(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024051469
(43)【公開日】2024-04-11
(54)【発明の名称】容器蓋閉めシステム
(51)【国際特許分類】
B65B 7/28 20060101AFI20240404BHJP
B65G 47/90 20060101ALI20240404BHJP
B25J 13/08 20060101ALI20240404BHJP
【FI】
B65B7/28 L
B65G47/90 A
B25J13/08 Z
B65B7/28 N
【審査請求】未請求
【請求項の数】9
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022157657
(22)【出願日】2022-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【弁理士】
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【弁理士】
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】浅海 祐未
(72)【発明者】
【氏名】加賀 康介
(72)【発明者】
【氏名】稲場 公一
(72)【発明者】
【氏名】今井 貴之
【テーマコード(参考)】
3C707
3E049
3F072
【Fターム(参考)】
3C707AS06
3C707BS15
3C707KS33
3C707KS36
3C707KT01
3C707KT05
3C707KW03
3C707KX08
3C707NS02
3E049AA05
3E049AB02
3E049BA04
3E049CA01
3E049DA01
3E049EA02
3E049EA08
3E049EB02
3E049EC04
3F072KA01
3F072KA26
(57)【要約】
【課題】ロボットの処理能力が高くない場合でも、省人化を図りつつ、システム全体における蓋閉め作業効率を高めやすい容器蓋閉めシステムを実現すること。
【解決手段】容器本体に対して蓋体を閉めるシステムであって、前記容器本体を順次搬送する第1搬送部と、前記容器本体を順次搬送する第2搬送部と、前記第2搬送部で単位時間に搬送される前記容器本体の個数が、前記第1搬送部で単位時間に移送される前記容器本体の個数よりも多くなるように、前記第1搬送部および前記第2搬送部に供給する前記容器本体の数を調整する供給数調整部と、前記供給数調整部の後に設けられ、前記第1搬送部で搬送される前記容器本体に対して第1蓋閉め作業を行う第1ロボットと、前記第1蓋閉め作業で生じた不良品を、前記第2搬送部に移送する不良品移送部と、を備えることを特徴とする容器蓋閉めシステム。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器本体に対して蓋体を閉めるシステムであって、
前記容器本体を順次搬送する第1搬送部と、
前記容器本体を順次搬送する第2搬送部と、
前記第2搬送部で単位時間に搬送される前記容器本体の個数が、前記第1搬送部で単位時間に移送される前記容器本体の個数よりも多くなるように、前記第1搬送部および前記第2搬送部に供給する前記容器本体の数を調整する供給数調整部と、
前記供給数調整部の後に設けられ、前記第1搬送部で搬送される前記容器本体に対して第1蓋閉め作業を行う第1ロボットと、
前記第1蓋閉め作業で生じた不良品を、前記第2搬送部に移送する不良品移送部と、
を備えることを特徴とする容器蓋閉めシステム。
【請求項2】
前記供給数調整部は、
前記第1搬送部の上流側に接続されている第3搬送部と、
前記第2搬送部の上流側に接続されている第4搬送部と、
前記第4搬送部に供給された前記容器本体のうちの一部を前記第3搬送部に移送する容器本体移送部と、
を有する請求項1に記載の容器蓋閉めシステム。
【請求項3】
前記供給数調整部は、前記第2搬送部による搬送速度を前記第1搬送部による搬送速度よりも大きくする搬送速度設定部、を有する請求項1に記載の容器蓋閉めシステム。
【請求項4】
前記不良品移送部よりも下流側に設けられ、前記第1蓋閉め作業で得られた良品を前記第2搬送部に移送する良品移送部を備える請求項1ないし3のいずれか1項に記載の容器蓋閉めシステム。
【請求項5】
前記不良品移送部よりも下流側に設けられ、前記第2搬送部で搬送される前記容器本体に対して第2蓋閉め作業を行う第2ロボットを備える請求項1ないし3のいずれか1項に記載の容器蓋閉めシステム。
【請求項6】
前記不良品移送部よりも下流側に設けられ、前記第1蓋閉め作業で得られた良品を、前記第2搬送部に移送する良品移送部を備え、
前記第2ロボットは、前記良品移送部よりも上流側に配置されている請求項5に記載の容器蓋閉めシステム。
【請求項7】
前記第1ロボットは、
ロボットアームと、
前記ロボットアームに設けられ、前記蓋体を把持する蓋体把持部と、
前記蓋体把持部に加わる力を検出する力センサーと、
を有し、
前記力センサーによる前記力の検出結果に基づいて、前記第1蓋閉め作業の良否を判断する作業良否判断部、および、前記作業良否判断部で不良と判断されたとき、前記不良品を前記第2搬送部に移送するように前記不良品移送部に制御信号を出力する制御信号出力部、を有する制御部を備える請求項1ないし3のいずれか1項に記載の容器蓋閉めシステム。
【請求項8】
前記第1ロボットは、水平多関節ロボットである請求項1ないし3のいずれか1項に記載の容器蓋閉めシステム。
【請求項9】
前記容器本体に食品を収容した状態で前記蓋体を閉めるシステムである請求項1ないし3のいずれか1項に記載の容器蓋閉めシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器蓋閉めシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、各種の生産現場においてロボットの導入が検討されているが、その一例として、食品等を包装したり、容器に入れて蓋を閉めたりする、食品用システムが用いられている。
【0003】
例えば、特許文献1には、積層食品を袋詰めにするシステムが開示されている。積層食品とは、例えば、サンドイッチのような食材を積層してなる食品である。このシステムでは、前工程から第1搬送ラインで搬送される積層食品について、ロボットで把持して姿勢を変更した後、袋詰めを行う。また、このシステムでは、ロボットによる袋詰め等の処理の能力が足りない場合には、袋詰めを行わずにそのまま積層食品を第1搬送ラインで下流側に搬送し、袋詰めした積層食品は、第2搬送ラインで下流側に搬送する。第1搬送ラインで搬送された、袋詰めされていない積層食品は、ロボットの下流側に位置する作業者が手作業で袋詰めすることが想定されている。これにより、ライン全体が停止することを回避することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載のシステムでは、前工程から第1搬送ラインで搬送される積層食品の全てについて、ロボットで姿勢変更や袋詰め等の処理を行うことを前提としている。このため、システム全体の処理能力は、ロボットの処理能力に左右されることになり、十分な向上が見込めない。特に、食品を収容した容器本体に対して蓋体を閉める蓋閉め作業は、作業難度が高く、ロボットの処理能力を容易には高められない。そこで、ロボットの処理能力が高くない場合でも、省人化を図りつつ、システム全体における蓋閉め作業効率を高めやすい容器蓋閉めシステムの開発が課題となっている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の適用例に係る容器蓋閉めシステムは、
容器本体に対して蓋体を閉めるシステムであって、
前記容器本体を順次搬送する第1搬送部と、
前記容器本体を順次搬送する第2搬送部と、
前記第2搬送部で単位時間に搬送される前記容器本体の個数が、前記第1搬送部で単位時間に移送される前記容器本体の個数よりも多くなるように、前記第1搬送部および前記第2搬送部に供給する前記容器本体の数を調整する供給数調整部と、
前記供給数調整部の後に設けられ、前記第1搬送部で搬送される前記容器本体に対して第1蓋閉め作業を行う第1ロボットと、
前記第1蓋閉め作業で生じた不良品を、前記第2搬送部に移送する不良品移送部と、
を備える。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】第1実施形態に係る容器蓋閉めシステムを示す概略構成図である。
【
図3】
図1の制御部のハードウェア構成例を示す図である。
【
図4】第2実施形態に係る容器蓋閉めシステムを示す概略構成図である。
【
図5】第3実施形態に係る容器蓋閉めシステムを示す概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の容器蓋閉めシステムを添付図面に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0009】
1.第1実施形態
まず、第1実施形態に係る容器蓋閉めシステムについて説明する。
【0010】
図1は、第1実施形態に係る容器蓋閉めシステム1を示す概略構成図である。なお、本願の各図では、互いに直交する3つの軸としてX軸、Y軸およびZ軸を設定している。各軸を矢印で表し、先端側を「プラス」、基端側を「マイナス」とする。以下の説明で、例えば「X軸方向」とは、X軸のプラス方向およびマイナス方向の双方を含む。また、以下の説明では、特に、X軸マイナス側を「上流側」、X軸プラス側を「下流側」ともいう。さらに、以下の説明では、特に、Z軸プラス側を「上方」ともいう。
【0011】
図1に示す容器蓋閉めシステム1は、前工程である盛り付け工程S1から供給される容器本体91に対し、蓋体92を閉める作業を行うシステムである。容器本体91には、盛り付け工程S1において食品等が収容されており、容器蓋閉めシステム1を用いた蓋閉め工程S2によって蓋体92が閉められる。蓋体92が閉められた容器本体91は、その後、後工程であるラッピング工程S3に供給される。
【0012】
図1に示す容器本体91および蓋体92は、例えば、互いに嵌合、係合等することによって固定される。具体的には、容器本体91および蓋体92の形態は、容器本体91の内側に蓋体92を嵌合させる内嵌合であってもよいし、容器本体91の外側に蓋体92を嵌合させる外嵌合であってもよい。
【0013】
図1に示す容器蓋閉めシステム1は、第1搬送部2と、第2搬送部3と、第1ロボット41と、不良品移送部52と、良品移送部54と、供給数調整部6と、制御部7と、を備える。
【0014】
第1搬送部2は、供給数調整部6から連続的に供給される容器本体91を下流側に順次搬送する。第2搬送部3も、供給数調整部6から連続的に供給される容器本体91を下流側に順次搬送する。
【0015】
第1ロボット41は、第1搬送部2で搬送される容器本体91に対して第1蓋閉め作業を行う。容器本体91は、食品等を収容し、上方が開口する器である。第1蓋閉め作業は、第1搬送部2で搬送される容器本体91の開口部に蓋体92を被せて閉める作業である。本明細書では、第1蓋閉め作業が完了した容器本体91および蓋体92のセットを「良品93」といい、第1蓋閉め作業が完了しなかった容器本体91および蓋体92のセットを「不良品94」という。不良品の態様としては、例えば、蓋体92がずれている状態、容器本体91と蓋体92との間に食品等が挟まっている状態、容器本体91に蓋体92が載っていない状態等が挙げられる。
図1では、一例として、蓋体92がずれている状態を図示している。
【0016】
不良品移送部52は、第1蓋閉め作業で生じた不良品94を、第2搬送部3に移送する。
【0017】
供給数調整部6は、第1搬送部2と第2搬送部3とで数を調整しながら容器本体91を供給する。具体的には、第2搬送部3で単位時間に搬送される容器本体91の個数が、第1搬送部2で単位時間に搬送される容器本体91の個数よりも多くなるように、供給する容器本体91の数を調整する。
【0018】
制御部7は、第1ロボット41から出力される信号に基づいて、不良品移送部52の動作を制御する。
【0019】
1.1.各部の構成
容器蓋閉めシステム1の各部の構成について詳述する。
【0020】
1.1.1.第1搬送部
図1に示す第1搬送部2は、供給数調整部6と不良品移送部52および良品移送部54との間を繋ぐように延在している。これにより、第1搬送部2は、供給数調整部6から供給された容器本体91を、下流側に搬送し、第1ロボット41の作業範囲内に配置する。また、第1ロボット41による第1蓋閉め作業によって生じた不良品94を不良品移送部52まで搬送するとともに、良品93を良品移送部54まで搬送する。
【0021】
第1搬送部2は、複数の容器本体91を搬送する機能を有していれば、いかなる搬送装置で構成されていてもよい。搬送装置の一例としては、ベルトコンベアー、ローラーコンベアー等が挙げられる。また、搬送装置は、コンベアーに限定されず、例えば、多数のアーム等で容器本体91の位置を規制した状態で、容器本体91を搬送する装置であってもよい。第1搬送部2で搬送される容器本体91同士の間隔は、等間隔であってもよいし、不等間隔であってもよい。また、第1搬送部2は、容器本体91を第1ロボット41の作業範囲内に配置したタイミング、不良品移送部52により不良品94を移送するタイミング、良品移送部54により良品93を移送するタイミング等において、搬送を停止してもよいし、停止させなくてもよい。
【0022】
1.1.2.第2搬送部
図1に示す第2搬送部3は、供給数調整部6とラッピング工程S3を行うラッピング部84と繋ぐように延在している。第2搬送部3は、供給数調整部6から供給された容器本体91を、下流側に搬送し、作業者Mの作業範囲内に配置する。また、第2搬送部3には、不良品移送部52で移送された不良品94、および、良品移送部54で移送された良品93が合流するようになっている。
【0023】
第2搬送部3は、複数の容器本体91を搬送する機能を有していれば、いかなる搬送装置で構成されていてもよい。搬送装置の一例としては、ベルトコンベアー、ローラーコンベアー等が挙げられる。また、搬送装置は、コンベアーに限定されず、例えば、多数のアーム等で容器本体91の位置を規制した状態で、容器本体91を搬送する装置であってもよい。第2搬送部3で搬送される容器本体91同士の間隔は、等間隔であってもよいし、不等間隔であってもよい。また、第2搬送部3は、容器本体91を作業者Mの作業範囲内に配置したタイミング等において、搬送を停止してもよいし、停止させなくてもよい。
【0024】
1.1.3.第1ロボット
図2は、
図1の第1ロボット41を示す斜視図である。
図2に示す第1ロボット41は、水平多関節ロボットである。水平多関節ロボットは、アームの回動面が水平であるため、回動速度を高めやすい。このため、水平多関節ロボットを用いることにより、第1ロボット41の処理速度を高めることができる。なお、第1ロボット41の形態は、これに限定されず、垂直多関節ロボットであってもよいし、複数のロボットアームを有する双腕ロボットであってもよい。
【0025】
図2に示す第1ロボット41は、ロボットアーム43と、蓋体把持治具44(蓋体把持部)と、力センサー46と、を有する。
【0026】
ロボットアーム43の先端部には、蓋体把持治具44が取り付けられている。蓋体把持治具44は、ストックされている蓋体92を把持する機能、および、把持している蓋体92を離脱させる機能を有する。ロボットアーム43は、その動作範囲内の任意の位置に、蓋体把持治具44を移動させる。これにより、第1ロボット41は、ストックされている蓋体92で容器本体91を閉じる第1蓋閉め作業を行うことができる。
【0027】
力センサー46は、蓋体把持治具44に加わる力を検出する。力センサー46としては、例えば、力覚センサーが挙げられる。力覚センサーは、例えば、蓋体把持治具44に加わる力の大きさおよび方向を検出する。前述した制御部7は、力センサー46による力の検出結果に基づいて、第1蓋閉め作業の結果が良好であったか否か、つまり、良品93または不良品94のいずれになったかを判断する。そして、不良品94が生じた場合には、不良品移送部52の動作を制御して、不良品94を第2搬送部3に移送させる。
【0028】
力センサー46は、他のセンサーで代替可能である。他のセンサーは、第1蓋閉め作業の良否を判断し得るものであればよく、例えば、カメラのような画像センサー、レーザーセンサーのような測距センサー等が挙げられる。このうち、画像センサーは、例えば、第1蓋閉め作業を終えた容器本体91および蓋体92のセットの画像を取得する。制御部7は、この画像に基づいて第1蓋閉め作業の良否を判断する。また、測距センサーは、例えば、蓋体92の上面までの距離を取得する。制御部7は、この距離に基づいて第1蓋閉め作業の良否を判断する。
【0029】
1.1.4.不良品移送部
図1に示す不良品移送部52は、第1ロボット41の下流側に配置され、不良品94を第1搬送部2から第2搬送部3に移送する。第2搬送部3の不良品移送部52よりも下流側には、作業者Mが配置されている。作業者Mは、供給数調整部6から第2搬送部3に供給された容器本体91に対して蓋体92を閉める作業だけでなく、第2搬送部3に移送された不良品94の不良を解消する作業も行う。これにより、第2搬送部3で搬送される搬送物に対して作業を行うだけで、2種類の作業を行うことができる。つまり、第1ロボット41が行う第1蓋閉め作業と並行して、第2搬送部3で搬送される容器本体91に対して第2蓋閉め作業を行いつつ、第1ロボット41による第1蓋閉め作業の結果生じた不良品94の修正も行うことができる。その結果、容器蓋閉めシステム1は、第1ロボット41と作業者Mとの協働を容易にするシステムになっていることから、第1ロボット41の処理能力が低い場合でも、省人化を図りつつ、蓋閉め作業の作業効率を高めることができる。また、作業効率を高める必要がない場合には、第1ロボット41の導入により、作業者Mの負荷を軽減することができる。
【0030】
不良品移送部52は、制御部7から出力される制御信号に基づいて動作する。制御信号は、不良品94の発生に合わせて出力される。これにより、不良品移送部52は、良品93を移送することなく、不良品94を選択的に移送することができる。
【0031】
不良品移送部52が有する移送装置としては、例えば、第1搬送部2の搬送方向(X軸方向)と交差する方向に不良品94を押し出す装置(プッシャー)、第1搬送部2の搬送方向と交差する方向に不良品94を送り出す装置(トランサー)、不良品94の搬送方向を変更する装置(ダイバーター)等の分岐装置が挙げられる。
【0032】
1.1.5.良品移送部
図1に示す良品移送部54は、良品93を第1搬送部2から第2搬送部3に移送する。これにより、良品93を第2搬送部3に集約することができる。つまり、作業者Mによる第2蓋閉め作業で生じた良品93のみでなく、第1ロボット41による第1蓋閉め作業で生じた良品93も、第2搬送部3で搬送されることになる。その結果、第2搬送部3の下流側に配置されるラッピング部84は、第2搬送部3で搬送される良品93のみを受け入れればよいので、小型化が容易になる。また、既存のラッピング部84を、本実施形態に係る容器蓋閉めシステム1に対応させる場合、改造等を行う必要がない点でも有用である。
【0033】
また、良品移送部54は、作業者Mよりも下流側に配置されることが好ましい。これにより、良品移送部54によって第2搬送部3に移送された良品93は、作業者Mの視野に入ることなく、ラッピング部84へ送り出される。このため、作業者Mの負荷を軽減することができる。
【0034】
良品移送部54が有する移送装置としては、例えば、第1搬送部2の搬送方向と交差する方向に良品93を押し出す装置(プッシャー)、第1搬送部2の搬送方向と交差する方向に良品93を送り出す装置(トランサー)、良品93の搬送方向を変更する装置(ダイバーター)等の分岐装置が挙げられる。
【0035】
なお、良品移送部54は、必要に応じて設けられればよく、省略されていてもよい。この場合、ラッピング部84は、第2搬送部3で搬送される良品93だけでなく、第1搬送部2で搬送される良品93も受け入れるようになっていればよい。
【0036】
1.1.6.供給数調整部
供給数調整部6は、盛り付け工程S1を行う盛り付け部82の下流側に設けられている。
図1に示す供給数調整部6は、第3搬送部61と、第4搬送部62と、容器本体移送部63と、を有する。
【0037】
第3搬送部61は、前述した第1搬送部2の上流側に接続されている。第3搬送部61および第1搬送部2は、互いに別体であってもよいが、
図1に示すように一体になっていてもよい。つまり、第3搬送部61および第1搬送部2は、接続された2つの搬送装置で構成されていてもよいが、本実施形態では、
図1に示すように、連続した1つの搬送装置で構成されている。
【0038】
第4搬送部62は、前述した第2搬送部3の上流側に接続されている。第4搬送部62および第2搬送部3は、互いに別体であってもよいが、
図1に示すように一体になっていてもよい。つまり、第4搬送部62および第2搬送部3は、接続された2つの搬送装置で構成されていてもよいが、本実施形態では、
図1に示すように、連続した1つの搬送装置で構成されていてもよい。
【0039】
盛り付け部82は、第3搬送部61および第4搬送部62の双方に容器本体91を供給するようになっていてもよいが、本実施形態では、第4搬送部62のみに容器本体91を供給するようになっている。これにより、盛り付け部82の小型化が容易になる。また、既存の盛り付け部82を、本実施形態に係る容器蓋閉めシステム1に対応させる場合、既存の盛り付け部82については改造等を行う必要がない点でも有用である。
【0040】
容器本体移送部63は、第4搬送部62に供給された容器本体91のうちの一部を第3搬送部61に移送する。これにより、盛り付け部82から供給された容器本体91について、第4搬送部62と第3搬送部61とに振り分けることができる。第3搬送部61に移送された容器本体91は、第1搬送部2に搬送され、第4搬送部62に残った容器本体91は、第2搬送部3に搬送される。このとき、容器本体移送部63は、第2搬送部3に供給する容器本体91の個数が、第1搬送部2に供給する容器本体91の個数よりも多くなるように、第3搬送部61と第4搬送部62との間で容器本体91を振り分ける。
【0041】
そうすると、仮に、第1搬送部2による搬送速度と、第2搬送部3による搬送速度と、が等しい場合には、第2搬送部3で単位時間に搬送される容器本体91の個数を、第1搬送部2で単位時間に搬送される容器本体91の個数よりも多くすることができる。これにより、第1搬送部2に多数の容器本体91が供給されてしまうことを回避することができ、第1ロボット41で処理しきれなくなるのを防止することができる。また、作業者Mは、一般にロボットよりも処理能力が高いことが多い。このため、作業者Mが作業を行う第2搬送部3で、第1搬送部2よりも多くの容器本体91を搬送することにより、作業者Mの処理能力が余剰になるのを避けることができる。
【0042】
なお、単位時間に搬送される容器本体91の個数は、第1ロボット41が配置されている位置を通るY軸に平行な線Pを単位時間内に通過する容器本体91の個数として定義できる。本実施形態では、第1搬送部2による搬送速度と、第2搬送部3による搬送速度と、が等しい場合を例に挙げている。その場合、容器本体移送部63によって容器本体91を振り分けた結果、単位時間内に第4搬送部62に残された容器本体91の個数が、第3搬送部61に移送された容器本体91の個数より多くなるように設定されていればよい。また、搬送速度が異なっている場合でも、搬送速度の差と、振り分けるときの比率と、を総合して、上記条件を満たしていればよい。
【0043】
なお、容器本体91を振り分けるときの比率は、特に限定されず、第1ロボット41の処理能力に応じて適宜設定される。具体的には、第1ロボット41の処理能力を最大限に活かすことができる比率が挙げられる。より具体的には、第1搬送部2で単位時間に搬送される容器本体91の個数を1としたとき、第2搬送部3で単位時間に搬送される容器本体91の個数は、1超であれば特に限定されないが、好ましくは1.1以上5.0以下とされ、より好ましくは1.5以上3.0以下とされる。
【0044】
1.1.7.制御部
図1に示す制御部7は、機能部として、作業良否判断部72と、制御信号出力部74と、を有する。
【0045】
作業良否判断部72は、第1ロボット41の力センサー46から出力された力の検出結果、すなわち、力の大きさ、力の方向等を取得する。そして、作業良否判断部72は、力の検出結果に基づいて、第1蓋閉め作業の良否を判断する。判断の基準には、例えば、あらかじめ実験等を繰り返して得た実績値を用いることができる。具体的には、不良品94が生じるときの力の向きや大きさの範囲を、あらかじめ実験によって特定する。そして、作業良否判断部72は、容器蓋閉めシステム1の稼働時において、力の検出結果がこの範囲内にあるとき、不良品94が生じたと判断するように構成されている。
【0046】
制御信号出力部74は、作業良否判断部72で不良と判断されたとき、つまり、不良品94が生じたと判断されたとき、不良品移送部52に向けて制御信号を出力する。この制御信号が入力されると、不良品移送部52は、第1蓋閉め作業で生じた不良品94を第2搬送部3に移送する動作を行う。すなわち、制御部7は、第1ロボット41から出力される信号に基づいて、不良品移送部52の動作を制御する。
【0047】
図3は、
図1の制御部7のハードウェア構成例を示す図である。
制御部7の機能部が発揮する機能は、例えば、
図3に示す、CPU701、ROM702、RAM703、外部インターフェース704、および、内部バス705を備えるハードウェアによって実現される。CPU701、ROM702、RAM703および外部インターフェース704は、内部バス705を介して相互に通信可能になっている。
【0048】
CPU701は、Central Processing Unitである。なお、CPU701は、DSP(Digital Signal Processor)であってもよい。また、ハードウェアの全部または一部が、FPGA(Field-Programmable Gate Array)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)等で構成されていてもよい。
【0049】
ROM702は、Read-Only Memoryであり、任意の不揮発性記憶素子で構成される。RAM703は、Random Access Memoryであり、任意の揮発性記憶素子で構成される。
【0050】
外部インターフェース704としては、例えば、USB(Universal Serial Bus)等のデジタル入出力ポート、イーサネット(登録商標)ポート等が挙げられる。
【0051】
1.2.作動
容器蓋閉めシステム1の作動について説明する。
【0052】
盛り付け部82で容器本体91に食品等を盛り付けた後、容器本体91が供給数調整部6の第4搬送部62に供給される。容器本体91は、所定の時間間隔で次々に供給される。第4搬送部62は、容器本体移送部63を経て、第2搬送部3に容器本体91を搬送する。容器本体移送部63は、第4搬送部62で搬送される容器本体91の一部を第3搬送部61に移送する。そして、第3搬送部61は、移送した容器本体91を第1搬送部2に供給し、第4搬送部62は、残った容器本体91を第2搬送部3に供給する。これにより、供給数調整部6は、第1搬送部2および第2搬送部3に供給する容器本体91の数を調整する。
【0053】
第1ロボット41は、第1搬送部2に供給された容器本体91に対して、第1蓋閉め作業を行う。これにより、良品93が得られる。良品93は、不良品移送部52をそのまま通過し、良品移送部54で第2搬送部3に移送される。そして、第2搬送部3で搬送される良品93とともに、ラッピング部84に送り出される。一方、第1蓋閉め作業では、ある程度の確率で不良品94が生じることがある。不良品94が発生すると、制御部7の制御により、不良品移送部52が不良品94を第2搬送部3に移送する。第2搬送部3に移送された不良品94は、作業者Mによって修正され、良品93となる。これにより、不良品94がラッピング部84に送り出されるのを防止する。
【0054】
また、作業者Mは、第2搬送部3に供給された容器本体91に対して、第2蓋閉め作業を行う。作業者Mは、ロボットに比べて処理能力が高い場合が多いため、前述した不良品94の修正作業と第2蓋閉め作業の双方を行うことができる。
【0055】
容器蓋閉めシステム1は、以上のように作動することで、処理能力が高くない第1ロボット41を用いた場合でも、省人化を図りつつ、全体として蓋閉め作業の作業効率を高めることができる。
【0056】
2.第2実施形態
次に、第2実施形態に係る容器蓋閉めシステム1について説明する。
図4は、第2実施形態に係る容器蓋閉めシステム1を示す概略構成図である。
【0057】
以下、第2実施形態について説明するが、以下の説明では、第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、
図4において、第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を付している。
【0058】
第2実施形態は、
図4に示す第2ロボット42を備えること以外、第1実施形態と同様である。
【0059】
第2ロボット42は、
図1に示す作業者Mの位置に配置されている。つまり、
図1に示す作業者Mに代わって第2ロボット42が配置されている。第2ロボット42には、第1ロボット41よりも高い処理能力を有するものが用いられる。このため、第2ロボット42は、第2搬送部3で搬送される容器本体91に対して第2蓋閉め作業を行うとともに、第1ロボット41による第1蓋閉め作業で生じた不良品94に対して修正作業を行う。
【0060】
なお、第1ロボット41および第2ロボット42は、機種が異なっていてもよいし、同じであってもよい。機種が同じであっても、蓋体把持治具44の個体差やその他の要因によって、処理能力に差が生じる場合がある。第2実施形態は、このように、処理能力に差がある2台のロボットを用いても、処理能力の低いロボットに律速されることなく、2台のロボットの処理能力を十分に引き出すことができる。その結果、処理能力が高くない第1ロボット41を用いた場合でも、省人化を図りつつ、全体として蓋閉め作業の作業効率を高めることができる。
【0061】
図4に示す第2ロボット42は、水平多関節ロボットであってもよいし、垂直多関節ロボットであってもよいし、複数のロボットアームを有する双腕ロボットであってもよい。なお、第2ロボット42として水平多関節ロボットを用いることにより、第2ロボット42の処理速度を高めやすくなる。
【0062】
また、第2ロボット42は、良品移送部54よりも上流側に配置されている。これにより、良品移送部54によって第2搬送部3に移送された良品93は、第2ロボット42の作業範囲に入ることなく、ラッピング部84へ送り出される。このため、第2ロボット42は、良品93を見送る時間(良品93の通過を待つ時間)を無駄にすることなく、第2蓋閉め作業や修正作業を行うことができる。
【0063】
なお、作業者Mは、必要に応じて、任意の位置に配置されてもよい。
図4では、一例として、良品移送部54の下流側に作業者Mが配置されている。この場合、ラッピング部84に送り出されるすべての良品93が作業者Mの視野に入ることになる。したがって、作業者Mは、良品93の検査に集中することができる。また、仮に、良品93に不良品94が混じっていたとしても、作業者Mが修正作業を行うことができるので、不良品94がラッピング部84に送り出されるのを防止することができる。これにより、2台のロボットを用いて、蓋閉め作業のさらなる省人化を図りつつ、不良品94が後工程に送られる確率を下げることができる。
以上のような第2実施形態においても、第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0064】
3.第3実施形態
次に、第3実施形態に係る容器蓋閉めシステム1について説明する。
図5は、第3実施形態に係る容器蓋閉めシステム1を示す概略構成図である。
【0065】
以下、第3実施形態について説明するが、以下の説明では、第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項についてはその説明を省略する。なお、
図5において、第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を付している。
【0066】
第3実施形態は、供給数調整部6の構成が異なること以外、第1実施形態と同様である。
【0067】
図5に示す供給数調整部6は、第1搬送部2を駆動する駆動部64と、第2搬送部3を駆動する駆動部65と、駆動部64、65による各搬送部の搬送速度を設定する搬送速度設定部66と、を有する。また、
図5に示す盛り付け部82は、一例として、第1搬送部2および第2搬送部3の双方に、単位時間内で互いに同じ数の容器本体91を供給するように構成されている。
【0068】
駆動部64は、第1搬送部2を駆動する動力源である。駆動部65は、第2搬送部3を駆動する動力源である。駆動部64、65は、搬送速度を任意に設定できるようになっている。搬送速度設定部66は、駆動部64、65が目的とする搬送速度になるように、速度設定信号または電力を出力する。
【0069】
搬送速度設定部66では、第2搬送部3による搬送速度が、第1搬送部2による搬送速度よりも大きくなるように設定している。これにより、供給数調整部6の構成を複雑化することなく、第2搬送部3で単位時間に搬送される容器本体91の個数を、第1搬送部2で単位時間に搬送される容器本体91の個数よりも多くすることができる。その結果、第1搬送部2に多数の容器本体91が供給されてしまうことを回避することができ、第1ロボット41で処理しきれなくなるのを防止することができる。また、作業者Mの処理能力が余剰になるのを避けることができる。その結果、処理能力が高くない第1ロボット41を用いた場合でも、省人化を図りつつ、全体として蓋閉め作業の作業効率を高めることができる。
以上のような第3実施形態においても、第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0070】
4.前記各実施形態が奏する効果
以上のように、前記各実施形態に係る容器蓋閉めシステム1は、容器本体91に対して蓋体92を閉めるシステムであって、第1搬送部2と、第2搬送部3と、第1ロボット41と、不良品移送部52と、供給数調整部6と、を備える。第1搬送部2および第2搬送部3は、それぞれ容器本体91を順次搬送する。供給数調整部6は、第2搬送部3で単位時間に搬送される容器本体91の個数が、第1搬送部2で単位時間に搬送される容器本体91の個数よりも多くなるように、第1搬送部2および第2搬送部3に供給する容器本体91の数を調整する。第1ロボット41は、前記供給数調整部6の後に設けられ、第1搬送部2で搬送される容器本体91に対して第1蓋閉め作業を行う。不良品移送部52は、第1蓋閉め作業で生じた不良品94を、第2搬送部3に移送する。
【0071】
このような構成の容器蓋閉めシステム1によれば、第1ロボット41による第1蓋閉め作業と並行して、作業者Mや第2ロボット42による第2蓋閉め作業を行うことを可能にする。また、第1ロボット41による第1蓋閉め作業で生じた不良品94に対して、作業者Mや第2ロボット42が修正作業を行うことが可能になる。このため、処理能力が高くない第1ロボット41を用いた場合でも、省人化を図りつつ、全体として蓋閉め作業の作業効率を高めることができる。
【0072】
また、供給数調整部6は、第3搬送部61と、第4搬送部62と、容器本体移送部63と、を有していてもよい。第3搬送部61は、第1搬送部2の上流側に接続されている。第4搬送部62は、第2搬送部3の上流側に接続されている。容器本体移送部63は、第4搬送部62に供給された容器本体91のうちの一部を第3搬送部61に移送する。
【0073】
このような構成であれば、容器蓋閉めシステム1の上流側に設けられる盛り付け部82について、第4搬送部62のみに容器本体91を供給する構成にできる。このため、盛り付け部82の小型化が容易になる。また、既存の盛り付け部82を、本実施形態に係る容器蓋閉めシステム1に対応させる場合、改造等を行う必要がないため、システムを導入するコストの低減を図ることができる。
【0074】
また、供給数調整部6は、搬送速度設定部66を有していてもよい。搬送速度設定部66は、第2搬送部3による搬送速度を第1搬送部2による搬送速度よりも大きくする。
【0075】
このような構成であれば、供給数調整部6の構成が複雑化するのを避けつつ、第2搬送部3で単位時間に搬送される容器本体91の個数を、第1搬送部2で単位時間に搬送される容器本体91の個数よりも多くすることができる。
【0076】
また、前記各実施形態に係る容器蓋閉めシステム1は、良品移送部54を備える。良品移送部54は、不良品移送部52よりも下流側に設けられ、第1蓋閉め作業で得られた良品93を第2搬送部3に移送する。
【0077】
このような構成によれば、作業者Mによる第2蓋閉め作業で生じた良品93のみでなく、第1ロボット41による第1蓋閉め作業で生じた良品93も、第2搬送部3で搬送されることになる。その結果、第2搬送部3の下流側に配置されるラッピング部84は、第2搬送部3で搬送される良品93のみを受け入れればよいので、小型化が容易になる。また、既存のラッピング部84を、本実施形態に係る容器蓋閉めシステム1に対応させる場合、改造等を行う必要がないため、システムを導入するコストの低減を図ることができる。
【0078】
また、容器蓋閉めシステム1は、第2ロボット42を備えていてもよい。第2ロボット42は、不良品移送部52よりも下流側に設けられ、第2搬送部3で搬送される容器本体91に対して第2蓋閉め作業を行う。
【0079】
このような構成によれば、蓋閉め作業のさらなる省人化を図ることができる容器蓋閉めシステム1が得られる。
【0080】
また、容器蓋閉めシステム1が、良品移送部54および第2ロボット42を備える場合、第2ロボット42は、良品移送部54よりも上流側に配置されることが好ましい。なお、良品移送部54は、不良品移送部52よりも下流側に設けられ、第1蓋閉め作業で得られた良品93を第2搬送部3に移送する。
【0081】
このような構成によれば、良品移送部54によって第2搬送部3に移送された良品93は、第2ロボット42の作業範囲に入ることなく、ラッピング部84へ送り出される。このため、第2ロボット42は、良品93を見送る時間(良品93の通過を待つ時間)を無駄にすることなく、第2蓋閉め作業や修正作業を行うことができる。
【0082】
また、第1ロボット41は、ロボットアーム43と、蓋体把持部である蓋体把持治具44と、力センサー46と、を有する。蓋体把持治具44は、ロボットアーム43に設けられ、蓋体92を把持する。力センサー46は、蓋体把持治具44に加わる力を検出する。そして、容器蓋閉めシステム1は、制御部7を備える。制御部7は、作業良否判断部72および制御信号出力部74を有する。作業良否判断部72は、力センサー46による力の検出結果に基づいて、第1蓋閉め作業の良否を判断する。制御信号出力部74は、作業良否判断部72で不良と判断されたとき、不良品94を第2搬送部3に移送するように不良品移送部52に制御信号を出力する。
【0083】
また、第1ロボット41は、水平多関節ロボットであることが好ましい。水平多関節ロボットは、アームの回動面が水平であるため、回動速度を高めやすい。このため、水平多関節ロボットを用いることにより、第1ロボット41の処理速度を高めることができる。
【0084】
また、前記各実施形態に係る容器蓋閉めシステム1は、容器本体91に食品を収容した状態で蓋体92を閉めるシステムである。食品容器の蓋閉め作業は、蓋体92が比較的可撓性に富んでいることから、自動化の難易度が高い作業の1つである。本実施形態に係る容器蓋閉めシステム1は、必要に応じて作業者Mの協働を可能にするシステムであるため、既存のラインの一部を自動化するのに適している。したがって、容器蓋閉めシステム1は、食品容器の蓋閉め作業について低コストで省人化を図ることができる。
【0085】
以上、本発明に係る容器蓋閉めシステムを図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0086】
例えば、本発明に係る容器蓋閉めシステムは、前記実施形態の各部が同様の機能を有する任意の構成物に置換されたものであってもよく、前記実施形態に任意の構成物が付加されたものであってもよい。また、本発明は、前記実施形態のうち、2つ以上を組み合わせたものであってもよい。
【符号の説明】
【0087】
1…容器蓋閉めシステム、2…第1搬送部、3…第2搬送部、6…供給数調整部、7…制御部、41…第1ロボット、42…第2ロボット、43…ロボットアーム、44…蓋体把持治具、46…力センサー、52…不良品移送部、54…良品移送部、61…第3搬送部、62…第4搬送部、63…容器本体移送部、64…駆動部、65…駆動部、66…搬送速度設定部、72…作業良否判断部、74…制御信号出力部、82…盛り付け部、84…ラッピング部、91…容器本体、92…蓋体、93…良品、94…不良品、701…CPU、702…ROM、703…RAM、704…外部インターフェース、705…内部バス、M…作業者、S1…盛り付け工程、S2…蓋閉め工程、S3…ラッピング工程、P…Y軸に平行な線