(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024051757
(43)【公開日】2024-04-11
(54)【発明の名称】送風装置及び送風装置付き物品
(51)【国際特許分類】
A41D 13/002 20060101AFI20240404BHJP
A41D 13/005 20060101ALI20240404BHJP
F04D 29/00 20060101ALI20240404BHJP
【FI】
A41D13/002 105
A41D13/005 103
F04D29/00 B
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022158073
(22)【出願日】2022-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】592171005
【氏名又は名称】株式会社セフト研究所
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100093045
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 良男
(72)【発明者】
【氏名】市ヶ谷 弘司
(72)【発明者】
【氏名】市ヶ谷 秀樹
【テーマコード(参考)】
3B011
3B211
3H130
【Fターム(参考)】
3B011AA01
3B011AB01
3B011AC02
3B011AC08
3B011AC21
3B211AA01
3B211AB01
3B211AC02
3B211AC08
3B211AC21
3H130AA13
3H130AB26
3H130AB52
3H130AC25
3H130BA52H
3H130CA21
3H130CA29
3H130DD01X
3H130DF00Z
3H130DF08Z
3H130DF09Z
3H130EC17G
3H130EC17H
(57)【要約】
【課題】送風装置を洗浄し易くする。
【解決手段】空気の流れを生じさせる羽根21と、羽根21を回転させるモータ22と、モータ22の電気部品221に接続された接続コード23と、羽根21及びモータ22を収納するケース体24と、を備え、接続コード23は、電気部品221に接続されているのと反対側の端部に電源ジャック231を備え、樹脂で封止された電気部品221に加え、接続コード23の電源ジャック231を除いた部分が防水性を有する。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気の流れを生じさせる羽根と、
前記羽根を回転させるモータと、
前記羽根及び前記モータを収納するケース体と、
を備え、
前記モータが備える電気部品が防水性を有することを特徴とする送風装置。
【請求項2】
前記電気部品が樹脂によって封止されていることを特徴とする請求項1に記載の送風装置。
【請求項3】
前記電気部品に接続された接続コードを備え、
電気接続コードは、前記接続コードの前記電気部品に接続されているのと反対側の端部に、前記電気部品に電源装置から電圧を供給するための電源供給部を備え、
前記電気部品に加え、少なくとも前記接続コードの前記電源供給部を除いた部分が防水性を有することを特徴とする請求項1に記載の送風装置。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の送風装置と、
前記送風装置によって空気が導入される本体部と、
前記送風装置に電圧を供給する電源装置と、
を備えることを特徴とする送風装置付き物品。
【請求項5】
前記送風装置と前記電源装置とを接続する電源ケーブルを備え、
前記送風装置と前記電源ケーブルとの接続部分が、防水性を有するカバーによって覆われていることを特徴とする請求項4に記載の送風装置付き物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送風装置及び送風装置付き物品に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、送風装置によって内部に空気を流通させることにより身体を冷却する機能を有する物品、例えば、外気を服内に導入して着用者の身体を冷却する機能を有する衣服、2枚のシートの間に空気を導入し、このようなシートと体との接触部を冷却する機能を有する座布団や寝具、ヘルメット内に空気を流通させて着用者の頭部を冷却する機能を有するヘルメット、リュック内に空気を導入することで着用者の背中を冷却する機能を有するリュック等が実用化されている。
このような物品(以下、「送風装置付き物品」という。)においては、空気を導入するための送風装置が必要となるが、このような送風装置としては、通常、羽根と、羽根を回転させるためのモータと、がケース体内に収納され、このようなモータに対して、送風装置の外部に設けられた電源装置から、ケーブルを介して稼働に必要な電圧を供給することで、羽根を回転させ、空気の流れを生じさせるものが用いられる(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような送風装置については、羽根部分やケース体の隙間等に埃がたまり易いことから、これを水で洗浄したいという要望があるが、従来の送風装置は、水に濡れた場合に、モータを構成する電気部品(コイル等)が故障する可能性が高いことから、水で洗浄することは困難であった。
【0005】
本発明の課題は、送風装置を洗浄し易くすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、送風装置において、
空気の流れを生じさせる羽根と、
前記羽根を回転させるモータと、
前記羽根及び前記モータを収納するケース体と、
を備え、
前記モータが備える電気部品が防水性を有することを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の送風装置において、
前記電気部品が樹脂によって封止されていることを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の送風装置において、
前記電気部品に接続された接続コードを備え、
電気接続コードは、前記接続コードの前記電気部品に接続されているのと反対側の端部に、前記電気部品に電源装置から電圧を供給するための電源供給部を備え、
前記電気部品に加え、少なくとも前記接続コードの前記電源供給部を除いた部分が防水性を有することを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、送風装置付き物品であって、
請求項1から3のいずれか一項に記載の送風装置と、
前記送風装置によって空気が導入される本体部と、
前記送風装置に電圧を供給する電源装置と、
を備えることを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の送風装置付き物品であって、
前記送風装置と前記電源装置とを接続する電源ケーブルを備え、
前記送風装置と前記電源ケーブルとの接続部分が、防水性を有するカバーによって覆われていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、送風装置を洗浄し易くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】実施形態に係るファン付きウェアの開閉手段を開いた状態における正面図である。
【
図2】実施形態に係るファン付きウェアの開閉手段を閉じた状態における背面図である。
【
図3】実施形態に係るファン付きウェアの送風装置の空気送出部側から見た斜視図である。
【
図4】実施形態に係るファン付きウェアの送風装置の空気取込部側から見た斜視図である。
【
図5】実施形態に係るファン付きウェアの送風装置の分解状態における斜視図である。
【
図6】実施形態に係るファン付きウェアの送風装置の分解状態における断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明をファン付きウェアに適用した場合の実施の形態について、
図1から
図6に基づいて説明する。ただし、本発明の技術的範囲は図示例に限定されるものではなく、以下説明する実施の形態には、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の変更を加えることが可能である。
また、以下においては、着用者がファン付きウェア100を着用した状態を基準として、着用者の前方向を前、着用者の後方向を後、着用者の上方向を上、着用者の下方向を下、着用者の右手方向を右、着用者の左手方向を左、前後方向に沿う軸をX軸、左右方向に沿う軸をY軸、上下方向に沿う軸をZ軸と定めて説明する。
なお、ウェア本体1の開閉手段11を開いた状態においては、
図1に示すように、ウェア本体1の内面側(着用時に着用者の身体に向く側)が向く方向を前、その反対方向を後と定めて説明する。また、送風装置2のみを説明する場合にも、ファン付きウェア100に取り付けられた状態を基準として方向を定めて説明する。
【0014】
[1 実施形態の構成]
実施形態に係るファン付きウェア100は、
図1に示すように、ウェア本体1と、ウェア本体1内(ウェア本体1と着用者の身体との間の空間内)に空気を導入する送風装置2と、送風装置2に電圧を供給する電源装置3と、電源装置3と送風装置2との間を接続する電源ケーブル4と、を備え、送風装置2によってウェア本体1内に取り込まれた空気を、着用者の身体又はウェア本体1の下に着用した下着の表面に沿って流通させた後に、ウェア本体1の襟部及び袖部に形成される空気排出部14から排出することで、身体から出た汗を蒸発させ、蒸発する際の気化熱により身体を冷却するものである。
【0015】
[(1) ウェア本体]
ウェア本体1は、ファン付きウェア100の内、送風装置2、電源装置3及び電源ケーブル4を除いた衣服部分であり、
図1及び
図2に示すように、着用者の胴部及び腕部を覆うブルゾン型の上衣の形状に形成されている。
なお、ウェア本体1の形状は着用者の身体の少なくとも一部を覆うものであればよく、このような形状に限られない。例えば、着用者の胴部のみを覆うベスト型に形成してもよい。
なお、ウェア本体1の着用時において着用者に向く面を内面側、その反対側のウェア本体1の着用時において外部空間に向く面を外面側とする。
【0016】
ウェア本体1は、
図1に示すように、前身頃に、線ファスナー等を備えて形成された着脱自在な分割部分である開閉手段11を備え、
図1及び
図2に示すように、裾部に、ゴム紐等の伸縮性のある部材を着用者の身体を周回するように備えることによって形成された、ウェア本体1内の空気がウェア本体1の裾部から外部に漏れることを防止するための手段である空気漏れ防止手段12を備える。
【0017】
ウェア本体1の後身頃の着用者の腰の左右に対応する位置には、
図1及び
図2に示すように、ファン付きウェア100の着用時において、ウェア本体1内の空間と、ウェア本体1の外部の空間と、を繋ぐこととなる円形の孔部である送風装置取付孔13が形成されている。
送風装置取付孔13は、直径が後述の送風装置2のケース体24のハウジング241の筒状部2412の直径と略同一となるように形成され、筒状部2412が送風装置取付孔13を挿通するようにして、ウェア本体1に送風装置2を取り付けることで、送風装置取付孔13を介して、外部の空気をウェア本体1内の空間に取り込むことができる。
【0018】
着用者の首とウェア本体1の襟部の端部との間の開口部及び着用者の腕とウェア本体1の袖部の端部との間の開口部には、
図1及び
図2に示すように、送風装置2によってウェア本体1内に導入された空気を、着用者の身体又は下着に沿って流通させた後に排出するための開口部である空気排出部14が形成されている。
【0019】
ウェア本体1の内面側には、
図1に示すように、電源装置3を送風装置2と電源ケーブル4を介して接続可能な位置において保持するため、電源装置3を収納可能なポケット状に形成された電源装置保持手段15と、電源ケーブル4をウェア本体1の内面側に保持するため、電源ケーブル4を挿通可能な開口部を有するリング状に形成されたケーブル保持手段16と、が備えられている。
【0020】
[(2) 送風装置]
送風装置2は、送風装置取付孔13を通して、ウェア本体1と着用者の身体との間の空間に空気を導入するための装置であり、
図1及び
図2に示すように、ウェア本体1の送風装置取付孔13に、後述のケース体24の空気取込部2421がウェア本体1の外面側に位置し、空気送出部2411がウェア本体1の内面側に位置するようにして取り付けられる。
送風装置2には、電源装置3より、電源ケーブル4を介して必要な電圧が供給される。
【0021】
送風装置2は、
図3から
図6に示すように、羽根21と、羽根21を回転させるためのモータ22と、電源ケーブル4を接続してモータ22に電源装置3からの電圧を供給するための接続コード23と、羽根21及びモータ22を収納するケース体24と、ケース体24をウェア本体1に固定するためのリング状の部材である取付リング25と、を備える。
【0022】
[a 羽根]
羽根21は、モータ22により回転させることによって、後述のケース体24の空気取込部2421側から空気送出部2411側へと向かう空気の流れを生じさせるための手段である。
図3から
図6においては、羽根21として、プロペラ状に形成されたいわゆるプロペラファンを用いる場合を図示しているが、羽根21の形状は、後述のケース体24の空気取込部2421側から空気送出部2411側へと向かう空気の流れを生じさせることができるものであれば特に限定されない。
【0023】
[b モータ]
モータ22は、羽根21を回転させるための手段であり、羽根21の中央部に配置され、電源装置3から電圧の供給を受け、ケース体24の空気取込部2421の中心と空気送出部2411の中心とを通る軸(
図1及び
図2におけるX軸と平行な軸)を回転軸として、羽根21を回転させる。モータ22としては、内部に「ブラシ」と呼ばれる電極を有しないブラシレスモータを用いる。
【0024】
モータ22は、
図5及び
図6に示すように、電気部品221と、磁石222と、ベアリング223と、を備える。
【0025】
電気部品221は、モータ22の内、コイル等の電源装置3から電圧が供給された際に電流が通電する部分である。
【0026】
磁石222は、リング状に形成された磁石であり、
図5及び
図6に示すように、電気部品221を覆うようにして配置されている。
【0027】
ベアリング223は、電気部品221の回転軸を支持するための部材であり、電気部品221の前後両側に備えられている。
【0028】
モータ22の内、電気部品221は、全体が樹脂によって封止され、防水性を有するように構成されている。
なお、洗浄時に水をかけた際に内部に水が侵入しない場合、具体的にはIP68を満たす場合に防水性を有するものとする。
また、モータ22を封止する樹脂としては、上記のような防水性を得ることができるものであれば特に限定されないが、ABS樹脂等を用いることができる。
【0029】
[c 接続コード]
接続コード23は、電源装置3からモータ22に電圧を供給するための電源ジャック231を、羽根21、モータ22及びケース体24から離れた位置に設けるための部材であり、コード状に形成され、一端部がモータ22の電気部品221に接続されると共に、他端部に電源ケーブル4の電源プラグ41と接続するための接続部である電源ジャック231を備える。
電源ジャック231としては、電源ケーブル4の電源プラグ41と接続可能なものであればよく、例えば一般的なDCジャックを用いればよい。
【0030】
接続コード23は、電源ジャック231を除いて、モータ22の電気部品221と同等の防水性を有する。また接続コード23とモータ22の電気部品221との接続部も、例えば樹脂で封止する等の方法により、モータ22の電気部品221と同様の防水性を有するように構成されている。
なお、電源ジャック231についても、防水性を有する端子を用いることで、モータ22の電気部品221と同様の防水性を有するようにしてもよいが、後述のように電源ジャック231のみに水がかからないようにしつつ送風装置2を洗浄できることから、電源ジャック231については防水性を有せずともよい。
【0031】
[d ケース体]
ケース体24は、羽根21及びモータ22が収納されるケースであり、
図3から
図6に示すように、羽根21及びモータ22が収納されるハウジング241と、ハウジング241の一端部に形成される開口部2413を覆うためのフィンガーガード242と、ハウジング241のフィンガーガード242が取り付けられるのと反対側の端部に取り付けられる目隠し板243と、を備える。
【0032】
[(a) ハウジング]
ハウジング241は、羽根21及びモータ22が収納されるケース体24の本体をなす部分であり、
図5及び
図6に示すように、羽根21を回転させた際に空気が送出される網目状の部分である空気送出部2411と、空気送出部2411から連続するように形成された筒状の部分である筒状部2412と、空気送出部2411が形成されたのと反対側の面に形成された円形の開口部である開口部2413と、筒状部2412の開口部2413側の端部から筒状部2412の側面と略垂直な方向に突出するフランジ2414と、を有する。
【0033】
筒状部2412は、羽根21の回転軸(X軸)に垂直な平面(YZ面)で切った際の断面の外形が略真円形状となる円筒状に形成され、その外径は、送風装置取付孔13の直径と略同一となるように形成されている。
また、筒状部2412の外面の対向する2か所には、後述の取付リング25の内面側に形成された凹凸である取付リング側嵌合部251と嵌合する凹凸であるケース体側嵌合部24121が形成され、後述のように取付リング25を筒状部2412の外面側に固定できるように構成されている。
【0034】
[(b) フィンガーガード]
フィンガーガード242は、ハウジング241の開口部2413を覆うように取り付けられる部材であり、
図4から
図6に示すように、円形に形成され、端部を除く全体に、羽根21を回転させた際に空気が取り込まれる網目状の部分である空気取込部2421が形成されている。
【0035】
[(c) 目隠し板]
目隠し板243は、円形の板状の部材であり、
図3、
図5及び
図6に示すように、ハウジング241の中央部を覆うようにして取り付けられる。
【0036】
[e 取付リング]
取付リング25は、プラスチック等の可撓性を有する材料によって一体的に形成されたリング状の部材であり、
図3及び
図4に示すように、ケース体24のハウジング241の筒状部2412の外面を覆うように取り付けられ、取付リング25の一端部と、ケース体24のハウジング241のフランジ2414との間に、ウェア本体1の送風装置取付孔13の周囲の部分を挟み込むことによって、
図1及び
図2に示すように、送風装置2をウェア本体1に取り付けるために用いられる。
【0037】
取付リング25は、羽根21の回転軸方向(X軸方向)から見た際の形状が楕円形状となるリング状に形成されている。また、取付リング25は、内周の長さがケース体24のハウジング241の筒状部2412の外周の長さよりも長く、内周の短径がケース体24のハウジング241の筒状部2412の外周の直径よりも小さいか又はケース体24のハウジング241の筒状部2412の外周の直径と同一となるように形成されている。この場合、取付リング25の内周の長径はケース体24のハウジング241の筒状部2412の外周の直径よりも大きくなる。
【0038】
また、取付リング25の短径方向内面側の2か所の対向する位置には、ケース体24のハウジング241の筒状部2412の外面側に形成された凹凸であるケース体側嵌合部24121と嵌合する凹凸である取付リング側嵌合部251が形成されている。
【0039】
上記のように取付リング25は可撓性を有することから、長径方向の外面側からこれを押圧すると、短径方向が外側に膨らみ、取付リング25を略真円形状に変形することができる。また、長径方向の外面側から押圧する力を解放すると、取付リング25は、元の楕円形状に戻ることになる。
これを利用して、楕円形状の取付リング25を長径方向の外面側から押圧し、これを撓ませて略真円形状に変形させた上で、取付リング25の取付リング側嵌合部251の位置と、筒状部2412のケース体側嵌合部24121の位置とが重なるようにして、取付リング25を筒状部2412に被せた上で、取付リング25に対する押圧を解除することで、
図3及び
図4に示すように、取付リング25を、ケース体24のハウジング241の筒状部2412に取り付けることができる。
また、この際に、取付リング25の一端部と、ケース体24のハウジング241のフランジ2414との間に、ウェア本体1の送風装置取付孔13の周囲の部分を挟み込むことによって、送風装置2をウェア本体1に取り付けることができる。
【0040】
[(3) 電源装置]
電源装置3は、送風装置2に電力を供給するための部材であり、例えば、安全保護回路が付加されたリチウムイオン組電池が内蔵され、
図1に示すように、電源ケーブル4を介して送風装置2と接続される。また、電源装置3は、送風装置2に供給する電力のオン/オフを切り替えるスイッチを備える。
電源装置3は、送風装置2に電力を供給することができるものであれば、その具体的な構成は任意である。
【0041】
[(4) 電源ケーブル]
電源ケーブル4は、
図1に示すように、電源装置3と送風装置2とを接続するケーブルであり、電源ケーブル4を通じて、電源装置3から送風装置2に対して、送風装置2の稼働に必要な電力が供給される。
電源ケーブル4は、
図1に示すように、一端部が二股に分かれると共に、その両者に電源プラグ41を有し、送風装置2の接続コード23の電源ジャック231に電源プラグ41を差し込むことで、電源ケーブル4を着脱自在に送風装置2に接続することができる。
【0042】
電源プラグ41の具体的な構成は、送風装置2の接続コード23の電源ジャック231に差し込むことで、電源ケーブル4を着脱自在に送風装置2に接続し、送風装置2の稼働に必要な電力が供給することができるものであれば、特に限定されない。
【0043】
[2 実施形態の効果]
本実施形態に係るファン付きウェア100によれば、送風装置2が、空気の流れを生じさせる羽根21と、羽根21を回転させるモータ22と、羽根21及びモータ22を収納するケース体24と、を備え、モータ22が備える電気部品221が防水性を有する。
これによって、送風装置2に水をかけてもモータ22が故障し難くなることから、送風装置2を水で洗浄することが容易となる。
【0044】
また、送風装置2のモータ22の電気部品221が樹脂によって封止されていることで、モータ22の防水性をより高めることができる。
【0045】
また、送風装置2が、モータ22の電気部品221に接続された接続コード23を備え、接続コード23が、接続コード23の電気部品221に接続されているのと反対側の端部に、電気部品221に電源装置3から電圧を供給するための電源ジャック231を備え、電気部品221に加え、少なくとも接続コード23の電源ジャック231を除いた部分が防水性を有することで、電源ジャック231の位置を送風装置2の羽根21やケース体24から離すことができ、電源ジャック231のみに水がかからないようにしつつ送風装置2を洗浄し易くなる。
【0046】
[3 変形例]
次に、本実施形態に係るファン付きウェア100の変形例について説明する。
【0047】
[(1) 送風装置付き物品の変更]
上記構成及び効果の説明においては、送風装置2が備えられる物品の一例として、ファン付きウェア100について説明したが、送風装置2が備えられる物品は、送風装置2によって本体部内に空気が導入される物品であればよく、ファン付きウェア100には限られない。
例えば、2枚のシートの間に空気を導入し、このようなシートと体との接触部を冷却する機能を有する座布団や寝具、ヘルメット内に空気を流通させて着用者の頭部を冷却する機能を有するヘルメット、リュック内に空気を導入することで着用者の背中を冷却する機能を有するリュック等に、送風装置2を備えるようにしてもよい。いずれの物品であっても、本発明における送風装置付き物品に該当することとなる。
【0048】
[(2) 端子カバーの追加]
送風装置2の接続コード23に設けられた電源ジャック231と、電源ケーブル4の電源プラグ41とが接続された状態で、当該接続部分を覆う防水性を有するカバーを備えるようにしてもよい。当該カバーによって電源ジャック231と電源プラグ41との接続部分を覆い、当該接続部分に、モータ22の電気部品221と同等の防水性を付与することで、送風装置2に電源ケーブル4が取り付けられた状態で、接続コード23の全体に水をかけることが可能となり、送風装置2に電源ケーブル4が取り付けられた状態で送風装置2を水で洗浄することが一層容易となる。
【符号の説明】
【0049】
100 ファン付きウェア(送風装置付き物品)
1 ウェア本体(本体部)
2 送風装置
21 羽根
22 モータ
221 電気部品
23 接続コード
231 電源ジャック(電源供給部)
24 ケース体
25 取付リング
3 電源装置
4 電源ケーブル
41 電源プラグ