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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024051496
(43)【公開日】2024-04-11
(54)【発明の名称】駆動装置
(51)【国際特許分類】
   H02K 5/22 20060101AFI20240404BHJP
   H02K 5/20 20060101ALI20240404BHJP
【FI】
H02K5/22
H02K5/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】13
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022157698
(22)【出願日】2022-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】000232302
【氏名又は名称】ニデック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100188673
【弁理士】
【氏名又は名称】成田 友紀
(74)【代理人】
【識別番号】100179833
【弁理士】
【氏名又は名称】松本 将尚
(74)【代理人】
【識別番号】100189348
【弁理士】
【氏名又は名称】古都 智
(72)【発明者】
【氏名】麻生 啓介
(72)【発明者】
【氏名】和田 直大
(72)【発明者】
【氏名】牧野 祐輔
【テーマコード(参考)】
5H605
【Fターム(参考)】
5H605AA01
5H605BB05
5H605BB17
5H605CC01
5H605CC02
5H605CC06
5H605DD13
5H605EB10
5H605EB16
5H605EC01
5H605EC18
(57)【要約】      (修正有)
【課題】小型化を図ることができる駆動装置を提供する。
【解決手段】駆動装置1は、ロータ20と、ステータ30と、ハウジング6と、ベアリング5Aと、ステータの軸方向一方側に位置しベアリングを保持するベアリングホルダ70と、を備える。ハウジングは、中心軸線を中心とする筒状の内側筒部51、および外側筒部65を有する。内側筒部と外側筒部との間には、流路部93が設けられる。ベアリングホルダは、円板状の本体部71と、ベアリングを保持するベアリング保持部72と、内側筒部に固定される第1締結部76bと、本体部の軸方向他方側を向く面から軸方向他方側に突出する突出部73と、を有する。突出部は、軸方向から見て中心軸線を中心とする仮想円に沿って周方向に沿って延びて内側筒部の内周面に嵌る。本体部には、ステータのコイルから延び出る引出線を通す第1貫通孔71aが設けられる。第1貫通孔は、軸方向から見て仮想円上に配置される。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心軸線を中心に回転可能なロータと、
前記ロータを径方向外側から囲むステータと、
前記ステータを径方向外側から囲み前記ステータを保持するハウジングと、
前記ロータを回転可能に支持するベアリングと、
前記ステータの軸方向一方側に位置し前記ベアリングを保持するベアリングホルダと、を備え、
前記ハウジングは、前記中心軸線を中心とする筒状の内側筒部、および外側筒部を有し、
前記内側筒部と前記外側筒部との間には、流路部が設けられ、
前記ベアリングホルダは、
前記中心軸線を中心とする円板状の本体部と、
前記ベアリングを保持するベアリング保持部と、
前記内側筒部に固定される第1締結部と、
前記本体部の軸方向他方側を向く面から軸方向他方側に突出する突出部と、を有し、
前記突出部は、軸方向から見て前記中心軸線を中心とする仮想円に沿って周方向に沿って延びて前記内側筒部の内周面に嵌り、
前記本体部には、前記ステータのコイルから延び出る引出線を通す第1貫通孔が設けられ、
前記第1貫通孔は、軸方向から見て前記仮想円上に配置される、
駆動装置。
【請求項2】
前記ベアリングホルダは、1つの前記突出部を有し、
前記第1貫通孔は、前記突出部の周方向一方側の端部と周方向他方側の端部との間に位置する、
請求項1に記載の駆動装置。
【請求項3】
前記ベアリングホルダは、前記仮想円上に並ぶ複数の前記突出部を有し、
前記第1貫通孔は、複数の前記突出部のうち周方向に隣り合う一対の前記突出部同士の間に位置する、
請求項1に記載の駆動装置。
【請求項4】
前記ベアリングホルダは、周方向に沿って並ぶ複数の前記第1締結部を有し、
周方向において、前記突出部と前記第1締結部とは、異なる位置に配置される、
請求項3に記載の駆動装置。
【請求項5】
前記内側筒部は、軸方向一方側の端部に前記外側筒部に固定される複数の第2締結部を有し、
前記突出部と前記第2締結部とは、周方向において互いに異なる位置に配置される、
請求項3に記載の駆動装置。
【請求項6】
前記ステータに取り付けられる温度センサを備え、
前記本体部には、前記温度センサから延び出る温度センサ配線を通す第2貫通孔が設けられ、
前記突出部と前記第2貫通孔とは、周方向において互いに異なる位置に配置される、
請求項3に記載の駆動装置。
【請求項7】
前記ステータは、軸方向一方側の端部に位置する第1コイルエンド、および軸方向他方側の端部に位置する第2コイルエンドを有し、
前記突出部は、前記第1コイルエンドよりも軸方向一方側に位置する、
請求項1に記載の駆動装置。
【請求項8】
前記ステータは、軸方向一方側の端部に位置する第1コイルエンド、および軸方向他方側の端部に位置する第2コイルエンドを有し、
前記突出部は、前記第1コイルエンドよりも径方向外側に位置する、
請求項1に記載の駆動装置。
【請求項9】
前記ステータは、軸方向一方側の端部に位置する第1コイルエンド、および軸方向他方側の端部に位置する第2コイルエンドを有し、
前記内側筒部の内周面には、前記第1コイルエンドの径方向外側に配置され軸方向に沿って延び周方向に沿って並ぶ複数のフィンが設けられ、
前記内側筒部の内周面は、周方向において第1領域、および第2領域に区画され、
前記突出部は、前記第1領域において前記内側筒部の内周面に嵌り、
前記第1領域の前記フィンの軸方向一方側の端部は、前記第2領域の前記フィンの軸方向一方側の端部よりも軸方向他方側に位置する、
請求項1に記載の駆動装置。
【請求項10】
前記内側筒部と前記外側筒部との間であって前記流路部の軸方向一方側には、シール部が配置され、
前記突出部は、前記シール部よりも軸方向一方側に位置する、
請求項1に記載の駆動装置。
【請求項11】
前記ベアリング保持部は筒状であって、前記本体部の軸方向他方側を向く面から軸方向他方側に突出する、
請求項1に記載の駆動装置。
【請求項12】
前記ロータの回転を検知する回転センサを備え、
前記回転センサは、前記ベアリングホルダに固定され、
前記回転センサの軸方向における位置は、前記突出部の軸方向における位置に重なる、
請求項1に記載の駆動装置。
【請求項13】
前記ロータに接続されて前記ロータの動力を出力シャフトに伝達する動力伝達部を備え、
前記動力伝達部は、前記ロータに対し軸方向他方側に配置される、
請求項1に記載の駆動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の電気自動車への関心の高まりとともに、モータを冷却する方法についても様々に開発が進んでいる。モータの冷却方法の一例として、ステータの外周をウォータジャケットで囲み、ステータを均一に冷却すること構造が知られている。このような構造では、一般的に、ベアリングを支持するベアリングホルダがウォータジャケットに固定される。例えば、冷媒通路が設けられる筒状のフレーム(ウォータジャケット)の端面の凹部に、ブラケット(ベアリングホルダ)に設けられる突起を挿入することで、フレームに対してブラケットを位置決めする(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012-228105号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来構造では、ウォータジャケットの端面に凹部を設けるためにウォータジャケットの肉厚を十分に確保する必要が生じ、駆動装置が大型化する虞がある。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みて、小型化を図ることができる駆動装置の提供を目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の駆動装置の一つの態様は、中心軸線を中心に回転可能なロータと、前記ロータを径方向外側から囲むステータと、前記ステータを径方向外側から囲み前記ステータを保持するハウジングと、前記ロータを回転可能に支持するベアリングと、前記ステータの軸方向一方側に位置し前記ベアリングを保持するベアリングホルダと、を備える。前記ハウジングは、前記中心軸線を中心とする筒状の内側筒部、および外側筒部を有する。前記内側筒部と前記外側筒部との間には、流路部が設けられる。前記ベアリングホルダは、前記中心軸線を中心とする円板状の本体部と、前記ベアリングを保持するベアリング保持部と、前記内側筒部に固定される第1締結部と、前記本体部の軸方向他方側を向く面から軸方向他方側に突出する突出部と、を有する。前記突出部は、軸方向から見て前記中心軸線を中心とする仮想円に沿って周方向に沿って延びて前記内側筒部の内周面に嵌る。前記本体部には、前記ステータのコイルから延び出る引出線を通す第1貫通孔が設けられる。前記第1貫通孔は、軸方向から見て前記仮想円上に配置される。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一つの態様によれば、小型化を図ることができる駆動装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、第1実施形態の駆動装置の概念図である。
図2図2は、第1実施形態の駆動装置の部分断面図である。
図3図3は、第1実施形態の駆動装置に取り付けられるベアリングホルダの正面図である。
図4図4は、第1実施形態のベアリングホルダの斜視図である。
図5図5は、変形例の突出部の部分斜視図である。
図6図6は、第2実施形態の駆動装置に取り付けられるベアリングホルダの正面図である。
図7図7は、第2実施形態のベアリングホルダの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下の説明では、駆動装置1が水平な路面上に位置する車両に搭載された場合の位置関係を基に、重力方向を規定して各部を説明する。また、図面においては、適宜3次元直交座標系としてXYZ座標系を示す。
【0010】
XYZ座標系において、Z軸方向は、鉛直方向(すなわち上下方向)を示し、+Z方向が上側(重力方向の反対側)であり、-Z方向が下側(重力方向)である。また、X軸方向は、Z軸方向と直交する方向であって駆動装置1が搭載される車両の前後方向を示す。Y軸方向は、X軸方向とZ軸方向との両方と直交する方向であって、車両の幅方向(左右方向)を示す。
【0011】
以下の説明において特に断りのない限り、モータ2の中心軸線J1に平行な方向(Y軸方向)を単に「軸方向」と呼び、中心軸線J1を中心とする径方向を単に「径方向」と呼び、中心軸線J1を中心とする周方向、すなわち、中心軸線J1の軸周りを単に「周方向」と呼ぶ。ただし、上記の「平行な方向」は、略平行な方向も含む。さらに、以下の説明において、中心軸線J1の軸方向のうち、+Y方向を単に軸方向一方側と呼び、-Y方向を単に軸方向他方側と呼ぶ場合がある。
【0012】
<第1実施形態>
<駆動装置>
図1は、第1実施形態の駆動装置1の概念図である。図2は、第1実施形態の駆動装置1の部分断面図である。
本実施形態の駆動装置1は、ハイブリッド自動車(HEV)、プラグインハイブリッド自動車(PHV)、電気自動車(EV)等、モータを動力源とする車両に搭載され、その動力源として使用される。
【0013】
図1に示すように、駆動装置1は、モータ2と、動力伝達部4と、インバータ(制御部)7と、温度センサ81と、レゾルバ29と、ベアリングホルダ70と、ハウジング6と、複数のベアリング5A、5B、5Cと、を備える。ハウジング6は、モータ2、動力伝達部4、インバータ7、レゾルバ29、温度センサ81、およびベアリングホルダ70を収容する。モータ2、動力伝達部4、およびインバータ7は、ハウジング6の内部において、中心軸線J1上に配置される。
【0014】
<モータ>
本実施形態のモータ2は、インナーロータ型の三相交流モータである。モータ2は、電動機としての機能と発電機としての機能とを兼ね備える。なお、モータ2の構成は本実施形態に限定されず、例えば四相以上の交流モータであってもよい。
【0015】
モータ2は、水平方向に延びる中心軸線J1を中心に回転可能なロータ20と、ロータ20と隙間を介して対向するステータ30と、を備える。すなわち、駆動装置1は、ロータ20とステータ30とを備える。本実施形態のモータ2は、ステータ30の内側にロータ20が配置されるインナーロータ型モータである。
【0016】
ロータ20は、第1シャフト21と、第1シャフト21の外周面に固定されるロータコア24と、ロータコア24に固定されるロータマグネット(図示略)と、一対のファン10A、10Bと、を有する。ロータ20のトルクは、動力伝達部4に伝達される。
【0017】
図2に示すように、ロータコア24には、シャフト挿入孔24hと、複数の送風孔24a、24bが設けられる。シャフト挿入孔24h、および送風孔24a、24bは、ロータコア24を軸方向に貫通する。シャフト挿入孔24h、および送風孔24a、24bは、ロータコア24の軸方向の両端面に開口する。シャフト挿入孔24hは、中心軸線を中心として軸方向に沿って延びる。シャフト挿入孔24hには、第1シャフト21が挿入される。
【0018】
複数の送風孔24a、24bは、周方向に沿って並ぶ。送風孔24a、24bは、第1送風孔24aと第2送風孔24bとを有する。第1送風孔24a、および第2送風孔24bは、周方向に沿って交互に並ぶ。本実施形態のロータ20には、4つの第1送風孔24aと4つの第2送風孔24bとが設けられる。第1送風孔24aと第2送風孔24bの横断面形状は、互いに等しい。第1送風孔24aと第2送風孔24bとは、内部を流れる空気の流動方向が互いに異なる。
【0019】
第1シャフト21は、中心軸線J1を中心として軸方向に沿って延びる。第1シャフト21は、ベアリング5A、5Bに回転可能に支持される。以下の説明において、第1シャフト21を支持する一対のベアリング5A、5Bのうち、軸方向一方側(+Y側)に位置する一方を第1ベアリング5Aと呼ぶ場合があり、軸方向他方側(-Y側)に位置する他方を第2ベアリング5Bと呼ぶ場合がある。
【0020】
第1シャフト21の軸方向一方側(+Y側)の端部には、レゾルバロータ29aが固定される。本実施形態において、レゾルバロータ29aは、ベアリング5Aよりも軸方向一方側(+Y側)に位置する。
【0021】
一対のファン10A、10Bは、それぞれロータコア24の軸方向一方側、および他方側の端面に固定される。一対のファン10A、10Bは、ロータ20とともに回転する。一対のファン10A、10Bは、ロータ20に対して取り付けられる位置および向きが互いに異なる。
【0022】
一対のファン10A、10Bは、ロータ20の回転に伴い、送風孔24a、24bに空気を流すとともに径方向外側に空気を吹き出す。ファン10A、10Bから吹き出される空気は、ファン10A、10Bの径方向外側に配置されるコイルエンド31a、31bに当たる。ファン10A、10Bは、ロータ20、およびコイルエンド31a、31bを冷却する。
【0023】
図1に示すように、ステータ30は、ハウジング6に保持される。ステータ30は、ロータ20を径方向外側から囲む。ステータ30は、中心軸線J1を中心とする環状のステータコア32と、ステータコア32に装着されるコイル31と、コイル31から引き出させる引出線31kと、ステータコア32とコイル31との間に介在するインシュレータ(図示略)とを有する。
【0024】
ステータコア32は、環状のコアバック部32aと、コアバック部32aから径方向内側に延びる複数のティース部32bと、を有する。複数のティース部32bは、周方向に沿って並ぶ。周方向に並ぶティース部32b同士の間には、コイル線が配置される。隣り合うティース部32bの間に位置するコイル線は、コイル31を構成する。すなわち、コイル31は、ステータコア32に配置される。インシュレータは、絶縁性の材料からなる。
【0025】
コイル31は、ステータコア32の軸方向両側の端面から軸方向にそれぞれ突出する一対のコイルエンド31a、31bを有する。コイルエンド31a、31bは、ステータコア32のスロット間を繋ぐコイル線の一部が束ねられて形成されている。以下の説明において、一対のコイルエンド31a、31bを区別する場合、軸方向一方側(+Y側)の一方を第1コイルエンド31aと呼び、軸方向他方側(-Y側)の他方を第2コイルエンド31bと呼ぶ。すなわち、ステータ30は、軸方向一方側の端部に位置する第1コイルエンド31a、および軸方向他方側の端部に位置する第2コイルエンド31bを有する。
【0026】
引出線31kは、コイル31から軸方向一方側(+Y側)に延び出る。本実施形態のステータ30は、U相、V相およびW相に対応する3本の引出線31kを有する。引出線31kは、撚り合わせられた導線と、その先端に圧着された圧着端子と、コイル線の外周を覆う絶縁チューブ(図示略)と、を有する。引出線31kは、先端の圧着端子においてバスバー7bの引出線接続部7aに接続される。
【0027】
<レゾルバ>
レゾルバ29は、レゾルバロータ29aとレゾルバステータ(回転センサ)29bを有する。レゾルバロータ29aは、周方向に沿って並ぶ複数のマグネットを有する。レゾルバロータ29aは、ロータ20と共に中心軸線J1周りを回転する。
【0028】
レゾルバステータ29bは、ベアリングホルダ70に固定される。レゾルバステータ29bは、レゾルバロータ29aを径方向外側から囲む。レゾルバステータ29bは、レゾルバロータ29aの回転に伴う磁束変化で励磁されるコイルを有する。レゾルバステータ29bは、励起される磁束変化を基に、ロータ20の回転角を検知する。レゾルバステータ29bは、レゾルバ配線29cを有する。レゾルバ配線29cは、レゾルバステータ29bとインバータ7とを繋ぐ。レゾルバ配線29cは、インバータ7からレゾルバステータ29bに電力を供給する。レゾルバ配線29cは、レゾルバ29がロータ20の回転角を検知した結果をインバータ7に出力する。
【0029】
<温度センサ>
温度センサ81は、ステータ30のコイル31に取り付けられてコイル31の温度を測定する。温度センサ81は、温度センサ配線81aを有する。温度センサ配線81aは、インバータ7に接続される。温度センサ配線81aは、温度センサ81によるコイル温度の測定結果をインバータ7に出力する。
【0030】
<インバータ>
図1に示すインバータ7は、モータ2と電気的に接続される。インバータ7は、車両に搭載されるバッテリ(不図示)に接続され、バッテリーから供給された直流電流を交流電流に変換して、モータ2に供給する。また、インバータ7は、外部装置からの指令、および各センサの検知結果を基にモータ2を制御する。インバータ7は、モータ2に対し軸方向一方側(+Y側)に配置される。本実施形態によれば、インバータ7をモータ2の径方向外側に配置する場合と比較して駆動装置1を径方向に小型化することができる。
【0031】
インバータ7は、バスバー7bを有する。バスバー7bは、電気抵抗の低い金属材料から構成される板状の部材である。バスバー7bの材料は、例えば、銅である。バスバー7bは、軸方向他方側(-Y側)の端部に引出線接続部7aを有する。引出線接続部7aには、コイル31から延び出る引出線31kに接続される。本実施形態のインバータ7は、U相、V相、およびW相に対応する3つのバスバー7bを有する。インバータ7は、バスバー7bを介して、ステータ30のコイル31に交流電流を流す。図2に示すように、ハウジング6には、内部空間を径方向外側に露出させる開口部61が設けられる。作業者や組み立て装置(以下、作業者等)は、開口部61から工具を挿入して引出線接続部7aの接続作業を行う。
【0032】
<動力伝達部>
図1に示すように、動力伝達部4は、ロータ20に対し軸方向他方側(-Y側)に配置される。動力伝達部4は、ロータ20に接続されてロータ20の動力を出力シャフト47に伝達する。動力伝達部4は、減速装置4aと差動装置4bとを有する。モータ2から出力されるトルクは、減速装置4aを介して差動装置4bに伝達される。減速装置4aは、各ギヤの回転軸線が平行に配置される平行軸歯車タイプの減速機である。差動装置4bは、車両の旋回時に、左右の車輪の速度差を吸収しつつ左右両輪に同トルクを伝達する。
【0033】
減速装置4aは、第2シャフト44、第3シャフト45、第1ギヤ41、第2ギヤ42、および第3ギヤ43を有する。差動装置4bは、リングギヤ46g、デフケース46、およびデフケース46の内部に配置される差動機構部46cを有する。
【0034】
第2シャフト44は、中心軸線J1を中心として軸方向に延びる。第2シャフト44は、第1シャフト21と同軸上に配置される。第2シャフト44は、軸方向一方側(+Y側)の端部において、第1シャフト21の軸方向他方側(-Y側)の端部に連結される。第2シャフト44は、第1シャフト21ととともに中心軸線J1周りを回転する。
【0035】
第1ギヤ41は、第2シャフト44の外周面に設けられる。第1ギヤ41は、第2シャフト44とともに中心軸線J1周りに回転する。第3シャフト45は、中心軸線J1と平行な中間軸線J2を中心として回転する。第2ギヤ42と第3ギヤ43とは、軸方向に並んで配置される。第2ギヤ42および第3ギヤ43は、第3シャフト45の外周面に設けられる。第2ギヤ42および第3ギヤ43は、第3シャフト45を介して接続される。第2ギヤ42および第3ギヤ43は、中間軸線J2を中心として回転する。第2ギヤ42は、第1ギヤ41と噛み合う。第3ギヤ43は、差動装置4bのリングギヤ46gと噛み合う。
【0036】
リングギヤ46gは、中心軸線J1と平行な出力軸線J3を中心として回転する。リングギヤ46gには、モータ2から出力されるトルクが減速装置4aを介して伝えられる。
リングギヤ46gは、デフケース46に固定される。
【0037】
デフケース46は、内部に差動機構部46cを収容するケース部46bと、ケース部46bに対して軸方向一方側および他方側にそれぞれ突出するデフケースシャフト46aと、を有する。デフケースシャフト46aは、出力軸線J3を中心として軸方向に沿って延びる筒状である。リングギヤ46gは、デフケースシャフト46aの外周面に設けられる。デフケースシャフト46aは、出力軸線J3を中心としてリングギヤ46gとともに回転する。
【0038】
一対の出力シャフト47は、差動装置4bに接続される。一対の出力シャフト47は、差動装置4bのデフケース46から軸方向一方側および他方側に突出する。出力シャフト47は、デフケースシャフト46aの内側に配置される。出力シャフト47は、デフケースシャフト46aの内周面に、ベアリングを介して回転可能に支持される。
【0039】
モータ2から出力されるトルクは、モータ2の第2シャフト44、第1ギヤ41、第2ギヤ42、第3シャフト45および第3ギヤ43を介して差動装置4bのリングギヤ46gに伝達され、差動装置4bの差動機構部46cを介して出力シャフト47に出力される。動力伝達部4の複数のギヤ41、42、43、46gは、第2シャフト44、第3シャフト45、デフケースシャフト46aの順でモータ2の動力を伝達する。
【0040】
<ハウジング>
ハウジング6は、インバータホルダ6Aとハウジング本体6Bとギヤカバー6Cとウォータジャケット50と、を有する。インバータホルダ6A、ハウジング本体6B、ギヤカバー6C、およびウォータジャケット50は、それぞれ別部材である。インバータホルダ6Aは、ハウジング本体6Bの軸方向一方側(+Y側)に配置される。ギヤカバー6Cは、ハウジング本体6Bの軸方向他方側(-Y側)に配置される。ウォータジャケット50は、ハウジング本体6Bの内部に配置される。
【0041】
ハウジング6には、流体Lが流れる流路90が設けられる。流体Lは、例えば、水や不凍液である。なお、流体Lは、水でなくてもよい。例えば、流体Lは、オイルであってもよく、他の流体であってもよい。流路90は、ハウジング6の外部を通過する外部配管97と、ハウジング6の内部を通過する第1流路部91、第2流路部92、第3流路部(流路部)93、および第4流路部94を含む。
【0042】
流体Lは、ハウジング6の内部において、第1流路部91、第2流路部92、第3流路部93、第4流路部94の順で流れる。流体Lは、第1流路部91で主にインバータを冷却し、第3流路部93で主にモータ2を冷却する。
【0043】
外部配管97は、第1連結部97aにおいてインバータホルダ6Aに連結され、第2連結部97bにおいてハウジング本体6Bに接続される。外部配管97の経路中には、流体Lを冷却するラジエータ(図示略)が配置される。外部配管97は、第1連結部97aにおいてハウジング6内に低温の流体Lを送り、第2連結部97bにおいてハウジング6内で熱を吸収して温度が高まった流体Lを回収する。
【0044】
ハウジング本体6Bは、モータ2を収容し軸方向一方側(+Y側)に開口する。ハウジング本体6Bは、中心軸線J1を中心とする筒状の外側筒部65と、外側筒部65の軸方向他方側(-Y側)に配置され外側筒部65の軸方向他方側の開口を覆う隔壁部66と、軸方向他方側(-Y側)に開口する凹状部67と、を有する。すなわち、ハウジング6は、中心軸線J1を中心とする筒状の外側筒部65を有する。
【0045】
外側筒部65は、径方向外側からモータ2を囲む。外側筒部65には、第2流路部92と第4流路部94とが設けられる。第2流路部92および第4流路部94は、外側筒部65に設けられる孔部である。第2流路部92は、外側筒部65の壁内部を軸方向に沿って延びる。第2流路部92は、第1流路部91の下流側端部と第3流路部93の入口部93a部とを繋ぐ。第4流路部94は、径方向に沿って延びる。第4流路部94は、第3流路部93の出口部93bから径方向外側に延びて外側筒部65の径方向外側に開口する。第4流路部94の開口には、外部配管97の第2連結部97bが接続される。
【0046】
隔壁部66には、シャフト挿通孔66hが設けられる。シャフト挿通孔66hには、一対のベアリング5B、5Cと、シール部材5Sが配置される。ベアリング5Bは、第1シャフト21を支持し、ベアリング5Cは、第2シャフト44を支持する。第1シャフト21と第2シャフト44とは、シャフト挿通孔66hの内部で互いに連結される。シール部材5Sは、軸方向において2つのベアリング5B、5Cの間に配置される。シール部材5Sは、シャフト挿通孔66hの内周面と第2シャフト44の外周面との間をシールする。
【0047】
ギヤカバー6Cは、ハウジング本体6Bの凹状部67に固定される。ギヤカバー6Cと凹状部67とは、動力伝達部4を収容する収容空間を構成する。動力伝達部4の収容空間には、オイルOが貯留される。オイルOは、動力伝達部4の潤滑性を高める。
【0048】
インバータホルダ6Aは、インバータ7を収容するとともにインバータ7を支持する。
インバータホルダ6Aは、ハウジング本体6Bの軸方向一方側(+Y側)の開口を覆う。
インバータホルダ6Aには、インバータ7を冷却する第1流路部91が設けられる。
【0049】
ウォータジャケット50は、中心軸線J1を中心とする筒状の内側筒部51と、内側筒部51の外周面に設けられるリブ59と、を有する。すなわち、ハウジング6は、内側筒部51を有する。内側筒部51は、ステータ30を径方向外側から囲みステータ30を保持する。すなわち、ハウジング6は、ステータ30を径方向外側から囲みステータ30を保持する。
【0050】
内側筒部51は、外側筒部65の内側に配置される。すなわち、内側筒部51は、外側筒部65に径方向外側から囲まれる。内側筒部51の外径は、外側筒部65の内径よりも小さい。内側筒部51の外周面の軸方向両端部には、それぞれシール部64c、64dが配置される。本実施形態のシール部64c、64dは、内側筒部51の外周面に設けられる凹溝に配置されるOリングである。シール部64c、64dは、内側筒部51の外周面と外側筒部65との間をシールする。内側筒部51と外側筒部65との間であって、一対のシール部64c、64dの間には、第3流路部93として機能する隙間が設けられる。
【0051】
ここで一対のシール部64c、64dのうち軸方向一方側(+Y側)に位置する一方を第1シール部64dと呼び、軸方向他方側(-Y側)に位置する他方を第2シール部64cと呼ぶ。本実施形態において、内側筒部51と外側筒部65との間であって第3流路部93の軸方向一方側(+Y側)には、第1シール部64dが配置され、軸方向他方側(-Y側)には第2シール部64cが配置される。
【0052】
リブ59は、中心軸線J1を中心として螺旋状に延びる。リブ59は、径方向外側の端部に位置する先端部を有する。リブ59の先端部は、外側筒部65の内周面に接触するか、又はわずかな隙間を介して対向する。これにより、リブ59は、内側筒部51の外周面と外側筒部65の間を仕切って螺旋状の第3流路部93を形成する。
【0053】
第3流路部93は、外側筒部65と内側筒部51との間に設けられる。より具体的には、第3流路部93は、外側筒部65の径方向内側かつウォータジャケット50の径方向外側に設けられる。第3流路部93は、中心軸線J1を中心として螺旋状に延びる。第3流路部93は、ステータ30を径方向外側から囲む。第3流路部93を流れる流体Lは、ウォータジャケット50を冷却する。ウォータジャケット50は、ステータコア32に接触しステータコア32を冷却する。
【0054】
本実施形態では、第3流路部93が螺旋状に延びる場合について説明した。しかしながら、第3流路部93は、ステータ30を囲むものであれば、本実施形態に限定されない。第3流路部93は、軸方向又は周方向に蛇行する流路であってもよい。第3流路部93の流路構成は、リブ59の形状によって決めることができる。
【0055】
内側筒部51の内周面は、嵌合内周面50eと第1内周面50fと第2内周面50gとを含む。嵌合内周面50eは、ステータコアの外周面に接触する。嵌合内周面50eには、ステータコア32が保持される。第1内周面50f、および第2内周面50gの内径は、嵌合内周面50eの内径よりも大きい。第1内周面50fは、嵌合内周面50eの軸方向一方側(+Y側)に位置する。第2内周面50gは、嵌合内周面50eの軸方向他方側(-Y側)に位置する。
【0056】
第1内周面50fは、隙間を介して第1コイルエンド31aを径方向外側から囲む。第2内周面50gは、隙間を介して第2コイルエンド31bを径方向外側から囲む。
【0057】
第1内周面50fには、複数の第1フィン(フィン)55a、および複数の第2フィン(フィン)55bが設けられる。同様に第2内周面50gには、複数の第3フィン55cが設けられる。内側筒部51の内周面には、第1コイルエンド31aの径方向外側に配置される複数のフィン(第1フィン55a、および第2フィン55b)と、第2コイルエンド31bの径方向外側に配置される複数の第3フィン55cと、が設けられる。第1フィン55aと第2フィン55bとは、それぞれ第1内周面50fの周方向に沿う後述の所定の領域に設けられる。複数の第1フィン55a、複数の第2フィン55b、および複数の第3フィン55cは、それぞれ軸方向に沿って延び周方向に沿って並ぶ。
【0058】
ウォータジャケット50は、第3流路部93を流れる流体Lによって冷却される。本実施形態によれば、ウォータジャケット50の内周面にフィン55a、55b、55cを設けることで、ウォータジャケット50の表面積を高めてウォータジャケット50に囲まれる空間の空気の冷却効率を高めることができる。
【0059】
本実施形態によれば、第1フィン55a、第2フィン55b、および第3フィン55cがそれぞれ軸方向に沿って延びる。このため、第1フィン55a、第2フィン55b、および第3フィン55cは、ファン10A、10Bから径方向外側に吹き出され、第1内周面50f、又は第2内周面50gに当たった空気を軸方向に沿って円滑に誘導する。これにより、ハウジング6の内部での空気を円滑に循環させて、ステータ30およびロータ20の冷却効率を高めることができる。
【0060】
<ベアリングホルダ>
図2に示すように、ベアリングホルダ70は、ステータ30の軸方向一方側(+Y側)に位置する。ベアリングホルダ70は、モータ2を軸方向一方側(+Y側)から覆う。ベアリングホルダ70は、ウォータジャケット50の軸方向一方側(+Y側)の端面に固定される。
【0061】
ベアリングホルダ70は、第1ベアリング(ベアリング)5Aを保持する。第1ベアリング5Aは、第1シャフト21の軸方向一方側(+Y側)の端部に配置され、ロータ20を回転可能に支持する。
【0062】
ベアリングホルダ70は、例えばアルミニウム合金から構成され、ダイカスト等の鋳造により成形される。また、ベアリングホルダ70の各面のうち組み立て時の基準となる面などについては、エンドミルなどによる切削加工が追加される。
【0063】
図3は、駆動装置1に取り付けられるベアリングホルダ70の正面図である。図4は、ベアリングホルダ70の斜視図である。
ベアリングホルダ70は、本体部71と、ベアリング保持部72と、レゾルバ保持部74と、突出部73と、外縁部76と、を有する。
【0064】
図4に示すように、本体部71は、中心軸線J1を中心とする円板状である。本体部71の中央には、ベアリング保持部72が配置される。すなわち、本体部71は、ベアリング保持部72から径方向外側に延びる。
【0065】
本体部71の軸方向他方側(-Y側)を向く面には、複数の放射状リブ75が設けられる。複数の放射状リブ75は、周方向に沿って等間隔に並ぶ。それぞれの放射状リブ75は、中心軸線J1に対して放射状に延びる。放射状リブ75の径方向内側の端部は、ベアリング保持部72の外周面に繋がる。放射状リブ75は、本体部71およびベアリング保持部72を補強する。
【0066】
本体部71には、軸方向に貫通する中央孔71h、第1貫通孔71a、および第2貫通孔71bが設けられる。中央孔71hは、中心軸線J1を中心とする円形である。中央孔71hには、第1シャフト21の軸方向一方側(+Y側)の端部が挿入される。
【0067】
図3に示すように、第1貫通孔71aおよび第2貫通孔71bは、中心軸線J1を中心とする周方向に沿って並んで配置される。第1貫通孔71a、および第2貫通孔71bは、それぞれ周方向に沿って延びる長孔形状である。第1貫通孔71aの径方向内側の縁部と第2貫通孔71bの径方向内側の縁部とは、径方向の位置が略一致する。一方で、第1貫通孔71aの径方向外側の縁部は、第2貫通孔71bの径方向内側の縁部よりも中心軸線J1から離間して配置される。また、第1貫通孔71aの周方向の長さは、第2貫通孔71bの周方向の長さよりも十分に大きい。したがって、第1貫通孔71aの開口面積は、第2貫通孔71bの開口面積よりも十分に大きい。
【0068】
第1貫通孔71aは、ステータ30のコイル31から延び出る引出線31kを通す。一方で、第2貫通孔71bは、温度センサ81から延び出る温度センサ配線81aを通す。第1貫通孔71a、および第2貫通孔71bを通る引出線31k、および温度センサ配線81aは、ベアリングホルダ70の軸方向一方側(+Y側)でインバータ7に接続される。
【0069】
図2に示すように、ベアリング保持部72は、中心軸線J1を中心とする筒状である。ベアリング保持部72は、本体部71の軸方向他方側(-Y側)を向く面から軸方向他方側(-Y側)に突出する。ベアリング保持部72は、第1ベアリング5Aを径方向外側から囲み第1ベアリング5Aを保持する。また、ベアリング保持部72は、中央孔71hを径方向外側から囲む。
【0070】
レゾルバ保持部74は、中心軸線J1を中心とする筒状である。レゾルバ保持部74は、本体部71の軸方向一方側(+Y側)を向く面から軸方向一方側(+Y側)に突出する。レゾルバ保持部74とベアリング保持部72とは、本体部71を挟んで軸方向一方側(+Y側)、および軸方向他方側(-Y側)にそれぞれ配置される。レゾルバ保持部74は、レゾルバステータ29bを径方向外側から囲みレゾルバステータ29bを保持する。
【0071】
図4に示すように、外縁部76は、本体部71の外縁に沿って設けられる。外縁部76は、中心軸線J1を中心として周方向に沿って略円環状に延びる。外縁部76には、複数の第1締結部76bが設けられる。第1締結部76bは、周方向に沿って略等間隔に配置される。
【0072】
第1締結部76bには、それぞれ孔部76aが設けられる。図2に示すように、ベアリングホルダ70は、第1固定ネジ3を孔部76aに挿入し、さらに内側筒部51の軸方向一方側(+Y側)を向く面にネジ止めすることで内側筒部51に固定される。すなわち、第1締結部76bは、内側筒部51に固定される。
【0073】
図4に示すように、本実施形態の外縁部76には、5個の第1締結部76bが設けられる。外縁部76は、第1締結部76bにおいて径方向に沿う幅寸法が大きくなっている。すなわち、外縁部76は、第1締結部76bにおいて径方向の内外に突出する。本実施形態によれば、第1締結部76bが、外縁部76の他の部位と比較して幅広に設けられることで、第1締結部76bにおいて第1固定ネジ3(図2参照)の頭部との接触面積、および内側筒部51との締結面の面積を十分に確保することができる。
【0074】
図4に示すように、突出部73は、本体部71の軸方向他方側(-Y側)を向く面から軸方向他方側(-Y側)に突出する。本実施形態のベアリングホルダ70には、1つの突出部73が設けられる。本実施形態の突出部73は、周方向に沿って円弧状に延びるリブである。突出部73は、本体部71の外縁に沿って設けられる。また、突出部73は、外縁部76の径方向内側に配置される。
【0075】
本実施形態の突出部73は、中心軸線J1周りの270°以上の領域に設けられる。突出部73は、第1貫通孔71aが設けられる部分において途切れている。すなわち、第1貫通孔71aは、突出部73の周方向一方側の端部73bと周方向他方側の端部73cとの間に配置される。
【0076】
本実施形態の突出部73は、複数(本実施形態では5個)の迂回部73dを有する。それぞれの迂回部73dは、第1締結部76bの径方向内側に位置する。突出部73は、迂回部73dにおいて第1締結部76bを避けて径方向内側に迂回する。突出部73は、迂回部73d以外の領域で、中心軸線J1を中心とする一定の曲率半径で周方向に湾曲して延びる。
【0077】
突出部73は、径方向外側を向く外側面73aを有する。外側面73aは、主に中心軸線J1を中心とする円筒面である。また、外側面73aは、迂回部73dが設けられる部分で径方向内側に向かって凹状に湾曲する。
【0078】
図3に示すように、突出部73は、軸方向から見て中心軸線J1を中心とする仮想円VCに沿って周方向に沿って延びる。また、突出部73は、内側筒部51の内周面に嵌る。より具体的には、突出部73の外側面73aと内側筒部51の第1内周面50fとは、径方向に対向し嵌合する。
【0079】
本実施形態によれば、ベアリングホルダ70に設けられる突出部73が内側筒部51の内側面に嵌ることで、ベアリングホルダ70が内側筒部51に対し径方向に位置決めされる。内側筒部51にはステータ30が固定されるため、ベアリングホルダ70には第1ベアリング5Aを介しロータ20が支持される。本実施形態によれば、ステータ30に対しロータ20を高精度に支持することができ、ステータ30とロータ20との間のエアギャップを周方向において一様としてモータ2の駆動効率を高めることができる。
【0080】
本実施形態の突出部73は、内側筒部51の内周面に嵌る。本実施形態によれば、内側筒部51の軸方向一方側(+Y側)の端面に嵌合用の凹部を設ける場合と比較して、内側筒部51の径方向の厚さを小さくできる。結果的に、駆動装置1を径方向に小型化することができる。
【0081】
本実施形態において、第1貫通孔71aは、軸方向から見て仮想円VC上に配置される。これにより、突出部73は、第1貫通孔71aが設けられる部分で途切れた形状となる。本実施形態によれば、突出部73を避けて仮想円VCの径方向内側に第1貫通孔を配置する場合と比較して、第1貫通孔71aを径方向外側に寄せて配置することができる。第1貫通孔71aを径方向外側に寄せて配置することで、第1貫通孔71aに通される引出線31kも径方向外側に配置することができ、引出線31kとバスバー7bとの接続作業において、作業者等が引出線接続部7aに径方向外側からアクセスしやすくなる。結果的に駆動装置1の組立工程を簡素化することができる。また、本実施形態によれば、第1貫通孔71aを避けて第1貫通孔71aを通過する仮想円VCよりも突出部を径方向外側に配置する場合と比較して、ベアリングホルダ70、および内側筒部51を径方向に小型化できる。本実施形態によれば、駆動装置1を径方向に小型化することができる。
【0082】
本実施形態によれば、突出部73と第1貫通孔71aとは、周方向において互いに異なる位置に配置される。本体部71は、第1貫通孔71aが設けられる部分において径方向の剛性が低くなる。突出部73の径方向内側に第1貫通孔71aが設けられると、突出部73においてベアリングホルダ70が内側筒部51から受けた力でベアリングホルダ70が変形しベアリングホルダ70によるロータ20の支持が不安定となる虞がある。本実施形態によれば、突出部73に力が付与されてもベアリングホルダ70が変形することを抑制できる。
【0083】
本実施形態によれば、ベアリングホルダ70は、1つの突出部73を有する。また、本実施形態の第1貫通孔71aは、突出部73の周方向一方側の端部73bと周方向他方側の端部73cとの間に位置する。本実施形態によれば、突出部73を周方向に十分に長くすることで内側筒部51と嵌合長さも大きく確保することができる。結果的に、内側筒部51に対してベアリングホルダ70を位置決めしやすくなり、ベアリングホルダ70が安定的に保持される。なお、本実施形態では、突出部73が、中心軸線J1を中心とする周方向において270°以上の範囲に延びるため、より位置決めの安定性を高めることができる。
【0084】
図4に示すように、本実施形態の突出部73は、迂回部73dが設けられることで第1締結部76bの径方向外側への突出量を抑制しつつ第1締結部76bの締結面積を十分に確保することができる。また、迂回部73dが、内側筒部51の内側面の凸部に嵌ることで内側筒部51に対するベアリングホルダ70の回転が抑制される。しかしながら、突出部73は、迂回部73dを有していなくてもよい。図5は、迂回部73dを有さない変形例の突出部273の部分斜視図である。本変形例の突出部273は、第1実施形態と同様に周方向に沿って円弧状に延びる。しかしながら、本変形例の突出部273は、第1締結部276bの径方向内側においても一様な曲率半径で中心軸線J1周りに沿って円弧状に延びる。このため、突出部273の外側面273bは、突出部273の全長に亘って中心軸線J1を中心とする一様な円筒面となる。本変形例によれば、一つの一様な外側面273bを内側筒部51の内周面に嵌合させることができ、内側筒部51に対するベアリングホルダ70の位置決め精度を高めることができる。
【0085】
図3に示すように内側筒部51の第1内周面50fは、周方向において第1領域A1、および第2領域A2に区画することができる。ここで、第1領域A1は、突出部73の径方向外側に配置される領域であり、第2領域A2は、突出部73が途切れる部分に配置される領域である。突出部73は、第1領域A1において内側筒部51の第1内周面50fに嵌る。
【0086】
図2に示すように、第1内周面50fに設ける複数のフィンのうち第1領域A1には第1フィン55aが設けられ、第2領域A2には第2フィン55bが設けられる。第1フィン55aの軸方向一方側(+Y側)の端部位置P1は、第2フィン55bの軸方向一方側(+Y側)の端部位置P2よりも軸方向他方側(-Y側)とすることが好ましい。すなわち、第1領域A1の第1フィン55aの軸方向一方側(+Y側)の端部は、第2領域A2の第2フィン55bの軸方向一方側(+Y側)の端部よりも軸方向他方側(-Y側)に位置することが好ましい。これにより、第1領域A1に突出部73が嵌った状態で、第1フィン55aと突出部73との干渉を抑制しつつ、第1内周面50fの軸方向のできるだけ広い領域に第1フィン55a、および第2フィン55bを設けることができる。
【0087】
図2に示すように、本実施形態の突出部73は、第1コイルエンド31aよりも軸方向一方側(+Y側)に位置する。このため、突出部73と第1コイルエンド31aとの絶縁距離を確保することができる。本実施形態によれば、突出部73は、第1コイルエンド31aよりも径方向外側に位置する。このため、ベアリングホルダ70の本体部71を軸方向においてコイル31に近づけやすくなり、駆動装置1の軸方向寸法の小型化を図ることができる。
【0088】
本実施形態において、突出部73は、第1シール部64dよりも軸方向一方側(+Y側)に位置する。本実施形態によれば、第3流路部93の軸方向一方側(+Y側)に位置する第1シール部64dと突出部73とが径方向に重ならない。このため、本実施形態によれば、内側筒部51が径方向に大型化することを抑制できる。また、本実施形態の突出部73は、軸方向から見て第1シール部64dと異なる位置に配置される。さらに突出部73は、軸方向から見て第3流路部93と重なる。
【0089】
本実施形態のベアリングホルダ70において、突出部73とベアリング保持部72とは、ともに本体部71の軸方向他方側(-Y側)を向く面から軸方向他方側(-Y側)に突出する。突出部73の外側面73a、およびベアリング保持部72の内周面は、それぞれ嵌合面として機能するため切削加工を施すことが好ましい。本実施形態によれば、突出部73、およびベアリング保持部72が何れも本体部71の軸方向他方側(-Y側)の面に設けられるため、同方向(軸方向他方側)から切削加工を行うことができる。これにより、切削加工の作業性が高まる。加えて、本実施形態によれば、ベアリングホルダ70を工作機械から取り外すことなく、突出部73とベアリング保持部72の両方の加工を行うことができるため、突出部73の外側面73aとベアリング保持部72の内周面の同軸度を高めることができる。これにより、ステータ30に対するロータ20の位置精度を高めることができる。
【0090】
本実施形態によれば、レゾルバステータ29bは、ベアリングホルダ70に固定される。また、レゾルバステータ29bの軸方向における位置は、突出部73の軸方向における位置に重なる。本実施形態によれば、軸方向において突出部73とレゾルバステータ29bとを重ねて配置することでベアリングホルダ70を軸方向に小型化して、駆動装置1の軸方向寸法の小型化を図ることができる。
【0091】
図3に示すようにレゾルバステータ29bのレゾルバ配線29cは、経路中でベアリングホルダ70に固定される。より具体的には、レゾルバ配線29cは、本体部71の軸方向一方側(+Y側)を向く面に固定具8によって固定される。固定具8は、本体部71にネジ止めされており、本体部71の軸方向一方側を向く面には、固定具8をネジ止めするためのネジ穴が設けられる。本実施形態において、固定具のネジ止め部は、軸方向からみて突出部73に重なる。このため、固定具8のネジ止め用のネジ穴を本体部71に設ける場合において、ネジ穴を十分に深く設けることができネジの掛かり代を十分に確保できる。
【0092】
<第2実施形態>
図6は、第2実施形態の駆動装置101に取り付けられるベアリングホルダ170の正面図である。図7は、第2実施形態のベアリングホルダ170の斜視図である。
以下に、図6および図7を基の第2実施形態のベアリングホルダ170について説明する。本実施形態の駆動装置101は、上述の実施形態と比較してベアリングホルダ170の構成が異なる。なお、上述の実施形態と同一態様の構成要素については、同一符号を付し、その説明を省略する。
【0093】
図7に示すように、ベアリングホルダ170は、本体部71と、ベアリング保持部72と、レゾルバ保持部74(図6参照)と、複数の突出部173と、外縁部76と、を有する。本体部71には、第1貫通孔71aおよび第2貫通孔71bが設けられる。また、外縁部76には、周方向に沿って並ぶ複数の第1締結部76bが設けられる。すなわち、ベアリングホルダ170は、複数の第1締結部76bを有する。
【0094】
上述の実施形態と同様に、突出部173は、本体部71の軸方向他方側(-Y側)を向く面から軸方向他方側(-Y側)に突出する。本実施形態のベアリングホルダ170において、突出部173は、3つ設けられる。それぞれの突出部173は、周方向に沿って略円弧状に延びるリブである。突出部173は、本体部71の外縁に沿って設けられる。また、突出部173は、外縁部76の径方向内側に配置される。
【0095】
図6に示すように、複数の突出部173は、仮想円VC上に並ぶ。本実施形態の3つの突出部173は、互いに略同形状であり、中心軸線J1周りの回転対称に配置される。以下の説明において、3つの突出部173を互いに区別する場合、これらを第1突出部173A、第2突出部173B、および第3突出部173Cと呼ぶ。ベアリングホルダ170を軸方向一方側(+Y側)から見て、第1突出部173A、第2突出部173B、および第3突出部173Cは時計回りにこの順で並ぶ。
【0096】
本実施形態において、周方向において第1突出部173Aと第3突出部173Cとの間には、第1貫通孔71aが配置される。すなわち、第1貫通孔71aは、軸方向から見て仮想円VC上に配置される。また、第1貫通孔71aは、複数の突出部173のうち周方向に隣り合う一対の突出部173同士の間に位置する。
【0097】
本実施形態によれば、突出部173を避けて仮想円VCの径方向内側に第1貫通孔を配置する場合と比較して、第1貫通孔71aを径方向外側に寄せて配置することができ、引出線31kも径方向外側に配置できる。これにより、引出線31kとバスバー7bとの接続作業において、作業者等が引出線接続部7aに径方向外側からアクセスしやすくなる。また、本実施形態によれば、第1貫通孔71aを避けて第1貫通孔71aを通過する仮想円VCよりも突出部を径方向外側に配置する場合と比較して、ベアリングホルダ170、および内側筒部51を径方向に小型化できる。
【0098】
本実施形態のベアリングホルダ170には、周方向に並ぶ複数の突出部173が設けられる。本実施形態のベアリングホルダ170によれば、上述の実施形態のような一繋がりの突出部173を有するベアリングホルダ170と比較して、軽量化を図ることができる。なお、本実施形態では、ベアリングホルダ70が3つの突出部173を有する場合について説明したが、突出部173の数は本実施形態に限定されず、2つであっても4つ以上であってもよい。
【0099】
突出部173と第1締結部76bとは、周方向において互いに異なる位置に配置されることが好ましい。第1締結部76bは、締結面積を確保するために径方向に大きくなりやすい。突出部173と第1締結部76bとの周方向位置をずらすことで、駆動装置101全体の径方向への大型化を抑制できる。ベアリングホルダ170において、突出部173の外側面173aと第1締結部76bの締結面とは、ともに内側筒部51に対する接触面である。本実施形態によれば、突出部173と第1締結部76bとを周方向位置をずらすことで、ベアリングホルダ170と内側筒部51との接触面を周方向に分散して配置することができる。本実施形態によれば、ベアリングホルダ170と内側筒部51との間に力が加わった場合に、ベアリングホルダ170、および内側筒部51に局所的に大きな力が加わり大きく変形することを抑制できる。
【0100】
本実施形態の内側筒部51は、軸方向一方側(+Y側)の端部に外側筒部65に固定される複数(本実施形態では、4つ)の第2締結部56を有する。複数の第2締結部56は、周方向において等間隔に配置される。複数の第2締結部56には、それぞれ第2固定ネジ13が挿入される孔部が設けられる。第2締結部56は、第2固定ネジ13を外側筒部65の軸方向一方側(+Y側)を向く面に設けられるネジ穴にネジ止めすることで、外側筒部65に締結される。
【0101】
本実施形態において、突出部173と第2締結部56とは、周方向において互いに異なる位置に配置されることが好ましい。本実施形態では、第1突出部173A、および第2突出部173Bについては、第2締結部56と周方向において異なる位置に配置される。しかしながら、第3突出部173Cは、一部が第2締結部56と周方向位置が互いに重なり合う。最も好ましい形態は、全ての突出部173が第2締結部56と周方向にずれて配置される形態である。
【0102】
突出部173と第2締結部56とは、周方向において互いに異なる位置に配置されることで、ベアリングホルダ170から内側筒部51を介して外側筒部65に力が加わる場合に、力の伝達経路になりうる部位を周方向に分散して配置することができる。本実施形態によれば、ベアリングホルダ170から内側筒部51に力が加わる場合に、内側筒部51に局所的に大きな力が付与されて大きく変形することを抑制できる。
【0103】
本実施形態において、突出部173と第2貫通孔71bとは、周方向において互いに異なる位置に配置される。本体部71は、第2貫通孔71bが設けられる部分において径方向の剛性が低くなる。突出部173の径方向内側に第2貫通孔71bが設けられると、突出部173においてベアリングホルダ170が内側筒部51から受けた力でベアリングホルダ170が変形しベアリングホルダ170によるロータ20の支持が不安定となる虞がある。本実施形態によれば、突出部173に力が付与されてもベアリングホルダ170が変形することを抑制できる。
【0104】
図6に示すように、本実施形態の外側筒部65には、軸方向に延びる第2流路部92が設けられる。突出部173と第2流路部92とは、周方向において互いに異なる位置に配置される。ベアリングホルダ170に対し径方向の力が付与され場合に、突出部173の外側面173aから内側筒部51を介し外側筒部65の第2流路部92に負荷が加わる虞がある。本実施形態によれば、突出部173と第2流路部92とは、周方向において互いに異なる位置に配置されるため、ベアリングホルダ170に径方向の力が付与されても第2流路部92に大きな負荷が加わることを抑制できる。
【0105】
以上に、本発明の様々な実施形態および変形例を説明したが、各実施形態および変形例における各構成およびそれらの組み合わせ等は一例であり、本発明の趣旨から逸脱しない範囲内で、構成の付加、省略、置換およびその他の変更が可能である。また、本発明は実施形態によって限定されることはない。
【0106】
例えば、上述の実施形態において、コイルは、ステータに装着される屈曲可能な導線であり、コイルから延び出る引出線は、複数の導線を圧着端子によった束ねた構造を有する。しかしながら、コイルは、剛性の高い平角線から構成されるセグメントコイルであって、コイルから延び出る引出線も1本の平角線であってもよい。
【0107】
なお、本技術は以下のような構成をとることが可能である。
(1) 中心軸線を中心に回転可能なロータと、前記ロータを径方向外側から囲むステータと、前記ステータを径方向外側から囲み前記ステータを保持するハウジングと、前記ロータを回転可能に支持するベアリングと、前記ステータの軸方向一方側に位置し前記ベアリングを保持するベアリングホルダと、を備え、前記ハウジングは、前記中心軸線を中心とする筒状の内側筒部、および外側筒部を有し、前記内側筒部と前記外側筒部との間には、流路部が設けられ、前記ベアリングホルダは、前記中心軸線を中心とする円板状の本体部と、前記ベアリングを保持するベアリング保持部と、前記内側筒部に固定される第1締結部と、前記本体部の軸方向他方側を向く面から軸方向他方側に突出する突出部と、を有し、前記突出部は、軸方向から見て前記中心軸線を中心とする仮想円に沿って周方向に沿って延びて前記内側筒部の内周面に嵌り、前記本体部には、前記ステータのコイルから延び出る引出線を通す第1貫通孔が設けられ、前記第1貫通孔は、軸方向から見て前記仮想円上に配置される、駆動装置。
(2) 前記ベアリングホルダは、1つの前記突出部を有し、前記第1貫通孔は、前記突出部の周方向一方側の端部と周方向他方側の端部との間に位置する、(1)に記載の駆動装置。
(3) 前記ベアリングホルダは、前記仮想円上に並ぶ複数の前記突出部を有し、前記第1貫通孔は、複数の前記突出部のうち周方向に隣り合う一対の前記突出部同士の間に位置する、(1)に記載の駆動装置。
(4) 前記ベアリングホルダは、周方向に沿って並ぶ複数の前記第1締結部を有し、周方向において、前記突出部と前記第1締結部とは、異なる位置に配置される、(3)に記載の駆動装置。
(5) 前記内側筒部は、軸方向一方側の端部に前記外側筒部に固定される複数の第2締結部を有し、前記突出部と前記第2締結部とは、周方向において互いに異なる位置に配置される、(3)又は(4)に記載の駆動装置。
(6) 前記ステータに取り付けられる温度センサを備え、前記本体部には、前記温度センサから延び出る温度センサ配線を通す第2貫通孔が設けられ、前記突出部と前記第2貫通孔とは、周方向において互いに異なる位置に配置される、(3)~(5)の何れか一項に記載の駆動装置。
(7) 前記ステータは、軸方向一方側の端部に位置する第1コイルエンド、および軸方向他方側の端部に位置する第2コイルエンドを有し、前記突出部は、前記第1コイルエンドよりも軸方向一方側に位置する、(1)~(6)の何れか一項に記載の駆動装置。
(8) 前記ステータは、軸方向一方側の端部に位置する第1コイルエンド、および軸方向他方側の端部に位置する第2コイルエンドを有し、前記突出部は、前記第1コイルエンドよりも径方向外側に位置する、(1)~(7)の何れか一項に記載の駆動装置。
(9) 前記ステータは、軸方向一方側の端部に位置する第1コイルエンド、および軸方向他方側の端部に位置する第2コイルエンドを有し、前記内側筒部の内周面には、前記第1コイルエンドの径方向外側に配置され軸方向に沿って延び周方向に沿って並ぶ複数のフィンが設けられ、前記内側筒部の内周面は、周方向において第1領域、および第2領域に区画され、前記突出部は、前記第1領域において前記内側筒部の内周面に嵌り、前記第1領域の前記フィンの軸方向一方側の端部は、前記第2領域の前記フィンの軸方向一方側の端部よりも軸方向他方側に位置する、(1)~(8)の何れか一項に記載の駆動装置。
(10) 前記内側筒部と前記外側筒部との間であって前記流路部の軸方向一方側には、シール部が配置され、前記突出部は、前記シール部よりも軸方向一方側に位置する、(1)~(9)の何れか一項に記載の駆動装置。
(11) 前記ベアリング保持部は筒状であって、前記本体部の軸方向他方側を向く面から軸方向他方側に突出する、(1)~(10)の何れか一項に記載の駆動装置。
(12) 前記ロータの回転を検知する回転センサを備え、前記回転センサは、前記ベアリングホルダに固定され、前記回転センサの軸方向における位置は、前記突出部の軸方向における位置に重なる、(1)~(11)の何れか一項に記載の駆動装置。
(13) 前記ロータに接続されて前記ロータの動力を出力シャフトに伝達する動力伝達部を備え、前記動力伝達部は、前記ロータに対し軸方向他方側に配置される、(1)~(12)の何れか一項に記載の駆動装置。
【符号の説明】
【0108】
1,101…駆動装置、2…モータ、4…動力伝達部、5A,5B,5C…ベアリング、6…ハウジング、20…ロータ、29b…レゾルバステータ(回転センサ)、30…ステータ、31…コイル、31a…第1コイルエンド、31b…第2コイルエンド、31k…引出線、47…出力シャフト、51…内側筒部、55a…フィン、55a…第1フィン(フィン)、55b…第2フィン(フィン)、56…第2締結部、64c…シール部、64d…第1シール部(シール部)、65…外側筒部、70,170…ベアリングホルダ、71…本体部、71a…第1貫通孔、71b…第2貫通孔、72…ベアリング保持部、73,173,273…突出部、73b,73c…端部、76b,276b…第1締結部、81…温度センサ、81a…温度センサ配線、93…第3流路部(流路部)、A1…第1領域、A2…第2領域、J1…中心軸線、VC…仮想円
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7