(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024051785
(43)【公開日】2024-04-11
(54)【発明の名称】情報処理装置、表示装置、コンピュータプログラム及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G16H 30/20 20180101AFI20240404BHJP
【FI】
G16H30/20
【審査請求】未請求
【請求項の数】18
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022158114
(22)【出願日】2022-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】000002897
【氏名又は名称】大日本印刷株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】立石 貴代子
(72)【発明者】
【氏名】新田 雅和
(72)【発明者】
【氏名】和田 俊也
(72)【発明者】
【氏名】小原 史也
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA26
(57)【要約】
【課題】総合判定を行う読影医師の作業負担を軽減できる情報処理装置、表示装置、コンピュータプログラム及び情報処理方法を明らかにする。
【解決手段】情報処理装置は、制御部を備え、制御部は、医用画像及び医用画像に関する読影レポートを取得し、取得した医用画像上に、読影レポートの報告者を識別する識別子を所見部位に対応させて表示する。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制御部を備え、
前記制御部は、
医用画像及び前記医用画像に関する読影レポートを取得し、
取得した医用画像上に、前記読影レポートの報告者を識別する識別子を所見部位に対応させて表示する、
情報処理装置。
【請求項2】
前記制御部は、
線分又は曲線で領域を挟む形態又は所定形状で領域を囲む形態であって、前記領域に前記所見部位が含まれるように前記識別子を表示する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記制御部は、
前記読影レポートに一の所見部位に対する複数の報告者による読影報告が含まれる場合、前記一の所見部位に対応させて、前記複数の報告者それぞれの識別子の一部を重畳させて表示する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記制御部は、
前記識別子を前記複数の報告者に対応させてそれぞれ異なる表示態様で表示する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記制御部は、
前記識別子を前記複数の報告者に対応させて区分し、
区分した識別子それぞれを異なる表示態様で表示する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記制御部は、
前記読影レポートに一の所見部位に対する複数の報告者による読影報告が含まれる場合、前記識別子を前記報告者別に前記医用画像上で所定ピクセル数ずらして表示する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記制御部は、
前記識別子に対応付けて所見名を表示する、
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記制御部は、
前記識別子に重畳させて所見名を表示する、
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記制御部は、
前記識別子に対する所見名の表示位置を、部位毎に異ならせる、
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記制御部は、
前記識別子が前記報告者別に前記医用画像上で所定ピクセル数ずらして表示される場合、所見名を前記所定ピクセル数ずらして表示する、
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記制御部は、
前記領域に対応付けた所定操作に応じて、前記医用画像上の表示態様を変更する、
請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記制御部は、
前記所定操作として前記領域内にカーソルを進入させた場合、前記識別子を非表示にする、
請求項11に記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記制御部は、
前記所定操作として前記領域内にカーソルを進入させた場合、所見名を表示する、
請求項11に記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記制御部は、
前記所定操作として前記領域内にカーソルがあり、画像拡大操作を受け付けた場合、前記領域を拡大表示する、
請求項11に記載の情報処理装置。
【請求項15】
医用画像上に、読影レポートの報告者を識別する識別子を所見部位に対応させて表示する表示パネルを備える、
表示装置。
【請求項16】
医用画像及び前記医用画像に関する読影レポートを取得する取得部と、
前記取得部で取得した医用画像上に、前記読影レポートの報告者を識別する識別子を所見部位に対応させて表示する表示パネルと
を備える、
表示装置。
【請求項17】
コンピュータに、
医用画像及び前記医用画像に関する読影レポートを取得し、
取得した医用画像上に、前記読影レポートの報告者を識別する識別子を所見部位に対応させて表示する、
処理を実行させるコンピュータプログラム。
【請求項18】
医用画像及び前記医用画像に関する読影レポートを取得し、
取得した医用画像上に、前記読影レポートの報告者を識別する識別子を所見部位に対応させて表示する、
情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置、表示装置、コンピュータプログラム及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の医療分野では、放射線診断機器の進歩に伴い、画像診断情報量は飛躍的に増加し、また検査件数も増加している。一方で、放射線診断を専門に行う専門医の数は少ないのが現状である。このため、クリニックなどの医療機関や健診実施機関で撮影された医用画像は、当該医療機関や健診実施機関での専門医による読影のみならず、通信ネットワークを利用して専門医がいる別の施設に送信され、当該施設の専門医による遠隔読影が行われる場合もある。
【0003】
特許文献1には、依頼施設から医用画像が読影センタに送信され、読影センタにおいて、2人の読影医師による1次読影と2次読影とが行われ、両方の読影結果に差異がある場合、別の読影医師による3次読影を行う遠隔読影システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般的な読影環境では、医用画像を表示するシステムと、読影レポートを記入する又は参照するためのシステムは独立しているため、読影医師は医用画像を表示するビューワモニタと、読影レポートを記入又は参照するためのレポート用モニタの両方を使用している。特許文献1のように、3次読影を行う読影医師は、例えば、1次読影及び2次読影それぞれにおける読影レポートをレポート用モニタで確認しつつ、ビューワモニタで該当する医用画像を確認して、依頼元に報告する読影結果を作成するための総合判定を行う必要がある。例えば、どの読影医師がどの所見部位に対してどのような所見を記載しているかを確認する必要がある。また、所見は複数存在し、かつ一意性ではないため、全ての所見に基づく総合判定作業は容易ではない。また、検査件数が増加すれば、総合判定作業量も増加し、総合判定を行う読影医師の負担が増大する。
【0006】
本開示は、斯かる事情に鑑みてなされたものであり、総合判定を行う読影医師の作業負担を軽減できる情報処理装置、表示装置、コンピュータプログラム及び情報処理方法を明らかにする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本願は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、情報処理装置は、制御部を備え、前記制御部は、医用画像及び前記医用画像に関する読影レポートを取得し、取得した医用画像上に、前記読影レポートの報告者を識別する識別子を所見部位に対応させて表示する。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、総合判定を行う読影医師の作業負担を軽減できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施の形態の情報処理システムの構成の一例を示す図である。
【
図4】胸部X線検査における所見部位を示す図である。
【
図5】医用画像上での所見部位の特定方法の一例を示す図である。
【
図8】医用画像上の識別子の表示の第1例を示す図である。
【
図9】医用画像上の識別子の表示の第2例を示す図である。
【
図10】所見領域に対する所定操作に基づく表示方法の変更の第1例を示す図である。
【
図11】所見領域に対する所定操作に基づく表示方法の変更の第2例を示す図である。
【
図12】サーバによる読影レポートの収集処理の一例を示す図である。
【
図13】サーバによる医用画像及び読影レポートの表示処理の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本実施の形態の情報処理システムの構成の一例を示す図である。以下、情報処理システムの例として、遠隔読影システムについて説明する。情報処理システムは、情報処理装置としてのサーバ50を備える。サーバ50には、第1読影端末10、第2読影端末20、第3読影端末30、及び遠隔読影DB40が接続されている。第1読影端末10、第2読影端末20、及び第3読影端末30は、例えば、パーソナルコンピュータ等で構成することができる。サーバ50、第1読影端末10、第2読影端末20、第3読影端末30、及び遠隔読影DB40は、例
えば、遠隔読影サービス会社の施設内に設置されている。第1読影端末10、第2読影端末20、及び第3読影端末30は、それぞれ第1読影医師、第2読影医師、及び第3読影医師が、読影の際に用いる端末である。第1読影医師、第2読影医師、及び第3読影医師は、それぞれ異なる読影医師である。本実施形態では、第3読影医師が、第1読影医師、第2読影医師及び後述のCAD解析による読影レポートに基づいて、総合判定を行うものとして説明する。また、第2読影医師が存在しない場合や第2読影医師と第3読影医師との間に、他の読影医師が存在する場もあり得る。
【0011】
サーバ50は、通信ネットワーク1に接続されている。通信ネットワーク1には、医療機関100、200、300それぞれの端末装置101、201、301が接続されている。端末装置101、201、301は、例えば、パーソナルコンピュータ等で構成することができる。
【0012】
医療機関100、200、300は、例えば、読影医師がいない医院やクリニックなどの医療機関であり、患者に対してX線撮影装置などで撮影した医用画像(検査画像)を、端末装置101、201、301を通じて、サーバ50へ送信する。また、医療機関は、例えば、健康保険組合に属する組合員が、健康診断を受ける健診実施機関であってもよい。
【0013】
遠隔読影サービス会社は、医療機関100、200、300や健診実施機関から依頼された医用画像を専門の読影医師が読影し、遠隔読影サービス会社としての総合判定結果を医療機関100、200、300や健診実施機関へ報告する。本実施形態では、総合判定は、第3読影医師により行われるものとする。
【0014】
本明細書において、医用画像は、X線撮影装置、超音波検査装置、CT(Computed Tomography)装置、MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置等による撮影によって得られる画像を含む。読影(読影行為とも称する)は、専門の読影医師が医用画像を見ることにより、医用画像を判定し、所見の有無や所見の内容をレポートとして作成することを含む。所見は、読影した結果であり、読影対象の医用画像の中の結節などの正常でない箇所があ
ると判断される結果であり、結果についての意見も含む。なお、所見は、読影医師によって入力された結果だけでなく、CAD(Computer Aided Detection:画像処理ソフト/Computer Aided Diagnosis:画像診断ソフト)などのコンピュータ等による画像解析処理(「CAD解析」ともいう)に基づく結果も含む。医用画像は、DICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine)形式のデータで保存してもよい。DICOMデータは、画像情報と、患者名や撮影部位などのタグ情報とを含む。所見は、医療画像が保存されたDICOMデータの中のタグ情報として書き込まれるようにしてもよいが、医用画像を含むDICOMデータとは別のデータとして保存してもよい。例えば、読影医師による所見は、所見の有無や内容、名前等の情報を含み、平文のテキストもしくはコード化されたレポートデータとして保存してもよい。画像解析処理に基づく所見は、所見の有無や内容、名前等をコード化したDICOM-SRデータもしくはヒートマップのように画像化したDICOM-SCデータとして保存してもよい。
【0015】
図2はサーバ50の構成の一例を示す図である。サーバ50は、サーバ50全体を制御する制御部51、通信部52、インタフェース部53、記録媒体読取部54、メモリ55、画像処理部56、及び記憶部57を備える。
【0016】
制御部51は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro-Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、GPGPU(General-purpose computing on graphics processing units)、TPU(Tensor Processing Unit)等の全部又は一部が所要数組み込まれて構成されている。
【0017】
メモリ55は、SRAM(Static Random Access Memory)、DRAM(Dynamic Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリで構成されている。
【0018】
通信部52は、例えば、通信モジュールを備え、通信ネットワーク1を介して端末装置101、201、301との間の通信機能を有する。通信部52は、通信ネットワーク1を通じて、端末装置101、201、301から読影対象の医用画像及び読影の依頼を受信する。通信部52は、通信ネットワーク1を通じて、読影対象の医用画像に関する総合判定結果を端末装置101、201、301へ送信する。
【0019】
インタフェース部53は、第1読影端末10、第2読影端末20、第3読影端末30、及び遠隔読影DB40との間のインタフェース機能を提供する。サーバ50は、インタフェース部53を通じて、第1読影端末10、第2読影端末20、及び第3読影端末30との間で情報の送信及び受信を行うことができる。サーバ50は、インタフェース部53を通じて、遠隔読影DB40へアクセスすることができる。
【0020】
記録媒体読取部54は、例えば、光学ディスクドライブで構成することができ、記録媒体541(例えば、CD-ROM等の光学可読ディスク記憶媒体)に記録されたコンピュータプログラム(プログラム製品)を記録媒体読取部54で読み取って記憶部57に格納することができる。コンピュータプログラム60は、メモリ55に展開されて、制御部51により実行される。なお、コンピュータプログラム60は、通信部52を介して、外部の装置からダウンロードして記憶部57に格納してもよい。
【0021】
記憶部57は、例えば、ハードディスク又は半導体メモリ等で構成することができ、所要の情報を記憶することができる。記憶部57は、コンピュータプログラム60を記憶することができる。
【0022】
画像処理部56は、CPU、MPU、GPU、GPGPU、TPU、DSP(Digital Signal Processors)、又はFPGA(Field-Programmable Gate Arrays)等で構成することができる。画像処理部56は、読影対象の医用画像に対して、画像解析処理を行って、医用画像上の「正常」ではない箇所又は領域を特定し、特定した箇所又は領域が含まれる所見部位を出力する。画像処理部56は、1又は複数の画像処理モジュールでもよく、あるいは機械学習によって生成された学習モデルを用いてもよい。また、画像処理部56は、読影医師による読影と同様の読影レポートを出力するようにしてもよい。画像処理部56が出力する読影レポートは、少なくとも、所見部位を含んでいればよい。
【0023】
画像処理部56を学習モデルで構成する場合、当該学習モデルは、入力層、中間層、及び出力層を備え、例えば、畳み込みニューラルネットワーク(CNN:Convolutional Neural Network)で構成することができる。中間層は、複数の畳み込み層、複数のプーリング層、及び全結合層を備える。学習モデルは、医用画像が入力されると、医用画像上の「正常」ではない箇所又は領域を特定し、特定した箇所又は領域が含まれる所見部位を出力する。なお、所見部位は予め符号化しておけばよい。例えば、所見部位の数に対応する出力ノードを出力層に設ければよい。
【0024】
遠隔読影DB40は、読影対象の医用画像(例えば、DICOM画像)、読影医師による読影レポート、画像解析処理によりCAD解析結果、総合判定結果などを保存する。
【0025】
図3は読影レポートの内容の一例を示す図である。なお、本明細書では、胸部X線検査の場合について説明するが、読影レポートは、胸部X線検査の場合に限定されるものではなく、他の臓器についてのCT画像や超音波画像等による検査など医用画像に基づく読影レポートが含まれる。
【0026】
読影レポートは、所見部位、所見名、判定、及び判定者(読影医師、CAD解析)の各要素を含むことが望ましい。所見部位は、所見が有る部位である。所見部位は、部位1として、「右」、「左」、「両側」、及び「その他」の如く区分されている。また、部位2として、「全肺野」、「上肺野」、「中肺野」、「下肺野」、「肺門部」、「縦隔」、「横隔膜」、「骨」、「心臓・血管」、「その他」の如く区分されている。「その他」は所見部位が特に存在しない場合が含まれる。本明細書では、「その他」も所見部位として扱う。各所見部位は、所定のコードが付されている。例えば、所見部位が「右/上肺野」の場合、コードは(R,02)となる。読影レポートは、通常、コードの選択により報告されるが、読影レポートが平文(テキスト情報)の場合、所見部位、所見名、判定、判定者情報をレポートから抽出し、あらかじめ設定した所定コードを割り振る。
【0027】
図4は胸部X線検査における所見部位を示す図である。
図4は左右両側の肺を示す。日本人間ドック学会の胸部エックス線健診判定マニュアルによれば、肺尖部は、鎖骨下縁の高さから上の肺野であり、上肺野は鎖骨下縁から第2肋骨前下端の高さまでの肺野であり、中肺野は第2肋骨前下端から第4肋骨前下端の高さまでの肺野であり、下肺野は第4肋骨前下端の高さから下の肺野である。なお、
図4は体の前から見た場合の模式図を示すが、これに限定されるものではなく、体の横から見た場合の所見部位も含めてもよい。また、所見部位は、胸部X線検査における所見部位に限定されるものではなく、肺以外の他の臓器の部位も所見部位に含めることができる。
【0028】
所見名は、病変、または病変の発現部位などを含む名称であり、例えば、「異常所見を認めず」、「肺結核」、「結節性陰影」、「腫瘍性陰影」などが含まれる。所見名も所定のコードが付されている。例えば、所見名が「結節性陰影」の場合、コードは(31)となる。
【0029】
判定は、所見の内容を示し、例えば、「異常所見を認めない」、「異常所見を認めるが精査を必要としない」、「異常所見を認め、肺がん以外の疾患で治療を要する状態が考えられる」、「肺がんの疑い」などが含まれる。判定も所定のコードが付されている。例えば、判定が「異常所見を認めるが精査を必要としない」の場合、コードは(C)となる。なお、所見部位、所見名、判定は、一例であって、
図3の例に限定されるものではない。
【0030】
次に、医用画像上で所見部位を特定する方法について説明する。
【0031】
図5は医用画像上での所見部位の特定方法の一例を示す図である。
図5Aは、胸部のX線画像に基づいて、骨、気管分岐部、肺などを分類し、肺の領域を左右の上肺野、中肺野、下肺野の6つの部位の領域を大まかに抽出したものである。
図5Aでは、部位の領域を矩形状で表しているが、部位の形状に応じて抽出する領域の形状は矩形状に限定されない。
図5Bは、
図5Aで抽出した部位の領域を初期値として、例えば、スネークアルゴリズム(スネーク理論)を使用して、所見部位を特定したものである。
図5Bでは、右側の上肺野が特定されている。スネークアルゴリズムは、不定形の対象物を検出する方法として適している。具体的には、
図5Aに示す矩形状の曲線に対応したエネルギの概念を導入し、そのエネルギが最小となるように曲線を変化させて
図5Bのような所見部位の領域を表す曲線を求める。曲線の局所的な伸び縮みや自身の折れ曲がりにくさによって定義された内部エネルギと、画像中の濃度勾配等から定義した外部エネルギとの総エネルギの最小化により目的の輪郭線を特定する。なお、所見部位の特定方法は、スネークアルゴリズムに限定されるものではなく、エッジ検出のような他の画像処理を用いてもよい。画像処理部56は、前述のような方法を用いて、医用画像上で所見部位を特定することができる。
【0032】
本実施形態では、第3読影医師が、第1読影医師、第2読影医師及びCAD解析による読影レポートに基づいて、総合判定を行う場合について説明する。まず、第1読影医師、第2読影医師及びCAD解析による読影レポートについて説明する。
【0033】
図6は読影レポートの一例を示す図である。
図6は報告者が第1読影医師、第2読影医師及びCAD解析の場合の読影レポートの内容を示している。第1読影医師の読影レポートでは、所見部位「右/上肺野」の所見名が「結節性陰影」であり、所見部位「左/下肺野」の所見名が「術後性変化」であり、判定が「異常所見を認めるが精査を必要としない」であるとする。また、第2読影医師の読影レポートでは、所見部位「右/上肺野」の所見名が「結節性陰影」であり、所見部位「右/下肺野」の所見名が「腫瘍性陰影」であり、判定が「肺がんの疑い」であるとする。また、CAD解析による読影レポートでは、所見部位が「右/上肺野」及び「右/下肺野」である。
図6の例では、CAD解析による読影レポートには、所見部位だけが含まれるが、所見名及び判定を含めるようにしてもよい。
図6に示すように、報告者が異なると、所見部位、所見名、判定が異なる場合があることが分かる。
【0034】
本実施形態のサーバ50は、第3読影医師が、レポート用モニタを見ることなく、
図6に例示したような読影レポートの内容を、ビューワモニタに表示された医用画像上で画像の視認性をできるだけ妨げることなく確認できる手段を提供するものである。具体的には、制御部51は、医用画像及び当該医用画像に関する読影レポートを遠隔読影DB40から取得し、取得した医用画像上に、読影レポートの報告者を識別する識別子を所見部位に対応させて第3読影端末30に表示することができる。まず、報告者を識別する識別子について説明する。
【0035】
図7は識別子の一例を示す図である。
図7Aは、識別子を所定形状(図の例では、矩形形状)で表す場合を示す。矩形形状で囲まれる領域を所見領域と称する。所見領域は、所見部位が含まれるように決定すればよい。すなわち、制御部51は、所定形状で所見領域(「領域」とも称する)を囲む形態であって、画像処理部56によって特定された所見部位が当該所見領域に含まれるように識別子を表示することができる。なお、複数の所見部位にまたがる異常がある時は、少なくとも一つの所見部位が含まれるように、所見領域を決定すればよい。
【0036】
図7Bは、所定形状のように所見領域を閉じたループで囲むのではなく、線分又は曲線(図の例では一対のL字状の線分)で表す場合を示す。線分又は曲線で挟まれた領域を所見領域と称する。所見領域は、所見部位が特定できるように決定すればよい。例えば、所見部位が含まれるように決定すればよい。すなわち、制御部51は、線分又は曲線で所見領域を挟む形態であって、当該所見領域に所見部位が含まれるように識別子を表示することができる。所見領域は、所見部位が特定できるように決定すればよく、図示はしないが、所見領域を複数の曲線で挟むように表してもよく、所見領域を決める境界線の一部を1つ以上の線分や1つ以上の曲線により示すようにしてもよい。また識別子で表された所見領域は、所見部位の一部が含まれるように決定してもよい。
【0037】
次に、医用画像上での識別子の表示例について説明する。
【0038】
図8は医用画像上の識別子の表示の第1例を示す図である。
図8の医用画像上には、医用画像の視認性をできるだけ妨げない表示態様で、
図6に例示した読影レポートの内容が反映されている。具体的には、制御部51は、複数の報告者(第1読影医師、第2読影医師及びCAD解析)毎に異なる表示態様の識別子を用いることができる。
図8の例では、例えば、第1読影医師を緑の矩形形状で表し、第2読影医師を青の矩形形状で表し、CAD解析を黄の矩形形状で表すことができる。また、色に変えて、矩形形状の輪郭を実線、破線、一点鎖線の如く異なる線種で区別してもよい。
【0039】
制御部51は、識別子に対応付けて所見名を表示してもよい。
図8の例では、第1読影医師の識別子に対応付けて、「結節」、「術後変化」という所見名が表示されている。また、第2読影医師の識別子に対応付けて、「結節」、「腫瘍」という所見名が表示されている。所見名の表示位置は、
図8のように矩形形状(識別子)の輪郭に重畳させて表示してもよく、矩形形状の外側に表示してもよい。これにより、所見領域内の所見部位の視認性が妨げられるのを防止できる。
【0040】
制御部51は、識別子に対する所見名の表示位置を、所見部位毎に異なる位置にしてもよい。具体的には、所見名の位置が医用画像上でなるべく周辺部になるように所見部位に応じて表示位置を変えることができる。
図8の例では、所見部位が「右/上肺野」の場合、所見名「結節」は矩形形状の左上側の位置に表示する。また、所見部位が「右/下肺野」の場合、所見名「腫瘍」は矩形形状の左下側の位置に表示する。また、所見部位が「左/下肺野」の場合、所見名「術後変化」は矩形形状の右下側の位置に表示する。これにより、医用画像の視認性を妨げることを抑制できる。
【0041】
制御部51は、読影レポートに一の所見部位に対する複数の報告者による読影報告が含まれる場合、当該一の所見部位に対応させて、複数の報告者それぞれの識別子の一部を重畳させて表示することができる。
図8の例では、所見部位が「右/上肺野」に対して、第1読影医師、第2読影医師及びCAD解析それぞれの読影レポートが存在するので、第1読影医師、第2読影医師及びCAD解析それぞれを表す矩形形状(識別子)の一部を重畳させて表示する。同様に、所見部位が「右/下肺野」に対して、第2読影医師及びCAD解析それぞれの読影レポートが存在するので、第2読影医師及びCAD解析それぞれを表す矩形形状(識別子)の一部を重畳させて表示する。これにより、矩形形状(識別子)によって医用画像上の所見部位が遮られることを抑制して医用画像の視認性を維持することができる。
【0042】
具体的には、制御部51は、読影レポートに一の所見部位に対する複数の報告者による読影報告が含まれる場合、識別子を報告者別に医用画像上で所定ピクセル数ずらして表示することができる。
図8の例では、所見部位が「右/上肺野」に対して、第1読影医師、第2読影医師及びCAD解析それぞれの読影レポートが存在するので、第1読影医師、第2読影医師及びCAD解析それぞれを表す矩形形状(識別子)は、右斜め下方向に沿って所定ピクセル数ずらして表示されている。また、所見部位が「右/下肺野」に対して、第2読影医師及びCAD解析それぞれの読影レポートが存在するので、第2読影医師及びCAD解析それぞれを表す矩形形状(識別子)は、右斜め上方向に沿って所定ピクセル数ずらして表示されている。
【0043】
また、制御部51は、識別子が報告者別に医用画像上で所定ピクセル数ずらして表示される場合、対応する所見名を当該所定ピクセル数ずらして表示してもよい。
図8の例では、所見部位が「右/上肺野」に対して、第1読影医師、第2読影医師及びCAD解析それぞれを表す矩形形状(識別子)が、右斜め下方向に沿って所定ピクセル数ずらして表示されているので、対応する所見名「結節」も同様の所定ピクセル数ずらして表示する。
【0044】
所見名の文字数が、例えば、所定数(例えば、4文字)以上の場合には、読影医師が理解できる程度に所見名の文字数を少なくして表示してもよい。例えば、所見名が「結節性陰影」の場合、「結節」と短縮して表示してもよく、所見名が「腫瘍性陰性」の場合「腫瘍」と短縮して表示してもよい。
【0045】
図8に示すように、読影レポートの内容(所見部位、所見名など)を識別子、識別子の表示態様、識別子の表示位置などによって表すことにより、読影レポートに含まれる文字情報を削減させつつ、読影レポートの内容を医用画像上に表示することができる。3次読影を行う読影医師は、例えば、1次読影、2次読影及びCAD解析それぞれにおける読影レポートをレポート用モニタで確認しつつ、ビューワモニタで該当する医用画像を確認する必要がなく、ビューワモニタの医用画像を確認するだけで総合判定を行うことができる。これにより、総合判定を行う読影医師の作業負担を軽減できる。
【0046】
図9は医用画像上の識別子の表示の第2例を示す図である。
図9の医用画像上には、医用画像の視認性をできるだけ妨げない表示態様で、
図6に例示した読影レポートの内容が反映されている。制御部51は、複数の報告者(第1読影医師、第2読影医師及びCAD解析)毎に異なる表示態様の識別子を用いることができる。具体的には、制御部51は、一つの矩形形状(識別子)を所見部位に対応させて表示し、当該所見部位に対して複数の読影レポート(報告者)が存在する場合、当該矩形形状を複数の報告者に対応させて区分し、区分した矩形形状それぞれを異なる表示態様で表示することができる。
【0047】
図9の例では、所見部位が「右/上肺野」に対して、第1読影医師、第2読影医師及びCAD解析それぞれの読影レポートが存在するので、矩形形状の輪郭を第1読影医師、第2読影医師及びCAD解析で区分し、区分した輪郭を異なる表示態様(例えば、異なる色、異なる線種など)で表示することができる。また、所見部位が「右/下肺野」に対して、第2読影医師及びCAD解析それぞれの読影レポートが存在するので、矩形形状の輪郭を第2読影医師及びCAD解析で区分し、区分した輪郭を異なる表示態様(例えば、異なる色、異なる線種など)で表示することができる。
図9の例では、
図8の例に比べて、報告者が複数存在する場合でも一つの矩形形状(識別子)だけを表示すればよいので、矩形形状の数を削減することができ、医用画像の視認性を向上させることができる。
【0048】
制御部51は、識別子に対応付けて所見名、及び所見名の後に報告者を識別する符号(図の例では、第1読影医師を「1」、第2読影医師を「2」、CAD解析を「C」で表している)を表示してもよい。
【0049】
制御部51は、所見部位に対応する報告者の数に応じて異なる表示態様の識別子を表示してもよい。例えば、所見部位(
図9の例では、「右/上肺野」及び「右/下肺野」)に対して複数の報告者が存在する場合、識別子を所定形状で表示する。また、所見部位(
図9の例では、「左/下肺野」)に対して報告者が単数の場合、識別子を一対の線分で表示することができる。
【0050】
識別子によって画定される所見領域に対応付けた所定操作を第3読影端末30で受け付けることによって、医用画像上の表示方法を変更してもよい。以下、この点について説明する。
【0051】
図10は所見領域に対する所定操作に基づく表示方法の変更の第1例を示す図である。
図10Aに示すように、制御部51は、所定操作として所見領域内にカーソルを進入させた場合、識別子を非表示にすることができる。
図10Aの場合、カーソルが識別子(矩形形状)で画定される所見領域内に存在しない場合、所見名(「結節」)が表示されている。カーソルを所見領域内に進入させると、識別子が非表示となる。この場合、所見名も非表示にしてもよく、表示したままでもよい。また、識別子の非表示は、所定時間(例えば、5秒間など)だけの一時的なものでもよい。
【0052】
図10Bに示すように、制御部51は、所定操作として所見領域内にカーソルを進入させた場合、所見名を表示することができる。
図10Bの場合、カーソルが識別子(矩形形状)で画定される所見領域内に存在しない場合、所見名は非表示である。カーソルを所見領域内に進入させると、所見名(「結節」)が表示される。
【0053】
図11は所見領域に対する所定操作に基づく表示方法の変更の第2例を示す図である。
図11に示すように、制御部51は、所定操作として所見領域内にカーソルがあり、画像の拡大操作を受け付けた場合、所見領域を拡大表示することができる。
図11の場合、所見名が「結節」の所見領域内にカーソルを置き、拡大操作を行うと、所見領域が拡大表示され、結節(図の例で、白の略円状の箇所)が拡大されて、病変の状態が確認し易くなる。
【0054】
図10及び
図11に例示したように、制御部51は、所見領域に対応付けた所定操作に応じて、医用画像上の表示態様を変更することができる。これにより、医用画像の視認性を向上させることができる。
【0055】
図12はサーバ50による読影レポートの収集処理の一例を示す図である。なお、以下では、便宜上、医療機関100の端末装置101だけを図示している。他の医療機関200、300や健診実施機関についても同様である。サーバ50は、端末装置101から読影対象の医用画像及び読影依頼を受信する(S1)。読影対象の医用画像は、例えば、ロット単位で纏めて受信することができる。1ロットには、例えば、数十枚~数百枚の医用画像が含まれる場合がある。
【0056】
サーバ50は、受信した読影対象の医用画像を一旦、遠隔読影DB40に保存し(S2)、読影対象の医用画像に対して画像処理部56による画像解析処理(CAD解析)を行い、画像解析処理結果を遠隔読影DB40に保存する(S3)。
【0057】
サーバ50は、読影対象の医用画像を第1読影端末10へ送信する(S4)。第1読影端末10では、第1読影医師による第1読影(1次読影)が行われる(S5)。サーバ50は、第1読影端末10から第1読影結果を受信し(S6)、受信した第1読影結果を遠隔読影DB40に保存する(S7)。第1読影結果は、第1読影医師による医用画像に対する所見の有無及び所見の内容が含まれる。
【0058】
サーバ50は、ダブル読影の場合、以下の処理を行う。すなわち、サーバ50は、読影対象の医用画像を第2読影端末20へ送信する(S8)。第2読影端末20では、第2読影医師による第2読影(2次読影)が行われる(S9)。サーバ50は、第2読影端末20から第2読影結果を受信し(S10)、受信した第2読影結果を遠隔読影DB40に保存し(S11)、処理を終了する。第2読影結果は、第2読影医師による医用画像に対する所見の有無及び所見の内容が含まれる。シングル読影の場合には、前述のステップS8~S11の処理は実施しない。
【0059】
上述のようにして、サーバ50は、複数の患者や健診対象者の検査画像(医用画像)に対する複数の報告者(
図12の例では、第1読影医師、第2読影医師、及びCAD解析)による読影レポートを収集して遠隔読影DB40に保存することができる。
【0060】
また、図示していないが、患者や健診対象者の検査毎の複数の報告者による読影レポートのうち、第3読影医師による総合判定が必要な読影レポートは、対応する医用画像と関連付けて、患者や健診対象者毎に対応付けて遠隔読影DB40に記録される。第3読影医師による総合判定が必要な読影レポートは、例えば、複数の報告者の間で、所見の有無が異なる、所見部位が異なる、所見名が異なる、又は判定が異なる等のものが総合判定の対象となる。具体的には、総合判定の対象であるフラグを付して読影レポート及び医用画像が遠隔読影DB40に保存される。
【0061】
次に、総合判定の対象である医用画像及び読影レポートを、総合判定を行う第3読影医師の第3読影端末30に表示する際の処理について説明する。
【0062】
図13はサーバ50による医用画像及び読影レポートの表示処理の一例を示す図である。以下では便宜上、処理の主体を制御部51として説明する。制御部51は、医用画像及び当該医用画像に関する読影医師及びCAD解析による読影レポートを遠隔読影DB40から取得する(S21)。この後、制御部51は、読影レポートに関する情報を医用画像に重畳させて第3読影端末30に表示する。以下、具体的に説明する。
【0063】
制御部51は、医用画像上の所見部位に対応させて読影レポートの報告者を識別する識別子(例えば、矩形形状、あるいは一対の線分など)を報告者毎に異なる表示態様で表示する(S22)。制御部51は、一の所見部位に対して複数の報告者があるか否かを判定し(S23)、複数の報告者がある場合(S23でYES)、医用画像上で識別子及び対応する所見名を報告者別に所定ピクセル数ずらして表示し(S24)、後述のステップS26の処理を行う。
【0064】
複数の報告者がない場合(S23でNO)、すなわち、読影医師又はCAD解析のいずれか一の報告者のみがある場合、制御部51は、識別子に対応させて所見名を表示する(S25)。制御部51は、所見領域に対応付けた所定操作の有無を判定し(S26)、所定操作がある場合(S26でYES)、所定操作に応じて識別子、所見名又は所見領域の表示方法を変更し(S27)、処理を終了する。ステップS27の処理は、例えば、
図10、
図11に例示している。所定操作がない場合(S26でNO)、制御部51は、処理を終了する。なお、他の患者や健診対象者の読影レポートがある場合、制御部51は、上述のステップS21~S27の処理を繰り返せばよい。
【0065】
本実施形態によれば、医用画像を表示するだけで読影レポートの内容を確認することができる。また、識別子を用いることにより、所見部位を表示する文字情報を低減して読影レポートの内容を表示させることができ、また報告者を識別することができ、文字情報を削減できる。
【0066】
上述の実施形態では、サーバ50が、総合判定の対象である医用画像及び読影レポートを第3読影端末30に表示する構成であるが、これに限定されるものではない。例えば、第3読影端末30にサーバ50の制御部51の機能を組み込んで、第3読影端末30が総合判定の対象である医用画像及び読影レポートを表示する処理を行ってもよい。すなわち、表示装置としての第3読影端末30は、医用画像及び当該医用画像に関する読影レポートを遠隔読影DB40から取得する取得部と、取得した医用画像上に、読影レポートの報告者を識別する識別子を所見部位に対応させて表示する表示パネルとを備えてもよい。
【0067】
(付記1)情報処理装置は、制御部を備え、前記制御部は、医用画像及び前記医用画像に関する読影レポートを取得し、取得した医用画像上に、前記読影レポートの報告者を識別する識別子を所見部位に対応させて表示する。
【0068】
(付記2)情報処理装置は、付記1において、前記制御部は、線分又は曲線で領域を挟む形態又は所定形状で領域を囲む形態であって、前記領域に前記所見部位が含まれるように前記識別子を表示する。
【0069】
(付記3)情報処理装置は、付記1又は付記2において、前記制御部は、前記読影レポートに一の所見部位に対する複数の報告者による読影報告が含まれる場合、前記一の所見部位に対応させて、前記複数の報告者それぞれの識別子の一部を重畳させて表示する。
【0070】
(付記4)情報処理装置は、付記1から付記3のいずれか一つにおいて、前記制御部は、前記識別子を前記複数の報告者に対応させてそれぞれ異なる表示態様で表示する。
【0071】
(付記5)情報処理装置は、付記1において、前記制御部は、前記識別子を前記複数の報告者に対応させて区分し、区分した識別子それぞれを異なる表示態様で表示する。
【0072】
(付記6)情報処理装置は、付記1から付記5のいずれか一つにおいて、前記制御部は、前記読影レポートに一の所見部位に対する複数の報告者による読影報告が含まれる場合、前記識別子を前記報告者別に前記医用画像上で所定ピクセル数ずらして表示する。
【0073】
(付記7)情報処理装置は、付記1から付記6のいずれか一つにおいて、前記制御部は、前記識別子に対応付けて所見名を表示する。
【0074】
(付記8)情報処理装置は、付記1から付記7のいずれか一つにおいて、前記制御部は、前記識別子に重畳させて所見名を表示する。
【0075】
(付記9)情報処理装置は、付記1から付記8のいずれか一つにおいて、前記制御部は、前記識別子に対する所見名の表示位置を、部位毎に異ならせる。
【0076】
(付記10)情報処理装置は、付記1から付記9のいずれか一つにおいて、前記制御部は、前記識別子が前記報告者別に前記医用画像上で所定ピクセル数ずらして表示される場合、所見名を前記所定ピクセル数ずらして表示する。
【0077】
(付記11)情報処理装置は、付記2において、前記制御部は、前記領域に対応付けた所定操作に応じて、前記医用画像上の表示態様を変更する。
【0078】
(付記12)情報処理装置は、付記11において、前記制御部は、前記所定操作として前記領域内にカーソルを進入させた場合、前記識別子を非表示にする。
【0079】
(付記13)情報処理装置は、付記11又は付記12において、前記制御部は、前記所定操作として前記領域内にカーソルを進入させた場合、所見名を表示する。
【0080】
(付記14)情報処理装置は、付記11から付記13のいずれか一つにおいて、前記制御部は、前記所定操作として前記領域内にカーソルがあり、画像拡大操作を受け付けた場合、前記領域を拡大表示する。
【0081】
(付記15)表示装置は、医用画像上に、読影レポートの報告者を識別する識別子を所見部位に対応させて表示する表示パネルを備える。
【0082】
(付記16)表示装置は、医用画像及び前記医用画像に関する読影レポートを取得する取得部と、前記取得部で取得した医用画像上に、前記読影レポートの報告者を識別する識別子を所見部位に対応させて表示する表示パネルとを備える。
【0083】
(付記17)コンピュータプログラムは、コンピュータに、医用画像及び前記医用画像に関する読影レポートを取得し、取得した医用画像上に、前記読影レポートの報告者を識別する識別子を所見部位に対応させて表示する、処理を実行させる。
【0084】
(付記18)情報処理方法は、医用画像及び前記医用画像に関する読影レポートを取得し、取得した医用画像上に、前記読影レポートの報告者を識別する識別子を所見部位に対応させて表示する。
【0085】
各実施形態に記載した事項は相互に組み合わせることが可能である。また、特許請求の範囲に記載した独立請求項及び従属請求項は、引用形式に関わらず全てのあらゆる組み合わせにおいて、相互に組み合わせることが可能である。さらに、特許請求の範囲には他の2以上のクレームを引用するクレームを記載する形式(マルチクレーム形式)を用いているが、これに限るものではない。マルチクレームを少なくとも一つ引用するマルチクレーム(マルチマルチクレーム)を記載する形式を用いて記載してもよい。
【符号の説明】
【0086】
1 通信ネットワーク
10 第1読影端末
20 第2読影端末
30 第3読影端末
40 遠隔読影DB
50 サーバ
51 制御部
52 通信部
53 インタフェース部
54 記録媒体読取部
541 記録媒体
55 メモリ
56 画像処理部
57 記憶部
60 コンピュータプログラム
100、200、300 医療機関
101、102、103 端末装置