(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024051535
(43)【公開日】2024-04-11
(54)【発明の名称】インテリア、インテリアの製造方法及びインテリアの設置方法
(51)【国際特許分類】
B44C 3/00 20060101AFI20240404BHJP
A47G 33/00 20060101ALI20240404BHJP
【FI】
B44C3/00 F
A47G33/00 Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022157753
(22)【出願日】2022-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】521289191
【氏名又は名称】有限会社芳美商事
(74)【代理人】
【識別番号】100139996
【弁理士】
【氏名又は名称】太田 洋子
(72)【発明者】
【氏名】西村 一男
(57)【要約】
【課題】 設置場所選択の自由度向上を図るとともに、安定して安全に設置できるインテリアを提供すること。
【解決手段】
正面部110、背面部120、側面部130,130、上面部140及び所望の箇所に設置される底面部150を有する立体形状のインテリア100であって、正面部110から背面部120に向かって正面部110側から見て少なくとも最大幅を有する部位を含む視認可能な範囲を正面部側と規定し、背面部120から正面部110に向かって背面部120側から見て少なくとも最大幅を有する部位を含む視認可能な範囲を背面部側と規定し、または正面部110側からは視認不能な部位を背面部側と規定し、背面部120の表面120aを略平坦状に形成することを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
立体形状のインテリアであって、
設置時に正面側から視認される領域の少なくとも一部は、起伏形状及び曲面形状の少なくとも一方を有し、
設置時に正面側から視認されない領域の少なくとも一部は、インテリアの頂部から水平方向に延びる仮想線と交差する略平坦面を有することを特徴とするインテリア。
【請求項2】
立体形状のインテリアの製造方法であって、
設置時に正面側から視認される領域の少なくとも一部を起伏形状及び曲面形状とする工程と、
設置時に正面側から視認されない領域の少なくとも一部をインテリアの頂部から水平方向に延びる仮想線と交差する略平坦面とする工程を有することを特徴とするインテリアの製造方法。
【請求項3】
立体形状のインテリアの設置方法であって、
前記インテリアは、設置時に正面側から視認される領域の少なくとも一部に起伏形状及び曲面形状の少なくとも一方を有し、また、設置時に正面側から視認されない領域の少なくとも一部にインテリアの頂部から水平方向に延びる仮想線と交差する略平坦面を有し、
前記略平坦面を屋内または屋外に存する壁面に対向するように、若しくは、前記略平坦面を屋内または屋外に存する壁面と接するように前記インテリアを設置することを特徴とするインテリアの設置方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、室内等に設置されるインテリア、インテリアの製造方法及びインテリアの設置方法に関し、特に設置スペースの改善を図ったインテリア、インテリアの製造方法及びインテリアの設置方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、室内等に設置するもの、所謂インテリアとして、例えば装飾展示物、趣向を凝らした置物または鑑賞用置物他種々のものが提案・提供されてきている。また、広義のインテリアとしては、室内を構成する部材全般を指し、家電製品やOA機器をも含む。近時は、おしゃれでモダンな神具や仏具も提供されており、インテリア効果を醸し出している。
【0003】
特許文献1には、高強度で壊れ難く長期間鑑賞するための展示物として好適な装飾置物が開示されている。このものにあっては、ケース内に収容される装飾体の土台の基材の底面を被覆層にて被覆して土台底面を強化し、土台に装飾素材を装飾する際の土台破損の防止を意図したものである。また、装飾体をケース内に設置した状態に於いても、土台底面の被覆層により、土台破損が防止されることを意図したものである。
【0004】
特許文献2には、置物の前方から位置を変えて見たときに、遠近感のある二つの画像の位置が変化する面白い置物が開示されている。このものにあっては、透明板材の前面に前側画像が描画され、透明板材の背面に描画された後側画像を透明板材の少なくとも前方から透視可能に構成することにより、置物の前方から見る位置を変えると、透明部材の前面で静止している前側画像に対し、透明板材を透して見える背面の後側画像が移動し、前側画像と後側画像の遠近感を醸し出して面白味を呈するようにしたものである。
【0005】
特許文献3には、鑑賞者から見て、置物が載置される載置面の装飾を置物の側面に適切に映し出すことが可能な置物セットが開示されている。このものにあっては、側面に設けられ、下の置台の上面を映し出す鏡面部を有して、鏡面部は、置物の側面のうちの少なくとも置台の上面に向かって傾斜する部分に設けられるよう構成したものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特許第5097893号公報
【特許文献2】実用新案登録第3220608号公報
【特許文献2】特開2021-20434号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1に開示されたものは、高強度で壊れ難く長期間鑑賞するための装飾展示物であり、展示物全体を設置するものである。このため、設置スペースを確保することが重要となり、何処にでも手軽に設置することは極めて難しいものである。
【0008】
特許文献2に開示されたものは、前方から置物を見たときに二つの画像の位置が変化するという考案ではあるが、置物全体を設置するものである。このため、設置スペースの確保が重要であり、何処にでも手軽に設置することは難しいものである。
【0009】
特許文献3に開示されたものも上述特許文献1及び特許文献2と同様に、置物全体を設置することを想定したものである。このため、設置スペースの確保が重要であり、何処にでも手軽に設置することは難しいものである。
【0010】
上述したように、置物または鑑賞用置物他インテリアは、その設置スペースの確保が重要であり、何処にでも手軽に設置することは難しいものである。例え設置スペースを確保できたとしても、そのスペースがインテリア設置に相応しい場所であるか、所望する効果を期待できるものであるかの問題も残るものである。また、安定してインテリアを安全に設置できることも重要事項の一つでもある。
【0011】
本発明は、上記事情を考慮してなされたもので、設置場所選択の自由度向上を図ったインテリア、インテリアの製造方法及び立体形状を呈するインテリアの設置方法を提供することを目的とする。
【0012】
また、本発明は、安定して安全に設置できるインテリア、インテリアの製造方法及び立体形状を呈するインテリアの設置方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、上記目的を達成するために以下の通りの構成とすることを特徴とする。
【0014】
(1)立体形状のインテリアであって、設置時に正面側から視認される領域の少なくとも一部は、起伏形状及び曲面形状の少なくとも一方を有し、設置時に正面側から視認されない領域の少なくとも一部は、インテリアの頂部から水平方向に延びる仮想線と交差する略平坦面を有することをその特徴とする。
【0015】
(2)立体形状のインテリアの製造方法であって、設置時に正面側から視認される領域の少なくとも一部を起伏形状及び曲面形状とする工程と、設置時に正面側から視認されない領域の少なくとも一部をインテリアの頂部から水平方向に延びる仮想線と交差する略平坦面とする工程を有することをその特徴とする。
【0016】
(3)立体形状のインテリアの設置方法であって、前記インテリアは、設置時に正面側から視認される領域の少なくとも一部に起伏形状及び曲面形状の少なくとも一方を有し、また、設置時に正面側から視認されない領域の少なくとも一部にインテリアの頂部から水平方向に延びる仮想線と交差する略平坦面を有し、前記略平坦面を屋内または屋外に存する壁面に対向するように、若しくは、前記略平坦面を屋内または屋外に存する壁面と接するように前記インテリアを設置することをその特徴とする。
【0017】
上記構成によれば、正面側から視認する場合のインテリアの美観効果を損なうことなく設置場所の選択の自由度を向上させることができるため、実用的で有用性の高い優れたインテリアを提供できる。
【0018】
また、上記構成によれば、略平坦面の存在により、インテリアの安定した安全な設置が可能となり、安心度の向上を期待できるものである。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、インテリアの美観効果を損なうことなく設置場所選択の自由度向上を図れるとともに、安定した安全なインテリアの設置が可能となるので、実用的で有用性が高く、優れた効果を奏するインテリアを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の一実施形態に係わるインテリアの外観を模式的に示す正面図である。
【
図2】同実施形態に係わり、インテリアの外観を模式的に示す側面図である。
【
図3】同実施形態に係わり、インテリアの外観を模式的に示す背面図である。
【
図4】同実施形態に係わり、インテリアの外観を模式的に示す上面図である。
【
図5】同実施形態に係わり、インテリアの外観を模式的に示す底面図である。
【
図6】同実施形態に係わり、インテリアの本来的な外観を二点鎖線にて模式的に示す仮想側面図である。
【
図7】同実施形態に係わり、インテリアの製造の流れを示す図である。
【
図8】同実施形態に係わり、インテリアの設置の流れを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態につき、図を参照して説明する。
【0022】
本実施形態に係るインテリア100は、立体形状を呈し、正面部110、背面部120、側面部130,130、上面部140及び底面部150を有する。
本実施形態のインテリア100は、例えば樹脂にて一体形成された幅(
図1中、正面部120の左端から右端迄)がWcm、底面部150の最下端から上面部140の最先端迄高さがHcm、奥行(正面部110の表面の最先端部位から背面部120の表面120aの最先端部位迄)がDcmの三重塔を模したものである。しかし、これに限らず他の素材、他の寸法、他の形成法または他の立体形状を呈するものであってよいことは勿論である。
【0023】
本実施形態において、インテリア100の設置時に正面側から視認される領域は、正面部110である。そして、
図1に示すように、正面部110は、起伏形状を有している。
なお、本実施形態では、インテリア100を三重塔を模したものとしたが、その形状はこれに限定されるものではない。よって、正面部110は、その全体が起伏形状を有していてもよく、また、その一部が起伏形状を有していてもよいものである。更に、正面部110は、曲面形状を有していてもよく、起伏形状と曲面形状の両方を有していてもよい。
なお、インテリア100の安定性を考慮すると、その設置時に正面側から視認される領域は、最大幅(MAXW)を有する部位を含む視認可能な領域となることが好ましい。本実施形態にあっては、最大幅(MAXW)は、Wcmとなり、この最大幅を有する部位は、正面部110となる。
【0024】
また、本実施形態において、インテリア100の設置時に正面側から視認されない領域は、背面部120、側面部130,130である。
背面部120は、
図2に示すように、その表面120aがインテリア100の頂部から水平方向に延びる仮想線Xと交差する略平坦状を呈している。なお、本実施形態においては、背面部120は、表面120aが前記仮想線Xと直交するように構成されているが、これに限定されるものではなく、表面120aが仮想線Xと交差し得る態様であれば、その構成は特に限定されない。
なお、インテリア100の安定性を考慮すると、背面部120の幅、即ち、背面部120から正面部110に向かって視認した場合の最大幅は、MAXW以上であることが好ましい。本実施形態の場合、MAXWと、背面部120から正面部110に向かって視認した場合の最大幅とは、Wcmとなる。
【0025】
また、本実施形態では、側面部130,130も起伏形状を有しているが、曲面形状を有していてもよく、起伏形状と曲面形状の両方を有していてもよく、これらの形状を有していなくともよい(即ち、略平坦面でもよい)。
更に、本実施形態では、側面部130,130もインテリア100の設置時に正面側から視認されない領域となっているが、側面部130,130の少なくとも一方が、インテリア100の設置時に正面側から視認される領域となるようにしてもよい。
【0026】
底面部150の表面150aは、インテリア100を設置・載置する設置面に対して安定して設置可能とするために略平坦状に形成されている。しかし、底面部150の表面150aを略平坦状に形成することは必須ではなく、インテリア100が底面部150を介して安定して設置・載置できれば他の構造であってもよいことは勿論である。
【0027】
なお、インテリア100の本来的な形状は、
図6に仮想線(二点鎖線)にて示すよう立体形状を呈するものである。即ち、背面部120の表面120aを基線にして左右対称形状を呈し、正面部110と仮想背面部122、上面部140と仮想上面部142、側面部130と仮想側面部132及び底面部150と仮想底面部152が夫々同一形状及び同一体積となるものである。
【0028】
上記構成につき、インテリア100の製造の流れについて、
図7を参照して説明する。
【0029】
先ず、インテリア100の設置時に正面側から視認される領域、即ち、正面部110を特定する。この際、前記最大幅(MAXW)を有する部位を含む視認可能な領域を正面部110として特定することが好ましい。そして、当該領域を正面部110として形成する(ステップS720参照)。
【0030】
次に、インテリア100の設置時に正面側から視認されない領域から、背面部120を特定し、これを形成する。この際、背面部120の表面120aがインテリア100の頂部から水平方向に延びる仮想線Xと交差するように背面部120を形成する(ステップS740)。また、側面部130,130も形成する。
【0031】
この後、底面部150の表面150aを略平坦状に形成する(ステップS760)。而して正面部110、背面部120、側面部130,130、上面部140及び所望の箇所に設置されることになる底面部150を有する立体形状を呈するインテリア100が完成する。
【0032】
なお、背面部120及び底面部150を略平坦状に形成する工程の順序は、これに限定される訳ではない。
【0033】
斯様なインテリア100の設置方法について、
図8を参照して説明する。
【0034】
先ず、インテリア100を設置・載置する所望のスペースの幅が、インテリア100の最大幅(MAXW)より大であることを確認する(ステップS820参照)。
【0035】
次に、底面部150を所望の箇所に設置・載置する(ステップS840)。例えば、出窓の窓台や壁面に設けられたニッチカウンターに設置・載置する。
【0036】
そして、背面部150が壁面側に対向して近接するよう設置・載置調整する(ステップS860)。若しくは、背面部150が壁面側に接するようインテリア100を設置・載置調整してもよい。これにより、インテリア100の設置が完了する。
【0037】
上記実施形態によれば、正面部110側から見たときのインテリア効果に特化しているので、従来は奥行きが不足しているために設置が見送られたものであっても設置が可能となり、設置場所の選択の自由度が向上し、実用的で有用性の高いインテリア100を提供できるものである。例えば、従来は奥行が2Dcmのため、当該寸法を確保できなかったものであっても、本実施形態によれば、奥行が半分のDcmになるため、インテリアの設置が実現可能となるものである。
【0038】
また、上記実施形態によれば、底面部150が略平坦状に形成されており、安定した安全な設置が可能となり、安心度の向上を期待できるものである。
【0039】
さらに、上記実施形態によれば、背面部120が略平坦状に形成されており、壁面に近接または密着させることができるので、安定した安全な設置が可能となり、安心度の向上を期待できるものである。
【0040】
さらに、上記実施形態によれば、本来的な大きさの半分で実現できるので、経済的であり、またSDGsにも貢献・寄与できるものである。
【0041】
本発明は上記実施形態に限定されることなく、要旨を逸脱しない限り種々の変形が可能である。
上記本実施形態では、インテリアを三重塔を模したものとしたが、例えば、神棚や神仏棚を模したものとすることもできる。
【符号の説明】
【0042】
100 …インテリア
110 …正面部
120 …背面部
120a …背面部の表面
130 …側面部
140 …上面部
150 …底面部