(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024051752
(43)【公開日】2024-04-11
(54)【発明の名称】点灯検査装置
(51)【国際特許分類】
G01M 11/00 20060101AFI20240404BHJP
G02F 1/13 20060101ALI20240404BHJP
H10K 50/10 20230101ALI20240404BHJP
H05B 33/12 20060101ALI20240404BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20240404BHJP
H10K 71/70 20230101ALI20240404BHJP
H10K 59/10 20230101ALI20240404BHJP
【FI】
G01M11/00 T
G02F1/13 101
H05B33/14 A
H05B33/12 Z
G09F9/00 352
H10K71/70
H10K59/10
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022158068
(22)【出願日】2022-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】000002233
【氏名又は名称】ニデックインスツルメンツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100142619
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100153316
【弁理士】
【氏名又は名称】河口 伸子
(74)【代理人】
【識別番号】100196140
【弁理士】
【氏名又は名称】岩垂 裕司
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 史朗
(72)【発明者】
【氏名】赤羽 賢俊
【テーマコード(参考)】
2G086
2H088
3K107
5G435
【Fターム(参考)】
2G086EE10
2H088FA12
2H088FA13
2H088FA30
3K107AA01
3K107BB01
3K107CC45
3K107FF15
3K107GG54
3K107GG56
5G435AA17
5G435BB05
5G435BB12
5G435KK10
(57)【要約】
【課題】アラインメントマークを撮影するカメラを、表示パネルが供給される毎に、表示パネルの搬送経路から外れた位置に退避させる必要がない点灯表示装置を提供すること。
【解決手段】表示パネル2のアラインメントマーク2bを撮影するカメラ35は、搬送機構6が表示パネル2を搬送する搬送経路5から外れた位置に設置される。ステージユニット15は、回転軸L0に対して180°の回転対称となる位置に、吸着ステージ18と吸着ステージ移動機構19とを有する。制御部8は、供給位置Aにある吸着ステージ18に表示パネル2が供給されると、吸着ステージ18を第1方向D1に移動させて撮影位置Cに配置し、カメラ35によりアラインメントマーク2bを撮影する。従って、カメラ35が供給位置Aの上方に配置されていなくても、カメラ35は、吸着ステージ18上の表示パネル2のアラインメントマーク2bを、上方から、正対して、撮影できる。
【選択図】
図8
【特許請求の範囲】
【請求項1】
点灯させた表示パネルを検査員が目視により検査するための点灯検査装置において、
前記表示パネルを所定の搬送経路に沿って搬送して上方から供給位置に供給する搬送機構と、
所定の回転軸に対して180°の回転対称となる位置のそれぞれに、前記表示パネルを吸着する吸着ステージおよび当該吸着ステージを移動させる吸着ステージ移動機構を有するステージユニットと、
前記ステージユニットを、第1位置と、前記回転軸回りで前記第1位置から180°回転した第2位置との間で回転させる回転駆動機構と、
前記搬送経路から外れた位置に配置されたカメラを備え、前記表示パネルに設けられたアラインメントマークを撮影する撮影ユニットと、
前記表示パネルの端子に接触可能なコンタクトおよび当該コンタクトの位置調整を行うコンタクト位置調整機構を備えるコンタクトユニットと、
前記吸着ステージ移動機構、前記回転駆動機構、前記カメラ、前記コンタクト位置調整機構を駆動制御する制御部と、を有し、
前記ステージユニットが前記第1位置にあり、前記吸着ステージが予め定めた基準位置にある場合に、2つの前記吸着ステージのうちの一方の前記吸着ステージは、水平な姿勢で前記供給位置に配置され、他方の前記吸着ステージは、前記回転軸から離間するのに伴って下方に傾斜する姿勢で前記コンタクトに対向する検査位置に配置され、
上下方向と垂直で前記搬送経路に沿った方向をX軸方向、前記上下方向および前記X軸方向と直交し前記供給位置に配置された前記吸着ステージに沿った方向をY1軸方向、前記X軸方向と直交し、前記検査位置に配置された前記吸着ステージに沿った方向をY2軸方向、前記検査位置に配置された前記吸着ステージと垂直な方向をZ軸方向、前記検査位置に配置された前記吸着ステージ上に設定されてZ軸方向に延びる軸線回りの回転方向をθ軸方向とし、前記Y1軸方向において前記回転軸に対して前記供給位置に配置された前記吸着ステージが位置する側を前記Y1軸方向の第1方向、その反対側を前記Y1軸方向の第2方向とした場合に、
前記吸着ステージ移動機構は、前記供給位置において前記吸着ステージを前記Y1軸方向に移動させ、前記検査位置におい前記吸着ステージを前記Y2軸方向に移動させ、
前記カメラによる撮影位置は、前記供給位置の前記第1方向に位置し、
前記制御部は、前記ステージユニットが前記第1位置にあるときに前記表示パネルが前記供給位置に配置された前記吸着ステージに供給されると、当該吸着ステージを前記第1方向に移動させて前記吸着ステージを前記撮影位置に配置し、前記カメラにより前記アラインメントマークを撮影して画像データを取得し、次に、前記ステージユニットを180°回転させて前記第2位置に配置するとともに、前記画像データを解析して前記表示パネルの位置が前記吸着ステージ上で予め規定した規定位置からY1軸方向にズレたY軸ズレ量、X軸方向にズレたX軸ズレ量、θ軸方向にズレたθ軸ズレ量を取得し、その後、前記検査位置に配置された前記吸着ステージをY軸ズレ量に基づいてY2軸方向移動にさせ、前記コンタクトの位置を、X軸ズレ量およびθ軸ズレ量に基づいて前記X軸方向および前記θ軸回りで移動させ、しかる後に、前記コンタクトを前記Z軸方向に移動させて前記端子に接触させることを特徴とする点灯検査装置。
【請求項2】
前記制御部と通信可能に接続された記憶部を備え、
前記記憶部には、供給される前記表示パネルのサイズ情報が記憶保持されており、
前記制御部は、前記供給位置に配置された前記吸着ステージを、前記サイズ情報に基づいて前記基準位置から前記第1方向に移動させて、前記撮影位置に配置することを特徴とする請求項1に記載の点灯検査装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記カメラにより前記アラインメントマークを撮影して画像データを取
得すると、前記撮影位置にある前記吸着ステージを前記基準位置に戻し、しかる後に、前記ステージユニットを180°回転させることを特徴とする請求項1に記載の点灯検査装置。
【請求項4】
前記表示パネルは、矩形であり、前記供給位置に配置された前記吸着ステージに供給されたときに、前記吸着ステージの外周縁において前記第1方向の側で前記X軸方向に延びる外周縁部分に前記X軸方向に配列された複数の端子と、2つの前記アラインメントマークを備え、
2つの前記アラインメントマークのうち、一方の第1アラインメントマークは、前記複数の端子の前記X軸方向の一方に設けられ、他方の第2アラインメントマークは、前記複数の端子の前記X軸方向の他方に設けられ、
前記撮影ユニットは、前記カメラとして、前記X軸方向で離間する第1カメラと、第2カメラと、を備え、
前記第1カメラは、前記第1アラインメントマークを撮影し、
前記第2カメラは、前記第2アラインメントマークを撮影し、
前記制御部は、前記第1カメラにより取得した第1画像データおよび第2カメラにより取得した第2画像データを解析して、前記Y軸ズレ量、前記X軸ズレ量、および前記θ軸ズレ量を取得することを特徴とする請求項1に記載の点灯検査装置。
【請求項5】
前記制御部と通信可能に接続された記憶部を備え、
前記記憶部には、供給される前記表示パネルのサイズ情報が記憶保持されており、
前記撮影ユニットは、前記第1カメラをX軸方向に移動させる第1カメラ移動機構と、前記第2カメラをX軸方向に移動させる第2カメラ移動機構と、を備え、
前記制御部は、前記記憶部に記憶保持された前記サイズ情報に基づいて前記第1カメラ移動機構および前記第2カメラ移動機構を駆動制御して、前記第1カメラのX軸方向における位置および前記第2カメラのX軸方向の位置をそれぞれ調整することを特徴とする請求項4に記載の点灯検査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示パネルを点灯させて外観を検査するための点灯検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶パネルの点灯試験を行う点灯検査装置は、特許文献1に記載されている。同文献の点灯検査装置は、搬送部と、検査部と、を備える。搬送部は、外部から搬入された液晶パネルを検査部に供給する。検査部は、液晶パネルを支持するステージユニットと、検査のために液晶パネルを裏側から照明するバックライトと、液晶パネルの端子に電気的に接触して、この液晶パネルを点灯させるプローブユニットを備える。ステージユニットは、XYZθステージユニットであり、検査部に供給された液晶パネルの位置を、プローブユニットに対応する規定位置に位置合わせする。点灯検査では、検査員が点灯する液晶パネルを目視により検査する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
XYZθステージユニットを用いた表示パネルの位置合わせでは、まず、XYZθステージユニットに載置された表示パネルのアラインメントマークをカメラで撮影する。次に、撮影により得られた画像データを解析して、アラインメントマークの位置から表示パネルが実際に配置された配置位置と、予め定めた規定位置とのズレ量を取得する。その後、取得されたズレ量を相殺するように、表示パネルの位置をステージユニット上でX軸方向、Y1軸方向、およびθ軸回りで補正する。これにより、表示パネルが規定位置に配置されると、表示パネルの端子と、プローブユニットのプローブとは、Z軸方向で対向するものとなる。従って、プローブユニットをZ軸方向に移動させることにより、表示パネルの端子とプローブとを接触させることが可能となる。
【0005】
ここで、表示パネルのアラインメントマークを撮影するカメラは、画像データからズレ量を正確に取得するために、XYZθステージユニットに載置された表示パネルに正対する位置に配置される。すなわち、カメラは、XYZθステージユニットの上方に位置される。しかし、XYZθステージユニットの上方は、XYZθステージユニット上に表示パネルを搬送する搬送部の搬送経路となっている。また、表示パネルは、上方からXYZθステージユニットに供給される。従って、従来は、搬送部がXYZθステージユニットに表示パネルを供給する前に、カメラを搬送経路から外れた退避位置に退避させ、表示パネルがYZθステージユニットに供給された後に、カメラを退避位置から表示パネルに正対する位置に戻す動作を行い、カメラと、搬送部と、が干渉することを回避していた。また、このようなカメラの移動動作を、表示パネルが供給される毎に繰り返していた。
【0006】
本発明の課題は、かかる点に鑑みて、アラインメントマークを撮影するカメラを、表示パネルが供給される毎に、表示パネルの搬送経路から外れた位置に退避させる必要がない点灯表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明は、点灯させた表示パネルを検査員が目視により検査するための点灯検査装置において、前記表示パネルを所定の搬送経路に沿って搬送して
上方から供給位置に供給する搬送機構と、所定の回転軸に対して180°の回転対称となる位置のそれぞれに、前記表示パネルを吸着する吸着ステージおよび当該吸着ステージを移動させる吸着ステージ移動機構を有するステージユニットと、前記ステージユニットを、第1位置と、前記回転軸回りで前記第1位置から180°回転した第2位置との間で回転させる回転駆動機構と、前記搬送経路から外れた位置に配置されたカメラを備え、前記表示パネルに設けられたアラインメントマークを撮影する撮影ユニットと、前記表示パネルの端子に接触可能なコンタクトおよび当該コンタクトの位置調整を行うコンタクト位置調整機構を備えるコンタクトユニットと、前記吸着ステージ移動機構、前記回転駆動機構、前記カメラ、前記コンタクト位置調整機構を駆動制御する制御部と、を有し、前記ステージユニットが前記第1位置にあり、前記吸着ステージが予め定めた基準位置にある場合に、2つの前記吸着ステージのうちの一方の前記吸着ステージは、水平な姿勢で前記供給位置に配置され、他方の前記吸着ステージは、前記回転軸から離間するのに伴って下方に傾斜する姿勢で前記コンタクトに対向する検査位置に配置され、上下方向と垂直で前記搬送経路に沿った方向をX軸方向、前記上下方向および前記X軸方向と直交し前記供給位置に配置された前記吸着ステージに沿った方向をY1軸方向、前記X軸方向と直交し、前記検査位置に配置された前記吸着ステージに沿った方向をY2軸方向、前記検査位置に配置された前記吸着ステージと垂直な方向をZ軸方向、前記検査位置に配置された前記吸着ステージ上に設定されてZ軸方向に延びる軸線回りの回転方向をθ軸方向とし、前記Y1軸方向において前記回転軸に対して前記供給位置に配置された前記吸着ステージが位置する側を前記Y1軸方向の第1方向、その反対側を前記Y1軸方向の第2方向とした場合に、前記吸着ステージ移動機構は、前記供給位置において前記吸着ステージを前記Y1軸方向に移動させ、前記検査位置におい前記吸着ステージを前記Y2軸方向に移動させ、前記カメラによる撮影位置は、前記供給位置の前記第1方向に位置し、前記制御部は、前記ステージユニットが前記第1位置にあるときに前記表示パネルが前記供給位置に配置された前記吸着ステージに供給されると、当該吸着ステージを前記第1方向に移動させて前記吸着ステージを前記撮影位置に配置し、前記カメラにより前記アラインメントマークを撮影して画像データを取得し、次に、前記ステージユニットを180°回転させて前記第2位置に配置するとともに、前記画像データを解析して前記表示パネルの位置が前記吸着ステージ上で予め規定した規定位置からY1軸方向にズレたY軸ズレ量、X軸方向にズレたX軸ズレ量、θ軸方向にズレたθ軸ズレ量を取得し、その後、前記検査位置に配置された前記吸着ステージをY軸ズレ量に基づいてY2軸方向移動にさせ、前記コンタクトの位置を、X軸ズレ量およびθ軸ズレ量に基づいて前記X軸方向および前記θ軸回りで移動させ、しかる後に、前記コンタクトを前記Z軸方向に移動させて前記端子に接触させることを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、表示パネルのアラインメントマークを撮影するカメラは、搬送機構が表示パネルを搬送する搬送経路から外れた位置に設置されている。従って、表示パネルが供給位置に配置された吸着ステージに供給される毎に、カメラを搬送経路から外れた位置に退避させる必要がない。この一方で、ステージユニットは、回転軸に対して180°の回転対称となる位置のそれぞれに、表示パネルを吸着する吸着ステージと吸着ステージを移動させる吸着ステージ移動機構とを有する。また、制御部は、供給位置にある吸着ステージに表示パネルが供給されると、吸着ステージを搬送経路と直交するY1軸方向の一方側に移動させてカメラによる撮影位置に配置して、表示パネルのアラインメントマークを撮影する。従って、カメラが供給位置の上方で供給位置と正対する位置に配置されていなくても、カメラは、吸着ステージ上の表示パネルのアラインメントマークを、上方から、正対して、撮影できる。また、検査位置に配置された吸着ステージに吸着された表示パネルの位置補正を行う際には、吸着ステージの移動により、Y2軸方向の補正のみを行う。従って、吸着ステージの側において多方向の補正を複合的に行う場合と比較して、ステージユニットの構造が簡易なものとなる。また、Y2軸方向の位置の補正を正確に行うことが容易となる。さらに、X軸方向およびθ軸回りの補正は、コンタクト調整機構により、
コンタクトを移動させて行う。従って、表示パネルの端子に、コンタクトを正確に接触させることができる。
【0009】
本発明において、前記制御部と通信可能に接続された記憶部を備え、前記記憶部には、供給される前記表示パネルのサイズ情報が記憶保持されており、前記制御部は、前記供給位置に配置された前記吸着ステージを、前記サイズ情報に基づいて前記基準位置から前記第1方向に移動させて、前記撮影位置に配置するものとすることができる。このようにすれば、点灯検査装置を用いてY方向のサイズが異なる複数の表示パネルの点灯検査を行う場合などに、表示パネルに設けられたアラインメントマークを、カメラによって、確実に撮影できる。
【0010】
本発明において、前記制御部は、前記カメラにより前記アラインメントマークを撮影して画像データを取得すると、前記撮影位置にある前記吸着ステージを前記基準位置に戻し、しかる後に、前記ステージユニットを180°回転させるものとすることができる。このようにすれば、吸着ステージが撮影位置に配置された状態でステージユニットを回転させる場合と比較して、ステージユニットが回転する際の回転半径を小さくできる。従って、ステージユニットが、その周囲に設置されている装置などと干渉することを回避することが容易となる。
【0011】
本例において、前記表示パネルは、矩形であり、前記供給位置に配置された前記吸着ステージに供給されたときに、前記吸着ステージの外周縁において前記第1方向の側で前記X軸方向に延びる外周縁部分に前記X軸方向に配列された複数の端子と、2つの前記アラインメントマークを備え、
2つの前記アラインメントマークのうち、一方の第1アラインメントマークは、前記複数の端子の前記X軸方向の一方に設けられ、他方の第2アラインメントマークは、前記複数の端子の前記X軸方向の他方に設けられ、
前記撮影ユニットは、前記カメラとして、前記X軸方向で離間する第1カメラと、第2カメラと、を備え、
前記第1カメラは、前記第1アラインメントマークを撮影し、
前記第2カメラは、前記第2アラインメントマークを撮影し、
前記制御部は、前記第1カメラにより取得した第1画像データおよび第2カメラにより取得した第2画像データを解析して、前記Y軸ズレ量、前記X軸ズレ量、および前記θ軸ズレ量を取得するものとすることができる。
【0012】
本発明において、前記制御部と通信可能に接続された記憶部を備え、前記記憶部には、供給される前記表示パネルのサイズ情報が記憶保持されており、前記撮影ユニットは、前記第1カメラをX軸方向に移動させる第1カメラ移動機構と、前記第2カメラをX軸方向に移動させる第2カメラ移動機構と、を備え、前記制御部は、前記記憶部に記憶保持された前記サイズ情報に基づいて前記第1カメラ移動機構および前記第2カメラ移動機構を駆動制御して、前記第1カメラのX軸方向における位置および前記第2カメラのX軸方向の位置をそれぞれ調整するものとすることができる。このようにすれば、第1カメラおよび第2カメラを供給される表示パネルのX方向のサイズに対応する位置に配置できる。従って、X軸方向のサイズが異なる複数の表示パネルの点灯検査を行う場合などに、2つのアラインメントマークを、それぞれのカメラで確実に撮影できる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、表示パネルのアラインメントマークを撮影するカメラは、搬送機構が表示パネルを搬送する搬送経路から外れた位置に設置されている。従って、表示パネルが供給位置に配置された吸着ステージに供給される毎に、カメラを搬送経路から外れた位置に退避させる必要がない。この一方で、ステージユニットは、回転軸に対して180°の
回転対称となる位置のそれぞれに、表示パネルを吸着する吸着ステージと吸着ステージを移動させる吸着ステージ移動機構とを有する。また、制御部は、供給位置にある吸着ステージに表示パネルが供給されると、吸着ステージを搬送経路と直交するY1軸方向の一方側に移動させてカメラによる撮影位置に配置して、表示パネルのアラインメントマークを撮影する。従って、カメラが供給位置の上方で供給位置と正対する位置に配置されていなくても、カメラは、吸着ステージ上の表示パネルのアラインメントマークを、上方から、正対して、撮影できる。また、検査位置に配置された吸着ステージに吸着された表示パネルの位置補正を行う際には、吸着ステージの移動により、Y2軸方向の補正し、コンタクトの移動により、X軸方向およびθ軸回りの補正を行う。表示パネルの端子に、コンタクトを正確に接触させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図3】供給位置の吸着ステージを外した旋回ユニットの斜視図である。
【
図6】点灯検査装置の制御系を示す概略ブロック図である。
【
図8】アラインメントマークを撮影する時点のパネル点灯機構の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照して、本発明の外観検査装置の実施の形態を説明する。
【0016】
(全体構成)
図1は、点灯検査装置の斜視図である。
図2は、旋回ユニットの側面図である。
図3は、供給位置の吸着ステージを外した旋回ユニットの斜視図である。
図4は、撮影ユニットの斜視図である。
図5は、コンタクトユニットの斜視図である。
【0017】
本例の点灯検査装置1は、液晶パネルやOLED基板などの表示パネル2を点灯させて、検査員による目視の検査を行うための装置である。本例では、表示パネル2は、矩形のOLED基板である。
図1に示すように、OLED基板は、その一つの辺に沿って配列された複数の端子2aを備える。また、OLED基板は、その矩形の外周縁のうち、複数の端子2aが設けられた一辺に沿った外周縁部分における複数の端子2aの両側に、それぞれ第1アラインメントマーク2bと第2アラインメントマーク2cと、を備える。
【0018】
図1に示すように、点灯検査装置1は、表示パネル2を所定の搬送経路5に沿って搬送して供給位置Aに配置する搬送機構6と、表示パネル2を点灯させるパネル点灯機構7と、これらを駆動制御する制御部8と、を備える。
【0019】
搬送機構6は、表示パネル2を吸着して搬送する周知の機構である。搬送機構6は、例えば、表示パネル2を吸着するための複数の吸着パッドを備える吸着ハンドと、吸着ハンドを昇降させる昇降機構と、吸着ハンド及び昇降機構およびを所定の搬送経路5に沿って移動させる移動機構と、とを備える。パネル点灯機構7は、表示パネル2が供給される旋回ユニット11を備える。旋回ユニット11は、搬送経路5の直下に配置されている、表示パネル2は、上方から旋回ユニット11に供給される。
【0020】
また、パネル点灯機構7は、搬送経路5と直交する方向において、旋回ユニット11の後方に配置された撮影ユニット12と、旋回ユニット11の前方に配置されたコンタクトユニット13と、を備える。従って、コンタクトユニット13と、旋回ユニット11、撮
影ユニット12は、点灯検査装置1の前後方向で、この順に、配列されている。撮影ユニット12は、旋回ユニット11に供給された表示パネル2に設けられた第1アラインメントマーク2bおよび第2アラインメントマーク2cを撮影する。コンタクトユニット13は、旋回ユニット11に供給された表示パネル2の端子2aに接触するコンタクト14を備える。コンタクトユニット13は、表示パネル2に通電して、表示パネル2を点灯させる。
【0021】
(旋回ユニット)
旋回ユニット11は、ステージユニット15と、ステージユニット15を所定の回転軸L0回りに回転可能に支持する支持フレーム16と、支持フレーム16に設けられてステージユニット15を回転させる回転駆動機構17と、を備える。ステージユニット15は、回転軸L0に対して180°の回転対称となる位置のそれぞれに、表示パネル2を吸着する吸着ステージ18と、吸着ステージ18を移動させる吸着ステージ移動機構19と、を有する。吸着ステージ18を正対見した形状は、矩形である。回転駆動機構17は、ステージユニット15を、第1位置と、回転軸L0回りで第1位置から180°回転した第2位置との間で回転させる。回転駆動機構17は、駆動源として、サーボモータ20を備える。
【0022】
ステージユニット15が第1位置に配置されたときに、一方の吸着ステージ18は、旋回ユニットの上端において水平な姿勢となる。他方の吸着ステージ18は、一方の吸着ステージ18から前方に離間するの伴って傾斜する姿勢となる。他方の吸着ステージ18は、一方の吸着ステージ18に対し、下方に向かって、60°傾斜する。
【0023】
ここで、以下の説明では、上下方向をV軸方向とする。V軸方向と垂直で搬送経路5に沿った方向をX軸方向、V軸方向およびX軸方向と直交し供給位置Aに配置された吸着ステージ18に沿った方向をY1軸方向、X軸方向と直交し、検査位置Bに配置された吸着ステージ18に沿った方向をY2軸方向とする。また、検査位置Bに配置された吸着ステージ18と垂直な方向をZ軸方向、検査位置Bに配置された吸着ステージ18上に設定されてZ軸方向に延びる軸線回りの回転方向をθ軸方向とする。Y1軸方向において回転軸L0に対して供給位置Aに配置された吸着ステージ18が位置する側をY1軸方向の第1方向D1、その反対側をY1軸方向の第2方向D2とする。
【0024】
搬送機構6により搬送された表示パネル2は、水平な姿勢とされた一方の吸着ステージ18の上面に上方から供給される。表示パネル2が吸着ステージ18に供給される際に、表示パネル2において端子2aおよびアラインメントマーク2b、2cが形成されている辺は、表示パネル2の第1方向D1の辺である。すなわち、表示パネル2において端子2aおよびアラインメントマーク2b、2cが形成されている辺は、撮影ユニット12に近い側に位置し、X軸方向に延びる。
【0025】
図1、
図2に示すように、吸着ステージ18は、矩形の多孔質板21と、多孔質板21を保持するホルダ22と、ホルダ22に取り付けられたノズル23と、を備える。多孔質板21は、アルミナを主成分とする多孔質セラミックス、SiCを主成分とする多孔質セラミックス、或いは、通気性の多孔質カーボンから形成される。ホルダ22は、箱型であり、下方および外周側から多孔質板21を覆う。ノズル23はホルダ22の側面をホルダ22の内側から外側に貫通する。ノズル23には、吸気機構24に連通する不図示の空気管が接続される。吸気機構24が駆動されると、多項質板の上面から空気が吸気される。これにより、表示パネル2は、多孔質板21の表面(吸着ステージ18の上面)に吸着される。
【0026】
各吸着ステージ移動機構19は、供給位置Aにある吸着ステージ18をY1軸方向に移
動させる。また、吸着ステージ移動機構19は、検査位置Bにある吸着ステージ18をY2軸方向に移動させる。
図3に示すように、吸着ステージ移動機構19は、ステージユニット15に取り付けられてX軸方向と直交する方向に延びるボールネジ25と、ボールネジ25を回転駆動する第1パルスモータ26と、ボールネジ25に噛合する第1移動部材27を、を備える。また、吸着ステージ移動機構19は、ボールネジ25のX軸方向の両側においてステージユニット15に取り付けられてボールネジ25と平行に配置された一対のレール28と、レール28に移動可能に取り付けられた一対の第2移動部材29と、を備える。第1移動部材27および第2移動部材29は、ホルダ22に下側から固定される。従って、第1パルスモータ26を駆動すると、吸着ステージ18はX軸方向と直交する方向(Y1軸方向またはY2軸方向)に移動する。
【0027】
(撮影ユニット)
図4に示すように、撮影ユニット12は、X軸方向で離間した位置でV軸方向に平行に延びる2本の支柱31と、2本の支柱31に水平に架け渡されたレール部材32と、を備える。
図1に示すように、レール部材32は、V軸方向において、旋回ユニット11の上端に位置する一方の吸着ステージ18よりも上方に位置する。また、撮影ユニット12は、
図4に示すように、レール部材32に移動可能に取り付けられた第1撮影機構33および第2撮影機構34と、を備える。第1撮影機構33は、供給位置Aにある表示パネル2の第1方向D1の側の一辺に沿った外周縁部分に設けられた第1アラインメントマーク2bを撮影する。第2撮影機構34は、供給位置Aにある表示パネル2の第1方向D1の側の一辺に沿った外周縁部分に設けられた第2アラインメントマーク2cを撮影する。
【0028】
第1撮影機構33は、下方を向く第1カメラ35と、第1カメラ35の下側に位置する第1ライト36と、備える。第1カメラ35による第1撮影位置P1は第1カメラ35の直下であり、第1ライト36は、第1撮影位置P1を照らす。第2撮影機構34は、下方を向く第2カメラ37と、第2カメラ37の下方に位置する第2ライト38と、備える。第2カメラ37による第2撮影位置P2は第2カメラ37の直下であり、第2ライト38は、第2撮影位置P2を照らす。さらに、撮影ユニット12は、第1撮影機構33をレール部材32に沿ってX軸方向に移動させる第1撮影機構移動機構39(第1カメラ移動機構)と、第2撮影機構34をレール部材32に沿ってX軸方向に移動させる第2撮影機構移動機構40(第2カメラ移動機構)と、を備える。第1撮影機構移動機構39は、X軸方向に延びるボールネジ(不図示)と、ボールネジを回転駆動する第2パルスモータ41(
図6参照)と、このボールネジに噛合してボールネジ25に沿って移動する移動部材(不図示)と、を備える。第2撮影機構移動機構40は、X軸方向に延びるボールネジ(不図示)と、ボールネジを回転駆動する第3パルスモータ42(
図6参照)と、このボールネジに噛合してボールネジに沿って移動する移動部材(不図示)と、を備える。各移動部材は、それぞれ各撮影機構33、34に接続されている。本例では、第1撮影機構移動機構39および第2撮影機構移動機構40は、レール部材32の内側に配置されている。
【0029】
(コンタクトユニット)
図5に示すように、コンタクトユニット13は、固定フレーム45と、表示パネル2の端子2aに接触可能なコンタクト14と、コンタクトユニット13を検査位置Bにある吸着ステージ18と垂直なZ軸方向に移動させるコンタクト移動機構46と、コンタクト14の位置調整を行うコンタクト位置調整機構47を備える。コンタクト位置調整機構47は、コンタクト14を、X軸方向に移動させる第1位置調整機構48と、コンタクト14を、検査位置Bに配置された吸着ステージ18に対して垂直に延びる所定の軸線L1回りで移動させる第2位置調整機構49を備える。
【0030】
図1に示すように、コンタクト14は、板状であり、検査位置Bに配置された吸着ステージ18の前方で、吸着ステージ18の下端部分に対応する。固定フレーム45は、前方
に向かって傾斜する他方側の吸着ステージ18の下方において、前方に向かって上方に30度傾斜する傾斜板部50を備える。
【0031】
図5に示すように、コンタクト移動機構46は、固定フレーム45の傾斜板部50に取り付けらえた第1ボールネジ51と、第1ボールネジ51を回転駆動する第4パルスモータ52と、第1ボールネジ51に噛合して第1ボールネジ51の回転により移動する第1可動フレーム53と、を備える。第1ボールネジ51は、傾斜板部50に沿って、X軸と直交する方向に延びる。すなわち、第1ボールネジ51は、検査位置Bに配置された吸着ステージ18と直交するZ軸方向に延びる。
【0032】
コンタクト位置調整機構47の第1位置調整機構48は、第1可動フレーム53上に配置された第2ボールネジ54と、第1可動フレーム53上に配置されて第2ボールネジ54を駆動する第5パルスモータ55と、第2ボールネジ54に噛合して第2ボールネジ54の回転により移動する第2可動フレーム56と、を備える。第2ボールネジ54はX軸方向に延びる。コンタクト位置調整機構47の第2位置調整機構49は、第2可動フレーム56上に固定された電動ゴニオステージ57を備える。ゴニオステージには、コンタクト14が取り付けられている。
【0033】
ここで、コンタクト14は、第4パルスモータ52の駆動により、検査位置Bに配置された吸着ステージ18と直交するZ軸方向に移動する。また、コンタクト14は、第5パルスモータ55の駆動により、X軸方向に移動する。さらに、コンタクト14は、電動ゴニオステージ57の駆動により、検査位置Bの吸着ステージ18と垂直な方向に延びる軸線L1回りに回転する。
【0034】
(制御部)
図6は、点灯検査装置1の制御系を示す概略ブロック図である。点灯検査装置1の制御系は、制御部8と、制御部8に通信可能に接続された記憶部61と、を備える。制御部8には、吸着ステージ18を駆動するための吸気機構24が接続されている。また、制御部8には、サーボモータ20、第1パルスモータ26、第1撮影機構33(第1カメラ35、第1ライト36、第2パルスモータ41)、および第2撮影機構34(第1カメラ37、第1ライト38、第3パルスモータ42)が接続されている。また、制御部8には、第4パルスモータ52、第5パルスモータ55、および電動ゴニオステージ57が接続されている。記憶部61には、パネル点灯機構7に供給される表示パネル2のサイズに関するサイズ情報が、予め、記憶保持されている。
【0035】
制御部8は、搬送機構制御部65と、搬送機構制御部65と通信可能に接続されたパネル点灯機構制御部66と、を備える。搬送機構制御部65は、搬送機構6を駆動制御して、表示パネル2を、表示パネル供給部(不図示)から、旋回ユニット11の供給位置Aに供給する。また、搬送機構制御部65は、点灯検査が終了すると、表示パネル2を、供給位置Aから、表示パネル搬出位置(不図示)に移動させる。
【0036】
パネル点灯機構制御部66は、パネル点灯機構7(旋回ユニット11、撮影ユニット12およびコンタクトユニット13)を駆動制御する。制御部8(搬送機構制御部65およびパネル点灯機構制御部66)は、搬送機構6とパネル点灯機構7とを同期させながら駆動制御する。
【0037】
パネル点灯機構制御部66は、表示パネル2の搬送に先立って、X軸方向における第1カメラ35の第1撮影位置P1および第2カメラ37による第2撮影位置P2を設定する撮影位置設定部69を備える。
【0038】
撮影位置設定部69は、記憶部61に記憶保持されたサイズ情報に基づいて、第1撮影機構33の第2パルスモータ41を駆動制御して、第1カメラ35および第1ライト36をX軸方向に移動させる。これにより、表示パネル2が供給位置Aの吸着ステージ18に供給された状態をY1軸方向から見た場合に、第1カメラ35による第1撮影位置P1を、表示パネル2の第1アラインメントマーク2b重なる位置に配置する。また、第2撮影機構34の第3パルスモータ42を駆動制御して、第2カメラ37および第2ライト38をX軸方向に移動させる。これにより、これにより、表示パネル2が供給位置Aの吸着ステージ18に供給された状態をY1軸方向から見た場合に、第2カメラ37による第2撮影位置P2を、表示パネル2の第2アラインメントマーク2cと重なる位置に配置する(後述する
図8のX軸方向で向き合う矢印参照)。
【0039】
また、パネル点灯機構制御部66は、吸着制御部70、撮影制御部71、画像解析部部72、ステージ回転制御部73、表示パネル位置補正部74、および通電制御部75を備える。
【0040】
吸着制御部70は、搬送機構6により表示パネル2が旋回ユニット11に供給される際に、吸気機構24を駆動する。これにより、供給される表示パネル2は、供給位置Aにある吸着ステージ18に吸着される。また、吸着制御部70は、表示パネル2の点灯検査が終了して、吸着ステージ18から表示パネル2が搬出される際に、吸気機構24を停止させる。これにより、搬送機構6は、旋回ユニット11上にある表示パネル2を、吸着して、搬出することが可能となる。
【0041】
撮影制御部71は、供給位置Aに配置された一方の吸着ステージ18に表示パネル2が供給されると、記憶部61に記憶保持されたサイズ情報に基づいて、吸着ステージ移動機構19の第1パルスモータ26を駆動制御して、吸着ステージ18をY1軸方向の第1方向D1に所定の距離だけ移動させる(後述する
図8の第1方向D1を向く矢印参照)。これにより、吸着ステージ18を撮影位置Cに配置する。撮影位置Cでは、吸着ステージ18に吸着された表示パネル2の第1アラインメントマーク2bは、第1カメラ35による第1撮影位置P1に位置する。第2アラインメントマーク2cは、第2カメラ37による第2撮影位置P2に位置する。
【0042】
また、撮影制御部71は、吸着ステージ18が撮影位置Cに配置されると、第1カメラ35および第1ライト36、並びに、第2カメラ37および第2ライト38を駆動制御して、表示パネル2の第1アラインメントマーク2bおよび第2アラインメントマーク2cを撮影して、第1画像データおよび第2画像データを取得する。また、撮影制御部71は、取得した第1画像データおよび第2画像データを記憶部61に記憶保持する。さらに、撮影制御部71は、第1画像データおよび第2画像データを取得すると、第1パルスモータ26を駆動制御して、吸着ステージ18を撮影位置Cから供給位置A(基準位置)に戻す。これにより、旋回ユニット11は、
図1に示す状態に戻る。
【0043】
画像解析部部72は、第1画像データおよび第2画像データが取得されると、これら第1画像データおよび第2画像データを解析して、吸着ステージ18上の表示パネル2の位置が予め規定している規定位置からY2軸方向にズレたY軸ズレ量、X軸方向にズレたX軸ズレ量、θ軸方向にズレたθ軸ズレ量を取得する。θ軸方向とは、予め設定された軸線L1回りの方向である。本例では、軸線L1は、吸着ステージ18のX軸方向の中心を通過して、吸着ステージ18の上面と直交するZ軸方向に延びる。
【0044】
ステージ回転制御部73は、吸着ステージ18が撮影位置Cから供給位置A(基準位置)に戻されると、吸着ステージ移動機構19のサーボモータ20を駆動して、ステージユニット15を180°回転させる。これにより、ステージユニット15は、第1位置から
第2位置に移動する。第2位置では、先に供給位置Aに配置されていた吸着ステージ18は検査位置Bに配置され、前方に向かって下方に傾斜した姿勢となる。また、この吸着ステージ18に吸着されている表示パネル2は、複数の端子2aが形成されている外周縁部分が下側に位置した姿勢となる。
【0045】
また、ステージ回転制御部73は、表示パネル2の点灯検査が終了すると、サーボモータ20を駆動して、旋回ユニット11を180°回転させる。これにより、ステージユニット15は、第2位置から第1位置に移動する。これにより、点灯検査が終了した表示パネル2を吸着した吸着ステージ18が、旋回ユニット11の上端で水平な姿勢となる。
【0046】
表示パネル位置補正部74は、画像解析部が取得したY軸ズレ量、X軸ズレ量、θ軸ズレ量に基づいて検査位置Bに配置された吸着ステージ18をY1軸方向、X軸方向、およびθ軸方向に移動させる。すなわち、表示パネル位置補正部74は、吸着ステージ移動機構19の第1パルスモータ26を駆動制御して、検査位置Bにある吸着ステージ18をY軸ズレ量を相殺する距離だけY1軸方向に移動させる。
【0047】
また、表示パネル位置補正部74は、コンタクト移動機構46の第5パルスモータ55を駆動制御して、検査位置Bにある吸着ステージ18を、X軸ズレ量を相殺する距離だけX軸方向に移動させる。さらに、表示パネル位置補正部74は、電動ゴニオステージ57を駆動制御して、検査位置Bにある吸着ステージ18を、θ軸ズレ量を相殺する角度だけ軸線L1回りに回転させる。これにより、表示パネル2は、予め規定した規定位置に配置される。規定位置は、表示パネル2の各端子2aと、コンタクトユニット13のコンタクト14とがZ軸方向で正対する位置である。また、表示パネル位置補正部74は、表示パネル2の点灯検査が終了すると、位置補正後の吸着ステージ18を位置補正前の基準位置に戻す。
【0048】
通電制御部75は、表示パネル位置補正部74による吸着ステージ18の位置補正が終了すると、コンタクト移動機構46の第4パルスモータ52を駆動して、コンタクトユニット13を、Z軸方向で吸着ステージ18に接近する方向に移動させて、表示パネルの端子2aとコンタクト14とを接触させる。また、通電制御部75は、コンタクト14への通電を行う。これにより、コンタクト14を介して表示パネル2に電力が供給されるので、表示パネル2が点灯する。従って、検査員は、表示パネル2を目視して、点灯試験を行うことができる。その後、通電制御部75は、点灯検査が終了すると、コンタクト14への通電を停止する。また、通電制御部75は、コンタクト移動機構46の第4パルスモータ52を駆動して、コンタクトユニット13をZ軸方向で吸着ステージ18から離間する方向に移動させる。
【0049】
(点灯検査動作)
図7は、点灯検査装置1が行う点灯検査動作のフローチャートである。
図8は、表示パネル2のアラインメントマーク2b、2cを撮影する時点のパネル点灯機構7の斜視図である。
【0050】
点灯検査装置1は、表示パネル2を搬送する前に、パネル点灯機構7の第1カメラ35および第2カメラ37の位置を設定する。すなわち、供給される表示パネル2のサイズ情報に基づいて、第2パルスモータ41および第3パルスモータ42を駆動制御して、第1カメラ35および第2カメラ37を、表示パネル2に設けられたアラインメントマーク2b、2cを撮影可能な位置に、配置する(
図8参照)。また、ステージユニット15は第1位置に配置されている。吸着ステージ18は基準位置に配置されている。
【0051】
図7に示すように、点灯検査を行う際には、点灯検査装置1は、搬送機構6により、表
示パネル2を旋回ユニット11の供給位置Aに供給する。これにより、供給位置Aに位置する吸着ステージ18は、表示パネル2を吸着する。(ステップST1)
【0052】
吸着ステージ18が表示パネル2を吸着すると、点灯検査装置1は、
図8に示すように、供給位置A(基準位置)にある吸着ステージ18を、Y1軸方向の第1方向D1に移動させて、撮影位置Cに配置する(ステップST2)。吸着ステージ18が撮影位置Cに配置されると、点灯検査装置1は、第1カメラ35および第2カメラ37により、表示パネル2の第1アラインメントマーク2bおよび第2アラインメントマーク2cを撮影して、第1画像データおよび第2画像データを取得する(ステップST3)。その後、点灯検査装置1は、撮影位置Cにある吸着ステージ18を、供給位置A(基準位置)に戻す(ステップST4)。
【0053】
次に、点灯検査装置1は、ステージユニット15を、180°回転させて、第2位置に配置する。これにより、供給位置Aの吸着ステージ18は、検査位置Bに移動する。また、これと並行して、第1画像データおよび第2画像データを解析して、吸着ステージ18上に実際に配置された表示パネル2の位置が規定位置からY2軸方向にズレたY軸ズレ量、X軸方向にズレたX軸ズレ量、θ軸方向にズレたθ軸ズレ量を取得する(ステップST5)。
【0054】
その後、点灯検査装置1は、検査位置Bに配置された吸着ステージ18をY軸ズレ量に基づいて基準位置からY2軸方向移動にさせる。また、点灯検査装置1は、コンタクト14の位置を、X軸ズレ量およびθ軸ズレ量に基づいてX軸方向およびθ軸回りで移動させる。これにより、検査位置Bに配置された吸着ステージ18に吸着された表示パネル2は、その端子2aがZ軸方向でコンタクト14と対向する規定位置に配置される(ステップST6)。
【0055】
ここで、点灯検査装置1は、コンタクト14をZ軸方向に移動させて端子2aに接触させる。また、コンタクト14を介して端子2aに電力を供給して、表示パネル2を点灯させる(ステップST7)。従って、検査員は、点灯した表示パネル2を目視で確認して、点灯検査を行うことができる。
【0056】
点灯検査が終了すると、点灯検査装置1は、コンタクト14を、表示パネル2から離間ささせる。次に、点灯検査装置1は、ステージユニット15を180°回転させて、第2位置から第1位置に戻す(ステップST8)。しかる後に、点灯検査装置1は、供給位置Aに配置された吸着ステージ18の吸引を停止する。その後、点灯検査装置1は、搬送機構6を動作させて供給位置Aに配置された吸着ステージ18上の表示パネル2を吸着して、表示パネル搬出位置へ搬出する(ステップST9)。
【0057】
(作用効果)
本例によれば、表示パネル2のアラインメントマーク2b、2cを撮影するカメラ35、37は、搬送機構6が表示パネル2を搬送する搬送経路5から外れた位置に設置されている。従って、表示パネル2が供給位置Aに配置された吸着ステージ18に供給される毎に、カメラ35、37を搬送経路から外れた位置に退避させる必要がない。
【0058】
この一方で、ステージユニット15は、回転軸L0に対して180°の回転対称となる位置のそれぞれに、表示パネル2を吸着する吸着ステージ18と吸着ステージ18を移動させる吸着ステージ移動機構19とを有する。また、制御部8は、供給位置Aにある吸着ステージ18に表示パネル2が供給されると、吸着ステージ18を搬送経路5と直交するY1軸方向の第1方向D1に移動させてカメラ35、37による撮影位置Cに配置して、表示パネル2のアラインメントマーク2b、2cを撮影する。従って、カメラ35、37
が供給位置Aの上方で供給位置Aと正対する位置に配置されていなくても、カメラ35、37は、吸着ステージ18上の表示パネル2のアラインメントマーク2b、2cを、上方から、正対して、撮影できる。
【0059】
また、検査位置Bに配置された吸着ステージ18に吸着された表示パネル2の位置補正を行う際には、吸着ステージ18の移動により、Y2軸方向の補正のみを行う。従って、吸着ステージ18の側において多方向の補正を複合的に行う場合と比較して、ステージユニット15の構造が簡易なものとなる。これにより、Y2軸方向の位置の補正を正確に行うことが容易となる。さらに、X軸方向およびθ軸回りの補正は、コンタクト位置調整機構47により、コンタクト14を移動させて行う。従って、表示パネル2の端子に、コンタクト14を正確に接触させることができる。
【0060】
また、本例では、制御部8と通信可能に接続された記憶部61を備える。記憶部61には、供給される表示パネル2のサイズ情報が記憶保持されている。制御部8は、供給位置Aに配置された吸着ステージ18を、サイズ情報に基づいて供給位置A(基準位置)から第1方向D1に移動させて、撮影位置Cに配置する。従って、点灯検査装置1を用いてY方向のサイズが異なる複数の表示パネル2の点灯検査を行う場合などに、表示パネル2に設けられたアラインメントマーク2b、2cを、カメラ35、37によって、確実に撮影できる。
【0061】
また、制御部8は、カメラ35、37によりアラインメントマーク2b、2cを撮影して画像データを取得すると、撮影位置Cにある吸着ステージ18を供給位置A(基準位置)に戻し、しかる後に、ステージユニット15を180°回転させる。従って、吸着ステージ18が撮影位置Cに配置された状態でステージユニット15を回転させる場合と比較して、ステージユニット15が回転する際の回転半径を小さくできる。よって、ステージユニット15が、その周囲に設置されている装置などと干渉することを回避することが容易となる。
【0062】
本例において、表示パネル2は、矩形であり、供給位置Aに配置された吸着ステージ18に供給されたときに、吸着ステージ18の外周縁において第1方向D1の側でX軸方向に延びる外周縁部分にX軸方向に配列された複数の端子2aと、2つのアラインメントマーク2b、2cを備える。2つのアラインメントマーク2b、2cのうち、一方の第1アラインメントマーク2bは、複数の端子2aのX軸方向の一方に設けられ、他方の第2アラインメントマーク2cは、複数の端子2aのX軸方向の他方に設けられている。撮影ユニット12は、カメラとして、X軸方向で離間する第1カメラ35と、第2カメラ37と、を備え、第1カメラ35は、第1アラインメントマーク2bを撮影し、第2カメラ37は、第2アラインメントマーク2cを撮影する。また、制御部8は、第1カメラ35により取得した第1画像データと第2カメラ37により取得した第2画像データを解析して、Y軸ズレ量、X軸ズレ量、およびθ軸ズレ量を取得する。従って、Y軸ズレ量、X軸ズレ量、およびθ軸ズレ量を精度良く取得できる。
【0063】
また、撮影ユニット12は、第1カメラ35をX軸方向に移動させる第1撮影機構移動機構39(第1カメラ移動機構)と、第2カメラ37をX軸方向に移動させる第2撮影機構移動機構40(第2カメラ移動機構)と、を備える。制御部8は、記憶部61に記憶保持された表示パネル2のサイズ情報に基づいて第1撮影機構移動機構39および第2撮影機構移動機構40を駆動制御して、第1カメラ35のX軸方向における位置および第2カメラ37のX軸方向の位置をそれぞれ調整する。従って、X軸方向のサイズが異なる複数の表示パネル2の点灯検査を行う場合などに、2つのアラインメントマーク2b、2cを、それぞれのカメラ35、37で確実に撮影できる。
【符号の説明】
【0064】
1…点灯検査装置、2…表示パネル、2a…端子、2b…第1アラインメントマーク、2c…第2アラインメントマーク、5…搬送経路、6…搬送機構、7…パネル点灯機構、8…制御部、11…旋回ユニット、12…撮影ユニット、13…コンタクトユニット、14…コンタクト、15…ステージユニット、16…支持フレーム、17…回転駆動機構、18…吸着ステージ、19…吸着ステージ移動機構、20…サーボモータ、21…多孔質板、22…ホルダ、23…ノズル、24…吸気機構、25…ボールネジ、26…第1パルスモータ、27…第1移動部材、28…レール、29…第2移動部材、31…支柱、32…レール部材、33…第1撮影機構、34…第2撮影機構、35…第1カメラ、36…第1ライト、37…第2カメラ、38…第2ライト、39…第1撮影機構移動機構(第1カメラ移動機構)、40…第2撮影機構移動機構(第2カメラ移動機構)、41…第2パルスモータ、42…第3パルスモータ、45…固定フレーム、46…コンタクト移動機構、47…コンタクト位置調整機構、48…第1位置調整機構、49…第2位置調整機構、50…傾斜板部、51…第1ボールネジ、52…第4パルスモータ、53…第1可動フレーム、54…第2ボールネジ、55…第5パルスモータ、56…第2可動フレーム、57…電動ゴニオステージ、61…記憶部、65…搬送機構制御部、66…パネル点灯機構制御部、69…撮影位置設定部、70…吸着制御部、71…撮影制御部、72…画像解析部部、73…ステージ回転制御部、74…表示パネル位置補正部、75…通電制御部、L0…回転軸、L1…軸線、P1…第1撮影位置、P2…第2撮影位置