(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024051978
(43)【公開日】2024-04-11
(54)【発明の名称】什器
(51)【国際特許分類】
A47B 47/00 20060101AFI20240404BHJP
【FI】
A47B47/00
【審査請求】未請求
【請求項の数】7
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022158394
(22)【出願日】2022-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】000000561
【氏名又は名称】株式会社オカムラ
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(72)【発明者】
【氏名】中野 香那
(72)【発明者】
【氏名】内山 絵理
【テーマコード(参考)】
3B054
【Fターム(参考)】
3B054AA01
3B054BA06
3B054BA10
3B054BA15
3B054BB05
3B054BB09
3B054BB14
3B054BC04
3B054BC08
3B054CA02
3B054CA11
3B054FA01
(57)【要約】
【課題】開放感を与える外観を有しつつ、十分な強度を確保することができる什器を提供する。
【解決手段】本開示に係る什器は、左右一対の側部構造体と、側部構造体同士の間に架設される1つ以上の棚部材と、を備え、側部構造体のそれぞれは、上下方向に延びる少なくとも1つの、上下杆部材と、前後方向に延び、上下杆部材に設けられ、上下方向に離間して配置される1つ以上の棚支持部材と、を備え、棚部材は、対向する側部構造体のそれぞれにおける棚支持部材のうち、高さが整合するいずれかの棚支持部材同士の間に架設されることを特徴とする。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
左右一対の側部構造体と、
前記側部構造体同士の間に架設される1つ以上の棚部材と、を備え、
前記側部構造体のそれぞれは、
上下方向に延びる少なくとも1つの、上下杆部材と、
前後方向に延び、前記上下杆部材に設けられ、上下方向に離間して配置される1つ以上の棚支持部材と、を備え、
前記棚部材は、
対向する前記側部構造体のそれぞれにおける前記棚支持部材のうち、高さが整合するいずれかの前記棚支持部材同士の間に架設されることを特徴とする、什器。
【請求項2】
前記棚部材は、
対向する前記側部構造体のそれぞれにおける前記棚支持部材のうち、高さが整合するいずれかの前記棚支持部材同士の間に、固定的に架設される第1の棚部材と、
対向する前記側部構造体のそれぞれにおける前記棚支持部材のうち、高さが整合する他の前記棚支持部材同士の間に、非固定的に架設される第2の棚部材と、を備える、
請求項1に記載の什器。
【請求項3】
前記側部構造体は、前後方向に一対の前記上下杆部材を備え、
前記棚支持部材は、一対の前記上下杆部材同士を連結する、
請求項2に記載の什器。
【請求項4】
前記第1の棚部材と前記第2の棚部材とのうち、少なくとも一方は、前記棚支持部材に係合するように、下方に開口する係合凹部が形成された係合部材を備えることを特徴とする、
請求項3に記載の什器。
【請求項5】
前記第1の棚部材と前記第2の棚部材とのうち、少なくとも一方は、前記側部構造体同士の左右方向の離間寸法よりも大きい左右方向の幅に形成されていることを特徴とする、
請求項4に記載の什器。
【請求項6】
前記第1の棚部材が係合する前記棚支持部材は、前記第1の棚部材に形成されることによって、前記第1の棚部材を支持する、支持ブラケットを備えていることを特徴とする、
請求項4または5に記載の什器。
【請求項7】
前記係合凹部は、前記第1の棚部材とは別部材である係合部材に設けられ、上下方向の第1の高さを有する下向きの凹状に形成され、
前記支持ブラケットは、前記第1の高さに略整合する高さに形成されていることを特徴とする、
請求項6に記載の什器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、左右一対の側部構造体に、上面を物品載置面としてなる板状部材を架設してなる什器に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、左右一対の側部構造体と、左右一対の側部構造体の上下方向中央部同士の間に固定的に架設された第1の板状部材と、左右の側部構造体の上部同士の間に架設された第2の板状部材とを備えた什器が開示されている。この什器によれば、第1の板状部材は、側部構造体に対して固定的に支持されているのに対して、第2の板状部材は、側部構造体同士の対向内側面に突設されている係止部材により下面が係止されている。即ち、第2の板状部材は、側部構造体に対して非固定的に支持されている。
【0003】
この什器によれば、一対の側部構造体の中央部を第1の板状部材によって連結し、第1の板状部材を実質的なビーム構造体としてフレーム構造体としての強度を確保する一方、フレーム構造体の上部においては第2の板状部材の位置を必要に応じて変えることができる。この什器は、このような構成によって、柔軟な態様で使用することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載された什器の一対の側部構造体は、板状部材により部分的に開口が形成されており、複数台の什器を左右方向に並置した場合に、隣接する領域が見えにくくなり、開放感が減少する外観となる。また、特許文献1に記載された什器は、板状の一対の側部構造体に係止部材を設けるために多数の係止孔を形成する必要があり、側部構造体は、強度を勘案して係止孔の数を設計する必要があり、設計自由度が制限される虞がある。
【0006】
そこで、本発明は、開放感を与える外観を有しつつ、十分な強度を確保することができる什器を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1):上記目的を達成するため、本発明の一態様は、左右一対の側部構造体と、側部構造体同士の間に架設される1つ以上の棚部材と、を備え、側部構造体のそれぞれは、上下方向に延びる少なくとも1つの、上下杆部材と、前後方向に延び、上下杆部材に設けられ、上下方向に離間して配置される1つ以上の棚支持部材と、を備え、棚部材は、対向する側部構造体のそれぞれにおける棚支持部材のうち、高さが整合するいずれかの棚支持部材同士の間に架設されることを特徴とする什器である。
【0008】
本発明によれば、枠状に形成された側部構造体を棚部材により連結することで、開放感を与える外観を有しつつ、十分な強度を確保することができる。
【0009】
(2):また(1)に係る本発明の棚部材は、対向する側部構造体のそれぞれにおける棚支持部材のうち、高さが整合するいずれかの棚支持部材同士の間に、固定的に架設される第1の棚部材と、対向する側部構造体のそれぞれにおける棚支持部材のうち、高さが整合する他の棚支持部材同士の間に、非固定的に架設される第2の棚部材と、を備えていてもよい。
【0010】
本発明によれば、固定的に架設される第1の棚部材により剛性を確保すると共に、非固定的に架設される第2の棚部材により使用形態に柔軟性を与えることができる。
【0011】
(3):(1)又は(2)に係る本発明の前記側部構造体は、前後方向に一対の上下杆部材を備え、棚支持部材は、一対の上下杆部材同士を連結してもよい。
【0012】
本発明によれば、側部構造体を枠状に形成することで開放感を与える外観に形成することができる。
【0013】
(4):(1)から(3)のうち1つに係る本発明の前記第1の棚部材と前記第2の棚部材とのうち、少なくとも一方は、前記棚支持部材に係合するように、下方に開口する係合凹部が形成された係合部材を備えていてもよい。
【0014】
本発明によれば、係合部材の係合凹部が棚支持部材に係合するように構成されているため、棚部材を着脱自在に構成することができる。
【0015】
(5):(1)から(4)のうち1つに係る本発明の前記第1の棚部材と前記第2の棚部材とのうち、少なくとも一方は、前記側部構造体同士の左右方向の離間寸法よりも大きい左右方向の幅に形成されていてもよい。
【0016】
本発明によれば、第1の棚部材と第2の棚部材とのうち、少なくとも一方の幅が側部構造体同士の左右方向の離間寸法よりも大きく形成されているため、左右一対の棚支持部材に係合部材を介して載置することができる。
【0017】
(6):(1)から(5)のうち1つに係る本発明の前記第1の棚部材が係合する前記棚支持部材は、前記第1の棚部材に形成されることによって、前記第1の棚部材を支持する、支持ブラケットを備えていてもよい。
【0018】
本発明によれば、支持ブラケットが設けられていることにより、複数の棚支持部材のうち、第1の棚部材を架設する位置の誤認を防止することができる。本発明によれば、第2の棚部材の設置位置を変更しても、側部構造体同士の連結強度を一定以上に確保することができる。
【0019】
(7):(1)から(6)のうち1つに係る本発明の前記係合凹部は、前記第1の棚部材とは別部材である係合部材に設けられ、上下方向の第1の高さを有する下向きの凹状に形成され、前記支持ブラケットは、前記第1の高さに略整合する高さに形成されていてもよい。
【0020】
本発明によれば、第1の棚部材と第2の棚部材の棚支持部材に対する高さ位置を整合させることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、開放感を与える外観を有しつつ、十分な強度を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図4】棚部材の配置を変更した什器の構成を示す斜視図である。
【
図5】棚部材の配置を変更した什器の他の構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態に係る什器について説明する。以下、什器の使用状態において、使用者が什器に正対して見た側を前側とし、その反対側を後側として説明する。また、什器の前後方向に対する左右方向に沿った方向を幅方向ともいう。また、前後方向に沿って前側を見る方向を正面視、上下方向に沿って下側を見ることを平面視、左右方向に沿った方向に見ることを側面視という。
【0024】
図1に示されるように、什器1は、左右一対の側部構造体2と、左右一対の側部構造体を連結する横桟3と、側部構造体2同士の間に架設される1つ以上の棚部材4と、を備えている。側部構造体2のそれぞれは、上下方向に延びる少なくとも1つの上下杆部材2Aと、上下杆部材2Aに設けられ前後方向に延びると共に上下方向に配置される1つ以上の棚支持部材2Bと、を備えている。
【0025】
側部構造体2は、例えば、前後方向に一対の上下杆部材2Aを備えている。側部構造体2は、例えば、鋼管により棒状体に形成されている。一対の上下杆部材2A同士は、前後方向に延びる1つ以上の棚支持部材2Bにより連結されている。棚支持部材2Bは、例えば、鋼管により棒状体に形成されている。棚支持部材2Bは、例えば、一対の上下杆部材2Aに溶接されている。実施形態では、側部構造体2は、棚支持部材2Bにより上下端が接続され、矩形の環状に形成されている。側部構造体2は、上下方向において離間して配置された複数の棚支持部材2Bが設けられている。
図1の例では、側部構造体2は、上下方向において離間して配置された5本の棚支持部材2Bを備えている。
【0026】
棚支持部材2Bの数を増やすことによって、側部構造体2における前後一対の上下杆部材2A同士の連結強度を増強することができる。棚支持部材2Bの数を増やすことによって、 後述のように棚部材4の取り付け位置を増やすことができ、什器1の運用に柔軟性を与えると共に、側部構造体2を堅牢な構造体とすることができる。
【0027】
左右一対の側部構造体2の間には、左右方向に沿って配置された少なくとも1つの横桟3が配置されている。横桟3は、例えば、鋼管により棒状体に形成されている。横桟3は、左右一対の側部構造体2に溶接されている。横桟3は、前後方向において後側に配置された左右一対の上下杆部材2A同士を連結し、左右一対の側部構造体2により構成されるフレーム構造の剛性を向上させている。左右一対の側部構造体2により構成されるフレーム構造は、上下杆部材2Aと、1つ以上の棚支持部材2Bとにより枠状に形成されているため、隣接する空間を視認しやすくなる。したがって、什器1は、圧迫感を与えにくく、開放感を提供するように構成される。
【0028】
横桟3は、例えば、床面側から数えて1段目から5段目の棚支持部材2Bのうち、2段目、3段目、及び4段目の棚支持部材2Bと同じ高さ位置に設けられている。横桟3には、例えば、板状の幕板9が取り付けられている。対向する側部構造体2のそれぞれにおける棚支持部材2Bのうち、高さが整合するいずれかの棚支持部材2B同士の間には、板状の棚部材4が架設されている。
【0029】
棚部材4は、例えば、第1の棚部材5と、第2の棚部材6とにより構成されている。第1の棚部材5は、例えば、矩形の板状体に形成されている。第1の棚部材5は、例えば、木板や金属板を組み合わせて形成されている。第1の棚部材5は、対向する側部構造体2のそれぞれにおける棚支持部材2Bのうち、高さが整合するいずれかの棚支持部材2B同士の間に、固定的に架設されている。第1の棚部材5は、床面側から3段目の一対の棚支持部材2Bの間に架設されている。第1の棚部材5は、側部構造体2同士の左右方向の離間寸法よりも大きい左右方向の幅を有している。
【0030】
第1の棚部材5は、後述の支持ブラケット7及び係合部材8を介して棚支持部材2Bに固定されている。第1の棚部材5は、3段目の一対の棚支持部材2Bに対して固定的に架設されると共に、側部構造体2同士を左右方向に連結する。この構成によれば、什器1は、第1の棚部材5によって剛性を確保することができる。第1の棚部材5は、3段目の高さ位置以外の高さ位置に取り付けられてもよい。第1の棚部材5は、設けられていなくてもよい。
【0031】
第2の棚部材6は、第1の棚部材5に比して異なる高さ位置に配置されている。第2の棚部材6は、対向する前記側部構造体のそれぞれにおける棚支持部材のうち、第1の棚部材5が架設されている棚支持部材2Bと異なる高さが整合する他の棚支持部材2B同士の間に、非固定的に架設されている。第2の棚部材6は、例えば、矩形の板状体に形成されている。第2の棚部材6は、例えば、前後方向において第1の棚部材5の幅寸法に比して狭い幅寸法の幅を有している。第2の棚部材6は、例えば、木板や金属板を組み合わせて形成されている。第2の棚部材6は、対向する側部構造体2のそれぞれにおける棚支持部材2Bのうち、高さが整合するいずれかの棚支持部材2B同士の間に、非固定的に架設されている。
【0032】
第2の棚部材6は、床面側から3段目以外の任意の高さ位置の一対の棚支持部材2Bの間に架設されている。第2の棚部材6は、側部構造体2同士の左右方向の離間寸法よりも大きい左右方向の幅を有している。第2の棚部材6は、後述の係合部材8を介して棚支持部材2Bに載置されている。第1の棚部材5と第2の棚部材6とのうち、少なくとも一方は、側部構造体同士の左右方向の離間寸法よりも大きい左右方向の幅を有している。第2の棚部材6は、第1の棚部材5が架設されない一対の棚支持部材2Bの間に、非固定的に架設される。第2の棚部材6は、必要に応じて適宜、任意の高さ位置に設置することができる。什器1は、第2の棚部材6の配置位置を変更することにより、運用をより柔軟に行うことが出来る。第2の棚部材6は、1つ以上設けられていてもよい。
【0033】
図2及び
図3に示されるように、第1の棚部材5は、下面側に設けられた支持ブラケット7及び係合部材8を介して棚支持部材2Bに固定されている。支持ブラケット7は、第1の棚部材5と、棚支持部材2Bとを固定すると共に、第1の棚部材5を支持している。支持ブラケット7は、第1の棚部材に固着されることによって、第1の棚部材を支持している。支持ブラケット7は、例えば、金属板を折り曲げて形成されている。支持ブラケット7は、平板状に形成され、第1の棚部材5の下面側を支持する第1支持部7Aと、第1支持部7Aから下方に垂下するように折り曲げられた第2支持部7Bとを備えている。第1支持部7Aは、第2支持部7Bにより上下方向において位置決めされ、上下方向の第1の高さに略整合する高さに形成されている。第1の高さは、棚部材4の下面側と棚支持部材2Bとの間の高さである。
【0034】
第2支持部7Bの下端側は、例えば、棚支持部材2B側に溶接により固定されている。支持ブラケット7は、棚支持部材2B側に固定されるのであれば、ネジ止め、ロウ付け等他の固定方法により固定されてもよい。第1支持部7Aには、複数のビス穴7Hが形成されている。第1支持部7Aと、第1の棚部材5の下面側とは、例えば、ビスにより固定される。
【0035】
側部構造体2に設けられた複数の棚支持部材2Bのうちの一つに支持ブラケット7が設けられていることにより、複数の棚支持部材2Bのうち、第1の棚部材5が架設される棚支持部材2Bが特定され、第1の棚部材5の取り付け位置を誤認することが防止される。支持ブラケット7が設けられていることにより、什器1において第2の棚部材6のレイアウト変更を行っても、側部構造体2同士の連結強度は一定以上に確保され、一対の側部構造体2により構成されるフレーム構造体の剛性を向上させることができる。横桟3により一対の側部構造体2により構成されるフレーム構造体の剛性が十分に確保されているのであれば、支持ブラケット7は、設けられていなくてもよい。
【0036】
支持ブラケット7の前後方向に隣接して一対の係合部材8が設けられている。係合部材8は、第1の棚部材5において左右に2個ずつ、計4個設けられている。係合部材8は、例えば、第1の棚部材5の下面側に固定される固定部8Aと、棚支持部材2Bに着脱自在に固定される係合部8Bとを備えている。固定部8Aは、例えば、平板状に形成されている。固定部8Aには、例えば、前後方向に沿って一対のビス穴8Hが形成されている。ビス穴8Hには、ビスが挿入され、固定部8Aは、第1の棚部材5の下面側にビスにより固定される。係合部8Bには、下方に開口する係合凹部8Cが形成されている。
【0037】
係合凹部8Cは、第1の棚部材5とは別部材である係合部材8に設けられ、支持ブラケット7の第1の高さと略整合するように、上下方向において第1の高さを有する下向きの凹状に形成されている。係合凹部8Cは、例えば、棚支持部材2Bの断面形状に合わせた開口に形成されている。係合凹部8Cは、例えば、棚支持部材2Bに嵌合した際に、棚支持部材2Bを左右方向から挟持するように形成されている。係合凹部8Cは、上方から第1の棚部材5を棚支持部材2B側に向かって下方に押圧することにより嵌合する。
【0038】
係合凹部8Cは、支持ブラケット7の第1高さと略整合していることによって、第1の棚部材5に取り付けられた場合に、棚支持部材2Bと第1の棚部材5との間の段差が生じにくくなる。したがって、係合部材8によれば、係合部材8を用いない場合に比して第1の棚部材5と棚支持部材2Bとによる連結強度をより増し、什器1全体の剛性を確保することができる。
【0039】
係合部材8は、棚支持部材2Bに対して固定対象物を非固定的に左右方向において位置決めする。係合部材8は、棚支持部材2Bに対して着脱自在に形成されている。但し、第1の棚部材5は、支持ブラケット7により棚支持部材2Bに対して固定されるので、係合部材8は、第1の棚部材5は、棚支持部材2Bに対して左右方向において位置決めするように機能する。
【0040】
第1の棚部材5においては、係合部材8は、必ずしも設けられていなくてもよい。この場合、第1の棚部材5は、支持ブラケット7のみにより棚支持部材2Bに対して位置決めされ、且つ、固定されてもよい。
【0041】
係合部材8は、第2の棚部材6にも左右に2個ずつ、計4個設けられている。第2の棚部材6には、支持ブラケット7が設けられていないため、第2の棚部材6は、左右一対の棚支持部材2Bに対して着脱自在である。第2の棚部材6は、係合部材8が設けられていることにより、一対の側部構造体2に対して任意の高さ位置に取り付けることができる。第2の棚部材6は、係合部材8により左右一対の棚支持部材2Bに着脱自在に載置することができる。第2の棚部材6は、係合部材8により、上方から棚支持部材に近接させたのち、下方に下げるという作業によって、棚支持部材2Bに係合させ、一対の側部構造体2間に容易に架設することができる。
【0042】
係合凹部8Cが下方に開口して形成されているため、第2の棚部材6が一対の側部構造体2同士の離間寸法に対して広い幅に形成されていても、前後方向に対向する一対の上下杆部材2Aの間の空間に第2の棚部材6の左右側部を挿入した状態から、第2の棚部材6を下方に下げることで、容易に棚支持部材に係合させることができる。上記構成により第2の棚部材6は、一対の側部構造体2間に容易に架設することができる。
【0043】
上述した第1の棚部材5と第2の棚部材6とは、適宜入れ替えられてもよい。第1の棚部材5と第2の棚部材6とのうち、少なくとも一方は、棚支持部材2Bに係合する係合部材8を備えていればよい。上述した第1の棚部材5と第2の棚部材6とのうち、少なくとも一方が、左右一対の側部構造体2同士の左右方向の離間寸法よりも大きい左右方向の幅に形成されていればよい。
【0044】
図5に示されるように、什器1において、第1の棚部材5は、床面側から第4段目の棚支持部材2Bに固定されていてもよい。これにより、什器1は、利用者が立ち姿勢で使用可能なテーブルに構成することができる。第2の棚部材6は、床面側から第4段目の棚支持部材2B以外の任意の高さ位置の他の棚支持部材2Bに取り付けられる。
【0045】
図6に示されるように、什器1において、第1の棚部材5は、設けられていなくてもよく、複数の第2の棚部材6が取り付けられていてもよい。これにより、什器1は、上下方向に配置された複数の第2の棚部材6を備える棚に構成することができる。
【0046】
図7に示されるように、棚やテーブル等、異なる構成の複数の什器1を左右方向に隣接して配置して什器システムSを構成してもよい。什器1において棚部材4は、一対の側部構造体2同士の左右方向の離間寸法よりも大きい左右方向の幅に形成されているため、隣接する什器1は、棚部材4の左右方向の端部同士を接触させることにより位置決めされる。これにより、什器システムSにおいて隣接する棚部材4は、隙間なく配置される。什器システムSにおいては、側部構造体2が枠状に形成されているため、圧迫感が低減され、開放感を与える外観に構成される。
【0047】
上述したように什器1によれば、枠状に形成された一対の側部構造体2同士を棚部材4により連結することで、圧迫感を低減すると共に開放感を与えることができる。什器1によれば、十分な強度を確保することができる。枠状に形成された一対の側部構造体2同士を棚部材4により連結して剛性を確保することができる。什器1によれば、第1の棚部材5と第2の棚部材6との取り付け位置を任意に設定することで、什器1の使用形態に柔軟性を与えることができる。什器1によれば、係合部材8を介して第2の棚部材6を棚支持部材2Bに着脱自在とし、使用形態に合わせて配置を変更することができる。
【0048】
その他、本発明の趣旨に逸脱しない範囲で、前記実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能であり、また、上述した変形例を適宜組み合わせ、または置換して構成してもよい。例えば、側部構造体2は、一つの上下杆部材2Aにより複数の棚支持部材2Bを片持ちに支持するように構成されていてもよい。
【符号の説明】
【0049】
1 什器
2 側部構造体
2A 上下杆部材
2B 棚支持部材
3 横桟
4 棚部材
5 第1の棚部材
6 第2の棚部材
7 支持ブラケット
7A 第1支持部
7B 第2支持部
7H ビス穴
8 係合部材
8A 固定部
8B 係合部
8C 係合凹部
8H ビス穴
9 幕板
S 什器システム