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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024051719
(43)【公開日】2024-04-11
(54)【発明の名称】スポイト
(51)【国際特許分類】
   B65D 47/18 20060101AFI20240404BHJP
   B65D 51/32 20060101ALI20240404BHJP
【FI】
B65D47/18 100
B65D51/32
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022158027
(22)【出願日】2022-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100140718
【弁理士】
【氏名又は名称】仁内 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100188592
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 洋
(72)【発明者】
【氏名】吉野 慶
【テーマコード(参考)】
3E084
【Fターム(参考)】
3E084AA02
3E084AA12
3E084AB01
3E084BA02
3E084CA01
3E084DA01
3E084DB12
3E084DB17
3E084DB18
3E084DC03
3E084FB01
3E084GA01
3E084GB01
3E084HA03
3E084HB03
3E084HD01
3E084KB01
3E084LD29
(57)【要約】
【課題】拡縮空間に内容物が進入している状態で、操作部材を押下して弾性変形させたときに、操作部材が、装着頂壁の上面に内容物を介して貼り付くのを抑制する。
【解決手段】上下方向に延びるスポイト管60と、スポイト管の上端開口を上方から覆う装着頂壁32を有し、スポイト管の上端部に装着された装着部材100と、装着部材に取付けられ、装着頂壁の上面との間に拡縮空間Kを画成する弾性変形可能な操作部材40と、を備え、装着頂壁には、拡縮空間とスポイト管の上端開口とを連通する連通孔32aが形成され、装着頂壁の上面には、押下されて弾性変形した操作部材が、内容物を介して装着頂壁の上面に貼り付くのを抑止する貼り付き抑止部36が設けられている。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
上下方向に延びるスポイト管と、
前記スポイト管の上端開口を上方から覆う装着頂壁を有し、前記スポイト管の上端部に装着された装着部材と、
前記装着部材に取付けられ、前記装着頂壁の上面との間に拡縮空間を画成する弾性変形可能な操作部材と、を備え、
前記装着頂壁には、前記拡縮空間と前記スポイト管の上端開口とを連通する連通孔が形成され、
前記装着頂壁の上面には、押下されて弾性変形した前記操作部材が、内容物を介して前記装着頂壁の上面に貼り付くのを抑止する貼り付き抑止部が設けられている、スポイト。
【請求項2】
前記貼り付き抑止部は、前記装着頂壁の上面から上方に向けて突出した筒状に形成されている、請求項1に記載のスポイト。
【請求項3】
前記貼り付き抑止部には、径方向に貫き、上下方向の全長にわたって延びる貫通孔が形成されている、請求項2に記載のスポイト。
【請求項4】
前記連通孔は、前記貼り付き抑止部の内周面より径方向の外側に位置している、請求項2または3に記載のスポイト。
【請求項5】
前記連通孔は、前記貼り付き抑止部の内周面より径方向の外側に位置し、
前記装着頂壁の上面のうち、前記貼り付き抑止部の径方向の内側に位置する部分は、径方向の内側から外側に向かうに従い下方に向けて延びている、請求項3に記載のスポイト。
【請求項6】
前記装着部材は、
容器本体の口部に着脱可能に外装され、前記スポイト管の中心軸線回りの回転に伴い前記口部に着脱される内キャップと、
前記内キャップに対して前記中心軸線回りに回転することで前記内キャップに対して上下動する作動部材と、を備え、
前記スポイト管の上端部は、前記内キャップに固定され、
前記作動部材は、前記内キャップに装着された作動周壁、および前記装着頂壁を有する有頂筒状に形成され、
前記装着頂壁には、前記スポイト管の上端開口を封止し、前記内キャップに対する前記作動部材の上昇時に、前記スポイト管の上端開口を開放するシール突起が設けられ、
前記内キャップおよび前記作動部材のうちのいずれか一方には、上下方向に延び、前記スポイト管の上端開口に連通する作動空間の隔壁の一部をなす摺動筒部が設けられるとともに、前記内キャップおよび前記作動部材のうちのいずれか他方には、前記作動部材が前記内キャップに対して上下動するのに伴い、前記摺動筒部の内周面、若しくは外周面を摺動して前記作動空間を拡縮するピストンが設けられ、
前記内キャップに、所定量以上の前記中心軸線回りの回転が規制された状態で、前記中心軸線回りに回転可能に外装され、かつ前記作動部材に、前記中心軸線回りの回転が規制された状態で外装された外キャップが設けられている、請求項1から3のいずれか1項に記載のスポイト。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スポイトに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えば下記特許文献1に示されるような、上下方向に延びるスポイト管と、スポイト管の上端開口を上方から覆う装着頂壁(頂壁部46)を有し、スポイト管の上端部に装着された装着部材と、装着部材に取付けられ、装着頂壁の上面との間に拡縮空間を画成する弾性変形可能な操作部材(弾性圧搾部58)と、を備え、装着頂壁には、拡縮空間とスポイト管の上端開口とを連通する連通孔(通気孔56)が形成されたスポイトが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2016-33056号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このスポイトでは、スポイト管内に内容物を吸い上げたときに、内容物が連通孔を通して拡縮空間に進入する場合がある。拡縮空間に内容物が進入している状態で、操作部材を押下して弾性変形させ、操作部材を装着頂壁の上面に当接させると、操作部材が、内容物を介して装着頂壁に貼り付いて復元変形しにくくなる。この場合、操作部材を操作して、スポイト管内の内容物を吐出させたり、容器本体内の内容物を吸い上げたりすることが困難になる。
【0005】
本発明は、拡縮空間に内容物が進入している状態で、操作部材を押下して弾性変形させたときに、操作部材が、装着頂壁の上面に内容物を介して貼り付くのを抑制することができるスポイトを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係るスポイトは、上下方向に延びるスポイト管と、前記スポイト管の上端開口を上方から覆う装着頂壁を有し、前記スポイト管の上端部に装着された装着部材と、前記装着部材に取付けられ、前記装着頂壁の上面との間に拡縮空間を画成する弾性変形可能な操作部材と、を備え、前記装着頂壁には、前記拡縮空間と前記スポイト管の上端開口とを連通する連通孔が形成され、前記装着頂壁の上面には、押下されて弾性変形した前記操作部材が、内容物を介して前記装着頂壁の上面に貼り付くのを抑止する貼り付き抑止部が設けられている。
【0007】
上記態様によれば、装着頂壁の上面に、貼り付き抑止部が設けられているので、押下されて弾性変形した操作部材が、装着頂壁の上面に内容物を介して貼り付くのを抑止することができる。
貼り付き抑止部としては、例えば、上面視で十字状を呈するように互いに交差した複数の板体、粗面化を含む凹凸部、若しくは装着頂壁を形成する材質より撥水性の高い材質からなる被覆膜を採用する等、後述の筒体に限らず適宜変更してもよい。
【0008】
前記貼り付き抑止部は、前記装着頂壁の上面から上方に向けて突出した筒状に形成されてもよい。
【0009】
貼り付き抑止部が、装着頂壁の上面から上方に向けて突出した筒状に形成されているので、押下されて弾性変形した操作部材が、貼り付き抑止部の上端開口縁に突き当たり、内容物を介して装着頂壁の上面に当接するのを防ぐことが可能になり、操作部材が、装着頂壁の上面に貼り付くのを抑止することができる。
操作部材を押下する指の腹を、貼り付き抑止部の内側に進入させることが可能になり、指当たりを緩和することができる。
押下されて弾性変形した操作部材が、貼り付き抑止部の上端開口縁に突き当たることで、操作部材の弾性変形量が抑えられることとなり、操作部材を速く復元変形させることができる。
【0010】
前記貼り付き抑止部には、径方向に貫き、上下方向の全長にわたって延びる貫通孔が形成されてもよい。
【0011】
貼り付き抑止部に、径方向に貫き、上下方向の全長にわたって延びる貫通孔が形成されているので、内容物が、貫通孔を通して筒状の貼り付き抑止部を径方向に流通しやすくなり、装着頂壁の上面の内容物を、連通孔を通してスポイト管内に回収させやすくすることができる。
【0012】
前記連通孔は、前記貼り付き抑止部の内周面より径方向の外側に位置してもよい。
【0013】
連通孔が、貼り付き抑止部の内周面より径方向の外側に位置しているので、スポイト管内から連通孔を通過した内容物を、貼り付き抑止部内に進入させにくくすることが可能になり、この内容物を、連通孔を通してスポイト管内に回収させやすくすることができる。
【0014】
前記連通孔は、前記貼り付き抑止部の内周面より径方向の外側に位置し、前記装着頂壁の上面のうち、前記貼り付き抑止部の径方向の内側に位置する部分は、径方向の内側から外側に向かうに従い下方に向けて延びてもよい。
【0015】
装着頂壁の上面のうち、貼り付き抑止部の径方向の内側に位置する部分が、径方向の内側から外側に向かうに従い下方に向けて延びているので、内容物が筒状の貼り付き抑止部内に進入しても、この内容物を貫通孔に向けて導きやすくなり、装着頂壁の上面の内容物を、連通孔を通してスポイト管内に回収させやすくすることができる。
【0016】
前記装着部材は、容器本体の口部に着脱可能に外装され、前記スポイト管の中心軸線回りの回転に伴い前記口部に着脱される内キャップと、前記内キャップに対して前記中心軸線回りに回転することで前記内キャップに対して上下動する作動部材と、を備え、前記スポイト管の上端部は、前記内キャップに固定され、前記作動部材は、前記内キャップに装着された作動周壁、および前記装着頂壁を有する有頂筒状に形成され、前記装着頂壁には、前記スポイト管の上端開口を封止し、前記内キャップに対する前記作動部材の上昇時に、前記スポイト管の上端開口を開放するシール突起が設けられ、前記内キャップおよび前記作動部材のうちのいずれか一方には、上下方向に延び、前記スポイト管の上端開口に連通する作動空間の隔壁の一部をなす摺動筒部が設けられるとともに、前記内キャップおよび前記作動部材のうちのいずれか他方には、前記作動部材が前記内キャップに対して上下動するのに伴い、前記摺動筒部の内周面、若しくは外周面を摺動して前記作動空間を拡縮するピストンが設けられ、前記内キャップに、所定量以上の前記中心軸線回りの回転が規制された状態で、前記中心軸線回りに回転可能に外装され、かつ前記作動部材に、前記中心軸線回りの回転が規制された状態で外装された外キャップが設けられてもよい。
【0017】
容器本体に対して外キャップを前記中心軸線回り沿う緩み側に回転させると、所定量の範囲内で外キャップが内キャップに対して回転する。このとき、外キャップに対する回転が規制された作動部材も、内キャップに対して前記中心軸線回り沿う緩み側に回転することで上昇する。これにより、装着頂壁のシール突起がスポイト管の上端開口を開放し、また、ピストンおよび摺動筒部が互いに摺接し、作動空間の容積の増大に伴って作動空間内が負圧となる。したがって、作動空間に連通しているスポイト管内も負圧となり、スポイト管の下端開口から容器本体の内容物を吸い上げることができる。この際、作動空間の容積の増大量は、ピストンおよび摺動筒部の相対的な上下方向の変位量に基づいて決まるため、外キャップを内キャップに対して所定量回転させる操作により、スポイト管内に略定量の内容物を吸い上げることができる。
その後、外キャップの回転をさらに継続すると、外キャップおよび内キャップが一体に容器本体に対して回転することとなり、内キャップが容器本体の口部から離脱され、スポイト管が容器本体内から引き出される。そして、操作部材を操作して拡縮空間の容積を縮小させると、拡縮空間の空気が、連通孔および作動空間を通してスポイト管の上端開口に流入することで、スポイト管内に保持されていた内容物が、スポイト管の下端開口から吐出される。
【0018】
以上のような、内キャップに対する作動部材の上昇に伴い、装着頂壁のシール突起がスポイト管の上端開口を開放し、スポイト管の上端開口と拡縮空間とが連通孔を通して連通する構成の場合、押下されて弾性変形した操作部材が、装着頂壁の上面に貼り付いている状態で、スポイトが容器本体に装着された後に、作動部材が内キャップに対して上昇する過程において、シール突起がスポイト管の上端開口を開放したときに、操作部材の貼り付きが解除されると、操作部材が復元変形する。この場合、作動空間内の負圧に起因した内容物に加え、操作部材の復元変形に起因した余剰の内容物がスポイト管内に吸上げられることとなる。
しかしながら、上記態様によれば、前述したように、拡縮空間に内容物が進入している状態で、操作部材を押下して弾性変形させたときに、操作部材が、装着頂壁の上面に内容物を介して貼り付くのを抑制することができることから、内キャップに対する作動部材の上昇時に、操作部材の復元変形に起因した余剰の内容物の吸上げが抑えられ、スポイト管内に規定量の内容物を吸い上げることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明の上記態様によれば、拡縮空間に内容物が進入している状態で、操作部材を押下して弾性変形させたときに、操作部材が、装着頂壁の上面に内容物を介して貼り付くのを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】一実施形態に係るスポイトの縦断面図である。
図2図1のII-II線矢視断面図である。
図3図1のIII-III線矢視断面図である。
図4図1において外キャップ等を約90°緩み側に回転させ、操作部材および作動部材を上昇させた状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本実施形態のスポイトを有するスポイト容器について図面に基づいて説明する。
図1に示すように、スポイト容器1aは、容器本体Wと、装着部材100と、外キャップ10と、パッキン20と、操作部材40と、スポイト管60と、しごき筒部材70と、ピストン80と、摺動部材90と、シール材101を備えている。
【0022】
容器本体Wは有底筒状に形成され、その内部に内容物が収容される。容器本体Wの口部W1の外周面に雄ねじ部が形成されている。
内容物としては、例えば薬液、および液体化粧料等が挙げられる。本実施形態におけるスポイト容器1aの構成部品は、樹脂材料により形成されている。本実施形態のスポイト容器1aは、例えばコイルスプリング等の金属製の部材を有していない。
【0023】
装着部材100、外キャップ10、パッキン20、操作部材40、スポイト管60、ピストン80、摺動部材90、およびシール材101は、容器本体Wに着脱可能に装着されたスポイト1を構成している。
【0024】
(方向定義)
容器本体Wおよびスポイト管60それぞれの中心軸線は、共通の軸線上に位置している。以下、この軸線を軸線Oといい、軸線Oに沿う方向を上下方向といい、上下方向に沿って、容器本体Wの口部W1側を上側、容器本体Wの底部側を下側という。上下方向から見て軸線Oに交差する方向を径方向といい、上下方向から見て軸線O回りに周回する方向を周方向という。
周方向に沿う一方側を「緩み側X」という場合がある。作動部材30を内キャップ50に対して緩み側Xに回転させると、作動部材30が内キャップ50に対して上昇し、内キャップ50を口部W1に対して緩み側Xに回転させると、内キャップ50が口部W1に対して上昇する。
周方向に沿う他方側を「締込側Y」という場合がある。作動部材30を内キャップ50に対して締込側Yに回転させると、作動部材30が内キャップ50に対して下降し、内キャップ50を口部W1に対して締込側Yに回転させると、内キャップ50が口部W1に対して下降する。
【0025】
装着部材100は、スポイト管60の上端部に装着されている。装着部材100は、内キャップ50と、作動部材30と、を備えている。
【0026】
内キャップ50は、環状の内キャップ頂壁53および内キャップ周壁51を有する有頂筒状に形成され、軸線Oと同軸に配設されている。内キャップ50は、口部W1に着脱可能に外装され、軸線O回りの回転に伴い口部W1に着脱される。図示の例では、内キャップ周壁51の内周面に、口部W1の外周面に形成された雄ねじ部に螺合する雌ねじ部が形成されている。
【0027】
内キャップ頂壁53には、雄ねじ筒54と、保持筒部57と、が形成されている。雄ねじ筒54、および保持筒部57は、軸線Oと同軸に配設されている。雄ねじ筒54は、内キャップ頂壁53から上方に向けて延び、外周面に雄ねじ部が形成されている。保持筒部57は、内キャップ頂壁53の内周縁部から上方に向けて延びている。保持筒部57の下端部は、内キャップ頂壁53の内周縁部から下方に突出している。
内キャップ周壁51の外周面には、径方向の外側に向けて突出した複数の内規制突起51aが周方向に間隔をあけて形成されている。内規制突起51aは、上下方向に延びる突条状に形成されている。内規制突起51aは、周方向に等間隔をあけて4つ設けられている。
【0028】
作動部材30は、作動頂壁(装着頂壁)32および作動周壁31を有する有頂筒状に形成され、軸線Oと同軸に配設されている。
作動周壁31は、内キャップ50に装着されている。作動周壁31の内周面に、内キャップ50の雄ねじ筒54の雄ねじ部に螺合する雌ねじ部が形成されている。これにより、作動部材30は、内キャップ50に対して軸線O回りに回転することで内キャップ50に対して上下動する。
作動頂壁32は、スポイト管60の上端開口を上方から覆っている。作動頂壁32に、シール突起34と、摺動筒部33と、複数の連通孔32aと、固定溝35と、が設けられている。
【0029】
シール突起34は、作動頂壁32の下面から下方に向けて突出し、周方向に延びる環状に形成され、軸線Oと同軸に配設されている。シール突起34の内周面は、スポイト管60の上端部の内周面より径方向の内側に位置している。シール突起34の外周面は、シール材101のうち、上面と内周面との接続部分を押圧している。シール突起34の外周面は、下方に向かうに従い径方向の内側に向けて延びるとともに、上下方向に沿う縦断面視で、径方向の外側に向けて突の曲線状を呈する。
摺動筒部33は、作動頂壁32の下面から下方に向けて突出し、ピストン80の外周面と、内キャップ50の雄ねじ筒54の内周面と、の間に、差し込まれている。摺動筒部33は、スポイト管60の上端開口に連通する作動空間Sの隔壁の一部をなしている。図示の例では、摺動筒部33における径方向の内側が作動空間Sとなっている。摺動筒部33の内周面に、ピストン80の摺接部81が気密に上下摺動可能に当接している。これにより、作動部材30が内キャップ50に対して上下動するのに伴い、ピストン80の摺接部81が摺動筒部33の内周面を摺動して作動空間Sを拡縮する。作動空間Sは、摺動筒部33内のうち、ピストン80より上方に位置する部分となっている。
連通孔32aは、作動頂壁32を上下方向に貫いて、作動空間Sに開口している。連通孔32aは、シール突起34と、摺動筒部33の内周面と、の間に位置している。
固定溝35は、作動頂壁32の上面のうち、連通孔32aより径方向の外側に位置する部分に形成され、周方向の全長にわたって連続して延びている。
【0030】
ピストン80は、内キャップ50に設けられている。ピストン80は、環状に形成され、保持筒部57の上端部に外嵌されて固定されている。ピストン80には、径方向の外側に向けて突出する環状の摺接部81が形成されている。
【0031】
操作部材40は、弾性膜41と、固定部42と、を有し、ゴムあるいはエラストマーなどの軟材質で形成されている。固定部42は、環状に形成され、弾性膜41よりも肉厚に形成されている。固定部42は、作動部材30の固定溝35に嵌合されて固定されている。弾性膜41は、弾性変形可能に形成され、固定部42から上方に膨出し、作動頂壁32の上面を覆っている。
以上より、操作部材40は、作動部材30に取付けられ、作動部材30との間に、スポイト管60の上端開口に連通する拡縮空間Kを画成する。拡縮空間Kは、連通孔32aおよび作動空間Sを通して、スポイト管60の上端開口に連通する。
【0032】
スポイト管60は、上下方向に延びている。スポイト管60の上端部は、内キャップ50に固定されている。スポイト管60の上端部は、内キャップ50の保持筒部57内に嵌合されている。スポイト管60の下端開口は容器本体W内に位置している。スポイト管60、および保持筒部57それぞれの上端開口縁は、同じ上下方向の位置に位置している。スポイト管60の上端開口は、作動空間Sおよび拡縮空間Kに連通可能となっている。スポイト管60の上端部に、径方向の外側に向けて突出したフランジ部61が形成されている。フランジ部61の上面に、保持筒部57の下端開口縁が当接している。
【0033】
シール材101は、作動頂壁32の下面と、スポイト管60の上端開口と、の間に設けられ、シール突起34により下方に押し付けられ、スポイト管60の上端開口を封止する。
シール材101は、作動部材30を形成する材質より軟らかい材質で形成されている。シール材101を形成する材質は、例えばポリプロピレンを主材とするエラストマー等となっている。シール材101を形成する材質の主材は、作動部材30を形成する材質と同じになっている。
シール材101は、ピストン80と一体に形成されている。シール材101は、環状に形成され、ピストン80から径方向の内側に向けて突出している。シール材101の内周面は、上方から下方に向かうに従い径方向の内側に向けて延びている。シール材101は、スポイト管60、および保持筒部57それぞれの上端開口縁に配置されている。シール材101の径方向の内端部に、下方に向けて突出し、スポイト管60の上端部内に嵌合された嵌合突起101aが形成されている。
【0034】
しごき筒部材70は、口部W1に固定され、しごき筒部材70内にスポイト管60が挿通されている。しごき筒部材70は、口部W1内に嵌合されている。しごき筒部材70の上端部72は、径方向の外側に向けて突出し、口部W1の上端開口縁に配置されている。しごき筒部材70の内周面と、スポイト管60の外周面と、の間には、径方向の隙間が設けられている。
しごき筒部材70の内周面に、径方向の内側に向けて突出し、スポイト管60の外周面に当接するしごき突片71が形成されている。しごき突片71は、弾性変形可能に形成されている。しごき突片71は、周方向の全長にわたって延びている。しごき突片71には、上下方向に貫く複数の貫通孔73が周方向に間隔をあけて形成されている。
【0035】
パッキン20は、環状に形成され、スポイト管60に外嵌されて固定されている。パッキン20のうち、径方向の内側部分の上面は、スポイト管60のフランジ部61の下面に当接、若しくは近接している。パッキン20のうち、径方向の外側部分は、しごき筒部材70の上端部72の上面と、内キャップ頂壁53の下面と、により上下方向に挟まれて圧縮変形している。パッキン20の径方向の外側部分のうち、上面に凹部が形成され、凹部の直下に位置する下面に突部が形成されている。
【0036】
外キャップ10は、外キャップ周壁11および外キャップ頂壁12を有する有頂筒状に形成されている。外キャップ10は、軸線Oと同軸に配設されている。
外キャップ頂壁12は、環状に形成され、操作部材40の固定部42の上面を押圧している。外キャップ頂壁12内に、操作部材40の弾性膜41が挿入されている。
外キャップ周壁11は、作動部材30、および内キャップ50を径方向の外側から囲っている。外キャップ周壁11内に、作動部材30が、上下方向の移動が規制された状態で嵌合されている。
【0037】
外キャップ周壁11の内周面に、径方向の内側に向けて突出した複数の外規制突起11aが周方向に間隔をあけて形成されている。外規制突起11aは、上下方向に延びる突条状に形成されている。外規制突起11aは、周方向に等間隔をあけて2つ設けられている。図2に示されるように、2つの外規制突起11aは、内キャップ50の内規制突起51aのうち、周方向の緩み側Xを向く面に当接、若しくは近接している。
これにより、外キャップ10を周方向に沿う緩み側Xに向けて回転させると、外規制突起11aが周方向に沿う緩み側Xに移動し、外キャップ10が内キャップ50に対して回転する。その後、外規制突起11aが、他の内規制突起51aにおける周方向に沿う締込側Yを向く面に突き当たると、内キャップ50に対する外キャップ10の回転移動が規制される。つまり、外キャップ10は、内キャップ50に、所定量以上の軸線O回りの回転が規制された状態で、軸線O回りに回転可能に外装されている。
【0038】
図1に示されるように、外キャップ周壁11の内周面、および作動周壁31の外周面には、互いが周方向に係合することで、外キャップ10および作動部材30の周方向の相対回転を規制する回り止め突起13が各別に形成されている。回り止め突起13は、外キャップ周壁11の内周面、および作動周壁31の外周面から各別に径方向に突出し、かつ上下方向に延びる突条状に形成されている。回り止め突起13は、外規制突起11aおよび内規制突起51aより上方に設けられている。
【0039】
摺動部材90は、外キャップ周壁11の内周面と、口部W1の外周面と、の間に設けられている。摺動部材90は、環状に形成され、外キャップ周壁11内に、上下方向の移動が規制された状態で嵌合されている。
ここで、口部W1は、内キャップ周壁51が螺着された上部と、上部より下方に位置し、かつ上部より外径が大きい下部と、を備えている。
摺動部材90は、口部W1の下部に摺動可能に嵌合されている。摺動部材90は、外キャップ10を周方向に回転させる過程において、外キャップ10が内キャップ50に対して回転するときと、外キャップ10が内キャップ50とともに回転するときと、の双方で、口部W1の下部の外周面を摺動する。
摺動部材90は、外キャップ周壁11内に嵌合された環状の硬質部91と、硬質部91よりも軟らかい材質(例えばエラストマー等)で弾性変形可能に形成され、口部W1の外周面に弾性変形した状態で当接した環状の軟質部92と、を備えている。
【0040】
そして、本実施形態では、図1および図3に示されるように、作動頂壁32の上面に、押下されて弾性変形した操作部材40が、内容物を介して作動頂壁32の上面に貼り付くのを抑止する貼り付き抑止部36が設けられている。貼り付き抑止部36は、作動頂壁32の上面から上方に向けて突出した筒状に形成されている。貼り付き抑止部36は、円筒状に形成され、軸線Oと同軸に配設されている。
作動頂壁32の上面のうち、固定溝35より径方向の内側に位置する部分に窪み部32bが形成されており、貼り付き抑止部36は、窪み部32bの底面から上方に向けて突出している。貼り付き抑止部36は、窪み部32bの上端開口より下方に位置している。
【0041】
貼り付き抑止部36には、径方向に貫き、上下方向の全長にわたって延びる貫通孔36aが形成されている。貫通孔36aは、上下方向に延びる長孔となっている。貫通孔36aは、周方向に間隔をあけて複数設けられている。図示の例では、貫通孔36aは、周方向に等間隔をあけて4つ設けられている。
【0042】
ここで、窪み部32bの底面において、貫通孔36aと径方向に隣接する部分に、連通孔32aが設けられている。連通孔32aは、貼り付き抑止部36の内周面より径方向の外側に位置している。連通孔32aの径方向の内端部は、貼り付き抑止部36の外周面と同等の径方向の位置に位置している。
作動頂壁32の上面のうち、貼り付き抑止部36の径方向の内側に位置する部分は、径方向の内側から外側に向かうに従い下方に向けて延びている。
【0043】
貼り付き抑止部36には、径方向の外側に向けて突出した複数のリブ36bが周方向に間隔をあけて形成されている。リブ36bは、表裏面が周方向を向く板状に形成されている。リブ36bの上端面は、貼り付き抑止部36の上端開口縁と段差無く連なっている。リブ36bの下端部は、作動頂壁32の上面に連結されている。リブ36bは、周方向で隣り合う貫通孔36a同士の間に設けられている。リブ36bの径方向の外端部は、連通孔32aの径方向の外端部より径方向の内側に位置している。
【0044】
次に、以上のように構成されたスポイト容器1aの作用について説明する。
【0045】
外キャップ10を容器本体Wに対して周方向に沿う緩み側Xに回転させると、外キャップ周壁11の内周面、および作動周壁31の外周面に、互いが周方向に係合する回り止め突起13が各別に形成されているので、外キャップ10とともに作動部材30が容器本体Wに対して回転する。この際、外キャップ10の外規制突起11aが、内キャップ50の内規制突起51aにおける周方向に沿う締込側Yを向く面に突き当たるまでは、外キャップ10は内キャップ50に対して空転する。これにより、外規制突起11aが、内規制突起51aにおける周方向に沿う締込側Yを向く面に突き当たるまでは、外キャップ10、および作動部材30が、内キャップ50に対して回転する。
【0046】
作動部材30が、内キャップ50に対して緩み側Xに回転すると、作動部材30の作動周壁31が、内キャップ50の雄ねじ筒54に螺着されていることから、図4に示されるように、作動部材30が外キャップ10および操作部材40とともに、内キャップ50に対して上昇する。この際、作動部材30のシール突起34が、シール材101から上方に離反して、スポイト管60の上端開口が開放され、また、作動部材30の摺動筒部33が、ピストン80の摺接部81に摺接しつつ上昇することで、作動空間Sの容積が増大し、作動空間S内が負圧となる。このため、スポイト管60の下端開口から容器本体W内の内容物が吸い上げられる。スポイト管60内に吸い上げられる内容物の量は、ピストン80に対する摺動筒部33の上昇量によって定まる。したがって、スポイト容器1aは、略定量の内容物をスポイト管60内に吸い上げることができる。この際、作動周壁31と内キャップ50の雄ねじ筒54との螺着状態、並びに摺動部材90内への口部W1の下部の嵌合状態は維持される。
【0047】
外規制突起11aを、内規制突起51aにおける周方向に沿う締込側Yを向く面に突き当てた状態からさらに、外キャップ10を、容器本体Wに対して周方向に沿う緩み側Xに向けて回転させると、外キャップ10とともに内キャップ50が回転する。これにより、内キャップ50が、容器本体Wに対して周方向に沿う緩み側Xに向けて回転し、スポイト1が、容器本体Wから上方に離脱可能となる。そして、スポイト1を容器本体Wに対して引き上げると、しごき筒部材70の内周面に形成されたしごき突片71が、スポイト管60の外周面に摺接することで、スポイト管60の外周面に付着していた内容物をしごき落とす。
【0048】
スポイト1を容器本体Wから取り外した後、例えば外キャップ10を把持しながら操作部材40の弾性膜41を押し込むと、図4に二点鎖線で示されるように、弾性膜41が下方に弾性変形し、拡縮空間Kの容積が小さくなる。この際、弾性膜41が、貼り付き抑止部36の上端部に突き当たる。その結果、拡縮空間Kの空気が、連通孔32aおよび作動空間Sを通して、スポイト管60の上端開口に流入することで、スポイト管60内に保持されていた内容物が、スポイト管60の下端開口から吐出される。
なお、消費者が吐出量に不足を感じた場合等には、スポイト1を容器本体Wに装着することなく、スポイト管60の下端部を容器本体W内の内容物に浸漬させた状態で、操作部材40の弾性膜41を弾性変形させて、スポイト管60内に内容物を吸い上げ、その後、前述と同様にしてスポイト管60の下端開口から内容物を吐出させてもよい。
【0049】
スポイト1を容器本体Wに再び装着する際は、外キャップ10を容器本体Wに対して周方向に沿う締込側Yに回転させると、外規制突起11aが、内規制突起51aにおける周方向に沿う緩み側Xを向く面に突き当たるまでは、外キャップ10が内キャップ50に対して空転する。これにより、外規制突起11aが、内規制突起51aにおける周方向に沿う緩み側Xを向く面に突き当たるまでは、外キャップ10、および作動部材30が、内キャップ50に対して回転して下降する。この際、作動空間Sの容積が減少するが、作動頂壁32のシール突起34がシール材101に当接するまでは、作動空間S内の空気がスポイト管60内に流入し、作動空間S、および拡縮空間Kの内圧の上昇が抑えられる。
【0050】
その後、外キャップ10をさらに容器本体Wに対して周方向に沿う締込側Yに回転させると、外規制突起11aが、内規制突起51aにおける周方向に沿う緩み側Xを向く面に突き当たり、内キャップ50も容器本体Wに対して周方向に沿う締込側Yに回転し、スポイト1が容器本体Wに装着される。
【0051】
以上説明したように、本実施形態のスポイト1によれば、作動頂壁32の上面に、貼り付き抑止部36が設けられているので、押下されて弾性変形した操作部材40が、作動頂壁32の上面に内容物を介して貼り付くのを抑止することができる。
【0052】
貼り付き抑止部36が、作動頂壁32の上面から上方に向けて突出した筒状に形成されているので、押下されて弾性変形した操作部材40が、貼り付き抑止部36の上端開口縁に突き当たり、内容物を介して作動頂壁32の上面に当接するのを防ぐことが可能になり、操作部材40が、作動頂壁32の上面に貼り付くのを抑止することができる。
操作部材40を押下する指の腹を、貼り付き抑止部36の内側に進入させることが可能になり、指当たりを緩和することができる。
押下されて弾性変形した操作部材40が、貼り付き抑止部36の上端開口縁に突き当たることで、操作部材40の弾性変形量が抑えられることとなり、操作部材40を速く復元変形させることができる。
【0053】
貼り付き抑止部36に、径方向に貫き、上下方向の全長にわたって延びる貫通孔36aが形成されているので、内容物が、貫通孔36aを通して筒状の貼り付き抑止部36を径方向に流通しやすくなり、作動頂壁32の上面の内容物を、連通孔32aを通してスポイト管60内に回収させやすくすることができる。
【0054】
連通孔32aが、貼り付き抑止部36の内周面より径方向の外側に位置しているので、スポイト管60内から連通孔32aを通過した内容物を、貼り付き抑止部36内に進入させにくくすることが可能になり、この内容物を、連通孔32aを通してスポイト管60内に回収させやすくすることができる。
【0055】
作動頂壁32の上面のうち、貼り付き抑止部36の径方向の内側に位置する部分が、径方向の内側から外側に向かうに従い下方に向けて延びているので、内容物が筒状の貼り付き抑止部36内に進入しても、この内容物を貫通孔36aに向けて導きやすくなり、作動頂壁32の上面の内容物を、連通孔32aを通してスポイト管60内に回収させやすくすることができる。
【0056】
本実施形態のような、内キャップ50に対する作動部材30の上昇に伴い、作動頂壁32のシール突起34がスポイト管60の上端開口を開放し、スポイト管60の上端開口と拡縮空間Kとが連通孔32aを通して連通する構成の場合、押下されて弾性変形した操作部材40が、作動頂壁32の上面に貼り付いている状態で、スポイト1が容器本体Wに装着された後に、作動部材30が内キャップ50に対して上昇する過程において、シール突起34がスポイト管60の上端開口を開放したときに、操作部材40の貼り付きが解除されると、操作部材40が復元変形する。この場合、作動空間S内の負圧に起因した内容物に加え、操作部材40の復元変形に起因した余剰の内容物がスポイト管60内に吸上げられることとなる。
しかしながら、本実施形態によれば、前述したように、拡縮空間Kに内容物が進入している状態で、操作部材40を押下して弾性変形させたときに、操作部材40が、作動頂壁32の上面に内容物を介して貼り付くのを抑制することができることから、内キャップ50に対する作動部材30の上昇時に、操作部材40の復元変形に起因した余剰の内容物の吸上げが抑えられ、スポイト管60内に規定量の内容物を吸い上げることができる。
【0057】
なお、本発明の技術的範囲は前記実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
【0058】
例えば、摺動筒部33を内キャップ50に設け、ピストン80を作動部材30に設けてもよい。また、作動部材30が内キャップ50に対して上下動するのに伴い、ピストン80が摺動筒部33の外周面を摺動してもよい。
作動部材30は、シール突起34を有しなくてもよい。
【0059】
スポイト1として、外キャップ10、ピストン80、および摺動筒部33を有さず、内キャップ50および作動部材30が一体に形成された構成を採用してもよい。
【0060】
貼り付き抑止部36として、例えば、上面視で十字状を呈するように互いに交差した複数の板体、粗面化を含む凹凸部、若しくは作動頂壁32を形成する材質より撥水性の高い材質からなる被覆膜を採用する等、筒体に限らず適宜変更してもよい。
貼り付き抑止部36は、軸線Oと同軸に配設された複数の筒体により構成してもよい。
貼り付き抑止部36に、貫通孔36aを形成しなくてもよい。
作動頂壁32の上面のうち、貼り付き抑止部36の径方向の内側に位置する部分を、例えば平坦面に形成してもよい。
【0061】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上記した実施形態や変形例を適宜組み合わせてもよい。
【0062】
本発明の態様は、例えば以下の通りである。
<1>
上下方向に延びるスポイト管と、
前記スポイト管の上端開口を上方から覆う装着頂壁を有し、前記スポイト管の上端部に装着された装着部材と、
前記装着部材に取付けられ、前記装着頂壁の上面との間に拡縮空間を画成する弾性変形可能な操作部材と、を備え、
前記装着頂壁には、前記拡縮空間と前記スポイト管の上端開口とを連通する連通孔が形成され、
前記装着頂壁の上面には、押下されて弾性変形した前記操作部材が、内容物を介して前記装着頂壁の上面に貼り付くのを抑止する貼り付き抑止部が設けられている、スポイト。
<2>
前記貼り付き抑止部は、前記装着頂壁の上面から上方に向けて突出した筒状に形成されている、前記<1>に記載のスポイト。
<3>
前記貼り付き抑止部には、径方向に貫き、上下方向の全長にわたって延びる貫通孔が形成されている、前記<2>に記載のスポイト。
<4>
前記連通孔は、前記貼り付き抑止部の内周面より径方向の外側に位置している、前記<2>または<3>に記載のスポイト。
<5>
前記連通孔は、前記貼り付き抑止部の内周面より径方向の外側に位置し、
前記装着頂壁の上面のうち、前記貼り付き抑止部の径方向の内側に位置する部分は、径方向の内側から外側に向かうに従い下方に向けて延びている、前記<2>から<4>のいずれか1つに記載のスポイト。
<6>
前記装着部材は、
容器本体の口部に着脱可能に外装され、前記スポイト管の中心軸線回りの回転に伴い前記口部に着脱される内キャップと、
前記内キャップに対して前記中心軸線回りに回転することで前記内キャップに対して上下動する作動部材と、を備え、
前記スポイト管の上端部は、前記内キャップに固定され、
前記作動部材は、前記内キャップに装着された作動周壁、および前記装着頂壁を有する有頂筒状に形成され、
前記装着頂壁には、前記スポイト管の上端開口を封止し、前記内キャップに対する前記作動部材の上昇時に、前記スポイト管の上端開口を開放するシール突起が設けられ、
前記内キャップおよび前記作動部材のうちのいずれか一方には、上下方向に延び、前記スポイト管の上端開口に連通する作動空間の隔壁の一部をなす摺動筒部が設けられるとともに、前記内キャップおよび前記作動部材のうちのいずれか他方には、前記作動部材が前記内キャップに対して上下動するのに伴い、前記摺動筒部の内周面、若しくは外周面を摺動して前記作動空間を拡縮するピストンが設けられ、
前記内キャップに、所定量以上の前記中心軸線回りの回転が規制された状態で、前記中心軸線回りに回転可能に外装され、かつ前記作動部材に、前記中心軸線回りの回転が規制された状態で外装された外キャップが設けられている、前記<1>から<5>のいずれか1つに記載のスポイト。
【符号の説明】
【0063】
1 スポイト
1a スポイト容器
10 外キャップ
30 作動部材
31 作動周壁
32 作動頂壁(装着頂壁)
32a 連通孔
33 摺動筒部
34 シール突起
36 貼り付き抑止部
36a 貫通孔
40 操作部材
50 内キャップ
60 スポイト管
80 ピストン
100 装着部材
K 拡縮空間
O 軸線(中心軸線)
S 作動空間
W 容器本体
W1 口部
図1
図2
図3
図4