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特開2024-51939プレスブレーキ、曲げ加工システム及びセンサ移動制御方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024051939
(43)【公開日】2024-04-11
(54)【発明の名称】プレスブレーキ、曲げ加工システム及びセンサ移動制御方法
(51)【国際特許分類】
   B21D 5/02 20060101AFI20240404BHJP
   B21D 43/00 20060101ALI20240404BHJP
【FI】
B21D5/02 P
B21D5/02 Q
B21D43/00 U
【審査請求】有
【請求項の数】6
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022158337
(22)【出願日】2022-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】390014672
【氏名又は名称】株式会社アマダ
(74)【代理人】
【識別番号】110001612
【氏名又は名称】弁理士法人きさらぎ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鶴田 浩基
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼津 聡志
(72)【発明者】
【氏名】今井 一成
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 正昭
(72)【発明者】
【氏名】小泉 典久
【テーマコード(参考)】
4E063
【Fターム(参考)】
4E063AA01
4E063BA07
4E063FA05
4E063FA08
4E063GA03
4E063LA08
4E063LA17
(57)【要約】
【課題】曲げ加工を行うワークの近傍で目視確認することなくワークの高さ方向の位置決めができるプレスブレーキ、曲げ加工システム及びセンサ移動制御方法。
【解決手段】相対移動可能な上型及び下型と、前記上型及び前記下型の間に挿入されるワークの高さ方向の位置を検出可能な高さ検出センサと、前記高さ検出センサを前記上型及び下型の長手方向に移動させる高さ検出センサ移動部と、制御部とを備え、前記制御部は、前記ワークを保持するワーク保持手段の位置の近傍に前記高さ検出センサを移動させる移動制御部と、前記高さ検出センサにより検出された前記ワークの高さ方向の前記位置が許容範囲に収まっているか否かを判定する高さ判定処理部とを含む。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
相対移動可能な上型及び下型と、
前記上型及び前記下型の間に挿入されるワークの高さ方向の位置を検出可能な高さ検出センサと、
前記高さ検出センサを前記上型及び下型の長手方向に移動させる高さ検出センサ移動部と、
制御部と
を備え、
前記制御部は、
前記ワークを保持するワーク保持手段の位置の近傍に前記高さ検出センサを移動させる移動制御部と、
前記高さ検出センサにより検出された前記ワークの高さ方向の前記位置が許容範囲に収まっているか否かを判定する高さ判定処理部と、
を含む
プレスブレーキ。
【請求項2】
前記下型を取り付ける下部テーブルを備え、
前記高さ検出センサは、前記下部テーブルの前記ワーク保持手段との対向面に移動自在に取り付けられている
請求項1に記載のプレスブレーキ。
【請求項3】
前記制御部は、前記高さ検出センサの検出範囲から前記ワーク保持手段が外れるように前記高さ検出センサ移動部を制御するよう構成されている
請求項1又は2に記載のプレスブレーキ。
【請求項4】
前記ワークの曲げ加工時に、前記ワークの曲げ角度を検出可能な角度検出センサを備え、
前記角度検出センサは、前記上型及び前記下型の長手方向に移動自在に構成されており、
前記高さ検出センサ及び前記角度検出センサは、それぞれ独立して前記上型及び前記下型の長手方向に移動可能に構成されている
請求項1又は2に記載のプレスブレーキ。
【請求項5】
所定長さの板状のワークの曲げ加工を行うプレスブレーキと、
前記プレスブレーキに前記ワークを供給するワーク供給ロボットと、
高さ検出センサと、
高さ検出センサ移動部と、
前記プレスブレーキ、前記ワーク供給ロボット、前記高さ検出センサ及び前記高さ検出センサ移動部を制御する制御装置と
を備え、
前記プレスブレーキは、相対移動可能な上型及び下型を含み、
前記ワーク供給ロボットは、上型及び下型の間に前記ワークを挿入するよう構成されており、
前記高さ検出センサは、前記上型及び前記下型の間に挿入される前記ワークの高さ方向の位置を検出可能に構成されており、
前記高さ検出センサ移動部は、前記高さ検出センサを前記上型及び前記下型の長手方向に移動させるよう構成されており、
前記制御装置は、
前記ワークを保持するワーク保持手段の位置の近傍に前記高さ検出センサを移動させる移動制御部と、
前記高さ検出センサにより検出された前記ワークの高さ方向の前記位置が許容範囲に収まっているか否かを判定する高さ判定処理部と、
を含む
曲げ加工システム。
【請求項6】
相対移動可能な上型及び下型の間に挿入されるワークを保持するワーク保持手段の位置の近傍に前記ワークの高さ方向の位置を検出可能な高さ検出センサを移動させる高さ検出センサ移動工程と、
前記ワークの前記高さ方向の前記位置を検出する高さ検出工程と、
前記高さ検出センサにより検出された前記ワークの前記高さ方向の前記位置が許容範囲に収まっているか否かを判定する高さ判定工程と
を備える
センサ移動制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレスブレーキ、曲げ加工システム及びセンサ移動制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、所定長さの板状のワークの曲げ加工を行うためのパンチ、ダイ及びワークの前後方向の位置決めを行うバックゲージを備えたプレスブレーキと、パンチ及びダイによる曲げ加工位置に対してワークの搬送位置決めを行う搬送ロボットと、搬送ロボット及びバックゲージの動作を制御するための制御装置とを備えた曲げ加工システムがある(特許文献1等)。
【0003】
このような曲げ加工システムは、パンチ及びダイの間へワークWの搬送供給を行う搬送ロボットがプレスブレーキの前側に前後方向、左右方向及び上下方向へ移動自在に配置されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2014-147955号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の曲げ加工システムでは、ワークの搬送位置決めをする際に、ワークの前後方向の位置決めは、バックゲージを使用して行うことができるが、上下方向の位置決めは、作業者が搬送ロボットやワークの近傍で目視確認を行いながら手動操作により位置決めをする必要がある。
【0006】
上下方向の位置決めにかかる時間は、作業者の経験や勘によって左右されてしまい、経験の浅い作業員では、ワークとパンチ及びダイの隙間を確認しながら何度も目視確認と調整を繰り返すことになり、曲げ加工システムの高稼働化の妨げや熟練作業員への作業の集中等の問題がある。
【0007】
本発明の一態様は、曲げ加工を行うワークの近傍で目視確認することなくワークの高さ方向の位置決めができるプレスブレーキ、曲げ加工システム及びセンサ移動制御方法である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の一態様に係るプレスブレーキは、相対移動可能な上型及び下型と、前記上型及び前記下型の間に挿入されるワークの高さ方向の位置を検出可能な高さ検出センサと、前記高さ検出センサを前記上型及び下型の長手方向に移動させる高さ検出センサ移動部と、制御部とを備え、前記制御部は、前記ワークを保持するワーク保持手段の位置の近傍に前記高さ検出センサを移動させる移動制御部と、前記高さ検出センサにより検出された前記ワークの高さ方向の前記位置が許容範囲に収まっているか否かを判定する高さ判定処理部とを含む。
【0009】
本発明の一態様に係る曲げ加工システムは、所定長さの板状のワークの曲げ加工を行うプレスブレーキと、前記プレスブレーキに前記ワークを供給するワーク供給ロボットと、高さ検出センサと、高さ検出センサ移動部と、前記プレスブレーキ、前記ワーク供給ロボット、前記高さ検出センサ及び前記高さ検出センサ移動部を制御する制御装置とを備え、前記プレスブレーキは、相対移動可能な上型及び下型を含み、前記ワーク供給ロボットは、上型及び下型の間に前記ワークを挿入するよう構成されており、前記高さ検出センサは、前記上型及び前記下型の間に挿入される前記ワークの高さ方向の位置を検出可能に構成されており、前記高さ検出センサ移動部は、前記高さ検出センサを前記上型及び前記下型の長手方向に移動させるよう構成されており、前記制御装置は、前記ワークを保持するワーク保持手段の位置の近傍に前記高さ検出センサを移動させる移動制御部と、前記高さ検出センサにより検出された前記ワークの高さ方向の前記位置が許容範囲に収まっているか否かを判定する高さ判定処理部とを含む。
【0010】
本発明の一態様に係るセンサ移動制御方法は、相対移動可能な上型及び下型の間に挿入されるワークを保持するワーク保持手段の位置の近傍に前記ワークの高さ方向の位置を検出可能な高さ検出センサを移動させる高さ検出センサ移動工程と、前記ワークの前記高さ方向の前記位置を検出する高さ検出工程と、前記高さ検出センサにより検出された前記ワークの前記高さ方向の前記位置が許容範囲に収まっているか否かを判定する高さ判定工程とを備える。
【0011】
本発明の一態様に係るプレスブレーキ、曲げ加工システム及びセンサ移動制御方法によれば、高さ検出センサにより検出されたワークの高さ方向の位置が許容範囲に収まっているか否かを判定するため、曲げ加工を行うワークの近傍で目視確認することなくワークの高さ方向の位置決めができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の一態様に係るプレスブレーキ、曲げ加工システム及びセンサ移動制御方法によれば、曲げ加工を行うワークの近傍で目視確認することなくワークの高さ方向の位置決めができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本発明の実施形態に係る曲げ加工システムを示す概略図である。
図2図2は、本実施形態の曲げ加工システムの変形例を示す概略図である。
図3図3は、本実施形態のロボットハンドの変形例を示す概略図である。
図4図4は、本実施形態のプレスブレーキを示す正面図である。
図5図5は、本実施形態の制御装置を示す機能ブロック図である。
図6図6は、本実施形態の高さ検出センサとロボットハンドの位置関係の一例を示す概略図である。
図7図7は、本実施形態の高さ検出センサとロボットハンドの位置関係の一例を示す概略図である。
図8図8は、本実施形態の高さ検出センサとロボットハンドの位置関係の一例を示す概略図である。
図9図9は、本実施形態の高さ検出センサとロボットハンドの位置関係の一例を示す概略図である。
図10図10は、本実施形態の曲げ加工システムの動作の一例を示す概略図である。
図11図11は、本実施形態の曲げ加工システムの動作の一例を示す概略図である。
図12図12は、本実施形態の曲げ加工システムの動作の一例を示す概略図である。
図13図13は、本実施形態の曲げ加工システムの動作の一例を示す概略図である。
図14図14は、本実施形態のセンサ移動制御方法の一例を示すフローチャートである。
図15図15は、本実施形態の曲げ加工方法の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための最良の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、以下の実施形態は、各請求項に係る発明を限定するものではなく、また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0015】
[本実施形態に係る曲げ加工システムの全体構成]
図1は、本発明の実施形態に係る曲げ加工システムを示す概略図である。図4は、本実施形態のプレスブレーキを示す正面図である。
まず、図1及び図4を参照して、本発明の実施形態に係る曲げ加工システム1を概説する。本実施形態に係る曲げ加工システム1は、図1及び図4に示すように、所定長さの板状のワークWの曲げ加工を行うプレスブレーキ10と、プレスブレーキ10にワークWを供給するワーク供給ロボット100と、高さ検出センサ20と、高さ検出センサ移動部40と、プレスブレーキ10、ワーク供給ロボット100、高さ検出センサ20及び高さ検出センサ移動部40を制御する制御装置200とを備える。高さ検出センサ20及び制御装置200は、センサ移動制御装置として機能する。
【0016】
また、曲げ加工システム1は、加工前の複数のワークWを載置しておくワーク載置台Pを更に備えてもよい。なお、ワーク載置台Pは、平台に限定されず、可搬性を有するパレットや、ローディング装置、クシバ台等であってもよい。また、曲げ加工システム1は、ワーク載置台Pの代わりにワーク供給ロボット100にワークWを受け渡すロボットや装置を備えてもよい。プレスブレーキ10は、対向して設けられる上型U及び下型Lを含む。本実施形態において、プレスブレーキ10は、上型Uがパンチで下型Lがダイであるが、これに限定されず、上型Uがダイで下型Lがパンチであってもよい。
【0017】
以下の説明において、「Z軸方向(高さ方向)」は、下型Lの鉛直方向の上方に上型Uを対向配置された状態における上型Uと下型Lの対向方向を意味する。また、「X軸方向(上型U及び下型Lの長手方向)」は、プレスブレーキ10の正面に正対した時のZ軸と直交する左右方向を意味し、「Y軸方向」は、この場合のZ軸及びX軸と直交する奥行き方向を意味する。
【0018】
[ワーク供給ロボットの構成]
ワーク供給ロボット100は、ワーク載置台Pとプレスブレーキ10との間に配置されており、ワーク保持手段として、上型U及び下型Lの間にワークWを供給するよう構成されている。なお、ワーク供給ロボット100は、プレスブレーキ10の上型U及び下型Lと対向して設けられていることが好ましいが、これに限定されない。
【0019】
ワーク供給ロボット100は、ワーク載置台Pに積載された複数のワークWのうちの最上部のワークWを保持し、そのワークWをプレスブレーキ10に供給(挿入)するよう構成されると共に、プレスブレーキ10による曲げ加工時にフォローイング動作を実行するよう構成されている。また、ワーク供給ロボット100は、曲げ加工後のワークWを所定の場所に搬送(搬出)するよう構成されている。
【0020】
具体的には、ワーク供給ロボット100は、図1に示すように、ワーク保持部としてワークWを保持可能なロボットハンド(robotic hand)120と、ロボットハンド120をワークWに対して接近又は離間させるアーム部140とを含んでいる。また、ワーク供給ロボット100は、ワーク供給ロボット100を移動させるための移動機構160を更に含んでもよい。
【0021】
図2は、本実施形態の曲げ加工システムの変形例を示す概略図である。
ロボットハンド120は、図1に示すように、アーム部140の先端部に着脱可能に装着される。ロボットハンド120は、ワークWを把持するハンド本体122を有してもよいし、図2に示すように、アーム部140の先端部に着脱可能に装着されるハンド本体122′と、ハンド本体122′に取り付けられ、ワークWを保持可能に構成された複数の吸着部124とを有してもよい。
【0022】
図3は、本実施形態のロボットハンドの変形例を示す概略図である。
ハンド本体122′は、図3に示すように、アーム部140の先端部に着脱可能に装着される装着部122aと、装着部122aに結合された第1支持バー122bと、第1支持バー122bにその長手方向に間隔を置いて設けられた複数の第2支持バー122cとを有している。なお、ハンド本体122,122′の形状は、図示の例に限定されず、ワークWの形状等に応じて任意に変更することが可能である。
【0023】
吸着部124は、各第2支持バー122cの両末端部にそれぞれ取り付けられており、それぞれ、エアを吸引するエア吸引源(図示せず)に配管を介して接続されている。各吸着部124は、その下端部にワークWの表面に吸着可能(接触可能)な平型の吸着パッドを有しており、エア吸引源によるエアの吸引力によって、ワーク載置台Pに積載された複数のワークWのうちの最上部のワークWの表面に吸着するよう構成されている。なお、ロボットハンド120は、種々の公知の構成を採用可能であるため、その詳細な説明を省略する。また、ロボットハンド120は、上述した形態に限定されず、種々の公知の構成を任意に採用することが可能である。
【0024】
アーム部140は、一端部が移動機構160のベース台160bに連結されると共に、他端部がロボットハンド120に連結されており、制御装置200のロボット制御部230からの制御信号に基づいて、ロボットハンド120をワークWに対して接近又は離間させるよう構成されている。本実施形態において、アーム部140は、6軸の制御軸を有する多関節アームであり、ワーク載置台PからのワークWの搬送だけではなく、加工機等へのワークWの供給(挿入)、ワークWの加工(曲げ加工)の補助、及び、加工機等からの製品(曲げ加工品)の搬送(搬出)等を実行可能に構成されている。なお、アーム部140は、種々の公知の構成を採用可能であるため、その詳細な説明を省略する。また、アーム部140は、上述した6軸の制御軸を有する多関節アームの構成に限定されず、種々の公知の構成を任意に採用することが可能である。
【0025】
移動機構160は、床面上に敷設されたレール部160aと、レール部160a上に沿って移動可能なベース台160bと、ベース台160bを駆動させるベース台駆動手段(図示せず)とを有する所謂直動機構であり、制御装置200の後述するロボット制御部230からの制御信号に基づいて、床面上においてワーク供給ロボット100を移動させるよう構成されている。なお、移動機構160は、種々の公知の構成を採用可能であるため、その詳細な説明を省略する。
【0026】
[プレスブレーキの構成]
プレスブレーキ10は、図4に示すように、正面中央に、奥行き方向(Y軸方向)の一方の面、例えば外側の板面がそれぞれ正面を向くように高さ方向(Z軸方向)に整列して配置された上部テーブル11及び下部テーブル12と、上部テーブル11及び下部テーブル12を支持し、左右それぞれに配置された支持部13とを備える。
【0027】
また、プレスブレーキ10は、図1に示すように、例えば、上部テーブル11を下部テーブル12に対して高さ方向に沿って往復動させるよう構成された駆動機構16と、駆動機構16によって上部テーブル11が移動する際の移動位置を検出する位置検出センサ(図示せず)とを備える。
【0028】
さらに、プレスブレーキ10は、上型U及び下型Lの間に挿入されるワークWの奥行き方向の位置決めを行うバックゲージ17と、ワークWの曲げ加工時に、ワークWの曲げ角度を検出可能な角度検出センサ18とを備える。
【0029】
なお、以下の説明において、プレスブレーキ10の基本的な構成は、種々の公知の構成を採用可能であるため、その詳細な説明を省略する。
【0030】
上部テーブル11は、例えば金属等の板状部材からなり、その下部においてパンチ等の上型Uを保持する複数の上型ホルダ(パンチホルダ)14を有する。下部テーブル12は、上部テーブル11と同様の金属等の板状部材からなり、その上部においてダイ等の下型Lを保持する下型ホルダ(ダイホルダ)15を有する。なお、上型Uがダイ、下型Lがパンチの場合、上型ホルダ14がダイホルダとなり、下型ホルダ15がパンチホルダとなる。
【0031】
各支持部13は、本実施形態において、側方視で略コの字状に形成された板状のサイドフレームにより構成されるが、これに限定されるものではなく、棒状のタイバー等によって構成されてもよい。
【0032】
駆動機構16は、例えば、上部テーブル11の駆動源となる油圧シリンダであり、各支持部13の上部にそれぞれ取り付けられている。各駆動機構16は、上部テーブル11を下部テーブル12に対して高さ方向に沿って相対的に往復動(上下動)させるよう構成されている。このような構成を備えることにより、上部テーブル11の上型ホルダ14に取り付けられる上型Uと、下部テーブル12の下型ホルダ15に取り付けられる下型Lとが相対移動可能となる。
【0033】
なお、各駆動機構16は、油圧シリンダに代えて、サーボモータ等の他の駆動手段を用いることも可能である。また、駆動機構16は、上述した実施形態に限定されず、上部テーブル11の代わりに下部テーブル12を駆動させてもよい。
【0034】
位置検出センサは、例えば、駆動機構16によって上部テーブル11が移動する際の下型Lに対する上型Uの相対的な移動位置を検出する。この位置検出センサは、例えば、エンコーダやリニアスケール等からなるものであり、公知のものであるため、ここでは詳細な説明は省略する。
【0035】
バックゲージ17は、図1に示すように、上型U及び下型Lよりも奥行き方向の後方に移動自在に設けられており、上型U及び下型Lの長手方向(X軸方向)におけるワークWの曲げ加工位置やワークWの左右方向の幅寸法に対応して左右方向へ位置調整が可能に構成されている。また、バックゲージ17は、ワークW毎の突き当て位置の奥行き及び高さに対応できるように奥行き方向及び高さ方向へ位置調整が可能に構成されている。バックゲージ17の各方向への位置調整は、サーボモータ等の移動機構を適宜に制御することによって行われるものである。
【0036】
また、バックゲージ17においては、ワークWの突き当て部がバックゲージ17に当接したことを検知するセンサ(図示省略)、例えば、ポテンショメータ等を備える構成も知られている。さらに、バックゲージ17の制御としては、ワークWの前後方向の位置決めを行った後に、ワークWの曲げ加工時にワークWと干渉することを回避するために、バックゲージ17を僅かに後側へ移動することも行われている。なお、バックゲージ17は、種々の公知の構成を採用可能であるため、その詳細な説明を省略する。
【0037】
角度検出センサ18は、図1及び図4に示すように、例えば、下部テーブル12のワーク供給ロボット100との対向面12aに取り付けられており、上型U及び下型Lの長手方向に移動自在に構成されている。具体的には、下部テーブル12の対向面12aには、角度検出センサ移動部19が設けられており、角度検出センサ移動部19上に角度検出センサ18が取り付けられている。
【0038】
角度検出センサ移動部19は、下部テーブル12の対向面12a上に敷設されたレール部19aと、レール部19a上に沿って移動可能なベース台(図示せず)と、ベース台を駆動させるベース台駆動手段(図示せず)とを有する所謂直動機構である。角度検出センサ移動部19は、制御装置200の後述する角度検出センサ制御部250からの制御信号に基づいて、レール部19a上をベース台が移動するよう構成されている。なお、角度検出センサ移動部19は、種々の公知の構成を採用可能であるため、その詳細な説明を省略する。
【0039】
角度検出センサ18は、角度検出センサ移動部19のベース台に取り付けられており、ベース台がベース台駆動手段により駆動することで上型U及び下型Lの長手方向に移動するよう構成されている。角度検出センサ18は、例えば、上型U及び下型Lによる曲げ加工位置に近接した第1センサ(図示せず)と、第1センサから所定距離だけ奥行き方向の前方に離間して配置された第2センサ(図示せず)を備えている。
【0040】
第1センサ及び第2センサは、ワークWの曲げ線に対する前面及び後面の外角を検出するもので、例えばレーザ光線とカメラを使用した非接触式センサやポテンショメータ等を使用した接触式センサを採用可能である。なお、第1センサ及び第2センサは、同一高さに備えられている。角度検出センサ18は、ワークWの曲げ加工を行う際に、第1センサ及び第2センサによって、例えばレーザ光線に対しカメラを傾斜させて撮像し、下型Lの線分とワークWの線分を基にして、ワークWの折り曲げ角度を演算可能に構成されている。
【0041】
高さ検出センサ20は、上型U及び下型Lの間に挿入されるワークWの高さ方向の位置を検出可能に構成されており、例えば、高さ方向におけるワークWまでの距離を検出するものである。高さ検出センサ20としては、例えば、レーザ光線を使用したレーザ距離計やポテンショメータ等を採用可能である。なお、高さ検出センサ20は、ワークWの高さ方向の位置が所定の範囲内にあることを検出可能な構成であれば、上述した構成に限定されない。
【0042】
例えば、高さ検出センサ20は、ワークWの表面に接触したことを検出することで、ワークWの高さ方向の位置が所定の範囲内にあることを検出可能に構成されてもよい。なお、本明細書において、「ワークWの表面に接触した」には、ワークWの表面に完全に接触した場合に加え、ワークWの表面に接触したと評価し得る程度に近接した場合も含むこととする。
【0043】
具体的には、高さ検出センサは、反射型の光電センサであり、光電センサの投光素子から発せられた光が、ワークWの表面によって反射され、その反射光を光電センサの受光素子が受光することで、ワークWの高さ方向の位置が所定の範囲内にあることを検出してもよい。
【0044】
また、高さ検出センサ20は、磁力によりワークWの高さ方向の位置が所定の範囲内にあることを検出してもよいし、伸縮部を有する表面検知ロッド等の伸縮によってワークWの高さ方向の位置が所定の範囲内にあることを検出してもよい。さらに、高さ検出センサ20は、フォトリフレクタ、近接センサ、超音波センサ、渦電流式センサ及び力覚センサ等の接触式のセンサでもよい。
【0045】
高さ検出センサ20は、図1及び図4に示すように、上型U及び下型Lよりもワーク供給ロボット100側(奥行き方向前方)に配置されている。高さ検出センサ20は、例えば、下部テーブル12のワーク供給ロボット100との対向面12aに取り付けられており、上型U及び下型Lの長手方向に移動自在に構成されている。具体的には、下部テーブル12の対向面12aには、高さ検出センサ移動部40が設けられており、高さ検出センサ移動部40上に高さ検出センサ20が取り付けられている。
【0046】
高さ検出センサ20は、高さ検出センサ移動部40の後述するベース台に取り付けられており、上型U及び下型Lの長手方向に移動するよう構成されている。高さ検出センサ移動部40は、図4及び図10に示すように、角度検出センサ移動部19のレール部19a上に沿って移動可能なベース台(図示せず)を有する所謂直動機構である。高さ検出センサ移動部40は、角度検出センサ移動部19のベース台駆動手段により、レール部19a上をベース台が移動するよう構成されている。
【0047】
このような構成を備える高さ検出センサ移動部40は、高さ検出センサ20を上型U及び下型Lの長手方向に移動させるよう構成されている。具体的には、高さ検出センサ移動部40のベース台は、角度検出センサ移動部19と連結及び解結可能な連結部(図示せず)を有し、高さ検出センサ移動部40は、角度検出センサ移動部19と連結することで、レール部40a上をベース台が移動し、高さ検出センサ20を所定の位置に移動させる。なお、高さ検出センサ移動部40の機械的構成自体は、種々の公知の構成を採用可能であるため、その詳細な説明を省略する。
【0048】
上述した構成を備える角度検出センサ18及び高さ検出センサ20は、例えば、レール部19aの一端から高さ検出センサ20が角度検出センサ18と共に検出位置まで移動し、角度検出センサ18のみがレール部19aの一端又は他端に退避することが可能に構成されている。また、ワークWの高さ方向の位置を検出した後に角度検出センサ18が高さ検出センサ20の検出位置まで移動し、その後、高さ検出センサ20が角度検出センサ18と共にレール部19aの一端に退避することが可能に構成されている。
【0049】
なお、高さ検出センサ移動部40は、上述した構成に限定されない。例えば、高さ検出センサ移動部40は、高さ検出センサ移動部40のベース台を駆動させるベース台駆動手段(図示せず)を更に備え、高さ検出センサ20及び角度検出センサ18は、それぞれ独立して上型U及び下型Lの長手方向に移動可能に構成されてもよい。
【0050】
このような構成を備えることにより、角度検出センサ18及び高さ検出センサ20は、例えば、レール部19aの一端から高さ検出センサ20が検出位置まで移動し、ワークWの高さ方向の位置を検出した後にレール部19aの一端に退避することが可能に構成される。また、その後、レール部19aの他端から角度検出センサ18が検出位置まで移動し、ワークWの曲げ角度を検出した後にレール部19aの他端に退避することが可能に構成される。
【0051】
また、高さ検出センサ移動部40がベース台駆動手段を備える場合、高さ検出センサ移動部40は、角度検出センサ移動部19のレール部19aとは別に下部テーブル12のワーク供給ロボット100との対向面12a上に敷設されるレール部(図示せず)を更に備え、高さ検出センサ移動部40のベース台は、高さ検出センサ移動部40のレール部上を移動してもよい。
【0052】
[制御装置の構成]
図5は、本実施形態の制御装置を示す機能ブロック図である。
制御装置200は、図5に示すように、入力部210と、表示部220と、ロボット制御部230と、高さ検出センサ制御部240と、角度検出センサ制御部250と、記憶部260とを含んでいる。制御装置200は、種々の公知の構成によりプレスブレーキ10及びワーク供給ロボット100と接続している。
【0053】
入力部210は、例えば、キーボード、マウス、押しボタンスイッチ、タクトスイッチ及びキーロックスイッチ等の入力デバイスにより構成されており、入力部210を操作することにより、曲げ加工システム1において通常必要とされる情報入力の機能に加え、例えば、記憶部260の後述するNC(数値制御:Numerical Control)制御プログラムの選択等の操作をすることができる。
【0054】
表示部220は、表示装置としてのディスプレイを有しており、曲げ加工システム1において通常必要とされる画面表示の機能に加え、例えば、NC制御プログラムを選択するための選択画面等を表示する。さらに、表示部220は、入力部210の機能を有するタッチパネルで構成され得る。表示部220がタッチパネルで構成された場合は、ユーザは、例えば表示部220を操作することにより、NC制御プログラムの選択等の各種の情報を制御装置200に対して入力可能となる。
【0055】
なお、入力部210及び表示部220の構成は、上述した構成に限定されず、これら入力部210及び表示部220に代わり同等の機能を有する構成であれば(例えば、遠隔から利用可能な表示手段や入力手段等)、これに限定されるものではない。
【0056】
ロボット制御部230は、ワーク供給ロボット100のCNC制御(コンピュータ数値制御:Computerized Numerical Control)が可能に構成されている。具体的には、ロボット制御部230は、ワーク載置台PからワークWを搬送(供給)する際に、記憶部260に記憶されている後述するロボット用NC制御プログラムに基づいて、ワーク載置台Pに積載された複数のワークWのうちの最上部のワークWにロボットハンド120が到達するように、アーム部140及び移動機構160を制御するよう構成されている。
【0057】
また、ロボット制御部230は、ワークWにロボットハンド120が到達した際に、ハンド本体122によりそのワークWを把持するようロボットハンド120を制御、又は、吸着部124によりそのワークWを保持するようエア吸引源を制御すると共に、保持したワークWをプレスブレーキ10の上型U及び下型Lの間に挿入するように、アーム部140及び移動機構160を制御するよう構成されている。
【0058】
さらに、ロボット制御部230は、高さ検出センサ20により検出されたワークWの高さ方向の位置が許容範囲に収まっていない場合、ロボットハンド120の保持するワークWが許容範囲に収まるようにアーム部140及び移動機構160を制御するよう構成されている。またさらに、ロボット制御部230は、プレスブレーキ10による曲げ加工時に、ワーク供給ロボット100が曲げ加工を補助するフォローイング動作をするようにワーク供給ロボット100を制御する。
【0059】
高さ検出センサ制御部240は、高さ判定処理部242と、保持位置特定部244と、移動制御部246とを含む。高さ判定処理部242は、高さ検出センサ20により検出されたワークWの高さ方向の位置が許容範囲に収まっているか否かを判定するよう構成されている。
【0060】
具体的には、高さ判定処理部242は、高さ検出センサ20から高さ検出センサ20が検出した値を取得し、その値が所定の許容範囲に収まっているか判定する。許容範囲は、例えば、高さ検出センサ20が高さ方向におけるワークWまでの距離を検出するものである場合、高さ検出センサ20からプレスブレーキ10の下型Lの先端部を含むXY平面までの鉛直方向の距離を基準としてキャリブレーションを実施し、その距離からの高さ方向の許容誤差によって決定する。
【0061】
また、高さ判定処理部242は、高さ検出センサ20により検出されたワークWの高さ方向の位置が許容範囲に収まっていない場合、ロボット制御部230にワークWの位置を調整させるよう構成されている。
【0062】
保持位置特定部244は、ワークWを保持するワーク供給ロボット100の位置を特定可能に構成されている。例えば、保持位置特定部244は、記憶部260のロボット用NC制御プログラムからワークWを保持するワーク供給ロボット100の位置(保持位置)を特定する。また、保持位置特定部244は、ワーク供給ロボット100の座標情報を取得し、取得した座標情報と、使用しているロボットハンド120の情報からワーク供給ロボット100の位置を特定してもよい。
【0063】
さらに、保持位置特定部244は、曲げ加工システム1が保持位置特定用センサを更に備える場合、保持位置特定用センサの検出結果からワーク供給ロボット100の位置を特定してもよい。またさらに、持位置特定部244は、曲げ加工システム1がカメラを更に備える場合、カメラの映像又は画像からワーク供給ロボット100の位置を特定してもよい。
【0064】
また、保持位置特定部244は、ワークの一端から他端まで高さ検出センサ20をX軸方向に移動させることでワークWの高さ方向の位置を走査し、最も高さ方向の位置が高い箇所、すなわちワークWの撓みが最小の箇所をワークWを保持するワーク供給ロボット100の位置として特定してもよい。
【0065】
移動制御部246は、ワーク供給ロボット100の位置の近傍に高さ検出センサ20を移動させるよう構成されている。具体的には、移動制御部246は、角度検出センサ移動部19及び高さ検出センサ移動部40を制御することにより、高さ検出センサ移動部40のベース台に取り付けられた高さ検出センサ20を保持位置特定部244により特定されたワーク供給ロボット100の位置の近傍に移動させる。ここで、「ワーク供給ロボット100(ワーク保持手段)の位置の近傍」とは、ワーク供給ロボット100の位置誤差やワークWの把持位置の誤差により高さ検出センサ20の検出位置が変化したとしてもワークWの検出に影響を受けず、検出範囲22がワーク供給ロボット100に干渉せず、かつ、検出範囲22の中にワークWに設けられた穴や凹凸等の検出の妨げになるものがない位置の中で最も近い位置の領域をいう。
【0066】
また、移動制御部246は、高さ検出センサ20の検出範囲22の中にワークWの穴や凹凸等の検出の妨げになるものがある場合、これらが検出範囲22の中に入らないように角度検出センサ移動部19及び高さ検出センサ移動部40を制御するよう構成されている。さらに、移動制御部246は、高さ検出センサ20の検出範囲22とワーク供給ロボット100のロボットハンド120が重なる場合や、高さ検出センサ20とロボットハンド120が干渉する場合、高さ検出センサ20の検出範囲22からワーク供給ロボット100が外れるように角度検出センサ移動部19及び高さ検出センサ移動部40を制御するよう構成されている。
【0067】
図6は、本実施形態の高さ検出センサとロボットハンドの位置関係の一例を示す図である。
まず、図6を参照してワーク供給ロボット100のロボットハンド120がワークWを把持するハンド本体122を有する場合の高さ検出センサ20の検出位置を説明する。例えば、図6(a)に示すように、ロボットハンド120と高さ検出センサ20の検出範囲22が重ならない場合、移動制御部246は、検出範囲22の中心がロボットハンド120のワークWの保持位置の中心の延長線CL上に位置するように角度検出センサ移動部19及び高さ検出センサ移動部40を制御する。
【0068】
一方で、ロボットハンド120の保持位置によっては、高さ検出センサ20の検出範囲22の中心がロボットハンド120のワークWの保持位置の中心の延長線CL上に位置すると、検出範囲22とワークWの保持位置が重なることがある。この場合、高さ検出センサ20の位置を検出範囲22がワークWから外れない範囲で延長線CL上からの移動量が最も小さくなるようにX軸方向に移動させる。例えば、移動制御部246は、図6(b)及び図6(c)に示すように、延長線CL上の位置からX軸方向にxだけ移動した位置に高さ検出センサ20の検出範囲22の中心が位置するように角度検出センサ移動部19及び高さ検出センサ移動部40を制御する。
【0069】
図7~9は、本実施形態の高さ検出センサとロボットハンドの位置関係の一例を示す図である。
次に、図7~9を参照してワーク供給ロボット100のロボットハンド120がハンド本体122′と、複数の吸着部124とを有する場合の高さ検出センサ20の検出位置を説明する。なお、図7(a),8(a),9(a)は、ワークWの上面(表面)を吸着部124が保持する場合を示しており、図7(b),8(b),9(b)は、ワークWの下面(裏面)を吸着部124が保持する場合を示している。
【0070】
例えば、図7(a),(b)に示すように、ロボットハンド120と高さ検出センサ20の検出範囲22が重ならない場合、移動制御部246は、検出範囲22の中心がロボットハンド120のワークWの保持位置の中心、すなわち、ハンド本体122′の中心に位置する装着部122aの延長線CL′上に位置するように高さ検出センサ移動部40を制御する。
【0071】
また、ロボットハンド120の保持位置によっては、高さ検出センサ20の検出範囲22の中心がロボットハンド120のワークWの保持位置の中心の延長線CL′上に位置すると、検出範囲22とワークWの保持位置が重なることがある。
【0072】
しかしながら、図8(a),9(a)に示すように、ロボットハンド120の吸着部124がワークWの上面を保持する場合、高さ検出センサ20の検出範囲22とワークWの保持位置が重なっていても、ロボットハンド120が高さ検出センサ20の検出を阻害することや、ロボットハンド120と高さ検出センサ20が干渉することはない。そのため、移動制御部246は、検出範囲22の中心がロボットハンド120のワークWの保持位置の中心の延長線CL′上に位置するように角度検出センサ移動部19及び高さ検出センサ移動部40を制御する。
【0073】
一方で、ロボットハンド120の吸着部124がワークWの下面を保持する場合、高さ検出センサ20が延長線CL′上に位置すると、ロボットハンド120が高さ検出センサ20の検出を阻害することや、ロボットハンド120と高さ検出センサ20が干渉することがある。この場合、高さ検出センサ20の位置を検出範囲22がワークWから外れない範囲で延長線CL′上からの移動量が最も小さくなるようにX軸方向に移動させる。例えば、移動制御部246は、図8(b),9(b)に示すように、延長線CL′上の位置からX軸方向にx2,だけ移動した位置に高さ検出センサ20の検出範囲22の中心が位置するように角度検出センサ移動部19及び高さ検出センサ移動部40を制御する。
【0074】
以上の構成を備えるロボット制御部230及び高さ検出センサ制御部240は、記憶部260の後述するセンサ移動制御プログラム262及び曲げ加工プログラム264を実行可能に構成されている。また、ロボット制御部230及び高さ検出センサ制御部240は、センサ移動制御プログラム262及び曲げ加工プログラム264を連続又は並行して実行可能である。
【0075】
角度検出センサ制御部250は、角度検出センサ移動部19を制御することにより、角度検出センサ移動部19のベース台に取り付けられた角度検出センサ18を所定の位置に移動させるよう構成されている。また、角度検出センサ制御部250は、ワークWの曲げ加工を行う際に、角度検出センサ18により検出された角度が許容範囲に収まっているか否かを判定するよう構成されている。なお、角度検出センサ制御部250は、種々の公知の構成を採用可能であるため、その詳細な説明を省略する。
【0076】
記憶部260は、ワーク供給ロボット100にワーク載置台Pからプレスブレーキ10へのワークWの供給(挿入)、ワークWの曲げ加工の補助、及び、曲げ加工後のワークWの搬送(搬出)等を実行させるためのロボット用NC制御プログラム(図示せず)を有する。また、記憶部260は、プレスブレーキ10に所定の曲げ加工を実行させるためのプレスブレーキ用NC制御プログラム(図示せず)を有する。さらに記憶部260は、センサ移動制御プログラム262と曲げ加工プログラム264とを有する。
【0077】
センサ移動制御プログラム262は、ワークWを保持するワーク供給ロボット100の位置を特定する保持位置特定処理と、保持位置特定処理により特定されたワーク供給ロボット100の位置の近傍に高さ検出センサ20を移動させる高さ検出センサ移動処理と、ワークWの高さ方向の位置を検出する高さ検出処理と、高さ検出センサ20により検出されたワークWの高さ方向の位置が許容範囲に収まっているか否かを判定する高さ判定処理とを制御装置200に実行させる。
【0078】
曲げ加工プログラム264は、ワーク供給ロボット100にプレスブレーキ10の上型U及び下型Lの間にワークWを挿入させるワーク挿入処理と、センサ移動制御プログラム262の高さ判定処理で高さ検出センサ20により検出されたワークWの高さ方向の位置が許容範囲に収まっていなかった場合に、ワーク供給ロボット100を動作させ、ワークWの位置を調整するワーク位置調整処理と、ワークWの曲げ加工を実施する曲げ処理とを制御装置200に実行させる。
【0079】
なお、本実施形態において、センサ移動制御プログラム262及び曲げ加工プログラム264は異なるプログラムとして説明したが、これに限定されず、一つのプログラムであってもよい。また、本実施形態において、センサ移動制御プログラム262は、保持位置特定処理を制御装置200に実行させるものとして説明したが、これに限定されない。例えば、曲げ加工システム1は、ロボット用NC制御プログラム及びプレスブレーキ用NC制御プログラムを作成する設計支援装置(図示せず)を更に備えてもよい。この場合、設計支援装置は、ロボット用NC制御プログラムからワーク供給ロボット100のワークWの保持位置を特定する保持位置特定処理を実行し、センサ移動制御プログラム262は、設計支援装置の特定結果(位置情報)が組み込まれている。また、このような構成を備える場合、制御部200は、保持位置特定部244を含まなくてもよい。
【0080】
図10~13は、本実施形態の曲げ加工システムの動作の一例を示す概略図である。
以上の構成を備える曲げ加工システム1の動作の一例について図10~13を参照して説明する。まず、曲げ加工システム1は、図10及び図11に示すように、ワーク供給ロボット100によってプレスブレーキ10の上型U及び下型Lの間にワークWが挿入される。次に、図11の状態において、高さ検出センサ20によりワークWの高さ方向の位置を検出される。そして、ワーク供給ロボット100は、図12に示すように、ワークWの高さ方向の位置が許容範囲に収まるようにワークWの高さ方向の位置を調整する。その後、図13に示すように、ワーク供給ロボット100は、バックゲージ17にワークWの突き当て部を突き当てることでワークWの奥行き方向の位置を調整する。
【0081】
なお、本実施形態の曲げ加工システム1は、ワークWと、角度検出センサ18及び高さ検出センサ20とが干渉することを回避するために、ワークWの高さ方向の位置調整後、奥行き方向の位置を調整する前にワークWを一旦退避させた後に、角度検出センサ18及び高さ検出センサ20を移動させ、その後ワークWの位置を高さ調整後の位置に戻すことが好ましいが、これに限定されない。また、曲げ加工システム1は、ワークWの奥行き方向の位置を調整した後にワークWの高さ方向の位置を調整してもよい。また、曲げ加工システム1は、ワークWの高さ方向の位置と奥行き方向の位置を同時に調整してもよい。
【0082】
[本実施形態に係るセンサ移動制御方法]
次に、本実施形態に係る曲げ加工システム1によるセンサ移動制御方法について説明する。本実施形態に係るセンサ移動制御方法は、概略的には、ワークWを保持するワーク供給ロボット100の位置の近傍に高さ検出センサ20を移動させる高さ検出センサ移動工程と、ワークWの高さ方向の位置を検出する高さ検出工程と、高さ検出センサ20により検出されたワークWの高さ方向の位置が許容範囲に収まっているか否かを判定する高さ判定工程とを備える。
【0083】
図14は、本実施形態のセンサ移動制御方法の一例を示すフローチャートである。
本実施形態に係るセンサ移動制御方法について図14を参照して詳述する。まず、曲げ加工システム1は、制御装置200の高さ検出センサ制御部240の保持位置特定部244がワークWを保持するワーク供給ロボット100の位置を特定する(図14のS10:保持位置特定工程)。続いて、高さ検出センサ制御部240の移動制御部246は、保持位置特定部244が特定した位置情報に基づいて、角度検出センサ移動部19及び高さ検出センサ移動部40を制御し、高さ検出センサ20をワーク供給ロボット100の保持位置の近傍に移動させる(図14のS20:高さ検出センサ移動工程)。
【0084】
その後、高さ検出センサ20は、ワークWの高さ方向の位置を検出する(図14のS30:高さ検出工程)。なお、高さ検出センサ20は、ワークWの一箇所のみの高さ方向の位置を検出してもよいし、一の検出箇所から移動し、ワークWの複数箇所の高さ方向の位置を検出してもよい。
【0085】
そして、制御装置200の高さ検出センサ制御部240の高さ判定処理部242は、高さ検出センサ20の検出したワークWの高さ方向の値を取得し、取得したワークWの高さ方向の位置が許容範囲に収まっているか否かを判定する(図14のS40:高さ判定工程)。高さ判定処理部242は、ワークWの高さ方向の位置が許容範囲に収まっていない場合(図14のS40にてNO)、ロボット制御部230にワークWの位置を調整させる(図14のS50)。なお、ワークWの高さ方向の位置調整は、バックラッシュによる誤差を生じさせないようにするためにZ軸のマイナス方向にワークWを動かして調整することが好ましいが、これに限定されない。
【0086】
ワークWの高さ方向の位置が許容範囲に収まっていた場合(図14のS40にてYES)、又はワークWの高さ方向の位置が調整後に許容範囲に収まった場合、制御装置200の高さ検出センサ制御部240の移動制御部246は、高さ検出センサ移動部40を制御し、高さ検出センサ20を所定の待機位置に移動させる(図14のS60:センサ移動工程)。以上の工程により、本実施形態に係る曲げ加工システム1による一連のセンサ移動制御方法が実行される。
【0087】
[本実施形態に係る曲げ加工方法]
次に、本実施形態に係る曲げ加工システム1による曲げ加工方法について説明する。本実施形態に係る曲げ加工方法は、概略的には、ワーク供給ロボット100によりプレスブレーキ10の上型U及び下型Lの間にワークWを挿入するワーク挿入工程と、センサ移動制御方法の高さ判定工程で高さ検出センサ20により検出されたワークWの高さ方向の位置が許容範囲に収まっていなかった場合に、ワーク供給ロボット100を動作させ、ワークWの位置を調整するワーク位置調整工程と、ワークWの曲げ加工を実施する曲げ工程とを備える。
【0088】
図15は、本実施形態の曲げ加工方法の一例を示すフローチャートである。
本実施形態に係る曲げ加工方法について図15を参照して詳述する。まず、曲げ加工システム1は、ワーク供給ロボット100がワーク載置台P上のワークWを保持し、プレスブレーキ10に供給する。具体的には、ワーク供給ロボット100は、プレスブレーキ10の上型U及び下型Lの間に保持しているワークWを挿入する(図15のS100:ワーク挿入工程)。
【0089】
続いて、ワーク供給ロボット100は、ワークWの高さ方向の位置を調整する。具体的には、ワーク供給ロボット100は、センサ移動制御方法の高さ判定工程で高さ検出センサ20により検出されたワークWの高さ方向の位置が許容範囲に収まっていなかった場合、挿入したワークWをZ軸方向に降下又は上昇させる(図15のS110:ワーク位置調整工程)。なお、ワークWの高さ方向の位置が許容範囲に収まっている場合、ワーク供給ロボット100は、そのままの高さを維持する。
【0090】
高さ調整と同時に、又はその後、ワーク供給ロボット100は、バックゲージ17にワークWの突き当て部を突き当てることでワークWの奥行き方向と上型U及び下型Lの長手方向の位置を調整する(図15のS120)。ワークWの位置調整が完了した後、プレスブレーキ10は、上型Uを下型Lに接近させ、ワークWを上型U及び下型Lで挟む。そして、プレスブレーキ10が更に上型Uを下型Lに接近させると共に、ワーク供給ロボット100がフォローイング動作を実行し、曲げ加工が行われる(図15のS130:曲げ工程)。
【0091】
また、曲げ工程時に、制御装置200の角度検出センサ制御部250は、角度検出センサ18を所定の位置に移動させ、ワークWの折り曲げ角度を検出させる。そして、角度検出センサ制御部250は、角度検出センサ18により検出された角度が許容範囲に収まっているか否かを判定する。
【0092】
その後、プレスブレーキ10の上型Uが下型Lから離間し、ワーク供給ロボット100は、保持している曲げ加工済みのワークWを所定の位置に搬送する。以上の工程により、本実施形態に係る曲げ加工システム1による一連の曲げ加工方法が実行される。
【0093】
なお、本実施形態に係る曲げ加工方法を連続して行う場合、最初の試運転(チェック運転)のみ高さ調整と奥行き調整と幅調整(上型U及び下型Lの長手方向の調整)とを行い、試運転時の高さ情報、奥行き情報及び幅情報をワーク供給ロボット100及び制御装置200に記憶(学習)させることで2度目以降の調整を省略してもよいし、都度高さ調整、奥行き調整及び幅調整を行ってもよい。
【0094】
また、本実施形態において、センサ移動制御方法と曲げ加工方法を分けて説明したが、これに限定されず、曲げ加工方法の一部としてセンサ移動制御方法が実行されてもよい。
【0095】
[本実施形態に係るプレスブレーキ、曲げ加工システム及びセンサ移動制御方法の利点]
以上説明したように、本実施形態に係るプレスブレーキ10は、相対移動可能な上型U及び下型Lと、上型U及び下型Lの間に挿入されるワークWの高さ方向の位置を検出可能な高さ検出センサ20と、高さ検出センサ20を上型U及び下型Lの長手方向に移動させる高さ検出センサ移動部40と、制御部(高さ検出センサ制御部240)とを備え、制御部(高さ検出センサ制御部240)は、ワークWを保持するワーク保持手段(ワーク供給ロボット100)の位置の近傍に高さ検出センサ20を移動させる移動制御部246と、高さ検出センサ20により検出されたワークWの高さ方向の位置が許容範囲に収まっているか否かを判定する高さ判定処理部242とを含む。
【0096】
そして、本実施形態に係るプレスブレーキ10は、このような構成を備えることにより、高さ検出センサ20がワークWの高さ方向の位置を検出し、高さ判定処理部242が高さ検出センサ20により検出されたワークWの高さ方向の位置が許容範囲に収まっているか否かを判定するため、曲げ加工を行うワークWの近傍で目視確認することなくワークWの高さ方向の位置決めができるという利点を有している。特に、本実施形態に係るセンサ移動制御装置によれば、ワークWの高さ方向の位置決めを自動で実行することが可能であるため、プレスブレーキの高稼働化や作業員のスキルレス化を図ることが可能となる。
【0097】
また、高さ検出センサ20がワーク保持手段(ワーク供給ロボット100)の位置の近傍に移動してワークWの高さ方向の位置を検出することができるため、高さ方向の位置を検出する際にワークWの撓みの影響を受けにくくなるという利点を有している。ワークWは、ワーク保持手段(ワーク供給ロボット100)の保持位置から離れるほど撓むため、例えば、下型Lの先端部にワークを配置する際に、ワークWの大きく撓んだ箇所が下型Lの先端部の高さに達していても、撓みが小さい箇所は下型Lの先端部の高さよりも上方に位置しており、高さ方向の位置が許容範囲に収まっていない場合がある。本実施形態に係るセンサ移動制御装置では、撓みが小さい箇所、即ち、ワーク保持手段(ワーク供給ロボット100)の位置の近傍に移動してワークWの高さ方向の位置を検出することができるため、より正確にワークWの高さ方向の位置決めができる。
【0098】
さらに、本実施形態に係るプレスブレーキ10は、下型Uを取り付ける下部テーブル12を備え、高さ検出センサ20は、下部テーブル12のワーク保持手段(ワーク供給ロボット100)との対向面12aに移動自在に取り付けられている。このような構成を備えることにより、より正確にワークWの高さ方向の位置が許容範囲に収まっているか判定できるという利点を有している。例えば、上型U及び下型Lよりも奥行き方向の後方で高さ検出センサ20がワークWの高さ方向の位置を検出する場合、ワークWの上型U及び下型Lの間に挟まれる箇所、即ちワークWの折り曲げ箇所の高さ方向の位置が許容範囲に収まっていない状態であっても、ワークWの先端部(突き当て部)の高さ方向の位置が許容範囲に収まっていることで、許容範囲内と判定される場合がある。本実施形態に係るセンサ移動制御装置において、高さ検出センサ20は、上型U及び下型Lよりもワーク保持手段(ワーク供給ロボット100)側に配置されていることでこのような誤判定を防止できる。また、高さ検出センサ20がよりワーク保持手段(ワーク供給ロボット100)に近い位置でワークWの高さ方向の位置を検出できるという利点を有している。さらに、下部テーブル12に取り付けることで製造コスト削減とプレスブレーキ10の大型化を防ぐことができるという利点を有している。
【0099】
またさらに、本実施形態に係るプレスブレーキ10において、制御部(高さ検出センサ制御部240)は、高さ検出センサ20の検出範囲からワーク保持手段(ワーク供給ロボット100)が外れるように高さ検出センサ移動部40を制御するよう構成されている。このような構成を備えることにより、高さ検出センサ20の検出範囲にワーク保持手段(ワーク供給ロボット100)が入ることで、ワーク保持手段(ワーク供給ロボット100)をワークWとして誤検出することを防止でき、ワークWの高さ方向の位置をより正確に検出できるという利点を有している。また、このような本実施形態に係るセンサ移動制御装置によれば、ワーク保持手段(ワーク供給ロボット100)と高さ検出センサ20との物理的な干渉を防ぐことも可能となる。
【0100】
また、本実施形態に係るプレスブレーキ10は、ワークWの曲げ加工時に、ワークWの曲げ角度を検出可能な角度検出センサ18を備え、角度検出センサ18は、上型U及び下型Lの長手方向に移動自在に構成されており、高さ検出センサ20及び角度検出センサ18は、それぞれ独立して上型U及び下型Lの長手方向に移動可能に構成されている。このような構成を備えることにより、ワーク保持手段(ワーク供給ロボット100)又はワークWと角度検出センサ18が干渉し、高さ検出センサ20がワーク保持手段(ワーク供給ロボット100)の位置の近傍に十分に接近できなくなることを防止できるという利点を有している。
【0101】
[変形例]
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明の技術的範囲は、上述した実施形態に記載の範囲には限定されない。上述した実施形態には、多様な変更又は改良を加えることが可能である。
【0102】
例えば、上述した実施形態において、プレスブレーキ10は、下型Lを取り付ける下部テーブル12を備え、高さ検出センサ20は、下部テーブル12のワーク保持手段(ワーク供給ロボット100)との対向面12aに移動自在に取り付けられているものとして説明したが、これに限定されない。例えば、高さ検出センサ20は、下部テーブル12のワーク保持手段(ワーク供給ロボット100)との対向面12a以外の面に取り付けられてもよいし、プレスブレーキ10の下型ホルダ15や、上部テーブル11、上型ホルダ14等の下部テーブル12以外の場所に取り付けられてもよい。また、高さ検出センサ20は、プレスブレーキ10を使用する工場等の床面や天井面に移動自在に取り付けられてもよい。
【0103】
上述した実施形態において、制御部(高さ検出センサ制御部240)は、高さ検出センサ20の検出範囲からワーク保持手段(ワーク供給ロボット100)が外れるように高さ検出センサ移動部40を制御するよう構成されているものとして説明したが、これに限定されない。ワーク保持手段(ワーク供給ロボット100)の動作を妨げない範囲であれば、高さ検出センサ20の検出範囲にワーク保持手段(ワーク供給ロボット100)が入ってもよい。
【0104】
上述した実施形態において、プレスブレーキ10は、ワークWの曲げ加工時に、ワークWの曲げ角度を検出可能な角度検出センサ18を備え、角度検出センサ18は、上型U及び下型Lの長手方向に移動自在に構成されており、高さ検出センサ20及び角度検出センサ18は、それぞれ独立して上型U及び下型Lの長手方向に移動可能に構成されているものとして説明したが、これに限定されない。プレスブレーキ10は、ワークWの曲げ加工時に、ワークWの曲げ角度を検出可能な角度検出センサ18を備えなくてもよい。すなわち、高さ検出センサ20を角度検出センサ18として利用しても良いし、角度検出を行わない構成としても良い。また、プレスブレーキ10は、例えば、角度検出センサ18に高さ検出センサ20が取り付けられており、高さ検出センサ20と角度検出センサ18が一体となって移動してもよい。高さ検出センサ20と角度検出センサ18が一体となって移動する場合、角度検出センサ移動部19と高さ検出センサ移動部40を一つにできるため、製造コスト削減とプレスブレーキ10の大型化を防ぐことができる。
【0105】
上述した実施形態において、高さ検出センサ20は、1つであることを前提として説明したが、これに限定されず、高さ検出センサ20は、複数あってもよい。高さ検出センサ20が複数設置される場合には、それぞれ独立して移動可能な構成としても良い。高さ検出センサ20を複数備える場合、高さ検出センサ20は、上型U及び下型Lの長手方向に複数設けられてもよいし、上型U及び下型Lの前方と後方(奥行き方向)に複数設けられてもよい。また、その両方を組み合わせてもよい。
【0106】
上述した実施形態において、ロボットハンド120は、ハンド本体122又はハンド本体122′及び吸着部124を備えるものとして説明したが、これに限定されず、ロボットハンド120は、ハンド本体120と吸着部124とを備え、ワークWの把持と吸着による保持とを使い分けてもよい。
【0107】
上述した実施形態において、曲げ加工方法は、高さ調整と同時に、又はその後、ワークWの奥行き方向及び幅方向の位置を調整するものとして説明したが、これに限定されず、奥行き方向及び幅方向の位置を調整した後に高さ調整をしてもよい。
【0108】
上述した実施形態において、角度検出センサ18は、下部テーブル12のワーク供給ロボット100との対向面12aにのみ取り付けられていることを前提として説明したが、これに限定されない。プレスブレーキ10は、下部テーブル12のワーク供給ロボット100との対向面12aの裏側の面に角度検出センサ18を更に備えてもよい。
【符号の説明】
【0109】
1 曲げ加工システム
10 プレスブレーキ
11 上部テーブル
12 下部テーブル
13 支持部
14 上型ホルダ
15 下型ホルダ
16 駆動機構
17 バックゲージ
18 角度検出センサ
19 角度検出センサ移動部
19a レール部
20 高さ検出センサ
22 検出範囲
40 高さ検出センサ移動部
100 ワーク供給ロボット
120 ロボットハンド
122,122′ ハンド本体
124 吸着部
140 アーム部
160 移動機構
160a レール部
160b ベース台
200 制御装置
210 入力部
220 表示部
230 ロボット制御部
240 高さ検出センサ制御部
242 高さ判定処理部
244 保持位置特定部
246 移動制御部
250 角度検出センサ制御部
260 記憶部
262 センサ移動制御プログラム
264 曲げ加工プログラム
L 下型
P ワーク載置台
U 上型
W ワーク
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
【手続補正書】
【提出日】2023-12-28
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
相対移動可能な上型及び下型と、
前記上型及び前記下型の間に挿入されるワークの高さ方向の位置を検出可能な高さ検出センサと、
前記高さ検出センサを前記上型及び前記下型の長手方向に移動させる高さ検出センサ移動部と、
制御部と
を備え、
前記制御部は、
前記ワークを保持するワーク保持手段の位置の近傍に前記高さ検出センサを移動させる移動制御部と、
前記高さ検出センサにより検出された前記ワークの高さ方向の前記位置が許容範囲に収まっているか否かを判定する高さ判定処理部と、
を含み、
前記高さ検出センサは、前記上型及び前記下型の間に前記ワークを挿入後、前記上型及び前記下型を相対移動させる前に前記ワークの前記高さ方向の位置を検出するように構成されている
プレスブレーキ。
【請求項2】
前記下型を取り付ける下部テーブルを備え、
前記高さ検出センサは、前記下部テーブルの前記ワーク保持手段との対向面に移動自在に取り付けられている
請求項1に記載のプレスブレーキ。
【請求項3】
前記制御部は、前記高さ検出センサの検出範囲から前記ワーク保持手段が外れるように前記高さ検出センサ移動部を制御するよう構成されている
請求項1又は2に記載のプレスブレーキ。
【請求項4】
前記ワークの曲げ加工時に、前記ワークの曲げ角度を検出可能な角度検出センサを備え、
前記角度検出センサは、前記上型及び前記下型の長手方向に移動自在に構成されており、
前記高さ検出センサ及び前記角度検出センサは、それぞれ独立して前記上型及び前記下型の長手方向に移動可能に構成されている
請求項1又は2に記載のプレスブレーキ。
【請求項5】
所定長さの板状のワークの曲げ加工を行うプレスブレーキと、
前記プレスブレーキに前記ワークを供給するワーク供給ロボットと、
高さ検出センサと、
高さ検出センサ移動部と、
前記プレスブレーキ、前記ワーク供給ロボット、前記高さ検出センサ及び前記高さ検出センサ移動部を制御する制御装置と
を備え、
前記プレスブレーキは、相対移動可能な上型及び下型を含み、
前記ワーク供給ロボットは、前記上型及び前記下型の間に前記ワークを挿入するよう構成されており、
前記高さ検出センサは、前記上型及び前記下型の間に挿入される前記ワークの高さ方向の位置を検出可能に構成されており、
前記高さ検出センサ移動部は、前記高さ検出センサを前記上型及び前記下型の長手方向に移動させるよう構成されており、
前記制御装置は、
前記ワークを保持するワーク保持手段の位置の近傍に前記高さ検出センサを移動させる移動制御部と、
前記高さ検出センサにより検出された前記ワークの高さ方向の前記位置が許容範囲に収まっているか否かを判定する高さ判定処理部と、
を含み、
前記高さ検出センサは、前記上型及び前記下型の間に前記ワークを挿入後、前記上型及び前記下型を相対移動させる前に前記ワークの前記高さ方向の位置を検出するように構成されている
曲げ加工システム。
【請求項6】
相対移動可能な上型及び下型の間に挿入されるワークを保持するワーク保持手段の位置の近傍に前記ワークの高さ方向の位置を検出可能な高さ検出センサを移動させる高さ検出センサ移動工程と、
前記上型及び前記下型の間に前記ワークを挿入後、前記上型及び前記下型を相対移動させる前に前記ワークの前記高さ方向の前記位置を検出する高さ検出工程と、
前記高さ検出センサにより検出された前記ワークの前記高さ方向の前記位置が許容範囲に収まっているか否かを判定する高さ判定工程と
を備える
センサ移動制御方法。