(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024051528
(43)【公開日】2024-04-11
(54)【発明の名称】ホットメルト組成物
(51)【国際特許分類】
C08L 53/02 20060101AFI20240404BHJP
【FI】
C08L53/02
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022157743
(22)【出願日】2022-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】000100698
【氏名又は名称】アイカ工業株式会社
(72)【発明者】
【氏名】泉 佑樹
【テーマコード(参考)】
4J002
【Fターム(参考)】
4J002AF023
4J002AF02Y
4J002BA013
4J002BA01Y
4J002BC022
4J002BC02X
4J002BC092
4J002BC09X
4J002BP011
4J002BP01W
4J002CE003
4J002CE00Y
4J002GJ01
(57)【要約】
【課題】 溶融粘度が適度であるため作業性が高く、接着強度が高いことからシール性に優れ、シールした後でも剥がしやすく、圧縮応力が適度であるため被着体同士を組み付け易く、引張特性が高いため解体性が飛躍的に向上しているホットメルト組成物を提供する。
【解決手段】 スチレン系熱可塑性エラストマー(A)と、粘着付与剤(B)と、軟化剤(C)と、を含有し、粘着付与剤(B)として、芳香族系粘着付与剤(B1)と、非芳香族系粘着付与剤(B2)と、を含有し、芳香族系粘着付与剤(B1)として、重量平均分子量が3,500以上の芳香族系粘着付与剤(B1-1)と、重量平均分子量が3,400以下の芳香族系粘着付与剤(B1-2)と、を含有することを特徴とするホットメルト組成物。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スチレン系熱可塑性エラストマー(A)と、粘着付与剤(B)と、軟化剤(C)と、を含有し、
粘着付与剤(B)として、芳香族系粘着付与剤(B1)と、非芳香族系粘着付与剤(B2)と、を含有し、
芳香族系粘着付与剤(B1)として、重量平均分子量が3,500以上の芳香族系粘着付与剤(B1-1)と、重量平均分子量が3,400以下の芳香族系粘着付与剤(B1-2)と、を含有することを特徴とするホットメルト組成物。
【請求項2】
非芳香族系粘着付与剤(B2)として、軟化点が135℃以上の非芳香族系粘着付与剤(B2-1)と、軟化点が130℃以下の非芳香族系粘着付与剤(B2-2)と、を含むことを特徴とする請求項1記載のホットメルト組成物。
【請求項3】
請求項1又は2記載のホットメルト組成物が塗布された、物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホットメルト組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ホットメルト組成物は、無溶剤で環境に優しく、短時間で硬化可能で、非常に扱いやすい材料であることから、製造現場における作業環境を改善することが可能である。そのため、ホットメルト組成物は、自動車・電機などの精密分野のほか、建築分野など幅広く用いられている。
【0003】
過去に、出願人は、水添パラフィン系プロセスオイル、高分子量スチレン系ブロックコポリマー、ポリフェニレンエーテル樹脂または変性ポリフェニレンエーテル樹脂、粘着付与樹脂並びに酸化防止剤を必須成分とするホットメルト組成物を発明した(特許文献1)。このホットメルト組成物は、高温下に置かれたのちも、粘度保持率、抗張力保持率が高く保たれ、解体性を有するものであった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【0005】
従来から、車両用部品の製造工程において、ホットメルト組成物が用いられることがある。例えば、自動車灯具の場合、ハウジング部とレンズ部をシールするため、主にホットメルト組成物が使用されている。近年では、資源の有効利用や、環境配慮などの意識が高まるにつれ、使用済み製品のリサイクルに対する需要が増しており、自動車灯具についても容易に解体することができる製品が求められていた。
【0006】
そのため、ホットメルト組成物を塗布した後のシール性に優れることや、シール状態において排熱等により加熱された後、解体する際に容易に剥がせることが求められていた。また、被着体同士を組み付け易くするため、圧縮応力が適度であって弾力性が抑えられていることも必要とされていた。さらに、特許文献1にかかるホットメルト組成物は、ある程度の解体性を有するものの、引張特性が若干低く、力を加えすぎると細かく切れてしまう傾向があることから、改善の余地があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、溶融粘度が適度であるため作業性が高く、接着強度が高いことからシール性に優れ、シールした後でも剥がしやすく、圧縮応力が適度であるため被着体同士を組み付け易く、引張特性が高いため解体性が飛躍的に向上しているホットメルト組成物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、スチレン系熱可塑性エラストマー(A)と、粘着付与剤(B)と、軟化剤(C)と、を含有し、粘着付与剤(B)として、芳香族系粘着付与剤(B1)と、非芳香族系粘着付与剤(B2)と、を含有し、芳香族系粘着付与剤(B1)として、重量平均分子量が3,500以上の芳香族系粘着付与剤(B1-1)と、重量平均分子量が3,400以下の芳香族系粘着付与剤(B1-2)と、を含有することを特徴とするホットメルト組成物である。
【発明の効果】
【0009】
本発明にかかるホットメルト組成物は、溶融粘度が適度であるため作業性が高く、接着強度が高いことからシール性に優れ、シールした後でも剥がしやすく、圧縮応力が適度であるため被着体同士を組み付け易く、引張特性が高いため解体性が飛躍的に向上しているという効果がある。
【発明を実施するための形態】
【0010】
<スチレン系熱可塑性エラストマー>
本発明では、スチレン系熱可塑性エラストマー(A)を用いる。当該(A)成分は、本発明にかかるホットメルト組成物のベースポリマーとして用いられる。
【0011】
スチレン系熱可塑性エラストマーは、主に、スチレン系化合物由来のハードブロックと、ジエン系化合物由来のソフトブロックから構成されている。各ブロックの結合形態としては、直線状、分岐状、放射状のものが存在するが、直線状であるものが比較的多く提供されている。
【0012】
スチレン系熱可塑性エラストマーは、ソフトブロックを水素添加していない「未水添スチレン系熱可塑性エラストマー」と、水素添加している「水添スチレン系熱可塑性エラストマー」に分けられる。未水添スチレン系ブロック共重合体としては、スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体(SIS)や、スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体(SBS)などが、水添スチレン系ブロック共重合体としては、スチレン-エチレン/ブチレン-スチレンブロック共重合体(SEBS)、スチレン-エチレン/プロピレン-スチレンブロック共重合体(SEPS)、スチレン-エチレン-エチレン/プロピレン-スチレンブロック共重合体(SEEPS)などが挙げられる。
【0013】
本発明においては、軟化剤との相溶性が向上することから、水添スチレン系熱可塑性エラストマーを用いることが好ましく、スチレン-エチレン-エチレン/プロピレン-スチレンブロック共重合体(SEEPS)を用いることが特に好ましい。
【0014】
当該(A)成分のトルエン溶液粘度(30℃・5wt%)としては、1~1000mPa・sであることが好ましく、5~850mPa・sであることがさらに好ましく、10~700mPa・sであることが特に好ましい。
【0015】
当該(A)成分の具体例としては、セプトン 4044(商品名、クラレ社製、スチレン-エチレン-エチレン/プロピレン-スチレンブロック共重合体(SEEPS)、トルエン溶液粘度(30℃・5wt%):22mPa・s)、セプトン 4055(商品名、クラレ社製、スチレン-エチレン-エチレン/プロピレン-スチレンブロック共重合体(SEEPS)、トルエン溶液粘度(30℃・5wt%):90mPa・s)、セプトン 4077(商品名、クラレ社製、スチレン-エチレン-エチレン/プロピレン-スチレンブロック共重合体(SEEPS)、トルエン溶液粘度(30℃・5wt%):300mPa・s)、セプトン 4099(商品名、クラレ社製、スチレン-エチレン-エチレン/プロピレン-スチレンブロック共重合体(SEEPS)、トルエン溶液粘度(30℃・5wt%):670mPa・s)などが挙げられる。
【0016】
<粘着付与剤>
本発明では、粘着付与剤(B)を用いる。当該(B)成分としては、芳香族系粘着付与剤(B1)と、非芳香族系粘着付与剤(B2)と、を含有する必要がある。
【0017】
(芳香族系粘着付与剤)
本発明では、芳香族系粘着付与剤(B1)を用いる。当該(B1)成分としては、スチレン、α-メチルスチレン、ビニルトルエンなどの芳香環を有するモノマーの重合体が挙げられるが、耐熱性の向上のため、特にスチレンやα-メチルスチレンなどから合成されたスチレン系粘着付与剤を用いることが好ましい。
【0018】
当該(B1)成分の軟化点としては、120℃~200℃であることが好ましく、130℃~190℃であることがより好ましく、135℃~180℃であることがさらに好ましく、140℃~170℃であることが特に好ましい。
【0019】
当該(B1)成分としては、重量平均分子量が3,500以上の芳香族系粘着付与剤(B1-1)と、重量平均分子量が3,400以下の芳香族系粘着付与剤(B1-2)と、を含有する必要がある。
【0020】
当該(B1-1)成分の重量平均分子量としては、3,650以上であることが好ましく、3,800以上であることがさらに好ましく、4,000以上であることが特に好ましい。また、当該(B1-2)成分の重量平均分子量としては、3,300以下であることが好ましく、3,200以下であることがさらに好ましく、3,100以下であることが特に好ましい。このように、重量平均分子量が異なる成分を併用し、分子量分布が広がることにより、上記(A)成分との相溶性が向上し、各種物性が良好となる効果がある。
【0021】
当該(B1)成分の配合割合としては、上記(A)成分100重量部に対して、1~1000重量部配合することが好ましく、30~800重量部配合することがさらに好ましく、50~600重量部配合することが特に好ましい。
【0022】
当該(B1-1)成分と(B1-2)成分の配合割合としては、重量比において、1:0.1~100であることが好ましく、1:0.2~50であることがさらに好ましく、1:0.4~25であることが特に好ましい。
【0023】
当該(B1-1)成分の具体例としては、Plastolyn 290(商品名、イーストマン社製、スチレン系、重量平均分子量:4,760、軟化点:140℃)、Endex 155(商品名、イーストマン社製、α-メチルスチレン系、重量平均分子量:7,560、軟化点:153℃)などが挙げられる。
【0024】
当該(B1-2)成分の具体例としては、FMR 0150(商品名、三井化学社製、スチレン系、重量平均分子量:2,040、軟化点:145℃)、FTR 2120(商品名、三井化学社製、スチレン・α-メチルスチレン共重合系、重量平均分子量:2,630、軟化点:125℃)などが挙げられる。
【0025】
(非芳香族系粘着付与剤)
本発明では、非芳香族系粘着付与剤(B2)を用いる。当該(B2)成分としては、テルペン系樹脂、ロジン系樹脂、脂肪族系炭化水素樹脂、脂環族系炭化水素樹脂、及びその水添物又は変性物などが挙げられる。
【0026】
当該(B2)成分の軟化点としては、80℃~200℃であることが好ましく、85℃~190℃であることがさらに好ましく、90℃~180℃であることが特に好ましい。
【0027】
当該(B2)成分としては、軟化点が135℃以上の非芳香族系粘着付与剤(B2-1)と、軟化点が130℃以下の非芳香族系粘着付与剤(B2-2)と、を含有することが好ましい。当該(B2-1)成分を用いることにより、ホットメルト組成物の耐熱性が向上する傾向があり、また当該(B2-2)成分を用いることにより、粘度の調整が可能となるほか、柔軟性を付与することができるため層間の密着性が向上する傾向がある。
【0028】
当該(B2)成分の配合割合としては、上記(A)成分100重量部に対して、1~1000重量部配合することが好ましく、30~800重量部配合することがさらに好ましく、50~600重量部配合することが特に好ましい。
【0029】
当該(B2-1)成分と(B2-2)成分を併用する場合、その配合割合としては、重量比において、1:0.1~10であることが好ましく、1:0.2~5であることがさらに好ましく、1:0.3~3であることが特に好ましい。
【0030】
当該(B2-1)成分の具体例としては、Eastotac H-142W(商品名、イーストマン社製、水添脂肪族系炭化水素樹脂、重量平均分子量:950、軟化点142℃)などが挙げられる。
【0031】
当該(B2-2)成分の具体例としては、T-REZ HA125(商品名、エネオス社製、水添脂環族系炭化水素樹脂、重量平均分子量:610、軟化点:125℃)などが挙げられる。
【0032】
<軟化剤>
本発明では、軟化剤(C)を用いる。当該(C)成分を用いることにより、上記(A)・(B)成分の分散性が良好となることから、被着体表面の濡れ性を高めることができ、その層間の密着性を向上させることができる。
【0033】
当該(C)成分としては、常温(23℃程度)において、液状であることが好ましい。当該(C)成分の種類としては、パラフィン系やナフテン系のオイル、流動パラフィン、ポリブテン、ポリイソブチレン、液状ワックスなどが挙げられる。
【0034】
当該(C)成分の動粘度(40℃)としては、100~3,000mm2/sであることが好ましく、150~2,000mm2/sであることがより好ましく、200~1,500mm2/sであることがさらに好ましく、250~1,000mm2/sであることが特に好ましい。
【0035】
当該(C)成分の配合割合としては、上記(A)成分100重量部に対して、1~2,500重量部配合することが好ましく、50~2,000重量部配合することがより好ましく、100~1,500重量部配合することが特に好ましい。
【0036】
当該(C)成分の具体例としては、ダイアナプロセスオイル PW-380(商品名、出光興産社製、パラフィン系オイル、動粘度(40℃):409mm2/s)、日石ポリブテン HV-15(商品名、エネオス社製、ポリブテン、動粘度(40℃):655mm2/s)などが挙げられる。
【0037】
なお、本発明では、各種の添加剤を用いることができる。添加剤の種類としては、1次酸化防止剤、2次酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤などを挙げることができる。1次酸化防止剤としては、ヒンダードフェノール系の化合物を例示することができ、その具体例としては、Irganox 1010(商品名、BASF社製)が挙げられる。また、2次酸化防止剤としては、フォスファイト系やチオエーテル系の化合物を例示することができ、その具体例としては、Irgafos 168(商品名、BASF社製)が挙げられる。
【0038】
その他、本発明においては、炭酸カルシウム、タルク、クレーなどの充填材や、防腐剤、着色剤などの各種の補助剤が含まれていても良い。
【0039】
以下に、実施例及び比較例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの記載に限定されるものではない。
【実施例0040】
<実施例及び比較例>
表1に示す配合において、190℃に設定したニーダーにより十分に混練し、実施例及び比較例にかかるホットメルト組成物を製造した。ここで、表1における数値は、重量部を表すものとする。以下に、使用した原材料を示す。
セプトン 4055(商品名、クラレ社製、スチレン-エチレン-エチレン/プロピレン-スチレンブロック共重合体(SEEPS)、トルエン溶液粘度(30℃・5wt%):90mPa・s)
Endex 155(商品名、イーストマン社製、α-メチルスチレン系、重量平均分子量:7,560、軟化点:153℃)
FMR 0150(商品名、三井化学社製、スチレン系、重量平均分子量:2,040、軟化点:145℃)
Eastotac H-142W(商品名、イーストマン社製、水添脂肪族系炭化水素樹脂、重量平均分子量:950、軟化点:142℃)
T-REZ HA125(商品名、エネオス社製、水添脂環族系炭化水素樹脂、重量平均分子量:610、軟化点:125℃)
ダイアナプロセスオイル PW-380(商品名、出光興産社製、パラフィン系オイル、動粘度(40℃):409mm2/s)
Irganox 1010(商品名、BASF社製、1次酸化防止剤)
Irgafos 168(商品名、BASF社製、2次酸化防止剤)
旭サーマルカーボン(商品名、旭カーボン株式会社、カーボンブラック)
【0041】
【0042】
上記の実施例等にて製造したホットメルト組成物について、以下の要領で各種の物性評価を行った。この結果を表2に示す。
【0043】
<溶融粘度>
ホットメルト組成物を溶融させ、ブルックフィールド粘度計により、測定温度:220℃、スピンドルNo.29、回転数:5rpmにて回転を開始し、20分後の溶融粘度(Pa・s)を測定した。当該測定値が、1~80Pa・sであれば、溶融粘度が適度であり作業性が高いため好ましい。
【0044】
<剥離強度(常態)>
ホットメルト組成物を160℃にて溶融させ、厚みが2mmのシート状とし、温度23℃・湿度50%にて24時間静置させ、固化させた。そして、20mm×20mmにカットして、ポリプロピレン板とポリカーボネート板で挟み込み、ロールで軽く圧締した後、温度23℃・湿度50%にて24時間養生することにより試験片を作製した。その後、テクノグラフ試験機(ミネビア社製)に、ポリプロピレン板の端部とポリカーボネート板の端部とを取り付け、50mm/minにて、接着面に対し垂直に引張り、剥離させた際の平均強度を剥離強度(常態)(N)とした。当該測定値が、12.5N以上であれば、接着強度が高くシール性に優れるため好ましい。
【0045】
<剥離強度(加熱後)>
ホットメルト組成物を160℃にて溶融させ、厚みが2mmのシート状とし、温度23℃・湿度50%にて24時間静置させ、固化させた。そして、20mm×20mmにカットして、ポリプロピレン板とポリカーボネート板で挟み込み、ロールで軽く圧締した後、温度100℃・湿度50%にて24時間養生し、温度23℃・湿度50%にて24時間静置することにより試験片を作製した。その後、テクノグラフ試験機(ミネビア社製)に、ポリプロピレン板の端部とポリカーボネート板の端部とを取り付け、50mm/minにて、接着面に対し垂直に引張り、剥離させた際の平均強度を剥離強度(加熱後)(N)とした。当該測定値が、30.0N以下であれば、剥離強度が低く剥がしやすいため好ましい。
【0046】
<引張強度・引張伸び>
ホットメルト組成物を160℃にて溶融させ、厚みが2mmのシート状とし、温度23℃・湿度50%にて24時間静置させ、固化させた。そして、10mm×50mmにカットして、温度23℃・湿度50%にて24時間養生させることにより試験片を作製した。その後、標点間距離20mm、500mm/minの引張速度により引張試験を行い、破断時の強度を引張強度(N/mm2)、破断時の伸び率を引張伸び(%)とした。当該測定値が、0.6N/mm2以上・1800%以上であれば、引張特性が高く解体性が向上しているため好ましい。
【0047】
<圧縮応力>
筒状の金属容器(内径27mm、高さ20mm)に、溶融させたホットメルト組成物を流し込み、温度23℃・湿度50%にて24時間養生させることにより試験片を作製した。その後、テクノグラフ試験機(ミネビア社製)により、試験片を50%圧縮した際の応力を圧縮応力(N)とした。当該測定値が、12N以下であれば、圧縮応力が適度であり被着体同士を組み付け易く好ましい。
【0048】