(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024051628
(43)【公開日】2024-04-11
(54)【発明の名称】印刷管理システム、管理装置のためのコンピュータプログラム、及び、第1の端末装置のためのコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
G06F 3/12 20060101AFI20240404BHJP
G06Q 50/10 20120101ALI20240404BHJP
【FI】
G06F3/12 373
G06F3/12 303
G06F3/12 384
G06Q50/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022157898
(22)【出願日】2022-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】成田 建樹
【テーマコード(参考)】
5L049
5L050
【Fターム(参考)】
5L049CC12
5L050CC12
(57)【要約】
【課題】印刷装置のユーザに印刷費用が支給され得る状況において、ユーザの利便性が向上する技術を開示する。
【解決手段】第1の端末装置は、印刷データを印刷装置に送信し、特定の印刷識別情報と印刷ログ情報とを管理装置に送信する。印刷装置は、印刷データによって表わされる印刷画像を印刷媒体に印刷する。第2の端末装置は、特定の印刷識別情報の入力と、管理方法の入力と、を受け付ける場合に、特定の印刷識別情報と管理方法を示す方法情報とを管理装置に送信する。管理装置は、特定の印刷識別情報に関連付けて印刷ログ情報と方法情報とをメモリに記憶する。管理装置は、第1の端末装置から特定の印刷識別情報と印刷ログ情報とを受信した後に、第2の端末装置から特定の印刷識別情報と方法情報とを受信することなく第1のタイミングが到来する場合に、管理方法を入力すべきことをユーザに通知するための通知情報を送信する。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷管理システムであって、
第1の端末装置と、第2の端末装置と、印刷装置と、管理装置と、を備え、
前記第1の端末装置は、
特定の印刷識別情報に関連する特定の識別関連情報を含む印刷画像を表わす印刷データを前記印刷装置に送信し、
前記特定の印刷識別情報と印刷ログ情報とを前記管理装置に送信し、
前記印刷装置は、
前記第1の端末装置から前記印刷データを受信し、
前記印刷データによって表わされる前記印刷画像を印刷媒体に印刷し、
前記第2の端末装置は、
前記印刷画像が印刷された印刷済み媒体に含まれる前記特定の識別関連情報に関連する前記特定の印刷識別情報の入力と、前記印刷済み媒体の管理方法の入力と、を受け付ける場合に、前記特定の印刷識別情報と、前記管理方法を示す方法情報と、を前記管理装置に送信し
前記管理装置は、
前記第1の端末装置から前記特定の印刷識別情報と前記印刷ログ情報とを受信し、
前記第2の端末装置から前記特定の印刷識別情報と前記方法情報とを受信し、
前記特定の印刷識別情報に関連付けて前記印刷ログ情報と前記方法情報とをメモリに記憶させ、
前記第1の端末装置から前記特定の印刷識別情報と前記印刷ログ情報とが受信された後に、前記第2の端末装置から前記特定の印刷識別情報と前記方法情報とが受信されることなく第1のタイミングが到来する場合に、前記管理方法を入力すべきことをユーザに通知するための通知情報を送信し、
前記特定の印刷識別情報に関連付けて前記印刷ログ情報と前記方法情報とが前記メモリに記憶された後に、前記印刷ログ情報は、前記ユーザへの印刷費用の支給に関連する支給関連処理を実行するために利用される、
印刷管理システム。
【請求項2】
管理装置のためのコンピュータプログラムであって、
前記管理装置のコンピュータを、以下の各部、即ち、
特定の印刷識別情報に関連する特定の識別関連情報を含む印刷画像を表わす印刷データが第1の端末装置から印刷装置に送信される場合に、前記第1の端末装置から、前記特定の印刷識別情報と印刷ログ情報とを受信する第1の情報受信部と、
前記印刷装置によって前記印刷画像が印刷媒体に印刷された後に、第2の端末装置から、前記特定の印刷識別情報と、印刷済み媒体の管理方法を示す方法情報と、を受信する第2の情報受信部と、
前記特定の印刷識別情報に関連付けて前記印刷ログ情報と前記方法情報とをメモリに記憶させる第1の記憶制御部であって、前記特定の印刷識別情報に関連付けて前記印刷ログ情報と前記方法情報とが前記メモリに記憶された後に、前記印刷ログ情報は、ユーザへの印刷費用の支給に関連する支給関連処理を実行するために利用される、前記第1の記憶制御部と、
前記第1の端末装置から前記特定の印刷識別情報と前記印刷ログ情報とが受信された後に、前記第2の端末装置から前記特定の印刷識別情報と前記方法情報とが受信されることなく第1のタイミングが到来する場合に、前記管理方法を入力すべきことを前記ユーザに通知するための通知情報を送信する通知情報送信部と、
として機能させる、コンピュータプログラム。
【請求項3】
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、さらに、
前記特定の印刷識別情報に関連付けて前記印刷ログ情報と前記方法情報とが前記メモリに記憶された後に、前記印刷ログ情報を利用して前記支給関連処理を実行する支給関連処理実行部として機能させる、請求項2に記載のコンピュータプログラム。
【請求項4】
前記支給関連処理実行部は、
前記第1のタイミングよりも遅い第2のタイミングが到来する前に、前記第2の端末装置から前記特定の印刷識別情報と前記方法情報とが受信される場合に、前記印刷ログ情報を利用して前記支給関連処理を実行し、
前記第2の端末装置から前記特定の印刷識別情報と前記方法情報とが受信されることなく前記第2のタイミングが到来する場合に、前記印刷ログ情報を利用して前記支給関連処理を実行しない、請求項3に記載のコンピュータプログラム。
【請求項5】
前記通知情報は、さらに、前記管理方法が入力されないと前記印刷ログ情報に基づく前記印刷費用が支給されないことを前記ユーザに通知するための情報を含む、請求項2に記載のコンピュータプログラム。
【請求項6】
前記通知情報は、前記管理方法を入力すべきことを前記ユーザに再通知するタイミングを設定するための情報を含む、請求項2に記載のコンピュータプログラム。
【請求項7】
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、さらに、
前記印刷装置が第1のロケーションに設置されている第1の場合に、前記第1の端末装置から前記特定の印刷識別情報と前記印刷ログ情報とが受信された後に、第1の入力画面を表わす第1の入力画面データを前記第1の端末装置に送信する第1の画面データ送信部であって、前記第1の入力画面は、前記印刷済み媒体の仮の管理方法と、前記第1のタイミングと、を入力するための画面である、前記第1の画面データ送信部と、
前記第1の入力画面において前記仮の管理方法と前記第1のタイミングとが入力される場合に、前記第1の端末装置から、前記仮の管理方法を示す仮の方法情報と、前記第1のタイミングを示すタイミング情報と、を受信する第3の情報受信部と、
前記特定の印刷識別情報に関連付けて前記仮の方法情報と前記タイミング情報とを前記メモリに記憶させる第2の記憶制御部と、
として機能させる、請求項3に記載のコンピュータプログラム。
【請求項8】
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、さらに、
前記第1のロケーションとは異なる第2のロケーションに前記印刷装置が設置されている第2の場合に、前記第1の端末装置から前記特定の印刷識別情報と前記印刷ログ情報とが受信された後に、前記管理方法を入力するための第2の入力画面を表わす第2の入力画面データを前記第1の端末装置に送信する第2の画面データ送信部と、
前記第2の入力画面において前記管理方法が入力される場合に、前記第1の端末装置から、前記管理方法を示す前記方法情報を受信する第4の情報受信部と、
として機能させ、
前記第2の情報受信部は、
前記第1の場合に、前記第2の端末装置から前記特定の印刷識別情報と前記方法情報とを受信し、
前記第2の場合に、前記第2の端末装置から前記特定の印刷識別情報と前記方法情報とを受信せず、
前記支給関連処理実行部は、
前記第1の場合に、前記印刷ログ情報を利用して前記支給関連処理を実行し、
前記第2の場合に、前記印刷ログ情報を利用して前記支給関連処理を実行せず、
前記通知情報送信部は、
前記第1の場合において、前記第1のタイミングが到来する場合に、前記通知情報を送信し、
前記第2の場合に、前記通知情報を送信しない、請求項7に記載のコンピュータプログラム。
【請求項9】
前記通知情報送信部は、前記ユーザのメールアドレスを宛先メールアドレスとして含むと共に、前記通知情報を含む電子メールを送信する、請求項2に記載のコンピュータプログラム。
【請求項10】
前記通知情報送信部は、前記第1の端末装置にインストールされているアプリケーションプログラムを送信先として、前記通知情報を送信する、請求項2に記載のコンピュータプログラム。
【請求項11】
第1の端末装置のためのアプリケーションプログラムであって、
前記第1の端末装置のコンピュータを、以下の各部、即ち、
特定の印刷識別情報に関連する特定の識別関連情報を含む印刷画像を表わす印刷データを印刷装置に送信する印刷データ送信部であって、前記印刷装置では、前記印刷データによって表わされる前記印刷画像が印刷媒体に印刷される、前記印刷データ送信部と、
前記特定の印刷識別情報と印刷ログ情報とを管理装置に送信する第1の情報送信部であって、前記印刷データによって表わされる前記印刷画像が前記印刷装置によって印刷媒体に印刷された後に、印刷済み媒体に含まれる前記特定の識別関連情報に関連する前記特定の印刷識別情報の入力と、前記印刷済み媒体の管理方法の入力と、が第2の端末装置によって受け付けられる場合に、前記特定の印刷識別情報と、前記管理方法を示す方法情報と、が前記第2の端末装置から前記管理装置に送信され、前記管理装置では、前記特定の印刷識別情報に関連付けて前記印刷ログ情報と前記方法情報とがメモリに記憶され、前記特定の印刷識別情報に関連付けて前記印刷ログ情報と前記方法情報とが前記メモリに記憶された後に、前記印刷ログ情報は、ユーザへの印刷費用の支給に関連する支給関連処理を実行するために利用される、前記第1の情報送信部と、
前記管理装置が、前記第1の端末装置から前記特定の印刷識別情報と前記印刷ログ情報とを受信した後に、前記第2の端末装置から前記特定の印刷識別情報と前記方法情報とが受信されることなく第1のタイミングが到来する場合に、前記管理装置から、前記管理方法を入力すべきことを前記ユーザに通知するための通知情報を受信する通知情報受信部と、
前記管理装置から前記通知情報が受信される場合に、前記通知情報を前記第1の端末装置の表示部に表示させる第1の表示制御部と、
として機能させる、アプリケーションプログラム。
【請求項12】
前記通知情報は、さらに、前記管理方法が入力されないと前記印刷ログ情報に基づく前記印刷費用が支給されないことを前記ユーザに通知するための情報を含む、請求項11に記載のアプリケーションプログラム。
【請求項13】
前記アプリケーションプログラムは、前記コンピュータを、さらに、
前記印刷装置が第1のロケーションに設置されている第1の場合に、前記特定の印刷識別情報と前記印刷ログ情報とが前記管理装置に送信された後に、前記管理装置から、第1の入力画面を表わす第1の入力画面データを受信する第1の画面データ受信部であって、前記第1の入力画面は、前記印刷済み媒体の仮の管理方法と、前記第1のタイミングと、を入力するための画面である、前記第1の画面データ受信部と、
前記管理装置から前記第1の入力画面データが受信される場合に、前記第1の入力画面を前記表示部に表示させる第2の表示制御部と、
前記第1の入力画面において前記仮の管理方法と前記第1のタイミングとの入力が受け付けられる場合に、前記仮の管理方法を示す仮の方法情報と、前記第1のタイミングを示すタイミング情報と、を前記管理装置に送信する第2の情報送信部と、
として機能させる、請求項11に記載のアプリケーションプログラム。
【請求項14】
前記アプリケーションプログラムは、前記コンピュータを、さらに、
前記第1のロケーションとは異なる第2のロケーションに前記印刷装置が設置されている第2の場合に、前記特定の印刷識別情報と前記印刷ログ情報とが前記管理装置に送信された後に、前記管理装置から、第2の入力画面を表わす第2の入力画面データを受信する第2の画面データ受信部と、
前記管理装置から前記第2の入力画面データが受信される場合に、前記第2の入力画面を前記表示部に表示させる第3の表示制御部と、
前記第2の入力画面において前記管理方法の入力が受け付けられる場合に、前記管理方法を示す前記方法情報を前記管理装置に送信する第3の情報送信部であって、前記管理装置は、前記第1の場合に、前記印刷ログ情報を利用して前記支給関連処理を実行し、前記第2の場合に、前記印刷ログ情報を利用して前記支給関連処理を実行しない、前記第3の情報送信部と、
として機能させ、
前記通知情報受信部は、
前記第1の場合において、前記第1のタイミングが到来する場合に、前記管理装置から前記通知情報を受信し、
前記第2の場合に、前記通知情報を受信しない、請求項13に記載のコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、印刷管理システムに関する技術を開示する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、印刷装置と管理端末とを備えるシステムが開示されている。印刷装置は、印刷物に固定された電子タグに管理情報を書き込む。管理情報は、印刷物の受け取り者、印刷物の移動状態等を含む。管理端末は、印刷物の受け取り、持ち出し等の際に、電子タグ内の管理情報を読み取り、管理情報を更新する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
特開2008-176480号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本明細書では、印刷装置のユーザに印刷費用が支給され得る状況において、ユーザの利便性が向上する技術を開示する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書によって開示される印刷管理システムは、第1の端末装置と、第2の端末装置と、印刷装置と、管理装置と、を備えてもよい。前記第1の端末装置は、特定の印刷識別情報に関連する特定の識別関連情報を含む印刷画像を表わす印刷データを前記印刷装置に送信し、前記特定の印刷識別情報と印刷ログ情報とを前記管理装置に送信してもよい。前記印刷装置は、前記第1の端末装置から前記印刷データを受信し、前記印刷データによって表わされる前記印刷画像を印刷媒体に印刷し前記第2の端末装置は、前記印刷画像が印刷された印刷済み媒体に含まれる前記特定の識別関連情報に関連する前記特定の印刷識別情報の入力と、前記印刷済み媒体の管理方法の入力と、を受け付ける場合に、前記特定の印刷識別情報と、前記管理方法を示す方法情報と、を前記管理装置に送信してもよい。前記管理装置は、前記第1の端末装置から前記特定の印刷識別情報と前記印刷ログ情報とを受信し、前記第2の端末装置から前記特定の印刷識別情報と前記方法情報とを受信し、前記特定の印刷識別情報に関連付けて前記印刷ログ情報と前記方法情報とをメモリに記憶させ、前記第1の端末装置から前記特定の印刷識別情報と前記印刷ログ情報とが受信された後に、前記第2の端末装置から前記特定の印刷識別情報と前記方法情報とが受信されることなく第1のタイミングが到来する場合に、前記管理方法を入力すべきことをユーザに通知するための通知情報を送信してもよい。前記特定の印刷識別情報に関連付けて前記印刷ログ情報と前記方法情報とが前記メモリに記憶された後に、前記印刷ログ情報は、前記ユーザへの印刷費用の支給に関連する支給関連処理を実行するために利用されてもよい。
【0006】
上記の印刷管理システムでは、管理装置は、第1の端末装置から特定の印刷識別情報と印刷ログ情報とを受信した後に、第2の端末装置から特定の印刷識別情報と管理方法を示す方法情報とを受信することなく第1のタイミングが到来する場合に、管理方法を入力すべきことをユーザに通知する。これにより、ユーザが管理方法の入力を忘れることを抑制することができる。従って、ユーザの利便性が向上する。
【0007】
管理装置を実現するためのコンピュータプログラム、当該コンピュータプログラムを記憶するコンピュータ可読記録媒体、管理装置そのもの、及び、管理装置によって実行される方法も新規で有用である。第1の端末装置を実現するためのコンピュータプログラム、当該コンピュータプログラムを記憶するコンピュータ可読記録媒体、第1の端末装置そのもの、及び、第1の端末装置によって実行される方法も新規で有用である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図4】文書編集アプリケーションによって表示される各画面の一例を示す。
【
図5】第1実施例において、ユーザ宅で印刷が実行されるケースAのシーケンス図を示す。
【
図8】第1実施例において、ユーザ宅で印刷が実行されるケースBのシーケンス図を示す。
【
図9】第1実施例において、オフィスで印刷が実行されるケースCのシーケンス図を示す。
【
図11】第2実施例において、ユーザ宅で印刷が実行されるケースDのシーケンス図を示す。
【
図12】第2実施例において、オフィスで印刷が実行されるケースEのシーケンス図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1実施例)
(印刷管理システム2の構成及び処理の概略:
図1)
図1に示されるように、印刷管理システム2は、ノートPC10と、複数個のプリンタ100A、100Bと、携帯端末200と、サーバ300と、を備える。本実施例では、ユーザは、ノートPC10を利用して、自宅4(以下では「ユーザ宅4」と記載する)でリモートワークを行なう。また、ユーザは、同じノートPC10を利用して、ユーザが所属する或る企業のオフィス6で業務(以下では「オフィスワーク」と記載する)を行なう。
【0010】
プリンタ100Aは、ユーザ宅4に設置されている。プリンタ100Bは、オフィス6に設置されている。携帯端末200は、上記のユーザによって携帯されるスマートフォンである。ノートPC10とプリンタ100Aと携帯端末200とは、ユーザ宅4のLANに接続可能であり、当該LANを介して相互に通信可能である。ノートPC10とプリンタ100Bとは、オフィス6のLANに接続可能であり、当該LANを介して相互に通信可能である。サーバ300は、インターネット上に設置されている。ノートPC10と携帯端末200とは、サーバ300と通信可能である。
【0011】
ユーザは、ノートPC10を利用してユーザ宅4で業務を行なう場合には、業務によって生成された文書データを表わす文書画像の印刷をプリンタ100Aに実行させる。この場合、ユーザによって所有されるプリンタ100Aの消耗品(例えば、色材、用紙)が消費されるので、上記の企業が印刷費用をユーザに支給する必要がある。一方、ユーザは、ノートPC10を利用してオフィス6で業務を行なう場合には、業務によって生成された文書データを表わす文書画像の印刷をプリンタ100Bに実行させる。この場合、上記の企業によって所有されるプリンタ100Bの消耗品(例えば、色材、用紙)が消費されるので、上記の企業が印刷費用をユーザに支給する必要はない。印刷費用をユーザに適切に支給する仕組みを実現するために、本実施例の印刷管理システム2が利用される。
【0012】
印刷管理システム2の動作の概略を説明する。まず、ユーザによってリモートワークが行われる場合の動作について説明する。ノートPC10は、ユーザから印刷の実行操作を受け付ける。この際に、ノートPC10は、印刷データを識別する印刷IDを生成するとともに、印刷場所がユーザ宅4であることを特定する。ノートPC10は、さらに、印刷IDを含むUniform Resource Locator(URL)をコード化することによってQRコード(登録商標)を生成する。当該URLは、サーバ300の位置情報(詳細には、後述する申請画面にアクセスするための情報)を含む。そして、ノートPC10は、QRコードを含む印刷画像を表わす印刷データを生成し、S10において、印刷データをプリンタ100Aに送信する。この場合、プリンタ100Aは、S12において、印刷データによって表わされる印刷画像を用紙に印刷する。印刷済み用紙は、上記のQRコードを含む。ノートPC10は、さらに、S14において、印刷IDと印刷場所と印刷ログ情報とをサーバ300に送信する。印刷ログ情報は、印刷に利用された用紙の枚数である印刷枚数と、当該用紙のサイズである用紙サイズと、カラー印刷又はモノクロ印刷を示す色情報と、を含む。
【0013】
サーバ300は、S14において、ノートPC10から印刷IDと印刷場所と印刷ログ情報とを受信し、S20において、印刷済み用紙の仮の管理方法を入力するための仮の申請画面を表わす仮の申請画面データをノートPC10に送信する。
【0014】
ノートPC10は、S20において、サーバ300から仮の申請画面データを受信して仮の申請画面を表示し、S22において、仮の管理方法の入力を受け付け、S24において、入力済みの仮の管理方法を示す仮の方法情報をサーバ300に送信する。
【0015】
サーバ300は、S14において、ノートPC10から印刷IDと印刷場所と印刷ログ情報とを受信し、S24において、ノートPCから仮の方法情報を受信する。この場合、サーバ300は、印刷IDに関連付けて印刷場所と印刷ログ情報と仮の方法情報とを記憶する。
【0016】
携帯端末200は、S30において、印刷済み用紙のQRコードを撮影してデコードすることによって、印刷IDを含むURLを取得する。この場合、携帯端末200は、S32において、URLにアクセスして印刷IDをサーバ300に送信する。携帯端末200は、さらに、S30において、印刷済み用紙の管理方法を入力するための申請画面を表示し、管理方法の入力を受け付け、S32において、入力済みの管理方法を示す方法情報をサーバ300に送信する。
【0017】
サーバ300は、S32において、携帯端末200から印刷IDと方法情報とを受信する。この場合、サーバ300は、印刷IDに関連付けて方法情報を記憶する。
【0018】
次いで、ユーザによってオフィスワークが行われる際の動作について説明する。ノートPC10は、ユーザから印刷の実行操作を受け付ける。この際に、ノートPC10は、印刷データを識別する印刷IDを生成するとともに、印刷場所がオフィス6であることを特定する。この場合、ノートPC10はQRコードを生成しない。そして、ノートPC10は、QRコードを含まない印刷画像を表わす印刷データを生成し、S110において、印刷データをプリンタ100Bに送信する。この場合、プリンタ100Bは、S112において、印刷データによって表わされる印刷画像を用紙に印刷する。印刷済み用紙は、QRコードを含まない。ノートPC10は、さらに、S114において、印刷IDと印刷場所と印刷ログ情報とをサーバ300に送信する。
【0019】
サーバ300は、S114において、ノートPC10から印刷IDと印刷場所と印刷ログ情報とを受信し、S120において、印刷済み用紙の管理方法を入力するための申請画面を表わす申請画面データをノートPC10に送信する。
【0020】
ノートPC10は、S120において、サーバ300から申請画面データを受信して申請画面を表示し、S122において、管理方法の入力を受け付け、S124において、入力済みの管理方法を示す方法情報をサーバ300に送信する。
【0021】
サーバ300は、S114において、ノートPC10から印刷IDと印刷場所と印刷ログ情報とを受信し、S124において、ノートPC10から方法情報を受信する。この場合、サーバ300は、印刷IDに関連付けて印刷ログ情報と印刷場所と方法情報とを記憶する。
【0022】
その後、サーバ300は、S150において、印刷場所及び印刷ログ情報に基づいて、印刷費用をユーザに支給することに関連する支給関連処理を実行する。支給関連処理は、当該ユーザに支給されるべき印刷費用の総額を計算したり、計算済みの総額を出力したりすることを含む。
【0023】
(各装置10、100A、100B、200、300の構成:
図2)
図2を参照して、印刷管理システム2を構成する各装置10、100A、100B、200、300の制御構成を説明する。
【0024】
(ノートPC10の構成)
ノートPC10は、操作部12と、表示部14と、Local Area Network(LAN)インターフェース20と、制御部30と、を備える。各部12~30は、バス線に接続されている。
【0025】
操作部12は、様々な情報をノートPC10に入力するためのインターフェースであり、マウス、キーボード等を備える。表示部14は、様々な情報を表示するためのディスプレイである。LANインターフェース20は、ユーザ宅4のLANに接続可能である。当該LANは、有線LANであってもよいし無線LANであってもよい。
【0026】
制御部30は、CPU32とメモリ34とを備える。CPU32は、メモリ34に格納されているプログラム40等に従って、様々な処理を実行する。メモリ34は、Read Only Memory(ROM)、Random Access Memory(RAM)等によって構成される。メモリ34は、OSプログラム40と、複数個のアプリケーション42、44、50、60、70A、70Bと、を記憶する。以下では、OSプログラムのことを「OS」と記載し、アプリケーションのことを「アプリ」と記載する。
【0027】
OS40は、ノートPC10の基本的な動作を制御するためのプログラムである。ブラウザアプリ42は、ウェブサーバにアクセスして、ウェブページを表示するためのプログラムである。文書編集アプリ44は、文書を編集したり生成したりするためのプログラムであり、例えば、Microsoft(登録商標)社のWord、Excel等である。これらのプログラム40~44は、通常、ノートPC10の出荷段階からノートPC10にインストールされている。
【0028】
印刷管理アプリ50は、印刷ID、印刷場所、及び、印刷ログ情報をサーバ300に送信するためのプログラムである。仮想プリンタ60は、QRコードを生成してQRコードを画像に付加するためのプログラムである。これらのプログラム50、60は、ノートPC10が出荷された後に、ノートPC10にダウンロードされてインストールされる。各プログラム50、60は、例えばサーバ300を所有するサービス事業者から提供される。
【0029】
プリンタドライバ70Aは、プリンタ100Aが解釈可能なデータ形式を有する印刷データを生成して、当該印刷データをプリンタ100Aに送信するためのプログラムである。プリンタドライバ70Bは、プリンタ100Bが解釈可能なデータ形式を有する印刷データを生成して、当該印刷データをプリンタ100Bに送信するためのプログラムである。各プリンタドライバ70A、70Bは、ノートPC10が出荷された後に、ノートPC10にダウンロードされてインストールされる。プリンタドライバ70Aは、プリンタ100Aと共に出荷されるメディアからノートPC10にダウンロードされてもよいし、プリンタ100Aのベンダによって設置される図示省略のサーバからノートPC10にダウンロードされてもよい。プリンタドライバ70Bは、プリンタ100Bと共に出荷されるメディアからノートPC10にダウンロードされてもよいし、プリンタ100Bのベンダによって設置される図示省略のサーバからノートPC10にダウンロードされてもよい。プリンタ100Aのベンダとプリンタ100Bのベンダとは、同じでもよいし、異なっていてもよい。
【0030】
メモリ34は、さらに、複数個のプリンタキュー62、72A、72Bを備える。各プリンタキュー62、72A、72Bは、OS40によってメモリ34内に生成される。仮想プリンタキュー62は、仮想プリンタ60に割り当てられる記憶領域である。仮想プリンタキュー62は、他のアプリケーションから仮想プリンタ60に供給される前のデータ、及び、仮想プリンタ60によって生成されるデータ(即ち仮想プリンタ60から他のアプリケーションに供給されるデータ)を一時的に記憶する。プリンタキュー72Aは、プリンタドライバ70Aに割り当てられる記憶領域である。プリンタキュー72Aは、他のアプリケーションからプリンタドライバ70Aに供給される前のデータ、及び、プリンタドライバ70Aによって生成される印刷データを一時的に記憶する。プリンタキュー72Bは、プリンタドライバ70Bに割り当てられる記憶領域である。プリンタキュー72Bは、他のアプリケーションからプリンタドライバ70Bに供給される前のデータ、及び、プリンタドライバ70Bによって生成される印刷データを一時的に記憶する。
【0031】
(プリンタ100A、100Bの構成)
各プリンタ100A、100Bは、印刷機能を実行可能な周辺装置(例えば携帯端末200の周辺装置)である。変形例では、各プリンタ100A、100Bは、印刷機能に加えて、スキャン機能、FAX機能等を実行可能な多機能機であってもよい。各プリンタ100A、100Bは、操作部112と、表示部114と、印刷実行部116と、LANインターフェース120と、制御部130と、を備える。各部112~130は、バス線に接続されている。
【0032】
操作部112は、様々な情報をプリンタ100A、100Bに入力するためのインターフェースであり、ボタン、タッチスクリーン等を備える。表示部114は、様々な情報を表示するためのディスプレイである。印刷実行部116は、インクジェット方式、レーザー方式等の印刷機構を備える。プリンタ100AのLANインターフェース120は、ユーザ宅4のLANに接続可能である。プリンタ100BのLANインターフェース120は、オフィス6のLANに接続可能である。
【0033】
制御部130は、CPU132とメモリ134とを備える。CPU132は、メモリ134に格納されているプログラム140に従って、様々な処理を実行する。メモリ134は、ROM、RAM等によって構成される。
【0034】
(携帯端末200の構成)
携帯端末200は、操作部212と、表示部214と、カメラ216と、LANインターフェース220と、制御部230と、を備える。各部212~230は、バス線に接続されている。
【0035】
操作部212は、様々な情報を携帯端末200に入力するためのインターフェースであり、ボタン、タッチスクリーン等を備える。表示部214は、様々な情報を表示するためのディスプレイである。表示部214は、タッチスクリーンとして機能する。カメラ216は、画像を撮影するためのデバイスである。本実施例では、カメラ216は、印刷済み用紙に含まれるQRコードを撮影するために利用される。LANインターフェース220は、ユーザ宅4のLANに接続可能である。
【0036】
制御部230は、CPU232とメモリ234とを備える。CPU232は、メモリ234に格納されているプログラム240等に従って、様々な処理を実行する。メモリ234は、ROM、RAM等によって構成される。OS240は、携帯端末200の基本的な動作を制御するためのプログラムである。ブラウザアプリ242は、ウェブサーバにアクセスして、ウェブページを表示するためのプログラムである。
【0037】
(サーバ300の構成)
サーバ300は、印刷管理システム2を実現するためのサービスを提供するサービス事業者によってインターネットに設置される。サービス事業者は、プリンタ100A、100Bのベンダと同じであってもよいし異なっていてもよい。サーバ300は、インターネットに設置される物理的なサーバであってもよいし、クラウド上の仮想サーバ、仮想マシン等であってもよい。変形例では、サーバ300は、例えば上記の企業内のネットワークに設置される管理PCであってもよい。別の変形例では、サーバ300は、別体に構成されている複数個のデバイスによって構成されてもよい。例えば、サーバ300は、ノートPC10及び携帯端末200との通信を実行するためのサーバと、当該サーバとは別体に構成されているデータベースと、によって構成されてもよい。
【0038】
サーバ300は、通信インターフェース320と、制御部330と、を備える。通信インターフェース320は、インターネットに接続されている。制御部330は、CPU332とメモリ334とを備える。CPU332は、メモリ334に格納されているプログラム340に従って、様々な処理を実行する。メモリ334は、ROM、RAM等によって構成される。メモリ334は、さらに、管理テーブル350を記憶する。
【0039】
(管理テーブル350の内容:
図3)
図3を参照して、サーバ300の管理テーブル350の内容を説明する。管理テーブル350は、ノートPC10及び携帯端末200から受信される情報を記憶するためのテーブルである。
【0040】
管理テーブル350では、メールアドレスとユーザIDと印刷IDと印刷場所と印刷日時と印刷枚数と色とが関連付けて記憶される。メールアドレスは、企業に所属する各ユーザに割り当てられるメールアドレスである。ユーザIDは、各ユーザに割り当てられるIDである。印刷IDは、印刷データを識別するIDである。印刷場所は、ユーザ宅4で印刷が実行されたことを示す「ユーザ宅」と、オフィス6で印刷が実行されたことを示す「オフィス」と、のうちのいずれかを示す。印刷日時は、印刷が実行された日時である。印刷枚数は、印刷に利用された用紙の枚数である。用紙サイズは、印刷に利用された用紙のサイズである。色は、モノクロ印刷又はカラー印刷を示す情報である。
【0041】
管理テーブル350では、さらに、仮の管理方法と仮の申請日時と申請期限と最終期限と管理方法と申請日時と費用とが関連付けて記憶される。仮の管理方法は、印刷済み用紙の仮の管理方法である。仮の申請日時は、仮の管理方法の申請がなされた日時である。申請期限は、仮の管理方法が申請された後に申請されるべき実際の管理方法の申請期限であり、ユーザによって設定される。申請期限は、実際の管理方法を入力すべきことをユーザに通知するタイミングでもある。最終期限は、実際の管理方法の最終期限であり、サーバ300によって自動的に設定される。なお、変形例では、サーバ300の管理者によって最終期限が設定されてもよい。管理方法は、印刷済み用紙の実際の管理方法である。申請日時は、実際の管理方法の申請がなされた日時である。費用は、ユーザに支給されるべき印刷費用である。
【0042】
(印刷のための各画面:
図4)
図4を参照して、ノートPC10に表示される各画面の内容を説明する。画面SC10に示されるように、ユーザは、文書編集アプリ44を利用して、文字列「AAAAA」等を含む文書画像を表わす文書データを生成する。ユーザは、文書画像の印刷を望む場合に、画面SC10内のファイルボタンB1を選択する。この場合、文書編集アプリ44は、画面SC12を表示する。
【0043】
ユーザは、画面SC12内の印刷ボタンB2を選択する。この場合、文書編集アプリ44は、画面SC14を表示する。画面SC14は、プリンタキューを選択するための選択欄SA1を含む。初期状態では、選択欄SA1は、現在のデフォルトプリンタであるプリンタ100Aに対応するプリンタキュー72A(即ちプリンタドライバ70Aに対応するプリンタキュー72A)の名称「pr_AAA」を示す。画面SC16に示されるように、ユーザは、選択欄SA1内のボタンB3を選択して、プリンタキュー72Aの名称「pr_AAA」に代えて、仮想プリンタ60に対応する仮想プリンタキュー62の名称「virtual」を指定する。
【0044】
ユーザは、画面SC16内のプロパティボタンB4を選択する。この場合、文書編集アプリ44は、画面SC18を表示する。画面SC18は、ユーザ宅用プリンタを選択するための選択欄SA2と、オフィス用プリンタを選択するための選択欄SA3と、を含む。初期状態では、各選択欄SA2、SA3は空欄である。画面SC20に示されるように、ユーザは、選択欄SA2内のボタンB6を選択して、プリンタキュー72Aの名称「pr_AAA」を指定するとともに、選択欄SA3内のボタンB7を選択して、プリンタキュー72Bの名称「pr_BBB」を指定する。画面SC20では、ユーザ宅用プリンタとしてプリンタドライバ70A、換言すると、プリンタ100Aが指定されている。また、オフィス用プリンタとしてプリンタドライバ70B、換言すると、プリンタ100Bが指定されている。その後、ユーザは、画面SC16を再び表示させて、画面SC16内の印刷ボタンB5を選択する。これにより、各プリンタ100A、プリンタ100Bを利用した印刷が実行される。
【0045】
(具体的なケースA~ケースC:
図5~
図10)
図5~
図10を参照して、本実施例の印刷管理システム2によって実現される具体的なケースA~ケースCについて説明する。以下では、各デバイスのCPUを主体として処理の内容を説明せずに、各デバイスそのもの又はアプリを主体として処理の内容を説明する。ノートPC10において、アプリは、OS40を介して、CPU等のハードウェア及びドライバを制御する。携帯端末200において、アプリは、OS240を介してハードウェアを制御する。サーバ300において、プログラム340は、OSを介してハードウェアを制御する。ハードウェア、ドライバ等がOSを介してアプリによって制御されることは、本明細書では適宜省略して説明する。
【0046】
(ケースA;
図5~
図7)
図5~
図7を参照して、ユーザ宅4に設置されているプリンタ100Aを利用した印刷が実行され、その後に、管理方法が携帯端末200に入力されるケースAについて説明する。ケースAの開始日時は「8/20 12:10」である。
【0047】
文書編集アプリ44は、T10において、画面SC16内の印刷ボタンB5(
図4参照)の選択を受け付ける。この場合、文書編集アプリ44は、選択欄SA1(
図4参照)で指定済みの仮想プリンタキュー62に対応する仮想プリンタ60に処理を指示する。
【0048】
仮想プリンタ60は、まず、印刷データを受信可能なプリンタが設置されている場所(即ち印刷場所)を特定する。具体的には、プリンタドライバ70Aにはプリンタ100AのIPアドレスがプリンタポートとして登録されており、仮想プリンタ60は、T20において、当該IPアドレスを送信先として接続確認を送信する。
【0049】
本ケースでは、ノートPC10がユーザ宅4に設置されているので、ノートPC10とプリンタ100Aとが通信可能である。このために、プリンタ100Aは、ノートPC10から接続確認を受信することができる。この場合、プリンタ100Aは、T22において、接続確認を受信したことを示す接続OKをノートPC10に送信する。
【0050】
仮想プリンタ60は、T22において、プリンタ100Aから接続OKを受信すると、プリンタ100Aが印刷データの送信先のプリンタであると判断する。そして、仮想プリンタ60は、接続確認が成功したプリンタポートを備えるプリンタドライバ70Aに対応するプリンタキュー72Aがユーザ宅用プリンタに指定されているので(
図4の画面SC20内の選択欄SA2参照)、印刷場所が「ユーザ宅」であることを特定する。
【0051】
次いで、仮想プリンタ60は、ユニークな文字列である印刷ID「P1」を生成する。仮想プリンタ60は、さらに、申請画面SC32にアクセスするための情報と、印刷ID「P1」と、を含むURL「http://server.com/SC32?P1」を生成する。仮想プリンタ60は、URLをコード化することによってQRコード410を生成する。仮想プリンタ60は、T24において、QRコード410を文書画像に付加して、付加済み画像400を生成する。そして、仮想プリンタ60は、印刷管理アプリ50に処理を指示する。この際に、仮想プリンタ60は、印刷場所「ユーザ宅」を示す印刷場所情報を印刷管理アプリ50に供給する。
【0052】
印刷管理アプリ50は、印刷ID「P1」、印刷枚数、用紙サイズ、及び、色情報を特定するとともに、印刷場所情報によって示される印刷場所「ユーザ宅」を特定する。そして、印刷管理アプリ50は、T26において、印刷指示をプリンタドライバ70Aに供給することによって、プリンタドライバ70Aに処理を指示する。
【0053】
プリンタドライバ70Aは、付加済み画像400を変換して、プリンタ100Aが解釈可能なデータ形式を有する印刷画像を表わす印刷データを生成する。そして、プリンタドライバ70Aは、T30において、印刷データをプリンタ100Aに送信する。
【0054】
プリンタ100Aは、T30において、ノートPC10から印刷データを受信すると、T32において、印刷データによって表わされる印刷画像を用紙に印刷する。これにより、印刷済み用紙がユーザに提供される。
【0055】
印刷管理アプリ50は、さらに、T40において、ユーザID「U1」と印刷ID「P1」と印刷場所「ユーザ宅」と印刷ログ情報とをサーバ300に送信する。印刷ログ情報は、印刷枚数、用紙サイズ、及び、色情報(本ケースでは「3」、「A4」、「モノクロ」)を含む。
【0056】
サーバ300は、T40において、ノートPC10から印刷ID「P1」等を受信すると、T42において、これらの情報を管理テーブル350に記憶させる。即ち、サーバ300は、ユーザID「U1」と印刷ID「P1」と印刷場所「ユーザ宅」と印刷枚数「3」と用紙サイズ「A4」と色情報「モノクロ」とを関連付けて管理テーブル350に記憶させる。サーバ300は、印刷ID「P1」等の受信日時を印刷日時として管理テーブル350に記憶させる。サーバ300は、管理テーブル350とは別のテーブル(図示省略)から、ユーザID「U1」に関連付けられているメールアドレス「aaa@abc.com」を取得し、印刷ID「P1」に関連付けて取得済みのメールアドレスを管理テーブル350に記憶させる。
【0057】
サーバ300は、現在日時を利用して最終期限を決定し、印刷ID「P1」に関連付けて決定済みの最終期限を管理テーブル350に記憶させる。本ケースでは、サーバ300は、現在日時の次の月の初日の時刻「00:00」を最終期限として決定する。なお、最終期限は、当月の最終日の時刻「23:59」、給料日の所定日前(例えば5日前)の時刻「00:00」等であってもよい。この時点では、印刷ID「P1」に関連付けて、仮の管理方法、仮の申請日時等は記憶されない。
【0058】
次いで、サーバ300は、T50において、メールアドレス「aaa@abc.com」を送信先アドレスとして含むとともに、仮の管理方法及び申請期限の入力をユーザに促すためのメッセージと、仮の申請画面SC30(
図6参照)にアクセスするためのリンク情報と、を含む電子メールEM1を送信する。当該リンク情報は、仮の申請画面SC30にアクセスするための情報と、印刷ID「P1」と、を含むURL「http://server.com/SC30?P1」である。
【0059】
本実施例では、メールアドレス「aaa@abc.com」がノートPC10に設定されている。このために、ノートPC10のOS40(より具体的には図示省略のメーラアプリ)は、T50において、サーバ300から電子メールEM1を受信し、電子メールEM1の表示操作を受け付けると、T52において、電子メールEM1を表示部14に表示させる。OS40は、T54において、電子メールEM1内のリンク情報を選択する操作を受け付けると、当該リンク情報に含まれるURL「http://server.com/SC30?P1」を含む起動指示をブラウザアプリ42に供給することによって、処理をブラウザアプリ42に指示する。
【0060】
ブラウザアプリ42は、T56において、URL「http://server.com/SC30?P1」を含む仮の申請画面データ要求をサーバ300に送信し、T58において、サーバ300から仮の申請画面データを受信する。ブラウザアプリ242は、
図6のT60において、仮の申請画面データによって表わされる仮の申請画面SC30を表示部14に表示させる。仮の申請画面SC30は、仮の管理方法を選択(即ち入力)するための複数個のチェックボックスと、申請期限の入力欄と、仮申請ボタンと、を含む。自宅破棄、自宅保管は、それぞれ、ユーザ宅4で印刷済み用紙を破棄、保管することを意味する。会社破棄、会社保管は、それぞれ、オフィス6で印刷済み用紙を破棄、保管することを意味する。配布は、印刷済み用紙を例えば取引先で配布することを意味する。ブラウザアプリ42は、T62において、仮の申請画面SC30内の「会社保管」に対応するチェックボックスへのチェックの付与を受け付け、入力欄への申請期限「8/27 19:00」の入力を受け付け、仮申請ボタンを選択するための操作を受け付ける。この場合、ブラウザアプリ42は、T64において、仮の管理方法「会社保管」を示す仮の方法情報と、申請期限「8/27 19:00」を示す第1のタイミング情報と、をサーバ300に送信する。
【0061】
サーバ300は、T64において、ノートPC10から仮の方法情報と第1のタイミング情報とを受信すると、T66において、T56(
図5参照)で受信済みのURLに含まれる印刷ID「P1」に関連付けて仮の方法情報と第1のタイミング情報(即ち申請期限)とを管理テーブル350に記憶させる。サーバ300は、仮の方法情報等の受信日時を仮の申請日時として管理テーブル350に記憶させる。このように、管理テーブル350に仮の方法情報が記憶されるので、サーバ300の管理者は、ユーザが実際の管理方法の入力を忘れた場合であっても、印刷済み媒体の管理方法を知り得る。
【0062】
その後、ユーザは、日時「8/25 10:00」において、携帯端末200を利用して実際の管理方法の入力を行なう。携帯端末200のカメラ216は、T70において、印刷済み用紙に含まれるQRコード410を撮影してデコードすることによって、URL「http://server.com/SC32?P1」を取得する。そして、カメラ216は、当該URLを含む起動指示をブラウザアプリ242に供給することによって、処理をブラウザアプリ242に指示する。
【0063】
ブラウザアプリ242は、T72において、URL「http://server.com/SC32?P1」を含む申請画面データ要求をサーバ300に送信して、T74において、サーバ300から申請画面データを受信する。ブラウザアプリ242は、
図7のT76において、申請画面データによって表わされる申請画面SC32を表示部214に表示させる。申請画面SC32は、実際の管理方法を選択(即ち入力)するための複数個のチェックボックスと、申請ボタンと、を含む。ブラウザアプリ242は、T78において、申請画面SC32内の「会社保管」に対応するチェックボックスへのチェックの付与を受け付け、申請ボタンを選択するための操作を受け付ける。この場合、ブラウザアプリ242は、T80において、管理方法「会社保管」を示す方法情報をサーバ300に送信する。
【0064】
サーバ300は、T80において、携帯端末200から方法情報を受信すると、T82において、T72(
図6参照)で受信済みのURLに含まれる印刷ID「P1」に関連付けて、方法情報によって示される実際の管理方法を管理テーブル350に記憶させる。サーバ300は、さらに、方法情報の受信日時を申請日時として管理テーブル350に記憶させる。方法情報が管理テーブル350に記憶されるので、管理者は、印刷済み用紙の実際の管理方法を知ることができる。
【0065】
(支給関連処理)
サーバ300は、管理テーブル350内の最終期限「9/1 00:00」が到来すると、T90において、支給関連処理を実行する。サーバ300は、まず、管理テーブル350に記憶されている複数個のユーザIDのうちの1個のユーザID(例えば「U1」)を特定する。次いで、サーバ300は、特定済みのユーザIDに関連付けられている1個の印刷ID(例えば「P1」)を特定する。サーバ300は、特定済みの印刷IDに関連付けて、印刷場所「ユーザ宅」と管理方法とが記憶されていることを条件として、特定済みの印刷IDに関連付けられている印刷ログ情報(即ち、印刷枚数、用紙サイズ、及び、色情報)に基づいて印刷費用を算出する。そして、サーバ300は、特定済みの印刷IDに関連付けて、印刷費用を管理テーブル350に記憶させる。
【0066】
具体的には、サーバ300は、モノクロ印刷の場合には、用紙サイズに関わらず、印刷枚数に単価10円を乗じて得られる金額を印刷費用として算出する。例えば、印刷ID「P1」に関連付けて、印刷枚数「3」、用紙サイズ「A4」、及び、色情報「モノクロ」が記憶されている(
図3参照)。この場合、サーバ300は、30円(3枚×10円)を印刷費用として算出する。そして、サーバ300は、印刷ID「P1」に関連付けて費用「30円」を管理テーブル350に記憶させる。また、サーバ300は、カラー印刷の場合には、用紙サイズに関わらず、印刷枚数に単価50円を乗じて得られる金額を印刷費用として算出する。なお、変形例では、用紙サイズに応じて単価が変更されてもよい。
【0067】
サーバ300は、特定済みのユーザIDに関連付けられている全ての印刷IDについて、上記のように印刷費用を算出して管理テーブル350に記憶させる。そして、サーバ300は、特定済みのユーザIDに関連付けられている全ての印刷費用の総額を算出し、特定済みのユーザIDと算出済みの総額とを対応付けて所定のテーブルに記憶させる。次いで、サーバ300は、他の全てのユーザIDのそれぞれについても総額を算出し、当該ユーザIDと総額とを対応付けて上記の所定のテーブルに記憶させる。
【0068】
なお、サーバ300は、特定済みの印刷IDに関連付けて印刷場所「オフィス」が記憶されている場合には、特定済みの印刷IDに関連付けられている印刷ログ情報に基づく印刷費用を算出しない。オフィスワークの場合には、印刷費用をユーザに支給する必要がないからである。また、サーバ300は、特定済みの印刷IDに関連付けて印刷場所「ユーザ宅」が記憶されているが、実際の管理方法が記憶されていない場合には、特定済みの印刷IDに関連付けられている印刷ログ情報に基づく印刷費用を算出しない。このように、実際の管理方法が記憶されないと印刷費用がユーザに支給されないので、実際の管理方法の入力をユーザに促すことができる。サーバ300は、携帯端末200から印刷IDと方法情報とが受信されることなく最終期限が到来する場合に、当該印刷IDに関連付けられている印刷ログ情報に基づいて支給関連処理を実行しない。従って、所定期間(例えば1ヶ月)毎にユーザに支給すべき印刷費用を適切に算出することができる。
【0069】
サーバ300は、上記のように支給関連処理が実行された各印刷IDについては、処理済みを示すフラグ(図示省略)を記憶する。これにより、支給関連処理が実行された各印刷IDについて、支給関連処理が再び実行されるのを抑制することができる。なお、変形例では、サーバ300は、支給関連処理が実行された各印刷ID及びそれに関連付けられている各情報を管理テーブル350から消去してもよい。
【0070】
サーバ300は、さらに、上記の所定のテーブルを利用して、複数のユーザのそれぞれについて、当該ユーザの印刷費用を当該ユーザの給与に計上する処理を実行し、さらに、印刷費用を含む給与を当該ユーザの給与受け取り口座に振り込む処理を実行する。これにより、各ユーザに印刷費用が支給される。
【0071】
上述したように、サーバ300は、(A)印刷IDに関連付けて印刷場所「ユーザ宅」及び方法情報が記憶されているのか否かを判断すること(即ち当該印刷IDに対応する印刷が印刷費用の支給対象であるのか否かを判断すること)、(B)印刷ログ情報に基づいて印刷費用を算出すること、(C)所定期間におけるユーザの印刷費用の総額を算出すること、(D)印刷費用の総額をユーザの給与に計上すること、及び、(E)印刷費用の総額をユーザの口座に振り込むこと、を実行する。変形例では、サーバ300は、(A)~(E)の全てを実行しなくてもよく、(A)~(E)のうちの一部の処理のみを実行してもよい。例えば、サーバ300は、(A)~(C)のみを実行して上記の所定のテーブルを生成し、上記の所定のテーブルを管理者端末に送信してもよい。この場合、管理者は、(D)及び(E)を実行することができる。一般的に言うと、サーバ300は、(A)~(E)の全ての処理を実行してもよいし、(A)~(E)のうちの一部である1個以上の処理のみを実行してもよい。より一般的に言うと、支給関連処理は、(A)のみ、(B)のみ、(C)のみ、(D)のみ、又は、(E)のみを含んでいてもよいし、(A)~(E)のうちの2個以上を含んでいてもよいし、(A)~(E)の全てを含んでいてもよい。
【0072】
なお、本実施例では、携帯端末200は、
図6のT72において、印刷ID「P1」をサーバ300に送信し、その後、
図7のT80において、方法情報をサーバ300に送信する。これに代えて、変形例では、携帯端末200は、管理方法の入力を受け付けた後に、印刷ID「P1」と方法情報とをまとめてサーバ300に送信してもよい。
【0073】
(ケースB;
図8)
続いて、
図8を参照して、ユーザ宅4に設置されているプリンタ100Aを利用した印刷が実行され、その後に、管理方法が携帯端末200に入力されないケースBについて説明する。
【0074】
まず、ノートPC10、プリンタ100A、及び、サーバ300の間で、
図5のT10~T58、及び、
図6のT60~T66と同様の処理が実行される。本ケースでは、ユーザは、携帯端末200への実際の管理方法の入力を忘れている。この場合、サーバ300は、ノートPC10から印刷ID「P1」と印刷ログ情報とを受信した(
図5のT40参照)後に、携帯端末200から印刷ID「P1」と方法情報とを受信することなく、管理テーブル350内の申請期限「8/27 19:00」が到来する。この場合、サーバ300は、管理テーブル350内の申請期限「8/27 19:00」に関連付けられているメールアドレス「aaa@abc.com」を特定し、T110において、メールアドレス「aaa@abc.com」を送信先アドレスとして含む電子メールEM2を送信する。
【0075】
電子メールEM2は、さらに、複数のメッセージと、リマインド画面SC40にアクセスするためのリンク情報「http://server.com/SC40」と、を含む。複数のメッセージは、申請期限が過ぎていることを示す第1のメッセージと、管理方法を入力すべきことをユーザに通知するための第2のメッセージと、管理方法が入力されないとユーザに印刷費用が支給されないことをユーザに通知するための第3のメッセージと、を含む。特に、第3のメッセージが含まれるので、ユーザは、印刷費用の支給を受けるために、管理方法の入力が必要であることを知ることができる。従って、ユーザの利便性が向上する。リンク情報は、リマインド画面SC40にアクセスするための情報と、印刷ID「P1」と、を含む。
【0076】
ノートPC10のOS40(より具体的には図示省略のメーラアプリ)は、T110において、サーバ300から電子メールEM2を受信し、電子メールEM2を表示させるための操作を受け付けると、T112において、電子メールEM2を表示部14に表示させる。OS40は、T114において、電子メールEM2内のリンク情報を選択する操作を受け付けると、当該リンク情報に含まれるURL「http://server.com/SC40?P1」を含む起動指示をブラウザアプリ42に供給することによって、処理をブラウザアプリ42に指示する。
【0077】
ブラウザアプリ42は、T116において、URL「http://server.com/SC40?P1」を含むリマインド画面データ要求をサーバ300に送信し、T118において、サーバ300からリマインド画面データを受信する。ブラウザアプリ42は、T120において、リマインド画面データによって表わされるリマインド画面SC40を表示部14に表示させる。リマインド画面SC40は、印刷ID「P1」と、複数のメッセージと、申請期限入力欄と、延長ボタンと、非延長ボタンと、を含む。複数のメッセージは、電子メールEM2に表示されているメッセージに加えて、申請期限を延長しないとユーザに印刷費用が支給されないことをユーザに通知するためのメッセージを含む。ユーザは、申請期限入力欄に申請期限を入力することによって、管理方法の入力をユーザに再通知するタイミングを設定することができる。ブラウザアプリ42は、T122において、申請期限入力欄への申請期限「8/30 19:00」の入力を受け付け、延長ボタンを選択するための操作を受け付けると、T124において、申請期限「8/30 19:00」を示す第2のタイミング情報をサーバ300に送信する。
【0078】
サーバ300は、T124において、ノートPC10から第2のタイミング情報を受信すると、T126において、印刷ID「P1」に関連付けて、現在の申請期限「8/27 19:00」に代えて、第2のタイミング情報によって示される申請期限「8/30 19:00」を管理テーブル350に記憶させる。上記の構成によると、ユーザは、自己の予定に合わせて、管理方法の入力をユーザに再通知するタイミング(即ち申請期限)を再設定することができる。従って、ユーザの利便性が向上する。なお、サーバ300は、第2のタイミング情報によって示される申請期限が最終期限よりも後の日時である場合には、当該申請期限を管理テーブル350に記憶させることなく、エラー通知、又は、申請期限の再設定が必要であることを示す再設定通知をノートPC10(即ちメール「aaa@abc.com」)に送信する。
【0079】
その後、管理テーブル350内の新たな申請期限「8/30 19:00」が到来する前に、携帯端末200とサーバ300との間で、
図6のT70~T74、及び、
図7のT76~T82と同様の処理が実行される。そして、管理テーブル350内の最終期限「9/1 00:00」が到来すると、サーバ300は、
図7のT90と同様の支給関連処理を実行する。
【0080】
(ケースC;
図9)
図9を参照して、オフィス6に設置されているプリンタ100Bを利用した印刷が実行されるケースCについて説明する。ケースCの開始日時は「8/21 12:10」である。
【0081】
T210は、
図4のT10と同様である。仮想プリンタ60は、T220において、プリンタ100AのIPアドレスを送信先として接続確認を送信することを試みる。本ケースでは、ノートPC10がユーザ宅4に設置されていないので、ノートPC10とプリンタ100Aとが通信不可能である。従って、ノートPC10は、プリンタ100Aから接続OKを受信しない。
【0082】
プリンタドライバ70Bにはプリンタ100BのIPアドレスがプリンタポートとして登録されている。ノートPC10は、プリンタ100Aから接続OKを受信しない場合に、T222において、当該IPアドレスを送信先として接続確認を送信する。本ケースでは、ノートPC10がオフィス6に設置されているので、ノートPC10とプリンタ100Bが通信可能である。このために、プリンタ100Bは、ノートPC10から接続確認を受信することができる。この場合、プリンタ100Bは、T224において、接続OKをノートPC10に送信する。
【0083】
仮想プリンタ60は、T224において、プリンタ100Bから接続OKを受信すると、プリンタ100Bが印刷データの送信先のプリンタであると判断する。そして、仮想プリンタ60は、接続確認が成功したプリンタポートを備えるプリンタドライバ70Bに対応するプリンタキュー72Bがオフィス宅用プリンタに指定されているので(
図4の画面SC20内の選択欄SA3参照)、印刷場所が「オフィス」であることを特定する。
【0084】
次いで、仮想プリンタ60は、ユニークな文字列である印刷ID「P2」を生成する。ただし、仮想プリンタ60は、印刷場所が「オフィス」であるので、QRコード410を文書画像に付加しない。そして、仮想プリンタ60は、印刷管理アプリ50に処理を指示する。この際に、仮想プリンタ60は、印刷場所「オフィス」を示す印刷場所情報を印刷管理アプリ50に供給する。
【0085】
印刷管理アプリ50は、印刷ID「P2」、印刷枚数、用紙サイズ、及び、色情報を特定するとともに、印刷場所情報によって示される印刷場所「オフィス」を特定する。そして、印刷管理アプリ50は、T226において、印刷指示をプリンタドライバ70Bに供給することによって、プリンタドライバ70Bに処理を指示する。
【0086】
プリンタドライバ70Bは、QRコードが付加されていない文書画像を変換して、プリンタ100Bが解釈可能なデータ形式を有する印刷画像を表わす印刷データを生成する。そして、プリンタドライバ70Bは、T230において、印刷データをプリンタ100Bに送信する。
【0087】
プリンタ100Bは、T230において、ノートPC10から印刷データを受信すると、T232において、印刷データによって表わされる印刷画像を用紙に印刷する。これにより、印刷済み用紙がユーザに提供される。
【0088】
印刷管理アプリ50は、さらに、T240において、ユーザID「U1」と印刷ID「P2」と印刷場所「オフィス」と印刷ログ情報(印刷枚数「6」、用紙サイズ「A4」、色情報「カラー」)とをサーバ300に送信する。
【0089】
サーバ300は、T240において、ノートPC10から印刷ID「P2」等を受信すると、T242において、これらの情報を管理テーブル350に記憶させる。サーバ300は、さらに、印刷ID「P2」等の受信日時を印刷日時として管理テーブル350に記憶させ、
図5のT42と同様に、メールアドレス「aaa@abc.com」及び最終期限を管理テーブル350に記憶させる。
【0090】
次いで、サーバ300は、T250において、メールアドレス「aaa@abc.com」を送信先アドレスとして含むとともに、実際の管理方法の入力をユーザに促すためのメッセージと、申請画面SC32(
図7参照)にアクセスするためのリンク情報と、を含む電子メールEM3を送信する。当該リンク情報は、申請画面SC32にアクセスするための情報と、印刷ID「P2」と、を含むURL「http://server.com/SC32?P2」である。
【0091】
ノートPC10のOS40は、T250において、サーバ300から電子メールEM3を受信し、電子メールEM3を表示させるための操作を受け付けると、T252において、電子メールEM1を表示部14に表示させる。OS40は、T254において、電子メールEM3内のリンク情報を選択する操作を受け付けると、当該リンク情報に含まれるURL「http://server.com/SC32?P2」を含む起動指示をブラウザアプリ42に供給することによって、処理をブラウザアプリ42に指示する。
【0092】
図10のT256、T258、T260は、ブラウザアプリ42によって処理が実行される点、及び、URL「http://server.com/SC32?P2」が利用される点を除いて、それぞれ、
図6のT72、T74、
図7のT76と同様である。ブラウザアプリ42は、T262において、申請画面SC32内の「会社破棄」に対応するチェックボックスへのチェックの付与を受け付け、申請ボタンを選択するための操作を受け付ける。この場合、ブラウザアプリ42は、T264において、実際の管理方法「会社破棄」を示す方法情報をサーバ300に送信する
【0093】
サーバ300は、T264において、ノートPC10から方法情報を受信すると、T266において、T256で受信済みのURLに含まれる印刷ID「P2」に関連付けて、方法情報によって示される実際の管理方法を管理テーブル350に記憶させる。このように、オフィス6で印刷が実行される場合には、ユーザは、仮の管理方法を入力せずに済み、実際の管理方法のみを入力すればよい。従って、ユーザの利便性が向上する。
【0094】
(第1実施例の効果)
印刷管理システム2では、サーバ300は、ノートPC10から印刷IDと印刷ログ情報とを受信した後に、携帯端末200からから印刷IDと管理方法を示す方法情報とを受信することなく申請期限が到来する場合(
図8のケースB)に、管理方法を入力すべきことをユーザに通知するためのメッセージを含む電子メールEM1を送信する(
図8のT110)。これにより、ユーザが、管理方法の入力を忘れることを抑制することができる。従って、ユーザの利便性が向上する。
【0095】
(対応関係)
ノートPC10、携帯端末200、サーバ300が、それぞれ、「第1の端末装置」、「第2の端末装置」、「管理装置」の一例である。プリンタ100A、100Bが、「印刷装置」の一例である。印刷ID「P1」、「P2」等が、「特定の印刷識別情報」の一例である。QRコード410が、「識別関連情報」の一例である。サーバ300のメモリ334が、「メモリ」の一例である。管理テーブル350内の申請期限が、「第1のタイミング」の一例である。電子メールEM1内の第2のメッセージが、「通知情報」の一例である。管理テーブル350内の最終期限が、「第2のタイミング」の一例である。ユーザ宅4が、「第1のロケーション」の一例である。仮の申請画面SC30が、「第1の入力画面」の一例である。オフィス6が、「第2のロケーション」の一例である。申請画面SC32が、「第2の入力画面」の一例である。
【0096】
図5のT40が、「第1の情報受信部」によって実行される処理の一例である。
図6のT72、T78が、「第2の情報受信部」によって実行される処理の一例である。
図5のT52、
図7のT82が、「第1の記憶制御部」によって実行される処理の一例である。
図8のT110が、「通知情報送信部」によって実行される処理の一例である。
【0097】
(第2実施例)
続いて、第2実施例を説明する。
図3に示すように、本実施例は、サーバ300の管理テーブル350において、メールアドレスに代えて、アプリIDが記憶されている点が異なる。アプリIDは、ノートPCにインストールされている印刷管理アプリを識別するIDである。
【0098】
(具体的なケースD、ケースE;
図11、
図12)
図11、
図12を参照して、本実施例の印刷管理システム2によって実現される具体的なケースD、ケースEについて説明する。なお、サーバ300のメモリ334には、ユーザID「U1」と、ノートPC10にインストールされている印刷管理アプリ50を識別するアプリID「AP1」と、が関連付けて記憶されている。
【0099】
(ケースD;
図11)
図11を参照して、ユーザ宅4に設置されているプリンタ100Aを利用した印刷が実行され、その後に、管理方法が携帯端末200に入力されないケースDについて説明する。ケースDの開始日時は「8/20 12:10」である。
【0100】
まず、ノートPC10、プリンタ100A、及び、サーバ300の間で、
図5のT10~T42と同様の処理が実行される。本ケースのT42において、サーバ300は、ノートPC10から受信される印刷ID「P1」等の情報、印刷ID「P1」等の受信日時、メモリ334においてユーザID「U1」に関連付けて記憶されているアプリID「AP1」、及び、最終期限を管理テーブル350に記憶させる。
【0101】
次いで、サーバ300は、T310において、アプリID「AP1」を送信先として含む仮の申請画面データをノートPC10(詳細には印刷管理アプリ50)に送信する。
【0102】
T320~T324は、印刷管理アプリ50によって処理が実行される点を除いて、
図6のT60~T64と同様である、T326は、
図6のT66と同様である。本ケースでは、ユーザは、携帯端末200への実際の管理方法の入力を忘れている。この場合、サーバ300は、ノートPC10から印刷ID「P1」と印刷ログ情報とを受信した(
図11で引用する
図5のT40参照)後に、携帯端末200から印刷ID「P1」と方法情報とを受信することなく、管理テーブル350内の申請期限「8/27 19:00」が到来する。この場合、サーバ300は、管理テーブル350内の申請期限に関連付けられているアプリID「AP1」を特定し、T330において、アプリID「AP1」を送信先として含むリマインド画面データをノートPC10(詳細には印刷管理アプリ50)に送信する。
【0103】
T340~T344は、印刷管理アプリ50によって処理が実行される点を除いて、
図8のT120~T124と同様である、T346は、
図8のT126と同様である。その後、管理テーブル350内の新たな申請期限「8/30 19:00」が到来する前に、携帯端末200とサーバ300との間で、
図6のT70~T74、及び、
図7のT76~T82と同様の処理が実行される。そして、管理テーブル350内の最終期限「9/1 00:00」が到来すると、サーバ300は、
図7のT90と同様の支給関連処理を実行する。
【0104】
(ケースE;
図12)
図12を参照して、オフィス6に設置されているプリンタ100Bを利用した印刷が実行されるケースEについて説明する。ケースEの開始日時は「8/21 12:10」である。
【0105】
まず、ノートPC10、プリンタ100B、及び、サーバ300との間で、
図9のT210~T242と同様の処理が実行される。本ケースのT242において、サーバ300は、ノートPC10から受信される印刷ID「P2」等の情報、印刷ID「P2」等の受信日時、及び、アプリID「AP1」を管理テーブル350に記憶させる。次いで、サーバ300は、T410において、アプリID「AP1」を送信先として含む申請画面データをノートPC10(詳細には印刷管理アプリ50)に送信する。
【0106】
T420~T424は、印刷管理アプリ50によって処理が実行される点を除いて、
図10のT260~T264と同様である、T426は、
図10のT266と同様である。
【0107】
(第2実施例の効果)
印刷管理システム2では、サーバ300は、ノートPC10から印刷IDと印刷ログ情報とを受信した後に、携帯端末200からから印刷IDと管理方法を示す方法情報とを受信することなく申請期限が到来する場合(
図11のケースD)に、管理方法を入力すべきことをユーザに通知するためのメッセージを含むリマインド画面SC40を表すリマインド画面データをノートPC10(詳細には印刷管理アプリ50)に送信する(
図11のT330)。これにより、ユーザが、管理方法の入力を忘れることを抑制することができる。従って、ユーザの利便性が向上する。
【0108】
(対応関係)
図5のT30が、「印刷データ送信部」によって実行される処理の一例である。
図5のT40が、「第1の情報送信部」によって実行される処理の一例である。
図11のT330が、「通知情報受信部」によって実行される処理の一例である。
図11のT340が、「第1の表示制御部」によって実行される処理の一例である。
【0109】
以上、本明細書が開示する技術の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。以下に変形例を列挙する。
【0110】
(第1変形例)サーバ300は、支給関連処理を実行しなくてもよい。即ち、サーバ300は、上記の(A)~(E)のいずれの処理も実行しなくてもよい。この場合、サーバ300は、例えば、管理テーブル350そのものを管理者のデバイスに送信してもよい。管理者は、管理テーブル350内の各情報に基づいて印刷費用を算出し、各ユーザの印刷費用の総額を算出し、各ユーザに印刷費用を支給するための手続きを行なってもよい。即ち、支給関連処理は、管理者によって実行されてもよい。本変形例では、「支給関連処理実行部」を省略可能である。
【0111】
(第2変形例)管理テーブル350に、最終期限が記憶されていなくてもよい。本変形例では、サーバ300は、所定のタイミング(例えば1ヶ月)毎に、支給関連処理を実行するように構成されていればよい。本変形例では、サーバ300は、印刷場所「ユーザ宅」を含む情報を算出対象外の情報としない。
【0112】
(第3変形例)
図8の電子メールEM2が、管理方法が入力されないとユーザに印刷費用が支給されないことをユーザに通知するためのメッセージが含んでいなくてもよい。
【0113】
(第4変形例)
図8のリマインド画面SC40が申請期限入力欄と延長ボタンと非延長ボタンとを含んでいなくてもよい。即ち、管理方法を入力すべきことをユーザに再通知するタイミングを設定できなくてもよい。
【0114】
(第5変形例)仮の管理方法及び仮の申請期限が管理テーブル350に記憶されていなくてもよい。本変形例では、
図5のT50~T58、
図6のT60~T66を省略可能である。本変形例では、「第1の画面データ送信部」、「第3の情報受信部」、「第2の記憶制御部」を省略可能である。また、「第1の画面データ受信部」、「第2の表示制御部」、「第2の情報送信部」を省略可能である。
【0115】
(第6変形例)仮想プリンタ60は、印刷場所が「オフィス」である場合にも、QRコードを文書画像に付加してもよい。また、サーバ300は、ノートPC10から受信される印刷場所が「オフィス」である場合にも、電子メールEM1を送信してもよい。本変形例では、印刷場所が「オフィス」である場合にも、ユーザは仮の管理方法を入力する必要がある。本変形例では、「第2の画面データ送信部」、「第4の情報受信部」を省略可能である。また、「第2の画面データ受信部」、「第3の表示制御部」、「第3の情報送信部」を省略可能である。
【0116】
(第7変形例)印刷管理アプリ50及び仮想プリンタ60は、別々のプログラムでなくてもよい。即ち、印刷管理アプリ50の処理及び仮想プリンタ60の処理のそれぞれを実現可能な1個のプログラムがノートPC10にインストールされてもよい。
【0117】
(第8変形例)ノートPC10の各処理(例えば
図5のT10~T58、
図6のT60~T64等)が、携帯端末200によって実行されてもよい。本変形例では、携帯端末200が、「第1の端末装置」及び「第2の端末装置」の一例である。別の変形例では、携帯端末200の各処理(例えば
図6のT70~T74、
図7のT76、T78等)が、ノートPC10によって実行されてもよい。本変形例では、ノートPC10が、「第1の端末装置」及び「第2の端末装置」の一例である。
【0118】
(第9変形例)携帯端末200には、印刷ID及び方法情報をサーバ300に送信するための専用アプリがインストールされてもよい。一般的に記載すると、当該専用アプリ(即ちコンピュータプログラム)は、第2の端末装置のコンピュータを、印刷画像が印刷された印刷済み媒体に含まれる識別関連情報に関連する特定の印刷識別情報の入力を受け付ける第1の受付部と、印刷済み媒体の管理方法の入力を受け付ける第2の受付部と、特定の印刷識別情報と、管理方法を示す方法情報と、を管理装置に送信する送信部と、として機能させてもよい。
【0119】
(第10変形例)携帯端末200に代えて、QRコードリーダ及び細断実行ボタンを備えるシュレッダが利用されてもよい。シュレッダは、印刷済み媒体が細断位置にセットされた状態で細断実行ボタンが押下されると、印刷済み媒体に含まれるQRコードをQRコードリーダによって読み取った後に、印刷済み媒体を細断する。シュレッダは、細断が完了すると、QRコードをデコードして印刷IDを特定し、印刷IDと「細断」を示す方法情報とをサーバ300に送信する。「細断」を示す方法情報は、文字列「細断」が明示された情報であってもよいし、自装置がシュレッダであることを示す装置種別情報、モデル名等であってもよい。本変形例では、シュレッダが「第2の端末装置」の一例であり、「細断実行ボタンの押下」が「印刷済み媒体の管理方法の入力」の一例である。
【0120】
(第11変形例)仮想プリンタ60は、
図5のT24において、QRコードの代わりに、印刷IDを示す文字列そのものを文書画像に付加して、付加済み画像400を生成してもよい。この場合、ブラウザアプリ42は、
図6のT70において、QRコードの撮影に代えて、印刷IDを示す文字列そのものの入力を受け付けて、T72において、申請画面データ要求をサーバ300に送信してもよい。本変形例では、印刷IDを示す文字列が、「識別関連情報」の一例である。
【0121】
(第12変形例)印刷IDなどの情報が、サーバ300のメモリ334ではなく、サーバ300と異なる装置(例えばデータベース)のメモリに記憶されてもよい。
【0122】
(第13変形例)サーバ300は、ユーザID「U1」に関連付けて、携帯端末200にインストールされている端末アプリを識別する端末アプリID「T1」をメモリ334に記憶していてもよい。本変形例では、サーバ300は、
図5のT42等において、印刷ID「P1」等に関連付けて端末アプリID「T1」を管理テーブル350に記憶させてもよい。この場合に、管理テーブル350内の申請期限「8/27 19:00」が到来すると、サーバ300は、ノートPC10から印刷ID「P1」と印刷ログ情報とが受信された(
図5のT40参照)後に、携帯端末200から印刷ID「P1」と方法情報とが受信されることなく申請期限「8/27 19:00」が到来したと判断し、当該申請期限に関連付けられている端末アプリID「T1」を特定し、端末アプリID「T1」を送信先アドレスとして含むリマインド画面データを携帯端末200(詳細には端末アプリ)に送信する。その後に実行される処理は、携帯端末200の端末アプリが利用される点を除いて、
図11のT320以降の処理と同様である。
【0123】
(第14変形例)メールアドレスとアプリIDとの両方が管理テーブル350に記憶されていてもよい。本変形例では、サーバ300は、管理方法を入力すべきことをユーザに通知するための通知情報を送信する際に、電子メール(例えば、
図8のT110の電子メールEM2)を送信する処理、及び、画面データ(例えば、
図11のT330リマインド画面データ)を送信する処理のうちのいずれの処理を実行するのかを選択的に切り替えることができる。また、サーバ300は、管理方法を入力すべきことをユーザに通知するために、電子メール(例えば、
図8のT110の電子メールEM2)を送信する処理、及び、画面データ(例えば、
図11のT330リマインド画面データ)を送信する処理の両方を実行してもよい。
【0124】
(第15変形例)上記の実施例では、
図5~
図12の各処理がソフトウェア(例えば印刷管理アプリ50)によって実行されるが、これらの各処理のうちの少なくとも1つが論理回路等のハードウェアによって実現されてもよい。
【0125】
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独で、あるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【0126】
本特許出願時の特許請求の範囲において、各請求項が一部の請求項のみに従属している場合であっても、各請求項が当該一部の請求項のみに従属可能であることに限定されない。技術的に矛盾しない範囲において、各請求項は、出願時に従属していない他の請求項にも従属可能である。即ち、各請求項の技術は以下のように様々に組み合わせることができる。
(項目1)
印刷管理システムであって、
第1の端末装置と、第2の端末装置と、印刷装置と、管理装置と、を備え、
前記第1の端末装置は、
特定の印刷識別情報に関連する特定の識別関連情報を含む印刷画像を表わす印刷データを前記印刷装置に送信し、
前記特定の印刷識別情報と印刷ログ情報とを前記管理装置に送信し、
前記印刷装置は、
前記第1の端末装置から前記印刷データを受信し、
前記印刷データによって表わされる前記印刷画像を印刷媒体に印刷し、
前記第2の端末装置は、
前記印刷画像が印刷された印刷済み媒体に含まれる前記特定の識別関連情報に関連する前記特定の印刷識別情報の入力と、前記印刷済み媒体の管理方法の入力と、を受け付ける場合に、前記特定の印刷識別情報と、前記管理方法を示す方法情報と、を前記管理装置に送信し
前記管理装置は、
前記第1の端末装置から前記特定の印刷識別情報と前記印刷ログ情報とを受信し、
前記第2の端末装置から前記特定の印刷識別情報と前記方法情報とを受信し、
前記特定の印刷識別情報に関連付けて前記印刷ログ情報と前記方法情報とをメモリに記憶させ、
前記第1の端末装置から前記特定の印刷識別情報と前記印刷ログ情報とが受信された後に、前記第2の端末装置から前記特定の印刷識別情報と前記方法情報とが受信されることなく第1のタイミングが到来する場合に、前記管理方法を入力すべきことをユーザに通知するための通知情報を送信し、
前記特定の印刷識別情報に関連付けて前記印刷ログ情報と前記方法情報とが前記メモリに記憶された後に、前記印刷ログ情報は、前記ユーザへの印刷費用の支給に関連する支給関連処理を実行するために利用される、
印刷管理システム。
(項目2)
管理装置のためのコンピュータプログラムであって、
前記管理装置のコンピュータを、以下の各部、即ち、
特定の印刷識別情報に関連する特定の識別関連情報を含む印刷画像を表わす印刷データが第1の端末装置から印刷装置に送信される場合に、前記第1の端末装置から、前記特定の印刷識別情報と印刷ログ情報とを受信する第1の情報受信部と、
前記印刷装置によって前記印刷画像が印刷媒体に印刷された後に、第2の端末装置から、前記特定の印刷識別情報と、印刷済み媒体の管理方法を示す方法情報と、を受信する第2の情報受信部と、
前記特定の印刷識別情報に関連付けて前記印刷ログ情報と前記方法情報とをメモリに記憶させる第1の記憶制御部であって、前記特定の印刷識別情報に関連付けて前記印刷ログ情報と前記方法情報とが前記メモリに記憶された後に、前記印刷ログ情報は、ユーザへの印刷費用の支給に関連する支給関連処理を実行するために利用される、前記第1の記憶制御部と、
前記第1の端末装置から前記特定の印刷識別情報と前記印刷ログ情報とが受信された後に、前記第2の端末装置から前記特定の印刷識別情報と前記方法情報とが受信されることなく第1のタイミングが到来する場合に、前記管理方法を入力すべきことを前記ユーザに通知するための通知情報を送信する通知情報送信部と、
として機能させる、コンピュータプログラム。
(項目3)
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、さらに、
前記特定の印刷識別情報に関連付けて前記印刷ログ情報と前記方法情報とが前記メモリに記憶された後に、前記印刷ログ情報を利用して前記支給関連処理を実行する支給関連処理実行部として機能させる、項目2に記載のコンピュータプログラム。
(項目4)
前記支給関連処理実行部は、
前記第1のタイミングよりも遅い第2のタイミングが到来する前に、前記第2の端末装置から前記特定の印刷識別情報と前記方法情報とが受信される場合に、前記印刷ログ情報を利用して前記支給関連処理を実行し、
前記第2の端末装置から前記特定の印刷識別情報と前記方法情報とが受信されることなく前記第2のタイミングが到来する場合に、前記印刷ログ情報を利用して前記支給関連処理を実行しない、項目3に記載のコンピュータプログラム。
(項目5)
前記通知情報は、さらに、前記管理方法が入力されないと前記印刷ログ情報に基づく前記印刷費用が支給されないことを前記ユーザに通知するための情報を含む、項目2から4のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
(項目6)
前記通知情報は、前記管理方法を入力すべきことを前記ユーザに再通知するタイミングを設定するための情報を含む、項目2から5のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
(項目7)
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、さらに、
前記印刷装置が第1のロケーションに設置されている第1の場合に、前記第1の端末装置から前記特定の印刷識別情報と前記印刷ログ情報とが受信された後に、第1の入力画面を表わす第1の入力画面データを前記第1の端末装置に送信する第1の画面データ送信部であって、前記第1の入力画面は、前記印刷済み媒体の仮の管理方法と、前記第1のタイミングと、を入力するための画面である、前記第1の画面データ送信部と、
前記第1の入力画面において前記仮の管理方法と前記第1のタイミングとが入力される場合に、前記第1の端末装置から、前記仮の管理方法を示す仮の方法情報と、前記第1のタイミングを示すタイミング情報と、を受信する第3の情報受信部と、
前記特定の印刷識別情報に関連付けて前記仮の方法情報と前記タイミング情報とを前記メモリに記憶させる第2の記憶制御部と、
として機能させる、項目2から6のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
(項目8)
前記コンピュータプログラムは、前記コンピュータを、さらに、
前記第1のロケーションとは異なる第2のロケーションに前記印刷装置が設置されている第2の場合に、前記第1の端末装置から前記特定の印刷識別情報と前記印刷ログ情報とが受信された後に、前記管理方法を入力するための第2の入力画面を表わす第2の入力画面データを前記第1の端末装置に送信する第2の画面データ送信部と、
前記第2の入力画面において前記管理方法が入力される場合に、前記第1の端末装置から、前記管理方法を示す前記方法情報を受信する第4の情報受信部と、
として機能させ、
前記第2の情報受信部は、
前記第1の場合に、前記第2の端末装置から前記特定の印刷識別情報と前記方法情報とを受信し、
前記第2の場合に、前記第2の端末装置から前記特定の印刷識別情報と前記方法情報とを受信せず、
前記支給関連処理実行部は、
前記第1の場合に、前記印刷ログ情報を利用して前記支給関連処理を実行し、
前記第2の場合に、前記印刷ログ情報を利用して前記支給関連処理を実行せず、
前記通知情報送信部は、
前記第1の場合において、前記第1のタイミングが到来する場合に、前記通知情報を送信し、
前記第2の場合に、前記通知情報を送信しない、項目3に従属する項目7に記載のコンピュータプログラム。
(項目9)
前記通知情報送信部は、前記ユーザのメールアドレスを宛先メールアドレスとして含むと共に、前記通知情報を含む電子メールを送信する、項目2から8のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
(項目10)
前記通知情報送信部は、前記第1の端末装置にインストールされているアプリケーションプログラムを送信先として、前記通知情報を送信する、項目2から9のいずれか一項に記載のコンピュータプログラム。
(項目11)
第1の端末装置のためのアプリケーションプログラムであって、
前記第1の端末装置のコンピュータを、以下の各部、即ち、
特定の印刷識別情報に関連する特定の識別関連情報を含む印刷画像を表わす印刷データを印刷装置に送信する印刷データ送信部であって、前記印刷装置では、前記印刷データによって表わされる前記印刷画像が印刷媒体に印刷される、前記印刷データ送信部と、
前記特定の印刷識別情報と印刷ログ情報とを管理装置に送信する第1の情報送信部であって、前記印刷データによって表わされる前記印刷画像が前記印刷装置によって印刷媒体に印刷された後に、印刷済み媒体に含まれる前記特定の識別関連情報に関連する前記特定の印刷識別情報の入力と、前記印刷済み媒体の管理方法の入力と、が第2の端末装置によって受け付けられる場合に、前記特定の印刷識別情報と、前記管理方法を示す方法情報と、が前記第2の端末装置から前記管理装置に送信され、前記管理装置では、前記特定の印刷識別情報に関連付けて前記印刷ログ情報と前記方法情報とがメモリに記憶され、前記特定の印刷識別情報に関連付けて前記印刷ログ情報と前記方法情報とが前記メモリに記憶された後に、前記印刷ログ情報は、ユーザへの印刷費用の支給に関連する支給関連処理を実行するために利用される、前記第1の情報送信部と、
前記管理装置が、前記第1の端末装置から前記特定の印刷識別情報と前記印刷ログ情報とを受信した後に、前記第2の端末装置から前記特定の印刷識別情報と前記方法情報とが受信されることなく第1のタイミングが到来する場合に、前記管理装置から、前記管理方法を入力すべきことを前記ユーザに通知するための通知情報を受信する通知情報受信部と、
前記管理装置から前記通知情報が受信される場合に、前記通知情報を前記第1の端末装置の表示部に表示させる第1の表示制御部と、
として機能させる、アプリケーションプログラム。
(項目12)
前記通知情報は、さらに、前記管理方法が入力されないと前記印刷ログ情報に基づく前記印刷費用が支給されないことを前記ユーザに通知するための情報を含む、項目11に記載のアプリケーションプログラム。
(項目13)
前記アプリケーションプログラムは、前記コンピュータを、さらに、
前記印刷装置が第1のロケーションに設置されている第1の場合に、前記特定の印刷識別情報と前記印刷ログ情報とが前記管理装置に送信された後に、前記管理装置から、第1の入力画面を表わす第1の入力画面データを受信する第1の画面データ受信部であって、前記第1の入力画面は、前記印刷済み媒体の仮の管理方法と、前記第1のタイミングと、を入力するための画面である、前記第1の画面データ受信部と、
前記管理装置から前記第1の入力画面データが受信される場合に、前記第1の入力画面を前記表示部に表示させる第2の表示制御部と、
前記第1の入力画面において前記仮の管理方法と前記第1のタイミングとの入力が受け付けられる場合に、前記仮の管理方法を示す仮の方法情報と、前記第1のタイミングを示すタイミング情報と、を前記管理装置に送信する第2の情報送信部と、
として機能させる、項目11又は12に記載のアプリケーションプログラム。
(項目14)
前記アプリケーションプログラムは、前記コンピュータを、さらに、
前記第1のロケーションとは異なる第2のロケーションに前記印刷装置が設置されている第2の場合に、前記特定の印刷識別情報と前記印刷ログ情報とが前記管理装置に送信された後に、前記管理装置から、第2の入力画面を表わす第2の入力画面データを受信する第2の画面データ受信部と、
前記管理装置から前記第2の入力画面データが受信される場合に、前記第2の入力画面を前記表示部に表示させる第3の表示制御部と、
前記第2の入力画面において前記管理方法の入力が受け付けられる場合に、前記管理方法を示す前記方法情報を前記管理装置に送信する第3の情報送信部であって、前記管理装置は、前記第1の場合に、前記印刷ログ情報を利用して前記支給関連処理を実行し、前記第2の場合に、前記印刷ログ情報を利用して前記支給関連処理を実行しない、前記第3の情報送信部と、
として機能させ、
前記通知情報受信部は、
前記第1の場合において、前記第1のタイミングが到来する場合に、前記管理装置から前記通知情報を受信し、
前記第2の場合に、前記通知情報を受信しない、項目13に記載のコンピュータプログラム。
【符号の説明】
【0127】
2:印刷管理システム、4:ユーザ宅、6:オフィス、10:ノートPC、12:操作部、14:表示部、20:LANインターフェース、20:インターフェース、30:制御部、32:CPU、34:メモリ、40:OSプログラム、42:ブラウザアプリケーション、44:文書編集アプリケーション、50:印刷管理アプリケーション、60:仮想プリンタ、62:仮想プリンタキュー、70A:プリンタドライバ、70B:プリンタドライバ、72A:プリンタキュー、72B:プリンタキュー、100A、100B:プリンタ、112:操作部、114:表示部、116:印刷実行部、120:LANインターフェース、130:制御部、132:CPU、134:メモリ、140:プログラム、200:携帯端末、212:操作部、216:カメラ、220:LANインターフェース、230:制御部、232:CPU、234:メモリ、240:プログラム、242:ブラウザアプリケーション、300:サーバ、320:通信インターフェース、330:制御部、332:CPU、334:メモリ、340:プログラム、350:管理テーブル