(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024051460
(43)【公開日】2024-04-11
(54)【発明の名称】駆動回路ユニット、ヘッドユニット、及び液体吐出装置
(51)【国際特許分類】
B41J 2/01 20060101AFI20240404BHJP
【FI】
B41J2/01 301
B41J2/01 125
【審査請求】未請求
【請求項の数】22
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022157648
(22)【出願日】2022-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】柳原 弘和
【テーマコード(参考)】
2C056
【Fターム(参考)】
2C056EA28
2C056FA04
2C056FA10
2C056HA09
2C056HA15
2C056HA36
2C056HA51
(57)【要約】
【課題】大型化してしまうことを抑制しつつ、駆動回路を効率よく冷却することができる駆動回路ユニットを提供すること。
【解決手段】ヘッドの吐出口と反対側に位置するヘッドコネクターに接続される駆動回路ユニットであって、前記ヘッドコネクターに接続される第1コネクターを有する第1基板と、駆動信号を生成する駆動回路を搭載した第3基板と、風を起こすファンと、を備え、前記駆動信号は、前記第3基板から前記第1基板を介して前記第1コネクターに供給され、前記第3基板は、前記第1基板とBtoB接続して、前記第1基板に対して起立し、前記ファンは、前記第1基板に対して起立し、前記ファンの回転軸は、前記第3基板の表面に略平行である、駆動回路ユニット。
【選択図】
図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘッドの吐出口と反対側に位置するヘッドコネクターに接続される駆動回路ユニットであって、
前記ヘッドコネクターに接続される第1コネクターを有する第1基板と、
駆動信号を生成する駆動回路を搭載した第3基板と、
風を起こすファンと、
を備え、
前記駆動信号は、前記第3基板から前記第1基板を介して前記第1コネクターに供給され、
前記第3基板は、前記第1基板とBtoB接続して、前記第1基板に対して起立し、
前記ファンは、前記第1基板に対して起立し、
前記ファンの回転軸は、前記第3基板の表面に略平行である、
駆動回路ユニット。
【請求項2】
第1カバーを更に備え、
前記第1基板と前記第1カバーとは、第1口と第2口とを除いて前記第3基板を囲い、
前記ファンは、前記第1口から前記第2口に向かう風を起こす、
請求項1に記載の駆動回路ユニット。
【請求項3】
前記ファンと、前記第1口と、前記第3基板と、前記第2口と、前記第1コネクターとは、前記ファン、前記第1口、前記第3基板、前記第2口、前記第1コネクターの順に並ぶ、
請求項2に記載の駆動回路ユニット。
【請求項4】
前記第2口と前記第1コネクターとの間に、風の向きを前記第1基板と略平行な方向から、前記第1基板から離れる方向へ変える第1整流機構を更に備える、
請求項3に記載の駆動回路ユニット。
【請求項5】
前記第1基板が有する端部のうち前記第1コネクターと反対側の端部と前記ファンとの間において風を整える第2整流機構を更に備える、
請求項4に記載の駆動回路ユニット。
【請求項6】
前記ファンと、前記第1口と、前記第3基板と、前記第2口と、前記第1コネクターとは、前記第1口、前記第3基板、前記第2口、前記ファン、前記第1コネクターの順に並ぶ、
請求項2に記載の駆動回路ユニット。
【請求項7】
前記ファンと前記第1コネクターとの間に、風の向きを前記第1基板と略平行な方向から、前記第1基板から離れる方向へ変える第1整流機構を更に備える、
請求項6に記載の駆動回路ユニット。
【請求項8】
前記第1基板が有する端部のうち前記第1コネクターと反対側の端部と前記第1口との間において風を整える第2整流機構を更に備える、
請求項7に記載の駆動回路ユニット。
【請求項9】
前記ファンと、前記第1口と、前記第3基板と、前記第2口と、前記第1コネクターとは、前記ファン、前記第2口、前記第3基板、前記第1口、前記第1コネクターの順に並ぶ、
請求項2に記載の駆動回路ユニット。
【請求項10】
前記第1口と前記第1コネクターとの間に、風の向きを前記第1基板に近づく方向から前記第1基板と略平行な方向へ変える第1整流機構を更に備える、
請求項9に記載の駆動回路ユニット。
【請求項11】
前記第1基板が有する端部のうち前記第1コネクターと反対側の端部と前記ファンとの間において風を整える第2整流機構を更に備える、
請求項10に記載の駆動回路ユニット。
【請求項12】
前記ファンと、前記第1口と、前記第3基板と、前記第2口と、前記第1コネクターとは、前記第2口、前記第3基板、前記第1口、前記ファン、前記第1コネクターの順に並ぶ、
請求項2に記載の駆動回路ユニット。
【請求項13】
前記ファンと前記第1コネクターとの間に、風の向きを前記第1基板に近づく方向から前記第1基板と略平行な方向へ変える第1整流機構を更に備える、
請求項12に記載の駆動回路ユニット。
【請求項14】
前記第1基板が有する端部のうち前記第1コネクターと反対側の端部と前記第2口との間において風を整える第2整流機構を更に備える、
請求項13に記載の駆動回路ユニット。
【請求項15】
前記ファンは、前記第1基板と直交する方向から前記ファンを見た場合において、前記第1基板の輪郭内に含まれている、
請求項1に記載の駆動回路ユニット。
【請求項16】
前記ファンの回転軸と直交し、且つ、前記第1基板の表面に平行な方向において、前記ファンの長さは、前記第1基板の長さの0.8倍以上1倍未満である、
請求項15に記載の駆動回路ユニット。
【請求項17】
複数の前記第3基板を有し、
前記ファンの回転軸方向に前記ファンを射影した範囲内に、全ての前記第3基板の前記駆動回路が収まっている、
請求項15に記載の駆動回路ユニット。
【請求項18】
前記第3基板は、前記駆動回路よりも前記第1基板側にコンデンサーを搭載する、
請求項1に記載の駆動回路ユニット。
【請求項19】
前記第3基板は、前記駆動回路よりも背が高い電子部品の全てを、前記駆動回路よりも前記第1基板側に搭載する、
請求項18に記載の駆動回路ユニット。
【請求項20】
前記第3基板と他の基板との接続はすべて、前記第1基板とのBtoB接続を介する、
請求項1に記載の駆動回路ユニット。
【請求項21】
吐出口と、前記吐出口と反対側に位置するヘッドコネクターとを備えるヘッドと、
前記ヘッドコネクターに接続される駆動回路ユニットと、
を備えるヘッドユニットであって、
前記駆動回路ユニットは、
前記ヘッドコネクターに接続される第1コネクターを有する第1基板と、
駆動信号を生成する駆動回路を搭載した第3基板と、
風を起こすファンと、
を備え、
前記駆動信号は、前記第3基板から前記第1基板を介して前記第1コネクターに供給され、
前記第3基板は、前記第1基板とBtoB接続して、前記第1基板に対して起立し、
前記ファンは、前記第1基板に対して起立し、
前記ファンの回転軸は、前記第3基板の表面に略平行である、
ヘッドユニット。
【請求項22】
媒体を搬送する搬送ユニットと、
吐出口と、前記吐出口と反対側に位置するヘッドコネクターとを備えるヘッドと、
前記ヘッドコネクターに接続される駆動回路ユニットと、
を備える液体吐出装置であって、
前記駆動回路ユニットは、
前記ヘッドコネクターに接続される第1コネクターを有する第1基板と、
駆動信号を生成する駆動回路を搭載した第3基板と、
風を起こすファンと、
を備え、
前記駆動信号は、前記第3基板から前記第1基板を介して前記第1コネクターに供給され、
前記第3基板は、前記第1基板とBtoB接続して、前記第1基板に対して起立し、
前記ファンは、前記第1基板に対して起立し、
前記ファンの回転軸は、前記第3基板の表面に略平行である、
液体吐出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、駆動回路ユニット、ヘッドユニット、及び液体吐出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
媒体上に液体を吐出し、媒体上に画像を形成する液体吐出装置についての研究、開発が行われている。
【0003】
これに関し、ヘッドの上に設けられた駆動回路からの信号でピエゾ素子等の圧電素子を駆動する液体吐出装置が知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、特許文献1に記載されたような液体吐出装置は、駆動回路を効率的に冷却することが求められる。なお、これは、圧電素子以外を用いる液体吐出装置でも同様である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る液体吐出装置の一態様は、ヘッドの吐出口と反対側に位置するヘッドコネクターに接続される駆動回路ユニットであって、前記ヘッドコネクターに接続される第1コネクターを有する第1基板と、駆動信号を生成する駆動回路を搭載した第3基板と、風を起こすファンと、を備え、前記駆動信号は、前記第3基板から前記第1基板を介して前記第1コネクターに供給され、前記第3基板は、前記第1基板とBtoB接続して、前記第1基板に対して起立し、前記ファンは、前記第1基板に対して起立し、前記ファンの回転軸は、前記第3基板の表面に略平行である、駆動回路ユニットである。
【0007】
また、本開示に係る液体吐出装置の一態様は、吐出口と、前記吐出口と反対側に位置するヘッドコネクターとを備えるヘッドと、前記ヘッドコネクターに接続される駆動回路ユニットと、を備えるヘッドユニットであって、前記駆動回路ユニットは、前記ヘッドコネクターに接続される第1コネクターを有する第1基板と、駆動信号を生成する駆動回路を搭載した第3基板と、風を起こすファンと、を備え、前記駆動信号は、前記第3基板から前記第1基板を介して前記第1コネクターに供給され、前記第3基板は、前記第1基板とBtoB接続して、前記第1基板に対して起立し、前記ファンは、前記第1基板に対して起立し、前記ファンの回転軸は、前記第3基板の表面に略平行である、ヘッドユニットである。
【0008】
また、本開示に係る液体吐出装置の一態様は、媒体を搬送する搬送ユニットと、吐出口と、前記吐出口と反対側に位置するヘッドコネクターとを備えるヘッドと、前記ヘッドコネクターに接続される駆動回路ユニットと、を備える液体吐出装置であって、前記駆動回路ユニットは、前記ヘッドコネクターに接続される第1コネクターを有する第1基板と、駆動信号を生成する駆動回路を搭載した第3基板と、風を起こすファンと、を備え、前記駆動信号は、前記第3基板から前記第1基板を介して前記第1コネクターに供給され、前記第3基板は、前記第1基板とBtoB接続して、前記第1基板に対して起立し、前記ファンは、前記第1基板に対して起立し、前記ファンの回転軸は、前記第3基板の表面に略平行である、液体吐出装置である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図3】駆動信号COMA,COMB,COMCの信号波形の一例を示す図である。
【
図4】駆動信号選択回路の機能構成を示す図である。
【
図5】デコーダーにおけるデコード内容の一例を示す図である。
【
図7】駆動信号選択回路の動作を説明するための図である。
【
図9】吐出モジュールの構造の一例を示す図である。
【
図10】吐出モジュールを
図9に示すA-a線で切断した場合の断面図である。
【
図11】ヘッド駆動モジュール10の構造の一例を示す斜視図である。
【
図12】
図11に示したヘッド駆動モジュール10を他の方向から見た場合の斜視図である。
【
図13】
図11に示したヘッド駆動モジュール10を下から上に向かって見た場合の下面図である。
【
図14】駆動回路部DRV1に含まれている第3基板B3上における駆動信号出力回路50-1の実装例を示す図である。
【
図15】より詳細なヒートシンクHS2と駆動信号出力回路50-iと第3基板B3との位置関係の一例を示す図である。
【
図16】搬送方向における液体吐出モジュール20の長さと、第1面M1と直交する方向において最も高い第1物体の高さとを比較する図である。
【
図17】第2方向に向かって見た場合の分配流路37の一例を示す図である。
【
図18】冷却機構CLRが取り付けられたヘッド駆動モジュール10の構造の一例を示す図である。
【
図19】液体吐出装置1においてラインヘッドとして構成された複数のヘッドユニットHUを例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の好適な実施形態について図面を用いて説明する。用いる図面は説明の便宜上のものである。なお、以下に説明する実施形態は、特許請求の範囲に記載された本開示の内容を不当に限定するものではない。また以下で説明される構成の全てが本開示の必須構成要件であるとは限らない。
【0011】
1.第1実施形態
1.1 液体吐出装置の構成
図1は、液体吐出装置1の概略構成を示す図である。
図1に示すように、液体吐出装置1は、搬送ユニット4によって搬送される媒体Pに対して、所望のタイミングで液体の一例であるインクを吐出することで、媒体Pに所望の画像を形成する所謂ライン方式のインクジェットプリンターである。ここで、以下の説明において、媒体Pが搬送される方向を搬送方向と称し、搬送される媒体Pの幅方向を主走査方向と称する場合がある。
【0012】
図1に示すように、液体吐出装置1は、制御ユニット2、液体容器3、搬送ユニット4、及び複数の吐出ユニット5を備える。
【0013】
制御ユニット2は、CPU(Central Processing Unit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の処理回路と、半導体メモリ等の記憶回路とを含む。制御ユニット2は、液体吐出装置1の外部に設けられた不図示のホストコンピューター等の外部機器から供給される画像データに基づいて、液体吐出装置1の各要素を制御する信号を出力する。
【0014】
液体容器3には、吐出ユニット5に供給される1又は複数の種類の液体が貯留されている。例えば、液体容器3には、吐出ユニット5に供給されるインクが貯留されている。具体的には、液体容器3には、媒体Pに吐出される複数の色彩のインクであって、例えば、ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー、レッド、グレー等のインクが貯留されている。もちろん、液体容器3は、ブラックインクのみを貯留してもよく、インク以外の液体を貯留してもよい。
【0015】
搬送ユニット4は、搬送モーター41と搬送ローラー42とを有する。搬送ユニット4には、制御ユニット2が出力する搬送制御信号Ctrl-Tが入力される。そして、入力される搬送制御信号Ctrl-Tに基づいて搬送モーター41が動作し、搬送モーター41の動作に伴い搬送ローラー42が回転駆動ことで、搬送方向に沿って媒体Pが搬送される。
【0016】
複数の吐出ユニット5は、それぞれがヘッド駆動モジュール10と液体吐出モジュール20とを有する。吐出ユニット5には、制御ユニット2が出力する画像情報信号IPが入力されるとともに、液体容器3に貯留されるインクが供給される。そして、制御ユニット2から入力される画像情報信号IPに基づいて、ヘッド駆動モジュール10が液体吐出モジュール20の動作を制御し、ヘッド駆動モジュール10の制御に従い、液体吐出モジュール20が液体容器3から供給されるインクを媒体Pに吐出する。
【0017】
また、複数の吐出ユニット5のそれぞれが有する液体吐出モジュール20は、搬送される媒体Pの幅方向の全領域に対してインクの吐出が可能なように主走査方向に沿って、媒体Pの幅以上となるように並んで位置している。これにより、液体吐出装置1は、ライン方式のインクジェットプリンターを構成する。なお、液体吐出装置1は、ライン方式のインクジェットプリンターに限られるものではない。
【0018】
次に、吐出ユニット5の概略構成について説明する。
図2は、吐出ユニット5の概略構成を示す図である。
図2に示すように、吐出ユニット5は、ヘッド駆動モジュール10と液体吐出モジュール20とを有する。また、吐出ユニット5において、ヘッド駆動モジュール10と液体吐出モジュール20とは、1又は複数の配線部材30で電気的に接続されている。
【0019】
配線部材30は、ヘッド駆動モジュール10と液体吐出モジュール20とを電気的に接続するための可撓性の部材であって、例えば、フレキシブル配線基板(FPC:Flexible Printed Circuits)である。
【0020】
ヘッド駆動モジュール10は、制御回路100、駆動信号出力回路50-1~50-m、及び変換回路120を有する。
【0021】
制御回路100は、CPUやFPGA等を有する。制御回路100には、制御ユニット2が出力する画像情報信号IPが入力される。制御回路100は、入力される画像情報信号IPに基づいて、吐出ユニット5の各要素を制御する信号を出力する。
【0022】
制御回路100は、画像情報信号IPに基づいて液体吐出モジュール20の動作を制御するための基データ信号dDATAを生成し、変換回路120に出力する。変換回路120は、基データ信号dDATAをLVDS(Low Voltage Differential Signaling)等の差動信号に変換し、データ信号DATAとして液体吐出モジュール20に出力する。なお、変換回路120は、基データ信号dDATAをLVDS以外のLVPECL(Low Voltage Positive Emitter Coupled Logic)やCML(Current Mode Logic)等の高速転送方式の差動信号に変換し、データ信号DATAとして液体吐出モジュール20に出力してもよく、また、基データ信号dDATAの一部、又は全部をシングルエンドのデータ信号DATAとして、液体吐出モジュール20に出力してもよい。
【0023】
また、制御回路100は、駆動信号出力回路50-1に、基駆動信号dA1,dB1,dC1を出力する。駆動信号出力回路50-1は、駆動回路52a,52b,52cを有する。基駆動信号dA1は、駆動回路52aに入力される。駆動回路52aは、入力される基駆動信号dA1をデジタル/アナログ変換した後、D級増幅することで駆動信号COMA1を生成し、液体吐出モジュール20に出力する。基駆動信号dB1は、駆動回路52bに入力される。駆動回路52bは、入力される基駆動信号dB1をデジタル/アナログ変換した後、D級増幅することで駆動信号COMB1を生成し、液体吐出モジュール20に出力する。基駆動信号dC1は、駆動回路52cに入力される。駆動回路52cは、入力される基駆動信号dC1をデジタル/アナログ変換した後、D級増幅することで駆動信号COMC1を生成し、液体吐出モジュール20に出力する。
【0024】
ここで、駆動回路52a,52b,52cのそれぞれは、入力される基駆動信号dA1,dB1,dC1のそれぞれで規定される波形を増幅することで駆動信号COMA1,COMB1,COMC1を生成できればよく、D級増幅回路に替えて、若しくはD級増幅回路に加えてA級増幅回路、B級増幅回路、又はAB級増幅等回路等を含んでもよい。また、基駆動信号dA1,dB1,dC1のそれぞれは、対応する駆動信号COMA1,COMB1,COMC1の波形を規定できればよく、アナログ信号であってもよい。
【0025】
また、駆動信号出力回路50-1は、基準電圧出力回路53を有する。基準電圧出力回路53は、液体吐出モジュール20が有する後述する圧電素子60の基準電位を示す一定電位の基準電圧信号VBS1を生成し、液体吐出モジュール20に出力する。この基準電圧信号VBS1は、例えば、グラウンド電位であってもよく、5.5Vや6Vなどの一定電位であってもよい。ここで、一定電位とは、周辺回路の動作に起因して生じる電位の変動、回路素子のばらつきに起因して生じる電位の変動、回路素子の温度特性に起因して生じる電位の変動等の誤差による変動を加味した場合に、略一定の電位であるとみなせる場合を含む。
【0026】
駆動信号出力回路50-2~50-mは、入力される信号及び出力する信号が異なるのみであり、駆動信号出力回路50-1と同様の構成である。すなわち、駆動信号出力回路50-j(jは、1~mのいずれか)は、駆動回路52a,52b,52cに相当する回路と、基準電圧出力回路53に相当する回路とを含み、制御回路100から入力される基駆動信号dAj,dBj,dCjに基づいて駆動信号COMAj,COMBj,COMCjと基準電圧信号VBSjとを生成し、液体吐出モジュール20に出力する。
【0027】
ここで、以下の説明において、駆動信号出力回路50-1に含まれる駆動回路52a,52b,52cと、駆動信号出力回路50-jに含まれる駆動回路52a,52b,52cとは、同様の構成であり、区別する必要がない場合、単に駆動回路52と称する場合がある。この場合において、駆動回路52は、基駆動信号doに基づいて駆動信号COMを生成し出力するとして説明を行う。一方で、駆動信号出力回路50-1に含まれる駆動回路52a,52b,52cと、駆動信号出力回路50-jに含まれる駆動回路52a,52b,52cと、を区別する場合、駆動信号出力回路50-1に含まれる駆動回路52a,52b,52cを、駆動回路52a1,52b1,52c1と称し、駆動信号出力回路50-jに含まれる駆動回路52a,52b,52cを、駆動回路52aj,52bj,52cjと称する場合がある。
【0028】
液体吐出モジュール20は、復元回路220と吐出モジュール23-1~23-mとを有する。
【0029】
復元回路220は、データ信号DATAをシングルエンドの信号に復元するとともに、吐出モジュール23-1~23-mのそれぞれに対応する信号に分離し、対応する吐出モジュール23-1~23-mに出力する。
【0030】
具体的には、復元回路220は、データ信号DATAを復元するとともに分離することで、吐出モジュール23-1に対応するクロック信号SCK1、印刷データ信号SI1、及びラッチ信号LAT1を生成し、吐出モジュール23-1に出力する。また、復元回路220は、データ信号DATAを復元するとともに分離することで、吐出モジュール23-jに対応するクロック信号SCKj、印刷データ信号SIj、及びラッチ信号LATjを生成し、吐出モジュール23-jに出力する。
【0031】
以上のように復元回路220は、ヘッド駆動モジュール10が出力する差動信号のデータ信号DATAを復元するとともに、復元した信号を吐出モジュール23-1~23-mに対応する信号に分離する。これにより、復元回路220は、吐出モジュール23-1~23-mのそれぞれに対応するクロック信号SCK1~SCKm、印刷データ信号SI1~SIm、及びラッチ信号LAT1~LATmを生成し、対応する吐出モジュール23-1~23-mに出力する。なお、復元回路220が出力する吐出モジュール23-1~23-mのそれぞれに対応するクロック信号SCK1~SCKm、印刷データ信号SI1~SIm、及びラッチ信号LAT1~LATmの内のいずれかが、吐出モジュール23-1~23-mに対して、共通の信号であってもよい。
【0032】
ここで、復元回路220が、データ信号DATAを復元するとともに分離することで、クロック信号SCK1~SCKm、印刷データ信号SI1~SIm、及びラッチ信号LAT1~LATmを生成する点に鑑みれば、制御回路100が出力するデータ信号DATAは、クロック信号SCK1~SCKm、印刷データ信号SI1~SIm、及びラッチ信号LAT1~LATmに対応する差動信号であり、また、データ信号DATAの基となる基データ信号dDATAには、クロック信号SCK1~SCKm、印刷データ信号SI1~SIm、及びラッチ信号LAT1~LATmのそれぞれに対応する信号が含まれる。すなわち、基データ信号dDATAには、液体吐出モジュール20が有する吐出モジュール23-1~23-mの動作を制御する信号が含まれる。
【0033】
吐出モジュール23-1は、駆動信号選択回路200と複数の吐出部600とを有する。また、複数の吐出部600のそれぞれは、圧電素子60を含む。
【0034】
吐出モジュール23-1には、駆動信号COMA1,COMB1,COMC1と、基準電圧信号VBS1と、クロック信号SCK1、印刷データ信号SI1、及びラッチ信号LAT1と、が入力される。駆動信号COMA1,COMB1,COMC1と、クロック信号SCK1、印刷データ信号SI1、及びラッチ信号LAT1とは、吐出モジュール23-1が有する駆動信号選択回路200に入力される。駆動信号選択回路200は、入力されるクロック信号SCK1、印刷データ信号SI1、及びラッチ信号LAT1に基づいて、駆動信号COMA1,COMB1,COMC1のそれぞれを選択又は非選択とすることで駆動信号VOUTを生成し、対応する吐出部600が有する圧電素子60の一端に供給する。このとき、圧電素子60の他端には、基準電圧信号VBS1が供給されている。そして、圧電素子60が、一端に供給される駆動信号VOUTと他端に供給される基準電圧信号VBS1との電位差により駆動することで、対応する吐出部600からインクが吐出される。
【0035】
同様に、吐出モジュール23-jは、駆動信号選択回路200と複数の吐出部600とを有する。また、複数の吐出部600のそれぞれは、圧電素子60を含む。
【0036】
吐出モジュール23-jには、駆動信号COMAj,COMBj,COMCjと、基準電圧信号VBSjと、クロック信号SCKj、印刷データ信号SIj、及びラッチ信号LATjと、が入力される。駆動信号COMAj,COMBj,COMCjと、クロック信号SCKj、印刷データ信号SIj、及びラッチ信号LATjとは、吐出モジュール23-jが有する駆動信号選択回路200に入力される。駆動信号選択回路200は、入力されるクロック信号SCKj、印刷データ信号SIj、及びラッチ信号LATjに基づいて、駆動信号COMAj,COMBj,COMCjのそれぞれを選択又は非選択とすることで駆動信号VOUTを生成し、対応する吐出部600が有する圧電素子60の一端に供給する。このとき、圧電素子60の他端には、基準電圧信号VBSjが供給されている。そして、圧電素子60が、一端に供給される駆動信号VOUTと他端に供給される基準電圧信号VBSjとの電位差により駆動することで、対応する吐出部600からインクが吐出される。
【0037】
以上のように構成された第1実施形態の液体吐出装置1は、制御ユニット2が不図示のホストコンピューター等から供給される画像データに基づいて、搬送ユニット4により媒体Pの搬送を制御するとともに、吐出ユニット5が有する液体吐出モジュール20からのインクの吐出を制御する。これにより、液体吐出装置1は、媒体Pの所望の位置に所望の量のインクを着弾させることができ、媒体Pに所望の画像を形成する。
【0038】
ここで、液体吐出モジュール20が有する吐出モジュール23-1~23-mは、入力される信号が異なるのみであり、同様の構成である。そのため、以下の説明において、吐出モジュール23-1~23-mを区別する必要がない場合、単に吐出モジュール23と称する場合がある。また、この場合において、吐出モジュール23に入力される駆動信号COMA1~COMAmを駆動信号COMAと称し、駆動信号COMB1~COMBmを駆動信号COMBと称し、駆動信号COMC1~COMCmを駆動信号COMCと称し、基準電圧信号VBS1~VBSmを基準電圧信号VBSと称し、クロック信号SCK1~SCKmをクロック信号SCKと称し、印刷データ信号SI1~SImを印刷データ信号SIと称し、ラッチ信号LAT1~LATmをラッチ信号LATと称する場合がある。
【0039】
すなわち、吐出モジュール23には、駆動信号COMA,COMB,COMCと、基準電圧信号VBSと、クロック信号SCK、印刷データ信号SI、及びラッチ信号LATと、が入力される。駆動信号COMA,COMB,COMCと、クロック信号SCK、印刷データ信号SI、及びラッチ信号LATとは、吐出モジュール23が有する駆動信号選択回路200に入力される。駆動信号選択回路200は、入力されるクロック信号SCK、印刷データ信号SI、及びラッチ信号LATに基づいて、駆動信号COMA,COMB,COMCのそれぞれを選択又は非選択とすることで駆動信号VOUTを生成し、対応する吐出部600が有する圧電素子60の一端に供給する。このとき、圧電素子60の他端には、基準電圧信号VBSが供給されている。そして、圧電素子60が、一端に供給される駆動信号VOUTと他端に供給される基準電圧信号VBSjとの電位差により駆動することで、対応する吐出部600からインクが吐出される。
【0040】
以上のように、本実施形態における液体吐出装置1は、圧電素子60の駆動に応じてインクを吐出する吐出モジュール23を含む液体吐出モジュール20と、駆動信号COMA,COMB,COMCを出力する駆動信号出力回路50-1~50-mを含むヘッド駆動モジュール10と、一端がヘッド駆動モジュール10と電気的に接続し、他端が液体吐出モジュール20と電気的に接続する配線部材30と、を備える。ここで、圧電素子60が駆動素子の一例であり、圧電素子60の駆動に応じてインクを吐出する吐出モジュール23又は吐出モジュール23を含む液体吐出モジュール20が吐出ヘッドの一例であり、駆動信号COMA,COMB,COMCを出力する駆動信号出力回路50-1~50-mのいずれか、又は駆動信号出力回路50-1~50-mを含むヘッド駆動モジュール10がヘッド駆動回路の一例である。
【0041】
1.2 駆動信号選択回路の機能構成
次に、吐出モジュール23が有する駆動信号選択回路200の構成及び動作について説明する。吐出モジュール23が有する駆動信号選択回路200の構成及び動作を説明するにあたり、まず、駆動信号選択回路200に入力される駆動信号COMA,COMB,COMCに含まれる信号波形の一例について説明する。
【0042】
図3は、駆動信号COMA,COMB,COMCの信号波形の一例を示す図である。
図3に示すように、駆動信号COMAは、ラッチ信号LATが立ち上がってから次にラッチ信号LATが立ち上がるまでの周期Tに配された台形波形Adpを含む。台形波形Adpは、圧電素子60の一端に供給されることで、当該圧電素子60に対応する吐出部600から、所定の量のインクを吐出させる信号波形である。駆動信号COMBは、周期Tに配された台形波形Bdpを含む。この台形波形Bdpは、電圧振幅が台形波形Adpよりも小さい信号波形であり、圧電素子60の一端に供給されることで、当該圧電素子60に対応する吐出部600から、所定の量よりも少量のインクを吐出させる信号波形である。駆動信号COMCは、周期Tに配された台形波形Cdpを含む。この台形波形Cdpは、電圧振幅が台形波形Adp,Bdpよりも小さい信号波形であり、圧電素子60の一端に供給されることで、当該圧電素子60に対応する吐出部600からインクが吐出されない程度にノズル開孔部付近のインクを振動させる信号波形である。この台形波形Cdpは、圧電素子60に供給されることで、当該圧電素子60を含む吐出部600のノズル開孔部付近のインクを振動させる。これにより、ノズル開孔部付近のインクの粘度が増大するおそれが低減する。
【0043】
すなわち、駆動信号COMAは、インクが吐出されるように圧電素子60を駆動する信号であり、駆動信号COMBは、インクが吐出されるように圧電素子60を駆動する信号であり、駆動信号COMCは、インクが吐出されないよう圧電素子60を駆動するための信号である。このような駆動信号COMAが圧電素子60に供給された場合に吐出モジュール23を含む液体吐出モジュール20から吐出されるインクの量と、駆動信号COMBが圧電素子60に供給された場合に吐出モジュール23を含む液体吐出モジュール20から吐出されるインクの量とは異なる。
【0044】
また、台形波形Adp,Bdp,Cdpのそれぞれの開始タイミング及び終了タイミングにおいて、台形波形Adp,Bdp,Cdpの電圧値は、いずれも電圧Vcで共通である。すなわち、台形波形Adp,Bdp,Cdpは、それぞれが電圧Vcで開始し電圧Vcで終了する信号波形である。
【0045】
ここで、以下の説明において、台形波形Adpが圧電素子60の一端に供給された場合に、当該圧電素子60に対応する吐出部600から吐出されるインクの量を大程度の量と称し、台形波形Bdpが圧電素子60の一端に供給された場合に、当該圧電素子60に対応する吐出部600から吐出されるインクの量を小程度の量と称する場合がある。また、台形波形Cdpが圧電素子60の一端に供給された場合に、当該圧電素子60に対応する吐出部600からインクが吐出されない程度にノズル開孔部付近のインクを振動させることを微振動と称する場合がある。
【0046】
なお、
図3では、駆動信号COMA,COMB,COMCのそれぞれが、周期Tにおいて1個の台形波形を含む場合を例示しているが、駆動信号COMA,COMB,COMCのそれぞれは、周期Tにおいて2個以上の連続した台形波形を含んでもよい。この場合、駆動信号選択回路200には、2個以上の台形波形の切替タイミングを規定する信号が入力され、吐出部600は、周期Tにおいて複数回インクを吐出する。そして、周期Tにおいて複数回に分けて吐出されたインクが媒体Pに着弾し結合することで媒体Pに1個のドットが形成される。これにより媒体Pに形成されるドットの階調数を増加することができる。
【0047】
これに対して、第1実施形態に示す液体吐出装置1では、駆動信号COMA,COMB,COMCが周期Tにおいて1個の台形波形を含む信号であるとして説明を行う。これにより、媒体Pにドットを形成する周期Tを短くすることができ、媒体Pへの画像形成速度の高速化を実現するとともに、駆動信号COMA,COMB,COMCを並列して液体吐出モジュール20に供給することにより、媒体Pに形成されるドットの階調数の増加も実現している。ここで、ラッチ信号LATが立ち上がってから次にラッチ信号LATが立ち上がるまでの周期Tを、媒体Pに所望のサイズのドットを形成するドット形成周期と称する場合がある。
【0048】
なお、駆動信号COMA,COMB,COMCに含まれる信号波形は、
図3に例示する信号波形に限られるものではなく、吐出部600から吐出されるインクの種類、駆動信号COMA,COMB,COMCにより駆動される圧電素子60の数、駆動信号COMA,COMB,COMCが伝搬する配線長等に応じて、様々な信号波形が用いられてもよい。すなわち、
図2に示す駆動信号COMA1~COMAmは、それぞれが互いに異なる信号波形を含んでもよく、同様に、駆動信号COMB1~COMBm、駆動信号COMC1~COMCmも、それぞれが互いに異なる信号波形を含んでもよい。
【0049】
次に、駆動信号COMA,COMB,COMCのそれぞれを選択又は非選択とすることで駆動信号VOUTを出力する駆動信号選択回路200の構成及び動作について説明する。
図4は、駆動信号選択回路200の機能構成を示す図である。
図4に示すように、駆動信号選択回路200は、選択制御回路210及び複数の選択回路230を含む。
【0050】
選択制御回路210には、印刷データ信号SI、ラッチ信号LAT、及びクロック信号SCKが入力される。また、選択制御回路210は、n個の吐出部600の各々に対応したシフトレジスター(S/R)212、ラッチ回路214、及びデコーダー216の組を有する。すなわち、駆動信号選択回路200は、吐出部600の総数と同じn個のシフトレジスター212、ラッチ回路214、及びデコーダー216を含む。
【0051】
印刷データ信号SIは、クロック信号SCKに同期した信号であって、n個の吐出部600の各々から吐出されるインクにより形成されるドットサイズを「大ドットLD」、「小ドットSD」、「非吐出ND」、及び「微振動BSD」のいずれかで規定するための2ビットの印刷データ[SIH,SIL]を含む。この印刷データ信号SIは、2ビットの印刷データ[SIH,SIL]毎に吐出部600に対応したシフトレジスター212に保持される。
【0052】
具体的には、吐出部600に対応したn個のシフトレジスター212は、互いに縦続接続されている。シリアルで入力された印刷データ信号SIは、クロック信号SCKに従って縦続接続されたシフトレジスター212の後段に順次転送される。そして、クロック信号SCKの供給が停止することで、n個のシフトレジスター212には、当該シフトレジスター212に対応する吐出部600に対応した2ビットの印刷データ[SIH,SIL]が保持される。なお、
図4では、縦続接続されたn個のシフトレジスター212を区別するために、印刷データ信号SIが入力される上流側から下流側に向かい1段、2段、…、n段と表記している。
【0053】
n個のラッチ回路214の各々は、ラッチ信号LATの立ち上がりで対応するシフトレジスター212で保持された2ビットの印刷データ[SIH,SIL]を一斉にラッチする。
【0054】
n個のデコーダー216の各々は、対応するラッチ回路214によってラッチされた2ビットの印刷データ[SIH,SIL]をデコードし、周期T毎にデコード内容に応じた論理レベルの選択信号S1,S2,S3を出力する。
図5は、デコーダー216におけるデコード内容の一例を示す図である。デコーダー216は、ラッチされた2ビットの印刷データ[SIH,SIL]と
図5に示すデコード内容とで規定される論理レベルの選択信号S1,S2,S3を出力する。例えば、第1実施形態におけるデコーダー216は、対応するラッチ回路214によりラッチされた2ビットの印刷データ[SIH,SIL]が[1,0]の場合、周期Tにおいて選択信号S1,S2,S3のそれぞれの論理レベルをL,H,Lレベルとする。
【0055】
選択回路230は、n個の吐出部600のそれぞれに対応して設けられている。すなわち、駆動信号選択回路200は、n個の選択回路230を有する。選択回路230には、同じ吐出部600に対応するデコーダー216が出力する選択信号S1,S2,S3と、駆動信号COMA,COMB,COMCと、が入力される。そして、選択回路230は、選択信号S1,S2,S3と駆動信号COMA,COMB,COMCとに基づいて駆動信号COMA,COMB,COMCのそれぞれを選択又は非選択とすることで駆動信号VOUTを生成し、対応する吐出部600に出力する。
【0056】
図6は、吐出部600の1個分に対応する選択回路230の構成の一例を示す図である。
図6に示すように、選択回路230は、インバーター232a,232b,232cと、トランスファーゲート234a,234b,234cとを有する。
【0057】
選択信号S1は、トランスファーゲート234aにおいて丸印が付されていない正制御端に入力される一方で、インバーター232aによって論理反転されてトランスファーゲート234aにおいて丸印が付された負制御端に入力される。また、トランスファーゲート234aの入力端には、駆動信号COMAが供給される。トランスファーゲート234aは、入力される選択信号S1がHレベルの場合、入力端と出力端との間を導通とし、入力される選択信号S1がLレベルの場合、入力端と出力端との間を非導通とする。すなわち、トランスファーゲート234aは、選択信号S1がHレベルの場合に駆動信号COMAを出力端に出力し、選択信号S1がLレベルの場合に駆動信号COMAを出力端に出力しない。
【0058】
選択信号S2は、トランスファーゲート234bにおいて丸印が付されていない正制御端に入力される一方で、インバーター232bによって論理反転されてトランスファーゲート234bにおいて丸印が付された負制御端に入力される。また、トランスファーゲート234bの入力端には、駆動信号COMBが供給される。トランスファーゲート234bは、入力される選択信号S2がHレベルの場合、入力端と出力端との間を導通とし、入力される選択信号S2がLレベルの場合、入力端と出力端との間を非導通とする。すなわち、トランスファーゲート234bは、選択信号S2がHレベルの場合に駆動信号COMBを出力端に出力し、選択信号S2がLレベルの場合に駆動信号COMBを出力端に出力しない。
【0059】
選択信号S3は、トランスファーゲート234cにおいて丸印が付されていない正制御端に入力される一方で、インバーター232cによって論理反転されてトランスファーゲート234cにおいて丸印が付された負制御端に入力される。また、トランスファーゲート234cの入力端には、駆動信号COMCが供給される。トランスファーゲート234cは、入力される選択信号S3がHレベルの場合、入力端と出力端との間を導通とし、入力される選択信号S3がLレベルの場合、入力端と出力端との間を非導通とする。すなわち、トランスファーゲート234cは、選択信号S3がHレベルの場合に駆動信号COMCを出力端に出力し、選択信号S3がLレベルの場合に駆動信号COMCを出力端に出力しない。
【0060】
トランスファーゲート234a,234b,234cの出力端は、共通に接続されている。すなわち、共通に接続されたトランスファーゲート234a,234b,234cの出力端には、選択信号S1,S2,S3によって選択又は非選択された駆動信号COMA,COMB,COMCが供給される。選択回路230は、この共通に接続された出力端に供給される信号を駆動信号VOUTとして対応する吐出部600に出力する。
【0061】
駆動信号選択回路200の動作について説明する。
図7は、駆動信号選択回路200の動作を説明するための図である。印刷データ信号SIは、クロック信号SCKに同期してシリアルで入力され、吐出部600に対応するシフトレジスター212で順次転送される。そして、クロック信号SCKの入力が停止することで、吐出部600の各々に対応した2ビットの印刷データ[SIH,SIL]が対応するシフトレジスター212に保持される。
【0062】
その後、ラッチ信号LATが立ち上がると、シフトレジスター212に保持されている2ビットの印刷データ[SIH,SIL]は、ラッチ回路214により一斉にラッチされる。なお、
図7には、ラッチ回路214によってラッチされた1段、2段、…、n段のシフトレジスター212に対応する2ビットの印刷データ[SIH,SIL]をLT1、LT2、…、LTnとして図示している。
【0063】
デコーダー216は、ラッチされた2ビットの印刷データ[SIH,SIL]で規定されるドットサイズに応じ論理レベルの選択信号S1,S2,S3を出力する。
【0064】
具体的には、デコーダー216は、印刷データ[SIH,SIL]が[1,1]の場合、周期Tにおいて、選択信号S1,S2,S3の論理レベルを、H,L,Lレベルとして選択回路230に出力する。その結果、選択回路230は、周期Tにおいて台形波形Adpを選択し、「大ドットLD」に対応する駆動信号VOUTを出力する。また、デコーダー216は、印刷データ[SIH,SIL]が[1,0]の場合、周期Tにおいて、選択信号S1,S2,S3の論理レベルを、L,H,Lレベルとして選択回路230に出力する。その結果、選択回路230は、周期Tにおいて台形波形Bdpを選択し、「小ドットSD」に対応する駆動信号VOUTを出力する。また、デコーダー216は、印刷データ[SIH,SIL]が[0,1]の場合、周期Tにおいて、選択信号S1,S2,S3の論理レベルを、L,L,Lレベルとして選択回路230に出力する。その結果、選択回路230は、周期Tにおいて台形波形Adp,Bdp,Cdpのいずれも選択せず、電圧Vcで一定の「非吐出ND」に対応する駆動信号VOUTを出力する。また、デコーダー216は、印刷データ[SIH,SIL]が[0,0]の場合、周期Tにおいて、選択信号S1,S2,S3の論理レベルをL,L,Hレベルとして選択回路230に出力する。その結果、選択回路230は、周期Tにおいて台形波形Cdpを選択し、「微振動BSD」に対応する駆動信号VOUTを出力する。
【0065】
ここで、選択回路230が、台形波形Adp,Bdp,Cdpのいずれも選択しない場合、対応する圧電素子60の一端には、当該圧電素子60に直前に供給された電圧Vcが圧電素子60の容量成分により保持される。すなわち、選択回路230が電圧Vcで一定の駆動信号VOUTを出力するとは、駆動信号VOUTとして台形波形Adp,Bdp,Cdpのいずれも選択されていない場合に、圧電素子60の容量成分により保持された直前の電圧Vcが駆動信号VOUTとして圧電素子60に供給される場合が含まれる。
【0066】
以上のように、駆動信号選択回路200は、印刷データ信号SI、ラッチ信号LAT、及びクロック信号SCKに基づいて、駆動信号COMA,COMB,COMCを選択又は非選択とすることで、複数の吐出部600のそれぞれに対応した駆動信号VOUTを生成し、対応する吐出部600に出力する。これにより、複数の吐出部600のそれぞれから吐出されるインクの量が個別に制御される。
【0067】
1.3 液体吐出モジュールの構成
次に、液体吐出モジュール20の構造について
図8~
図10を用いて説明する。
図8は、液体吐出モジュール20の構造を示す図である。ここで、液体吐出モジュール20の構造を説明するに際して、
図8~
図10には、互いに直行するX1方向、Y1方向、及びZ1方向を示す矢印を図示している。また、
図8~
図10の説明において、X1方向を示す矢印の起点側を-X1側、先端側を+X1側と称し、Y1方向を示す矢印の起点側を-Y1側、先端側を+Y1側と称し、Z1方向を示す矢印の起点側を-Z1側、先端側を+Z1側と称する場合がある。また、以下の説明において、第1実施形態における液体吐出装置1が備える液体吐出モジュール20は、6個の吐出モジュール23を有するとして説明を行い、6個の吐出モジュール23のそれぞれを区別する場合、吐出モジュール23-1~23-6と称する場合がある。
【0068】
液体吐出モジュール20は、筐体31、集合基板33、流路構造体34、ヘッド基板35、分配流路37、固定板39、及び吐出モジュール23-1~23-6を有する。そして、液体吐出モジュール20において、流路構造体34、ヘッド基板35、分配流路37、及び固定板39は、Z1方向に沿って-Z1側から+Z1側に向かい、固定板39、分配流路37、ヘッド基板35、流路構造体34の順に積層されるとともに、筐体31が、流路構造体34、ヘッド基板35、分配流路37、及び固定板39を支持するように、流路構造体34、ヘッド基板35、分配流路37、及び固定板39の周囲に位置する。そして、集合基板33が、筐体31の+Z1側において、筐体31に保持された状態で立設するとともに、6個の吐出モジュール23は、分配流路37と固定板39との間において、一部が液体吐出モジュール20の外部に露出するように位置している。
【0069】
液体吐出モジュール20の構造を説明するにあたり、まず、液体吐出モジュール20が有する吐出モジュール23の構造について説明する。
図9は、吐出モジュール23の構造の一例を示す図である。また、
図10は、吐出モジュール23の断面の一例を示す図である。ここで、
図10は、
図9に示す吐出モジュール23を
図9に示すA-a線で切断した場合の断面図であり、また、
図10に示すA-a線は、吐出モジュール23が有する導入路661を通り、且つノズルN1及びノズルN2を通る仮想的な線分である。
【0070】
図9及び
図10に示すように、吐出モジュール23は、並設された複数のノズルN1と並設された複数のノズルN2とを有する。この吐出モジュール23が有するノズルN1とノズルN2との総数が、吐出モジュール23が有する吐出部600と同数のn個となる。なお、第1実施形態において、吐出モジュール23が有するノズルN1の数とノズルN2の数とは同数であるとして説明を行う。すなわち、吐出モジュール23は、n/2個のノズルN1とn/2個のノズルN2とを有するとして説明を行う。ここで、以下の説明においてノズルN1とノズルN2と区別する必要がない場合、単にノズルNと称する場合がある。
【0071】
吐出モジュール23は、配線部材388、ケース660、保護基板641、流路形成基板642、連通板630、コンプライアンス基板620、及びノズルプレート623を有する。
【0072】
流路形成基板642には、一方面側から異方性エッチングすることにより複数の隔壁によって区画された圧力室CB1がノズルN1に対応して並設されているとともに、一方面側から異方性エッチングすることにより複数の隔壁によって区画された圧力室CB2がノズルN2に対応して並設されている。ここで、以下の説明において、圧力室CB1と圧力室CB2とを区別する必要がない場合、単に圧力室CBと称する場合がある。
【0073】
ノズルプレート623は、流路形成基板642の-Z1側に位置している。ノズルプレート623には、n/2個のノズルN1により形成されたノズル列Ln1と、n/2個のノズルN2により形成されたノズル列Ln2とが設けられている。ここで、以下の説明において、ノズルNが開口するノズルプレート623の-Z1側の面を液体噴射面623aと称する場合がある。
【0074】
流路形成基板642の-Z1側であって、ノズルプレート623の+Z1側には、連通板630が位置している。連通板630には、圧力室CB1とノズルN1とを連通するノズル連通路RR1と、圧力室CB2とノズルN2とを連通するノズル連通路RR2とが設けられている。また、連通板630には、圧力室CB1の端部とマニホールドMN1とを連通する圧力室連通路RK1と、圧力室CB2の端部とマニホールドMN2とを連通する圧力室連通路RK2とが、圧力室CB1,CB2のそれぞれに対応して独立して設けられている。
【0075】
マニホールドMN1は、供給連通路RA1と接続連通路RX1とを含む。供給連通路RA1は、連通板630をZ1方向に沿って貫通して設けられ、接続連通路RX1は連通板630をZ1方向に貫通することなく、連通板630のノズルプレート623側に開口してZ1方向の途中まで設けられている。同様に、マニホールドMN2は、供給連通路RA2と接続連通路RX2とを含む。供給連通路RA2は連通板630をZ1方向に沿って貫通して設けられ、接続連通路RX2は連通板630をZ1方向に貫通することなく、連通板630のノズルプレート623側に開口してZ1方向の途中まで設けられている。そして、マニホールドMN1に含まれる接続連通路RX1が圧力室連通路RK1によって対応する圧力室CB1と連通し、マニホールドMN2に含まれる接続連通路RX2が圧力室連通路RK2によって対応する圧力室CB2と連通する。
【0076】
ここで、以下の説明において、ノズル連通路RR1とノズル連通路RR2とを区別する必要がない場合、単にノズル連通路RRと称する場合があり、マニホールドMN1とマニホールドMN2とを区別する必要がない場合、単にマニホールドMNと称する場合があり、供給連通路RA1と供給連通路RA2とを区別する必要がない場合、単に供給連通路RAと称する場合があり、接続連通路RX1と接続連通路RX2とを区別する必要がない場合、単に接続連通路RXと称する場合がある。
【0077】
流路形成基板642の+Z1側の面には、振動板610が位置している。また、振動板610の+Z1側の面上には、ノズルN1,N2に対応して圧電素子60が2列で形成されている。圧電素子60の一方の電極、及び圧電体層は圧力室CB毎に形成され、圧電素子60の他方の電極は圧力室CBに対して共通の共通電極として構成されている。そして、圧電素子60の一方の電極に、駆動信号選択回路200から駆動信号VOUTが供給され、圧電素子60の他方の電極である共通電極には、基準電圧信号VBSが供給される。
【0078】
流路形成基板642の+Z1側の面には、保護基板641が接合されている。保護基板641は、圧電素子60を保護するための保護空間644を形成する。また、保護基板641には、Z1方向に沿って貫通する貫通孔643が設けられている。圧電素子60の電極から引き出されたリード電極611の端部は、この貫通孔643の内側に露出するように延設される。そして、貫通孔643の内側に露出するリード電極611の端部に配線部材388が電気的に接続される。
【0079】
また、保護基板641及び連通板630には、複数の圧力室CBに連通するマニホールドMNの一部を画成するケース660が固定されている。ケース660は、保護基板641に接合されるとともに、連通板630にも接合されている。具体的には、ケース660は、-Z1側の面に流路形成基板642及び保護基板641が収容される凹部665を有する。凹部665は、保護基板641が流路形成基板642に接合された面よりも広い開口面積を有する。そして、凹部665に流路形成基板642等が収容された状態で凹部665の-Z1側の開口面が連通板630によって封止される。これにより、ケース660と流路形成基板642及び保護基板641とによって流路形成基板642の外周部に供給連通路RB1及び供給連通路RB2が画成される。ここで、供給連通路RB1と供給連通路RB2とを区別する必要がない場合、単に供給連通路RBと称する場合がある。
【0080】
また、連通板630における供給連通路RA及び接続連通路RXが開口する面には、コンプライアンス基板620が設けられている。このコンプライアンス基板620により、供給連通路RAと接続連通路RXの開口が封止される。このようなコンプライアンス基板620は、封止膜621と固定基板622とを有する。封止膜621は、可撓性を有する薄膜等により形成され、固定基板622は、ステンレス鋼等の金属等の硬質の材料で形成される。
【0081】
ケース660には、マニホールドMNにインクを供給するための導入路661が設けられている。また、ケース660には、保護基板641の貫通孔643に連通しZ1方向に沿って貫通する開口であって、配線部材388が挿通される接続口662が設けられている。
【0082】
配線部材388は、吐出モジュール23とヘッド基板35とを電気的に接続するための可撓性の部材であって、例えば、FPCを用いることができる。また、配線部材388には、集積回路201がCOF(Chip On Film)実装されている。この集積回路201には、前述した駆動信号選択回路200の少なくとも一部が実装されている。
【0083】
以上のように構成された吐出モジュール23では、配線部材388を介して駆動信号選択回路200が出力する駆動信号VOUTと、基準電圧信号VBSとが圧電素子60に供給される。そして、圧電素子60は、駆動信号VOUTと基準電圧信号VBSとの電位差の変化により駆動する。この圧電素子60の駆動に伴い、振動板610が上下方向に変位し、圧力室CBの内部圧力が変化する。そして、圧力室CBの内部圧力の変化により、圧力室CBの内部に貯留されるインクが対応するノズルNから吐出される。ここで、吐出モジュール23において、ノズルN、ノズル連通路RR、圧力室CB、圧電素子60、及び振動板610を含む構成が、前述した吐出部600に相当する。
【0084】
図9に戻り、固定板39は、吐出モジュール23の-Z1側に位置している。固定板39は、6個の吐出モジュール23を固定する。具体的には、固定板39は、固定板39をZ2方向に沿って貫通する6個の開口部391を有する。この6個の開口部391のそれぞれから吐出モジュール23の液体噴射面623aが露出する。すなわち、固定板39には、液体噴射面623aが対応する開口部391のそれぞれから露出するように6個の吐出モジュール23が固定される。
【0085】
分配流路37は、吐出モジュール23の+Z1側に位置している。分配流路37の+Z1側の面には、4個の導入部373が設けられている。4個の導入部373は、分配流路37の+Z1側の面からZ1方向に沿って+Z1側に突出する流路管であって、流路構造体34の-Z1側の面に形成された不図示の流路孔と連通する。また、分配流路37の-Z1側の面には、4個の導入部373と連通する不図示の流路管が位置している。この分配流路37の-Z1側の面に位置する不図示の流路管が、6個の吐出モジュール23のそれぞれが有する導入路661と連通する。また、分配流路37は、Z1方向に沿って貫通する6個の開口部371を有する。この6個の開口部371には、6個の吐出モジュール23のそれぞれが有する配線部材388が挿通される。
【0086】
ヘッド基板35は、分配流路37の+Z1側に位置している。ヘッド基板35には、後述する集合基板33と電気的に接続する配線部材FCが取り付けられている。また、ヘッド基板35には、4個の開口部351と切欠部352,353とが形成されている。4個の開口部351には、吐出モジュール23-2~23-5が有する配線部材388が挿通する。そして、4個の開口部351を挿通した吐出モジュール23-2~23-5のそれぞれの配線部材388は、はんだ等によってヘッド基板35と電気的に接続される。また、切欠部352には、吐出モジュール23-1が有する配線部材388が通過し、切欠部353には、吐出モジュール23-6が有する配線部材388が通過する。そして、切欠部352,353のそれぞれを通過した吐出モジュール23-1,23-6のそれぞれが有する配線部材388は、はんだ等によってヘッド基板35と電気的に接続される。
【0087】
また、ヘッド基板35の四隅には4個の切欠部355が形成されている。4個の切欠部355には、導入部373が通過する。そして、切欠部355を通過した4個の導入部373は、ヘッド基板35の+Z1側に位置する流路構造体34に接続される。
【0088】
流路構造体34は、流路プレートSu1及び流路プレートSu2を有する。流路プレートSu1及び流路プレートSu2は、+Z1側に流路プレートSu1が位置し、-Z1側に流路プレートSu2が位置した状態でZ1方向に沿って積層され、接着剤等により互いに接合されている。
【0089】
流路構造体34は、+Z1側の面にZ1方向に沿って+Z1側へ突出する4個の導入部341を有する。4個の導入部341は、流路構造体34の内部に形成されたインク流路を介して、流路構造体34の-Z1側の面に形成された不図示の流路孔と連通している。そして、流路構造体34の-Z1側の面に形成された不図示の流路孔と4個の導入部373とが連通する。また、流路構造体34には、Z1方向に沿って貫通する貫通孔343が形成されている。貫通孔343には、ヘッド基板35と電気的に接続する配線部材FCが挿通する。また、流路構造体34の内部には、導入部341と、-Z1側の面に形成された不図示の流路孔と、を連通するインク流路に加えて、当該インク流路を流れるインクに含まれる異物を補足するためのフィルター等が設けられていてもよい。
【0090】
筐体31は、流路構造体34、ヘッド基板35、分配流路37、及び固定板39の周囲を覆うように位置し、流路構造体34、ヘッド基板35、分配流路37、及び固定板39を支持する。筐体31は、4個の開口部311、集合基板挿通部313、及び保持部材315を有する。
【0091】
4個の開口部311のそれぞれには、流路構造体34が有する4個の導入部341が挿通される。そして、4個の開口部311を挿通した4個の導入部341には、不図示のチューブ等を介して液体容器3からインクが供給される。
【0092】
保持部材315は、集合基板33の一部が集合基板挿通部313を挿通した状態で集合基板33を挟持する。集合基板33には、接続部330が設けられている。接続部330には、ヘッド駆動モジュール10が出力するデータ信号DATA、駆動信号COMA,COMB,COMC、基準電圧信号VBS、及びその他の電源電圧等の各種信号が配線部材30を介して入力される。また、集合基板33には、ヘッド基板35が有する配線部材FCが電気的に接続される。これにより、集合基板33とヘッド基板35とが電気的に接続する。この集合基板33には、前述した復元回路220を含む半導体装置が設けられてもよい。なお、
図8では、集合基板33が1個の接続部330を有している場合を図示しているが、液体吐出装置1が、複数の配線部材30を有し、ヘッド駆動モジュール10が出力するデータ信号DATA、駆動信号COMA,COMB,COMC、基準電圧信号VBS、及びその他の電源電圧等の各種信号が複数の配線部材30を介して集合基板33に入力される場合、集合基板33は、複数の配線部材30のそれぞれに対応する複数の接続部330を有してもよい。
【0093】
以上のように構成された液体吐出モジュール20では、液体容器3と導入部341とが不図示のチューブ等を介して連通することで液体容器3に貯留されたインクが供給される。そして、液体吐出モジュール20に供給されたインクは、流路構造体34の内部に形成されたインク流路を介して、流路構造体34の-Z1側の面に形成された不図示の流路孔に導かれた後、分配流路37が有する4個の導入部373に供給される。4個の導入部373を介して分配流路37に供給されたインクは、分配流路37の内部に形成された不図示のインク流路において6個の吐出モジュール23毎に対応して分配された後、対応する吐出モジュール23が有する導入路661に供給される。そして、導入路661を介して吐出モジュール23に供給されたインクが、吐出部600に含まれる圧力室CBに貯留される。
【0094】
また、ヘッド駆動モジュール10と液体吐出モジュール20とは、1又は複数の配線部材30で電気的に接続されている。これにより、液体吐出モジュール20には、ヘッド駆動モジュール10が出力する駆動信号COMA,COMB,COMC、基準電圧信号VBS、及びデータ信号DATAを含む各種信号が供給される。液体吐出モジュール20に入力された駆動信号COMA,COMB,COMC、基準電圧信号VBS、及びデータ信号DATAを含む各種信号は、集合基板33、ヘッド基板35を伝搬する。このとき、復元回路220が、データ信号DATAから、吐出モジュール23-1~23-6のそれぞれに対応するクロック信号SCK1~SCK6、印刷データ信号SI1~SI6、及びラッチ信号LAT1~LAT6を生成する。そして、配線部材388に設けられた駆動信号選択回路200を含む集積回路201によって、n個と吐出部600のそれぞれに対応する駆動信号VOUTが生成され、対応する吐出部600に含まれる圧電素子60に供給される。その結果、圧電素子60が駆動し、圧力室CBに貯留されるインクが吐出される。
【0095】
1.4 ヘッド駆動モジュールの構造
次に、
図11~
図17を参照し、ヘッド駆動モジュール10の構造について説明する。ここで、
図11~
図17には、前述したX1方向、Y1方向、及びZ1方向とは独立した方向であって、互いに直行するX2方向、Y2方向、及びZ2方向を示す矢印を図示している。また、
図11~
図17の説明において、X2方向を示す矢印の起点側を-X2側、先端側を+X2側と称し、Y2方向を示す矢印の起点側を-Y2側、先端側を+Y2側と称し、Z2方向を示す矢印の起点側を-Z2側、先端側を+Z2側と称する場合がある。また、
図11~
図17では、一例として、Z2方向が重力方向と反対の方向、すなわち、上方向である場合について説明する。また、
図11~
図17では、一例として、Z2方向と反対の方向が重力方向、すなわち、下方向である場合について説明する。また、
図11~
図17では、一例として、X2方向と反対の方向が搬送方向である場合について説明する。また、
図11~
図17では、一例として、Y2方向と平行な方向が主走査方向である場合について説明する。また、以下では、一例として、m=6である場合について説明する。なお、本実施形態において、ヘッド駆動モジュール10は、駆動回路ユニットの一例である。また、本実施形態において、液体吐出モジュール20は、ヘッドの一例である。また、本実施形態において、ヘッド駆動モジュール10と液体吐出モジュール20との組み合わせは、ヘッドユニットの一例である。すなわち、本実施形態において、ヘッド駆動モジュール10と液体吐出モジュール20とは、ヘッドユニットを構成する。また、説明の便宜上、液体吐出モジュール20から液体が吐出される方向を第1方向と称し、第1方向と反対の方向を第2方向と称して説明する。また、本実施形態では、一例として、第1方向が下方向と一致している場合について説明する。また、本実施形態では、一例として、制御回路100及び変換回路120が、共通のFPGAに含まれる場合について説明する。なお、変換回路120は、FPGAを含まれない構成であってもよい。
【0096】
図11は、ヘッド駆動モジュール10の構造の一例を示す斜視図である。また、
図12は、
図11に示したヘッド駆動モジュール10を他の方向から見た場合の斜視図である。また、
図13は、
図11に示したヘッド駆動モジュール10を下から上に向かって見た場合の下面図である。
図11~
図13に示すように、ヘッド駆動モジュール10は、第1基板B1と、第2基板B2と、ファンFNと、制御回路100と、変換回路120と、ヒートシンクHS1と、6個の駆動回路部DRVと、第1コネクターCN1~第4コネクターCN4を有する。なお、ヘッド駆動モジュール10は、ファンFNを備えない構成であってもよい。この場合、液体吐出装置1は、ヘッド駆動モジュール10と別体のファンとして、例えば、制御回路100と、変換回路120と、ヒートシンクHS1と、6個の駆動回路部DRVとのそれぞれを冷却する1個以上のファンを備える。
【0097】
第1基板B1は、ヘッド駆動モジュール10に含まれる各部材へ電力を供給する電源ボードである。また、第1基板B1は、ヘッド駆動モジュール10が液体吐出モジュール20と接続される場合において、
図11において図示しない液体吐出モジュール20よりも第2方向側に配置される基板である。また、第1基板B1は、第1基板B1が有する2つの面である第1面M1及び第2面M2それぞれの長手方向がZ2方向に向かって延伸し、第1面M1及び第2面M2それぞれの短手方向がY2方向に向かって延伸する矩形平板形状の基板である。
【0098】
ここで、本実施形態において、ある部材の長手方向又は短手方向がある方向に向かって延伸することは、当該部材が当該方向に延伸することと、当該部材が当該方向と斜交する方向に延伸することとのいずれのことを意味してもよい。以下では、一例として、
図11~
図13に示したように、第1基板B1が、第1面M1及び第2面M2それぞれの長手方向がZ2方向へ延伸し、第1面M1及び第2面M2それぞれの短手方向がY2方向へ延伸する矩形平板形状の基板である場合について説明する。この場合、第1面M1及び第2面M2のそれぞれは、
図11~
図13に示したように、第1方向と平行な面である。なお、第1面M1及び第2面M2それぞれの長手方向がZ2方向と斜交する方向へ延伸する場合、第1面M1及び第2面M2のそれぞれは、第1方向と斜交する面である。
【0099】
なお、第1基板B1は、配線部材30を介して液体吐出モジュール20に接続される構成であってもよく、配線部材30を介さずに液体吐出モジュール20にBtoB接続される構成であってもよい。
【0100】
第1基板B1の第1面M1上には、6個の駆動回路部DRV、第2基板B2等が搭載されている。以下では、説明の便宜上、これら6個の駆動回路部DRVのそれぞれを、駆動回路部DRV1~駆動回路部DRV6と称して説明する。また、第1基板B1の第1面M1が有する端部のうち-Z2側の端部には、第1コネクターCN1が設けられている。また、第1基板B1の第2面M2が有する端部のうち+Z2側の端部には、第2コネクターCN2、第3コネクターCN3のそれぞれが設けられている。このように、第1基板B1は、第1コネクターCN1と、第2コネクターCN2と、第3コネクターCN3と、のそれぞれを有する。
【0101】
第1コネクターCN1は、後述する駆動回路部DRVに含まれる駆動回路52a、駆動回路52b、駆動回路52cのそれぞれから出力される駆動信号が伝送される伝送ケーブルが接続されるコネクターである。第1コネクターCN1には、液体吐出モジュール20、又は、液体吐出モジュール20に接続された配線部材30が接続される。このため、駆動回路部DRVから出力される駆動信号は、第1コネクターCN1を介して液体吐出モジュール20へ出力される。
図11~
図13に示した例では、第1コネクターCN1は、第1基板B1が有する2つの面のうちの第1面M1上に設けられている。なお、第1コネクターCN1は、第1基板B1の第2面M2上に設けられる構成であってもよい。
【0102】
第2コネクターCN2は、ファンFNに電力を供給する電源ケーブルが接続されるコネクターである。第2コネクターCN2は、第1基板B1の第2面M2上に設けられている。なお、第2コネクターCN2は、第1基板B1の第1面M1上に設けられる構成であってもよい。
【0103】
第3コネクターCN3は、電源ボードである第1基板B1に電力を供給する電源ケーブルが接続されるコネクターである。第3コネクターCN3は、第1基板B1の第2面M2上に設けられている。なお、第3コネクターCN3は、第1基板B1の第1面M1上に設けられる構成であってもよい。
【0104】
6個の駆動回路部DRVのうちのi番目の駆動回路部DRViは、第1基板B1の第1面M1上に設けられる。換言すると、駆動回路部DRViは、第1基板B1の第1面M1上に接続される。駆動回路部DRViは、駆動信号出力回路50-iを備える。すなわち、駆動回路部DRViは、
図11において図示しない駆動回路52a、駆動回路52b、駆動回路52cの3つの駆動回路と、基準電圧出力回路53とを含んで構成される。ここで、iは、1~6のうちのいずれかの整数である。
【0105】
また、駆動回路部DRViは、駆動信号出力回路50-iが実装された第3基板B3と、ヒートシンクHS2を含む。
【0106】
ここで、第3基板B3は、
図11~
図13に示したように、第1基板B1とBtoB接続して、第1基板B1に対して起立している。このため、第3基板B3と他の基板との接続はすべて、第1基板B1とのBtoB接続を介する。また、第3基板B3は、
図14に示したように、矩形平板形状の基板であり、駆動信号出力回路50-iが実装される。
図14は、駆動回路部DRV1に含まれている第3基板B3上における駆動信号出力回路50-1の実装例を示す図である。なお、第3基板B3上における駆動信号出力回路50-2の実装例~第3基板B3上における駆動信号出力回路50-6の実装例のそれぞれについては、第3基板B3上における駆動信号出力回路50-1の実装例と同じであるため、説明を省略する。
図14に示した例では、駆動回路部DRV1の第3基板B3上には、D級増幅回路として駆動回路52a、駆動回路52b、駆動回路52cのそれぞれを構成する3個の集積回路IC、3個の電界効果トランジスターFET、3個のコイルRC、1個の電解コンデンサーCP等が搭載されている。そして、当該例では、第3基板B3上において、3個の集積回路ICと、3個の電界効果トランジスターFETと、3個のコイルRCとは、3個のコイルRC、3個の電界効果トランジスターFETと、3個の集積回路ICの順に、X2方向に向かって並んでいる。また、当該例では、3個の集積回路ICは、Z2方向に向かって並んでいる。また、当該例では、3個の電界効果トランジスターFETは、Z2方向に向かって並んでいる。また、当該例では、コイルRCは、Z2方向に向かって並んでいる。また、当該例では、1個の電解コンデンサーCPは、3個のコイルRCよりも-X2側に位置している。すなわち、当該例では、第3基板B3は、駆動信号出力回路50-1の駆動回路52a、駆動回路52b、駆動回路52cよりも第1基板B1側に電解コンデンサーCPを搭載している。このように、当該例では、第3基板B3は、駆動回路52a、駆動回路52b、駆動回路52cよりも背が高い電子部品の全てを、駆動回路52a、駆動回路52b、駆動回路52cよりも第1基板B1側に搭載している。なお、第3基板B3は、電解コンデンサーCPに代えて、他の種類のコンデンサーを搭載している構成であってもよい。
【0107】
また、駆動回路部DRV1の第3基板B3が有する端部のうち-X2側の端部には、第5コネクターCN5が設けられている。第5コネクターCN5は、1個の電解コンデンサーCPよりも+Y2側に位置している。また、第5コネクターCN5は、第1基板B1に設けられている図示しないコネクターと接続される。これにより、駆動回路部DRV1は、第1基板B1に対してBtoB接続される。その結果、駆動回路部DRV1は、第1基板B1に対して交差する方向に向かって延伸するように、第1基板B1上に接続される。
図11~
図13に示した例では、駆動回路部DRV1は、第1基板B1に対して直交する方向であるX2方向に向かって延伸するように、第1基板B1にBtoB接続されている。また、第5コネクターCN5は、駆動回路部DRV1に含まれる駆動回路52a、駆動回路52b、駆動回路52cのそれぞれから出力される駆動信号を、第1基板B1を介して液体吐出モジュール20へ出力するためのコネクターである。また、第5コネクターCN5は、フローティングコネクターである。これにより、ヘッド駆動モジュール10は、後述するファンFNの回転に伴って発生する振動が第1基板B1に伝わってしまうことを抑制することができ、その結果、当該振動が駆動回路52a、駆動回路52b、駆動回路52cのそれぞれに伝わってしまうことを抑制することができる。なお、ヘッド駆動モジュール10では、第3基板B3に設けられた第5コネクターCN5に代えて、又は、第3基板B3に設けられた第5コネクターCN5に加えて、第1基板B1において第5コネクターCN5が接続されるコネクターがフローティングコネクターであってもよい。
【0108】
ここで、前述した通り、
図14に示した例では、第1基板B1上において、3個の集積回路ICと、3個の電界効果トランジスターFETと、3個のコイルRCとは、3個のコイルRC、3個の電界効果トランジスターFETと、3個の集積回路ICの順に、X2方向に向かって並んでいる。このため、駆動回路部DRV1の第3基板B3上に実装された3個のコイルRCと、このような第5コネクターCN5との間の距離は、駆動回路部DRV1の第3基板B3上に実装された3個の集積回路ICと第5コネクターCN5との間の距離よりも短い。これにより、ヘッド駆動モジュール10は、液体吐出モジュール20へ出力する駆動信号が流れる配線を短くすることができ、その結果、液体の吐出安定性を向上させることができる。
【0109】
ヒートシンクHS2は、駆動信号出力回路50-iを冷却するためのヒートシンクである。ヒートシンクHS2は、第3基板B3上に実装された駆動信号出力回路50-iを第3基板B3とともに挟むように第3基板B3上に設けられる。
図15は、より詳細なヒートシンクHS2と駆動信号出力回路50-iと第3基板B3との位置関係の一例を示す図である。ここで、
図11~
図13、
図15に示した例では、駆動回路部DRViの外形は、略直方体形状である。このような駆動回路部DRViの外形は、駆動回路部DRViに含まれる第3基板B3及びヒートシンクHS2によって構成されている。駆動信号出力回路50-iに設けられたヒートシンクHS2は、第1平板部材HS21と、第2平板部材HS22と、第1平板部材HS21と第2平板部材HS22とを接続する第1接続部材HS23と、第1平板部材HS21上に設けられた複数のフィンFnsとを含んで構成される。第1平板部材HS21は、第3基板B3上の3個の集積回路ICと、第3基板B3上の3個の電界効果トランジスターFETとのそれぞれと接触している略矩形平板形状の部材である。
図15では、図を簡略化するため、第3基板B3上の3個の集積回路ICは、1個の直方体形状の物体として示されている。また、
図15では、図を簡略化するため、第3基板B3上の3個の電界効果トランジスターFETは、1個の直方体形状の物体として示されている。第2平板部材HS22は、第1平板部材HS21と平行な略矩形平板形状の部材であり、第1平板部材HS21よりも第3基板B3から離れている部材である。また、Y2方向に向かってヒートシンクHS2を見た場合、第2平板部材HS22が有する端部のうち+X2側の端部は、第1平板部材HS21が有する端部のうち-X2側の端部と重なっている。第1接続部材HS23は、これら2つの端部を接続する略矩形平板形状の部材であり、Y2方向とZ2方向とにより張られるYZ平面と平行な部材である。ここで、第2平板部材HS22と第3基板B3との間の空間には、第3基板B3上に実装された3個のコイルRC、電解コンデンサーCP等が位置する。複数のフィンFnsのそれぞれは、当該YZ平面と平行な矩形平板形状のフィンである。ヒートシンクHS2の構成がこのような構成であるため、これら複数のフィンFnsは、第1方向又は第2方向に流れる気流を略阻害しない。また、
図13に示したように、ヒートシンクHS2がX2方向とY2方向とにより張られるXY平面と平行な矩形平板形状の部材を含まずに構成されているため、第1方向又は第2方向に流れる気流は、ヒートシンクHS2によって略阻害されない。その結果、第1方向又は第2方向に流れる気流は、駆動回路部DRViの放熱を効率よく行うことができる。
【0110】
第2基板B2は、
図11及び
図12に示したように、矩形平板形状の基板であり、制御回路100と、変換回路120とが実装されるインターフェースボードである。より具体的には、第2基板B2は、第1基板B1の第1面M1上において、6個の駆動回路部DRVよりも+Z2側に実装される。また、
図11及び
図12に示した例では、第2基板B2は、第1基板B1にBtoB接続される。なお、第2基板B2は、BtoB接続と異なる接続で第1基板B1に接続される構成であってもよい。また、第2基板B2が有する端部のうち+Z2側の端部には、第4コネクターCN4が設けられている。このため、当該例では、ヘッド駆動モジュール10では、第1コネクターCN1と、6個の駆動回路部DRVと、ファンFNと、変換回路120と、第4コネクターCN4とは、第1コネクターCN1、6個の駆動回路部DRV、ファンFN、変換回路120、第4コネクターCN4の順に並んでいる。
【0111】
第4コネクターCN4は、制御回路100に入力される画像情報信号IP等の信号を伝送する伝送ケーブルが接続されるコネクターである。このため、制御回路100には、第4コネクターCN4を介して画像情報信号IPが入力される。また、第4コネクターCN4は、変換回路120に入力される制御信号を受信するコネクターでもある。このため、変換回路120には、第4コネクターCN4を介して制御信号が入力される。ここで、前述した通り、第2基板B2は、第1基板B1にBtoB接続されている。このため、変換回路120は、第1基板B1から第2基板B2に供給される電力によって動作する。一方、制御信号は、第1基板B1を介さずに第4コネクターCN4が受信する。すなわち、変換回路120は、第1基板B1を介さずに、第4コネクターCN4を介して制御信号を受信する。なお、第4コネクターCN4は、例えば、ライトアングルコネクターであるが、これに代えて、他の種類のコネクターであってもよい。
【0112】
また、
図11及び
図12に示した例では、第2基板B2上には、ファンFNが実装される。より具体的には、当該例では、ファンFNは、第2基板B2が有する端部のうち-Z2側の端部上に実装される。すなわち、ファンFNは、第2基板B2を介して、第1基板B1上に実装されている。これにより、ヘッド駆動モジュール10は、第1基板B1上に直接ファンFNが実装されている場合と比較して、ファンFNの回転に伴って発生する振動が第1基板B1に伝わってしまうことを抑制することができ、その結果、当該振動が駆動回路52a、駆動回路52b、駆動回路52cのそれぞれに伝わってしまうことを抑制することができる。また、ファンFNが第2基板B2を介して第1基板B1に実装されているが、ファンFNは、第1基板B1から図示していないケーブルを用いて電力を供給されている。すなわち、第2コネクターCN2から供給される電力は、第1基板B1を介し、第2基板B2を介さずに、ファンFNへ供給される。すなわち、ファンFNは、第1基板B1から供給される電力によって動作する。なお、ファンFNは、第2基板B2上に実装される構成に代えて、第1基板B1上に直接実装される構成であってもよい。あるいは、ファンFNは、第1基板B1と第2基板B2とのどちらにも実装されておらず、枠体HDにねじ止めされるなど他の方法で実装されてもよい。ここで、当該例では、ファンFNは、第2基板B2から6個の駆動回路部DRV側にはみ出している。なお、ファンFNは、第2基板B2から6個の駆動回路部DRV側にはみ出していない構成であってもよい。また、ファンFNは、フローティングコネクターを介して第2基板B2に搭載される構成であってもよい。この場合、ヘッド駆動モジュール10は、ファンFNの回転に伴って発生する振動が第1基板B1に伝わってしまうことを、より確実に抑制することができる。また、この場合、第2基板B2との間のフローティングコネクターのみによってファンFNが第2基板B2に固定されることにより、第1基板B1へ伝達されるこのような振動を、更に小さくすることができる。
【0113】
ファンFNは、駆動信号出力回路50-1~駆動信号出力回路50-6それぞれの駆動回路52a、駆動回路52b、駆動回路52cにあてる風を起こす送風装置である。より具体的には、ファンFNは、予め決められた回転軸周りで回転するフィンを有し、当該回転軸と平行な方向へ送風する送風装置である。また、ファンFNは、第2基板B2を介して、第1基板B1に対して起立している。そして、
図11~
図13に示した例では、予め決められた回転軸は、第1方向と平行な軸であり、且つ、第3基板B3の表面に略平行である。このため、ファンFNは、気流の流れに対する抵抗が小さくなるように、第1方向及び第3基板B3の表面と平行な気流を作り出すことができる。その結果、ファンFNは、ファンFNが作り出す気流によって駆動回路部DRVのヒートシンクHS2、及び後述するヒートシンクHS1のそれぞれの放熱を、より確実に行うことができる。すなわち、ヘッド駆動モジュール10は、駆動信号出力回路50-1~駆動信号出力回路50-6それぞれの駆動回路52a、駆動回路52b、駆動回路52cの少なくとも一部を効率的に冷却することができる。以下では、一例として、ファンFNが、第1方向と反対の第2方向に向かって流れる気流を作るように送風する場合について説明する。なお、ファンFNは、第1方向に向かって流れる気流を作るように送風する構成であってもよい。また、ファンFNは、第1基板B1上に直接実装される場合、第2基板B2を介さずに、第1基板B1に対して起立する構成であってもよい。
【0114】
また、第2基板B2上の制御回路100及び変換回路120を含む図示しないFPGAには、ヒートシンクHS1が設けられている。ヒートシンクHS1は、当該FPGA等を冷却するためのヒートシンクである。また、
図11及び
図12に示した例では、当該FPGAは、第2基板B2上においてファンFNの隣のうち+Z2側の隣において、ヒートシンクHS2と第2基板B2との間に実装されている。これにより、ヘッド駆動モジュール10は、ファンFNが第1方向に向かって流れるように作り出す気流を、より確実にヒートシンクHS1に通すことができる。その結果、ヘッド駆動モジュール10は、当該FPGAの冷却効率を向上させることができる。ここで、ヒートシンクHS1は、ファンFNの回転軸周りに回転するフィンの回転によって掃かれる円筒形状の領域の半径よりも背が低い。換言すると、第2基板B2と直交する方向におけるヒートシンクHS1の高さは、ファンFNの回転軸周りに回転するフィンの回転によって掃かれる円筒形状の領域の半径よりも低い。この一例において、ヘッド駆動モジュール10は、当該FPGAの冷却効率が低下してしまうことを抑制しつつ、気流の流れをヒートシンクHS1によって阻害してしまうことを抑制することができる。なお、ファンFNが有するフィンの枚数は、例えば、8枚であるが、これに限られるわけではなく、5枚、12枚等であってもよい。また、ファンFNの回転速度は第2基板B2などの周辺の部品と共振を起こさない速度に設定している。
【0115】
ここで、第2基板B2を介して、又は、第2基板を介さずにファンFNが第1基板B1上に実装される場合、ヘッド駆動モジュール10は、治具、部材等を用いてファンFNを第1基板B1に対して固定する場合と比較して、ファンFNを固定するための治具、部材等の分、第1基板B1と直交する方向、すなわち、搬送方向の大きさを小さくすることができる。その結果、液体吐出装置1は、搬送方向における大きさが増大してしまうことを抑制することができる。これは、液体吐出装置1の小型化に繋がり、有用である。
【0116】
また、
図11~
図13に示した例では、第1基板B1の第1面M1に実装される物体のうち、第1面M1と直交する方向において最も高い第1物体の高さは、
図16に示したように、搬送方向における液体吐出モジュール20の長さ以下である。
図16は、搬送方向における液体吐出モジュール20の長さと、第1面M1と直交する方向において最も高い第1物体の高さとを比較する図である。ここで、
図11~
図13、
図16に示した例では、第1物体は、駆動回路部DRVであるが、ファンFN等の第1基板B1上に実装される他の部材であってもよく、駆動回路部DRVとファンFNとの両方のように、第1基板B1上に実装される2以上の部材の組み合わせであってもよい。この場合、ヘッド駆動モジュール10は、搬送方向の大きさが増大してしまうことを、より確実に抑制することができる。すなわち、液体吐出装置1は、このような構成のヘッド駆動モジュール10を備えることにより、搬送方向の大きさが増大してしまうことを、より確実に抑制することができる。なお、搬送方向における液体吐出モジュール20の長さは、例えば、
図16及び
図17に示したように、搬送方向における分配流路37の長さDS1によって表される。
図17は、第2方向に向かって見た場合の分配流路37の一例を示す図である。
図17に示したように、長さDS1は、分配流路37が有する部位のうち搬送方向における長さが最も長くなる部位の搬送方向における長さである。
【0117】
なお、ヘッド駆動モジュール10は、第1面M1と直交する方向における第1物体の高さと、第2面M2と直交する方向における第2物体の高さとの総和が、搬送方向におけるヘッド駆動モジュール10の長さ以下である構成であってもよい。ここで、第2物体は、第1基板B1が有する2つの面のうち第1面M1と反対側の第2面M2に実装される物体のうち、第2面M2と直交する方向において最も高い物体のことである。第2物体としては、例えば、電解コンデンサーCP、第2コネクターCN2、第3コネクターCN3等であるが、これらに限られるわけではない。この場合、ヘッド駆動モジュール10は、搬送方向の大きさが増大してしまうことを、更により確実に抑制することができる。すなわち、液体吐出装置1は、このような構成のヘッド駆動モジュール10を備えることにより、搬送方向の大きさが増大してしまうことを、更により確実に抑制することができる。
【0118】
また、
図11~
図13に示した例では、前述した通り、第1物体は、駆動回路部DRVである。この場合、ファンFNは、第1方向に向かって6個の駆動回路部DRVを見た場合、
図13に示したように、6個の駆動回路部DRVを面積が最小になるように囲む仮想的な領域の輪郭OL内に含まれている。換言すると、ファンFNの回転軸方向にファンFNを射影した範囲内には、6個の駆動回路部DRV、すなわち、駆動信号出力回路50-1~駆動信号出力回路50-6それぞれの駆動回路52a、駆動回路52b、駆動回路52cがすべて収まっている。すなわち、当該例では、ヘッド駆動モジュール10には、当該場合において輪郭OL内にファンFNが含まれる程度の大きさのファンFNが採用されている。その結果、ヘッド駆動モジュール10は、ファンFNの大きさによって搬送方向における長さが大きくなってしまうことを抑制することができる。また、当該例では、ファンFNは、第1基板B1と直交する方向からファンFNを見た場合において、第1基板B1の輪郭内に含まれる程度の大きさのファンFNが採用されている。より具体的には、ファンFNの回転軸と直交し、且つ、第1基板B1の第1面M1に平行な方向において、ファンFNの長さは、第1基板B1の長さの0.8倍以上1倍未満である。その結果、ヘッド駆動モジュール10は、ファンFNの大きさによって主走査方向における長さが大きくなってしまうことを抑制することができる。
【0119】
また、
図11~
図13に示した例では、駆動回路部DRV、ファン、制御回路100のそれぞれは、第2方向に向かって、駆動回路部DRV、ファンFN、制御回路100の順に並んでいる。このため、当該例では、ファンFNは、第1方向において、第2基板B2から第1基板B1へ制御信号が伝搬されるケーブルが接続される図示しないコネクターと駆動回路部DRVとの間に配置される。このため、ファンFNによって作り出された気流は、冷却効率を略低下させることなく、駆動回路部DRV、ファンFN、制御回路100のそれぞれを冷却することができる。なお、駆動回路部DRV、ファン、制御回路100のそれぞれは、第2方向に向かって、駆動回路部DRV、制御回路100、ファンFNの順に並ぶように第1基板B1上に実装される構成であってもよい。この場合、ファンFNは、第1方向において、第4コネクターCN4と制御回路100との間に配置される。この場合であっても、ファンFNによって作り出された気流は、冷却効率を略低下させることなく、駆動回路部DRV、ファンFN、制御回路100のそれぞれを冷却することができる。また、駆動回路部DRVは、ファンFNによって作り出された気流を阻害しない。このため、ヘッド駆動モジュール10は、ファンFNによって作り出された気流が音を発生させてしまうことを抑制することができる。
【0120】
また、
図11~
図13に示した例では、第1基板B1の第1面M1に実装される物体のうち、主走査方向において最も長い第3物体の長さは、主走査方向における液体吐出モジュール20の長さDS2以下である。ここで、当該例では、第3物体は、第2基板B2であるが、ファンFN等の第1基板B1上に実装される他の部材であってもよい。この場合、ヘッド駆動モジュール10は、主走査方向の大きさが増大してしまうことを、より確実に抑制することができる。すなわち、液体吐出装置1は、このような構成のヘッド駆動モジュール10を備えることにより、主走査方向の大きさが増大してしまうことを、より確実に抑制することができる。なお、長さDS2は、例えば、
図17に示したように、主走査方向における分配流路37の長さによって表される。
図17に示したように、長さDS2は、分配流路37が有する部位のうち主走査方向における長さが最も長くなる部位の主走査方向における長さである。
【0121】
また、
図11~
図13に示した例では、ヘッド駆動モジュール10において、第1コネクターCN1と、6個の駆動回路部DRVと、ファンFNと、変換回路120と、第2コネクターCN2とは、第2方向に向かって、第1コネクターCN1、6個の駆動回路部DRV、ファンFN、変換回路120、第2コネクターCN2の順に並んでいる。このため、ヘッド駆動モジュール10では、ファンFNは、6個の駆動回路部DRVとともに、変換回路120を冷却することができる。その結果、ヘッド駆動モジュール10は、6個の駆動回路部DRVと変換回路120との冷却効率を向上させることができる。
【0122】
以上のような構造のヘッド駆動モジュール10は、
図18に示すように、冷却機構CLRを備える構成であってもよい。
図18は、冷却機構CLRが取り付けられたヘッド駆動モジュール10の構造の一例を示す図である。
【0123】
冷却機構CLRは、導風部WRと、第2導風部WR2と、整流板CMTと、枠体HDを含む。
【0124】
導風部WRは、ファンFNによって作られる気流を導き、且つ、第1面M1上の駆動回路部DRVを覆う部材である。このため、導風部WRは、第1基板B1とともに、上部開口HL1と下部開口HL2とを除いて第3基板B3を囲っている。上部開口HL1は、導風部WRと第1基板B1とによって囲まれた領域のうちの+Z2側に形成された開口のことである。このため、上部開口HL1は、導風部WRが有する端部のうちの+Z2側の端部と、第1基板B1とによって形成されている。また、下部開口HL2は、導風部WRと第1基板B1とによって囲まれた領域のうちの-Z2側に形成された開口のことである。このため、下部開口HL2は、導風部WRが有する端部のうちの-Z2側の端部と、第1基板B1とによって形成されている。導風部WRは、例えば、第3平板部材と、第4平板部材と、第5平板部材とを含んで構成される。第3平板部材は、第1基板B1の第1面M1と平行な矩形平板形状の部材であり、且つ、第1基板B1から離間している部材である。第4平板部材は、第1基板B1の第1面M1と直交する矩形平板形状の部材であり、第3平板部材が有する端部のうち-Y2側の端部から第1基板B1に向かって延伸して第1基板B1と当接する部材である。第5平板部材は、第1基板B1の第1面M1と直交する矩形平板形状の部材であり、第3平板部材が有する端部のうち+Y2側の端部から第1基板B1に向かって延伸して第1基板B1と当接する部材である。
図18に示した例では、第3平板部材と、第4平板部材と、第5平板部材とは、導風部WRとして一体に構成されている。すなわち、当該例では、第3平板部材と、第4平板部材と、第5平板部材とのそれぞれは、1枚の矩形平板形状の金属板を曲げることによって形成されている。導風部WRが第3平板部材、第4平板部材、第5平板部材を含んで構成される場合、前述の上部開口HL1は、第3平板部材、第4平板部材、第5平板部材のそれぞれが有する端部のうちの+Z2側の端部と、第1基板B1とによって形成される。また、当該場合、下部開口HL2は、第3平板部材、第4平板部材、第5平板部材のそれぞれが有する端部のうちの-Z2側の端部と、第1基板B1とによって形成される。なお、第3平板部材と、第4平板部材と、第5平板部材とのうちの一部又は全部は、別体に構成されてもよい。また、第4平板部材と第5平板部材とのうちのいずれか一方又は両方は、ねじ等の固定部材によって第1基板B1に対して相対的に動かないように固定されてもよい。当該例では、導風部WRは、後述する枠体HDに対して相対的に動かないように固定されている。また、第4平板部材は、第1基板B1から離間していてもよい。この場合、第4平板部材と第1基板B1との間の隙間は、例えば、枠体HDによって塞がれる。また、第5平板部材は、第1基板B1から離間していてもよい。この場合、第5平板部材と第1基板B1との間の隙間は、例えば、枠体HDによって塞がれる。
【0125】
ここで、
図18に示した例では、第3平板部材は、X2方向と反対の方向に向かってヘッド駆動モジュール10を見た場合において、6個の駆動回路部DRVの全体を覆っている。このため、
図18では、6個の駆動回路部DRVは、見えていない。そして、当該例では、ファンFNと、上部開口HL1と、6個の駆動回路部DRVと、下部開口HL2と、第1コネクターCN1とは、第1方向に向かって、ファンFN、上部開口HL1、6個の駆動回路部DRV、下部開口HL2、第1コネクターCN1の順に並んでいる。なお、第3平板部材は、当該場合において、6個の駆動回路部DRVのうちの一部を覆う構成であってもよく、6個の駆動回路部DRVとともにファンFNの一部又は全部を覆う構成であってもよく、6個の駆動回路部DRVとともにファンFN、制御回路100のそれぞれの一部又は全部を覆う構成であってもよく、第1基板B1上に実装されたすべての物体の一部又は全部を覆う構成であってもよい。当該例では、第3平板部材は、6個の駆動回路部DRVを覆っているが、ファンFNを覆っていない。当該例では、ファンFNは、導風部WRの+Z2側の空気の出入口に配置されている。すなわち、当該例では、導風部WRは、第3平板部材と、第4平板部材と、第5平板部材と、第1基板B1とによって囲まれた空間内に、6個の駆動回路部DRVが位置し、且つ、当該空間の+Z2側の出入口にファンFNが位置するように、枠体HDに対して固定されている。なお、ファンFNは、導風部WRの内側である当該空間と、導風部WRの+Z2側の空気の出入口との両方に跨がるように配置される構成であってもよい。また、ファンFNは、導風部WRの-Z2側の空気の出入口に配置される構成であってもよい。
【0126】
このような構成の導風部WRには、ファンFNによって作られる第2方向への気流を阻害する部材が含まれていない。このため、導風部WRは、前述した通り、ファンFNによって作られる気流を導く。この一例において、ファンFNは、第2方向に向かって流れる気流を作るように送風する。第2方向に向かって流れる気流は、下部開口HL2から上部開口HL1に向かう風である。そして、この場合、導風部WRは、ファンFNによって作られる気流を、導風部WRの-Z2側の空気の出入口から、導風部WRの+Z2側の空気の出入口に向かって導く。すなわち、この場合、導風部WRは、ファンFNによって作られる気流を、下部開口HL2から上部開口HL1に向かって導く。なお、ファンFNが第1方向に向かって流れる気流を作るように送風する場合、導風部WRは、ファンFNによって作られる気流を、導風部WRの+Z2側の空気の出入口から、導風部WRの-Z2側の空気の出入口に向かって導く。ヘッド駆動モジュール10は、導風部WRを備えることにより、このように気流が導かれる結果として、ファンFNによる6個の駆動回路部DRVそれぞれの冷却効率を向上させることができる。なお、この一例のようにファンFNが第2方向に向かって流れる気流を作る場合、下部開口HL2は、第1口の一例である。また、当該場合、上部開口HL1は、第2口の一例である。また、前述した他の例のようにファンFNが第1方向に向かって流れる気流を作る場合、上部開口HL1は、第1口の一例である。また、当該場合、下部開口HL2は、第2口の一例である。
【0127】
第2導風部WR2は、第1基板B1が有する端部のうち第1コネクターCN1と反対側の端部とファンFNとの間において風を整える。より具体的には、第2導風部WR2は、当該端部とファンFNとの間を、第1基板B1とともに覆う部材である。このため、第2導風部WR2は、第1基板B1とともに、第2上部開口HL3と第2下部開口HL4とを除いて、当該端部とファンFNとの間を囲っている。第2上部開口HL3は、第2導風部WR2と第1基板B1とによって囲まれた領域のうちの+Z2側に形成された開口のことである。このため、第2上部開口HL3は、第2導風部WR2が有する端部のうちの+Z2側の端部と、第1基板B1とによって形成されている。また、第2下部開口HL4は、第2導風部WR2と第1基板B1とによって囲まれた領域のうちの-Z2側に形成された開口のことである。このため、第2下部開口HL4は、第2導風部WR2が有する端部のうちの-Z2側の端部と、第1基板B1とによって形成されている。第2導風部WR2は、例えば、第6平板部材と、第7平板部材と、第8平板部材とを含んで構成される。第6平板部材は、第1基板B1の第1面M1と平行な矩形平板形状の部材であり、且つ、第1基板B1から離間している部材である。第7平板部材は、第1基板B1の第1面M1と直交する矩形平板形状の部材であり、第6平板部材が有する端部のうち-Y2側の端部から第1基板B1に向かって延伸して第1基板B1と当接する部材である。第8平板部材は、第1基板B1の第1面M1と直交する矩形平板形状の部材であり、第6平板部材が有する端部のうち+Y2側の端部から第1基板B1に向かって延伸して第1基板B1と当接する部材である。
図18に示した例では、第6平板部材と、第7平板部材と、第8平板部材とは、第2導風部WR2として一体に構成されている。すなわち、当該例では、第6平板部材と、第7平板部材と、第8平板部材とのそれぞれは、1枚の矩形平板形状の金属板を曲げることによって形成されている。第2導風部WR2が第6平板部材、第7平板部材、第8平板部材を含んで構成される場合、前述の第2上部開口HL3は、第6平板部材、第7平板部材、第8平板部材のそれぞれが有する端部のうちの+Z2側の端部と、第1基板B1とによって形成される。また、当該場合、第2下部開口HL4は、第6平板部材、第7平板部材、第8平板部材のそれぞれが有する端部のうちの-Z2側の端部と、第1基板B1とによって形成される。なお、第6平板部材と、第7平板部材と、第8平板部材とのうちの一部又は全部は、別体に構成されてもよい。また、第7平板部材と第8平板部材とのうちのいずれか一方又は両方は、ねじ等の固定部材によって第1基板B1に対して相対的に動かないように固定されてもよい。当該例では、第2導風部WR2は、後述する枠体HDと一体に構成されている。また、第7平板部材は、第1基板B1から離間していてもよい。この場合、第7平板部材と第1基板B1との間の隙間は、例えば、枠体HDによって塞がれる。また、第8平板部材は、第1基板B1から離間していてもよい。この場合、第8平板部材と第1基板B1との間の隙間は、例えば、枠体HDによって塞がれる。
【0128】
ここで、
図18に示した例では、第6平板部材は、X2方向と反対の方向に向かってヘッド駆動モジュール10を見た場合において、第2基板B2の一部を覆っている。このため、
図18では、第2基板B2の一部は、見えていない。なお、第6平板部材は、当該場合において、第2基板B2の全部を覆う構成であってもよい。また、第2導風部WR2は、導風部WRと一体に構成されてもよい。
【0129】
このような構成の第2導風部WR2には、ファンFNによって作られる第2方向への気流を阻害する部材が含まれていない。このため、第2導風部WR2は、ファンFNによって作られる気流を導く。この一例において、ファンFNは、第2方向に向かって流れる気流を作るように送風する。第2方向に向かって流れる気流は、第2下部開口HL4から第2上部開口HL3に向かう風である。そして、この場合、第2導風部WR2は、ファンFNによって作られる気流を、第2導風部WR2の-Z2側の空気の出入口から、第2導風部WR2の+Z2側の空気の出入口に向かって導く。すなわち、第2導風部WR2は、ファンFNによって作られる気流を、第2下部開口HL4から第2上部開口HL3に向かって導く。なお、ファンFNが第1方向に向かって流れる気流を作るように送風する場合、第2導風部WR2は、ファンFNによって作られる気流を、第2導風部WR2の+Z2側の空気の出入口から、第2導風部WR2の-Z2側の空気の出入口に向かって導く。すなわち、この場合、第2導風部WR2は、ファンFNによって作られる気流を、第2下部開口HL4から第2上部開口HL3に向かって導く。ヘッド駆動モジュール10は、第2導風部WR2を備えることにより、このように気流が導かれる結果として、ファンFNによる第2基板B2の冷却効率を向上させることができる。
【0130】
なお、第2導風部WR2は、ファンFNと、上部開口HL1と、第3基板B3と、下部開口HL2と、第1コネクターCN1とが、前述の他の例のように上部開口HL1、第3基板B3、下部開口HL2、ファンFN、第1コネクターCN1の順に並んでいる場合、第1基板B1が有する端部のうち第1コネクターCN1と反対側の端部と上部開口HL1との間において風を整える。また、第2導風部WR2は、第2整流機構と称されてもよい。
【0131】
整流板CMTは、第1方向と交差する板状の部材である。整流板CMTは、第1整流機構と称されてもよい。この一例のようにファンFNが第2方向に流れる気流を作り出す場合、整流板CMTは、導風部WRの-Z2側の空気の出入口から第1面M1と導風部WRとの間に流れ込む気流を第2方向に向かって整流する。換言すると、当該場合、整流板CMTは、第2方向と交差する方向に向かって流れ込む気流を第2方向に向かって整流する。なお、ファンFNが第1方向に流れる気流を作り出す場合、整流板CMTは、導風部WRの+Z2側の空気の出入口から第1面M1と導風部WRとの間から流れ出す気流を第1方向と交差する方向に向かって整流する。
【0132】
整流板CMTの表面は、平面であってもよく、曲面であってもよく、凹凸を有する面であってもよい。
図18に示した例では、整流板CMTは、矩形状の平板である。また、当該例では、整流板CMTは、導風部WRの-Z2側の空気の出入口において、-X2側の端部が第1基板B1に当接し、且つ、+X2側の端部から-X2側の端部に向かってZ2方向に傾斜するように、枠体HDに対して固定されている。換言すると、整流板CMTは、液体吐出モジュール20と6個の駆動回路部DRVとの間に配置されている。更に換言すると、整流板CMTは、6個の駆動回路部DRVよりも第1方向側に配置されている。この場合、導風部WRと整流板CMTとの間に挟まれた空間は、X2方向に向かって開放される。すなわち、冷却機構CLRには、整流板CMT、導風部WRの順に流れる空気を給気する吸気口HLが形成されている。この吸気口HLは、整流板CMTの+X2側の端部と、導風部WRを構成する第3平板部材の-Z2側の端部と、枠体HDを構成する部材のうち整流板CMTと導風部WRとを-Y2側と+Y2側から挟むように保持する2枚の板状の部材とによって構成されている。このため、前述の導風部WRは、ファンFNと吸気口HLとの間に配置されている。このような吸気口HLが冷却機構CLRに形成されていることにより、ファンFNの送風によって導風部WRへと導かれる空気は、X2方向と反対の方向に向かって吸気口HLからヘッド駆動モジュール10の内側へと給気され、そして、整流板CMTによって導風部WRの内側の空間内に導かれる。その結果、ヘッド駆動モジュール10は、ヘッド駆動モジュール10の-Z2側の端部から空気がヘッド駆動モジュール10の内側へ給気される場合と比較して、ファンFNによる空冷効果を維持したまま、ファンFNによって作り出される気流が液体吐出モジュール20からの液体の吐出に影響を与えてしまうことを抑制することができる。換言すると、ヘッド駆動モジュール10は、当該場合よりも、駆動回路52a、駆動回路52b、駆動回路52cそれぞれの冷却効果を保持しつつ、ファンFNが作り出す気流によって、液体吐出モジュール20から吐出される液体の着弾位置がずれてしまうことを抑制することができる。更に、この一例のように当該気流が第2方向に向かって流れる場合、ヘッド駆動モジュール10は、インクミストの液状化による短絡の発生を抑制することができる。なお、これらの効果は、ヘッド駆動モジュール10が配線部材30を介さずに液体吐出モジュール20と接続されている場合に、特に顕著に現れる。ここで、ヘッド駆動モジュール10が配線部材30を介さずに液体吐出モジュール20と接続される場合、ヘッド駆動モジュール10は、液体吐出モジュール20に対してBtoB接続される。より具体的には、当該場合、ヘッド駆動モジュール10は、液体吐出モジュール20の直上にBtoB接続される。また、ヘッド駆動モジュール10が配線部材30を介して液体吐出モジュール20と接続される場合、ヘッド駆動モジュール10は、ファンFNの回転軸が第1方向と略平行になるように、且つ、液体吐出モジュール20に対して動かないように固定される。このようなヘッド駆動モジュール10の固定は、例えば、各種の治具、固定部材等によって行われる。ただし、ファンFNの回転軸は、第1方向から数°程度傾いていたとしても、第1方向と平行として扱う。
【0133】
ここで、この一例において、整流板CMTは、ファンFNと、上部開口HL1と、第3基板B3と、下部開口HL2と、第1コネクターCN1とが、この一例のように第1方向に向かってファンFN、上部開口HL1、第3基板B3、下部開口HL2、第1コネクターCN1の順に並んでおり、且つ、ファンFNが第2方向に向かう気流を作るため、下部開口HL2と第1コネクターCN1との間において、風の向きを第1基板B1に近づく方向から第1基板B1と平行な方向へ変える。なお、整流板CMTは、ファンFNと、上部開口HL1と、第3基板B3と、下部開口HL2と、第1コネクターCN1とが、第1方向に向かって上部開口HL1、第3基板B3、下部開口HL2、ファンFN、第1コネクターCN1の順に並んでいる場合、且つ、ファンFNが第2方向に向かう気流を作る場合、ファンFNと第1コネクターCN1との間において、風の向きを第1基板B1に近づく方向から第1基板B1と平行な方向へ変える。また、整流板CMTは、ファンFNと、上部開口HL1と、第3基板B3と、下部開口HL2と、第1コネクターCN1とが、第1方向に向かってファンFN、上部開口HL1、第3基板B3、下部開口HL2、第1コネクターCN1の順に並んでいる場合、且つ、ファンFNが第1方向に向かう気流を作る場合、下部開口HL2と第1コネクターCN1との間において、風の向きを第1基板B1と略平行な方向から、第1基板B1から離れる方向へ変える。また、整流板CMTは、ファンFNと、上部開口HL1と、第3基板B3と、下部開口HL2と、第1コネクターCN1とが、第1方向に向かって上部開口HL1、第3基板B3、下部開口HL2、ファンFN、第1コネクターCN1の順に並んでいる場合、且つ、ファンFNが第1方向に向かう気流を作る場合、ファンFNと第1コネクターCN1との間において、風の向きを第1基板B1と略平行な方向から、第1基板B1から離れる方向へ変える。
【0134】
なお、
図18に示した例では、吸気口HLには、スリットSLが設けられている。スリットSLは、枠体HDを構成する部材のうち整流板CMTと導風部WRとを-Y2側と+Y2側から挟むように保持する2枚の板状の部材の間を接続する複数個の矩形平板形状の部材によって構成されている。換言すると、スリットSLは、枠体HDの一部として形成されている。これにより、ヘッド駆動モジュール10は、吸気口HLの形成による枠体HDの強度の低下を抑制することができる。また、これにより、ヘッド駆動モジュール10は、インクミストがヘッド駆動モジュール10の内側へ入り込んでしまうことを抑制することができる。なお、この効果も、ヘッド駆動モジュール10が配線部材30を介さずに液体吐出モジュール20と接続されている場合に、特に顕著に現れる。
【0135】
以上のようなヘッド駆動モジュール10が接続された液体吐出モジュール20は、液体吐出装置1において、
図19に示したように、ヘッドユニットHUを構成する。すなわち、液体吐出装置1は、ヘッド駆動モジュール10が接続された液体吐出モジュール20を1つのヘッドユニットHUとして、複数のヘッドユニットHUを備える。そして、液体吐出装置1では、これら複数のヘッドユニットHUが、ラインヘッドを構成する。
図19は、液体吐出装置1においてラインヘッドとして構成された複数のヘッドユニットHUを例示する図である。なお、
図19に示した例では、個々のヘッドユニットHUのヘッド駆動モジュール10は、液体吐出モジュール20と配線部材30を介して接続されている。しかしながら、前述した通り、個々のヘッドユニットHUのヘッド駆動モジュール10は、液体吐出モジュール20と配線部材30を介さずにBtoB接続されてもよい。
【0136】
また、
図19に示した例では、ヘッドユニットHUは、3個のラインヘッドを構成している。そこで、以下では、説明の便宜上、1個目のラインヘッドを構成する3個のヘッドユニットHUのそれぞれを、ヘッドユニットHU11、ヘッドユニットHU12、ヘッドユニットHU13と称して説明する。また、以下では、説明の便宜上、2個目のラインヘッドを構成する3個のヘッドユニットHUのそれぞれを、ヘッドユニットHU21、ヘッドユニットHU22、ヘッドユニットHU23と称して説明する。また、以下では、説明の便宜上、3個目のラインヘッドを構成する3個のヘッドユニットHUのそれぞれを、ヘッドユニットHU31、ヘッドユニットHU32、ヘッドユニットHU33と称して説明する。
【0137】
1個目のラインヘッドは、例えば、マゼンタの液体を吐出する液体吐出モジュール20を含むヘッドユニットHU11~ヘッドユニットHU13により構成されたラインヘッドである。また、2個目のラインヘッドは、例えば、シアンの液体を吐出する液体吐出モジュール20を含むヘッドユニットHU21~ヘッドユニットHU23により構成されたラインヘッドである。また、3個目のラインヘッドは、例えば、イエローの液体を吐出する液体吐出モジュール20を含むヘッドユニットHU31~ヘッドユニットHU33により構成されたラインヘッドである。
【0138】
図19に示した例では、1個目のラインヘッドに含まれるヘッドユニットHU11~ヘッドユニットHU13のそれぞれは、ヘッドユニットHU11、ヘッドユニットHU12、ヘッドユニットHU13の順にY2方向に向かって並んでいる。なお、1個目のラインヘッドに含まれるヘッドユニットHU11~ヘッドユニットHU13のそれぞれは、Y2方向と異なる方向に並ぶ構成であってもよい。この場合、1個目のラインヘッドに含まれるヘッドユニットHU11~ヘッドユニットHU13のそれぞれが並ぶ方向は、整流板CMTと平行な方向である。この場合、1個目のラインヘッドに含まれるヘッドユニットHU11~ヘッドユニットHU13のそれぞれの吸気口HLを通る気流は、隣り合うヘッドユニットHUから吐出される液体の動きに略影響を与えない。より具体的には、ヘッドユニットHU11の吸気口HLを通る気流は、隣り合うヘッドユニットHU12から吐出される液体の動きに略影響を与えない。また、ヘッドユニットHU12の吸気口HLを通る気流は、隣り合うヘッドユニットHU11、ヘッドユニットHU13のそれぞれから吐出される液体の動きに略影響を与えない。また、ヘッドユニットHU13の吸気口HLを通る気流は、隣り合うヘッドユニットHU12から吐出される液体の動きに略影響を与えない。すなわち、ラインヘッドに含まれるヘッドユニットHUが並ぶ方向が整流板CMTと平行な方向である場合、液体吐出装置1は、ラインヘッドにおいて、ファンFNが作り出す気流によって液体の着弾位置がずれてしまうことを、より確実に抑制することができる。以上のような事情は、2個目のラインヘッド、及び3個目のラインヘッドについても同様である。このため、以下では、2個目のラインヘッド、3個目のラインヘッドそれぞれにおけるヘッドユニットHUの並ぶ方向についての説明を省略する。
【0139】
なお、1個目のラインヘッドに含まれるヘッドユニットHU11~ヘッドユニットHU13のそれぞれは、ヘッドユニットHU11、ヘッドユニットHU12、ヘッドユニットHU13の順にY2方向から傾いた方向に向かって並ぶ構成であってもよい。この場合、ヘッドユニットHU11~ヘッドユニットHU13のそれぞれに含まれるヘッド駆動モジュール10は、例えば、ヘッドユニットHU11、ヘッドユニットHU12、ヘッドユニットHU13が並ぶ方向と、平行な整流板CMTを備える。これにより、この場合であっても、液体吐出装置1は、ラインヘッドにおいて、ファンFNが作り出す気流によって液体の着弾位置がずれてしまうことを、より確実に抑制することができる。
【0140】
以上説明したように、実施形態に係る駆動回路ユニットは、受信した駆動信号に基づいて、ノズルから第1方向に液体を吐出する吐出部を含むヘッドを駆動する駆動回路ユニットであって、駆動回路に電力を供給する電源ボードと、電源ボード上に実装されるファンと、を備える。これにより、駆動回路ユニットは、搬送方向における大きさが増大してしまうことを抑制することができる。なお、上記において説明した例では、ヘッド駆動モジュール10は、当該駆動回路ユニットの一例である。また、上記において説明した例では、吐出部600のノズル開孔部は、当該ノズルの一例である。また、上記において説明した例では、重力方向は、当該第1方向の一例である。また、上記において説明した例では、吐出部600は、当該吐出部の一例である。また、上記において説明した例では、液体吐出モジュール20は、ヘッドの一例である。また、上記において説明した例では、駆動回路52a、駆動回路52b、駆動回路52cのそれぞれは、当該駆動回路の一例である。また、上記において説明した例では、第1基板B1は、当該電源ボードの一例である。また、上記において説明した例では、ファンFNは、当該ファンの一例である。また、上記において説明した例では、液体吐出装置1は、当該液体吐出装置の一例である。また、液体吐出装置1は、圧電素子を駆動することで液体を吐出するものに限られず、所謂サーマル方式等の他の方式の液体吐出装置であってもよい。更に、液体吐出装置1は、吐出ユニット5と媒体Pとを相対移動させて液体を吐出する装置であるが、媒体Pを移動させずに吐出ユニット5を移動させてもよい。
【0141】
また、実施形態に係る駆動回路ユニットは、受信した駆動信号に基づいて、ノズルから第1方向に液体を吐出する吐出部を含むヘッドを駆動する駆動回路ユニットであって、駆動回路ユニットは、ヘッドに対してBtoB接続され、駆動回路ユニットは、駆動信号を生成する駆動回路と、駆動回路を冷却する冷却機構と、を含み、冷却機構は、ファンによって作られる気流を導き、且つ、駆動回路を覆う導風部と、第1方向と交差する整流板と、を含み、整流板は、ヘッドと駆動回路との間に配置される。これにより、駆動回路ユニットは、駆動回路の冷却効果を保持しつつ、ファンが作り出す気流によって液体の着弾位置がずれてしまうことを抑制することができる。なお、上記において説明した例では、ヘッド駆動モジュール10は、当該駆動回路ユニットの一例である。また、上記において説明した例では、吐出部600のノズル開孔部は、当該ノズルの一例である。また、上記において説明した例では、重力方向は、当該第1方向の一例である。また、上記において説明した例では、吐出部600は、当該吐出部の一例である。また、上記において説明した例では、液体吐出モジュール20は、当該ヘッドの一例である。また、上記において説明した例では、駆動回路52a、駆動回路52b、駆動回路52cのそれぞれは、当該駆動回路の一例である。また、上記において説明した例では、冷却機構CLRは、当該冷却機構の一例である。また、上記において説明した例では、ファンFNは、当該ファンの一例である。また、上記において説明した例では、導風部WRは、当該導風部の一例である。また、上記において説明した例では、整流板CMTは、当該整流板の一例である。
【0142】
また、実施形態に係る駆動回路ユニットは、ヘッドの吐出口と反対側に位置するヘッドコネクターに接続される駆動回路ユニットであって、ヘッドコネクターに接続される第1コネクターを有する第1基板と、駆動信号を生成する駆動回路を搭載した第3基板と、風を起こすファンと、を備え、駆動信号は、第3基板から第1基板を介して第1コネクターに供給され、第3基板は、第1基板とBtoB接続して、第1基板に対して起立し、ファンは、第1基板に対して起立し、ファンの回転軸は、第3基板の表面に略平行である。これにより、駆動回路ユニットは、大型化してしまうことを抑制しつつ、駆動回路を効率よく冷却することができる。なお、上記において説明した例では、ヘッド駆動モジュール10は、当該駆動回路ユニットの一例である。また、上記において説明した例では、液体吐出モジュール20は、ヘッドの一例である。また、上記において説明した例では、吐出部600のノズル開孔部は、当該吐出口の一例である。また、上記において説明した例では、接続部330は、当該ヘッドコネクターの一例である。また、上記において説明した例では、第1コネクターCN1は、当該第1コネクターの一例である。また、上記において説明した例では、第1基板B1は、当該第1基板の一例である。また、上記において説明した例では、駆動回路52a、駆動回路52b、駆動回路52cのそれぞれは、当該駆動回路の一例である。また、上記において説明した例では、第3基板B3は、当該第3基板の一例である。また、上記において説明した例では、ファンFNは、当該ファンの一例である。
【0143】
また、実施形態に係る駆動回路ユニットは、ヘッドを駆動させる駆動信号を生成する駆動回路ユニットであって、ヘッドと接続する第1コネクターと、駆動信号を生成する駆動回路と、駆動回路にあてる風を起こすファンと、ヘッドを制御する制御信号を変換する変換回路と、を備え、第1コネクターと、駆動回路と、ファンと、変換回路とは、第1コネクター、駆動回路、ファン、変換回路の順に並ぶ。これにより、駆動回路ユニットは、大型化してしまうことを抑制しつつ、駆動回路を効率よく冷却することができる。なお、上記において説明した例では、ヘッド駆動モジュール10は、当該駆動回路ユニットの一例である。また、上記において説明した例では、液体吐出モジュール20は、ヘッドの一例である。また、上記において説明した例では、第1コネクターCN1は、当該第1コネクターの一例である。また、上記において説明した例では、駆動回路52a、駆動回路52b、駆動回路52cのそれぞれは、当該駆動回路の一例である。また、上記において説明した例では、ファンFNは、当該ファンの一例である。また、上記において説明した例では、変換回路120は、当該変換回路の一例である。
【0144】
また、実施形態に係る駆動回路ユニットは、ヘッドを駆動させる駆動信号を生成する駆動回路ユニットであって、駆動信号を生成する駆動回路と、ヘッドと接続する第1コネクターと、第1コネクターを搭載した第1基板と、駆動回路にあてる風を起こすファンと、ファンを搭載した第2基板と、を備える。これにより、駆動回路ユニットは、ファンの回転に伴って発生する振動が駆動回路に伝わってしまうことを抑制することができる。なお、上記において説明した例では、ヘッド駆動モジュール10は、当該駆動回路ユニットの一例である。また、上記において説明した例では、液体吐出モジュール20は、ヘッドの一例である。また、上記において説明した例では、駆動回路52a、駆動回路52b、駆動回路52cのそれぞれは、当該駆動回路の一例である。また、上記において説明した例では、第1コネクターCN1は、当該第1コネクターの一例である。また、上記において説明した例では、第1基板B1は、当該第1基板の一例である。また、上記において説明した例では、ファンFNは、当該ファンの一例である。また、上記において説明した例では、第2基板B2は、当該第2基板の一例である。
また、第1コネクターCN1、第2コネクターCN2、第3コネクターCN3、第4コネクターCN4は、ライトアングルコネクターに代えて、ストレートアングルコネクターであってもよい。第1コネクターCN1がストレートアングルコネクターである場合には、液体吐出モジュール20のZ2側に凸となっている部分に横から第1コネクターCN1が接続するようにしてもよい。
【0145】
なお、上記において説明した事項は、如何様に組み合わされてもよい。
【0146】
<付記1>
[1]
駆動信号に基づいて、ノズルから第1方向に液体を吐出する吐出部を含むヘッドを駆動する駆動回路ユニットであって、ファンと、前記ヘッドよりも前記第1方向と反対の第2方向側に配置され、前記駆動信号を生成する駆動回路に電力を供給し、前記ファンが実装される第1面を有する電源ボードと、を備え、前記第1面に実装される物体のうち、前記第1面と直交する方向において最も高い第1物体の高さは、搬送方向における前記ヘッドの長さ以下であり、前記第1面は、前記第1方向と平行な面、又は、前記第1方向と斜交する面である、駆動回路ユニット。
[2]
前記第1物体は、前記ファンである、
[1]に記載の駆動回路ユニット。
[3]
前記第1物体は、前記駆動回路を含む駆動回路部である、
[1]又は[2]に記載の駆動回路ユニット。
[4]
前記第1物体の高さと、前記電源ボードが有する第2面に実装される物体のうち、前記第2面と直交する方向において最も高い第2物体の高さとの総和は、搬送方向における前記ヘッドの長さ以下である、
[1]から[3]のうちいずれか一項に記載の駆動回路ユニット。
[5]
前記ファンは、前記第2方向に向かって流れる気流を作るように送風する、
[1]から[4]のうちいずれか一項に記載の駆動回路ユニット。
[6]
前記ファンの回転軸は、前記第1方向と平行である、
[1]から[4]のうちいずれか一項に記載の駆動回路ユニット。
[7]
前記駆動回路を含む駆動回路部を複数含み、
前記第1面は、前記第1方向と平行な面であり、
前記第1方向に向かって前記駆動回路ユニットを見た場合において、前記ファンは、前記複数の前記駆動回路部を面積が最小になるように囲む仮想的な領域の輪郭内に含まれている、
[1]から[6]のうちいずれか一項に記載の駆動回路ユニット。
[8]
制御信号を生成する制御回路を備え、
前記駆動回路は、前記制御回路によって生成された前記制御信号に基づいて前記駆動信号を生成し、
前記駆動回路、前記ファン、前記制御回路のそれぞれは、前記第2方向に向かって、前記駆動回路、前記ファン、前記制御回路の順、又は、前記駆動回路、前記制御回路、前記ファンの順に並んでいる、
[1]から[7]のうちいずれか一項に記載の駆動回路ユニット。
[9]
前記駆動回路、前記ファン、前記制御回路のそれぞれは、前記第2方向に向かって、前記駆動回路、前記ファン、前記制御回路の順に並んでおり、
前記ファンは、前記第1方向において、前記制御信号が伝搬されるケーブルが接続されるコネクターと前記駆動回路との間に配置される、
[8]に記載の駆動回路ユニット。
[10]
駆動信号に基づいて、ノズルから第1方向に液体を吐出する吐出部を含むヘッドと、
前記ヘッドを駆動する駆動回路ユニットと、
を含み、
前記駆動回路ユニットは、
ファンと、
前記ヘッドよりも前記第1方向と反対の第2方向側に配置され、前記駆動信号を生成する駆動回路に電力を供給し、前記ファンが実装される第1面を有する電源ボードと、
を備え、
前記第1面は、前記第1方向と平行な面、又は、前記第1方向と斜交する面である、
ヘッドユニット。
[11]
媒体を搬送する搬送ユニットと、
駆動信号に基づいて、ノズルから第1方向に液体を吐出する吐出部を含むヘッドと、
前記ヘッドを駆動する駆動回路ユニットと、
を含み、
前記駆動回路ユニットは、
ファンと、
前記ヘッドよりも前記第1方向と反対の第2方向側に配置され、前記駆動信号を生成する駆動回路に電力を供給し、前記ファンが実装される第1面を有する電源ボードと、
を備え、
前記第1面は、前記第1方向と平行な面、又は、前記第1方向と斜交する面である、
液体吐出装置。
【0147】
<付記2>
[1]
駆動信号に基づいて、ノズルから第1方向に液体を吐出する吐出部を含むヘッドを駆動する駆動回路ユニットであって、
前記駆動回路ユニットは、
前記第1方向と反対の第2方向に向かって延伸し、前記ヘッドに対してBtoB接続される電源ボードと、
前記電源ボードの第1面上に実装され、前記駆動信号を生成する駆動回路と、
前記駆動回路を冷却する冷却機構と、
を含み、
前記冷却機構は、ファンによって作られる気流を導き、且つ、前記第1面上の前記駆動回路を覆う導風部と、
前記第1方向と交差し、前記第2方向と交差する方向に向かって流れ込む気流を前記第2方向に向かって整流する、又は、前記第1面と前記導風部との間から流れ出す気流を前記第1方向と交差する方向に向かって整流する整流板と、
を含み、
前記整流板は、前記駆動回路よりも前記第1方向側に配置される、
駆動回路ユニット。
[2]
前記冷却機構には、前記整流板、前記導風部の順に流れる空気を給気する吸気口が形成されている、
[1]に記載の駆動回路ユニット。
[3]
前記吸気口には、スリットが設けられている、
[2]に記載の駆動回路ユニット。
[4]
前記冷却機構は、前記ファンを含み、
前記ファンは、前記第1面と前記導風部との間と、前記導風部の空気の出入口との少なくとも一方に配置される、
[1]から[3]のうちいずれか一項に記載の駆動回路ユニット。
[5]
前記ファンは、前記第1方向に向かって流れる気流を作るように送風する、
[4]に記載の駆動回路ユニット。
[6]
前記ファンは、前記第2方向に向かって流れる気流を作るように送風する、
[4]に記載の駆動回路ユニット。
[7]
制御信号を生成する制御回路を含み、
前記駆動回路は、前記制御回路によって生成された前記制御信号に基づいて前記駆動信号を生成し、
前記駆動回路、前記ファン、前記制御回路のそれぞれは、前記第2方向に向かって、前記駆動回路、前記ファン、前記制御回路の順、又は、前記駆動回路、前記制御回路、前記ファンの順に並んでいる、
[4]から[6]のうちいずれか一項に記載の駆動回路ユニット。
[8]
前記冷却機構は、前記ファンを含み、
前記導風部は、前記ファンと前記吸気口との間に配置される、
[2]又は[3]に記載の駆動回路ユニット。
[9]
前記ファンは、前記第1方向に向かって流れる気流を作るように送風する、
[8]に記載の駆動回路ユニット。
[10]
前記ファンは、前記第2方向に向かって流れる気流を作るように送風する、
[8]に記載の駆動回路ユニット。
[11]
制御信号を生成する制御回路を含み、
前記駆動回路は、前記制御回路によって生成された前記制御信号に基づいて前記駆動信号を生成し、
前記駆動回路、前記ファン、前記制御回路のそれぞれは、前記第2方向に向かって、前記駆動回路、前記ファン、前記制御回路の順、又は、前記駆動回路、前記制御回路、前記ファンの順に並んでいる、
[8]から[10]のうちいずれか一項に記載の駆動回路ユニット。
[12]
駆動信号に基づいて、ノズルから第1方向に液体を吐出する吐出部を含むヘッドと、
前記ヘッドを駆動する駆動回路ユニットと、
を含み、
前記駆動回路ユニットは、
前記第1方向と反対の第2方向に向かって延伸し、前記ヘッドに対してBtoB接続される電源ボードと、
前記電源ボードの第1面上に実装され、前記駆動信号を生成する駆動回路と、
前記駆動回路を冷却する冷却機構と、
を含み、
前記冷却機構は、ファンによって作られる気流を導き、且つ、前記第1面上の前記駆動回路を覆う導風部と、
前記第1方向と交差し、前記第2方向と交差する方向に向かって流れ込む気流を前記第2方向に向かって整流する、又は、前記第1面と前記導風部との間から流れ出す気流を前記第1方向と交差する方向に向かって整流する整流板と、
を含み、
前記整流板は、前記駆動回路よりも前記第1方向側に配置される、
ヘッドユニット。
[13]
媒体を搬送する搬送ユニットと、
駆動信号に基づいて、ノズルから第1方向に液体を吐出する吐出部を含むヘッドと、
前記ヘッドを駆動する駆動回路ユニットと、
を含み、
前記駆動回路ユニットは、
前記第1方向と反対の第2方向に向かって延伸し、前記ヘッドに対してBtoB接続される電源ボードと、
前記電源ボードの第1面上に実装され、前記駆動信号を生成する駆動回路と、
前記駆動回路を冷却する冷却機構と、
を含み、
前記冷却機構は、ファンによって作られる気流を導き、且つ、前記第1面上の前記駆動回路を覆う導風部と、
前記第1方向と交差し、前記第2方向と交差する方向に向かって流れ込む気流を前記第2方向に向かって整流する、又は、前記第1面と前記導風部との間から流れ出す気流を前記第1方向と交差する方向に向かって整流する整流板と、
を含み、
前記整流板は、前記駆動回路よりも前記第1方向側に配置される、
液体吐出装置。
[14]
前記ヘッドと、前記駆動回路ユニットとは、ヘッドユニットを構成し、
前記液体吐出装置は、少なくとも2つの前記ヘッドユニットを第1ヘッドユニットと第2ヘッドユニットとのそれぞれとして備え、
前記第1ヘッドユニットと前記第2ヘッドユニットとは、第3方向に向かって並んでおり、
前記第3方向は、前記整流板と平行な方向である、
[13]に記載の液体吐出装置。
【0148】
<付記3>
[1]
ヘッドの吐出口と反対側に位置するヘッドコネクターに接続される駆動回路ユニットであって、
前記ヘッドコネクターに接続される第1コネクターを有する第1基板と、
駆動信号を生成する駆動回路を搭載した第3基板と、
風を起こすファンと、
を備え、
前記駆動信号は、前記第3基板から前記第1基板を介して前記第1コネクターに供給され、
前記第3基板は、前記第1基板とBtoB接続して、前記第1基板に対して起立し、
前記ファンは、前記第1基板に対して起立し、
前記ファンの回転軸は、前記第3基板の表面に略平行である、
駆動回路ユニット。
[2]
第1カバーを更に備え、
前記第1基板と前記第1カバーとは、第1口と第2口とを除いて前記第3基板を囲い、
前記ファンは、前記第1口から前記第2口に向かう風を起こす、
[1]に記載の駆動回路ユニット。
[3]
前記ファンと、前記第1口と、前記第3基板と、前記第2口と、前記第1コネクターとは、前記ファン、前記第1口、前記第3基板、前記第2口、前記第1コネクターの順に並ぶ、
[2]に記載の駆動回路ユニット。
[4]
前記第2口と前記第1コネクターとの間に、風の向きを前記第1基板と略平行な方向から、前記第1基板から離れる方向へ変える第1整流機構を更に備える、
[3]に記載の駆動回路ユニット。
[5]
前記第1基板が有する端部のうち前記第1コネクターと反対側の端部と前記ファンとの間において風を整える第2整流機構を更に備える、
[4]に記載の駆動回路ユニット。
[6]
前記ファンと、前記第1口と、前記第3基板と、前記第2口と、前記第1コネクターとは、前記第1口、前記第3基板、前記第2口、前記ファン、前記第1コネクターの順に並ぶ、
[2]に記載の駆動回路ユニット。
[7]
前記ファンと前記第1コネクターとの間に、風の向きを前記第1基板と略平行な方向から、前記第1基板から離れる方向へ変える第1整流機構を更に備える、
[6]に記載の駆動回路ユニット。
[8]
前記第1基板が有する端部のうち前記第1コネクターと反対側の端部と前記第1口との間において風を整える第2整流機構を更に備える、
[7]に記載の駆動回路ユニット。
[9]
前記ファンと、前記第1口と、前記第3基板と、前記第2口と、前記第1コネクターとは、前記ファン、前記第2口、前記第3基板、前記第1口、前記第1コネクターの順に並ぶ、
[2]に記載の駆動回路ユニット。
[10]
前記第1口と前記第1コネクターとの間に、風の向きを前記第1基板に近づく方向から前記第1基板と略平行な方向へ変える第1整流機構を更に備える、
[9]に記載の駆動回路ユニット。
[11]
前記第1基板が有する端部のうち前記第1コネクターと反対側の端部と前記ファンとの間において風を整える第2整流機構を更に備える、
[10]に記載の駆動回路ユニット。
[12]
前記ファンと、前記第1口と、前記第3基板と、前記第2口と、前記第1コネクターとは、前記第2口、前記第3基板、前記第1口、前記ファン、前記第1コネクターの順に並ぶ、
[2]に記載の駆動回路ユニット。
[13]
前記ファンと前記第1コネクターとの間に、風の向きを前記第1基板に近づく方向から前記第1基板と略平行な方向へ変える第1整流機構を更に備える、
[12]に記載の駆動回路ユニット。
[14]
前記第1基板が有する端部のうち前記第1コネクターと反対側の端部と前記第2口との間において風を整える第2整流機構を更に備える、
[13]に記載の駆動回路ユニット。
[15]
前記ファンは、前記第1基板と直交する方向から前記ファンを見た場合において、前記第1基板の輪郭内に含まれている、
[1]から[14]のうちいずれか一項に記載の駆動回路ユニット。
[16]
前記ファンの回転軸と直交し、且つ、前記第1基板の表面に平行な方向において、前記ファンの長さは、前記第1基板の長さの0.8倍以上1倍未満である、
[15]に記載の駆動回路ユニット。
[17]
複数の前記第3基板を有し、
前記ファンの回転軸方向に前記ファンを射影した範囲内に、全ての前記第3基板の前記駆動回路が収まっている、
[15]又は[16]に記載の駆動回路ユニット。
[18]
前記第3基板は、前記駆動回路よりも前記第1基板側にコンデンサーを搭載する、
[1]から[17]のうちいずれか一項に記載の駆動回路ユニット。
[19]
前記第3基板は、前記駆動回路よりも背が高い電子部品の全てを、前記駆動回路よりも前記第1基板側に搭載する、
[18]に記載の駆動回路ユニット。
[20]
前記第3基板と他の基板との接続はすべて、前記第1基板とのBtoB接続を介する、
[1]から[19]のうちいずれか一項に記載の駆動回路ユニット。
[21]
吐出口と、前記吐出口と反対側に位置するヘッドコネクターとを備えるヘッドと、
前記ヘッドコネクターに接続される駆動回路ユニットと、
を備えるヘッドユニットであって、
前記駆動回路ユニットは、
前記ヘッドコネクターに接続される第1コネクターを有する第1基板と、
駆動信号を生成する駆動回路を搭載した第3基板と、
風を起こすファンと、
を備え、
前記駆動信号は、前記第3基板から前記第1基板を介して前記第1コネクターに供給され、
前記第3基板は、前記第1基板とBtoB接続して、前記第1基板に対して起立し、
前記ファンは、前記第1基板に対して起立し、
前記ファンの回転軸は、前記第3基板の表面に略平行である、
ヘッドユニット。
[22]
媒体を搬送する搬送ユニットと、
吐出口と、前記吐出口と反対側に位置するヘッドコネクターとを備えるヘッドと、
前記ヘッドコネクターに接続される駆動回路ユニットと、
を備える液体吐出装置であって、
前記駆動回路ユニットは、
前記ヘッドコネクターに接続される第1コネクターを有する第1基板と、
駆動信号を生成する駆動回路を搭載した第3基板と、
風を起こすファンと、
を備え、
前記駆動信号は、前記第3基板から前記第1基板を介して前記第1コネクターに供給され、
前記第3基板は、前記第1基板とBtoB接続して、前記第1基板に対して起立し、
前記ファンは、前記第1基板に対して起立し、
前記ファンの回転軸は、前記第3基板の表面に略平行である、
液体吐出装置。
【0149】
<付記4>
[1]
ヘッドを駆動させる駆動信号を生成する駆動回路ユニットであって、
前記ヘッドと接続する第1コネクターと、
前記駆動信号を生成する駆動回路と、
前記駆動回路にあてる風を起こすファンと、
前記ヘッドを制御する制御信号を変換する変換回路と、
を備え、
前記第1コネクターと、前記駆動回路と、前記ファンと、前記変換回路とは、前記第1コネクター、前記駆動回路、前記ファン、前記変換回路の順に並ぶ、
駆動回路ユニット。
[2]
前記変換回路に入力する前記制御信号を受信する第4コネクターを更に備え、
前記第1コネクターと、前記駆動回路と、前記ファンと、前記変換回路と、前記第4コネクターとは、前記第1コネクター、前記駆動回路、前記ファン、前記変換回路、前記第4コネクターの順に並ぶ、
[1]に記載の駆動回路ユニット。
[3]
前記第1コネクターを搭載した第1基板と、
前記変換回路を搭載した第2基板と、
を備え、
前記第1基板と前記第2基板とは、BtoB接続する、
[1]又は[2]に記載の駆動回路ユニット。
[4]
前記第2基板は、前記変換回路に入力する前記制御信号を受信する第4コネクターを搭載し、
前記変換回路は、前記第1基板から前記第2基板に供給される電力によって動作し、
前記制御信号は、前記第1基板を介さずに前記第4コネクターが受信する、
[3]に記載の駆動回路ユニット。
[5]
前記第2基板は、前記ファンを搭載し、
前記ファンは、前記第1基板から前記第2基板に供給される電力によって動作する、
[4]に記載の駆動回路ユニット。
[6]
前記ファンは、前記ファンの回転軸周りに回転するフィンを有し、
前記変換回路のヒートシンクは、前記フィンの回転によって掃かれる円筒形状の領域の半径よりも背が低い、
[5]に記載の駆動回路ユニット。
[7]
ヘッドと、
前記ヘッドを駆動させる駆動信号を生成する駆動回路ユニットと、
を備えるヘッドユニットであって、
前記駆動回路ユニットは、
前記ヘッドと接続する第1コネクターと、
前記駆動信号を生成する駆動回路と、
前記駆動回路にあてる風を起こすファンと、
前記ヘッドを制御する制御信号を変換する変換回路と、
を備え、
前記第1コネクターと、前記駆動回路と、前記ファンと、前記変換回路とは、前記第1コネクター、前記駆動回路、前記ファン、前記変換回路の順に並ぶ、
ヘッドユニット。
[8]
媒体を搬送する搬送ユニットと、
ヘッドと、
前記ヘッドを駆動させる駆動信号を生成する駆動回路ユニットと、
を備える液体吐出装置であって、
前記駆動回路ユニットは、
前記ヘッドと接続する第1コネクターと、
前記駆動信号を生成する駆動回路と、
前記駆動回路にあてる風を起こすファンと、
前記ヘッドを制御する制御信号を変換する変換回路と、
を備え、
前記第1コネクターと、前記駆動回路と、前記ファンと、前記変換回路とは、前記第1コネクター、前記駆動回路、前記ファン、前記変換回路の順に並ぶ、
液体吐出装置。
【0150】
<付記5>
[1]
ヘッドを駆動させる駆動信号を生成する駆動回路ユニットであって、
前記駆動信号を生成する駆動回路と、
前記ヘッドと接続する第1コネクターと、
前記第1コネクターを搭載した第1基板と、
前記駆動回路にあてる風を起こすファンと、
前記ファンを搭載した第2基板と、
を備える駆動回路ユニット。
[2]
前記ファンは、前記第2基板から前記駆動回路側にはみ出している、
[1]に記載の駆動回路ユニット。
[3]
前記ファンは、前記第1基板から前記第2基板を介さずにケーブルによって供給される電力によって動作する、
[1]又は[2]に記載の駆動回路ユニット。
[4]
前記第1基板と前記第2基板とは、フローティングコネクターを介してBtoB接続する、
[1]から[3]のうちいずれか一項に記載の駆動回路ユニット。
[5]
前記ファンは、フローティングコネクターを介して前記第2基板に搭載される、
[1]から[4]のうちいずれか一項に記載の駆動回路ユニット。
[6]
前記ファンは、前記第2基板との間のフローティングコネクターのみによって前記第2基板に固定される、
[5]に記載の駆動回路ユニット。
[7]
前記第2基板は、通信ケーブルが接続されるライトアングルコネクターを前記第2基板が有する端部のうち前記ファンと反対側の端部に備える、
[1]から[6]のうちいずれか一項に記載の駆動回路ユニット。
[8]
ヘッドと、
前記ヘッドを駆動させる駆動信号を生成する駆動回路ユニットと、
を備えるヘッドユニットであって、
前記駆動回路ユニットは、
前記駆動信号を生成する駆動回路と、
前記ヘッドと接続する第1コネクターと、
前記第1コネクターを搭載した第1基板と、
前記駆動回路にあてる風を起こすファンと、
前記ファンを搭載した第2基板と、
を備える、
ヘッドユニット。
[9]
媒体を搬送する搬送ユニットと、
ヘッドと、
前記ヘッドを駆動させる駆動信号を生成する駆動回路ユニットと、
を備える液体吐出装置であって、
前記駆動回路ユニットは、
前記駆動信号を生成する駆動回路と、
前記ヘッドと接続する第1コネクターと、
前記第1コネクターを搭載した第1基板と、
前記駆動回路にあてる風を起こすファンと、
前記ファンを搭載した第2基板と、
を備える、
液体吐出装置。
【0151】
以上、この開示の実施形態を、図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この開示の要旨を逸脱しない限り、変更、置換、削除等されてもよい。
【符号の説明】
【0152】
1…液体吐出装置、2…制御ユニット、3…液体容器、4…搬送ユニット、5…吐出ユニット、10…ヘッド駆動モジュール、20…液体吐出モジュール、23…吐出モジュール、23-1…吐出モジュール、23-2…吐出モジュール、23-3…吐出モジュール、23-4…吐出モジュール、23-5…吐出モジュール、23-6…吐出モジュール、23-j…吐出モジュール、23-m…吐出モジュール、30…配線部材、31…筐体、33…集合基板、34…流路構造体、35…ヘッド基板、37…分配流路、39…固定板、41…搬送モーター、42…搬送ローラー、50-1…駆動信号出力回路、50-2…駆動信号出力回路、50-6…駆動信号出力回路、50-i…駆動信号出力回路、50-j…駆動信号出力回路、50-m…駆動信号出力回路、52…駆動回路、52a…駆動回路、52a1…駆動回路、52aj…駆動回路、52b…駆動回路、52b1…駆動回路、52bj…駆動回路、52c…駆動回路、52c1…駆動回路、52cj…駆動回路、53…基準電圧出力回路、60…圧電素子、100…制御回路、120…変換回路、200…駆動信号選択回路、201…集積回路、210…選択制御回路、212…シフトレジスター(S/R)、212…シフトレジスター、214…ラッチ回路、216…デコーダー、220…復元回路、230…選択回路、232a…インバーター、232b…インバーター、232c…インバーター、234a…トランスファーゲート、234b…トランスファーゲート、234c…トランスファーゲート、311…開口部、313…集合基板挿通部、315…保持部材、330…接続部、341…導入部、343…貫通孔、351…開口部、352…切欠部、353…切欠部、355…切欠部、371…開口部、373…導入部、388…配線部材、391…開口部、600…吐出部、610…振動板、611…リード電極、620…コンプライアンス基板、621…封止膜、622…固定基板、623…ノズルプレート、623a…液体噴射面、630…連通板、641…保護基板、642…流路形成基板、643…貫通孔、644…保護空間、660…ケース、661…導入路、662…接続口、665…凹部、Adp…台形波形、B1…第1基板、B2…第2基板、B3…第3基板、Bdp…台形波形、BSD…微振動、CB…圧力室、CB1…圧力室、CB2…圧力室、Cdp…台形波形、CLR…冷却機構、CMT…整流板、CN1…第1コネクター、CN2…第2コネクター、CN3…第3コネクター、CN4…第4コネクター、CN5…第5コネクター、CP…電解コンデンサー、DRV…駆動回路部、DRV1…駆動回路部、DRV2…駆動回路部、DRV3…駆動回路部、DRV4…駆動回路部、DRV5…駆動回路部、DRV6…駆動回路部、DRVi…駆動回路部、FC…配線部材、FET…電界効果トランジスター、FN…ファン、HD…枠体、HL…吸気口、HL1…上部開口、HL2…下部開口、HL3…第2上部開口、HL4…第2下部開口、HS1…ヒートシンク、HS2…ヒートシンク、HU…ヘッドユニット、HU11…ヘッドユニット、HU12…ヘッドユニット、HU13…ヘッドユニット、HU21…ヘッドユニット、HU22…ヘッドユニット、HU23…ヘッドユニット、HU31…ヘッドユニット、HU32…ヘッドユニット、HU33…ヘッドユニット、IC…集積回路、IP…画像情報信号、LD…大ドット、Ln1…ノズル列、Ln2…ノズル列、M1…第1面、M2…第2面、MN…マニホールド、MN1…マニホールド、MN2…マニホールド、N…ノズル、N1…ノズル、N2…ノズル、ND…非吐出、OL…輪郭、P…媒体、RA…供給連通路、RA1…供給連通路、RA2…供給連通路、RB…供給連通路、RB1…供給連通路、RB2…供給連通路、RC…コイル、RK1…圧力室連通路、RK2…圧力室連通路、RR…ノズル連通路、RR1…ノズル連通路、RR2…ノズル連通路、RX…接続連通路、RX1…接続連通路、RX2…接続連通路、SL…スリット、Su1…流路プレート、Su2…流路プレート、WR…導風部、WR2…第2導風部