(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024051518
(43)【公開日】2024-04-11
(54)【発明の名称】レンズユニット、レンズユニットの製造方法
(51)【国際特許分類】
G02B 7/02 20210101AFI20240404BHJP
【FI】
G02B7/02 A
G02B7/02 Z
G02B7/02 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022157731
(22)【出願日】2022-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】000002233
【氏名又は名称】ニデックインスツルメンツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100097113
【弁理士】
【氏名又は名称】堀 城之
(74)【代理人】
【識別番号】100162363
【弁理士】
【氏名又は名称】前島 幸彦
(74)【代理人】
【識別番号】100194283
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 大勇
(72)【発明者】
【氏名】中島 知昭
【テーマコード(参考)】
2H044
【Fターム(参考)】
2H044AA02
2H044AA03
2H044AA10
2H044AA17
2H044AB29
2H044AJ04
2H044AJ05
(57)【要約】
【課題】ガラスレンズが樹脂材料製のレンズホルダに固定されて鏡筒に組み込まれた構成を具備するレンズユニットにおいて、ガラスレンズと鏡筒の位置関係を高精度に保つ。
【解決手段】第5レンズL5は、上側からレンズ収容孔51Aに挿入され、第5レンズL5の外周は、図中左側の当接面51Bと当接した状態で固定される。
図7(b)において、図における第5レンズ体L50の外周面L50Cと鏡筒10(レンズ固定用リブ10B1)とが当接する箇所(外側当接部S1)と、レンズホルダ51の当接面51Bと第5レンズL5の外周面とが当接する箇所(内側当接部S2)の位置関係の精度で定まる。このレンズホルダ51は型枠(金型)を用いた樹脂成形で製造されるところ、パーティングラインを境界として、上下方向で、当接面51Bと外周面L50Cを共に含む第1の部分と、当接面51Bと外周面L50Cが共に含まれない第2の部分に区分される。
【選択図】
図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光軸方向に配された複数のレンズと、
複数の前記レンズを前記光軸からみた外側で保持する鏡筒と、
を備えるレンズユニットであって、
前記レンズのうちの一つはガラス製であるガラスレンズであり、
当該ガラスレンズは、前記光軸からみた外側を樹脂材料製のレンズホルダに支持され、当該レンズホルダが前記鏡筒に形成された空洞であるレンズ収容部に固定されることによって前記鏡筒に対して固定され、
前記レンズホルダは、
前記光軸方向に沿った方向で前記ガラスレンズを収容するレンズ収容孔と、
前記レンズ収容孔の内面側において、前記ガラスレンズの外周と当接して前記ガラスレンズを前記レンズ収容孔に対して固定するように、前記光軸周りの周方向において3箇所以上に形成された当接面と、
前記鏡筒への固定時において、前記レンズ収容部の内面と当接して前記レンズホルダを前記レンズ収容部に固定する外周面と、
を具備し、
前記レンズホルダは、前記光軸方向において、前記当接面と前記外周面を含む第1の部分と、前記当接面、前記外周面が共に含まれない第2の部分と、が、前記レンズホルダを成形する際の2つの金型の境界部分に対応した分割線で区分された構成を具備することを特徴とするレンズユニット。
【請求項2】
前記レンズホルダにおける前記光軸方向に沿った一方の側において、
前記周方向で前記当接面が設けられた箇所の各々における、前記当接面よりも前記光軸からみた径方向の外側において、前記レンズホルダにおける前記一方の側の面が局所的に他方の側に向けて掘下げられたゲート周囲凹部が形成され、当該ゲート周囲凹部の中において、前記レンズホルダを成形する際のゲートに対応したゲート痕が形成されたことを特徴とする請求項1に記載のレンズユニット。
【請求項3】
前記レンズホルダにおける前記光軸方向に沿った前記他方の側において、
前記周方向において前記当接面が設けられない箇所において、前記レンズホルダにおける前記他方の側の面が局所的に他方の側に向けて掘下げられた接着剤収容溝が前記レンズ収容孔と連結するように形成されたことを特徴とする請求項2に記載のレンズユニット。
【請求項4】
前記接着剤収容溝の底面において、当該底面が前記レンズ収容孔に向けてさらに掘り下げられた段部が形成されたことを特徴とする請求項3に記載のレンズユニット。
【請求項5】
前記当接面及び前記ゲート痕は、前記周方向において等間隔で設けられたことを特徴とする請求項2から請求項4までのいずれか1項に記載のレンズユニット。
【請求項6】
請求項1又は2に記載のレンズユニットの製造方法であって、
前記ガラスレンズを、前記光軸に沿って、前記レンズホルダにおける前記第1の部分が設けられた側から、前記第2の部分が設けられた側に向けて前記レンズ収容孔に圧入することによって前記レンズホルダに装着することを特徴とする、レンズユニットの製造方法。
【請求項7】
請求項3又は4に記載のレンズユニットの製造方法であって、
前記レンズ収容孔の内面側において、前記当接面以外では前記ガラスレンズと前記レンズホルダとは非接触とされ、
前記ガラスレンズの前記レンズ収容孔に対する圧入後に、前記接着剤収容溝に接着剤を付与することを特徴とする請求項6に記載の、レンズユニットの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のレンズと、これらを収容・固定する鏡筒とを具備するレンズユニット、このレンズユニットの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、自動車、監視カメラ等に搭載される撮像装置において使用される光学系として、物体側から像側(撮像素子側)に至るまでの間に複数のレンズを光軸(撮像装置の光軸)方向に配したレンズユニットが使用されている。このレンズユニットは可視光による物体の画像を撮像素子上に良好に結像させるように設計される。このため、各レンズ間の位置関係、各レンズと鏡筒間、このレンズユニットと撮像素子間の位置関係が高い精度で固定され、かつ各レンズに大きな負荷が加わらないことが要求される。
【0003】
一般的に、鏡筒は樹脂材料製とされるのに対して、使用されるレンズの材質としては、樹脂材料とガラスの2種類がある。前者は機械的強度は低いが安価であるのに対し、後者は機械的強度が高いが高価である。また、例えばレンズの形状を非球面形状とする場合には、特に前者は後者と比べて安価となる。また、熱膨張係数は後者の方が小さいため、熱膨張が特に光学的に悪影響を及ぼすレンズの場合には、後者が好ましい。また、温度変化に際してレンズや鏡筒に歪やレンズの鏡筒に対する位置精度を劣化させないという観点からは、鏡筒の熱膨張係数とレンズの熱膨張係数が近いことが好ましいため、樹脂材料製レンズが好ましい。こうした点が考慮され、複数のレンズのうち、どれをガラス製とするか、樹脂材料製とするかが定められる。
【0004】
このように樹脂材料製のレンズとガラス製のレンズが混合されて使用されたレンズユニットについては、例えば特許文献1に記載されている。このレンズユニットにおいては、物体側から像側に向けて複数のレンズが使用され、そのうちの中央にありかつ絞りに近いレンズには高い位置精度が要求されるため、このレンズがガラス製とされる。一方、このレンズと物体側、像側で隣接するレンズは樹脂材料製とされる。ただし、このガラス製のレンズ(ガラスレンズ)は、樹脂材料製のレンズホルダに固定された形で、隣接する樹脂材料製のレンズと共に、鏡筒内に固定される。これによって、このガラスレンズと鏡筒等との間の熱膨張差の影響も低減される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このようにガラスレンズが樹脂材料製のレンズホルダに固定されて用いられるレンズユニットにおいては、レンズホルダと鏡筒との間の位置関係と共に、ガラスレンズのレンズホルダに対する位置関係が高精度で維持されることが要求される。このためには、製造の際にガラスレンズが所望の位置関係で安定してレンズホルダに固定されるような各種の構造が設けられ、その上で、このようなレンズホルダには高い形状精度が要求される。
【0007】
このような樹脂材料製のレンズホルダは金型を用いた樹脂成型によって製造される。レンズホルダにおいて上記のような各種の構造が設けられた場合には、この場合の金型として複数のものを組み合わせて用いる場合が多く、この場合に高い形状精度を得ることは容易ではなかった。更に、この場合には、成形後のレンズホルダにおいて、特に金型の境界に対応する部分において、バリが発生しやすくなった。このバリがガラスレンズのレンズホルダに対する位置精度に悪影響を及ぼすことがあった。
【0008】
このため、ガラスレンズが樹脂材料製のレンズホルダに固定されて鏡筒に組み込まれた構成を具備するレンズユニットにおいて、ガラスレンズと鏡筒の位置関係を高精度に保つことが望まれた。
【0009】
本発明は、このような状況に鑑みなされたもので、ガラスレンズが樹脂材料製のレンズホルダに固定されて鏡筒に組み込まれた構成を具備するレンズユニットにおいて、ガラスレンズと鏡筒の位置関係を高精度に保つことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係るレンズユニットは、光軸方向に配された複数のレンズと、複数の前記レンズを前記光軸からみた外側で保持する鏡筒と、を備えるレンズユニットであって、前記レンズのうちの一つはガラス製であるガラスレンズであり、当該ガラスレンズは、前記光軸からみた外側を樹脂材料製のレンズホルダに支持され、当該レンズホルダが前記鏡筒に形成された空洞であるレンズ収容部に固定されることによって前記鏡筒に対して固定され、前記レンズホルダは、前記光軸方向に沿った方向で前記ガラスレンズを収容するレンズ収容孔と、前記レンズ収容孔の内面側において、前記ガラスレンズの外周と当接して前記ガラスレンズを前記レンズ収容孔に対して固定するように、前記光軸周りの周方向において3箇所以上に形成された当接面と、前記鏡筒への固定時において、前記レンズ収容部の内面と当接して前記レンズホルダを前記レンズ収容部に固定する外周面と、を具備し、前記レンズホルダは、前記光軸方向において、前記当接面と前記外周面を含む第1の部分と、前記当接面、前記外周面が共に含まれない第2の部分と、が、前記レンズホルダを成形する際の2つの金型の境界部分に対応した分割線で区分された構成を具備する。
【0011】
この構成においては、レンズホルダにおける特に当接面と外周面の位置関係の精度が、レンズホルダを成形する際に用いられる複数の金型のうち、一つの金型のみの形状精度で定まる。このため、光軸の周りの径方向における鏡筒とガラスレンズの間のレンズホルダを介した位置関係の精度を、特に高くすることができる。
【0012】
また、前記レンズホルダにおける前記光軸方向に沿った一方の側において、前記周方向で前記当接面が設けられた箇所の各々における、前記当接面よりも前記光軸からみた径方向の外側において、前記レンズホルダにおける前記一方の側の面が局所的に他方の側に向けて掘下げられたゲート周囲凹部が形成され、当該ゲート周囲凹部の中において、前記レンズホルダを成形する際のゲートに対応したゲート痕が形成されていてもよい。
この構成においては、レンズホルダを成形する際に、ゲートと当接面を対応させて近接させて設けることができる。これにより、成形時における当接面、これに近接した外周面間における樹脂材料の流動状態を一様とすることができるため、当接面と外周面の間におけるレンズホルダの形状、寸法の精度を特に高めることができる。
【0013】
また、前記レンズホルダにおける前記光軸方向に沿った前記他方の側において、前記周方向において前記当接面が設けられない箇所において、前記レンズホルダにおける前記他方の側の面が局所的に他方の側に向けて掘下げられた接着剤収容溝が前記レンズ収容孔と連結するように形成されていてもよい。
この構成においては、接着剤収容溝から、レンズ収容孔の内面とガラスレンズの外周との間の空隙に固化前の接着剤を容易に流し込むことができ、これによって、ガラスレンズをレンズホルダに対して接着剤で強固に固定することが容易となる。
【0014】
また、前記接着剤収容溝の底面において、当該底面が前記レンズ収容孔に向けてさらに掘り下げられた段部が形成されていてもよい。
これにより、特に前記の空隙に固化前の接着剤を流し込みやすくなる。また、ガラスレンズのレンズ面に接着剤が付着することを抑制しやすくなる。
【0015】
また、前記当接面及び前記ゲート痕は、前記周方向において等間隔で設けられていてもよい。
この構成により、成形時における当接面とこれに隣接する外周面間における樹脂材料の流動状態を一様とした状態を、各当接面がある箇所で同等に実現することができる。このため、レンズホルダ全体の形状精度を高くすることができる。この際、ゲート痕がレンズホルダの鏡筒に対する固定時に悪影響を及ぼすこともない。
【0016】
本発明のレンズユニットの製造方法においては、前記ガラスレンズを、前記光軸に沿って、前記レンズホルダにおける前記第1の部分が設けられた側から、前記第2の部分が設けられた側に向けて前記レンズ収容孔に圧入することによって前記レンズホルダに装着する。
この場合においては、分割線に形成されやすいバリが、当接面よりも、ガラスレンズが組み込まれる側と反対側に形成されるため、ガラスレンズの固定時にこのバリが悪影響を及ぼすことが抑制される。
【0017】
本発明のレンズユニットの製造方法においては、前記レンズ収容孔の内面側において、前記当接面以外では前記ガラスレンズと前記レンズホルダとは非接触とされ、前記ガラスレンズの前記レンズ収容孔に対する圧入後に、前記接着剤収容溝に接着剤を付与する。
この構成においては、接着剤収容溝あるいは更に段部を用いてガラスレンズをレンズホルダに固定する作業をより容易かつ確実に行うことができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、ガラスレンズが樹脂材料製のレンズホルダに固定されて鏡筒に組み込まれた構成を具備するレンズユニットにおいて、ガラスレンズと鏡筒の位置関係を高精度に保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】実施形態に係るレンズユニットの断面図である。
【
図2】実施形態に係るレンズユニットで用いられる鏡筒の断面図(a)、斜視図(b)である。
【
図3】実施形態に係るレンズユニットの分解組立図である。
【
図4】実施形態に係るレンズユニットにおける、第5レンズ体の物体側(a)、像側(b)からみた斜視図である。
【
図5】実施形態に係るレンズユニットにおける、レンズホルダの物体側からみた斜視図である。
【
図6】実施形態に係るレンズユニットにおける、レンズホルダの物体側からみた上面図(a)、像側からみた下面図(b)である。
【
図7】実施形態に係るレンズユニットにおいて、ガラスレンズをレンズホルダに固定する際の状態を示す断面図(その1)である。
【
図8】実施形態に係るレンズユニットにおけるレンズホルダを樹脂成形で製造する際の工程断面図である。
【
図9】レンズホルダにバリがある場合のガラスレンズの組み込みの状況を模式的に示す断面図である。
【
図10】従来のレンズホルダを樹脂成形で製造する際の状況を模式的に示す図である。
【
図11】実施形態に係るレンズユニットにおいて、ガラスレンズをレンズホルダに固定する際の状態を示す断面図(その2)である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて詳細に説明する。
図1は本実施形態に係るレンズユニット1の、光軸Aに沿った断面図である。ここでは、物体(Ob)側は図中上側、像(Im)側は図中下側であり、撮像素子100は図中最下部に位置する。レンズL1~L7の各々は、鏡筒10に対して直接あるいは間接的に固定される。
図1においては、主に各レンズ、あるいは各レンズと鏡筒10の間を固定するための構成が主に記載されている。実際には撮像素子100と鏡筒10の位置関係を固定するための構造も設けられているが、その記載は省略されている。
【0021】
撮像素子100は2次元CMOSイメージセンサであり、各画素は光軸Aと垂直な面内で2次元に配列されている。
図1において、第1レンズL1から第7レンズL7を備えるレンズユニット1が構成される。レンズユニット1は、撮像対象の可視光の画像を所望の視野、所望の形態で撮像素子100上(像面)に結像させるように構成される。
【0022】
図1において、最も物体側(図中上側)に設けられた第1レンズL1は、魚眼レンズであり、主にこれによって、撮像装置の視野等が定まる。これよりも撮像素子100側(像側)に、第2レンズL2、第3レンズL3、第4レンズL4、第5レンズL5、第6レンズL6、第7レンズL7が順次配置されている。各レンズは、光軸Aの周りで略対称な形状を具備する。また、光束を制限するための絞り20が第4レンズL4と第5レンズL5の間に設けられている。また、不要な光を除去するための薄膜状の遮光板も第2レンズL2と第3レンズL3の間に適宜設けられるが、その記載は
図1では省略されている。
【0023】
また、
図2(a)は、鏡筒10のみの光軸Aに沿った断面図、
図2(b)は、鏡筒10を
図1における斜め上側(物体側)からみた斜視図であり、
図3は、
図3は、このレンズユニット1の分解斜視図である。この鏡筒10の物体側(図中上側)に、内周面が略円筒形状の空洞部である第1収容部10Aが設けられ、第1収容部10Aの像側の底面は第1レンズL1と当接する第1載置部11である。光軸Aからみた第1載置部11の外側には、像側に向けて掘り下げられOリング30が収容される円環状の溝であるOリング収容溝11Aが形成されている。
【0024】
また、第1載置部11よりも像側(図中下側)には、第1収容部10Aと同軸とされ、第1収容部10Aより小径とされた略円筒形状の空洞部である第2収容部(レンズ収容部)10Bが設けられ、第2収容部10Bの像側の底面は接合レンズL60(後述する像側レンズ)と当接する第2載置部(載置面)12である。第1収容部10A、第2収容部10Bの中心軸は共通とされ、光軸Aと等しい。また、
図2(a)に示されるように、実際には第2収容部10Bの内周面は物体側から像側に向かって徐々に小さくされる。このため、
図3に示されるように、物体側から各レンズ等を順次鏡筒10に対して組み込んで固定することができる。
【0025】
また、
図2(b)に示されるように、第2収容部10Bの内周面においては、光軸Aに沿って延伸し局所的に光軸A側に向かって突出するレンズ固定用リブ10B1が、周方向において等間隔で12個(
図2(b)においてはそのうち5個のみが表示されている)形成されている。このため、各レンズが鏡筒10に固定される際には、各レンズ等と鏡筒10が実際に当接する部分はこのレンズ固定用リブ10B1となり、各レンズの光軸Aと垂直な方向(径方向)における位置は、レンズ固定用リブ10B1で制限される。
【0026】
図1において、各レンズにおける物体側、像側のレンズ面(画像を形成する光が通過する面)は、レンズユニット1が所望の結像特性をもたらすように、適宜曲面(凸曲面、凹曲面)加工されている。以下では、各レンズにおける物体側のレンズ面を第1表面R1、像側のレンズ面を第2表面R2と呼称する。また、レンズ面の形状(凸曲面又は凹曲面)としては、第1表面R1の形状については物体側からみた形状、第2表面R2の形状については像側からみた形状を、それぞれ意味するものとする。
【0027】
一般的に、このような小型の撮像装置におけるレンズを構成する材料としては、ガラスと樹脂材料の2種類がある。前者は機械的強度が高いが高価であり、後者は機械的強度は低いが安価である。また、ガラスの熱膨張係数は樹脂材料より小さいため、高温時における熱膨張に起因する形状や位置の微細な変化が結像特性(焦点位置の変化等)に与える影響が大きくなるレンズは、ガラス製のレンズとすることが好ましい。このため、レンズユニット1を高性能かつ安価とするためには、ガラス製のものが好ましいレンズのみガラス製とし、他のレンズを樹脂材料製とすることが好ましい。
【0028】
この観点において、本実施の形態では、最も物体側に配置された第1レンズL1はこのレンズユニット1が用いられた撮像装置の最表面に位置するために、傷が付きにくいガラス製とされる。また、絞り20と隣接するレンズ(第4レンズL4及び第5レンズL5)は、温度変化に起因する焦点距離の変化が顕著に表れるため、いずれか一方(本実施の形態では第5レンズL5)がガラス製とされる。他のレンズとしては、安価な樹脂材料製のものが用いられる。
【0029】
鏡筒10の材料としては、対候性に優れた結晶性プラスチック(ポリエチレン、ポリアミド、ポリテトラフルオロエチレン)が好ましく用いられる。一方、第2レンズL2、第3レンズL3、第4レンズL4、第6レンズL6、第7レンズL7は、レンズとしての性能(光透過性や成形性)に優れる非晶性プラスチック(ポリカーボネート等)で構成される。また、レンズホルダ51は第4レンズL4等と同じ非晶性プラスチックで構成されるため、第5レンズ体L50は、全体としては第4レンズL4等と同様のプラスチックレンズとして取り扱うことができる。前記の通り、第1レンズL1、第5レンズL5はガラス製とされる。
【0030】
第1レンズL1は、その物体側のレンズ面L1R1が凸曲面、その像側のレンズ面L1R2が凹曲面とされた負レンズである。第1レンズL1の上面側では、レンズ面L1R1がほぼ全体を占めている。第1レンズL1の下面側(像側)において、レンズ面L2R2の外側には、光軸Aと垂直な平面で構成された第1レンズ下面L1Aが設けられる。また、第1レンズL1の最外周部は、光軸Aを中心軸とする円筒形状の第1レンズ外周面L1Bを構成する。これらの面のうち、光学的に使用されるのは、レンズ面L1R1、L1R2であり、他の面は、第1レンズL1を鏡筒10に対して固定するために用いられる。
【0031】
図1において、鏡筒10の上端側は、第1レンズL1の物体側への移動を規制するように光軸A(中心)側に向かって屈曲した第1レンズ係止部13となっている。また、第1レンズ下面L1Aは、鏡筒10の第1載置部11と当接する。このため、第1レンズL1の鏡筒10に対する光軸A方向における位置関係は、物体側(図中上側)では第1レンズ係止部13によって定まり、像側(図中下側)では第1載置部11により定まる。この際、第1レンズ下面L1Aの像側には前記のようにOリング30が設けられているため、これによって第1レンズL1と鏡筒10の間は密封される。なお、上記のような第1レンズ係止部13の形状は、第1レンズl1を鏡筒10に固定するために加工した後の形状であり、固定前における鏡筒10の上端部側の形状は、
図2(a)に示されるように、上側から第1レンズL1を
図1に示されるように鏡筒10内に挿入可能な形状とされる。
【0032】
また、第1レンズ外周面L1Bは、鏡筒10における第1収容部10Aの内周面と当接する。これによって、第1レンズL1と鏡筒10の光軸Aと垂直な方向における位置関係が定まる。すなわち、上記の構成により、第1レンズL1は鏡筒10に対して固定される。
【0033】
第2レンズL2は、その物体側のレンズ面L2R1が凸曲面、その像側のレンズ面L2R2が凹曲面とされた負レンズである。第2レンズL2の物体側(
図1における上側)において、レンズ面L2R1の外側には、光軸Aと垂直でありレンズ面L2R1よりも像側(
図1における下側)に位置する平面である第2レンズ上面L2Aが設けられ、第2レンズL2の像側(
図1における下側)において、レンズ面L2R2よりも外側には、光軸Aと垂直な略平面である第2レンズ下面L2Bが設けられている。第2レンズL2の最外周を構成する第2レンズ外周面L2Cは、第2収容部10Bの内周面(正確には前記のレンズ固定用リブ10B1)と当接する。
【0034】
前記の第1レンズL1と鏡筒10における第1レンズ係止部13の関係と同様に、第2レンズL2の光軸A方向の物体側における位置は、第2レンズ上面L2Aが、鏡筒10側に設けられた第2レンズ係止部14に係止されることによって定まる。
【0035】
第3レンズL3は、その物体側のレンズ面L3R1が凹曲面、その像側のレンズ面L3R2が凸曲面とされた正レンズである。第3レンズL3の物体側(図中における上側)において、レンズ面L3R1の外側には、光軸Aと垂直でありレンズ面L3R1よりも物体側(
図1における上側)に位置する略平面である第3レンズ上面L3Aが設けられ、第3レンズL3の像側(
図1における下側)において、レンズ面L3R2よりも外側には、光軸Aと垂直な略平面である第3レンズ下面L3Bが設けられている。第3レンズL3の最外周を構成する第3レンズ外周面L3Cは、第2収容部10Bの内周面(正確には前記のレンズ固定用リブ10B1)と当接する。
【0036】
図1においては記載が省略されているが、
図3に示されるように、遮光板21は、第2レンズL2と第3レンズL3の間に設置される。この際、環状の遮光板21は、第2レンズL2の第2レンズ下面L2Bと第3レンズL3の第3レンズ上面L3Aで挟持される。
【0037】
第4レンズL4は、その物体側の面L4R1が凸曲面、その像側の面L4R2が凸曲面とされた正レンズである。第4レンズL4の物体側(図中上側)において、レンズ面L4R1の外側には、光軸Aと垂直でありレンズ面L4R1よりも物体側(
図1における上側)に位置する略平面である第4レンズ上面L4Aが設けられ、第4レンズL4の像側(
図1における下側)において、レンズ面L4R2よりも外側には、光軸Aと垂直な略平面である第4レンズ下面L4Bが設けられている。第4レンズL4の最外周を構成する第4レンズ外周面L4Cは、第2収容部10Bの内周面(正確には前記のレンズ固定用リブ10B1)と当接する。
【0038】
上記の例では、第2レンズL2における第2レンズ下面L2Bと第3レンズにおける第3レンズ上面L3Aが当接することによって第2レンズL2と第3レンズL3の光軸A方向に沿った位置関係が、第3レンズL3における第3レンズ下面L3Bと第4レンズL4における第4レンズ上面L4Aが当接することによって、第3レンズL3と第4レンズL4の光軸A方向に沿った位置関係が、それぞれ定まる。この際、これらの面を平面とせずに、互いの面同士を係合させるための微細な凹凸構造(係合構造)を適宜設けてもよい。この場合、この係合構造によって隣接するレンズ同士の径方向における位置関係を固定することもでき、この場合には、前記のように第2レンズL2~第4レンズL4の全ての外周面と固定用リブ10B1とが当接する必要はない。
【0039】
前記の通り、第5レンズ(ガラスレンズ)L5はガラス製であり、その物体側の面L5R1が凸曲面、その像側の面L5R2が凸曲面とされた正レンズである。ただし、第5レンズL5は、他のレンズとは異なり、樹脂材料製のレンズホルダ51に圧入固定されて一体化された第5レンズ体(ガラスレンズ体)L50とされた状態で鏡筒10に収容される。すなわち、第5レンズL5は、第5レンズ体L50となった状態で、樹脂材料製である第3レンズL3、第4レンズL4と同様にレンズとして扱われる。
【0040】
第5レンズ体L50の物体側(図中上側)において、第5レンズL5の外側のレンズホルダ51には、第4レンズL4における第4レンズ下面L4B側(物体側)に突出する物体側凸部L50Aが設けられる。また、第5レンズ体L50の像側(図中下側)において、第5レンズL5よりも外側のレンズホルダ51には、像側に向けて突出し、第6レンズL6と当接する像側凸部L50Bが設けられる。実際には物体側凸部L50A、像側凸部L50Bは、それぞれ周方向で複数形成され、これらの構成については後述する。物体側凸部L50Aによって第5レンズ体L50と第4レンズL4の光軸A方向における位置関係が、像側凸部L50Bによって第5レンズ体L50と第6レンズL6の光軸A方向における位置関係が、それぞれ定まる。
【0041】
また、第5レンズ体L50の最外周を構成する面である第5レンズ体外周面(外周面)L50Cは、第2収容部10Bの内周面(正確には前記のレンズ固定用リブ10B1)と当接する。これにより、第5レンズ体L50(第5レンズL5)と鏡筒10の光軸Aと垂直な方向における位置関係は定まる。
【0042】
絞り20は、第4レンズL4と第5レンズ体L50の間に設置される。この際、環状の絞り20は、第4レンズL4の第4レンズ下面L4Bと第5レンズ体L50の物体側凸部L50Aで挟持される。
【0043】
第6レンズL6は、その物体側の面L6R1が凹曲面、その像側の面L6R2が凹曲面とされた負レンズである。第7レンズL7は、外径が第6レンズL6よりも小さく、その物体側の面L7R1が凸曲面、その像側の面L7R2が凸曲面とされた正レンズである。また、第6レンズL6、第7レンズL7は対向するレンズ面が嵌合して薄い接着剤層で接合されることにより、最も像側にある接合レンズ(像側レンズ)L60を構成するように設定される。つまり、実質的に最も像側のレンズとなる像側レンズは、第6レンズL6の像側のレンズ面L6R2と第7レンズL7の物体側のレンズ面L7R1とが嵌合して接合された接合レンズL60となる。
【0044】
接合レンズL60(第6レンズL6)の物体側(図中上側)において、レンズ面L6R1の外側においては、第5レンズ体L50における像側凸部L50Bと当接する平面である接合レンズ上面L6Aが設けられる。また、接合レンズL60(第6レンズL6)の像側(図中下側)において、レンズ面L7R2よりも外側には、光軸Aと垂直な平面である接合レンズ下面L6Bが設けられる。接合レンズ下面L6Bは、第2載置部(載置面)12と当接する。また、接合レンズ下面L6Bにおける第2載置部12よりも内側には、物体側に向けて凹形状とされた段差部(係合構造)L6Cが設けられる。これに対応して、第7レンズL7には物体側に凸形状とされた段差部(係合構造)L7Aが設けられ、段差部L6Cと段差部L7Aとが係合する。すなわち、接合レンズL60においては、第6レンズL6のレンズ面L6R2、段差部L6Cと第7レンズL7のレンズ面L7R1、段差部L7Aがそれぞれ嵌合した状態で固定され固定されることによって、第6レンズL6、第7レンズL7の光軸A方向及びこれと垂直な方向における位置関係が定まる。
【0045】
また、接合レンズL60(第6レンズL6)の最外周を構成する面である第6レンズ外周面L6Dは第2収容部10Bの内周面(正確には前記のレンズ固定用リブ10B1)と当接する。第6レンズ外周面L6Dは、その光軸A周りの内径が像側に向かって徐々に小さくなるような略円錐面形状に形成されている。このため、接合レンズL60の光軸Aに沿った方向における位置は、像側では鏡筒10(第2載置部12)によって制限される。
【0046】
この場合、第5レンズ体L50(像側凸部L50B)は像側で接合レンズL60に係止されるため、第5レンズ体L50の光軸Aに沿った方向における位置は、像側では接合レンズL60を介して第2載置部12(鏡筒10)によって制限される。第4レンズL4における第4レンズ下面L4Bと第5レンズ体L50(レンズホルダ51)における物体側凸部L50Aとが当接するため、第4レンズL4の光軸A方向に沿った方向における位置も、像側では第2載置部12によって制限され、結局、第2レンズL2~第4レンズL4、レンズホルダ51、接合レンズL60の光軸A方向に沿った方向における位置は、像側では第2載置部12によって制限される。一方、前記のように、第2レンズL2の光軸A方向の物体側における位置は、第2レンズ上面L2Aが、鏡筒10側に設けられた第2レンズ係止部14に係止されることによって定まる。このため、結局、上記の構造によって、第2レンズL2~第4レンズL4、レンズホルダ51、接合レンズL60の光軸A方向に沿った方向における位置が定まる。
【0047】
また、
図1、3に示されるように、鏡筒10における最も像側には、板状の光学フィルター22が装着される。光学フィルター22は、前記の第1レンズ係止部13、第2レンズ係止部14と同様の形態をもつがこれらとは逆向きに像側に向けて突出するように形成された光学フィルター係止部15によって、鏡筒10に対して固定される。
【0048】
上記の構造においては、第5レンズ体L50におけるレンズホルダ51の鏡筒10内における位置あるいは他のレンズとの間の位置関係が高精度に定まり、かつレンズホルダ51に対する第5レンズL5の位置関係が高精度に定まれば、全てのレンズ間の位置関係が高精度で定まる。このレンズホルダ50においては、鏡筒10に対するレンズホルダ51の位置関係と、第5レンズL5をレンズホルダ51に装着する際の位置関係が、特に高精度に制御される。この点について以下に説明する。以下では、光軸A方向の物体側を上側、像側を下側とする。
【0049】
図4は、第5レンズ体L50の上側(a)、下側(b)からみた斜視図であり、
図5は、レンズホルダ51単体(第5レンズL5未装着)の上側からみた斜視図である。また、
図6は、レンズホルダ51の上面図(a)、下面図(b)である。なお、
図4においては、後述する接着剤層の記載は省略されている。第5レンズL5は、レンズホルダ51に対して圧入されて固定される。この際に、第5レンズL5とレンズホルダ51との間に狭い空隙も形成されるように設定され、この空隙に固化前の接着剤が導入されて固化することによって、両者の間が固定される。このような固定を容易、かつ再現性よく行うことができるような構造が採用される。ここで、前記のように第5レンズL5はガラス製であるのに対して、レンズホルダ51は樹脂材料製であるため成形加工が容易である。このため、このような固定を行わせるための各種の構造は、主にレンズホルダ51側に形成され、第5レンズL5は主に光学的な機能を有する比較的単純な形状とされる。
【0050】
図4(a)、
図5、
図6(a)において、前記のように、レンズホルダ51における上側には、局所的に上側に向けて突出して第4レンズL4の第4レンズ下面L4Bと当接する物体側凸部L50Aが、周方向において等間隔で8箇所に設けられる。また、
図4(b)、
図6(b)において、レンズホルダ51における下側には、局所的に下側に向けて突出する像側凸部L50Bが、径方向における異なる位置に3つずつ設けられる。このうち、径方向における外側の3つの像側凸部L50Bは、
図1において接合レンズL60の接合レンズ上面L6Aと当接することによって、第5レンズL5と接合レンズL60の光軸A方向における位置関係を定める。また、内側の3つの像側凸部L50Bは、第5レンズL5をレンズホルダ51に物体側から組み込む際に、レンズホルダ151をステージに固定する際の脚部として用いられる。
【0051】
図5に示されるように、このレンズホルダ51においては、光軸Aに沿ってこれを貫通し第5レンズL5を収容するように設けられたレンズ収容孔51Aが形成される。第5レンズL5は、レンズ収容孔51Aを構成する光軸Aと略平行な内面と当接することによってレンズホルダ51に対する径方向の位置関係が定まる。前記の鏡筒10におけるレンズ固定用リブ10B1と同様に、このレンズホルダ51においても、実際にレンズ収容孔51Aの内面で第5レンズL5と当接する部分は局所的となるように設定され、
図6において周方向において等間隔(位相差120°)で3箇所において設けられた当接面51Bが、第5レンズL5の外周面と当接するように、上側からレンズ収容孔51Aに圧入される。当接面51Bの法線は光軸Aからみた径方向とされる。一方、レンズ収容孔51Aの内面における当接面51B以外の箇所においては、第5レンズL5とレンズホルダ51との間に空隙が形成され、この空隙内の接着剤によって、第5レンズL5とレンズホルダ51との間を機械的に固定することができる。
【0052】
図4(a)、
図5において、レンズ収容孔51Aの周囲において、レンズホルダ51の物体側(図中上側)の表面には、レンズ収容孔51Aと連結するように像側に向けて掘下げられた溝である接着剤収容溝51Cが周方向に6つ等間隔(位相差60°)で形成されている。接着剤収容溝51Cは、周方向において当接面51Bが設けられていない箇所に形成され、後述するように、接着剤収容溝51C内に固化前の接着剤を投入することによって、前記のような空隙内にこの接着剤を導入することができる。
【0053】
図1における光軸Aよりも左側では、第5レンズ体L50の外周面と鏡筒10(レンズ固定用リブ10B1)とが当接し、かつレンズホルダ51の当接面51Bと第5レンズL5の外周面とが当接する箇所の断面が示されている。
図7(a)(b)は、第5レンズL5をレンズホルダ51(レンズ収容孔51A内)に装着する際の状況を
図1における断面の箇所において示した図であり、この断面は、
図6(a)におけるB-B方向の断面となっている。
【0054】
ここで、
図7(a)に示されるように、第5レンズL5は、上側からレンズ収容孔51Aに挿入され、
図7(b)に示されるように、第5レンズL5の外周は、図中左側の当接面51Bと当接した状態で固定される。
図7においては一つの当接面51Bに関わる部分のみが示されているが、実際にはこの状況は3つの当接面51Bの全てで同様となるため、これによって第5レンズL5はレンズホルダ51に対して固定される。
【0055】
図7(b)においては、この状態での鏡筒10に対する位置関係も示されている。この場合、鏡筒10に対する第5レンズL5の径方向における位置関係の精度は、この図における第5レンズ体L50の外周面L50Cと鏡筒10(レンズ固定用リブ10B1)とが当接する箇所(外側当接部S1)と、レンズホルダ51の当接面51Bと第5レンズL5の外周面とが当接する箇所(内側当接部S2)の位置関係の精度で定まる。
【0056】
このためには、レンズホルダ51における外周面L50Cと当接面51Bの間の位置関係を高精度で定めることが要求される。レンズホルダ51は型枠(金型)を用いた樹脂成形で製造されるところ、この製造方法において、これらの精度が高くなる手法を用いることができ、以下にこの手法について説明する。
【0057】
図8は、この製造工程を模式的に示す工程断面図である。ここでは、
図7におけるレンズホルダ51の左側の領域に対応する部分のみが記載されている。
図8(a)に示されるように、2つの金型(金型100A、100B)が組み合わせて用いられ、
図8(b)に示されるように、これらの間で形成された空洞110の形状が前記のレンズホルダ51の形状に対応する。下側の金型100Aには、この空洞110内に流動状態の樹脂材料を流し込むためのゲート101が形成される。その後、
図8(c)に示されるように、ゲート101から樹脂材料を流して固化させることによって、空洞110中に固形体120が形成される。なお、ここではレンズホルダ51の形状を
図7におけるものと同一とするためにゲート101が下側に設けられているが、樹脂成形が空隙なく高精度で行われるように、実際には
図8に示された形態における上下方向は適宜設定される。
【0058】
その後、
図8(d)に示されるように、金型100Bを金型100Aから分離すれば、固形体120を取り出すことができる。
図8(e)に示されるように、この固形体120は、前記のレンズホルダ51の形状をもつ部分と、ゲート101に対応した部分とが結合された形状を具備する。この固形体120におけるゲート101に対応した部分を切断して除去すれば、
図8(f)に示されるように、レンズホルダ51を得ることができる。
【0059】
ここで、
図8(c)に示されるように、前記の外周面L50Cと当接面51Bは、共に金型100Bで形成される。このため、外周面L50Cと当接面51Bの位置関係の精度は、金型100Bの形状精度のみで定まる。これに対して、外周面L50C、当接面51Bがそれぞれ別の金型で形成される場合には、この精度は、それぞれの金型の形状精度だけでなく、両者の組み合わせの位置精度にも依存するため、安定してこの精度を高くすることは容易ではない。すなわち、このように外周面L50Cと当接面51Bが共通の金型で形成されるようにしたことで、これらの間の位置関係を高精度で定めることができる。
【0060】
また、
図8(c)において、空洞110に隣接して金型100A、100Bが当接する領域X1、X2においては、これらの僅かな隙間に樹脂材料が入り込むことがあり、この樹脂材料が硬化することによって、
図8(e)(f)に示されるように、バリJが固形体120、更にはレンズホルダ51に残存する場合がある。この場合、バリJは、固形体120、レンズホルダ51の表面における金型100Aと金型100Bの境界に対応した線(パーティングライン(分割線)PL)に形成される。このようなバリJが第5レンズL5の圧入時に第5レンズL5の外周面と当接面51Bの間に存在すると、第5レンズL5とレンズホルダ51の径方向における位置精度に悪影響を及ぼす。
【0061】
図9においては、このようにレンズホルダ51にバリJがある場合において第5レンズL5を圧入する際の形態が模式的に示されている。
図8の場合においては、当接面51Bに対応した箇所が上側の金型100Bに設けられたため、バリJは当接面51Bの下側に形成される。
図9(a)は、この場合における状況を模式的に示し、第5レンズL5は上側からレンズ収容孔51Aに圧入されるため、圧入の際に第5レンズL5の外周面と当接面51Bの間にバリJが入り込むことが抑制され、第5レンズL5のレンズホルダ51に対する径方向における位置精度にバリJが与える悪影響が抑制される。
【0062】
これに対して、当接面51Bに対応した箇所が下側の金型100Aに設けられた場合、パーティングラインPL、バリJは当接面51Bの上側に形成される。
図9(b)は、この場合における状況を模式的に示し、第5レンズL5は上側からレンズ収容孔51Aに圧入されるため、圧入の際にバリJは第5レンズL5の外周面と当接面51Bの間に入り込みやすい。この観点からも、
図8に示された金型の構成が有効である。
【0063】
なお、
図8(f)に示されるように、上記の構成では、レンズホルダ51における外周面L50Cの下側にもバリJが形成されやすい。前記のように、第5レンズ体L50は上側から鏡筒10に装着されるため、この部分では
図9(b)と同様の状況となりやすく、レンズ固定用リブ10B1と外周面L50Cの間にこのバリJが入り込みやすい。しかしながら、前記のように、第5レンズ体L50の鏡筒10内における位置は、第5レンズ体(レンズホルダ51)とレンズ固定用リブ10B1が直接当接することによってのみでは定めず、第5レンズ体L50の上下で隣接する第4レンズL4、接合レンズL60との間の位置関係によって定めることもできる。このため、外周面L50Cに形成されたバリJが、第5レンズ体L50に鏡筒10に対する径方向の位置精度に悪影響は、前記の当接面51Bの上側にバリJが存在した場合と比べて、小さい。
【0064】
このため、
図8に示されたような金型を用いて製造されたレンズホルダ51を用いることにより、第5レンズL5の鏡筒10内の位置精度を高くすることができる。この場合、このレンズホルダ51におけるパーティングラインPLは、レンズ収容孔51Aの内側においては当接面51Bの下側に存在し、かつパーティングラインPLよりも上側の領域(金型100Bによって成形される領域)には、当接面51Bと外周面L50Cが含まれる。このため、このレンズホルダ51は、パーティングラインPLを境界として、上下方向で、当接面51Bと外周面L50Cを共に含む第1の部分と、当接面51Bと外周面L50Cが共に含まれない第2の部分に区分される。
【0065】
また、
図8(b)(c)においては、外周面L50Cと当接面51Bがある箇所の断面が示されているが、これらの間の位置精度を高めるためには、この図で示された範囲内で樹脂の流動状態が良好、一様であることが好ましい。このためには、ゲート101と外周面L50C、当接面51Bとの間の距離を近くすることが好ましい。前記の通り、当接面51Bは周方向で3つ形成されているため、当接面51Bに対応して、金型100Aにおいてゲート101も3つ分散させて設けることが好ましい。これによって、全ての当接面51Bに対応した領域で、外周面L50Cと当接面51Bの位置関係の精度を高め、かつバリJの悪影響を低減することもできる。
【0066】
このような金型を用いた場合、
図4(b)、
図6(b)に示されるように、レンズホルダ51の下面側においては、このゲート101に対応したゲート痕Gが、周方向において当接面51Bと同じ箇所(3箇所)に形成される。また、ゲート痕Gの周囲は、接合レンズL60との間の位置関係に悪影響を与えないように、像側凸部L50Bよりも上側に向けて充分掘り下げられたゲート周囲凹部51Eとされている。すなわち、このようにゲート101を周方向において等間隔で当接面51Bに対応させて設けることによって、外周面L50Cと当接面51Bの位置関係を特に高精度に維持することができる。
【0067】
また、
図6に示されるように、上記のレンズホルダ51の光軸A方向からみた外形は円形状とされる。これに対して、例えば特開2021-56385号公報にも、類似した構成のレンズユニット、第5レンズ体が記載されているが、この場合に用いられる第5レンズ体(レンズホルダ)の外形は円形ではなく、円周の一部が除去されたDカット形状とされている。この場合の製造方法における、
図8(c)に対応した図が
図10(a)である。この場合に用いられる下側の金型200Aにはゲートが設けられず、上側の金型200Bにおいて、水平方向から樹脂材料を空洞に導入するためのゲート201が図中左側に形成されることによって固形体220が形成される。
図10(b)は、この場合の状況をレンズホルダ全体に対応させて平面視において模式的に示す。
図10(a)は、
図10(b)におけるE-E方向の断面となっている。
【0068】
この場合には、ゲート201は固形体120の周方向における一部に存在し、ゲート痕がレンズホルダの外周部に形成される。外周部におけるゲート痕がある部分は鏡筒(レンズ固定用リブ)と当接する部分としては用いることができないため、これに対応した円弧部分が除去されてDカット形状とされる。一方、前記の通り、レンズホルダの形状精度を高めるためには複数のゲートを分散させて設けることが好ましいが、このために、例えば
図10においてゲート201を円周方向で多く設けることは、このように除去すべき部分が多くなるため、外周部を位置決めのために用いるレンズホルダに対しては、適用が困難である。すなわち、
図8に示されたように、ゲートを横側ではなく下側に複数設けることによって、レンズホルダ51の形状精度を高くすることができ、かつレンズホルダ51の外形を円形とした状態で用いることができ、鏡筒10に対するレンズホルダの径方向の位置関係を高精度に維持することができる。
【0069】
次に、第5レンズL5をレンズホルダ51に圧入した後の固定について説明する。前記のように、このためには接着剤が用いられ、このために
図4(a)、
図5における接着剤収容溝51Cが用いられる。
図11は、この工程を説明するための工程断面図であり、この断面は
図6(a)におけるC-C方向の断面に対応し、
図7とは光軸A周りで90°異なる箇所の断面であり、ここでは接着剤収容溝51Cが左右のどちらにおいても存在する。
【0070】
図11(a)は、レンズホルダ51に対して第5レンズL5が圧入された直後の状態を示す。周方向において接着剤収容溝51Cが設けられた箇所と当接面51Bが設けられた箇所は異なるため、ここでは第5レンズL5とレンズ収容孔51Aの内面の間には空隙が形成されているが、前記の通り、実際には当接面51Bと第5レンズL5の外周面が当接しているため、第5レンズL5はレンズホルダ51に対して固定されている。
【0071】
この状態で、固化前の接着剤を接着剤収容溝51Cに投入すれば、
図11(b)に示されるように、前記の空隙を含んで接着剤層Sを形成することができ、接着剤の固化後にレンズホルダ51に対して第5レンズL5を強固に接合させることができる。この際、このような局所的な凹部である接着剤収容溝51Cを用いることにより、固化前の接着剤が第5レンズL5のレンズ面であるL5R1、L5R2に付着することも抑制される。
【0072】
図11(a)において、接着剤収容溝51Cはその周囲よりも下側に向けて掘り下げられて形成されているが、接着剤収容溝51Cの底面には、光軸A側(第5レンズL5がある側)に向けて更に掘り下げられた接着剤収容溝段部(段部)51C1が形成されている。これによって、接着剤を前記の空隙に流し込むことが更に容易となる。
【0073】
また、上記のようなレンズホルダ51の構造において、例えば、レンズ収容孔51Aの内面側における当接面51B、接着剤収容溝51C以外の箇所の構造は、適宜設定が可能である。例えば、
図5、
図6(a)において、レンズ収容孔51Aを構成する内面には、当接面51Bが3つ、接着剤収容溝51Cが6つ設けられているが、この内面における当接面51B、接着剤収容溝51Cのいずれも設けられない箇所(3つの中間部分51F)の形状は、第5レンズL5の装着に支障がない限りにおいて、適宜設定が可能である。例えば、中間部分51Fを上側に向けて局所的に厚くし、かつ光軸A方向の周りで3つの中間部分51Fで構成される空洞の内径が、下側から上側に向けて大きくなるように、中間部分51Fの断面形状をテーパー形状としてもよい。この場合には、この中間部分51Fを、第5レンズL5をレンズホルダ51に圧入する際のガイドとすることができる。
【0074】
なお、上記の例においては、第5レンズL5はレンズホルダ51におけるレンズ収容孔51Aに対して物体(上)側から組み込まれるものとし、これに対応して、レンズホルダ51における当接面51Bと外周面L50CがパーティングラインPLよりも物体(上)側にあるものとした。しかしながら、これらの上下関係が全て逆であってもよいことは明らかである。また、
図9におけるバリJが存在しなければ、
図9(b)に示されるように、第5レンズL5が上側から組み込まれ、かつ当接面51Bと外周面L50CがパーティングラインPLよりも下側にあってもよい。
【0075】
また、接着剤収容溝段部51C1あるいは接着剤収容溝51Cは、これらがなくとも接着剤でガラスレンズをレンズホルダに対して強固に固定できる場合には不要である。あるいは、上記の例ではこれらはガラスレンズが組み込まれる側(上側)に設けられたが、これらを下側に設けてもよい。
【0076】
(本形態の主な特徴)
本実施形態の特徴を簡単に纏めると次の通りである。
(1)このレンズユニット1は、光軸A方向に配された複数のレンズ(L1~L7)と、複数のレンズを光軸Aからみた外側で保持する鏡筒10と、を備える。レンズのうちの一つはガラス製であるガラスレンズL5であり、ガラスレンズL5は、光軸Aからみた外側を樹脂材料製のレンズホルダ51に支持され、レンズホルダ51が鏡筒10に形成された空洞であるレンズ収容部10Bに固定されることによって鏡筒10に対して固定される。レンズホルダ51は、光軸A方向に沿った方向でガラスレンズL5を収容するレンズ収容孔51Aと、レンズ収容孔51Aの内面側において、ガラスレンズL5の外周と当接してガラスレンズL5をレンズ収容孔51Aに対して固定するように、光軸A周りの周方向において3箇所以上に形成された当接面51Bと、鏡筒10への固定時において、レンズ収容部10Bの内面と当接してレンズホルダ51をレンズ収容部10Bに固定する外周面L50Cと、を具備する。レンズホルダ51は、光軸A方向において、当接面51Bと外周面L50Cを含む第1の部分と、当接面51B、外周面L50Cが共に含まれない第2の部分と、が、レンズホルダ51を成形する際の2つの金型(100A、100B)の境界部分に対応した分割線PLで区分された構成を具備する。
【0077】
この構成においては、レンズホルダ51における特に当接面51Bと外周面L50Cの位置関係の精度が、一方の金型100Bのみの形状精度で定まる。このため、光軸Aの周りの径方向における鏡筒10とガラスレンズL5の間のレンズホルダ51を介した位置関係の精度を、特に高くすることができる。
【0078】
(2)また、レンズホルダ51における光軸A方向に沿った一方の側である像(Im)側において、周方向で当接面51Bが設けられた箇所の各々における、当接面51Bよりも光軸Aからみた径方向の外側において、レンズホルダにおける像(Im)側の面が局所的に他方の側である物体(Ob)側に向けて掘下げられたゲート周囲凹部51Eが形成され、ゲート周囲凹部51Eの中において、レンズホルダ51を成形する際のゲート101に対応したゲート痕Gが形成されている。
この構成においては、レンズホルダ51を成形する際に、ゲート101と当接面51Bを対応させて近接させて設けることができる。これにより、成形時における当接面51B、これに近接した外周面L50C間における樹脂材料の流動状態を一様とすることができるため、当接面51Bと外周面L50Cの間におけるレンズホルダ51の形状、寸法の精度を特に高めることができる。
【0079】
(3)レンズホルダ51における光軸A方向に沿った物体(Ob)側において、周方向において当接面51Bが設けられない箇所において、レンズホルダ51における物体(Ob)側の面が局所的に像(Im)側に向けて掘下げられた接着剤収容溝51Cがレンズ収容孔51Aと連結するように形成されている。
この構成においては、接着剤収容溝51Cから、レンズ収容孔51Aの内面とガラスレンズL5の外周との間の空隙に固化前の接着剤を容易に流し込むことができ、これによって、ガラスレンズL5をレンズホルダ51に対して接着剤で強固に固定することが容易となる。
【0080】
(4)接着剤収容溝51Cの底面において、底面がレンズ収容孔51Aに向けてさらに掘り下げられた段部51C1が形成されている。
これにより、特に前記の空隙に固化前の接着剤を流し込みやすくなる。また、ガラスレンズL5のレンズ面に接着剤が付着することを抑制しやすくなる。
【0081】
(5)当接面51B及びゲート痕Gは、周方向において等間隔で設けられている。
この構成により、成形時における当接面51Bとこれに隣接する外周面L50C間における樹脂材料の流動状態を一様とした状態を、各当接面51Bがある箇所で同等に実現することができる。このため、レンズホルダ51全体の形状精度を高くすることができる。この際、ゲート痕Gがレンズホルダ51の鏡筒10に対する固定時に悪影響を及ぼすこともない。
【0082】
(6)このレンズユニット1の製造方法においては、ガラスレンズL5を、光軸Aに沿って、レンズホルダ51における第1の部分が設けられた側から、第2の部分が設けられた側に向けてレンズ収容孔51Aに圧入することによってレンズホルダ51に装着する。
この場合においては、分割線PLに形成されやすいバリJが、当接面51Bよりも、ガラスレンズL5が組み込まれる側と反対側である像(Im)側に形成されるため、ガラスレンズL5の固定時にこのバリJが悪影響を及ぼすことが抑制される。なお、第1の部分、第2の部分がある側と、ガラスレンズL5が圧入される向きが逆転していても同様である。
【0083】
(7)このレンズユニット1の製造方法においては、レンズ収容孔51Aの内面側において、当接面51B以外ではガラスレンズL5とレンズホルダ51とは非接触とされ、ガラスレンズL5のレンズ収容孔51Aに対する圧入後に、接着剤収容溝51Cに接着剤を付与する。
この構成においては、接着剤収容溝51Cあるいは更に段部51C1を用いてガラスレンズL5をレンズホルダ51に固定する作業をより容易かつ確実に行うことができる。
【0084】
なお、レンズ系における上記のようなガラスレンズ(ガラスレンズ体)、あるいはこれと隣接する他のレンズ以外のレンズの数、構成は任意である。
【0085】
本発明を、実施形態及びその変形例をもとに説明したが、この実施形態は例示であり、それらの各構成要素の組み合わせ等にいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
【符号の説明】
【0086】
1 レンズユニット
10 鏡筒
10A 第1収容部
10B 第2収容部(レンズ収容部)
10B1 レンズ固定用リブ
11 第1載置部
11A Oリング収容溝
12 第2載置部
13 第1レンズ係止部
14 第2レンズ係止部
15 光学フィルター係止部
20 絞り
21 遮光板
22 光学フィルター
30 Oリング
51 レンズホルダ
51A レンズ収容孔
51B 当接面
51C 接着剤収容溝
51C1 接着剤収容溝段部(段部)
51E ゲート周囲凹部
51F 中間部分
100A、100B、200A、200B 金型
101、201 ゲート
110 空洞
120、220 固形体
100 撮像素子
A 光軸
G ゲート痕
J バリ
Im 像(側)
L1 第1レンズ
L1A 第1レンズ下面
L1B 第1レンズ外周面
L2 第2レンズ
L2A 第2レンズ上面
L2B 第2レンズ下面
L2C 第2レンズ外周面
L3 第3レンズ
L3A 第3レンズ上面
L3B 第3レンズ下面
L3C 第3レンズ外周面
L4 第4レンズ
L4A 第4レンズ上面
L4B 第4レンズ下面
L4C 第4レンズ外周面
L5 第5レンズ(ガラスレンズ)
L6 第6レンズ
L6A 接合レンズ上面
L6B 接合レンズ下面
L6C、L7A 段差部(係合構造)
L6D 第6レンズ外周面
L7 第7レンズ
L50 第5レンズ体(ガラスレンズ体)
L50A 物体側凸部
L50B 像側凸部
L50C 第5レンズ体外周面(外周面)
L60 接合レンズ
Ob 物体(側)
PL パーティングライン(分割線)
R1 第1表面
R2 第2表面
S 接着剤層