(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024051857
(43)【公開日】2024-04-11
(54)【発明の名称】水切り装置
(51)【国際特許分類】
F26B 5/08 20060101AFI20240404BHJP
F26B 15/00 20060101ALI20240404BHJP
F26B 5/14 20060101ALI20240404BHJP
【FI】
F26B5/08
F26B15/00 D
F26B5/14
【審査請求】未請求
【請求項の数】5
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022158226
(22)【出願日】2022-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】000001339
【氏名又は名称】グンゼ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002217
【氏名又は名称】弁理士法人矢野内外国特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】福山 雄太
【テーマコード(参考)】
3L113
【Fターム(参考)】
3L113AA01
3L113AA02
3L113AB08
3L113AB09
3L113AC35
3L113AC44
3L113AC48
3L113AC69
3L113BA12
3L113CB09
3L113CB22
3L113CB34
3L113DA01
3L113DA06
3L113DA24
(57)【要約】
【課題】洗浄後の容器に残留した水分を除去する水切り装置であって、設備コストが嵩むことなく、効率良く十分に水分を除去することができる水切り装置を提供する。
【解決手段】搬入装置10、回転搬送装置20、搬出装置30、及び固定ガイド40を備え、回転搬送装置20は、回転搬送方向の軸心Gを中心にして、周方向に等間隔で配置され、且つ径方向外側に向かって延びる複数の回転羽22を有し、各々の回転羽22によって容器Wを支持しつつ、容器Wを回転搬送し、容器Wは、搬入装置10において搬送方向の下流側に位置した第1側面Wcを下面とした状態で、回転搬送装置20から固定ガイド40に乗り移り、固定ガイド40に乗り移った容器Wは、回転羽22の端部によって押し込まれて固定ガイド40上を滑走し、固定ガイド40上を滑走した容器Wは、搬入装置10において上側に位置した底面Waを下面とした状態で、搬出装置30上に落下する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗浄後の容器に残留した水分を除去する水切り装置であって、
前記容器を搬入する搬入手段と、
前記搬入手段から投入された前記容器を上方に向かって回転搬送する回転搬送手段と、
前記容器を搬出する搬出手段と、
前記回転搬送手段から前記搬出手段に向かって前記容器を導く固定ガイドとを備え、
前記回転搬送手段は、
回転搬送方向の中心軸を中心にして、周方向に等間隔で配置され、且つ径方向外側に向かって延びる複数の回転羽を有し、
各々の前記回転羽によって前記容器を支持しつつ、当該容器を回転搬送し、
前記容器は、
前記搬入手段において搬送方向の下流側に位置した面を下面とした状態で、前記回転搬送手段から前記固定ガイドに乗り移り、
前記固定ガイドに乗り移った前記容器は、前記回転羽の端部によって押し込まれて当該固定ガイド上を滑走し、
前記固定ガイド上を滑走した前記容器は、前記搬入手段において上側に位置した面を下面とした状態で、前記搬出手段上に落下する、
ことを特徴とする水切り装置。
【請求項2】
前記搬入手段は、
前記回転搬送手段に前記容器を投入する投入領域において、
前記容器を滑走可能に設けられ、
搬送方向の下流側に向かって上方に傾斜する傾斜ガイドを有する、
ことを特徴とする、請求項1に記載の水切り装置。
【請求項3】
前記回転搬送手段は、
前記容器を回転搬送する回転搬送領域において、
前記回転羽に対して前記中心軸側に配置され、
前記回転羽によって支持された前記容器に対して、当該容器における前記中心軸側の面に向かって圧縮気体を噴射可能な第1噴射手段と、
前記回転羽に対して前記中心軸側との反対側に配置され、
前記回転羽によって支持された前記容器に対して、当該容器における前記中心軸側との反対側の面に向かって圧縮気体を噴射可能な第2噴射手段とを有する、
ことを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の水切り装置。
【請求項4】
前記搬入手段は、
前記投入領域に対する搬送方向の上流側において、前記容器の搬送を一時的に停止させるストッパと、
前記ストッパによって停止した前記容器の直上に位置し、当該容器における上側に位置した面に向かって圧縮気体を噴射可能な第3噴射手段と有する、
ことを特徴とする、請求項2に記載の水切り装置。
【請求項5】
前記回転搬送手段は、
隣接する一対の回転羽毎に、当該一対の回転羽を連結する複数の連結部材を有し、
各々の前記連結部材は、
前記一対の回転羽に対して、当該回転羽によって支持される容器側との反対側に位置するとともに、
一端部が一方の回転羽の先端部と連結され、且つ他端部が他方の回転羽の延び方向の中央部と連結される、
ことを特徴とする、請求項1に記載の水切り装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水切り装置の技術に関する。
【背景技術】
【0002】
食品等の商品の集荷、配送などに用いられる、コンテナやクレイトなどの容器は、流通過程において繰り返し使用される間に埃や手垢等の汚れが付着し易く、衛生面の見地から、主に高圧の洗浄液を噴き付けて定期的に洗浄する必要がある。
ここで、洗浄後の容器に洗浄液(水分)が残留していると、当該容器に詰め込まれる商品に対して不衛生であり、また、例えば紙素材からなるカートンによって商品が包装されている場合、水分によって当該カートンがふやけてしまうという問題があった。
このようなことから、洗浄後の容器に残留する水分は、十分に除去する必要があり、従来から様々な方法が用いられてきた。
なお、本明細書において、水分とは、容器の洗浄工程で使用する洗浄液、すすぎ液等を含む概念で使用している。
【0003】
例えば、上記方法の一例として、搬送コンベアによって洗浄後の容器を連続的に搬送しながら、所定位置に到達した容器に対して、熱風や高圧の圧縮気体を噴射し、当該容器に残留する水分を除去する方法が知られている。
また、他の一例として、回転軸を中心にして回転可能な回転体に、洗浄後の容器を収容して保持し、当該回転体を回転させることにより、遠心力によって、当該容器に残留する水分を除去する方法が知られている(例えば、「特許文献1」を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、容器に対して熱風を噴射する方法においては、熱風を発生させるためのエネルギーコストが嵩むうえに、熱風に晒された容器には予熱が残るため、当該容器を常温付近まで冷却するための設備や冷却区間が別途必要となり、設備コストが嵩むという問題があった。
また、容器に対して高圧の圧縮気体を噴射する方法においては、搬送コンベアによって搬送される容器に対して、設備レイアウトの都合上、主に、当該容器の左右側面(平面視にて、搬送方向との直交方向の両側に位置する側面)、及び上面から圧縮空気を噴射する構成となるため、容器の前後側面(搬送方向の両側に位置する側面)、及び容器の内側面に残留する水分を、十分に除去することが困難であるという問題があった。
さらに、遠心力を利用して、容器に残留する水分を除去する方法においては、単に回転体を回転させるだけなので、エネルギーコストを低く抑えることができ、また、容器に残留する水分を効果的に除去することができるが、回転体に保持された容器が当該回転体より脱落しないように、一定の回転速度を維持しつつ、所定時間に亘って継続して回転体を回転させなければならず、作業効率が比較的低く、処理速度に課題が残る。
【0006】
本発明は、以上に示した現状の問題点に鑑みてなされたものであり、洗浄後の容器に残留した水分を除去する水切り装置であって、設備コストが嵩むことなく、効率良く十分に水分を除去することができる水切り装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0008】
即ち、本発明に係る水切り装置は、洗浄後の容器に残留した水分を除去する水切り装置であって、前記容器を搬入する搬入手段と、前記搬入手段から投入された前記容器を上方に向かって回転搬送する回転搬送手段と、前記容器を搬出する搬出手段と、前記回転搬送手段から前記搬出手段に向かって前記容器を導く固定ガイドとを備え、前記回転搬送手段は、回転搬送方向の中心軸を中心にして、周方向に等間隔で配置され、且つ径方向外側に向かって延びる複数の回転羽を有し、各々の前記回転羽によって前記容器を支持しつつ、当該容器を回転搬送し、前記容器は、前記搬入手段において搬送方向の下流側に位置した面を下面とした状態で、前記回転搬送手段から前記固定ガイドに乗り移り、前記固定ガイドに乗り移った前記容器は、前記回転羽の端部によって押し込まれて当該固定ガイド上を滑走し、前記固定ガイド上を滑走した前記容器は、前記搬入手段において上側に位置した面を下面とした状態で、前記搬出手段上に落下することを特徴とする。
このように、本発明に係る水切り装置においては、洗浄後の容器を、搬入手段、回転搬送手段、固定ガイド、及び搬出手段と順に乗り移らせて搬送することにより、当該容器の搬送姿勢を、搬入手段において下側に位置した面が、搬出手段において上側に位置するように大きく反転させながら、容器に残留した水分を除去することから、例えば、容器の内側面等に水分が残留するようなことを極力防止し、当該容器に残留した水分を、比較的効率よく十分に除去することができる。
また、本発明に係る水切り装置によれば、従来の熱風を噴射させる方法のように、水分が除去された容器を常温付近まで冷却するための設備や冷却区間が、別途必要となることもなく、設備コストを抑えることができる。
【0009】
また、本発明に係る水切り装置においては、前記搬入手段が、前記回転搬送手段に前記容器を投入する投入領域において、前記容器を滑走可能に設けられ、搬送方向の下流側に向かって上方に傾斜する傾斜ガイドを有することが好ましい。
このような構成を有することにより、洗浄後の容器を傾斜ガイド上にて滑走させることで、当該容器の搬送方向の下流側を上方に傾けることができ、容器に残留する水分を搬送方向の上流側に集め、当該水分をより効率よく除去することができる。
【0010】
また、本発明に係る水切り装置においては、前記回転搬送手段が、前記容器を回転搬送する回転搬送領域において、前記回転羽に対して前記中心軸側に配置され、前記回転羽によって支持された前記容器に対して、当該容器における前記中心軸側の面に向かって圧縮気体を噴射可能な第1噴射手段と、前記回転羽に対して前記中心軸側との反対側に配置され、前記回転羽によって支持された前記容器に対して、当該容器における前記中心軸側との反対側の面に向かって圧縮気体を噴射可能な第2噴射手段とを有することが好ましい。
このような構成を有することにより、回転搬送手段によって洗浄後の容器を搬送しながら、第1噴射手段及び第2噴射手段から噴射される圧縮気体によって、当該容器に残留した水分を、より確実に除去することができる。
【0011】
また、本発明に係る水切り装置においては、前記搬入手段が、前記投入領域に対する搬送方向の上流側において、前記容器の搬送を一時的に停止させるストッパと、前記ストッパによって停止した前記容器の直上に位置し、当該容器における上側に位置した面に向かって圧縮気体を噴射可能な第3噴射手段と有することが好ましい。
このような構成を有することにより、ストッパによって停止させた安定した状態で、容器の上側に位置した面に対して、第3噴射手段より圧縮気体を噴射することができ、当該面に残留した水分を確実に除去することができる。
また、例えば、容器の底面に複数の開口部が設けられており、当該底面を上側に向けた状態で、搬入手段によって容器が搬送される場合には、第3噴射手段より噴射される圧縮気体は、当該開口を介して容器の内部にまで到達することとなり、容器の内側面等に残留した水分も同時に除去することができる。
さらに、開口部が設けられた底面を下側に向けた状態で、搬入手段によって容器が搬送される場合でも、容器の内側面等に残留する水分が下側に位置する開口を介して落下し、水分が除去される。
【0012】
また、本発明に係る水切り装置において、前記回転搬送手段は、隣接する一対の回転羽毎に、当該一対の回転羽を連結する複数の連結部材を有し、各々の前記連結部材は、前記一対の回転羽に対して、当該回転羽によって支持される容器側との反対側(
図4(b)における左右方向外側)に位置するとともに、一端部が一方の回転羽の先端部と連結され、且つ他端部が他方の回転羽の延び方向の中央部と連結されることが好ましい。
このような構成を有することにより、回転搬送手段によって回転搬送される容器が、回転羽から脱落するのを、連結部材によって確実に防止することができる。
即ち、回転羽によって保持された容器が、幅方向(より具体的には、回転搬送方向の中心軸の軸方向)に大きくずれるのを、連結部材によって確実に防止することができる。
また、搬入手段から回転搬送手段に容器を投入する際、連結部材によって容器の移動方向を規制することができ、当該容器を確実に回転搬送手段に導くことができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の効果として、以下に示すような効果を奏する。
即ち、本発明に係る水切り装置によれば、設備コストが嵩むことなく、効率良く十分に、洗浄後の容器に残留した水分を除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の一実施形態に係る水切り装置の全体的な構成を示した側面図である。
【
図2】回転搬送装置の構成を示した図であって、
図1中の矢印X1の方向に見た拡大部分背面図である。
【
図3】搬入装置の構成を示した図であって、(a)はその側面図であり、(b)は
図3(a)中の矢視X2の方向に見た平面図である。
【
図4】固定ガイド及び搬出装置の構成を示した図であって、(a)はその側面図であり、(b)はその平面図である。
【
図5】回転搬送装置の作動手順を経時的に順に示した図であって、(a)は容器が固定ガイドに乗移る直前の状態を示した部分側面図であり、(b)は容器が回転羽によって固定ガイドに押出される状態を示した部分側面図であり、(c)は回転羽によって容器が固定ガイドに完全に押出された直後の状態を示した部分側面図である。
【
図6】容器の構成を示した図であって、(a)はその側面図であり、(b)はその平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、本発明の一実施形態について、
図1乃至
図6を用いて説明する。
なお、以下の説明に関しては便宜上、
図1乃至
図5中に示した矢印の方向によって、水切り装置1の前後方向、左右方向、及び上下方向を規定して説明する。
また、
図1、及び
図3乃至
図5においては、矢印Aの方向を容器Wの搬送方向と規定して説明する。
さらに、
図1、
図3(a)、
図4(a)、及び
図5においては、矢印Bの方向を容器Wの回転搬送方向と規定して説明する。
【0016】
[水切り装置1の構成]
先ず、本実施形態における水切り装置1の構成について説明する。
水切り装置1は、洗浄後の容器Wを、搬送姿勢を変化させながら所定の搬送方向(矢印Aの方向)に向かって搬送することにより、当該容器Wに残留した水分を除去する装置である。
【0017】
ここで、本実施形態において扱われる容器Wの一例として、例えば、食品等の商品の集荷や配送などに一般的に用いられる、コンテナ等が挙げられる。
【0018】
容器Wは、例えば、
図6(a)(b)に示すように、矩形箱形状に一体成形された樹脂製部材からなり、その上面は、商品の出し入れを行うために開口されている。
また、容器Wの底面Waは、格子状に配置された複数の筋部Wa1・Wa1・・・、及び筋部Wa2・Wa2・・・によって構成されており、その結果、当該底面Waには複数の開口部Wa3・Wa3・・・が形成されている。
さらに、容器Wの上端部には、当該上端部の外縁に沿って外側に突出する、矩形枠体状のリブ部Wbが形成されている。
【0019】
なお、容器Wの素材については、樹脂製部材に限定されるものではなく、所定の強度を確保でき、また商品等の保持及び搬送が可能な素材であれば、例えば、合成樹脂、金属、木材、或いはこれらの素材を複合した素材など、何れのものであってもよい。
また、底面Waにおける開口部Wa3の有無、配置位置、及び開口面積についても、本実施形態に限定されるものではなく、容器Wに対する商品の出し入れ具合や、当該容器W内に詰め込まれた際の商品の安定性などを考慮して、適宜決定されればよい。
さらに、容器Wにおける長手方向に対向した一対の第1側面Wc・Wc、及び短手方向に対向した一対の第2側面Wd・Wdにおいても、底面Waと同様に、複数の開口部が設けられていてもよく、当該開口部の有無については、容器Wの剛性、軽量性、水分除去の効果などを考慮して、適宜決定されればよい。
【0020】
このように、本実施形態における容器Wにおいては、上面が開口されているだけでなく、底面Waに複数の開口部Wa3・Wa3・・・が設けられていることから、後述するように、搬入装置10(
図1を参照)に投入され、その後、回転搬送装置20、固定ガイド40と順に通過しながら略180°反転され、搬出装置30上に落下することにより、上面の開口、及び複数の開口部Wa3・Wa3・・・を介して、容器Wに残留する水分を効果的に排出することができる。
【0021】
なお、本実施形態における水切り装置1に適用可能な容器Wについては、上記のような構成からなるコンテナに限定されるものではなく、例えば、その他の形状からなるクレイトや、荷物等を積載するパレットなどであってもよい。
【0022】
水切り装置1は、
図1に示すように、主に容器Wの搬送方向(矢印Aの方向)に向かって順に配置される搬入装置10、回転搬送装置20、及び搬出装置30と、回転搬送装置20と搬出装置30との間に配置される固定ガイド40とを備える。
【0023】
搬入装置10は、本発明に係る搬入手段の一例であって、容器Wを水切り装置1に搬入するものである。
搬入装置10は、搬送方向(矢印Aの方向)に向かって順に配置される第1搬送装置11及び投入装置12を有する。
また、
図3(a)(b)に示すように、搬入装置10は、第1搬送装置11における上記搬送方向の下流部(本実施形態においては、前部)に配置されるストッパ13及び搬入側噴射装置14と、投入装置12における上記搬送方向の上流部(本実施形態においては、後部)に配置される傾斜ガイド15とを有する。
【0024】
第1搬送装置11は、供給される複数の容器W・W・・・を、回転搬送装置20に向かって順に搬送するものである。
第1搬送装置11は、互いに平行に設けられた2連のチェーンコンベア11a・11aによって構成され、上端部を搬送面Lとして、搬送方向(矢印Aの方向)に沿って配置される。
なお、これら2連のチェーンコンベア11a・11aは、搬送面Lである上端部に容器Wが安定して載置されるように、互いに十分な離間間隔を有して配置される。
【0025】
投入装置12は、第1搬送装置11によって搬送されてきた複数の容器W・W・・・を、順に回転搬送装置20に投入するものである。
投入装置12は、例えば1連のチェーンコンベア12aによって構成され、上記2連のチェーンコンベア11a・11aの平面視中間部において、上端部を搬送面Lとして、搬送方向(矢印Aの方向)に沿って配置される。
但し、チェーンコンベア12aは2連以上にしてもよく、搬送する容器Wの外形サイズ、上流側の第1搬送装置11の構成等に合わせて、適宜設定すればよい。
【0026】
チェーンコンベア12aにおける上記搬送方向の上流側端部(本実施形態においては、後端部)は、2連のチェーンコンベア11a・11aにおける上記搬送方向の下流側端部(本実施形態においては、前端部)と、当該搬送方向において重なるように配置されており、第1搬送装置11及び投入装置12は、当該搬送方向に沿って連続して設けられている。
一方、チェーンコンベア12aにおける上記搬送方向の下流側端部(本実施形態においては、前端部)は、回転搬送装置20における、後述する一対の回転板21a・21aの間に挿入された状態で配置されている。
【0027】
そして、チェーンコンベア12aには、所定間隔で配置された複数の爪部12a1・12a1・・・が設けられており、各爪部12a1と係合して牽引されることにより、第1搬送装置11によって搬送されてきた複数の容器W・W・・・は、投入装置12によって、順に当該所定間隔にて回転搬送装置20に投入される。
つまり、投入装置12は、回転搬送装置20に容器Wを投入する投入領域S1を構成する。
【0028】
なお、容器Wにおいて、爪部12a1と係合する箇所については、当該容器Wの側面の外側または内側の何れであってもよく、また、上記搬送方向の上流側、または下流側の何れに位置する側面であってもよい。
また、投入装置12の構成については、本実施形態に限定されるものではなく、例えばエアシリンダ等のような、搬送方向(矢印Aの方向)に沿って可動するアクチュエータなどによって、構成されていてもよい。
【0029】
ストッパ13は、投入領域S1に対する上記搬送方向の上流側(本実施形態においては、後側)において、第1搬送装置11によって搬送される容器Wを、一時的に停止させるものである。
ストッパ13は、上下方向に延びる一対の可動ピン13a・13aにより構成され、第1搬送装置11における上記搬送方向の下流部(前部)において、2連のチェーンコンベア11a・11aの平面視中間部に配置される。
また、一対の可動ピン13a・13aは、互いに同時に、上下方向に移動可能に設けられており、上端位置まで移動することで、搬送面Lから上方に向かって突出した状態となり、また、下端位置まで移動することで、搬送面Lの下側に埋没した状態となるように設定されている。
【0030】
そして、一対の可動ピン13a・13aを上端位置に移動させることで、容器Wは、これら一対の可動ピン13a・13aと係合し、第1搬送装置11上の所定位置において、一時的に停止した状態となる。
ここで、上記所定位置は、一時的に停止した容器Wが、投入装置12におけるチェーンコンベア12aの爪部12a1と干渉しない位置である。
【0031】
一方、一対の可動ピン13a・13aを下端位置に移動させることで、容器Wは、これら一対の可動ピン13a・13aとの係合状態を解放され、第1搬送装置11によって再び搬送される。
その後、容器Wにおける上記搬送方向の下流側(前側)の側面が、投入装置12に到達すると、容器Wは、チェーンコンベア12aの爪部12a1と係合し、当該投入装置12によって牽引される。
【0032】
なお、容器Wにおいて、一対の可動ピン13a・13aと係合する箇所については、当該容器Wの側面の外側または内側の何れであってもよく、また、上記搬送方向の上流側、または下流側の何れに位置する側面であってもよい。
本実施形態においては、例えば、先行する容器Wが存在しない場合、投入された容器Wは、上記搬送方向の下流側(前側)の側面における外側を介して、一対の可動ピン13a・13aと係合し、また、先行する容器Wが存在する場合、継続する容器Wは、上記搬送方向の上流側(後側)の側面における内側を介して、一対の可動ピン13a・13aと係合するように設定されている。
【0033】
搬入側噴射装置14は、本発明に係る第3噴射手段の一例であって、ストッパ13によって一時的に停止した容器Wに対して、当該容器Wの上側に位置した面に向かって、圧縮気体Paを噴射するものである。
搬入側噴射装置14は、例えばインパクトブローガン等からなり、第1搬送装置11の直上(より具体的には、ストッパ13によって一時的に停止した容器Wの直上)において、噴射口を下方に向けた状態で配置される。
【0034】
なお、搬入側噴射装置14によって噴射される、圧縮気体Paの圧力については、0.6MPa以上に設定されるのが好ましい。
本実施形態においては、圧縮気体Paの圧力が、約0.8MPaに設定されている。
但し、容器Wのサイズに合わせて適宜設定すればよく、圧縮気体Paの圧力は特に限定されない。
【0035】
このように、本実施形態においては、投入領域S1に対する上記搬送方向の上流側(後側)において、容器Wの搬送を一時的に停止させるストッパ13と、当該ストッパ13によって停止した容器Wの直上に位置し、当該容器Wにおける上側に位置した面に向かって圧縮気体Paを噴射可能な搬入側噴射装置14と有する構成となっている。
【0036】
このような構成を有することにより、ストッパ13によって停止させた安定した状態で、容器Wの上側に位置した面に対して、圧縮気体Paを噴射することができ、当該面に残留した水分を確実に除去することができる。
また、例えば後述するように、容器Wは、底面Waを上側に向けた状態で、搬入装置10によって搬送されており、この場合、当該底面Waには複数の開口部Wa3・Wa3・・・(
図6(b)を参照)が設けられていることから、搬入側噴射装置14より噴射される圧縮気体Paは、当該開口部Wa3を介して容器Wの内部にまで到達することとなり、容器Wの内側面等に残留した水分も同時に除去することができる。
【0037】
傾斜ガイド15は、投入装置12によって、容器Wを回転搬送装置20に投入する際、当該容器Wを安定して移動させるためのものである。
傾斜ガイド15は、容器Wを滑走可能な滑走面15a1・15a1を有した、一対のガイド部材15a・15aからなり、例えば本実施形態においては、上側の面を滑走面15a1・15a1とする、一対の矩形板状の部材からなる。
【0038】
一対のガイド部材15a・15aは、投入装置12における上記搬送方向の上流部(後部)において、チェーンコンベア12aの幅方向(搬送方向(矢印Aの方向)との平面視直交方向であって、本実施形態においては左右方向)の両側に配置される。
また、一対のガイド部材15a・15aは、平面視において、チェーンコンベア12aに沿って配置されるとともに、側面視において、当該チェーンコンベア12aの搬送面Lに対して、滑走面15a1・15a1が、上記搬送方向の下流側(前側)に向かって上方に傾斜するように配置されている。
【0039】
なお、一対のガイド部材15a・15aにおける、滑走面15a1・15a1の傾斜角度D1は、1°以上4°以下に設定されるのが好ましく(1°≦D1≦4°)、1.5°以上3°以下に設定されるのがより好ましい(1.5°≦D1≦3°)。
本実施形態においては、一対のガイド部材15a・15aにおける、滑走面15a1・15a1の傾斜角度D1が、約2.6°に設定されている。
【0040】
さらに、一対のガイド部材15a・15aは、第1搬送装置11における上記搬送方向の上流側端部(本実施形態においては、後端部)から、回転搬送装置20における回転板21aの近傍に亘って設けられており、これら一対のガイド部材15a・15aにおける、上記搬送方向の上流側端部(後端部)は、チェーンコンベア12aの搬送面Lに対して、僅かに下方に位置するように配置されている。
【0041】
そして、投入装置12によって、容器Wを回転搬送装置20に投入する際、容器Wは、チェーンコンベア12aによって牽引されつつ、一対のガイド部材15a・15aの滑走面15a1・15a1を滑走し、上記搬送方向の下流側(前側)を上方に傾けた状態で移動される。
【0042】
このように、本実施形態においては、回転搬送装置20に容器Wを投入する投入領域S1において、容器Wを滑走可能に設けられ、且つ上記搬送方向の下流側(前側)に向かって上方に傾斜する傾斜ガイド15を有する構成となっている。
【0043】
このような構成を有することにより、洗浄後の容器Wを傾斜ガイド15の滑走面15a1にて滑走させることで、当該容器Wにおける上記搬送方向の下流側(前側)を上方に傾けることができ、容器Wに残留する水分を、上記搬送方向の上流側(後側)に集め、当該水分をより効率よく除去することができる。
また、投入装置12によって、容器Wを回転搬送装置20に投入する際、回転搬送装置20(より具体的には、後述する投入位置P1)に到達した容器Wに対して、チェーンコンベア12aの爪部12a1が干渉するのを防止することができる。
従って、回転搬送装置20の回転動作(後述する、軸心Gを中心とする回転動作)を止めることなく、後述する回転羽22に容器Wを投入することができる。
【0044】
なお、例えば、エアシリンダ等のような、搬送方向(矢印Aの方向)に沿って可動するアクチュエータなどにより容器Wを投入する場合は、爪部の干渉の恐れがない為、傾斜ガイド15は無くても良いが、水分をより効率よく除去する上では、傾斜ガイド15がある方が好ましい。
【0045】
回転搬送装置20は、本発明に係る回転搬送手段の一例であって、搬入装置10から投入された容器Wを上方に向かって回転搬送しながら、当該容器Wの搬送姿勢を略90°回転させるものである。
回転搬送装置20は、水平方向、且つ平面視にて搬送方向(矢印Aの方向)との直交方向(本実施形態においては左右方向)に延びる軸心Gを中心にして、回転可能に設けられる回転体21と、回転体21の外縁に設けられる複数の回転羽22・22・・・と、これら複数の回転羽22・22・・・を互いに連結する複数の連結部材23・23・・・とを有する。
また、回転搬送装置20は、回転体21に対して、軸心G側に設けられる第1回転搬送側噴射装置24と、当該軸心G側との反対側に設けられる第2回転搬送側噴射装置25とを有する。
【0046】
そして、回転体21は、軸心Gを中心にして、一定の所定速度にて連続的に回転されており、容器Wは、当該軸心Gに対して上記搬送方向の上流側(後側)に位置する投入位置P1において、投入装置12によって回転搬送装置20に投入される。
また、回転搬送装置20に投入された容器Wは、各回転羽22によって支持された後、軸心Gに対して上方に位置する搬出位置P2に向かって、回転体21の回転動作に伴い回転搬送される。つまり、容器Wは、軸心Gを中心にして、投入位置P1と搬出位置P2との間の回転搬送領域S2を、回転搬送装置20によって回転搬送される。
その後、搬出位置P2に到達した容器Wは、各回転羽22の先端部によって水平方向に押出され、固定ガイド40に向かって搬出される。
【0047】
回転体21は、回転搬送装置20の本体部を構成するものである。
回転体21は、軸心Gの方向に互いに対向して配置される一対の回転板21a・21aと、これら一対の回転板21a・21aを、当該軸心Gと同軸上に貫通する回転軸21bとを有する。
【0048】
各回転板21aは、
図1に示すように、多角形状(例えば、本実施形態においては、八角形)の板状部材からなる。
また、回転板21aの外周端部には、当該外周端部と垂直に交わり、且つ当該外周端部に沿って各々配置される、複数(例えば、本実施形態においては、8枚)の矩形板状の縁部材21a1・21a1・・・が設けられている。
ここで、縁部材21a1は、回転搬送装置20によって容器Wを回転搬送する際に、後述する回転羽22とともに、当該容器Wを支持するものである。
【0049】
なお、各回転板21aには、軽量化等の理由から、開口部が設けられていてもよい。
【0050】
また、一対の回転板21a・21aは、摩擦締結具の一種である、図示していない「パワーロック」(登録商標)を介して、回転軸21bに各々固定されており、容器Wの態様に応じて、当該回転軸21bに対して、幅方向(軸方向)、回転方向に位置調整可能な構成となっている。
【0051】
そして、
図3(b)に示すように、回転体21は、投入装置12(より具体的には、チェーンコンベア12a)に対して、上記搬送方向の下流側(前側)に回転軸21bが位置し、且つチェーンコンベア12aの下流側端部(本実施形態においては、前端部)における幅方向(左右方向)の両外側に、一対の回転板21a・21aが位置するように配置されている。
また、
図1に示すように、回転体21は、回転軸21b(より具体的には、軸心G)を中心にして、一方向(矢印Bの方向であって、以下、適宜「回転搬送方向B」と記載)に向かって、回転可能に設けられている。
【0052】
回転羽22は、回転搬送装置20によって容器Wを回転搬送する際に、上述した縁部材21a1ととともに、当該容器Wを支持するものである。
回転羽22は、
図3(b)に示すように、軸心Gの方向に互いに対向して平行に配置される、一対の長尺矩形状の支持板部材22a・22aからなる。
また、
図1に示すように、回転羽22・22・・・は、回転板21aの外縁形状に応じて複数(例えば、本実施形態においては、8個)設けられる。
【0053】
そして、複数の回転羽22・22・・・は、回転体21の回転軸21b(より具体的には、軸心G)を中心にして、周方向に等間隔で配置されるとともに、一対の回転板21a・21aの外縁部における各々の頂点より、径方向外側(即ち、軸心G側との反対側)に向かって延びるようにして、当該一対の回転板21a・21aに設けられている。
また、
図2に示すように、各回転羽22において、一対の支持板部材22a・22aは、一対の回転板21a・21aに対して、軸心Gの軸方向(本実施形態においては左右方向)の外側に各々配置されるとともに、当該支持板部材22aの長手方向の一端部(
図2においては、下端部)にて、当該一対の回転板21a・21aと各々固定されている。
【0054】
なお、回転羽22の構成については、本実施形態に限定されるものではなく、回転板21aと一体的に形成されていてもよい。
【0055】
各回転羽22において、一対の支持板部材22a・22aは、回転羽22によって支持された容器Wのリブ部Wbに対して、当該リブ部Wbにおける上記軸方向(左右方向)に対向した内側端部Wb1・Wb1に比べて、さらに内側に位置するように設定されている。
つまり、一対の支持板部材22a・22aと、容器Wのリブ部Wbにおける内側端部Wb1・Wb1との間には、各々所定間隔の隙間が生じるように設定されている。
【0056】
従って、回転搬送装置20によって容器Wを回転搬送しながら、当該容器Wにおける上記軸方向(左右方向)の両側の内側面に残留した水滴を、上記隙間を介して効率よく排出、或いは落下させることができ、容器Wに残留した水分を、より確実に除去することができる。
【0057】
なお、上述したように、複数の回転羽22・22・・・は、一対の回転板21a・21aと各々固定されていることから、各回転羽22における一対の支持板部材22a・22aの位置調整は、上記「パワーロック」(登録商標)を介して、回転軸21bに対する一対の回転板21a・21aの位置調整を実行することにより行われる。
【0058】
連結部材23は、複数の回転羽22・22・・・において、互いに隣接する一対の回転羽22・22毎に、当該一対の回転羽22・22を連結するものである。
連結部材23は、長尺矩形状の板状部材からなる。
また、連結部材23・23は、各回転羽22を構成する一対の支持板部材22a・22aに対して、それぞれ設けられるとともに、これら一対の支持板部材22a・22aに対して、上記軸方向(左右方向)の外側に各々配置される。
つまり、各連結部材23は、回転羽22に対して、当該回転羽22によって支持される容器W側との反対側に位置するように、配置されている。
【0059】
そして、
図1に示すように、連結部材23は、互いに隣接する一対の回転羽22・22に対して、長手方向の一端部23aにて、一方の回転羽22(より具体的には、支持板部材22a)の先端部と連結され、且つ長手方向の他端部23bにて、他方の回転羽22(より具体的には、支持板部材22a)の延び方向の中央部と連結される。
具体的には、互いに隣接する一対の回転羽22・22に対して、連結部材23は、一端部23aにおいて、回転搬送方向(矢印Bの方向)の下流側に位置する回転羽22(以下、適宜「下流側回転羽22A」と記載する)の先端部(より具体的には、支持板部材22aの延び方向の先端部)と連結され、且つ他端部23bにおいて、回転搬送方向(矢印Bの方向)の上流側に位置する回転羽22(以下、適宜「上流側回転羽22B」と記載する)の延び方向の中央部(より具体的には、支持板部材22aの延び方向の中央部)と連結される。
【0060】
なお、
図2に示すように、連結部材23の一端部23aと、回転羽22(支持板部材22a)の先端部との連結部には、ローラガイド26(例えば丸棒)が設けられており、当該ローラガイド26は、連結部材23(または、支持板部材22a)の厚み方向(本実施形態においては、左右方向)に設けられ、当該ローラガイド26を介して、回転羽22と連結部材23とを、ねじ等により連結している。
ローラガイド26は、回転可能なカムフォロアを用いてもよく、その場合、軸心gを中心に回転可能に設けることができる。
【0061】
そして、搬出位置P2(
図3(a)を参照)に到達した容器Wを、固定ガイド40(
図1を参照)に向かって搬出する際、当該容器Wのリブ部Wbにローラガイド26を押し当てながら、一方向(矢印Bの方向)に回転移動する回転羽22の先端部によって、当該容器Wを押出す構成となっている。
ローラガイド26は、円筒状の外周面を有しており、水滴が溜まり難く、また、回転羽22が容器Wを押出す時の接触位置が安定するため、安定した容器Wの搬送を可能としている。
【0062】
また、連結部材23の他端部23bと、回転羽22(支持板部材22a)の延び方向の中央部とは、丸棒等の固定部材27を介して連結されているが、これに限定されるものではなく、当該固定部材27に代替して、角柱でもよく、上記のカムフォロア等を設けることとしてもよい。
【0063】
このように、本実施形態において、回転搬送装置20は、隣接する一対の回転羽22・22毎に、当該一対の回転羽22・22を連結する複数の連結部材23・23・・・を有しており、各連結部材23は、これら一対の回転羽22・22に対して、当該回転羽22によって支持される容器W側との反対側に位置するとともに、一端部23aが一方の回転羽22(下流側回転羽22A)の先端部と連結され、且つ他端部23bが他方の回転羽22(上流側回転羽22B)の延び方向の中央部と連結される構成となっている。
【0064】
このような構成を有することにより、回転搬送装置20によって回転搬送される容器Wが、回転羽22から脱落するのを、連結部材23によって確実に防止することができる。
即ち、回転搬送領域S2(
図3(a)を参照)において、回転羽22によって保持された容器Wが、幅方向(左右方向)に大きくずれるのを、連結部材23によって確実に防止することができる。特に、軸心G側における容器Wのずれを防ぐことができる。
また、投入位置P1(
図3(a)を参照)において、搬入装置10(より具体的には、投入装置12)から回転搬送装置20に容器Wを投入する際、連結部材23によって容器Wの移動方向を規制することができ、当該容器Wを確実に回転搬送装置20に導くことができる。
【0065】
第1回転搬送側噴射装置24は、本発明に係る第1噴射手段の一例であって、
図3(a)に示すように、回転羽22によって支持された容器Wに対して、当該容器Wにおける軸心G側の面(縁部材21a1と当接した面)に向かって圧縮気体Pbを噴射するものである。
第1回転搬送側噴射装置24は、例えばパタガン等からなり、噴射口を外側(軸心Gを中心とする径方向外側)に向けた状態で、回転羽22に対して軸心G側に配置される。
【0066】
なお、第1回転搬送側噴射装置24によって噴射される、圧縮気体Pbの圧力については、0.2MPa以上0.4MPa以下に設定されるのが好ましい。
【0067】
第2回転搬送側噴射装置25は、本発明に係る第2噴射手段の一例であって、回転羽22によって支持された容器Wに対して、当該容器Wにおける軸心G側との反対側の面(縁部材21a1側との反対側の面)に向かって圧縮気体Pcを噴射するものである。
第2回転搬送側噴射装置25も、第1回転搬送側噴射装置24と同様に、例えばパタガン等からなり、噴射口を内側(軸心Gを中心とする径方向内側)に向けた状態で、回転羽22に対して軸心G側との反対側に配置される。
【0068】
なお、第2回転搬送側噴射装置25によって噴射される、圧縮気体Pcの圧力についても、第1回転搬送側噴射装置24と同様に、0.2MPa以上0.4MPa以下に設定されるのが好ましい。
【0069】
このような構成からなる第1回転搬送側噴射装置24及び第2回転搬送側噴射装置25を設けることにより、回転搬送装置20によって回転搬送しながら、容器Wにおける上記搬送方向の上流側及び下流側に位置する両面(前面及び後面)に対して圧縮気体Pb・Pcを噴き付け、水分を十部に除去することができ、当該容器Wに残留した水分を、より確実に除去することができる。
なお、第1回転搬送側噴射装置24及び第2回転搬送側噴射装置25の配置は、回転搬送中の容器Wの両面(前面及び後面)に対して圧縮気体Pb・Pcを噴き付けられる位置であれば、何れの場所であってもよく、特に限定されない。
【0070】
搬出装置30は、本発明に係る搬出手段の一例であって、容器Wを水切り装置1から搬出するものである。
搬出装置30は、
図4(a)(b)に示すように、第2搬送装置31及び受け台32を有する。
【0071】
第2搬送装置31は、後述するように、固定ガイド40から落下してくる複数の容器W・W・・・を、順に水切り装置1の外部へと搬送するものである。
第2搬送装置31は、互いに平行に設けられた2連のチェーンコンベア31a・31aによって構成され、上端部を搬送面Lとして、搬送方向(矢印Aの方向)に沿って配置される。
なお、これら2連のチェーンコンベア31a・31aは、搬送面Lである上端部に容器Wが安定して載置されるように、互いに十分な離間間隔を有して配置される。
【0072】
受け台32は、固定ガイド40から落下してくる容器Wを受止めるものである。
受け台32は、容器Wを受止めるとともに、当該容器Wを滑走可能な受け面32aを上側の面とする、矩形板状の部材からなる。
【0073】
受け台32は、第2搬送装置31における上記搬送方向の上流側の端部(後端部)において、2連のチェーンコンベア31a・31aの平面視中間部に配置される。
また、受け台32は、側面視において、当該チェーンコンベア31aの搬送面Lに対して、受け面32aが、上記搬送方向の下流側(前側)に向かって上方に傾斜するように配置されている。
【0074】
このように、受け台32の受け面32aを、所定方向に傾斜するように設けることにより、固定ガイド40から落下した容器Wが、受け面32aに着地した際の衝撃によって、上記搬送方向の下流側(前側)へと飛び出すのを抑制し、落下後の容器Wの位置を安定させることができる。
【0075】
なお、受け台32における、受け面32aの傾斜角度D2は、1°以上4°以下に設定されるのが好ましく(1°≦D2≦4°)、1.5°以上3°以下に設定されるのがより好ましい(1.5°≦D2≦3°)。
【0076】
また、平面視において、受け台32の幅方向(本実施形態においては、左右方向)の寸法W1は、容器Wにおける短手方向(
図4(b)においては、左右方向)の寸法W2の1/3以上に設定されるのが好ましい(W1≧W2×(1/3))。
【0077】
このような構成からなる搬出装置30において、固定ガイド40から落下した容器Wは、受け台32によって受け止められて一旦支持され、その後、第2搬送装置31における2連のチェーンコンベア31a・31aとの摩擦力によって、当該第2搬送装置31によって搬送方向(矢印Aの方向)に向かって搬送される。
【0078】
固定ガイド40は、回転搬送装置20から搬出装置30に向かって、容器Wを導くものである。
固定ガイド40は、平面視において、上記搬送方向との直交方向(左右方向)に対向して設けられる一対の滑走部材41・41と、各滑走部材41に沿って設けられ、当該滑走部材41より支持された一対のガイドバー42・42とを有する。
なお、容器Wの仕様(サイズ、形状等)に合わせて、回転落下する容器Wの径方向外側(即ち、軸心G側との反対側)の面を規制し、落下時に容器Wが飛び出さないようなガイド(図示せず)を設けてもよく、さらに該ガイドを可動式にし、容器Wと該ガイドの隙間を調整できるようにしてもよい。
【0079】
各滑走部材41は、側面視において、回転搬送装置20における搬出位置P2から、搬出装置30における上記搬送方向の上流側の端部(後端部)に向かって、湾曲状に形成されている。
【0080】
そして、回転搬送装置20の搬出位置P2より押出された容器Wは、固定ガイド40における一対の滑走部材41・41上に乗り移り、その後、一対のガイドバー42・42によって幅方向(左右方向)への位置ズレを規制されつつ、一対の滑走部材41・41を滑走しながら略90°回転され、搬出装置30上(より具体的には、チェーンコンベア31a上)に落下する。
【0081】
[水切り装置1の動作手順]
次に、本実施形態における水切り装置1の動作手順について、
図1、及び
図3乃至
図5を用いて説明する。
【0082】
まず始めに、
図1において、搬入装置10を構成する第1搬送装置11及び投入装置12、並びに搬出装置30を構成する第2搬送装置31は、搬送方向(矢印Aの方向)に向かって、所定の搬送速度にて可動した状態となっている。
また、回転搬送装置20を構成する回転体21は、回転搬送方向(矢印Bの方向)に向かって、所定の回転搬送速度にて可動した状態となっている。
さらに、ストッパ13(
図3(a)を参照)は、可動ピン13aが上端位置にて停止した状態となっている。
【0083】
このような状態における水切り装置1において、洗浄後の容器Wは、第1搬送装置11における上記搬送方向の上流側端部(後端部)にて、当該第1搬送装置11の搬送面Lに投入される。
【0084】
ここで、本実施形態においては、底面Wa(
図6(a)を参照)を上側に向け、且つ長手方向に対向した一対の第1側面Wc・Wcを上記搬送方向の上流側(後側)及び下流側(前側)に向けた状態で、容器Wは、第1搬送装置11の搬送面Lに投入される。
なお、容器Wの投入時の姿勢については、本実施形態に限定されるものではなく、例えば、底面Waを下側に向けた状態であってもよい。
【0085】
第1搬送装置11に投入された容器Wは、直ちに搬送方向(矢印Aの方向)に向かって搬送される。
その後、
図3(a)(b)に示すように、投入装置12への乗移り箇所の手前、即ち、投入装置12に対して、上記搬送方向の上流側(後側)に到達すると、容器Wは、ストッパ13の可動ピン13aと当接して、一時的に停止する。
【0086】
なお、容器Wにおいて、可動ピン13aと当接する箇所については、特に限定されない。
例えば、本実施形態においては、先行する容器Wについては、上記搬送方向の下流側(前側)に位置する側面(第1側面Wc)の外側を介して可動ピン13aと当接し、その他の後続する容器Wについては、上記搬送方向の上流側(後側)に位置する側面(第1側面Wc)の内側を介して可動ピン13aと当接するように設定されている。
【0087】
容器Wが一時的に停止すると、搬入側噴射装置14が所定時間作動し、当該容器Wに対して、圧縮気体Paを上方より噴き付ける。
これにより、容器Wの上側に位置した面(底面Wa)だけでなく、底面Waの複数の開口部Wa3・Wa3・・・(
図6(b)を参照)を介して、当該容器Wの内側の側面に残留した水分も、圧縮気体Paによって確実に除去される。
【0088】
その後、所定のタイミングによって、可動ピン13aが下端位置に移動し、容器Wは、第1搬送装置11によって、投入装置12に向かって搬送される。
なお、容器Wがストッパ13を通過すると、可動ピン13aは、直ちに上端位置に移動し、後続する新たな容器Wを一時的に停止させる。
【0089】
ここで、上記所定のタイミングについては、投入装置12におけるチェーンコンベア12aの搬送速度や、回転体21の回転搬送速度等に基づき設定され、例えば本実施形態においては、ストッパ13を通過して投入装置12によって搬送される容器Wが、回転体21とともに連続的に回転移動する回転羽22に対して、投入位置P1にて、噛み込み等が発生することなく、安定して支持されるタイミングに設定されている。
【0090】
ストッパ13を通過した容器Wが投入装置12に到達し、その後、当該容器Wにおける上記搬送方向の下流側(前側)に位置する側面(第1側面Wc)が、投入装置12における上記搬送方向の上流側端部(後端部)に進入すると、当該側面の内側の面を介して、チェーンコンベア12aの爪部12a1と係合され、容器Wは、投入装置12によって投入位置P1にむかって搬送(牽引)される。
この際、前述したように、容器Wは、傾斜ガイド15を滑走しながら、上記搬送方向の下流側(前側)を上方に傾けられ、当該容器Wに残留する水分は、上記搬送方向の上流側(後側)へと、効率よく集められる。
【0091】
そして、容器Wは、投入位置P1に到達するのと略同時に、回転羽22によって掬い上げられ、当該回転羽22によって支持される。
【0092】
ここで、本実施形態においては、投入装置12によって、回転羽22の基端側の位置、即ち縁部材21a1と当接する位置まで、容器Wを押込む(搬送する)のではなく、当該基端部の僅かに手前の位置まで、容器Wを押込む(搬送する)ように設定されている。
【0093】
そして、容器Wは、投入位置P1において、軸心Gを中心にして上方に回転移動する回転羽22上に一旦載置され、その後、当該回転移動が進み、回転羽22の姿勢が傾くと、容器Wは、自重によって回転羽22を滑り落ち、当該回転羽22の基端側の位置へと移動される。
【0094】
上記回転羽22の基端側の位置へと移動することで、容器Wは、上記搬送方向の下流側(前側)に位置する側面(第1側面Wc)を介して、縁部材21a1と当接し、この際の衝撃によって、当該容器Wに残留する水分を除去することができる。
そして、容器Wは、下側に位置した面(リブ部Wb。
図6を参照)を介して、回転羽22と当接し、且つ上記搬送方向の下流側(前側)に位置する側面(第1側面Wc)を介して、縁部材21a1と当接した状態で、これら両部材22・21a1によって支持される。
【0095】
なお、投入位置P1に到達し、爪部12a1との係合状態から解放された容器Wは、その後、投入装置12による搬送時の慣性力によって、回転羽22の基端側の位置まで押込まれたり、或いは、中途の位置で停止してしまう場合もあるが、このような場合においても、上述した手順に基づき、容器Wは、回転羽22及び縁部材21a1によって、確実に支持される。
【0096】
回転羽22によって支持された容器Wは、回転体21の回転動作に伴い、搬出位置P2に向かって回転搬送される。
また、容器Wは、回転搬送領域S2の中途部において、第1回転搬送側噴射装置24及び第2回転搬送側噴射装置25を通過する。
【0097】
容器Wが、第1回転搬送側噴射装置24及び第2回転搬送側噴射装置25を通過する前後において、これらの両噴射装置24・25は、それぞれ所定時間作動し、当該容器Wに対して圧縮気体Pb・Pcを噴射する。
これにより、容器Wにおける、長手方向に対向した一対の第1側面Wc・Wcに対して、圧縮気体Pb・Pcがそれぞれ噴き付けられ、これら一対の第1側面Wc・Wcに残留した水分が、確実に除去される。
【0098】
回転羽22によって支持され回転搬送される容器Wは、当該回転搬送に伴い徐々に搬送姿勢を回転され、搬出位置P2に到達した時点においては、当該搬送姿勢を略直立した状態に略90°回転させた状態となる。
具体的には、容器Wは、搬出位置P2において、搬入装置10上では上記搬送方向の下流側(前側)に位置した面(第1側面Wc)を下面とする、略直立した状態となる。
【0099】
そして、
図5(a)に示すように、搬出位置P2に到達した容器Wは、上記の略直立した状態で、回転羽22の先端部によって上記搬送方向の下流側(前側)へと押し出され、
図5(b)に示すように、回転搬送装置20から固定ガイド40へと乗り移る。
【0100】
固定ガイド40に乗り移った容器Wは、その後、
図5(c)に示すように、回転羽22の先端部によってさらに押し込まれ、自重によって、固定ガイド40(より具体的には、滑走部材41)上を滑走する。
【0101】
そして、
図4(a)に示すように、容器Wは、固定ガイド40上を滑走しながら、再び搬送姿勢を略90°回転され、搬出装置30における上記搬送方向の上流側の端部(後端部)に落下する。
具体的には、固定ガイド40上を滑走した容器Wは、搬入装置10上では上側に位置した面(底面Wa)を下面とした状態で、搬出装置30上に落下する。
【0102】
搬出装置30上に落下した容器Wは、受け台32の受け面32a上に着地するとともに、着地時における衝撃によって、容器Wに残留した水分が効果的に除去される。
【0103】
その後、容器Wは、搬出装置30における2連のチェーンコンベア31a・31aによって、搬送方向(矢印Aの方向)に搬送され、水切り装置1の外部へと搬出される。
【0104】
このように、本実施形態における水切り装置1は、洗浄後の容器Wに残留した水分を除去する水切り装置であって、容器Wを搬入する搬入装置10と、搬入装置10から投入された容器Wを上方に向かって回転搬送する回転搬送装置20と、容器Wを搬出する搬出装置30と、回転搬送装置20から搬出装置30に向かって容器Wを導く固定ガイド40とを備えている。
【0105】
ここで、回転搬送装置20は、回転搬送方向(矢印Bの方向)の軸心G(中心軸)を中心にして、周方向に等間隔で配置され、且つ径方向外側に向かって延びる複数の回転羽22・22・・・を有し、各々の回転羽22によって容器Wを支持しつつ、容器Wを回転搬送する。
【0106】
そして、容器Wは、搬入装置10において搬送方向(矢印Aの方向)の下流側(前側)に位置した面(第1側面Wc)を下面とした状態で、回転搬送装置20から固定ガイド40に乗り移る。
固定ガイド40に乗り移った容器Wは、回転羽22の端部によって押され、回転羽22の傾きが垂直方向から水平方向に回転するにつれ、次第にローラガイド26により押し込まれて固定ガイド40上を滑走する。
そして、固定ガイド40上を滑走した前記容器Wは、搬入装置10において上側に位置した面(底面Wa)を下面とした状態で、搬出装置30上に落下する構成となっている。
ここで、上記「回転羽22の端部」とは、回転羽22の先端部のみに限定するものではなく、回転羽22の端部に設けられる全ての構成部品を含む概念であり、例えば、回転羽22の先端付近に取り付けらえた、ローラガイド26等も含む概念として使用している。
【0107】
このように、本実施形態における水切り装置1においては、洗浄後の容器Wを、搬入装置10、回転搬送装置20、固定ガイド40、及び搬出装置30と順に乗り移らせて搬送することにより、当該容器Wの搬送姿勢を、搬入装置10において下側に位置した面が、搬出装置30において上側に位置するように大きく反転させながら、容器Wに残留した水分を除去することから、例えば、容器Wの内側面等に水分が残留するようなことを極力防止し、当該容器Wに残留した水分を、比較的効率よく十分に除去することができる。
また、本実施形態における水切り装置1によれば、従来の熱風を噴射させる方法のように、水分が除去された容器Wを常温付近まで冷却するための設備や冷却区間が、別途必要となることもなく、設備コストを抑えることができる。
【0108】
以上、本発明を具現化する一実施形態について説明を行ったが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、あくまで例示であって、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、及び範囲内の全ての変更を含む。
【符号の説明】
【0109】
1 水切り装置
10 搬入装置(搬入手段)
13 ストッパ
14 搬入側噴射装置(第3噴射手段)
15 傾斜ガイド
20 回転搬送装置(回転搬送手段)
22 回転羽
23 連結部材
23a 一端部
23b 他端部
24 第1回転搬送側噴射装置(第1噴射手段)
25 第2回転搬送側噴射装置(第2噴射手段)
30 搬出装置(搬出手段)
40 固定ガイド
G 軸心(中心軸)
Pa、Pb、Pc 圧縮気体
S1 投入領域
S2 回転搬送領域
W 容器
Wa 底面
Wc 第1側面