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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024051783
(43)【公開日】2024-04-11
(54)【発明の名称】台車
(51)【国際特許分類】
   B62B 5/00 20060101AFI20240404BHJP
【FI】
B62B5/00 K
【審査請求】未請求
【請求項の数】2
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022158112
(22)【出願日】2022-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】398075851
【氏名又は名称】株式会社ホシプラ
(74)【代理人】
【識別番号】100104581
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 伊章
(72)【発明者】
【氏名】星川 翔太
【テーマコード(参考)】
3D050
【Fターム(参考)】
3D050AA01
3D050BB02
3D050DD03
3D050EE09
3D050EE11
3D050FF05
3D050GG01
(57)【要約】      (修正有)
【課題】裏面にキャスターを取り付けるのに当たり、従来のものと比べて部品点数が一層少なく、組立作業や分解作業を一層ワンタッチできわめて簡単に行うことができる安定した台車を提供する。
【解決手段】キャスターを構成する座板201の中央部に車輪支持脚を連結して備え、その車輪支持脚に車輪が回転可能に保持された構造からなる台車において、取付け部102の上部前端は当該座板の一側端205を横スライドして挿入する固定溝を有し、取付け部103の上部後端は当該座板の他側端206を横スライドして挿入する固定溝を有し、前記両取付け部間の横側壁面に係合突起を有し、前記横側壁面にワンタッチで着脱する略箱型の着脱具を有し、前記着脱具は、前記取付け部間の横側壁面と並行に収納可能な本体部と、前記本体部の前面の中央部に開口する開口部と前記本体部の上面の中央部に開口する開口部である2つの開口部を備えている。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
台車を構成する台板の裏面に一組の取付け部を介してキャスターを備え、当該キャスターを構成する座板の中央部に車輪支持脚を連結して備え、その車輪支持脚に車輪が回転可能に保持された構造からなる台車において、

前記取付け部の上部前端は当該座板の一側端を横スライドして挿入する固定溝を有し、
前記取付け部の上部後端は当該座板の他側端を横スライドして挿入する固定溝を有し、
前記両取付け部間の横側壁面に係合突起を有し、
前記横側壁面にワンタッチで着脱する略箱型の着脱具を有し、

前記着脱具は、
前記取付け部の横側壁面と並行に収納可能な本体部と、前記本体部の前面の中央部に開口する開口部と前記本体部の上面の中央部に開口する開口部である2つの開口部を備えており、
前記前面に開口する開口部には、横側壁面に着脱する着脱片を有し、
前記着脱片は、前記本体部底側から前記前面に開口する開口部内側に向かって、前記取付け部間の横側壁面方向に突出しており、
前記上面に開口する開口部には、前記着脱片を摘み動作で解放するための摘み片を有し、
前記摘み片は、前記本体部底側から前記上面に開口する開口部内側に向かって、略L字状に形成されている
ことを特徴とする台車。
【請求項2】
前記着脱具は、前記着脱具の前記取付け部間の横側壁面側の上面の左右の両端に、耳部を有している、
請求項1記載の台車。



【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、裏面にキャスターを取り付けるのに当たり、従来のものと比べて部品点数が少なく、組立作業や分解作業をワンタッチできわめて簡単に行うことができる台車に関する。
【背景技術】
【0002】
従来からこの種の台車は、裏面にキャスターを取り付けるのに当たっては、ボルトやねじによって取り付ける構造のもの、あるいはスライド受容部にキャスターの座板をスライドして取り付けるものなど、各種提案されている。特許文献1及び2は、ボルトやねじによらず、スライド受容部にキャスターの座板をスライドするだけなので、簡単な操作性を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2020-062922
【特許文献2】特開2022―91557
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1は、スライド受容部にキャスターの座板をスライドし、ボルトやねじを使用するよりも簡単な操作性を有するが、キャスターのストッパー(着脱具)の着脱方法については複雑な構造からなっている。
特に、ストッパー(着脱具)を取り外すとき、舌状片を天板方向(下)に押しながら係止している着脱片を解放し、それと同時にストッパー(着脱具)を逆天板方向(上)に引っ張りださなくてはならない。
舌状片を下に押しながら、ストッパー(着脱具)を上に引っ張りだすことは同時に下と上という逆方向に力をかけなければならず複雑な操作であり、ある程度の慣れや要領が必要となる。
よって、ストッパー(着脱具)の着脱がさらに簡単な操作によってできる構造であることが望まれるものである。
【0005】
特許文献2は、スライド受容部にキャスターの座板をスライドしボルトやねじを使用するよりも簡単な操作性を有するが、キャスターのストッパー(ロック部4)の形状が複雑な構造からなっている。
特許文献2のストッパー(ロック部材4)は、挿入片41を有しており、形状が複雑である分、部品の破損のリスクがある。また特許文献2のストッパー(ロック部4)の着脱は、外周リブの下方より後ろ斜め上方に向けて ロック部材を移動させるため、斜め方向の移動は、上下方向より、操作が難しい。
よってストッパーの形状が簡単な構造であることと操作の容易性がさらに望まれるものである。
【0006】
したがって、キャスターを着脱できる台車において、キャスターのストッパー(着脱具)の着脱が簡単であり、かつストッパー(着脱具)の形状が簡単な構造であることが求められる。
【0007】
この発明の目的は、裏面にキャスターを取り付けるのに当たり、従来のものと比べて部品点数が一層少なく、組立作業や分解作業を一層ワンタッチできわめて簡単に行うことができる安定した台車を提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を達成するため、本発明は、台車を構成する台板の裏面に一組の取付け部を介してキャスターを備え、当該キャスターを構成する座板の中央部に車輪支持脚を連結して備え、その車輪支持脚に車輪が回転可能に保持された構造からなる台車において、前記取付け部の上部前端は当該座板の一側端を横スライドして挿入する固定溝を有し、前記取付け部の上部後端は当該座板の他側端を横スライドして挿入する固定溝を有し、前記両取付け部間の横側壁面に係合突起を有し、前記横側壁面にワンタッチで着脱する略箱型の着脱具を有し、前記着脱具は、前記取付け部の横側壁面と並行に収納可能な本体部と、前記本体部の前面の中央部に開口する開口部と前記本体部の上面の中央部に開口する開口部である2つの開口部を備えており、前記前面に開口する開口部には、横側壁面に着脱する着脱片を有し、前記着脱片は、前記本体部底側から前記前面に開口する開口部内側に向かって、前記取付け部間の横側壁面方向に突出しており、前記上面に開口する開口部には、前記着脱片を摘み動作で解放するための摘み片を有し、前記摘み片は、前記本体部底側から前記上面に開口する開口部内側に向かって、略L字状に形成されていることを特徴とする台車を採用した。
【発明の効果】
【0009】
従って、キャスターを取り付ける際には、まず両方の固定溝に前記キャスターの座板の一側端及び他側端を横スライドさせて挿入して座板を固定し、しかる後着脱具の本体部を前記取付け部の横側壁面と並行にして収納していき、その際に前記本体部の前面に開口する開口部に備えられた横側壁面方向に漸次突出した着脱片をその弾発力に抗しながら前記取付け部間の横側壁面の係止部に係止し、キャスターを外す際には、前記本体部の上面に開口する開口部に備えられた摘み片を反横側壁面方向に押して、摘み動作で前記弾発力を解放し引き上げて取り外す。
要するに、両方の固定溝に固定し、しかる後、着脱具を弾発力に抗しながら前記取付け部の横側壁面の係止部に係止すれば、ワンタッチに着けることができる。
またこれと反対に、前記着脱具の摘み片を押しながら係止している着脱片を解放し、引き上げれば、ワンタッチに取り外すことができる。
【0010】
特許文献1では、キャスターを取り外すときは、着脱具の舌状片117を天板方向(下)に押しながら、着脱具を 反天板方向(上)に引っ張りだす操作となる。これは、同時に下と上という逆方向に力をかけなければならず複雑な操作である。しかし本願は、前記着脱具の摘み片を反横側壁面方向(横)に押し係止している着脱片を解放しながら引き上げるので、特許文献1の着脱具のように同時に下と上という逆方向に力をかけるよりも、操作が簡単である。
【0011】
また特許文献1の着脱具は、使用方向を設置時に間違えやすいが、本願は、着脱具の側に耳部を備えており、耳部によって挿入方向が明確になるため、設置時に、使用方向を間違えることはない。
【0012】
特許文献2のストッパー(ロック部4)は、挿入片41を有しており、形状が複雑である分、部品の破損のリスクがあるが、本願は、着脱部は全体が略箱型であるため、変形・破損がしにくい。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の台車の一実施形態を示す斜視図である。
図2図1における裏面の斜視図である。
図3】着脱具を嵌め入れる前の同要部拡大断面図である。
図4】着脱具を嵌め入れた同要部拡大斜視図である。
図5】着脱具の正面図である。
図6】同背面図である。
図7】同右側面図である。
図8】同左側面図である。
図9】同平面図である。
図10】同右側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、本発明の台車の一実施形態を示す斜視図である。
図2は、図1における裏面の斜視図である。
図1及び図2において、1は台車であり、台車1を構成する台板100の裏面101には複数のキャスター200を備えている。キャスター200は、座板201の裏面中央部に車輪支持脚202を連結して備え、その車輪支持脚202に車輪203が回転可能に保持された構造になっている。
【0015】
台板100は合成樹脂の射出成型品で、平面形状が長方形である。台板100のうち荷物が載置される部分には、台板100裏面に補強用のリブ204が少なくとも網の目状に張り巡らされている。
【0016】
図3および図4において、102、103は台板100の裏面101に補強用リブとしてそれぞれ設けられたキャスター200の取付け部である。
【0017】
この一方の取付け部102は前記キャスター200の座板201の一側端205を奥行き方向に横スライドして挿入する固定溝104を有している。
この固定溝104は座板201の一側端205を奥行き方向に横スライドさせて挿入するだけでその端縁部106aにあたりそれ以上進まない構造となっている。すなわち前記取付け部102の上部前端の端縁部106aは前記座板201の一側端205を横スライドさせて挿入する固定溝104を有している。
【0018】
他方の取付け部103は、前記キャスター200の座板201の他方側206を奥行き方向に横スライドして挿入する固定溝107を有している。この固定溝107は同じ座板201の他側端206を奥行き方向に横スライドさせて挿入するだけで同端縁部106aにあたりそれ以上すすまない構造となっている。すなわち前記取付け部103の上部後端の端縁部106aは前記座板201の他側端206を奥行き方向に横スライドさせて挿入する固定溝107を有している。
【0019】
図3において、108は前記取付け部102、103間の横側壁面109に横方向に設置された係合突起である。
【0020】
図5乃至図10において、110は着脱具であり、着脱具110は略箱型である。
前記着脱具110は、前記取付け部102、103間の横側壁面109と並行に収納可能な本体部111と、前記本体部111の前面中央部に開口する開口部112と、上面中央部に開口する開口部113と、前記着脱具の前記取付け部間の横側壁面側の左右の両端に、耳部117を備えている。
【0021】
前記前面に開口する開口部112には、着脱片116を有し、前記着脱片116は、前記本体部底側114から前記開口部内側に向かって、前記取付け部間の横側壁面方向109Aに突出している。
すなわち前記本体部底側114から前記開口部内側115に向かって、前記取付け部の横側壁面方向109Aに漸増して立ち上がっている。
【0022】
図9乃至図10において前記上面に開口する開口部113には、摘み片119を有し、前記摘み片119は、前記本体部底側114から前記上面に開口する開口部内側に向かって、略L字状に形成されている。前記摘み片119は、摘み動作で前記着脱片を解放するためのものである。前記摘み動作とは、前記摘み片119の内側壁面部120を内側から反横側壁面方向109Bに押すことである。前記摘み動作は、前記摘まみ片119が本体部の壁面部121にあたることにより制御されるため、前記摘み片119の破損が予防できる。
【0023】
従って、組立時又は分解時、この台車1はキャスターを前記両取付け部102、103に固定、取り外しするためにワンタッチで着脱する着脱具110を有していることから、きわめて操作性に富んでいる。
【0024】
図4図5より、着脱具の側に耳部117を備えており、耳部が挿入部118の上面にあたるため、着脱具の使用方向を間違えることはない。
【0025】
よって、従来の如く、台車を構成する台板の裏面の取付け部に、座板の取付け方向からボルト又はネジの通し穴を穿設し、続いて台板にボルト又はネジの通し穴を設け、これらの通し穴にボルト又はネジを締結する必要がない。また、着脱具110を収納するだけなので極めて簡単に着脱できることから、従来の如く複雑で不安定なスライド構造をとる必要がない。
【0026】
以上の通り、キャスターを取り付ける際には、まず両方の固定溝に前記キャスターの座板の一側端及び他側端を横スライドさせて挿入して座板を固定し、しかる後着脱具の本体部を前記取付け部の横側壁面と並行にして収納していき、その際に前記本体部の前面に開口する開口部に備えられた横側壁面方向に漸次突出した着脱片をその弾発力に抗しながら前記取付け部間の横側壁面の係止部に係止し、キャスターを外す際には、前記本体部の上面に開口する開口部に備えられた摘み片を反横側壁面方向に押して、摘み動作で前記弾発力を解放し引き上げて取り外す。
【0027】
要するに、キャスターを取り付ける際には、キャスターを両方の固定溝に固定し、しかる後、着脱具を弾発力に抗しながら前記取付け部間の横側壁面の係止部に係止すれば、ワンタッチに取り付けることができる。
またこれと反対に、キャスターを外す際には、前記着脱具を摘み動作により、係止している着脱片を解放すれば、ワンタッチに取り外しできる。
【産業上の利用可能性】
【0028】
本発明は台板を有する台車に広く利用することができる。
【符号の説明】
【0029】
1 台車
100 台板
101 裏面
102 取付け部
103 取付け部
104 固定溝
106a 端縁部
107 固定溝
108 係合突起
109 横側壁面
109A 横側壁面方向
109B 反横側壁面方向
110 着脱具
111 本体部
112 前面中央部に開口する開口部
113 上面中央部に開口する開口部
114 本体部底側
115 開口部内側
116 着脱片
117 耳部
118 挿入部
119 摘み片
120 内側壁面部
121 本体部の壁面部
200 キャスター
201 座板
202 車輪支持脚
203 車輪
204 リブ
205 一側端
206 他側端
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10