(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024051828
(43)【公開日】2024-04-11
(54)【発明の名称】ラベル装着装置
(51)【国際特許分類】
B65C 3/14 20060101AFI20240404BHJP
B65B 53/00 20060101ALI20240404BHJP
【FI】
B65C3/14
B65B53/00 C
B65B53/00 D
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022158171
(22)【出願日】2022-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】595039900
【氏名又は名称】株式会社フジヤマ技研
(74)【代理人】
【識別番号】100121441
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 竜平
(74)【代理人】
【識別番号】100154704
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 真大
(74)【代理人】
【識別番号】100129702
【弁理士】
【氏名又は名称】上村 喜永
(74)【代理人】
【識別番号】100206151
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 惇志
(74)【代理人】
【識別番号】100218187
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 治子
(74)【代理人】
【識別番号】100227673
【弁理士】
【氏名又は名称】福田 光起
(72)【発明者】
【氏名】秋山 隆
(72)【発明者】
【氏名】藤林 万里夫
(72)【発明者】
【氏名】星野 信也
(72)【発明者】
【氏名】野坂 尚広
【テーマコード(参考)】
3E095
【Fターム(参考)】
3E095BA02
3E095CA01
3E095DA03
3E095DA24
3E095DA44
3E095DA82
3E095EA02
3E095EA09
3E095EA12
3E095EA24
3E095EA27
3E095FA12
3E095FA13
(57)【要約】
【課題】部品点数を抑えつつ、しかも必要な部品の配置制限や容器の速度制限を少なくさせながらも、容器に対する筒状ラベルのズレを補正できるようにする。
【解決手段】容器Bに被せた筒状ラベルLを加熱して熱収縮させることにより、容器Bに装着させるラベル装着装置Xであって、容器Bに被せられている筒状ラベルLの向きを検出する向き検出機構40と、向き検出機構40の検出結果に基づいて、筒状ラベルLの向きを補正する向き補正機構50とを備え、向き補正機構50が、筒状ラベルを挟み込む一対のローラ51を有しているようにした。
【選択図】
図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器に被せた筒状ラベルを加熱して熱収縮させることにより、前記容器に装着させるラベル装着装置であって、
前記容器に被せられている前記筒状ラベルの向きを検出する向き検出機構と、
前記向き検出機構の検出結果に基づいて、前記筒状ラベルの向きを補正する向き補正機構とを備え、
前記向き補正機構が、前記筒状ラベルを挟み込む一対のローラを有していることを特徴とするラベル装着装置。
【請求項2】
前記向き検出機構の検出結果である検出向きを示す検出向きデータと、予め定められている正規向きを示す正規向きデータとを比較して、その比較結果に基づいて前記一対のローラを回転させる制御部を備える請求項1記載のラベル装着装置。
【請求項3】
前記一対のローラが、前記容器との間に隙間が介在するように設けられており、その外周面に前記筒状ラベルを吸引する吸引孔が形成されていることを特徴とする請求項1記載のラベル装着装置。
【請求項4】
前記吸引孔が、前記ローラの外周面における全周に亘り形成されていることを特徴とする請求項3記載のラベル装着装置。
【請求項5】
前記一対のローラよりも前記容器の搬送方向の上流側に設けられており、前記一対のローラの間への前記容器の搬送をガイドするガイド部材をさらに備えることを特徴とする請求項1記載のラベル装着装置。
【請求項6】
前記向き調整機構が、前記容器に被せられている前記筒状ラベルを撮像する撮像手段を有していることを特徴とする請求項1記載のラベル装着装置。
【請求項7】
軸方向と直交する断面形状が非円形状をなす前記容器に前記筒状ラベルを装着するものであることを特徴とする請求項1記載のラベル装着装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、熱収縮性のラベルを容器に装着するラベル装着装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種のラベル被覆装置としては、筒状のラベルを容器に被せて、その容器を加熱トンネルに搬入し、ラベルを熱収縮させることで装着するように構成されたものがある。
【0003】
かかる装置において、容器が例えば角状や楕円状をなす場合に、筒状ラベルが正しい向きからズレた向きで被せられていると、例えばデザインが正しい向きからズレてしまい、不良品となり得る。
【0004】
そこで、特許文献1に示す装置は、筒状ラベルのズレを補正するべく、筒状ラベルを被せた容器の両サイドに、多数の吸引孔が形成された一対の無端ベルトを配置して、これらの無端ベルトを回転させることで、筒状ラベルを容器に対して回転させるように構成されている。
【0005】
より具体的に説明すると、容器の両サイドには、それぞれ3つの回転ローラが三角形の頂点に位置するように設けられており、これらの回転ローラに無端ベルトが掛け回されている。
【0006】
そして、3つ回転ローラの内側に吸引ユニットが配置されており、この吸引ユニットを稼働させるとともに、無端ベルトを回転させることにより、三角形状に掛け回された無端ベルトの1辺で筒状ラベルを吸引しながら回転させている。
【0007】
しかしながら、このような構成の場合、一対の無端ベルトと計6つの回転ローラとが少なくとも必要となり、部品点数が多くなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで本発明は、上記問題点を解決すべくなされたものであり、部品点数を抑えつつも、容器に対する筒状ラベルのズレを補正できるようにすることを主たる課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
すなわち本発明に係るラベル装着装置は、容器に被せた筒状ラベルを加熱して熱収縮させることにより、前記容器に装着させるラベル装着装置であって、前記容器に被せられている前記筒状ラベルの向きを検出する向き検出機構と、前記向き検出機構の検出結果に基づいて、前記筒状ラベルの向きを補正する向き補正機構とを備え、前記向き補正機構が、前記筒状ラベルを挟み込む一対のローラを有していることを特徴とするものである。
【0011】
このように構成されたラベル装着装置によれば、向き補正機構が一対のローラを用いて構成されているので、背景技術で述べた一対のベルトや6つのローラを用いる構成に比べて、部品点数を抑えつつも、容器に対する筒状ラベルのズレを補正することができる。
【0012】
より具体的な実施態様としては、向き検出機構の検出結果である検出向きを示す検出向きデータと、予め定められている正規向きを示す正規向きデータとを比較して、その比較結果に基づいて前記一対のローラを回転させる制御部を備える態様を挙げることができる。
【0013】
前記一対のローラが、前記容器の間に隙間が介在するように設けられており、その外周面に前記筒状ラベルを吸引する吸引孔が形成されていることが好ましい。
このような構成であれば、容器を回転させることなく筒状ラベルを回転させることができるので、容器に対する筒状ラベルのズレをより正確に補正することができる。
【0014】
前記吸引孔が、前記ローラの外周面における全周に亘り形成されていることが好ましい。
このような構成であれば、ローラの回転を制御するためのプログラム等の簡素化を図れる。
【0015】
前記一対のローラよりも前記容器の搬送方向の上流側に設けられており、前記一対のローラの間への前記容器の搬送をガイドするガイド部材をさらに備えることが好ましい。
このような構成であれば、容器を一対のローラの間へ安定的に搬送させることができる。
【0016】
前記向き調整機構の具体的な態様としては、前記容器に被せられている前記筒状ラベルを撮像する撮像手段を有している態様を挙げることができる。
【0017】
本発明に係る作用効果をより顕著に発揮させる実施態様としては、ラベル装着装置が、軸方向と直交する断面形状が非円形状をなす前記容器に前記筒状ラベルを装着するものである態様を挙げることができる。
【発明の効果】
【0018】
このように構成した本発明によれば、部品点数を抑えつつも、容器に対する筒状ラベルのズレを補正することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】一実施形態のラベル装着装置の全体構成を示す模式図。
【
図2】同実施形態のラベル被覆装置の構成を示す模式図。
【
図3】同実施形態の向き検出機構及び向き補正機構の構成を示す模式図。
【
図4】同実施形態の処理装置の機能を示す機能ブロック図。
【
図6】同実施形態の正常モードの動作を説明するための模式図。
【
図7】同実施形態の補正モードの動作を説明するための模式図。
【
図8】その他の実施形態の向き検出機構及び向き補正機構の構成を示す模式図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、本発明に係るラベル装着装置の一実施形態について、図面を参照して説明する。
【0021】
本実施形態のラベル装着装置Xは、
図1に示すように、容器Bに筒状ラベルLを被覆するラベル被覆装置100と、筒状ラベルLが被覆された容器Bを加熱して収縮させることで容器Bに装着させる加熱トンネル200とを備えるものである。なお、筒状ラベルLは、この実施形態ではシュリンクラベルと称され、熱収縮性を有するフィルム製のラベルである。
【0022】
加熱トンネル200は、例えば熱風、蒸気、又は過熱蒸気を用いて筒状ラベルLを熱収縮させるものなど、種々のタイプのものを挙げることができる。
【0023】
ラベル被覆装置100は、
図2に示すように、多数枚の筒状ラベルLが連なったラベル原反Zを所定長さずつカットして、そのカットされてなる筒状ラベルLを容器Bに被覆するものである。
【0024】
具体的にこのラベル被覆装置100は、ラベル原反Zを搬送する搬送機構10と、ラベル原反Zをカットするカッター20と、カットされた筒状フィルムが通されて筒状に開く所謂マンドレル30とを備えている。
【0025】
上述した構成において、本実施形態のラベル装着装置Xは、軸方向と直交する断面が例えば角状又は楕円状などの非円形状をなす容器Bに筒状ラベルLを装着するものである。
【0026】
このことから、筒状ラベルLが正しい向きからズレた向きで被せられており、仮にその筒状ラベルLをズレたまま熱収縮させてしまうと、例えばデザインが正しい向きからズレてしまい、不良品となり得る。
【0027】
そこで、本実施形態のラベル装着装置Xは、
図1に示すように、容器Bに被せさられた筒状ラベルLの向きのズレを補正するズレ補正装置300をさらに備えている。
【0028】
このズレ補正装置300は、
図3に示すように、容器Bに被せさられた筒状ラベルLの向きを検出する向き検出機構40と、向き検出機構40の検出結果に基づいて筒状ラベルLの向きを補正する向き補正機構50をさらに備えている。
【0029】
向き検出機構40は、ラベル被覆装置100と加熱トンネル200との間に設けられており、ラベルの向きとして、例えば容器Bに対する筒状ラベルLの相対的な角度や、筒状ラベルLの表面に印字されている特徴部位の向く角度などを検出するためのものである。
【0030】
具体的にこの向き検出機構40は、ラベルが被せられている容器Bを撮像する撮像手段41と、この撮像手段41により得られる実撮像データを受け付けてデータ処理する処理装置Cとを備えている。
【0031】
撮像手段41は、例えば筒状ラベルLが被せられている容器Bの側方と上方との一方又は両方に設けられたカメラ或いはビデオカメラである。
【0032】
処理装置Cは、メモリやCPU等を備えたコンピュータであり、
図4に示すように、上述した実撮像データを用いて、容器Bに被せられている筒状ラベルLのズレを算出するズレ算出部C1としての機能を発揮するものである。
【0033】
より具体的に説明すると、処理装置Cのメモリの所定領域には、同
図4に示すように、筒状ラベルLが予め定められている正規向きで被せられていることを示す正規向きデータが記憶された正規向きデータ記憶部C2が設定されている。
【0034】
この正規向きデータとしては、容器Bに筒状ラベルLが正規向きで被せられている状態を撮像して得られる基準撮像データや、正規向きの筒状ラベルLにおける特徴部位の向きを示す基準角度などを挙げることができる。
【0035】
そして、ズレ算出部C1は、撮像装置により撮像されている筒状ラベルLの向き(以下、検出向きともいう)を示す検出向きデータを取得するとともに、この検出向きデータと正規向きデータと比較して、その比較結果に基づいて容器Bに被せられている筒状ラベルLのズレを算出する。
【0036】
検出向きデータとしては、向き検出機構40の検出結果である検出向きを示す検出向きデータであり、具体的には、上述した実撮像データそのものであっても良いし、実撮像データを用いて算出される特徴部位の向きを示す検出角度などであっても良い。
【0037】
すなわち、ズレ算出部C1の具体的な態様としては、実撮像データと基準撮像データとを比較する態様や、検出角度と基準角度とを比較する態様などを挙げることができ、この比較によって、正規向きに対する検出向きのズレを例えばズレ角度として算出する。
【0038】
そして、この処理装置Cは、
図4に示すように、このズレを示すズレ角度に基づいて、後述する向き補正機構50を制御する制御部C3としての機能をさらに備えている。
【0039】
向き補正機構50は、
図3に示すように、向き検出機構40の下流側であって、加熱トンネル200の上流側に設けられており、容器Bに被されている筒状ラベルLの向きが正規向きからズレている場合に、その筒状ラベルLの向きを正規向きに補正するものである。
【0040】
そして、この向き補正機構50は、筒状ラベルLを挟み込む一対のローラ51を有しており、これらのローラ51の回転が上述した制御部C3によって制御される。
【0041】
これらのローラ51は、互いに同じ径寸法を有するものであり、容器Bとの間に隙間が介在するように設けられている。すなわち、これら一対のローラ51の離間間隔は、容器Bの幅寸法(搬送方向と直交する方向に沿った寸法)よりも大きい。
【0042】
本実施形態のローラ51は、
図5に示すように、その外周面に筒状ラベルLを吸引する吸引孔が形成れており、ここでは、吸着孔hが外周面の全周に亘り形成されている。なお、吸着孔hは、
図5に示すような丸孔であっても良いし、図示していないがスリット状のものであっても良い。また、ローラ51は、外周面が露出した金属製のものであっても良いし、金属製のものの外周面をゴムなどの樹脂により覆ったものであっても良い。
【0043】
このローラ51には、
図3に示すように、吸着孔hに連通する流路Pが接続されており、この流路Pには、ブロワ等の負圧発生手段BLと電磁弁等の開閉手段Vとが設けられている。なお、ここでは各ローラ51に共通の負圧発生手段BLを設けてあるが、ローラ51それぞれに対して別の負圧発生手段BLを設けても良い。また、ローラ51それぞれに対して別の開閉手段Vが設けてあるが、各ローラ51に共通の開閉手段Vを設けても良い。さらに、負圧発生手段BLとしては、真空ポンプを用いても良い。
【0044】
また、このローラ51には、流路Pに接続される内部流路(不図示)が形成されており、その内部流路が、ローラ51の周方向における一部、具体的には一対のローラ51の間に搬送された容器Bに臨む領域に接続されている。
【0045】
これにより、ブロワBLを稼働させるとともに、電磁弁Vを開くことで、一対のローラ51の間に搬送された容器Bに臨む吸着孔hにのみ選択的に負圧が発生する。
【0046】
上述した構成において、容器Bに被されている筒状ラベルLの向きが正規向きであり、言い換えれば、検出向きと正規向きとの間にズレが無い、或いは、そのズレ量が許容範囲以内の場合、制御部C3は、各ローラ51を正常モードで制御し、検出向きと正規向きとの間にズレがある場合、制御部C3は、各ローラ51を補正モードで制御する。
【0047】
正常モードにおいて、制御部C3は、
図6に示すように、電磁弁Vを閉じるとともに、一対のローラ51を互いに逆向きに同じ回転速度で回転させる。これにより、各ローラ51の吸着孔hに負圧を発生させず、且つ、筒状ラベルLを回転させることなく容器Bを下流に搬送させることができる。
【0048】
一方、補正モードにおいて、制御部C3は、
図7に示すように、一方又は両方の電磁弁Vを開くとともに、それぞれのローラ51の速度に差を生じさせる。
【0049】
具体的に制御部C3は、少なくとも一方のローラ51に対応する開閉弁を開いて、そのローラ51の吸着孔hに負圧を発生させるとともに、そのローラ51を正常モードよりも速く又は遅く回転させる。なお、制御部C3としては、双方のローラ51に対応する開閉弁それぞれを開いても良く、ここでは、一方のローラ51を正常モードよりも速く回転させるとともに、他方のローラ51を正常モードよりも遅く回転させている。
【0050】
この際、制御部C3は、上述した正規向きに対する検出向きのズレを示すズレ角度に基づいて、それぞれのローラ51の回転速度に差を生じさせる時間(以下、補正時間ともいう)を算出し、その補正時間に亘りそれぞれのローラ51の回転速度に差を生じさせる。
【0051】
この補正モードにおける制御部C3の動作により、容器Bに被せられた筒状ラベルLは、一対のローラ51が回転速度に差を生じながら回転し続ける補正時間に亘り向き(ズレ角度)が変わり、正規向きに補正された後、その補正後の筒状ラベルLが被覆されている容器Bが加熱トンネル200に搬送される。
【0052】
<本実施形態の効果>
このように構成したラベル装着装置Xによれば、向き補正機構50が一対のローラ51を用いて構成されているので、背景技術で述べた一対のベルトや6つのローラを用いる構成に比べて、部品点数を抑えつつも、容器Bに対する筒状ラベルLのズレを補正することができる。
【0053】
また、一対のローラ51が、容器Bの間に隙間が介在するように設けられており、その外周面に筒状ラベルLを吸引する吸引孔が形成されているので、容器Bを回転させることなく筒状ラベルLを回転させることができ、容器Bに対する筒状ラベルLのズレをより正確に補正することができる。
【0054】
さらに、吸引孔が、ローラ51の外周面における全周に亘り形成されているので、ローラ51の回転を制御するためのプログラム等の簡素化を図れる。
【0055】
そのうえ、背景技術で述べた無端ベルトを用いる構成であると、その無端ベルトの消耗による交換などが必要となるが、本実施形態のようにローラ51を用いることで、メンテナンス性の向上も図れる。
【0056】
加えて、本実施形態のようにローラ51を用いる構成であれば、背景技術で述べた無端ベルトなどを用いる構成に比べて配置の自由度が増す。
【0057】
さらに加えて、無端ベルトを用いる構成であると、ある程度の距離を搬送させながら筒状ラベルLのズレを補正することになるが、本実施形態のようにローラ51を用いることで、筒状ラベルLのズレを瞬間的に補正することができる。これにより、容器Bの搬送速度の制限を可及的に抑えることができる。
【0058】
しかも、ローラ51を用いることにより、上述した通り筒状ラベルLのズレを瞬間的に補正することができるので、無端ベルトを用いる場合に比べて、負圧を発生させる領域が少なくて済む。これにより、リークを抑えることができるので、例えば負圧発生手段として真空ポンプなどを使用して、その吸引力を最大限に発揮させることができる。
【0059】
<その他の変形実施形態>
なお、本発明は前記各実施形態に限られるものではない。
【0060】
例えば、前記実施形態では、一対のローラ51それぞれが、吸着孔hを有していたが、片方のローラ51のみが吸着孔hを有しており、このローラ51の吸着力により筒状ラベルLの向きを変えるようにしても良い。
これならば、一対のローラ51の一方にのみ吸着孔hを形成すれば良いので、低コスト化を図れる。
【0061】
また、一対のローラ51それぞれが吸着孔hを有しておらず、ローラ51の外表面と筒状ラベルLとの間に生じる摩擦力により筒状ラベルLの向きを変えるようにしても良い。
【0062】
さらに、本発明に係るラベル装着装置Xとしては、
図8に示すように、一対のローラ51よりも容器Bの搬送方向の上流側に設けられており、一対のローラ51の間への容器Bの搬送をガイドするガイド部材60をさらに備えていても良い。
【0063】
ガイド部材60の具体的な態様としては、
図8に示すように、一対のローラ51それぞれの上流側に設けられた一対の補助ローラ61と、この補助ローラ61とローラ51とに掛け回された一対のベルト62とを有する態様を挙げることができる。
上述した構成において、一対のベルト62を回すことにより、これらのベルト62が容器Bの搬送をガイドするので、容器Bを一対のローラ51の間へ安定的に搬送させることができる。
【0064】
前記実施形態では、ローラ51の回転と吸着力とにより筒状ラベルLの向きを補正していたが、ローラ51の回転に代えて或いはローラ51の回転に加えて、ローラ51を容器Bの搬送方向に沿って往復可能にするとともに、このローラ51の直線移動によってもラベルの向きを補正できるようにしても良い。
【0065】
また、本発明に係るラベル装着装置Xは、軸方向と直交する断面形状が円形状をなす容器Bに筒状ラベルLを装着するものであっても良い。
このような場合でも、本発明に係るラベル装着装置Xを用いることにより、例えば、容器Bに形成されている軸方向に沿ったつなぎ目に、筒状ラベルLの折り目を重ね合わせることで、その後の筒状ラベルLの熱収縮を良好に行うことができる。
【0066】
その他、本発明は前記実施形態に限られず、その趣旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であるのは言うまでもない。
【符号の説明】
【0067】
X ・・・ラベル装着装置
100・・・ラベル被覆装置
200・・・加熱トンネル
L ・・・ラベル
B ・・・容器
300・・・ズレ補正装置
40 ・・・向き検出機構
41 ・・・撮像手段
C ・・・処理装置
C1 ・・・ズレ算出部
C2 ・・・正規向きデータ記憶部
C3 ・・・制御部
50 ・・・向き補正機構
51 ・・・ローラ
h ・・・吸着孔
P ・・・流路
V ・・・開閉手段(電磁弁)
BL ・・・負圧発生手段(ブロワ)
60 ・・・ガイド部材
61 ・・・補助ローラ
62 ・・・ベルト