(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024051756
(43)【公開日】2024-04-11
(54)【発明の名称】集塵機
(51)【国際特許分類】
B01D 46/42 20060101AFI20240404BHJP
B01D 46/00 20220101ALI20240404BHJP
F24F 7/003 20210101ALI20240404BHJP
F24F 11/32 20180101ALI20240404BHJP
F24F 11/39 20180101ALI20240404BHJP
F24F 11/49 20180101ALI20240404BHJP
F24F 11/89 20180101ALI20240404BHJP
F24F 8/90 20210101ALI20240404BHJP
【FI】
B01D46/42 Z
B01D46/00 F
F24F7/003
F24F11/32
F24F11/39
F24F11/49
F24F11/89
F24F8/90 140
【審査請求】未請求
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022158072
(22)【出願日】2022-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】000191009
【氏名又は名称】新東工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100161425
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 鉄平
(72)【発明者】
【氏名】吉見 拓
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 功
【テーマコード(参考)】
3L260
4D058
【Fターム(参考)】
3L260AB18
3L260BA09
3L260BA55
3L260CA17
3L260DA10
3L260HA01
4D058JA02
4D058KC01
4D058LA04
4D058NA02
4D058QA03
4D058QA21
4D058RA01
4D058UA30
(57)【要約】
【課題】粉塵を検出するセンサが正常に機能することを簡便に確認できる技術を提供する。
【解決手段】集塵機は、外気が導入される吸気口を有する第1空気室と、第1空気室に配置され、第1空気室内の空気から粉塵を分離し、空気を通過させるフィルタと、フィルタを通過した空気が導入される導入口と、装置外に連通する排気口とを有する第2空気室と、第2空気室に配置され、排気口へ気流を発生させ、吸気口から第1空気室へ外気を送り込む送風機と、第2空気室に配置され、粉塵を検出するセンサと、第2空気室に粉塵を投入可能な投入口と、を備える。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外気が導入される吸気口を有する第1空気室と、
前記第1空気室に配置され、前記第1空気室内の空気から粉塵を分離し、前記空気を通過させるフィルタと、
前記フィルタを通過した前記空気が導入される導入口と、装置外に連通する排気口とを有する第2空気室と、
前記第2空気室に配置され、前記排気口へ気流を発生させ、前記吸気口から前記第1空気室へ前記外気を送り込む送風機と、
前記第2空気室に配置され、粉塵を検出するセンサと、
前記第2空気室に前記粉塵を投入可能な投入口と、
を備える、集塵機。
【請求項2】
前記投入口は、前記送風機によって発生する気流において前記センサよりも上流となる位置に設けられる、請求項1に記載の集塵機。
【請求項3】
前記第2空気室は、前記導入口を介して前記第1空気室に連通する減圧室と、前記送風機を介して前記減圧室に連通し、前記排気口を有する排気室と、に区画されており、
前記投入口は前記減圧室に設けられる、請求項1又は2に記載の集塵機。
【請求項4】
前記投入口に着脱可能な蓋部材を備える、請求項1又は2に記載の集塵機。
【請求項5】
前記第1空気室と前記第2空気室の前記投入口とを接続する配管と、
前記配管に設けられ、前記配管の開閉を制御するバルブと、
を備える、請求項1又は2に記載の集塵機。
【請求項6】
前記第1空気室に設けられ、前記フィルタによって分離された粉塵を収容するボックスを備え、
前記配管の端部は、前記ボックス内に配置される、請求項5に記載の集塵機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、集塵機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、外気を取り入れてほこりや臭いを除去する空気清浄機を開示する。空気清浄機は、除去フィルタと、除去フィルタに外気を通過させるファンと、除去フィルタを通過した空気に含まれるほこりを検出するセンサと、センサの検出信号に応じてファンの動作を制御する制御手段とを備える。空気清浄機は、センサの検出信号が予め定められた故障パターンの信号のときには、センサは故障していると判定する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の装置は、除去フィルタのフィルタ機能は正常であるという前提のもと、ほこりセンサの信号のみに基づいてほこりセンサの故障を判定する。このため、特許文献1に記載の装置は、除去フィルタが破損しているのか、又は、ほこりセンサが故障しているのかを切り分けることが困難である。本開示は、粉塵を検出するセンサが正常に機能することを簡便に確認できる技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の一側面に係る集塵機は、第1空気室、フィルタ、第2空気室、送風機、センサ、及び、投入口を備える。第1空気室は、外気が導入される吸気口を有する。フィルタは、第1空気室に配置され、第1空気室内の空気から粉塵を分離し、空気を通過させる。第2空気室は、フィルタを通過した空気が導入される導入口と、装置外に連通する排気口とを有する。送風機は、第2空気室に配置され、排気口へ気流を発生させ、吸気口から第1空気室へ外気を送り込む。センサは、第2空気室に配置され、粉塵を検出する。投入口は、第2空気室へ粉塵を投入可能である。
【0006】
この集塵機によれば、粉塵を検出するセンサが配置された第2空気室に、投入口を介して粉塵が投入され得る。このため、作業員(以下、作業ロボットも含む)は、フィルタの破損の有無に関わらず、投入口から粉塵を投入してセンサが正常に機能することを確認できる。よって、この集塵機は、粉塵を検出するセンサが正常に機能することを簡便に確認できる構造を有する。
【0007】
一実施形態においては、投入口は、送風機によって発生する気流においてセンサよりも上流となる位置に設けられてもよい。この場合、投入口から投入された粉塵がセンサにより確実に供給される。
【0008】
一実施形態においては、第2空気室は、導入口を介して第1空気室に連通する減圧室と、送風機を介して減圧室に連通し、排気口を有する排気室と、に区画されており、投入口は、減圧室に設けられてもよい。この場合、投入口から投入される粉塵は、負圧によって減圧室に吸引されるため、粉塵の飛散が抑制される。
【0009】
一実施形態においては、集塵機は、投入口に着脱可能な蓋部材を備えてもよい。この場合、粉塵が投入されない場合には、蓋部材によって投入口は閉とされる。よって、この集塵機は、投入口からも外気の吸引が行われることによって吸気口における外気吸引力が低下すること、を抑制できる。
【0010】
一実施形態においては、第1空気室と第2空気室の投入口とを接続する配管と、配管に設けられ、配管の開閉を制御するバルブとを備えてもよい。この場合、粉塵を含む空気が配管を介して第2空気室へ導入される。これにより、集塵機は、粉塵を検出するセンサが正常に機能することをより簡便に確認できる構造を有する。
【0011】
一実施形態においては、集塵機は、第1空気室に設けられ、フィルタによって分離された粉塵を収容するボックスをさらに備え、配管の端部は、ボックス内に配置されてもよい。この場合、第1空気室においてフィルタによって分離された粉塵が、配管を介して第2空気室へ導入される。これにより、集塵機は、粉塵を検出するセンサが正常に機能することをより簡便に確認できる構造を有する。
【発明の効果】
【0012】
本開示によれば、粉塵を検出するセンサが正常に機能することを簡便に確認できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】
図1は、一実施形態に係る集塵機の概要を示す断面図である。
【
図2】
図2は、センサの機能確認テストの流れを説明するフローチャートである。
【
図3】
図3は、変形例に係る集塵機の概要を示す断面図である。
【
図4】
図4は、変形例に係る集塵機における、センサの機能確認テストの流れを説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照しながら本開示の実施形態が詳細に説明される。図面の説明において同一要素には同一符号が付され、重複する説明は省略される。図面の寸法比率は、説明のものと必ずしも一致していない。「上」「下」「左」「右」の語は、図示する状態に基づくものであり、便宜的なものである。
【0015】
[集塵機の構成]
一実施形態に係る集塵機は、例えば工場などに配置され、空気中の粉塵を収集する。粉塵(ダスト)とは、空気中に浮遊できる程度に微細な粉体であり、レーザ加工、プラズマ加工、および溶接などの際に発生するヒュームなどを含む。
【0016】
図1は、一実施形態に係る集塵機の概要を示す断面図である。図中のX方向及びY方向が水平方向であり、Z方向が垂直方向である。以下ではZ方向を上下方向ともいう。
図1に示されるように、集塵機1は、筐体10を備える。筐体10は、吸気口10aを介して外気を内部に導入する。吸気口10aには、吸気ダクト11が設けられる。筐体10は、粉塵を取り除いた空気を、排気口10bを介して装置外へ排気する。排気口10bには、排気ダクト12が設けられる。
【0017】
筐体10の内部空間は、第1仕切板15によって、第1仕切板15の下側の空間である粉塵室S1(第1空気室の一例)と、第1仕切板15の上側の空間である清浄空気室S2(第2空気室の一例)とに分割される。第1仕切板15の周縁は、筐体10の内壁面と気密状態に接続される。
【0018】
粉塵室S1は、集塵の対象となる空気が供給される部屋である。粉塵室S1は、吸気口10aを介して装置外と連通する。粉塵室S1には、フィルタ20が収容される。フィルタ20は、粉塵室S1内の空気から粉塵を分離し、空気を通過させる。フィルタ20は、例えば紙又は布などの材料により構成された筒状の本体を有する。フィルタ20の上端は、第1仕切板15に形成された導入口15aに気密に接続される。これにより、フィルタ20は、第1仕切板15から垂下するように、粉塵室S1に配置される。フィルタ20は、本体の外周面が粉塵室S1に面し、本体の内部空間が清浄空気室S2に連通する。
【0019】
清浄空気室S2は、粉塵を取り除いた空気が供給される部屋である。清浄空気室S2には、送風機30が収容される。送風機30は、例えばブロアであり、インペラ翼30a及びモータ30bを備える。送風機30は、清浄空気室S2内において排気口10bへ気流を発生させる。これにより、粉塵室S1が負圧となり、外気は粉塵室S1の吸気口10aから粉塵室S1に送り込まれる。
【0020】
つまり、インペラ翼30aがモータ30bによって回転されると、粉塵を含む外気が吸気ダクト11及び吸気口10aを介して粉塵室S1に導入される。粉塵を含む空気は、フィルタ20の外周面からフィルタ20の内周面へと通過し、空気と粉塵とに分離される。粉塵が除去された空気(清浄な空気)は、フィルタ20の内部空間から送風機30内を抜け、排気口10b及び排気ダクト12を通って、集塵機1の装置外へ排出される。
【0021】
清浄空気室S2は、第2仕切板16によって、第2仕切板16の下側の空間である減圧室S21と、第2仕切板16の上側の空間である排気室S22とにさらに区画されてもよい。第2仕切板16の周縁は、筐体10の内壁面と気密状態に接続される。第2仕切板16には、送風機30と気密に接続するための開口16aが設けられる。減圧室S21は、導入口15aを介して粉塵室S1に連通する。排気室S22は、送風機30を介して減圧室S21に連通し、排気口10bを有する。送風機30は、開口16aに気密に設けられる。送風機30は、減圧室S21の空気を排気室S22へと送風することにより、減圧室S21を負圧にする。これにより、減圧室S21に連通する粉塵室S1も負圧となり、外気は吸気口10aから粉塵室S1に送り込まれる。
【0022】
清浄空気室S2には、払落装置31が配置される。払落装置31は、一例として減圧室S21に配置される。払落装置31は、フィルタ20の主に外周面に付着した粉塵を、フィルタ20の内部に圧縮エアをパルス状に吹き込むことで払い落とす。払落装置31は、所定の時間間隔ごとに動作し、フィルタ20に付着した粉塵を定期的に除去する。
【0023】
粉塵室S1において、フィルタ20の下方には、粉塵ボックス21(ボックスの一例)が配置される。粉塵ボックス21は、上面が開口された箱体を呈し、フィルタ20から落下する粉塵Dを収容する。
【0024】
清浄空気室S2には、粉塵を検出する粉塵検出センサ32(センサの一例)が配置される。粉塵検出センサ32は、一例として排気室S22に配置される。粉塵検出センサ32は、例えば送風機30の気流の出口に配置される。フィルタ20が破損すると、粉塵を含む空気が清浄空気室S2へ流入する。粉塵検出センサ32は、清浄空気室S2に流入した空気に含まれる粉塵を検出する。このように、粉塵検出センサ32は、フィルタ20の異常検知のために設けられる。粉塵検出センサ32は、例えば、摩擦電荷方式、光散乱方式、光透過方式などのセンサである。粉塵検出センサ32は、粉塵が検出されたことに応じて粉塵検出信号を出力する。
【0025】
清浄空気室S2には、制御ユニット36が設けられる。制御ユニット36は、集塵機1を統括制御するコントローラである。制御ユニット36は、例えばPLC(Programmable Logic Controller)として構成される。制御ユニット36は、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサと、RAM(RandomAccess Memory)及びROM(Read Only Memory)などのメモリと、タッチパネル、マウス、キーボード、ディスプレイなどの入出力装置と、ネットワークカードなどの通信装置とを含むコンピュータシステムとして構成されてもよい。制御ユニット36は、メモリに記憶されているコンピュータプログラムに基づくプロセッサの制御のもとで、集塵機1の各構成要素を動作させる。制御ユニット36は、粉塵検出センサ32によって粉塵検出信号が出力された場合には、ディスプレイ又はスピーカなどによって作業員に報知してもよい。
【0026】
さらに、清浄空気室S2には、粉塵を投入可能な粉塵投入口10c(投入口の一例)が設けられる。粉塵投入口10cは、清浄空気室S2に連通しており、作業員が粉塵を投入可能な大きさ程度に開口される。粉塵が粉塵投入口10cを介して清浄空気室S2に投入された場合、粉塵検出センサ32によって粉塵検出信号が出力され、制御ユニット36によって作業員に報知される。これにより、作業員は粉塵検出センサ32が正常に機能することを簡便に確認できる。粉塵投入口10cは、送風機30によって発生する気流において粉塵検出センサ32よりも上流となる位置に設けられる。これにより、粉塵投入口10cから投入された粉塵が粉塵検出センサ32により確実に供給され、確認の精度が向上する。粉塵投入口10cは、一例として減圧室S21に配置される。減圧室S21に粉塵投入口10cが設けられることにより、投入口から投入される粉塵は、負圧によって減圧室S21に吸引されるため、粉塵の飛散が抑制される。
【0027】
粉塵投入口10cには、蓋部材34が着脱可能に設けられる。蓋部材34は、例えば粉塵投入口10cの内面に設けられたねじ溝に係合するねじが設けられた外周面を有し、ねじ止めにより粉塵投入口10cに固定される。粉塵投入口10cから粉塵が投入される際に、蓋部材34は粉塵投入口10cから取り外される。粉塵が投入されない場合には蓋部材34によって粉塵投入口10cは閉とされる。蓋部材34によって、粉塵投入口10cが常時開放することを回避でき、粉塵投入口10cから圧力が抜けて外気吸引力が低下することが抑制される。
【0028】
[粉塵検出センサの機能確認テスト]
図2は、センサの機能確認テストの流れを説明するフローチャートである。
図2に示されるように、最初に、集塵機1の制御ユニット36は、送風機30の運転を開始する(ステップS10)。これにより、粉塵を含む外気は、粉塵室S1に導入され、フィルタ20の外周面からフィルタ20の内周面へと通過し、空気と粉塵とに分離される。粉塵が除去された空気(清浄な空気)は、清浄空気室S2に導入され、集塵機1の装置外へ排出される。
【0029】
次に、制御ユニット36は、粉塵検出センサ32を起動する(ステップS12)。これにより、清浄空気室S2に導入される空気に粉塵が含まれる場合には、粉塵検出信号が出力される。
【0030】
次に、作業員は、粉塵投入口10cの蓋部材34を取り外して、粉塵投入口10cを開とする(ステップS14)。そして、作業員は、さじなどを用いて粉塵投入口10cを介して清浄空気室S2に粉塵を投入する(ステップS16)。清浄空気室S2に粉塵が投入されたことに応じて、粉塵検出センサ32によって粉塵検出信号が出力される。
【0031】
作業員は、粉塵の投入タイミングと粉塵検出信号の出力タイミングとを確認するためのデータを粉塵検出結果として取得する(ステップS18)。次に、作業員は、粉塵投入口10cに蓋部材34を取り付けて粉塵投入口10cを閉とするとともに、制御ユニット36は、送風機30の運転を停止する(ステップS20)。
【0032】
以上、
図2に示されるフローチャートが実行されることにより、粉塵検出センサ32が正常に機能することが簡便に確認される。
【0033】
[実施形態のまとめ]
集塵機1によれば、粉塵検出センサ32が配置された清浄空気室S2に、粉塵投入口10cを介して粉塵が投入され得る。このため、作業員は、フィルタ20の破損の有無に関わらず、粉塵投入口10cから粉塵を投入して粉塵検出センサ32が正常に機能することを確認できる。よって、集塵機1は、粉塵検出センサ32が正常に機能することを簡便に確認できる構造を有する。
【0034】
[変形例]
以上、種々の例示的実施形態について説明してきたが、上述した例示的実施形態に限定されることなく、様々な省略、置換、及び変更がなされてもよい。例えば、清浄空気室S2は、第2仕切板16によって区画されていなくてもよい。粉塵検出センサ32は、排気ダクト12内に配置されてもよい。粉塵検出センサ32は、減圧室S21に配置されてもよい。粉塵投入口10cは、粉塵検出センサ32とともに排気室S22に設けられていてもよい。
【0035】
集塵機1は、粉塵投入作業を自動化させた構成を有してもよい。
図3は、変形例に係る集塵機の概要を示す断面図である。
図3に示される集塵機1Aは、
図1に示される集塵機1と比較して、移送配管40(配管の一例)と、開閉バルブ41(バルブの一例)とを備える点が相違し、その他の構成は同一である。以下では、集塵機1と相違する構成を中心に説明し、集塵機1と同一の構成に係る説明は省略する。
【0036】
図3に示されるように、集塵機1Aは、粉塵室S1と清浄空気室S2の粉塵投入口10cとを接続する移送配管40を備える。移送配管40には開閉バルブ41が設けられる。開閉バルブ41が開となった場合、移送配管40を介して粉塵室S1と減圧室S21とが連通する。送風機30によって粉塵室S1と減圧室S21は負圧となっており、フィルタ20により粉塵室S1と減圧室S21間に差圧が生じているため、移送配管40を介して粉塵室S1から減圧室S21へ気流が発生する。つまり、粉塵を含む空気が移送配管40を介して減圧室S21へ導入される。これにより、作業員は、粉塵を粉塵投入口10cに投入することなく、開閉バルブ41を操作するだけで粉塵検出センサ32が正常に機能することを確認できる。
【0037】
さらに、移送配管40の端部は、粉塵ボックス21内に配置される。これにより、粉塵ボックス21に貯留された粉塵Dが、移送配管40を介して清浄空気室S2へ導入される。このように、集塵機1Aは、粉塵検出センサ32が正常に機能することをより簡便に確認できる構造を有する。
【0038】
図4は、変形例に係る集塵機における、センサの機能確認テストの流れを説明するフローチャートである。
図4に示されるように、最初に、集塵機1Aの制御ユニット36は、送風機30の運転を開始する(ステップS30)。これにより、粉塵を含む外気は、粉塵室S1に導入され、フィルタ20の外周面からフィルタ20の内周面へと通過し、空気と粉塵とに分離される。粉塵が除去された空気(清浄な空気)は、清浄空気室S2に導入され、集塵機1Aの装置外へ排出される。
【0039】
次に、制御ユニット36は、粉塵検出センサ32を起動する(ステップS32)。これにより、清浄空気室S2に導入される空気に粉塵が含まれる場合には、粉塵検出信号が出力される。
【0040】
次に、作業員は、移送配管40の開閉バルブ41を開に操作する(ステップS34)。これにより、粉塵ボックス21に貯留された粉塵Dが、移送配管40を介して清浄空気室S2へ投入される(ステップS36)。清浄空気室S2に粉塵が投入されたことに応じて、粉塵検出センサ32によって粉塵検出信号が出力される。
【0041】
作業員は、粉塵の投入タイミングと粉塵検出信号の出力タイミングとを確認するためのデータを粉塵検出結果として取得する(ステップS38)。次に、作業員は、移送配管40の開閉バルブ41を閉に操作するとともに、制御ユニット36は、送風機30の運転を停止する(ステップS40)。
【0042】
以上、
図4に示されるフローチャートが実行されることにより、粉塵検出センサ32が正常に機能することが簡便に確認される。
【符号の説明】
【0043】
1,1A…集塵機、10a…吸気口、10b…排気口、10c…粉塵投入口、15a…導入口、20…フィルタ、21…粉塵ボックス(ボックスの一例)、30…送風機、32…粉塵検出センサ、34…蓋部材、40…移送配管(配管の一例)、41…開閉バルブ(バルブの一例)、S1…粉塵室(第1空気室の一例)、S2…清浄空気室(第2空気室の一例)、S21…減圧室、S22…排気室。