備えてもよい。
第1接触部材93と第2接触部材94は、例えばポリアセタールなどの耐摩耗性を有する樹脂により構成してもよい。第2ばね95は、第1接触部材93を第2接触部材94に向けて押す。第2ばね95は、第1接触部材93を第1ガイド部84に押し付ける。第3ばね96は、第1接触部材93に対してキャリッジ88を引き寄せる。
【0049】
第1接触部材93は、第1ガイド部84及び第2ガイド部85の内側に接触する。第2接触部材94は、第1ガイド部84の外側に接触する。挟持部89は、第1接触部材93と第2接触部材94により第1ガイド部84を挟む。
【0050】
キャリッジ88は、ヘッド87、リニアセンサー53、第1接触部材93、第2接触部材94、第2ばね95及び第3ばね96を保持するそれぞれの部分のうち、少なくとも2つの部分を一体で構成してもよい。
【0051】
図5に示すように、印刷装置10は、キャップ98を備えてもよい。キャップ98は、ホーム位置Phに位置するヘッド87の直下に設けられる。キャップ98は、鉛直方向Zに往復移動するように構成される。キャップ98は、上昇してヘッド87に接触することで、ヘッド87をキャッピングする。上昇したキャップ98がヘッドユニット39を押し上げると、ヘッドユニット39は、スペーサー74に当たることで、挟持部89を中心とする回転が止められる。
【0052】
<実施形態の作用>
本実施形態の作用について説明する。
媒体支持部28は、開閉カバー22の開閉に合わせて移動してもよい。例えば、媒体支持部28は、開閉カバー22が開けられると、上昇してもよい。媒体支持部28は、開閉カバー22が閉じられると、下降してもよい。最も上方Z1の位置で媒体がセットされた媒体支持部28は、下方Z2に移動することにより、媒体とノズル面91との鉛直方向Zにおける距離を調整してもよい。
【0053】
収容トレイ31は、媒体支持部28の移動に合わせて鉛直方向Zに移動してもよい。最も上方Z1の位置に位置する収容トレイ31は、上端が第1ガイド部84より上方Z1に位置してもよい。すなわち収容トレイ31は、第1ガイド部84を前方Y1から覆ってもよい。第1ガイド部84を収容トレイ31で覆うことで、第1ガイド部84を保護することができる。
【0054】
ガイドフレーム40は、レール44に沿って前後方向Yに往復移動する。印刷部35は、ホーム位置Phに位置するヘッドユニット39を前方Y1の印刷開始位置まで移動させた後、後方Y2に移動する過程で印刷を実行してもよい。ヘッドユニット39は、ガイドフレーム40に沿って幅方向Xに移動しながら液体を吐出して媒体に印刷する。
【0055】
<実施形態の効果>
本実施形態の効果について説明する。
(1)ガイドフレーム40は、第1曲げ部81と第2曲げ部82との間の第1ガイド部84でヘッドユニット39をガイドする。すなわち、第1ガイド部84の両側には第1曲げ部81と第2曲げ部82が位置するため、例えば片方に曲げ部が設けられる場合に比べて第1ガイド部84の剛性を高めることができる。したがって、ヘッドユニット39を幅方向X及び前後方向Yに移動させる場合でも、印刷品質の低下を抑制できる。特に、第2移動部38により第1移動部37が前後方向Yに移動する場合、第1ガイド部84に対して前後方向Yへの荷重が掛かることが考えられるが、第1曲げ部81と第2曲げ部82とにより第1ガイド部84が歪みにくくなる。また、ヘッドユニット39は、第1曲げ部81から金属板の後方Y2の端部までの部分により、鉛直方向Zの変動も規制され、第1ガイド部84から外れにくくなる。
【0056】
(2)ヘッドユニット39は、挟持部89により第1ガイド部84を挟む。すなわち、ヘッドユニット39は、第1ガイド部84の2つの面に当たる。そのため、ヘッドユニット39を第1ガイド部84の1つの面に当てる場合に比べて、ヘッドユニット39を安定させることができる。
【0057】
(3)リニアスケール54は、第1ガイド部84が形成される金属板に固定される。したがって、第1ガイド部84に沿って移動するヘッドユニット39の位置を精度よく検出することができる。
【0058】
[変更例]
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0059】
・印刷部35は、前方Y1と後方Y2とのうち何れか一方にヘッド87が移動するときに印刷を行ってもよく、前方Y1にヘッド87が移動するときと、後方Y2にヘッド87が移動するときとの両方において印刷を行ってもよい。
【0060】
・印刷部35は、第1幅方向X1と第2幅方向X2とのうち何れか一方にヘッド87が移動するときに印刷を行ってもよく、第1幅方向X1にヘッド87が移動するときと、第2幅方向X2にヘッド87が移動するときとの両方において印刷を行ってもよい。
【0061】
・ヘッド87は、水平面に対して平行であるノズル面91を備えても、水平面に対して傾斜するノズル面91を備えてもよい。
・リニアスケール54は、ガイドフレーム40に直接固定されてもよい。例えば、フック72は、ガイドフレーム40を構成する金属板を曲げることで形成してもよい。
【0062】
・リニアスケール54は、ガイドフレーム40とは別の部材に固定されてもよい。例えばリニアスケール54は、収容フレーム41に固定されてもよい。
・印刷部35は、リニアエンコーダー52を備えない構成としてもよい。印刷部35は、例えばキャリッジモーター47の回転数からヘッドユニット39の移動量を検出してもよい。
【0063】
・ヘッドユニット39は、第1接触部材93と第2接触部材94の一方を備えてもよい。ヘッドユニット39は、第1ガイド部84の片側の面に接触してガイドされてもよい。
・媒体としては、例えばTシャツやポロシャツなどに限定されず、例えばトレーナーやパーカーなどであってもよく、被服としての媒体であってもよい。また、媒体としては、可撓性を有する媒体が採用されたが、これに限らず、例えば、UVインクを使用して印刷するスマートフォンケースなど、可撓性を有さない媒体が採用されてもよい。
【0064】
・印刷装置10は、液体の一例としてインクを吐出するように構成されてもよいが、インク以外の液体を吐出するように構成されてもよい。つまり、液体は、媒体に付着することで、媒体に印刷を行うことができるものであれば任意に選択することができる。
【0065】
[定義]
本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、所望の選択肢の「1つ以上」を意味する。一例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が2つであれば「1つの選択肢のみ」または「2つの選択肢の双方」を意味する。他の例として、本明細書において使用される「少なくとも1つ」という表現は、選択肢の数が3つ以上であれば「1つの選択肢のみ」または「2つ以上の任意の選択肢の組み合わせ」を意味する。
【0066】
[付記]
以下に、上述した実施形態及び変更例から把握される技術的思想及びその作用効果を記載する。
【0067】
(A)印刷装置は、媒体に液体を吐出するヘッドユニットと、前記ヘッドユニットを第1方向へ移動させる第1移動部と、前記第1方向への前記ヘッドユニットの移動をガイドするガイドフレームと、前記第1方向と交差する第2方向へ前記第1移動部を移動させる第2移動部と、を備え、前記ガイドフレームは、金属板を前記第1方向に沿って曲げた第1曲げ部と、前記金属板を前記第1方向に沿って曲げた第2曲げ部と、を有し、前記ヘッドユニットを前記第1曲げ部と前記第2曲げ部との間のガイド部でガイドする。
【0068】
この構成によれば、ガイドフレームは、第1曲げ部と第2曲げ部との間のガイド部でヘッドユニットをガイドする。すなわち、ガイド部の両側には第1曲げ部と第2曲げ部が位置するため、例えば片方に曲げ部が設けられる場合に比べてガイド部の剛性を高めることができる。したがって、ヘッドユニットを第1方向及び第2方向に移動させる場合でも、印刷品質の低下を抑制できる。
【0069】
(B)印刷装置において、前記ヘッドユニットは、前記ガイド部を挟持する挟持部を有してもよい。
この構成によれば、ヘッドユニットは、挟持部によりガイド部を挟む。すなわち、ヘッドユニットは、ガイド部の2つの面に当たる。そのため、ヘッドユニットをガイド部の1つの面に当てる場合に比べて、ヘッドユニットを安定させることができる。
【0070】
(C)印刷装置は、前記第1方向における前記ヘッドユニットの位置を検出するためのリニアスケールを備え、前記リニアスケールは前記金属板に固定されてもよい。
この構成によれば、リニアスケールは、ガイド部が形成される金属板に固定される。したがって、ガイド部に沿って移動するヘッドユニットの位置を精度よく検出することができる。
【符号の説明】
【0071】
10…印刷装置、11…筐体、22…開閉カバー、26…表示部、27…操作部、28…媒体支持部、29…支持面、30…媒体収容部、31…収容トレイ、32…液体供給部、33…液体収容部、34…液体供給駆動部、35…印刷部、37…第1移動部、38…第2移動部、39…ヘッドユニット、40…ガイドフレーム、41…収容フレーム、44…レール、45…支持部、47…キャリッジモーター、48…駆動プーリー、49…従動プーリー、50…タイミングベルト、52…リニアエンコーダー、53…リニアセンサー、54…リニアスケール、55…第1スケール保持部、56…第2スケール保持部、57…第1ばね、59…爪部、60…ばね受け、61…ストッパー、63…スケールカバー、65…ホーム検出部、66…ホームセンサー、67…リブ、69…補助台、71…引掛部、72…フック、74…スペーサー、78…受け部、81…第1曲げ部、82…第2曲げ部、83…第3曲げ部、84…ガイド部の一例である第1ガイド部、85…第2ガイド部、87…ヘッド、88…キャリッジ、89…挟持部、90…ノズル、91…ノズル面、93…第1接触部材、94…第2接触部材、95…第2ばね、96…第3ばね、98…キャップ、Ph…ホーム位置、X…第1方向の一例である幅方向、X1…第1幅方向、X2…第2幅方向、Y…第2方向の一例である前後方向、Y1…前方、Y2…後方、Z…鉛直方向、Z1…上方、Z2…下方。