(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024051643
(43)【公開日】2024-04-11
(54)【発明の名称】軌道走行玩具
(51)【国際特許分類】
A63H 19/30 20060101AFI20240404BHJP
A63H 19/02 20060101ALI20240404BHJP
【FI】
A63H19/30 Z
A63H19/02
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022157919
(22)【出願日】2022-09-30
(11)【特許番号】
(45)【特許公報発行日】2024-02-14
(71)【出願人】
【識別番号】000003584
【氏名又は名称】株式会社タカラトミー
(74)【代理人】
【識別番号】110001254
【氏名又は名称】弁理士法人光陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】西山 智士
【テーマコード(参考)】
2C150
【Fターム(参考)】
2C150CA08
2C150DA33
2C150DA38
2C150DA39
2C150EA03
2C150EB04
(57)【要約】
【課題】アクション性に富み、走行玩具の形状の制限が少ない軌道走行玩具を提供すること。
【手段】回動軌道に乗った走行玩具を、回動軌道を回動させることにより、走行玩具を一端部からダイブさせ、下方の一対の支持部で、ダイブした走行玩具の一端部寄りの左右に設けられた一対の円柱状突起を支持し、当該円柱状突起を中心に走行玩具を回転させ、走行玩具の突当て部をストッパに突き当て、その反動によって、一対の支持部による一対の円柱状突起の支持を解除させ、走行玩具を走行可能状態で下方の着地部に着地させるようにした。
【選択図】
図11
【特許請求の範囲】
【請求項1】
前後方向の一端部寄りの左右方向外方に張り出す一対の円柱状突起が設けられた自走式走行玩具と、
第1位置と第2位置との間で水平軸を中心に回動可能に構成され、第1位置で進入してきた前記走行玩具を第2位置で、前記一対の円柱状突起が設けられた側の端部を下方に向けてダイブさせる回動軌道と、
前記回動軌道の下方で、ダイブした前記走行玩具の前記一対の円柱状突起を支持し、前記一対の円柱状突起を中心とする前記走行玩具の回転を許容する一対の支持部と、
前記一対の支持部の上で回転する前記走行玩具の突当て部が突き当たった際に、前記走行玩具の反動によって、前記一対の支持部による前記一対の円柱状突起の支持を解除させ、前記走行玩具を走行可能状態で下方の着地部に着地させるストッパと、
を備え、
前記回動軌道は、前記一対の円柱状突起を中心に前記走行玩具が引き渡し後に自ら回転し得る状態で、前記走行玩具を前記一対の支持部に引き渡す、ことを特徴とする軌道走行玩具。
【請求項2】
前記一対の円柱状突起は、前記一端部寄りの左右車輪の中央に設けられている、ことを特徴とする請求項1に記載の軌道走行玩具。
【請求項3】
前記突当て部は、前記走行玩具の他端部寄りの左右に張り出す一対の柱状突起である、ことを特徴とする請求項1に記載の軌道走行玩具。
【請求項4】
前記一対の柱状突起は、前記他端部寄りの左右車輪の中央に設けられている円柱状突起である、ことを特徴とする請求項3に記載の軌道走行玩具。
【請求項5】
前記回動軌道は、前記第1位置に向けて付勢され、前記走行玩具の重さによって第2位置を取るように構成され、
前記第1位置に戻される前記回動軌道によって前記走行玩具が蹴られることで回転力が前記走行玩具に与えられる、ことを特徴とする請求項1に記載の軌道走行玩具。
【請求項6】
前記回動軌道が前記第1位置にあるとき前記回動軌道の上に前記走行玩具を拘束し、前記第2位置でその拘束を解除させる拘束機構を備える、ことを特徴とする請求項1~5のいずれか一項に記載の軌道走行玩具。
【請求項7】
前記拘束機構は、車輪が路面に接した状態となるように前記走行玩具を拘束する、ことを特徴とする請求項6に記載の軌道走行玩具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軌道走行玩具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、走行玩具を落下させる軌道走行玩具として、直立面にジグザグ状に形成されたスロープと、所定の姿勢の第1状態及び当該第1状態から姿勢を反転させた第2状態の双方で、自重によってスロープ上を下降可能な移動体(走行玩具)と、を備え、ジグザグ状のスロープを下らせるように構成された軌道走行玩具が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この軌道走行玩具によれば、移動体は、姿勢を反転させてスロープを下るだけなので、動きが小さく細かいので、視覚上、アクション性に乏しく、また、姿勢を反転させる構造であるため、車体の前部と後部、及び、上下を略対称形としなければならないことから、移動体の形状が限定されてしまうという問題があった。
本発明は、かかる事情に鑑みなされたもので、アクション性に富み、走行玩具の形状の制限が少ない軌道走行玩具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の手段は、
前後方向の一端部寄りの左右方向外方に張り出す一対の円柱状突起が設けられた自走式の走行玩具と、
第1位置と第2位置との間で水平軸を中心に回動可能に構成され、第1位置で進入してきた前記走行玩具を第2位置で、前記一対の円柱状突起が設けられた側の端部を下方に向けてダイブさせる回動軌道と、
前記回動軌道の下方で、ダイブした前記走行玩具の前記一対の円柱状突起を支持し、前記一対の円柱状突起を中心とする前記走行玩具の回転を許容する一対の支持部と、
前記一対の支持部の上で回転する前記走行玩具の突当て部が突き当たった際に、前記走行玩具の反動によって、前記一対の支持部による前記一対の円柱状突起の支持を解除させ、前記走行玩具を走行可能状態で下方の着地部に着地させるストッパと、
を備え、
前記回動軌道は、前記一対の円柱状突起を中心に前記走行玩具が引き渡し後に自ら回転し得る状態で、前記走行玩具を前記一対の支持部に引き渡す、ことを特徴とする。
【0006】
第2の手段は、第1の手段であって、前記一対の円柱状突起は、前記一端部寄りの左右車輪の中央に設けられている、ことを特徴とする。
【0007】
第3の手段は、第1の手段であって、前記突当て部は、前記走行玩具の他端部寄りの左右に張り出す一対の柱状突起である、ことを特徴とする。
【0008】
第4の手段は、第3の手段であって、前記一対の柱状突起は、前記他端部寄りの左右車輪の中央に設けられている円柱状突起である、ことを特徴とする。
【0009】
第5の手段は、第1の手段であって、
前記回動軌道は、前記第1位置に向けて付勢され、前記走行玩具の重さによって第2位置を取るように構成され、
前記第1位置に戻される前記回動軌道によって前記走行玩具が蹴られることで回転力が前記走行玩具に与えられる、ことを特徴とする。
【0010】
第6の手段は、第1~第5のいずれかの手段であって、
前記回動軌道が前記第1位置にあるとき前記回動軌道の上に前記走行玩具を拘束し、前記第2位置でその拘束を解除させる拘束機構を備える、ことを特徴とする。
【0011】
第7の手段は、第6の手段であって、前記拘束機構は、車輪が路面に接した状態となるように前記走行玩具を拘束する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
第1の手段によれば、走行玩具が前方に高飛び込みの如く回転して着地部に着地するので、アクション性に富み、興趣性の高い軌道走行玩具が実現できる。また、走行玩具の形の制限が少なくなる。
【0013】
第2の手段によれば、車輪の中央に円柱状突起を設けているので、意匠性を損なうことがない上、車体が傷つくのを防止することができる。
【0014】
第3の手段によれば、突当て部を、走行玩具の後部左右に張り出す一対の柱状突起としているので、車体が傷つくのを防止することができる。
【0015】
第4の手段によれば、柱状突起は、前記走行玩具の後部の左右車輪の中央に設けられているので、意匠性を損なうことがない。
【0016】
第5の手段によれば、第1位置に付勢される回動軌道によって円柱状突起を中心とする回転力が走行玩具に付与されるので、勢いをもって走行玩具を回転させることができる。
【0017】
第6の手段によれば、第1位置で回動軌道の上に走行玩具を拘束し、第2位置でその拘束を解除させるので、一対の支持部の上の所定箇所に確実に走行玩具をダイブさせることができる。
【0018】
第7の手段によれば、車輪が路面に接した状態となるように前記走行玩具を拘束するので、一対の支持部の上の所定箇所に安定して走行玩具をダイブさせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】実施形態に係る軌道走行玩具の軌道の斜視図である。
【
図3】走行玩具を下方から見た場合の斜視図である。
【
図4】回動軌道とその周辺を示した図であり、(A)は橋軌道を下ろした状態を示し、(B)は橋軌道を跳ね上げた状態を示している。
【
図8】回動軌道を示した図であり、(A)は第1位置にある状態を示し、(B)は第2位置にある状態を示している。
【
図9】回動軌道による走行玩具の拘束状態を示す図である。
【
図10】回動軌道、支持部及ぶストッパの位置関係を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施形態に係る軌道走行玩具を説明する。
【0021】
図1は、軌道走行玩具100の軌道10の斜視図、
図2は走行玩具50の斜視図である。
軌道走行玩具100は、軌道10と、軌道10を走行する走行玩具50とを備える。走行玩具50は、モータ動力によって走行する単体の機関車となっている。
この走行玩具50は、例えば、
図1の場所(着地部)P1から走り出し、第1折返し軌道11に入り、折返し軌道11で折り返した後、真っ直ぐ進んで渦巻き状の坂軌道12に入る。そして、坂軌道12を上り、頂部の第2折返し軌道13で折り返された後、坂軌道12を下り、再び折返し軌道11に入り、第1折返し軌道11と第2折返し軌道13との間を往復走行する。
【0022】
坂軌道12の途中には橋軌道14が設けられている。橋軌道14はダイヤル14aを回転操作することで跳ね上げ可能となっている。橋軌道14が跳ね上げられた状態では、坂軌道12が途切れ、この軌道が途切れた場所に、坂軌道12を上って行った走行玩具50が至ると、走行玩具50が落下し1回転し、場所(着地部)P1に着地する。
以下、軌道走行玩具100の詳細を説明する。
【0023】
《走行玩具50》
図3は、走行玩具50を下面側から見た斜視図である。
走行玩具50は、モータ動力によって走行する自走式の機関車(動力車)である。走行玩具50の前部左右及び後部左右には車輪51が付設されている。このうち後部左右に付設された車輪51は動輪となっている。
また、走行玩具50の車台下には、「コ」字状の壁52が垂設されている。壁52は、前方に開口している。この壁52の後端の壁は、後述の回動軌道20の爪22cに係合し、走行玩具50を停車させる働きをする。
さらに、走行玩具50の各車輪51の外側には、車軸の延長線上に円柱状突起53が付設されている。この円柱状突起53は、平面視で車体の外方に張り出している。
【0024】
《軌道10》
軌道10は、様々な形の短軌道(軌道)を適宜に連結して構成されている。軌道の幅方向両側には、概ね、走行玩具50の左右車輪を個別に受容する左右レールが形成されている。この左右レールに走行玩具50の左右車輪を個別に受容した状態では、走行玩具50の円柱状突起53が軌道10の幅方向外側に突出する。
【0025】
軌道10は、第1折返し軌道11を含んでいる。
第1折返し軌道11には、折返し点を中心とする旋回路が形成されるとともに、第1折返し軌道11への進入方向を切り替える扇状の切替え部材11aが設けられている。切替え部材11aは、折返し点に立設された軸(図示せず)を中心に回動可能に構成され、その回動位置によって、第1折返し軌道11への走行玩具50の進入方向を切り替える。走行玩具50は、この切替え部材11aによって邪魔されない方向から第1折返し軌道11に進入し、進入方向に応じた方向に旋回し、切替え部材11aを押しながら出口を開放し、第1折返し軌道11から退出する。これにより、第1折返し軌道11への次回の進入方向を切り替える。
【0026】
また、軌道10は、第2折返し軌道13を含んでいる。
第2折返し軌道13には折返し点を中心とする旋回路が形成されている。この第2折返し軌道13への進入方向と走行玩具50の旋回方向は常に同じである。
【0027】
また、軌道10は、坂軌道12を含んでいる。
坂軌道12を構成する短軌道の多くは、平面視で弧状にカーブし、且つ、側面視で一端部と他端部との高さが異なっている。そして、カーブ外側のレール表面(路面)はギザギザ状に形成され、当該路面に当接する車輪51の滑りを防止している。
また、カーブ内側の外壁は、カーブ外側の外壁よりも高く、上面は、波形の摺接面を形成している。この摺接面には、走行玩具50の円柱状突起53が摺接し、摺接面は、走行する走行玩具50を左右に揺らす働きをする。
なお、この複数の坂軌道12は、複数の支持体12aで支持された形で設置される。
【0028】
また、軌道10は、坂軌道12の途中に橋軌道14を含んでいる。この橋軌道14は、跳上げ式のものとなっており、ダイヤル14aの回転操作によって跳ね上げられる。この橋軌道14の跳上げによって坂軌道12が分断される。橋軌道14は、平面視で略長方形となっており、側面視で中央がなだらかに山状に膨らんだ形となっている。
【0029】
《回動軌道20》
図4は、回動軌道20とその周辺を示した図であり、(A)は橋軌道14を下ろした状態を示し、(B)は橋軌道14を跳ね上げた状態を示している。また、
図5は、回動軌道20を示した斜視図、
図6は、回動軌道20を下方側から見た斜視図である。
軌道10は、坂軌道12の途中に回動軌道20を含んでいる。
回動軌道20は、走行玩具50をダイブさせるものである。回動軌道20は、上記橋軌道14が下りているとき(
図4(A))には、橋軌道14に上面が被覆され、軌道として使用されない。一方、橋軌道14が跳ね上げられたとき(
図4(B))には、橋軌道14の跳上げによって途切れた軌道の一方の端部を構成する。
回動軌道20は、水平な軸20aを中心に上下に回動可能に構成され、路面が略水平となる第1位置と、路面が略直立する第2位置との間で回動する。
この回動軌道20は、コイルばね21の付勢力によって第1位置を取るように付勢され、常態では、第1位置を取る。第1位置では、軸20aよりも後ろの部分は、支持部材25によって支持される。また、第1位置で走行玩具50が回動軌道20に乗ると、走行玩具50の重さによって、回動軌道20が回動し第2位置を取る。
【0030】
図7は、回動軌道20の分解斜視図である。
回動軌道20の左右レールの間には、膨出部20bが形成されている。膨出部20bには係止部材22が設けられている。係止部材22は、中間部が水平な軸22bを介して、回動軌道20の固定部に取り付けられている。この係止部材22の一端部には爪22cが形成され、他端部には操作部22dが形成されている(
図8参照)。
そして、係止部材22の軸22bには図示しないトーションばねが巻回され、常態では、爪22cが膨出部20bの上方に突出し、操作部22dが軌道本体の下面の下方に突出する。
図8に示すように、係止部材22は、回動軌道20が第1位置にあるとき、爪22cが膨出部20bから突出した位置を取り(
図8(A))、回動軌道20が第2位置にあるとき、操作部22dが支持部材25に突き当たり、爪22cが膨出部20bから没入する(
図8(B))。
【0031】
また、回動軌道20には、爪22cの両脇となる位置に壁23L、23Rが立設されている。壁23L、23Rの内面には、回動軌道20に進入する走行玩具50の円柱状突起53が入り込む溝24L、24Rが形成されている(
図9)。溝24L、24Rは路面に対して平行に延在している。なお、壁23L、23Rで、壁23Rが壁23Lよりも長くなっているが、これは溝24Rに円柱状突起53を導入し易くしたものである。
【0032】
《支持部30L、30R》
図10は、回動軌道20、支持部30L、30R及びストッパ40L、40Rの位置関係を示した図である。
回動軌道20の下方には、着地軌道17の両脇に立設された壁32L、32Rから内方に張り出す支持部30L、30Rが設けられている。支持部30L、30Rは、回動軌道20からダイブして来た走行玩具50の前部側の円柱状突起53を受け止め、当該円柱状突起53を中心とする走行玩具50の回転を許容する。
なお、特に制限はされないが、支持部30L、30Rは、支持の解除がし易いように、
図10の手前側端部の張出し幅が小さくなるように形成されているが、手前側を断崖としたり、手前端部を下り勾配を持つ傾斜面にしたりしてもよい。
【0033】
《ストッパ40L、40R》
壁32L、32Rの内面には、壁32L、32Rから内方に張り出すストッパ40L、40Rが形成されている。ストッパ40L、40Rには、支持部30L、30Rで円柱状突起53を中心として回転した走行玩具50の後部側の円柱状突起53が個別に突き当たる。この突き当たりによって、走行玩具50が反作用で押し返される。この押返しによって、走行玩具50の円柱状突起53が支持部30L、30Rから外れる。
【0034】
《動作》
図11は、走行玩具50の落下の様子を示した図である。
橋軌道14が跳ね上げられた状態で、走行玩具50が坂軌道12を上り回動軌道20に乗ると、後部側の円柱状突起53が溝24L、24Rに入り込むとともに、壁52の後端の壁が爪22cに突き当たる。これにより、走行玩具50が停止させられ、回動軌道20に拘束される。同時に、走行玩具50の重さにより、回動軌道20が軸20aを中心に回動する。このとき回動軌道20に拘束された走行玩具50が前転跳びの方向に回転する。
【0035】
この回動軌道20の回動によって、回動軌道20が第2位置に至ると、操作部22dが支持部材25に突き当たり、爪22cが膨出部20bから没入する。これにより、回動軌道20による拘束が解除され、走行玩具50は前部から着地軌道17に向けてダイブする。
【0036】
そして、ダイブした走行玩具50の前部側の円柱状突起53が落下途中で支持部30L、30Rに受け止められる。同時に、回動軌道20がコイルばね21の付勢力によって第1位置に戻ろうとするので、当該回動軌道20によって走行玩具50の車台下面が蹴られる。これにより、走行玩具50には強い回転力が付与され、走行玩具50が円柱状突起53を中心に回転する。
【0037】
走行玩具50が円柱状突起53を中心に回転し、走行玩具50の車台下面が下方に向いたとき、後部側の円柱状突起53がストッパ40L、40Rに突き当たる。この突き当たりによって、走行玩具50が反作用(反動)で押し返される。この押返しによって、走行玩具50の円柱状突起53が支持部30L、30Rから外れる。これによって、走行玩具50が着地軌道17に着地する。
【0038】
《効果》
実施形態の自動走行玩具100の主たる効果を説明すれば次の通りである。
すなわち、実施形態の軌道走行玩具100によれば、走行玩具50が前方に1回転し着地するので、意外性があり、興趣性の高い軌道走行玩具が実現できる。
また、走行玩具50の形の制限が少なくなる。
さらに、車軸の延長線上の柱状突起を利用しているので、意匠的な違和感が少ない上、車体が傷つくのを防止することができる。
【0039】
《変形例》
上記実施形態では、爪22cにより壁52を係止し、後部側の円柱状突起53を溝24L、24Rに入り込ませて回動軌道20上に走行玩具50を拘束する構成としたが、前部側の円柱状突起53を溝24L、24Rに入り込ませて回動軌道20上に走行玩具50を拘束する構成としてもよい。
【0040】
また、上記実施形態では、爪22cに係止される壁52は走行玩具50の前部側にあってもよい。この場合、走行玩具50を停車させる手段として、爪22cに代えて、走行玩具50の前部が当接するゲートとすることができる。
【0041】
さらに、上記実施形態では、回転軌道20の第1位置への戻りによって走行玩具50に回転力(トルク)を与えるようにしたが、走行玩具50のダイブの姿勢(向き)を変更することにより、走行玩具50に働く重力に基づく回転力のみによって走行玩具50を回転させるようにしてもよい。例えば、回動軌道20や走行玩具50の重心位置等を変更する等により、走行玩具50のダイブの姿勢(向き)を変更することができる。
【0042】
また、上記実施形態では、走行玩具50の前部及び後部に円柱状突起53を設けたが、円柱状突起以外の柱状突起とすることができる。ただし、前部側は回転中心として使用されるので、円柱状突起とすることが好ましい。
なお、前部及び後部に設けられる円柱状突起53は車体の左右側面から張り出していれば足り、必ずしも、車輪51に設ける必要はない。
また、後部側には円柱状突起53を設けずに、車体自体をストッパに当接させる構造でもよい。
【0043】
また、上記実施形態では、走行玩具50の重さによって回動軌道20を第2位置まで動作させたが、停車した走行玩具50の車輪(動輪)51の動力、別途設けたモータ、若しくは、手動操作等によって軌道20を第2位置まで動作させてもよい。或いは、走行玩具50の車輪(動輪)51の動力、別途設けたモータ、若しくは、手動操作等によって第1位置に回動軌道20を保持するロックを解除し、その後に走行玩具50の重さやばね等の付勢力によって回動軌道20を第2位置まで動作させるようにしてもよい。
【0044】
また、上記実施形態では、前進する走行玩具50の前部左右の円柱状突起53を中心に走行玩具50を回転させるようにしたが、後進する走行玩具50の後部左右の円柱状突起53を中心に走行玩具50を回転させるようにしてもよい。或いは、回動軌道20に進入した走行玩具20を回動軌道20の上に拘束し、進入方向の後部側からダイブさせ、後転跳びの方向に回転させるようにしてもよい。
【0045】
なお、以上の変形は、矛盾しない限り自由に組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0046】
10 軌道
12 坂軌道
14 橋軌道
17 着地軌道
20 回動軌道
22 係止部材
23L、23R 壁
24L、24R 溝
25 支持部材
30 支持部
30L、30R 支持部
32L、32R 壁
40L、40R ストッパ
50 走行玩具
53 円柱状突起
100 軌道走行玩具