(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024051744
(43)【公開日】2024-04-11
(54)【発明の名称】プリンタ、プリンタのためのコンピュータプログラム、及び、プリンタによって実行される方法
(51)【国際特許分類】
B41J 29/38 20060101AFI20240404BHJP
B41J 21/00 20060101ALI20240404BHJP
H04N 1/00 20060101ALI20240404BHJP
B41J 11/70 20060101ALI20240404BHJP
【FI】
B41J29/38 201
B41J29/38 203
B41J29/38 206
B41J21/00 Z
H04N1/00 567M
B41J11/70
【審査請求】未請求
【請求項の数】11
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022158060
(22)【出願日】2022-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】林 寛之
【テーマコード(参考)】
2C058
2C061
2C187
5C062
【Fターム(参考)】
2C058AC07
2C058AE02
2C058AF51
2C058LA03
2C058LA24
2C058LB06
2C058LC02
2C061AQ05
2C061AS02
2C061HJ06
2C061HJ10
2C061HK07
2C061HK11
2C061HN05
2C061HN15
2C187AC08
2C187BF29
2C187BF60
2C187DB27
2C187DB33
5C062AA05
5C062AB08
5C062AB20
5C062AB22
5C062AB30
5C062AB32
5C062AB34
5C062AB38
5C062AB40
5C062AB42
5C062AB46
5C062AB53
5C062AC02
5C062AC04
5C062AC17
5C062AC22
5C062AC24
5C062AC38
5C062AF10
5C062AF12
(57)【要約】
【課題】カット紙の切断に関する所定処理を実行するのか否かを切替えることが可能なプリンタを開示すること。
【解決手段】プリンタは、カット紙を収容する収容部と、収容部からカット紙を搬送する搬送部と、カット紙への印刷を実行する印刷実行部と、カット紙の切断に関する所定処理を実行する処理実行部と、端末装置から印刷実行コマンドが受信される前に、所定処理を実行するための認証情報として第1の認証情報を記憶するように構成されるメモリと、制御部と、を備える。プリンタは、端末装置から印刷実行コマンドを受信する場合に、カット紙の搬送を搬送部に実行させて、カット紙への印刷画像の印刷を印刷実行部に実行させ、印刷実行コマンドがメモリ内の第1の認証情報を含む場合に、カット紙への所定処理を処理実行部に実行させる。印刷実行コマンドがメモリ内の第1の認証情報を含まない場合に、カット紙への所定処理は実行されない。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリンタであって、
カット紙を収容する収容部と、
前記収容部から前記カット紙を搬送する搬送部と、
前記カット紙への印刷を実行する印刷実行部と、
前記カット紙の切断に関する所定処理を実行する処理実行部と、
端末装置から印刷実行コマンドが受信される前に、前記所定処理を実行するための認証情報として第1の認証情報を記憶するように構成されるメモリと、
制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記端末装置から前記印刷実行コマンドが受信される場合に、前記カット紙の搬送を前記搬送部に実行させて、前記カット紙への印刷画像の印刷を前記印刷実行部に実行させる印刷制御部と、
前記印刷実行コマンドが前記メモリ内の前記第1の認証情報を含む場合に、前記カット紙への前記所定処理を前記処理実行部に実行させる処理制御部であって、前記印刷実行コマンドが前記メモリ内の前記第1の認証情報を含まない場合に、前記カット紙への前記所定処理は実行されない、前記処理制御部と、
を備える、プリンタ。
【請求項2】
前記所定処理は、第1のサイズを有する第1のカット紙から、前記第1のサイズよりも小さい第2のサイズを有する第2のカット紙を形成するための切断に関する処理である、請求項1に記載のプリンタ。
【請求項3】
前記所定処理は、前記第1のカット紙の第1の長辺の中央と、前記第1のカット紙の第2の長辺の中央と、を結ぶ直線に沿った切断に関する処理であり、
前記第2のサイズは、前記第1のサイズの半分のサイズである、請求項2に記載のプリンタ。
【請求項4】
前記メモリは、さらに、前記端末装置から前記印刷実行コマンドが受信される前に、前記所定処理を実行するための認証情報として、前記第1の認証情報と、前記第1の認証情報とは異なる第2の認証情報と、を記憶するように構成されており、
前記印刷実行コマンドは、前記第1のサイズに対応する第1の印刷画像を表わす画像データを含み、
前記印刷制御部は、
前記印刷実行コマンドが前記メモリ内の前記第1の認証情報を含む場合に、前記第1のカット紙への前記第1の印刷画像の印刷を前記印刷実行部に実行させ、
前記印刷実行コマンドが前記メモリ内の前記第2の認証情報を含む場合に、
前記第1の印刷画像を縮小して、前記第2のサイズに対応する第2の印刷画像を生成し、
前記第2の印刷画像を90°回転させて回転済み画像を生成し、
前記第1のカット紙の特定の領域への前記回転済み画像の印刷を前記印刷実行部に実行させ、
前記特定の領域は、前記直線によって分離される2つの領域のうちの一方の領域であり、
前記処理制御部は、前記印刷実行コマンドが前記第1の認証情報及び前記第2の認証情報のどちらかを含む場合に、前記第1のカット紙への前記所定処理を前記処理実行部に実行させ、
前記印刷実行コマンドが前記第1の認証情報及び前記第2の認証情報のどちらも含まない場合に、前記第1のカット紙への前記所定処理は実行されない、請求項3に記載のプリンタ。
【請求項5】
前記プリンタは、さらに、操作部を備え、
前記制御部は、さらに、
前記印刷実行コマンドが、前記第1の認証情報とは異なる第3の認証情報であって、前記所定処理を実行するための認証情報として前記メモリに記憶されていない前記第3の認証情報を含む場合に、前記第3の認証情報を前記メモリに記憶させる第1の記憶制御部を備え、
前記印刷制御部は、
前記印刷実行コマンドが前記メモリ内の前記第1の認証情報を含む場合に、ユーザから前記操作部を介した前記第1の認証情報の入力を受付けることなく、前記カット紙への前記印刷画像の印刷を前記印刷実行部に実行させ、
前記印刷実行コマンドが前記第3の認証情報を含む場合に、前記ユーザから前記操作部を介した前記第3の認証情報の入力を受付ける場合に、前記カット紙への前記印刷画像の印刷を前記印刷実行部に実行させ、
前記印刷実行コマンドが前記第3の認証情報を含む場合に、前記カット紙への前記所定処理は実行されない、請求項1に記載のプリンタ。
【請求項6】
前記プリンタは、さらに、操作部を備え、
前記印刷制御部は、前記印刷実行コマンドが前記メモリ内の前記第1の認証情報を含む場合に、ユーザから前記操作部を介した前記第1の認証情報の入力を受付ける場合に、前記カット紙への前記印刷画像の印刷を前記印刷実行部に実行させる、請求項1に記載のプリンタ。
【請求項7】
前記メモリは、さらに、フラグ情報を記憶するように構成されており、
前記フラグ情報は、前記所定処理の実行が許可されていることを示す許可情報と、前記所定処理の実行が禁止されていることを示す禁止情報と、のどちらかを示し、
前記処理制御部は、前記印刷実行コマンドが前記メモリ内の前記第1の認証情報を含み、かつ、前記メモリ内の前記フラグ情報が前記許可情報を示す場合に、前記カット紙への前記所定処理を前記処理実行部に実行させ、
前記印刷実行コマンドが前記メモリ内の前記第1の認証情報を含み、かつ、前記メモリ内の前記フラグ情報が前記禁止情報を示す場合に、前記カット紙への前記所定処理は実行されない、請求項1に記載のプリンタ。
【請求項8】
前記メモリは、さらに、前記所定処理の実行が許可される1以上の許可ユーザ情報を記憶可能に構成されており、
前記制御部は、さらに、
前記端末装置から、前記端末装置のユーザを識別する特定のユーザ情報を受信するユーザ情報受信部を備え、
前記処理制御部は、前記印刷実行コマンドが前記メモリ内の前記第1の認証情報を含み、かつ、前記メモリ内の前記1以上の許可ユーザ情報が前記特定のユーザ情報を含む場合に、前記カット紙への前記所定処理を前記処理実行部に実行させ、
前記印刷実行コマンドが前記メモリ内の前記第1の認証情報を含み、かつ、前記メモリ内の前記1以上の許可ユーザ情報が前記特定のユーザ情報を含まない場合に、前記カット紙への前記所定処理は実行されない、請求項1に記載のプリンタ。
【請求項9】
前記制御部は、さらに、
前記プリンタが出荷された後に、前記第1の認証情報が前記プリンタに入力される場合に、前記第1の認証情報を前記メモリに記憶させる第2の記憶制御部を備える、請求項1に記載のプリンタ。
【請求項10】
プリンタのためのコンピュータプログラムであって、
前記プリンタは、
カット紙を収容する収容部と、
前記収容部から前記カット紙を搬送する搬送部と、
前記カット紙への印刷を実行する印刷実行部と、
前記カット紙の切断に関する所定処理を実行する処理実行部と、
端末装置から印刷実行コマンドが受信される前に、前記所定処理を実行するための認証情報として第1の認証情報を記憶するように構成されるメモリと、を備え、
前記コンピュータプログラムは、前記プリンタのコンピュータを以下の各部、即ち、
前記端末装置から前記印刷実行コマンドが受信される場合に、前記カット紙の搬送を前記搬送部に実行させて、前記カット紙への印刷画像の印刷を前記印刷実行部に実行させる印刷制御部と、
前記印刷実行コマンドが前記メモリ内の前記第1の認証情報を含む場合に、前記カット紙への前記所定処理を前記処理実行部に実行させる処理制御部であって、前記印刷実行コマンドが前記メモリ内の前記第1の認証情報を含まない場合に、前記カット紙への前記所定処理は実行されない、前記処理制御部と、
として機能させるコンピュータプログラム。
【請求項11】
プリンタによって実行される方法であって、
前記プリンタは、
カット紙を収容する収容部と、
前記収容部から前記カット紙を搬送する搬送部と、
前記カット紙への印刷を実行する印刷実行部と、
前記カット紙の切断に関する所定処理を実行する処理実行部と、
端末装置から印刷実行コマンドが受信される前に、前記所定処理を実行するための認証情報として第1の認証情報を記憶するように構成されるメモリと、を備え、
前記方法は、
前記端末装置から前記印刷実行コマンドが受信される場合に、前記カット紙の搬送を前記搬送部に実行させて、前記カット紙への印刷画像の印刷を前記印刷実行部に実行させる印刷制御ステップと、
前記印刷実行コマンドが前記メモリ内の前記第1の認証情報を含む場合に、前記カット紙への前記所定処理を前記処理実行部に実行させる処理制御ステップであって、前記印刷実行コマンドが前記メモリ内の前記第1の認証情報を含まない場合に、前記カット紙への前記所定処理は実行されない、前記処理制御ステップと、
備える、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書では、カット紙の切断に関する所定処理を実行可能なプリンタに関する技術を開示する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、カット紙を切断可能な印刷装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本明細書では、カット紙の切断に関する所定処理を実行するのか否かを切替えることが可能なプリンタを開示する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書によって開示されるプリンタは、カット紙を収容する収容部と、前記収容部から前記カット紙を搬送する搬送部と、前記カット紙への印刷を実行する印刷実行部と、前記カット紙の切断に関する所定処理を実行する処理実行部と、端末装置から印刷実行コマンドが受信される前に、前記所定処理を実行するための認証情報として第1の認証情報を記憶するように構成されるメモリと、制御部と、を備えてもよい。前記制御部は、前記端末装置から前記印刷実行コマンドが受信される場合に、前記カット紙の搬送を前記搬送部に実行させて、前記カット紙への印刷画像の印刷を前記印刷実行部に実行させる印刷制御部と、前記印刷実行コマンドが前記メモリ内の前記第1の認証情報を含む場合に、前記カット紙への前記所定処理を前記処理実行部に実行させる処理制御部であって、前記印刷実行コマンドが前記メモリ内の前記第1の認証情報を含まない場合に、前記カット紙への前記所定処理は実行されない、前記処理制御部と、を備えてもよい。
【0006】
上記の構成によると、プリンタは、端末装置から、第1の認証情報を含む印刷実行コマンドを受信する場合に、カット紙への所定処理を実行し、端末装置から、第1の認証情報を含まない印刷実行コマンドを受信する場合に、カット紙への所定処理を実行しない。従って、プリンタは、カット紙への所定処理を実行するのか否かを切替えることができる。
【0007】
上記のプリンタを実現するためのコンピュータプログラム、及び、当該コンピュータプログラムを格納するコンピュータ読取可能記録媒体も、新規で有用である。上記のプリンタによって実行される方法も、新規で有用である。また、上記のプリンタと端末装置とを備える通信システムも、新規で有用である。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図7】カット機能名「通常カット」を利用した印刷が実行されるケースA、及び、印刷が実行されないケースBのシーケンス図を示す。
【
図8】蓄積印刷が実行されるケースC、及び、ケースDのシーケンス図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(実施例)
(プリンタ10のハードウェア構成;
図1)
図1のプリンタ10は、印刷機能を実行可能な周辺装置(即ちPC等の周辺装置)である。プリンタ10は、収容部18と、搬送部20と、印刷実行部22と、切断部24と、排紙トレイ50と、を備える。収容部18と搬送部20と印刷実行部22と切断部24とは、プリンタ10の図示省略の筐体の内部に設けられている。排紙トレイ50は、筐体の外部に露出している。
【0010】
収容部18は、カット紙56を収容する。「カット紙」とは、例えば、A3サイズ、A4サイズ、A5サイズ、レターサイズ、はがきサイズ等の予め決められたサイズにカットされている用紙である。本実施例では、A4サイズのカット紙56が収容部18に収容されている。
【0011】
搬送部20は、搬送路52と、複数個のローラ58、60、62、64、66と、を備える。収容部18に収容されているカット紙56は、各ローラ58等によって搬送路52に沿って搬送される。
【0012】
印刷実行部22は、本実施例では、インクジェットヘッド68を備える。インクジェットヘッド68は、ローラ58、60によって搬送されたカット紙56上にインクを吐出することによって、印刷画像をカット紙56に印刷する。印刷済みのカット紙56は、ローラ62、64によって搬送方向の下流側にさらに搬送される。変形例では、印刷実行部22は、レーザ方式の印刷機構を備えていてもよい。
【0013】
切断部24は、図示省略の切断刃を備える。切断部24は、切断刃が
図1の紙面垂直方向に移動することによって、印刷済みのカット紙56を切断する。これにより、カット紙56は、搬送方向の上流側の部分及び下流側の部分に分断される。特に、切断部24は、カット紙56の第1の長辺の中央と、カット紙56の第2の長辺の中央と、を結ぶ直線を切断することによって、カット紙56を半分に切断する。第2の長辺は、第1の長辺に対向する長辺である。即ち、切断部24は、例えば、A4サイズのカット紙56を半分に切断して、2枚のA5サイズの切断済み用紙を形成することができる。切断済みの各カット紙56は、ローラ66によって搬送方向の下流側にさらに搬送される。これにより、切断済みの各カット紙56は、排紙トレイ50に到達する。
【0014】
このように、本実施例のプリンタ10は、カット紙56を切断するカット機能を有する。このために、プリンタ10のユーザは、例えばA4サイズのカット紙56を準備すれば、A4サイズよりも小さいサイズ(例えばA5サイズ)を有する印刷済み用紙を入手することができる。例えば、ユーザがA5サイズのカット紙56を所持していないがA5サイズのカット紙56への印刷を望む状況において、プリンタ10は、A4サイズのカット紙56に対する印刷及び切断を実行することによって、A5サイズのカット紙56をユーザに提供することができる。
【0015】
(プリンタ10の制御構成;
図2)
続いて、
図2を参照して、プリンタ10の制御構成を説明する。プリンタ10と各PC100A、100B、100Cとによって通信システム2が実現される。プリンタ10と各PC100A、100B、100Cとは、LAN(Local Area Networkの略)4に接続されている。プリンタ10及び各PC100A、100B、100Cは、LAN4を介して相互に通信可能である。LAN4は、有線LANであってもよいし、無線LANであってもよい。
【0016】
プリンタ10は、表示部12と、通信インターフェース14と、操作部16と、搬送部20と、印刷実行部22と、切断部24と、制御部30と、を備える。各部12~30は、バス線(符号省略)に接続されている。以下では、インターフェースを「I/F」と記載する。
【0017】
表示部12は、様々な情報を表示するためのディスプレイである。表示部12は、いわゆるタッチパネルとしても機能する。即ち、表示部12は、ユーザによって操作される操作部としても機能する。通信I/F14は、LAN4に接続されている。操作部16は、複数のキーを備える。ユーザは、操作部16を操作することによって、様々な指示をプリンタ10に入力することができる。搬送部20のローラ58等、印刷実行部22、及び、切断部24は、制御部30(即ち後述のCPU32)からの指示に従って、カット紙56の搬送、カット紙56への印刷、及び、カット紙56の切断を実行する。
【0018】
制御部30は、CPU32とメモリ34とを備える。CPU32は、メモリ34に格納されているプログラム36に従って、様々な処理を実行する。メモリ34は、揮発性メモリ、不揮発性メモリ等によって構成される。メモリ34は、上記のプログラム36のほかに、カットテーブル38と、収容用紙サイズと、を記憶する。収容用紙サイズは、収容部18に収容(セット)されているカット紙56のサイズを示す。
【0019】
カットテーブル38では、機能情報と、許可ユーザ名と、カットフラグと、蓄積フラグと、が関連付けて記憶されている。機能情報は、カット機能名と、PINコードと、を含む。カット機能名は、プリンタ10によって実現されるカット機能の種類を示す情報であり、「回転カット」と「通常カット」とのいずれかを示す。許可ユーザ名は、カット機能の利用が許可されているユーザ名を示す情報である。カットフラグは、カット機能の実行が許可されていることを示す「ON」と、カット機能の実行が禁止されていることを示す「OFF」と、のうちのいずれかを示す。蓄積フラグは、蓄積印刷の実行が許可されていることを示す「ON」と、蓄積印刷の実行が禁止されていることを示す「OFF」と、のうちのいずれかを示す。蓄積印刷は、PINコードの入力を条件として実行される印刷である。カットテーブル38内の情報のうち、カット機能名以外の情報は、プリンタ10の管理者によって設定される情報である。
【0020】
プリンタ10は、さらに、ウェブサーバ機能を実行可能である。ウェブサーバ機能は、外部機器がプリンタ10内のウェブサーバにアクセスすることに応じて、ウェブページを表わすウェブページデータを外部機器に送信する機能である。
【0021】
(PC100A~100Cの構成)
PC100Aは、プリンタ10の管理者によって利用されるPCである。各PC100B、100Cは、プリンタ10の管理者とは異なるユーザ(即ち一般ユーザ)によって利用されるPCである。PC100A~100Cは、それぞれ、当該PCを利用するユーザを識別するためのユーザ名「U1」、「U2」、「U3」を記憶している。
【0022】
以下では、PC100A~100Cを総称して、「PC100」と記載することがある。PC100は、汎用ドライバ102を備える。汎用ドライバ102は、プリンタ10のベンダとは異なる事業者によって提供されるプリンタドライバである。汎用ドライバ102は、或るプリンタのための専用のプリンタドライバ(即ち専用ドライバ)とは異なり、複数のプリンタベンダによって製造される様々なプリンタに対して印刷を実行させることができる。汎用ドライバ102は、インターネット上のサーバ(図示省略)からPC100にインストールされてもよいし、PC100の出荷段階からPC100に予めインストールされていてもよい。本実施例では、汎用ドライバ102は、IPP(Internet Printing Protocolの略)方式に従って処理を実行するプリンタドライバである。変形例では、汎用ドライバ102は、IPP方式とは異なる方式に従って処理を実行するプリンタドライバであってもよい。
【0023】
(登録プロセス;
図3)
図3を参照して、プリンタ10の管理者(以下では、単に「管理者」と記載する)によって、カットテーブル38内の各情報が登録される登録プロセスについて説明する。
図3の初期状態において、プリンタ10のメモリ34には、ユーザ名U1、U2、U3のそれぞれに対応するパスワードPW1、PW2、PW3が記憶されている。そして、プリンタ10は、ウェブサーバ機能を利用して、登録プロセスを実行する。なお、プリンタ10が実行する全ての通信は、通信I/F14を介して実行される。このため、以下では、プリンタ10が実行する各種通信を説明する際に、「通信I/F14を介して」という説明を省略する。
【0024】
T10において、管理者は、プリンタ10に割り当てられているIPアドレスをPC100Aに入力する。PC100Aは、T10において、IPアドレスの入力を受け付けると、T12において、トップ画面要求をプリンタ10に送信する。
【0025】
プリンタ10は、T12において、PC100Aからトップ画面要求を受信すると、T14において、トップ画面データをPC100Aに送信する。
【0026】
PC100Aは、T14において、プリンタ10からトップ画面データを受信すると、T16において、トップ画面を表示する。PC100Aは、T18において、管理者から、ユーザ名U1とパスワードPW1との入力を受け付けると、T20において、ユーザ名U1とパスワードPW1とを含む管理画面要求をプリンタ10に送信する。
【0027】
プリンタ10は、T20において、PC100Aから管理画面要求を受信すると、T22において、管理画面要求内のユーザ名U1及びパスワードPW1の組合せがメモリ34に記憶されているために、認証が成功したと判断する。この場合、プリンタ10は、T24において、管理画面データをPC100Aに送信する。
【0028】
PC100Aは、T24において、プリンタ10から管理画面データを受信すると、T26において、管理画面を表示する。管理画面は、カットテーブル38内の各情報を登録するための画面である。管理者は、T30において、カット機能名「回転カット」にPINコード「1111」を割り当てると共に、カット機能名「通常カット」にPINコード「2222」を割り当てるための操作を実行する。この場合、PC100Aは、T32において、カット機能名「回転カット」及びPINコード「1111」が互いに関連付けられている機能情報と、カット機能名「通常カット」及びPINコード「2222」が互いに関連付けられている機能情報と、を含む機能設定要求をプリンタ10に送信する。
【0029】
プリンタ10は、T32において、PC100Aから機能設定要求を受信すると、T34において、当該要求内の2個の機能情報(即ち、「回転カット-1111」及び「通常カット-2222」)をメモリ34のカットテーブル38に記憶する。この時点において、カットテーブル38内の許可ユーザ名は、空の状態である。また、カットテーブル38内のカットフラグは、「ON」が初期値として記憶される。また、カットテーブル38内の蓄積フラグは、「OFF」が初期値として記憶される。
【0030】
T40において、管理者は、ユーザ名U1、U2を許可ユーザ名として設定するための操作を実行する。この場合、PC100Aは、T42において、ユーザ名U1、U2を含む許可ユーザ名設定要求をプリンタ10に送信する。
【0031】
プリンタ10は、T42において、PC100Aから許可ユーザ名設定要求を受信すると、T44において、当該要求内の2個のユーザ名U1、U2を許可ユーザ名としてメモリ34のカットテーブル38に記憶する。これにより、登録プロセスが完了する。その後、管理者は、カット機能を利用するためのPINコード「1111」、「2222」をPC100Bのユーザ(以下では、「第1ユーザ」と記載する)に知らせる。
【0032】
(印刷プロセス)
図4を参照して、印刷プロセスについて説明する。
図4の初期状態は、
図3の登録プロセスの後の状態である。
【0033】
T110において、第1のユーザは、A4サイズのカット紙56をプリンタ10の収容部18(即ち給紙トレイ)にセットする。プリンタ10(即ちCPU32)は、T110において、カット紙56のセットを受け付けると、T112において、用紙入力画面を表示部12に表示する。用紙入力画面は、収容部18にセットされたカット紙56のサイズをユーザに問い合わせるためのメッセージと、収容用紙サイズを選択するための領域と、OKボタンと、を含む。プリンタ10は、T114において、ユーザから収容用紙サイズ「A4」の選択及びOKボタンの選択を受け付ける。この場合、プリンタ10は、T116において、収容用紙サイズ「A4」をメモリ34に記憶する。なお、変形例では、プリンタ10は、収容用紙サイズを検出するセンサを備えていてもよい。この場合、T112及びT114の処理を省略可能である。
【0034】
T130において、第1ユーザは、印刷操作をPC100Bに実行する。印刷操作は、印刷対象の印刷画像を表わす画像データを選択する操作と、汎用ドライバ102を起動させる操作と、を含む。これにより、汎用ドライバ102によって以降の各処理が実行される。PC100Bは、T130において、印刷操作をユーザから受け付けると、T132において、IPP方式に従ったGet-Printer-Attributes requestをプリンタ10に送信する。以下では、Get-Printer-Attributesのことを「GPA」と記載し、requestのことを「req」と記載する。GPA reqは、プリンタ10のCapability情報の送信を要求するコマンドである。
【0035】
プリンタ10は、T132において、PC100BからGPA reqを受信すると、GPA reqが認証情報(即ち、ユーザ名及びパスワード)を含まないと判断し、T134において、認証画面をPC100Bに表示させるための認証情報要求をPC100Bに送信する。認証画面は、ユーザ名とパスワードをユーザに入力させるための画面である。
【0036】
PC100Bは、T134において、プリンタ10から認証情報要求を受信すると、T136において、認証画面を表示する。T138において、第1ユーザは、ユーザ名U2とパスワードPW2とをPC100Bに入力する。この場合、PC100Bは、T140において、ユーザ名U2とパスワードPW2とを含むGPA reqをプリンタ10に送信する。
【0037】
プリンタ10は、T140において、PC100BからGPA reqを受信すると、T142において、GPA req内のユーザ名U2及びパスワードPW2の組合せがメモリ34に記憶されているために、認証が成功したと判断する。この場合、プリンタ10は、T144において、メモリ34に記憶されている収容用紙サイズ「A4」を特定し、media-readyとして特定済みの収容用紙サイズ「A4」を含むGPA responseをPC100Bに送信する。以下では、responseのことを「res」と記載する。なお、変形例では、特定済みの収容用紙サイズ「A4」は、media-col-readyとして送信されてもよい。図示省略しているが、GPA resは、さらに、プリンタ10がサポートしている用紙サイズ(即ち収容部18に収容可能な用紙サイズ)を示す情報として、「A3」、「A4」、及び、「A5」を含む。
【0038】
PC100Bは、T144において、プリンタ10からGPA resを受信すると、T146において、印刷ダイアログを表示する。印刷ダイアログは、印刷対象の印刷画像を示すプレビュー画像と、印刷対象のカット紙56のサイズを選択するためのサイズ選択領域と、PINコードを入力するためのPINコード入力領域と、印刷ボタンと、を含む。サイズ選択領域には、GPA res内にmedia-readyとして含まれる用紙サイズ「A4」がデフォルトの用紙サイズとして表示される。
【0039】
PC100Bは、T148において、第1ユーザから、サイズ選択領域において、GPA res内にサポート用紙サイズとして含まれる「A3」、「A4」、及び、「A5」のいずれかを選択する操作と、印刷ボタンの選択と、を受け付ける。この場合、PC100Bは、T150において、IPP方式に従ったValidate-Job reqをプリンタ10に送信する。以下では、Validate-Jobのことを、「VJ」と記載する。VJ reqは、印刷ダイアログにおいて第1ユーザによって指定された用紙サイズ(即ち、本ケースでは「A3」、「A4」、又は、「A5」)を示すmedia-sizeと、ユーザ名U2と、パスワードPW2と、を含む。
【0040】
PC100Bは、T148において、第1ユーザから、さらに、PINコード入力領域にPINコードを入力する操作を受け付け得る。この場合、PC100Bは、T150において、入力済みのPINコードをさらに含むVJ reqをプリンタ10に送信する。一方、PC100Bは、第1ユーザからPINコードを入力する操作を受け付けない場合には、T150において、PINコードを含まないVJ reqをプリンタ10に送信する。
【0041】
プリンタ10は、T150において、PC100BからVJ reqを受信すると、T152において、VJ resをPC100Bに送信する。その結果、プリンタ10は、T154において、PC100BからCreate-Job reqを受信する。以下では、Create-Jobのことを「CJ」と記載する。CJ reqは、印刷データの生成をプリンタ10に要求するコマンドである。そして、プリンタ10は、T156において、CJ resをPC100Bに送信する。
【0042】
PC100Bは、T156において、プリンタ10からCJ resを受信すると、印刷対象の画像データを変換して、プリンタ10が解釈可能なデータ形式を有する印刷データを生成する。印刷データによって表わされる印刷画像は、VJ req(T150参照)に含まれるmedia-size(即ち「A3」、「A4」、又は、「A5」)に対応するサイズを有する。そして、PC100Bは、T158において、Send-Document reqをプリンタ10に送信し、T160において、印刷データをプリンタ10に送信する。以下では、Send-Documentのことを「SD」と記載する。
【0043】
プリンタ10は、T158において、PC100BからSD reqを受信し、T160において、PC100Bから印刷データを受信する。この場合、プリンタ10は、T162において、第1印刷処理(
図5参照)を実行する。第1印刷処理については、
図5を参照して以下で説明する。
【0044】
(第1印刷処理;
図5)
図5を参照して、プリンタ10のCPU32によって実行される
図4のT162の第1印刷処理を説明する。第1印刷処理は、いずれかのPC100(
図4の例ではPC100B)から印刷データが受信されることをトリガとして開始される。
【0045】
S10において、CPU32は、メモリ34に記憶済みの収容用紙サイズ(
図4のT116参照)を取得する。
【0046】
S12において、CPU32は、受信済みのVJ req(
図4のT150参照)に含まれるmedia-sizeが、S10で取得済みの収容用紙サイズと同じであるのか否かを判断する。CPU32は、前者のサイズと後者のサイズとが同じである場合(S12でYES)に、S14に進み、前者のサイズと後者のサイズとが異なる場合(S12でNO)に、S50に進む。
【0047】
S14において、CPU32は、受信済みのVJ reqがPINコードを含むのか否かを判断する。CPU32は、受信済みのVJ reqがPINコードを含む場合(S14でYES)に、S20に進み、受信済みのVJ reqがPINコードを含まない場合(S14でNO)に、S60に進む。
【0048】
S20において、CPU32は、受信済みのVJ req内のPINコード(以下では、「対象PINコード」と記載する)を特定し、対象PINコードがカットテーブル38に含まれているのか否かを判断する。即ち、CPU32は、対象PINコードがカット機能に対応するPINコードであるのか否かを判断する。CPU32は、対象PINコードがカットテーブル38に含まれている場合(S20でYES)に、S22に進み、対象PINコードがカットテーブル38に含まれていない場合(S20でNO)に、S70に進む。
【0049】
S22において、CPU32は、カットテーブル38内のカットフラグが「ON」であるのか否かを判断する。CPU32は、カットテーブル38内のカットフラグが「ON」である場合(S22でYES)に、S24に進み、カットテーブル38内のカットフラグが「OFF」である場合(S22でNO)に、S80に進む。
【0050】
S24において、CPU32は、印刷の実行を所望しているユーザがカット機能の実行を許可されているユーザであるのか否かを判断する。具体的には、CPU32は、受信済みのVJ reqに含まれるユーザ名(以下では、「対象ユーザ名」と記載する)を特定する。次いで、CPU32は、カットテーブル38において、対象PINコードに関連付けられている1個以上の許可ユーザ名が対象ユーザ名を含むのか否かを判断する。CPU32は、1個以上の許可ユーザ名が対象ユーザ名を含む場合に、S24でYESと判断してS26に進み、1個以上の許可ユーザ名が対象ユーザ名を含まない場合に、S24でNOと判断してS80に進み。
【0051】
S26において、CPU32は、カットテーブル38内の蓄積フラグが「OFF」であるのか否かを判断する。CPU32は、カットテーブル38内の蓄積フラグが「OFF」である場合(S26でYES)に、S28に進み、カットテーブル38内の蓄積フラグが「ON」である場合(S26でNO)に、S90に進む。
【0052】
S28において、CPU32は、対象PINコードが「2222」であるのか否かを判断する。CPU32は、対象PINコードが「2222」である場合(S28でYES)に、S30に進み、対象PINコードが「1111」である場合(S28でNO)に、S40に進む。
【0053】
S30において、CPU32は、以下のようにして、対象PINコード「2222」に関連付けられているカット機能名「通常カット」に対応する処理を実行する。まず、CPU32は、収容部18に収容されているカット紙56を印刷実行部22まで搬送する。さらに、CPU32は、印刷データによって表される印刷画像(以下では、「対象印刷画像」と記載する)をカット紙56の全面に印刷することを印刷実行部22に指示する。これにより、印刷実行部22は、対象印刷画像をカット紙56の全面に印刷する。本実施例では、対象印刷画像は、円形、三角形、及び、四角形を示す3つのオブジェクトを含む。
【0054】
次いで、CPU32は、搬送部20の各ローラ60、62、64を駆動して、印刷済みカット紙56を切断部24まで搬送する。そして、CPU32は、印刷済みカット紙56の切断を切断部24に指示する。これにより、切断部24は、カット紙56の搬送方向の下流側の半分の領域である下流側半分領域(
図5のカット紙56の上側の領域)と、カット紙56の搬送方向の上流側の半分の領域である上流側半分領域(
図5のカット紙56の下側の領域)と、の境界を切断する。即ち、切断部24は、カット紙56の第1の長辺(
図5のカット紙56の左辺)の中央と第2の長辺(
図5のカット紙56の右辺)の中央とを結ぶ直線上でカット紙56を半分に切断する。この結果、印刷画像の一部(即ち円形及び三角形の一部)が印刷されている切断済み用紙と、印刷画像の残りの一部(即ち三角形の残りの一部及び四角形)が印刷されている切断済み用紙と、が形成される。
【0055】
次いで、CPU32は、搬送部20の各ローラ64、66を駆動して、2枚の切断済み用紙を排紙トレイ50まで搬送する。これにより、2枚の切断済み用紙がユーザに提供される。CPU32は、S30の処理が終了すると、
図5の処理を終了する。
【0056】
S40において、CPU32は、以下のようにして、対象PINコード「1111」に関連付けられているカット機能名「回転カット」に対応する処理を実行する。まず、CPU32は、収容部18に収容されているカット紙56を印刷実行部22まで搬送する。さらに、CPU32は、対象印刷画像を縮小して、受信済みのVJ reqに含まれるmedia-sizeの半分のサイズに対応する縮小済み画像を生成する。さらに、CPU32は、縮小済み画像を90°回転させて回転済み画像を生成し、回転済み画像をカット紙56の下流側半分領域に印刷することを印刷実行部22に指示する。これにより、印刷実行部22は、回転済み画像をカット紙56の下流側半分領域(
図5のカット紙56の上側の領域)に印刷する。即ち、カット紙56の上流側半分領域(
図5のカット紙56の下側の領域)には何も印刷されない。
【0057】
次いで、CPU32は、搬送部20の各ローラ60、62、64を駆動させて、印刷済みカット紙56を切断部24まで搬送する。そして、CPU32は、印刷済みカット紙56の切断を切断部24に指示する。ここでの切断は、S40の切断と同様である。この結果、回転済み画像が印刷されている切断済み用紙と、印刷画像が印刷されていない切断済み用紙と、が形成される。
【0058】
次いで、CPU32は、搬送部20の各ローラ64、66を駆動させて、2枚の切断済み用紙を排紙トレイ50まで搬送する。これにより、2枚の切断済み用紙がユーザに提供される。CPU32は、S40の処理が終了すると、
図5の処理を終了する。
【0059】
上述のように、プリンタ10は、VJ reqがPINコード「2222」を含む場合(S28でYES)に、カット機能名「通常カット」に対応する処理を実行し(S30)、VJ reqがPINコード「1111」を含む場合(S28でNO)に、カット機能名「回転カット」に対応する処理を実行する(S40)。このような構成によると、第1ユーザは、対象PINコードを変えることによって、カット機能名「通常カット」及び「回転カット」のうちの所望の処理をプリンタ10に実行させることができる。従って、ユーザの利便性が向上する。
【0060】
また、プリンタ10は、カットテーブル38内のカットフラグが「ON」であることを条件として(S22でYES)に、カット紙56の切断を実行する。このような構成によると、管理者は、カット紙56の切断をプリンタ10に実行させるのか否かを選択することができる。従って、管理者は、カット機能をプリンタ10に実行させるのか否かを管理することができる。
【0061】
また、プリンタ10は、カットテーブル38において、対象PINコードに関連付けられている1個以上の許可ユーザ名が対象ユーザ名を含むことを条件として(S24でYES)に、カット紙56の切断を実行する。このような構成によると、管理者は、カット紙56の切断をプリンタ10に実行させることが可能なユーザを管理することができる。
【0062】
また、S50において、CPU32は、第2印刷処理(
図6参照)を実行する。CPU32は、S50の処理が終了すると、
図5の処理を終了する。
【0063】
S60において、CPU32は、対象印刷画像の印刷を印刷実行部22に実行させる。ここでの印刷のための具体的な処理は、S30と同様である。即ち、対象印刷画像がカット紙の全面に印刷される。次いで、CPU32は、搬送部20の各ローラ60、62、64、66を駆動させて、印刷済みカット紙56を排紙トレイ50まで搬送する。CPU32は、印刷済みカット紙56の切断を切断部24に指示しない。この結果、1枚の印刷済み用紙がユーザに提供される。CPU32は、S60の処理が終了すると、
図5の処理を終了する。
【0064】
S70において、CPU32は、対象PINコードと印刷データとmedia-sizeとを関連付けてメモリ34に記憶する。CPU32は、S70の処理が終了すると、
図5の処理を終了する。CPU32は、S70の処理の後に、対象PINコードがプリンタ10に入力される場合に、対象印刷画像の印刷を実行する。この場合の印刷は、S60と同様であり(即ち対象印刷画像がカット紙56の全面に印刷され)、カット紙56の切断が実行されない。
【0065】
S80において、CPU32は、カット機能の利用が禁止されていることを示すエラー通知をPC100に送信する。CPU32は、S80が終了すると、
図5の処理を終了する。
【0066】
S90において、CPU32は、対象PINコードと印刷データとmedia-sizeとを関連付けてメモリ34に記憶する。CPU32は、S90の処理の後に、対象PINコードがプリンタ10に入力される場合に、対象印刷画像の印刷を実行する。この場合の印刷は、対象PINコードに応じたS30又はS40と同様であり、カット紙56の切断が実行される。CPU32は、S90の処理が終了すると、
図5の処理を終了する。
【0067】
(第2印刷処理;
図6)
図6を参照して、
図5のS50で実行される第2印刷処理について説明する。S100において、CPU32は、受信済みのVJ reqがPINコードを含むのか否かを判断する。CPU32は、受信済みのVJ reqがPINコードを含む場合(S100でYES)に、S102に進み、受信済みのVJ reqがPINコードを含まない場合(S100でNO)に、S140に進む。
【0068】
S102において、CPU32は、対象PINコードが「1111」であるのか否かを判断する。CPU32は、対象PINコードが「1111」である場合(S102でYES)に、S104に進み、対象PINコードが「1111」でない場合(S102でNO)に、S140に進む。
【0069】
S104において、CPU32は、受信済みのVJ req(
図4のT150参照)に含まれるmedia-sizeが、
図5のS10で取得済みの収容用紙サイズの半分であるのか否かを判断する。CPU32は、media-sizeが収容用紙サイズの半分である場合(S104でYES)に、S106に進み、media-sizeが収容用紙サイズの半分でない場合(S104でNO)に、S140に進む。S106、S108、S110は、それぞれ、
図5のS22、S24、S26と同様である。
【0070】
S120において、CPU32は、以下のようにして、対象PINコード「1111」に関連付けられているカット機能名「回転カット」に対応する処理を実行する。まず、CPU32は、収容部18に収容されているカット紙56を印刷実行部22まで搬送する。CPU32は、対象印刷画像を縮小することなく、さらに、対象印刷画像を90°回転させて回転済み画像を生成し、回転済み画像をカット紙56の下流側半分領域(
図6のカット紙56の上側の領域)に印刷することを印刷実行部22に指示する。その後の処理は、
図5のS40と同様である。これにより、2枚の切断済み用紙がユーザに提供される。CPU32は、S120の処理が終了すると、
図6の処理を終了する。
【0071】
S130において、CPU32は、対象PINコードと印刷データとmedia-sizeとを関連付けてメモリ34に記憶する。CPU32は、S130の処理の後に、対象PINコードがプリンタ10に入力される場合に、対象印刷画像の印刷を実行する。この場合の印刷は、S120と同様であり、カット紙56の切断が実行される。CPU32は、S130の処理が終了すると、
図6の処理を終了する。
【0072】
S140において、CPU32は、エラー通知をPC100に送信する。受信済みのVJ reqがPINコードを含んでいない場合、カット機能が実行されないためにmedia-sizeを有するサイズの印刷済み用紙をユーザに提供することができない。また、受信済みのVJ req「1111」でない場合、ユーザが、media-sizeと一致するサイズの印刷済み用紙を所望している可能性が高い。また、media-sizeが収容用紙サイズの半分でない場合、カット機能を利用しても、media-sizeを有する用紙を生成することができない。このため、S100、S102、又は、S104でNOと判断される場合、エラー通知は、ユーザによって選択されたmedia-sizeと収容用紙サイズとの関係が適切でないことを示す。S106又はS108でNOと判断される場合、エラー通知は、カット機能の利用が禁止されていることを示す。これにより、ユーザは、印刷を実行不可能な原因を知ることができる。
【0073】
(具体的なケース;
図7、
図8)
図7、
図8を参照して、
図4の第1印刷処理、及び、
図5の第2印刷処理によって実現される具体的なケースA~ケースDについて説明する。
【0074】
(ケースA;
図7)
図7を参照して、カット機能名「通常カット」に対応する処理が実行されるケースAについて説明する。ケースAの初期状態は、
図3の登録プロセスの後の状態である。
【0075】
T230~T246は、
図4のT130~T146と同様である。本ケースでは、PC100Bは、T248において、第1ユーザから、サイズ選択領域において「A4」を選択する操作と、PINコード入力領域にPINコード「2222」を入力する操作と、印刷ボタンの選択と、を受け付ける。この場合、PC100Bは、T250において、media-size「A4」と、ユーザ名U2と、パスワードPW2と、PINコード「2222」と、を含むVJ reqをプリンタ10に送信する。T252~T260は、
図4のT152~T160と同様である。なお、T260の印刷データは、A4サイズに対応するサイズを有する印刷画像を表すデータである。
【0076】
プリンタ10は、T260において、PC100Bから印刷データを受信すると、収容用紙サイズ「A4」を取得し(
図5のS10)、収容用紙サイズ「A4」と、受信済みのVJ req(T250参照)に含まれるmedia-size「A4」と、が一致すると判断し(S12でYES)、受信済みのVJ reqがPINコード「2222」を含むと判断する(S14でYES)。次いで、プリンタ10は、受信済みのVJ req内の対象PINコード「2222」がカットテーブル38に含まれていると判断し(S20でYES)、カットテーブル38内のカットフラグが「ON」であると判断し(S22でYES)、カットテーブル38において、対象PINコード「2222」に関連付けられている1個以上の許可ユーザ名が対象ユーザ名U2を含むと判断し(S24でYES)、カットテーブル38内の蓄積フラグが「OFF」であると判断し(S26でYES)、対象PINコードが「2222」であると判断する(S28でYES)。この場合、プリンタ10は、T262において、A4サイズのカット紙56を利用して、カット機能名「通常カット」に対応する処理を実行する(S30)。これにより、2枚のA5サイズの切断済み用紙がユーザに提供される。
【0077】
(ケースB;
図7)
図7を参照して、カット機能名「通常カット」に対応する処理が実行されないケースBについて説明する。ケースBの初期状態は、ケースAの初期状態と同様である。
【0078】
まず、PC100Cとプリンタ10との間で、通信対象がPC100Cである点を除いて、ケースAのT230~T236と同様の処理が実行される。PC100Cは、T338において、PC100Cのユーザ(以下では、「第2ユーザ」と記載する)から、ユーザ名U3とパスワードPW3の入力を受け付ける。その後、PC100Cとプリンタ10との間で、ケースAのT240~T260と同様の処理が実行される。なお、本ケースのT242において、プリンタ10は、GPA req内のユーザ名U3及びパスワードPW3の組合せがメモリ34に記憶されているために、認証が成功したと判断する。また、本ケースのT250において、VJ reqは、ユーザ名U2及びパスワードPW2に代えて、ユーザ名U3及びパスワードPW3を含む。
【0079】
プリンタ10は、T260において、PC100Cから印刷データを受信する。この場合に実行される
図5のS10~S22の処理は、ケースAと同様である。そして、本ケースでは、プリンタ10は、カットテーブル38において、対象PINコード「2222」に関連付けられている1個以上の許可ユーザ名が対象ユーザ名U3を含まないと判断する(S24でNO)。この場合、プリンタ10は、T370において、カット機能の利用が禁止されていることを示すエラー通知をPC100Cに送信する。即ち、カット機能名「通常カット」に対応する処理が実行されない。
【0080】
(ケースC;
図8)
図8を参照して、蓄積印刷に対応する処理が実行されるケースCについて説明する。ケースCの初期状態は、
図7のケースAの初期状態と同様である。
【0081】
まず、PC100Bとプリンタ10との間で、ケースAのT230~T246(
図7参照)と同様の処理が実行される。PC100Bは、T448において、第1ユーザから、サイズ選択領域において「A4」を選択する操作と、PINコード入力領域にPINコード「1234」を入力する操作と、印刷ボタンの選択と、を受け付ける。即ち、本ケースでは、第1ユーザは、カットテーブル38内に含まれていないPINコード「1234」を入力する。この場合、PC100Bは、T450において、media-size「A4」と、ユーザ名U2と、パスワードPW2と、PINコード「1234」と、を含むVJ reqをプリンタ10に送信する。その後、
図7のT252~T260と同様の処理が実行される。
【0082】
プリンタ10は、T260(
図7参照)において、PC100Bから印刷データを受信する。この場合に実行される
図5のS10~S14の処理は、
図7のケースAと同様である。そして、本ケースでは、プリンタ10は、受信済みのVJ req内の対象PINコード「1234」がカットテーブル38に含まれていないと判断する(S20でYES)。この場合、プリンタ10は、T462において、media-size「A4」と、印刷データと、対象PINコード「1234」と、を関連付けてメモリ34に記憶する。
【0083】
その後、プリンタ10は、T470において、第1ユーザから、操作部16を介したPINコード「1234」の入力を受け付けると、メモリ34において、入力済みのPINコード「1234」に関連付けられている印刷データとmedia-size「A4」とを特定する。そして、プリンタ10は、入力済みのPINコード「1234」がカットテーブル38に含まれていないと判断する。この場合、プリンタ10は、T472において、カット機能に対応する処理を実行することなく、A4サイズのカット紙56と特定済みの印刷データを利用して、
図5のS60と同様の印刷を実行する。この結果、1枚のA4サイズの印刷済み用紙がユーザに提供される。
【0084】
(ケースCの効果)
ケースCに示されるように、プリンタ10は、VJ reqがカットテーブル38に記憶されていないPINコード「1234」を含む場合に、PINコード「1234」をメモリ34に記憶する。そして、プリンタ10は、ユーザから操作部16を介したPINコード「1234」の入力を受付ける場合(T470)に、カット紙56への対象印刷画像の印刷を実行し(T472)、カット紙56の切断を実行しない。このような構成によると、ユーザは、カットテーブル38に記憶されていないPINコードを利用することで、カット機能を利用しない蓄積印刷を利用することができる。従って、ユーザの利便性が向上する。
【0085】
(ケースD;
図8)
図8を参照して、カット機能名「回転カット」に対応する処理、及び、蓄積印刷に対応する処理が実行されるケースDについて説明する。ケースDの初期状態は、
図3の登録プロセスの後に、管理者が、カットテーブル38内の蓄積フラグを「OFF」から「ON」に変更した後の状態である。
【0086】
まず、PC100Bとプリンタ10との間で、ケースAのT230~T260(
図7参照)と同様の処理が実行される。プリンタ10は、T260(
図7参照)において、PC100Bから印刷データを受信する。この場合に実行される
図5のS10~S24の処理は、
図7のケースAと同様である。そして、本ケースでは、プリンタ10は、カットテーブル38内の蓄積フラグが「ON」であると判断する(S26でNO)。この場合、プリンタ10は、media-size「A4」と、印刷データと、対象PINコード「2222」と、を関連付けてメモリ34に記憶する。
【0087】
その後、プリンタ10は、T570において、第1ユーザから、操作部16を介したPINコード「2222」の入力を受け付けると、メモリ34において、入力済みのPINコード「2222」に関連付けられている印刷データとmedia-size「A4」とを特定する。そして、プリンタ10は、カットテーブル38において、カット機能名「通常カット」に関連付けて入力済みのPINコード「2222」が記憶されていると判断する。この場合、プリンタ10は、T572において、A4サイズのカット紙56と特定済みの印刷データを利用して、
図5のS30と同様の印刷を実行する。この結果、2枚のA5サイズの切断済み用紙がユーザに提供される。
【0088】
(ケースDの効果)
ケースDに示されるように、プリンタ10は、ユーザから操作部16を介したPINコード「2222」の入力を受付ける場合(T570)に、カット紙56への対象印刷画像の印刷を実行し、カット紙56の切断を実行する(T570)。このような構成によると、ユーザは、カットテーブル38に記憶されているPINコードを利用することで、カット機能を利用し、かつ、蓄積印刷を利用することができる。従って、ユーザの利便性が向上する。
【0089】
(本実施例の効果)
上記の構成によると、プリンタ10は、PC100から、PINコード「1111」又は「2222」を含むVJ reqを受信する場合(
図5のS20でYES)に、カット紙56の切断を実行し(S30、S40)、PC100から、PINコード「1111」又は「2222」を含まないVJ reqを受信する場合(S14でNO、又は、S20でNO)に、カット紙56の切断を実行しない。従って、プリンタ10は、カット紙56の切断を実行するのか否かを切替えることができる。
【0090】
ここで、プリンタ10のための専用ドライバと、汎用ドライバ102と、の対比を考える。プリンタ10のための専用ドライバは、例えばプリンタ10のベンダによって提供されるプリンタドライバであり、当該ベンダは、カット紙56の切断のためのパラメータを定義することができる。即ち、PC100は、専用ドライバを利用すれば、プリンタ10にカット紙56の切断を実行させることができる。一方、汎用ドライバ102では、カット紙56の切断のためのパラメータが定義されていないので、プリンタ10にカット紙56の切断を実行させることは難しい。そこで、本実施例では、PINコードをカット機能に割り当てることで、プリンタ10にカット紙56を切断させることを実現する。このように、本実施例の構成によると、PC100は、汎用ドライバ102を利用して、プリンタ10にカット紙56の切断を実行させることができる。
【0091】
また、本実施例では、ユーザは、PC100に入力するPINコードを切替えることで、プリンタ10に実行させるカット機能の種類を切替えることができる。このため、プリンタ10は、カット機能を実行する前に、実行すべきカット機能の種類をユーザに選択させるための画面を表示しなくてもよい。従って、ユーザの利便性が向上する。
【0092】
また、本実施例では、プリンタ10は、A4サイズのカット紙56を、A4サイズよりも小さいA5サイズに対応するカット紙56に切断する。このため、ユーザがA5サイズのカット紙56への印刷を望む状況において、ユーザがA5サイズのカット紙56を所持していない状況であっても、プリンタ10は、A4サイズのカット紙56に印刷及び切断を実行することによって、A5サイズの印刷済み用紙をユーザに提供することができる。従って、ユーザの利便性が向上する。
【0093】
(対応関係)
PC100A、100B、100Cが、「端末装置」の一例である。VJ reqが、「印刷実行コマンド」の一例である。カット紙56の切断が、「所定処理」の一例である。PINコード「2222」、PINコード「1111」、PINコード「1234」が、それぞれ、「第1の認証情報」、「第2の認証情報」、「第3の認証情報」の一例である。A4サイズ、A5サイズが、それぞれ、「第1のサイズ」、「第2のサイズ」の一例である。A4サイズのカット紙56、A5サイズのカット紙56が、それぞれ、「第1のカット紙」、「第2のカット紙」の一例である。
図5のカット紙56の左辺、
図5のカット紙56の右辺が、それぞれ、「第1の長辺」、「第2の長辺」の一例である。
図7のT260の印刷データによって表される印刷画像、
図7のT260の印刷データによって表される印刷画像を縮小した縮小済み画像が、それぞれ、「第1の印刷画像」、「第2の印刷画像」の一例である。下流側半分領域が、「特定の領域」の一例である。カットフラグが、「フラグ情報」の一例である。カットフラグ「ON」、カットフラグ「OFF」が、それぞれ、「許可情報」、「禁止情報」の一例である。カットテーブル38内の許可ユーザ名が、「1以上の許可ユーザ情報」の一例である。ユーザ名U1、U2、U3が、「特定のユーザ情報」の一例である。
【0094】
図5のS30、
図5のS40、
図5のS50、
図6のS120、
図8のT472、及び、
図8のT572で実行される処理が、「印刷制御部」によって実行される処理の一例である。
図5のS30、
図5のS40、
図6のS120、及び、
図8のT572で実行される処理が、「処理制御部」によって実行される処理の一例である。
【0095】
以上、本明細書が開示する技術の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。上記の実施例の変形例を以下に列挙する。
【0096】
(第1変形例)プリンタ10は、切断部24に代えて、カット紙56にミシン目を付けるミシン目付与部を備えていてもよい。カット紙56にミシン目が付けられると、ユーザは、ミシン目に沿ってカット紙56を容易に切断することができる。別の変形例では、プリンタ10は、切断部24に代えて、カット紙56に折り目を付ける折り目付与部を備えていてもよい。カット紙56に折り目が付けられると、ユーザは、折り目に沿ってカット紙56を容易に切断することができる。一般的に言うと、「所定処理」は、カット紙56の切断に関する処理であればよい。
【0097】
(第2変形例)プリンタ10のカットテーブル38が、PINコード、及び、許可ユーザ名を含んでおらず、カットテーブル38内の機能情報が、カット機能名とユーザ名とを含んでいてもよい。例えば、機能名「通常カット」にはユーザ名U1が関連付けられており、機能名「回転カット」にはユーザ名U2が関連付けられているとよい。本変形例では、プリンタ10は、受信済みのVJ req(
図4のT150参照)に含まれるユーザ名が、カットテーブル38に含まれている場合に、カット紙56の切断を実行する(
図5のS30、S40)。本変形例では、ユーザ名U1、U2が、「第1の認証情報」の一例である。
【0098】
(第3変形例)プリンタ10は、カット紙56を半分に切断しなくてもよい。例えば、media-sizeがA5であり、かつ、収容用紙サイズがA3である場合に、プリンタ10は、カット紙56を4分の1に切断してもよい。また、別の変形例では、ユーザが、カット紙56をカットするサイズを任意に指定できてもよい。
【0099】
(第4変形例)プリンタ10は、カット機能名「通常カット」に対応する処理、及び、カット機能名「回転カット」に対応する処理のうちの一方の処理のみを実行可能に構成されていてもよい。本変形例では、
図5のS30、及び、S40のうちの一方の処理を省略可能である。また、
図5のS28を省略可能である。
【0100】
(第5変形例)プリンタ10は、対象PINコードがカットテーブル38に含まれていない場合(
図5のS14でNO)に、エラー通知をPC100に送信してもよい。本変形例では、S60を省略可能である。
【0101】
(第6変形例)
図5のS26、及び、
図6のS110を省略可能である。本変形例では、カットテーブル38は、蓄積フラグを含んでなくてもよい。
【0102】
(第7変形例)
図5のS22及び、
図6のS106を省略可能である。本変形例では、カットテーブル38は、カットフラグを含んでなくてもよい。
【0103】
(第8変形例)
図5のS24、及び、
図6のS108を省略可能である。本変形例では、カットテーブル38は、許可ユーザ名を含んでなくてもよい。また、別の変形例では、カットテーブル38は、許可ユーザ名に代えて、カット機能の利用が禁止されているユーザ名を示す禁止ユーザ名を記憶してもよい。本変形例では、プリンタ10は、
図5のS24において、カットテーブル38において、対象PINコードに関連付けられている禁止ユーザ名が対象ユーザ名を含むのか否かを判断する。プリンタ10は、禁止ユーザ名が対象ユーザ名を含まない場合に、S26に進み、禁止ユーザ名が対象ユーザ名を含む場合に、S80に進む。
図6のS108についても同様である。
【0104】
(第9変形例)管理者は、プリンタ10の操作部16を介して、カットテーブル38内の情報を設定可能であってもよい。また、別の変形例では、プリンタ10の出荷時において、
図2のカットテーブル38がメモリ34に予め記憶されていてもよい。この場合、プリンタ10の出荷時において、カットテーブル38内の許可ユーザ名は空の状態であるとよい。
【0105】
(第10変形例)上記の実施例では、プリンタ10は、GPA reqが認証情報を含まない場合に、認証情報要求をPC100に送信している。変形例では、プリンタ10は、VJ reqが認証情報を含まない場合に、認証情報要求をPC100に送信してもよい。
【0106】
(第11変形例)プリンタ10は、PC100から受信されるVJ reqに含まれるmedia-sizeが、収容用紙サイズの半分であり、かつ、受信済みのVJ req内のPINコードが「2222」である場合に、エラー通知をPC100に送信することなく、media-sizeが原因で印刷を実行できないことを示すエラーメッセージを表示部12に表示してもよい。この場合、プリンタ10は、ユーザによって、A4サイズのカット紙56に代えて、A5サイズのカット紙56がプリンタ10の収容部18にセットされる場合に、
図5のS30と同様の処理を実行する。また、別の変形例では、プリンタ10は、エラーメッセージを表示部12に表示した後に、ユーザから、操作部16を介した印刷を続行する操作を受付ける場合に、media-sizeに対応するサイズのカット紙56の中央領域に対象印刷画像を印刷し、当該カット紙56の第1の長辺の中央と第2の長辺の中央とを結ぶ直線上でカット紙56を半分に切断する。また、別の変形例では、プリンタ10は、PC100から受信されるVJ reqに含まれるmedia-sizeが、収容用紙サイズの半分であり、かつ、受信済みのVJ req内のPINコードが「2222」である場合に、問合画面を表示部12に表示してもよい。問合画面は、エラーメッセージと、3つの選択肢「回転カット」、「通常カット」、及び、「キャンセル」と、を含む。プリンタ10は、「回転カット」が選択される場合に、
図5のS40と同様の処理を実行し、「通常カット」が選択される場合に、
図5のS30と同様の処理を実行する。
【0107】
(第12変形例)PC100は汎用ドライバ102を備えなくてもよい。この場合、PC100は、汎用ドライバ102に代えて、専用ドライバを備える。専用ドライバは、あるプリンタのための専用のプリンタドライバである。
【0108】
(第13変形例)上記の実施例では、カット紙56への印刷が実行された後に、カット紙56の切断が実行されるが、変形例では、カット紙56の切断が実行された後に、カット紙56への印刷が実行されてもよい。一般的に言うと、「処理実行部」は、「印刷実行部」よりもカット紙56の搬送方向の上流側に配置されてもよい。
【0109】
(第14変形例)「第1のサイズ」は、A4サイズに限定されず、A3サイズ、A5サイズ、レターサイズ、はがきサイズ等であってもよい。
【0110】
(第15変形例)プリンタ10は、media-sizeが収容用紙サイズの半分である場合にのみ、カット機能「回転カット」を実行するように構成されていてもよい。即ち、プリンタ10は、media-sizeが収容用紙サイズと同じである場合に、カット機能「回転カット」を実行しない。本変形例では、プリンタ10のCPU32は、
図5のS28でNOと判断される場合に、S40の処理に代えて、エラー通知をPC100に送信する。
【0111】
(第16変形例)プリンタ10の操作部16を介して、カットテーブル38内の情報(例えばカットフラグ)を設定できてもよい。また、別の変形例では、プリンタ10が、カットフラグのオンオフを切り替えるための物理的なスイッチを備えていてもよい。
【0112】
(第17変形例)上記の実施例では、
図3~
図8の各処理がソフトウェアによって実現されるが、これらの各処理のうちの少なくとも1つが論理回路等のハードウェアによって実現されてもよい。
【0113】
本明細書または図面に説明した技術要素は、単独で、あるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【0114】
本特許出願時の特許請求の範囲において、各請求項が一部の請求項のみに従属している場合であっても、各請求項が当該一部の請求項のみに従属可能であることに限定されない。技術的に矛盾しない範囲において、各請求項は、出願時に従属していない他の請求項にも従属可能である。即ち、各請求項の技術は以下のように様々に組み合わせることができる。
(項目1)
プリンタであって、
カット紙を収容する収容部と、
前記収容部から前記カット紙を搬送する搬送部と、
前記カット紙への印刷を実行する印刷実行部と、
前記カット紙の切断に関する所定処理を実行する処理実行部と、
端末装置から印刷実行コマンドが受信される前に、前記所定処理を実行するための認証情報として第1の認証情報を記憶するように構成されるメモリと、
制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記端末装置から前記印刷実行コマンドが受信される場合に、前記カット紙の搬送を前記搬送部に実行させて、前記カット紙への印刷画像の印刷を前記印刷実行部に実行させる印刷制御部と、
前記印刷実行コマンドが前記メモリ内の前記第1の認証情報を含む場合に、前記カット紙への前記所定処理を前記処理実行部に実行させる処理制御部であって、前記印刷実行コマンドが前記メモリ内の前記第1の認証情報を含まない場合に、前記カット紙への前記所定処理は実行されない、前記処理制御部と、
を備える、プリンタ。
(項目2)
前記所定処理は、第1のサイズを有する第1のカット紙から、前記第1のサイズよりも小さい第2のサイズを有する第2のカット紙を形成するための切断に関する処理である、項目1に記載のプリンタ。
(項目3)
前記所定処理は、前記第1のカット紙の第1の長辺の中央と、前記第1のカット紙の第2の長辺の中央と、を結ぶ直線に沿った切断に関する処理であり、
前記第2のサイズは、前記第1のサイズの半分のサイズである、項目2に記載のプリンタ。
(項目4)
前記メモリは、さらに、前記端末装置から前記印刷実行コマンドが受信される前に、前記所定処理を実行するための認証情報として、前記第1の認証情報と、前記第1の認証情報とは異なる第2の認証情報と、を記憶するように構成されており、
前記印刷実行コマンドは、前記第1のサイズに対応する第1の印刷画像を表わす画像データを含み、
前記印刷制御部は、
前記印刷実行コマンドが前記メモリ内の前記第1の認証情報を含む場合に、前記第1のカット紙への前記第1の印刷画像の印刷を前記印刷実行部に実行させ、
前記印刷実行コマンドが前記メモリ内の前記第2の認証情報を含む場合に、
前記第1の印刷画像を縮小して、前記第2のサイズに対応する第2の印刷画像を生成し、
前記第2の印刷画像を90°回転させて回転済み画像を生成し、
前記第1のカット紙の特定の領域への前記回転済み画像の印刷を前記印刷実行部に実行させ、
前記特定の領域は、前記直線によって分離される2つの領域のうちの一方の領域であり、
前記処理制御部は、前記印刷実行コマンドが前記第1の認証情報及び前記第2の認証情報のどちらかを含む場合に、前記第1のカット紙への前記所定処理を前記処理実行部に実行させ、
前記印刷実行コマンドが前記第1の認証情報及び前記第2の認証情報のどちらも含まない場合に、前記第1のカット紙への前記所定処理は実行されない、項目3に記載のプリンタ。
(項目5)
前記プリンタは、さらに、操作部を備え、
前記制御部は、さらに、
前記印刷実行コマンドが、前記第1の認証情報とは異なる第3の認証情報であって、前記所定処理を実行するための認証情報として前記メモリに記憶されていない前記第3の認証情報を含む場合に、前記第3の認証情報を前記メモリに記憶させる第1の記憶制御部を備え、
前記印刷制御部は、
前記印刷実行コマンドが前記メモリ内の前記第1の認証情報を含む場合に、ユーザから前記操作部を介した前記第1の認証情報の入力を受付けることなく、前記カット紙への前記印刷画像の印刷を前記印刷実行部に実行させ、
前記印刷実行コマンドが前記第3の認証情報を含む場合に、前記ユーザから前記操作部を介した前記第3の認証情報の入力を受付ける場合に、前記カット紙への前記印刷画像の印刷を前記印刷実行部に実行させ、
前記印刷実行コマンドが前記第3の認証情報を含む場合に、前記カット紙への前記所定処理は実行されない、項目1から4のいずれか一項に記載のプリンタ。
(項目6)
前記プリンタは、さらに、操作部を備え、
前記印刷制御部は、前記印刷実行コマンドが前記メモリ内の前記第1の認証情報を含む場合に、ユーザから前記操作部を介した前記第1の認証情報の入力を受付ける場合に、前記カット紙への前記印刷画像の印刷を前記印刷実行部に実行させる、項目1から5のいずれか一項に記載のプリンタ。
(項目7)
前記メモリは、さらに、フラグ情報を記憶するように構成されており、
前記フラグ情報は、前記所定処理の実行が許可されていることを示す許可情報と、前記所定処理の実行が禁止されていることを示す禁止情報と、のどちらかを示し、
前記処理制御部は、前記印刷実行コマンドが前記メモリ内の前記第1の認証情報を含み、かつ、前記メモリ内の前記フラグ情報が前記許可情報を示す場合に、前記カット紙への前記所定処理を前記処理実行部に実行させ、
前記印刷実行コマンドが前記メモリ内の前記第1の認証情報を含み、かつ、前記メモリ内の前記フラグ情報が前記禁止情報を示す場合に、前記カット紙への前記所定処理は実行されない、項目1から6のいずれか一項に記載のプリンタ。
(項目8)
前記メモリは、さらに、前記所定処理の実行が許可される1以上の許可ユーザ情報を記憶可能に構成されており、
前記制御部は、さらに、
前記端末装置から、前記端末装置のユーザを識別する特定のユーザ情報を受信するユーザ情報受信部を備え、
前記処理制御部は、前記印刷実行コマンドが前記メモリ内の前記第1の認証情報を含み、かつ、前記メモリ内の前記1以上の許可ユーザ情報が前記特定のユーザ情報を含む場合に、前記カット紙への前記所定処理を前記処理実行部に実行させ、
前記印刷実行コマンドが前記メモリ内の前記第1の認証情報を含み、かつ、前記メモリ内の前記1以上の許可ユーザ情報が前記特定のユーザ情報を含まない場合に、前記カット紙への前記所定処理は実行されない、項目1から7のいずれか一項に記載のプリンタ。
(項目9)
前記制御部は、さらに、
前記プリンタが出荷された後に、前記第1の認証情報が前記プリンタに入力される場合に、前記第1の認証情報を前記メモリに記憶させる第2の記憶制御部を備える、項目1から8のいずれか一項に記載のプリンタ。
(項目10)
プリンタのためのコンピュータプログラムであって、
前記プリンタは、
カット紙を収容する収容部と、
前記収容部から前記カット紙を搬送する搬送部と、
前記カット紙への印刷を実行する印刷実行部と、
前記カット紙の切断に関する所定処理を実行する処理実行部と、
端末装置から印刷実行コマンドが受信される前に、前記所定処理を実行するための認証情報として第1の認証情報を記憶するように構成されるメモリと、を備え、
前記コンピュータプログラムは、前記プリンタのコンピュータを以下の各部、即ち、
前記端末装置から前記印刷実行コマンドが受信される場合に、前記カット紙の搬送を前記搬送部に実行させて、前記カット紙への印刷画像の印刷を前記印刷実行部に実行させる印刷制御部と、
前記印刷実行コマンドが前記メモリ内の前記第1の認証情報を含む場合に、前記カット紙への前記所定処理を前記処理実行部に実行させる処理制御部であって、前記印刷実行コマンドが前記メモリ内の前記第1の認証情報を含まない場合に、前記カット紙への前記所定処理は実行されない、前記処理制御部と、
として機能させるコンピュータプログラム。
(項目11)
プリンタによって実行される方法であって、
前記プリンタは、
カット紙を収容する収容部と、
前記収容部から前記カット紙を搬送する搬送部と、
前記カット紙への印刷を実行する印刷実行部と、
前記カット紙の切断に関する所定処理を実行する処理実行部と、
端末装置から印刷実行コマンドが受信される前に、前記所定処理を実行するための認証情報として第1の認証情報を記憶するように構成されるメモリと、を備え、
前記方法は、
前記端末装置から前記印刷実行コマンドが受信される場合に、前記カット紙の搬送を前記搬送部に実行させて、前記カット紙への印刷画像の印刷を前記印刷実行部に実行させる印刷制御ステップと、
前記印刷実行コマンドが前記メモリ内の前記第1の認証情報を含む場合に、前記カット紙への前記所定処理を前記処理実行部に実行させる処理制御ステップであって、前記印刷実行コマンドが前記メモリ内の前記第1の認証情報を含まない場合に、前記カット紙への前記所定処理は実行されない、前記処理制御ステップと、
備える、方法。
【符号の説明】
【0115】
2:通信システム、10:プリンタ、12:表示部、14:通信I/F、16:操作部、18:収容部、20:搬送部、22:印刷実行部、24:切断部、30:制御部、32:CPU、34:メモリ、36:プログラム、38:表示テーブル、50:排紙トレイ、52:搬送路、56:カット紙、58~66:ローラ、68:インクジェットヘッド、100A~100C:PC、102:汎用ドライバ