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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公開特許公報(A)
(11)【公開番号】P2024052044
(43)【公開日】2024-04-11
(54)【発明の名称】切開装置
(51)【国際特許分類】
   A61B 18/12 20060101AFI20240404BHJP
   A61B 17/56 20060101ALI20240404BHJP
【FI】
A61B18/12
A61B17/56
【審査請求】未請求
【請求項の数】12
【出願形態】OL
(21)【出願番号】P 2022158483
(22)【出願日】2022-09-30
(71)【出願人】
【識別番号】000000941
【氏名又は名称】株式会社カネカ
(74)【代理人】
【識別番号】110002837
【氏名又は名称】弁理士法人アスフィ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】金藤 健
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160KK03
4C160KK18
4C160KK36
4C160KL03
4C160LL03
4C160LL30
4C160MM32
(57)【要約】
【課題】生体組織を浅く切開し易い切開装置を提供する。
【解決手段】前記長手方向に延在する内腔を有し、且つ前記内腔に連通する第1開口部を遠位部の外側面に有しているシャフトと、前記内腔に配置されており前記第1開口部から露出していない第1領域と、前記第1領域よりも遠位側に位置し、前記内腔に配置されており前記第1開口部から露出している第2領域とを有している導電ワイヤと、前記導電ワイヤを操作する操作部材と、前記シャフトの近位端部に配置されているハンドルと、を有し、前記操作部材の操作により前記導電ワイヤの前記第2領域を前記第1開口部に向かう方向に移動させることが可能であり、且つ前記第2領域を前記第1開口部よりも外側に移動させないように構成されている切開装置。
【選択図】図4
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手方向に延在するシャフトであって、前記長手方向に延在する内腔を有し、且つ前記内腔に連通する第1開口部を遠位部の外側面に有しているシャフトと、
導電ワイヤであって、前記内腔に配置されており前記第1開口部から露出していない第1領域と、前記第1領域よりも遠位側に位置し、前記内腔に配置されており前記第1開口部から露出している第2領域とを有している導電ワイヤと、
前記導電ワイヤを操作する少なくとも一つの操作部材と、
前記シャフトの近位端部に配置されているハンドルと、を有し、
前記少なくとも一つの操作部材の操作により前記導電ワイヤの前記第2領域を前記第1開口部に向かう方向に移動させることが可能であり、且つ前記第2領域を前記第1開口部よりも外側に移動させないように構成されている切開装置。
【請求項2】
前記導電ワイヤは、生体内の腱鞘、腱、または靱帯の少なくとも一部を切開するものである請求項1に記載の切開装置。
【請求項3】
前記導電ワイヤは、更に、前記第2領域よりも遠位側に位置し、前記内腔に配置されている第3領域を有している請求項1または2に記載の切開装置。
【請求項4】
前記第3領域の少なくとも一部は、前記シャフトの内側面に固定されている請求項3に記載の切開装置。
【請求項5】
前記導電ワイヤは、第1直線状部と、前記第1直線状部の遠位端に隣接し前記第1直線状部に対して曲っている曲部とを有しており、前記曲部の少なくとも一部は前記第2領域に位置し、
前記少なくとも一つの操作部材は、
前記導電ワイヤの近位端部が固定されており、前記導電ワイヤを遠位側から近位側に向かって引っ張って、前記曲部を直線状にすることが可能に構成されている第1操作部材を含んでいる請求項1または2に記載の切開装置。
【請求項6】
前記第1直線状部の軸方向から見たときの前記第1直線状部の外縁から前記曲部の外縁までの最大直線距離は、前記シャフトの前記内腔の径以下の長さである請求項5に記載の切開装置。
【請求項7】
前記導電ワイヤは、更に、前記曲部の遠位端に隣接し直線状である第2直線状部を有している請求項5に記載の切開装置。
【請求項8】
前記導電ワイヤは、少なくとも前記第2領域に直線状部を有しており、
前記少なくとも一つの操作部材は、
前記導電ワイヤの近位端部が固定されており、前記導電ワイヤを近位側から遠位側に向かって押して、前記直線状部を前記第1開口部に向かって曲げることが可能に構成されている第2操作部材を含んでいる請求項1または2に記載の切開装置。
【請求項9】
更に、前記導電ワイヤの押し込み量が所定の値に至ったときに押し込みを停止させる押し込み量制御部を有している請求項8に記載の切開装置。
【請求項10】
前記少なくとも一つの操作部材は、第3操作部材を有し、
第3操作部材は、前記内腔において前記シャフトの周方向に回転し、前記内腔の径以下の長さの外径を有し、且つ軸方向に延在する孔を有する柱体を有しており、前記導電ワイヤは前記孔を貫通している請求項1または2に記載の切開装置。
【請求項11】
前記第3操作部材は、更に、遠位部が前記柱体に固定されている線状部材と、
前記柱体の中心軸を中心に前記線状部材を回す回転操作部材を含んでいる請求項10に記載の切開装置。
【請求項12】
前記シャフトの前記第1開口部の近位端における径方向の断面の形状は、前記シャフトの中心軸から前記第1開口部の前記近位端に向かう第1方向に短径を有し、前記第1方向に垂直な垂直方向に長径を有する扁平状である請求項1または2に記載の切開装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は切開装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、医療の現場では、体内組織を切開するために高周波切開装置が用いられていた。このような切開装置として、例えば特許文献1には、電気絶縁性の可撓性チューブの先端近傍に長手方向に間隔をあけて一対の孔を形成して、上記可撓性チューブ内に挿通配置された導電ワイヤを上記一対の孔に通してその間の部分において上記可撓性チューブ外に配置し、上記導電ワイヤを手元側から牽引することにより上記可撓性チューブの先端部分が上記一対の孔の間で屈曲するようにした内視鏡用高周波切開具が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003-024346号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のような従来の切開装置では、導電ワイヤを手元側から牽引することにより、可撓性チューブを弓状に屈曲させ、患部を可撓性チューブと導電ワイヤの間に挟み込んでから高周波電流を通電することにより患部を切開することができる。しかし、本発明者の検討により、可撓性チューブを弓状に屈曲させる態様では生体組織を浅く切開し難い場合があることが分かった。本発明は上記の様な問題に着目してなされたものであって、その目的は、生体組織を浅く切開し易い切開装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決することのできた本発明の実施の形態に係る切開装置は、以下の通りである。
[1]長手方向に延在するシャフトであって、前記長手方向に延在する内腔を有し、且つ前記内腔に連通する第1開口部を遠位部の外側面に有しているシャフトと、
導電ワイヤであって、前記内腔に配置されており前記第1開口部から露出していない第1領域と、前記第1領域よりも遠位側に位置し、前記内腔に配置されており前記第1開口部から露出している第2領域とを有している導電ワイヤと、
前記導電ワイヤを操作する少なくとも一つの操作部材と、
前記シャフトの近位端部に配置されているハンドルと、を有し、
前記少なくとも一つの操作部材の操作により前記導電ワイヤの前記第2領域を前記第1開口部に向かう方向に移動させることが可能であり、且つ前記第2領域を前記第1開口部よりも外側に移動させないように構成されている切開装置。
【0006】
上記構成により、例えば第1開口部近傍を生体組織に押し当てて生体組織の一部を第1開口部に食い込ませた状態で、操作部材の操作により導電ワイヤを第1開口部に向かって移動させて、例えば導電ワイヤに高周波電流を通電することにより生体組織を切開することができる。更に、切開装置は、導電ワイヤが第2領域において第1開口部よりも外側に移動しないように構成されているため、生体組織を浅く切開することができる。このような切開装置は、腱鞘炎の患者に対する腱鞘の一部切開等の処置の際に有効である。
【0007】
実施の形態に係る切開装置は、以下の[2]~[12]のいずれかであることが好ましい。
[2]前記導電ワイヤは、生体内の腱鞘、腱、または靱帯の少なくとも一部を切開するものである[1]に記載の切開装置。
[3]前記導電ワイヤは、更に、前記第2領域よりも遠位側に位置し、前記内腔に配置されている第3領域を有している[1]または[2]に記載の切開装置。
[4]前記第3領域の少なくとも一部は、前記シャフトの内側面に固定されている[3]に記載の切開装置。
[5]前記導電ワイヤは、第1直線状部と、前記第1直線状部の遠位端に隣接し前記第1直線状部に対して曲っている曲部とを有しており、前記曲部の少なくとも一部は前記第2領域に位置し、
前記少なくとも一つの操作部材は、
前記導電ワイヤの近位端部が固定されており、前記導電ワイヤを遠位側から近位側に向かって引っ張って、前記曲部を直線状にすることが可能に構成されている第1操作部材を含んでいる[1]~[4]のいずれかに記載の切開装置。
[6]前記第1直線状部の軸方向から見たときの前記第1直線状部の外縁から前記曲部の外縁までの最大直線距離は、前記シャフトの前記内腔の径以下の長さである[5]に記載の切開装置。
[7]前記導電ワイヤは、更に、前記曲部の遠位端に隣接し直線状である第2直線状部を有している[5]または[6]に記載の切開装置。
[8]前記導電ワイヤは、少なくとも前記第2領域に直線状部を有しており、
前記少なくとも一つの操作部材は、
前記導電ワイヤの近位端部が固定されており、前記導電ワイヤを近位側から遠位側に向かって押して、前記直線状部を前記第1開口部に向かって曲げることが可能に構成されている第2操作部材を含んでいる[1]~[7]のいずれかに記載の切開装置。
[9]更に、前記導電ワイヤの押し込み量が所定の値に至ったときに押し込みを停止させる押し込み量制御部を有している[8]に記載の切開装置。
[10]前記少なくとも一つの操作部材は、第3操作部材を有し、
第3操作部材は、前記内腔において前記シャフトの周方向に回転し、前記内腔の径以下の長さの外径を有し、且つ軸方向に延在する孔を有する柱体を有しており、前記導電ワイヤは前記孔を貫通している[1]~[9]のいずれかに記載の切開装置。
[11]前記第3操作部材は、更に、遠位部が前記柱体に固定されている線状部材と、
前記柱体の中心軸を中心に前記線状部材を回す回転操作部材を含んでいる[10]に記載の切開装置。
[12]前記シャフトの前記第1開口部の近位端における径方向の断面の形状は、前記シャフトの中心軸から前記第1開口部の前記近位端に向かう第1方向に短径を有し、前記第1方向に垂直な垂直方向に長径を有する扁平状である[1]~[11]のいずれかに記載の切開装置。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、生体組織を浅く切開し易い切開装置を提供すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、第1の実施の形態に係る切開装置の側面図である。
図2図2は、図1のシャフトの遠位部の一部拡大図である。
図3図3は、図2のA-A断面図である。
図4図4は、第1操作部材の操作により導電ワイヤの第2領域を第1開口部に向かう方向に移動させたときの図2のA-A断面図である。
図5図5は、図2のB-B断面図である。
図6図6は、図1のC-C断面図である。
図7図7は、第2の実施の形態に係る切開装置の側面図である。
図8図8は、図7のシャフトの遠位部の長手方向の断面図である。
図9図9は、第2操作部材の操作により図8の導電ワイヤの第2領域を第1開口部に向かう方向に曲げたときの断面図である。
図10図10は、図7のD-D断面図である。
図11図11は、第3の実施の形態に係る切開装置の側面図である。
図12図12は、図11のシャフトの遠位部の一部拡大図である。
図13図13は、図12のシャフトの内腔に配置された第3操作部材の柱体の斜視図である。
図14図14は、図12のE-E断面図である。
図15図15は、第3操作部材を周方向に回転させたときの図12のE-E断面図である。
図16図16は、変形例の第3操作部材を有する図12のE-E断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下では、下記実施の形態に基づき本発明をより具体的に説明するが、本発明はもとより下記実施の形態によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。なお、各図面において、便宜上、部材符号等を省略する場合もあるが、かかる場合、明細書や他の図面を参照するものとする。また、図面における種々部材の寸法は、本発明の特徴の理解に資することを優先しているため、実際の寸法とは異なる場合がある。
【0011】
本発明の実施の形態に係る切開装置は、長手方向に延在するシャフトであって、前記長手方向に延在する内腔を有し、且つ前記内腔に連通する第1開口部を遠位部の外側面に有しているシャフトと、導電ワイヤであって、前記内腔に配置されており前記第1開口部から露出していない第1領域と、前記第1領域よりも遠位側に位置し、前記内腔に配置されており前記第1開口部から露出している第2領域とを有している導電ワイヤと、前記導電ワイヤを操作する少なくとも一つの操作部材と、前記シャフトの近位端部に配置されているハンドルと、を有し、前記少なくとも一つの操作部材の操作により前記導電ワイヤの前記第2領域を前記第1開口部に向かう方向に移動させることが可能であり、且つ前記第2領域を前記第1開口部よりも外側に移動させないように構成されている。
【0012】
上記構成により、例えば第1開口部近傍を生体組織に押し当てて生体組織の一部を第1開口部に食い込ませた状態で、操作部材の操作により導電ワイヤを第1開口部に向かって移動させて、例えば導電ワイヤに高周波電流を通電することにより生体組織を切開することができる。更に、切開装置は、導電ワイヤが第2領域において第1開口部よりも外側に移動しないように構成されているため、生体組織を浅く切開することができる。このような切開装置は、腱鞘炎の患者に対する腱鞘の一部切開等の処置の際に有効である。
【0013】
以下では、図1図6を参照しながら、第1の実施の形態に係る切開装置について説明する。図1は、第1の実施の形態に係る切開装置の側面図である。図2は、図1のシャフトの遠位部の一部拡大図である。図3は、図2のA-A断面図である。図4は、第1操作部材の操作により導電ワイヤの第2領域を第1開口部に向かう方向に移動させたときの図2のA-A断面図である。図5は、図2のB-B断面図である。図6は、図1のC-C断面図である。
【0014】
図1に示す通り、第1の実施の形態に係る切開装置101は、シャフト20と、導電ワイヤ1と、操作部材10と、ハンドル30を有している。以下では、各部材毎に詳述する。
【0015】
図1に示す通り、シャフト20は、長手方向20Xに延在している。シャフト20は、長手方向20Xに延在する内腔20Lを有している。図2図3に示す通り、シャフト20の内腔20Lには、導電ワイヤ1が配置されている。これにより、導電ワイヤ1をシャフト20により保護することできる。シャフト20は、長手方向20Xに延在する他の内腔を有していてもよい。他の内腔としては、ガイドワイヤ挿入用の内腔、流体の流路用の内腔等が挙げられる。他の内腔から血液を吸引してもよいし、他の内腔から生理食塩水、ヒアルロン酸溶液、造影剤、薬剤等を体内に供給してもよい。またシャフト20は、複数の他の内腔を有していてもよい。
【0016】
シャフト20は、更に内腔20Lに連通する第1開口部21を遠位部20bの外側面20eに有している。第1開口部21が外側面20eに位置することにより、第1開口部21から導電ワイヤ1を露出させて、導電ワイヤ1を生体組織に線接触させ易くすることができる。外側面20eは、シャフト20の周方向20Cの外面である。また第1開口部21近傍を生体組織に押し当てることにより、第1開口部21内に生体組織を食い込ませることもできる。
【0017】
シャフト20の外側面20eにおける第1開口部21の形状は、円形、楕円形、多角形、または角丸多角形であることが好ましく、楕円形、4角形、または角丸4角形であることがより好ましく、楕円形、長方形、または角丸長方形であることが更に好ましい。これにより第1開口部21内に生体組織を食い込ませ易くなる。
【0018】
シャフト20の第1開口部21は、長手方向20Xに延在していることが好ましい。これにより導電ワイヤ1を生体組織に線接触させ易くすることができる。
【0019】
図5に示す通り、シャフト20の第1開口部21の近位端21aにおける径方向の断面の形状は、シャフト20の中心軸から第1開口部21の近位端21aの中心21cに向かう第1方向20Zに短径を有し、且つ第1方向20Zに垂直な垂直方向20Yに長径を有する扁平状であることが好ましい。当該断面は図2のB-B断面に相当する。シャフト20の断面が扁平状であることにより、第1開口部21を生体組織に押し当てる際にブレ難くなる。そのため長径は、短径の1.1倍以上であることが好ましく、1.5倍以上であることがより好ましく、2.0倍以上であることが更に好ましい。一方、長径は、短径の10倍以下であることが好ましく、7倍以下であることがより好ましく、5倍以下であることが更に好ましい。これにより長径の長さを低減できるため、体内にシャフト20を挿入する場合に挿入し易くなる。
【0020】
シャフト20の第1開口部21の周方向20Cの長さは、シャフト20の周方向20Cの長さの0.1倍以上の長さであることが好ましく、0.2倍以上の長さであることがより好ましい。これにより、第1開口部21内に生体組織を食い込ませ易くなる。一方、シャフト20の周方向20Cの長さの0.5倍以下であることが好ましく、0.4倍以下であることがより好ましい。これにより、シャフト20の剛性を向上することができる。
【0021】
シャフト20は、樹脂および/または金属を含むことが好ましい。樹脂としては、例えば、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、フッ素系樹脂、塩化ビニル系樹脂、シリコーン系樹脂、天然ゴム等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。金属としては、例えば、SUS304、SUS316等のステンレス鋼、白金、ニッケル、コバルト、クロム、チタン、タングステン、金、Ni-Ti合金、Co-Cr合金等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。シャフト20は、樹脂を含むチューブを有することが好ましい。またシャフト20は、異なる材料または同じ材料による積層構造を有していてもよい。またシャフト20は、例えば金属からなるチューブ表面に樹脂が被覆されたものを有していてもよい。またシャフト20は、複数のチューブが長手方向20Xに継ぎ合わされた構造を有していてもよい。この場合、複数のチューブは、それぞれ外径の大きさが異なっていてもよく、一方のチューブの端部が他方のチューブの内腔に配置されていてもよい。またシャフト20は、複数のチューブが径方向に接合した構造を有していてもよい。またシャフト20は、例えば近位端部20aにおいて分岐構造を有していてもよい。
【0022】
図3に示す通り、導電ワイヤ1は、シャフト20の内腔20Lに配置されている。導電ワイヤ1は、第1開口部21から露出していない第1領域1pを有している。導電ワイヤ1の第1領域1pでは、シャフト20の内腔20Lに配置されており、シャフト20により保護されている。これにより、所望の位置以外における導電ワイヤ1と生体組織の接触を回避することができる。
【0023】
図3に示す通り、導電ワイヤ1は、更に、第1領域1pよりも遠位側に位置し、内腔20Lに配置されており第1開口部21から露出している第2領域2pを有している。このように第2領域2pが、内腔20L内において、第1開口部21から露出しており剥き出しになっていることにより、導電ワイヤ1を生体組織に接触させ易くすることができる。また、第2領域2pが内腔20Lに配置されている状態、即ちシャフト20よりも外側に第2領域2pが位置していない状態により、生体組織を浅く切開することができる。そのため、導電ワイヤ1は、第2領域2pが第1開口部21の外側にまで移動しないように予め導電ワイヤ1の長さが調整されていることが好ましい。
【0024】
導電ワイヤ1は、生体内の腱鞘、腱、または靱帯の少なくとも一部を切開するものであることが好ましい。例えば、腱鞘炎では、指の使い過ぎ等の原因により腱鞘が肥厚して腱を圧迫して痛みを生じるが、このような肥厚した腱鞘を、導電ワイヤ1により浅く切開することにより症状を低減することができる。また例えば、肥厚した横手根靭帯に対しても同様に導電ワイヤ1により浅く切開することにより症状を低減することができる。
【0025】
導電ワイヤ1は、具体的には、高周波電流を通電することにより生体組織を切開できるものであることが好ましい。高周波電流の周波数は、100kHz以上、20MHz以下であることが好ましく、200kHz以上、5MHz以下であることがより好ましく、300kHz以上、1MHz以下であることが更に好ましい。
【0026】
図3に示す通り、導電ワイヤ1は、更に、第2領域2pよりも遠位側に位置し、内腔20Lに配置されている第3領域3pを有していることが好ましい。第3領域3pは第1開口部21から露出していない領域である。このような第3領域3pは、シャフト20により保護されているため、所望の位置以外における導電ワイヤ1と生体組織の接触を回避することができる。
【0027】
図3に示す通り、第3領域3pの少なくとも一部は、シャフト20の内側面20iに固定されていることが好ましい。具体的には、第3領域3pの遠位端部がシャフト20の内側面20iに固定されていることがより好ましい。これにより、導電ワイヤ1の垂直方向20Yのぶれを低減することができる。当該固定は直接固定であってもよく、間接固定であってもよい。
【0028】
直接固定の態様として、第3領域3pの少なくとも一部が、溶着、溶接、接着、ろう付け等により、シャフト20の内側面20iに固定されている態様が挙げられる。間接固定の態様として、第3領域3pの少なくとも一部が、例えば固定具5を介して、内側面20iに固定されている態様が挙げられる。この場合、固定具5の内部に導電ワイヤ1の遠位端部が固定され、シャフト20の内側面20iに固定具5が固定されていることが好ましい。固定具5は、溶着、溶接、接着、ろう付け等により内側面20iに固定されていてもよい。また固定具5は、内側面20iに食い込むようにして固定されていてもよい。この場合、固定具5は、多角柱、角錐台、円錐台、またはこれらが軸方向に連結したものを含んでいることが好ましい。なお固定具5は円柱を含んでいてもよい。固定具5は、樹脂および/または金属を含むことが好ましく、金属を含むことがより好ましい。固定具5は、シャフト20と同じ素材を含むことが好ましく、同じ素材からなることがより好ましい。
【0029】
導電ワイヤ1は、樹脂および/または金属を含むことが好ましく、金属を含むことがより好ましく、金属からなることが更に好ましい。これにより、導電ワイヤ1は高周波電流を通電し易くなる。金属としては、例えば、ニッケルチタン合金、ステンレス、金、銀、銅、白金、ニッケル、鉄、チタン、アルミ、スズ、亜鉛、タングステン、またはこれらの合金が好ましく、ニッケルチタン合金、またはステンレスがより好ましい。ステンレスとして、SUS303、SUS304、SUS316等が挙げられる。また導電ワイヤ1は、金属線の一部に樹脂が被覆されているものであってもよい。例えば、金属線は第1領域1pおよび/または第3領域3pにおいて樹脂が被覆されていてもよい。
【0030】
導電ワイヤ1は、複数の単線が撚り合わされた撚り線であってもよいが、単線であることが好ましい。これにより生体組織を浅く切開し易くなる。単線の線径は、0.1mm以上、1.5mm以下であることが好ましい。これにより導電ワイヤ1の強度を維持しつつ生体組織を浅く切開し易くなる。また導電ワイヤ1は、長手方向20Xに複数のワイヤが継ぎ合わされた構造を有していてもよい。
【0031】
図3に示す通り、導電ワイヤ1は、第1直線状部1sと、第1直線状部1sの遠位端1sbに隣接し第1直線状部1sに対して曲っている曲部1tとを有していることが好ましい。更に、曲部1tの少なくとも一部は第2領域2pに位置していることが好ましい。導電ワイヤ1を近位側に向けて引っ張ることにより、図4に示す通り、曲部1tが直線状になって、第2領域2pを第1開口部21に向かう方向20Vに移動させることができる。これにより、第2領域2pを生体組織側にわずかに移動させることができるため、導電ワイヤ1により生体組織を浅く切開し易くなる。そのため、図3に示す通り、曲部1tは、第1開口部21とは反対側に向かって凸になっていることが好ましい。また曲部1tは、垂直方向20Yの一方側から他方側に向かって凸になっていてもよい。このような曲部1tを導電ワイヤ1に形成するに当たっては、導電ワイヤ1をシャフト20内に配置する前に、導電ワイヤ1の一部を曲げて癖付けしておけばよい。なお上記直線状とは、完全な直線のみならず、直線に近い形状も含まれる。
【0032】
曲部1tの形状は、屈曲形状、湾曲形状、またはこれらの組み合わせ形状であることが好ましく、湾曲形状であることがより好ましい。なお導電ワイヤ1は、複数の曲部1tを有していてもよい。
【0033】
図3に示す通り、第1直線状部1sの軸方向1Xから見たときの第1直線状部1sの外縁から曲部1tの外縁までの最大直線距離1Dは、シャフト20の内腔20Lの径以下の長さであることが好ましい。これにより、導電ワイヤ1をシャフト20内に収容し易くすることができる。この場合のシャフト20の内腔20Lの径は、軸方向1Xから見たときの内腔20Lの径である。シャフト20の内腔20Lの形状が扁平状であるときは、その長径をシャフト20の内腔20Lの径とする。最大直線距離1Dは、シャフト20の内腔20Lの径の0.9倍以下であることがより好ましく、0.7倍以下であることが更に好ましい。一方、最大直線距離1Dは、シャフト20の内腔20Lの径の0.3倍以上であることが好ましく、0.5倍以上であることがより好ましく、0.6倍以上であることが更に好ましい。これにより、第1開口部21とは反対側に向かって凸になるように曲部1tを配置した場合に第1開口部21に生体組織を食い込ませ易くすることができる。
【0034】
導電ワイヤ1は、更に、曲部1tの遠位端1tbに隣接し直線状である第2直線状部2sを有していることが好ましい。これにより、曲部1tを直線状にするための導電ワイヤ1を引っ張る長さを低減することができる。
【0035】
図3に示す通り、導電ワイヤ1の遠位端は、シャフト20の中心軸を通り垂直方向20Yに延在する仮想平面によりシャフト20を2分割したときに、第1開口部21が存在する側に位置することが好ましい。これにより、導電ワイヤ1を近位側に向けて引っ張ったときに、第2領域2pを第1開口部21に近づけ易くすることができる。
【0036】
操作部材10は、導電ワイヤ1を操作する部材である。図1に示す通り、操作部材10は、第1操作部材11を含んでいることが好ましい。第1操作部材11は、導電ワイヤ1の近位端部1aが固定されており、導電ワイヤ1を遠位側から近位側に向かって引っ張って、曲部1tを直線状にすることが可能に構成されていることが好ましい。具体的には、第1操作部材11は、ハンドル30に対して、シャフト20の長手方向20Xの遠位側から近位側に向かってスライド可能に配置されていることが好ましい。第1操作部材11を近位側に向かってスライドさせることにより、導電ワイヤ1を近位側に向かって引っ張ることができる。図1の方向P1は、シャフト20の長手方向20Xの遠位側から近位側に向かう方向を示している。導電ワイヤ1の近位端部1aは、直接、第1操作部材11に固定されていてもよいし、他の部材を介して固定されていてもよい。
【0037】
図1に示す通り、第1操作部材11は本体部11aを有していることが好ましい。本体部11aの形状は特に限定されないが、円柱状、多角柱状、または角丸多角柱状等であることが好ましい。また本体部11aは、ハンドル30と対向する部分において開口を有していることが好ましい。更に、本体部11aは、当該開口と後述するコネクタ33に連通する導電ワイヤ用内腔を有していることが好ましい。当該導電ワイヤ用内腔に導電ワイヤ1を配置することができる。本体部11aは樹脂および/または金属を含むことが好ましく、樹脂を含むことがより好ましい。
【0038】
図1に示す通り、本体部11aはシャフト20の長手方向20Xに垂直な垂直方向に延在していることが好ましい。これにより本体部11aを把持し易くすることができる。更に、当該垂直方向において、本体部11aの長さは、ハンドル30の長さよりも小さいことが好ましい。これにより本体部11aの重さを低減することができる。一方、図示していないが、本体部11aは、シャフト20の長手方向20Xに延在していてもよい。
【0039】
図1に示す通り、本体部11aは、本体部11aの外側面と、ハンドル30の外側面とが対向するようにハンドル30と隣り合うように配置されていることが好ましい。これにより使用者は本体部11aを把持し易くなる。
【0040】
図1図6に示す通り、第1操作部材11は、本体部11aと、支持部11cと、これらを連結する連結部11bとを有していることが好ましい。例えば、ハンドル30の内腔に支持部11cを配置し、当該内腔に連通するハンドル30の外側面の開口31に連結部11bを配置し、ハンドル30の開口31よりも外側に本体部11aを配置することにより、第1操作部材11をスライドさせることが可能なスライド機構を構成することができる。
【0041】
図6に示す通り、ハンドル30の開口31は、シャフト20の長手方向20Xに延在していることが好ましい。これにより、第1操作部材11を長手方向20Xにスライドさせることができる。
【0042】
切開装置101は、更に、導電ワイヤ1の引っ張り量が所定の値に至ったときに引っ張りを停止させる引っ張り量制御部40を有していることが好ましい。引っ張り量制御部40として、例えば図6に示す通り、ハンドル30の開口31の外縁において、開口31の内側に向かって突出している凸部が挙げられる。これにより第1操作部材11の本体部11aを遠位側から近位側に向かう方向P1に引っ張ったときに、引っ張り量制御部40の凸部は連結部11bに接触して連結部11bの動きを止めることができる。このような凸部のストッパー機能により、第1操作部材11の移動を所定の範囲で止めることができるため、導電ワイヤ1の曲部1tの伸長の程度を調製し易くすることができる。凸部は、弾性を有し、更に強い力がかかったときに変形してストッパー機能を失うように構成されていてもよい。更に凸部は、ハンドル30に複数設けられていてもよい。これにより多段階の移動量の調整が可能となる。なお、連結部11bが弾性を有し、方向P1に強い力がかかったときに変形して、ストッパー機能が解除されるように構成されていてもよい。
【0043】
支持部11cの形状は、特に限定されないが板状、棒状等が挙げられる。支持部11cは樹脂板、金属板、ナット等により構成されていてもよい。支持部11cは樹脂および/または金属を含むことが好ましく、樹脂を含むことがより好ましい。支持部11cには、導電ワイヤ1が接触していてもよく、導電ワイヤ1が固定されていてもよい。
【0044】
連結部11bの形状は、特に限定されないが棒状等が挙げられる。連結部11bは樹脂棒、金属棒、ボルト等により構成されていてもよい。連結部11bは樹脂および/または金属を含むことが好ましく、樹脂を含むことがより好ましい。連結部11bには、導電ワイヤ1が接触していてもよく、導電ワイヤ1が固定されていてもよい。
【0045】
支持部11cと連結部11bは、それぞれ、内部に導電ワイヤ1を配置するための導電ワイヤ用内腔を有していてもよい。これにより、導電ワイヤ1は第1操作部材11の動きに追従して伸長し易くなる。
【0046】
本体部11aと支持部11cと連結部11bとは、繋ぎ目無く一体に形成されていてもよく、異なる部材を嵌合等させて連結することにより一体に形成されていてもよい。
【0047】
図示していないが、本体部11aは、シャフト20の長手方向20Xに垂直な垂直方向において第1操作部材11の長さがハンドル30の長さよりも長く、且つ長手方向20Xの第1操作部材11の長さがハンドル30の長手方向20Xの長さよりも短い形状であってもよい。この場合、本体部11aは、長手方向20Xに延在する内腔を有していることが好ましい。これにより、本体部11aの内腔にハンドル30を配置し、ハンドル30を囲むようにして本体部11aをスライドさせることができる。更に、この場合、ハンドル30と本体部11aは、指を通すことが可能な輪状の指受け部を有していることが好ましい。
【0048】
第1操作部材11をスライドさせるためのスライド機構は上記態様に限定されず、レール、ボルト、ナット、ローラー、ベアリング、ラック、ピニオン、またはこれらの組み合わせによりスライド機構を構成してもよい。このようなスライド機構は、第1操作部材11および/またはハンドル30に固定されていてもよい。またこのようなスライド機構は、必ずしも第1操作部材11とハンドル30以外の部材を用いて構成する必要は無く、第1操作部材11および/またはハンドル30自体の形状を調製することにより構成してもよい。
【0049】
第1操作部材11は、ハンドル30の周方向の外側面に配置されていることが好ましい。これにより、使用者は第1操作部材11を操作し易くなる。第1操作部材11は、回転機構を有していてもよい。回転機構としては、ダイヤル、歯車、ボルト、筒状体、ローラー、またはこれらの組み合わせが挙げられる。回転機構に導電ワイヤ1を巻き付けて、回転機構を回転させて導電ワイヤ1を巻き取ることにより、導電ワイヤ1を遠位側から近位側に向かう方向P1に引っ張ってもよい。また回転機構は引っ張り量制御部40を有していてもよく、所定量回転したときに動きが止まるロック機構を有していてもよい。
【0050】
切開装置101は、更に、コネクタ33を有していることが好ましい。コネクタ33には導電ワイヤ1を接続することができる。コネクタ33を、電線等を介して高周波電源と接続することにより、導電ワイヤ1に高周波電流を通電することができる。コネクタ33は第1操作部材11に配置されていることが好ましい。これにより第1操作部材11の動きに伴って、コネクタ33に連結された導電ワイヤ1を伸長させ易くなる。
【0051】
図1に示す通り、ハンドル30は、シャフト20の近位端部20aに配置されている。シャフト20の近位端部20aはハンドル30に固定されていることが好ましい。ハンドル30を操作することにより、シャフト20を操作することができる。またハンドル30は、シャフト20の近位端部20aの外側面に固定されていることが好ましい。一方、ハンドル30は、シャフト20の近位端部20aの内側面に固定されていてもよい。
【0052】
図1に示す通り、ハンドル30は、使用者が把持できる形状であることが好ましい。ハンドル30の形状としては、円柱状、多角柱状、角丸多角柱状等が挙げられる。ハンドル30は、長手方向20Xに延在していることが好ましい。図示していないが、ハンドル30は、指を通すことが可能な輪状の指受け部を有していてもよい。ハンドル30は、樹脂および/または金属を含むことが好ましく、樹脂からなることがより好ましい。
【0053】
ハンドル30の外径は、シャフト20近位端部20aの外径よりも大きいことが好ましい。これにより使用者がハンドルを把持し易くなる。一方、ハンドル30の外径は、シャフト20の近位端部20aの外径よりも小さくてもよい。この場合、ハンドル30の遠位端部をシャフト20内に配置し易くなる。
【0054】
図示していないが、ハンドル30は、ハンドル30の遠位端部から近位端部に向かって延在している第1内腔を有していることが好ましい。第1内腔はハンドル30を貫通していることが好ましい。例えば第1内腔にシャフト20の近位端部20aを固定することにより、第1内腔をシャフト20の内腔20Lに連通させてもよい。
【0055】
図示していないが、ハンドル30は、更に、導電ワイヤ1の近位端部1aを配置するための第2内腔を有していてもよい。第2内腔は、一方側端部がハンドル30の外側面に位置する開口に連通し、他方側端部が第1内腔に連通していることが好ましい。即ち、第2内腔と第1内腔により分岐が形成されていることが好ましい。分岐を形成している第2内腔と第1内腔に導電ワイヤ1を配置してもよい。
【0056】
ハンドル30は、更に、他の内腔を有していてもよい。他の内腔としては、ガイドワイヤ挿入用の内腔、流体の流路用の内腔等が挙げられる。他の内腔は第1内腔に連通していてもよいし、連通していなくてもよい。
【0057】
以上の通り、切開装置101は、少なくとも一つの操作部材10の操作により導電ワイヤ1の第2領域2pを第1開口部21に向かう方向20Vに移動させることが可能であり、且つ第2領域2pを第1開口部21よりも外側に移動させないように構成されている。具体的には、上述した通り、操作部材10を操作して、導電ワイヤ1を近位側に向けて引っ張ることにより、曲部1tが直線状になって、第2領域2pを第1開口部21に向かう方向20Vに移動させることができる。更に、切開装置101は、導電ワイヤ1が第1開口部21の外側にまで移動しないように導電ワイヤ1の長さが調整されているため、生体組織を浅く切開することができる。また上述の通り、引っ張り量制御部40により、導電ワイヤ1が第1開口部21の外側にまで移動しないようにすることもできる。
【0058】
切開装置101は、生体内の腱鞘、腱、靱帯等の炎症の治療に用いることができる。例えば、腱鞘炎では、指の使い過ぎ等の原因により腱鞘が肥厚して腱を圧迫して痛みを生じるが、このような肥厚した腱鞘を、切開装置101を用いて浅く切開することにより症状を低減することができる。また例えば、肥厚した横手根靭帯に対しても同様に切開装置101を用いて浅く切開することにより症状を低減することができる。切開装置101は、癌組織の切開、ポリープの切開、臓器の一部切開等に用いてもよい。
【0059】
次に、図7図10を参照しながら、第2の実施形態に係る切開装置について説明する。図7は、第2の実施の形態に係る切開装置の側面図である。図8は、図7のシャフトの遠位部の長手方向の断面図であり、当該断面の位置は図2のA-A断面に相当する。図9は、第2操作部材の操作により図8の導電ワイヤの第2領域を第1開口部に向かう方向に曲げたときの断面図である。図10は、図7のD-D断面図である。なお、第1の実施形態に係る切開装置と重複する部分の詳細な説明は省略する。
【0060】
図7に示す通り、第2の実施の形態に係る切開装置102は、シャフト20と、導電ワイヤ1と、操作部材10と、ハンドル30を有している。
【0061】
図8に示す通り、導電ワイヤ1は、少なくとも第2領域2pに直線状部3sを有していることが好ましい。直線状部3sを曲げることにより、導電ワイヤ1の第2領域2pを第1開口部21に向かう方向20Vに移動させることができる。なお導電ワイヤ1は、曲部を有していてもよい。この場合、曲部を更に曲げることにより、導電ワイヤ1の第2領域2pを第1開口部21に向かう方向20Vに移動させてもよい。
【0062】
導電ワイヤ1の遠位端は、シャフト20の中心軸を通り垂直方向20Yに延在する仮想平面によりシャフト20を2分割したときに、第1開口部21が存在しない側に位置することが好ましい。これにより、第1開口部21から生体組織を食い込ませ易くすることができる。
【0063】
図7図8図9に示す通り、少なくとも一つの操作部材10は、第2操作部材12を含んでいることが好ましい。第2操作部材12は、導電ワイヤ1の近位端部1aが固定されており、導電ワイヤ1を近位側から遠位側に向かって押して、直線状部3sを第1開口部21に向かって曲げることが可能に構成されていることが好ましい。具体的には、第2操作部材12は、ハンドル30に対して、シャフト20の長手方向20Xの近位側から遠位側に向かってスライド可能に配置されていることが好ましい。第2操作部材12を遠位側に向かってスライドさせることにより、導電ワイヤ1を遠位側に押し込んで曲げることができる。図7の方向P2は、シャフト20の長手方向20Xの近位側から遠位側に向かう方向を示している。導電ワイヤ1の近位端部1aは、直接、第2操作部材12に固定されていてもよいし、他の部材を介して固定されていてもよい。
【0064】
図7図10に示す通り、第2操作部材12は、本体部12aと、支持部12cと、これらを連結する連結部12bとを有していることが好ましい。例えば、ハンドル30の内腔に支持部12cを配置し、当該内腔に連通するハンドル30の外側面の開口31に連結部12bを配置し、ハンドル30の開口31よりも外側に本体部12aを配置することにより、第2操作部材12をスライドさせることが可能なスライド機構を構成することができる。これら各部は、スライドさせる方向を除いて、第1操作部材11の本体部11a、支持部11c、連結部11bと同様の構成であるため、詳細は第1操作部材11の記載を参照すればよい。
【0065】
ハンドル30の開口31の長手方向20Xにおける長さは、第1開口部21の長手方向20Xにおける長さの2.0倍以下であることが好ましく、1.0倍以下であることがより好ましく、0.5倍以下であることが更に好ましい。これにより、適度に導電ワイヤ1を曲げ易くなる。一方、当該倍率は0.1倍以上であってもよく、0.2倍以上であってもよい。
【0066】
なお第2操作部材12は、更に、遠位側から近位側に向かう方向P1に導電ワイヤ1を引っ張ることが可能に構成されていてもよい。これにより、シャフト20を僅かに曲げることができるため、体内で操作し易くすることができる。
【0067】
切開装置102は、更に、導電ワイヤ1の押し込み量が所定の値に至ったときに押し込みを停止させる押し込み量制御部41を有していることが好ましい。押し込み量制御部41として、例えば図10に示す通り、ハンドル30の開口31の外縁において、開口31の内側に向かって突出している凸部が挙げられる。これにより第2操作部材12の本体部12aを近位側から遠位側に向かう方向P2に押し込んだときに、押し込み量制御部41の凸部は連結部12bに接触して連結部12bの動きを止めることができる。このような凸部のストッパー機能により、第2操作部材12の移動を所定の範囲で止めることができるため、導電ワイヤ1が湾曲して第1開口部21の外側にまで移動しないように調製し易くすることができる。更にこれにより、生体組織を浅く切開することができる。凸部は、弾性を有し、更に強い力がかかったときに変形してストッパー機能を失うように構成されていてもよい。更に凸部は、ハンドル30に複数設けられていてもよい。これにより多段階の移動量の調整が可能となる。なお、連結部12bが弾性を有し、方向P2に強い力がかかったときに変形して、ストッパー機能が解除されるように構成されていてもよい。
【0068】
第2操作部材12をスライドさせるためのスライド機構は上記態様に限定されず、レール、ボルト、ナット、ローラー、ベアリング、ラック、ピニオン、またはこれらの組み合わせによりスライド機構を構成してもよい。このようなスライド機構は、第2操作部材12および/またはハンドル30に固定されていてもよい。またこのようなスライド機構は、必ずしも第2操作部材12とハンドル30以外の部材を用いて構成する必要は無く、第2操作部材12および/またはハンドル30自体の形状を調製することにより構成してもよい。
【0069】
第2操作部材12は、ハンドル30の周方向の外側面に配置されていることが好ましい。これにより、使用者は第2操作部材12を操作し易くなる。第2操作部材12は、回転機構を有していてもよい。回転機構としては、ダイヤル、歯車、ボルト、筒状体、ローラー、またはこれらの組み合わせが挙げられる。回転機構に導電ワイヤ1を巻き付けて、回転機構を回転させることにより、導電ワイヤ1を巻き出して近位側から遠位側に向かう方向P2に押し込んでもよい。また回転機構は押し込み量制御部41を有していてもよく、所定量回転したときに動きが止まるロック機構を有していてもよい。
【0070】
図11図16を参照しながら、第3の実施形態に係る切開装置について説明する。図11は、第3の実施の形態に係る切開装置の側面図である。図12は、図11のシャフトの遠位部の一部拡大図である。図13は、図12のシャフトの内腔に配置された第3操作部材の柱体の斜視図である。図14は、図12のE-E断面図である。図15は、第3操作部材を周方向に回転させたときの図12のE-E断面図である。図16は、変形例の第3操作部材を有する図12のE-E断面図である。
【0071】
図11に示す通り、第3の実施の形態に係る切開装置103は、シャフト20と、導電ワイヤ1と、操作部材10と、ハンドル30を有している。
【0072】
少なくとも一つの操作部材10は、第3操作部材13を有していることが好ましい。第3操作部材13は、柱体13Cを有していることが好ましい。柱体13Cは、内腔20Lにおいてシャフト20の周方向20Cに回転し、内腔20Lの径以下の長さの外径を有し、且つ軸方向13Xに延在する孔13hを有することが好ましい。導電ワイヤ1は孔13hを貫通していることが好ましい。このような柱体13Cを柱体13Cの中心軸13cを中心に周方向20Cに回転させることにより、中心軸13cを中心に導電ワイヤ1を回転させることができる。このような回転により、図15に示す通り、導電ワイヤ1の第2領域2pを第1開口部21に向かう方向20Vに移動させることができる。なお図15の柱体13Cは、図14の柱体13Cを180度回転させた状態のものである。
【0073】
柱体13Cの孔13hの個数は1個以上、12個以下であることが好ましく、2個以上、6個以下であることがより好ましい。孔13hの個数が複数の場合、例えば、導電ワイヤ1と後述する線状部材13Bを孔13hに配置してもよい。第3操作部材13は、2つ以上の柱体13Cを有していてもよい。例えば、第3操作部材13は、後述する領域Aに遠位端13bが位置するように配置された柱体13Cと、領域Bに近位端13aが位置するように配置された柱体13Cとを有していてもよい。
【0074】
シャフト20の径方向の断面において、柱体13Cの図心を通る線分の最小長さは、第1開口部21の垂直方向20Yにおける最大長さよりも長いことが好ましい。柱体13Cの図心を通る線分とは、柱体13Cの図心を通る仮想直線と柱体13Cの外縁との2つの交点を結ぶ線分のことである。当該構成により、柱体13Cは第1開口部21から露出している位置に配置されても、第1開口部21から脱離し難くなる。
【0075】
柱体13Cは円柱体であることが好ましい。これにより柱体13Cは周方向20Cに回転し易くなる。その他に、柱体13Cは楕円柱体、多角柱体、または角丸多角柱体であってもよい。柱体13Cが複数である場合には、それぞれ異なる形状であってもよいが、同じ形状であることが好ましい。
【0076】
柱体13Cは、樹脂および/または金属を含むことが好ましく、樹脂を含むことがより好ましく、樹脂からなることが更に好ましい。樹脂としては、例えば、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、フッ素系樹脂、塩化ビニル系樹脂、シリコーン系樹脂、天然ゴム等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。金属としては、例えば、SUS304、SUS316等のステンレス鋼、白金、ニッケル、コバルト、クロム、チタン、タングステン、金、Ni-Ti合金、Co-Cr合金等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。また柱体13Cは、表面に樹脂が被覆された金属柱であってもよい。
【0077】
図示していないが、シャフト20の内側面20iは、柱体13Cの近位端13aよりも近位側および/または遠位端13bよりも遠位側に隆起部を有していることが好ましい。これにより、柱体13Cの長手方向20Xにおける位置ずれを低減することができる。隆起部は柱体13Cに接触していることが好ましい。これにより位置ずれを一層、低減することができる。
【0078】
図11に示す通り、第3操作部材13は、更に、遠位部13Bbが柱体13Cに固定されている線状部材13Bを含んでいることが好ましい。線状部材13Bを介して柱体13Cの中心軸13cを中心に周方向20Cに回転させることにより、柱体13Cと導電ワイヤ1とを柱体13Cの中心軸13cを中心に回転させることができる。線状部材13Bは、直線状部13Bsを有していることが好ましい。直線状部13Bsにより、柱体13Cを回転し易くすることができる。更に、直線状部13Bsは、長手方向20Xに延在していることが好ましい。なお線状部材13Bは、直線状部13Bsに対して曲っている曲部を有していてもよい。
【0079】
線状部材13Bは、樹脂および/または金属を含むことが好ましく、樹脂および金属を含むことがより好ましい。樹脂としては、例えば、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、フッ素系樹脂、塩化ビニル系樹脂、シリコーン系樹脂、天然ゴム等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。金属としては、例えば、SUS304、SUS316等のステンレス鋼、白金、ニッケル、コバルト、クロム、チタン、タングステン、金、Ni-Ti合金、Co-Cr合金等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。線状部材13Bは、金属線を含むことが好ましく、金属線の表面に樹脂が被覆されたものであることがより好ましい。線状部材13Bは、単線を含んでいてもよく、複数の単線が撚り合わされた撚り線を含んでいてもよい。
【0080】
図11に示す通り、第3操作部材13は、更に、柱体13Cの中心軸13cを中心に線状部材13Bを回す回転操作部材13Aを含んでいることが好ましい。具体的には、第3操作部材13は、回転操作部材13Aを線状部材13Bの近位部13Baに有していることが好ましい。このような回転操作部材13Aを回転させて線状部材13Bを動かすことにより、線状部材13Bを介して柱体13Cを柱体13Cの中心軸13cを中心に周方向20Cに回転させることができる。更に、この柱体13Cの回転に伴って、導電ワイヤ1を回転させることができる。この場合、線状部材13Bの直線状部13Bsの近位部13Bsaは、近位部13Bsaの中心軸が回転操作部材13Aの中心軸と一致しないように回転操作部材13Aに固定されていることが好ましい。これにより、直線状部13Bsを回転操作部材13Aの中心軸を中心に回転させることができ、これに伴って、中心軸13cを中心に柱体13Cを回転させることができる。回転操作部材13Aは、直線状部13Bsの近位部13Bsaに直接連結されていることが好ましいが、他の部材を介して間接的に連結されていてもよい。また図11に示す通り、回転操作部材13Aは、その中心軸がハンドル30の中心軸と一致しないように配置されていることが好ましい。これにより、シャフト20の中心軸から外れた位置に線状部材13Bを配置し易くなる結果、線状部材13Bを介して柱体13Cを回転し易くすることができる。
【0081】
回転操作部材13Aは、ハンドル30の近位端部に配置されていることが好ましい。これにより、使用者は回転操作部材13Aを操作し易くなる。回転操作部材13Aは、回転機構を有していることが好ましい。図11の回転操作部材13Aは、使用者が回転機構の中心軸を中心に回転させることができる回転機構を有している。回転機構は、ダイヤル、歯車、ボルト、筒状体、ローラー、またはこれらの組み合わせを有していることが好ましく、ダイヤル、歯車、ボルト、筒状体、ローラー、またはこれらの組み合わせからなることがより好ましい。回転機構は、孔を有し、当該孔には直線状部13Bsの近位部13Bsaが配置されて固定されていることが好ましい。更に当該孔は、回転機構の中心軸よりも外側に位置するように配置されていることが好ましい。また回転機構が筒状体を有している場合、筒状体は内部に螺旋状の溝または凸条、円状の溝または凸条等を有していることが好ましい。またこの場合、ハンドル30は、これらに嵌合することが可能な螺旋状の凸条または溝、円状の凸条または溝等を有していることが好ましい。
【0082】
図示していないが、回転操作部材13Aは、ハンドル30の外側面に配置されていてもよい。当該外側面はハンドル30の周方向の外面である。この場合、回転機構は、ダイヤル、歯車、交差軸歯車、ウォーム、スプロケット、プーリー、ローラー、ベルト、ロープまたはこれらの組み合わせを含んでいることが好ましい。これにより、回転方向を周方向20Cに変換することができる。
【0083】
図12図15に示す通り、導電ワイヤ1は、直線状部1sと曲部1tとを有していることが好ましい。更に、曲部1tは、直線状部1sの遠位端部1sbに位置し、直線状部1sに対して曲っていることが好ましい。更に、曲部1tの遠位端部、または導電ワイヤ1の曲部1tの遠位端よりも遠位側の部分は、シャフト20の内側面20iに直接または間接に固定されていることが好ましい。このような構成により、導電ワイヤ1は、柱体13Cの回転に伴って回転し易くなる。曲部1tは、直線状部1sに対して曲っていればよく、その形状は、直線状、湾曲状、円状、螺旋状、またはこれらの組み合わせ形状であってもよい。
【0084】
導電ワイヤ1は柱体13Cに固定されていてもよい。例えば図16に示す態様の場合、導電ワイヤ1の遠位端部が柱体13Cの孔13hに配置されて固定されていてもよい。このような態様によっても、柱体13Cの回転に伴って導電ワイヤ1を回転させることができる。
【0085】
図14に示す通り、シャフト20の長手方向20Xにおける第1開口部21の長さをL1としたとき、柱体13Cは、第1開口部21の近位端21aから近位側に長さL1離れた位置までの内腔20Lの領域Aに柱体13Cの遠位端13bが位置するように配置されていることが好ましい。これにより、柱体13Cの回転により、第1開口部21において導電ワイヤ1の第2領域2pが第1開口部21に向かう方向20Vに移動し易くなる。柱体13Cは、更に、領域Aに柱体13Cの近位端13aが位置するように配置されていることがより好ましい。
【0086】
図16に示す通り、シャフト20の長手方向20Xにおける第1開口部21の長さをL1としたとき、柱体13Cは、第1開口部21の遠位端21bから遠位側に長さL1離れた位置までの内腔20Lの領域Bに柱体13Cの近位端13aが位置するように配置されていることが好ましい。これにより、柱体13Cの回転により、第1開口部21において導電ワイヤ1の第2領域2pが第1開口部21に向かう方向20Vに移動し易くなる。
【0087】
図示していないが、柱体13Cの孔13hには、導電ワイヤ1の第2領域2pの一部が配置されていてもよい。この場合、柱体13Cの近位端13aおよび/または遠位端13bが、第1開口部21から露出している位置に配置される。この場合、柱体13Cの近位端13aは、シャフト20の長手方向20Xにおいて、第1開口部21の中心よりも遠位側に位置することが好ましい。これにより、柱体13Cの近位端13aよりも近位側において、導電ワイヤ1が生体組織に接触し易くなる。
【0088】
図11に示す通り、切開装置103は、ハンドル30の外側面に配置されたコネクタ33を有していてもよい。また図示してないが、切開装置103は、ハンドル30の外側面において、第1操作部材11および/または第2操作部材12を有していてもよい。
【符号の説明】
【0089】
1 導電ワイヤ
1a 近位端部
1p、2p、3p 第1領域、第2領域、第3領域
1s 第1直線状部
1sb 遠位端
1t 曲部
1tb 遠位端
1D 最大直線距離
1X 軸方向
2s 第2直線状部
3s 直線状部
5 固定具
10 操作部材
11、12、13 第1操作部材、第2操作部材、第3操作部材
11a、12a 本体部
11b、12b 連結部
11c、12c 支持部
13A 回転操作部材
13B 線状部材
13Bb 遠位部
13C 柱体
13a 近位端
13b 遠位端
13c 中心軸
13h 孔
13X 軸方向
P1 近位側に向かう方向
P2 遠位側に向かう方向
20 シャフト
20a 近位端部
20b 遠位部
20e 外側面
20i 内側面
20C 周方向
20L 内腔
20V 第1開口部に向かう方向
20X 長手方向
20Y 垂直方向
20Z 第1方向
21 第1開口部
21a 近位端
21b 遠位端
21c 近位端の中心
30 ハンドル
31 開口
33 コネクタ
40 引っ張り量制御部
41 押し込み量制御部
101、102、103 切開装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16