(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024051827
(43)【公開日】2024-04-11
(54)【発明の名称】作業用手信号グローブ
(51)【国際特許分類】
A41D 19/00 20060101AFI20240404BHJP
A41D 19/015 20060101ALI20240404BHJP
【FI】
A41D19/00 M
A41D19/015 610
【審査請求】未請求
【請求項の数】3
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022158170
(22)【出願日】2022-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】391007563
【氏名又は名称】ユニット株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100076266
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 泉
(72)【発明者】
【氏名】黒田 雄一郎
【テーマコード(参考)】
3B033
【Fターム(参考)】
3B033AA03
3B033AA06
3B033AA15
3B033AA28
3B033AA31
3B033AB15
3B033AC00
(57)【要約】
【課題】重機オペレータと作業者等との間でハンドサインを行う際、遠くからでも手を開いてるか、閉じているかをハッキリ視認できるようにする作業用手信号グローブを提供する。
【解決手段】この作業用手信号グローブは、表面側は注意喚起色、裏面側は非注意喚起色とされた柔軟なシート状材料からなる基部2を有し、手を開くと、基部2の注意喚起色の表面側が見え、手を閉じると、注意喚起色の表面側が見えなくなるので、遠くからでも手を開いてるか、閉じているかをハッキリ視認できるようになる。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面側は注意喚起色、裏面側は非注意喚起色とされた柔軟なシート状材料からなり、使用者の手の平に沿って広げた状態とすることが可能である基部と、
この基部の裏面側に設けられた、指を挿通できる輪状の指挿通部と、
柔軟なシート状材料からなり、前記基部の手首側の端部に中央部を取り付けられており、前記基部の両外方に延びる手首装着部と、
前記手首装着部に設けられた、親指を挿通できる親指挿通穴と、
前記手首装着部の一端部の表面側に設けられた第一の面ファスナーと、
前記手首装着部の他端部の裏面側に設けられ、前記第一の面ファスナーに係脱される第二の面ファスナーとを有してなり、
前記第一の面ファスナーと前記第二の面ファスナーとを係合すると、前記手首装着部を手首に巻き付けた状態に維持できる作業用手信号グローブ。
【請求項2】
前記輪状の指挿通部は、前記基部の裏面側かつ先端側に設けられ、中指の先端部付近を挿通できる輪状の中指挿通部と、前記基部の裏面側かつ前記中指挿通部よりやや使用者の手首側に設けられ、人差し指、中指および薬指を挿通できる人差し指、中指および薬指挿通部とである請求項1記載の作業用手信号グローブ。
【請求項3】
前記人差し指、中指および薬指挿通部の側方において前記基部の裏面側に設けられた第三の面ファスナーと、
前記手首装着部の裏面側の中央部付近に設けられた第四の面ファスナーとを有してなり、
前記基部を裏面を内側にして筒状に丸めた状態とした上、前記第三の面ファスナーと前記第四の面ファスナーとを係合すると、前記基部を当該丸められた状態に維持できる請求項1または2記載の作業用手信号グローブ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、重機オペレーターと作業員との間等において、ハンドサインによる意思疎通を円滑に行えるようにする作業用手信号グローブに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、重機オペレーターと作業員との間では、騒音等で声で会話ができないため、「グーパー運動」と呼ばれるハンドサインを使用してコミニュケーションを行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【非特許文献1】”「グーパー運動」の手順-鈴与建設”[online」,鈴与建設[令和4年9月16日検索,インターネット<URL:https://www.suzuyo-kensetsu.co.jp・partner>file
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来は素手でハンドサインを行っていたので、遠くからでは手を開いてるか、閉じているかがハッキリ分かりづらいという問題があった。
【0005】
本発明は、このような従来の事情に鑑みてなされたもので、本発明の目的の一つは、遠くからでも手を開いてるか、閉じているかをハッキリ視認できるようにする作業用手信号グローブを提供することにある。
【0006】
本発明の他の目的は、ハンドサインを行なわない場合は、ハンドサイン表示部を丸めた状態に保持し、手・指を通常通り使用して通常作業を行うことができる作業用手信号グローブを提供することにある。
【0007】
本発明のさらに他の目的は、以下の説明から明らかになろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明による作業用手信号グローブは、
表面側は注意喚起色、裏面側は非注意喚起色とされた柔軟なシート状材料からなり、使用者の手の平に沿って広げた状態とすることが可能である基部と、
この基部の裏面側に設けられた、指を挿通できる輪状の指挿通部と、
柔軟なシート状材料からなり、前記基部の手首側の端部に中央部を取り付けられており、前記基部の両外方に延びる手首装着部と、
前記手首装着部に設けられた、親指を挿通できる親指挿通穴と、
前記手首装着部の一端部の表面側に設けられた第一の面ファスナーと、
前記手首装着部の他端部の裏面側に設けられ、前記第一の面ファスナーに係脱される第二の面ファスナーとを有してなり、
前記第一の面ファスナーと前記第二の面ファスナーとを係合すると、前記手首装着部を手首に巻き付けた状態に維持できるものである。。
【0009】
本発明においては、指挿通部に中指等を挿通するとともに、手首装着部の親指挿通穴に親指を挿通し、かつ第一の面ファスナーと第二の面ファスナーとを係合することにより、手首装着部を手首に巻き付けた状態にすると、手を開いた状態では基部の赤等の注意喚起色が見えるので、手が開かれていて止まれの信号が出されていることが明確に認識できる一方、手を閉じた状態では基部の赤等の注意喚起色が基本的に見えなくなる(黒等の非注意喚起色が見える)ので、了解の信号が出されていることが明確に認識できる。
【発明の効果】
【0010】
本発明の作業用手信号グローブは、
手を開いているか、閉じているかが遠くからでも明確に分かるようになり、ハンドサインによる意思疎通を円滑に行うことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明による作業用手信号グローブの一実施例を広げた状態で示す表面側図である。
【
図2】前記実施例の作業用手信号グローブを広げた状態で示す裏面側図である。
【
図4】前記実施例の作業用手信号グローブを手に装着した状態を示す裏面側図である。
【
図5】前記実施例の作業用手信号グローブを手に装着した状態を示す表面側図である。
【
図6】前記実施例の作業用手信号グローブを装着して手を閉じた状態を示す図である。
【
図7】前記実施例の作業用手信号グローブを装着するとともに基部を丸めた状態を示す表面側図である。
【
図8】前記実施例の作業用手信号グローブを装着するとともに基部を丸めた状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を図面に示す実施例に基づいて説明する。
【実施例0013】
図1~8は、本発明による作業用手信号グローブ1の一実施例を示している。
【0014】
作業用手信号グローブ1の基部2は柔軟なシート状材料からなり、その表面側は赤等の注意喚起色、裏面は黒等の非注意喚起色とされており、使用者の手の平に沿って広げた状態とすることが可能な材料となっている。なお、図面では、注意喚起色とされている部分は格子模様を施してある(
図1,
図5等)一方、非注意喚起色とされている部分は白地とされている(
図2等)。
【0015】
前記表面側の注意喚起色としては通常赤が最も好ましいが、場合によっては橙色、黄色等を使用することも可能である。前記裏面側の非注意喚起色としては、注意喚起色との相違が明確なものが好ましい。
【0016】
前記基部2の裏面側かつ先端側には、中指の先端部付近を挿通できる輪状の中指挿通部3が取り付けられている。前記基部2の裏面側かつ前記中指挿通部3よりやや使用者の手首側には、人差し指、中指および薬指を挿通できる輪状の人差し指、中指および薬指挿通部4が取り付けられている。
【0017】
前記基部2の手首側の端部には、柔軟なシート状材料からなる手首装着部5の中央部が取り付けられており、この手首装着部5は基部2の両外方に延びている。なお、基部2と手首装着部5とは、縫い合わせ部11により、手首装着部5の下縁部のみで互いに固定されているだけで、他の部分では互いに固定されていない。前記手首装着部5のうちの基部2に重なり合うことのない部分の一部には、親指を挿通できる親指挿通穴6が設けられている。前記手首装着部5の一端部の表面側には、第一の面ファスナー7が取り付けられている。前記手首装着部5の他端部の裏面側には第二の面ファスナー8が装着されている。
【0018】
前記人差し指、中指および薬指挿通部4の側方において前記基部2の裏面側には、第三の面ファスナー9が装着されている。前記手首装着部5の表面側の中央部付近には、第四の面ファスナー10が装着されている。
【0019】
次に、この作業用手信号グローブの使用方法および作用を説明する。
【0020】
ハンドサインを行いたい作業員、重機等の運転者等は、
図4に示されているように、手の人差し指、中指および薬指を作業用手信号グローブ1の人差し指、中指および薬指挿通部4に挿通するとともに中指の先端部を中指挿通部3に挿通し、さらに親指挿通穴6に親指を挿通した後、第一の面ファスナー7と第二の面ファスナー8とを係合し、手首装着部5を輪状に閉じた状態とすることにより、
図4~8に示されるように作業用手信号グローブ1を着用する。
【0021】
そして、例えば、作業者が重機等の運転者に対して「止まって」と意思表示したい場合は、手を開くと、
図5に示されるように注意喚起色(例えば赤)が見えるので、重機等の運転者は遠くからでもその合図をはっきりと識別できる。
【0022】
また、重機等の運転者が重機等を停止し、
図6のように手を閉じれば、注意喚起色(例えば赤)が基本的に見えなくなるので、運転者が了解したことを作業者は明確に知ることができる。
【0023】
このようにして、本作業用手信号グローブにより、遠くからでもハンドサインによる意思疎通を円滑に行うことが可能になる。
【0024】
また、ハンドサインではなく、通常作業で手を使いたいときには、
図7および8に示されように基部2を表面側(注意喚起色側)を内側にして筒状に丸めた状態とし、基部側第二の面ファスナー9と手首装着部側第二の面ファスナー10とを係合し、基部2が表面側(注意喚起色側)を内側にして筒状に丸められた状態に維持されるようにすれば、手をハンドサインではない通常の作業に使用することができる。