(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024051976
(43)【公開日】2024-04-11
(54)【発明の名称】遊技機情報表示装置
(51)【国際特許分類】
A63F 7/02 20060101AFI20240404BHJP
【FI】
A63F7/02 350Z
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022158391
(22)【出願日】2022-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】000101204
【氏名又は名称】株式会社oneA
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】弁理士法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】川元 敬太
(72)【発明者】
【氏名】泰原 啓
【テーマコード(参考)】
2C088
【Fターム(参考)】
2C088BC22
2C088EA41
2C088EA49
2C088EB68
(57)【要約】
【課題】遊技機情報表示装置の装飾性を高めつつ、コンパクトに構成する。
【解決手段】遊技機情報表示装置Dは、表示パネル部2の前面をすべて覆うように設けられ、表示パネル部の表示画面と対応する位置が透明である平板状のフロントパネル体1と、遊技場の営業時間中に、表示パネル部2の表示画面Wに遊技機Mの遊技情報を表示させるとともに、表示画面Wの下端部に店員の呼び出しに用いられる呼出しボタンP1を表示させる演算処理部108と、呼出しボタンP1へのタッチ操作を検出するタッチセンサとを備える。
【選択図】
図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技場に設置された遊技機の上方位置に設置される遊技機情報表示装置であって、
前記遊技機の遊技情報が表示される表示パネル部と、
前記遊技機情報表示装置を前から見た正面視において、前記表示パネル部の前面をすべて覆うように設けられ、少なくとも前記表示パネル部の表示画面と対応する位置が透明である平板状のフロントパネル体と、
前記表示パネル部の表示画面には前記遊技機の遊技情報を表示させるとともに、当該表示画面の下端部に店員の呼び出しに用いられる呼出しボタンを表示させる演算処理部と、
前記呼出しボタンへのタッチ操作を検出するタッチセンサとを備える
遊技機情報表示装置。
【請求項2】
前記フロントパネル体は、前記正面視において、上下左右の幅が前記表示パネル部の外形よりも広く構成され、
前記正面視において前記表示パネル部の周りを発光させる装飾発光部が設けられている
請求項1に記載の遊技機情報表示装置。
【請求項3】
前記タッチセンサは、透明のシート状に構成され、前記表示パネル部の表示画面の前記呼出しボタンの表示と前記フロントパネル体との間に配置される
請求項1に記載の遊技機情報表示装置。
【請求項4】
前記表示パネル部には、前記表示画面と前記タッチセンサとが一体的に構成されたタッチパネル式の表示パネルを用いている
請求項1に記載の遊技機情報表示装置。
【請求項5】
前記演算処理部は、前記呼出しボタンへのタッチ操作が行われた際に、当該呼出しボタンの表示をタッチ操作前と異なる表示形式に切り替える切替処理を実行する
請求項1に記載の遊技機情報表示装置。
【請求項6】
前記演算処理部は、前記遊技機が有利遊技状態になると、前記呼出しボタンを半透過色にして背景画像が透過して見えるように透過処理をする
請求項1に記載の遊技機情報表示装置。
【請求項7】
正面視において、前記呼出しボタンの周囲には、タッチ操作を検知しない所定の広さのタッチ非検出領域が設けられている
請求項1に記載の遊技機情報表示装置。
【請求項8】
前記演算処理部は、前記遊技機の遊技状態の変化及び設定ボタンの操作に応じて前記表示画面の表示を切り替える切替処理を実行し、前記表示画面の表示が切り替わっても前記呼出しボタンは継続して前記表示画面の同じ位置に表示され続ける
請求項1に記載の遊技機情報表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各遊技機の上方位置に設置されて、その遊技機の情報や遊技場全体の情報等を表示することができる遊技機情報表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、遊技場のパチンコやスロットの遊技機の上方位置には、各遊技機の出玉情報や大当たり情報、遊技場全体の情報を表示し、さらに店員の呼出し等を行う、いわゆる呼出しランプと呼ばれる、遊技機情報表示装置が設置されている。
【0003】
こうした遊技機情報表示装置では、近年、大型の液晶パネルを用いた構成が主流となっている。特許文献1及び特許文献2には、大型の液晶パネルを用いた遊技機情報表示装置が開示されている。このように表示パネルを大型化することにより、遊技機情報表示装置の装飾性を高めたり、一画面に表示させる遊技情報の項目数や情報量を増加させたりすることができ、遊技者の高揚感や満足度を高めることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2020-203125号公報
【特許文献2】特開2015-180436号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来型の遊技機情報表示装置では、店員の呼出しに用いられる呼出しボタンは、遊技情報表示装置の液晶パネル以外の筐体部分に機械式のボタンスイッチが設けられている。しかしながら、情報伝達量を多くするために表示パネルを大型化した場合、その表示パネルとは別の筐体等に操作ボタンを設定すると、その操作ボタンを設けるためのスペースが、筐体前面に別途必要となり、遊技機情報表示装置が必然的に大型化してしまうという問題がある。
【0006】
また、機械式のボタンスイッチの場合、物理的にボタンスイッチを押圧する必要があるため、筐体の破損や劣化さらにスイッチの寿命による劣化の心配がある。
【0007】
さらに、遊技情報表示装置において、その筐体の外側部分に装飾用のランプ部を設けることが通常であるが、こうした装飾用のランプ部を筐体に設けた場合には、遊技情報表示装置がさらに大型化してしまう。
【0008】
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたもので、その目的は、大型の表示パネルを用いて装飾性を高めつつも、コンパクトに構成された遊技情報表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
その目的を達成するために、この発明では、遊技機情報表示装置において、表示パネル部の前面を平板状のフロントパネル体ですべて覆うように構成し、表示パネル部の表示画面に遊技機の遊技情報を表示させるとともに、表示画面の下端部に店員の呼び出しに用いられる呼出しボタンを表示させて、呼出しボタンへのタッチ操作をタッチセンサで検出する構成とした。
【0010】
具体的に、本開示の一態様では、遊技場に設置された遊技機の上方位置に設置される遊技機情報表示装置を対象として、前記遊技機の遊技情報が表示される表示パネル部と、前記遊技機情報表示装置を手前から見た正面視において、前記表示パネル部の前面をすべて覆うように設けられ、少なくとも前記表示パネル部の表示画面と対応する位置が透明である平板状のフロントパネル体と、前記表示パネル部の表示画面には前記遊技機の遊技情報を表示させるとともに、当該表示画面の下端部に店員の呼び出しに用いられる呼出しボタンを表示させる演算処理部と、前記呼出しボタンがタッチ操作されたときに当該タッチ操作を検出するタッチセンサとを備える構成とした。
【0011】
ここで、本開示における「透明」とは、無色透明だけでなく、有色透明であってもよい。また、擦りガラスのように、くすんだ透明であってもよい。すなわち、「透明」とは、その後方に位置する情報を遊技者が視認できれば、どのようなものであってもよい。
【0012】
上記の構成によると、表示パネル部とは別に機械式の呼出しボタン(ボタンスイッチ)を準備する必要がないので、コスト削減の効果が得られるとともに、ボタンスイッチの破損や劣化の問題を考慮する必要がない。また、遊技機情報表示装置の装飾性を高めつつ、遊技機情報表示装置をコンパクトに構成することができる。
【0013】
ところで、本開示のように、遊技機情報表示装置の表示パネル部の前面を平板状のフロントパネル体ですべて覆うような構成は、従来技術において開示されていない。すなわち、呼出しボタンを表示画面に表示させるという従来技術自体がないわけであるが、表示パネル部に呼出しボタンを表示させることを想定した場合には、表示パネル部と表示画面のどこに呼出しボタンの表示を配置するかについて、いろいろなバリエーションが想定される。発明者らは、鋭意検討を行った結果、表示画面の下端部に店員の呼び出しに用いられる呼出しボタンを表示させる構成を見出した。
【0014】
具体的に、例えば、呼出しボタンを表示画面の上下方向及び左右方向の中間位置に表示させると、呼出しボタンの表示が邪魔になって、表示画面で表示させたい情報を十分に表示させることが困難となり、情報伝達機能を悪化させるおそれがある。呼出しボタンを気にせずに表示画面で表示させたい情報を表示させてもよいが、そうすると呼出しボタンの視認性が悪化するという問題がある。また、表示画面の上部に呼出しボタンを設置してしまうと、遊技機情報表示装置が遊技機の上方位置に設置されるので、表示パネル部の大型化に伴って操作しにくいものとなってしまう。本開示のような呼出しボタンの配置により、上記のような情報伝達機能を悪化、視認性の悪化、操作性の悪化を招くことなく、表示画面への呼出しボタンの表示を実現できる。
【0015】
前記フロントパネル体は、前記正面視において、上下左右の幅が前記表示パネル部の外形よりも広く構成され、前記正面視において前記フロントパネル体の前記表示パネル部の周辺部分を発光させる装飾発光部が設けられている構成としてもよい。
【0016】
このような構成にすることで、従来技術のように装飾用のランプ部を別体で設けることなく発光による演出をすることができ、コスト削減の効果が得られるとともに、遊技機情報表示装置全体として、よりコンパクトに構成することができる。
【0017】
なお、前記タッチセンサは、透明のシート状に構成され、前記表示パネル部の表示画面と、前記フロントパネル体との間に配置されるようにしてもよいし、前記表示パネル部に前記表示画面と前記タッチセンサとが一体的に構成されたタッチパネル式の表示パネルを用いてもよい。
【0018】
前記演算処理部は、前記呼出しボタンへのタッチ操作が行われた際に、当該呼出しボタンの表示をタッチ操作前と異なる表示形式に切り替える切替処理を実行する。
【0019】
これにより、遊技者に対して店員を呼出し中であることを明示することができる。
【0020】
前記表示画面には、前記遊技機が有利遊技状態になると、前記呼出しボタン及び前記設定ボタンを半透過色にして背景画像が透過して見えるように透過処理をする構成としてもよい。
【0021】
これにより、有利遊技状態における演出効果を高めることができる。
【0022】
正面視において、前記呼出しボタンの周囲には、タッチ操作を検知しない所定の広さのタッチ非検出領域が設けられている構成としてもよい。
【0023】
これにより、遊技者が呼出しボタンの表示境界付近をタッチした場合においても、間違って隣のボタンに反応するといった誤検知を防ぐことができる。
【0024】
前記演算処理部は、前記遊技機の遊技状態の変化及び前記設定ボタンの操作に応じて前記表示画面の表示を切り替える切替処理を実行し、前記表示画面の表示が切り替わっても前記呼出しボタンは継続して前記表示画面の同じ位置に表示され続けるように構成してもよい。
【0025】
遊技機情報表示装置は、呼出しランプと呼ばれるように、例えば、遊技機の玉詰まりといった遊技中にトラブルが発生した場合や、出玉が用意された箱に入らなくなった場合に追加の箱を依頼する場合などにおいて、そのような状態を店員に通知する機能がとても重要な機能の一つである。そこで、本開示では、表示画面の表示が切り替わっても呼出しボタンは継続して表示画面の同じ位置に表示され続けるように構成している。これにより、表示画面が切り替わることによって、遊技者が呼出しを行うことができないといったことが発生しないようにできるとともに、表示位置が変わることによって遊技者を混乱させることもない。
【発明の効果】
【0026】
以上、説明したように、本発明によれば、遊技機情報表示装置の装飾性を高めつつ、コンパクトに構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図4】遊技機情報表示装置の構成例を示すブロック図
【
図7】遊技機情報表示装置の正面図であり、表示画面に通常遊技状態の表示例を示す図
【
図8】遊技機情報表示装置の正面図であり、表示画面に有利遊技状態の表示例を示す図
【
図9】遊技機情報表示装置の正面図であり、表示画面に呼出待機状態の表示例を示す図
【
図10】遊技機情報表示装置の正面図であり、表示画面に呼出待機状態の他の表示例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物、或いはその用途を制限することを意図するものではない。
【0029】
図1には、遊技機情報表示装置の設置状態を示している。また、
図2において遊技機情報表示装置の前方斜視図を示している。以下の説明では、遊技機情報表示装置Dの設置状態を基準として、上下を定義する。また、遊技機情報表示装置Dが設置された状態で、遊技者X側を「前」、パチンコ台等の遊技機を設置する島側を「後」とし、遊技者Xの視点(正面視)を基準として左右を定義する(
図2参照)。
【0030】
周知のように遊技場には、複数の遊技機Mを並べて設置する「島」Iが設けられている。
図1は、遊技機情報表示装置の設置状態を示す側面図であり、島Iを側面から見た図である。島Iにおいて、上部に設けられた幕板I1と遊技機Mの間には、左右方向に延びる梁部I2が設けられており、取付部材Tを介して遊技機情報表示装置Dが設置されている。
【0031】
図5に示すように、遊技機情報表示装置Dは、フロントパネル体1と、表示パネル部2と、タッチセンサモジュール4と、ボディ部5とを備える。
【0032】
-フロントパネル体-
フロントパネル体1は、横長矩形の透明な樹脂製平板パネル材で構成されたフロントプレート部材11と、表示パネル部2の周囲を囲むように設けられる透明な樹脂製の導光プレート12と、装飾発光部3とを備えている。
【0033】
フロントプレート部材11は、遊技機情報表示装置Dの最前面に位置しており、正面視において、ボディ部5の外形よりも前後左右の幅が大きく形成されている。言い換えると、フロントプレート部材11(フロントパネル体1)は、表示パネル部2の前面をすべて覆うように構成されている。なお、フロントパネル体1が表示パネル部2の前面をすべて覆うように構成されていればよく、表示パネル部2とフロントプレート部材11の前後左右の幅を揃えてもよい。
【0034】
フロントプレート部材11の4隅には、着脱ボルト6を挿通する挿通穴1aが前後方向に貫通形成されている。この4組の着脱ボルト6と着脱ナット8を螺合固定することで、フロントプレート部材11がボディ部5に取り付け固定され、遊技機情報表示装置Dが組み立てられている。
【0035】
導光プレート12は、フロントプレート部材11の後側に位置して、四角い枠状に形成された透明な樹脂部材で構成されている(
図5参照)。表示パネル2は、後述するタッチセンサモジュール4を挟み込んだ状態でフロントプレート部材11の後面に位置するように構成される。タッチセンサモジュール4は、表示パネル2の外周縁に接着固定されている。
【0036】
装飾発光部3は、遊技機情報表示装置Dの装飾性を高めることを目的として、表示パネル部2の周囲に設けられる。この例では、導光プレート12の外周端部の後面には、斜めに面取りした傾斜反射面3aが形成されている。そして、この傾斜反射面3aで、LEDランプ91(
図6参照)の光が前方に反射することで、傾斜反射面3aの発光位置QにおいてLEDランプ91が点滅しているように見えるように構成している。この場合、傾斜反射面3aが装飾発光部3として機能する。
図7では、遊技機情報表示装置Dの正面図であり、表示パネル部2の外周を2重の光線の枠で囲むように装飾発光部3を構成した例を示している。
【0037】
なお、装飾発光部3は、発光位置Qを発光させることができればよく、その具体的構成は特に限定されない。図示しないが、例えば、フロントプレート部材11の後側において、フロントパネル体1の発光位置Qに発光素子を直接取り付けて点灯、点滅または消灯させる構成としてもよい。
【0038】
-表示パネル部-
表示パネル部2は、正面視において、フロントパネル体1の中央に位置しており、前面が表示画面Wとなっている。表示画面Wには、遊技機Mの遊技情報が表示される。表示パネル部2は、後述する演算処理部108から制御信号を受けて、表示画面Wに様々な情報を表示するように構成されている。表示パネル部2は、表示画面Wがフロントプレート部材11に向かい合うように、ボディ部5に取り付けられ、フロントプレート部材11を通して表示画面Wの情報を視認できるようになっている。また、フロントプレート部材11の表示パネル部2の周囲には、所定幅を有する黒縁状のベゼル部Bが設けられている。
【0039】
表示パネル部2には、例えば、15.6インチの大型の液晶ディスプレイが用いられる。
図1に示すように、遊技機情報表示装置Dは、遊技機Mの前に着座する遊技者Xから見ると、上方の高い位置に設置される。そこで、遊技機情報表示装置Dでは、遊技者Xが見やすいように、表示パネル部2を大型化し、表示パネル部2に表示される遊技情報をできるだけ大きく表示するようにしている。
【0040】
図7には、表示パネル部2の表示画面Wに表示される通常遊技画像VNの一例を示している。遊技機情報表示装置Dに対応する遊技機M(以下、遊技機M1という)及び遊技機情報表示装置Dの電源がONされると、遊技機M1は遊技できる状態になり、遊技機情報表示装置Dの表示画面Wには遊技機M1が通常遊技状態のときに表示される通常遊技画像が表示される。以下に説明する表示画面Wの表示処理は、後述する演算処理部108で実行される。
【0041】
図7の通常遊技画像は、表示画面Wの上端において左右に延びる上側表示領域RU、表示画面Wの下端において左右に延びる下側表示領域RL、上側表示領域RUと下側表示領域RLの間に配置された中間表示領域RMに分かれている。
【0042】
上側表示領域RUには、台番号Z1及び機種名(ここでは「ワンエー物語」)が左右に並べて配置されている。
【0043】
下側表示領域RLには、店員の呼び出しに用いる呼出しボタンP1と、呼出しボタンP1の右側において右方向に一列に並べて配置され、表示内容や表示項目などの各種設定をするための複数の設定ボタンが配置(表示)されている。
【0044】
図7の例では、設定ボタンとして、各種メニューを表示させる「メニューボタンP2」、「周辺台データボタンP3」、休憩中であることを示す「休憩ボタンP4」、機種情報を表示させる「情報ボタンP5」、「分析ボタンP6」、データの表示モードに切り替える「データボタンP7」及び「履歴ボタンP8」を例示している。メニューボタンP2、周辺台データボタンP3、休憩ボタンP4、情報ボタンP5、分析ボタンP6、データボタンP7及び履歴ボタンP8は、設定ボタンの一例である。以下の説明では、説明の便宜上、P2~P8をまとめて、設定ボタンP2~P8と呼ぶ場合がある。
【0045】
また、下側表示領域RLにおいて、呼出しボタンP1及び設定ボタンP2~P8の背景には、ボタンの表示を見やすくすることを目的として、中間表示領域RMよりも濃い色でかつシンプルな構成にした背景画像Z5を表示させている。
【0046】
中間表示領域RMには、遊技情報が表示される。
図7の例では、遊技情報として、遊技機M1のキャラクターZ2や、当日及び過去数日間の出玉情報Z3や大当たり情報Z4等が表示された例を示している。また、周辺台データボタンP3を押すことで、周辺の遊技台Mの遊技情報を見ることができるように構成されている。
【0047】
図8には、有利遊技状態における有利遊技画像VFの一例を示している。遊技機M1が有利遊技状態になった際には、遊技機M1のキャラクターや世界観、有利遊技の状況等に応じた動画が再生され、
図8ではその動画の一場面を例示している。
【0048】
ここでいう「有利遊技状態」には、例えば、大当り、小当り、確率変動、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、AT(アシストタイム)、ART(アシストリプレイタイム)が含まれ得る。上記以外にも、遊技者が遊技をする上で有利な状態があれば「有利遊技状態」に含まれ得る。
【0049】
図8の例では、海辺を表す背景レイヤをバックに配し、その背景の手前側に、キャラクター画像C1、文字や数字、記号を含む文字画像C2、光の輝き等を表す等のエフェクト画像C3を組み合わせて表示させて、有利遊技画像VFを構成している例を示している。
【0050】
有利遊技状態では、前述の背景画像Z5は表示されずに、呼出しボタンを半透過色にして背景画像が透過して見えるような透過処理が実行される。これにより、有利遊技状態における演出効果を高めることができる。
【0051】
図9及び
図10には、呼出しボタンP1へのタッチ操作が行われた場合の呼出待機状態の表示例を示している。呼出しボタンP1へのタッチ操作が行われると、通常遊技画像(
図7参照)若しくは有利遊技画像(
図8参照)から呼出待機状態を示す呼出待機画像VW(
図9、
図10参照)に切り替わる。
【0052】
図9の呼出待機画像VWの例では、背景画像が切り替わり、遊技情報の表示に代えて、「少々お待ちください」という呼出し中であることを示す文字画像と記号画像とを組み合わせた待機画像Z9が表示される。このとき、呼出しボタンの表示をタッチ操作前と異なる表示形式に切り替える切替処理を実行してもよい。
図9の例では、呼出しボタンP1の表示が「呼出」から「呼出解除」に変更される。この「呼出解除」がタッチ操作されると、呼出し状態が解除される。また、設定ボタンP2~P8は、表示されないようになっている。
【0053】
なお、呼出しボタンP1へのタッチ操作が行われた場合に、通常遊技画像VNの表示のままで、呼出しボタンの表示をタッチ操作前と異なる表示形式に変更するようにしてもよい。この場合における「異なる表示形式」とは、その表示が外観上で異なると視認されればよく、具体的な内容は特に限定されない。例えば、タッチ操作の前後で表示色を変化させてもよいし、呼出しボタンに表示される文字情報を変更してもよいし、表示色の変更と文字情報の変更を組み合わせてもよい。このように、呼出しボタンの表示をタッチ操作前とタッチ操作後とで異なる表示形式にすることで、呼出し中であることを遊技者、店員等に明示することができる。
【0054】
図10の呼出待機画像VWの例では、遊技情報の表示に代えて、「サービススタッフを呼び出し中です」という文字画像と記号画像を組み合わせた待機画像Z10が表示される。サービススタッフの呼び出しは、例えば、メニューボタンP2の押下後に選択することができる。なお、
図10では、サービススタッフの呼び出し中でも店員を呼び出す場合があるので、呼出しボタンP1の表示は維持されている。また、
図10では、設定ボタンP2~P8に代えて、「戻るボタンP9」が表示されている。
【0055】
-ボディ部-
ボディ部5は、アウターボディ52と、インナーボディ53とを備える。
【0056】
図5に示すように、遊技機情報表示装置Dでは、前側から順に、前述のフロントプレート部材11と、その後方に位置する前述の導光プレート12と、4つのクッション材55と、タッチセンサモジュール4と、前述の表示パネル部2と、インナーボディ53と、6つのLED基板9と、制御基板7と、アウターボディ52とを備えている。
【0057】
アウターボディ52は、遊技機情報表示装置Dの最も後側に位置して、横長矩形の受け皿形状の樹脂部材で構成されている。
図3に示すように、アウターボディ52には、前述の着脱ボルト6を挿通させて、その着脱ボルト6と螺合する着脱ナット8を保持する挿通穴兼ナット保持部が各四隅の近傍に形成されている。取付部51は、アウターボディ52の後下から後側に向かって突設され、取付部材Tに取り付けることができるように構成されている。
【0058】
図5に戻り、インナーボディ53は、前面に収容凹部53aが設けられ、この収容凹部53aに表示パネル部2が収容できるように構成されている。インナーボディ53とフロントプレート部材11との間には、クッション材55が設けられている。インナーボディ53の後面には、その中央位置に制御基板7が組み付けられ、インナーボディ53の周囲には6つのLED基板9が組み付けられている。LED基板9には、外向きに所定のピッチでLEDランプ91が取り付けられている。
【0059】
-タッチセンサモジュール-
図6には、タッチセンサモジュール4の構成例を示している。
図6では、表示画面Wの表示のうち、下側表示領域RLの表示のみを図示している。タッチセンサモジュール4は、横長矩形状の透明シート基板に複数のタッチスイッチ41~48が左右方向に並べて配置された構成となっている。タッチスイッチ41~48は、タッチセンサの一例である。
【0060】
なお、タッチセンサモジュール4(タッチスイッチ41~48)に代えて、表示画面Wとタッチセンサとが一体的に構成されたタッチパネル式の表示パネル部2を用いてもよく、同様の効果が得られる。
【0061】
タッチセンサモジュール4は、フレキシブルフラットケーブル49を介して、制御基板7の接続端子77に電気的に接続される。フレキシブルフラットケーブル49は、表示画面Wの下を通って前側に向かって折り返され、タッチスイッチ41~48と表示画面Wの下側表示領域RLに重なるように配置される。そして、タッチセンサモジュール4は、フロントプレート部材11の後面と表示パネル2の前面との間に挟み込まれた状態で固定される。このような構成にすることで、外観をよくすることができるとともに、タッチスイッチ41~48の劣化を防ぐことができる。
【0062】
タッチスイッチ41~48は、フロントプレート部材11の表面(前面)から遊技者等が操作するタッチ操作の情報(以下、「操作情報」という)を取得可能に構成されている。タッチスイッチ41~48で取得された操作情報は、後述するタッチコントローラ111(
図4参照)を介してメイン制御回路109(
図4参照)に送信される。
【0063】
タッチスイッチ41は、例えば、呼出しボタンP1の表示範囲と同じ大きさのセンサパッドで構成され、呼出しボタンP1の表示範囲へのタッチ操作が検出できるように構成されている。タッチスイッチ41の具体的な構成は、特に限定されず、従来から知られている静電容量型のセンサ等を用いることができる。正面視において、呼出しボタンP1の周囲には、タッチ操作を検知しない所定の広さのタッチ非検出領域NRが設けられている。これにより、遊技者が呼出しボタンP1の表示境界付近をタッチした場合においても、間違って隣のボタンに反応するといった誤検知を防ぐことができる。
【0064】
同様に、タッチスイッチ42はメニューボタンP2の表示範囲へのタッチ操作を検出し、タッチスイッチ43は周辺台データボタンP3の表示範囲へのタッチ操作を検出し、タッチスイッチ44は休憩ボタンP4の表示範囲へのタッチ操作を検出し、タッチスイッチ45は情報ボタンP5の表示範囲へのタッチ操作を検出し、タッチスイッチ46は分析ボタンP6の表示範囲へのタッチ操作を検出し、タッチスイッチ47はデータボタンP7の表示範囲へのタッチ操作を検出し、タッチスイッチ48は履歴ボタンP8の表示範囲へのタッチ操作を検出するように構成されている。
【0065】
ここで、呼出しボタンP1と呼出しボタンP1に隣接する設定ボタンであるメニューボタンP2との間隔D1は、それぞれの設定ボタン(この例ではP2~P8)同士の間隔D2よりも広い。また、呼出しボタンP1は、設定ボタンP2~P8と比較して大きく表示される。これは、呼出しボタンP1の方が、他の設定ボタン(この例ではP2~P8)よりも重要度が高く、操作ミス及び検出ミスを少なくする目的があるためである。また、遊技者が店員を呼び出すときはトラブルが生じている時であり、慌てて操作する場合がある。そのため、呼出しボタンP1を大きく表示し、他の設定ボタン(例えば、隣接するメニューボタンP2)との誤動作を防ぐために間隔D1は広く設けている。
【0066】
-制御基板(演算処理部)-
図4は、遊技機情報表示装置Dの構成例を示すブロック図である。前述のとおり、ボディ部5には、制御基板7が内蔵されており、その制御基板7に
図4に示す回路等が実装されたり、直接または間接的に接続されたりしている。
【0067】
遊技機情報表示装置Dは、入出力手段として、入出力部101と、外部通信部102と、外部メモリソケット103とを備え、入力手段として、リモコン受信部104と、タッチスイッチ41~48とを備え、出力手段として、前述の表示パネル部2及び装飾発光部3と、音声出力部106とを備える。
【0068】
入出力部101は、遊技機M1と通信可能に構成され、遊技機M1から遊技情報を取得する。また、入出力部101は、ホールコンピュータHと通信可能に構成され、遊技機M1から取得した遊技情報をホールコンピュータHに出力する。
【0069】
外部通信部102は、管理コンピュータC等と通信可能に構成され、管理コンピュータC等から送信される音声情報や画像情報を受信し、後述する音声画像制御回路110を経由して記憶部114に送信する。
【0070】
外部メモリソケット103は、USBメモリ等の記憶媒体(図示省略)が接続可能に構成され、その記憶媒体に記録された音声情報や画像情報を受信し、後述する音声画像制御回路110を経由して記憶部114に送信する。
【0071】
リモコン受信部104は、遊技場の店員等が操作するリモコン(図示省略)から送信される操作信号を受信可能に構成され、そのリモコンから受信した操作信号を後述するメイン制御回路109に送信する。
【0072】
さらに、遊技機情報表示装置Dは、遊技機M1から通知される遊技状態に応じて、記憶部114に記憶された画像情報を用いて表示パネルの表示を制御する演算処理部108を備える。記憶部114には、表示画面の表示を構成するための画像素材が記憶されている。演算処理部108は、メイン制御回路109と、音声画像制御回路110とを備える。
【0073】
演算処理部108は、遊技場の営業時間中に、表示パネル部2の表示画面Wに遊技機M1の遊技情報を表示させるとともに、表示画面Wの下端部に店員の呼び出しに用いられる呼出しボタンP1を表示させる。
図6の例では、演算処理部108が表示画面Wの左下角部に呼出しボタンP1を表示させた例を示している。
【0074】
また、演算処理部108は、前述の透過処理及び切替処理を実行する。透過処理は、遊技機M1が有利遊技状態になった場合に、呼出しボタンP1を含む設定ボタンP2~P8を半透過色にして背景画像が透過して見えるようにする処理である。また、切替処理は、呼出しボタンP1へのタッチ操作が行われた際に、呼出しボタンP1の表示をタッチ操作前と異なる表示形式に切り替える処理である(
図9参照)。
【0075】
メイン制御回路109は、記憶部112に格納されたプログラム等に基づいて、遊技機情報表示装置Dの全体を制御する機能を有する。具体的には、メイン制御回路109では、各種の演算処理を行ったり、表示パネル部2の表示制御、装飾発光部3の点滅制御といった遊技機情報表示装置Dの表示制御を行ったりするように構成されている。
【0076】
音声画像制御回路110は、メイン制御回路109から出力される制御信号によって制御される。音声画像制御回路110は、メイン制御回路109の制御を受けて、画像信号変換回路115に画像信号を送信し、音声出力部106に音声情報を送信する。画像信号変換回路115には、表示パネル部2が接続されており、画像信号変換回路115で生成した画像表示データが表示パネル部2の表示画面Wに表示される。
【0077】
以上のように、本実施形態の遊技機情報表示装置では、遊技機M1の遊技情報が表示される表示パネル部2と、正面視において表示パネル部2の前面をすべて覆うように設けられた平板状のフロントパネル体1と、遊技場の営業時間中に、表示パネル部2の表示画面Wに遊技機M1の遊技情報を表示させるとともに、表示画面Wの左下角部に店員の呼び出しに用いられる呼出しボタンP1を表示させる演算処理部108と、呼出しボタンP1へのタッチ操作を検出するタッチスイッチ40とを備える構成とした。
【0078】
本実施形態の構成によると、表示パネル部とは別に機械式の呼出しボタン(ボタンスイッチ)を準備する必要がないので、コスト削減の効果が得られるとともに、ボタンスイッチの破損や劣化の問題を考慮する必要がない。また、遊技機情報表示装置Dの装飾性を高めつつ、遊技機情報表示装置Dをコンパクトに構成することができる。
【0079】
発明者らは、鋭意検討を行った結果、表示画面Wの下端部に呼出しボタンP1を表示させて、そのタッチ操作情報を取得する構成を見出した。
【0080】
例えば、呼出しボタンを表示画面の上下方向や左右方向の中間位置に表示させると、呼出しボタンの表示が邪魔になって、表示画面で表示させたい情報を十分に表示させることが困難となり、情報伝達機能を悪化させるおそれがある。呼出しボタンを気にせずに表示画面で表示させたい情報を表示させてもよいが、そうすると呼出しボタンの視認性が悪化するという問題がある。また、表示画面の上部に呼出しボタンを設置してしまうと、遊技機情報表示装置が遊技機の上方位置に設置されるので、表示パネル部の大型化に伴って操作しにくいものとなってしまう。本開示のような呼出しボタンの配置により、上記のような情報伝達機能を悪化、視認性の悪化、操作性の悪化を招くことなく、表示画面への呼出しボタンの表示を実現できる。さらに、表示画面Wの下端部に呼出しボタンP1を配置することで、遊技者Xが座った状態で呼出しボタンを押せるというメリットがある。
【0081】
なお、呼出しボタンP1は、左下角部に配置するのがより好ましい。この理由として、遊技機M(例えば、パチンコ台)の遊技者Xが遊技中の有利遊技(例えば、大当り)が発生した場合に店員を呼ぶ際には、遊技者Xの右手はハンドルを握ったまま左手で呼出しボタンを押すことが想定される。そして、大当り中に店員が玉箱を遊技者Xに差し出す際には、遊技者Xが右手にハンドルを握っているため、左側から店員が玉箱を差し出しその後呼出しボタンを押圧し解除する。このため、呼出しボタンP1の配置箇所は左側が望ましい。さらに、近年では、遊技機Mの上部の役物が大型化しているが、遊技機Mを左側支軸として開放するため比較的に左側には遊技機の役物の装飾部が空いていることが多い。そのため、呼出しボタンP1を左下角部に配置するメリットがある。
【0082】
また、上記の実施形態の各図面でも示すように、本実施形態の遊技機情報表示装置Dでは、表示画面Wの表示が切り替わっても呼出しボタンP1は継続して表示画面Wの同じ位置に表示され続けるように構成している。これにより、表示画面Wが切り替わることによって、遊技者Xが呼出しを行うことができないといったことが発生しないようにできるとともに、表示位置が変わることによって遊技者Xを混乱させることもない。
【0083】
(その他の実施形態)
以上のように、本出願において開示する技術の例示として、実施形態について説明した。しかしながら、本開示における技術は、これに限定されず、適宜、変更、置き換え、付加、省略等を行った実施形態にも適用可能である。また、上記実施形態で説明した各構成要素を組み合わせて、新たな実施の形態とすることも可能である。
【0084】
例えば、表示パネル部2は、液晶ディスプレイに限定されず、遊技機等の情報を表示することができれば、有機ELディスプレイやLEDディスプレイ等の他の情報が表示できるパネルであってもよい。
【0085】
例えば、上記の実施形態では、呼出しボタンP1を表示画面Wの左下角部に設ける例を示したが、これに限定されない。例えば、
図7において、表示画面Wの下端部(例えば、下側表示領域RL内のいずれかの位置(例えば、左右方向の中央))に呼出しボタンP1を設けるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0086】
以上説明したように、本発明は、各遊技機の上方位置に設置されて、その遊技機の情報や遊技場全体の情報等を表示することができる遊技機情報表示装置において有用である。
【符号の説明】
【0087】
D 遊技機情報表示装置
M 遊技機
1 フロントパネル体
2 表示パネル部
108 演算処理部
41 タッチスイッチ(タッチセンサ)
NR タッチ非検出領域
P1 呼出しボタン