(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024051591
(43)【公開日】2024-04-11
(54)【発明の名称】斜面除草車両
(51)【国際特許分類】
F02M 35/10 20060101AFI20240404BHJP
F01P 5/06 20060101ALI20240404BHJP
A01D 34/86 20060101ALI20240404BHJP
F02M 35/16 20060101ALI20240404BHJP
【FI】
F02M35/10 311Z
F01P5/06 510A
A01D34/86
F02M35/16 Q
【審査請求】未請求
【請求項の数】1
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022157835
(22)【出願日】2022-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】390005234
【氏名又は名称】株式会社筑水キャニコム
(74)【代理人】
【識別番号】110002549
【氏名又は名称】弁理士法人綾田事務所
(72)【発明者】
【氏名】包行 良光
(72)【発明者】
【氏名】上杉 まり
(72)【発明者】
【氏名】山崎 久興
【テーマコード(参考)】
2B083
【Fターム(参考)】
2B083AA01
2B083BA12
2B083BA15
2B083CA09
2B083CA28
2B083CA30
2B083HA14
2B083HA59
(57)【要約】
【課題】他の機器を追加することなく、エンジンの空気取り入れ口に発生する吸引力のみでエンジンの冷却効率の向上と、同時にオイルクーラの冷却を可能とする斜面除草車両の提供
【解決手段】エンジンの空気取り入れ口4を筒状に囲う導風筒5を備え、導風筒5の側壁に先端に外気吸い込み口7を有しエンジン3の空気取り入れ口と4連通する空気吸い込みホース6を接続し、前記導風筒5の開口部に油圧ポンプ13eの作動油冷却用オイルクーラ13fを備え、前記導風筒5内の流路を2分割に仕切る仕切り板8を有する構造。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンの空気取り入れ口を筒状に囲う導風筒を備え、
前記導風筒の側壁に先端に外気吸い込み口を有しエンジンの空気取り入れ口と連通する空気吸い込みホースを接続し、
前記導風筒の開口部に油圧ポンプの作動油冷却用オイルクーラを備え、
前記導風筒内の流路を2分割に仕切る仕切り板を設けたことを特徴とする斜面除草車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、斜面除草車両におけるエンジン関係の冷却効率向上技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、オイルクーラの冷却にはエンジン出力軸から別系統で動力を取り出し、ファンを回して冷却風を発生させる方式や、電動モータにファンを装着して同じように冷却風を発生させる方式がとられている。
なお、エンジンを動力源とする除草作業車両におけるエンジンへの冷却用空気取り入れ口の配置は、エンジンに設けられた空気取り入れ口から外気を取り入れている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、冷却風を発生させるファン駆動には、別系統で伝達する回転力や、別の機器を設けるなど補器類の追加部品が発生し、コストパフォーマンスを得られる構造ではない。また、別に設置した部品の故障リスクも増加するという問題もある。
【0005】
そこで、本発明では、他の機器を追加することなく、エンジンの空気取り入れ口に発生する吸引力のみでエンジンの冷却効率の向上と、同時にオイルクーラの冷却を可能とする斜面除草車両を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため請求項1記載の斜面除草車両は、エンジンの空気取り入れ口を筒状に囲う導風筒を備え、
前記導風筒の側壁に先端に外気吸い込み口を有しエンジンの空気取り入れ口と連通する空気吸い込みホースを接続し、
前記導風筒の開口部に油圧ポンプの作動油冷却用オイルクーラを備え、
前記導風筒内の流路を2分割に仕切る仕切り板を設けたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の斜面除草車両では、上述のように、エンジンの空気取り入れ口を筒状に囲う導風筒を備え、前記導風筒の側壁に先端に外気吸い込み口を有しエンジンの空気取り入れ口と連通する空気吸い込みホースを接続し、前記導風筒の開口部に油圧ポンプの作動油冷却用オイルクーラを備え、前記導風筒内の流路を2分割に仕切る仕切り板を設けたことで、以下の効果が得られる。
すなわち、導風筒内に設けた仕切り板によりオイルクーラを通過し暖められた冷却風をエンジンの空気取り入れ口まで全部取り入れず、冷たい外気が暖められた冷却風と混合しないようになるため、エンジンの冷却効率低下を抑制する効果が得られる。
また、他の機器を追加することなく、エンジンの空気取り入れ口に発生する吸引力のみでエンジンの冷却と、同時にオイルクーラの冷却が可能になるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】実施例1の斜面除草車両を示す正面図である。
【
図5】実施例1の斜面除草車両におけるエンジンの冷却装置を示す一部切欠背面図である。
【
図8】実施例1の斜面除草車両を示す側面図である。
【
図9】実施例1の斜面除草車両におけるモア装置の詳細を示す平面図である。
【
図10】モア装置における除草装置の通常位置を示す平面図である。
【
図11】モア装置における除草装置のスライド位置を示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下にこの発明の実施例を図面に基づいて説明する。
以下、図面に基づいて本発明を説明する。
【実施例0010】
まず、この実施例1の斜面除草車両を図面に基づいて説明する。
この実施例1の斜面除草車両は、
図1~4に示すように、走行駆動装置1と、除草装置2と、エンジンの冷却装置と、除草装置2のモア装置と昇降装置を主な構成として備えている。
【0011】
前記走行装置1は、走行駆動モータ(アキシャルモータ)1aで駆動される無限軌道1bで走行車体を前後方向に走行駆動させる。
走行装置1の駆動操作は遠隔操縦で行われる。
【0012】
前記除草装置2は、刈刃2aを備え、走行車体の前側にモア装置と昇降装置を介して設けられている。
【0013】
前記エンジンの冷却装置は、
図5~8に示すように、この実施例1では、エンジンの空気取り入れ口4を筒状に囲う導風筒5を備え、前記導風筒5の側壁に先端に外気吸い込み口7を有しエンジン3の空気取り入れ口4と連通する空気吸い込みホース6を接続し、前記空気吸い込みホース6の外気吸い込み口7から取り入れた外気を導風筒5を介してエンジン3の空気取り入れ口4に供給する構造とした。
また、前記導風筒5の開口部に油圧ポンプ13eの作動油冷却用オイルクーラ13fを備え、前記導風筒5内の流路を2分割に仕切る仕切り板8を設けた。なお、図において9はスクリーンを示す。
【0014】
前記モア装置は、除草装置2を駆動するエンジン3を備えた走行車体に対し除草装置2を走行車体の幅方向にスライドさせる装置である。
即ち、
図8~11に示すように、前記除草装置2のモアカバー2bの内側には刈刃回転軸2cが装着され、モアカバー2b両側面にスライドリンク2cを上下2本橋渡した構造でモアカバー2bが支持されている。
【0015】
また、前記除草装置2は、走行車体の先端で回動支点13aを中心として上下回動自在な昇降リンク13を備え、該昇降リンク13の先端が前記スライドリンク2cに対し、樹脂ブッシュ(ドーナツ型)13bを介して滑動自在に接続されている。
前記モア装置における除草装置2のスライドは手動で行われる。また、樹脂ブッシュ(ドーナツ型)13bにはスライドを停止させるスライドロックピン13cを備えている。
【0016】
また、前記除草装置2は、前記昇降リンク13内に備えた昇降油圧シリンダ13dの駆動により走行車体に対し昇降リンク13を介して昇降可能となっている。なお、
図8において13eは油圧ポンプ、13fはオイルクーラである。
【0017】
また、
図9に示すように、エンジン3の駆動力が→モアクラッチ41→ユニバールジョイント42→ギヤボックス43→駆動軸44→(駆動プーリ→従動ベルト)→刈刃用回転軸(モア軸)45を介して刈刃装置2の刈刃2aに伝達される。
【0018】
次に実施例1の斜面除草車両におけるエンジンの冷却装置の作用について説明する。
実施例1のエンジン冷却装置においては、除草作業が終了した斜面における左片側に備えた外気吸い込み口7から外気を吸い込んだ後、導風筒5内を経由してエンジンの空気取り入れ口4に供給される。
【0019】
次に実施例1の効果を説明する
本発明実施例のエンジン3の冷却装置では、上述のように、導風筒5内に設けた仕切り板8によりオイルクーラ13fを通過し暖められた冷却風をエンジン3の空気取り入れ口4まで全部取り入れず、冷たい外気が暖められた冷却風と混合しないようになるため、エンジン3の冷却効率低下を抑制する効果が得られる。
また、他の機器を追加することなく、エンジン3の空気取り入れ口4に発生す13fの冷却が可能になるという効果が得られる。
【0020】
以上本実施例を説明してきたが、本発明は上述の実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても、本発明に含まれる。
【0021】
例えば、実施例1では、無限軌道を用いたが、これには
限定されず車輪でも良い。
また、実施例1ではエンジン3の冷却用空気取り入れ口7を車体の左片側に配置したが、右片側でも良い。