(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024051662
(43)【公開日】2024-04-11
(54)【発明の名称】医療デバイスの挿入支援装置及び挿入支援システム
(51)【国際特許分類】
A61B 8/14 20060101AFI20240404BHJP
【FI】
A61B8/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】14
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022157945
(22)【出願日】2022-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】000109543
【氏名又は名称】テルモ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】IBC一番町弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】榎本 加央里
(72)【発明者】
【氏名】大久保 到
【テーマコード(参考)】
4C601
【Fターム(参考)】
4C601EE09
4C601EE11
4C601EE16
4C601GA18
4C601GA20
4C601GA25
4C601JB40
4C601JC06
4C601JC09
4C601JC12
4C601KK02
4C601KK25
4C601KK31
4C601KK47
(57)【要約】
【課題】超音波プローブによって撮像された超音波画像に基づいて、生体管腔内に挿入された医療デバイスの所定部を目標部位に位置させることを支援する。
【解決手段】医療デバイス20の挿入支援装置200は、取得部220と、第1判断部230と、第2判断部240と、報知部250と、を有する。取得部は、第1超音波画像311を取得する。第1判断部は、目標部位の解剖学的な特徴点を含んだ比較画像と、取得した第1超音波画像とを照合することによって、第1超音波プローブ301が目標部位を撮像可能な撮像位置に配置されているか否かを判断する。第2判断部は、取得した第1超音波画像の輝度分布に基づいて、医療デバイスの所定部30を検出できたか否かを判断する。報知部は、第1判断部による判断及び第2判断部による判断に基づいた情報を報知する。
【選択図】
図9
【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波プローブによって撮像された超音波画像に基づいて、生体管腔内に挿入された医療デバイスの所定部を目標部位に位置させることを支援する医療デバイスの挿入支援装置であって、
前記超音波画像を取得する取得部と、
前記目標部位の解剖学的な特徴点を含んだ比較画像と、取得した前記超音波画像とを照合することによって、前記超音波プローブが前記目標部位を撮像可能な撮像位置に配置されているか否かを判断する第1判断部と、
取得した前記超音波画像の輝度分布に基づいて、前記医療デバイスの前記所定部を検出できたか否かを判断する第2判断部と、
前記第1判断部による判断及び前記第2判断部による判断に基づいた情報を報知する報知部と、を有する、医療デバイスの挿入支援装置。
【請求項2】
取得した前記超音波画像に対して前記生体管腔を黒色にて表す白黒化処理を施す画像処理部をさらに有し、
前記第2判断部は、黒色にて表された内側に白点が存在するか否かによって、前記医療デバイスの前記所定部を検出できたか否かを判断する、請求項1に記載の医療デバイスの挿入支援装置。
【請求項3】
前記報知部は、前記第1判断部によって判断された、前記超音波プローブが前記撮像位置に配置されているか否かについての情報と、前記第2判断部によって判断された、前記医療デバイスの前記所定部を検出できたか否かについての情報とを、それぞれ独立して報知する、請求項1に記載の医療デバイスの挿入支援装置。
【請求項4】
前記報知部は、前記第1判断部によって前記超音波プローブが前記撮像位置に配置されていると判断され、かつ、前記第2判断部によって前記医療デバイスの前記所定部を検出できたと判断されたときに、前記医療デバイスの前記所定部が前記目標部位に位置している情報を報知する、請求項1に記載の医療デバイスの挿入支援装置。
【請求項5】
前記報知部は、前記第1判断部によって前記超音波プローブが前記撮像位置に配置されていないと判断されたとき、又は、前記第2判断部によって前記医療デバイスの前記所定部を検出できていないと判断されたときに、前記医療デバイスの前記所定部が前記目標部位に位置していない情報を報知する、請求項1に記載の医療デバイスの挿入支援装置。
【請求項6】
前記取得部は、前記超音波画像として、前記撮像位置に配置される第1超音波プローブで撮像された前記第1判断部での判断に用いる第1超音波画像と、前記撮像位置とは異なる途中位置に配置される第2超音波プローブで撮像された第2超音波画像とを取得可能に構成され、
前記第2判断部は、取得した前記第1超音波画像及び前記第2超音波画像の輝度分布に基づいて、前記医療デバイスの前記所定部を検出できたか否かを判断し、
前記報知部は、前記第2超音波画像に基づいて前記第2判断部によって前記医療デバイスの前記所定部を検出できたと判断されたときに、前記医療デバイスの前記所定部が前記途中位置に到達した情報を報知する、請求項1に記載の医療デバイスの挿入支援装置。
【請求項7】
前記取得部は、前記超音波画像として、前記撮像位置に配置される第1超音波プローブで撮像された前記第1判断部での判断に用いる第1超音波画像と、前記撮像位置とは異なる途中位置に配置される第2超音波プローブで撮像された第2超音波画像とを取得可能に構成され、
さらに、前記取得部で取得した前記第2超音波画像を表示する表示部を有する、請求項1に記載の医療デバイスの挿入支援装置。
【請求項8】
磁力又は電波によって前記医療デバイスの前記所定部の位置及び前記超音波プローブの位置を検出する位置検出装置をさらに有し、
前記位置検出装置は、検出した前記医療デバイスの前記所定部の位置及び前記超音波プローブの位置に基づいて、前記超音波プローブの略直下又は所定距離内に前記医療デバイスの前記所定部が位置しているか否かを判断し、
前記報知部は、前記位置検出装置によって判断された結果を報知する、請求項1に記載の医療デバイスの挿入支援装置。
【請求項9】
前記超音波プローブを患者の体表に対して固定可能な固定治具をさらに有する、請求項1に記載の医療デバイスの挿入支援装置。
【請求項10】
前記固定治具は、前記超音波プローブを前記体表に接着させて固定する押さえ部材を有する、請求項9に記載の医療デバイスの挿入支援装置。
【請求項11】
前記固定治具は、前記超音波プローブを前記体表に弾発的に押し付けて固定するバネ部材を有する、請求項9に記載の医療デバイスの挿入支援装置。
【請求項12】
前記固定治具は、前記超音波プローブを保持する柔剛可変自在なアーム部と、通電によって発生する磁力によって前記アーム部を柔軟な状態から剛性を高めた状態に切り替え可能なスイッチ部と、を有する、請求項9に記載の医療デバイスの挿入支援装置。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか1項に記載の医療デバイスの挿入支援装置を有し、
前記医療デバイスは、前記生体管腔内で生体に対して処置を施す医療用処置具をカテーテルに保持して構成され、
前記医療デバイスの前記所定部は、前記カテーテルに設けられたマーカである、挿入支援システム。
【請求項14】
前記医療デバイスは、手元側に目盛部を有し、前記目盛部によって、前記目標部位に位置させた前記所定部を、前記医療デバイスを前記生体管腔内に挿入する方向に沿って前記目標部位から前進又は後退させる移動距離を認識できる、請求項13に記載の挿入支援システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療デバイスの挿入支援装置及び挿入支援システムに関する。
【背景技術】
【0002】
患者の大動脈に生じた瘤(大動脈瘤)は、瘤径の増大、破裂を防ぐ薬物的治療はなく、破裂の危険を伴う瘤径のものに対しては、一般的に外科的療法(手術)が行われる。また、大動脈瘤の手術は、従来、開腹又は開胸して人工血管を移植する人工血管置換術が主流であったが、近年では、より低侵襲なステントグラフト内挿術(Endovascular Aneurysm Repair;EVAR)の適用が急速に拡大しつつある。
【0003】
一例として、腹部大動脈瘤(AAA:Abdominal aortic aneurysm)に対するステントグラフト内挿術においては、先端にステントグラフトを収容したカテーテルを患者の大腿部動脈から挿入し、ステントグラフトを動脈瘤患部に展開・留置することにより、動脈瘤への血流が遮断されて動脈瘤の破裂が防止され得る。
【0004】
ステントグラフト治療を行う前には、治療方針を判断し、事前の手技検討(どのようにアプローチしていくのか、どのサイズのステントグラフトを使用するかなど)を判断する。これらの判断は、簡易CT(コンピュータ断層撮影、通常造影剤は用いない)検査を行い、画像検査結果を用いながら行われる。
【0005】
また、ステントグラフト治療時においても、術者は簡易CTあるいは造影CTを使用してステントグラフトの位置を確認しながら、ステントグラフトを適切な位置に留置する。
【0006】
しかしながら、患者及び術者は、CTの使用によって放射線の被ばくリスクがある。また、造影剤はアレルギーを起こす危険性や腎臓に負担をかけるという面があり、できる限り使用をしない、あるいは減らすのが望ましいとされている。
【0007】
下記特許文献1は、ステントグラフトをカテーテルに保持して構成される送達デバイスを開示する。特許文献1の送達デバイスは、外部超音波を用いて視認することができる超音波マーカを有する。超音波マーカは、超音波プローブによって撮像することによって、超音波画像上に視認される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、超音波画像の質は、術者の技量に大きく左右される。このため、特許文献1のように超音波マーカを視認するだけでは、ステントグラフトを適切な位置に位置決めすることは困難である。
【0010】
ステントグラフトを適切な位置に位置決めするため、ステントグラフト治療時には、上記したように、超音波画像よりも解像度の高いCT画像を用いる必要がある。このため、患者及び術者は、放射線の被ばくリスクを回避することが難しい。
【0011】
本発明は、超音波プローブによって撮像された超音波画像に基づいて、生体管腔内に挿入された医療デバイスの所定部を目標部位に位置させることを支援する医療デバイスの挿入支援装置、及び超音波プローブによって撮像された超音波画像に基づいて、生体管腔内に挿入された医療デバイスの所定部を目標部位に位置させることが可能な挿入支援システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、(1)超音波プローブによって撮像された超音波画像に基づいて、生体管腔内に挿入された医療デバイスの所定部を目標部位に位置させることを支援する医療デバイスの挿入支援装置であって、
前記超音波画像を取得する取得部と、
前記目標部位の解剖学的な特徴点を含んだ比較画像と、取得した前記超音波画像とを照合することによって、前記超音波プローブが前記目標部位を撮像可能な撮像位置に配置されているか否かを判断する第1判断部と、
取得した前記超音波画像の輝度分布に基づいて、前記医療デバイスの前記所定部を検出できたか否かを判断する第2判断部と、
前記第1判断部による判断及び前記第2判断部による判断に基づいた情報を報知する報知部と、を有する、医療デバイスの挿入支援装置である。
【0013】
ここで、本発明の実施形態は、
(2)上記(1)の医療デバイスの挿入支援装置は、取得した前記超音波画像に対して前記生体管腔を黒色にて表す白黒化処理を施す画像処理部をさらに有し、
前記第2判断部は、黒色にて表された内側に白点が存在するか否かによって、前記医療デバイスの前記所定部を検出できたか否かを判断することが好ましい。
【0014】
(3)上記(1)又は(2)の医療デバイスの挿入支援装置は、前記報知部が、前記第1判断部によって判断された、前記超音波プローブが前記撮像位置に配置されているか否かについての情報と、前記第2判断部によって判断された、前記医療デバイスの前記所定部を検出できたか否かについての情報とを、それぞれ独立して報知することが好ましい。
【0015】
(4)上記(1)又は(2)の医療デバイスの挿入支援装置は、前記報知部が、前記第1判断部によって前記超音波プローブが前記撮像位置に配置されていると判断され、かつ、前記第2判断部によって前記医療デバイスの前記所定部を検出できたと判断されたときに、前記医療デバイスの前記所定部が前記目標部位に位置している情報を報知することが好ましい。
【0016】
(5)上記(1)、(2)又は(4)の医療デバイスの挿入支援装置は、前記報知部が、前記第1判断部によって前記超音波プローブが前記撮像位置に配置されていないと判断されたとき、又は、前記第2判断部によって前記医療デバイスの前記所定部を検出できていないと判断されたときに、前記医療デバイスの前記所定部が前記目標部位に位置していない情報を報知することが好ましい。
【0017】
(6)上記(1)~(5)のいずれかに記載の医療デバイスの挿入支援装置は、前記取得部が、前記超音波画像として、前記撮像位置に配置される第1超音波プローブで撮像された前記第1判断部での判断に用いる第1超音波画像と、前記撮像位置とは異なる途中位置に配置される第2超音波プローブで撮像された第2超音波画像とを取得可能に構成され、
前記第2判断部は、取得した前記第1超音波画像及び前記第2超音波画像の輝度分布に基づいて、前記医療デバイスの前記所定部を検出できたか否かを判断し、
前記報知部は、前記第2超音波画像に基づいて前記第2判断部によって前記医療デバイスの前記所定部を検出できたと判断されたときに、前記医療デバイスの前記所定部が前記途中位置に到達した情報を報知することが好ましい。
【0018】
(7)上記(1)~(5)のいずれかに記載の医療デバイスの挿入支援装置は、前記取得部が、前記超音波画像として、前記撮像位置に配置される第1超音波プローブで撮像された前記第1判断部での判断に用いる第1超音波画像と、前記撮像位置とは異なる途中位置に配置される第2超音波プローブで撮像された第2超音波画像とを取得可能に構成され、
さらに、前記取得部で取得した前記第2超音波画像を表示する表示部を有することが好ましい。
【0019】
(8)上記(1)~(5)のいずれかに記載の医療デバイスの挿入支援装置は、磁力又は電波によって前記医療デバイスの前記所定部の位置及び前記超音波プローブの位置を検出する位置検出装置をさらに有し、
前記位置検出装置は、検出した前記医療デバイスの前記所定部の位置及び前記超音波プローブの位置に基づいて、前記超音波プローブの略直下又は所定距離内に前記医療デバイスの前記所定部が位置しているか否かを判断し、
前記報知部は、前記位置検出装置によって判断された結果を報知することが好ましい。
【0020】
(9)上記(1)~(8)のいずれかに記載の医療デバイスの挿入支援装置は、前記超音波プローブを患者の体表に対して固定可能な固定治具をさらに有することが好ましい。
【0021】
(10)上記(9)の医療デバイスの挿入支援装置は、前記固定治具が、前記超音波プローブを前記体表に接着させて固定する押さえ部材を有することが好ましい。
【0022】
(11)上記(9)の医療デバイスの挿入支援装置は、前記固定治具は、前記超音波プローブを前記体表に弾発的に押し付けて固定するバネ部材を有することが好ましい。
【0023】
(12)上記(9)の医療デバイスの挿入支援装置は、前記固定治具は、前記超音波プローブを保持する柔剛可変自在なアーム部と、通電によって発生する磁力によって前記アーム部を柔軟な状態から剛性を高めた状態に切り替え可能なスイッチ部と、を有することが好ましい。
【0024】
(13)上記(1)~(12)のいずれか1つに記載の医療デバイスの挿入支援装置を有し、
前記医療デバイスは、前記生体管腔内で生体に対して処置を施す医療用処置具をカテーテルに保持して構成され、
前記医療デバイスの前記所定部は、前記カテーテルに設けられたマーカである、挿入支援システムである。
【0025】
ここで、本発明の実施形態は、
(14)上記(13)の挿入支援システムは、前記医療デバイスが、手元側に目盛部を有し、前記目盛部によって、前記目標部位に位置させた前記所定部を、前記医療デバイスを前記生体管腔内に挿入する方向に沿って前記目標部位から前進又は後退させる移動距離を認識できることが好ましい。
【発明の効果】
【0026】
医療デバイスの挿入支援装置によれば、超音波プローブによって撮像された超音波画像に基づいて、目標部位を撮像可能な撮像位置に超音波プローブを配置することを支援でき、生体管腔内に挿入された医療デバイスの所定部を目標部位に位置させることを支援できる。医療デバイスの所定部を目標部位に位置させる作業の一部又はすべてを、超音波画像を使用することによって実施できる。その結果、コンピュータ断層撮影(CT)を不要にしたり、造影剤の使用やX線の照射回数を減らしたりできる。このため、患者及び術者の被ばくをなくして、あるいは被ばく量を低減して、医療デバイスによる処置を実施できる。
【0027】
挿入支援システムによれば、超音波プローブによって撮像された超音波画像に基づいて、目標部位を撮像可能な撮像位置に超音波プローブを配置でき、生体管腔内に挿入された医療デバイスの所定部を目標部位に位置させることができる。医療デバイスによる処置の一部又はすべてを、超音波画像を使用することによって実施できる。その結果、コンピュータ断層撮影(CT)を不要にしたり、造影剤の使用やX線の照射回数を減らしたりできる。このため、患者及び術者の被ばくをなくして、あるいは被ばく量を低減して、医療デバイスによる処置を実施できる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【
図1】実施形態1に係る挿入支援システムを用いて、血管内に挿入された医療デバイスの所定部を目標部位に位置させる様子を模式的に示す図である。
【
図2】超音波プローブの配置位置を模式的に示す図である。
【
図3】
図3(a)は実施形態1に係る医療デバイスの要部を示す図、
図3(b)は
図3(a)の3b部を示す拡大図、
図3(c)は
図3(a)の3c部を示す拡大図である。
【
図4】医療デバイスの挿入支援装置を示す正面図である。
【
図5】医療デバイスの医療用処置具としてのステントグラフトを示す斜視図である。
【
図6】ステントグラフト内挿術によって血管内の動脈瘤付近にステントグラフトを留置した状態を示す断面図である。
【
図7】医療デバイスの挿入支援装置の構成を示すブロック図である。
【
図8A】
図8A(a)は超音波プローブによって撮像された血管の縦断面を示す超音波画像の一例を示す図、
図8A(b)は超音波プローブによって撮像された血管の横断面を示す超音波画像の一例を示す図である。
【
図8B】
図8B(a)は医療デバイスの所定部を検出するときの判断において用いられる白黒化処理を施した血管の縦断面を示す画像の一例を示す図、
図8B(b)は医療デバイスの所定部を検出するときの判断において用いられる白黒化処理を施した血管の横断面を示す画像の一例を示す図である。
【
図9】
図9(a)及び
図9(b)は医療デバイスの挿入支援装置のGUI(グラフィカルユーザインターフェース)の一例を示す図である。
【
図10】
図10(a)及び
図10(b)は医療デバイスの挿入支援装置のGUI(グラフィカルユーザインターフェース)の一例を示す図である。
【
図11】
図11(a)及び
図11(b)は超音波プローブを患者の体表に対して固定する固定治具の一例を示す斜視図である。
【
図12】超音波プローブを患者の体表に対して固定する固定治具の他の例を示す正面図である。
【
図13】超音波プローブを患者の体表に対して固定する固定治具のさらに他の例を示す斜視図である。
【
図14】
図14(a)は剛性可変機構を概念的に示す構成図、
図14(b)はカバーに保持した超音波プローブを示す斜視図である。
【
図15】医療デバイスの挿入支援装置の使用手順を示すフローチャートである。
【
図16】挿入支援システムを用いた手技手順を示すフローチャートである。
【
図17A】
図17A(a)及び
図17A(b)は変形例1に係る医療デバイスの挿入支援装置のGUI(グラフィカルユーザインターフェース)の一例を示す図である。
【
図17B】
図17B(a)及び
図17B(b)は変形例1に係る医療デバイスの挿入支援装置のGUI(グラフィカルユーザインターフェース)の一例を示す図である。
【
図17C】
図17C(a)及び
図17C(b)は変形例1に係る医療デバイスの挿入支援装置のGUI(グラフィカルユーザインターフェース)の一例を示す図である。
【
図18】
図18(a)及び
図18(b)は変形例2に係る医療デバイスの挿入支援装置のGUI(グラフィカルユーザインターフェース)の一例を示す図である。
【
図19】変形例3に係る医療デバイスの挿入支援装置の構成を示すブロック図である。
【
図20】
図20(a)及び
図20(b)は変形例3に係る医療デバイスの挿入支援装置によって医療デバイスの所定部を追従する様子を示す斜視図である。
【
図21】変形例3に係る医療デバイスの挿入支援装置によって医療デバイスの所定部を追従する手順を示すフローチャートである。
【
図22】変形例4に係る医療デバイスの挿入支援装置のGUI(グラフィカルユーザインターフェース)の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明を実施するための形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。ここで示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するために例示するものであって、本発明を限定するものではない。よって、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者などにより考え得る実施可能な他の形態、実施例及び運用技術などは全て本発明の範囲、要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【0030】
また、本明細書に添付する図面は、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺、縦横の寸法比、形状などについて、実物から変更し模式的に表現される場合があるが、あくまで一例であって、本発明の解釈を限定するものではない。
【0031】
なお、本明細書において、「第1」、「第2」などの序数詞を付すこともある。しかしながら、これら序数詞に関する特段の説明がない限りは、説明の便宜上、構成要素を識別するために付したものであって、数又は順序を特定するものではない。また、「端部」とは。軸方向の端から一定の範囲を含む領域を意味する。
【0032】
<実施形態1>
図1~
図16を参照して、本発明の実施形態1を説明する。
【0033】
図1、
図2及び
図3に示すように、挿入支援システム10は、生体管腔40内に挿入された医療デバイス20の所定部30を目標部位に位置させるために使用される。挿入支援システム10は、医療デバイス20と、医療デバイス20の挿入支援装置200と、を有する。医療デバイス20の挿入支援装置200は、超音波プローブ301によって撮像された超音波画像に基づいて、生体管腔40内に挿入された医療デバイス20の所定部30を目標部位に位置させることを支援する。
【0034】
「目標部位」は、生体内の目印となる部位である。本明細書において、「目標部位」という用語には、「真の目標部位」と、画像解析の必要から設定される「仮の目標部位」との2つの部位を含んでいる。前者の「真の目標部位」とは、解剖学的な特徴点を有した部位であり、医療デバイス20の所定部30を「目標部位」に位置させたまま、その後の治療を開始できる部位である。後者の「仮の目標部位」とは、画像解析の必要から解剖学的な特徴点を有する部位を「目標部位」として設定した部位である。後者の「仮の目標部位」の場合、治療を実際に開始するときには、「目標部位」に位置させた医療デバイス20の所定部30を、医療デバイス20を生体管腔内に挿入する方向に沿って「目標部位」から所定の距離だけ前進移動又は後退移動させる。「仮の目標部位」とする部位、治療を開始するときに移動させる距離及び移動させる方向等は、事前の手技検討において決定される。
【0035】
図1及び
図2に示すように、超音波プローブ301、302、303は、3か所の位置にそれぞれ配置され、それぞれの位置において超音波画像を撮像する。なお、説明の便宜上、
図2の第1位置P1に配置される超音波プローブ301を第1超音波プローブ301という。同様に、
図2の第2位置P2及び第3位置P3に配置されるそれぞれの超音波プローブを第2超音波プローブ302及び第3超音波プローブ303という。また、第1超音波プローブ301によって撮像された超音波画像を第1超音波画像311という。同様に、第2超音波プローブ302及び第3超音波プローブ303によって撮像されたそれぞれの超音波画像を第2超音波画像312及び第3超音波画像313という。
【0036】
第1位置P1は、第1超音波プローブ301が目標部位を撮像可能な撮像位置に相当する。第2位置P2は、第2超音波プローブ302が撮像位置とは異なる途中位置を撮像可能な位置である。第3位置P3は、第3超音波プローブ303が撮像位置及び第2位置P2とは異なる途中位置を撮像可能な位置である。
【0037】
実施形態1は、例えば、腹部大動脈瘤を治療する医療デバイス20の所定部30を目標部位に位置させ場合を例に挙げて説明する。医療デバイス20の所定部30を位置させる目標部位は、上記の「仮の目標部位」である。実施形態1における目標部位は、「仮の目標部位」として、解剖学的な特徴点を有する腎動脈(例えば、左腎動脈)が設定される。
図9(a)の符号311aが目標部位(腎動脈)に相当する。
【0038】
実施形態1の第1位置P1は、第1超音波プローブ301が腎動脈を撮像可能な位置である。また、第2位置P2は、第2超音波プローブ302が腹部大動脈瘤のほぼ中央を撮像可能な位置である。第3位置P3は、第3超音波プローブ303が鼠径部から腹部大動脈瘤に至る腸骨動脈を撮像可能な位置である。
【0039】
(医療デバイス20)
図3(a)及び
図3(b)に示すように、医療デバイス20は、生体管腔40内で生体に対して処置を施す医療用処置具100をカテーテル21に保持して構成されている。また、医療デバイス20の所定部30は、カテーテル21に設けられたマーカ31である。マーカ31は、外部超音波を用いて視認することができる。
【0040】
医療用処置具100は、腹部大動脈瘤の治療のために、血管40(「生体管腔」に相当する)内で動脈瘤への血流を遮断するステントグラフトである。ステントグラフト100は、カテーテル21の先端に収容されている。医療デバイス20の所定部30を構成するマーカ31は、カテーテル21の先端部に設けられている。マーカ31を目標部位に位置させることによって、カテーテル21の先端部は目標部位に位置する。この位置においてカテーテル21を引き抜くと、ステントグラフト100は適切な位置に位置決めされる。
【0041】
ステントグラフト100は、筒部110と、ワイヤー部120と、を有する。
【0042】
筒部110は、血液が流通可能な内腔111を有する。筒部110は、本体チューブ112と、本体チューブ112から二股に分岐する第1分岐チューブ113と、第2分岐チューブ114と、を有する。本体チューブ112は、比較的大径に形成され、第1分岐チューブ113及び第2分岐チューブ114は本体チューブ112に比較して小径に形成されている。第1分岐チューブ113及び第2分岐チューブ114は、右腸骨動脈及び左腸骨動脈にそれぞれ装着される。筒部110は、生体適合性を有するポリエステル等の樹脂の糸で織られた織物(ファブリック)から円筒状に形成されている。
【0043】
ワイヤー部120は、筒部110の外面110aに配置され、拡径変形及び縮径変形可能に構成されている。ワイヤー部120は、血管40内で拡径変形することによって筒部110の内腔111を保持する。ワイヤー部120は、自己拡張可能又はバルーン拡張可能に形成され、筒部110を血管40内に保持し得るように形成されている。ワイヤー部120は、ニッケルチタン合金やステンレス等から形成されている。
【0044】
ステントグラフト100は、本体チューブ112の端部に取り付けられた鉤170を有する。鉤170は、血管壁41にアンカリングする。
【0045】
筒部110は、ワイヤー部120を拡径してステントグラフト100を血管40内に留置した際に、血管40の上流側に位置する上流部115と、血管40の下流側に位置する下流部116、117と、上流部115と下流部116、117との間に位置する中間部118と、を有する。
図5に示すように、シール部160は、筒部110の上流部115及び/又は下流部116、117に形成される。シール部160は、筒部110の外面110aと血管40の血管壁41との間に血液が流通することを抑制する。
【0046】
ワイヤー部120は、ステントグラフト100の血管40内への留置時に、筒部110の上流部115及び/又は下流部116、117において、筒部110の外面110aと血管壁41との間に血液が流通することを抑制するシール形成部を有する。ワイヤー部120のシール形成部は、ワイヤー部120のうち筒部110の上流部115及び/又は下流部116、117に存在する部分によって構成される。
【0047】
図3(a)、
図3(c)に示すように、医療デバイス20は、手元側に目盛部32を有する。目盛部32は、医療デバイス20のカテーテル21に付されている。目盛部32は、カテーテル21の基端部近傍のみに付すことができる。術者は、目盛部32によって、カテーテル21を血管40内に挿入する方向に沿って前進又は後退させた移動距離を認識できる。したがって、術者は、マーカ31を目標部位に位置させた後、目盛部32によって、カテーテル21を血管40内に挿入する方向に沿って目標部位から前進又は後退させる移動距離を認識できる。
【0048】
上記したように、実施形態1における目標部位は、「仮の目標部位」である。このため、治療を実際に開始するときには、腎動脈に位置させた医療デバイス20の所定部30を、医療デバイス20を生体管腔内に挿入する方向に沿って腎動脈から所定の距離(数センチ)だけ後退移動させる。この移動によって、医療デバイス20の所定部30は、腎動脈の下方に位置する。ステントグラフト100は、腎動脈に重ならず、かつ、十分なシール精度を確保できる位置において展開される。
【0049】
(医療デバイス20の挿入支援装置200)
図4,
図7に示すように、医療デバイス20の挿入支援装置200は、送受信部210と、取得部220と、第1判断部230と、第2判断部240と、報知部250と、画像処理部260と、を有する。
【0050】
図7に示すように、送受信部210は、第1超音波プローブ301、第2超音波プローブ302及び第3超音波プローブ303と接続されている。送受信部210は、第1超音波プローブ301によって撮像された第1超音波画像311の受信、第2超音波プローブ302によって撮像された第2超音波画像312の受信及び第3超音波プローブ303によって撮像された第3超音波画像313の受信を行う。また、送受信部210は、第1超音波プローブ301、第2超音波プローブ302及び第3超音波プローブ303への所定の動作指令の送信を行う。
【0051】
取得部220、第1判断部230、第2判断部240及び画像処理部260は、プロセッサ270(CPU)から構成される。報知部250、メモリ271、及び電源272は、プロセッサ270に接続されている。
【0052】
取得部220は、送受信部210を介して超音波画像を取得する。取得部220は、第1超音波画像311と、第2超音波画像312と、第3超音波画像313とを取得可能に構成されている。第1超音波画像311は、撮像位置に配置される第1超音波プローブ301で撮像され、第1判断部230での判断に用いられる。第2超音波画像312は、撮像位置とは異なる途中位置(第2位置P2)に配置される第2超音波プローブ302で撮像される。第3超音波画像313は、撮像位置及び第2位置P2とは異なる途中位置(第3位置P3)に配置される第3超音波プローブ303で撮像される。取得した各超音波画像311、312、313はメモリ271に格納される。
【0053】
第1判断部230は、第1超音波プローブ301が目標部位を撮像可能な撮像位置に配置されているか否かを判断する。この判断は、目標部位の解剖学的な特徴点(メルクマール)を含んだ比較画像と、取得した第1超音波画像311とを照合することによって行う。上記のように、実施形態1における目標部位は、腎動脈が設定される。第1判断部230での判断では、比較画像して例えば蓄積した実画像を直接用いており、その具体的な判断方法しては以下の通りである。メモリ271は、目標部位をラベル付けした実画像を予めストックする。ラベルは、画像データが表す情報である。撮影中の第1超音波画像311の中に目標部位があるか否かは、予めストックした実画像と撮影中の第1超音波画像311と照合して判断される。照合は、オブジェクトの抽出、抽出したピクセルデータの演算処理等を経る周知の画像解析手法によって行う。比較画像の特徴点と第1超音波画像311の特徴点とが一致する場合、第1判断部230は第1超音波プローブ301が撮像位置に配置されていると判断する。一方、比較画像の特徴点と第1超音波画像311の特徴点とが一致しない場合、第1判断部230は第1超音波プローブ301が撮像位置に配置されていないと判断する。なお、超音波画像から目標部位の解剖学的な特徴点を検出できるように学習した学習済みモデルを用いて、第1判断部230での判断を行ってもよい。この場合、学習済みモデルの学習過程において、目標部位をラベル付けした実画像を学習データとして用いる。このため、学習済みモデルを用いた判断も、比較画像と取得した第1超音波画像311とを照合することによって行われると言える。なお、このような学習済みモデルは、ディープラーニングなどの既知の方法を用いることで生成される。
【0054】
第2判断部240は、取得した第1超音波画像311の輝度分布に基づいて、カテーテル21のマーカ31(医療デバイス20の所定部30)を検出できたか否かを判断する。
図8A(a)に、第1超音波プローブ301によって撮像された血管40の縦断面を示す第1超音波画像311の一例を示す。
図8B(a)に、カテーテル21のマーカ31を検出するときの判断において用いられる白黒化処理を施した血管40の縦断面を示す画像の一例を示す。
【0055】
この判断は例えば次のようにして行うことができる。画像処理部260は、取得した第1超音波画像311(
図8A(a)を参照)における輝度分布から、生体管腔(血管40)の外縁に囲まれた処理領域を抽出する。次に、当該処理領域内において、カテーテル21のマーカ31を除いた部分の輝度とマーカ31の輝度との間の所定の輝度を境界として、白黒化処理する。これにより、生体管腔(血管40)およびカテーテル21のマーカ31を除いた部分は黒色で表され、カテーテル21のマーカ31のみ白色で表されることになる(
図8B(a)を参照)。そして、第2判断部240は、黒色にて表された内側に白点が存在するか否かによって、マーカ31を検出できたか否かを判断する。画像処理部260の白黒化処理は、画像変換パラメータを調整し、第1超音波画像311を階調変換及び二値化処理することによって行う。黒円(血管40)内に白点(マーカ31)が存在する場合、第2判断部240はマーカ31を検出できたと判断する(
図8B(a)を参照)。一方、黒円(血管40)内に白点(マーカ31)が存在しない場合、第2判断部240はマーカ31を検出できていないと判断する。
【0056】
第2判断部240は、取得した第2超音波画像312の輝度分布に基づいて、カテーテル21のマーカ31を検出できたか否かを判断する。第2判断部240はまた、取得した第3超音波画像313の輝度分布に基づいて、カテーテル21のマーカ31を検出できたか否かを判断する。
図8A(b)に、第2、第3の超音波プローブ302、303によって撮像された血管40の横断面を示す超音波画像312、313の一例を示す。
図8B(b)に、カテーテル21のマーカ31を検出するときの判断において用いられる白黒化処理を施した血管40の横断面を示す画像の一例を示す。
【0057】
この判断は例えば次のようにして行うことができる。画像処理部260は、取得した第2、第3の超音波画像312、313(
図8A(b)を参照)における輝度分布から、生体管腔(血管40)の外縁に囲まれた処理領域を抽出する。次に、当該処理領域内において、カテーテル21のマーカ31を除いた部分の輝度とマーカ31の輝度との間の所定の輝度を境界として、白黒化処理する。これにより、生体管腔(血管40)およびカテーテル21のマーカ31を除いた部分は黒色で表され、カテーテル21のマーカ31のみ白色で表されることになる(
図8B(b)を参照)。なお、
図8A(b)においては、カテーテル21を表すため、カテーテル21のマーカ31を除いた部分を、輝度が低い血管40よりも輝度が若干高い「中」として表している。そして、第2判断部240は、黒色にて表された内側に白点が存在するか否かによって、マーカ31を検出できたか否かを判断する。画像処理部260の白黒化処理は、画像変換パラメータを調整し、第1超音波画像311を階調変換及び二値化処理することによって行う。黒四角(血管40)内に白点(マーカ31)が存在する場合、第2判断部240はマーカ31を検出できたと判断する(
図8B(b)を参照)。一方、黒四角(血管40)内に白点(マーカ31)が存在しない場合、第2判断部240はマーカ31を検出できていないと判断する。
【0058】
報知部250は、第1判断部230による判断及び第2判断部240による判断に基づいた情報を報知する。
【0059】
報知部250は、第1判断部230によって判断された、超音波プローブ301が撮像位置に配置されているか否かについての情報と、第2判断部240によって判断された、マーカ31を検出できたか否かについての情報とを、それぞれ独立して報知することができる。術者は、第1判断部230による現在の判断結果と、第2判断部240による現在の判断結果との両者をそれぞれ把握できる。
【0060】
報知部250は、第2超音波画像312に基づいて第2判断部240によってマーカ31を検出できたと判断されたときに、マーカ31が途中位置(第2位置P2)に到達した情報を報知できる。報知部250はまた、第3超音波画像313に基づいて第2判断部240によってマーカ31を検出できたと判断されたときに、マーカ31が途中位置(第3位置P3)に到達した情報を報知できる。
【0061】
図4、
図9(a)及び
図9(b)に示すように、報知部250は、アラートを発出するスピーカ(図示せず)や、情報を表示するモニタなどから構成される。報知部250は、第1超音波画像311を表示する第1モニタ251、第2超音波画像312を表示する第2モニタ252及び第3超音波画像313を表示する第3モニタ253を有する。報知部250は、第1、第2及び第3の超音波画像311、312、313のなかから選択された超音波画像311(312、313)の拡大画像を表示する第4モニタ254を有する。報知部250は、第1判断部230の判断及び第2判断部240の判断によって定まる超音波画像情報を表示する第5モニタ255を有する。報知部250は、第1超音波画像311の拡大画像を第4モニタ254に表示することを選択する第1スイッチ256、第2超音波画像312の拡大画像を第4モニタ254に表示することを選択する第2スイッチ257、第3超音波画像313の拡大画像を第4モニタ254に表示することを選択する第3スイッチ258を有する。各スイッチ256、257、258は、例えば、タッチセンサから構成される。
【0062】
第5モニタ255についてさらに説明する。第5モニタ255は、超音波画像情報として、第1判断部230の判断によって定まる情報を表示する第1領域255aと、第2判断部240の判断によって定まる情報を表示する第2領域255bとを有する。
【0063】
第1判断部230が第1超音波プローブ301が目標部位を撮像可能な撮像位置に配置されていると判断した場合、例えば、超音波画像311中に腎動脈311aが確認されたと判断した場合、第1領域255aには、「ずれなし(GOOD)」と表示される(
図9(a)を参照)。一方、第1判断部230が第1超音波プローブ301が目標部位を撮像可能な撮像位置から外れて配置されていると判断した場合、すなわち、超音波画像311中に腎動脈の存在が認められないと判断した場合、第1領域255aには、「アラート:位置ずれ」と表示される(
図9(b)を参照)。「ずれなし(GOOD)」及び「位置ずれ」の表示は色を付すことができる。例えば、「ずれなし(GOOD)」を緑色で表示し、「アラート:位置ずれ」を赤色で表示できる。
【0064】
第2判断部240がマーカ31を検出できたと判断した場合、第2領域255bには、「マーカ31:検出中」と表示される(
図9(a)を参照)。一方、第2判断部240がマーカ31を検出できていないと判断した場合、第2領域255bには、「マーカ:未検出」と表示される(
図9(b)を参照)。「検出中」及び「未検出」の表示は色を付すことができる。例えば、「検出中」を緑色で表示し、「未検出」を赤色で表示できる。
【0065】
画像解析の必要から解剖学的な特徴点を有する部位を「目標部位」として設定した場合には、医療デバイス20の挿入支援装置200は、図示しない操作パネル等から「仮の目標部位」であること、治療を開始するときに移動させる距離及び移動させる方向等を設定できる。「仮の目標部位」の場合、治療を実際に開始するときには、「目標部位」に位置させたマーカ31を、「目標部位」から所定の距離だけ前進移動又は後退移動させる必要がある。このため、第2判断部240がマーカ31を検出できたと判断した場合、第2領域255bには、例えば、「行き過ぎです」、「手前へxxxmm引いてください」、「手前です」あるいは「奥へxxxmm挿入してください」等の示唆を表示できる。
【0066】
図9(a)、
図9(b)、
図10(a)及び
図10(b)は、医療デバイス20の挿入支援装置200のGUI(グラフィカルユーザインターフェース)の一例を示している。
【0067】
第1モニタ251は第1超音波画像311を表示し、第2モニタ252は第2超音波画像312を表示し、第3モニタ253は第3超音波画像313を表示する。
図9(a)は、第1スイッチ256が操作された状態を示す。第4モニタ254は第1超音波画像311の拡大画像を表示する。この表示例では、第1判断部230は、第1超音波プローブ301が撮像位置に配置されていると判断している。第2判断部240は、マーカ31を検出できたと判断している。第5モニタ255は、第1判断部230によって判断された情報と、第2判断部240によって判断された情報とを、それぞれ独立して表示する。第1領域255aには、第1判断部230によって判断された情報である「ずれなし(GOOD)」と表示される。第2領域255bには、第2判断部240によって判断された情報である「マーカ:検出中」と表示される。
【0068】
図9(b)も、第1スイッチ256が操作された状態を示す。第4モニタ254は第1超音波画像311の拡大画像を表示する。この表示例では、第1判断部230は、第1超音波プローブ301が撮像位置に配置されていないと判断している。第2判断部240は、マーカ31を検出できていないと判断している。第5モニタ255の第1領域255aには、第1判断部230によって判断された情報である「アラート:位置ずれ」と表示される。第2領域255bには、第2判断部240によって判断された情報である「マーカ:未検出」と表示される。
【0069】
図10(a)は、第3スイッチ258が操作された状態を示す。第4モニタ254は第3超音波画像313の拡大画像を表示する。この表示例では、第1判断部230は、第1超音波プローブ301が撮像位置に配置されていると判断している。第2判断部240は、第3位置P3においてマーカ31を検出できたと判断している。第5モニタ255の第1領域255aには、第1判断部230によって判断された情報である「ずれなし(GOOD)」と表示される。第2領域255bには、第2判断部240によって判断された情報である「マーカ:第3位置検出中」と表示される。
【0070】
図10(b)は、第2スイッチ257が操作された状態を示す。第4モニタ254は第2超音波画像312の拡大画像を表示する。この表示例では、第1判断部230は、第1超音波プローブ301が撮像位置に配置されていると判断している。第2判断部240は、第2位置P2においてマーカ31を検出できたと判断している。第5モニタ255の第1領域255aには、第1判断部230によって判断された情報である「ずれなし(GOOD)」と表示される。第2領域255bには、第2判断部240によって判断された情報である「マーカ:第2位置検出中」と表示される。
【0071】
(固定治具)
医療デバイス20の挿入支援装置200は、超音波プローブ301、302、303を患者の体表に対して固定可能な固定治具320をさらに有することができる。術者は、超音波プローブ301、302、303を手に持って位置固定する必要がない。このため、医療デバイス20の挿入作業の作業性が良くなる。また、超音波プローブ301、302、303を手に持って位置固定するための補助者も必要ない。なお、以下の説明においては、第1超音波プローブ301を例に挙げて説明する。
【0072】
図11(a)、
図11(b)に示すように、固定治具320は、第1超音波プローブ301を体表に接着させて固定する押さえ部材330を有することができる。
【0073】
押さえ部材330は、第1超音波プローブ301の先端外周部分を覆うリング形状を有する。押さえ部材330は、複数個(例えば、2つ)に分割可能なリング片331、332を有する。リング片331、332は、下面が体表に面する。リング片331、332の下面は、ずれ防止用の接着部材333が取り付けられている。接着部材333は、ゴムあるいはゲル等から形成される。押さえ部材330によって第1超音波プローブ301の先端外周部分を覆い、接着部材333を体表に押し付ける。これにより、第1超音波プローブ301は、体表に接着されて固定される。
【0074】
図12に示すように、固定治具320は、第1超音波プローブ301を体表に弾発的に押し付けて固定するバネ部材340を有することができる。
【0075】
固定治具320は、患者を側方から挟み込むことができる把持部材341を有する。把持部材341は、はさみのように、ピン342を中心にして回動自在に構成される。バネ部材340は、把持部材341を閉じる方向のバネ力を把持部材341に付勢する。第1超音波プローブ301は、カバー343によって保持される。第1超音波プローブ301を体表に接触させ、カバー343に重なるように把持部材341を配置する。把持部材341によって、患者を側方から挟み込む。バネ部材340は、把持部材341を閉じる方向のバネ力を把持部材341に付勢する。これにより、カバー343に保持された第1超音波プローブ301は、体表に弾発的に押し付けられ固定される。
【0076】
図13、
図14(a)、
図14(b)に示すように、固定治具320は、第1超音波プローブ301を保持する柔剛可変自在なアーム部350と、通電によって発生する磁力によってアーム部350を柔軟な状態から剛性を高めた状態に切り替え可能なスイッチ部351と、を有することができる。
【0077】
第1超音波プローブ301は、カバー352によって保持することができる。第1超音波プローブ301は、カバー352内面との間に配置したスプリング353によって押圧され、カバー352内でのずれを防止できる。第1超音波プローブ301は、カバー352内面との間に配置したずれ防止用のゴム(図示せず)によってずれを防止できる。アーム部350は、先端がカバー352に接続され、基端がベース354に接続される。固定治具320は、全体としてスタンド形状を有する。アーム部350は、アーム部350の剛性を可変な剛性可変機構355が内蔵される。剛性可変機構355は、通電可能なコイル356と、磁性コア部357とを交互に積層して構成できる。複数のコイル356は、スイッチ部351を介して電源に接続される。磁性コア部357は、磁性粒子を含むコンパウンド(ゲル、エラストマ)から形成される。剛性可変機構355のスイッチ部351をオンし、コイル356に通電すると、磁力が発生して磁性コア部357の剛性が上がる。その結果、アーム部350は、柔軟な状態から剛性を高めた状態に切り替わる。第1超音波プローブ301の位置決めを行う場合、剛性可変機構355のスイッチ部351をオフし、コイル356に通電しない。アーム部350は柔軟な状態のままであるため、第1超音波プローブ301の位置を容易に決めることができる。第1超音波プローブ301の位置決めが完了すると、剛性可変機構355のスイッチ部351をオンし、コイル356に通電する。これにより、アーム部350は柔軟な状態から剛性を高めた状態に切り替えられ、その結果、第1超音波プローブ301は、患者の体表に対して固定される。
【0078】
(医療デバイス20の挿入支援装置200の使用手順)
次に、
図15を参照して、医療デバイス20の挿入支援装置200の使用手順を概説する。
【0079】
まず、プロセッサ270は、目標部位の解剖学的な特徴点を含んだ比較画像を取得する(ステップS101)。プロセッサ270は、比較画像の輝度分布を補正する(ステップS102)。プロセッサ270は、比較画像と第1超音波画像311とを照合し、第1超音波画像311上に、所定位置に現われる解剖学的な特徴点を検出しているか否かを判断する(ステップS103)。
【0080】
プロセッサ270は、第1超音波画像311上に解剖学的な特徴点を検出できた場合には(ステップS103:Yes)、第1超音波プローブ301が撮像位置に正しく配置されているので、第5モニタ255の第1領域255aに「ずれなし(GOOD)」と表示する(ステップS104。
図9(a)を参照)。プロセッサ270は、第1超音波画像311上に解剖学的な特徴点を検出できない場合には(ステップS103:No)、第1超音波プローブ301が撮像位置から外れて配置されているので、第5モニタ255の第1領域255aに「アラート:位置ずれ」と表示する(ステップS105。
図9(b)を参照)。
【0081】
プロセッサ270は、第1超音波画像311上にマーカ31を検出できたか否かを判断する(ステップS106)。
【0082】
プロセッサ270は、第1超音波画像311上にマーカ31を検出できた場合には(ステップS106:Yes)、第5モニタ255の第2領域255bに「マーカ:検出中」と表示する(ステップS107。
図9(a)を参照)。プロセッサ270は、第1超音波画像311上にマーカ31を検出できていないと判断した場合には(ステップS106:No)、第5モニタ255の第2領域255bに「マーカ:未検出」と表示する(ステップS108。
図9(b)を参照)。
【0083】
プロセッサ270は、「ずれなし(GOOD)」及び「マーカ:検出中」の両方が表示されているか否かを判断する(ステップS109)。すなわち、第1超音波画像311上に解剖学的な特徴点を検出でき、かつ、第1超音波画像311上にマーカ31を検出できたか否かを判断する。
【0084】
プロセッサ270は、「ずれなし(GOOD)」及び「マーカ:検出中」の両方が表示されている場合には(ステップS109:Yes)、医療デバイス20の所定部30(マーカ31)を目標部位(腎動脈)に位置させることができたので、医療デバイス20の挿入支援を終了する(ステップS110)。この後、術者は、位置決めできた医療デバイス20を用いて所定の手技を開始する。「ずれなし(GOOD)」及び「マーカ:検出中」の両方が表示されていない場合には(ステップS109:No)、第1超音波プローブ301が撮像位置に配置されていない場合、及び/又は、マーカ31を検出できていない場合である。このため、処理はステップS103に戻り、上記の動作を繰り返す。
【0085】
(挿入支援システム10を用いた手技手順)
次に、
図16を参照して、挿入支援システム10を用いた手技手順を概説する。
【0086】
まず、術者は、第1超音波プローブ301、第2超音波プローブ302及び第3超音波プローブ303をオンする(ステップS121)。術者は、第4モニタ254に表示される第1超音波画像311及び第5モニタ255に表示される超音波画像情報を見ながら、第1超音波プローブ301の配置位置を調整する。第5モニタ255の第1領域255aに「ずれなし(GOOD)」と表示されると、術者は、第1超音波プローブ301を、目標部位(腎動脈)を撮像可能な撮像位置に固定する(ステップS122)。術者は、ステントグラフト100を留置する前に、第1超音波プローブ301によって第1超音波画像311を取得する(ステップS123)。
【0087】
術者は、医療デバイス20としてのアクセスデバイス(ガイドワイヤー、カテーテル等)をデリバリーする(ステップS124)。術者は、第4モニタ254に表示される第1超音波画像311及び第5モニタ255に表示される超音波画像情報を見ながら、ステントグラフトシステムを腎動脈付近までデリバリーする(ステップS125)。
【0088】
術者は、第4モニタ254に表示される第1超音波画像311及び第5モニタ255に表示される超音波画像情報を見ながら、マーカ31を検出できたか否かを確認する(ステップS126)。マーカ31を検出できた場合、第4モニタ254には、黒円(血管40)内に白点(マーカ31)が存在するような画像が表示される。さらに、第5モニタ255の第2領域255bに「マーカ:検出中」と表示される(
図9(a)を参照)。マーカ31を検出できていない場合、第4モニタ254には、黒円(血管40)のみの画像が表示される。さらに、第5モニタ255の第2領域255bに「マーカ:未検出」と表示される(
図9(b)を参照)。
【0089】
術者は、マーカ31が検出されるまで、ステントグラフト100システムのデリバリーを継続する(ステップS126:No、ステップS125)。術者は、マーカ31を検出できたこと確認すると(ステップS126:Yes)、手元の目盛部32を参照しながら、医療デバイス20を手前側に引く(ステップS127)。術者は、アウターシースを外し、ステントグラフト100の対側脚を開脚する(ステップS128)。術者は、第1超音波プローブ301によってステントグラフト100の位置を再確認しながら、ステントグラフト100を展開する位置を確定する(ステップS129)。術者は、シースを引き、ステントグラフト100の本体部を展開する(ステップS130)。術者は、第1超音波プローブ301によって腎動脈周辺の状態を確認した後、ステントグラフト100の対側脚部を展開する(ステップS131)。術者は、第1超音波プローブ301によって分岐部周辺の状態を確認した後、ステントグラフト100の同側脚部を展開する(ステップS132)。
【0090】
術者は、デリバリーシステムを抜去し、第1超音波プローブ301によって各シール部(上部シール部、分岐部、脚部シール部)の血管壁41とのシールの程度を確認する(ステップS133)。術者は、術後データとするため、第1超音波プローブ301によって超音波画像を撮影する(ステップS134)。以上により手技が終了する(ステップS135)。
【0091】
(作用効果)
以上のように、実施形態1に係る医療デバイス20の挿入支援装置200は、取得部220と、第1判断部230と、第2判断部240と、報知部250と、を有する。取得部220は、第1超音波画像311を取得する。第1判断部230は、目標部位の解剖学的な特徴点を含んだ比較画像と、取得した第1超音波画像311とを照合することによって、第1超音波プローブ301が目標部位を撮像可能な撮像位置に配置されているか否かを判断する。第2判断部240は、取得した第1超音波画像311の輝度分布に基づいて、医療デバイス20の所定部30を検出できたか否かを判断する。報知部250は、第1判断部230による判断及び第2判断部240による判断に基づいた情報を報知する。
【0092】
このように構成した医療デバイス20の挿入支援装置200は、第1超音波プローブ301によって撮像された第1超音波画像311に基づいて、目標部位を撮像可能な撮像位置に第1超音波プローブ301を配置することを支援でき、生体管腔(血管40)内に挿入された医療デバイス20の所定部30を目標部位に位置させることを支援できる。医療デバイス20の所定部30を目標部位に位置させる作業の一部又はすべてを、第1超音波画像311を使用することによって実施できる。その結果、コンピュータ断層撮影(CT)を不要にしたり、X線の照射回数を減らしたりできる。このため、患者及び術者の被ばくをなくして、あるいは造影剤の使用量や被ばく量を低減して、医療デバイス20による処置を実施できる。
【0093】
医療デバイス20の挿入支援装置200は、取得した第1超音波画像311を生体管腔40を黒色にて表す白黒化処理する画像処理部260をさらに有する。第2判断部240は、黒色にて表された内側に白点が存在するか否かによって、医療デバイス20の所定部30を検出できたか否かを判断する。このように構成すれば、医療デバイス20の所定部30の検出を簡単かつ正確に行うことができる。
【0094】
医療デバイス20の挿入支援装置200は、報知部250が、第1判断部230によって判断された、第1超音波プローブ301が撮像位置に配置されているか否かについての情報と、第2判断部240によって判断された、医療デバイス20の所定部30を検出できたか否かについての情報とを、それぞれ独立して報知することができる。このように構成すれば、術者は、第1判断部230によって判断された情報と、第2判断部240によって判断された情報との両者を個別に把握できる。このため、目標部位を撮像可能な撮像位置に第1超音波プローブ301を配置することと、医療デバイス20の所定部30を目標部位に位置させることとの両者を個別に支援できる。
【0095】
医療デバイス20の挿入支援装置200は、取得部220が、超音波画像として、撮像位置に配置される第1超音波プローブ301で撮像された第1判断部230での判断に用いる第1超音波画像311と、撮像位置とは異なる途中位置に配置される第2超音波プローブ302で撮像された第2超音波画像312とを取得可能に構成される。第2判断部240は、取得した第1超音波画像311及び第2超音波画像312の輝度分布に基づいて、医療デバイス20の所定部30を検出できたか否かを判断する。そして、報知部250は、第2超音波画像312に基づいて第2判断部240によって医療デバイス20の所定部30を検出できたと判断されたときに、医療デバイス20の所定部30が途中位置に到達した情報を報知する。このように構成すれば、医療デバイス20の所定部30が目標部位に到達する前の途中位置に到達したかを確認できる。このため、医療デバイス20の所定部30が目標部位に到達する前においても、医療デバイス20の挿入作業を支援できる。なお、第3超音波画像313についても同様の作用効果を奏する。
【0096】
医療デバイス20の挿入支援装置200は、第1超音波プローブ301等を患者の体表に対して固定可能な固定治具320をさらに有する。このように構成すれば、術者は、第1超音波プローブ301等を手に持って位置固定する必要がない。このため、医療デバイス20の挿入作業の作業性が良くなる。また、第1超音波プローブ301等を手に持って位置固定するための補助者も必要ない。
【0097】
固定治具320は、第1超音波プローブ301等を体表に接着させて固定する押さえ部材330を有する。このように構成すれば、第1超音波プローブ301等は体表に接着されて固定されるため、上記のように、医療デバイス20の挿入作業の作業性が良くなり、補助者も必要ない。
【0098】
固定治具320は、第1超音波プローブ301等を体表に弾発的に押し付けて固定するバネ部材340を有する。このように構成すれば、第1超音波プローブ301等は、体表に弾発的に押し付けられ固定されるため、上記のように、医療デバイス20の挿入作業の作業性が良くなり、補助者も必要ない。
【0099】
固定治具320は、第1超音波プローブ301等を保持する柔剛可変自在なアーム部350と、通電によって発生する磁力によってアーム部350を柔軟な状態から剛性を高めた状態に切り替え可能なスイッチ部351と、を有する。このように構成すれば、第1超音波プローブ301等の位置決めを行う場合、スイッチ部351によりアーム部350を柔軟な状態のままにできる。このため、第1超音波プローブ301等の位置を容易に決めることができる。第1超音波プローブ301等の位置決めが完了すると、スイッチ部351によりアーム部350を柔軟な状態から剛性を高めた状態に切り替える。このため、第1超音波プローブ301等は、患者の体表に対して固定できる。
【0100】
挿入支援システム10は、医療デバイス20の挿入支援装置200を有し、医療デバイス20は、生体管腔40内で生体に対して処置を施す医療用処置具100をカテーテル21に保持して構成される。医療デバイス20の所定部30は、カテーテル21に設けられたマーカ31である。
【0101】
このように構成した挿入支援システム10は、第1超音波プローブ301によって撮像された第1超音波画像311に基づいて、目標部位を撮像可能な撮像位置に第1超音波プローブ301を配置でき、生体管腔(血管40)内に挿入された医療デバイス20の所定部30(マーカ31)を目標部位に位置させることができる。医療デバイス20による処置の一部又はすべてを、第1超音波画像311を使用することによって実施できる。その結果、コンピュータ断層撮影(CT)を不要にしたり、造影剤の使用やX線の照射回数を減らしたりできる。このため、患者及び術者の被ばくをなくして、あるいは被ばく量を低減して、医療デバイス20による処置を実施できる。
【0102】
挿入支援システムは、医療デバイス20が、手元側に目盛部32を有し、目盛部32によって、目標部位に位置させたマーカ31を、医療デバイス20を生体管腔40内に挿入する方向に沿って目標部位から前進又は後退させる移動距離を認識できる。このように構成すれば、画像解析の必要から解剖学的な特徴点を有する部位を「目標部位」として仮に設定した場合であっても、マーカ31を目標部位に位置させた後に、目盛部32を参照しながら、マーカ31を本来の位置まで正確に移動できる。このため、解剖学的な特徴点を有しない部位に対しても、マーカ31を位置決めできる。
【0103】
次に、上記した実施形態1の変形例を説明する。以下の説明では、既に説明した内容についての重複した説明を省略する。また、以下の説明で特に言及しない内容については、上記した実施形態と同一のものとすることができる。
【0104】
【0105】
実施形態1では、報知部250は、第1判断部230によって判断された情報と、第2判断部240によって判断された情報とを、それぞれ独立して報知する。報知部250による報知の態様はこの場合に限定されるものではない。第1判断部230による判断結果と、第2判断部240による判断結果とから、1つの情報を報知できる。
【0106】
変形例1の報知部250は、第1判断部230によって超音波プローブ301が撮像位置に配置されていると判断され、かつ、第2判断部240によってマーカ31を検出できたと判断されたときに、マーカ31が目標部位に位置している情報を報知する。
図17A(a)に示すように、第5モニタ255は、第2領域255bに「マーカ:検出中」と表示する。第1領域255aは情報を表示しない。術者は、第4モニタ254に表示される第1超音波画像311に基づいて、超音波プローブ301が撮像位置に配置されていることを把握できる。
【0107】
報知部250は、第1判断部230によって超音波プローブ301が撮像位置に配置されていないと判断されたとき、又は第2判断部240によってマーカ31を検出できていないと判断されたときに、マーカ31が目標部位に位置していない情報を報知する。
【0108】
図17A(b)に示すように、超音波プローブ301が撮像位置に配置されているものの、第2判断部240によってマーカ31を検出できていないと判断されたとき、第5モニタ255は、第2領域255bに「マーカ:未検出」と表示する。第1領域255aは情報を表示しない。
【0109】
図17B(a)は、上記と同様に、超音波プローブ301が撮像位置に配置されているものの、第2判断部240によってマーカ31を検出できていないと判断されたときである。この表示例では、第5モニタ255の第2領域255bに情報を表示しない。第2領域255bに情報を表示しないことから、術者は、マーカ31が目標部位に位置していないことを把握できる。
【0110】
図17B(b)に示すように、第1判断部230によって超音波プローブ301が撮像位置に配置されていないと判断されたとき、第2判断部240がマーカ31を検出できたと判断しても、第5モニタ255は、第2領域255bに「マーカ:未検出」と表示する。第1領域255aは情報を表示しない。術者は、第4モニタ254に表示される第1超音波画像311に基づいて、超音波プローブ301が撮像位置に配置されていないことを把握できる。
【0111】
図17C(a)は、上記と同様に、超音波プローブ301が撮像位置に配置されていないが、マーカ31を検出できたときである。この表示例では、第5モニタ255の第2領域255bに情報を表示しない。第2領域255bに情報を表示しないことから、術者は、マーカ31が目標部位に位置していないことを把握できる。
【0112】
図17C(b)に示すように、第1判断部230によって超音波プローブ301が撮像位置に配置されていないと判断され、さらに第2判断部240によってマーカ31を検出できていないと判断されたときである。第5モニタ255は、第2領域255bに「マーカ:未検出」と表示する。第1領域255aは情報を表示しない。術者は、第4モニタ254に表示される第1超音波画像311に基づいて、超音波プローブ301が撮像位置に配置されていないことを把握できる。
【0113】
図示を省略するが、上記と同様に、超音波プローブ301が撮像位置に配置されておらず、さらにマーカ31を検出できていないとき、
図17B(a)及び
図17C(a)と同様に、第5モニタ255の第2領域255bに情報を表示しない。第2領域255bに情報を表示しないことから、術者は、マーカ31が目標部位に位置していないことを把握できる。
【0114】
以上のように、変形例1の医療デバイス20の挿入支援装置200は、報知部250が、第1判断部230によって超音波プローブ301が撮像位置に配置されていると判断され、かつ、第2判断部240によって医療デバイス20の所定部30を検出できたと判断されたときに、医療デバイス20の所定部30が目標部位に位置している情報を報知する。さらに、変形例1の医療デバイス20の挿入支援装置200は、報知部250が、第1判断部230によって超音波プローブ301が撮像位置に配置されていないと判断されたとき、又は、第2判断部240によって医療デバイス20の所定部30を検出できていないと判断されたときに、医療デバイス20の所定部30が目標部位に位置していない情報を報知する。このように構成すれば、第1判断部230による判断結果と、第2判断部240による判断結果とから、1つの情報を報知できる。1つの情報に基づいても、目標部位を撮像可能な撮像位置に第1超音波プローブ301を配置することと、医療デバイス20の所定部30を目標部位に位置させることとを支援できる。「1つの情報」には、何も表示されない場合をも含んでいる(
図17B(a)、
図17C(a)を参照)。
【0115】
<変形例2>
図18(a)及び
図18(b)は変形例2に係る医療デバイス20の挿入支援装置200のGUI(グラフィカルユーザインターフェース)の一例を示す図である。
【0116】
実施形態1では、第2超音波画像312に関して、まず、第2判断部240が、取得した第2超音波画像312の輝度分布に基づいて、マーカ31を検出できたか否かを判断する。そして、報知部250は、第2超音波画像312に基づいて第2判断部240によってマーカ31を検出できたと判断されたとき、マーカ31が途中位置(第2位置P2)に到達した情報を報知する(
図10(b)を参照)。第3超音波画像313に関しても同様に、報知部250は、第3超音波画像313に基づいて第2判断部240によってマーカ31を検出できたと判断されたとき、マーカ31が途中位置(第3位置P3)に到達した情報を報知する(
図10(a)を参照)。
【0117】
第2超音波画像312及び第3超音波画像313に関する報知の態様はこの場合に限定されるものではない。
【0118】
取得部220は、実施形態1と同様に、超音波画像として、撮像位置に配置される第1超音波プローブ301で撮像された第1判断部230での判断に用いる第1超音波画像311と、撮像位置とは異なる途中位置(第2位置P2)に配置される第2超音波プローブ302で撮像された第2超音波画像312とを取得可能に構成されている。第3超音波画像313に関しても同様に、取得部220は、撮像位置及び途中位置(第2位置P2)とは異なる途中位置(第3位置P3)に配置される第3超音波プローブ303で撮像された第3超音波画像313を取得可能に構成されている。
【0119】
変形例2の医療デバイス20の挿入支援装置200は、取得部220で取得した第2超音波画像312及び第3超音波画像313を表示する表示部を有する。表示部は、第2モニタ252、第3モニタ253及び第4モニタ254から構成される。変形例2は、第2判断部240による判断を行わずに第2超音波画像312及び第3超音波画像313をそのまま表示している点で、実施形態1と異なる。したがって、
図18(a)及び
図18(b)に示すように、第5モニタ255は、第1領域255aに第1判断部230によって判断された情報のみを表示する。
【0120】
以上のように、変形例2の医療デバイス20の挿入支援装置200は、取得部220が、超音波画像として、撮像位置に配置される第1超音波プローブ301で撮像された第1判断部230での判断に用いる第1超音波画像311と、撮像位置とは異なる途中位置に配置される第2超音波プローブ302で撮像された第2超音波画像312とを取得可能に構成されている。表示部(第2モニタ252、第4モニタ254)は、取得部220で取得した第2超音波画像312を表示する。このように、第2判断部240による判断を行わずに第2超音波画像312をそのまま表示しても、医療デバイス20の所定部30が目標部位に到達する前においても、医療デバイス20の挿入作業を支援できる。第3超音波画像313についても同様の作用効果を奏する。
【0121】
<変形例3>
図19は変形例3に係る医療デバイス20の挿入支援装置200の構成を示すブロック図である。
図20(a)及び
図20(b)は変形例3に係る医療デバイス20の挿入支援装置200によって医療デバイス20の所定部30を追従する様子を示す斜視図である。
図21は変形例3に係る医療デバイス20の挿入支援装置200によって医療デバイス20の所定部30を追従する手順を示すフローチャートである。
【0122】
実施形態1は、撮像位置とは異なる途中位置(第2位置P2、第3位置P3)に第2、第3の超音波プローブ302、303を配置した。第2、第3の超音波プローブ302、303によって撮像した第2、第3の超音波画像312、313から、マーカ31を検出できた場合に、マーカ31が途中位置(第2位置P2、第3位置P3)に到達した情報を報知している。
【0123】
本発明はこの場合に限定されない。磁力又は電波によって、医療デバイス20の所定部30の位置及び超音波プローブ304の位置を検出できる。そして、超音波プローブ304によって医療デバイス20の所定部30の位置を追従することを支援できる。
【0124】
図19に示すように、変形例3の医療デバイス20の挿入支援装置200は、磁力又は電波によって医療デバイス20の所定部30の位置及び超音波プローブ304の位置を検出する位置検出装置280をさらに有する。位置検出装置280は、検出した医療デバイス20の所定部30の位置及び超音波プローブ304の位置に基づいて、超音波プローブ304の略直下又は所定距離内に医療デバイス20の所定部30が位置しているか否かを判断する。そして、報知部250は、位置検出装置280によって判断された結果を報知する。
【0125】
図20(a)及び
図20(b)に示すように、報知部250は、例えば超音波プローブ304に配置されたランプ281を有する。
図20(a)に示すように、超音波プローブ304の略直下又は所定距離内に医療デバイス20の所定部30が位置していると判断された場合、超音波プローブ304によって医療デバイス20の所定部30の位置を追従できている。このとき、ランプ281は、オンされて点灯する。これによって、超音波プローブ304によって医療デバイス20の所定部30の位置を追従できていることが報知される。
【0126】
一方、
図20(b)に示すように、超音波プローブ304の所定距離内に医療デバイス20の所定部30が位置していないと判断された場合、超音波プローブ304によって医療デバイス20の所定部30の位置を追従できていない。このとき、ランプ281は、オフされて消灯する。これによって、超音波プローブ304によって医療デバイス20の所定部30の位置を追従できていないことが報知される。
【0127】
磁力を適用する場合、磁石は、医療デバイス20の所定部30の部位に搭載される。磁力の異なる3種類の磁石は、カテーテル操作台の下部あるいは患者の背面部に配置される。そして、それらの磁場の強弱から、医療デバイス20の磁石の位置は、3次元的に同定される。同様に、磁石は、超音波プローブ304に搭載される。超音波プローブ304の磁石の位置も、3次元的に同定される。医療デバイス20の磁石の位置と、超音波プローブ304の磁石の位置との間の距離が算出される。また、床から天井に向かう方向をZ方向とする三次元座標において、医療デバイス20の磁石と、超音波プローブ304の磁石と位置関係も参照される。三次元座標上の距離及び位置関係の情報から、超音波プローブ304によって医療デバイス20の磁石の位置を追従できているかを判断できる。すなわち、超音波プローブ304の略直下又は所定距離内に医療デバイス20の磁石が位置している場合、超音波プローブ304によって医療デバイス20の磁石の位置を追従できていると判断できる。一方、超音波プローブ304の略直下又は所定距離内に医療デバイス20の磁石が位置していない場合、超音波プローブ304によって医療デバイス20の磁石の位置を追従できていないと判断できる。
【0128】
電波を適用する場合、発振器は、医療デバイス20の所定部30の部位に搭載される。発振器は、例えば、Bluetooth(登録商標)発振器を使用できる。カテーテル21操作台は、3台の受信機が設置されている。3台の受信機が発振器までの距離を算出する。距離は、受信電波強度(RSSI)を検出して算出できる。あるいは、距離は、AoAなどの測角技術を用いて算出できる。そして、3点測位によって、医療デバイス20の発振器の位置は、3次元的に同定される。同様に、発振器は、超音波プローブ304に搭載される。超音波プローブ304の発振器の位置も、3次元的に同定される。医療デバイス20の発振器の位置と、超音波プローブ304の発振器の位置との間の距離が算出される。また、床から天井に向かう方向をZ方向とする三次元座標において、医療デバイス20の発振器と、超音波プローブ304の発振器と位置関係も参照される。三次元座標上の距離及び位置関係の情報から、超音波プローブ304によって医療デバイス20の発振器の位置を追従できているかを判断できる。すなわち、超音波プローブ304の略直下又は所定距離内に医療デバイス20の発振器が位置している場合、超音波プローブ304によって医療デバイス20の発振器の位置を追従できていると判断できる。一方、超音波プローブ304の略直下又は所定距離内に医療デバイス20の発振器が位置していない場合、超音波プローブ304によって医療デバイス20の発振器の位置を追従できていないと判断できる。
【0129】
図21を参照して、電波を適用して医療デバイス20の所定部30を追従する手順を説明する。
【0130】
追従を開始すると、医療デバイス20の発振器をオンし、超音波プローブ304の発振器をオンする(ステップS141、ステップS142)。3点測位によって、医療デバイス20の発振器と、超音波プローブ304の発振器との位置関係を同定できたか否かを判断する(ステップS143)。
【0131】
両者の位置関係を同定できたと判断した場合(ステップS143:Yes)、追従完了用のランプ281をオンし点灯する(ステップS144)。これによって、超音波プローブ304によって医療デバイス20の所定部30の位置を追従できていることが報知される。
【0132】
一方、両者の位置関係を同定できていないと判断した場合(ステップS143:No)、追従完了用のランプ281をオフし消灯する(ステップS145)。これによって、超音波プローブ304によって医療デバイス20の所定部30の位置を追従できていないことが報知される。
【0133】
処理は、ステップS143~S145が繰り返される。ランプ281が点灯から消灯に変わった場合は、医療デバイス20の所定部30の位置を追従できなくなったときである。このようなときには、術者は、超音波プローブ304をさらに移動させればよいことがわかる。
【0134】
以上のように、変形例3の医療デバイス20の挿入支援装置200は、磁力又は電波によって医療デバイス20の所定部30の位置及び超音波プローブ304の位置を検出する位置検出装置280をさらに有する。位置検出装置280は、検出した医療デバイス20の所定部30の位置及び超音波プローブ304の位置に基づいて、超音波プローブ304の略直下又は所定距離内に医療デバイス20の所定部30が位置しているか否かを判断する。報知部250は、位置検出装置280によって判断された結果を報知する。このように、医療デバイス20の所定部30が目標部位に到達する前においても、医療デバイス20の所定部30の位置を挿入作業に追従して確認でき、挿入作業を支援できる。
【0135】
<変形例4>
図22は変形例4に係る医療デバイス20の挿入支援装置200のGUI(グラフィカルユーザインターフェース)の一例を示す図である。
【0136】
実施形態1では、第1超音波プローブ301の他に、撮像位置とは異なる途中位置(第2位置P2、第3位置P3)に第2、第3の超音波プローブ302、303を配置した。途中位置に配置する超音波プローブの個数は限られるものではない。また、超音波プローブは、撮像位置とは異なる途中位置に必ずしも配置する必要はない。
【0137】
変形例4に係る医療デバイス20の挿入支援装置200は、第1超音波プローブ301のみが接続されている。
図22に示すように、変形例4の報知部250は、第1超音波画像311の拡大画像を表示する第4モニタ254と、超音波画像情報を表示する第5モニタ255とを有する。表示例では、第1判断部230は、第1超音波プローブ301が撮像位置に配置されていると判断している。第2判断部240は、マーカ31を検出できたと判断している。第5モニタ255は、第1領域255aに「ずれなし(GOOD)」と表示し、第2領域255bに「マーカ:検出中」と表示する。
【0138】
<その他の変形例>
以上、実施形態及び変形例を通じて本発明を説明したが、本発明は説明した内容のみに限定されるものでなく、特許請求の範囲の記載に基づいて適宜変更することが可能である。
【0139】
例えば、腹部大動脈瘤を例に挙げて説明したが、その他の疾患にも適用可能である。例えば、胸部大動脈瘤のステントグラフト留置、冠動脈狭窄のステント留置、下肢静脈瘤カテーテル手術(血管内塞栓・レーザー・ラジオ波焼灼など)の治療機器のガイド、肝がんに対する肝動脈化学塞栓療法(TACE)、中心静脈確保の際のカテーテルデリバリーのガイドなどにも適用可能である。
【0140】
明細書内において説明した各部の構造や部材の配置等は適宜変更することができ、また図示により説明した付加的な部材の使用の省略や、その他の付加的な部材の使用等も適宜に行いうる。
【符号の説明】
【0141】
10 挿入支援システム
20 医療デバイス
21 カテーテル
30 所定部
31 マーカ
32 目盛部
40 血管(生体管腔)
100 ステントグラフト(医療用処置具)
200 挿入支援装置
210 送受信部
220 取得部
230 第1判断部
240 第2判断部
250 報知部
251 第1モニタ
252 第2モニタ
253 第3モニタ
254 第4モニタ
255 第5モニタ
255a 第5モニタの第1領域
255b 第5モニタの第2領域
260 画像処理部
270 プロセッサ
271 メモリ
272 電源
280 位置検出装置
281 ランプ
301 第1超音波プローブ
302 第2超音波プローブ
303 第3超音波プローブ
304 超音波プローブ
311 第1超音波画像
311a 腎動脈(目標部位)
312 第2超音波画像
313 第3超音波画像
320 固定治具
330 押さえ部材
331 リング片
332 リング片
333 接着部材
340 バネ部材
341 把持部材
342 ピン
343 カバー
350 アーム部
351 スイッチ部
352 カバー
353 スプリング
354 ベース
355 剛性可変機構
356 コイル
357 磁性コア部
P1 第1位置(撮像位置)
P2 第2位置
P3 第3位置