IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ブラザー工業株式会社の特許一覧

特開2024-51685プリンタ、プリンタのためのコンピュータプログラム、及び、プリンタによって実行される方法
<>
  • 特開-プリンタ、プリンタのためのコンピュータプログラム、及び、プリンタによって実行される方法 図1
  • 特開-プリンタ、プリンタのためのコンピュータプログラム、及び、プリンタによって実行される方法 図2
  • 特開-プリンタ、プリンタのためのコンピュータプログラム、及び、プリンタによって実行される方法 図3
  • 特開-プリンタ、プリンタのためのコンピュータプログラム、及び、プリンタによって実行される方法 図4
  • 特開-プリンタ、プリンタのためのコンピュータプログラム、及び、プリンタによって実行される方法 図5
  • 特開-プリンタ、プリンタのためのコンピュータプログラム、及び、プリンタによって実行される方法 図6
  • 特開-プリンタ、プリンタのためのコンピュータプログラム、及び、プリンタによって実行される方法 図7
  • 特開-プリンタ、プリンタのためのコンピュータプログラム、及び、プリンタによって実行される方法 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024051685
(43)【公開日】2024-04-11
(54)【発明の名称】プリンタ、プリンタのためのコンピュータプログラム、及び、プリンタによって実行される方法
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/38 20060101AFI20240404BHJP
   B41J 21/00 20060101ALI20240404BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20240404BHJP
   B41J 11/70 20060101ALI20240404BHJP
【FI】
B41J29/38 201
B41J29/38 206
B41J29/38 203
B41J21/00 Z
H04N1/00 567M
B41J11/70
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022157976
(22)【出願日】2022-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】林 寛之
【テーマコード(参考)】
2C058
2C061
2C187
5C062
【Fターム(参考)】
2C058AC07
2C058AE02
2C058AF51
2C058LA03
2C058LA24
2C058LB06
2C058LC02
2C061AQ05
2C061AS02
2C061HJ06
2C061HJ10
2C061HK07
2C061HK11
2C061HN05
2C061HN15
2C187AC08
2C187BF29
2C187BF60
2C187DB09
2C187DB27
2C187DB30
2C187DC07
2C187DC08
5C062AA05
5C062AB08
5C062AB22
5C062AB30
5C062AB32
5C062AB34
5C062AB38
5C062AB42
5C062AC04
5C062AC17
5C062AC22
5C062AC24
5C062AC38
5C062AF10
5C062AF12
(57)【要約】
【課題】カット紙の切断に関する所定処理を実行するのか否かを切替えることが可能なプリンタを開示すること。
【解決手段】プリンタは、カット紙を収容する収容部と、収容部からカット紙を搬送する搬送部と、カット紙への印刷を実行する印刷実行部と、カット紙の切断に関する所定処理を実行する処理実行部と、端末装置から印刷実行コマンドが受信される前に、所定処理を実行するための認証情報として第1の認証情報を記憶するように構成されるメモリと、制御部と、を備える。プリンタは、端末装置から印刷実行コマンドを受信する場合に、カット紙の搬送を前記搬送部に実行させて、カット紙への印刷画像の印刷を印刷実行部に実行させ、印刷実行コマンドが割付コマンドを含む場合に、カット紙への所定処理を処理実行部に実行させる。印刷実行コマンドが割付コマンドを含まない場合に、カット紙への所定処理は実行されない。
【選択図】 図7
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリンタであって、
カット紙を収容する収容部と、
前記収容部から前記カット紙を搬送する搬送部と、
前記カット紙への印刷を実行する印刷実行部と、
前記カット紙の切断に関する所定処理を実行する処理実行部と、
制御部と、を備え、
前記制御部は、
端末装置から印刷実行コマンドが受信される場合に、前記カット紙の搬送を前記搬送部に実行させて、前記カット紙への印刷画像の印刷を前記印刷実行部に実行させる印刷制御部と、
前記印刷実行コマンドが割付コマンドを含む場合に、前記カット紙への前記所定処理を前記処理実行部に実行させる処理制御部であって、前記印刷実行コマンドが前記割付コマンドを含まない場合に、前記カット紙への前記所定処理は実行されない、前記処理制御部と、
を備える、プリンタ。
【請求項2】
前記所定処理は、前記カット紙の第1の長辺の中央と、前記カット紙の第2の長辺の中央と、を結ぶ直線に沿った切断に関する処理である、請求項1に記載のプリンタ。
【請求項3】
前記印刷実行コマンドが、印刷対象のカット紙のサイズとして第1のサイズを示すサイズ情報と、前記第1のサイズに対応するサイズを有する1ページ分の第1の印刷画像を表わす第1の印刷データと、前記第1のサイズに対応するサイズを有する1ページ分の第2の印刷画像を表わす第2の印刷データと、2ページ分の印刷画像を1枚のカット紙に印刷すべきことを示す第1の割付コマンドと、を含む場合に、
前記印刷制御部は、
前記第1の印刷画像を縮小して、前記第1の印刷画像の半分のサイズを有する第1の縮小画像を生成し、
前記第2の印刷画像を縮小して、前記第2の印刷画像の半分のサイズを有する第2の縮小画像を生成し、
前記第1のサイズを有する第1のカット紙の第1の領域への前記第1の縮小画像の印刷を前記印刷実行部に実行させ、
前記第1のカット紙の第2の領域への前記第2の縮小画像の印刷を前記印刷実行部に実行させ、
前記第1の領域は、前記直線によって分離される前記第1のカット紙内の2つの領域のうちの一方の領域であり、
前記第2の領域は、前記直線によって分離される前記第1のカット紙内の前記2つの領域のうちの他方の領域である、請求項2に記載のプリンタ。
【請求項4】
前記印刷実行コマンドが、前記サイズ情報と、前記第1の印刷データと、前記第2の印刷データと、4ページ分の印刷画像を1枚のカット紙に印刷すべきことを示す第2の割付コマンドと、を含む場合に、
前記印刷制御部は、
前記第1の印刷画像を縮小して、前記第1の印刷画像の1/4のサイズを有する第3の縮小画像を生成し、
前記第2の印刷画像を縮小して、前記第2の印刷画像の1/4のサイズを有する第4の縮小画像を生成し、
前記第1のサイズの半分である第2のサイズを有する第2のカット紙の第3の領域への前記第3の縮小画像の印刷を前記印刷実行部に実行させ、
前記第2のカット紙の第4の領域への前記第4の縮小画像の印刷を前記印刷実行部に実行させ、
前記第3の領域は、前記直線によって分離される前記第2のカット紙内の2つの領域のうちの一方の領域であり、
前記第4の領域は、前記直線によって分離される前記第2のカット紙内の前記2つの領域のうちの他方の領域である、請求項3に記載のプリンタ。
【請求項5】
前記第1のサイズは、A4サイズであり、
前記第2のサイズは、A5サイズである、請求項4に記載のプリンタ。
【請求項6】
前記処理制御部は、前記印刷実行コマンドが、前記割付コマンドと、前記割付コマンドとは異なる所定コマンドと、を含む場合に、前記カット紙への前記所定処理を前記処理実行部に実行させ、
前記印刷実行コマンドが、前記割付コマンドを含み、かつ、前記所定コマンドを含まない場合に、前記カット紙への前記所定処理は実行されない、請求項1に記載のプリンタ。
【請求項7】
前記所定処理は、前記カット紙の第1の長辺の中央と、前記カット紙の第2の長辺の中央と、を結ぶ直線に沿った切断に関する処理であり、
前記所定コマンドは、前記カット紙に前記直線を表わす印刷画像の印刷を要求するコマンドである、請求項6に記載のプリンタ。
【請求項8】
前記プリンタは、さらに、
フラグ情報を記憶するメモリであって、前記フラグ情報は、前記所定処理の実行が許可されていることを示す許可情報と、前記所定処理の実行が禁止されていることを示す禁止情報と、のどちらかを示す、前記メモリを備え、
前記処理制御部は、前記印刷実行コマンドが前記割付コマンドを含み、かつ、前記メモリ内の前記フラグ情報が前記許可情報を示す場合に、前記カット紙への前記所定処理を前記処理実行部に実行させ、
前記印刷実行コマンドが前記印刷実行コマンドを含み、かつ、前記メモリ内の前記フラグ情報が前記禁止情報を示す場合に、前記カット紙への前記所定処理は実行されない、請求項1に記載のプリンタ。
【請求項9】
前記プリンタは、さらに、
前記所定処理の実行が許可される1以上の許可ユーザ情報を記憶するメモリを備え、
前記制御部は、さらに、
前記端末装置から、前記端末装置のユーザを識別する特定のユーザ情報を受信するユーザ情報受信部を備え、
前記処理制御部は、前記印刷実行コマンドが前記割付コマンドを含み、かつ、前記メモリ内の前記1以上の許可ユーザ情報が前記特定のユーザ情報を含む場合に、前記カット紙への前記所定処理を前記処理実行部に実行させ、
前記印刷実行コマンドが前記割付コマンドを含み、かつ、前記メモリ内の前記1以上の許可ユーザ情報が前記特定のユーザ情報を含まない場合に、前記カット紙への前記所定処理は実行されない、請求項1に記載のプリンタ。
【請求項10】
プリンタのためのコンピュータプログラムであって、
前記プリンタは、
カット紙を収容する収容部と、
前記収容部から前記カット紙を搬送する搬送部と、
前記カット紙への印刷を実行する印刷実行部と、
前記カット紙の切断に関する所定処理を実行する処理実行部と、
を備え、
前記コンピュータプログラムは、前記プリンタのコンピュータを、以下の各部、即ち、
端末装置から印刷実行コマンドが受信される場合に、前記カット紙の搬送を前記搬送部に実行させて、前記カット紙への印刷画像の印刷を前記印刷実行部に実行させる印刷制御部と、
前記印刷実行コマンドが割付コマンドを含む場合に、前記カット紙への前記所定処理を前記処理実行部に実行させる処理制御部であって、前記印刷実行コマンドが前記割付コマンドを含まない場合に、前記カット紙への前記所定処理は実行されない、前記処理制御部と、
として機能させる、コンピュータプログラム。
【請求項11】
プリンタによって実行される方法であって、
前記プリンタは、
カット紙を収容する収容部と、
前記収容部から前記カット紙を搬送する搬送部と、
前記カット紙への印刷を実行する印刷実行部と、
前記カット紙の切断に関する所定処理を実行する処理実行部と、
制御部と、を備え、
前記方法は、
端末装置から印刷実行コマンドが受信される場合に、前記カット紙の搬送を前記搬送部に実行させて、前記カット紙への印刷画像の印刷を前記印刷実行部に実行させる印刷制御ステップと、
前記印刷実行コマンドが割付コマンドを含む場合に、前記カット紙への前記所定処理を前記処理実行部に実行させる処理制御ステップであって、前記印刷実行コマンドが前記割付コマンドを含まない場合に、前記カット紙への前記所定処理は実行されない、前記処理制御ステップと、
を備える、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書では、カット紙の切断に関する所定処理を実行可能なプリンタに関する技術を開示する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、カット紙を切断可能な印刷装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2021-094784号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本明細書では、カット紙の切断に関する所定処理を実行するのか否かを切替えることが可能なプリンタを開示する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書によって開示されるプリンタは、カット紙を収容する収容部と、前記収容部から前記カット紙を搬送する搬送部と、前記カット紙への印刷を実行する印刷実行部と、前記カット紙の切断に関する所定処理を実行する処理実行部と、制御部と、を備えてもよい。前記制御部は、端末装置から印刷実行コマンドが受信される場合に、前記カット紙の搬送を前記搬送部に実行させて、前記カット紙への印刷画像の印刷を前記印刷実行部に実行させる印刷制御部と、前記印刷実行コマンドが割付コマンドを含む場合に、前記カット紙への前記所定処理を前記処理実行部に実行させる処理制御部であって、前記印刷実行コマンドが前記割付コマンドを含まない場合に、前記カット紙への前記所定処理は実行されない、前記処理制御部と、を備えてもよい。
【0006】
上記の構成によると、プリンタは、端末装置から受信される印刷実行コマンドが割付コマンドを含む場合に、カット紙への所定処理を実行し、端末装置から受信される印刷実行コマンドが割付コマンドを含まない場合に、カット紙への所定処理を実行しない。従って、プリンタは、カット紙への所定処理を実行するのか否かを適切に切替えることができる。
【0007】
上記のプリンタを実現するためのコンピュータプログラム、及び、当該コンピュータプログラムを格納するコンピュータ読取可能記録媒体も、新規で有用である。上記のプリンタによって実行される方法も、新規で有用である。また、上記のプリンタと端末装置とを備える通信システムも、新規で有用である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】プリンタのハードウェア構成を示す。
図2】プリンタの制御構成を示す。
図3】設定プロセスのシーケンス図を示す。
図4】印刷プロセスのシーケンス図を示す。
図5】印刷処理のフローチャートを示す。
図6】切断処理のフローチャートを示す。
図7】カット紙の切断が実行されるケースA、及び、割付印刷が実行されるケースBのシーケンス図を示す。
図8】カット紙の切断が実行されるケースCのシーケンス図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(実施例)
(プリンタ10のハードウェア構成;図1
図1のプリンタ10は、印刷機能を実行可能な周辺装置(即ちPC等の周辺装置)である。プリンタ10は、収容部18と、搬送部20と、印刷実行部22と、切断部24と、排紙トレイ50と、を備える。収容部18と搬送部20と印刷実行部22と切断部24とは、プリンタ10の図示省略の筐体の内部に設けられている。排紙トレイ50は、筐体の外部に露出している。
【0010】
収容部18は、第1給紙トレイ19Aと、第2給紙トレイ19B(図2参照)と、を備える。第1給紙トレイ19A及び第2給紙トレイ19Bは、カット紙56を収容する。「カット紙」とは、例えば、A3サイズ、A4サイズ、A5サイズ、レターサイズ、はがきサイズ等の予め決められたサイズにカットされている用紙である。
【0011】
搬送部20は、搬送路52と、複数個のローラ58、60、62、64、66と、を備える。収容部18に収容されているカット紙56は、各ローラ58等によって搬送路52に沿って搬送される。
【0012】
印刷実行部22は、本実施例では、インクジェットヘッド68を備える。インクジェットヘッド68は、ローラ58、60によって搬送されたカット紙56上にインクを吐出することによって、印刷画像をカット紙56に印刷する。印刷済みのカット紙56は、ローラ62、64によって搬送方向の下流側にさらに搬送される。変形例では、印刷実行部22は、レーザ方式の印刷機構を備えていてもよい。
【0013】
切断部24は、図示省略の切断刃を備える。切断部24は、切断刃が図1の紙面垂直方向に移動することによって、印刷済みのカット紙56を切断する。これにより、カット紙56は、搬送方向の上流側の部分及び下流側の部分に分断される。特に、切断部24は、カット紙56の第1の長辺の中央と、カット紙56の第2の長辺の中央と、を結ぶ直線を切断することによって、カット紙56を半分に切断する。第2の長辺は、第1の長辺に対向する長辺である。即ち、切断部24は、例えば、A4サイズのカット紙56を半分に切断して、2枚のA5サイズの切断済み用紙を形成することができる。切断済みの各カット紙56は、ローラ66によって搬送方向の下流側にさらに搬送される。これにより、切断済みの各カット紙56は、排紙トレイ50に到達する。
【0014】
このように、本実施例のプリンタ10は、カット紙56を切断するカット機能を有する。このために、プリンタ10のユーザは、例えばA4サイズのカット紙56を準備すれば、A4サイズよりも小さいサイズ(例えばA5サイズ)を有する印刷済み用紙を入手することができる。例えば、ユーザがA5サイズのカット紙56を所持していないがA5サイズのカット紙56への印刷を望む状況において、プリンタ10は、A4サイズのカット紙56に対する印刷及び切断を実行することによって、A5サイズのカット紙56をユーザに提供することができる。
【0015】
(プリンタ10の制御構成;図2
続いて、図2を参照して、プリンタ10の制御構成を説明する。プリンタ10と各PC100A、100B、100Cとによって通信システム2が実現される。プリンタ10と各PC100A、100B、100Cとは、LAN(Local Area Networkの略)4に接続されている。プリンタ10及び各PC100A、100B、100Cは、LAN4を介して相互に通信可能である。LAN4は、有線LANであってもよいし、無線LANであってもよい。
【0016】
プリンタ10は、表示部12と、通信インターフェース14と、操作部16と、搬送部20と、印刷実行部22と、切断部24と、制御部30と、を備える。各部12~30は、バス線(符号省略)に接続されている。以下では、インターフェースを「I/F」と記載する。
【0017】
表示部12は、様々な情報を表示するためのディスプレイである。表示部12は、いわゆるタッチパネルとしても機能する。即ち、表示部12は、ユーザによって操作される操作部としても機能する。通信I/F14は、LAN4に接続されている。操作部16は、複数のキーを備える。ユーザは、操作部16を操作することによって、様々な指示をプリンタ10に入力することができる。搬送部20のローラ58等、印刷実行部22、及び、切断部24は、制御部30(即ち後述のCPU32)からの指示に従って、カット紙56の搬送、カット紙56への印刷、及び、カット紙56の切断を実行する。
【0018】
制御部30は、CPU32とメモリ34とを備える。CPU32は、メモリ34に格納されているプログラム36に従って、様々な処理を実行する。メモリ34は、揮発性メモリ、不揮発性メモリ等によって構成される。メモリ34は、上記のプログラム36のほかに、カットテーブル38と、収容用紙サイズと、を記憶する。収容用紙サイズは、収容部18に収容(セット)されているカット紙56のサイズを示す。収容用紙サイズは、第1給紙トレイ19Aに収容(セット)されているカット紙56のサイズを示す第1収容用紙サイズと、第2給紙トレイ19Bに収容(セット)されているカット紙56のサイズを示す第2収容用紙サイズと、を含む。
【0019】
カットテーブル38では、割付情報と、カットフラグと、許可ユーザ名と、が関連付けて記憶されている。割付情報は、割付印刷に対応する情報である。割付印刷は、N(Nは2以上の整数)ページ分の印刷画像を1枚のカット紙56に印刷する印刷方式である。割付情報「Nin1」は、Nページ分の印刷画像を1枚のカット紙56に印刷すべきことを示す情報である。例えば、割付情報「2in1」に対応する割付印刷では、2ページ分の印刷画像が1枚のカット紙56に印刷される。具体的には、第1の印刷画像が、カット紙56の第1の長辺(例えば図7のカット紙56の上辺)の中央とカット紙56の第2の長辺(例えば図7のカット紙56の下辺)の中央とを結ぶ直線によって分離される2つの領域のうちの一方の領域(例えば図7のカット紙56の左側の領域)に印刷され、第2の印刷画像が、当該2つのうちの他方の領域(例えば図7のカット紙56の右側の領域)に印刷される。本実施例では、プリンタ10が割付情報「2in1」及び「4in1」に対応する割付印刷を実行可能である。このため、割付情報「2in1」及び「4in1」がカットテーブル38に記憶されている。カットフラグは、カット機能の実行が許可されていることを示す「ON」と、カット機能の実行が禁止されていることを示す「OFF」と、のうちのいずれかを示す。許可ユーザ名は、カット機能の利用が許可されているユーザ名を示す情報である。カットテーブル38内の各情報は、プリンタ10の管理者によって設定される情報である。なお、変形例では、プリンタ10は、割付情報「6in1」、「9in1」、及び、「16in1」等に対応する割付印刷を実行可能であってもよい。この場合、カットテーブル38には、割付情報「6in1」、「9in1」、及び、「16in1」等も記憶される。
【0020】
プリンタ10は、さらに、ウェブサーバ機能を実行可能である。ウェブサーバ機能は、外部機器がプリンタ10内のウェブサーバにアクセスすることに応じて、ウェブページを表わすウェブページデータを外部機器に送信する機能である。
【0021】
(PC100A~100Cの構成)
PC100Aは、プリンタ10の管理者によって利用されるPCである。各PC100B、100Cは、プリンタ10の管理者とは異なるユーザ(即ち一般ユーザ)によって利用されるPCである。PC100A~100Cは、それぞれ、当該PCを利用するユーザを識別するためのユーザ名「U1」、「U2」、「U3」を記憶している。
【0022】
以下では、PC100A~100Cを総称して、「PC100」と記載することがある。PC100は、汎用ドライバ102を備える。汎用ドライバ102は、プリンタ10のベンダとは異なる事業者によって提供されるプリンタドライバである。汎用ドライバ102は、或るプリンタのための専用のプリンタドライバ(即ち専用ドライバ)とは異なり、複数のプリンタベンダによって製造される様々なプリンタに対して印刷を実行させることができる。汎用ドライバ102は、インターネット上のサーバ(図示省略)からPC100にインストールされてもよいし、PC100の出荷段階からPC100に予めインストールされていてもよい。本実施例では、汎用ドライバ102は、IPP(Internet Printing Protocolの略)方式に従って処理を実行するプリンタドライバである。変形例では、汎用ドライバ102は、IPP方式とは異なる方式に従って処理を実行するプリンタドライバであってもよい。
【0023】
(設定プロセス;図3
図3を参照して、プリンタ10の管理者(以下では、単に「管理者」と記載する)によって、カットテーブル38内のカットフラグ及び許可ユーザ名が設定される設定プロセスについて説明する。図3の初期状態において、プリンタ10のメモリ34には、ユーザ名U1、U2、U3のそれぞれに対応するパスワードPW1、PW2、PW3が記憶されている。また、カットテーブル38において、カットフラグ「OFF」が割付情報「2in1」及び「4in1」に関連付けて記憶されている。また、カットテーブル38内の許可ユーザ名は空の状態である。プリンタ10は、ウェブサーバ機能を利用して、設定プロセスを実行する。なお、プリンタ10が実行する全ての通信は、通信I/F14を介して実行される。このため、以下では、プリンタ10が実行する各種通信を説明する際に、「通信I/F14を介して」という説明を省略する。
【0024】
T10において、管理者は、プリンタ10に割り当てられているIPアドレスをPC100Aに入力する。PC100Aは、T10において、IPアドレスの入力を受け付けると、T12において、トップ画面要求をプリンタ10に送信する。
【0025】
プリンタ10は、T12において、PC100Aからトップ画面要求を受信すると、T14において、トップ画面データをPC100Aに送信する。
【0026】
PC100Aは、T14において、プリンタ10からトップ画面データを受信すると、T16において、トップ画面を表示する。PC100Aは、T18において、管理者から、ユーザ名U1とパスワードPW1との入力を受け付けると、T20において、ユーザ名U1とパスワードPW1とを含む管理画面要求をプリンタ10に送信する。
【0027】
プリンタ10は、T20において、PC100Aから管理画面要求を受信すると、T22において、管理画面要求内のユーザ名U1及びパスワードPW1の組合せがメモリ34に記憶されているために、認証が成功したと判断する。この場合、プリンタ10は、T24において、カットテーブル38内の情報を示すテーブル情報「2in1-OFF」、及び、「4in1-OFF」を含む管理画面データをPC100Aに送信する。
【0028】
PC100Aは、T24において、プリンタ10から管理画面データを受信すると、管理画面データ内のテーブル情報「2in1-OFF」及び「4in1-OFF」に対応する情報を含む管理画面を表示する。管理画面は、カットテーブル38内のカットフラグの設定を変更するための画面であると共に、許可ユーザ名を追加又は削除するための画面である。管理者は、T30において、割付情報「2in1」に対応するカットフラグを「ON」に設定するための操作と、割付情報「4in1」に対応するカットフラグを「ON」に設定するための操作と、を実行する。この場合、PC100Aは、フラグ設定情報「2in1-ON」及び「4in1-ON」を含むフラグ設定要求をプリンタ10に送信する。
【0029】
プリンタ10は、T32において、PC100Aからフラグ設定要求を受信すると、T34において、当該要求内のフラグ設定情報を利用して、カットテーブル38を更新する。具体的には、プリンタ10は、当該要求内において、カットフラグ「ON」が割付情報「2in1」に関連付けられていることを特定し、カットテーブル38において、カットフラグ「ON」を割付情報「2in1」に関連付けて記憶する。また、プリンタ10は、当該要求内において、カットフラグ「ON」が割付情報「4in1」に関連付けられていることを特定し、カットテーブル38において、カットフラグ「ON」を割付情報「4in1」に関連付けて記憶する。
【0030】
T40において、管理者は、割付情報「2in1」及び「4in1」の許可ユーザ名としてユーザ名U1、U2を設定するための操作を実行する。この場合、PC100Aは、T42において、許可ユーザ名情報「2in1-U1、U2」、「4in1-U1、U2」を含む許可ユーザ名設定要求をプリンタ10に送信する。
【0031】
プリンタ10は、T42において、PC100Aから許可ユーザ名設定要求を受信すると、T44において、当該要求内の情報を利用して、カットテーブル38を更新する。具体的には、プリンタ10は、当該要求内において、ユーザ名U1、U2が割付情報「2in1」に関連付けられていることを特定し、カットテーブル38において、ユーザ名U1、U2を割付情報「2in1」に関連付けて記憶する。また、プリンタ10は、当該要求内において、ユーザ名U1、U2が割付情報「4in1」に関連付けられていることを特定し、カットテーブル38において、ユーザ名U1、U2を割付情報「4in1」に関連付けて記憶する。これにより、設定プロセスが完了する。その後、管理者は、設定プロセスが完了したことをPC100Bのユーザ(以下では、「第1ユーザ」と記載する)等に知らせる。
【0032】
(印刷プロセス)
図4を参照して、印刷プロセスについて説明する。図4の初期状態は、図3の登録プロセスの後の状態である。
【0033】
T110において、第1のユーザは、A4サイズのカット紙56をプリンタ10の収容部18の第1給紙トレイ19Aにセットすると共に、A5サイズのカット紙56をプリンタ10の収容部18の第2給紙トレイ19Bにセットする。プリンタ10(即ちCPU32)は、T110において、A4サイズ及びA5サイズのカット紙56のセットを受け付けると、T112において、用紙入力画面を表示部12に表示する。用紙入力画面は、第1給紙トレイ19A及び第2給紙トレイ19Bにセットされたカット紙56のサイズをユーザに問い合わせるためのメッセージと、収容用紙サイズを選択するための領域と、OKボタンと、を含む。プリンタ10は、T114において、ユーザから、第1給紙トレイ19Aにセットされたカット紙56のサイズとして「A4」の選択と、第2給紙トレイ19Bにセットされたカット紙56のサイズとして「A5」の選択と、OKボタンの選択と、を受け付ける。この場合、プリンタ10は、T116において、第1収容用紙サイズ「A4」を第1給紙トレイ19Aにセットされたカット紙56のサイズとしてメモリ34に記憶すると共に、第2収容用紙サイズ「A5」を第2給紙トレイ19Bにセットされたカット紙56のサイズとしてメモリ34に記憶する。なお、変形例では、プリンタ10は、収容用紙サイズを検出するセンサを備えていてもよい。この場合、T112及びT114を省略可能である。
【0034】
T130において、第1ユーザは、印刷操作をPC100Bに実行する。印刷操作は、印刷画像を表わす画像データを選択する操作と、汎用ドライバ102を起動させる操作と、を含む。なお、本プロセスでは、第1ユーザが、2ページ分の印刷画像の印刷を所望している状況を想定する。これにより、汎用ドライバ102によって以降の各処理が実行される。PC100Bは、T130において、印刷操作をユーザから受け付けると、T132において、IPP方式に従ったGet-Printer-Attributes requestをプリンタ10に送信する。以下では、Get-Printer-Attributesのことを「GPA」と記載し、requestのことを「req」と記載する。GPA reqは、プリンタ10のCapability情報の送信を要求するコマンドである。
【0035】
プリンタ10は、T132において、PC100BからGPA reqを受信すると、GPA reqが認証情報(即ち、ユーザ名及びパスワード)を含まないと判断し、T134において、認証画面をPC100Bに表示させるための認証情報要求をPC100Bに送信する。認証画面は、ユーザ名とパスワードをユーザに入力させるための画面である。
【0036】
PC100Bは、T134において、プリンタ10から認証情報要求を受信すると、T136において、認証画面を表示する。T138において、第1ユーザは、ユーザ名U2とパスワードPW2をPC100Bに入力する。この場合、PC100Bは、T140において、ユーザ名U2とパスワードPW2とを含むGPA reqをプリンタ10に送信する。
【0037】
プリンタ10は、T140において、PC100BからGPA reqを受信すると、T142において、GPA req内のユーザ名U2及びパスワードPW2の組合せがメモリ34に記憶されているために、認証が成功したと判断する。この場合、プリンタ10は、T144において、メモリ34に記憶されている第1収容用紙サイズ「A4」及び第2収容用紙サイズ「A5」を特定し、media-readyとして特定済みの収容用紙サイズ「A4」、「A5」と、layoutとしてプリンタ10が実行可能な割付印刷に関する割付情報「2in1」、「4in1」と、を含むGPA responseをPC100Bに送信する。以下では、responseのことを「res」と記載する。なお、変形例では、特定済みの収容用紙サイズ「A4」、「A5」は、media-col-readyとして送信されてもよい。図示省略しているが、GPA resは、さらに、プリンタ10がサポートしている用紙サイズ(即ち収容部18に収容可能な用紙サイズ)を示す情報として、「A3」、「A4」、及び、「A5」を含む。
【0038】
PC100Bは、T144において、プリンタ10からGPA resを受信すると、T146において、印刷ダイアログを表示する。印刷ダイアログは、印刷対象の印刷画像を示すプレビュー画像と、印刷対象のカット紙56のサイズを選択するためのサイズ選択領域と、割付情報を選択するための割付選択領域と、境界線選択欄と、印刷ボタンと、を含む。境界線選択欄は、境界線機能を利用するのか否かを選択するための欄である。境界線機能は、割付印刷が実行される際に、1枚のカット紙56に印刷されるNページ分の印刷画像の境界線を表わす印刷画像を印刷する機能である。例えば、割付情報「2in1」に対応する割付印刷では、カット紙56の第1の長辺の中央とカット紙56の第2の長辺の中央とを結ぶ直線を表わす印刷画像が印刷される。
【0039】
PC100Bは、T148において、第1ユーザから、サイズ選択領域において、GPA res内にサポート用紙サイズとして含まれる「A3」、「A4」、及び、「A5」のいずれかを選択する操作と、印刷ボタンの選択と、を受け付ける。この場合、PC100Bは、T150において、IPP方式に従ったValidate-Job reqをプリンタ10に送信する。以下では、Validate-Jobのことを、「VJ」と記載する。VJ reqは、印刷ダイアログにおいて第1ユーザによって指定された用紙サイズ(即ち、「A3」、「A4」、又は、「A5」)を示すmedia-sizeと、ユーザ名U2と、パスワードPW2と、を含む。
【0040】
PC100Bは、T148において、第1ユーザから、さらに、割付選択領域において、割付情報「2in1」及び「4in1」のいずれかを選択する操作を受付け得る。この場合、PC100Bは、T150において、layout(即ち、割付情報「2in1」、又は、「4in1」)をさらに含むVJ reqをプリンタ10に送信する。一方、PC100Bは、第1ユーザから割付情報「2in1」及び「4in1」のいずれかを選択する操作を受付けない場合には、T150において、layoutを含まないVJ reqをプリンタ10に送信する。
【0041】
PC100Bは、T148において、第1ユーザから、さらに、境界線選択欄において、チェックボックスを選択する操作を受付け得る。この場合、PC100Bは、T150において、境界線情報をさらに含むVJ reqをプリンタ10に送信する。一方、PC100Bは、第1ユーザから、境界線選択欄において、チェックボックスを選択する操作を受付けない場合には、T150において、境界線情報を含まないVJ reqをプリンタ10に送信する。
【0042】
プリンタ10は、T150において、PC100BからVJ reqを受信すると、T152において、VJ resをPC100Bに送信する。その結果、プリンタ10は、T154において、PC100BからCreate-Job reqを受信する。以下では、Create-Jobのことを「CJ」と記載する。CJ reqは、印刷データの生成をプリンタ10に要求するコマンドである。そして、プリンタ10は、T156において、CJ resをPC100Bに送信する。
【0043】
PC100Bは、T156において、プリンタ10からCJ resを受信すると、1ページ目の画像データを変換して、プリンタ10が解釈可能なデータ形式を有する第1の印刷データを生成する。また、PC100Bは、2ページ目の画像データを変換して、プリンタ10が解釈可能なデータ形式を有する第2の印刷データを生成する。即ち、第1の印刷データ、及び、第2の印刷データは、VJ req(T150参照)に含まれるmedia-size(即ち「A3」、「A4」、又は、「A5」)に対応するサイズを有する1ページ分の印刷画像を表わす。そして、PC100Bは、T158において、Send-Document reqをプリンタ10に送信し、T160において、第1の印刷データ及び第2の印刷データをプリンタ10に送信する。以下では、Send-Documentのことを「SD」と記載する。
【0044】
プリンタ10は、T158において、PC100BからSD reqを受信し、T160において、PC100Bから第1の印刷データ及び第2の印刷データを受信する。この場合、プリンタ10は、T162において、印刷処理(図5参照)を実行する。印刷処理については、図5を参照して以下で説明する。
【0045】
(印刷処理;図5
図5を参照して、プリンタ10のCPU32によって実行される図4のT162の印刷処理を説明する。印刷処理は、いずれかのPC100(図4の例ではPC100B)から印刷データが受信されることをトリガとして開始される。なお、以下では、CPU32が、いずれかのPCから、第1の印刷データ及び第2の印刷データを受信した状況を想定して説明する。
【0046】
S10において、CPU32は、メモリ34に記憶済みの第1収容用紙サイズ及び第2収容用紙サイズ(図4のT116参照)を取得する。
【0047】
S12において、CPU32は、受信済みのVJ req(図4のT150参照)がlayoutを含むのか否かを判断する。CPU32は、受信済みのVJ reqがlayoutを含まない場合(S12でNO)に、S14に進み、受信済みのVJ reqがlayoutを含む場合(S12でYES)に、S20に進み。
【0048】
S14において、CPU32は、受信済みのVJ reqに含まれるmedia-size(以下では、「対象用紙サイズ」と記載することがある)が、第1収容用紙サイズ及び第2収容用紙サイズのうちの少なくとも一方のサイズと同じであるのか否かを判断する。具体的には、CPU32は、対象用紙サイズと、第1収容用紙サイズ及び第2収容用紙サイズのうちの少なくとも一方のサイズと、が同じである場合(S14でYES)に、S16に進み、対象用紙サイズと第1収容用紙サイズとが異なり、かつ、対象用紙サイズと第2収容用紙サイズとが異なる場合(S14でNO)に、S18に進む。
【0049】
S16において、CPU32は、以下のようにして、印刷を実行する。まず、CPU32は、対象用紙サイズを有するカット紙56が収容されている給紙トレイを特定し、特定済みの給紙トレイに収容されているカット紙56を印刷実行部22まで搬送する。さらに、CPU32は、第1の印刷データによって表される第1の印刷画像をカット紙56の全面に印刷することを印刷実行部22に指示する。これにより、印刷実行部22は、第1の印刷画像をカット紙56の全面に印刷する。
【0050】
次いで、CPU32は、搬送部20の各ローラ60、62、64、66を駆動させて、印刷済みカット紙56を排紙トレイ50まで搬送する。CPU32は、印刷済みカット紙56の切断を切断部24に指示しない。さらに、CPU32は、第2の印刷データによって表される第2の印刷画像に対して同様の処理を実行する。この結果、対象用紙サイズを有する2枚の印刷済み用紙がユーザに提供される。CPU32は、S16の処理が終了すると、図5の処理を終了する。
【0051】
S18において、CPU32は、ユーザによって選択されたmedia-sizeと、収容用紙サイズと、の関係が適切でないことを示すエラー通知をPC100に送信する。これにより、ユーザは、印刷を実行不可能な原因を知ることができる。
【0052】
S20において、CPU32は、カットテーブル38において、受信済みのVJ reqに含まれるlayoutによって示される割付情報(以下では、「対象割付情報」と記載する)に関連付けられているカットフラグが「ON」であるのか否かを判断する。CPU32は、カットフラグが「ON」である場合(S20でYES)に、S30に進み、カットフラグが「OFF」である場合(S20でNO)に、S22に進む。
【0053】
S22は、S14と同様である。CPU32は、S22でNOと判断される場合に、S18に進み、S22でYESと判断される場合に、S24に進む。
【0054】
S24において、CPU32は、以下のようにして、割付印刷を実行する。まず、対象割付情報が「2in1」である場合について説明する。CPU32は、対象用紙サイズを有するカット紙56が収容されている給紙トレイを特定し、特定済みの給紙トレイに収容されているカット紙56を印刷実行部22まで搬送する。次いで、CPU32は、第1の印刷画像を縮小して、第1の印刷画像の半分のサイズを有する第1の縮小画像を生成すると共に、第2の印刷画像を縮小して、第2の印刷画像の半分のサイズを有する第2の縮小画像を生成する。次いで、CPU32は、第1の縮小画像をカット紙56の第1の印刷領域に印刷することを印刷実行部22に指示すると共に、第2の縮小画像をカット紙56の第2の印刷領域に印刷することを印刷実行部22に指示する。第1の印刷領域は、カット紙56の第1の長辺の中央とカット紙56の第2の長辺の中央とを結ぶ直線によって分離される2つ領域のうちの一方の領域である。第2の印刷領域は、当該2つの領域のうちの他方の領域である。これにより、印刷実行部22は、第1の縮小画像をカット紙56の第1の印刷領域に印刷すると共に、第2の縮小画像をカット紙56の第2の印刷領域に印刷する。本実施例では、第1の領域が、カット紙56の搬送方向の下流側の半分の領域であり、第2の領域が、カット紙56の搬送方向の上流側の半分の領域である。
【0055】
次いで、CPU32は、搬送部20の各ローラ60、62、64、66を駆動させて、印刷済みカット紙56を排紙トレイ50まで搬送する。CPU32は、印刷済みカット紙56の切断を切断部24に指示しない。この結果、対象用紙サイズを有する1枚の印刷済み用紙がユーザに提供される。
【0056】
次いで、対象割付情報が「4in1」である場合について説明する。カット紙56を印刷実行部22に搬送するまでの処理は、対象割付情報が「2in1」である場合と同様である。CPU32は、第1の印刷画像を縮小して、第1の印刷画像の1/4のサイズを有する第3の縮小画像を生成すると共に、第2の印刷画像を第2の印刷画像の1/4のサイズを有する第4の縮小画像を生成する。次いで、CPU32は、第3の縮小画像をカット紙56の第3の印刷領域に印刷することを印刷実行部22に指示すると共に、第4の縮小画像をカット紙56の第4の印刷領域に印刷することを印刷実行部22に指示する。第3の印刷領域及び第4の印刷領域は、カット紙56の第1の長辺の中央とカット紙56の第2の長辺の中央とを結ぶ直線と、カット紙56の第1の短辺の中央とカット紙56の第2の短辺の中央とを結ぶ直線と、によって分割される4個の印刷領域のうちの2個の領域である。第3の印刷領域と第4の印刷領域は、カット紙56の短辺が延びる方向において隣り合う領域である。これにより、印刷実行部22は、第3の縮小画像をカット紙56の第3の印刷領域に印刷すると共に、第4の縮小画像をカット紙56の第4の印刷領域に印刷する。その後の処理は、対象割付情報が「2in1」である場合と同様である。この結果、対象用紙サイズを有する1枚の印刷済み用紙がユーザに提供される。CPU32は、S24の処理が終了すると、図5の処理を終了する。
【0057】
また、S30において、CPU32は、印刷の実行を所望しているユーザがカット機能の実行を許可されているユーザであるのか否かを判断する。具体的には、CPU32は、受信済みのVJ reqに含まれるユーザ名(以下では、「対象ユーザ名」と記載する)を特定する。次いで、CPU32は、カットテーブル38において、対象割付情報に関連付けられている1個以上の許可ユーザ名が対象ユーザ名を含むのか否かを判断する。CPU32は、1個以上の許可ユーザ名が対象ユーザ名を含む場合に、S30でYESと判断してS32に進み、1個以上の許可ユーザ名が対象ユーザ名を含まない場合に、S30でNOと判断してS22に進む。
【0058】
S32において、CPU32は、受信済みのVJ reqが境界線情報を含むのか否かを判断する。CPU32は、受信済みのVJ reqが境界線情報を含む場合(S32でYES)に、S34に進み、受信済みのVJ reqが境界線情報を含まない場合(S32でNO)に、S22に進む。
【0059】
S34において、CPU32は、切断処理(図6)を実行する。切断処理は、カット機能を利用した印刷に関する処理である。CPU32は、S34が終了すると、図5の処理を終了する。
【0060】
(切断処理;図6
図6を参照して、図5のS34で実行される切断処理について説明する。S50において、CPU32は、切断後のカット紙56のサイズ(以下では、「カットサイズ」と記載する)を特定する。CPU32は、対象用紙サイズと対象割付情報とを利用して、カットサイズを特定する。対象割付情報が「2in1」である場合、対象用紙サイズの半分のサイズがカットサイズであり、対象割付情報が「4in1」である場合、対象用紙サイズの1/4のサイズがカットサイズである。例えば、対象割付情報が「2in1」であり、かつ、対象用紙サイズが「A4」である場合、「A5」がカットサイズである。
【0061】
S52において、CPU32は、カットサイズが、図5のS10で取得済みの収容用紙サイズの半分のサイズであるのか否かを判断する。具体的には、CPU32は、対象用紙サイズが、第1収容用紙サイズの半分のサイズ及び第2収容用紙サイズの半分のサイズのうちの少なくとも一方のサイズと同じであるのか否かを判断する。CPU32は、対象用紙サイズと、第1収容用紙サイズの半分のサイズ及び第2収容用紙サイズの半分のサイズのうちの少なくとも一方のサイズと、が同じである場合(S52でYES)に、S54に進む。一方、CPU32は、対象用紙サイズと第1収容用紙サイズの半分のサイズとが異なり、かつ、対象用紙サイズと第2収容用紙サイズの半分のサイズとが異なる場合(S52でNO)に、S60に進む。
【0062】
S54において、CPU32は、以下のようにして、対象割付情報及び境界線情報に対応する印刷を実行する。まず、対象割付情報が「2in1」である場合について、説明する。第1の印刷画像及び第2の印刷画像をカット紙56に印刷するまでの処理は、図5のS24と同様である。
【0063】
次いで、CPU32は、搬送部20の各ローラ60、62、64を駆動して、印刷済みカット紙56を切断部24まで搬送する。そして、CPU32は、印刷済みカット紙56の切断を切断部24に指示する。これにより、切断部24は、カット紙56の第1の印刷領域と、カット紙56の第2の印刷領域と、の境界を切断する。これにより、対象用紙サイズの半分のサイズを有する2枚の切断済み用紙がユーザに提供される。
【0064】
次いで、対象割付情報が「4in1」である場合について説明する。CPU32は、対象用紙サイズの半分のサイズを有するカット紙56が収容されている給紙トレイを特定し、特定済みの給紙トレイに収容されているカット紙56を印刷実行部22まで搬送する。次いで、CPU32は、第1の印刷画像を縮小して、第1の印刷画像の1/4のサイズを有する第3の縮小画像を生成すると共に、第2の印刷画像を第2の印刷画像の1/4のサイズを有する第4の縮小画像を生成する。次いで、CPU32は、第3の縮小画像をカット紙56の第5の印刷領域に印刷することを印刷実行部22に指示すると共に、第4の縮小画像をカット紙56の第6の印刷領域に印刷することを印刷実行部22に指示する。第5の印刷領域は、第1の印刷領域と同じ領域である。第6の印刷領域は、第2の印刷領域と同じ領域である。
【0065】
次いで、CPU32は、搬送部20の各ローラ60、62、64を駆動して、印刷済みカット紙56を切断部24まで搬送する。そして、CPU32は、印刷済みカット紙56の切断を切断部24に指示する。これにより、切断部24は、カット紙56の第5の印刷領域と、カット紙56の第6の印刷領域と、の境界を切断する。これにより、対象用紙サイズの1/4のサイズを有する2枚の切断済み用紙がユーザに提供される。CPU32は、S54の処理が終了すると、図6の処理を終了する。
【0066】
S60において、CPU32は、ユーザによって選択されたmedia-sizeと収容用紙サイズとの関係が適切でないことを示すエラー通知をPC100に送信する。これにより、ユーザは、印刷を実行不可能な原因を知ることができる。CPU32は、S60の処理が終了すると、図6の処理を終了する。
【0067】
上述のように、プリンタ10は、VJ reqが境界線情報を含むことを条件として(図5のS32でYES)、カット紙56の切断を実行する。このような構成によると、ユーザは、カット機能を利用するのか否かを容易に切替えることができる。従って、ユーザの利便性が向上する。
【0068】
また、プリンタ10は、カットテーブル38内のカットフラグが「ON」であることを条件として(S20でYES)、カット紙56の切断を実行する。このような構成によると、管理者は、カット紙56の切断をプリンタ10に実行させるのか否かを選択することができる。従って、管理者の利便性が向上する。
【0069】
また、プリンタ10は、カットテーブル38において、対象割付情報に関連付けられている1個以上の許可ユーザ名が対象ユーザ名を含むことを条件として(S30でYES)に、カット紙56の切断を実行する。このような構成によると、管理者は、カット紙56の切断をプリンタ10に実行させることが可能なユーザを管理することができる。
【0070】
(具体的なケース;図7図8
図7図8を参照して、図5の印刷処理、及び、図6の切断処理によって実現される具体的なケースA~ケースCについて説明する。
【0071】
(ケースA;図7
図7を参照して、割付情報「2in1」に対応する印刷、及び、カット紙56の切断が実行されるケースAについて説明する。ケースAの初期状態は、図3の設定プロセスの後の状態である。
【0072】
まず、PC100Bとプリンタ10との間で、図4のT130~T146と同様の処理が実行される。本ケースでは、PC100Bは、T248において、第1ユーザから、サイズ選択領域において「A4」を選択する操作と、割付選択領域において割付情報「2in1」を選択する操作と、境界線選択欄においてチェックボックスを選択する操作と、印刷ボタンの選択と、を受け付ける。この場合、PC100Bは、T250において、media-size「A4」と、ユーザ名U2と、パスワードPW2と、layout「2in1」と、境界線情報と、を含むVJ reqをプリンタ10に送信する。T252~T260は、図4のT152~T160と同様である。なお、T260の第1の印刷データ及び第2の印刷データは、A4に対応するサイズを有する印刷画像を表すデータである。
【0073】
プリンタ10は、T260において、PC100Bから第1の印刷データ及び第2の印刷データを受信すると、第1収容用紙サイズ「A4」及び第2収容用紙サイズ「A5」を取得し(図5のS10)、受信済みのVJ reqがlayoutを含むと判断し(S12でYES)、カットテーブル38において、対象割付情報「2in1」に関連付けられているカットフラグが「ON」であると判断し(S20でYES)、カットテーブル38において、対象割付情報「2in1」に関連付けられている1個以上の許可ユーザ名が対象ユーザ名「U2」を含むと判断し(S30でYES)、受信済みのVJ reqが境界線情報を含むと判断する(S32でYES)。次いで、プリンタ10は、対象用紙サイズ「A4」と対象割付情報「2in1」とを利用して、A4サイズの半分のサイズであるA5サイズをカットサイズとして特定する(S50)。次いで、プリンタ10は、カットサイズ「A5」と第1収容用紙サイズ「A4」の半分のサイズ(即ちA5サイズ)とが一致すると判断する(S52でYES)。この場合、プリンタ10は、T262において、第1ユーザによって指定されたA4サイズのカット紙56を利用した印刷、及び、当該カット紙56の切断を実行する(S54)。これにより、2枚のA5サイズの切断済み用紙がユーザに提供される。即ち、第1の印刷画像が印刷されたA5サイズの切断済み用紙と、第2の印刷画像が印刷されたA5サイズの切断済み用紙と、がユーザに提供される。
【0074】
(ケースB;図7
図7を参照して、割付印刷が実行されるケースBについて説明する。ケースBの初期状態は、ケースAの初期状態と同様である。
【0075】
まず、PC100Cとプリンタ10との間で、通信対象がPC100Cである点を除いて、図4のT130~T136と同様の処理が実行される。PC100Cは、T338において、PC100Cのユーザ(以下では、「第2ユーザ」と記載する)から、ユーザ名U3とパスワードPW3の入力を受け付ける。その後、PC100Cとプリンタ10との間で、通信対象がPC100Cである点を除いて、図4のT140~T146、及び、ケースAのT248~T260と同様の処理が実行される。なお、本ケースのT142において、プリンタ10は、GPA req内のユーザ名U3及びパスワードPW3の組合せがメモリ34に記憶されているために、認証が成功したと判断する。また、本ケースのT250において、VJ reqは、ユーザ名U2及びパスワードPW2に代えて、ユーザ名U3及びパスワードPW3を含む。
【0076】
プリンタ10は、T260において、PC100Cから第1の印刷データ及び第2の印刷データを受信する。この場合に実行される図5のS10、12、S20の処理は、ケースAと同様である。そして、本ケースでは、プリンタ10は、カットテーブル38において、対象割付情報「2in1」に関連付けられている1個以上の許可ユーザ名が対象ユーザ名「U3」を含まないと判断し(S30でNO)、対象用紙サイズ「A4」と第1収容用紙サイズ「A4」とが一致すると判断する(S22でYES)。この場合、プリンタ10は、T362において、割付印刷を実行する(S24)。これにより、1枚のA4サイズの用紙がユーザに提供される。即ち、第1の印刷画像及び第2の印刷画像が印刷されたA4サイズの用紙がユーザに提供される。
【0077】
(ケースC;図8
図8を参照して、割付情報「4in1」に対応する印刷、及び、カット紙56の切断が実行されるケースCについて説明する。ケースCの初期状態は、図7のケースAの初期状態と同様である。
【0078】
まず、PC100Bとプリンタ10との間で、図4のT130~T146と同様の処理が実行される。PC100Bは、T448において、第1ユーザから、サイズ選択領域において「A4」を選択する操作と、割付選択領域において「4in1」を選択する操作と、境界線選択欄においてチェックボックスを選択する操作と、印刷ボタンの選択と、を受け付ける。この場合、PC100Bは、T450において、media-size「A4」と、ユーザ名U2と、パスワードPW2と、layout「4in1」と、境界線情報と、を含むVJ reqをプリンタ10に送信する。T452~T460は、図4のT152~T160と同様である。なお、T460の第1の印刷データ及び第2の印刷データは、A4に対応するサイズを有する印刷画像を表すデータである。
【0079】
プリンタ10は、T460において、PC100Bから第1の印刷データ及び第2の印刷データを受信する。この場合に実行される図5のS10、S12、S20、S30、及び、S32の処理は、対象割付情報が「4in1」である点を除いて、図7のケースAと同様である。そして、本ケースでは、プリンタ10は、対象用紙サイズ「A4」と対象割付情報「4in1」とを利用して、A4サイズの1/4のサイズであるA6サイズをカットサイズとして特定する(S50)。次いで、プリンタ10は、カットサイズ「A6」と第2収容用紙サイズ「A5」の半分のサイズ(即ちA6サイズ)とが一致すると判断する(S52でYES)。この場合、プリンタ10は、T262において、第1ユーザによって指定された用紙サイズ(即ちA4サイズ)とは異なるA5サイズのカット紙56を利用した印刷、及び、当該カット紙56の切断を実行する(S54)。これにより、2枚のA6サイズの切断済み用紙がユーザに提供される。即ち、第1の印刷画像が印刷されたA6サイズの切断済み用紙と、第2の印刷画像が印刷されたA6サイズの切断済み用紙と、がユーザに提供される。
【0080】
(ケースCの効果)
上述のように、プリンタ10は、VJ reqが、media-size「A4」と、第1の印刷データと、第2の印刷データと、割付情報「4in1」と、を含む場合に、「A4」の半分のサイズである「A5」を有するカット紙56の第5の印刷領域に第3の縮小画像を印刷し、当該カット紙56の第6の印刷領域に第4の縮小画像を印刷する。このような構成によると、ユーザは、割付情報を変えることによって、切断後のカット紙のサイズを切替えることができる。従って、ユーザの利便性が向上する。
【0081】
(本実施例の効果)
上記の構成によると、プリンタ10は、PC100から、割付情報を含むVJ reqを受信する場合(図5のS12でYES)に、カット紙56の切断を実行し(図6のS54)、PC100から、割付情報を含まないVJ reqを受信する場合(S12でNO)に、カット紙56の切断を実行しない。従って、プリンタ10は、カット紙56の切断を実行するのか否かを切替えることができる。
【0082】
ここで、プリンタ10のための専用ドライバと、汎用ドライバ102と、の対比を考える。プリンタ10のための専用ドライバは、例えばプリンタ10のベンダによって提供されるプリンタドライバであり、当該ベンダは、カット紙56の切断のためのパラメータを定義することができる。即ち、PC100は、専用ドライバを利用すれば、プリンタ10にカット紙56の切断を実行させることができる。一方、汎用ドライバ102では、カット紙56の切断のためのパラメータが定義されていないので、プリンタ10にカット紙56の切断を実行させることは難しい。そこで、本実施例では、割付情報をカット機能に割り当てることで、プリンタ10にカット紙56を切断させることを実現する。このように、本実施例の構成によると、PC100は、汎用ドライバ102を利用して、プリンタ10にカット紙56の切断を実行させることができる。
【0083】
また、本実施例では、プリンタ10は、A4サイズのカット紙56を、A4サイズよりも小さいA5サイズに対応するカット紙56に切断する。このため、ユーザがA5サイズのカット紙56への印刷を望む状況において、ユーザがA5サイズのカット紙56を所持していない状況であっても、プリンタ10は、A4サイズのカット紙56に印刷及び切断を実行することによって、A5サイズの印刷済み用紙をユーザに提供することができる。従って、ユーザの利便性が向上する。
【0084】
(対応関係)
PC100A、100B、100Cが、「端末装置」の一例である。VJ reqが、「印刷実行コマンド」の一例である。カット紙56の切断が、「所定処理」の一例である。割付情報「2in1」、「4in1」が、「割付コマンド」の一例である。A4サイズ、A5サイズが、それぞれ、「第1のサイズ」、「第2のサイズ」の一例である。A4サイズのカット紙56、A5サイズのカット紙56が、それぞれ、「第1のカット紙」、「第2のカット紙」の一例である。図6のカット紙56の上辺、図6のカット紙56の下辺が、それぞれ、「第1の長辺」、「第2の長辺」の一例である。VJ req内の「media-size」が、「サイズ情報」の一例である。割付情報「2in1」が、「第1の割付コマンド」の一例である。第1の印刷領域及び第3の印刷領域が、「第1の領域」の一例である。第2の印刷領域及び第4の印刷領域が、「第2の領域」の一例である。割付情報「4in1」が、「第2の割付コマンド」の一例である。第5の印刷領域、第6の印刷領域が、それぞれ、「第3の領域」、「第4の領域」の一例である。VJ req内の境界線情報が、「所定のコマンド」の一例である。カットフラグが、「フラグ情報」の一例である。カットフラグ「ON」、カットフラグ「OFF」が、それぞれ、「許可情報」、「禁止情報」の一例である。カットテーブル38内の許可ユーザ名が、「1以上の許可ユーザ情報」の一例である。ユーザ名U1、U2、U3が、「特定のユーザ情報」の一例である。
【0085】
図5のS16、図5のS20、図6のS54、及び、図6のS62で実行される処理が、「印刷制御部」によって実行される処理の一例である。図6のS54で実行される処理が、「処理制御部」によって実行される処理の一例である。
【0086】
以上、本明細書が開示する技術の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。上記の実施例の変形例を以下に列挙する。
【0087】
(第1変形例)プリンタ10は、切断部24に代えて、カット紙56にミシン目を付けるミシン目付与部を備えていてもよい。カット紙56にミシン目が付けられると、ユーザは、ミシン目に沿ってカット紙56を容易に切断することができる。別の変形例では、プリンタ10は、切断部24に代えて、カット紙56に折り目を付ける折り目付与部を備えていてもよい。カット紙56に折り目が付けられると、ユーザは、折り目に沿ってカット紙56を容易に切断することができる。一般的に言うと、「所定処理」は、カット紙56の切断に関する処理であればよい。
【0088】
(第2変形例)プリンタ10は、VJ reqがlayoutを含む場合に、印刷データによって表される印刷画像を縮小することなく、カット紙56への印刷画像の印刷、及び、当該カット紙56の切断を実行してもよい。
【0089】
(第3変形例)プリンタ10は、例えば、media-sizeが「A4」を含み、かつ、対象割付情報が「4in1」である場合に、カット紙56を4分の1のサイズに切断してもよい。
【0090】
(第4変形例)プリンタ10は、図6のS52において、図5のS14と同様の処理を実行してもよい。即ち、プリンタ10は、media-sizeと収容用紙のサイズが一致する場合にのみ、図6のS54を実行するように構成されていてもよい。
【0091】
(第5変形例)図5のS32を省略可能である。
【0092】
(第6変形例)「所定コマンド」は、境界線情報に限定されない。例えば、PC100にインストールされているドライバにロール紙の切断のためのパラメータが定義されている場合、ロール紙の切断に対応するコマンドが「所定コマンド」の一例であってもよい。
【0093】
(第7変形例)図5のS20を省略可能である。本変形例では、カットテーブル38は、カットフラグを含んでなくてもよい。
【0094】
(第8変形例)図5のS24を省略可能である。本変形例では、カットテーブル38は、許可ユーザ名を含んでなくてもよい。
【0095】
(第9変形例)上記の実施例では、プリンタ10は、GPA reqが認証情報を含まない場合に、認証情報要求をPC100に送信している。変形例では、プリンタ10は、VJ reqが認証情報を含まない場合に、認証情報要求をPC100に送信してもよい。
【0096】
(第10変形例)PC100は汎用ドライバ102を備えなくてもよい。この場合、PC100は、汎用ドライバ102に代えて、専用ドライバを備える。専用ドライバは、あるプリンタのための専用のプリンタドライバである。
【0097】
(第11変形例)上記の実施例では、カット紙56への印刷が実行された後に、カット紙56の切断が実行されるが、変形例では、カット紙56の切断が実行された後に、カット紙56への印刷が実行されてもよい。一般的に言うと、「処理実行部」は、「印刷実行部」よりもカット紙56の搬送方向の上流側に配置されてもよい。
【0098】
(第12変形例)「第1のサイズ」は、A4サイズに限定されず、A3サイズ、A5サイズ、レターサイズ、はがきサイズ等であってもよい。
【0099】
(第13変形例)プリンタ10のカットテーブル38が、1個の割付情報(例えば割付情報「2in1」)のみを含んでいてもよい。
【0100】
(第14変形例)プリンタ10の操作部16を介して、カットテーブル38内の情報(例えばカットフラグ)を設定できてもよい。また、別の変形例では、プリンタ10が、カットフラグのオンオフを切り替えるための物理的なスイッチを備えていてもよい。
【0101】
(第15変形例)上記の実施例では、図3図8の各処理がソフトウェアによって実現されるが、これらの各処理のうちの少なくとも1つが論理回路等のハードウェアによって実現されてもよい。
【0102】
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独で、あるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【0103】
本特許出願時の特許請求の範囲において、各請求項が一部の請求項のみに従属している場合であっても、各請求項が当該一部の請求項のみに従属可能であることに限定されない。技術的に矛盾しない範囲において、各請求項は、出願時に従属していない他の請求項にも従属可能である。即ち、各請求項の技術は以下のように様々に組み合わせることができる。
(項目1)
プリンタであって、
カット紙を収容する収容部と、
前記収容部から前記カット紙を搬送する搬送部と、
前記カット紙への印刷を実行する印刷実行部と、
前記カット紙の切断に関する所定処理を実行する処理実行部と、
制御部と、を備え、
前記制御部は、
端末装置から印刷実行コマンドが受信される場合に、前記カット紙の搬送を前記搬送部に実行させて、前記カット紙への印刷画像の印刷を前記印刷実行部に実行させる印刷制御部と、
前記印刷実行コマンドが割付コマンドを含む場合に、前記カット紙への前記所定処理を前記処理実行部に実行させる処理制御部であって、前記印刷実行コマンドが前記割付コマンドを含まない場合に、前記カット紙への前記所定処理は実行されない、前記処理制御部と、
を備える、プリンタ。
(項目2)
前記所定処理は、前記カット紙の第1の長辺の中央と、前記カット紙の第2の長辺の中央と、を結ぶ直線に沿った切断に関する処理である、項目1に記載のプリンタ。
(項目3)
前記印刷実行コマンドが、印刷対象のカット紙のサイズとして第1のサイズを示すサイズ情報と、前記第1のサイズに対応するサイズを有する1ページ分の第1の印刷画像を表わす第1の印刷データと、前記第1のサイズに対応するサイズを有する1ページ分の第2の印刷画像を表わす第2の印刷データと、2ページ分の印刷画像を1枚のカット紙に印刷すべきことを示す第1の割付コマンドと、を含む場合に、
前記印刷制御部は、
前記第1の印刷画像を縮小して、前記第1の印刷画像の半分のサイズを有する第1の縮小画像を生成し、
前記第2の印刷画像を縮小して、前記第2の印刷画像の半分のサイズを有する第2の縮小画像を生成し、
前記第1のサイズを有する第1のカット紙の第1の領域への前記第1の縮小画像の印刷を前記印刷実行部に実行させ、
前記第1のカット紙の第2の領域への前記第2の縮小画像の印刷を前記印刷実行部に実行させ、
前記第1の領域は、前記直線によって分離される前記第1のカット紙内の2つの領域のうちの一方の領域であり、
前記第2の領域は、前記直線によって分離される前記第1のカット紙内の前記2つの領域のうちの他方の領域である、項目2に記載のプリンタ。
(項目4)
前記印刷実行コマンドが、前記サイズ情報と、前記第1の印刷データと、前記第2の印刷データと、4ページ分の印刷画像を1枚のカット紙に印刷すべきことを示す第2の割付コマンドと、を含む場合に、
前記印刷制御部は、
前記第1の印刷画像を縮小して、前記第1の印刷画像の1/4のサイズを有する第3の縮小画像を生成し、
前記第2の印刷画像を縮小して、前記第2の印刷画像の1/4のサイズを有する第4の縮小画像を生成し、
前記第1のサイズの半分である第2のサイズを有する第2のカット紙の第3の領域への前記第3の縮小画像の印刷を前記印刷実行部に実行させ、
前記第2のカット紙の第4の領域への前記第4の縮小画像の印刷を前記印刷実行部に実行させ、
前記第3の領域は、前記直線によって分離される前記第2のカット紙内の2つの領域のうちの一方の領域であり、
前記第4の領域は、前記直線によって分離される前記第2のカット紙内の前記2つの領域のうちの他方の領域である、項目3に記載のプリンタ。
(項目5)
前記第1のサイズは、A4サイズであり、
前記第2のサイズは、A5サイズである、項目4に記載のプリンタ。
(項目6)
前記処理制御部は、前記印刷実行コマンドが、前記割付コマンドと、前記割付コマンドとは異なる所定コマンドと、を含む場合に、前記カット紙への前記所定処理を前記処理実行部に実行させ、
前記印刷実行コマンドが、前記割付コマンドを含み、かつ、前記所定コマンドを含まない場合に、前記カット紙への前記所定処理は実行されない、項目1から5のいずれか一項に記載のプリンタ。
(項目7)
前記所定処理は、前記カット紙の第1の長辺の中央と、前記カット紙の第2の長辺の中央と、を結ぶ直線に沿った切断に関する処理であり、
前記所定コマンドは、前記カット紙に前記直線を表わす印刷画像の印刷を要求するコマンドである、項目6に記載のプリンタ。
(項目8)
前記プリンタは、さらに、
フラグ情報を記憶するメモリであって、前記フラグ情報は、前記所定処理の実行が許可されていることを示す許可情報と、前記所定処理の実行が禁止されていることを示す禁止情報と、のどちらかを示す、前記メモリを備え、
前記処理制御部は、前記印刷実行コマンドが前記割付コマンドを含み、かつ、前記メモリ内の前記フラグ情報が前記許可情報を示す場合に、前記カット紙への前記所定処理を前記処理実行部に実行させ、
前記印刷実行コマンドが前記印刷実行コマンドを含み、かつ、前記メモリ内の前記フラグ情報が前記禁止情報を示す場合に、前記カット紙への前記所定処理は実行されない、項目1から7のいずれか一項に記載のプリンタ。
(項目9)
前記プリンタは、さらに、
前記所定処理の実行が許可される1以上の許可ユーザ情報を記憶するメモリを備え、
前記制御部は、さらに、
前記端末装置から、前記端末装置のユーザを識別する特定のユーザ情報を受信するユーザ情報受信部を備え、
前記処理制御部は、前記印刷実行コマンドが前記割付コマンドを含み、かつ、前記メモリ内の前記1以上の許可ユーザ情報が前記特定のユーザ情報を含む場合に、前記カット紙への前記所定処理を前記処理実行部に実行させ、
前記印刷実行コマンドが前記割付コマンドを含み、かつ、前記メモリ内の前記1以上の許可ユーザ情報が前記特定のユーザ情報を含まない場合に、前記カット紙への前記所定処理は実行されない、項目1から8のいずれか一項に記載のプリンタ。
(項目10)
プリンタのためのコンピュータプログラムであって、
前記プリンタは、
カット紙を収容する収容部と、
前記収容部から前記カット紙を搬送する搬送部と、
前記カット紙への印刷を実行する印刷実行部と、
前記カット紙の切断に関する所定処理を実行する処理実行部と、
を備え、
前記コンピュータプログラムは、前記プリンタのコンピュータを、以下の各部、即ち、
端末装置から印刷実行コマンドが受信される場合に、前記カット紙の搬送を前記搬送部に実行させて、前記カット紙への印刷画像の印刷を前記印刷実行部に実行させる印刷制御部と、
前記印刷実行コマンドが割付コマンドを含む場合に、前記カット紙への前記所定処理を前記処理実行部に実行させる処理制御部であって、前記印刷実行コマンドが前記割付コマンドを含まない場合に、前記カット紙への前記所定処理は実行されない、前記処理制御部と、
として機能させる、コンピュータプログラム。
(項目11)
プリンタによって実行される方法であって、
前記プリンタは、
カット紙を収容する収容部と、
前記収容部から前記カット紙を搬送する搬送部と、
前記カット紙への印刷を実行する印刷実行部と、
前記カット紙の切断に関する所定処理を実行する処理実行部と、
制御部と、を備え、
前記方法は、
端末装置から印刷実行コマンドが受信される場合に、前記カット紙の搬送を前記搬送部に実行させて、前記カット紙への印刷画像の印刷を前記印刷実行部に実行させる印刷制御ステップと、
前記印刷実行コマンドが割付コマンドを含む場合に、前記カット紙への前記所定処理を前記処理実行部に実行させる処理制御ステップであって、前記印刷実行コマンドが前記割付コマンドを含まない場合に、前記カット紙への前記所定処理は実行されない、前記処理制御ステップと、
を備える、方法。
【符号の説明】
【0104】
2:通信システム、10:プリンタ、12:表示部、14:通信I/F、16:操作部、18:収容部、19A:第1給紙トレイ、19B:第2給紙トレイ、20:搬送部、22:印刷実行部、24:切断部、30:制御部、32:CPU、34:メモリ、36:プログラム、38,40:表示テーブル、50:排紙トレイ、52:搬送路、56:カット紙、58~66:ローラ、68:インクジェットヘッド、100A~100C:PC、102:汎用ドライバ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8