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  • 特開-制御装置 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024051904
(43)【公開日】2024-04-11
(54)【発明の名称】制御装置
(51)【国際特許分類】
   H02H 7/00 20060101AFI20240404BHJP
   H02J 9/00 20060101ALI20240404BHJP
【FI】
H02H7/00 B
H02J9/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】4
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022158289
(22)【出願日】2022-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】000005267
【氏名又は名称】ブラザー工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114557
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 英仁
(74)【代理人】
【識別番号】100078868
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 登夫
(72)【発明者】
【氏名】丹羽 宏彰
(72)【発明者】
【氏名】犬飼 勝己
(72)【発明者】
【氏名】松海 崇史
【テーマコード(参考)】
5G015
5G053
【Fターム(参考)】
5G015FA14
5G015FA16
5G015JA11
5G015JA34
5G053AA05
5G053BA04
5G053EA03
5G053EB01
5G053EB05
5G053EC01
5G053FA01
(57)【要約】
【課題】復電時における突入電流の入力と、負荷の駆動効率の低下とを抑制することができる制御装置を提供する。
【解決手段】制御装置は、電源と負荷との間に設けてあり、前記負荷への突入電流の入力を防止する防止部と、入力電圧が第1電圧から第2電圧に変更される場合、前記第2電圧の入力後、前記入力電圧を前記第1電圧から前記第2電圧に徐々に変更し、変更後の電圧を出力する出力電圧調整部と、前記出力電圧調整部から出力した前記変更後の電圧の大きさが予め定めた第1閾値以下であるか否か判定する第1判定部と、前記第1判定部にて前記変更後の電圧の大きさは前記第1閾値以下であると判定した場合、前記防止部の駆動を実行する防止実行部とを備える。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源と負荷との間に設けてあり、前記負荷への突入電流の入力を防止する防止部と、
入力電圧が第1電圧から第2電圧に変更される場合、前記第2電圧の入力後、前記入力電圧を前記第1電圧から前記第2電圧に徐々に変更し、変更後の電圧を出力する出力電圧調整部と、
前記出力電圧調整部から出力した前記変更後の電圧の大きさが予め定めた第1閾値以下であるか否か判定する第1判定部と、
前記第1判定部にて前記変更後の電圧の大きさは前記第1閾値以下であると判定した場合、前記防止部の駆動を実行する防止実行部と
を備える
制御装置。
【請求項2】
前記第1判定部にて前記変更後の電圧の大きさは前記第1閾値以下であると判定した場合、予め定めた所定時間が経過したか否か判定する第2判定部と、
前記第2判定部にて前記所定時間が経過したと判定した場合、前記負荷の停止を実行する負荷停止部と
を備える
請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記第1判定部にて前記変更後の電圧の大きさは前記第1閾値以下であると判定した後、前記所定時間が経過するまでの間に、前記変更後の電圧の大きさが、前記第1閾値よりも大きい第2閾値以上であるか否か判定する第3判定部と、
前記第3判定部にて前記変更後の電圧の大きさが前記第2閾値以上であると判定した場合、駆動した前記防止部の停止を実行する防止停止部と
を備える
請求項2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記負荷停止部を有するプロセッサを備え、
前記プロセッサは、前記所定時間が経過したことを示す判定結果を入力した場合、前記負荷の停止を実行する
請求項2又は3に記載の制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、負荷への電力供給を制御する制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
停電後の復電時に突入電流の入力によって回路素子が破壊されることを防止するために、並列接続した抵抗及び接点を電源と負荷との間に設けたコンバータ回路が提案されている。コンバータ回路はCPU及び平滑コンデンサを備える。CPUは平滑コンデンサから負荷への放電電流の値に基づいて、待機時間を演算し、停電後、待機時間が経過した場合、接点を開く。そのため抵抗によって、突入電流が過大となることが防止される(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10-271668号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、コンバータ回路は電荷を保持する素子、例えばコンデンサを備えるため、停電後も所定時間、負荷は駆動可能である。停電後、直ちに負荷が停止した場合、負荷の駆動効率が低下する。
【0005】
本開示は斯かる事情に鑑みてなされたものであり、復電時における突入電流の入力と、負荷の駆動効率の低下とを抑制することができる制御装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の一実施形態に係る制御装置は、電源と負荷との間に設けてあり、前記負荷への突入電流の入力を防止する防止部と、入力電圧が第1電圧から第2電圧に変更される場合、前記第2電圧の入力後、前記入力電圧を前記第1電圧から前記第2電圧に徐々に変更し、変更後の電圧を出力する出力電圧調整部と、前記出力電圧調整部から出力した前記変更後の電圧の大きさが予め定めた第1閾値以下であるか否か判定する第1判定部と、前記第1判定部にて前記変更後の電圧の大きさは前記第1閾値以下であると判定した場合、前記防止部の駆動を実行する防止実行部とを備える。
【0007】
本開示においては、出力電圧調整部は、第2電圧の入力後、入力電圧を第1電圧から第2電圧に徐々に変更する。変更後の電圧の大きさが第1閾値以下である場合、負荷への突入電流の入力を防止する。
【0008】
本開示の一実施形態に係る制御装置は、前記第1判定部にて前記変更後の電圧の大きさは前記第1閾値以下であると判定した場合、予め定めた所定時間が経過したか否か判定する第2判定部と、前記第2判定部にて前記所定時間が経過したと判定した場合、前記負荷の停止を実行する負荷停止部とを備える。
【0009】
本開示においては、変更後の電圧の大きさが第1閾値以下であり、且つ、所定時間が経過した場合に負荷の停止を実行する。
【0010】
本開示の一実施形態に係る制御装置は、前記第1判定部にて前記変更後の電圧の大きさは前記第1閾値以下であると判定した後、前記所定時間が経過するまでの間に、前記変更後の電圧の大きさが、前記第1閾値よりも大きい第2閾値以上であるか否か判定する第3判定部と、前記第3判定部にて前記変更後の電圧の大きさが前記第2閾値以上であると判定した場合、駆動した前記防止部の停止を実行する防止停止部とを備える。
【0011】
本開示においては、変更後の電圧の大きさが第1閾値以下であると判定した後、所定時間が経過するまでの間に、変更後の電圧の大きさが第1閾値よりも大きい第2閾値以上となった場合、例えば瞬間的な停電の後、直ちに復電した場合、防止部の駆動を停止する。
【0012】
本開示の一実施形態に係る制御装置は、前記負荷停止部を有するプロセッサを備え、前記プロセッサは、前記所定時間が経過したことを示す判定結果を受信した場合、前記負荷の停止を実行する。
【0013】
本開示においては、第1判定部及び第2判定部が判定を行い、プロセッサは負荷の停止を実行する。
【発明の効果】
【0014】
本開示の一実施形態に係る制御装置にあっては、出力電圧調整部は、第2電圧の入力後、入力電圧を第1電圧から第2電圧に徐々に変更する。変更後の電圧の大きさが第1閾値以下である場合、負荷への突入電流の入力を防止する。停電時に出力電圧調整部は入力電圧を徐々に変更して、即ち徐々に下げて出力するので、停電後も所定時間、負荷は駆動することができ、また変更後の電圧の大きさが第1閾値以下である場合、負荷への突入電流の入力を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】制御装置の構成を示すブロック図である。
図2】入力電圧、検出電圧、抵抗有効化信号、抵抗無効化信号及び停電警報信号を示すタイミングチャートである。
図3】検出回路における停電制御処理を説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下本発明を実施の形態に係る制御装置20を示す図面に基づいて説明する。図1は、制御装置20の構成を示すブロック図である。制御装置20は制御部1を備える。制御部1は、CPU、MPU又はGPU等のプロセッサを備える。なおプロセッサに代えてFPGA、ASIC、CPLD等のロジック回路を使用してもよい。
【0017】
制御装置20は開閉回路2、第1整流回路3、突入電流防止回路4、平滑回路5及び第1駆動回路6を備える。開閉回路2は例えばリレー又はスイッチを有し、開閉動作を行う。開動作によって配線は非接続となり、閉動作によって配線は接続される。交流電源30から開閉回路2を介して第1整流回路3に交流電圧及び交流電流(以下、単に電圧及び電流とも称する)が供給される。第1整流回路3は電圧及び電流を整流し、突入電流防止回路4を介して、平滑回路5に出力する。
【0018】
突入電流防止回路4は、並列接続したスイッチ4a及び抵抗4bを有する。第2駆動回路40からの駆動信号によって、スイッチ4aは開き、第2駆動回路40からの停止信号によってスイッチ4aは閉じる。第2駆動回路40は例えばトランジスタ又はFETを有する。後述する判定回路12が第2駆動回路40に開信号を出力した場合、第2駆動回路40は駆動信号を出力し、スイッチ4aは開く。スイッチ4aが開いた後、判定回路12が第2駆動回路40に閉信号を出力した場合、第2駆動回路40は停止信号を出力し、スイッチ4aは閉じる。スイッチ4aが閉じている場合、整流された電圧及び電流はスイッチ4aを介して平滑回路5に入力される。平滑回路5は、整流された電圧及び電流を平滑化し、第1駆動回路6に出力する。第1駆動回路6は、入力された電圧及び電流を負荷7に供給し、負荷7は駆動される。第1駆動回路6は例えばインバータを有する。
【0019】
制御装置20は、第2整流回路14及び検出回路10を備える。検出回路10は、RC回路11と、判定回路12と、タイマ13とを有する。交流電源30から開閉回路2を介して第2整流回路14に電圧が入力される。第2整流回路14には、第1整流回路3に入力される電圧と略同じ大きさの電圧が入力される。第2整流回路14からRC回路11に電圧(入力電圧)が入力される。RC回路11は判定回路12に電圧を出力する。RC回路11から判定回路12への出力電圧は検出回路10の検出電圧を構成する。以下、RC回路11から判定回路12への出力電圧を検出電圧とも称する。RC回路11は出力電圧調整部を構成する。なお第2整流回路14、検出回路10、第2駆動回路40及び制御部1には、第1整流回路3、突入電流防止回路4、平滑回路5及び第1駆動回路6に入力される電流よりも小さい電流が入力される。また、第2整流回路14からRC回路11に入力される電圧は、交流電源30から開閉回路2を介して第2整流回路14に入力された電圧から減電圧された電圧である。
【0020】
なお検出回路10は平滑回路5の出力電圧を取り込むことも可能である。しかし平滑回路5が有するコンデンサの容量が大きくなるに従って、平滑回路5の出力電圧への影響が大きくなる。そのため、検出精度を高めるために、検出回路10は平滑回路5よりも前段にて電圧を取り込むことが好ましい。
【0021】
判定回路12は、入力された電圧の大きさが予め定めた第1閾値S以下であるか否か判定する。判定回路12は第1判定部を構成する。入力された電圧の大きさが第1閾値S以下である場合、判定回路12は第2駆動回路40に開信号を出力し、タイマ13に抵抗有効化信号を出力する。なお入力された電圧の大きさが第1閾値S以下である場合、判定回路12は抵抗有効化信号を制御部1に出力し、抵抗有効化信号を入力した制御部1は第2駆動回路40に開信号を出力してもよい。
【0022】
開信号及び抵抗有効化信号の出力後、判定回路12は、入力された電圧の大きさが予め定めた第2閾値以上であるか否か判定する。第2閾値は第1閾値Sよりも大きい値であり、例えばS+αである。αは予め定めた値である。入力された電圧の大きさが第2閾値以上である場合、判定回路12は第2駆動回路40に閉信号を出力し、タイマ13に抵抗無効化信号を出力する。判定回路12から抵抗無効化信号を入力した場合、タイマ13はリセットされる。なお入力された電圧の大きさが第2閾値以上である場合、判定回路12は抵抗無効化信号を制御部1に出力し、抵抗無効化信号を入力した制御部1は第2駆動回路40に閉信号を出力してもよい。
【0023】
判定回路12から抵抗有効化信号を入力した場合、タイマ13は計時を開始する。タイマ13は抵抗有効化信号を入力してから時間t3が経過した場合、制御部1に停電警報信号を出力する。停電警報信号を入力した場合、制御部1は開閉回路2に開信号を出力し、第1駆動回路6に駆動停止信号を出力する。第1駆動回路6は負荷7の駆動を停止させる。また制御部1は開閉回路2に開信号を出力する開閉回路2は開いて、配線は非接続となる。即ち、負荷7への電力供給が停止される。なお抵抗有効化信号を入力してから時間t3が経過した場合、タイマ13は、制御部1を介さずに、第1駆動回路6に駆動停止信号を出力し、開閉回路2に開信号を出力してもよい。
【0024】
図2は、入力電圧、検出電圧、抵抗有効化信号、抵抗無効化信号及び停電警報信号を示すタイミングチャートである。入力電圧は第2整流回路14に入力される電圧を示す。前述したように、検出電圧はRC回路11の出力電圧を示す。図2のグラフ1は入力電圧を示し、グラフ2は検出電圧を示し、グラフ3は抵抗有効化信号及び抵抗無効化信号を示し、グラフ4は停電警報信号を示す。
【0025】
グラフ1において、細い線のグラフは低電圧の入力電圧を示し、太い線のグラフは高電圧の入力電圧を示す。グラフ1に示すように、時点0から時点k0まで入力電圧は入力される。時点k0にて停電が発生する。換言すれば、時点k0以後、電圧0が継続的に入力される。
【0026】
グラフ2にて、細い線のグラフは低電圧の検出電圧VLを示し、太い線のグラフは高電圧の検出電圧VHを示す。グラフ2に示すように、高電圧が第2整流回路14に入力されている場合、時点0から時点k0までRC回路11は検出電圧VHとしてV1を出力する。更に、RC回路11は時点k0から時間ΔTが経過するまで電圧V1を出力する。時間ΔTが経過した時点から時間THが経過するまで、検出電圧VHはV1から徐々に電圧0まで下がる。
【0027】
グラフ2に示すように、低電圧が第2整流回路14に入力されている場合、RC回路11は、時点0から時点k0まで検出電圧VLとしてV2を出力する。更に、RC回路11は時点k0から時間ΔTが経過するまでV2を出力する。時間ΔTが経過した時点から時間TLが経過するまで、検出電圧VLは電圧V2から徐々に電圧0まで下がる。時間TLは時間THよりも短い。即ち、時間ΔTが経過した時点から電圧が0になる時点までの時間は、入力電圧の大きさが高くなるに従って長くなり、低くなるに従って短くなる。
【0028】
k1は検出電圧VLが第1閾値Sになる時点である。t1は時点k0から時点k1までの時間である。k2は検出電圧VHが第1閾値Sになる時点である。t2は時点k0から時点k2までの時間である。なお第1閾値Sは0とV2との間の値である。第1閾値Sは負荷7を駆動可能な電圧の下限値である。即ち、停電時(時点k0)から時間t1又はt2が経過するまでの間、負荷7は駆動することができる。
【0029】
グラフ3に示すように、RC回路11から低電圧VLが出力される場合、判定回路12は時点0から時点k1まで抵抗無効化信号Lをタイマ13に出力する。時点k1にて、判定回路12は抵抗有効化信号Hをタイマ13に出力する。RC回路11から高電圧VHが出力される場合、判定回路12は時点0から時点k2まで抵抗無効化信号Lをタイマ13に出力する。時点k2にて、判定回路12は抵抗有効化信号Hをタイマ13に出力する。
【0030】
RC回路11から低電圧VLが出力される場合、判定回路12は時点0から時点k1まで閉信号を第2駆動回路40に出力する。時点k1にて、判定回路12は開信号を第2駆動回路40に出力する。RC回路11から高電圧VHが出力される場合、判定回路12は時点0から時点k2まで閉信号を第2駆動回路40に出力する。時点k2にて、判定回路12は開信号を第2駆動回路40に出力する。
【0031】
グラフ4において、Lは停電警報信号がオフであることを示す。即ち、停電警報信号が出力されていない状態を示す。Hは停電警報信号がオンであることを示す。即ち、停電警報信号が出力されている状態を示す。グラフ4に示すように、RC回路11から低電圧VLが出力される場合、タイマ13は時点k1から時間t3が経過した場合、停電警報信号を出力する。RC回路11から高電圧VHが出力される場合、タイマ13は時点k2から時間t3が経過した場合、停電警報信号を出力する。
【0032】
図3は、検出回路10における停電制御処理を説明するフローチャートである。判定回路12は検出電圧の大きさが第1閾値S以下であるか否か判定する(S1)。検出電圧の大きさが第1閾値S以下でない場合(S1:NO)、即ち停電が発生していない場合(グラフ1及びグラフ2の時点0から時点k0まで参照)、検出回路10はステップS1に処理を戻す。ステップS1の処理を実行する判定回路12は第1判定部を構成する。
【0033】
検出電圧の大きさが第1閾値S以下である場合(S1:YES)、即ち停電が発生した場合(グラフ1~グラフ3の時点k0から時点k1又は時点k0から時点k2まで参照)、判定回路12はタイマ13に抵抗有効化信号を出力し、第2駆動回路40に開信号を出力する(S2、グラフ2及びグラフ3参照)。開信号を入力した第2駆動回路40はスイッチ4aを開く。ステップS2の処理を実行する判定回路12と、スイッチ4aを開く第2駆動回路40とは防止実行部を構成する。
【0034】
抵抗有効化信号を入力したタイマ13は計時を開始する(S3)。判定回路12は検出電圧の大きさが第2閾値S+α以上であるか否か判定する(S4)。検出電圧の大きさが第2閾値S+α以上である場合(S4:YES)、判定回路12は抵抗無効化信号Lをタイマ13に出力し、第2駆動回路40に閉信号を出力する(S7)。抵抗無効化信号Lを入力したタイマ13はリセットを実行する(S8)。閉信号を入力した第2駆動回路40はスイッチ4aを閉じる。ステップS8の処理後、検出回路10はステップS1に処理を戻す。検出回路10は、例えば瞬間的な停電の後、直ちに復電した場合、ステップS2において開いたスイッチ4aを、ステップS7において閉じ、ステップS8においてタイマ13をリセットする。ステップS4の処理を実行する判定回路12は第3判定部を構成し、ステップS7の処理を実行する判定回路12と、スイッチ4aを閉じる第2駆動回路40とは防止停止部を構成する。
【0035】
検出電圧の大きさが第2閾値S+α以上でない場合(S4:NO)、タイマ13は抵抗有効化信号を入力した時点k1、k2から時間t3が経過したか否か判定する(S5、グラフ3及びグラフ4参照)。時間t3が経過していない場合(ステップS5:NO)、検出回路10はステップS4に処理を戻す。ステップS5の処理を実行するタイマ13は第2判定部を構成する。
【0036】
時間t3が経過した場合(ステップS5:YES)、タイマ13は制御部1に停電警報信号を出力し(S6)、処理を終了する。停電警報信号を入力した制御部1は、第1駆動回路6に駆動停止信号を出力する。第1駆動回路6は負荷7の駆動を停止する。また停電警報信号を入力した制御部1は開閉回路2に開信号を出力する。即ち、負荷7への電力供給は停止される。ステップS6の処理を実行するタイマ13と、第1駆動回路6と、開閉回路2と、第1駆動回路6に駆動停止信号を出力し、開閉回路2に開信号を出力する制御部1とは負荷停止部を構成する。
【0037】
実施の形態に係る制御装置20は、停電時の電圧、即ち電圧0の入力後、入力電圧を電圧VL又はVHから電圧0に徐々に変更する。変更後の電圧の大きさが第1閾値S以下である場合、負荷7への突入電流の入力を防止する。停電時にRC回路11は入力電圧を徐々に変更して、即ち徐々に下げて出力するので、停電後も時間t1又はt2の間、負荷7は駆動することができ、また変更後の電圧の大きさが第1閾値S以下である場合、負荷7への突入電流の入力を防止することができる。
【0038】
また制御装置20は、変更後の電圧の大きさが第1閾値S以下であり、且つ、時間t3が経過した場合に負荷7の停止を実行し、負荷7への突入電流の入力を防止することができる。
【0039】
また制御装置20は、変更後の電圧の大きさが第1閾値S以下であると判定した後、時間t3が経過するまでの間に、変更後の電圧の大きさが第1閾値Sよりも大きい第2閾値S+α以上となった場合、例えば瞬間的な停電の後、直ちに復電した場合、突入電流防止回路4の駆動を停止する。そのため、瞬間的な停電が発生する都度、負荷7の駆動が不要に停止することを防止し、負荷7の安定的な駆動を維持することができる。
【0040】
またプロセッサを有する制御部1は、時間t3が経過したことを示す判定結果(停電警報信号)を入力した場合、負荷7の停止を実行する。即ち、制御部1は、変更後の電圧の大きさが第1閾値S以下であるか否かの判定処理(図3のS1参照)、検出電圧の大きさが第2閾値S+α以上であるか否かの判定処理(図3のS4参照)、及び、時間t3が経過したか否かの判定処理(図3のS5参照)を行わないので、プロセッサの回路構成が簡素化される。
【0041】
なお制御部1は検出回路10を備えてもよい。この場合、第2整流回路14から制御部1に電圧が入力され、制御部1は第2駆動回路40に駆動又は停止信号を出力する。
【0042】
今回開示した実施の形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、特許請求の範囲内での全ての変更及び特許請求の範囲と均等の範囲が含まれることが意図される。各実施形態に記載した事項は相互に組み合わせることが可能である。また、特許請求の範囲に記載した独立請求項及び従属請求項は、引用形式に関わらず全てのあらゆる組み合わせにおいて、相互に組み合わせることが可能である。さらに、特許請求の範囲には他の2以上のクレームを引用するクレームを記載する形式(マルチクレーム形式)を用いているが、これに限るものではない。マルチクレームを少なくとも一つ引用するマルチクレーム(マルチマルチクレーム)を記載する形式を用いて記載してもよい。
【符号の説明】
【0043】
1 制御部(プロセッサ、負荷停止部)
2 開閉回路(負荷停止部)
3 第1整流回路
4 突入電流防止回路(防止部)
4a スイッチ
4b 抵抗
6 第1駆動回路(負荷停止部)
10 検出回路
11 RC回路(出力電圧調整部)
12 判定回路(第1判定部、第3判定部、防止実行部、防止停止部)
13 タイマ(第2判定部、負荷停止部)
14 第2整流回路
20 制御装置
30 交流電源
40 第2駆動回路(防止実行部、防止停止部)
図1
図2
図3