(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024051594
(43)【公開日】2024-04-11
(54)【発明の名称】軸流ファン
(51)【国際特許分類】
F04D 29/38 20060101AFI20240404BHJP
【FI】
F04D29/38 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022157842
(22)【出願日】2022-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】000180025
【氏名又は名称】山洋電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】弁理士法人信栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】山崎 嘉久
【テーマコード(参考)】
3H130
【Fターム(参考)】
3H130AA13
3H130AB26
3H130AB52
3H130AC30
3H130BA66C
3H130CB01
3H130DD01Z
3H130EB01C
3H130EB05C
(57)【要約】
【課題】ファン性能の高い軸流ファンを提供する。
【解決手段】吸い込み側から吐き出し側へ流れる気流を生じさせる、複数の羽根2を有する軸流ファンであって、羽根2は、羽根2の外周縁2aに、吸い込み側に向かって立ち上がった反り部10が設けられており、吸い込み側から見て、外周縁2aに亘って設けられた反り部10の開始位置11が、径方向外側に向かって突出する凸曲線となっており、吸い込み側から見て、凸曲線の全長をXとしたとき、羽根2の前縁2cから凸曲線の頂点bまでの長さYが、0<Y≦0.6Xである。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
吸い込み側から吐き出し側へ流れる気流を生じさせる、複数の羽根を有する軸流ファンであって、
前記羽根は、
前記羽根の外周縁に、前記吸い込み側に向かって立ち上がった反り部が設けられており、
前記吸い込み側から見て、外周縁に亘って設けられた前記反り部の開始位置が、径方向外側に向かって突出する凸曲線となっており、
前記吸い込み側から見て、前記凸曲線の全長をXとしたとき、前記羽根の前縁から前記凸曲線の頂点までの長さYが、0<Y≦0.6Xである、軸流ファン。
【請求項2】
0.2X≦Yである、請求項1に記載の軸流ファン。
【請求項3】
前記前縁での前記反り部の開始位置は、前記羽根の後縁での前記反り部の開始位置よりも、径方向の内側に位置する、請求項1に記載の軸流ファン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軸流ファンに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、羽根の外縁に沿って凸縁を設けた軸流ファンが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の軸流ファンによれば、羽根の外周縁に沿って反り部を設けることで、インペラ回転時に、遠心力によって外周縁の外側へ空気が流出するのを防止し、外周縁に沿って空気が流れるようにして、風量-静圧特性等のファン性能を向上させている。
【0005】
しかしながら、インペラの回転数や静圧が増加すると、空気が反り部を超えて外周縁の外側へ流出し、ファン性能が低下してしまう恐れがあった。
また、空気が反り部を超えて外周縁の外側へ流出するのを防止するために、反り部の反り角度を大きくすることが考えられる。しかしながら、反り部の反り角度を大きくすると、外周縁の外側への空気の流出は抑制されるものの、風量が低下し、却ってファン性能が低下してしまう恐れがあった。
【0006】
そこで、本発明は、ファン性能の高い軸流ファンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面に係る軸流ファンは、
吸い込み側から吐き出し側へ流れる気流を生じさせる、複数の羽根を有する軸流ファンであって、
前記羽根は、
前記羽根の外周縁に、前記吸い込み側に向かって立ち上がった反り部が設けられており、
前記吸い込み側から見て、外周縁に亘って設けられた前記反り部の開始位置が、径方向外側に向かって突出する凸曲線となっており、
前記吸い込み側から見て、前記凸曲線の全長をXとしたとき、前記羽根の前縁から前記凸曲線の頂点までの長さYが、0<Y≦0.6Xである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ファン性能の高い軸流ファンを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施形態に係る軸流ファンの斜視図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る軸流ファンのインペラの斜視図である。
【
図3】従来例に係るインペラの一部を示す平面図である。
【
図4】比較例1に係るインペラの一部を示す平面図である。
【
図5】
図4に示したインペラの一部の断面図である。
【
図6】比較例2に係るインペラの一部を示す平面図である。
【
図7】比較例3に係るインペラの一部を示す平面図である。
【
図8】本発明の実施形態に係るインペラの一部を示す平面図である。
【
図9】風量に対する静圧、および消費電力の測定結果を示すグラフである。
【
図10】同様のPQ特性を有する複数のインペラにおいて、反り部の開始位置である凸曲線の頂点の位置に対する消費電力の測定結果を示すグラフである。
【
図11】反り部の開始位置である凸曲線の頂点の位置に対するフリーエアーでの消費電力の測定結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。尚、実施形態の説明において既に説明された部材と同一の参照番号を有する部材については、説明の便宜上、その説明は省略する。また、本図面に示された各部材の寸法は、説明の便宜上、実際の各部材の寸法とは異なる場合がある。
【0011】
図1は、本発明の実施形態に係る軸流ファン1の一例を示す斜視図である。
図1の(A)は軸流ファン1の吸込み側(以下、上流側とも呼ぶ)から見た斜視図、(B)は軸流ファン1の吐出し側(以下、下流側とも呼ぶ)から見た斜視図である。
図1に示すように、軸流ファン1は、複数の羽根2を有するインペラ3と、インペラ3の内部に設けられたモータ4と、インペラ3およびモータ4を収容するハウジング5と、インペラ3とハウジング5を接続するスポーク6と、を備える。
【0012】
モータ4は、回転軸8の回転軸線Axを中心に回転方向Vにインペラ3を回転駆動する。
【0013】
ハウジング5は、例えば、全体の形状が略矩形状に形成されている。ハウジング5は、空気を吸い込む吸込口5aと吸い込んだ空気を吐き出す吐出口5bとを有する。複数の羽根2の回転によって、吸込口5aから吸い込まれた空気は、送風方向Wに送られ、吐出口5bから外部に吐出される。換言すると、軸流ファン1は、吸込口5aから吐出口5bへ流れる気流を生じさせる。
ハウジング5は、インペラ3を収容するための円柱状の空間を形成する内周壁51を有している。内周壁51の内径は、インペラ3の外径より僅かに大きい。
【0014】
図2は、本発明の実施形態に係る軸流ファン1のインペラ3の斜視図である。図に示す一例では、インペラ3は、カップ状のハブ9と、ハブ9から径方向外側に延びる複数の羽根2を有している。複数の羽根2はハブ9の周壁部に取り付けられている。複数の羽根2は、羽根2の外周縁2aの前端が羽根2の付け根2bの前端よりも回転方向Vに前進した前進翼である。また、複数の羽根2は、それぞれが回転軸8の軸方向に対して傾斜して設けられている。
なお、以下の説明において、前後方向に言及する際には、回転方向Vに対して定義するものとする。すなわち、回転方向の上流側を前方とよび、回転方向の下流側を後方と呼ぶ。羽根2の外縁のうち、前方に位置する縁を前縁2c、径方向外側に位置する縁を外周縁2a、後方に位置する縁を後縁2dと呼ぶことがある(
図3参照)。
【0015】
図3は、従来例に係るインペラ3の一部を示す上流側から見た平面図である。
図3では、理解しやすくするために、複数の羽根2のうち1つのみを示している。また、羽根2の表面の空気の流れを説明するため、羽根2の表面を流れる気流W1~W3を破線矢印で示す。気流W1は羽根2の径方向内側(付け根2b側)を流れる気流を示し、気流W2は羽根2の径方向中間領域(付け根2b側と外周縁2a側の中間領域)を流れる気流を示し、気流W3は羽根2の径方向外側(外周縁2a側)を流れる気流を示す。
【0016】
図3に示すように、従来例に係るインペラ3においては、羽根2の外周縁2aに沿って上流側(
図3の紙面奥側)から下流側(
図3の紙面手前側)に向かって立ち上がる反り部が設けられていない。そのため、インペラ3が回転方向Vに回転して気流を生じさせると、径方向外側を流れる気流W3に遠心力が作用し、羽根2の表面に沿って流れる気流W3はそのまま外周縁2aから径方向外側へ流出してしまう。このように外周縁2aから流出する気流W3が生じてしまうと、ファン本来の性能が発揮できず、ファン性能が低下してしまう恐れがある。
【0017】
以下、
図8に示す本発明の実施形態に係るインペラ3の形状を説明するために、
図4~6を用いて比較例1~3を説明する。なお、
図4~7では、理解しやすくするために、複数の羽根2のうち1つのみを示している。
【0018】
図4は、比較例1に係るインペラ3の一部を示す平面図である。
図4に示した比較例1のインペラ3においては、羽根2の外周縁2aに沿って上流側(
図4の紙面奥側)から下流側(
図4の紙面手前側)に向かって立ち上がる反り部10が設けられている。
図4において、羽根2の前縁2cの付け根2b側の端部を点A、前縁2cの外周縁2a側の端部を点A’、後縁2dの付け根2b側の端部を点C、後縁2dの外周縁2a側の端部を点C’と定義する。
【0019】
図5は、
図4に示したインペラ3の断面図である。
図5に示したように、羽根2の上流側の表面は、付け根2bから径方向外側に向かって延びる曲面で構成されている。羽根2の外周側には、羽根2の付け根2bから延びる曲面の曲率が変化し、上流側に向かって立ち上がる反り部10が設けられている。この羽根2の上流側の表面において、羽根2の付け根2bから延びる曲面の曲率が変化する点を、反り部10の開始位置11と呼ぶ。
図4に戻り、反り部10の開始位置11の前縁2c側の端部を点a、反り部10の開始位置11の後縁2d側の端部を点cと定義し、反り部10の開始位置11を点aから点cまで破線で示す。
【0020】
図4に示すように、反り部10は、羽根2の前縁2cから後縁2dに亘って設けられている。反り部10の開始位置11(点aから点cまでの破線)は外周縁2aに沿った略円弧状である。
【0021】
図6は、比較例2に係るインペラ3の一部を示す平面図である。なお、
図4と同様に、点A、A’、C、C’、a、cを定義し、反り部10の開始位置11を点aから点cまで破線で示す。
【0022】
図6に示すように、比較例2では、点aが点A’と一致しており、前縁2cには反り部10が設けられていない。
【0023】
図7は、比較例3に係るインペラ3の一部を示す平面図である。なお、
図4と同様に、点A、A’、C、C’、a、cを定義し、反り部10の開始位置11を点aから点cまで破線で示す。
【0024】
図7に示すように、比較例3では、点cが点C’と一致しており、後縁2dには反り部10が設けられていない。
【0025】
以下、
図8を用いて本発明の実施形態に係るインペラ3の形状を説明する。
【0026】
図8は、本発明の実施形態に係るインペラ3の一部を示す平面図である。なお、
図4と同様に、点A、A’、C、C’、a、cを定義し、反り部10の開始位置11を点aから点cまで破線で示す。
【0027】
図8に示すように、本実施形態に係るインペラ3において、反り部10の開始位置11は径方向外側に向かって突出する凸曲線である。ここで、凸曲線の頂点を点b、点bを通って羽根2の形状に沿って径方向外側に延びる仮想線が外周縁2aと交差する点を点B’と定義する。
ここで、点A’から点aまでの曲線の長さが点B’から点bまでの曲線の長さよりも長く、点B’から点bまでの曲線の長さが点C’から点cまでの曲線の長さよりも短くなるように、点bは設定されている。
【0028】
図3で説明したように、反り部10を設けない軸流ファンでは、気流W3が外周縁2aから流出してしまう。そこで、
図4のように、単に外周縁2aに沿って開始位置11が延びるような反り部10を設けただけでは、高い回転数で回転するような、高い静圧が作用する環境下では、気流W3が反り部10を乗り越えて外周縁2aから流出してしまう。そこで、反り部10の開始位置11の形状を工夫することにより、気流W3の外周縁2aからの流出を抑止することを、本発明者は検討した。
【0029】
まず、本発明者は、
図6のような形状の反り部10を設けることを検討した。
図4の形状では、羽根2の後方(後縁2d付近)で、気流W3が流出しやすい。そこで、
図6に示すように羽根2の後方に反り部10を設ければ、反り部10を最低限の大きさで確保しつつ、気流W3の外周縁2aからの流出を抑制できると考えた。しかしながら、
図6に示した羽根2では、羽根2にぶつかった気流W3がそのまま外周縁2aの径方向外側へと向かって流出してしまい、羽根2が効率よく空気を捕まえることができず、軸流ファンの性能を高めにくいことを見出した。
【0030】
次に、本発明者は、
図7のような形状の反り部10を設けることを検討した。
図7に示すように、羽根2の前方(前縁2c付近)に反り部10を設ければ、羽根2にぶつかった気流W3は外周縁2aの前部から流出しにくくなり、一応の理想的な流れはできるようにも思われる。しかしながら、反り部10は羽根2の本来の形状とは異なる形状であり、反り部10を大きく確保すれば、その分だけ羽根2の本来の仕事量が減ってしまう。その結果、羽根2全体の仕事量が減るので軸流ファンが生じさせることのできる風量が低下してしまうことを見出した。
【0031】
そこで、本発明者は、
図8のような、気流W3が外周縁2aから流出しにくく、かつ羽根2の仕事量を極力減らさない反り部10の形状を設けることを検討した。
図8に示した反り部10を有する羽根2においては、まず空気の流入口である羽根2の前縁2cにおいては、反り部10を大きく確保した。つまり、点A’から点aまでの長さを大きく確保した。このように大きな反り部10により、羽根2の前縁2cにおいては、気流W3に後方へ向かって強く流れるベクトルを与えることができる。
羽根2の周方向の中間部においては、反り部10の大きさを小さくし、この中間部に流入した気流W3をそのままの勢いで後方へ流す。
中間部を流れてきた気流W3は、遠心力により徐々に径方向外側へ向かうベクトルが強まるため、中間部から後縁2dにかけて反り部10を徐々に大きくすることで、気流W3が外周縁2aから径方向外側に流出することを抑制する。
このような形状の反り部10を設けることで、反り部10の面積を最小限に抑えつつ、気流W3の外周縁2aからの流出を抑制することができる。
【0032】
なお、羽根2の前縁2cでの反り部10の開始位置11は、羽根2の後縁2dでの反り部10の開始位置11よりも、径方向内側に位置してもよい。羽根2による空気の流入口である羽根2の前縁2cにおいて、気流W3に後方へ向かって流れるベクトルをより強く与えることができる。
【0033】
次に、従来例のインペラ23、比較例1~3のインペラ33、43、53、本実施形態のインペラ3をそれぞれ用いた軸流ファンの、静圧-風量特性(以降、PQ特性と呼ぶ)の測定結果について説明する。
【0034】
図9は、それぞれのインペラを用いた軸流ファンのPQ特性を示すグラフである。横軸に風量、縦軸に静圧を示す。従来例のインペラ23、比較例1~3のインペラ33、43、53、本発明の実施形態のインペラ3について、所定の電力量で駆動した際の風量と静圧を測定した。
図9に示すように、特定の風量(例えば3m
3/min)を出力するように軸流ファンを駆動した際の静圧は、従来例のインペラ23を用いた軸流ファン(約70pa)、比較例1~3のインペラ33、43、53を用いた軸流ファン(約90pa)、本実施形態のインペラ3を用いた軸流ファン(95pa以上)の順に大きくなっている。各軸流ファンには同じ電力量を投入しているにもかかわらず、本実施形態の軸流ファンが最も高い静圧であったため、本実施形態の軸流ファンが最も効率が高いことが確認できた。
【0035】
次に、
図8に示す本実施形態のインペラを有する軸流ファンにおいて、点bの位置を変化させた場合の消費電力の影響について、
図10を用いて説明する。なお、反り部10の開始位置11の凸曲線における点bの相対位置rを、凸曲線の全長Xに対する、点aから点bまでの凸曲線の長さYの割合(r=Y/X)で表現することとする。rは0から1の間で変化する。
【0036】
図10は、r=0.2,0.4,0.6と設定したインペラがそれぞれ同様のPQ特性となるように、各々の軸流ファンに任意の電力量を投入した際の消費電力の測定結果を示すグラフである。具体的には、まずr=0.2のインペラを有する軸流ファンについて任意の電力量を投入してPQ特性および風量を変化させた際の消費電力を測定した。次に、r=0.4のインペラを有する軸流ファンについて、特定の風量(例えば1m
3/min)の出力時に、r=0.2のインペラを有する軸流ファンが示した該風量の時の静圧(例えば120MPa)となるように、電力量を投入した。このときの消費電力を測定した。このようにして、風量0~6m
3/minに亘って同様の静圧が得られるときの消費電力を測定した。同様にしてr=0.6と設定したインペラを有する軸流ファンについても電力を測定した。
【0037】
図10は、b=0.4と設定したインペラを有する軸流ファンが、他の軸流ファンよりも少ない電力量で同様のPQ特性が得られること示している。つまり
図10は、b=0.4と設定したインペラを有する軸流ファンが、b=0.2,0.6と設定したインペラを有する軸流ファンと比べて、電力効率が良いことを示している。
【0038】
さらに、bがどの範囲であれば効率的な軸流ファンが実現できるかを検討した。このような検討に先立ち、点bを変化させた際のPQ特性および消費電力の関係について確認した。
図10は、r=0.2,0.4,0.6のいずれも、破線は同じような間隔で並んでおり、同じPQ特性を示す運転条件においては、風量の変化に対する消費電力の変化が同様であることを示している。そこで、様々なPQ特性の中から、代表としてフリーエアー(無負荷状態)時のPQ特性を示すときの消費電力に着目し、rの最適値を検討した。
図11は、rを様々に変化させたときの、フリーエアー時の消費電力を測定した結果である。
図11に示したように、0<r≦0.6と設定した場合、フリーエアー電力が小さくなる。特に、0.2≦r≦0.6と設定した場合、フリーエアー電力が12.7W以下でより小さくなることが確認できた。
なお、
図11においてはフリーエアー時の消費電力を測定し、最適なrの範囲を論じた。このような最適なrの範囲は、他の運転条件の時にも同様である。
図10において、運転条件が変化してもそれに伴って電力も同様に変化することが確認されているからである。したがって、
図11より、どのような運転条件においても、0<r≦0.6と設定するのが好ましく、特に、0.2≦r≦0.6と設定することがより好ましい。
【0039】
以上、本発明の実施形態について説明をしたが、本発明の技術的範囲が本実施形態の説明によって限定的に解釈されるべきではないのは言うまでもない。本実施形態は単なる一例であって、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内において、様々な実施形態の変更が可能であることが当業者によって理解されるところである。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲に記載された発明の範囲及びその均等の範囲に基づいて定められるべきである。
【符号の説明】
【0040】
1 軸流ファン
2 羽根
2a 外周縁
2b 付け根
2c 前縁
2d 後縁
3 インペラ
4 モータ
5 ハウジング
6 スポーク
8 回転軸
9 ハブ
10 反り部
11 開始位置
51 内周壁
V 回転方向
W 送風方向
W1、W2、W3 気流