(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024051652
(43)【公開日】2024-04-11
(54)【発明の名称】制御装置、及び移動体
(51)【国際特許分類】
B60W 50/14 20200101AFI20240404BHJP
B60R 99/00 20090101ALI20240404BHJP
B60W 30/06 20060101ALI20240404BHJP
【FI】
B60W50/14
B60R99/00 351
B60W30/06
【審査請求】有
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022157935
(22)【出願日】2022-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002505
【氏名又は名称】弁理士法人航栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】藤原 達朗
【テーマコード(参考)】
3D241
【Fターム(参考)】
3D241BA21
3D241BA60
3D241BC02
3D241CC17
3D241CE04
3D241CE05
3D241DB01Z
3D241DB02Z
3D241DD11Z
(57)【要約】
【課題】表示装置の限られた表示領域を有効活用して、ユーザにとって必要な情報をわかりやすくユーザに提示することが可能な制御装置を提供する。
【解決手段】制御装置30は、目標位置への並列駐車又は縦列駐車が行われる場合に、車両1及び俯瞰画像をタッチパネル21に表示させるとともに、俯瞰画像上に、目標位置として設定される場所を示す枠画像を重ねて表示させ、表示させた俯瞰画像をユーザからの指示に応じて拡大表示することが可能に構成される。そして、制御装置30は、俯瞰画像を拡大表示する際の表示範囲を、目標位置への並列駐車が行われる場合と、目標位置への縦列駐車が行われる場合とで異ならせる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが指定した目標位置へ自動操舵により移動する移動体に搭載された表示装置を制御する制御装置であって、
前記移動体は、前記目標位置への並列駐車と、前記目標位置への縦列駐車とを実行可能に構成され、
前記制御装置は、
前記並列駐車又は前記縦列駐車が行われる場合に、前記移動体及び前記移動体の周辺を俯瞰した俯瞰画像を前記表示装置に表示させるとともに、当該俯瞰画像上に、前記目標位置として設定される場所を示す枠画像を重ねて表示させ、
前記俯瞰画像を、前記ユーザからの指示に応じて拡大表示することが可能であり、
前記俯瞰画像を拡大表示する際の表示範囲を、前記並列駐車が行われる場合と、前記縦列駐車が行われる場合とで異ならせる、
制御装置。
【請求項2】
請求項1に記載の制御装置であって、
前記制御装置は、
前記並列駐車が行われる場合には前記表示範囲を第1範囲とする一方、前記縦列駐車が行われる場合には前記表示範囲を第2範囲とし、
前記第1範囲は、前記俯瞰画像における前記移動体の左右の一方側を含む所定範囲であり、
前記第2範囲は、前記俯瞰画像における前記移動体の前後の一方側を含む所定範囲である、
制御装置。
【請求項3】
請求項2に記載の制御装置であって、
前記第2範囲としては、前記俯瞰画像における前記移動体の前方を含み且つ後方を含まない第3範囲と、前記俯瞰画像における前記移動体の後方を含み且つ前方を含まない第4範囲と、が設けられ、
前記制御装置は、
前記縦列駐車が行われる場合には前記表示範囲を前記第3範囲とするか前記第4範囲とするかを切り替え可能に構成される、
制御装置。
【請求項4】
請求項3に記載の制御装置であって、
前記制御装置は、
前記縦列駐車が行われる場合に、前記俯瞰画像を拡大表示しない通常表示と、前記表示範囲を前記第3範囲とする前方拡大表示と、前記表示範囲を前記第4範囲とする後方拡大表示との間で、ユーザからの所定の操作がある毎に順次切り替える、
制御装置。
【請求項5】
請求項4に記載の制御装置であって、
前記表示装置は、タッチパネルであり、
前記操作は、前記タッチパネルに表示されたボタン画像に対する操作であり、
前記制御装置は、
前記通常表示中には前記移動体の前部をあらわす画像を含む前記ボタン画像を前記タッチパネルに表示させ、当該ボタン画像に対する操作があると、前記通常表示から前記前方拡大表示へ切り替え、
前記前方拡大表示中には前記移動体の後部をあらわす画像を含む前記ボタン画像を前記タッチパネルに表示させ、当該ボタン画像に対する操作があると、前記前方拡大表示から前記後方拡大表示へ切り替え、
前記後方拡大表示中には前記移動体の全体をあらわす画像を含む前記ボタン画像を前記タッチパネルに表示させ、当該ボタン画像に対する操作があると、前記後方拡大表示から前記通常表示へ切り替える、
制御装置。
【請求項6】
請求項4又は5に記載の制御装置であって、
前記移動体は、ユーザが設定した進入禁止場所に進入しないようにしながら前記目標位置へ移動可能に構成され、
前記制御装置は、さらに、前記進入禁止場所の設定が行われる場合に、前記前方拡大表示と、前記後方拡大表示との間で、ユーザからの操作に応じて切り替え可能に構成される、
制御装置。
【請求項7】
請求項1に記載の制御装置を備える移動体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置、及び当該制御装置を備える移動体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、脆弱な立場にある交通参加者にも配慮した持続可能な輸送システムを提供するための取り組みが活発化している。この取り組みの1つとして、交通の安全性や利便性をより改善すべく、自動車等の車両における運転支援技術や自動運転技術に関する研究開発が行われている。
【0003】
例えば、下記特許文献1には、自車両の俯瞰画像に駐車スペース設定枠を重畳させて提示し、駐車スペース設定枠と所定の位置関係を有する第1入力ポイントを指定する第1入力と、第1入力ポイントとは異なる位置の第2入力ポイントを指定する第2入力とを受け付け、第1入力ポイントに対する第2入力ポイントの相対位置の変化に応じて、駐車スペース設定枠の位置を、第1入力ポイントを基準に変化させて位置調整するようにした駐車支援装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来技術にあっては、限られた表示装置の表示領域を有効活用して、ユーザにとって必要な情報をわかりやすくユーザに提示する観点で改善の余地があった。
【0006】
本発明は、限られた表示装置の表示領域を有効活用して、ユーザにとって必要な情報をわかりやすくユーザに提示することが可能な制御装置、及び当該制御装置を備える移動体を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1発明は、
ユーザが指定した目標位置へ自動操舵により移動する移動体に搭載された表示装置を制御する制御装置であって、
前記移動体は、前記目標位置への並列駐車と、前記目標位置への縦列駐車とを実行可能に構成され、
前記制御装置は、
前記並列駐車又は前記縦列駐車が行われる場合に、前記移動体及び前記移動体の周辺を俯瞰した俯瞰画像を前記表示装置に表示させるとともに、当該俯瞰画像上に、前記目標位置として設定される場所を示す枠画像を重ねて表示させ、
前記俯瞰画像を、前記ユーザからの指示に応じて拡大表示することが可能であり、
前記俯瞰画像を拡大表示する際の表示範囲を、前記並列駐車が行われる場合と、前記縦列駐車が行われる場合とで異ならせる、
制御装置である。
【0008】
第2発明は、
第1発明の制御装置を備える移動体である。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、限られた表示装置の表示領域を有効活用して、ユーザにとって必要な情報をわかりやすくユーザに提示することが可能な制御装置、及び当該制御装置を備える移動体を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】一実施形態の制御装置30を備える車両1の構成の一例を示す図である。
【
図2】自動駐車に関し、制御装置30がタッチパネル21に表示させる自動駐車関連画面の一例を示す図(その1)である。
【
図3】自動駐車に関し、制御装置30がタッチパネル21に表示させる自動駐車関連画面の一例を示す図(その2)である。
【
図4】微調整モードボタンBT及び通常調整モードボタンBGの操作前後の第1表示領域D1の一例を示す図である。
【
図5】自動駐車に関し、制御装置30がタッチパネル21に表示させる自動駐車関連画面の一例を示す図(その3)である。
【
図6】前部表示ボタンBSfの操作前後の第1表示領域D1の一例を示す図である。
【
図7】後部表示ボタンBSrの操作前後の第1表示領域D1の一例を示す図である。
【
図8】全体表示ボタンBSwの操作前後の第1表示領域D1の一例を示す図である。
【
図9】進入禁止設定画像GRが表示される場合における前部表示ボタンBSfの操作前後の第1表示領域D1の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の制御装置及び移動体の一実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。以下に説明する一実施形態は、本発明における移動体を車両とした場合の例である。また、本明細書等では説明を簡単且つ明確にするために、前後、左右、上下の各方向は、車両の乗員(例えば運転者)から見た方向に従って記載する。なお、以下では、同一又は類似の要素には同一又は類似の符号を付して、その説明を適宜省略又は簡略化することがある。
【0012】
[車両]
図1に示す本実施形態の車両1は、駆動源と、駆動源の動力によって駆動される駆動輪及び転舵可能な転舵輪を含む車輪(いずれも不図示)と、を有する自動車である。例えば、車両1は、左右一対の前輪及び後輪を有する四輪の自動車である。車両1の駆動源は、電動機であってもよいし、ガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の内燃機関であってもよいし、電動機と内燃機関との組み合わせであってもよい。また、車両1の駆動源は、左右一対の前輪を駆動してもよいし、左右一対の後輪を駆動してもよいし、左右一対の前輪及び後輪の四輪を駆動してもよい。前輪及び後輪は、いずれか一方が転舵可能な転舵輪であってもよいし、双方が転舵可能な転舵輪であってもよい。
【0013】
車両1は、車両1の乗員であるユーザが指定した目標位置へ自動操舵により移動可能に構成される。また、車両1は、例えば、ユーザが設定した進入禁止場所に進入しないようにしながら目標位置へ移動可能に構成される。
【0014】
目標位置としては、車両1を駐車する位置(以下、単に「駐車位置」とも称する)が設定され得る。すなわち、車両1は、ユーザが指定した駐車位置に自動操舵により駐車可能に構成される。以下、ユーザが指定した駐車位置への自動操舵による駐車を「自動駐車」とも称する。
【0015】
また、車両1では、自動駐車に際して、目標位置である駐車位置への駐車方法(換言すると移動態様)を、ユーザが選択可能になっている。より具体的には、本実施形態では、目標位置である駐車位置に対して、車両1が並列駐車する並列駐車パターンと、車両1が縦列駐車する縦列駐車パターンとがあらかじめ用意されている。さらに、並列駐車パターンとしては、目標位置である駐車位置に対して、車両1が前進駐車する前進駐車パターンと、車両1が後退駐車する後退駐車パターンとが用意されている。
【0016】
そして、ユーザによって前進駐車パターンが選択された場合には目標位置である駐車位置への前進駐車が、後退駐車パターンが選択された場合には目標位置である駐車位置への後退駐車が、縦列駐車パターンが選択された場合には目標位置である駐車位置への縦列駐車が、それぞれ行われるようになっている。
【0017】
車両1の構成の一例について説明すると、
図1に示すように、車両1は、センサ群10と、ナビゲーション装置20と、制御装置30と、EPSシステム(電動パワーステアリングシステム)40と、通信部50と、駆動力制御システム60と、制動力制御システム70と、を備える。
【0018】
センサ群10は、車両1又は車両1の周辺に関する各種の検出値を取得する。センサ群10によって取得された検出値は、後述の制御装置30へ送られ、車両1の自動駐車等に供される。
【0019】
センサ群10には、例えば、前方カメラ11aと、後方カメラ11bと、左側方カメラ11cと、右側方カメラ11dと、前方ソナー群12aと、後方ソナー群12bと、左側方ソナー群12cと、右側方ソナー群12dとが含まれる。これらのカメラ及びソナー群は、車両1の周辺情報を取得する外界センサとして機能し得る。
【0020】
前方カメラ11a、後方カメラ11b、左側方カメラ11c、及び右側方カメラ11dは、車両1の周辺を撮像することにより得られた周辺画像の画像データを制御装置30へ出力する。前方カメラ11a、後方カメラ11b、左側方カメラ11c、及び右側方カメラ11dによって撮像される周辺画像は、それぞれ前方画像、後方画像、左側方画像、右側方画像とも称される。また、左側方画像と右側方画像とによって構成される画像は、側方画像とも称される。
【0021】
前方ソナー群12a、後方ソナー群12b、左側方ソナー群12c、及び右側方ソナー群12dは、車両1の周辺に音波を発射するとともに、他物体からの反射音を受信する。前方ソナー群12aは、例えば4つのソナーを含む。前方ソナー群12aを構成するソナーは、車両1の左斜め前方、前方左側、前方右側、及び右斜め前方にそれぞれ備えられている。後方ソナー群12bは、例えば4つのソナーを含む。後方ソナー群12bを構成するソナーは、車両1の左斜め後方、後方左側、後方右側、及び右斜め後方にそれぞれ備えられている。左側方ソナー群12cは、例えば2つのソナーを含む。左側方ソナー群12cを構成するソナーは、車両1の左側部前方、及び左側部後方にそれぞれ備えられている。右側方ソナー群12dは、例えば2つのソナーを含む。右側方ソナー群12dを構成するソナーは、車両1の右側部前方、及び右側部後方にそれぞれ備えられている。
【0022】
さらに、センサ群10には、車輪センサ13a、13bと、車速センサ14と、操作検出部15とが含まれる。車輪センサ13a、13bは、それぞれ車輪(不図示)の回転角度θa、θbを検出する。車輪センサ13a、13bは、角度センサによって構成されていてもよいし、変位センサによって構成されていてもよい。車輪センサ13a、13bは、車輪が所定角度回転する毎に検出パルスを出力する。車輪センサ13a、13bから出力される検出パルスは、車輪の回転角度及び車輪の回転速度の算出に用いられ得る。車輪の回転角度に基づいて、車両1の移動距離が算出され得る。車輪センサ13aは、例えば、左後輪の回転角度θaを検出する。車輪センサ13bは、例えば、右後輪の回転角度θbを検出する。
【0023】
車速センサ14は、車両1の車体(不図示)の走行速度、すなわち車速Vを検出し、検出した車速Vを制御装置30へ出力する。車速センサ14は、例えば、トランスミッションのカウンタシャフトの回転に基づいて車速Vを検出する。
【0024】
操作検出部15は、操作入力部80を用いて行われるユーザによる操作内容を検出し、検出した操作内容を制御装置30へ出力する。操作入力部80には、例えば、自動駐車を実行させる操作を受け付ける操作ボタン等が含まれ得る。なお、操作入力部80は、後述するタッチパネル21と共通化されてもよい。
【0025】
ナビゲーション装置20は、例えばGPS(Global Positioning System)を用いて車両1の現在位置を検出するとともに、目的地までの経路をユーザに案内する。ナビゲーション装置20は、地図情報データベースが備えられた不図示の記憶装置を有する。
【0026】
ナビゲーション装置20には、タッチパネル21と、スピーカ22とが備えられている。タッチパネル21は、制御装置30に対する各種情報の入力を受け付ける入力装置、及び制御装置30によって制御される表示装置として機能する。すなわち、ユーザは、タッチパネル21を介して、制御装置30に対し、各種の指令を入力することが可能である。また、タッチパネル21には、各種の画面が表示される。
【0027】
スピーカ22は、ユーザに対して各種の案内情報を音声で出力する。一例として、自動駐車の際には、スピーカ22を介した音声案内が行われるようにしてもよい。具体的には、ユーザが指定した駐車位置への自動操舵による移動が開始される際に、車両1の移動が開始されることがスピーカ22を介した音声案内により行われるようにしてもよい。
【0028】
制御装置30は、車両1全体を統括制御する装置(コンピュータ)である。制御装置30は、例えば、入出力部31と、演算部32と、記憶部35と、を備える。入出力部31は、演算部32の制御に従って、制御装置30の内部と外部との間でデータの入出力を行うインターフェイスである。記憶部35は、例えばフラッシュメモリ等の不揮発性の記憶媒体を含んで構成され、車両1の動作を制御するための各種情報(例えばデータやプログラム)を記憶する。
【0029】
演算部32は、例えばCPU(Central Processing Unit)等により構成され、記憶部35等に記憶されたプログラムを実行することによって車両1の各構成要素を制御する。これにより、前述した自動駐車が実現される。例えば、演算部32は、入出力部31等を介して自動駐車を実行させる操作を受け付けると、自動駐車を実行する。
【0030】
例えば、演算部32は、車両1が備える表示装置(ここではタッチパネル21とする)を制御する。演算部32は、例えば、自動駐車を実行させる操作を受け付けたことに応じて、後述の自動駐車関連画面PSをタッチパネル21に表示し得る。
【0031】
EPSシステム40は、舵角センサ41と、トルクセンサ42と、EPSモータ43と、レゾルバ44と、EPS ECU(EPS電子制御装置)45と、を有する。舵角センサ41は、ステアリング46の舵角θstを検出する。トルクセンサ42は、ステアリング46に加わるトルクTQを検出する。
【0032】
EPSモータ43は、ステアリング46に連結されたステアリングコラム47に対して駆動力又は反力を付与することにより、運転者によるステアリング46の操作支援や自動駐車時の自動操舵を可能とする。レゾルバ44は、EPSモータ43の回転角度θmを検出する。EPS ECU45は、EPSシステム40の全体の制御を司る。EPS ECU45には、入出力部と、演算部と、記憶部とが備えられている(いずれも不図示)。
【0033】
通信部50は、制御装置30の制御に従って、車両1の外部に設けられた外部装置2との間で通信を行う通信インターフェイスである。すなわち、制御装置30は、通信部50を介して外部装置2との間で通信を行い得る。車両1と外部装置2との通信には、例えば、セルラー回線等の移動体通信網、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)等を採用することができる。外部装置2は、例えば、車両1の製造業者によって管理される。また、外部装置2は、クラウドコンピューティングサービスにおいて実現される仮想的なサーバ(クラウドサーバ)であってもよいし、1個の装置として実現された物理的なサーバであってもよい。
【0034】
駆動力制御システム60は、駆動ECU61を備えている。駆動力制御システム60は、車両1の駆動力制御を実行する。駆動ECU61は、不図示のアクセルペダルに対するユーザによる操作や制御装置30からの指示に基づいて、不図示のエンジン等を制御することによって、車両1の駆動力を制御する。
【0035】
制動力制御システム70には、制動ECU71が備えられている。制動力制御システム70は、車両1の制動力制御を実行する。制動ECU71は、不図示のブレーキペダルに対するユーザによる操作に基づいて、不図示のブレーキ機構等を制御することによって、車両1の制動力を制御する。
【0036】
[自動駐車に関する画面]
次に、自動駐車に関し、制御装置30がタッチパネル21に表示させる表示画面の具体例について、
図2~
図9を参照しながら説明する。
【0037】
図2、
図3及び
図5に示すように、タッチパネル21は、矩形状であって横長の表示領域21aを有する。表示領域21aの右側半分の領域は第1表示領域D1として使用され、表示領域21aの左側半分の領域は第2表示領域D2として使用される。
【0038】
タッチパネル21の表示領域21aには、例えば、自動駐車に関する画面(以下「自動駐車関連画面PS」とも称する)が表示される。自動駐車関連画面PSには、ユーザが自動駐車に関する各種設定等を行うための各種画像が含まれ得る。
【0039】
例えば、自動駐車関連画面PSには、
図2に示すように、駐車方法選択画像GSが含まれ得る。また、自動駐車関連画面PSには、
図3~
図9に示すように、俯瞰画像PS1、候補位置画像GF、調整ボタン群画像(以下、単に「調整ボタン群」とも称する)GB、操作ガイド画像(以下、単に「操作ガイド」とも称する)GO、決定ボタン画像(以下、単に「決定ボタン」とも称する)BK、リセットボタン画像(以下、単に「リセットボタン」とも称する)BR、微調整モードボタンBT、通常調整モードボタンBG、前部表示ボタンBSf、後部表示ボタンBSr、全体表示ボタンBSw、進入禁止設定画像GR、等が含まれ得る。これらの各種画像の詳細については後述する。
【0040】
図2に示すように、駐車方法選択画像GSは、第1表示領域D1及び第2表示領域D2に跨がって表示される。駐車方法選択画像GSには、駐車パターン(すなわち駐車方法)を示す駐車パターン画像GPとして、前進駐車パターンを示す駐車パターン画像GP1と、後退駐車パターンを示す駐車パターン画像GP2と、縦列駐車パターンを示す駐車パターン画像GP3と、が含まれる。ユーザは、例えば、駐車パターン画像GP1、GP2、GP3のいずれかをタップする(例えば指先で軽く叩く)ことにより、当該駐車パターン画像が示す駐車パターンでの自動駐車を行うように、制御装置30に対して指示できる。
【0041】
[第1表示領域に表示され得る画像]
図3~
図9に示すように、第1表示領域D1には、俯瞰画像PS1、候補位置画像GF、調整ボタン群GB、決定ボタンBK、リセットボタンBR、等が表示され得る。また、
図3及び
図4に示すように、第1表示領域D1には、微調整モードボタンBT及び通常調整モードボタンBGが表示され得る。さらに、
図5~
図8に示すように、第1表示領域D1には、前部表示ボタンBSf、後部表示ボタンBSr及び全体表示ボタンBSwが表示され得る。また、
図9に示すように、第1表示領域D1には、進入禁止設定画像GRも表示され得る。
【0042】
(俯瞰画像)
図3等に示す俯瞰画像PS1は、車両1及びその周辺を真上から俯瞰した画像であり、車両1をあらわす画像としての自車画像GF1を含む。俯瞰画像PS1は、例えば、前方カメラ11a、後方カメラ11b、左側方カメラ11c、及び右側方カメラ11dによって車両1の周辺を撮像することにより得られた周辺画像に基づき生成される。
【0043】
(候補位置画像)
図3等に示す候補位置画像GFは、駐車位置の候補となる駐車候補位置を示す画像であり、俯瞰画像PS1に重ねて表示される。例えば、候補位置画像GFは、駐車候補位置の外郭線を示す枠画像となっている。
図3及び
図5に示す例では、俯瞰画像PS1における自車画像GF1の左右に候補位置画像GFがそれぞれ表示されている。ユーザは、例えば、表示されている候補位置画像GFのうちの任意のものをタップすることにより、その候補位置画像GFを選択することができる。
【0044】
自動駐車により車両1が並列駐車する場合(すなわちユーザによって並列駐車パターンが選択された場合)、候補位置画像GFは、デフォルトの状態では、
図3に示すように横向きに表示される。一方、自動駐車により車両1が縦列駐車する場合(すなわちユーザによって縦列駐車パターンが選択された場合)、候補位置画像GFは、デフォルトの状態では、
図5に示すように縦向きに表示される。
【0045】
また、選択されている候補位置画像GFは、例えば、他の候補位置画像GF(すなわち選択されていない候補位置画像GF)と区別可能に強調表示される。以下、選択されている候補位置画像GFを「選択中候補位置画像GFS」とも称する。この選択中候補位置画像GFSは、自動駐車により車両1が駐車する際に目標位置として設定される駐車位置を示す枠画像である。
【0046】
なお、選択中候補位置画像GFSを強調表示する際の態様としては、例えば、選択中候補位置画像GFSの外郭線の太さを他の候補位置画像GFよりも太くする、選択中候補位置画像GFSの外郭線の表示色を他の候補位置画像GFの表示色とは異ならせる、等の態様を挙げることができる。
【0047】
また、選択中候補位置画像GFSがあらわす枠内には、例えば、車両1をあらわす画像が半透明化された状態で表示される。選択中候補位置画像GFSの枠内に表示された車両1の画像(
図3~
図8における選択中候補位置画像GFSの枠内の破線を参照)により、選択中候補位置画像GFSが示す駐車位置に車両1を駐車した場合にどのようになるのかをユーザにわかりやすく案内することができる。
【0048】
また、各候補位置画像GFは、その候補位置画像GFをタッチ操作することにより、又は、調整ボタン群GBの調整ボタンをタップすることにより、第1表示領域D1内で、上下左右へ移動させたり回転させたりすることが可能である。候補位置画像GFに対するタッチ操作には、スワイプ(一本の指で画面に触れたままその指を上下左右に動かす操作)及びマルチスワイプ(二本以上の指で画面に触れたままそれらの指を同時に上下左右に動かす操作)が含まれる。
【0049】
一例として、ユーザは、任意の候補位置画像GFをスワイプすることにより、その候補位置画像GFがスライド(換言すると平行移動)するように操作することができる。また、ユーザは、任意の候補位置画像GFをマルチスワイプすることにより、その候補位置画像GFが第1表示領域D1において左回り(すなわち反時計回り)又は右回り(すなわち時計回り)に回転するように操作することができる。
【0050】
(調整ボタン群)
図4(b)等に示す調整ボタン群GBは、選択中候補位置画像GFSの位置及び角度を調整するための操作ボタン群である。
図4(b)等に示すように、調整ボタン群GBは、上ボタンBn10aと、下ボタンBn10bと、左ボタンBn10cと、右ボタンBn10dと、左回転ボタンBn10eと、右回転ボタンBn10fと、を含んで構成される。
図4(b)等に示すように、調整ボタン群GBは、例えば、第1表示領域D1の下端部の中央部に表示される。本明細書等では、上ボタンBn10a、下ボタンBn10b、左ボタンBn10c、右ボタンBn10d、左回転ボタンBn10e及び右回転ボタンBn10fを総称して、「調整ボタン」ともいう。
【0051】
(決定ボタン)
図3等に示す決定ボタンBKは、選択中候補位置画像GFSが示す位置を駐車位置として決定(換言すると設定)するための操作ボタン画像である。また、
図3等に示すリセットボタンBRは、候補位置画像GFに対して行われた操作をすべてリセットする(換言すると候補位置画像GFをデフォルトの位置及び角度に戻す)ための操作ボタン画像である。
図3等に示すように、例えば、決定ボタンBKは、第1表示領域D1の下端近傍且つ左端寄りの位置に表示され、リセットボタンBRは、第1表示領域D1の下端近傍且つ右端寄りの位置に表示される。
【0052】
(微調整モードボタン及び通常調整モードボタン)
図3及び
図4に示す微調整モードボタンBT及び通常調整モードボタンBGは、自動駐車による並列駐車が行われる場合(すなわちユーザによって並列駐車パターンが選択された場合)に、第1表示領域D1に表示される。微調整モードボタンBT及び通常調整モードボタンBGは、自動駐車による並列駐車が行われる場合の第1表示領域D1の表示を切り替える操作を行うための操作ボタン画像である。
【0053】
より具体的に説明すると、微調整モードボタンBTは、
図3及び
図4(a)に示すように、俯瞰画像PS1が通常表示されているときに、第1表示領域D1の下端近傍且つ右端寄りの位置(例えばリセットボタンBRの右側)に表示される。ここで、通常表示とは、拡大表示されていない状態での表示(すなわち非拡大表示)である。一方、通常調整モードボタンBGは、
図4(b)に示すように、俯瞰画像PS1が拡大表示されているときに、第1表示領域D1の下端近傍且つ右端寄りの位置(例えばリセットボタンBRの右側)に表示される。
【0054】
本実施形態では、
図4(a)に示す微調整モードボタンBTがタップされると、
図4(b)に示すように、俯瞰画像PS1及び候補位置画像GFが通常表示時に比べて拡大表示されるとともに、それまで表示されていた微調整モードボタンBTの代わりに通常調整モードボタンBGが表示される。
【0055】
そして、
図4(b)に示す通常調整モードボタンBGがタップされると、
図4(a)に示すように、俯瞰画像PS1及び候補位置画像GFが通常表示に戻るとともに、それまで表示されていた通常調整モードボタンBGの代わりに微調整モードボタンBTが表示される。
【0056】
このように、本実施形態では、自動駐車による並列駐車が行われる場合には、微調整モードボタンBT及び通常調整モードボタンBGに対する操作に応じて、第1表示領域D1の表示が通常表示と拡大表示との間で交互に切り替わる。
【0057】
ところで、
図4(a)に示すように、自動駐車による並列駐車が行われる場合の通常表示時には、自車画像GF1を略中心とする俯瞰画像PS1が第1表示領域D1に表示される。
【0058】
一方、
図4(b)に示すように、自動駐車による並列駐車が行われる場合の拡大表示時には、自車画像GF1(すなわち俯瞰画像PS1における車両1)の左右の一方側を含む所定範囲(第1範囲)を表示範囲とした俯瞰画像PS1が第1表示領域D1に表示される。より具体的には、このとき、
図4(b)に示すように、目標位置として設定される駐車位置を示す選択中候補位置画像GFSが自車画像GF1の右側にあれば、選択中候補位置画像GFSを含む自車画像GF1から右側の所定範囲を表示範囲とした俯瞰画像PS1が第1表示領域D1に表示される。また、選択中候補位置画像GFSが自車画像GF1の左側にあれば、選択中候補位置画像GFSを含む自車画像GF1から左側の所定範囲を表示範囲とした俯瞰画像PS1が第1表示領域D1に表示される。換言すると、自動駐車による並列駐車が行われる場合の拡大表示時の俯瞰画像PS1には、自車画像GF1の左右のうち、選択中候補位置画像GFSがない方の範囲がほぼ含まれない。
【0059】
(前部表示ボタン、後部表示ボタン及び全体表示ボタン)
図5~
図8に示す前部表示ボタンBSf、後部表示ボタンBSr及び全体表示ボタンBSwは、自動駐車による縦列駐車が行われる場合(すなわちユーザによって縦列駐車パターンが選択された場合)に、第1表示領域D1に表示される。前部表示ボタンBSf、後部表示ボタンBSr及び全体表示ボタンBSwは、自動駐車による縦列駐車が行われる場合の第1表示領域D1の表示を切り替える操作を行うための操作ボタン画像である。
【0060】
より具体的に説明すると、前部表示ボタンBSfは、
図5及び
図6(a)に示すように、俯瞰画像PS1が通常表示されているときに、第1表示領域D1の下端近傍且つ右端寄りの位置(例えばリセットボタンBRの右側)に表示される。例えば、前部表示ボタンBSfは、車両1の前部をあらわす画像BSf1を含むものとなっている。
【0061】
また、後部表示ボタンBSrは、
図6(b)及び
図7(a)に示すように、自車画像GF1の上方(すなわち俯瞰画像PS1における車両1の前方)にフォーカスするように俯瞰画像PS1が拡大表示されているときに、第1表示領域D1の下端近傍且つ右端寄りの位置(例えばリセットボタンBRの右側)に表示される。例えば、後部表示ボタンBSrは、車両1の後部をあらわす画像BSr1を含むものとなっている。
【0062】
そして、全体表示ボタンBSwは、
図7(b)に示すように、自車画像GF1の下方(すなわち俯瞰画像PS1における車両1の後方)にフォーカスするように俯瞰画像PS1が拡大表示されているときに、第1表示領域D1の下端近傍且つ右端寄りの位置(例えばリセットボタンBRの右側)に表示される。例えば、全体表示ボタンBSwは、車両1の全体をあらわす画像BSw1を含むものとなっている。
【0063】
本実施形態では、
図6(a)に示す前部表示ボタンBSfがタップされると、
図6(b)に示すように、自車画像GF1の上方にフォーカスするように俯瞰画像PS1及び候補位置画像GFが拡大表示されるとともに、それまで表示されていた前部表示ボタンBSfの代わりに後部表示ボタンBSrが表示される。以下、自車画像GF1の上方にフォーカスする拡大表示を「前方拡大表示」とも称する。
【0064】
また、
図7(a)に示す後部表示ボタンBSrがタップされると、
図7(b)に示すように、自車画像GF1の下方にフォーカスするように俯瞰画像PS1及び候補位置画像GFが拡大表示されるとともに、それまで表示されていた後部表示ボタンBSrの代わりに全体表示ボタンBSwが表示される。以下、自車画像GF1の下方にフォーカスする拡大表示を「後方拡大表示」とも称する。
【0065】
そして、
図8(a)に示す全体表示ボタンBSwがタップされると、
図8(b)に示すように、俯瞰画像PS1及び候補位置画像GFが通常表示に戻るとともに、それまで表示されていた全体表示ボタンBSwの代わりに前部表示ボタンBSfが表示される。
【0066】
このように、本実施形態では、自動駐車による縦列駐車が行われる場合には、前部表示ボタンBSf、後部表示ボタンBSr及び全体表示ボタンBSwの操作によって、第1表示領域D1の表示が、通常表示と、前方拡大表示と、後方拡大表示との間で順次切り替わる。より具体的には、通常表示中に前部表示ボタンBSfが操作されると前方拡大表示へと切り替わり、前方拡大表示中に後部表示ボタンBSrが操作されると後方拡大表示へと切り替わり、後方拡大表示中に全体表示ボタンBSwが操作されると通常表示へと切り替わる。
【0067】
ところで、
図5及び
図6(a)に示すように、自動駐車による縦列駐車が行われる場合の通常表示時には、自動駐車による並列駐車が行われる場合の通常表示と同様に、自車画像GF1を略中心とする俯瞰画像PS1が第1表示領域D1に表示される。
【0068】
一方、
図6(b)及び
図7(a)に示すように、自動駐車による縦列駐車が行われる場合の前方拡大表示時には、自車画像GF1の上方(すなわち俯瞰画像PS1における車両1の前方)と左右の一方側とを含む所定範囲(第3範囲)を表示範囲とした俯瞰画像PS1が第1表示領域D1に表示される。より具体的には、このとき、
図6(b)に示すように、目標位置として設定される駐車位置を示す選択中候補位置画像GFSが自車画像GF1の右側にあれば、選択中候補位置画像GFSを含む自車画像GF1から右側の範囲と、自車画像GF1の真上となる範囲と、を含む所定範囲を表示範囲とした俯瞰画像PS1が第1表示領域D1に表示される。また、選択中候補位置画像GFSが自車画像GF1の左側にあれば、選択中候補位置画像GFSを含む自車画像GF1から左側の範囲と、自車画像GF1の真上となる範囲と、を含む所定範囲を表示範囲とした俯瞰画像PS1が第1表示領域D1に表示される。換言すると、前方拡大表示時の俯瞰画像PS1には、自車画像GF1の下方(すなわち俯瞰画像PS1における車両1の後方)の範囲がほぼ含まれない。
【0069】
また、
図7(b)及び
図8(a)に示すように、自動駐車による縦列駐車が行われる場合の後方拡大表示時には、自車画像GF1の下方と左右の一方側とを含む所定範囲(第4範囲)を表示範囲とした俯瞰画像PS1が第1表示領域D1に表示される。より具体的には、このとき、
図7(b)に示すように、目標位置として設定される駐車位置を示す選択中候補位置画像GFSが自車画像GF1の右側にあれば、選択中候補位置画像GFSを含む自車画像GF1から右側の範囲と、自車画像GF1の真下となる範囲と、を含む所定範囲を表示範囲とした俯瞰画像PS1が第1表示領域D1に表示される。また、選択中候補位置画像GFSが自車画像GF1の左側にあれば、選択中候補位置画像GFSを含む自車画像GF1から左側の範囲と、自車画像GF1の真下となる範囲と、を含む所定範囲を表示範囲とした俯瞰画像PS1が第1表示領域D1に表示される。換言すると、後方拡大表示時の俯瞰画像PS1には、自車画像GF1の上方の範囲がほぼ含まれない。
【0070】
(進入禁止設定画像)
図9に示す進入禁止設定画像GRは、自動駐車に伴う移動の際の進入禁止場所を設定するための画像である。
図9(a)に示すように、進入禁止設定画像GRは、俯瞰画像PS1に重ねて表示される。進入禁止設定画像GRには、例えば、三角コーン(パイロン)を模したコーン画像GR1と、コーンバーを模したバー画像GR2と、が含まれる。
【0071】
図9(a)の例では、俯瞰画像PS1に、5つのコーン画像GR1と、2つのバー画像GR2と、が表示されている。より具体的には、5つのコーン画像GR1のうちの2つは、自車画像GF1の右側に位置する候補位置画像GFの左端の上下近傍に表示され、残りの3つは、自車画像GF1の左側に、自車画像GF1と略平行に並んで表示されている。
【0072】
コーン画像GR1は、例えば、前述の候補位置画像GFと同様に、タップして選択したり、タッチ操作や調整ボタン群GBにより移動や回転をさせたりすることが可能である。
図9(a)の例では、候補位置画像GFの左端上方のコーン画像GR1が選択されているため、そのコーン画像GR1が太枠線により強調表示されている。バー画像GR2は、例えば、コーン画像GR1を所定距離(車両1が通過困難な距離)以下の間隔で並べて配置すると、自動的に表示される。
図9(a)の例では、それぞれのコーン画像GR1及びバー画像GR2によって、
図9(a)中、ハッチング及び符号CQで示す箇所に対応する位置(場所)が進入禁止場所として設定される。
【0073】
本実施形態では、
図9(a)及び
図9(b)に示すように、進入禁止場所の設定(換言すると進入禁止設定画像GRの配置)が行われる場合にも、第1表示領域D1には、前方拡大表示の俯瞰画像PS1と、後方拡大表示の俯瞰画像PS1とが表示され得る。
【0074】
より具体的には、進入禁止場所の設定が行われる場合に、
図9(a)に示す前部表示ボタンBSfがタップされると、
図9(b)に示すように、前方拡大表示の俯瞰画像PS1が表示されるとともに、それまで表示されていた前部表示ボタンBSfの代わりに後部表示ボタンBSrが表示される。そして、
図9(b)に示す後部表示ボタンBSrがタップされると、
図7(b)と同様に後方拡大表示の俯瞰画像PS1が表示され、それまで表示されていた後部表示ボタンBSrの代わりに前部表示ボタンBSfが表示される。
【0075】
このように、本実施形態では、進入禁止設定画像GRを用いた進入禁止場所の設定が行われる場合にも、俯瞰画像PS1の前方拡大表示及び後方拡大表示が可能であるので、自車画像GF1と進入禁止設定画像GRとの位置関係をユーザが把握しやすくなり、また、進入禁止設定画像GRの位置を微調整する際におけるユーザの利便性が高まる。
【0076】
なお、制御装置30は、例えば、入出力部31等を介して、進入禁止場所を設定する旨の操作を受け付けた場合に、
図9に示した俯瞰画像PS1等をタッチパネル21に表示させて、その俯瞰画像PS1と進入禁止設定画像GRとを用いた進入禁止場所の設定を可能とする。
【0077】
[第2表示領域に表示され得る画像]
次に、第2表示領域D2に表示され得る画像について説明する。
図3及び
図5に示すように、第2表示領域D2には、操作ガイドGOが表示され得る。
【0078】
操作ガイドGOは、候補位置画像GFをタッチ操作する方法をユーザに案内するための画像であり、例えば、候補位置画像GFをスワイプ又はマルチスワイプすることにより当該候補位置画像GFをスライドさせたり回転させたりできることを示すアニメーションAM1、AM2と、アニメーションAM1、AM2のそれぞれについての説明文T1、T2と、を含む。
【0079】
なお、ここでは、ユーザへのわかりやすさの観点から、アニメーションAM1、AM2及び説明文T1、T2が操作ガイドGOに含まれるようにしたが、これに限られない。例えば、候補位置画像GFをスワイプ又はマルチスワイプすることにより当該候補位置画像GFをスライドさせたり回転させたりできることを示す静止画像が、アニメーションAM1、AM2の代わりに操作ガイドGOに含まれるようにしてもよい。また、例えば、アニメーションAM1、AM2あるいはその代わりとなる静止画像により、候補位置画像GFをスワイプ又はマルチスワイプすることにより当該候補位置画像GFをスライドさせたり回転させたりできることがユーザに十分に伝わると考えられる場合には、説明文T1、T2を省略してもよい。
【0080】
[制御装置が実行する処理の一例]
次に、自動駐車に関し、制御装置30が実行する処理の一例について、
図2~
図8を参照しながら説明する。
【0081】
制御装置30は、自動駐車を実行させる操作を受け付けると、まず、
図2に示した駐車方法選択画像GSをタッチパネル21に表示させる。そして、制御装置30は、駐車方法選択画像GSを介して、駐車パターン画像GP2の選択(すなわち後退駐車の選択)を受け付けた場合には、
図3に示した表示画面をタッチパネル21に表示させる。すなわち、この場合、制御装置30は、
図3及び
図4(a)に示したように、通常表示の俯瞰画像PS1及び微調整モードボタンBTを第1表示領域D1に表示させる。
【0082】
そして、通常表示の俯瞰画像PS1及び微調整モードボタンBTを表示させているときに、制御装置30は、微調整モードボタンBTがタップされたか否かを判断する。これによって、微調整モードボタンBTがタップされたと判断すると、制御装置30は、
図4(b)に示したように、俯瞰画像PS1を拡大表示するとともに、微調整モードボタンBTに代えて通常調整モードボタンBGを表示させる。
【0083】
そして、拡大表示した俯瞰画像PS1及び通常調整モードボタンBGを表示させているときに、制御装置30は、通常調整モードボタンBGがタップされたか否かを判断する。これによって、通常調整モードボタンBGがタップされたと判断すると、制御装置30は、
図4(a)に示したように、俯瞰画像PS1を通常表示に戻すとともに、通常調整モードボタンBGに代えて微調整モードボタンBTを表示させる。
【0084】
したがって、自動駐車による後退駐車が行われる場合には、ユーザは、微調整モードボタンBT及び通常調整モードボタンBGを操作することにより、
図4(a)に示した通常表示と、
図4(b)に示した拡大表示とのうち、所望の表示をタッチパネル21に表示させることができる。なお、ここでは、自動駐車による後退駐車が行われる場合について説明したが、自動駐車による前進駐車が行われる場合(すなわち駐車パターン画像GP1の選択を受け付けた)場合についても同様である。
【0085】
また、制御装置30は、タッチパネル21に表示させた駐車方法選択画像GSを介して、駐車パターン画像GP3の選択(すなわち縦列駐車の選択)を受け付けた場合には、
図5に示した表示画面をタッチパネル21に表示させる。すなわち、この場合、制御装置30は、
図5及び
図6(a)に示したように、通常表示の俯瞰画像PS1及び前部表示ボタンBSfを第1表示領域D1に表示させる。
【0086】
そして、通常表示の俯瞰画像PS1及び前部表示ボタンBSfを表示させているときに、制御装置30は、前部表示ボタンBSfがタップされたか否かを判断する。これによって、前部表示ボタンBSfがタップされたと判断すると、制御装置30は、
図6(b)及び
図7(a)に示したように、前方拡大表示の俯瞰画像PS1を表示させるとともに、前部表示ボタンBSfに代えて後部表示ボタンBSrを表示させる。
【0087】
そして、前方拡大表示の俯瞰画像PS1及び後部表示ボタンBSrを表示させているときに、制御装置30は、後部表示ボタンBSrがタップされたか否かを判断する。これによって、後部表示ボタンBSrがタップされたと判断すると、制御装置30は、
図7(b)及び
図8(a)に示したように、後方拡大表示の俯瞰画像PS1を表示させるとともに、後部表示ボタンBSrに代えて全体表示ボタンBSwを表示させる。
【0088】
そして、後方拡大表示の俯瞰画像PS1及び全体表示ボタンBSwを表示させているときに、制御装置30は、全体表示ボタンBSwがタップされたか否かを判断する。これによって、全体表示ボタンBSwがタップされたと判断すると、制御装置30は、
図8(b)に示したように、俯瞰画像PS1を通常表示に戻すとともに、全体表示ボタンBSwに代えて前部表示ボタンBSfを表示させる。
【0089】
したがって、自動駐車による縦列駐車が行われる場合には、ユーザは、前部表示ボタンBSf、後部表示ボタンBSr及び全体表示ボタンBSwを順次操作することで、第1表示領域D1に表示される表示を、通常表示から前方拡大表示へ、前方拡大表示から後方拡大表示へ、後方拡大表示から通常表示へと順次切り替えて、所望の表示をタッチパネル21に表示させることができる。
【0090】
また、
図2~
図8に示した自動駐車関連画面PSをタッチパネル21に表示させているとき、すなわち決定ボタンBKを表示させているときに、制御装置30は、決定ボタンBKがタップされたか否かを判断する。これによって、決定ボタンBKがタップされたと判断すると、制御装置30は、その際に選択中候補位置画像GFSが示す位置を駐車位置とし、その駐車位置に対し、ユーザによって選択された駐車パターンによる自動駐車を行う。これにより、ユーザは、所望の駐車位置に、所望の駐車方法で車両1を駐車させることができる。
【0091】
以上に説明したように、本実施形態の制御装置30は、自動駐車による並列駐車又は縦列駐車が行われる場合に、俯瞰画像PS1をタッチパネル21に表示させるとともに、俯瞰画像PS1上に、目標位置として設定される駐車位置を示す候補位置画像GF(選択中候補位置画像GFS)を重ねて表示させることができる。また、制御装置30は、タッチパネル21に表示させた俯瞰画像PS1を、ユーザからの指示(換言すると操作)に応じて拡大表示することができる。そして、制御装置30は、俯瞰画像PS1を拡大表示する際の表示範囲を、自動駐車による並列駐車が行われる場合と、自動駐車による縦列駐車が行われる場合とで異ならせることができる。
【0092】
したがって、制御装置30は、俯瞰画像PS1を、目標位置として設定される駐車位置への駐車方法に応じて適切に拡大表示でき、限られたタッチパネル21の表示領域21aを有効活用して、ユーザにとって必要な情報をわかりやすくユーザに提示できる。これにより、ユーザの利便性に加えて、車両1における操作性の向上を図ることができる。そして、延いては交通の安全性をより一層改善し、持続可能な輸送システムの発展に寄与することが可能となる。
【0093】
また、制御装置30は、自動駐車により並列駐車が行われる場合には、俯瞰画像PS1を拡大表示する際の表示範囲を、俯瞰画像PS1における車両1(すなわち自車画像GF1)の左右の一方側を含む所定範囲とする。これに対して、制御装置30は、自動駐車により縦列駐車が行われる場合には、俯瞰画像PS1を拡大表示する際の表示範囲を、俯瞰画像PS1における車両1の前後(すなわち自車画像GF1の上下)の一方側を含む所定範囲とする。これにより、制御装置30は、俯瞰画像PS1を、目標位置として設定される駐車位置への駐車方法に応じて適切に拡大表示でき、限られたタッチパネル21の表示領域21aを有効活用して、ユーザにとって必要な情報をわかりやすくユーザに提示できる。
【0094】
また、制御装置30は、自動駐車により縦列駐車が行われる場合には、俯瞰画像PS1を拡大表示する際の表示範囲を、俯瞰画像PS1における車両1の前方(すなわち自車画像GF1の上方)を含み且つ後方(すなわち自車画像GF1の下方)を含まない所定範囲(例えば
図7(a)等を参照)とするか、俯瞰画像PS1における車両1の後方を含み且つ前方を含まない所定範囲(例えば
図7(b)等を参照)とするかを切り替えることができる。これにより、自動駐車により縦列駐車が行われる場合に、制御装置30は、拡大表示された俯瞰画像PS1を介して、車両1の前方の様子をユーザに重点的に確認させたり、車両1の後方の様子をユーザに重点的に確認させたりすることが可能となる。
【0095】
また、制御装置30は、自動駐車により縦列駐車が行われる場合には、タッチパネル21に表示させる俯瞰画像PS1を、通常表示と、前方拡大表示と、後方拡大表示との間で、ユーザからの所定の操作がある毎に順次切り替えることができる。これにより、ユーザは所定の操作を行うことで、通常表示と前方拡大表示と後方拡大表示とのうちの所望の表示をタッチパネル21に表示させることが可能となり、ユーザにとって必要な情報をユーザに提示することが可能となる。
【0096】
また、制御装置30は、通常表示中には車両1の前部をあらわす画像BSf1を含む前部表示ボタンBSfをタッチパネル21に表示させ、前部表示ボタンBSfに対する操作があると、通常表示から前方拡大表示へ切り替える。そして、制御装置30は、前方拡大表示中には車両1の後部をあらわす画像BSr1を含む後部表示ボタンBSrをタッチパネル21に表示させ、後部表示ボタンBSrに対する操作があると、前方拡大表示から後方拡大表示へ切り替える。さらに、制御装置30は、後方拡大表示中には車両1の全体をあらわす画像BSw1を含む全体表示ボタンBSwをタッチパネル21に表示させ、全体表示ボタンBSwに対する操作があると、後方拡大表示から通常表示へ切り替える。これにより、制御装置30は、タッチパネル21の表示を切り替えるためのボタン画像により、そのボタン画像を操作した場合の切り替え先の表示をユーザに示唆することができ、ユーザの利便性の向上を図れる。
【0097】
また、制御装置30は、自動駐車に伴う移動の際の進入禁止場所の設定が行われる場合にも、俯瞰画像PS1を、前方拡大表示と後方拡大表示との間で、ユーザからの操作に応じて切り替えることができる。これにより、制御装置30は、進入禁止場所の設定が行われる際の俯瞰画像PS1の視認性を高めて、進入禁止場所の設定を行いやすくし、ユーザの利便性の向上を図れる。
【0098】
また、本実施形態では、タッチパネル21は、矩形状であって横長の表示領域21aを有する。そして、自動駐車による縦列駐車が行われる場合には、ユーザは、主に、縦向きの候補位置画像GFをタッチパネル21の上下方向に移動させることで、目標位置として設定される駐車位置の調整を行うと考えられる。このような事情を考慮して、例えば、縦向きの候補位置画像GFをタッチパネル21の上下方向にある程度移動可能なクリアランスを確保しつつ、俯瞰画像PS1を拡大表示するようにすると、その拡大表示による拡大率を十分に確保できないおそれがある。
【0099】
これに対して、本実施形態のように、自動駐車による縦列駐車が行われる場合には、俯瞰画像PS1における車両1の前方側(すなわち自車画像GF1の上方側)と、俯瞰画像PS1における車両1の後方側(すなわち自車画像GF1の下方側)とで分割して拡大表示することで、それぞれの拡大表示による拡大率を十分に確保でき、ユーザの視認性を高めることが可能となる。また、このように拡大率を十分に大きくすることで、候補位置画像GFの全体が調整ボタン群GB等の各種ボタン画像によって覆われてしまうのを抑制して、その視認性を確保することも可能となる。
【0100】
さらに、本実施形態のように、自動駐車による並列駐車が行われる場合も、自動駐車による縦列駐車が行われる場合も、調整ボタン群GB等の各種ボタン画像の表示位置を略同様とすることで、駐車方法によらず同じ操作感をユーザに提供することが可能となる。
【0101】
これに対して、駐車方法に応じて表示される向きが変化し得る候補位置画像GFと、調整ボタン群GB等の各種ボタン画像とが重なってしまうことを避けるべく、自動駐車による並列駐車が行われる場合と、自動駐車による縦列駐車が行われる場合とで、調整ボタン群GB等の各種ボタン画像の表示位置を異ならせるようにしたとする。このようにした場合には、調整ボタン群GB等の各種ボタン画像を用いた操作感が駐車方法によって変化してしまい、ユーザを混乱させてしまうおそれがある。
【0102】
以上、本発明の一実施形態について、添付図面を参照しながら説明したが、本発明は、かかる実施形態に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。また、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、前述した実施形態における各構成要素を任意に組み合わせてもよい。
【0103】
例えば、前述した実施形態では、本発明の制御装置を、車両1が備える制御装置30によって実現した例を説明したが、これに限られない。前述した制御装置30が有する機能のうちの一部又は全部は、通信部50を介して制御装置30と通信可能な外部装置2(例えばサーバ)によって実現されてもよい。その場合、外部装置2は、制御装置30に対して所定の制御信号を適宜送信することで、表示装置としてのタッチパネル21の表示を、制御装置30を介して制御するようにしればよい。
【0104】
また、前述した実施形態では、本発明における移動体を、四輪の自動車である車両1とした例を説明したが、これに限られない。本発明における移動体は、二輪の自動車(いわゆる自動二輪車)であってもよいし、セグウェイ(登録商標)、船舶、又は航空機等であってもよい。
【0105】
本明細書には少なくとも以下の事項が記載されている。なお、括弧内には、前述した実施形態において対応する構成要素等を示しているが、これに限定されるものではない。
【0106】
(1) ユーザが指定した目標位置へ自動操舵により移動する移動体(車両1)に搭載された表示装置(タッチパネル21)を制御する制御装置(制御装置30)であって、
前記移動体は、前記目標位置への並列駐車と、前記目標位置への縦列駐車とを実行可能に構成され、
前記制御装置は、
前記並列駐車又は前記縦列駐車が行われる場合に、前記移動体及び前記移動体の周辺を俯瞰した俯瞰画像(俯瞰画像PS1)を前記表示装置に表示させるとともに、当該俯瞰画像上に、前記目標位置として設定される場所を示す枠画像(候補位置画像GF、選択中候補位置画像GFS)を重ねて表示させ、
前記俯瞰画像を、前記ユーザからの指示に応じて拡大表示することが可能であり、
前記俯瞰画像を拡大表示する際の表示範囲を、前記並列駐車が行われる場合と、前記縦列駐車が行われる場合とで異ならせる、
制御装置。
【0107】
(1)によれば、移動体及びその周辺を俯瞰した俯瞰画像を、目標位置への駐車方法に応じて適切に拡大表示でき、限られた表示装置の表示領域を有効活用して、ユーザにとって必要な情報をわかりやすくユーザに提示できる。これにより、ユーザの利便性に加えて、移動体における操作性の向上を図ることができる。そして、延いては交通の安全性をより一層改善し、持続可能な輸送システムの発展に寄与することが可能となる。
【0108】
(2) (1)に記載の制御装置であって、
前記制御装置は、
前記並列駐車が行われる場合には前記表示範囲を第1範囲とする一方、前記縦列駐車が行われる場合には前記表示範囲を第2範囲とし、
前記第1範囲は、前記俯瞰画像における前記移動体の左右の一方側を含む所定範囲であり、
前記第2範囲は、前記俯瞰画像における前記移動体の前後の一方側を含む所定範囲である、
制御装置。
【0109】
(2)によれば、俯瞰画像を、目標位置への駐車方法に応じて適切に拡大表示でき、限られた表示装置の表示領域を有効活用して、ユーザにとって必要な情報をわかりやすくユーザに提示できる。
【0110】
(3) (2)に記載の制御装置であって、
前記第2範囲としては、前記俯瞰画像における前記移動体の前方を含み且つ後方を含まない第3範囲と、前記俯瞰画像における前記移動体の後方を含み且つ前方を含まない第4範囲と、が設けられ、
前記制御装置は、
前記縦列駐車が行われる場合には前記表示範囲を前記第3範囲とするか前記第4範囲とするかを切り替え可能に構成される、
制御装置。
【0111】
(3)によれば、縦列駐車が行われる場合には、拡大表示された俯瞰画像を介して、移動体の前方の様子をユーザに重点的に確認させたり、移動体の後方の様子をユーザに重点的に確認させたりすることが可能となる。
【0112】
(4) (3)に記載の制御装置であって、
前記制御装置は、
前記縦列駐車が行われる場合に、前記俯瞰画像を拡大表示しない通常表示と、前記表示範囲を前記第3範囲とする前方拡大表示と、前記表示範囲を前記第4範囲とする後方拡大表示との間で、ユーザからの所定の操作がある毎に順次切り替える、
制御装置。
【0113】
(4)によれば、ユーザは、所定の操作を行うことで、通常表示と前方拡大表示と後方拡大表示とのうちの所望の表示を表示装置に表示させることが可能となり、ユーザにとって必要な情報をユーザに提示することが可能となる。
【0114】
(5) (4)に記載の制御装置であって、
前記表示装置は、タッチパネル(タッチパネル21)であり、
前記操作は、前記タッチパネルに表示されたボタン画像(前部表示ボタンBSf、後部表示ボタンBSr、全体表示ボタンBSw)に対する操作であり、
前記制御装置は、
前記通常表示中には前記移動体の前部をあらわす画像(画像BSf1)を含む前記ボタン画像(前部表示ボタンBSf)を前記タッチパネルに表示させ、当該ボタン画像に対する操作があると、前記通常表示から前記前方拡大表示へ切り替え、
前記前方拡大表示中には前記移動体の後部をあらわす画像(画像BSr1)を含む前記ボタン画像(後部表示ボタンBSr)を前記タッチパネルに表示させ、当該ボタン画像に対する操作があると、前記前方拡大表示から前記後方拡大表示へ切り替え、
前記後方拡大表示中には前記移動体の全体をあらわす画像(画像BSw1)を含む前記ボタン画像(全体表示ボタンBSw)を前記タッチパネルに表示させ、当該ボタン画像に対する操作があると、前記後方拡大表示から前記通常表示へ切り替える、
制御装置。
【0115】
(5)によれば、表示装置としてのタッチパネルの表示を切り替えるためのボタン画像により、そのボタン画像を操作した場合の切り替え先の表示をユーザに示唆することができ、ユーザの利便性の向上を図れる。
【0116】
(6) (4)又は(5)に記載の制御装置であって、
前記移動体は、ユーザが設定した進入禁止場所に進入しないようにしながら前記目標位置へ移動可能に構成され、
前記制御装置は、さらに、前記進入禁止場所の設定が行われる場合に、前記前方拡大表示と、前記後方拡大表示との間で、ユーザからの操作に応じて切り替え可能に構成される、
制御装置。
【0117】
(6)によれば、進入禁止場所の設定が行われる際の俯瞰画像の視認性を高めて、進入禁止場所の設定を行いやすくし、ユーザの利便性の向上を図れる。
【0118】
(7) (1)に記載の制御装置を備える移動体。
【0119】
(7)によれば、移動体及びその周辺を俯瞰した俯瞰画像を、目標位置への駐車方法に応じて適切に拡大表示でき、限られた表示装置の表示領域を有効活用して、ユーザにとって必要な情報をわかりやすくユーザに提示できる。これにより、ユーザの利便性に加えて、移動体における操作性の向上を図ることができる。そして、延いては交通の安全性をより一層改善し、持続可能な輸送システムの発展に寄与することが可能となる。
【符号の説明】
【0120】
1 車両(移動体)
21 タッチパネル(表示装置)
30 制御装置
BT 微調整モードボタン
BSf 前部表示ボタン(ボタン画像)
BSf1 画像
BSr 後部表示ボタン(ボタン画像)
BSr1 画像
BSw 全体表示ボタン(ボタン画像)
BSw1 画像
D1 第1表示領域
D2 第2表示領域
GF 候補位置画像(枠画像)
GFS 選択中候補位置画像(枠画像)
PS1 俯瞰画像