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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024051994
(43)【公開日】2024-04-11
(54)【発明の名称】電子部品
(51)【国際特許分類】
   H01G 4/30 20060101AFI20240404BHJP
   H01G 4/38 20060101ALI20240404BHJP
【FI】
H01G4/30 201C
H01G4/30 513
H01G4/38 A
【審査請求】未請求
【請求項の数】8
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022158416
(22)【出願日】2022-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】000003067
【氏名又は名称】TDK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【弁理士】
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【弁理士】
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100124062
【弁理士】
【氏名又は名称】三上 敬史
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 篤
(72)【発明者】
【氏名】奥井 保弘
(72)【発明者】
【氏名】永島 義崇
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 真也
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 康夫
【テーマコード(参考)】
5E001
5E082
【Fターム(参考)】
5E001AB03
5E001AC08
5E082AA01
5E082AB03
5E082CC03
5E082EE04
5E082FF05
5E082FG26
5E082GG10
(57)【要約】
【課題】性能向上することができる、直列接続された複数のコンデンサ部を有する電子部品を提供する。
【解決手段】第1の内部電極11は、第2の内部電極12及び第4の内部電極14と対向せず、第2の内部電極12は、第1の内部電極11及び第3の内部電極13と対向しない。すなわち、一方の第1のコンデンサ部10Aと他方の第2のコンデンサ部10Bとの間には、互いの内部電極を接続する連結部分CT(図5(c)参照)が存在していない。そのため、図5(b)に示すように、一方の第1のコンデンサ部10Aで発生したクラックCRが、連結部分CTに沿って他方の第2のコンデンサ部10Bへ到達することを抑制できる。そのため、両方のコンデンサ部10A,10BにクラックCRが入ってショートすることを抑制できる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の方向に対向する第1の主面及び第2の主面、第1の方向と直交する第2の方向に対向する第1の端面及び第2の端面、並びに第1の方向及び第2の方向と直交する第3の方向に対向する第1の側面及び第2の側面を有する素体と、
前記第1の端面に形成される第1の端子電極と、
前記第2の端面に形成される第2の端子電極と、
前記素体内に設けられ、前記第1の端面にて前記第1の端子電極と接続される第1の内部電極と、
前記素体内に設けられ、前記第2の端面にて前記第2の端子電極と接続される第2の内部電極と、
前記素体内に設けられ、前記第1の側面に引き出される第3の内部電極と、
前記素体内に設けられ、前記第2の側面に引き出される第4の内部電極と、を備え、
前記第3の内部電極と前記第4の内部電極とは、少なくとも前記第1の側面及び前記第2の側面に形成された外部連結導体を介して電気的に接続され、
前記第1の方向において、前記第1の内部電極は、前記第2の内部電極及び前記第4の内部電極と対向することなく、前記第3の内部電極と対向し、
前記第1の方向において、前記第2の内部電極は、前記第1の内部電極及び前記第3の内部電極と対向することなく、前記第4の内部電極と対向する、電子部品。
【請求項2】
前記第1の内部電極及び前記第2の内部電極は、積層された内部電極における最外層に配置される、請求項1に記載の電子部品。
【請求項3】
前記第1の方向から見て、前記素体は、内部電極が形成されない隙間部を有する、請求項1に記載の電子部品。
【請求項4】
前記隙間部の前記第2の方向における幅は、前記素体の層間厚み以上である、請求項3に記載の電子部品。
【請求項5】
前記外部連結導体は、前記第1の側面、前記第2の側面、及び前記第1の主面に延びており、前記第2の主面において、前記外部連結導体の一方の端部と他方の端部とが前記第3の方向に離間する、請求項1に記載の電子部品。
【請求項6】
前記第1の方向から見て、前記外部連結導体は、前記第1の内部電極及び前記第2の内部電極と重ならないように配置される、請求項1に記載の電子部品。
【請求項7】
前記第1の端子電極、及び前記第2の端子電極は、導電性樹脂層を含む、請求項1に記載の電子部品。
【請求項8】
第1の方向に対向する第1の主面及び第2の主面、第1の方向と直交する第2の方向に対向する第1の端面及び第2の端面、並びに第1の方向及び第2の方向と直交する第3の方向に対向する第1の側面及び第2の側面を有する素体と、
前記第1の端面に形成される第1の端子電極と、
前記第2の端面に形成される第2の端子電極と、
前記素体内に設けられ、前記第1の端面にて前記第1の端子電極と接続される第1の内部電極と、
前記素体内に設けられ、前記第2の端面にて前記第2の端子電極と接続される第2の内部電極と、
前記素体内に設けられ、前記第1の側面に引き出される第3の内部電極と、
前記素体内に設けられ、前記第2の側面に引き出される第4の内部電極と、
前記素体内に設けられ、前記第2の方向において前記第1の内部電極と前記第2の内部電極との間に配置され、前記第1の側面に引き出される第5の内部電極と、
前記素体内に設けられ、前記第2の方向において前記第3の内部電極と前記第4の内部電極との間に配置され、前記第2の側面に引き出される第6の内部電極と、を備え、
前記第3の内部電極と前記第6の内部電極とは、少なくとも前記第1の側面及び前記第2の側面に形成された第1の外部連結導体を介して電気的に接続され、
前記第4の内部電極と前記第5の内部電極とは、少なくとも前記第1の側面及び前記第2の側面に形成された第2の外部連結導体を介して電気的に接続され、
前記第1の方向において、前記第1の内部電極は、前記第2の内部電極、前記第4の内部電極、前記第5の内部電極、及び前記第6の内部電極と対向することなく、前記第3の内部電極と対向し、
前記第1の方向において、前記第2の内部電極は、前記第1の内部電極、前記第3の内部電極、前記第5の内部電極、及び前記第6の内部電極と対向することなく、前記第4の内部電極と対向し、
前記第1の方向において、前記第5の内部電極は、前記第1の内部電極、前記第2の内部電極、前記第3の内部電極、及び前記第4の内部電極と対向することなく、前記第6の内部電極と対向する、電子部品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の電子部品として、特許文献1に記載されたものが知られている。この電子部品は、素体と、一対の端子電極と、を備える。素体の内部には、二組のコンデンサ部が構成されるように内部電極が形成されている。素体内には、離間するように並ぶ第1の内部電極及び第2の内部電極と、これらの内部電極と対向する第3の内部電極が形成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2019-46876号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、素体の内部で直列接続された複数のコンデンサ部を有する電子部品の性能を向上することが求められていた。
【0005】
本願発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、性能向上することができる、直列接続された複数のコンデンサ部を有する電子部品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る電子部品は、第1の方向に対向する第1の主面及び第2の主面、第1の方向と直交する第2の方向に対向する第1の端面及び第2の端面、並びに第1の方向及び第2の方向と直交する第3の方向に対向する第1の側面及び第2の側面を有する素体と、第1の端面に形成される第1の端子電極と、第2の端面に形成される第2の端子電極と、素体内に設けられ、第1の端面にて第1の端子電極と接続される第1の内部電極と、素体内に設けられ、第2の端面にて第2の端子電極と接続される第2の内部電極と、素体内に設けられ、第1の側面に引き出される第3の内部電極と、素体内に設けられ、第2の側面に引き出される第4の内部電極と、を備え、第3の内部電極と第4の内部電極とは、少なくとも第1の側面及び第2の側面に形成された外部連結導体を介して電気的に接続され、第1の方向において、第1の内部電極は、第2の内部電極及び第4の内部電極と対向することなく、第3の内部電極と対向し、第1の方向において、第2の内部電極は、第1の内部電極及び第3の内部電極と対向することなく、第4の内部電極と対向する。
【0007】
この電子部品では、第1の端子電極に接続された第1の内部電極は、第3の内部電極と対向し、第2の端子電極に接続された第2の内部電極は、第4の内部電極と対向する。ここで、第3の内部電極と第4の内部電極とは、少なくとも第1の側面及び第2の側面に形成された外部連結導体を介して電気的に接続される。このような構成により、第1の内部電極及び第3の内部電極で構成されるコンデンサ部と、第2の内部電極及び第4の内部電極で構成されるコンデンサ部とが、外部連結導体を介して直列に接続された状態となるため、信頼性を向上できる。また、端子電極と外部連結導体を用いることで、各コンデンサ部におけるショート不良の有無を測定検査することができる。また、第1の内部電極は、第2の内部電極及び第4の内部電極と対向せず、第2の内部電極は、第1の内部電極及び第3の内部電極と対向しない。すなわち、一方のコンデンサ部と他方のコンデンサ部との間には、互いの内部電極を接続する連結部分が存在していない。そのため、一方のコンデンサ部で発生したクラックが、連結部分に沿って他方のコンデンサ部へ到達することを抑制できる。そのため、両方のコンデンサ部にクラックが入ってショートすることを抑制できる。以上より、直列接続された複数のコンデンサ部を有する電子部品の性能を向上することができる。
【0008】
第1の内部電極及び第2の内部電極は、積層された内部電極における最外層に配置されてよい。ここで、第1の内部電極及び第2の内部電極は、積層された内部電極における最外層に配置される。この場合、各主面において第1の端子電極に最も近い内部電極は、第1の端子電極と同極性の第1の内部電極となり、第2の端子電極に最も近い内部電極は、第2の端子電極と同極性の第2の内部電極となる。そのため、最外層の内部電極と異極性の端子電極との間の表面リークを抑制することができる。
【0009】
第1の方向から見て、素体は、内部電極が形成されない隙間部を有してよい。この場合、一方のコンデンサ部で発生したクラックの他方のコンデンサ部への進行を抑制できる。
【0010】
隙間部の第2の方向における幅は、素体の層間厚み以上であってよい。この場合、隙間部において、層間における電圧破壊以上の耐圧性を確保することができる。
【0011】
外部連結導体は、第1の側面、第2の側面、及び第1の主面に延びており、第2の主面において、外部連結導体の一方の端部と他方の端部とが第3の方向に離間してよい。この場合、第2の主面には、外部連結導体に対して露出する露出部が形成される。従って、実装時には当該露出部を器具で吸引して電子部品を搬送することができる。
【0012】
第1の方向から見て、外部連結導体は、第1の内部電極及び第2の内部電極と重ならないように配置されてよい。この場合、外部連結導体と第1の内部電極及び第2の内部電極との間で、浮遊容量が発生することを抑制できる。
【0013】
第1の端子電極、及び第2の端子電極は、導電性樹脂層を含んでよい。この場合、実装基板の撓みによる応力の影響を緩和することによって電子部品の信頼性を高めることができる。
【0014】
本発明に係る電子部品は、第1の方向に対向する第1の主面及び第2の主面、第1の方向と直交する第2の方向に対向する第1の端面及び第2の端面、並びに第1の方向及び第2の方向と直交する第3の方向に対向する第1の側面及び第2の側面を有する素体と、第1の端面に形成される第1の端子電極と、第2の端面に形成される第2の端子電極と、素体内に設けられ、第1の端面にて第1の端子電極と接続される第1の内部電極と、素体内に設けられ、第2の端面にて第2の端子電極と接続される第2の内部電極と、素体内に設けられ、第1の側面に引き出される第3の内部電極と、素体内に設けられ、第2の側面に引き出される第4の内部電極と、素体内に設けられ、第2の方向において第1の内部電極と第2の内部電極との間に配置され、第1の側面に引き出される第5の内部電極と、素体内に設けられ、第2の方向において第3の内部電極と第4の内部電極との間に配置され、第2の側面に引き出される第6の内部電極と、を備え、第3の内部電極と第6の内部電極とは、少なくとも第1の側面及び第2の側面に形成された第1の外部連結導体を介して電気的に接続され、第4の内部電極と第5の内部電極とは、少なくとも第1の側面及び第2の側面に形成された第2の外部連結導体を介して電気的に接続され、第1の方向において、第1の内部電極は、第2の内部電極、第4の内部電極、第5の内部電極、及び第6の内部電極と対向することなく、第3の内部電極と対向し、第1の方向において、第2の内部電極は、第1の内部電極、第3の内部電極、第5の内部電極、及び第6の内部電極と対向することなく、第4の内部電極と対向し、第1の方向において、第5の内部電極は、第1の内部電極、第2の内部電極、第3の内部電極、及び第4の内部電極と対向することなく、第6の内部電極と対向する。
【0015】
この電子部品では、第1の端子電極に接続された第1の内部電極は、第3の内部電極と対向し、第2の端子電極に接続された第2の内部電極は、第4の内部電極と対向し、第5の内部電極は、第6の内部電極と対向する。ここで、第3の内部電極と第6の内部電極とは、少なくとも第1の側面及び第2の側面に形成された第1の外部連結導体を介して電気的に接続される。また、第4の内部電極と第5の内部電極とは、少なくとも第1の側面及び第2の側面に形成された第2の外部連結導体を介して電気的に接続される。このような構成により、第1の内部電極及び第3の内部電極で構成されるコンデンサ部と、第5の内部電極及び第6の内部電極で構成されるコンデンサ部と、第2の内部電極及び第4の内部電極で構成されるコンデンサ部とが、第1の外部連結導体及び第2の外部連結導体を介して直列に接続された状態となるため、信頼性を向上できる。また、第1の内部電極は、第2の内部電極、第4の内部電極、第5の内部電極、及び第6の内部電極と対向しない。第2の内部電極は、第1の内部電極、第3の内部電極、第5の内部電極、及び第6の内部電極と対向しない。第5の内部電極は、第1の内部電極、第2の内部電極、第3の内部電極、及び第4の内部電極と対向しない。すなわち、隣り合う一方のコンデンサと他方のコンデンサとの間には、互いの内部電極を接続する連結部分が存在していない。そのため、一方のコンデンサ部で発生したクラックが、連結部分に沿って他方のコンデンサ部へ到達することを抑制できる。そのため、隣り合う両方のコンデンサ部にクラックが入ってショートすることを抑制できる。以上より、直列接続された複数のコンデンサ部を有する電子部品の性能を向上することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、性能向上することができる、直列接続された複数のコンデンサ部を有する電子部品を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1図1(a)は、本実施形態に係る電子部品の平面図、図1(b)は、本実施形態に係る電子部品の正面図である。
図2図2(a)は、図1(a)に示すIIa-IIa線に沿った断面図であり、図2(b)は、図1(b)に示すIIb-IIb線に沿った断面図である。
図3図3(a)は、第1の内部電極及び第2の内部電極を示す図であり、図3(b)は、第3の内部電極及び第4の内部電極を示す図であり、図3(c)は、第1の内部電極及び第2の内部電極と、第3の内部電極及び第4の内部電極とが重なった様子を示す図である。
図4図4(a)は実施形態に係る電子部品を示す断面図であり、図4(b)は比較例に係る電子部品を示す断面図である。
図5図5(a)(b)は実施形態に係る電子部品を示す断面図であり、図5(c)(d)は比較例に係る電子部品を示す断面図である。
図6】変形例に係る電子部品を示す図である。
図7】変形例に係る電子部品を示す図である。
図8】変形例に係る電子部品を示す図である。
図9】変形例に係る電子部品を示す図である。
図10】変形例に係る電子部品の内部電極を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、説明において、同一要素又は同一機能を有する要素には、同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
【0019】
まず、図1図3を参照して、本実施形態に係る電子部品100の構成について説明する。図1(a)は、本実施形態に係る電子部品の平面図、図1(b)は、本実施形態に係る電子部品の正面図である。図2(a)は、図1(a)に示すIIa-IIa線に沿った断面図であり、図2(b)は、図1(b)に示すIIb-IIb線に沿った断面図である。
る。図3(a)は、第1の内部電極及び第2の内部電極を示す図であり、図3(b)は、第3の内部電極及び第4の内部電極を示す図であり、図3(c)は、第1の内部電極及び第2の内部電極と、第3の内部電極及び第4の内部電極とが重なった様子を示す図である。図3(c)では、第3の内部電極及び第4の内部電極が仮想線で示されている。
【0020】
なお、以降の説明においては、電子部品100に対してXYZ座標系を設定して説明を行う場合がある。Z軸方向(第1の方向)は、後述の内部電極が積層される積層方向である。Z軸方向は、実装時において実装対象である回路基板の表面と直交する方向である。X軸方向(第2の方向)は、Z軸方向と直交する方向であり、実装時において回路基板の表面と平行な方向である。また、X軸方向は、素体2が延びる長手方向に対応する。Y軸方向(第3の方向)は、Z軸方向及びX軸方向と直交する方向であり、実装時において回路基板の表面と平行でありX軸方向と直交する方向である。図1では、上側がZ軸方向の正側であり、下側がZ軸方向の負側である。
【0021】
図1に示すように、電子部品100は、素体2と、第1の端子電極3と、第2の端子電極4と、外部連結導体6と、を備える。図2に示すように、電子部品100は、第1の内部電極11と、第2の内部電極12と、第3の内部電極13と、第4の内部電極14と、を素体2内に備える。
【0022】
図1に示すように、素体2は、長手方向であるX軸方向に沿って延びる直方体の部品である。素体2は、Z軸方向に対向する第1の主面2a及び第2の主面2bと、X軸方向に対向する第1の端面2c及び第2の端面2dと、Y軸方向に対向する第1の側面2e及び第2の側面2fと、を有する。第1の主面2aはZ軸方向の負側に配置され、第2の主面2bはZ軸方向の正側に配置される。第1の端面2cはX軸方向の負側に配置され、第2の端面2dはX軸方向の正側に配置される。第1の側面2eは、Y軸方向の負側に配置され、第2の側面2fはY軸方向の正側に配置される。このうち、第1の主面2aが、実装時において実装基板と対向する実装面となる。
【0023】
素体2の形状は特に限定されないが、ここではX軸方向の寸法がZ軸方向及びY軸方向の寸法より大きい直方体形状を有している。直方体形状には、角部及び稜線部が面取りされている直方体の形状、及び、角部及び稜線部が丸められている直方体の形状が含まれる。例えば、素体2のX軸方向の長さは0.5~7.7mmであり、Y軸方向の長さは0.29~4.7mmであり、Z軸方向の長さは0.29~4.0mmであってよい。
【0024】
素体2では、Z軸方向に複数の誘電体層(図2(a)に示す誘電体層5)が積層されて構成されている。各誘電体層は、たとえば誘電体材料(BaTiO系、Ba(Ti,Zr)O系、又は(Ba,Ca)TiO系などの誘電体セラミック)を含むセラミックグリーンシートの焼結体から構成される。実際の素体2では、各誘電体層5は、各誘電体層5の間の境界が視認できない程度に一体化されている。
【0025】
端子電極3,4は、素体2の端面2c,2dを覆うように設けられる。端子電極3,4は、他の部材と電子部品100とを電気的に接続するための部分である。端子電極3,4は、本体部3a,4aと、回り込み部3b,4bと、を有する。本体部3a,4aは、素体2の端面2c,2dに形成される。本体部3a,4aは、端面2c,2dの全面を覆うように形成される。回り込み部3b,4bは、本体部3a,4aから主面2a,2b及び側面2e,2fへ回り込むように形成される。回り込み部3bは、主面2a,2b及び側面2e,2fのうち、第1の端面2c付近の一部を覆うように形成される。回り込み部4bは、主面2a,2b及び側面2e,2fのうち、第2の端面2d付近の一部を覆うように形成される。
【0026】
外部連結導体6は、素体2の外部において、第3の内部電極13と第4の内部電極14とを連結する導体である。外部連結導体6は、素体2のうち、X軸軸方向の略中央位置に形成される。外部連結導体6は、端子電極3,4からX軸方向に離間した状態で形成される。外部連結導体6は、X軸方向から見て、素体2を囲むように略コ字状に形成されている(図2(b)参照)。外部連結導体6は、第1の側面2e、第2の側面2f、及び第1の主面2aに延びている。外部連結導体6は、側面2e,2fにおいてZ軸方向の全長にわたって延びている。外部連結導体6は、第1の主面2aにおいてY軸方向の全長にわたって延びている。外部連結導体6は、第2の主面2bのうち、側面2f付近の一部と、側面2e付近の一部と、に形成されている。第2の主面2bにおいて、外部連結導体6のY軸方向の負側の端部6aと正側の端部6bとがY軸方向に離間する。これにより、第2の主面2bの中央位置付近の領域は、外部連結導体6に対して露出した状態となる。
【0027】
端子電極3,4及び外部連結導体6の材料は特に限定されないが、銅を含んでもよい。また、端子電極3,4及び外部連結導体6は、銅焼付層であってもよいし、これらの焼付層の上に、Niめっき層、Snめっき層などを形成してもよい。また、端子電極3,4は、銀などの材料の導電性樹脂層を含んでもよい。
【0028】
図2に示すように、内部電極11,12,13,14は、XY平面と平行に広がる平板状の導体パターンである。内部電極11,12,13,14は、Z軸方向に複数形成される。第1の内部電極11は、素体2内におけるX軸方向の負側の領域に設けられ、第1の端面2cにて第1の端子電極3と接続される。第2の内部電極12は、素体2内におけるX軸方向の正側の領域に設けられ、第2の端面2dにて第2の端子電極4と接続される。第1の内部電極11と第2の内部電極12とは、同一面内に配置される。すなわち、第1の内部電極11と第2の内部電極12とは、同一の誘電体層5上に形成されており、Z軸方向における位置が同一となる。積層前の状態においては、誘電体層5のセラミックグリーンシート上に第1の内部電極11及び第2の内部電極12の導体パターンが形成される。
【0029】
第3の内部電極13は、素体2内におけるX軸方向の負側の領域に設けられ、第1の側面2eに引き出される(図3(b)参照)。第4の内部電極14は、素体2内におけるX軸方向の正側の領域に設けられ、第2の側面2fに引き出される(図3(b)参照)。第3の内部電極13と第4の内部電極14とは、同一面内に配置される。すなわち、第3の内部電極13と第4の内部電極14とは、同一の誘電体層5上に形成されており、Z軸方向における位置が同一となる。積層前の状態においては、誘電体層5のセラミックグリーンシート上に第3の内部電極13及び第4の内部電極14の導体パターンが形成される。第3の内部電極13と第4の内部電極14とは、外部連結導体6を介して電気的に接続される。
【0030】
図3(c)に示すように、Z軸方向において、第1の内部電極11は、第2の内部電極12及び第4の内部電極14と対向することなく、第3の内部電極13と対向する。Z軸方向において、第2の内部電極12は、第1の内部電極11及び第3の内部電極13と対向することなく、第4の内部電極14と対向する。第1の内部電極11及び第2の内部電極12は、X軸方向において第2の内部電極12及び第4の内部電極14と隙間をあけて離間するように配置される。
【0031】
図3を参照して、各内部電極11,12,13,14の具体的な形状の一例について説明する。図3(a)に示すように、第1の内部電極11は、第1の端面2cから素体2の中央位置へ向かってX軸方向の正側へ延びる。第1の内部電極11のX軸方向における内側(X軸方向の正側)の縁部11aは、Y軸方向の負側から正側へ向かうに従ってX軸方向の負側へ向かうように傾斜する。第1の内部電極11のX軸方向の負側の縁部は第1の端面2cから露出して第1の端子電極3と接続される。第1の内部電極11のY軸方向の負側の縁部は第1の側面2eから離間して平行をなす。第1の内部電極11のY軸方向の正側の縁部は第2の側面2fから離間して平行をなす。
【0032】
第2の内部電極12は、第2の端面2dから素体2の中央位置へ向かってX軸方向の負側に延びる。第2の内部電極12のX軸方向における内側(X軸方向の負側)の縁部12aは、Y軸方向の負側から正側へ向かうに従ってX軸方向の負側へ向かうように傾斜する。第2の内部電極12の縁部12aは、第1の内部電極11の縁部11aとX軸方向に離間した状態で平行をなす。第2の内部電極12のX軸方向の正側の縁部は第2の端面2dから露出して第2の端子電極4と接続される。第2の内部電極12のY軸方向の負側の縁部は第1の側面2eから離間して平行をなす。第2の内部電極12のY軸方向の正側の縁部は第2の側面2fから離間して平行をなす。第2の内部電極12のY軸方向の両側の縁部は、第1の内部電極11のY軸方向の両側の縁部とY軸方向において同位置に配置される。
【0033】
図3(b)に示すように、第3の内部電極13は、本体部21と、引出部22と、を備える。本体部21は、Z軸方向から見て、第1の内部電極11と同様な外形を有し、第1の内部電極11と重なるように配置された部分である。従って、本体部21のX軸方向の正側の縁部21aは、第1の内部電極11の縁部11aと同じ形状を有する。本体部21のX軸方向の負側の縁部は、第1の端面2cからX軸方向の正側へ離間する。引出部22は、本体部21からY軸方向の負側へ延びて第1の側面2eで露出することで外部連結導体6に接続される。引出部22は、本体部21の縁部21aから連続するように傾斜した状態で、Y軸方向の負側へ延びる。
【0034】
第4の内部電極14は、本体部23と、引出部24と、を備える。本体部23は、Z軸方向から見て、第2の内部電極12と同様な外形を有し、第2の内部電極12と重なるように配置された部分である。従って、本体部23のX軸方向の負側の縁部23aは、第2の内部電極12の縁部12aと同じ形状を有する。本体部23のX軸方向の正側の縁部は、第2の端面2dからX軸方向の正側へ離間する。引出部24は、本体部23からY軸方向の正側へ延びて第2の側面2fで露出することで外部連結導体6に接続される。引出部24は、本体部23の縁部23aから連続するように傾斜した状態で、Y軸方向の正側へ延びる。
【0035】
以上により、図2(a)に示すように、素体2の内部には、X軸方向の負側の領域にコンデンサ部10Aが形成され、X軸方向の正側の領域にコンデンサ部10Bが形成される。コンデンサ部10Aは、複数の第1の内部電極11と複数の第3の内部電極13が交互に積層されることによって形成される。コンデンサ部10Bは、複数の第2の内部電極12と複数の第4の内部電極14が交互に積層されることによって形成される。
【0036】
Z軸方向から見て、素体2は、内部電極11,12,13,14が形成されない隙間部25を有する。隙間部25は、コンデンサ部10Aとコンデンサ部10Bとの間に形成される。具体的には、隙間部25は、第1の内部電極11の縁部11aと第2の内部電極12の縁部12aとの間の隙間、及び第3の内部電極13の縁部21aと第4の内部電極14の縁部23aとの間の隙間が、Z軸方向に連続することによって形成される。隙間部25のX軸方向における幅は、素体2の層間厚み以上である。層間厚みとは、誘電体層5の一枚分の厚みであり、内部電極11,13間の厚み、及び内部電極12,14間の厚みで規定される。層間厚みは1~50μm程度に設定される。それに対し、隙間部25の幅は1~1000μm程度に設定される。
【0037】
第1の内部電極11及び第2の内部電極12は、積層された内部電極における最外層に配置される。すなわち、素体2の内部に配置された内部電極のうち、最もZ軸方向の正側に配置されるのは第1の内部電極11及び第2の内部電極12であり、最もZ軸方向の負側に配置されるのは第1の内部電極11及び第2の内部電極12である。
【0038】
図4(a)を参照して、コンデンサ部10A,10Bの極性について説明する。図4(a)に示すように、電子部品100の実装時に第1の端子電極3が正極性となり、第2の端子電極4が負極性となるものとする。第3の内部電極13と第4の内部電極14とは外部連結導体6を介して接続されているため、同電位となる。このとき、コンデンサ部10Aにおいては、第1の端子電極3に接続される第1の内部電極11が正極性となり、第3の内部電極13が負極生となる。一方、コンデンサ部10Bにおいては、第2の端子電極4に接続される第4の内部電極14が正極性となり、第2の内部電極12が負極生となる。このように、第1の端子電極3と第2の端子電極4との間に、コンデンサ部10Aとコンデンサ部10Bが直列接続された状態で存在する。
【0039】
次に、本実施形態に係る電子部品100の作用・効果について説明する。
【0040】
まず、比較例に係る電子部品について説明する。図5(c)は、比較例に係る電子部品200の素体2の内部構造を示す概略断面図である。電子部品200は、本実施形態の外部連結導体で連結された第3の内部電極13及び第4の内部電極14に代えて、第1のコンデンサ部10A及び第2のコンデンサ部10Bを同時に形成する内部電極115を備える。内部電極115は、第1の内部電極11及び第2の内部電極12の両方と対向するように延びている。そのため、素体2には隙間部25が形成されず、電極115が、第1のコンデンサ部10Aと第2のコンデンサ部10Bを連結する連結部分CTを有する。このような電子部品200では、外部連結導体を有していないため、第1のコンデンサ部10A及び第2のコンデンサ部10Bの一方がショートしている場合に、当該ショートを検出することができない。また、一方の第1のコンデンサ部10Aで発生したクラックCRが発生した場合、当該クラックCRが連結部分CTに沿って他方の第2のコンデンサ部10Bへ到達する可能性がある。この場合、一方の第1のコンデンサ部10Aのショートの影響により、両方のコンデンサ部10A,10Bがショートしてしまう。
【0041】
図5(d)は、特開2019-46876号公報に開示された構成を有する比較例に係る電子部品250の概略断面図である。当該電子部品250は積層方向にコンデンサ部10A,10Bを有する。電子部品250では各コンデンサ部10A,10Bの個々のショートの検出は可能であるが、層間距離が短いため、たわみクラックCRが発生した差異に、両方のコンデンサ部10A,10Bがショートしてしまうという可能性がある。
【0042】
図4(b)は、比較例に係る電子部品150を示す概略断面図である。電子部品150は、第3の内部電極13と第4の内部電極14が同一面に形成されておらず、第1の内部電極11と第2の内部電極12が同一面に形成されていない。第2のコンデンサ部10Bでは、第4の内部電極が最外層となっている。この場合、第2のコンデンサ部10Bでは、最外層の第4の内部電極(正極)と異極性の第2の端子電極4(負極)との間にて、表面リークが発生する可能性がある。
【0043】
これに対し、本実施形態に係る電子部品100では、第1の端子電極3に接続された第1の内部電極11は、第3の内部電極13と対向し、第2の端子電極4に接続された第2の内部電極12は、第4の内部電極14と対向する。ここで、第3の内部電極13と第4の内部電極14とは、少なくとも第1の側面2e及び第2の側面2fに形成された外部連結導体6を介して電気的に接続される。このような構成により、第1の内部電極11及び第3の内部電極13で構成される第1のコンデンサ部10Aと、第2の内部電極12及び第4の内部電極14で構成される第2のコンデンサ部10Bとが、外部連結導体6を介して直列に接続された状態となるため、信頼性を向上できる。例えば、図5(a)に示すように、第1のコンデンサ部10AにクラックCRが生じてショートしても、第2のコンデンサ部10Bは引き続き用いることができる。また、第1の端子電極3と外部連結導体6を用いることで第1のコンデンサ部10Aにおけるショート不良の有無を測定検査し、第2の端子電極4と外部連結導体6を用いることで第2のコンデンサ部10Bにおけるショート不良の有無を測定検査することができる。
【0044】
また、第1の内部電極11は、第2の内部電極12及び第4の内部電極14と対向せず、第2の内部電極12は、第1の内部電極11及び第3の内部電極13と対向しない。すなわち、一方の第1のコンデンサ部10Aと他方の第2のコンデンサ部10Bとの間には、互いの内部電極を接続する連結部分CT(図5(c)参照)が存在していない。そのため、図5(b)に示すように、一方の第1のコンデンサ部10Aで発生したクラックCRが、連結部分CTに沿って他方の第2のコンデンサ部10Bへ到達することを抑制できる。そのため、両方のコンデンサ部10A,10BにクラックCRが入ってショートすることを抑制できる。
【0045】
ここで、第1の内部電極11及び第2の内部電極12は、積層された内部電極における最外層に配置される。この場合、図4(a)に示すように、各主面において第1の端子電極3に最も近い内部電極は、第1の端子電極3と同極性の第1の内部電極11となり、第2の端子電極4に最も近い内部電極は、第2の端子電極4と同極性の第2の内部電極12となる。そのため、最外層の内部電極と異極性の端子電極との間の表面リークを抑制することができる。以上より、直列接続された複数のコンデンサ部を有する電子部品の性能を向上することができる。
【0046】
Z軸方向から見て、素体2は、内部電極が形成されない隙間部25を有してよい。この場合、一方の第1のコンデンサ部10Aで発生したクラックの他方の第2のコンデンサ部10Bへの進行を抑制できる。
【0047】
隙間部25のX軸方向における幅は、素体2の層間厚み以上であってよい。この場合、隙間部25において、層間における電圧破壊以上の耐圧性を確保することができる。また、隙間部25のX軸方向における幅は特に限定されず、任意の大きさとしてよい。例えば、隙間部25のX軸方向における幅は、素体2のY軸方向の寸法の1%以上であってもよい。
【0048】
外部連結導体6は、第1の側面2e、第2の側面2f、及び第1の主面2aに延びており、第2の主面2bにおいて、外部連結導体6の一方の端部6aと他方の端部6bとがY軸方向に離間してよい。この場合、第2の主面2bには、外部連結導体6に対して露出する露出部46(図1(a)参照)が形成される。従って、実装時には当該露出部46を器具で吸引して電子部品100を搬送することができる。
【0049】
第1の端子電極3、及び第2の端子電極4は、導電性樹脂層を含んでよい。この場合、実装基板の撓みによる応力の影響を緩和する効果によって電子部品100の信頼性を高めることができる。
【0050】
本発明は、上述の実施形態に限定されない。
【0051】
外部連結導体6の構成は、図2(b)に示す構成に限定されず、例えば、図6に示す構成を採用してよい。図6に示す外部連結導体6は、素体2を全周にわたって取り囲む構造を有している。具体的には、外部連結導体6は、第2の主面2bにおいて、図2(b)のような露出部46が形成されないように、第2の主面2bのY軸方向の全長にわたって延びている。
【0052】
内部電極の形状も上述の実施形態に限定されない。例えば、図7に示す構造を採用してもよい。図7に示す例において、第1の内部電極11の縁部11a及び第2の内部電極12の縁部12aは、Y軸方向に平行に延びている。そして、第3の内部電極13の引出部22及び第4の内部電極14の引出部24は、本体部21,23のX軸方向の内側の端部からY軸方向に対して傾斜するように延びている。この場合、第1の内部電極11と第2の内部電極12との間の隙間の部分に、引出部22,24が配置されるような構成となる。
【0053】
このとき、図7(a)に示すように、Z軸方向から見て、外部連結導体6は、第1の内部電極11及び第2の内部電極12と重ならないように配置されてよい。すなわち、外部連結導体6のX軸方向における幅は、縁部11a,12a間の隙間以下の寸法となっている。この場合、外部連結導体6と第1の内部電極11及び第2の内部電極12との間で、浮遊容量が発生することを抑制できる。例えば、図7(b)に示すように、外部連結導体6のX軸方向における幅が、縁部11a,12a間の隙間よりも大きい場合、外部連結導体6と内部電極11,12とが重なる部分で、浮遊容量が発生する可能性がある。ただし、図7(b)の構成を採用してもよい。
【0054】
また、図8に示す構成を採用してもよい。図8(a)に示すように、内部電極11,12,13,14の縁部11a,12a,21a,23aが段差状の形状を有していてもよい。また、図8(b)に示すように、内部電極11,12,13,14の縁部11a,12a,21a,23aが、いずれもY軸方向に平行に延びる形状を有していてもよい。図8に示す構成によれば、内部電極同士が重なる面積を大きくできるので、静電容量を大きくすることができる。
【0055】
また、図9に示すような電子部品300を採用してもよい。電子部品300は、内部電極11,13と、内部電極12,14との間に、第5の内部電極15及び第6の内部電極を有する。第5の内部電極15は、内部電極11,12と同一面内に形成される(図10(a)参照)。第6の内部電16極は、内部電極13,14と同一面内に形成される(図10(b)参照)。第5の内部電極は、本体部26と、側面2eに引き出される引出部27と、を有する。第6の内部電極は、本体部28と、側面2fに引き出される引出部29と、を有する。第5の内部電極15の本体部26と第6の内部電極16の本体部28とは、Z軸方向において対向し、他の内部電極と対向しない。第3の内部電極13の引出部22と第6の内部電極16の引出部29とは、第1の外部連結導体6Aを介して接続される。第4の内部電極14の引出部24と第5の内部電極15の引出部27とは、第2の外部連結導体6Bを介して接続される。これにより、図9(a)に示すように、X軸方向における負側から正側の順に、第1のコンデンサ部10A、第3のコンデンサ部10C、第2のコンデンサ部10Bが形成される。第1のコンデンサ部10Aと第3のコンデンサ部10Cとの間には隙間部25Aが形成される。第3のコンデンサ部10Cと第2のコンデンサ部10Bとの間には隙間部25Bが形成される。
【0056】
以上のように、電子部品300では、第1の端子電極3に接続された第1の内部電極11は、第3の内部電極13と対向し、第2の端子電極4に接続された第2の内部電極12は、第4の内部電極14と対向し、第5の内部電極15は、第6の内部電極16と対向する。ここで、第3の内部電極13と第6の内部電極16とは、少なくとも第1の側面2e及び第2の側面2fに形成された第1の外部連結導体6Aを介して電気的に接続される。また、第4の内部電極14と第5の内部電極15とは、少なくとも第1の側面2e及び第2の側面2fに形成された第2の外部連結導体6Bを介して電気的に接続される。このような構成により、第1の内部電極11及び第3の内部電極13で構成される第1のコンデンサ部10Aと、第5の内部電極15及び第6の内部電極16で構成される第3のコンデンサ部10Cと、第2の内部電極12及び第4の内部電極14で構成される第2のコンデンサ部10Bとが、第1の外部連結導体6A及び第2の外部連結導体6Bを介して直列に接続された状態となるため、信頼性を向上できる。また、第1の内部電極11は、第2の内部電極12、第4の内部電極14、第5の内部電極15、及び第6の内部電極16と対向しない。第2の内部電極12は、第1の内部電極11、第3の内部電極13、第5の内部電極15、及び第6の内部電極16と対向しない。第5の内部電極15は、第1の内部電極11、第2の内部電極12、第3の内部電極13、及び第4の内部電極14と対向しない。すなわち、隣り合う一方のコンデンサ部と他方のコンデンサ部との間には、互いの内部電極を接続する連結部分が存在していない。そのため、一方のコンデンサ部で発生したクラックが、連結部分に沿って他方のコンデンサ部へ到達することを抑制できる。そのため、隣り合う両方のコンデンサ部にクラックが入ってショートすることを抑制できる。以上より、直列接続された複数のコンデンサ部を有する電子部品の性能を向上することができる。
【0057】
素体2の形状は、互いに対向する一対の主面、及び主面間に延びる側面を有していればよく、直方体形状に限定されない。
【0058】
[形態1]
第1の方向に対向する第1の主面及び第2の主面、第1の方向と直交する第2の方向に対向する第1の端面及び第2の端面、並びに第1の方向及び第2の方向と直交する第3の方向に対向する第1の側面及び第2の側面を有する素体と、
前記第1の端面に形成される第1の端子電極と、
前記第2の端面に形成される第2の端子電極と、
前記素体内に設けられ、前記第1の端面にて前記第1の端子電極と接続される第1の内部電極と、
前記素体内に設けられ、前記第2の端面にて前記第2の端子電極と接続される第2の内部電極と、
前記素体内に設けられ、前記第1の側面に引き出される第3の内部電極と、
前記素体内に設けられ、前記第2の側面に引き出される第4の内部電極と、を備え、
前記第3の内部電極と前記第4の内部電極とは、少なくとも前記第1の側面及び前記第2の側面に形成された外部連結導体を介して電気的に接続され、
前記第1の方向において、前記第1の内部電極は、前記第2の内部電極及び前記第4の内部電極と対向することなく、前記第3の内部電極と対向し、
前記第1の方向において、前記第2の内部電極は、前記第1の内部電極及び前記第3の内部電極と対向することなく、前記第4の内部電極と対向する、電子部品。
[形態2]
前記第1の内部電極及び前記第2の内部電極は、積層された内部電極における最外層に配置される、請求項1に記載の電子部品。

[形態3]
前記第1の方向から見て、前記素体は、内部電極が形成されない隙間部を有する、形態1又は2に記載の電子部品。
[形態4]
前記隙間部の前記第2の方向における幅は、前記素体の層間厚み以上である、形態2に記載の電子部品。
[形態5]
前記外部連結導体は、前記第1の側面、前記第2の側面、及び前記第1の主面に延びており、前記第2の主面において、前記外部連結導体の一方の端部と他方の端部とが前記第3の方向に離間する、形態1~4の何れか一項に記載の電子部品。
[形態6]
前記第1の方向から見て、前記外部連結導体は、前記第1の内部電極及び前記第2の内部電極と重ならないように配置される、形態1~5の何れか一項に記載の電子部品。
[形態7]
前記第1の端子電極、及び前記第2の端子電極は、導電性樹脂層を含む、形態1~6の何れか一項に記載の電子部品。
[形態8]
第1の方向に対向する第1の主面及び第2の主面、第1の方向と直交する第2の方向に対向する第1の端面及び第2の端面、並びに第1の方向及び第2の方向と直交する第3の方向に対向する第1の側面及び第2の側面を有する素体と、
前記第1の端面に形成される第1の端子電極と、
前記第2の端面に形成される第2の端子電極と、
前記素体内に設けられ、前記第1の端面にて前記第1の端子電極と接続される第1の内部電極と、
前記素体内に設けられ、前記第2の端面にて前記第2の端子電極と接続される第2の内部電極と、
前記素体内に設けられ、前記第1の側面に引き出される第3の内部電極と、
前記素体内に設けられ、前記第2の側面に引き出される第4の内部電極と、
前記素体内に設けられ、前記第2の方向において前記第1の内部電極と前記第2の内部電極との間に配置され、前記第1の側面に引き出される第5の内部電極と、
前記素体内に設けられ、前記第2の方向において前記第3の内部電極と前記第4の内部電極との間に配置され、前記第2の側面に引き出される第6の内部電極と、を備え、
前記第3の内部電極と前記第6の内部電極とは、少なくとも前記第1の側面及び前記第2の側面に形成された第1の外部連結導体を介して電気的に接続され、
前記第4の内部電極と前記第5の内部電極とは、少なくとも前記第1の側面及び前記第2の側面に形成された第2の外部連結導体を介して電気的に接続され、
前記第1の方向において、前記第1の内部電極は、前記第2の内部電極、前記第4の内部電極、前記第5の内部電極、及び前記第6の内部電極と対向することなく、前記第3の内部電極と対向し、
前記第1の方向において、前記第2の内部電極は、前記第1の内部電極、前記第3の内部電極、前記第5の内部電極、及び前記第6の内部電極と対向することなく、前記第4の内部電極と対向し、
前記第1の方向において、前記第5の内部電極は、前記第1の内部電極、前記第2の内部電極、前記第3の内部電極、及び前記第4の内部電極と対向することなく、前記第6の内部電極と対向する、電子部品。
【符号の説明】
【0059】
2…素体、2a…第1の主面、2b…第2の主面、2c…第1の端面、2d…第2の端面、2e…第1の側面、2f…第2の側面、3…第1の端子電極、4…第2の端子電極、6…外部連結導体、6A…第1の外部連結導体、6B…第2の外部連結導体、11…第1の内部電極、12…第2の内部電極、13…第3の内部電極、14…第4の内部電極、15…第5の内部電極、16…第6の内部電極、100,300…電子部品。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10