(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024051888
(43)【公開日】2024-04-11
(54)【発明の名称】建物
(51)【国際特許分類】
E04H 1/04 20060101AFI20240404BHJP
【FI】
E04H1/04 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022158267
(22)【出願日】2022-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】307042385
【氏名又は名称】ミサワホーム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090033
【弁理士】
【氏名又は名称】荒船 博司
(72)【発明者】
【氏名】馬場 純
(72)【発明者】
【氏名】大谷 翔
(57)【要約】
【課題】住居と、シェアオフィスと、シェアオフィスよりも公共性の高い施設が共在した、容易にセキュリティーを確保できる使い勝手の良い建物を提供する。
【解決手段】シェアオフィス31を備えた建物1であって、上階側の階層に設けられた第一エリア2と、地上階を含む階層に設けられた第二エリア4と、第一エリア2と第二エリア4の間の階層に設けられた中間エリア3と、外部と第一エリア2の間を行き来するための第一エリア用昇降手段6と、第二エリア4と中間エリア3の間を行き来するための中間エリア用昇降手段8と、を備えている。そして、第一エリア2は、少なくとも住居21を含み、中間エリア3は、少なくともシェアオフィス31を含み、第二エリア4は、シェアオフィス31よりも公共性の高い施設(共用部41や店舗42など)を含んでいる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
シェアオフィスを備えた建物であって、
上階側の階層に設けられた第一エリアと、
地上階を含む階層に設けられた第二エリアと、
前記第一エリアと前記第二エリアの間の階層に設けられた中間エリアと、
外部と前記第一エリアの間を行き来するための第一エリア用昇降手段と、
前記第二エリアと前記中間エリアの間を行き来するための中間エリア用昇降手段と、を備え、
前記第一エリアは、少なくとも住居を含み、
前記中間エリアは、少なくとも前記シェアオフィスを含み、
前記第二エリアは、前記シェアオフィスよりも公共性の高い施設を含むことを特徴とする建物。
【請求項2】
請求項1に記載の建物において、
前記第一エリアは、前記第一エリアを利用する第一ユーザーのみ滞在が許容されるエリアであり、
前記中間エリアは、前記中間エリアを利用する第三ユーザーと、前記第一ユーザーのみ滞在が許容されるエリアであり、
前記第二エリアは、前記第二エリアを利用する第二ユーザーと、前記第一ユーザーと、前記第三ユーザーの滞在が許容されるエリアであることを特徴とする建物。
【請求項3】
請求項2に記載の建物において、
前記第一エリアと前記第一エリア用昇降手段は、第一エリア用出入口を通じて行き来可能であり、
前記第一エリア用出入口は、前記第一ユーザーのみ、前記第一エリア用昇降手段から前記第一エリアへの通行が許容される出入口であることを特徴とする建物。
【請求項4】
請求項2に記載の建物において、
前記中間エリアと前記第一エリア用昇降手段は、中間エリア用出入口を通じて行き来可能であり、
前記中間エリア用出入口は、前記第一ユーザーのみ、前記中間エリアから前記第一エリア用昇降手段への通行が許容される出入口であることを特徴とする建物。
【請求項5】
請求項1に記載の建物において、
前記第一エリアは、職場としてのオフィスを含み、
前記オフィスと前記シェアオフィスは、同一の階層に設けられていることを特徴とする建物。
【請求項6】
請求項1に記載の建物において、
前記中間エリアは、職場としてのオフィスを含み、
前記オフィスと前記シェアオフィスは、同一の階層に設けられていることを特徴とする建物。
【請求項7】
請求項1に記載の建物において、
前記第一エリア用昇降手段として、第一エリア用階段と第一エリア用エレベーターを備え、
前記中間エリア用昇降手段として、中間エリア用階段を備えることを特徴とする建物。
【請求項8】
請求項1に記載の建物において、
前記住居は、少なくともデスクと椅子を備えたワークスペースを有することを特徴とする建物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シェアオフィスを備えた建物に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、テレワーク(リモートワーク)の普及により、自宅や自宅近くのシェアオフィスなどで仕事をする人が増えており、職住一体、職住近接という概念が注目されている。
例えば、特許文献1に記載の住宅では、カウンターと棚とイスが備え付けられたワークスペース(ワークコーナー)が、室内窓を挟んでリビングダイニングと隣接している。また、このワークスペースは、物を収納するための部屋とも隣接し、テレワーク用の電子機器やその他の物品を収納できるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
テレワーク用のワークスペースを確保する場合は、ユーザー自身が、近隣のシェアオフィスを利用したり、特許文献1のように自宅内にワークスペースを設置したりすることが多く、ユーザーの負担が大きい。すなわち、シェアオフィスが自宅や職場から離れた場所にあると、その場所まで行く手間や費用、体調面、悪天候などが負担となって、徐々に足が遠のいてしまう場合がある。また、自宅にワークスペースを設置するには、そのように設計した住宅を建築したり、リノベーション工事を行ったりする必要があり、費用面での負担が特に大きい。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、住居と、シェアオフィスと、シェアオフィスよりも公共性の高い施設が共在した、容易にセキュリティーを確保できる使い勝手の良い建物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、例えば
図1~
図8に示すように、シェアオフィス31を備えた建物1であって、
上階側の階層に設けられた第一エリア2と、
地上階を含む階層に設けられた第二エリア4と、
前記第一エリア2と前記第二エリア4の間の階層に設けられた中間エリア3と、
外部と前記第一エリア2の間を行き来するための第一エリア用昇降手段6と、
前記第二エリア4と前記中間エリア3の間を行き来するための中間エリア用昇降手段8と、を備え、
前記第一エリア2は、少なくとも住居21を含み、
前記中間エリア3は、少なくとも前記シェアオフィス31を含み、
前記第二エリア4は、前記シェアオフィス31よりも公共性の高い施設(共用部41や店舗42など)を含むことを特徴とする。
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、建物1は、住居21と、シェアオフィス31と、シェアオフィス31よりも公共性の高い施設41,42が共在した建物であるので、職住一体、職住近接を実現でき、ユーザーの負担を軽減できる。
また、住居21を含む第一エリア2と施設41,42を含む第二エリア4の間に、住居21よりも公共性が高く施設41,42よりも公共性が低いシェアオフィス31を含む中間エリア3が設けられている。すなわち、上層階から下層階に向けて徐々に公共性が高くなるように、プライベートエリアである第一エリア2と、セミプライベートエリア(セミパブリックエリア)である中間エリア3と、パブリックエリアである第二エリア4と、が建物1内に配置されているので、各エリアが混在している建物に比べて、使い勝手が良く、且つ、プライベートエリアである第一エリア2や、セミプライベートエリアである中間エリア3のセキュリティーを容易に確保することができる。
【0008】
請求項2に記載の発明は、例えば
図1~
図8に示すように、請求項1に記載の建物1において、
前記第一エリア2は、前記第一エリア2を利用する第一ユーザーのみ滞在が許容されるエリアであり、
前記中間エリア3は、前記中間エリア3を利用する第三ユーザーと、前記第一ユーザーのみ滞在が許容されるエリアであり、
前記第二エリア4は、前記第二エリア4を利用する第二ユーザーと、前記第一ユーザーと、前記第三ユーザーの滞在が許容されるエリアであることを特徴とする。
【0009】
請求項2に記載の発明によれば、第一エリア2に滞在できる者が、第一ユーザーに限定されているので、第一エリア2のセキュリティー強化を図ることができる。
また、中間エリア3に滞在できる者が、第一ユーザーと第三ユーザーに限定されているので、中間エリア3のセキュリティー強化を図ることができる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、例えば
図1~
図8に示すように、請求項2に記載の建物1において、
前記第一エリア2と前記第一エリア用昇降手段6は、第一エリア用出入口7を通じて行き来可能であり、
前記第一エリア用出入口7は、前記第一ユーザーのみ、前記第一エリア用昇降手段6から前記第一エリア2への通行が許容される出入口であることを特徴とする。
【0011】
請求項3に記載の発明によれば、第一エリア用昇降手段6を通じて第一エリア2へ進入できる者が、第一ユーザーに限定されるので、第一エリア2のセキュリティー強化を図ることができる。
【0012】
請求項4に記載の発明は、例えば
図1~
図7に示すように、請求項2に記載の建物1において、
前記中間エリア3と前記第一エリア用昇降手段6は、中間エリア用出入口9を通じて行き来可能であり、
前記中間エリア用出入口9は、前記第一ユーザーのみ、前記中間エリア3から前記第一エリア用昇降手段6への通行が許容される出入口であることを特徴とする。
【0013】
請求項4に記載の発明によれば、第一エリア用昇降手段6を通じて中間エリア3から第一エリア2へ進入できる者が、第一ユーザーに限定されるので、第一エリア2のセキュリティー強化を図ることができる。
【0014】
請求項5に記載の発明は、例えば
図2(b)に示すように、請求項1に記載の建物1において、
前記第一エリア2は、職場としてのオフィス22を含み、
前記オフィス22と前記シェアオフィス31は、同一の階層に設けられていることを特徴とする。
【0015】
請求項5に記載の発明によれば、シェアオフィス31だけでなく、オフィス22も、住居21と共在することとなるので、職住一体、職住近接を実現でき、ユーザーの負担を軽減できる。
また、シェアオフィス31をオフィス22のフリースペースとして利用でき、さらに、シェアオフィス31は、オフィス22と同一の階層に設けられていて、オフィス22からのアクセスが容易であるので、使い勝手の良いフリースペースを備えた斬新な職場(オフィス22)を提供することができる。
【0016】
請求項6に記載の発明は、例えば
図5(b)に示すように、請求項1に記載の建物1において、
前記中間エリア3は、職場としてのオフィス32を含み、
前記オフィス32と前記シェアオフィス31は、同一の階層に設けられていることを特徴とする。
【0017】
請求項6に記載の発明によれば、シェアオフィス31だけでなく、オフィス32も、住居21と共在することとなるので、職住一体、職住近接を実現でき、ユーザーの負担を軽減できる。
また、シェアオフィス31をオフィス32のフリースペースとして利用でき、さらに、シェアオフィス31は、オフィス32と同一の階層に設けられていて、オフィス32からのアクセスが容易であるので、使い勝手の良いフリースペースを備えた斬新な職場(オフィス32)を提供することができる。
【0018】
請求項7に記載の発明によれば、例えば
図1~
図8に示すように、請求項1に記載の建物1において、
前記第一エリア用昇降手段6として、第一エリア用階段6aと第一エリア用エレベーター6bを備え、
前記中間エリア用昇降手段8として、中間エリア用階段8aを備えることを特徴とする。
【0019】
請求項7に記載の発明によれば、上階側の階層に設けられた第一エリア2へアクセスするための手段として、エレベーターと階段を選択することができるので、使い勝手が良い。
【0020】
請求項8に記載の発明は、例えば
図1~
図8に示すように、請求項1に記載の建物1において、
前記住居21は、少なくともデスクと椅子を備えたワークスペースWSを有することを特徴とする。
【0021】
請求項8に記載の発明によれば、住居21には、予めワークスペースWSが設置されているので、ユーザーの負担を軽減できる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、住居と、シェアオフィスと、シェアオフィスよりも公共性の高い施設が共在した、容易にセキュリティーを確保できる使い勝手の良い建物を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図2】実施例1の建物の1階部分及び2階部分を示す平断面図である。
【
図3】実施例1の建物の3階部分及び4階部分を示す平断面図である。
【
図4】実施例1の建物の5階部分及び5.5階部分を示す平断面図である。
【
図5】実施例2の建物の1階部分及び2階部分を示す平断面図である。
【
図6】実施例3の建物の1階部分及び2階部分を示す平断面図である。
【
図7】実施例3の建物の3階部分、4階部分及び5階部分を示す平断面図である。
【
図8】実施例3の建物の変形例を示す図であって、1階部分及び2階部分を示す平断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。ただし、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の技術的範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
【0025】
<基本構成>
図1において符号1は、建物を示す。この建物1は、5階建ての中層建築物である。なお、建物1は、5階建ての中層建築物に限定されるものではなく、3階建て以上の中高層建築物であればよい。
図1に示すように、建物1は、上階側に位置する階層に設けられた第一エリア2と、地上階を含む階層に設けられた第二エリア4と、第一エリア2と第二エリア4の間の階層に設けられた中間エリア3と、を備えている。
【0026】
第一エリア2は、少なくとも住居21を含むエリアであり、第一エリア2を利用する第一ユーザーのみ滞在が許可されるエリアである。すなわち、第一ユーザーは、住居21の住人(及び住人が滞在を許可した者)である。なお、第一エリア2には、職場としてのオフィス22が含まれていてもよく、その場合には、第一ユーザーは、住居21の住人の他に、オフィス22で勤務する者を含む。
なお、本実施形態では、建物1の3階~5階に第一エリア2を設けているが、これに限られるものではない。すなわち、第一エリア2は、第二エリア4よりも上階側に位置する階層に設けられたエリアであればよく、また、一の階層に設けられたエリアであってもよいし、複数の階層に跨って設けられたエリアであってもよい。
【0027】
中間エリア3は、少なくともシェアオフィス31を含むエリアであり、第一エリア2を利用する第一ユーザーと、中間エリア3を利用する第三ユーザーと、のみ滞在が許可されるエリアである。ここで、第三ユーザーは、シェアオフィス31の会員(ただし第一ユーザーを除く)である。すなわち、中間エリア3のシェアオフィス31は、会員でなくても、第一ユーザーであれば利用可能となっている。なお、中間エリア3には、職場としてのオフィス32が含まれていてもよく、その場合には、第三ユーザーは、シェアオフィス31の会員の他に、オフィス32で勤務する者を含む。
【0028】
なお、中間エリア3のシェアオフィス31は、会員制のシェアオフィスに限られるものではなく、一時利用可能なシェアオフィスであってもよい。すなわち、第三ユーザーは、シェアオフィス31の利用許可を得ている者(ただし第一ユーザーを除く)であればよい。
また、本実施形態では、建物1の2階に中間エリア3を設けているが、これに限られるものではない。すなわち、中間エリア3は、第一エリア2と第二エリア4の間の階層に設けられたエリアであればよく、また、一の階層に設けられたエリアであってもよいし、複数の階層に跨って設けられたエリアであってもよい。
【0029】
第二エリア4は、シェアオフィス31よりも公共性の高い施設(共用部41や店舗42など)を含むエリアであり、第一エリア2を利用する第一ユーザーと、中間エリア3を利用する第三ユーザーと、第二エリア4を利用する第二ユーザーと、の滞在が許可されるエリアである。第二ユーザーは、第一ユーザー及び第三ユーザーのいずれでもない者である。すなわち、第二エリア4は、全ての人が利用可能となっている。
【0030】
なお、第二エリア4に含まれる店舗42が、会員制の店舗である場合には、当該店舗42を利用するユーザー(第二ユーザー)は、当該店舗42の会員に限定してもよい。すなわち、第二エリア4は、全ての人が利用可能でない場合もある。また、会員制の店舗は、中間エリア3に含まれるものとしてもよく、その場合は、第二エリア4は全ての人が利用可能となる。
また、本実施形態では、建物1の1階に第二エリア4を設けているが、これに限られるものではない。すなわち、第二エリア4は、地上階(1階)を含む階層に設けられたエリアであればよく、また、一の階層に設けられたエリアであってもよいし、複数の階層に跨って設けられたエリアであってもよい。
【0031】
第二エリア4(店舗42等)は、建物1の外部と、第二外部出入口5bを通じて行き来可能となっている。すなわち、建物1は、外部と第二エリア4(店舗42等)を連通する出入口として、第二外部出入口5bを備えている。
また、建物1の1階には、第二エリア4(共用部41や店舗42など)の他に、エントランス11が設けられており、エントランス11は、建物1の外部と、第一外部出入口5aを通じて行き来可能となっている。すなわち、建物1は、外部とエントランス11を連通する出入口として、第一外部出入口5aを備えている。そして、エントランス11の奥には、第一エリア用昇降手段6が設けられている。したがって、第一外部出入口5aは、外部と第一エリア用昇降手段6を連通する出入口と言い換えることができる。
【0032】
建物1は、1階から5階まで(地上階から第一エリア2まで)続く第一エリア用昇降手段6を備えている。また、建物1の3階~5階にはそれぞれ、第一エリア用昇降手段6と第一エリア2を連通する第一エリア用出入口7が設けられている。
なお、第一エリア用出入口7は、特定のユーザー(例えば第一ユーザー)のみ、第一エリア用昇降手段6側から第一エリア2側への通行が許容される出入口であってもよい。すなわち、第一エリア用出入口7は、第一エリア用昇降手段6側から第一エリア2側への通行に鍵が必要で、逆方向の通行(第一エリア2側から第一エリア用昇降手段6側への通行)に鍵が不要な出入口であってもよい。鍵は、差込式、接触式、非接触式、生体認証式、暗証番号式等、適宜選択可能である。
あるいは、第一エリア用出入口7は、特定のユーザーのみ、第一エリア用昇降手段6側から第一エリア2側への通行、及び第一エリア2側から第一エリア用昇降手段6側への通行の少なくとも一方が許容される出入口であってもよい。
【0033】
建物1は、1階から2階まで(地上階から中間エリア3まで)続く中間エリア用昇降手段8を備えている。また、建物1の2階には、第一エリア用昇降手段6と中間エリア3を連通する中間エリア用出入口9が設けられている。
なお、中間エリア用出入口9は、特定のユーザー(例えば第一ユーザー)のみ、中間エリア3側から第一エリア用昇降手段6側への通行が許容される出入口であってもよい。すなわち、中間エリア用出入口9は、中間エリア3側から第一エリア用昇降手段6側への通行に鍵が必要で、逆方向の通行(第一エリア用昇降手段6側から中間エリア3側への通行)に鍵が不要な出入口であってもよい。鍵は、差込式、接触式、非接触式、生体認証式、暗証番号式等、適宜選択可能である。
あるいは、中間エリア用出入口9は、特定のユーザーのみ、第一エリア用昇降手段6側から中間エリア3側への通行、及び中間エリア3側から第一エリア用昇降手段6側への通行の少なくとも一方が許容される出入口であってもよい。
【0034】
第一エリア用昇降手段6は、階段(第一エリア用階段6a)であってもよいし、エレベーター(第一エリア用エレベーター6b)であってもよい。
第一エリア用昇降手段6が階段である場合には、当該階段が設置されている階段室の出入口を、第一エリア用出入口7や中間エリア用出入口9としてもよい。
また、第一エリア用昇降手段6がエレベーターである場合には、当該エレベーター内とエレベーターホールを連通する出入口を、第一エリア用出入口7や中間エリア用出入口9としてもよい。
【0035】
第一エリア用出入口7を、特定のユーザーのみ通行可能にする手法は、適宜選択可能である。
例えば、第一エリア用出入口7に、特定のユーザーのみが通過可能に設定されたセキュリティーゲートを設置する手法(第一手法)であってもよい。
また、第一エリア用出入口7に、特定のユーザーのみがロック解除可能に設定されたセキュリティーロックを有するドア、すなわちロック解除に鍵が必要なセキュリティーロックを有するドア)を設置する第二手法であってもよい。
また、第一エリア用昇降手段6がエレベーターである場合であって、第一エリア用出入口7が当該エレベーター内とエレベーターホールを連通する出入口である場合には、当該エレベーターに、特定のユーザーのみが操作可能に設定された操作盤(階層ボタン等)を設置する手法(第三手法)であってもよい。
【0036】
中間エリア用出入口9を、特定のユーザーのみ通行可能にする手法も、適宜選択可能であり、例えば、前記第一手法と同様の手法であってもよいし、前記第二手法と同様の手法であってもよいし、前記第三手法と同様の手法であってもよい。
また、後述する実施例では、第一エリア用出入口7及び中間エリア用出入口9以外の出入口うち、特定のユーザーのみが通行可能な出入口(出入口5a,22a,15,32a,5c,19等)についても説明する。第一エリア用出入口7及び中間エリア用出入口9以外の出入口を、特定のユーザーのみ通行可能にする手法も、適宜選択可能であり、例えば、前記第一手法と同様の手法であってもよいし、前記第二手法と同様の手法であってもよいし、前記第三手法と同様の手法であってもよい。
なお、第一エリア用出入口7や中間エリア用出入口9などの、特定のユーザーのみ通行可能な出入口は、非常時(例えば建物1の火災時)には、特定のユーザー以外も通行可能な非常時モードに切り替わることが好ましい。
【0037】
本実施形態においては、
図1に示すように、建物1の1階には、第一ユーザーと第二ユーザーと第三ユーザーがアクセスできるエリア(利用者を限定しないエリア、公共性の高いエリア)である第二エリア4が設けられている。具体的には、建物1の1階には、第二エリア4として、ピロティ等の共用部41や、カフェ等の店舗42などが設けられている。
また、建物1の2階には、第一ユーザーと第三ユーザーのみがアクセスできるエリア(第二エリア4よりも利用者が限定されたエリア)である中間エリア3が設けられている。具体的には、建物1の2階には、中間エリア3として、シェアオフィス31が設けられている。また、中間エリア3には、シェアオフィス31に代えて(あるいは加えて)、コワーキングスペースが含まれていてもよい。
【0038】
また、建物1の3階~5階には、第一ユーザーのみがアクセスできるエリア(中間エリア3よりも利用者が限定されたエリア)である第一エリア2が設けられている。具体的には、建物1の3階~5階には、第一エリア2として、住居21が複数設けられている。なお、第一エリア2に含まれる住居21は複数でなくてもよい。すなわち、一の建物1に対し、複数の住居21が設けられていてもよいし、一の住居21が設けられていてもよい。
【0039】
住居21やシェアオフィス31は、少なくともデスクと椅子を備えたワークスペースWSを有している。すなわち、第一エリア2と中間エリア3は、ワークスペースWSを具備している。なお、
図1に示すように、一の建物1に対し複数の住居21が設けられている場合には、当該複数の住居21のうち少なくとも一つがワークスペースWSを有していればよい。
第二エリア4は、必ずしもワークスペースWSを具備していないが、店舗42の営業形態等によっては、ワークスペースWSとして利用可能なデスク(テーブル)及び椅子を備えている場合がある。
【0040】
また、職場としてのオフィスは、第一エリア2に含まれていてもよいし、中間エリア3に含まれていてもよい。職場としてのオフィスは、シェアオフィス31よりも利用者が限定されたエリアであるので、シェアオフィス31を基準に分類するのであれば、職場としてのオフィス22は第一エリア2に含まれる。また、職場としてのオフィスは、住居21よりも利用者が限定されていないエリアであるので、住居21を基準に分類するのであれば、職場としてのオフィス32は中間エリア3に含まれる。
【0041】
住居21等を含む第一エリア2、シェアオフィス31等を含む中間エリア3、及び店舗42等を含む第二エリア4のうち、第一エリア2が最も公共性が低く、第二エリア4が最も公共性が高い。したがって、第一エリア2は、プライベートエリア(プライベートゾーン)と言い換えることができ、第二エリア4は、パブリックエリア(パブリックゾーン)と言い換えることができる。また、中間エリア3は、第一エリア2よりも公共性が高く、第二エリア4よりも公共性が低いので、セミパブリックエリア(セミパブリックゾーン)と言い換えることができる。
このように、本実施形態の建物1には、プライベートエリアである第一エリア2(3階~5階)と、パブリックエリアである第二エリア4(1階)と、の間にセミパブリックエリアである中間エリア3(2階)が設けられており、
図1に示すように、上層階から下層階に向けて徐々に公共性が高くなっている。
【0042】
また、近年、サードプレイスという概念が注目されている。ファーストプレイスは自宅を指し、セカンドプレイスは職場(学校)を指す。サードプレイスは、自宅でも職場(学校)でもない、自分にとって心地の良い時間を過ごせる第3の場所を指す。また、このようなサードプレイスの概念を、働く場所にも応用したサードプレイスオフィスも、働き方改革の浸透とともに世間に周知されつつある(例えば特開2022-011641号公報)。
本実施形態における住居21は、ファーストプレイスに相当し、本実施形態におけるオフィス22,32は、セカンドプレイスに相当する。また、本実施形態におけるシェアオフィス31は、サードプレイスオフィスに相当する。したがって、第一エリア2にオフィス22が含まれる場合、あるいは中間エリア3にオフィス32が含まれる場合には、一の建物1に、ファーストプレイス、セカンドプレイス、サードプレイスの全てが設けられることとなる。
【0043】
<実施例>
以下、建物1の実施例について説明する。上記の基本構成と共通する要素については、共通の符号を付し、説明を省略又は簡略する。なお、以下の実施例及び図示例における方角(東西南北)は、あくまでも説明の便宜上設定したものである。
【0044】
<実施例1>
図2~
図4を参照して、実施例1を説明する。
本実施例の建物1には、1階に第二エリア4に含まれる店舗42が設けられており、2階に中間エリア3に含まれるシェアオフィス31と第一エリア2に含まれるオフィス22が設けられており、3階以上に第一エリア2に含まれる住居21が設けられている。
【0045】
具体的には、本実施例においては、
図2(a)に示すように、1階に、第二エリア4に含まれる共用部41及び店舗42が設けられている。共用部41は、建物1の南側(正面側)に位置している。また、店舗42が二つ設けられており、一方の店舗42は、建物1の西側に位置しており、他方の店舗42は、建物1の東側に位置している。
共用部41と西側の店舗42の間には、建物1の外部と西側の店舗42を連通する第二外部出入口5bが設けられている。また、共用部41と東側の店舗42の間には、建物1の外部と東側の店舗42を連通する第二外部出入口5bが設けられている。
【0046】
また、1階には、エントランス11が設けられている。エントランス11は、西側の店舗42と東側の店舗42の間に位置している。共用部41とエントランス11の間には、建物1の外部とエントランス11を連通する第一外部出入口5aが設けられている。エントランス11を北に進んだ先の東側には、第一エリア用昇降手段6として、5階まで続く第一エリア用階段6a及び第一エリア用エレベーター6bが設けられている。
【0047】
西側の店舗42には、中間エリア用昇降手段8として、2階のシェアオフィス31まで続く中間エリア用階段8aが設けられている。これにより、西側の店舗42からシェアオフィス31へ直接アクセスできるようになっている。なお、本実施例のシェアオフィス31は、会員制のシェアオフィスでなくてもよく、例えば、西側の店舗42(例えばカフェ)で物品を購入した者が利用可能なシェアオフィスであってもよい。
東側の店舗42と第一エリア用昇降手段6の間には、廊下(エレベータホールを含む)12が設けられている。
第一外部出入口5aは、特定のユーザーとして第一ユーザーのみ、共用部41からエントランス11への通行が可能となっている。また、東側の店舗42は、廊下12と隣接しているが、行き来は不可とされている。すなわち、第一エリア用昇降手段6は、第一ユーザーのみが使用可能となっている。
なお、第一外部出入口5aは、逆方向の通行(エントランス11から共用部41への通行)にも鍵が必要であってよい。
【0048】
図2(b)に示すように、2階には、中間エリア3に含まれるシェアオフィス31及びインナーテラス33が設けられている。シェアオフィス31及びインナーテラス33は、建物1の西側(西側の店舗42の上方)に位置している。
また、2階には、第一エリア2に含まれる職場としてのオフィス22が設けられている。オフィス22は、建物1の東側(東側の店舗42の上方)に位置している。オフィス22と第一エリア用昇降手段6の間には、廊下(エレベータホールを含む)13が設けられており、オフィス22と廊下13の間には、オフィス22と廊下13を連通する出入口22aが設けられている。オフィス22の出入口22aは、特定のユーザーとしてオフィス22の利用者のみ、廊下13からオフィス22への通行が可能となっている。なお、逆方向の通行(オフィス22から廊下13への通行)にも鍵が必要であってよい。
【0049】
廊下13はシェアオフィス31まで続いており、廊下13とシェアオフィス31の境界には、第一エリア用昇降手段6と中間エリア3を連通する中間エリア用出入口9が設けられている。中間エリア用出入口9は、特定のユーザーとして第一ユーザーのみ、シェアオフィス31から廊下13への通行が可能となっている。なお、逆方向に通行(廊下13からシェアオフィス31への通行)にも鍵が必要であってよい。
【0050】
図3及び
図4に示すように、3階~5階には、第一エリア2に含まれる住居21が設けられている。すなわち、3階~5階は第一エリア2として住居ゾーンが設けられており、住居ゾーンの下層部分(3階、4階)は賃貸住居区画とされており、上層部分(5階)はオーナー住居区画とされている。すなわち、上層部分(5階)は、下層部分(3階、4階)よりも利用者が限定されたエリアとなっている。
【0051】
図3に示すように、賃貸住居区画(3階、4階)には、3つの住居21が設けられている。具体的には、3階に設けられたフラットタイプの住居21と、4階に設けられたフラットタイプの住居21と、3階と4階に跨って設けられたメゾネットタイプの住居21が設けられている。3階に設けられたフラットタイプの住居21には、ワークスペースWSが設置されている。
図4に示すように、オーナー住居区画(5階)には、スキップフロア(5.5階)を有する住居21が設けられている。このスキップフロアには、ワークスペースWSが設置されている。
【0052】
3階~5階のそれぞれにおいて、住居21と第一エリア用昇降手段6の間には、廊下(エレベータホールを含む)14が設けられており、第一エリア用昇降手段6と廊下14の間には、第一エリア用昇降手段6と第一エリア2を連通する第一エリア用出入口7が設けられている。第一エリア用出入口7は、特定のユーザーとして住居21の利用者のみ、第一エリア用昇降手段6から廊下14への通行が可能となっている。なお、逆方向の通行(廊下14から第一エリア用昇降手段6への通行)にも鍵が必要であってよい。
【0053】
本実施例においては、第一エリア用階段6aが設置されている階段室の出入口(3階~5階にある出入口)が、第一エリア用出入口7とされている。そして、3階~5階にある階段室の出入口には、例えば、住居21の利用者のみがロック解除可能に設定されたセキュリティーロックを有するドア(図示省略)が設置されている。
また、第一エリア用エレベーター6b内と廊下14を連通する出入口も、第一エリア用出入口7とされている。そして、第一エリア用エレベーター6bには、例えば、住居21の利用者のみが住居ゾーン(3階~5階)の階層ボタンを押下可能に設定された操作盤(図示省略)が設置されている。
【0054】
第一ユーザーである、住居21の利用者(住居21の住人等)及びオフィス22の利用者(オフィス22で勤務する者等)は、中間エリア用階段8aを用いて、1階とシェアオフィス31の間を行き来することができる。
また、第一ユーザーは、第一エリア用階段6aや第一エリア用エレベーター6bを用いて、1階とオフィス22の間を行き来することができる。
また、第一ユーザーは、中間エリア用出入口9を通行可能であるので、中間エリア用階段8aを用いて1階とオフィス22の間を行き来したリ、第一エリア用階段6aや第一エリア用エレベーター6bを用いて1階とシェアオフィス31の間を行き来することができる。
【0055】
また、第一ユーザーのうち、住居21の利用者は、第一エリア用出入口7を通行可能であるので、第一エリア用階段6aや第一エリア用エレベーター6bを用いて、1階(あるいは2階)と住居ゾーンの間を行き来することができる。
一方、第一ユーザーのうち、オフィス22の利用者は、第一エリア用出入口7を通行できないので、住居ゾーンへ進入することができない。本実施例では、第一エリア用昇降手段6は、住居21の利用者だけでなく、オフィス22の利用者も使用可能であるが、第一エリア用出入口7の通行に制限を設けて、オフィス22の利用者が住居ゾーンへ進入することを防止することで、住居ゾーンのセキュリティー強化を図っている。
なお、第一エリア用エレベーター6bを複数基設けて、複数基のうちいずれかを、住居21の利用者のみが使用可能なエレベーターとし、残りを、オフィス22の利用者のみが使用可能なエレベーターとしてもよい。
【0056】
第三ユーザーである、シェアオフィス31の利用者は、中間エリア用階段8aを用いて、1階とシェアオフィス31の間を行き来することができる。
第二ユーザー及び第三ユーザーは、中間エリア用出入口9を通行できない。また、第二ユーザー及び第三ユーザーは、第一外部出入口5aを通行できないので、第一エリア用階段6aや第一エリア用エレベーター6bを使用することができない。したがって、第二ユーザー及び第三ユーザーは、オフィスゾーン(2階の東側)や住居ゾーン(3階~5階)へ進入することができない。
このように、本実施例では、中間エリア用出入口9や第一外部出入口5aの通行に制限を設けて、第一ユーザー以外(第二ユーザー及び第三ユーザー)が住居ゾーンやオフィスゾーンへ進入することを防止することで、住居ゾーンやオフィスゾーンのセキュリティー強化を図っている。
【0057】
なお、第三ユーザーがシェアオフィス31へ行くために、第二エリア4側からのルート(中間エリア用階段8aを使用するルート)だけでなく、第一エリア2側からのルート(第一エリア用昇降手段6を使用するルート)も利用できるようにしてもよい。また、第一エリア2側からのルートは、さらに、オフィスゾーン側からのルートと、住居ゾーン側からのルートに分かれていてもよい。
また、第三ユーザーが使用可能な昇降手段(中間エリア用昇降手段8)として、中間エリア用階段8aに加えて(あるいは代えて)、中間エリア用エレベーターを設けてもよい。
【0058】
<実施例2>
図5を参照して、実施例2を説明する。
本実施例の建物1は、主に、職場としてのオフィスが、第一エリア2ではなく、中間エリア3に含まれる点が実施例1と異なる。以下、実施例1と異なる点を中心に説明する。
本実施例の建物1には、1階に第二エリア4に含まれる店舗42が設けられており、2階に中間エリア3に含まれるシェアオフィス31と中間エリア3に含まれるオフィス32が設けられており、3階以上に第一エリア2に含まれる住居21が設けられている。
【0059】
本実施例においては、
図5(a)に示すように、1階のエントランス11に、中間エリア用昇降手段8として、2階まで続く中間エリア用階段8aが設けられている。したがって、第一ユーザー(住居21の利用者)だけでなく、第三ユーザー(シェアオフィス31やオフィス32の利用者)もエントランス11を使用する。そのため、第一外部出入口5aは、特定のユーザーとして第一ユーザー及び第三ユーザーのみ、共用部41からエントランス11への通行が可能となっている。なお、逆方向の通行(エントランス11から共用部41への通行)にも鍵が必要であってよい。
【0060】
また、
図5(a)に示すように、東側の店舗42と第一エリア用昇降手段6の間に設けられている廊下12と、エントランス11を連通する出入口15にはドアが設けられており、出入口15は、特定のユーザーとして第一ユーザーのみ、エントランス11から廊下12への通行が可能となっている。また、東側の店舗42は、廊下12と隣接しているが、行き来は不可とされている。これにより、第一ユーザーのみが第一エリア用昇降手段6を使用可能となっている。
なお、出入口15は、逆方向の通行(廊下12からエントランス11への通行)にも鍵が必要であってよい。
【0061】
図5(b)に示すように、2階には、中間エリア3に含まれるシェアオフィス31、職場としてのオフィス32、及びサンルーム34が設けられている。オフィス32と第一エリア用昇降手段6の間に設けられている廊下13と、オフィス32の間には、オフィス32と廊下13を連通する出入口32aが設けられている。オフィス32の出入口32aは、特定のユーザーとしてオフィス32の利用者のみ、廊下13からオフィス32への通行が可能となっている。なお、逆方向の通行(オフィス32から廊下13への通行)にも鍵が必要であってよい。
【0062】
また、第一エリア用昇降手段6と廊下13の間には、第一エリア用昇降手段6と中間エリア3を連通する中間エリア用出入口9が設けられている。中間エリア用出入口9は、特定のユーザーとして第一ユーザーのみ、廊下13から第一エリア用昇降手段6への通行が可能となっている。なお、逆方向に通行(第一エリア用昇降手段6から廊下13への通行)にも鍵が必要であってよい。
本実施例においては、第一エリア用階段6aが設置されている階段室の出入口(2階にある出入口)が、中間エリア用出入口9とされている。そして、2階にある階段室の出入口には、例えば、第一ユーザー(住居21の利用者)のみがロック解除可能に設定されたセキュリティーロックを有するドアが設置されている。
また、第一エリア用エレベーター6b内と廊下13を連通する出入口も、中間エリア用出入口9とされている。そして、第一エリア用エレベーター6bには、例えば、第一ユーザー(住居21の利用者)のみが階層ボタンを押下可能に設定された操作盤(図示省略)が設置されている。
そして、図示はしないが、実施例1の建物1と同様に、3階~5階には、第一エリア2に含まれる住居21が設けられている。
【0063】
第一ユーザーである、住居21の利用者(住居21の住人等)は、中間エリア用階段8aを用いて、1階と2階の間を行き来することができる。
また、第一ユーザーは、中間エリア用出入口9を通行可能であるので、第一エリア用階段6aや第一エリア用エレベーター6bを用いて、1階と2階の間を行き来することができる。
また、第一ユーザーは、第一エリア用出入口7を通行可能であるので、第一エリア用階段6aや第一エリア用エレベーター6bを用いて、1階(あるいは2階)と住居ゾーンの間を行き来することができる。
【0064】
第三ユーザーである、シェアオフィス31の利用者及びオフィス32の利用者(オフィス32で勤務する者等)は、中間エリア用階段8aを用いて、1階と2階の間を行き来することができる。
第二ユーザー及び第三ユーザーは、中間エリア用出入口9を通行できない。また、第二ユーザー及び第三ユーザーは、出入口15を通行できないので、第一エリア用階段6aや第一エリア用エレベーター6bを使用することができない。したがって、第二ユーザー及び第三ユーザーは、第一エリア用階段6aや第一エリア用エレベーター6bを用いて1階と2階の間を行き来したり、住居ゾーン(3階~5階)へ進入したりすることができない。
このように、本実施例では、中間エリア用出入口9や出入口15の通行に制限を設けて、第一ユーザー以外(第二ユーザー及び第三ユーザー)が住居ゾーンへ進入することを防止することで、住居ゾーンのセキュリティー強化を図っている。
【0065】
なお、第三ユーザーが2階へ行くために、中間エリア用階段8aを使用するルートだけでなく、第一エリア用昇降手段6を使用するルートも利用できるようにしてもよい。また、その際、第一エリア用昇降手段6を使用するルートを利用できる者を、第三ユーザーのうちオフィス32の利用者のみに限定してもよい。
また、第三ユーザーが使用可能な昇降手段(中間エリア用昇降手段8)として、中間エリア用階段8aに加えて(あるいは代えて)、中間エリア用エレベーターを設けてもよい。
【0066】
<実施例3>
図6~
図8を参照して、実施例3を説明する。
本実施例の建物1には、1階に第二エリア4に含まれる店舗42が設けられており、2階に中間エリア3に含まれるシェアオフィス31が設けられており、3階以上に第一エリア2に含まれる住居21が設けられている。
【0067】
具体的には、本実施例においては、
図6(a)に示すように、1階に、第二エリア4に含まれる共用部41及び店舗42が設けられている。共用部41は、建物1の南側(正面側)に位置している。共用部41と店舗42の間には、建物1の外部と店舗42を連通する第二外部出入口5bが設けられている。
【0068】
また、1階には、共用部41と連続するスロープ16が設けられている。スロープ16は、建物1の東側に位置している。スロープ16は、共用部41の一部であってもよい。すなわち、スロープ16は、第二エリア4に含まれていてもよい。
スロープ16を北に進んだ先の西側には、エントランス11が設けられている。エントランス11は、建物1の北側に位置している。スロープ16とエントランス11の間には、建物1の外部とエントランス11を連通する第一外部出入口5aが設けられている。エントランス11の奥には、第一エリア用昇降手段6として、5階まで続く第一エリア用階段6a及び第一エリア用エレベーター6bが設けられている。
【0069】
店舗42には、中間エリア用昇降手段8として、2階のシェアオフィス31まで続く中間エリア用階段8aが設けられている。これにより、店舗42からシェアオフィス31へ直接アクセスできるようになっている。なお、本実施例のシェアオフィス31は、会員制のシェアオフィスでなくてもよく、例えば、店舗42(例えばカフェ)で物品を購入した者が利用可能なシェアオフィスであってもよい。
店舗42と第一エリア用昇降手段6の間には、廊下(エレベータホールを含む)17が設けられている。
第一外部出入口5aは、特定のユーザーとして第一ユーザーのみ、スロープ16からエントランス11への通行が可能となっている。また、店舗42は、廊下17と隣接しているが、行き来は不可とされている。すなわち、第一エリア用昇降手段6は、第一ユーザーのみが使用可能となっている。
なお、第一外部出入口5aは、逆方向の通行(エントランス11からスロープ16への通行)にも鍵が必要であってよい。
【0070】
図6(b)に示すように、2階には、中間エリア3に含まれるシェアオフィス31が設けられている。シェアオフィス31と第一エリア用昇降手段6の間には、廊下(エレベータホールを含む)18が設けられており、第一エリア用昇降手段6と廊下18の間には、第一エリア用昇降手段6と中間エリア3を連通する中間エリア用出入口9が設けられている。中間エリア用出入口9は、特定のユーザーとして第一ユーザーのみ、廊下18から第一エリア用昇降手段6への通行が可能となっている。なお、逆方向の通行(第一エリア用昇降手段6から廊下18への通行)にも鍵が必要であってよい。
【0071】
本実施例においては、第一エリア用階段6aが設置されている階段室の出入口(2階にある出入口)が、中間エリア用出入口9とされている。そして、2階にある階段室の出入口には、例えば、第一ユーザー(住居21の利用者)のみがロック解除可能に設定されたセキュリティーロックを有するドア(図示省略)が設置されている。
また、第一エリア用エレベーター6b内と廊下18を連通する出入口も、中間エリア用出入口9とされている。そして、第一エリア用エレベーター6bには、例えば、第一ユーザー(住居21の利用者)のみが階層ボタンを押下可能に設定された操作盤(図示省略)が設置されている。
【0072】
図7に示すように、3階~5階には、第一エリア2に含まれる住居21が設けられている。すなわち、3階~5階は第一エリア2として住居ゾーンが設けられている。なお、住居ゾーンは、下層部分(3階、4階)が賃貸住居区画とされており、上層部分(5階)がオーナー住居区画とされていてもよい。すなわち、上層部分(5階)を、下層部分(3階、4階)よりも利用者が限定されたエリアとしてもよい。
住居ゾーン(3階~5階)には、4つの住居21が設けられている。具体的には、3階に設けられたフラットタイプの住居21と、4階に設けられたフラットタイプの住居21と、5階に設けられたフラットタイプの住居21と、3階と4階に跨って設けられたメゾネットタイプの住居21が設けられている。4階に設けられたフラットタイプの住居21には、ワークスペースWSが設置されている。
【0073】
3階~5階のそれぞれにおいて、住居21と第一エリア用昇降手段6の間には、廊下14が設けられており、第一エリア用昇降手段6と廊下14の間には、第一エリア用昇降手段6と第一エリア2を連通する第一エリア用出入口7が設けられている。第一エリア用出入口7は、特定のユーザーとして第一ユーザー(住居21の利用者)のみ、第一エリア用昇降手段6から廊下14への通行が可能となっている。なお、逆方向の通行(廊下14から第一エリア用昇降手段6への通行)にも鍵が必要であってよい。
【0074】
本実施例においては、第一エリア用階段6aが設置されている階段室の出入口(3階~5階にある出入口)が、第一エリア用出入口7とされている。そして、3階~5階にある階段室の出入口には、例えば、第一ユーザー(住居21の利用者)のみがロック解除可能に設定されたセキュリティーロックを有するドア(図示省略)が設置されている。
また、第一エリア用エレベーター6b内と廊下14を連通する出入口も、第一エリア用出入口7とされている。そして、第一エリア用エレベーター6bには、例えば、第一ユーザー(住居21の利用者)のみが住居ゾーン(3階~5階)の階層ボタンを押下可能に設定された操作盤(図示省略)が設置されている。
【0075】
第一ユーザーである、住居21の利用者(住居21の住人等)は、中間エリア用階段8aを用いて、1階とシェアオフィス31の間を行き来することができる。
また、第一ユーザーは、中間エリア用出入口9を通行可能であるので、第一エリア用階段6aや第一エリア用エレベーター6bを用いて、1階とシェアオフィス31の間を行き来することができる。
また、第一ユーザーは、第一エリア用出入口7を通行可能であるので、第一エリア用階段6aや第一エリア用エレベーター6bを用いて、1階(あるいは2階)と住居ゾーンの間を行き来することができる。
【0076】
第三ユーザーである、シェアオフィス31の利用者は、中間エリア用階段8aを用いて、1階とシェアオフィス31の間を行き来することができる。
第二ユーザー及び第三ユーザーは、中間エリア用出入口9を通行できない。また、第二ユーザー及び第三ユーザーは、第一外部出入口5aを通行できないので、第一エリア用階段6aや第一エリア用エレベーター6bを使用することができない。したがって、第二ユーザー及び第三ユーザーは、第一エリア用階段6aや第一エリア用エレベーター6bを用いて1階とシェアオフィス31の間を行き来したり、住居ゾーン(3階~5階)へ進入したりすることができない。
このように、本実施例では、中間エリア用出入口9や第一外部出入口5aの通行に制限を設けて、第一ユーザー以外(第二ユーザー及び第三ユーザー)が住居ゾーンへ進入することを防止することで、住居ゾーンのセキュリティー強化を図っている。
【0077】
なお、第三ユーザーがシェアオフィス31へ行くために、第二エリア4側からのルート(中間エリア用階段8aを使用するルート)だけでなく、第一エリア2側からのルート(第一エリア用昇降手段6を使用するルート)も利用できるようにしてもよい(
図8参照)。
また、第三ユーザーが利用可能な昇降手段(中間エリア用昇降手段8)として、中間エリア用階段8aに加えて(あるいは代えて)、中間エリア用エレベーターを設けてもよい。
【0078】
図8に、実施例3の変形例を示す。本変形例では、第三ユーザーがシェアオフィス31へ行くために、中間エリア用階段8aを使用するルートだけでなく、第一エリア用昇降手段6を使用するルートも利用可能となっている。
具体的には、本変形例においては、
図8(a)に示すように、1階に、建物1の外部と第一エリア用昇降手段6を連通する出入口として、第一外部出入口5aの他に、第三外部出入口5cが設けられている。
第一外部出入口5aは、特定のユーザーとして第一ユーザーのみ、スロープ16からエントランス11への通行が可能となっている。なお、逆方向の通行(エントランス11からスロープ16への通行)にも鍵が必要であってよい。
また、第三外部出入口5cは、特定のユーザーとして第一ユーザー及び第三ユーザーのみ、スロープ16から廊下17への通行が可能となっている。なお、逆方向の通行(廊下17からスロープ16への通行)にも鍵が必要であってよい。
【0079】
また、エントランス11と廊下17を連通する出入口19にはドアが設けられており、出入口19は、特定のユーザーとして第一ユーザーのみ、廊下17からエントランス11への通行が可能となっている。なお、逆方向の通行(エントランス11から廊下17への通行)にも鍵が必要であってよい。
すなわち、本変形例では、廊下17には、第一ユーザーだけでなく第三ユーザーも進入可能であるが、エントランス11には、第一ユーザーだけが進入可能となっている。エントランス11には、住居ゾーン用のメールボックスが設置されているが、本変形例のように構成することで、メールボックスにアクセスできる者を、第一ユーザーのみに限定することができるので、住居ゾーンのセキュリティー強化を図ることができる。
【0080】
また、本変形例では、
図8(b)に示すように、2階には、第一エリア用昇降手段6と廊下18の間に、第一エリア用昇降手段6と中間エリア3を連通する中間エリア用出入口9が設けられている。本変形例の中間エリア用出入口9は、特定のユーザーのみ通行可能な出入口ではない。すなわち、本変形例の中間エリア用出入口9は、第一ユーザーだけでなく、第一ユーザー以外の者も通行(第一エリア用昇降手段6から廊下18への通行、及び廊下18から第一エリア用昇降手段6への通行)可能となっている。
なお、本変形例の中間エリア用出入口9は、特定のユーザーとして第一ユーザー及び第三ユーザーのみ、廊下18から第一エリア用昇降手段6への通行が可能となっていてもよい。さらに、逆方向の通行(第一エリア用昇降手段6から廊下18への通行)にも鍵が必要であってよい。
【0081】
<効果>
本実施形態によれば、以下のような優れた効果を奏する。
本実施形態の建物1は、シェアオフィス31を備えた建物であって、上階側の階層に設けられた第一エリア2と、地上階を含む階層に設けられた第二エリア4と、第一エリア2と第二エリア4の間の階層に設けられた中間エリア3と、外部と第一エリア2の間を行き来するための第一エリア用昇降手段6と、第二エリア4と中間エリア3の間を行き来するための中間エリア用昇降手段8と、を備え、第一エリア2は、少なくとも住居21を含み、中間エリア3は、少なくともシェアオフィス31を含み、第二エリア4は、シェアオフィス31よりも公共性の高い施設(共用部41や店舗42など)を含んでいる。
【0082】
したがって、建物1は、住居21と、シェアオフィス31と、シェアオフィス31よりも公共性の高い施設(共用部41や店舗42など)が共在した建物であるので、職住一体、職住近接を実現でき、ユーザーの負担を軽減できる。
また、住居21を含む第一エリア2と施設41,42を含む第二エリア4の間に、住居21よりも公共性が高く施設41,42よりも公共性が低いシェアオフィス31を含む中間エリア3が設けられている。すなわち、上層階から下層階に向けて徐々に公共性が高くなるように、プライベートエリアである第一エリア2と、セミプライベートエリア(セミパブリックエリア)である中間エリア3と、パブリックエリアである第二エリア4と、が建物1内に配置されているので、各エリアが混在している建物に比べて、使い勝手が良い。また、各エリアが混在している建物に比べて、プライベートエリアである第一エリア2や、セミプライベートエリアである中間エリア3のセキュリティーを容易に確保することができる。
【0083】
なお、中間エリア3の一部と、第一エリア2の一部と、は同一の階層(同一フロア)に設けることが可能である。また、例えば
図2(b)に示すように、中間エリア3の一部と、第二エリア4の一部と、は同一の階層(同一フロア)に設けることが可能である。すなわち、「第一エリア2と第二エリア4の間の階層に設けられた中間エリア3」は、「第一エリア2は設けられているが中間エリア3は設けられていない階層と、第二エリア4は設けられているが中間エリア3は設けられていない階層と、の間の階層に設けられた中間エリア3」を指す。
また、シェアオフィス31よりも公共性の高い施設は、共用部41や店舗42に限られるものではない。
【0084】
また、本実施形態の建物1において、第一エリア2は、第一エリア2を利用する第一ユーザーのみ滞在が許容されるエリアであり、中間エリア3は、中間エリア3を利用する第三ユーザーと、第一ユーザーのみ滞在が許容されるエリアであり、第二エリア4は、第二エリア4を利用する第二ユーザーと、第一ユーザーと、第三ユーザーの滞在が許容されるエリアである。
したがって、プライベートエリアである第一エリア2に滞在できる者が、第一ユーザーに限定されているので、第一エリア2のセキュリティー強化を図ることができる。
また、セミプライベートエリアである中間エリア3に滞在できる者が、第一ユーザーと第三ユーザーに限定されているので、中間エリア3のセキュリティー強化を図ることができる。
【0085】
また、本実施形態の建物1において、第一エリア2と第一エリア用昇降手段6は、第一エリア用出入口7を通じて行き来可能であり、第一エリア用出入口7は、第一ユーザーのみ、第一エリア用昇降手段6から第一エリア2への通行が許容される出入口であるように構成することができる。
すなわち、第一エリア用出入口7は、第一ユーザー用の鍵(第一ユーザーであることを証明するための手段)がないと、第一エリア用昇降手段6から第一エリア2への通行ができない。したがって、第一エリア用昇降手段6を通じて第一エリア2(プライベートエリア)へ進入できる者が、第一ユーザーに限定されるので、第一エリア2のセキュリティー強化を図ることができる。
また、第一エリア用出入口7は、第一ユーザー用の鍵がなくても、第一エリア2から第一エリア用昇降手段6への通行は可能であるので、第一ユーザーは、鍵を用意することなく、第一エリア2(住居21等)から第一エリア用昇降手段6を利用でき、使い勝手が良い。
【0086】
また、本実施形態の建物1において、中間エリア3と第一エリア用昇降手段6は、中間エリア用出入口9を通じて行き来可能であり、中間エリア用出入口9は、第一ユーザーのみ、中間エリア3から第一エリア用昇降手段6への通行が許容される出入口であるように構成することができる。
すなわち、中間エリア用出入口9は、第一ユーザー用の鍵(第一ユーザーであることを証明するための手段)がないと、中間エリア3から第一エリア用昇降手段6への通行ができない。したがって、第一エリア用昇降手段6を通じて中間エリア3から第一エリア2(プライベートエリア)へ進入できる者が、第一ユーザーに限定されるので、第一エリア2のセキュリティー強化を図ることができる。
また、中間エリア用出入口9は、第一ユーザー用の鍵がなくても、第一エリア用昇降手段6から中間エリア3への通行は可能であるので、第一ユーザーは、第一ユーザー用の鍵を用意することなく、中間エリア3に進入でき、使い勝手が良い。
【0087】
なお、第一エリア用出入口7が、第一ユーザーのみ、第一エリア用昇降手段6から第一エリア2への通行が許容される出入口である場合には、中間エリア用出入口9は、第一ユーザーのみ、中間エリア3から第一エリア用昇降手段6への通行が許容される出入口でなくてもよい。
あるいは、逆に、中間エリア用出入口9が、第一ユーザーのみ、中間エリア3から第一エリア用昇降手段6への通行が許容される出入口である場合には、第一エリア用出入口7は、第一ユーザーのみ、第一エリア用昇降手段6から第一エリア2への通行が許容される出入口でなくてもよい。
【0088】
また、本実施形態の建物1において、第一エリア2は、職場としてのオフィス22を含み、オフィス22とシェアオフィス31は、同一の階層に設けられていて、中間エリア用出入口9を通じて行き来可能であるように構成することができる(実施例1参照)。
このように構成することで、シェアオフィス31だけでなく、オフィス22も、住居21と共在することとなるので、職住一体、職住近接を実現でき、ユーザーの負担を軽減できる。
また、シェアオフィス31をオフィス22のフリースペースとして利用でき、さらに、シェアオフィス31は、オフィス22と同一の階層に設けられていて、オフィス22からのアクセスが容易であるので、使い勝手の良いフリースペースを備えた斬新な職場(オフィス22)を提供することができる。
【0089】
また、本実施形態の建物1において、中間エリア3は、職場としてのオフィス32を含み、オフィス32とシェアオフィス31を、同一の階層に設けるように構成することができる(実施例2参照)。
このように構成することで、シェアオフィス31だけでなく、オフィス32も、住居21と共在することとなるので、職住一体、職住近接を実現でき、ユーザーの負担を軽減できる。
また、シェアオフィス31をオフィス32のフリースペースとして利用でき、さらに、シェアオフィス31は、オフィス32と同一の階層に設けられていて、オフィス32からのアクセスが容易であるので、使い勝手の良いフリースペースを備えた斬新な職場(オフィス32)を提供することができる。
【0090】
また、本実施形態の建物1は、第一エリア用昇降手段6として、第一エリア用階段6aと第一エリア用エレベーター6bを備え、中間エリア用昇降手段8として、中間エリア用階段8aを備えている。
したがって、上階側の階層に設けられた第一エリア2へアクセスするための手段として、エレベーターと階段を選択することができるので、使い勝手が良い。
なお、第一エリア用昇降手段6として、第一エリア用階段6a及び第一エリア用エレベーター6bの少なくとも一方を備えていればよい。
また、中間エリア用昇降手段8として、中間エリア用階段8aに加えて(あるいは代えて)、中間エリア用エレベーターを備えてもよい。
【0091】
また、本実施形態の建物1において、住居21は、少なくともデスクと椅子を備えたワークスペースWSを有するように構成することができる。
したがって、住居21には、予めワークスペースWSが設置されているので、ユーザーの負担を軽減できる。
なお、建物1に複数の住居21が設けられている場合、当該複数の住居21の全てにワークスペースWSが設置されていてもよいし、当該複数の住居21の一部にのみワークスペースWSが設置されていてもよい。また、建物1は、ワークスペースWSが設置されていない住居21のみ設けられたものであってもよい。
【0092】
また、本実施形態の建物1は、一部(例えば2階以上)又は全部(1階から5階まで)を木造とすることが可能である。
近年、二酸化炭素の排出量を実質ゼロにするカーボンニュートラルの推進による脱炭素社会の実現や、SDGs(Sustainable Development Goals)の目標達成が求められており、建築業界においても、建物を二酸化炭素排出量の少ない木造とする取り組みが進められている。本実施形態の建物1は、一部又は全部を木造とすることが可能であるので、カーボンニュートラルの推進による脱炭素社会の実現や、SDGsの目標達成に貢献できる。
【符号の説明】
【0093】
1 建物
2 第一エリア
3 中間エリア
4 第二エリア
6 第一エリア用昇降手段
6a 第一エリア用階段
6b 第一エリア用エレベーター
7 第一エリア用出入口
8 中間エリア用昇降手段
8a 中間エリア用階段
9 中間エリア用出入口
21 住居
22 オフィス
31 シェアオフィス
32 オフィス
41 共用部(施設)
42 店舗(施設)
WS ワークスペース